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[30317] 【習作・オリジナル】真っ黒ダンジョン(仮)
Name: クラクモ◆5e745eb7 ID:0f7bd90b
Date: 2019/01/14 10:12
最新の投稿――2019/01/14  彼女と俺と羽ばたく翼 を掲載しました。

前の話の後半的な内容をお送りします。

構想としては作中の季節に合わせて投稿開始から一年位の秋にこのあたりの展開まで出すつもりだったのに、
こんなに時間が掛かってしまうとは思いませんでした。
余談ですが以前に感想欄でお話しいただいた羽を絡めたエロシーンを、
あまりエロさは無いのですが絡められてちょっと満足しています。



・前書きなど


閲覧していただきありがとうございます。

この作品は以前こちらに投稿した【習作】エロシーンonly にて、ご指摘いただいた点などを踏まえ、
軽いストーリー展開やライトなノリの描写にチャレンジしてみた習作となっています。

基本的にエロありきの展開ですので、エロゲー的ご都合主義が大量に迫り来る事が予想されます。
物語の情緒を求めている方はお気をつけ下さい。

また、この小説はWEB小説投稿サイト、ハーメルン様でもほぼ同時期進行で投稿されています。
同じ『クラクモ』のユーザー名で投稿しておりますのでよろしくお願いします。





・真っ黒なナニカと俺と悪魔 初回投稿 2011/10/29
2011/11/02――文章の区切りを多少修正
2012/06/01――誤字を修正

・状況把握と俺とグループ 初回投稿 2011/10/29
2011/11/02――細かい表現を少し修正
2012/06/01――誤字を修正

・最初の狩りと俺と獲物 初回投稿 2011/10/29
2011/11/02――単語抜けがあった部分を修正
2011/11/06――単語がおかしかった部分を修正

・初めての食事と俺と初めての…… 初回投稿 2011/10/29
2011/12/29――脱字があった部分を修正

・事後報告と俺とお持ち帰り 初回投稿 2011/11/02

・ベッドと俺とその温度 初回投稿 2011/11/06
2011/12/29――細かい表現を数箇所修正

・魔法と俺と黒い人影 初回投稿 2011/11/15
2011/11/24――文字抜けがあった部分を修正
2011/12/29――表現の被っていた部分を修正
2012/06/04――誤字を修正

・瞳の暗示と俺と白色 初回投稿 2011/11/15
2011/11/24――余分な文字があった部分と表現を少し修正

・列車と俺と失敗と 初回投稿 2011/11/24
2011/12/29――表現がおかしい部分があったのを修正

・ラインと俺とアルコール 初回投稿 2011/11/26
2011/11/27――表現が被っていた部分を2箇所修正

幕間 ~それいけ神官ちゃん~ 初回投稿 2011/11/27
2011/12/29――文章の区切りを少し修正

・わんこと俺と召喚陣 初回投稿 2011/12/29
2012/01/15――誤字と文章の一部を修正
2012/03/25――誤字を修正
2012/06/01――被っていた表現などを修正

・獣と俺と、狩りをする人される人 初回投稿 2012/01/15
2012/02/12――誤字と表現がおかしかった所を修正
2012/03/25――なんかもう色々修正
2012/06/01――なんかもう色々修正2nd
2013/08/24――誤字を修正

幕間 ~それいけ狩人さん~ 初回投稿 2012/03/25
2012/06/01―― 一部の表現を修正
2012/06/04―― シーンを一つ追加、他少しだけ修正

・宝?と俺と水の音 初回投稿 2012/06/01
2012/06/04――少し表現を修正
2012/11/09――こまごまとした表現を修正
2013/08/25――不要な文字の入っていた部分を修正

・五色と俺と昔の話 初回投稿 2012/09/19
2012/11/09―― 一部の表現を修正

・眼鏡と俺と格闘戦 初回投稿 2012/11/09
2013/04/05――細かい部分と脱字を修正

・始まる休暇と俺と半分 初回投稿 2013/04/05
2013/8/24――幾つかの部分を修正

・準備と俺と夢見るチカラ 初回投稿 2013/12/23

・記憶と俺と空の色 初回投稿 2018/12/12

・彼女と俺と羽ばたく翼 初回投稿 2019/01/14 <New>



※ 全体の最後にこぼれ話を投稿 2011/11/07

番外~少し未来のこと『春待ち祭り』 初回投稿 2012/02/12
2012/03/25――表現の被り等を複数修正
2012/06/01――少し文章を追加&修正

番外~少し未来の先のこと『国境近くの町で』 2013/08/24





[30317] ・真っ黒なナニカと俺と悪魔
Name: クラクモ◆5e745eb7 ID:0f7bd90b
Date: 2012/06/01 00:12
・真っ黒なナニカと俺と悪魔





――ふと気が付くと、あたり一面真っ黒の中にいた
覚醒した意識に体全体が大きな流れの中に居るかのようなうねりが押し寄せてくる

まるで深い海の底……いや、呼吸は出来るようだ、となると夢……なのかな?
そう考え、古典的だが自分の頬をつねってみる
ッ! とても痛い、ちょっとやりすぎた
そもそも夢の中であっても痛い夢なら苦痛を感じるんじゃないだろうか、意味無いじゃん、痛がり損かも
あ、痛いと言っても人間性や人格的な意味じゃないからね!

涙の滲んだ眼をしばしばさせながら辺りを見渡す
……右を見て、左を見て、もう一度右を見ても、自分の首が動いているのかわからない位に真っ黒です、本当にありがとうございました


おいおいどういう事だい、いくら俺がほんのちょっぴり……いやそれなりに、むしろ意外なほど?
ともかく腹黒だからって、ここまで真っ黒じゃないぜHAHAHA!!
ホント誰かどうにかしてくれーーっ! 手遅れになっても知らんぞーーーー!
等と、しばらく脳内でネタ思考をたれ流しにしていても付近は真っ黒なままである

まあいいか、と他にわかる事を並べてみる
まず自分の事、これは意味不明な状況になった時の定番だね!
住所氏名年齢身長体重職業人間関係社会情勢趣味性癖はたまた昔飼っていた犬の名前まですべてはっきりわかる
しかし現在の状況へ陥った経緯はさっぱり解らない、なんだこの状況、どうしてこうなった

まあいいか(2回目)と、自分の身体を動かして調べてみる……とりあえず五体満足ではあるようだ、動かしている感覚はある
ただちょっと尻がむずむず……いやその、公の場で言い辛いような場所ではなくて、具体的には尾てい骨のあたり?
その辺が妙に気になって手探りで触ってみる、が…………これは……うん! 後回しにしよう!!

実は凄い事になっている気がしたけどまあいいか(3回目)と自分に嘘を吐いて
他の五感もざっくり調べてみたが特に問題はないらしい、聞けるし嗅げるし触れて味わえる事が確認できた
目に関しても、軽く擦ったり目蓋の上から触ってみた時の刺激で見える、もやーんとした電気信号?が感じられたので多分大丈夫だろう

自己チェック完了!と一つ区切りをつけたところで、他にする事が無くなってしまった
周辺はどこもかしこも黒く、自分の立てる音以外は静寂に包まれている
手でかいて泳げるようなものでも無いらしく、ただただ後はあたりを覆っている真っ黒なナニカに漂い、流されゆくままである
そう時代は草食系男子! 受動的で行こう!



         ……◇……◆……◇……



「ふつくしい…… 吸い込まれそうな光だ……」

思わず恍惚とした顔で呟いてしまったが勘弁して欲しい
実はあれから真っ黒なナニカに流されつつ寝ていたみたいなんだけど、何ともいえない違和感を感じて意識が戻ったのさ
周りは相変わらず真っ黒で、ホントは寝たままだったとしても区別がつかないのは内緒だぜ!
夢か現実かは置いておいて、俺にとっては久しぶり(な気がする)に目にする明かりである
いやーホント、あたり一面まるごと全部真っ黒なナニカしか見えない視界に一点の光明ってのが、もう
それはとても美しい紫色の輝きで……


……って、おいまて、やめろ、アレ本当に吸い込んでないか?!

いやいやいやいやまてまて早いまだ慌てるような時間じゃないこの真っ黒なナニカの中に居るのも腹減らないし意外と快適で
あーでもこの中にずっと居るのってどうなのなんていってる間に視界一杯にまで光が広がってきてるし!?
おわー!?今度はさらに強くむにょりともぐにょりともした感覚で身体が引き伸ばされるぅーーー!?
らめぇ、そんなにされたらちぎれちゃうのほぉおぉぉ…………





「へぁ?」
ぶるん、とした感触の後に光が弱まったので目を開くと、思わずそんな声が漏れた
真っ黒じゃないって素敵な事なのね

重力と光がある事に感謝しつつ周りを見回せば
とりあえず前方、数歩離れた所に「ザ・ダークサイド!」という感じの悪っぽい暗色系ローブを纏った
血色悪い細身の美人さんがいらっしゃいます、何故かこちらをガン見しているけど
その隣には男性の視線誘導効果の極めて高い、ナニとは言わないけどピンクなものが見えちゃいそうな生地の少ない服
……服? とにかくそんな服(仮)を着ていらっしゃる、これまた美人さん
そして反対側にはムキムキの肉体に牛の頭ってなんだこの人、人間に見えな

「おふっ!?」

 ─ 108のダメージを受けた ─

そこまで把握した所でいきなり衝撃を受け石壁へ叩きつけられる、あと視界の端に変なの見えた
何事!? と、思う所へ押し寄せる激痛ががが

「フフ、戦力の補充に来てみれば、まさか人間が召喚されるなんて……ね」

 ─ 再生…20ポイント ─

美人さんのどちらか(だと思う、牛人間からこのちょっと高慢そうで綺麗な声が出ると思いたくない)が
何か言っているが、痛くて理解する暇がない
喉の奥から嫌な感じがこみ上げてくる、反射的に咳き込むと添えた手のひらが血で真っ赤だった、こりゃ酷い
医者はどこだ

 ─ 再生…20ポイント ─

訳もわからず痛みのあまり蹲っていると細身の美人さんに片手でぐいっと引き起こされた、どうでもいいけど力強いですね
そしてそのまま俺の血で汚れた顔をペロリと――って、ななな何してはるんですか美人さん! あれですか舐めて癒すとかですか
それなんてエロゲ? じゃなくてこの痛みは内臓系っぽいので折角顔を舐めていただいても直らんとですばい

「アラ? この味……とりあえず殴っちゃったけど、もしかして貴方悪魔だったのかしら?」

 ─ 再生…20ポイント ─

などと混乱して思考がどこかの方言になる俺、そこへ追い撃ちをかけるように美人さんからそんな言葉をかけられる
おまけに変な文字も連続して表示されている

「いやいや、俺が悪魔だなんてわけの解らない……こ、と」

思わぬ加害者の判明と共に、ふと脳裏をよぎるのは真っ黒なナニカの中で尾てい骨にあった違和感――

 ─ 再生…20ポイント ─

無意識に手をやってみれば、そこには腕よりは細くてにょろっとして、ついでに先端が三角で意外に長くて
なにより"手で触れられている"感覚のある素敵に小悪魔……と言うには大きな尻尾が!
嗚呼……神様!! 特に信じてもいなかったけど、こりゃないよ! いくら俺が腹黒いからって悪魔(仮)だなんて!

「ヘェ……? やっぱりそうなのね。 そこまで人間そっくりに擬態できるなんて面白いわ」

 ─ 再生…20ポイント ─
 
「特に、魂の色なんて、まるで人間そのものみたい」

ニタリ、という擬音が聞こえてきそうなゾクゾクする笑みを浮かべて細身の美人さんは続ける

「ま、死なない程度に頑張るといいわ、我らが同朋さん?」

 ─ 再生…8ポイント ─


わけのわからない急転直下の事態に、俺は呆然としたままその場に立ち尽くす事しかできなかった……





「なにやってるの貴方、さっさとこっちへ来なさい」

なんて事を思う暇もなく、部屋の外へ移動しつつある細身さん達に呼ばれてホイホイついて行く俺だった

改めて部屋を見回せば、床は石畳の上に謎の図形、壁は石壁に悪っぽいレリーフ、扉は重そうな石か金属製のいかにもな造りである
中世やファンタジーを舞台にした映画のセットの中へ迷い込んだかのような印象だ
ついでに言えば俺の服装も変化していて、だぼっとした膝下位までの貫頭衣のようなものになっていた
しかもその下には何も着ていない、お陰で尻尾を出すとチラチラと……止めよう、男のチラリズムなんてホント誰得だわ
いつの間にか体が痛いのも直ってるけれど気にしない方向で生きていきたいと思いました、まる

扉の側へ移動しつつ周りを見ていると、目のやり場に困る紐、ゲフンゲフン、服(仮)を着た方の美人さんと目が合った
軽く会釈してみるとにっこり微笑んでくれた、最高です! グッっときました! その羽としっぽ素敵ですね!
アホな事を考えて、思わずサムズアップしそうになるのを我慢しながら隣の牛人間さんにも軽く会釈
頭を下げる事に定評のある日本人の基本動作です
牛人間さんは「カハァ~」と口を大きく開けながら、その力強い手でこちらの背中をバンバンと、って痛い!痛いよ!

 ─ 18のダメージを受けた ─

あまりの強さに再びダメージ表記と思われる表示が視界の端に出ていた
しかし、牛人間さん的には「よろしくな!」と軽く肩を叩いたつもりのようなので我慢しておく
この流されやすさと我慢強さこそ、まさに日本人だと言えよう(キリッ

 ─ 再生…18ポイント ─

石造りの通路を、皆さんの後について歩きながらつらつらと考えをまとめてみる
何故か俺が悪魔(仮)、でもって細身さんが同朋、つまり細身さんも悪魔
先ほどさらっと流したけど前を行く露出きょ、おっと、お尻丸出しに近い美人さんもしっぽがふりふりしているから悪魔だろう、羽もあるし
どうでもいいけど尻尾をしっぽって書くと可愛いよね、まぁそれは置いておいて視界に揺れる形の良い後姿が最高です!
……ふぅ、となると牛人間さんも悪魔?
悪魔と言えば山羊頭だったように思えるけど、山羊頭の悪魔が居るなら牛頭もどこかに居るような気がする

そう、キーワードは悪魔……そして最初の部屋にあった図形、今にして思えば魔法陣、あるいは召喚陣というものだろうか
細身さんは俺の魂が人間のようだと言っていた、普通は人間に対して「貴方人間に似てるね!」とは言わないと思う
……皮肉で言う事はあるかも知れないけども
そして血の味で悪魔であると判るという事は、やはり肉体が悪魔……、……っ!?
こ、これは……つまり俺のイヤーは地獄耳って事じゃないのか!? さらに言えばチョップはパンチ力!?

いやいや待て待て、軽く息をついて変な方向に盛り上がりかける思考を一度落ちつかせる
真っ黒なナニカに入ってから妙に思考が暴走するなぁ、とりあえず俺は元人間である、たぶん、きっと、めいびー、位の認識で置いとこう
しかし、平和に暮らしていた元日本人の割には異常な状況でも気にならないけれど、これは悪魔パワーなのかねー

 ─ 種族:吸精悪魔亜種 ─

視界の片隅に浮かぶ、もうそろそろ状況的に無視するのが難しくなってきた表示を意識しながら、そんな事を考えていた







[30317] ・状況把握と俺とグループ
Name: クラクモ◆5e745eb7 ID:0f7bd90b
Date: 2012/06/01 00:13
・状況把握と俺とグループ






「さ、その辺に座りなさい、ここの説明をするわ」

瓦礫や適当に敷かれた毛皮、妙に小奇麗で高級そうな椅子、小物が置かれた平たい岩、そんな溜まり場っぽい広場へ差し掛かった所で
目的地についたらしく、細身の美人さんが辺りを示しながら声をかけてくる
ちなみに細身の美人さん自身は真っ先に椅子に陣取っていた、イメージ通りですね
牛人間さんは瓦礫の山へどっかりと腰を降ろし、露出の美人さんは毛皮の上へ、俺はその辺の石の上に座ってみる

それから簡単に話を聞いて判明したのが以下のような事だった

・ここは古くからある文明の巨大地下建築物の中ほどにある階層である
・自分達はその巨大な地下建築物に組み込まれた機構によりガードマンとして召喚された魔物である
・無許可で担当階層へ侵入してくる自称探索者をグループ組んで排除するのがお仕事です
・お給料は建築物が全体に帯びている力の供給、またそれにより現世へ留まれる事、および侵入者とその所持品

つまり……そう、自宅警備員から自宅が取れたよ! やったね悪魔ちゃん!
一度職を失ってから駄目人間をやってきた俺がまさかの社会(?)復帰である、これは涙無しでは語れない

わけのわからない気合を入れた所で追加された情報によれば
この建築物を作ったモノ達の事は、このグループ最古参の細身さんであってさえ一度も姿を見た事が無くて
何の目的でこの建築物を作ったのか、今も深部に住んでいるのか、どこかに去ったのか、既に滅びたのか全く解らないのだという
おかげで召喚された者達は、デフォルトの命令である侵入者の排除以外には特に細かい仕事もなく
基本的に、皆好き勝手に過ごしているそうな

「そういう訳で貴方はこれから私達のグループの一人として働いてもらうのだけど……
  貴方、何の悪魔なの?」

と、何故か微妙な目つきで聞かれたので

「俺は、えーと吸精悪魔……ようは淫魔の亜種らしいですよ?」

簡潔に答えてみたら、細身さんが「やっぱりねぇ」なんて諦めた顔で、やれやれとばかりに溜息をついてしまった
え、えー? 我輩何か問題行動を行ってしまったでありますか?
突然の否定的な反応に動揺しつつ挙動不審に陥っている俺、それを見た細身さんは理由を話してくれた

どうやら今回の補充では現在牛人間さんしか居ない前衛を強化するのが目的だったらしい
そこに見た目は勿論の事、種族的にも前衛よりは遊撃に適した淫魔の俺がやってきたのでバランスが悪いそうな

「ア、ちなみに私は吸血鬼よ、それから彼女は貴方と同じ淫魔、そっちの彼はミノタウロス」

細身の美人さん改め吸血鬼さんがメンバーを紹介してくれた
それぞれに名前を聞いてみるが、悪魔の名前には力や拘束力があるとか何とかで教えて貰えなかった、ちょっと残念
元々それなりに消耗がある仕事であり、入れ替わりが多いのでその場その場でアンタやら種族名で呼べば十分なんだとか
ロールプレイングゲームにおける「あくま ABC が あらわれた!」みたいなノリっぽい
何となく悔しいので、俺からはあだ名のようなもので呼びたいと言ったら「ン、それもいいかしらね」なんてOKが出た、割と適当ですね

視線を向けると同業者だったらしい露出さんは「はぁい」と軽く手をヒラヒラさせて笑顔を返してくれた
最初から友好的な態度だったのは同じ種族だからかな? とにかくこれからは先輩と呼ばせていただきたいと伝える
何か重々しく頷いている牛人間さんはアニキとお呼びしよう、特に性的な意味はないので気をつけてね!

最後に我らがグループのリーダー的役割らしい細身さん改め吸血鬼さんを、改めてそのにじみ出るカリスマから姐御と呼んでみたら
ノータイムで強烈な一撃を頂戴した、そんな所がまさに姐御だと思います



自己紹介も済んだのですぐさま階層内の警備任務が始まるかと思いきや、そうでもなかった
この階層までやって来る侵入者はそこそこ手強い相手も多く、安全の為にはもう一人位の前衛が必要だという事である
魔法も肉弾戦も出来るらしい姐御が前出ればいいじゃん、と思ったが口に出すのは止めておいた
さすが俺、学習能力もばっちりである

ならばまた魔法陣を使って召喚だ! といきたい所だけれど、そう簡単には物事を運べないようだ
召喚の魔法陣は建築物が帯びている力(漂っている気配の感じからすると最初に居た所の真っ黒なナニカ?)を利用するらしい
これは一定の周期で強くなったり弱くなったりするようで、何日か待たないと再召喚は無理なんだそうな


そんな事情があって俺の新しい職場はそのまま有給休暇へと突入したのだった
この建築物全体に薄く漂う真っ黒なナニカの影響かお腹は減らないし薄暗くて落ち着くしで、ぐうたら過ごすには最高の職場である

ごろごろしつつ、近くに座っていた先輩に吸血鬼とかミノタウロスって悪魔なの?と、思っていた事を聞いてみれば

「吸血鬼はかなり悪魔に近い存在ね、ミノタウロスは悪魔ではなくて獣人になるわよ」

なんて答えが返ってきた
突っ込んだ所を(性的な意味ではなく)聞いて見ると、召喚によって呼び出されるモノ達をおしなべて魔物と呼ぶそうな
そういった点では同胞という事らしい

また、魔と言っても人間への絶対的な敵対者というわけでもなく、普通の獣のようであったり知性的であったり
戦闘に喜びを感じるものであったりと、それぞれの性質をそれぞれに持った存在という話である
そしてその中でも性質的に人間の敵対者であり、人間への攻撃や誘惑による堕落などなど
とにかく人間を陥れる事で喜びを感じるのが悪魔なのだという

「だから人間のほうから勝手にやってきてくれて、自動的に力も供給されるここは私達悪魔にとってイイ所なのよ?」

なるほどねー、まぁ元々が知的で穏やかな魔物であっても、ここのガードマンとして呼ばれて人間が侵入してきた時点で
敵にはなるのだろうけど、等と種族や召喚に関する情報をまとめていれば

「貴方はどうしてか魂の色が人間みたいに見えるから
  悪魔の私から見ると、とっても……そう、とーーっても美味しそう、ね?」

先輩がいきなり甘い声で囁きながら雌豹のような動きでにじり寄ってきていた
ヤバイ! 何がというかナニが危険だ! 無論性的な意味で! その舌なめずりする仕草が素敵です!

じゃなくて! ととととにかくこのままでは大変な事になりそうなので、この場に居る第三者に助けを求めてみる
姐御は……ダメだ、にやにやしながら面白い事が始まったとばかりにこっちを鑑賞してるよ!
こいつぁ不味いと壁際に座っているアニキへ顔を向けて見れば、何故かいつも通り重々しく頷いてるし! アナタそればかりですね!
くっ! ここは奥義を使わざるを得ないな!
自分でも知らぬ間に現実からファンタジーへの逃亡を成功させてしまっていた俺の力を見せてやるっ!
階層の地理を把握してきますぅ~と声だけ残してスタコラサッサだぜ!
あ~ばよっ! とっつぁ~~~ん



         ……◇……◆……◇……



……ふ~、ここまで来れば先輩も追ってこないだろう
それにしても先輩があんな危険人物だったとはびっくりだった
もしかして、最初から友好的だったのも淫魔的な意味での捕食行動だったんだろうか
笑顔とは本来攻撃の予備動作で――みたいな話を聞いたような聞かないような

というか男と女の淫魔がアレしたらどうなるんだ、夢の永久機関でも完成するのかしらん?
でも、あちらから見たら魂が人間の俺は美味しそうでも、こちらから見た先輩は同族にしか見えないんだよなぁ……眼福だけどね!
たまり場で寝ていたら身に危険が(性的な意味で)迫るのは間違いないし、近くに自分の拠点を確保しておいた方がいいかな

なんて思いながら、てくてく石造りの通路を歩いていると道端に何かが落ちていた
おっと、これは……侵入者のなれの果てかな、見た感じ泥棒というよりは冒険者という風体である
この手の人間が来るって事は、外の世界ではこの建築物=遺跡か迷宮って扱いなのかねー、もっと浅い階層はどうなっているんだろ

 ― 砕けたロッドを手に入れた ―

何気なくその辺の人工物っぽい木の棒を手にとってみると、そんな表示が出てくる
この表示は結局謎のままだった、たまり場の会話の中で遠回しに聞いてみても誰も見えていないらしい
そもそもいきなり悪魔になってこんな所に居るのも意味不明だけどなー

とりあえず手にとって見れば問答無用で何なのか解るようなので
片っ端からその辺のガラクタを持ってみた所、まだ使えそうなマントと杖が見つかる、うまうま
定職についたと思いきや、やってる事はゴミ漁りという事実に気づいたりもしたけど私は元気です

そんな風に落ちている品を漁りつつ歩いていると、他のグループと思われる獣人っぽい一団と遭遇する
思わず身構えてしまったが、皆さん特に関心もなくスルーして行ってしまった
微妙に知性が無さそうに見えたけど、一応召喚された魔物かどうかは互いに理解して動いているものらしい
まだまだひよっこの自覚はあるので音の聞こえるルートを避けて移動を行い
上下それぞれへの階段やその周辺の探索者の気配が多い場所や通路など、主要なポイントを把握してからたまり場へと戻る

……帰りに獣人さん達の惨殺死体があったりして、超びびったよ!
俺もいつかあんな風になってしまうのかなぁ……やだなー
姐御の方針と同じように、自分の生存をモットーにしていった方が良さそうだ

そんな風に軽く大雑把な行動方針を決めて、俺の召喚ライフ一日目は幕を下ろしたのだった





         ……◇……◆……◇……





「勿体ねェ……、勿体ねェー……」

召喚されてから数日が経過し、その間に幸運にもたまり場に近い位置へ拠点を確保できた俺は
今日も今日とてそんな事をブツブツ呟きながら通路でゴミを集めていた、もうそろそろオバケに進化しそう

ゴミといっても探索者の遺留品がメインなので回復薬なんてものもあったりする
使われないまま割れているのもあったから、劣勢になって逃げる時には荷物を投げ捨てて行ったりするのかなぁ
数が多い知性の低いタイプの獣人グループさんは、武器を拾っていく事はあっても
この手のアイテムは放置していってくれるので助かります


日々放置されている遺留品を漁りながら歩いていると、妙に魔法使い用とおぼしき杖が多く残っている事に気が付く
疑問に思って侵入者は魔法使いが多いのか、と顔を合わせた折に姐御へ聞いてみた所

「そんな事は無いわ、ただ数の多い獣人は魔法を使わないし、私達悪魔はこんな道具を使わなくても魔法を扱えるから、必要ないのよ」

なんて言いながら手をかざして火の玉を作り出した
おぉ?! すげぇ! ここに来て見る初の魔法だ! 流石姐御! 教えてください!

