少し時間は遡って学院長室にて
「ミスター・ヤレの所を間借りしました。」
「・・・・・・な、なんじゃと?・・・その・・・女子の所に住むっちゅぅ選択肢は無かったんかの?」
もちろん最初はそのつもりだったのである。何軒か間借り出来るようにお願いに行ったのだが、なんせ2週間と長期である。どうしても理由を話さないわけにはいかず、話すと必ず「ゼロ」はさすがねと貴族のお手本のようないやみを言われるのだ。
もとより短気なルイズはすぐに言い合いになり、結局交渉は成功しなかったのだ。自分の短気さを再確認してちょっと凹みながらそう報告した。
学院長のオスマンにとってモット・ヤレは今年の1年の中でもかなり目を引く存在だった。そのせいか直ぐにモットの情報が頭に浮かぶ。
まず自分専用のメイドを連れ込んだというのが一番目立つだろう。学院でも滅多に許される行為ではなかった。最初は元帥の子でも公爵の子でもメイド連れはお断りしていると突っぱねたのだ。そうしたら後日母親が乗り込んできたのである。モンスターペアレンツも真っ青な行動力だった。
母親は学院長室に乗り込むと、やれ息子は神童だ、天才だ、トライアングルも確実のエリートだと自慢話を延々と続ける。正直うんざりしながらも駄目だと言うと、今度は泣きながら息子が領地の自治を負担してくれないと私たちも平民も飢えると言い出したのだ。
学院の事前調査で分かっていたことだが、モットは幼いころから土地改善をはじめとした領地改革で収穫を1,2倍にして神童と評価されていた。
母親は、モットはその後も領地経営に関わっており、学院に居る間も領地経営を見てもらわないと我々も領民も昔のギリギリの生活になってしまうかも知れない。領地経営を頼むに当たって身の回りの世話をするメイドがいなければ時間的余裕が無いと訴えたのだ。
実際にはモットは土地改善はしたが、それだけで領地経営には参加はしていなかった。毎年冬に魔法で土地を潤すだけである。しかし連れ込む理由になるので嘘も方便と母親はモットを領地経営の要として扱ったのである。
母親としては親バカなのもあるが、せっかく最近余裕ができ嗜好品も楽しめる環境に慣れた今から、昔のような質素な生活に戻って暮らすのはどうしても避けたかったのである。メイド連れて行けなきゃ土地改善の秘密を教えないよと言われた為、かなり必死に説得をした。
一方オスマンもかなり頭を抱えていた。お坊ちゃまのわがままなら門前払いだが、理由は領民のためなのである。しかも改善の実績まであるのだ。人格者のオスマンにはどうしても断る言葉が思いつかなかった。
こうしてモットは弱小貴族ながら、メイドを連れ込み学院の隅に愛の巣を作るという偉業を成したのである。
モットの情報を思い出しながら考える。領民からは神童として敬われ、学院の成績も魔法はライン、筆記はトップクラスと優秀である。現時点では文句のつけようが無かった。
シエスタの件を知っていたのならまた話しは変わっていたかもしれないが、一平民の勤め先の移動程度の話題は学院長に上がるようなことは無かったのである。実に幸運なことであった。
「その・・・じゃな、部屋は別としても、同じ家に住むとなると間違いがおこるやもしれん。もしミスター・ヤレに襲われたらどうするんじゃ?」
「モットはそんなことしませんっ!!!」
目に怒りの色を浮かべながらそう反論する。その様子を見てオスマンは決心した。これだけ信頼されているなら大丈夫じゃろうと。もちろんその決断は大間違いであったが。
ルイズにとってモットはどんな存在なのか・・・。なんといっても学院で唯一の友達である。自分に「ゼロ」と言って馬鹿にしないクラスメイトは彼とタバサだけだ。そのタバサも無口なだけで、接点も無く知り合いという程度のものだ。
もう学院に来て半年にもなるが、彼以外に友達は出来なかった。周りから「ゼロ」と馬鹿にされ続ける中で、彼との会話は実に楽しく自分の心を和ませてくれるものだった。
しかも今回の罰により、お願いしにいった女子のいやみを聞いて、より一層彼への依存度を高めていく。表面上はツンツンしていたが、もうルイズの心の中ではモットは絶対的な信頼の置ける大切な友人だったのである。
その友人を侮辱されたとあっては黙っていられない。学院長にすら噛み付くルイズは実に友達思いのいい子だった。
お泊り最終日
ルイズはその信頼の置ける大切な友人に貫かれていた。実に憐れである。
ルイズの膣は初体験から毎日使われたとあって、最初のキツキツ感だけではなく、柔らかくちんぽに絡まるような感触も併せ持つようになった。将来名器に育つなこれはと考えながらユルユルと腰を使う。
もっとガンガン突きたい所だが、いかんせんばれたら殺されることは確実である。すでに安全地帯から出ているような気がしたが、これ以上危険な真似は出来なかった。
「ぅーん・・・さすがに反応無いと飽きたな~」
勝手にやっといて酷い言い草であった。しかし反応が無いとダッチワイフを使ったオナニーのようで、最初の興奮感が薄れてしまうとどうしても発射まではいけそうになかったのである。
「では、本日は私がご奉仕しましょうか?」
「・・・・・・そうだな・・・、んじゃローラはルイズの後始末してから俺の部屋に来てくれ。」
「分かりました。」
そう言ってルイズとローラを残して自分の部屋に戻る。この2週間シエスタはルイズのイタズラに同席させなかった。睡眠薬を飲ませるのもローラの役目である。まだ出会って半年のシエスタをそこまで信用はしていなかったのだ。
出会って半年で無条件にモットを信頼してしまったルイズはなんて純粋なんだろう。睡眠薬も3日も使えばどこかおかしいとキュルケやタバサなら思ったかもしれない。しかし箱入りで人を疑うということを知らない少女には最後まで気づくことができなかった。
「後始末が終わりました。久々にご奉仕させていただきまね。」
「・・・・・・・・・いや、今日は俺が可愛がってやろう。」
ここ数日はルイズにしか出していなく、しかも出しても1発である。何回も使うと傷が付くかもしれないと遠慮したのであった。しかも今日は発射すらしていない。体力は万全である。
俺は久々にローラにリベンジを果たす。既に俺の顔は挑戦者だ。
ローラはそんな俺をみるや、ニヤッとなんとも言えない笑顔を浮かべるのだった。
「・・・なんかやつれてるけど、大丈夫なの?」
「なんとかな・・・。一晩寝れば治ると思う・・・・・・」
「・・・・・・その・・・今までありがとね。助かったわ。」
「ん~俺も結構楽しかったよ。たまに遊びにおいで。」
「・・・・・・ぅん。また来る。」
そう言ってルイズは新しい部屋に戻っていった。
なにやらすごい懐かれてしまった気がする。当初のあまり仲良くならないってプランはどうしちゃったのだろうか?まぁ現時点では婚約者のワルドがいるので恋に発展しそうではないのが救いか・・・。
ルイズと恋仲になるには、積極的に口説くか、サイトのように吊り橋効果で目の前で危機を救うぐらいしかないだろう。逆に言えばそれさえしなければ安全とも言える。サイトを差し置いてルイズを落とすのは流石に死亡フラグである。なんとしても阻止しないといけなかった。
当初とあまりにも狂った現プランをどう立て直すか、頭を悩ませるモットであった。
学園→学院と訂正
読み直すと結構誤字やらへんなのがあった