「ハァ? なに言ってるの、貴方だって魔法は使えるでしょうに……」

一人で盛り上がっていると、そう言いながら冷たい視線を向けてくる姐御、その蔑んだ視線がもう……ビクンビクン

……ふぅ、それはさて置き魔法である
姐御の言葉によれば、悪魔という存在は仮に発生直後であっても種族に適した種類の魔法を操れるものらしい、のだが……うーむ
魔法ねぇ、淫魔にはどういった魔法があるんだろうか――お? んん? 何かビビっときた
意識を向けたとたん、突然俺の頭の中へ使える魔法が思い浮かんでくる
身の危険を(性的な意味で)冒して先輩から淫魔の魔法について細かい話をねっぷりと聞かせて貰う必要があるかと思ったけど
流石は悪魔ボディ! これから俺の素敵な魔法ライフがはじまるぜ! 後方支援はまかせろー! バリバリー

という訳で脳内に溢れる情報を整理した所、淫魔の使える魔法は大きく次のような属性に分けられるようだ

・水……体液や毒液など液体に関する製造および使用
・月……夢や精神への干渉
・魔……悪魔の基本となる様々な性質

以上!
あれ、何か少なくないですか、特に火とか雷とか氷とか……無いんですか、そうですか
しかもなんだこれ、毒液の使用方法が尻尾の針で刺すとか近距離専用じゃないか! 魔法というか身体的特徴ですよね、これ!?
挙句に毒液の効果は即死とかダメージなんてなくて脱力に睡眠ですよ旦那、あ、媚薬や混乱効果のもあるね
他のも近距離で視線を合わせるとか、爪を鋭く伸ばして先端から注入するとか、唾液を飲ませるとか……
もうね、流石淫魔としか言いようがないラインナップですよ、ハハハ、ハハ……はぁ





         ……◇……◆……◇……





華やかさの欠片も無い、それでいてエロ方面に汁気だけはたっぷりになりそうな、そんな俺の魔法ライフが約束されてから10日後
ついに召喚に必要な力の蓄積が十分な量に達したという事で、グループメンバーは魔法陣の部屋へと集まっていた
この手の部屋は階層内の各所にあり、中でもこの場所は強弱の周期が長い代わりに力の強い魔物が召喚可能なポイントなんだそうな

「さて、前回はパッとしない奴だったけれど、今回はどうかしらね……フフフ」

姐御の口撃! 淫魔♂は心に26のダメージを受けた! ……ホイホイ現れてしまった貧弱な淫魔としては肩身が狭いです、ハイ


そんな風に軽く言葉を交わしている間に、魔法陣はいつか見た綺麗な紫色の光を発しながら少しずつその光量を増していき

――ついには部屋中がその輝きに満たされる!!

うおっ、まぶし!
と、思った次の瞬間には消えていた、あれ、もう終わり? もっとこう姐御が怪しげな詠唱したり血の滴る心臓を捧げたりしないの?


「獣人……ワーウルフかしら? 悪くない引きね」

ぽつりと言葉を漏らす姐御の視線を追って見てみれば、召喚陣の中心には灰色の毛に覆われた人影が現れていた
ふむ、不確定名:うずくまる人影、という所だろうか
油断無く周りを見回しこちらへ歩み寄ってくる狼人君の足運びは熟達した格闘家のように滑らかで隙が無い
なーんて素人の俺がわかる訳もなく、ただ身体つきがすっきりしていて前衛として大丈夫なの?と思う程度の俺だった

後で聞いた所によれば、ワーウルフという種族は並の人間では反応が困難なほどの速度で攻撃を仕掛ける事が可能な上に
防御の面でも通常の武器を通さない特殊な毛皮と強い再生能力で粘り強い戦いが可能な、獣人タイプの中でも上位に位置する魔物だという
なにそれ強い、俺の汁魔法と交換してくれないかな



こうして念願の前衛が加わった現在のグループメンバーは以下の通り

・姐御  ……吸血鬼♀でグループのリーダー的存在、実は前衛で肉弾戦も可能な魔法メインの後衛
・アニキ……ミノタウロス♂、ムキムキの肉体と両刃の斧を使い前衛で戦う
・先輩  ……淫魔♀、前衛のやや後方から幻覚や魅了などで撹乱を行う中衛タイプ
・俺   ……淫魔♂、同じく前衛のやや後方から補助を行う中衛タイプだが、探索者の前衛に女性が少なくて微妙に役に立てそうにない
・狼人君……ワーウルフ♂、素早い動きと鋭い爪や牙を使い前衛で戦う

なんという事でしょう! 改めて考えると俺って、適正な位置である中衛だと応援位しか出来る事がないような?
かといって前に出るのも怖いし……そもそも通路で戦うとなると3人同時はちょっと空間的に無理そうだ
アニキとか斧ぶんぶん振り回すわ身体もデカいわで場所取るからなぁ

となると俺に出来るのは、せいぜい毒液をぴゅぴゅっと飛ばす位? 誤射の危険がある上、射程的に届くか微妙なのが終わってる
マズい、不味いぞ……このままではグループのお荷物になってしまう
その状態のまま次の召喚で有能な後衛や中衛が現れてしまったら
ゴクリ……姐御の事だ「貴方役に立たないからクビね」なんていう恐ろしい事態を招きかねない
何気に俺以外のメンバーが強力な種族で、さらには役割もバランス良く固められている現在のメンバーから外されてしまえば
ファンタジー素人な俺の生存確率はガクンと下がるだろう、この先生きのこるにはどうすれば……



         ……◇……◆……◇……



「ンー、そんな事は絶対に無い、とは言えないけれど……」

結局どうしても良い案が浮かばないので姐御へ泣きついてみた所、予想通り安心できない言葉が返ってきた

「まぁ当面は、それぞれのエモノが被らなければ良いんじゃないかしら?」

むひ? どういう事なんでげしょ
疑問符を浮かべた俺の顔を見て続けて説明を加えてくれる姐御マジ最高です

簡単にまとめると、最初の日に魔物にはそれぞれの性質があるという説明を受けたが
もちろん我らがグループのメンバー達にもそれぞれの欲求がある
戦闘時にそれが満たされていれば他人の事なんてあんまり気にしない、という事だそうな

具体的な例を挙げてみると、アニキや狼人君は肉体を使った戦闘行為、先輩は人間♂を襲えるならば良いらしい

「それから私は血……特に魔法使いの力の篭った血を飲めるなら最高かしらね」

そう考えた場合、俺は人間♀ならなんでも……いやいや、なんでも良くは無いなぁ、若さとか色々大いに選り好みしたいです
とにかく警備任務の最中にそういったエモノとする相手が被らない限りは、戦力だとかはあまり気にしなくてもいいようだ
冷静になって考えてみれば他の知性の低い獣人グループなんて全員前衛なんだから
あんなにゾロゾロいても一度に戦うのは2~3人だよなぁ……とり越し苦労だったかー

でも、あんまり役立たずなのも負けた気がするんで何か役に立てる事を考えておこうかな






[30317] ・最初の狩りと俺と獲物
Name: クラクモ◆5e745eb7 ID:0f7bd90b
Date: 2011/11/06 03:52
・最初の狩りと俺と獲物







さぁ、はぢめての狩りの時間だ

無い頭を使って自分の特性を利用した作戦を考え、姐御へ伝えてみた所「ヘェ、面白そうね」と軽くOKが出たので
下っ端淫魔こと、この俺が今回の作戦部長である
やや細かい内容にアニキや狼人君が少し渋っていたけど
仮に成功すれば魔法などのちょっかいを受けずに戦えると言ったら納得してくれた、二人ともどれだけ魔法嫌いなんですか



         ……◇……◆……◇……



先ず最初に狼人君の嗅覚で手ごろな探索者パーティを探してもらい、姐御が眷属のコウモリを飛ばして職業構成をチェックする
それから探索者パーティの進行方向へ先輩と2人で移動して、音が微かに届く程度の位置で切羽詰ったような叫び声を上げる

「くそっ! こんな所で! くっ、皆をどうした!」

「ふふふ…… 皆さん美味しかったわよ? 残るは貴方ひ・と・り、フフっ」

全滅寸前のパーティ、といった風の演技である
ちなみに俺の格好はいつもの誰得チラリズムローブにボロいフード付きマント、ねじれた木の杖といかにも中堅魔法使いといった所だ
ダンジョン内に落っこちてたホトケさんも使ってもらえて嬉しいだろうと思う
死体そのものは真っ黒なナニカの影響か知らんけどカタカタ動いてたヨ!
それにしても先輩ノリノリですね、本当にそのまま喰べられてしまいそう(もちろん性的な意味)で、グッっときます


「……っ!!」

俺が淫魔(先輩)に襲われているように見える場面に出くわした戦士、剣士、魔法使い、神官のパーティは善人さんだったらしい
こちらを視認すると同時にスムーズに戦闘準備を行い、先輩へ牽制攻撃を仕掛けていく
ほほー、神官はあんな感じの詠唱で精神干渉防御の呪文を唱えるんだなぁ、覚えておこう
先輩はいかにも悔しそうなそぶりを演出しながら手早く撤退していった

しばらく周辺の警戒を続けてから一息入れているパーティの皆さん、そこへ近づいて丁寧にお礼を言う
続いて、自分以外のパーティメンバーが倒されてしまい困っているという感じの、嘘の事情を軽く説明して同行をお願いしてみる
こちらをじっと見つめていた神官さんがリーダーらしき戦士さんへ目配せしたらOKが出た
神官職の人間が持つという魂の気配を察知するスキルを使ったのかな
このあたりの階層では稀に人間に擬態した魔物も現れるので、こういった警戒は必須と言えるのだろう

それにしても神官さんは女性かー
中層から増えてくる基本的な淫魔が女性ばかりである事に対抗してなのか
誘惑の効果が無く悪魔の擬態を見破る事が可能で、その上魅了などの精神支配を解除する魔法まで持った
女性の神官が増えてきてヤり辛くて困っちゃう、と先輩もぼやいていた

逆に、そのパーティの基点となる神官をどうにかしてしまえば……というのが今回の作戦のキモだったりする
ぶっちゃけるとアニキや狼人君が普通に一対一で戦えば、この階層へやってくるレベルの人間の前衛に負ける事はまず無い
何しろ我らがグループメンバーはそれぞれが中ボス級の能力を持った種族で固められているのである
そこを覆してくるのが後衛の魔法職の支援なわけで、覆されたくないこちらとしては神官や魔法使いを真っ先に潰したい
でも後ろに居る……ならば、最初から真横に居ればいいじゃない、という感じの大雑把な作戦なのだ

そこで俺の出番という訳である
擬態した魔物の判別に使われる魂の気配が人間である俺が、あらかじめ探索者パーティへ潜り込んでおき
後衛の近くに待機した状態に持ち込んでしまえば、後は簡単だった


しばらく時間が経過した後で、リベンジマッチとばかりにアニキと狼人君を揃えて襲い掛かってくる先輩
その前へと戦士さんと剣士さんが立ちふさがり、その後方では魔法使いが静かに杖を構え
最後に神官さんが精神干渉を防ぐ支援魔法を唱えようとした、その瞬間!

「『惑わされぬ心をこの者達に与えたま、』ンむぅ!?」

横合いから、がばっと抱きついて神官さんの唇をがっちり塞ぎました、色々柔らかくて素敵です
ついでに隣の魔法使いを、脱力や意識朦朧の効果を篭めた尻尾の毒針でチクリと刺しておく
おおっ、悪魔が人間を襲うってこれだけでも意味があるんだなぁ
何とも言えない充実感が体へ浸透する

そんな初めての"食事"に感動する俺はさて置き、突然の出来事に動揺する魔法使いの背後へと
事前に霧となって付近に紛れていた姐御が実体化して、すぐさま拘束&吸血のコンボを決める、流石姐御だ行動に無駄がない
物理的に血を吸っているのではないのか、あるいは魔法的な能力を使ったのか
魔法使いの人はあっというまにパサパサになってしまわれた

抱きついて拘束した神官さんの体の感触と唇を味わいながら、後はアニキや狼人君が満足するまで戦士さん達と戦って
弱まって飽きたら先輩が魅了→吸精のエロコンボを死ぬまで決めるだけかー
……なんて、のん気に思っていたら腕の中の神官さんが唐突に輝いた

 ― ターゲット不適合:0ダメージを受けた ―

何故か、軽く空気が動いた位の威力なのに隣に居た姐御は押されるように吹っ飛んでいった……ど、どういう事だってばよ!?

「ッ! 聖印を打ち込んでも効かないなんて!?」

呆然と吹っ飛んだ姐御を見ていると、その隙をついて口を離していた神官さんが動揺しつつそんな事を言ってくれた
何をしたか教えてくれるなんて……なんてファンタジー初心者に優しい素晴らしい人なのだろうか

「くっ! むぅー!」

あふれでる感謝の念と愛おしさに、思わず再びディープなキスをしてしまう
ついでにエロい効果のあるという唾液も流し込んでおこう、別に飲ませなくても接触で効果あるらしいけど……ね、ホラ愉しいし

じたばたと果敢に抵抗する神官さんの、ちょっと苦しげな息遣いを感じながら軽く考えてみる
聖印というからには悪魔には有害そう、ふむ……あぁなるほど、それぞれへの効果の違いから考えてみるに
悪魔の魂へと直接攻撃するような無詠唱の魔法なのね、って
それを連発されたら俺は平気でも姐御達が不味い、どうも余波だけであんなに吹き飛んだみたいだし、危険が危ないデシ

と、いう訳で、術式への集中を妨げるように神官さんへも毒針をチクリ
これ一発で肉体も精神もまとめて弱体化してくれるお得な一品です
お尻に刺した瞬間ピクリと震える神官さん、反応が可愛いなー、注射の後という事でしっかり揉んでおこう、もみもみ



「ちょっと! 無力化するならしっかりしなさい!」

プリプリしながら言ってくるほんのり焦げた姐御へ謝罪していると、いつの間にか前衛組の戦闘が終了していた
アニキ達もう飽きたのか、善人パーティさんの強さは微妙だったのかな
体中に傷を負って、ぜぇはぁと息が上がってしまっている戦士さんと剣士さん
そこへ先輩が魅了をかけて……と、おおぉーぅ、男性なら思わず前かがみになったり仰け反ったりしそうな光景が展開されております

「ふふ……いいわよぉ♥ ――んく……さぁ、もっと、くすくすくす」

流石は先輩、エロエロだなぁ
淫魔の体だからか、それほど興奮する事もなく眺める、いや勿論ある程度は興奮しているけど!
ただそれを制御できるというか何と言うか、不思議な感覚である

水っぽい音を立てているR18な風景から手元の神官さんへ目を向けてみると、毒で弱った体へ淫魔のエロ効果な唾液が効いてきたのか
キリッとした視線が少し弱まり顔も赤くなってきていた
というか潤んだ目線が先輩の行為にくぎ付けですね、赤くなるのも仕方ない

神官さん――いや、表情が緩くなったら少し幼く見えてきたから神官ちゃんかな
そんな神官ちゃんは凛とした表情の時は20歳位、今現在は20歳少し前に見える緩いウェーブがかった長い髪をポニテに纏めた綺麗な子だ
額にしている銀の真円の飾りは月神殿だったかな? 森の営みと弓を使う狩りと純潔を司るって姐御が言ってたような
処女神という事で男性の居ない神殿らしいから、ああいった行為には初心なのか
スタイルは、うん、チェインメイルを着ていても感じられるラインが素敵です!
何しろさっきからずっと抱きついて、くまなくまさぐってたからよく解るよ!



         ……◇……◆……◇……



さぁーて、いっひっひ、俺もそろそろ……

「わかったわ、まぁ後の事は任せてヤってきなさい」

神官ちゃんが弱ってきたので事前に確保していた小部屋へ移動する事を伝えると、姐御はそう言って送り出してくれた


これは男性の淫魔に特有の問題らしい
通常、一般的な女性の淫魔が人間の男性から精気を奪う方法はアレであるからして
せいぜい多くて5回、異常にタフな相手でも10回ほどで羨ましいかはともかく肉体的な限界が訪れ、腹上でお亡くなりになる
この為に魂のすべての力を奪いきる事はできない欠点があるという
例えるならレベル13でHPが280ある相手から、1レベル吸い取ると同時に80ダメージ与えている為に
4レベルドレインしただけで相手が死ぬので7レベル分余る、みたいな感じらしい
そして、その速度も淫魔の与える快楽が凄いのか、とても速いのだ
何しろ先輩の"食事"を軽く眺めていた時間で剣士さんはもうお亡くなりになってしまっている、戦士さんも息絶え絶えみたい
すげーな、男としては早漏ってレベルじゃない恐ろしいなにかを感じるぜ……

それを踏まえて男性淫魔はどうだろうか
先ず方法そのものが――先輩が昔、他の淫魔に聞いた話によれば――とりあえず突っ込ンで出せば吸精できるわけでは無いらしい
まあそうだろうなぁ……その場合は出してるのこっちだし
そこで、なんでも魂だか魔力のライン的なモノを繋いだ上で絶頂を迎えさせる事でどうたらこうたらとの事なのだが
何分初心者なものですぐに出来るとは思えない、思考錯誤の時間が必要と思われる
また女性は絶頂による肉体的消耗が男性よりもかなり少ない
つまり一人の肉体の限界が来るまでに吸精できる回数がずっと多い、らしい

結局、一つのパーティを喰ベ終わるのに30分掛からない女性淫魔と比べて、なんだかんだで時間がかかるだろうと予想されたので
一時的にグループから外れて、安全圏の小部屋へ引き篭もる許可を得ていたって訳なのさ

 ― 神官♀を手に入れた ―

Σ!?





         ……◇……◆……◇……





そんな事情からやってきました楽しい小部屋、いや愉しい小部屋?
ここは、上階段から下階段へ繋がるメインルートから大きく外れているたまり場近くの鍵付きの部屋へ
探索者たちが落とした獣っぽいなにかの毛皮やマント類を寝具代わりに詰め込んで
ついでに食料や回復薬を少々溜め込んだ、俺の俺による俺だけの夢の国である
平時は主に先輩から逃げる為に利用されていたりする

そのほとんどはダンジョン内でゴミ扱いされ、落ちていた物というのが本当の夢の島っぽくて泣ける、俺頑張った
ちなみに何故だか状態の良い絨毯なんてのが落ちていた事もあったけど姐御に奪わ……もとい献上したから手元には無いぜ!

妙に大人しい神官ちゃんを毛皮の山へ降ろしてから扉の鍵をかけて……と、した所で後ろの神官ちゃんが輝いた

 ― ターゲット不適合:0ダメージを受けた ―

そして平然と振り向く無傷の俺を見て、神官ちゃんは「そんな、どうして……」なんて言って衝撃を受けているみたい
しかし凄いなー、弱体の毒やエロ唾液が体に回ってかなりフラフラな筈なのに、まだ術へ集中できるのか
神官という職は抵抗力が高いのかな

「くっ、は、離れなさい!」

なんて言いながら、じりじりと後ろへ下がる神官ちゃんの腕をあっさり捕まえてくるっと半回転、横合いから抱きしめる
念の為に唇を奪いつつ、意識して発情効果を強めたエロ唾液を注ぎ込んでその若い肉体を内部から侵していく
力の入らない様子に、身体能力的にはしっかり弱体化してるんだなぁ、なんて少し場違いな感想が浮かぶ
人間を襲っている事で悪魔の体から沸き起こる充実感が、これから行う行為への期待を嫌が応にも高まらせるネ!

「ほら、捕まえた、もう逃げられないよ?」

胸やお腹をまさぐりながら耳元でそう囁く
神官ちゃんは一瞬身を強張らせた後に滅茶苦茶に……おそらく本人はそのつもりでも実際は弱弱しく、健気にも抵抗しはじめた
ところがどっこい、こちらは肉弾戦に向かない淫魔とは言っても悪魔なので、人間の鍛えた前衛位には力があるんだよね
技術や武器の面で勝てはしないけど……あれ? それって俺が経験積んで武器持ったらOreTUEEEEEE!! がはじまるー?
――後で良く考えたら普通の人間の前衛が一人出来上がるだけだった、ガクリ

まぁそれはさて置き、あまり動かれるのも面倒なので尻尾を絡めて両手を軽く拘束しておく
って、自分でやっといて何だけど、なんだこの尻尾、便利過ぎる、流石悪魔だぜ

「やめなさいっ! 私は月神殿の巫女、変な事をすれば神罰が下ります!」

「そんな事言っても無駄だよ、キミだって知ってるだろう? 狩りで捕まったエモノがどうなるのかを
 負けたものが喰べられる、それは月の女神も、いや月の女神こそが認める自然の摂理って奴なのさ!」

「そんな、ありません! うそ……そう、嘘に決まっています!」

「そう? じゃあどうして今ここに、こんな状態でキミが居るのかな?」

「そ、それは……」

あら、なんか呆然としはじめたのでその間に鎧を脱がしてしまおう
いやほんのちょっと屁理屈こねられて信仰に疑問点が出たからって、バンザイさせてローブ脱がしても無抵抗ってどうなの?
こっちとしては楽で良いけど、実は弱体の毒がしっかり効いてて思考がはっきりしてないのかな
そうして下半身がブーツ&下着に、上半身は厚手の肌着みたいな鎧下&グローブだけになった姿をじっくり鑑賞する
……うん、良いね! 盛り上がる鎧下の先端に、内側からツンと立った突起の形がうっすら見えるのも素敵です!

未だに「私、私は……」なんて呟いてる神官ちゃんを、後ろから引き寄せて膝の上に乗せてみた
突然の体勢の変化に可愛い悲鳴をあげて驚く耳元に口をよせて、囁きかける

「だから、これからキミは、俺に喰べられる
 一晩中、ずーっと、体の奥まで、心の底まで、ね」

言うまでもない事だけど、続けられるなら一晩だけで終わらせるつもりなんて勿論、ない





         ……◇……◆……◇……





「ぁ……いやッ」

上半身に唯一残った上着の裾からそっと手を入れて、滑らかな肌をゆっくりとなぞる
こんな風に素肌を触られるのは初めてなのかな? 慣れない刺激を受けて神官ちゃんは現状をはっきりと思い出したようだ
しかし両手を拘束され、後ろから抱きかかえられた状態では身を捩る位しか出来はしない
そのままゆっくりと上着をたくし上げつつ、その揺れるふくらみへと両手を動かしていく

「ひゃ、……ぁ、くぅ……」

服の下からも見えていた頂を指先でするりと撫でてあげると、神官ちゃんは思わず、といった風情で声を漏らした
指の動きに合わせてピクン、ピクンと敏感に反応する様子が何とも可愛らしい
ふくらみを手のひら全体に感じながら、下から押すように、回すように緩やかに揉みしだく

「駄目、です……  い、いけませんッ」

「へぇ、いけないんだ? なら、イケるようにもっとしないと、ね、ふふ……」

なんて言葉を戯れに返しながら、もう首元までたくし上げられた服からのぞく桜色の突起を指で挟んでくりくり擦りあげてみたり

「あッ、ふ……くぅ……」

吐息の乱れた神官ちゃんが再び声を漏らす
両手で包んだふくらみの感触をゆっくりと捏ねるように味わう

「ははっ、声なんて上げて、気持ちよかったの? キミは思っていたよりもいやらしい子なのかな」

「そんな……ッ! ち、ちがいます」

途中でうなじへちゅっと口付けしてあげると神官ちゃんの言葉が一瞬詰まる
ふふ、ホント敏感だなー

「ほら、見てみなよ、ココはもうこんなに固くなってる」

ふくらみから突き出た、充血してすっかり硬くなっている先端を、少し強めに摘んで小刻みに揺すって見せてあげる

「っ――んッ! ッ……く、――!」

でも、神官ちゃんは口を閉じて何かから逃げるように首を振るばかりで見てくれなかった、残念、ちょっと強かったかな
そのまま神官ちゃんへと途切れる事無く、瑞々しい肢体をほぐす様に、じっくりと手を這わせて愛撫を続ける

「っ、はぁ……ぁ、ぃゃ――ぁ、んぅ……」

刺激から逃げようと身をくねらせる神官ちゃんから、また微かに声が漏れ始めた

「ね、気持ちいいでしょ?」

「ぁ……やっ、そんな事……っッ!? あ、ありませんっ」

こんな状態になっていても上気した顔で強がりを言う神官ちゃんが可愛いので、また思わず唇を奪ってしまう

「むぅっ!? ん、んっむぅーー! んんふっ」

片手で頭を支えつつ、こちらから逃れようとする舌を絡めとりながら、たっぷり唾液を流し込んでその暖かな口内を蹂躙する
しばらく大人のキスを続けていると、神官ちゃんの喉がこくりと動くのが見える
おー、息が乱れている時にこうすると呼吸を維持する為に思わず飲み込んじゃうんだなぁ
勉強になるね、さすが初心者に優しい神官ちゃん

「ふふ……そんな事ないって? じゃ、調べてみようか」

唇を離して息を整えようとする神官ちゃんの柔らかな体をなぞりながら、徐々に下腹部へと手を向ける
まぁ割と前からこの薄暗い部屋の明かりでも十分わかる位に、下着がべっとり濡れてるのが見えてるんですけどね!

「あ、いやっ……だめッ、駄目です、そこは……」

手の動きに気づいた神官ちゃんが言っても止める訳がない
頑張って足を閉じようとしているけど、快感に痺れた体では問題にもならない
びしょびしょの生地に浮かび上がっている小さな丘のラインへ、指をするりと割り込ませる

「ぁう、んッ! …………く、うぁっ、ぅく……」

今までと異なる場所への刺激で、今度は腰を浮かせるようにピクンピクンする神官ちゃん

「ココは駄目って事は……さ、胸の方なら良かった?」

言葉に合わせて、指をぬめる下着の上でゆっくり上下させ、続けて上半身に残した片手の指先で乳首をくりんくりっとな

「ぃ、あッ!? んっ、んんッ!」

今までに無く大きな声を上げて、背中を弓反らせる神官ちゃん
うんうん、その体で月神殿の象徴的武器である弓を表現するとは神官の鑑だねー、なんてアホな事を考える
刺激への反射的な動きなのか、足の間へ差し入れた手を、神官ちゃんのふとももがまるで逃さないとばかりに挟みこんでくる

それにしても未だに声を抑える気力が残ってるんだなぁ、凄いね
まぁ声を抑えて息が苦しくなるほど、抑えきれなくなった時は一気に気持ち良くなっちゃうらしいけど

「んんっ! ぁ……ッく、うん――ンんぁっ」

くぐもった神官ちゃんの喘ぎを耳にしながら間断なく上下に愛撫を続ける
とめどなく与えられる快楽に耐え、ふるふると震える表情がどこか艶っぽい
じっくりとその姿を愉しんでから手の動きを緩めて問い掛けてみる、もうそろそろ先へ行きたいしね

「ねぇ、どっちが良かったかな?」

「――ぁ、はぁ……はぁ……んっ、ど、どちらも」

軽く呼吸を整えた神官ちゃんに、どちらも嫌だ、とも、駄目だ、とも言葉を続けさせる事無く
濡れそぼる下着の内側へと一気に、ちゅくりと音を立てながら指をすべり込ませる
同時に胸を責めている指の間に挟んだ突起をきゅっと強めに擦りあげて、今度は止める事無く小刻みに愛撫を続けていく

「ぃッ! ああッ! ん、やッ……うっ、ん、ぅあッ!」

言葉の途中だったからか、咄嗟に口を閉じて堪える事を失敗した神官ちゃんのあられもない声が小部屋に響く
熱く濡れた下着の中は指を少し動かすだけでぴちゃ、くちゅ、といやらしい音をたてる
そのまま閉じられた亀裂の中心へと指を浅くうずめ、その入り口や周りをほぐすよう、リズミカルに責めたてた

「あぅッ、だ、ッ! め――あっ、ああッ やぁあ……」

二人だけの部屋へ神官ちゃんの切なそうな嬌声とちゅっ、ちゅく、ちゅっ、ちゅく、と淫靡な水音が流れていく
よく見ると無意識なのか神官ちゃんの腰も、指の動きへ合わせるように僅かに動いてるなぁ
神官として精神の修行は沢山していても、体はまだ若いからねぇ、心と体は切り離して考えられるものじゃないし

「やっ……ぃあッ! んっ、あッ!」

ふと、仰け反る神官ちゃんの瞳を覗き込んでみると、どういう理由かそこには恐怖の色が浮かんでいた
悪魔に襲われている(無論性的な意味で)んだから怖がるのも当然かと思ったけど
もしかして、この手の事を自分でも一度もした事がなくて、若い肉体から沸き起こる未知の快感が怖いんだろうか
試しにそのまま揺れる瞳を見つめて魅了、というか軽い安心感を与える暗示をかけてみる

「ほら、大丈夫だよ、もっと先へ行っても構わないんだ」

自分でも意味がわからない言葉をかけつつ指の動きを強く、速くしていく

「んッ! く、はぁ……あぁッ! ゃ……なにか――あッ! はぅ、変っ、へんにッ」

はっはっ、と獣のような息遣いで切れ切れに話す神官ちゃん
まだ突っ込ンでもいないのにねぇ、今のでこの状態だと本格的にはじめたらどうなっちゃうんだろう、お兄さん心配です
とりあえず、潤んだ揺れる瞳からは恐れが消えていたのでよしとしておこう

「やっ……ああッ! ぁん――あ、くぁ……ッ!? う、あっ、あッ!」  

先ずはお試しの一回目かな
上ずった声をあげ始めた神官ちゃんの魂へとラインを繋ぐ術式を指先へ篭める
悪魔の契約を行う魔法をベースにして、あれこれと色々手を加えてみたオリジナルの術式だ
これで成功はしなくとも、魂へのアクセス方法の"あたり"は付けられる筈
準備はOK! そうしておいて一気に、神官ちゃんのわななく肉体を、高く、強く導いていく!

「うぅっ、んぅ――あッ! あっ、んんッ……くぅ、はぁっ、あぁぅ……ぅん――ぁ、あぁッあうっーーーッ!」

神官ちゃんが一際大きな嬌声をあげ、つま先や背中を反らせてビクビクと震える
と、同時に無防備となっているだろう魂へと術式を送り込んだ!

「……あ……あぁ……あ、はぁ……はぁ……」

桜色に火照った肉体を震わせて、クタリと脱力してこちらへもたれかかる神官ちゃん
それを抱きとめて、胎内を流れる術式の様子をチェックしてみる
けど……んー、こりゃルート的には正しいのに魂の直前で弾かれてるなぁ
なんだこの壁、ピカピカしやがって! ――むむ、これはもしかして神の加護的なナニカなのかな?
神官ちゃんが聖印を使っていた時の輝きとそっくりだ

……あー、うん、なるほど、つまり初めては念入りにほぐしてからの方が良いらしい、なんて思った俺のアホな気遣いの結果
今だ純潔を保ったままの神官ちゃんへの加護が保たれていてブロックされた、と
解決方法としては、さっさと突っ込ンで純潔を散らしてしまえば司る属性を失った神官ちゃんから加護が外れていくって事なのね
これは酷い、なんて回り道だったんだ……まぁ方法がしっかり判っただけでも良かったのかなぁ



もうがっくりきちまうぜ、なんて事にはならず
これから始まるパーティタイムに期待びんびんな俺だった








[30317] ・初めての食事と俺と初めての……
Name: クラクモ◆5e745eb7 ID:0f7bd90b
Date: 2011/12/29 16:46
・初めての食事と俺と初めての……







さってと、無意味に体力を使っちゃった神官ちゃんにストックの回復薬(弱)を飲ませて、っと
え、飲みたくないの? 駄目だよ好き嫌いしちゃ、それにあんな声を上げてたんだから喉も渇いてるでしょ?
という訳で……ふふ、飲ませてあげるね!

「あ……やぁ、やめて! ――うむぅ、んんっ……んぐっ」

なんて言いながらぐったりとして抵抗できない神官ちゃんへ口移しをしてあげました

 ― 回復薬(弱)の成分を記憶しました ―

おっ? 初めて見るシステム表示が出た
……ふんふん、ほほー、こいつはちょっとしたものになりそうだ
なんとエロ唾液や毒液などと同じ扱いで、自分から回復薬(弱)を分泌できるらしい、水薬だから水属性の魔法って事なんだろうか
その分自分の力を消耗するけど、この職場に居る限り真っ黒なナニカから全自動で力が供給されるから垂れ流しも可能だぜ!

ふふふっ、思わず笑いが漏れちゃうけど、いやーホント、これはいいなぁ
いやだって、弱らせて捕まえた女のコに「ほぅら、お注射の時間だよ~」って毒針で普通に癒したりするプレイが出来るんだよ?
「なんだエロか」と思わせて普通に言葉どおり回復させてあげる、なーんてアホな事が可能だなんて……なんて素敵なスキルなんだ!
と、思ったけど、この世界には注射器が無さそうだからネタが通じない、なんてこった、最悪だ

ふと見やれば、そんな俺に神官ちゃんが変なものにおびえる目を向けていた
まぁいきなり無言でニヤニヤしたり悪態ついたりした俺がおかしいのは解るけどさ、傷つくなぁ
そんな優しくない神官ちゃんには、お仕置きが必要だよね

「さて、キミも準備ができたみたいだし、メインディッシュといこうかな」

「こ……こんな事をしておいて、この上なッ……ぅ、何をしようというのですかっ!」

汗に濡れた肢体を、さわさわと休む事無く這いまわっている俺の両手に身を震わせながら、そう返してくる神官ちゃん
もしかして男女の営みを知らないのかな? とも思ったけど、さっき先輩のアレを見てたしなぁ、ふむん
あ、また乳首が固くなってきた、そろそろいいかな

「何って……そりゃあ愉しい事さ、通路でキミも見ていたじゃないか」

そう答えて、身体を支えながらゆっくりと背中を倒して神官ちゃんをうつ伏せに寝かせていく
次は腰を持ち上げて、膝を立てさせて……と、膝もフラフラだなぁ、支えてあげないと駄目か

「見ていた? ――っ!? あ、あんな……あのような事が許される訳がありません」

神官ちゃんは脱力した体でなんとか顔を横へ向けて、キッとした視線を向けてくる
でも上着は首に引っかかってるだけだし、お尻丸出しだしで……うん、エロいね!
膝に乗せていた状態で感じていた、張りのあるお尻が最高です! その時から最初はこの体位でイこうと思ってたのさ

「そうかな、でもキミも森で見た事があるんじゃないの? ふふ……ほら、獣達がこんな体勢で、さ」

「え……? ぁ、いゃ……まさか、そんな」

ずり下がっていたぐしょぐしょの下着も完全に脱がせちゃおう
べったりと濡れている淡い茂みが薄明かりの中に晒される
あはは、一回目に苦労した甲斐もあってか、神官ちゃんの泉はずいぶんと潤ってるみたいだ

「発情したオスとメスが交わるのもまた、女神様が認める森の自然の摂理だよ?」

両手でしっかりと腰を抱え、誰得ローブの下から露出させた俺自身を軽くあてがい神官ちゃんの入り口をなぞる
ピクッっと反応して否定の声を口にしかける神官ちゃんを意識しながら、位置を合わせて、そのまま一気に……!

「だっ、駄目です! そんなこ――ッっ!!! アっくぅゥーーーッ……」

肉体の下へ敷かれた毛皮を握りしめ、形の良い眉を寄せて押し寄せるナニカを懸命に耐える神官ちゃん
深く突き入れた俺自身を包むヌメリと熱さ、全身に感じられる悪魔である事から沸き起こる充実感に意識が囚われる
あぁ……これはクセになる、酷く身体にクる感触だ、それになんとも身体に馴染む……

「……ッは、ぁ、やめ、て、くだ……さ、んッ! た、たすけて……」

その感覚をもっと味わおうと軽く身じろぎした所で、そんな言葉が耳に入った
今まで割と毅然とした対応だった神官ちゃんの割には随分弱気な発言である

これは突っ込ンだ事により淫魔の特殊スキル"入れ惚(いれぽ)"が発動した……のではなくて、月の女神の加護が外れつつあるのが原因かな
幼い頃から近くにあって、ずっと自分を守ってくれていたモノが遠のいて行く、そりゃ不安にもなるだろうさ
しかし無理やりされちゃって失ったってのに加護を止めちゃうなんて、気高い処女神サマも心が狭いねー
でもこれは好都合だね、その不安へ付け込んでいけば魂への干渉も簡単になる

「くく、大丈夫だよ……痛いのは消えて、すぐに良くなるから、安心して」

そう、痛いのだけは、ね? それに……ふふ、きっとすぐにもっともっと"良く"なるよ
痛みに強張って震える背中に覆い被さり、後ろから抱くような体勢で肘をついて顔を寄せ、耳元をくすぐるように優しくそう囁いてあげる
腰をゆっくりと引いて戻しながらスキルを使い、神官ちゃんのキズ痕へ回復薬(弱)を塗りこむ

「ぅあ、くっ――あふ、ぁ……? あっ」

回復薬(弱)がしっかり効いたのか、身構えていた痛みがやってこない事に不思議そうな声を上げる神官ちゃんが可愛い
抜けてしまう寸前まで引いたから圧迫感が薄れたのか、少し気を抜いている所へ再びじわじわと腰をうずめていく

「え? ……あ、ぅ……ふぁ……やっ、どうして……くぅ、んッ!」

「言った通り、痛いのは無くなったでしょ? ふふ、いい子だねー」

再び際奥まで時間をかけてたどり着いてから、また身体を抱き抱えて
これまで痛みに耐えていた神官ちゃんを誉めてあげる、きっと神官ちゃんは誉められて伸びる子
そうして、神官ちゃんの呼吸よりも僅かに早いペースで合わせながら深く、浅く、何度も繰り返す

「……はぁ……ん、あッ……ふ、ぁ……っ……あぁ……」

軽く追い立てるようなペースを受けて、少しずつ神官ちゃんの湿った吐息が乱れて呼吸が早くなる
それに合わせて突き入れる速度もまた少しだけ上げる

「はぁ……っあ……ふぁ……あぁ……はぁっ……うぅ……」

そんないたちごっこを繰り返す間に、いつしか強張っていた神官ちゃんの身体からは力が抜けてきていた
痛みと……快楽を感じていた所から痛みを消し去ってあげたんだ、だから残っているのは、ふふふ



         ……◇……◆……◇……



「はぁ…はぁ…あっ…はぁ…あふ…はぁ…はぁ…」

次第に熱く短くなってきた吐息と共に、ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ、とお互いの間から漏れる水音が耳に付くほど大きくなる
そうして神官ちゃんのペースがかなり早くなってきた所で一旦動きを止めて囁く

「ぁ……?」

「ふふ、どうかした? "こう"するの、すっかり気に入っちゃった?」

言葉に合わせてクッっと腰を進める

「――あッ、ち、違っ、わたし……」

「僕は、とっても気に入ったよ?」

そう言葉を続けながら、形の良いお尻を軽く掴むように撫で上げてから
重力に引かれて揺れるにまかせていたふくらみを手のひらで包み、重さを量るようにやわやわと優しく揉む
その柔らかさの中心で自己主張している突起を指できゅっとすると、神官ちゃんの熱く蕩けるような内部もきゅっとしてくれる

「キミのここも……ここも……それに熱く濡れているココも、凄く素敵だよ、ホント……喰べちゃいたい位」

最後の言葉を皮切りに、今度は緩急をつけながら腰の動きを再開させる

「わ……ひぅ、んぁっ  ――ッあ……くぅ……んっ、あ……うあっ、あッ!」

首を横に振りながら何か言いかけた神官ちゃんだけど、構わずにちゅっ、ちゅっ、ちゅぷっ、と力強く突き入れるのを何度か繰り返すと
少しの間だけ口をパクパクさせてから、どこか艶っぽい声を上げ始めた
最初の、声を堪えていた頃と違ってずいぶん素直になったなぁ、こうして少女は女へと成長していくのか(キリッ


――それにしても……と、こちらの動きを受け止めて身体を揺らす神官ちゃんを見下ろしながら、冷めた部分でふと考えをめぐらす
自分はこんな風に、美人と見るや部屋へ連れ込んで腰を振る、そんな人間だったかな?
ここに来てからの自分は、記憶にある頃とは少し違っているような気がする
今もそう、神官ちゃんの眉根を寄せた表情から、その濡れた肉体から漂う匂いから
こちらの手のひらへピタリと吸い付くようなその綺麗な肌の温度から
目の前の女は一つ行為の段階を上げるだけで、程なくして絶頂を迎えるだろう事が理解できる
それだけじゃなく、現在の状態からどうしてやればそこへ……快楽の果てへと追い込めるのか、その方法までもが浮かんでくる
でも、俺はそんなに女慣れした人間だった覚えはない、明らかに知らなかった事を知っている

かといって、それを恐ろしいとも思わない自分が居る
これも淫魔の……人の精神を操作する悪魔の肉体による自己保存の効果みたいなものだろうか
それとも、そこへ供給されて存在を維持する補助をしているという真っ黒なナニカかな、うーむ
そもそも俺がここへ召喚されたのも真っ黒なナニカのせい? いやむしろ俺が腹黒だったのも……

うん、何かもう、あらゆる事の原因は真っ黒なナニカである気がしてきた、あと悪魔
悪魔じゃ! 悪魔の仕業じゃ! 実際召喚陣を動かしてた姐御は悪魔の一種みたいなものだって言うし
まぁ結局の所、考えて原因が判ったとしても今現在俺が悪魔なのは変わらない訳で
でもって目の前には美味しそうな女のコが居る訳で、挙句に現在進行形でその肉体を味わっちゃったりしてる訳で……
オレサマ オマエ マルカジリ(性的な意味で)って事だね!



「あっ、あッ! あっ、あっ、あっ、あッ! あっ! 」

濡れた吐息と共に吐き出される神官ちゃんの弾けるような声を追いかけるように、ぱんぱんと音をたてて形の良いお尻へと腰を打ち付ける
深く突き入れる度に包むように締め付けてくる柔らかな内部には、時おりひくひくとした震えが走った


「あっ! あぁっ! あふ……んあッ! ああッ!」

神官ちゃんの限界も近いのだろう、じゅっ、じゅっと水音をたてる結合部は奥へ奥へと引き込むような動きを見せる
そして、そこから響く快楽に合わせるように、ともすれば崩れてしまいそうな腰をぎこちなく前後させ
若い衝動に満たされてしまった肉体に流されるまま、つま先を反らして甘く高ぶった声を上げ続けている

「あんっ! ふ、あッ! あぁ! ゃはぁ! ぅくぁ!」


――さて、そろそろ頃合だ、とっておきの術式を準備しておこう
これは俺の魂の欠片を精液に乗せて相手の胎内へと送り込み、対象の魂の器へと紛れ込ませる素敵な術式さ!
一度その魂を侵してしまえば吸精の為に必要なアクセスは勿論のこと
離れていても対象の周辺状況が解ったり、無意識下から対象を誘導する事も可能という夢のような効果なんだ
しかもラインを通じて魂の比重を傾ければ……おっと、これは後々の愉しみにとっておこう、くくく……

用意した術式が魂へのラインを探して神官ちゃんの内部を走る
一度通したラインである為か、すぐに神官ちゃんの魂へ直接触れているような感覚が加わる

「ひぁッ! あっ!? なッ……に、か! ぁあッ! あん!」

おや? 神官ちゃんの側にも何かの感覚があるものなのかな……でも、これは好都合だ

甘い痺れと焼けつくような熱をもたらすその最奥へと深く何度も叩きつけるように突き入れ
ガクガクと神官ちゃんの心と肉体へ揺さぶりをかける
次々と送り込まれる快感に震える魂、それをまさぐるように術式を揺らめかせ侵食する為の突破口を広げていく

自らのすべてを貫くかのような快楽に翻弄される神官ちゃん、彼女のあえぐ声と肉体が極限まで高まり……

「――あ! ……やっ! んッ! くぅ……またっ! ゃ、あ……アぁっ!? ああ! ぁあっ!  ぁあアぁあぁぁーーーーーーッ!!」

ついには身体全体をびくびくと大きく震わせて絶頂を迎える――その瞬間に、神官ちゃんの奥深くへ白色の欲望を解き放った!



「あ、ンっ! ……あぁ……あっ! ぅあ……ああ……」

快楽の余韻に震える神官ちゃんとその内部を感じながら、びゅく、びゅく、と術式を打ち込んでその魂をじっくりと侵食していく

あぁ……最高だ! その胎内へ欲望を放つごとに、その魂の力を吸い上げるごとに、神官ちゃんの存在が近くなるように感じられる
家族や恋人よりも近い存在でありながら、それでいて絶対的に異なっている深い繋がり
これで、どこにいても、なにをしている時でも、神官ちゃんはいつでも俺を感じる事ができるだろう

ふふふふ……これからずっと、ずーっと可愛がってあげるね!





         ……◇……◆……◇……





あちゃあ、あんまりにも美味しかったからって、一度に少し多く吸い過ぎちゃったかな
溜められた魂の力の量としては、まだまだ余裕がありそうだったけど……うーむ

自分の体を包む達成感と流れてくる神官ちゃんの魂の力を思う存分味わった後で、ふと視線を降ろしてみれば

「……あ…………はぁ…………」

そこには力なく横たわり、意識もほとんど無く、朦朧とした状態になってしまっている神官ちゃんの姿が!

一度でこんなになっちゃうなんて……慣れていない行為を激しくシたのに加えて
魂へと異物を混入させられたのが負荷をかけているのかなぁ
神官ちゃんは意識が無くとも美味しそうだけど……やっぱりお互いに感じ合いながらえっちしたいなぁ

そうだ、よし! これをこうして、ついでにコレも加えて、でもってこんな感じにしたら……


――という訳で、試しに回復薬(弱)の成分を弄って、濃縮回復薬(発情成分入り)を作ってみたよ!
こいつで生命力の増強を行うと同時に、その精神を(エロい方向だけど)向上させてハイにしてあげれば
気付け薬の代わりになるんじゃないかなー

これを……"はぢめての食事"をされて少し衰弱しちゃっている神官ちゃんの

「……ぅぁ…………ん……」

よいしょっ……と、向かい合う形で抱っこして、座っているこちらを跨がせて……ふふ、上のお口と下のお口から同時に注入してみよう!
支えた神官ちゃんを、今度は下から、再びずぶずぶと貫いていき、ひくひくしているえっちな粘膜へと念入りに擦りこんであげる
続けて上からも、深く唇を合わせて濃縮薬を喉の奥へ流し込んでいく

「――っうぁ……ン! んぅー! んぐっ、んっんん……」

さて、効果の程はどんなものかな?
腕を回して密着した柔らかい肢体と、急な刺激によるものか突き入れた俺自身をきゅうきゅうと締め付ける内部を感じながら
こちらの肩へとその整った顔を乗せて、もたれ掛かっている神官ちゃんの様子をうかがう

「……あ……あぁ…………あ……」



         ……◇……◆……◇……



「……あつい」

不意に、そう呟いた神官ちゃんの潤んだ視線がこちらを捕らえる
あ、あれ? なんかこの視線、覚えがありますよ? そう、具体的には先輩に(性的な意味で)襲われた時とかに

「……ハぁ……あつい……です」

神官ちゃんはそう繰り返しながらこちらの肩へと手をかけて、俺の身体を倒すように力を加えてきて……っ!?
おおぉう……神官ちゃんを貫いたままの俺自身を確かめるように、軽く肉体を動かしてから……だんだんと腰の動きを強くしてくるっ!

「あぁ……あふ、くふッ んん……んっ……」

「ちょ、ちょっと? どうしたんだい?」

突然積極的になってくれた神官ちゃんへと声をかけるも、ぼうっとした瞳で「あつい」と繰り返すばかりで答えてくれない
これは、まさか……暴走!? 福音戦士神官ちゃんが始まっちゃうの?
「悪魔を……喰ってる……(性的な意味で)」とか言われちゃうのかな、それともどこかで聞いた反転衝動とやらだろうか
神殿の禁欲的な生活でイロイロ溜まっていた神官ちゃんの心の枷が、今! 解き放たれる! みたいな

混乱する俺をよそに、神官ちゃんはその欲望に染まった肉体と声を弾ませて自分から快楽を高めていく

「あっ……あッ、くン! あぁ……あは、ンぁっ! ……あぅ、あぁッ!」

まぁ冗談はさて置き、"食事"のショックで朦朧としていた所へ興奮剤を盛られたから、意識が一気に本能へ傾いちゃったという感じかなー
理性が薄れている状況で肉体が発情していて、さらに生命力をビンビンに供給されてしまい
その上目の前に自分と繋がったままのオスが居たら……そりゃぁ、ねぇ?

「…………ああッ! あぁっ! あんンッ! ……くぅッ! ンんんっッ!!」

そんな考察をしている内に、俺の上で気持ち良さそうな声を上げていた神官ちゃんは、背中をのけ反らせてビクビクと絶頂を迎えてしまった
あ、術式用意してなかったけど……まぁしばらくは、この淫らな神官ちゃんを素直に味わおうかな

暴走する肉体の熱は未だに冷めることが無いのか、神官ちゃんは再びじゅぷじゅぷと上下運動を再開した



「あッ! あは……はぅ……んっ! はンっ!」

激しくその身体を上下させる神官ちゃんを下から眺める
いやー、目の前で形の良いふくらみがゆさゆさと上下する様が……もう、最高だね!
そして理性が快楽にかすれてしまったかのような神官ちゃんの歪んだ表情もまた……うひひ、たまりません
真円を描いた月神殿の額飾りも神官ちゃんに合わせて揺れて、おや?
これってもっと綺麗な輝く銀色だったけど、いつの間にか黒っぽくなってるような
ま、いいか、神官ちゃんはもう月の女神サマじゃなくて俺のモノだもんねー、ふふふ

「あふ……イっ! あっ……はッ、あぅ……ん、アっ! はぁ……」

うわっ、これはイイなぁ
神官ちゃんは自分の気持ち良い所がだんだんとわかってきたのか、腰をくねらせて沸き起こる快楽を貪っている
突きたてた俺自身と神官ちゃんの内部があらゆる方向から触れて擦り合わされ、また新たな熱を生み出していく

「あくっ! アっ……んはッ! ふぁっ! あっ! あぁッ!」

この熱が冷めるにはもうしばらく時間がかかりそうだった



         ……◇……◆……◇……



「はぁっ! アぁっ……くぅ……ンっ! んはッ! はアぁっ、あぁっ! あアっ! あぁあッ! ああぁアぁッーーーっ!!!」

何度目かの絶頂を迎えて大きく仰け反る神官ちゃん、その腰を後ろに倒れないように軽く支えてあげる
初めてなのに、ここまでシちゃうなんて凄いね、薬の効果がそんなに強かったんだろうか

と、肉体の震えが納まるやいなや再び神官ちゃんの内部が絡みついてくる

「あっ、やっ……わた、しッ、ンんっ……あぁ、はンぅ……とま、らないっ」

ようやく興奮剤の効果が薄くなってきたのかな? 神官ちゃんは久しぶりに「あつい」以外の言葉を発した
でも神官ちゃんの肉体はまだ満足してないみたい、これはもう薬とは関係ない発情かも、人間の欲望って凄いねー

ふふふ……いっぱいシて貰ったし、俺からもお礼をしてあげなくちゃ、ね?
戸惑ったような表情で腰を弾ませる神官ちゃんの動きに合わせて、こちらからも突き上げ始める

「ふぁッ?! あふ……ンっ、ぅあッ……あっ、あアっ……」

こちらの動きと神官ちゃんの動き、2つが重なって生み出される新たな刺激を受けて
神官ちゃんは大きく身を捩り、形の良いふくらみをブルリと弾ませる

「ひぁっ……あっ! あぁ、ア! あッ! あっ!」

片手を後ろ手について姿勢を維持し、じゅぶじゅぶと遠慮なくリズミカルに神官ちゃんを突き上げる
尻尾を神官ちゃんの肉体へ緩く巻きつけて、軽く動かし擦れ合う事で快楽を高めていく

「あッ、あっ、あぁっ! アっ! あっ、ぁクんっ!」

開いた手の平で弾む神官ちゃんのお尻を掴み、内部の動きと共にぴんっぴんっと緊張する反応を愉しむ

「アぁっ! はン! あぁッ! あン! アぅっ! ぁあっ! あああッ!」

それから術式を用意しつつ、神官ちゃんの肉体をぐいっとこちらへ密着させて
淫らな音を立てているお互いの茂みが擦れるように、一気にラストスパートだ!

「はぁっ! ぁアっ! あぁッ! クあぁっ! ぃ、はあぁアぁぁっーーーーーッ!!!!」



「はぁッ! はぁっ、はぁっ、はぁっ……」

再び絶頂を迎えて、抱きしめたこちらの胸を熱い吐息で濡らす神官ちゃん
今度は無理をさせないように気をつけつつ、そんな様子で快楽の余韻に浸っている神官ちゃんの魂から
舐めるように、味わうように、じわじわと優しくその力を吸い上げてあげる
それが功を奏したのか、神官ちゃんの意識が混濁するような事は回避できたようだった





         ……◇……◆……◇……





「ん……んぅ……んぐぅ……」

汗びっしょりで頑張ってくれた神官ちゃんへと唇を合わせ、再び水分補給の意味も兼ねて量を増やして薄めた回復薬を飲ませる

「ホント凄かった、気持ちよかったねー」

身体を離して仰向けに横になり、乱れた呼吸を整えている神官ちゃんへとそう微笑みかけた

「はぁ、はぁ…… な、なにを」

「だって、さっきはキミの方からいやらしく動いて……くふふ、スるのを愉しんでいたじゃないか」

こっちが喰べられちゃうかと思ったくらいだし、神官ちゃんはやっぱりえっちだねー、と伝えてみても
神官ちゃんはその事実を受け入れたくないみたい

「や……あんな、私が……あ、あれは貴方がそうしたからで」

えー、さっきの暴走を俺のせいにするの? いやまぁ、全くもって全面的にその通りなんだけど
ここで言われて、はいそうですと頷くのも何か面白くない


「――そうだねぇ、一つ例え話をしようか
  僕が短剣で誰かを切りつけたとする、この場合、傷つけたのは短剣で、痛みを感じるのは切られた相手自身だよね」

見上げる神官ちゃんの瞳をじっと見つめながら言葉を続ける

「じゃあ、キミをこうしたのは僕だけど……それを気持ち良く感じているのは誰かな?」

キミじゃないか? と言うように意味ありげに視線を向ける

「ふふっ……解っているんじゃないの?
  もっと、もっと欲しい、って……キミの"ココ"から、肉体の奥底から心へと伝わってこなかった?」

神官ちゃんの隣へ寄り添うように身体を傾けて、未だにヒクヒクと震えるそこを意識させるように指を走らせる

「なっ、何をバカな ――ッ! くゥ……わたし、私が自分から望んだとでも言うのですか!」

「そうさ、他ならぬキミ自身がそう求めているんだよ、キミの、この肉体が」

そう声をかけながら組み敷いた神官ちゃんへと身体を重ねていく


「いや……嫌ぁ!」

……ん? おやおや、これはこれは、ふふふ
拒絶しているつもりで、真っ赤な顔を横へ背けている神官ちゃん自身は気づいてないようだけど……
あはは、その身体はのしかかっていく俺を受け入れているみたいに、自然な動きで膝を開いてるねぇ

ホント、神官ちゃんは可愛いなぁ


屹立した俺自身の側面を神官ちゃんの粘り気のある潤いへと触れさせながら、その入り口に沿って擦るように上下させてあげれば
神官ちゃんはこんな状態になってしまっているのに、いやいやをするように首を振って沸き起こる快楽を否定しようとする

「あっ……いや、私は、こんなのっ……やぁ……く、ンっ……た、たすけて……」

「駄目だよ? キミはもう女になってしまったんだ、祈りを捧げても月の女神の助けは訪れないさ」

「そんな、あぁ……かみさま……」

「それにね……女が男といやらしい事をするのは、森の営みとも通じる自然な事なんだ」

ある部分では神を否定し、またある部分では神の教えを肯定する、そうやって神官ちゃんの理性へ揺さぶりをかけていく
触れ合った足の間からにちゃにちゃと音を立てて、高まりきれない神官ちゃんの肉体を焦らしながら、耳元で優しく甘く囁いてあげる
さっきまであんなに深くその肉体を貪り合っていたんだ、今はもうこれくらいの刺激じゃ満足できない筈

「辛いかい? キミが望むなら、助けてあげるよ?」

「あっ……はぁ……んん……あぁ……はぁ……」

少しずつ腰の動きを早めながら、それでいて、決して神官ちゃんがその先へ行けない刺激を繰り返し与える

「簡単さ……たった一言いうだけでいい、欲しいって」

「はぁ……あぁ……はぁ……んっ……くぅ」

片手でくびれたお腹をなぞって行き、そのふくらみへと辿りつかせ
しかしその桜色の頂へは手を触れずに、その周辺をさわさわと優しく撫でて愛撫を続けていく……



         ……◇……◆……◇……



「……あ……はぁ……あぁ……うぅ…………ほ、欲しい……です……」

しばらく肉体を捩るようにして堪えていた神官ちゃんだけど、ついにぽつりと言葉を漏らした

「ふふふ、いい子だね……約束通りに助けてあげるよ、くく、僕なりの助け方でね……」



「あっ、ぃやぁ……ん、ぅあ……ちが……」

あえて熱い雫を垂らす本命を狙わずに、神官ちゃんのふくらみの先端へ唇を付けて軽く吸い上げる
ふふふ、今までの「嫌」とは完全に逆方向の「嫌」だなぁ

「ひゃ、ん……あぅ――ふぁ……あ、くぅ……」

固くなった先端を交互についばんでからその場を指先と交代し、小刻みにくりくりとすり上げて
それから顔を動かして汗の浮かんだ鎖骨へ……そして首筋へと、ねっとりと舌を這わせる
遠回りな刺激に、もどかしそうに腰を揺らし、太ももでこちらの腰を挟むようにしてくる神官ちゃん

「ホントにキミは可愛いね、最高だよ」

欲情に染まった瞳でこちらを見つめる神官ちゃんへと声をかけ、濡れた吐息を漏らす唇に深く口付けを交わす
舌を念入りに絡ませながら身体の位置を調節し、再び俺自身を火傷しそうなほど熱くなっている泉へと沈めていく
すっかり受け入れる事に慣らされてしまった若い肉体は、奥へと浸入していく雄を貪欲に咥えこんでいった

「ん、ちゅく……んむ……っ! くうっ……あっ、んはぁ……ん……」

求めていた行為をその身に受けた事で唇を離し、くっと白い喉をさらして、ふるふると快楽を受け止めている神官ちゃん
その動きは今までの押し付けられたような過敏な反応とは異なり、そうする事が自然であるかのような雰囲気を漂わせていた

「ふふふ、ほら、救われたかい?」

震えるふくらみをゆっくりと捏ねながら、優しいリズムで奥深くと入り口とを往復させれば
それに答えるように、神官ちゃんもその結合部を揺り動かし始める

「あっ……はぅ……んっ……はぁ……わたし……あぁ……」

「大丈夫、心のままに、感じるままにしていればいいよ
  ほら、感じるだろう? 一つになって、受け入れて、受け入れられているのが」

瞳をあわせながら軽くキスを交わして、奥へ突き入れたその度に反り返る背中へと腕を回して抱きしめた
密着した神官ちゃんの鼓動と息遣い、それに送られる快楽に悦ぶ肉体を感じる

「ふぁっ……わ、わた……はぁ……あっ……おな、かが……じんじ、んっ……して……」

「気持ち良いかい? キミが求めるなら、もっと沢山してあげるよ」

まぁ求めなくてもしてあげるけどね、ふふふふ

「あぁ……はぅ……もっと……たくさん……はぁ……」

肉欲に溺れつつある神官ちゃんの意識が、ただ耳に入った言葉を繰り返しただけなのか、それとも要望だったのか
どちらともつかない言葉だけれど、こちらとしては勿論、求められたと受け止めるのが正解だよね

少しずつペースを上げていきながら、腰の動きに捻りを加えるようにして
締め付けてくる神官ちゃんの内部を色々な方向から抉り、感触を味わっていく

「あ……ひゃっ……うぁ……あぁ……ンっ……」


魂のラインが繋がっているせいか、快感を受け入れ悦ぶ神官ちゃんの思いがぼんやりとこちらにも流れてくる
その快楽と悦びを受けて、こちらの行為にも熱が入り、加速する
力が循環し、お互いが混ざり合っていく……

「んっ……あっ……ぅ、ぃあっ……あぁっ!……」



         ……◇……◆……◇……



「アっ! あッ! あぁッ! くンっ! ぅわ、わタしっ、またっ!!」

もう何回目だろうか、こちらへとその細い腕を回し、しなやかな足を絡めてきている神官ちゃんが上ずった声を放ちその肉体を震わせる
ラインを通じて流れ込む悦びに答えるように、こちらもしっかりと力強く突き入れ、ビクビクと震える胎内奥深くへと術式を放つ

「あぁ! アぁ……あっ  おくが……あつぃ……」

濃い桜色に染まった艶やかな肉体をだらりと無造作に晒し、トロンとした瞳で絶頂の余韻に浸る神官ちゃん
あぁ……エロいなぁこの光景、最高です!
でも、いっぱいイっちゃったせいか呂律が回らなくなってきてるみたいだし
魂の力も半分以上喰べちゃったから、この辺で今日のところはお終いかな

なんて思いながらも、繋がったままの腰の動きを再開させる

「あっ……いイっ……く、あッ……ま、また……あっ、あン! あッ! アっ!」

じゃ、最後のデザートという事でもう一回、いただきまーす





         ……◇……◆……◇……





「…………ふぅ」

篭った熱とただよう雄と雌の匂い、情事の痕跡がはっきりと残る小部屋は
さっきまで響いていた嬌声や水音が嘘のように静まりかえっていた

最後の一回という事で激しくシすぎたかな?
喰ベ終わった時に気を失って、そのまま睡眠へと移行した神官ちゃんの寝息がすうすうと聞こえる

しっかりと休み、魂の力が回復するように、その眠りに干渉して穏やかな安らぐ夢を見せておいて
それから布で軽く神官ちゃんの肉体を拭ってあげる
うわぁ……何回も出したから神官ちゃんのお腹から俺のが溢れてきてるよ……
にしても、こんな可愛い女のコとあんなにシちゃったんだなぁ、身体も柔らかかったし

「ン……んぅ……」

おっと危ない、無意識に神官ちゃんのふくらみを揉んでいたぜ
これ以上ヤったら神官ちゃん変になるかしんじゃうかしそうだから、気をつけないとね

あら、神官ちゃんったら半開きの唇から涎なんて垂らしちゃってる、綺麗にしてあげよう……れろん、っとな
なんて事をしつつ神官ちゃんを綺麗にしていって、と……



「……ぅうん……んぁ……」

――はっ!  気がついたら神官ちゃんの股間を念入りにお触りしていた?!
危ない危ない……でも、それというのも拭いても拭いても濡れてくる神官ちゃんが悪いんだよ、たぶん

うん、これ以上神官ちゃんの裸を見ているとまた襲っちゃいそうだから肌着を着せておこう
よいしょっと、あローブも着せちゃうか……よし、これでOK
上から被るだけのローブは脱ぐ時も着せる時も楽々で、こういった行為にはぴったりだね!

出合った時に近い姿になって眠る神官ちゃんをしみじみと眺める
ホント、神官ちゃんは可愛いなぁ
やっぱり数回程度で喰べきってしまうのは勿体無いね
続きをするのはしばらく神官ちゃんを休ませてあげて、魂の力が時間で回復するのかどうか試してからかな
……うん、そうしよう、となると人間の食料が必要になるけど、あー備蓄にはあんまり無かったかー

おうふ……頭の中にちらっと、精液で飼育するなんてのが浮かんだけど、これは却下しとこう
やっぱ女のコは日常の意識を持ったままで襲われて恥じらいつつスるのが良いんだヨ!
下半身べったりで性的なものが開けっぴろげの完全な奴隷みたいにしちゃうのは違うと思うんだ、いや偶には良いかも知れないけれど

となるとここで神官ちゃんに暮らしてもらうのもNGかな、何しろ悪魔の巣に日常なんて無いし、襲い襲われる日々はあるけどネ!
召喚の契約のせいか、俺自身にも神官ちゃんを侵入者と見て襲おうとしてしまう意識があるようにも思う
どうしたものか、うーん……


と、首を捻っていると、あれ? 何か頭の重心がおかしいような……?
気になってぺたぺたと手で触ってみると、そこにはご立派な

「角っ……!?」

思わず叫んでしまう俺、角ですよ角……姉さん、事件です
ではなくて何ですかこれは?! 姐御ーーーへるぷーーー! 思わずここに居ない姐御に助けを求めてしまう

そしてそんな叫びを聞いたのか、後ろで神官ちゃんが身じろぎする気配がある

「あ、悪魔……!?」

そうそう、悪魔だよ「オレいんま、コンゴトモヨロシク」って感じさ
身を起こした神官ちゃんが俺の頭を見てそうおののく――というか
元の俺が角無かったからって忘れてたんですか神官ちゃん、最初から尻尾はあったのに……
それとも二人でシた行為が良かったから記憶からトんじゃってたのかな
気持ちよかったもんねー、早くまた次を愉しみたい、うへへ


なんて思い出しながらニヤニヤしている俺をよそに、神官ちゃんは投げ出されていた荷物から何かの巻物を取り出してって、おわー!?
一瞬で魔法陣が発動して消える神官ちゃん……て、えっ!?



         ……◇……◆……◇……



なんてこった、帰還用の巻物があるのは知っていたけれど、あんなに瞬間で発動するものだったなんてなぁ……

実は一度外へと戻らせるというのは、神官ちゃんにどうやって健康的な生活を送らせようかと悩んでいた時に、一つの案としてはあったんだ
まぁ細かい内容を考える前に自然とこうなってしまったから仕方ないのだけれども……うーん、まぁこれでいいのかなー

どんなに離れていても、心が通じ合ってる状態だから見失う事もないし、会いたかったらこちらへ来るようにこっそりと誘導もできる
それに、神官ちゃんも日常に戻れて魂の力を回復させていくだろう、再び十分に力を蓄えたら、その時は例の仕込みもあるし……ふふふふ
とりあえず俺の事を口外できないように、神官ちゃんの魂へと内側から暗示を植え付けておこうっと
呼吸を整えて意識を集中して……スーハースーハー


……(前略)……俺の思いよ神官ちゃんへ届け! 外の世界へ脱出した神官ちゃんへと届けっ!


ふー、きっとこれで良いに違いない
当面の方針も決定したし、角が邪魔だったけど着替えも終わって部屋も片付けた
さて、ひとまずは姐御に事後報告しなきゃいけないかな、たまり場へ顔出しに行くかー








[30317] ・事後報告と俺とお持ち帰り
Name: クラクモ◆5e745eb7 ID:0f7bd90b
Date: 2011/11/02 21:46
・事後報告と俺とお持ち帰り





「アラ? 生きてたのね」

初めての仕事を終えて、ようやく戻ってきた俺に掛ける第一声がそれって酷くないですか?!


姐御の辛辣な言葉にしょんぼりする俺の肩を、アニキがゆっくりと首を振りながら、気にするなと言わんばかりに軽く叩いてくる
ダメージが出ない程度に抑えてくれているその優しさが今は痛いです

「さっさと戻ってこないから、どこかで倒されたものと思っていたわ
  何かやっていたの?」

そんな俺の様子に構わずに続けて言ってくる姐御、相変わらず「我が道をゆく」という言葉を体現したような人ですね!
問われた内容に対して「何って……そりゃあナニですよ」と聞かれるままに、こってりと微に入り細に入り事後報告をしてみる

「ヘぇ? ヤる事はやってきたの……え、今までずっと?
  神官相手に良くもまぁ無事だったわね、その角を見る限り何か力を隠していたのかしら」

姐御は露骨な性的描写に対して欠片も動揺する事無く、訝しげな表情でこちらの頭へと視線を向けてくる
力ですか? いえ俺はいつでも全力投球ですよ? この角はコトが終わって気が付いたら生えてました

「えっ?」

「えっ?」

何故か唖然とした表情を浮かべる姐御、それを見て似たような顔をしている俺、なんだろうこの状況
でも姐御のそんな表情がレアで可愛いです

ぼけーっと見つめ合っていても話が進まないので、気を取り直して詳しい事を聞いてみた

「うーん、角に関する細かい話は知らないわよ、種族的に私には無いものであるし」

と、前置きした上で軽く話をしてくれた内容によれば、今まで出会った事のある強い悪魔には基本的に立派な角が生えていたらしい
その経験から先に述べたように、力を隠していたのか? という疑問が出る事に繋がるんだそうな
姐御にも詳しく解らないものがあるんだなぁ、自分に無い物って事で関心も薄いのかなー

そんな風に会話を続けていると通路の先から軽い足音が響いてくる
……これは、どうやら席を外していたっぽい先輩が戻ってきたのかな?





「あっ、戻ってきてたの?」

とことことやってきて、こちらを視認するなりそう言いながら満面の笑みでにじり寄ってくる先輩
目が捕食者のソレになってます、やめて!
その勢いを留めるように、そういえば……と角に関する疑問をぶつけてみる

「なんだそんな事? 一定以上の力を持った悪魔には生えてくるものよぉ」

私も角を隠しているし、なんて言う先輩の頭からぺかーっと紫色の光が走る
こぼれる輝きが曲がりくねりながらも鋭いラインを形成し、その光が消えた場所には俺のものと似たような角が現れていた

先っちょが三角な尻尾にコウモリのような翼、気持ち尖っている耳、そして2本の捩れた角と
悪魔的な特長満載の先輩である、まさにフルアーマー先輩! と、言っても相変わらず服装(?)は紐だけど……
そんな風に変な事を考えつつも目を見張る俺の隣で、何故か姐御も驚愕の表情を浮かべている、なんでやのん

「アナタ……割と力のある悪魔だったのね」

知らなかったんですかっ!
二人はそれなりに長い付き合いにも見えるのに……名前の件もあったし、結構みんな淡白な関係なんだろうか
俺達の反応を見て小首を傾げている先輩へ「なぜ角を隠していたの?」と姐御が問いかける

そして、ちょっと気になるその回答は――

「だって、邪魔じゃない、かわいくないし」

ばっさりである……特に深い理由も、悪魔である事の矜持も、力を持った誇りも、何もなかった
でもその理由には全面的に同意できるね! 服を着る時なんて邪魔ってレベルじゃないよ

なので、さっそく角の隠し方を聞いてみれば、どういう訳か軽く聞いただけで何となく理解できて
その上実際に隠す事も簡単にできるようになってしまった、あっという間にすっかり元通りの俺である


・……ゴメン嘘ついた、本当は5分くらいあれこれ集中してやっとの事で隠せました
それでも、光を放つような、いかにも魔法っぽい動作が知ったその場で成功した事に拍子抜けしてしまう
何しろ今までに使用可能だった、目に見えるような外部に作用する魔法は汁魔法オンリーだし……
光らないよ、じっとり滲み出るよ、ねばねばするよ!
そりゃもう、もしかして淫魔ってスライムの発展系なんじゃないだろうか、なんて思える位だよ!

「ここじゃ前で戦える魔物と組んで襲うから特にしないけど
  もともと私達みたいな悪魔は人間を騙して襲うものだから、擬態できないわけがないのよー」

ううむ、言われてみればおっしゃる通りでございます
そういえば作戦を立てた時も、先輩は騙す事に慣れている様子で演技していたなぁ

「と、言ってもキミみたいに魂の色までは隠せないから、見破られる事もあるけどね」

なんて言いながら、てへりと舌を出す先輩が妙に可愛い……いや、だからってシませんってば!
少しばかり好意的な視線を向けた途端に捕食者の目になるのやめて下さい!



         ……◇……◆……◇……



「それにしても、こんなに早く角が生えるなんて凄い事よ」

先輩はふふふと軽やかに微笑みながら「あれから女商人だけの集団でも襲ってきたの?」なんて冗談めかして言ってくる
ハハハ、この職場で女性の非戦闘員オンリーの集団と遭遇するってどんだけレアな状況ですか
そもそも一度に沢山やってこられても相手をしきれませんよ

「えー、口と……アソコと、後ろと両手で、最低でも五人は同時にイけるわよ」

ごっ、五人ですか……その、先輩は経験がおありで? ……あぁ、やっぱり実体験なんですね――ゴクリ
なるほど、男の淫魔の場合は後ろの代わりに尻尾を使ってやっぱり同数と可能と……ほうほう
さらに多くの場合には……ええっ、足!? おおぅ、そこをそんな風に使うなんて、何とも、ううむ……

そんなエロ談義を交わす間にも地味に寄ってきている先輩……ちょっと、近い、近いです! 距離が近いですよ先輩!


「ま、まぁそれはおいて置いて、別れてからはそのままあの時の神官とシてきたんですよ」

と話を戻しつつ、さりげなく距離をとって答えてみれば

「えっ? それ、本当?」

なんて、最初に姐御へ話した時と似たような反応が帰ってきた
ドライな付き合いかと思ったけど、やっぱり仲良いんじゃないだろうか、この二人


「えっと……何か不味い事でもありましたか?」

隣の姐御と二人して、妙なものを見るような視線を向けてくるので、改めてその理由を聞いてみた

なんでも悪魔にとって、神の加護を受けた神官の肉体は祝福された水、聖水のような……ようは毒薬のようなものであって
下級の淫魔が迂闊にそのような行為をしてしまえば、その魂が焼き尽くされてもおかしく無いらしい
って、姐御はそんな相手に俺をけしかけてたんですかっ! なにそれひどい

「私を余波だけで吹き飛ばした神術の威力からして、かなり高位の神官だったのに間違いないわ」

いじける俺をよそに冷静に分析を続ける姐御、相変わらず冷凍食品かと思う位にドライでクールですね
そういえば確かに神官ちゃんは月神殿の巫女とか言っていたなぁ
なるほど、それだけ高位の……魂の力を多く蓄えていた神官ちゃんだから
たっぷりと力を奪った俺に角が生えるような成長が起こったって事なのかな

「貴方が変にヤる気満々だったから、あの時は引き止めなかったけど……」

通常の場合、神官がパーティに居た場合は可能な限り先に倒してしまい、淫魔的な意味での捕食対象にはならないのだという
そりゃそうだよね、死ぬようなものを自分から進んで食べたい奴なんて普通居ないし
だから俺が神官ちゃんを攫って行った時にも「新人が食事を焦って先走った」位の認識だったのだとか、やっぱり酷い

「そう、それなのに貴方は生き残った、あんなに強力な聖印を打ち込まれて無傷だったなんて、中々なものよ」

い、いやぁ……ほら、俺の魂ってほぼ完璧に人間っぽく見えるじゃないですか
種族の"亜種"というあたりはそこに関係しているんですよ、きっと
それで人間の魂には効果が無い術だから、同じように見える俺にも効かなかったんじゃないかなー、なんて
一応嘘は吐かないで、曖昧に言葉を濁しておく

「……神術が滅する対象としないという事は、神の目から見ても貴方の魂が人間に見えるという事……」

こちらへと、じっとりとした目を向けてそう言ってから
顔が陰になるような感じで俯いて「面白い、面白い特性よ、貴方……フフ、フフフフフ……」とぶつぶつ呟き始めた姐御が怖いです



         ……◇……◆……◇……



「ねぇ、それで、神官ってどんな味だったの?」

思考の海に沈んでしまった姐御を放置して、語尾に♪が付きそうなノリの先輩が
好奇心に目をキラキラさせて再びじりじりと接近してくる
味って先輩……なんというか、それは普通やらないゲテモノ喰いに対する興味みたいな感じなんでしょうか
とりあえず近寄るか話を聞くか、どちらかにしましょう先輩! もちろん寄って来る事に専念されたら逃げるけどね!


あー、うん……それで、味ですか、えへへ、そりゃもう***で****でしたよ
最初は一度***したんです、ここらでの抵抗が強かったですね、次に*****を一気に***て
そこからガンガンに****してあげて***にした後で、*****ってる彼女を存分に****ったりして
おまけに***な所を****していって*****させてから、最後に自分の魂の一部をアレしてナニで

「え、ちょ、ちょっと待って、自分の魂をどうしたの?」

そこまで話した所で、それまでの性的描写に対してはスイーツの話題で盛り上がる女子高生みたいな軽さで
ウンウンと相槌を打っていた先輩から突っ込みが(珍しく普通の意味で)入った

「ええ、淫魔の男性ってこちらから術式打って吸精する為のラインを作るんですよね?」

だからこちらから少量の魂を打ち込んで……と続けた所でまた遮られる

「えっと、普通はそんな事しないわよ? そもそも吸精する為のラインなんて
  物を食べたら唾液が出るのと一緒で、人間とヤったら勝手に出来てるものなんだけど……」

ほえぁ!?


もしかして……以前聞いたのは、実は先輩的には淫魔の性別に関するちょっとした違いに軽く触れた程度の話であって
それを重く大きく受け取りすぎた上で、何か別の妙な知識と混ざって、変な事しちゃってましたか

「そーねぇ、でも、そんな事ができるならキミの成長の仕方もわかる気がする
  言ってみれば、普通の淫魔が飴玉の表面を舐めて味わっただけで消えちゃう感じなのに
  飴玉を手にとって半分齧って食べてしまったようなものだもの」

神官の力も強かったみたいだし、得られる力は桁違いじゃない? と、続ける先輩
すると今度は横合いから、復帰してきた姐御が考えるように胸の前で腕を組みながら

「それだけじゃないわよ、魂の契約に近い行為を一方的な力関係で押し付けて結んでいるのだから
  その相手は使い魔……いえ、眷属にも近い状態になってしまっているんじゃないかしら」

あ、お帰りなさい、思考の海の中は楽しかったですか、なんて思いつつも

「確かにそうなってますね、居場所や状態に、ついでに使えませんけど神術に関する知識なんかも何となく判りますし」

と返事をする――うん、今現在神官ちゃんはここよりずっと上の方で睡眠状態にあるみたい
おそらく神殿か宿か、とにかく自分の拠点に戻って疲れきった肉体を休めているんだろう

「はぁ? もしかして貴方、あの神官始末してないの?」

ちょっと鋭い目つきになった姐御がそう聞いてくる

「あの神官なら今は地上だと思いますよ、巻物で帰還していきました」

そう返しつつ、続けて神官ちゃんの魂へと混ぜ合わせた術式の効果……支配や暗示に関する事を伝えて、特に問題のない事を主張しておく
おまけに一度侵した魂からの継続的な吸精の可能性なんかも話してみる

「あきれた……変な奴とは思っていたけれどそこまで変だったなんてね、でも面白いわ
  吸精した時に、相手の技能や知識を奪えるなんて聞いた事がない」

と、こちらへ視線を向けながら

「仕事としてはしっかり無力化した上で結果的にここから排除しているし
  貴方としても襲って満足してるんだから、特に問題は無いみたいだし、ね」

そんなに悪い意味でもなく、生暖かいニュアンスでそんな事を言ってくる姐御、お世話をかけます
でも、あんなに可愛くて美味しい神官ちゃんを始末しちゃうなんて勿体無いじゃないですか、リサイクルって大事だと思うんです



         ……◇……◆……◇……



うんうん、姐御も納得してくれたみたいだし、報告はこれでお終いかな、と思っていたら

「それに……フフ、貴方のその術式はとても興味深いわ……だから」

不意に姐御がそんな言葉を漏らした

――うヒっ、なんか先輩に狙われている時なんて目じゃない強さの寒気がしてきましたよ?



「あはは……がんばってねー」

せ、先輩? どど、どうしたんですか? 隙あらば俺を押し倒してにゃんにゃんしようと狙っていたんじゃないんですか
そんなに距離をとってしまったら俺簡単に逃げちゃいますよ?

「ブハァ……」

えぇっ? 今まで無言で頷きながら話を聞いていたアニキまで……
なななんで俺をそんな、売られていく仔牛を見るような悲しい瞳で見てるんですかっ

「…………」

瓦礫の山から身を起こした狼人君まで……って、居たんだ狼人君、気づかなかったよ
君の気配を絶つスキルが高いのか、単に空気だったのか、どちらだろうね?


そんな風に必死に目を逸らしていても事態は改善されない訳で、接近した姐御にがっしりと腕を掴まれてしまう俺

「だから、一度どんな物か試して見なければ……ね?」

ぺろりとその赤い唇を湿らせながら、粘つくような視線を向けてくる姐御
あぁ……なんて事だ、クールでドライな姐御からこんな視線で見られる日が来るなんて……うん、ちょっと興奮するね!


「フフフ……貴方、そんな風におかしな術式を作れるのだから
  もちろん一方的な支配ではなくて、双方向的なラインの構築も出来るわよね?」

そうして知識を受け取れば私にも同じ術式が作成可能になる筈、そうすればもっと……なんて呟いて
マッドな表情を浮かべた姐御は通路の奥へと歩き始める
いやーさすが姐御だなー、その知識への向上心、憧れちゃうなー、と逃避している間にも、どんどん引きずられて行ってしまう

ちょ、ちょっと姐御っ? 俺の腕掴んだままですけどー







[30317] ・ベッドと俺とその温度
Name: クラクモ◆5e745eb7 ID:0f7bd90b
Date: 2011/12/29 16:50
・ベッドと俺とその温度







スタスタと足早に進んでいく姐御に引っ張られていく事しばし
溜まり場よりも少し奥まった場所の、何も無い通路でその歩みは終わりを遂げた


あれ、もしかして道間違えたのかな? なんて思っていると
何かに意識を集中させていた姐御がその繊細そうに見える指をパチンと鳴らす
それと同時に、寸前まで普通の石壁だった所に扉が現れた

おおっ、こんな所に隠し扉があったのかっ!
さっきまで暗闇さえ見通すデビルアイでも何も見えなかったのに……魔法的な何かで隠していたんだろうか
前に持ってった絨毯をどこで使っているのか疑問だったけど、こんな所に隠れ家を持っていたなんて知らなかった、流石は姐御だ

「フフ……驚いたかしら?
  ま、普段は霧になって通気口から出入りしているから、誰にも気づかれる事はなかったでしょうね」

己の魔法が感心されているのが嬉しいのか、少し小ぶりな胸を張って自慢げな姐御
意外な子供っぽさが見えて、ちょっと可愛らしい

「ここへ他者を招くのは随分久しぶりね……サ、いらっしゃいな」

姐御みたいに綺麗な女性に部屋へ招かれるなんて、本来なら最高なんだろうけども……
どうしても前後の状況があるから、気分はイソギンチャクに絡め取られる小魚です、タスケテー





おずおずと中へ入り、高級ホテルのようにも見える豪華な造りの部屋の中をぐるりと見回す
あ、絨毯はここに使われてるんだなー、どこから手に入れたのか大きなベッドまである、棺桶じゃないんですね
入ってきたのとは別の扉もあるけれど……物置にでも繋がっているんだろうか


「喜びなさい? 本当は貴方を下僕にしてしまっても良い所だけど
  吸血によるライン構築では知識の共有なんて出来ないから、今は対等の条件で勘弁してあげるわ」

出入り口の扉に再び魔法を掛けて塞いでいた姐御が、こちらへと向き直ってそんな事を言ってくる

「ええと……対等の条件ですか?」

「そうよ、この試みが上手くいったら、ラインを通じて貴方の使いたがっていた攻撃魔法の知識を流してあげる」

ボゥッと小さな火球を生み出して、姐御はベッド脇の棚に置かれた燭台へと明かりを灯した
ロウに何か香料を混ぜてあるものなのか、仄かに甘い香りが漂ってくる

攻撃魔法が使えるようになるのは歓迎ですけども……というか、もうこっちに拒否権ないですよね! 逃げ道も塞いじゃってるし!
……あぁ、拒否権が無いのは最初からでしたか、そうですか
いやまぁ姐御とにゃんにゃんするのは嫌じゃないんですが、もうちょっと、何と言うかですね
男女の、行為へ持ち込むまでのシチュエーションをあれこれ考えている俺をよそに

姐御は「ギブ&テイク、良い言葉よね」なんて言いながら、あっさりとローブを脱ぎはじめる

そうして、静かに流れる部屋の空気の中へ余す所なくそのスラリとした素肌を晒した姐御
ちらちらと揺れるロウソクの炎に照らされた、少し血色の悪い姐御の姿は……妖しくて、とても綺麗だった



「ホラ、術式を打つにはスる必要があるんでしょう? 貴方もさっさと服を脱ぎなさい」

――ああ、少し見惚れていたかも、声を掛けられるまでぼうっと姐御を見つめていた
淫魔の体のはずなのに普通にドキドキしてくるのは何故だろうか、思わずごくりと生唾を飲み込む

そう言えば……神官ちゃんは可愛くて興奮したけれど、どこかしら捕食対象として見ている部分があったように思う
先輩は、何とか逃げ延びていて今だにヤられては無いけど……同族、家族みたいな感じだし
敵対種族でもなく、同族というほど近くも無い――今現在、純粋に異性として見れる相手は姐御だけなのかな
こうして関係を持つのも利益関係じゃなくて、普通の異性として持ちたかったかも、ううん残念

なーんて思いながらもローブを脱いで晒した股間は天を仰いでいたりする、いや、だって姐御美人だし……

「フフフ……準備はOKみたいね。 さぁ、そこへ横になりなさい……始めるわよ」

そうして腕を取られて、ベッドへと誘われていく……あ、触れ合った姐御の肌がひんやりする、吸血鬼って体温低いんだ



         ……◇……◆……◇……



キシリと微かな音を立てるベッドへと仰向けに横たわり見上げる俺――その腰の上へと姐御が跨って、位置を合わせて、そのまま……

ちょ、ちょっと早くないですか? まだナニもしてませんよ!
慌てて魔法を使い、俺自身から潤滑油となるように液体を分泌させておく

「……クっ、ふぅぅ……」

神官ちゃんの初めてを奪った時と同じような感触と共に姐御の奥深くへと到達した
二人の結合部からは赤いモノが……ええっ、ここまでリードしておいて、はぢめてなんですかっ?!

「そんな訳がないじゃない、ただ再生能力のお陰で……ね」

どうせ血が出るし、あらかじめ濡らしておく必要もないわ、なんて事を少し顔をしかめながら言う姐御
なんでも行為の時にはいつでも痛みを伴っているのだとか

いやいやいやいや……それはいかんですよ、エロを司る悪魔としては、断固として! 許す事の出来ない事態だと言わざるを得ない!


しかし、どうした物かな……神官ちゃんの時のように回復薬を使うのも元々再生するから関係ないし
大きく動く度に破る痛みを与えてしまう、そうでなくても傷口を抉りつづけるようなものだろう、それじゃただの拷問だよ

となると、うーん……快感を弱めちゃうけど、弱めのマヒや睡眠薬、というか麻酔?で内部の痛みを和らげつつ
他の敏感な所へと沢山刺激を与えて気持ち良くなってもらうのがいいかな……よし、それでいこう


「……? なにをしているのかしら」

力の流れを感じたのだろうか、突き立てている内側からスキルを使用していると
腰の上でこちらを見下ろしている姐御からそんな声がかかった

「あぁ特に害は無いですよ、術式の補助みたいなものです」

作用する場所が魂……つまり心である為、術式を通す時には繋がっている部分で"心"からお互いを求め合った方が
ラインの構築が容易になる、そしてその行為にのめり込み、気持ち良くなればなるほど効果が強力になる筈だと説明する

「だから、姐御もしっかり愉しんで下さいね」

と続けて、少しだけ敏感になる効果を持たせた液体を尻尾の先端から垂らして手に取り
ゆっくりとした上下運動を開始している姐御の肢体へと、サンオイルのように満遍なく塗りこんでいく
とろみのある液体に覆われて、てらてらと光を反射している肉体の曲線がなんとも艶めかしい



「これは……」

痛み止めが効いてきたのだろうか、痛みに強張った表情をしていた姐御へと少しずつ余裕が戻ってきたようである

「ンふ、中々いいわ……流石は淫魔といった所かしら」

妖艶な仕草で舌なめずりをする姐御の視線にゾクリとさせられる、ボク喰べられちゃいそう……いや喰べられてるけど!

「フフフ……でも、これなら……」

含み笑いを零した姐御の腰が妖しくくねり、深く咥えこまれた俺自身を激しくすり上げ始めた
うわっ?! 急に強められた刺激に思わず漏れそうになる声を奥歯をかみ締めて堪える

一方的に責められているのも淫魔としてアレなので、こちらからもお返しをしていこう

先ほど塗りこんだ液体によりヌメりを帯びた姐御の肉体、その腰へと添えていた両手を動かして
上下する動きを利用するように触れさせながら、くびれのある腹部を……薄く骨の浮いているわき腹を
そして慎ましやかなふくらみを、肢体の形をなぞるようにぬるぬると這い回らせて、接触による快感を跡に残していく

「っ……貴方の手……それにもココも、とても、熱いわ」

引き締まったスリムな腰を上下させて、ふっ、ふっと吐息を吐きながらそう呟く姐御
そう告げる姐御の肉体は、確かに快感を帯びてきているというのにひんやりと冷たいままだった

これは吸血鬼という種族的な特徴なのかなぁ、ほぼ人間と同じ温度の淫魔からすると何とも不思議な感触だ
そんな事をぼんやりと考えながら、こちらの熱を移し与えるように、揺れるその肉体へと執拗に愛撫を継続する



「ふッ……く、はぁ……」

どれだけの間そうして行為を続けていただろうか
俺の腰の上ではぁはぁと呼吸を乱した姐御がその肉体を大きくくねらせて、包み込まれた俺自身を追い込むように責めたてる

「……っ! いいわ……私、そろそろ…………」

少し声を上ずらせた姐御へと、こちらも腰の動きを合わせて、お互いの快感を掘り出していく
止まる事なく何度も繰り返される律動に、ちゅぷちゅぷと淫靡な音を立てて二人の体液が混ざり合う

その時は、もうすぐそこまで来ていた





         ……◇……◆……◇……





「ア、くるわ…………さぁ、貴方も……」

程なくして姐御が切なげな声を発し、限界が訪れる事を伝える
姐御に行為を主導されながら、創りだす事に集中していた術式も既に完成していた
こちらの肉体も結合部から止め処なく送られた刺激を受けて熱く滾り、淫魔でなければとっくに果ててしまっているような状態である

「……あ……はぁ……っ! イ……くっ…………ッ!」

最後に湿った茂みを強くこちらへ擦りつけるようにして、姐御はその腰の動きを静止させた
ついに迎えた絶頂に震えながらも、それに負けじと俺自身を強く締め付けてくる内部
――その……そこだけは熱をもっていた胎内へ、念入りに組み上げた術式を一気に解き放つ!


「っ! 貴方が、入ってくる……」

そりゃ今まさに奥へと放出してますから、姐御の中……よかったです、素敵でしたよ
え、そういう意味じゃない? でも、こういった術式だって伝えてあったでしょう

「こんな…………こんな、ああ……」

びゅく、びゅく、と肉体の奥を欲望に満たされていく感覚に戸惑っているような様子で瞳を閉じ
肉体の内側を走る術式に意識を向けている姐御へと
捕食時のように一方的なものではない、双方向にアクセス可能なラインを丁寧に構築していく……



         ……◇……◆……◇……



むぅ、姐御はしっかりと術式を受け入れているのに、ラインの浸透が思うように進まないなぁ
やっぱり人間と吸血鬼だと魂の抵抗力……というか構造みたいなものが違うんだろうか
一回だけだと、姐御の存在がほんのりと感じられる程度の効果しかないみたいだ


「あ……あなたって余程自我が強いのね、こんな術式を使って平気だなんて」

打ち込まれた術式の効果を確認していると、目を開いた姐御がそんな事を言ってきた
むひ? 確かに対象とした相手が近くに感じられるようになるけれど、自我に影響あるようなものでもないような

「これって相互アクセスにしてますから、その辺の効果としては悪魔の基本セット的な魂の契約魔法に近いんじゃないですか?」

元はそれを弄ったものですし――そう返すと、姐御は「バカね」なんて零しながら人差し指を立てて

「あれはこんなに深いものじゃないわ
  それこそ紙に書いて取り交わす商談のようなものよ。 無論、契約による強制力はあるけどね」

なんて説明を加えてくれた
それから少し顔を赤らめて、視線を逸らしながら

「だから、こんな……魂に貴方の体温が感じられるみたいな契約なんて普通ありえないの」



……あー、姐御? その事なんですが

「どうも魂の構造的な問題なのか、術式の入りがまだ浅いみたいなんですよね」

なので、もっとねっぷりたっぷりと何回か打ち込んで、より強固にラインを作らないといけない、と伝えてみれば

「えっ? これ以上に強く結びつけるの?! それは……私……」

口元に手をやって軽く目を見開いて驚いてから、言葉を濁している姐御
思ったような効果がまだ得られていないから、姐御も成功するか心配なのかな?

それに対して「まだお互いの知識の"交感"も出来てませんしねー」なんて気軽にしている俺
一応細くてもラインが出来てる感触はあるし、後は2度3度と続けて太くしていくだけだから簡単なのになー

「さぁ、ここで止まってても意味無いですし、続けてシていきますよ?」



         ……◇……◆……◇……



交わりは解いていたけれど、未だに俺の上へ跨ったままだった姐御を下からがばりと押し倒す
きしむベッドの上で目の前にやってきた……仰向けになってツンと上を仰いだその慎ましやかな胸元へ、ゾロリと舌を這わせる

「ヒゃ、少しまって! ……ま、待ちなさいってば!」

そんな事言われても……精子は急に止まれないって昔のエロい人も言ってましたよ
姐御だってやっと肉体がほぐれてきて、これからが本番みたいなものじゃないですか、ふふ

本気なら俺を吹き飛ばす力を出せる姐御が、そうしないって事は……"そう"なんですよね?
くりくりと、ふくらみの先端を転がすように舌を使っていると、こちらの頭を腕で軽く押しのけるようにしてくる姐御
その細い腕を捕らえて……ぐっと体重をかけてシーツへ押し付けて、すらりとした裸身を逃げられないよう完全に組み敷いてしまう


「い、今はちょっとまだ術式が……だから」

あぁ……何故だろう、動揺して無防備になっている姐御が可愛くて、ちょっと虐めたくなってくる
でもこれ、絶対に後で復讐されるよね……うん、後の事は後で考えよう! 気持ち良くなってしまえば忘れちゃうかも知れないし

「ええ、確かにまだ術式が不安定ですよね……だから、もっとシないと」

両手を押さえられ、膝の間へと俺の肉体に入り込まれた姐御は、その身を捻ってどうにか抜け出そうと抵抗している
そんな姐御の首筋へと吸い付き、吸血鬼の真似をするように軽く甘噛みして、耳元で囁く

「大丈夫ですって、こっちは本職ですから
  姐御は身も心もリラックスして、どーんと受け入れてくれれば良いんですよ」

そのまま姐御の耳たぶへと舌を這わせて、その感触を味わって
さっきまでの情事の跡が色濃く残るひんやりとした肉体の、唯一熱を帯びたその場所へ、ずぶずぶと再び俺自身を沈めていく……

「ちょっと……あ、まっ……ッ!」

体勢が体勢だからか、それともまだ術式によって新たに作られた魂のラインに混乱しているのか
抵抗するのをやめて深く進入していく俺自身をふるふると受け入れている姐御
ふふふ、こんな姐御も可愛いなぁ、もっと、もっと欲しくなってきちゃうよ

「あ、貴方…………んふ」

どうしてか、じっとこちらを見てきた姐御へと唇を合わせ、その口内へと舌を差し入れてぴちゃぴちゅと唾液を混ぜ合わせる
根元まで納まった俺自身を、ぐりぐりと震える最奥へと押し付けるようにしてあげれば
うっすらと感じられる姐御とのラインからも、確かに悦びの感覚が流れてきていた

「んんっ……ぁふ……はぁ……っ……」

あぁ、嬉しいな……食欲や種族的な欲望によるものではない、素敵な女性と交わりたいという純粋な性欲、それが満たされていく



         ……◇……◆……◇……



「はぁ…はぁ…はぁ…あぁ…はぁ……」

俺の下で息を乱している姐御へと、無心に自分の腰を打ち付けてその冷たい肉体を暖めていく

いつの間にかお互いの手のひらを……指と指を絡ませて握りあっていた両手
内部で動く度に、ぐっぐっと力が入りこちらを掴む様子から姐御の悦びが伝わってくる

「ふふ……姐御、綺麗ですよ」

少しだけ頬が赤く染まった姐御へと顔を寄せ、唇と唇がやわやわと触れ合うようなキスを繰り返す

「あ…そんな、くぅ……はぁ…あぁぅ……」

もしかして、こういったお互いを高め合うような行為はした事がなかったんだろうか
こちらの愛撫を受けて、最初の妖艶さがウソだったみたいに初々しい反応を見せる姐御が愛らしい

「ほら、繋がりを感じるでしょう? 姐御の奥、すごく熱くなっていますよ」

姐御はツンと澄ましたいつもの様子を失ってしまい、肉体の奥深くから伝わる快楽と熱にのぼせたような表情を見せ始めていた




「はぁ…はぁ……はっ…く、ンっ! あぁ、はぁ…あぁあ……」

うん、もうそろそろ頃合かな
しばらくの間、その熱を持ちつつある肉体をほぐすように続けられていた愛撫によって
姐御との結合部からは、動きに伴いちゅっ、ちゅぷ、と水音が耳につくほど大きく聞こえるようになってきている

こちらへと濡れた瞳を向けてきている姐御、その揺らめいている細いくびれへと両手を添えて
突き入れた俺自身へと感じられるその最奥の壁を、とんとんとノックするように刺激を加えていく

「あっ! や……それ、ん…うっ! あぁ…駄目っ……!」

今までの優しい交わりからの変化に、姐御はその肉体をビクリと反応させた
しかしそんな言葉とは裏腹に、充分にほぐされていた吸血鬼の肉体は
深まっていく快感を歓迎するかのように妖しくくねり、突き入れられた雄をくっくっと包みこんでいる

「やめっ……んッ! あッ! ああ……あぁぅ、あふ……はぁう」

離された両手が寂しいのか、無意識の内にこちらへとすがり付いてきている姐御
答えるようにこちらも身を寄せて肉体を密着させると、固く充血したふくらみの先端が二人の間で転がるのが感じられる
快楽に震えるその肉体は、ひんやりとしていた最初の頃とは異なり確かな熱を帯びてきていた


ふふふ……姐御も準備万端みたいだ
快楽の高みへと追い立てるように腰を使い、姐御の肉体をガクガクと揺さぶるように貫いていく

「は、クっ…あぁ……ま、まちなさ……あッ! 私、これ以上…んんっ!」

こちらの変化から終わりが近い事を感じたのだろうか、二度目を始めた時のように静止の声を上げる姐御を振り切って
こみ上げる欲望のままに、その細い裸身を突き上げ続ける

「あっ、ひぁ…アっあっ! うンっ、ぅあぁ……あぁ!」

長い間緩やかに蓄積されてきた快感が、急激な刺激によって一気に高まっていく、そして……

「くゥ……んぁっ…あッふ、ぅあっ! あぁあ! ぁく…うぅゥ、ンんんんっ……ッ!! 」

姐御はその高みへと達すると同時に、こちらの肩へガブリと歯をたてて――って! 痛っ、痛いです姐御!!

 ─ 6のダメージを受けた ─

そんな痛みに耐えながらも何とか維持していた術式を篭めて
ビクビクと締め付けてくる姐御の最奥へと押し付けた俺自身から、再び白く濁った欲望を射ち出す!

どぷ…どぷ…と姐御の胎内を白く染め上げながら、その魂とのラインをじわじわと丁寧に強化していく……

 ─ 再生…6ポイント ─



「はー……はー……はー……はー……」

もしかして術式に副作用でもあったんだろうか、姐御は放心したように宙を見つめて荒く息をついている

あ痛た……そんな姐御の状態を確認しつつ噛み付かれた肩を触って確かめてみれば
特に血は流れなかったようで、今はもう少し赤くなっているだけだった
うーん、姐御が牙を伸ばしてなかったから良かったけど、術式への集中を乱されそうなのは危ないなぁ、ちょっと考えないと



         ……◇……◆……◇……



さて、これで二度術式を打ち込んだ訳だけど……ふむん、ラインの構築度合いはこれで七割半といった所かなぁ
一度目より進んでいるのは、魂の構造の違いを把握していたのと
ふふ……後は姐御の心が、最初より深く受け入れてくれていたのが大きいみたいだね
このペースなら後一回でほぼ確実に姐御とのラインを構築できるだろう



さて、それじゃあ……姐御の顔が近くにある体位だと吸血鬼の本能なのか噛み付いちゃうかもしれないし、うん

二度の絶頂を迎えてじっとりと汗ばんだ姐御の片足を肩に抱え上げ、身体全体を横向きに寝かせる
それからもう一方の足に跨るような体勢をとって、大きく開かれた足の間、付け根の奥深くへと腰を埋めていく

「う……ぁ、ああぁ……」

これまでの、お互いの肉体が向かい合った状態での交わりとは異なる方向から突き入れられて
新たなポイントを刺激された姐御の肉体がぐうっとのけ反る
ゆっくりと前後運動を開始させると、抱えた片足がくんっくんっと妖しく揺らめいた

「あぁ……あ、あふ…んっ  ぅん……あ、あぁ…」

そんな姐御の反応を確かめてから、雫を垂らしてひくひくと震えるその内部を存分に味わう為に腰を使っていった





「あッ、ぁあっ……あクっ! ぁう…あっ、あぁっ……」

次第に甘さの混じってきた姐御の声を耳にしながら、抱えている足を根元からじわじわと撫で上げていき
空いた片手でふにふにと、そのふくらみをさするように愛撫する

「ンっ! はぁ…あふ、あぁ…こんな……んっ! んうっ」

姐御は堪えきれないように顔の側面をシーツへと押し当てて、そんな声を漏らす
あぁ……くちゅくちゅと包み込んでくる内部が何とも心地良い、突き入れた俺自身もその熱で蕩けてしまいそうだ
それに、快楽に崩れた姐御の姿が何とも言えない達成感を与えてくれる

……でも、まだ足りない
もっと、もっと俺の存在で、目の前の女を満たしてやりたいという欲求に駆られる
より強く、より深く……その欲求に命じられるままに
担ぎ上げた片足の付け根と、反対側の腰とを両手で押さえ、何度も繰り返し、飽きる事無く姐御の胎内を突き上げていく
ロウソクによってぼんやりと照らされた室内で、艶めかしく揺れる肉体が何とも淫猥な影絵を作り出している


「あッ、はっ! アっ! ぅあ…んっ! あついっ! あぁっ!」

こちらと同じように、姐御もまたその時が近づいてきているみたいだ
汗の流れる片足をしっかりと抱え、そこを軸にして体勢を整えてから、ダイナミックに腰をグラインドさせる
淫らな熱を帯びた姐御の肉体は、少々不安定な体勢ながらも送られる快楽を貪欲に飲み込んでしまう

「ふあ、あッ! あぁ! ぅあぁっ! アあぁあっ!」

切羽詰ったように高ぶった声と、熱く濡れて妖しく蠢くその奥底の震えを感じながら、姐御が絶頂へと昇りつめていくのを確認し
互いの距離を一息に埋めるように、潤いの深みへ、グっと押し込んだ俺自身から勢いよく術式を放つ!

「あ、ヒっ……く! ――あぁ、あぁアあああっ…………ッ!!」

それがトドメとなった姐御も、がくがくとその身を震わせ、こちらを強く絞り上げてくる
望む所だ、こちらも強く腰を押し付けながら、びゅく…びゅく…と、残りの欲望を注ぎ込んでいく

姐御の胎内へと全ての欲望を吐き出した所で術式を確認しようとすると
ふと、何かに到達したかのような感覚が伝わってくる――そして……



 ― 火球の魔法(弱)の術式を記憶しました ―
 ― 雷撃の魔法(弱)の術式を記憶しました ―
 ― 氷刃の魔法(弱)の術式を記憶しました ―
 ― 簡易結界の術式を記憶しました ―
 ― 筋力増強の術式を記憶しました ―
 ― 眷属召喚の術式を…………
 ― 浮遊の…………
 ― …………
 ―

おわぁ!? 術式取得のシステム表示がえらい勢いで流れてきましたよ、システムさんログ流し自重して!


……何か攻撃以外の魔法に関する知識も次々に流入しているみたいだけど、これは姐御のサービス……というよりは

「あっ……あ……ああっ……」

何か呆然と目を見開いてピクピクしちゃってる、この状態の姐御が完成したラインの制御を出来てないんじゃないだろうか
大丈夫なのかな、コレ……繋がったままのアソコもきゅっきゅっと締め付けてきているから何気に気持ち良いけど、うむむ



――あ、ヤバ……そんな姐御を眺めていたら、またシたくなってきちゃった
術式の流入は済んでいる筈だから、本来の用事はこれで終わりだけど……と、未だに忘我の淵にある姐御を見下ろす
……うん、エロい

あーえー……そ、そうだなー、ねんにはねんをいれて、もういっかいくらいシておいたほうがいいかなー





         ……◇……◆……◇……





横向きに寝そべっている姐御から身体を一度離して、うつ伏せにしてからお尻を持ち上げる
膝を立ててお尻を上へと突き出した所へと後ろから覆い被さり、汗に濡れた背中を下から上へとゆっくり舐め上げていき
最後に羽交い絞めのような体勢で肩を押さえて、再度充血した俺自身を姐御の泉へとあてがう

そうして準備を整えておいて、自分がイヤラシイ体勢を取らされている事が解っているのかいないのか
未だに時折ピクリと震える姐御へ、ズズズズ……と、こすれる感触を味わいながら改めて挿入していく

「――ッ、あぁっ!? ……ぁく……うぁ……」

流石にこの刺激は意識へと届いたようで、ふるりとその身を震わせた姐御からそんな反応がかえってくる
復帰した姐御の意識を確かめるように、何回か焦らすように腰を動かして
それから次第にペースを上げて、こみ上げる肉欲を示すように行為を強くしていく
3度もの行為によって上気し、薄く桜色に染まっていた姐御の肉体は、その荒々しい衝動をしっかりと受け入れて妖しく揺れ動いていた




「あっ、アっあッ! ああっ! ぁあ、はあぁ!」

肘を突いて、皺のよったシーツを握りしめながら嬌声を放っている姐御へと、ぱんぱんと音をたてて腰を打ち付ける
お尻を突き出した姐御の背中がしなり、がくがくとその肉体が揺れる
二人のモノが混ざり合った液体が、結合部から内股を伝って流れベッドを濡らしていく

「あぁ! アぁ! あぁあ! あク! ぅアっ!」

本能に基づいた純粋なセックス、とでも言うんだろうか
既に二人の間には言葉は無く、ただただ獣のような声を上げてお互いの肉体を貪り合っていた
繋がった肉体と繋がった心……その両方から、びりびりと脳髄が痺れるような快感が流れ込む

「はぁぅ! あぁっ! あぁン! んあっ! ぁあぅ!」

密閉された部屋の中へ響く姐御の声が、次第に鼻にかかるような色を見せ始め
こちらの雄を深く咥えこんだ熱いヌメりに溢れるその内部には、不規則な震えが混じるようになっていく
男の根源からせり上がってくる欲望を受けて、濡れた柔肉の中を往復する俺自身がより大きく充血する


「くアっ! あアぁ! アあぁッ! あアッ! あぁあアっ!」

そうして、二人で自然と重なるように高ぶっていった快感は、視界が白く染まるかのように感じられるほど強くなり……

――ついにその限界に達し、激しく迸る!!

「ああ!! ぁあアっ、あァああぁーーーーーッ!!!」

ガクガクと全身を震わせて絶頂を迎えた姐御……その肉体を内側から塗り替えるかのように
どきゅ…どきゅ…と今までにない程大量の欲望を吐き出して、熱く爛れた胎内を満たしていく……



         ……◇……◆……◇……



ハァ…ハァ…はぁ、ふー……ふぅ、激しくしたからかなり疲れた……でも、凄く良かった

「姐御……姐御?」

あら、姐御は時折ぴくりと震えるものの、突っ伏したまま気を失っちゃってるみたいだ
そのままだと苦しいだろうから、仰向けに寝かせ直してあげて……と

むむ、何度も愉しんだ行為のお陰でベッドが汚れちゃってる部分があるなぁ
広いベッドでよかった……姐御を抱え直して、濡れていない部分へと移動する

これでよし……そう一息付いた所で心地よい疲労感が身体に感じられてきた
ベッドがあるのなんて久しぶりだ、折角だから姐御が目覚めるまで一緒に休ませてもらおう





         ……◇……◆……◇……





……ん、姐御が起きたかな、隣で身じろぎする気配を感じて意識が戻ってくる


「暖かい……」

一連の行為を終えて、ベットの上でこちらへと寄り添うように横たわっていた姐御は
身を起こすとそう呟いて、自らを抱くように腕を回して自分の肉体を確かめている
そりゃ二人であんな激しい運動したんですから、普段は血色の悪い姐御だって火照って当然でしょう

「バカッ! そういう意味じゃないの」

今度はこちらの肉体へと手を伸ばし、自分との違いを計っているようだ……うん姐御の手、温かいですね

「この温もり、まるで人間のような……」

こちらからも手を伸ばしてさわさわと触ってみれば、最初とは異なり、落ち着いた今でも普通に温度のある姐御の肉体……!?
――人間という言葉にギクリとする俺、もしかしてアレですか……光と闇が合わさり最強に見える、みたいな?


「すみません姐御、ちょっと失礼しますよ」

まさぐっていたのを良いことに、あぐらをかいて座った状態の所へひょいとお姫様だっこで姐御を持ち上げて、じっと見てみる

 ― 吸血鬼亜種♀を手に入れた ―

おうふ……なんか普通の吸血鬼と微妙に違う種族になってる?! これ、やっぱり俺のせい?
[ 人間の魂+悪魔の肉体=悪魔亜種 ]だったし、[ 吸血鬼の肉体+俺の魂の一部=吸血鬼亜種 ]なのかっ

「ア……な、なにかしら」

気が付くと顔を覗き込んでいた姐御がちょっと赤くなっていた、誰ですかこの可愛い人

「いえ、術式の効果を触れて確認してました、ありがとうございます
  それで魂を使ったライン形成に関する知識はしっかり流れていきましたか?」

何食わぬ顔で姐御をそっと降ろして、本来の目的について聞いてみる
ちょっと残念そうにしていた姐御は軽く首を振り、それからしばらく瞑目して、追加された知識を調べているようだ

「そうね……知識そのものは受け取れている様だわ
  ただ、女の私じゃ精液は無いから、血を介して行う術式になりそうね」

それに……と再び目を閉じて考えながら続ける

「今まで見たこともない構成……ふぅん? ずいぶん荒削りだけど、効率的で……ン、出来は悪くないわね」

軽く誉められてちょっと嬉しくなる
なるほど、姐御が魔法を誉められて誇らしげにしていたのもこんな気分だったんですね、確かにいいものです



――そうだ! せっかくだから、これまで出来そうで出来なかった術式を試してみよう
火……つまり熱に関わる効果を覚えた今なら成功する筈さ!

「あ、水で濡らして良いような場所ってここにありますか?」

勢いこんで尋ねてみた所、この部屋から奥へと続く通路を使って良いようだ

ここから奥へは少し進むと通路が崩れて埋まってしまっていて、それによって一区画がまるごと他の通路から隔離された空間となっており
そこへ至る唯一の出入り口となったこの部屋を拠点として塞いだ姐御は
奥にあるいくつかの部屋を倉庫や実験室……魔法の試し打ちの場として使っているのだそうな
ううむ、ただ種族的に強いってだけじゃなく、色々な努力と試行錯誤の末に今の姐御があるんだなぁ、流石です

まぁそれはそうとして新魔法である、それは……





「考えたじゃない、良いわね、これ」

そこでは、魔法によってザーーーと雨が降っているような音と湯気の立ち上る空間が作り出されていた

本邦初公開! この位の消耗であればいつまでも供給される真っ黒なナニカを
次々にお湯へと変換して垂れ流すという何とも贅沢な温水シャワー魔法である、ただし魔法は尻尾から出ます

「お湯が気持ち良い……でも、先に使わせてもらって良かったの?」

いえいえ……ほら、最初の時に水薬使って肉体を汚しちゃったじゃないですか、だからそのお詫びですよ、汗もかいてましたし
石鹸っぽい成分も出しながら姐御の肉体をぬるぬると擦って綺麗にしていく

「あっ、コラ……そこは」

……うん、純粋な好意で綺麗にしてるんですよ? ほんとうだよ?
さっき得られた知識から、姐御の強さが悪魔と同程度に強い肉体をさらに魔法で強化していたからと知って
こうやって強化の術式へと集中をさせなければイタズラしたい放題だー、なんて考えてナイヨ?

「ン……もう、いいかげんにっ」





「おヴぁっ!」

 ― 108ダメージを受けた ―

――なんて調子に乗った結果がこれだよ!
そこに残されたのは壁にもたれかかりダラダラと血を流す俺と、その辺の岩を手に息を荒らげ顔を真っ赤にしている姐御だった


なんてことだ、魔法がダメなら人類の英知――道具を使ってくるとは、やりますね姐御!
体液を操作して血を止め、そのまま流れ出た分を回復薬へと変換してすぐさま傷を癒す

 ― 回復…108ポイント ―

あれ、こんな事今まで出来なかったけど……これも姐御から受け取った魔法の知識の影響かな?



「貴方、液体をそんな風に操作できるのなら、身体の汚れも操作して落とせなかったの?
  ……もしかして、さっきのアレがしたくて温水魔法を私に使わせたんじゃないわよね」

イイ笑顔でコブシを握りながらそう聞いてくる姐御

「ちょ、ちょっと待ってください、こんな事ができるって判ったのは、たった今なんですよっ!?」

あんな事やっといて何ですけども信じてくださいー! なんて言いながら素っ裸で隠れ家の中を逃げ惑う俺だった








[30317] ・魔法と俺と黒い人影
Name: クラクモ◆5e745eb7 ID:0f7bd90b
Date: 2012/06/04 19:03
・魔法と俺と黒い人影







結局その日は、怒りを収めてくれた姐御と一緒に互いの温もりを感じながらベッドでごろごろしていた
特にナニをするでもなく引っ付いていたけれど、何だかんだで姐御も疲れていたのかも知れないな



あくる日、充分に身体を休めた姐御と俺は、それぞれに起こった変化を話しながら溜まり場へと向かっていた

「……そう、簡単な攻撃魔法なら扱えるようになったのね?」

「ええ、こんな感じで出せるようになりました」

そう返事をしながら力を集中して、野球のボール程度の大きさの火の玉を浮かべてみる
自らの意思によってそれが形作られていくのが感じられて割と面白い

「わかったわ、皆が集まるまで適当に練習していなさい」

溜まり場へと到着した姐御はいつもの椅子へと腰掛けて、自分も新たに得た術式について色々と考えをめぐらせるようだ
こちらも得られた魔法をいくつか試してみよう



という訳でその辺の石壁に向かって火球の魔法を打ち込んでみる

バシン! という、アニキに思いっきり背中を叩かれた時のような音と衝撃があたりに響く
当たった所は多少焦げているけど……炎というよりは爆発の衝撃によってダメージを与える魔法なのかな
うーん、術式の調整次第では当たった相手が燃え上がるような魔法にもできるのかも知れない

「うるさいわ、もうちょっと静かにやりなさい」

エーー、練習しとけって言ったの姐御じゃないですか
じとーっと抗議の視線を送ってみても、すぐにまた思考の海へ旅立ってしまった姐御は気付きもしなかった
こうなったらラインを通じて――くぅ、姐御の方で閉じてるから駄目かっ!

もう姐御なんて知らないっ、魔法の練習にもどるんだからっ
べ、別にラインが閉じてるのが寂しいわけじゃないんだからねっ! ……うえぇ、このキャラ付けはやめとこう

気を取り直して魔法に関するものへと意識を向ける
そこまで頑張って姐御の邪魔をしたい訳でもないし……とっさに魔法を作る練習でもしておこうかな
力が常時供給されているここならば、パっとしない威力でも瞬間的に打てて数を打てる方が便利そうだ
5の威力を一回放つよりも、同じ間に2の威力で3回放てれば総合的には有利になるだろう
そう目指すのは早い悪魔……いや駄目だ、それは何か男として良くない表現な気がする、性的な意味で

そんな事を考えつつ、先ずは火球を浮かべては消して
次に雷撃を腕に集めては消して、最後に氷刃を作りだしては消すのを連続で繰り返していく

む、どうも俺自身に属性の得手不得手があるのか、同じだけ力を篭めて発動しても強弱に差ができるなぁ
火球を並とするならば、雷撃は半分程度の弱さになり、逆に氷刃は1.5倍程度の強さになるようだ
淫魔の基本魔法に水関係のものがあるから、それで氷との相性が高めなのかも知れない



「さくやはおたのしみでしたね」

おぅふ……いきなり現れた先輩がにやにやしながらそんな事を言うものだから、組んでいた術式が霧散してしまった
何言ってるんですか先輩、折角真面目にやってたのに……ホラ、姐御も顔真っ赤にして怒ってこっちを睨んでますよ


集中が途切れたので周りを見てみると、いつの間にか他の皆も揃ってるし……練習はこれでおしまいかな





         ……◇……◆……◇……





姐御と関係を持った事によって、俺のグループ内での立ち位置は大きく変化した……かと思えば、そうでもなかった
魂的な意味で身近に感じられるようになった姐御も仕事の間はドライなものである

とりあえず姐御の劣化版とは言え、俺も遠距離から魔法を放つ事が可能になったので
正面からの戦闘で探索者パーティを排除する時にも役立つようになれた……と思う、とにかくクビになる可能性は減ったに違いない



「全員揃ったわね? 今日もまた階層を巡回するのだけど……どうしたの?」

俺の横できょろきょろと挙動不審な様子の狼人君が気になったのか、姐御が声をかける

「がう、ぐるる……」

「……そう、わかったわ
  丁度こちらへ移動してきている連中がいるようだから、排除しにいくわよ」

姐御はしばらく鼻をふんふんいわせていた狼人君から報告を受けとると、そう号令をかけた
正面から当たった場合に、現在のグループがどの程度戦えるのかを計る為に今回は普通に戦闘をするらしい





おっさん、おっさんおっさん、それにおっさん……現れたのはおっさんばかりのパーティだった
特に忍んでいなかったのでこちらの接近に気付いていたらしく、探索者達は少し開けた場所で戦闘準備を終えて待ち構えていた

姐御が即座に後衛の魔法使いへと牽制の為に速さを重視した魔法を放つ!

至近距離へと着弾しておっさん魔法使いが動揺したその隙に、アニキと狼人君が前衛のおっさんへと襲い掛かっていく
一度近づいてしまえばゲームとは違って味方を巻き込んでしまうので、後衛は派手な威力の魔法を使えなくなってしまう
血が目的なので吹き飛ばしてしまう訳にはいかない姐御は、そのまま魔法使いとの牽制合戦へと突入していった

先輩はアニキと狼人君の後ろに控えながらも、相手の隙をついて魅了をかけようと狙っているらしい
着ている服(仮)のお陰か、何気に居るだけでもおっさん達の視線を惹きつけて
集中を乱す役目となっているのが凄いというか何と言うか……俺も含めて男ってバカだよね

神術に抵抗力がある(と思われている)俺はハゲでヒゲをもっさり生やしたおっさん神官を相手取り
前衛へ回復をかけようとするタイミングを見計らって魔法を飛ばし、その詠唱を妨害している


うん、我ながらなかなか上手い事戦えているんじゃないだろうか
おっさんパーティの後衛は姐御と俺の妨害で前衛への支援を上手く行えず、焦りが見えてきている
支援を受けられない前衛はアニキと狼人君の勢いに押されて、次第に劣勢となってきているようだ



そんな事を考えていたのがマズかったのかも知れない

突然横合いの通路から飛んできた何かがアニキ達の足元で砕け、そこに炎が広がっていく
火炎瓶!? いや、伏兵!!?  驚く俺、そして一瞬硬直してしまうアニキ達
獣人だから本能的に火に対する恐れみたいなものがあるのかな

そして、それを見たヒゲハゲ神官が「ワレニカゴー!」とか叫びながらこちらへと突っ込んできた!

新たに現れた盗賊っぽい敵(やっぱりおっさんだった)へと、先輩が軽やかに向かっていくのを見ながら
いつでも使えるように尻尾を出して、それから爪を伸ばして構え、やってくるヒゲハゲ神官を牽制する

ぶんぶんとモーニングスターを振り回しながらも、集中して神術を使おうとしてくる熟練のヒゲハゲ神官
接近戦に持ち込まれて上手く妨害をできていない俺、うむむ、どうしたものか

「ヒカリヨー!!」

ついにヒゲハケ神官に神術の発動を許してしまう……が
ああ、この光は聖印を打ち込む神術かー、俺には効かないからひと安心だ


――そう気を抜いた次の瞬間には、目の前に鉄球が迫っていた

なんとおおおおぉおぉぉぉ!

咄嗟に上半身をぐいっと反らすと目の前をトゲトゲの鉄球が凄い勢いで通過していく!

あ、危なかった……もうちょっとで頭がえらい事になってたかも
再生能力があると言っても頭が吹っ飛んだのは再生するか解らないからなぁ……
神官ちゃんから姐御と続けて、何気に一日に納まってしまう短い時間であんなにヤっても問題なかった淫魔の強靭な足腰に感謝である

しかしそんな隙をヒゲハゲ神官が見逃す筈もなく、フルスイングした鉄球の遠心力を殺さないように勢いを曲げて利用しながら
今度はナナメ上からこちらへと振り下ろしてくる……ッ?! あっ、これはヤバ

キュ…ドンッッッ!


最後に神官ちゃんともっと沢山したかった、なんてアホな事を考えていると
激しい音と衝撃の後にヒゲハゲ神官が視界から消えた

「まったく……なにやってるの、貸し一つよ?」

初めて訪れた生命の危機に心臓がバクバクと音を立てているのを感じていると、姐御からそう声が掛かった
どうやら相手をしていた魔法使いは不意をついて魅了をかけ、既に無力化していたらしい

「ホント助かりました。 でも、返済はなるべく軽くでお願いしますね」

なんておどけたフリをしつつ軽口を返しながら、姐御の魔法が直撃し吹き飛ばされた壁際でうめいているヒゲハゲ神官へと近づき
限界まで濃度を上げた麻痺毒を爪の先から滴らせて、抜き手の形で胴体へと直接叩き込む!!

うぅ、ぞぶりと手が肉に入り込む感触が何ともいえない感じだ
神官の役職にある者を倒した事で悪魔的な意味での喜びが沸き起こってくるけど、どうせ肉に入り込むなら女のコのえっちな所がいいです



……よし、これで終わったかな
うめき声が止み、呼吸さえ麻痺してしまったヒゲハゲ神官を見下ろして一息つく

「かなりの力を秘めていそうなのに、喰べれないなんて勿体ないわ……」

隣へやってきた先輩は残念そうにヒゲハゲ神官の傷痕に手をやって、自らの皮膚が煙を上げるのを見て溜息を吐いた
流石の先輩でも触れただけで自分が焼かれるような思いをする相手は無理なんですね


そんな先輩が、後ろでぼーっと突っ立っていた盗賊のおっさんとエロモードに突入するのを見送りながら、改めて周りを見回してみれば
おっさんの前衛は炎を見て興奮したらしいアニキと狼人君にトドメまで刺されていて既にご臨終
姐御は魔法使いのおっさんの首筋へと噛み付いて血を吸っている最中だった


戦闘はこれでおしまいかぁ、どうにか生き残れたらしい





         ……◇……◆……◇……





それにしても、神官ちゃんの後は素敵な女のコに出会わないなぁ
まぁ精子……じゃなくて(淫魔的には合ってるけど)生死のやり取りするような業界だろうし
普通居ないのはわかるけど……うーん、こんなにエンカウント率が低いなんて、神官ちゃん逃がしちゃったのは失敗だったかな

なんて事を考えながら、今日も今日とて、むさいおっさんのパーティを殲滅するのだった
今回のパーティに居た神官は口ひげを整えたダンディな人だったけど
いきなり先輩を口説き始めてあっさりと魅了の暗示に引っかかってたなぁ、この人は一体ここへ何をしに来ていたんだ……




階層を巡回している最中の空いた時間に、姐御や先輩へとそんな内容を愚痴っていたところ
人間の若い女性は、この階層へ来るほど強くなる前に同じパーティの男性とねんごろな仲になって寿退職していくのが多いんだそうな
元々それなりの探索者でなければこの中階層まで入ってこれない事もあって
遭遇する数は圧倒的に男性、それも経験を重ねて30歳前後や、時にはそれ以上の年齢になっている相手も比較的多いのだという
なんてこった! 職場環境の改善を要求する! 一定以上の年齢層は立ち入り禁止に設定するべき

「ふふふ、若いコも良いけど、歳を重ねた渋みもいいものよ?」

先輩はそう言うけれど、男性はともかくとして流石に女性だとなぁ……俺はちょっと遠慮したいですね
あ、姐御は別ですよ、若さが保たれてる種族だったら気にしませんってば


そんな雑談の中で改めて角の話を振ってみれば、悪魔の角は特定の特殊な種族でも無い限り、無くなっても問題ないものらしい
あくまでも「力が強くなったから象徴として角が生えた」のであって「角のおかげで力が強い」のでは無い、との事である
角を折られて弱体化という、漫画なんかで良くある事態にはならないようで、そこは一安心だね

角に対して誇りがある訳でもなく、むしろ不便さしか感じていない俺は、近い内に角を折ってしまおうと考えていたりする
だってほら、普段隠しているから良いとはいっても、もし何かの効果が及んだ拍子に擬態が解けたりしたら危ないじゃん?
あらかじめ折った上で隠しておけば、仮に解除されたとしても根元はフードの中に納まるからバレない可能性も出てくるしねー



         ……◇……◆……◇……



「という訳で、これから断角式を行いたいと思います」

「ぐるるっ」

イエーイとノリノリで、いきなりそんな事を言い出した俺にしっかり応えてくれるのは狼人君である、意外と良い奴なのかもしれない
そんな狼人君へ、なるべく根元で折りたい事や、淫魔の爪でも少し削れる程度の強度である事を伝えてみると
なんとも自信ありげに「まかせろ!」というジェスチャーを返してくれた

そしてすぐさま淫魔よりも遥かに鋭い爪を伸ばして腕を振り絞り……えっ、ちょっとまった! まだ心の準備が

シュ、ガッ!    ……ゴトリ


「ごあ」

……あっけにとられている俺へと狼人君は、「ほら終わったよ」とばかりに落ちた角を差し出してくれた
先日の姐御みたいに、待ってと言っても待ってくれない状況に陥るなんて因果応報だなぁ

にしても、もう少しガキンっと折り取るような感じになって、衝撃を受けるだろうから
石に頭と角を乗せて固定してから折って貰おうと思ってたのに、すげーぜ狼人君!
こんな切れ味だとは……唯一の後輩になる狼人君へと普段は先輩風を吹かせているけど、ハハハ、改めた方がイイカナー?

「ぐる……?」

前衛を担当する者の強さを再確認して戦慄していると、狼人君が怪訝な表情でこちらの頭を指差していた
んん? と手をやってみるとそこには固くて捩れて尖った感触が……

無言で手を見てみれば、そこには綺麗に切断された角
頭に手をやってみれば、そこに生えているのは立派な"二本"の角、あるぇーー?

狼人君はお手上げだという風に肩をすくめると、とてとて歩いて去っていってしまう


なんてことだ、この肉体の再生能力が角にも及ぶだなんて、流石は悪魔ボディ
でも、これじゃあなぁ……ちょっと危険だけど、そのままで隠しておくしかないなぁ
集中して――むむむむむ、これでよし
俺の頭上から紫色の光が走り、感じられていた角の重さが失われる


角を折りたいのはあくまでも保険だから、良いと言えばいいけども、うーん
いやしかし、生存をモットーとしたからにはどうにかして……

でもこの場合……

やっぱ……


……







――気が付いたら溜まり場から出て、一人でフラフラと結構な距離を移動してきてしまっていた

まぁ今は姐御が勝手に設定している業務外時間だから問題ないか
折角だし、前のように通路に落ちている何かに使えるかもしれないガラクタを収集しながら戻ろうかな


 ― 短剣を手に入れた ―

……おっ、この短剣は状態が良いな、まだまだ使えそうだ

そうして歩いていると、黒ずくめの動きやすそうな服に何かの道具類が入ったポーチを腰につけた姿で
今まさに俺と同じようにガラクタを拾い上げようとしている人影と目が合ってしまった、珍しく女性である

「ええと、こんにちは?」

「…………」

返事が無い、ただの屍のよう……って、どう見ても屍じゃないよ
装備やその静かな立ち振る舞いからして盗賊系の職業の人なんだろうか
ここに来てから静かに動くように心がけて、周りの音にもかなり敏感になったけど、視界へ入れるまで全く気づかなかった

「…………」

「…………」

じっと見てくるので、こちらも目ぢからを篭めて無言で見つめ返してみる
これはアレか、目をそらしたら負け的な場面なんだろうか



「……こっちへ」

しばらくの間、俺と反対側の通路の奥を気にするようなそぶりを見せた後に
ややハスキーな声でぼそりとそう口にした盗賊さんは、素早く俺の手をとると静かに滑らかな足運びで通路を歩き出した
そのまま角を一つ曲がった先にある小部屋の中まで引っ張りこまれてしまう

クールでカッコ良い女の人に部屋に連れ込まれるとは……これは勝ち組であると言わざるを得ない
あれ? つい先日も似たような事あったよね? 俺は勝ち組だったのか、気づかなかったぜ、ヤフー!


「むごふ」

ナイスな事実に感動して扉の前に突っ立ったままテンションを上げていると
いつの間にか近寄っていた盗賊さんに、後ろから口を塞がれてしまった
残念ながら手でだけど……え、なに、これはひょっとするとひょっとしちゃうの?
このまま抵抗できない無力な俺は、盗賊さんにあんな事やこんな事をされてしまうんだろうか、なにそれすごい、興奮する!

「……静かに」

短く伝えられたので、手で口を塞がれたまま頷く
すると、程なくして扉の向こう側を獣人さんグループと思われる気配が通り過ぎていった

あぁなんだ、獣人さん達の気配を察知したから隠れただけなのね、ヤる気下がるわぁー
その後もしばらくの間、じっとりと油汗を流しつつ無言で扉の向こうの様子伺う俺と盗賊さんだった



         ……◇……◆……◇……



……いや、もうそろそろ良いんじゃないだろうか、俺のデビルイヤーにも何も聞こえないし
そう思って未だに口を塞いでいる盗賊さんの手のひらをぺろりと舐めてみる

「っ?!」

盗賊さんは短い悲鳴をあげつつ広い方……部屋の中心へと飛びのく
あぁ、精密な作業をする為か、指貫グローブを使ってるから直接肌を舐めちゃったのね、ご馳走様です


「いやー、ここまで一人で入ってこれる人が居るなんて驚いたよ」

「……一人で"入ってこれる"……?!」

はっとした顔で目を細めてこちらを伺う盗賊さん
別に困らないけれど、いきなりの失言である

「あ、気づいちゃった? 実はねー……ふふふ」

言葉を濁しつつ軽く考えてみる

最初の騙し討ちの時にはこれといった戦闘も無くて、楽にパーティを殲滅する事ができていた、美味しい思いもできたし
でも、この前の戦闘では少しの隙を突かれて接近戦に持ち込まれて、危うく死ぬかも知れない所だった
やっぱり今後も警備員ライフを続けるんだから、いざという時の為に接近戦の経験はあった方が良い、のかなぁ

ふむ……こちらを胡乱げに見やってきている盗賊さんをじろじろと眺める
分類的には前~中衛とはいえ、見た感じそれほど強力な武器を持っている様子はない、主な武装は腰の後ろに下げている短剣かな
ゲームや漫画の世界ならばともかくとして、普通の短剣で戦闘中に一撃で首を飛ばすなんてありえないから
一般的な盗賊位の武器と力なら悪魔パワーと再生でゴリ押しできると思うけど……うん、試してみよう

とにかく、ナニをするにしても逃げられる訳にはいかない
すぐ近くの扉へと重なるように、板状に範囲を絞った結界魔法をかけて密室状態にする
――と同時に、即座に無言で切りつけられる

 ─ 8のダメージを受けた ─

痛っ、ちょっとかすった!? 思ったよりも反応が素早いなぁ、これが盗賊の動きなのか

「ッ! ひどいな、そちらからここへ誘ってきたんじゃないか」

 ─ 再生…8ポイント ─
 ― 焦熱の毒の成分を記憶しました ―

うひょ、危険そうな名前の毒表示が出てきた、なにこれ怖い
相変わらず無言の盗賊さんから鋭く迫る暗い色の短剣を回避しつつ、得られた魔法からこの毒の効果をチェックしてみる
なんでも切られた所から燃えるような痛みが全身へ広がるもので、大量に喰らってしまうとショック死する程の毒なんだそうな
でも悪魔……特に色々な毒液を扱う淫魔には毒全般が無効っぽかった、流石悪魔だなんともないぜ!
にしても無効じゃなかったら激痛ダメージと再生で、酷い事になっていた予感がぷんぷんするネ! 危なかった


そうして細かく傷を受けながらも、さっき拾った短剣を抜いて戦闘時の身体の動きを意識して攻撃を受け流していれば
盗賊さんが今度はおもむろに何かのビンを取り出し、こちらの真上……天井へ向けて投げつけた

パリンと割れた中から何かの液体がこっちへ向かって――あちゃ、熱っ、熱ちゃ、ほわっちゃー、皮膚が焼けるっ!

 ― 15のダメージを受けた ―

そのままでは死なないまでも痛くて身動きが取れないので、慌てて回復薬(弱)を創り出し、液体がかかった部分を洗い流す
はたから見ると突然変な色の涎を大量に流し始めて腕に塗りこんでいく俺、キモいです

 ― 回復…15ポイント ―
 ― 溶解液の成分を記憶しました ―

強酸性の液体か! ダメージは再生で相殺すると言っても、付着した範囲によっては相殺しきれなかったかも知れない
それに、さっきも感じたけど痛みで行動が途切れるのは危険だ、攻撃魔法は特に集中する必要があるし
しかしこれ、覚えたは良いけど液体を身体の表面から創り出すのが基本の俺じゃ普段は使えないなぁ
使う時は自爆覚悟のカウンター狙いになるだろうか、自爆魔法というともっと凄そうなのに……汁魔法ときたらこれだから……


「……人間じゃ、ない」

今更ですかっ?! 上の浅い階層に住み着いて探索者を襲っているというゴロツキやアウトローの同類だと考えていたのかな
しかし最初の魔法の時点で致死性の毒を使っておいてよく言うよ、探索者の世界ってのは恐ろしい業界なんだなぁ





俺にしばらく攻撃を回避されて、少し息が上がってきた盗賊さんの動きが次第に鈍くなってくる
身体が資本の業界といってもこの状況で長時間素早い動きを維持するのは消耗が大きいんだろう

うーん、もうそろそろ良いかな、これ位の相手ならそこまで苦戦する事はなさそうだ
相性的にも、致死性の毒によるものを除くと正面からではチマチマとしたダメージしか与えられない盗賊相手は有利だしね
盗賊さんのネタも尽きたみたいだし――という訳で、種も仕掛けもございません、さん……ハイ! きゅぴーん

「……何をした」

短剣を振るう手が勝手に止まり、その事を言葉少なに聞いてくる盗賊さん
いやー、だって毒の効かない相手で警戒していたのか
こっちの動きを目を逸らす事無く、鋭く見据え続けているんだもの、思わず目線を合わせて束縛の暗示を使っちゃったよ



うんうん、効果はばっちりのようだね!

 ─ 盗賊♀を手に入れた ─







[30317] ・瞳の暗示と俺と白色
Name: クラクモ◆5e745eb7 ID:0f7bd90b
Date: 2011/11/24 19:32
・瞳の暗示と俺と白色







 ─ 盗賊♀を手に入れた ─



相変わらず自重しないシステム表示をスルーしつつ
身体を動かそうと努力している盗賊さんの肩を掴んで部屋の壁へと押し付ける



「……くっ、何、これ」

自分からは動けない、しかし外から力が加わると動かされてしまう、そんな状況に盗賊さんは少し動揺しているようだ
暗示の効果が切れた時に備えて、尻尾を使って盗賊さんの後ろで交差させた両手を拘束しておく

「……悪魔ッ」

自らを縛る尻尾を見て、ようやくこちらの正体を正確に察した盗賊さんがそう呟く


「そう悪魔……淫魔さ
  くくく、淫魔に囚われたお前は……これからどうなるかな?」

片手で盗賊さんの顎を掴んで少し上を向かせ、固く引き結んだ唇をなぞるように指を動かす
強い抵抗の意思をうかがわせる盗賊さんの目の前で見せつけるように鋭く指の爪を伸ばし、首筋をなぞりながら下へと向かわせる
首元へと肌を傷つけないように添えて、そこからゆっくりと黒い上着だけを切り裂いていく

「……あ、やめろ……」

次第に露になっていく盗賊さんの思いのほか色白な素肌
お、線の細い人なのかと思ってたけど、サラシのようなもので固定してたんだねぇ
ひとまずそれには触れずに、そのまま上着の前面を縦一直線に切り裂いてしまう

「……みるなっ」

大きく晒されたその肉体へ、じっくりと舐めるように視線を這わせる
体術をメインとしているからか、きゅっと引きしまっているくびれへとそっと手を触れて感触を味わう

憎々しげにこちらを睨みつけてくる盗賊さんの表情を見やりながら
今度は下から、皮膚へと触れるか触れないか程度の強さで上方向へと爪を走らせて、その封じられたふくらみを目指し
ブツ、ブツり…と固く締められたサラシを切断していく

「……ぅ、よせ」

正面側の全てを切断されてしまったサラシが、ぱさりと床に落ちる
ほほぅ……なかなかのモノをお持ちですな、良い事です
そこには平均よりも豊かなふくらみが静かに存在していた

「へぇ? 随分といやらしい肉体じゃないか」

軽くそのふくらみを確かめるように触れてから、盗賊さんの腰に装備されているポーチを外して床へと降ろしておく
続けて腰紐を解いてしまえば、だぼっとしたズボンのような装備はするりと足元まで落ちていった
残された下着からは、うっすらとその下の茂みが透けて見えている

実は……口を手で塞がれていた時から汗の形でエロ効果の体液を使っていたのは、ココだけの秘密だよ?

「何もしていないのに湿ってきているな
  はっ……本当はここへ連れてきた時から期待していたんじゃないのか?」

「な……ち、違う」

悪魔の……というより見知らぬ男の前に素肌を晒してしまったことで、羞恥の表情を浮かべる盗賊さん
20代半ば位に見えるからそれなりに経験はあると思うけど……意外と初心なのかな、ふふ……いいねぇ、実に良い



         ……◇……◆……◇……



暗がりに浮かび上がる盗賊さんの白い肉体を、少し横にずれた所に膝を着きながら腕を回して抱きしめて
丁度良い高さとなった、たわわに実っているふくらみの先端へと、ざらついた感触を伝えるようにねっとりと舌を這わせる

「ッ! いや、っく……」

こちらの愛撫により形を変えるふくらみを交互に味わいながら、つつつ…と背すじをなぞるようにしながら片手を下へとずり下げていき
引き締まったお尻を握るように揉みほぐして質感を愉しむ

もう一方の手はわき腹からおヘソを辿り、そのまま足の間を目指して進行させる
下着と肉体の間に手をすべり込ませ、ようやくたどり着いたそこは、指先に絡むような液体でかすかに潤いつつあった

「おいおい、もうこんなにしてるじゃないか」

どうせ自分では見ることはできない、現状に少しの誇張を加えた言葉をかけて
口に咥えたふくらみの先端をわざと大きな音を立てて吸い上げるようにしながら
盗賊さんのぬかるみへとゆっくり指を差し込む

敏感な部分へと入り込まれて盗賊さんの動けない肉体がピクリと緊張するのが解る

「ホント……いやらしい肉体だ、ココで、今まで何人の男を咥え込んできたんだ?」

指のそれぞれを別々に動かして、隠されたその場所を示すように泉の岸辺をなぞり
時には軽く沈み込ませたりしながら、奥からこぼれる液体を執拗に汲み出そうとしていく

「……そんな、こと……しな、ッ、い」

言葉に合わせて、ツンとしてきていたふくらみの先端を吸い上げると盗賊さんの吐息が少しだけ乱れる
まだそこまで快感を感じている訳でもないかな、でも確実に高まってきているみたいだ

まぁ男に素肌を……敏感な部分をまさぐられながら、えっちな内容で話かけられて意識しない訳がないよね
吸い付いて口に含んだ先端をコロコロと舌先で嬲りながらそう考える
若かった神官ちゃんと違って、盗賊さんは女としての肉体が完成しているみたいだし、もう少し強引にいってもいいかな



盗賊さんの足を軽く開かせて、しゃがみこんだこちらを跨ぐような状態にしてから両手を上半身へと向けて
その柔らかなふくらみへ指をうずめて捏ねるように揉みしだく
反対にふくらみの谷間から下へと舌を這わせていき、引き締まった太ももに吸い付いたりしながら顔をその足の間へと近づけていく

ずり下がっていた下着と茂みの間へと顎を差し入れて押し進み、ついに盗賊さんの隠された泉が目の前に現れた
さて、盗賊さんはどんな味かな? 悪魔の長い舌を伸ばしてソノ部分へと沿うように密着させる
入り口の周辺で舌をくねらせ、たっぷりと唾液を塗り込んでおいてから、その内部へと通じる部分にズルリと舌先を入り込ませた

「……やめ、ッ! く……」

中へと入り込んで蠢く異物を感じたのか、盗賊さんの女としての部分が反応を開始する
じわじわと染み出してくる量が増加し、入り口が開かれた事で盗賊さんの匂いがより強く漂ってくる

「うっ、はなれろっ……」

拒絶を口にしている盗賊さんの腰に力が入る様子が感じられる
ふふふ……今はまだ抵抗したいのか刺激に反応したのかは解らないけれど、その内に悦びに震えるようになるのかな、愉しみだ

とはいっても、どうにもこの体勢は長時間するには不向きだね、敏感な所を同時に責めてあげられるのは良いけれど不安定だし……
それに、俺の舌も2枚ある訳じゃないから、言葉を発せられないのは少しつまらない

軽く考えてから盗賊さんの片足をこちらの肩に乗せるように動かして、足が載っている方の手ではお尻や太ももを撫で回し
残る片手はそのままふくらみを愉しみ、最後に舌を使って泉を攻略する体勢へと移行する

そうして、伸ばした舌をヌラヌラと蛇のようにくねらせて盗賊さんの内部を直接刺激していく

「……あ、そんな……っ!」

途中で拘束していた腕がびくりと動いたので拘束の暗示はもう解除されているようだ
しかし盗賊さんはそれどころではないらしく、大きな抵抗はしてこなかった

「は、くっ……や、やめ…………」

突き出たふくらみの先端を指にすり上げられた盗賊さんの肉体がぴくりと跳ねる
上の口だけは相変わらず淡々とした反応だけど……通常とは異なる長くて自在に動く舌で蹂躙されている下のお口は
その本人の意思とは関係なくいやらしい液体をこんこんと溢れさせている
少しの間で口を付けているこちらの顔まで濡らしていく位の量が流れてきていてちょっと驚く、盗賊さんは量が多い人なのかな


「……う……いっ…………あぁ」

自由に動かせる頭を右へいっぱいに動かし、堪えきれなくなると今度は左に振ってはその肉体を固くする
そんな盗賊さんの仕草からだんだんと快楽が高まってきている事が見て取れた
淫魔の身体はこんな風に舌を使っていると、どうしてもエロ効果の唾液が出てしまう
それに加えて、その人間とは異なる長さの事もあって
盗賊さんは今まさに人間相手では得られない悪魔の快楽を味わっているって事だね、ふふふ

ぴちゃぴちゃと音をたてながら泉の奥へと舌先を挿し入れて、引き出して、ずるりずるりと休む事無くその泉をかき回し続ける

「……くぅ、ぁあ……ひっ…………ぁ……ッ!!」

静かに、それでいていつの間にか熱くなった吐息をもらしていた盗賊さん、その肉体が唐突にガクリと崩れそうになる
同時に目の前の潤いの奥からは、ねっとりとした液体が一気に溢れ出してきてこちらの鼻先を濡らす
その液体は盗賊さんのしなやかに引き締まった太ももの内側を、ツーっと線を描いて流れ落ちていく……

寸前まで頑張って我慢していたんだなぁ、どうやら盗賊さんはイってしまったみたいだ



         ……◇……◆……◇……



「会ったばかりの男の口でイくなんて、とんだ淫乱だな?」

立ち上がりながら肩に乗せていた足を降ろして、開いた手でとろとろと粘液を滴らせる盗賊さんの泉をくちゅりとかき混ぜる
それと同時に、唾液に濡れて てらてらと光を反射する胸の先端を口に含み、ちゅっ、ちゅっ、と断続的に吸いつけば

「ぅあっ……ぁ、くぅ……は……あふ……」

と、一度達してガードが弱くなってきた盗賊さんの吐息が面白いように乱れる
色白のしなやかな肢体がほんのり桜色に染まり、快感に揺れる姿がなんとも美しい

そんな反応を思う存分愉しんだ後で、逃げようとする頭を押さえて強引に唇を奪った
唇を割って入り込ませた舌を縦横に使い、拒絶するように歯を食いしばっている口内を蹂躙する
未だに継続している下半身から響く刺激を受けて、口を塞がれた盗賊さんの呼吸が苦しげなものとなっていく
ふふふ……いつまで耐えられるかなぁ


「あっ……むぐっ、んむぅ……」

休む事無く泉をかき混ぜていた指が特定のポイントを擦ると、その刺激に力が抜けてしまったのか
微かな声を上げた盗賊さんは、ついにその口の奥へとこちらの侵入を許してしまった
ここぞとばかりに、避けようとする舌へと自分の舌を巻きつくように絡みつかせて唾液を送り込んでいく

「ぐうっ……んん、ぐ……ううぅ……」

目を固く閉じている盗賊さんの頬を涙が伝って落ちていった
特に男を知らない肉体じゃなかったから、もしかしたら恋人でも居たのかもしれない、でもまぁ、直ぐに……ふふふ

「ぷはっ、はぁ、はぁ……ころしてやる」

ホント今更だなぁ、戦いの時にあんな毒を使っていた時点で最初からそのつもりだったのにね

「俺を殺すか……ははは、その割にはココは別の反応をしてるじゃないか」

ちゅぷ……と音をたてて盗賊さんの泉をかき混ぜてそこの現状を自覚させてから
その肉体を拘束に使っている尻尾で半回転させて背後から組み付いた体勢へと持ち込む

「……おまえが、こんなッ?! は、くっ……」

空いた片手を使いそのふくらみを一時乱暴に揉みしだき、そこから首筋へと移動し喉を軽く締め付けるように力を加える
そして、執拗に責め立てる指から逃れようとしているのか、少し腰を引いた状態になっている盗賊さんの泉へと
ローブの下から露出させた俺自身を後ろから接触させる

「ま、そんな事はどうでもいいんだけどな」

最後に声と共に腰を進めて、盗賊さんの泉の内部へとズブリと一気に根元まで入り込んだ



「あぐっ! ……あ、あぁ……あああ」

「わかるか? いやらしいお前のココがしっかりと男を咥え込んでいるのが」

硬直してしまった盗賊さんの耳元で囁き、内部の存在を主張するように、ゆっくりと腰を前後させる

「ッ! いや……嘘……」

「嘘、ねぇ……まぁ嘘だと思ってるなら、この先どうなってもいいんじゃないか?」

全部嘘なら構わないだろ? 愉しめよ、と告げて、盗賊さんの肉体を後ろからグングンと突き上げていく
拘束に使っている尻尾でバランスを取りながら、両手をその豊かな上半身へと向けて
揺れ動くふくらみの先端を指の間に挟み、そのまま下から掬い上げるようにして捏ね回す

「……ひ……く、ああっ……あぁぁっ……」

自失状態にある盗賊さんをよそに、その内部は勢いよく潤いを増していき、ぢゅぐっ、ぢゅぐっと淫猥な音を立てている

「くく、ずいぶんといい具合じゃないか、まったく……お前は淫乱だな」

そう声をかけながら、一方的に盗賊さんの白い裸身を弄ぶ

「やぁっ……ぁく、くぅぅ……ぅやっ、あ、ああぁっ」

眉を顰めて頭を左右に振っている盗賊さん、話せる状態にあるならばそうではないと否定したいんだろう
しかし淫魔の毒に侵されてしまった女の肉体は、盗賊さんの意思とは関係なく嫌が応にも快楽を生み出していってしまう
肉の悦びがその肉体を駆け巡り、理性を屈服させようと強いシグナルを脳へと送り込む

もうその頂点へと辿りつくまで止まる事はない



         ……◇……◆……◇……



「ぅアっ、あぁ…ああっ! くぁ……あッ! あぁあ……」

ふふふ……盗賊さんの抵抗も大分弱まってきたようだ
否定の強い意志を持って左右に振られていた首も、今では惰性で動かしているかのように弱々しい
愛液をだらだらと流している腰も突き入れた雄を貪るようにヒクついている

「なあ、いま自分がどんな風に動いているかわかるか?」

「なっ……あぅっ! いや…ちが、ちがうぅぅ……あくっ! んんっ」

そんな言葉を返しながらも、盗賊さんの肉体は確実に最後の時へと近づいていた
休む事無くその胎内を前後している俺自身のリズムに乗せられて
熱く、荒い呼吸を繰り返すその口からは断続的に切羽詰ったような声が発せられている

「……んあっ、あっ! あっ、アっ、あぁ…あッ! あぁっ、ハぁっ」



「あっ、あぁ…ひッ! く、あぁっ! やっ…ぁあ、はぁあっ!」

逃れられぬ快楽に身を捩り、反りかえる盗賊さんの背中を汗が流れていく
その背中を突き上げながら首筋へと舌を這わせ、つまんだふくらみの先端をくりくりと転がすようにしてあげると
盗賊さんの内部はくくっとこちらを掴むような反応をかえした

「こんなにヒクヒクと締め付けてくるなんて、そんなに良かったか?
  くく……お望み通り、お前の中へたっぷりと注ぎ込んでやるからな」

「やっ! ぃや、いやぁ! うく…あぁ! だめ、だめダメっ……!」

そんな声を耳にしながらも、お構いなしに腰を動かして熱くとろけた内部を何度も抉っていく
きゅうきゅうと収縮を繰り返すそこから突き入れた俺自身へと痺れるほど甘美な刺激が伝わってくる

「嫌か? いやだったら我慢するんだな、お前がイかなかったら外へ出してやる」

なんて事は無いんですけどね
そう声をかけながら片手を下半身へと向かわせて、盗賊さんのびしょびしょの茂みをかき分けて
ふっくりと充血して少し大きくなっている最も敏感な突起をくにくにと刺激する

「くっ! んんっ! ……ッ!! ふアっ、ぁあっ! そこはぁ…っ!」

今まで触れていなかった部分だけあって、その効果は劇的だった
盗賊さんの胎内は急激に男の欲望を受け入れる状態へと変化していき
一度は耐えようと閉ざした口からは、あられもない声がしきりに放たれている

「ああッ! ダめっ! ぅあぁ、イっ! あぁっ……」

「なんだ、やっぱりイイのか? それじゃあ、いくぞ」

腰の前後運動をそれまでの大きなストロークから、奥から奥へと繋げる追い込むような動きへと変えて
軽く押す程度に留めていた盗賊さんの突起を指でつまみ、きゅっきゅっと腰のリズムと合わせるように挟み込んでいく

「ちがっ! いぁっ、あう! うぅ…アぁ! やァ…! ああっ!」

快楽の高みへと突き上げられてしまった盗賊さんが大きく肉体を震わせて、そして――

「……うあ! はあぁ、あアあぁあぁっーーッ!」

絶頂を迎えた盗賊さんの胎内へと強く押し付けた俺自身から、勢い良く欲望を放出した!





どぷ……どぷ……と盗賊さんの奥へと注ぎ込みながら、盗賊さんの魂を侵食していく……

む、抵抗力が高いっぽい神官とは違って、盗賊さんは一気に最後まで侵食していってしまえたようだ
久しぶりの食事に淫魔の肉体が悦びの声を上げるのが解る……力が漲ってくる
あぁ……美味しいなぁ、神官ちゃんほど力の総量は多くないみたいだけど、何とも言えない熟された味わいがある


「……あぁ……中に……」

内側へと出されてしまったのが感じられるのだろう、時折りピクリと絶頂の余韻に震えながらも
盗賊さんは絶望の表情を浮かべている

「気にするな、俺の精でお前が身篭るような事はない」

嘘か本当かも確かめようがない俺の言葉にほっとした様子の盗賊さん、まぁ本当だけど……ショックが大きくて気が回らないのかな
その肉体から一度俺自身をずるりと引き抜いて、汗に濡れた身体全体をこちらへ振り向かせる

「安心したか? したなら次だ」

そう声をかけながら盗賊さんの片足を脇に抱えてぐっと引き寄せ、容赦なく今度は正面からその泉へと突き入れる

「……あ、駄っ……んん! うぅぅ……っ!」

快楽が冷め切っていない盗賊さんは否定の声を上げながらも、どこか甘さの混じった声を上げて男を受け入れていってしまう





         ……◇……◆……◇……





「あぁっ、あ……くぅっ! ひ、やぁ…あぁ! ああぁっ!」

閉ざされた部屋の中で俺に突き上げられる盗賊さんの嬌声が響く

「ははっ、随分と良い声で鳴くじゃないか」

声をかけながらそのふくらみを掴み、揺れと共に変形するその柔らかさを味わう
桜色に染まり、すっかりと欲情させられてしまっているその肉体へと指を這わせれば
しなやかに鍛えられてはいるものの薄く脂肪の乗っている女の肌は、吸い付くような、何ともいえない感触を伝えてくる

「まったく……いやらしい女だよ、お前は」

「いやぁっ…あぁっ! 私……ゆるして、あぁ……」

俺との行為の中で、しきりと誰かに許しを請うようにしている盗賊さん
どうも俺へと向けた言葉ではないみたいだ、キスを奪った時の反応もあるし、誰か恋人がいるんだろうな
ふむ……盗賊さんが恋人とスる時にどんな感じになるのか興味が出てきたなぁ……くふふ

「恋人にでも謝っているのか? はは、ココをこんなにさせておいて、今更何を謝るっていうんだ」

湿った布のような水音を立てているお互いの結合部分からは
盗賊さんと俺と、二人のモノが混ざり白く泡だった液体がトロトロとこぼれ出していた

「うぅっ、こんな……あくっ! んっ! お、おまえが…アぁっ! あっ! あぁあ!」



「くくく……愛しい相手に会いたいのか?」

突き入れる速度を緩め、盗賊さんの顔を両手で挟みながらそう問い掛ける

「……なにを、ッ! いゃ……あいたい……」

「そうか……そうか、会わせてやるよ、"愛しい相手"にな」

そう告げる俺へ、どういう事かと視線を向けてくる盗賊さん、その瞳をじっと見つめて――魅了の暗示を打ち込む!
盗賊さんの瞳の焦点が一瞬ぼやけ、その意識が塗り替えられていく
ふふ、あははは! 俺自身が愛しい相手になってしまえば、すぐにその願いが叶うって寸法さ!

「……?……!?
  ……あ、あなた……私は…………」

さぁて、恋人同士ならさっきまでの口調は合わないかな、もう荒っぽい演技も止めていつも通りにしていこう





さっきまでとは異なり、こちらへと柔らかな表情を向けてくる盗賊さんへ話かけてみると、割と普通に返事が返ってきた

ふむん、どうやら淫魔が使う魅了の効果は、完全に洗脳して言葉どおりに動く肉人形を作るようなものではなくて
それまでの記憶を維持しつつもこちらを愛しい恋人であるかのように刷り込むものみたいだね

「……強引にされて、怖かった」

「ふふ、ごめんね……キミがあんまりにも可愛いから、少しいじわるしたくなってしまったんだ」

これは便利だ、丁度良い機会だから探索者に関する一般常識なんかを一通り聞いておこう
熱っぽく擦り寄ってくる盗賊さんを貫いたまま、甘い会話を交えつつ色々な情報を引き出していく



         ……◇……◆……◇……



――さて、これ以上聞いておきたい事は無いかな
盗賊さんもすっかりソノ気みたいだし、ふふ……そろそろ再開するとしようか

その表情へ意識を向ければ、盗賊さんは潤んだ物欲しそうな瞳をこちらへと向けてきていた

「ほら、して欲しいなら自分で言ってみて」




「……ぁ…………きて」

ふふふ……盗賊さんはこんな時でも無口なんだなぁ
それじゃ改めて、いただきまーす


「……あっ! く、ぅうウぅーーーッ!」

盗賊さんの求めに答えて、浅く繋がった状態から片足を抱えてぐいっと引き、入り口から一気に深い所まで突き入れる!
際奥へ到達した俺自身がぎゅうっと締め付けられる、これだけで盗賊さんは形の良い胸をぷるぷるさせて軽く達してしまったようだ
まだ次の術式準備してなかったのに……勿体無かったかも

程なくして震えの納まった盗賊さんの内部でズっズっと前後運動を開始した

「あ……あっ、あぁ……アっ! はぁう……あぁッ」

そういえば……神官ちゃんは随分長く耐えていたけれど、あれは慣れていなかったからなのか、それとも神の加護のせいだったのか
まだ20歳前位だった神官ちゃんに対して、20代半ば位の盗賊さんは女としての肉体が成熟しているのも大きいのかな
盗賊さんは抵抗していた一回目の時からもう既に、かなり深くこちらを感じていた気がする

女を抱いている時に別の女の事を考えるのは……なんて思ったけど、悪魔だからいいよね!
そんな風に二人を比べながら盗賊さんへと腰を打ち付けていく

「アっ、ああッ……あっ! あぁ、あッ!」

魅了によって愛しいとされた相手に抱かれて、貫かれているからだろうか
盗賊さんは率直に女……いや雌としての獣欲をさらけだして、堪える事なく、はしたない声を上げている

「くッ……んっ! ぅあ……いぃっ! あっ……アん! あはぅ……」 


遠慮はいらないようだ、じゅくっ、じゅくっ、と力強く腰を動かして熱く滴るその内部を掘り進める
そのたびに上下する盗賊さんの腰がくいくいと動き、抱える足がぴんっ、ぴんっと宙を蹴る

「あぁッ! アっ……クあぁ! アふッ! あク、あっ!」

クールで物静かなタイプかと思ったけど……凄い声上げるんだなぁ
なんていうか心の底から快楽に浸っていると思わせる、意識の……本能の深い所から出ている艶っぽい濡れた声だ
でもこんなに感じてくれると、こっちとしてもヤり甲斐があるね

ぱじゅっ、ぱじゅっ、と肉を打つ音と水の音が混ざり合って響く薄暗い部屋で、妖しく揺れ踊る盗賊さんの白い体を存分に堪能する
直ぐ近くで揺れて、ぐわんぐわんと形を変えている豊かなふくらみの先端がこちらの胸に触れてこすれている
最初から早いペースだったからね……もう直ぐ、もうすぐに盗賊さんもまた、ふふふ

「あン! あっ…あッ、アっ! くぅ……ンふッ! ぃはぁ、んあッ!」 


「いいコだ……そろそろ、いくよ?」

引き締まった盗賊さんの腰をしっかりと抱えて、二人のリズムをぐんぐんと加速させていく
その変化を受けて盗賊さんの足がこちらの腰へと巻きついて、その内部はこちらを強く包み込んでくる
強まった接触により、生み出される快楽もまた強く激しく高まっていく、そして……



「――ぁあぁ! アあっ! あああッ……あアっ! アく、ンんんっっーーーッ!!」

再び絶頂を迎え、こちらを逃さぬように強く締め付けてくる盗賊さん
それと同時にこちらも奥深くへ差し込んだ俺自身からどくっ、どくっと術式を送り込んで、その魂へのラインを太くしていく!

「ああっ、あッ……あっ……あ……あぁ……」

胎内を満たす白濁した欲望が感じられるのか、盗賊さんは注ぎ込むのに合わせて声を漏らしていた
そうして盗賊さんと繋がったまま抱きしめあって、深く口付けを交わしながら、ゆっくりと魂の力を吸収する

「あふ……ん、ちゅく……ちゅ、んふ……」

存分に盗賊さんを味わってから唇を離すと、お互いの間には唾液の橋がかかる
そのまま体を離そうとしたら盗賊さんがよろけて倒れそうになった

「……ぁ……私、良すぎて、足が」

こちらの首元へ、すがりつくように腕を巻きつけている盗賊さんはしばらく立てそうにないらしい
べったりと密着して二人の間で潰れているふくらみが感じられて、何と言うかもう、最高です


でも……勿体無いけど、ここは拠点じゃないから危険な可能性もあるし、今回はこの位でいいかな



         ……◇……◆……◇……



回復薬を口移しに飲ませた盗賊さんを座らせて魅了の魔法を解除し、今度はその魂への呪縛を確認する為に軽く会話してみる
神官ちゃんは確認する前に帰っちゃったから、実際の所がよく解らないんだよね

「……凄かった」

ふむ、反応からすると魅了の魔法の効果に近いようでいて
そこから表層の強い恋愛感情を引いて、もっと根源的で表層の意識に現れない従属を課した感じかな
とは言っても、さっきまでの行為の記憶はあるから、やっぱり恋人のような認識にはなってるみたいだ

ラインを通じて俺の事を他人に話さないように暗示を刻んでから、弱体化した盗賊さんを数階上の浅い階層まで送っていく

「大丈夫だよ、また今度……次に会った時に、ね?」

名残惜しそうにしている盗賊さんをそういって安心させてあげる
この浅い階層位なら多少弱ってしまっていても、盗賊の隠密スキルを使って安全に移動できるだろう
一人でも帰れるって事は、いつでも会いにこれるって事でもあるから……うん、えへへ

そうして安全なルートを辿りながら話を聞いたところ、盗賊さんが危険を冒してまで一人で迷宮を探索していた目的は
戻ってこなかった恋人の遺留品を探す事だったんだそうな

「……あの人は帰ってこなかった」

あぁなるほど、それでご無沙汰だったからあんなに乱れちゃってたのね、ふふ
ちょっと悲しそうに言うもんだから、優しく抱擁してからキスをしてあげた
駄目だよそんな顔してちゃ……これからは、また魂の力を蓄えて……俺という新たな恋人に会いにきてね!

「でも、無理しちゃダメだよ?
  キミは俺のモノなんだから、変な奴に襲われないように気をつけるんだよ?」

前が切り裂かれた上着をマントで隠している盗賊さん
その下の素肌をまさぐって、さわさわと愉しみながらもそう警告しておく
どうも盗賊さんって恋人の為に無茶しそうなイメージがあるから心配だ
いくら隠密スキルに優れているからって、中階層の辺りを一人でうろうろするなんて正気の沙汰じゃないよ



そうこうしている内に浅い階層への階段付近へと到着した

「……また。 呼ばれるの待ってる」

言葉少なに別れを告げて、それでも心配しているこちらの思いが伝わったのか
油断なく、それでいて何度も振り返りながら戻っていく盗賊さんを手を振って見送る





         ……◇……◆……◇……





あぁそういえば、盗賊さんと居たから特に意識してなかったけど、特に問題もなく階層間の移動はできるんだなぁ
ホテルの10階以上が担当の警備員でも、別に用事があれば下の階に降りられないわけじゃない、みたいな感じなんだろうか

美味しく喰べちゃった女のコはしばらく弱体化しちゃうし、一緒に過ごすのも無理があるから
一度帰った後からでも女のコが簡単に会いにこれる、もっと浅い階層に拠点が欲しいな


んな事を思いながら歩いていると、通路を横に入った先に何かが浮いているのが目に付いた……あれは、人骨?
浮いた人骨なんて魔物でない訳がないので無警戒に近づいてみると、透明度の高く何故かまとまった液体の中に
人骨だけでなく、建築物の中で目にする様々なガラクタが浮かんでいた

む、液体そのものが微妙に動いていく……これは、もしかしてスライムかな
今まで俺が拾わなかった使えないガラクタが綺麗になっている事があったけど、こいつが原因だったのかも知れない


しかしこれだと……ううむ、ファンタジーでエロ魔物といえばスライムが頭に浮かぶけど
この感じでは触手を伸ばして***とか、服だけを溶かして***とかするような存在では無さそうだ
これは生き物というより、液体で作られた全自動掃除機みたいなものだろう

俺自身が溶解液を出せば服は溶かせるだろうけど、そこまで細かい制御はできないから女のコまで溶けちゃうし自分も痛い
そこからさらに回復薬で癒せば結果的に似たような状態になるけど、これからって時に死にそうな激痛を与えるのは何か違うしなぁ
でも女のコの服を溶かして――なんてえろえろな事ができないのはつまらない、どうにかして再現できないものかな……

などと考えながら、じわじわと移動していくスライムをぼけっと見送る



……まぁいいか、今日の所は早いとこ戻って休んでおこう
そんな事を思いつつ、拠点へと足を進める俺だった

あぁ、浅い階層でも拠点を探さないと……これからは結構忙しくなりそうだなー









[30317] ・列車と俺と失敗と
Name: クラクモ◆5e745eb7 ID:0f7bd90b
Date: 2011/12/29 16:55
・列車と俺と失敗と







空いた時間に魔法の術式を弄ったりしつつも、いつものグループメンバーで警備業務を遂行していると
珍しく魔法使いや神官の居ないパーティと遭遇した


「チッ、めんどくさいわね……」

姐御は魔法使いが居ない事を確認した時点でやる気がごっそりと失われてしまい
こちらまで攻撃が届く弓使いの一人を魔法で吹き飛ばした後は、退屈そうに観戦するばかりである

アニキ達はいつも通り探索者の前衛とその屈強な肉体を駆使してぶつかり合い
先輩は先輩でどうやら魔法が無い分を補う為に連れていたらしい荷物持ちの男を捕まえてエロコンボを決めている

俺はもう一人居た弓使いを氷刃の魔法でチクチクと牽制……というか
何となく麻痺の毒やら先日覚えた焦熱の毒やらを氷刃の材料にして何発か使ってみた所、えげつない効果が発揮されて
哀れな弓使いは倒れ付して麻痺している筈なのに痛いという、わけのわからない地獄の苦しみを味わっているようだ


あっさり片付いたので3人居た相手の前衛を牽制しようとすると、なんとその内の一人が女戦士である事に気がついた

そこで珍しい女戦士だきゃっほー! と、ちょっかい出して暗示をかけて無力化して……ここまでは良かったんだ
でもさ、ふと我に返ってみれば最初から女だと気付かなかったのにも訳があったんだよね

先ず身長、180cm位の俺よりもさらにデカい
日に焼けたその肌を内側から押し上げているのは柔らかなふくらみ……ではなくてがっちがちの筋肉
そして割れていないのが奇跡にも思えるそのたくましい顎に太くて力強い眉毛
言うなれば……そう、女性ボディービルダー?

「…………」

暗示によってぬぼーと突っ立っているマッチョさんを前に
周りでアニキ達の戦いが終わりに向かっているのを眺めながら、一つ溜め息をついて思考をめぐらせる
いやこれは無いでしょ……淫魔の肉体的に行為そのものは可能だろう、でも人として大切な何かを失っちゃいそう、俺もう人じゃないけど


どうしたものかとあれこれ考えていれば、誰かがトントンと俺の肩を叩いた
え、アニキ? 「こいつを譲って欲しい」ですって?

了解しました、OKです! と即座に返事を返す――うんうん、渡りに船ってのはこの事だね!

「ンモ゙っ」

悪いな、こんな美人をって……あぁいや、アニキにはいつもお世話になってますから、はい

アニキへと好意を向けるような一時的な魅了をかけてマッチョさんを引き渡すと
その大柄でいかつい肉体を担ぎ上げたアニキは喜び勇んでどこかへと移動していった
走るアニキの腰布が内側から盛り上がって……いや、俺は何も見てない、見ていないったら見てないぞ! 忘れるんだ俺





ふー、ミノタウロスと淫魔との文化や価値観の溝は思ったよりも深いね!
アニキだって男なんだから、そういう衝動を発散したくなる時もあるだろうけど……
ううむ……その現場をどう想像してもエロいイメージが湧かない
なんというか、ガシーンガシーンと工業用プレス機の動作を見学しているような印象を受けるんじゃなかろうか

「あーあ……まぁ、彼もそういう時くらいあるわよね
  仕方ないわ、これといった気配も無いみたいだし、今日の所はこれでおしまい。 解散にしましょう」

姐御の号令を受けて皆もそれぞれに散らばっていく


さて……自由時間も普段より多めに取れるみたいだから、上の階層をうろうろして地理をチェックしたり
拠点に使えそうな小部屋でも探しに行こうかな

そう、俺は気づいてしまったんだ
中階層には熟練の探索者しかやってこない、これはもうどうしようもない事さ
でも、それなら浅い階層ならどうだろう? そこには成長途中の探索者が出入りしている筈だ
つまり……若い女のコも沢山居るんじゃないか、ってね!

力は多く得られないかも知れないけど、可愛い女のコとスるのはそれだけでも良いものだし……ね、うひひ





         ……◇……◆……◇……





「……ぁぁぁ…………」

んん? 何か聞こえる、ような?

ひと通り浅い階層に近い中階層の地理を把握し終わった頃に、遠くから音が響いてくるように感じた
どうやら探索者から"大通り"と呼ばれている階段と階段を結ぶ通路の方から聞こえているっぽい

「……ぁぁああああぁぁぁ……」

盗賊さんから得た知識にある隠行スキルを使って目立たないように顔を出してみれば

「ぁあああああああああ!!!」

なんと全裸のマッチョさんが叫びながら猛ダッシュで駆け抜けていった
うわぁ……変なもの見ちゃったよ
見た感じ行為そのものは受けてたみたいだから、アニキが賢者タイムになった時にでも逃げ出したんだろうか

そのまま大声を上げて走り去るマッチョさん、その後を付近の低級獣人で構成されたグループが大挙して追いかけていく



「きゃ、なにアレ……」

「おいそれどころじゃない、ヤバいぞ」

ぼけっと見送っていると近くの通路からそんな声が聞こえる
俺と同じようにマッチョさんの声が気になって確認しにきた探索者のパーティが居たのか

「げっ、こっちに気付いた! 逃げよう!」

……おおー、マッチョさんに引き離されていた後続の獣人さん達に発見されて急いで逃げていった
こうしてトレインはどこまでも続いていくんですね、わかります

ふむん……若い女のコの声もしてたし、ちょっと先回りして様子を見てみようかな



         ……◇……◆……◇……



突発的に発生した獣人の群に追われていく探索者パーティの皆さん
警備員の魔物は、たとえ走る事に疲れても真っ黒なナニカから力を供給されて回復するから、基本的に全力で追い続けられるのが強みだね
マッチョさんは驚きの体力と速度で追手をブッち切ってたけど

「ラップぅぅーー! く、クソぉ」

そんな回復能力も地力もない一般的な探索者の皆さんは、走り続けた疲労か一人倒れ、獣人に捕まってまた一人減り
最後に残ったのは体力がありそうな鎧の男と、軽装の女のコか……ふふふ、丁度良い



「!? こっちですっ!」

いかにも無関係な風を装って通路の角から颯爽と俺登場!
倒れそうになっている三つ編みの女のコの手を引く傍ら、角を曲がる際にこっそりと鎧男の足へ毒針を突き刺す

「なっ……ぐぁあああ!」

痛みに転んで獣人さん達の波に飲まれていく鎧男

「グレイっ!」

「彼の犠牲を無駄にしてはいけない!」

振り向く女のコをなだめて、強引に手を引いてその場から離れる
手近な小部屋に駆け入って扉へと結界魔法を唱えて……と

「結界魔法です、これでしばらくは気づかれないでしょう」

とは言っても、俺が三つ編みちゃんを"捕らえた"時点で獣人さん達の追跡は終わってたりするんだこれが
どうも警備員的な繋がりで、知能の低い魔物達は他の警備員が戦闘状態に突入したらそこで無関心に戻るようになっているらしい
だから通常はあんなに大量の追手がかかる事は無いんだけど
今回のこれはマッチョさんが戦闘状態になる事無く駆け抜けて集まってしまったのが原因だろう



「はぁ……はぁ……はぁ、あの……ありがとうございました」

「いえいえ、お礼を言われるような事じゃないですよ。 もう一人の方を救えませんでした」

もちろんそんな気は最初からなかったけどね!

俺の言葉を聞いた三つ編みちゃんは永遠の別れとなってしまった仲間達を思い出したのか
暗い色の浮かんだ瞳に涙を滲ませて、ひっくひっくとしゃくりあげている

「あ、はい……うぅ、ぐすっ……みんなぁ…………」

「それに……」

言葉を続けながら三つ編みちゃんの隣へと腰を降ろす

「あなたは別に助かってないんですよ?」

肩を掴んで押し倒し、全ての擬態を解いてねじれた角や尻尾を露にする

「きゃっ……え!?  ぃや……いやぁあぁーーー!」

ふふ、どんなに悲鳴をあげたって誰にも届かないよ
三つ編みちゃんはどんな味がするかなぁ

それでは、いただきまーす

 ― 軽戦士♀を手に入れた ―



         ……◇……◆……◇……



とは言ったものの、ふーむ……ここの階層はどの辺までが安全なのか、まだそこまで詳しくないし……手っ取り早く済ませようかな
皮鎧を止め紐の部分から引きちぎり、ビリビリと三つ編みちゃんの服を引き裂きながらそんな事を考える

姐御はともかくとして、神官ちゃんも盗賊さんも念入りに肉体をほぐしてからヤってたけれど
最近改めて聞いた先輩の話じゃ男の淫魔でも数分で"食事"まで持っていけるらしいから
とりあえず突っ込ンで行為に及んだ場合に、どうなるのか試してみよう



それにしても三つ編みちゃんの肉体はちょっと残念だね、細身……と言うよりは貧相という言葉が該当しそうだ
駆け出しから一歩出た位の探索者って、そんなに良いもの食べられないんだろうか
顔の造形もマイナスって訳じゃないけど、うーん……そこそこ、という感じ

「ヒっ、あぁ……やだぁ……」

恐怖に震える若い肉体を剥き出しにして、今度は誰得ローブから俺自身を露出させた所で三つ編みちゃんに更なる怯えが走った
ふふふ、コレを見て怖がるって事は、男と女のアレコレを知識としてはちゃんと知ってるんだなぁ
実体験として知ってるかは解らないけど……それも直ぐにわかる事だしね?

硬直してしまっている三つ編みちゃんをよそに、今はまだ固く閉じられている泉の入り口へと俺自身をあてがい……
ズグっと、強引にその際奥まで突き入れた!

「あ、ぎッ!  ……ああ、ああぁあ」

ぽろぽろと涙をこぼす瞳を見開いて痛みに震える三つ編みちゃん
独特の感触もあったから、三つ編みちゃんは男を知らなかったみたいだ
とりあえずお構いなしに腰を動かしてみる

「っ! あぐ……いた、痛いっ」

そりゃそうだよなぁ……まだ全然濡れてないし、はっきり言ってこちらもあんまり気持ち良くない
こんなんで先輩みたいなスピードフィニッシュを迎えられるんだろうか

「痛ぁ、いたいっ! やめてっ」



と、そんな風に疑問を抱きながらも三つ編みちゃんの様子を伺っていれば、その内部を30往復した位から変化が見られ始めた

「うく…つぅ……ひっ、あぁ……」

痛みから発せられる声が次第に小さくなり、わずかなふくらみにちょこんと乗っている先端がツンと起き上がり充血していく

「いたっ、イっ……あっ、ぁいッ……ふ」

そこからの変化が劇的だった
三つ編みちゃんの声に確かな艶が混じり始め、その瞳も恐怖や痛み以外の原因で潤みだす

「なっ、なにこれッ  うぁ、んん……ぅ……」

その内部では急速にヌメリが増していき、包まれた俺自身もスムーズに出し入れ可能になってきている

「あぁ……わたし、なんで……」

はぁはぁと熱い吐息を漏らす三つ編みちゃん、その肉体もいつしかほんのり桜色に染まっていた

「やだぁ……あっ、こんな……ああ、あぁあ……」



         ……◇……◆……◇……



「あぁっ、はぁ、あぅ…んぁっ、あぁ、あッ!」

うわぁ……これは予想外だった
あれよあれよという間に完全に男を受け入れる状態になって、俺の下でぎこちなく腰を振っている三つ編みちゃんを見下ろす

神官ちゃんの時に"入れ惚"なんてネタにしていたけど、これはそのものと言っても過言じゃない効果だなぁ
抵抗力が高い訳でもなく、抵抗する理由となる恋人が居る訳でも無い
三つ編みちゃん位の一般人に毛が生えた程度の能力だと、淫魔の肉体の前にはこんなにも簡単にぐにゅぐにゅになっちゃうのか
なんというイージーモード、今までの苦労はなんだったんだろうか……いや愉しかったからいいけど

「あ、ひっ! んんっ、あぁッ! あっ」

試しに微妙なふくらみの先端をきゅっとつまんでみると、三つ編みちゃんは快感に眉をゆがめて悦びの声を上げる
熱さにぼやけたような瞳からは、もう恐怖や痛みを感じている様子が完全に失われている

「あふっ、イイっ! あぁっ! はぁ、あぁあっ」

刺激によって収縮した内部を俺自身が前後に進み、さらなる刺激を生み出していく
どうもこの感じでは三つ編みちゃんはこのまま直ぐにでも達してしまいそうだけど……まぁいいか、早く済ませるのが目的だし

そのまま三つ編みちゃんのふくらみ……と呼ぶには平坦な胸部へと手を置き、両手で先端をつまみ上げながら
機械的に行っていた前後運動を加速させていく

「ひゃぁ、あぁっ! ああ! ハあぁ、あぁあっ!」

術式を用意して、そのまま、最後まで……



「あぁ! はぁク…うあぁあ、ああアあぁっ…………ッ!」

快楽に翻弄される三つ編みちゃんが絶頂を迎えるのに合わせて、その際奥へと欲望を注ぎ込んだ





……ふぅ、解っていたけど三つ編みちゃんは魂の力が少ないなぁ、あと一回が限度だろうか
淫魔の性質にまかせて行為をしたせいか、どうにも達成感も希薄だし……ううむ
全体的に三つ編みちゃんが貧相なのも相まってちょっとつまらない

でもまぁ、折角手に入れた女のコだから、他の新しい事でも試してみようかな



         ……◇……◆……◇……



さて、今回お試しいただくのはこちら! そう、雷撃の魔法です!
俺自身の相性もあってか雷撃の魔法は弱いんだけど、弱いなら弱いなりに使ってみよう!

という訳で、軽く集中して静電気よりも弱い位の出力で自分の身体へと雷撃の魔法を纏わせる

「はぁ……はぁ……あぁ……」

じっとりと汗ばんだ素肌を晒して横たわる三つ編みちゃんへとのしかかり
手足を絡めて身体全体を使うようにして、その全身を擦り合わせてみる
おそらく、これだけでも擽るような刺激が間断なく伝わっている事だろう

「ひぅっ、あ……ああぁ、あふ、んんンっ」

そんな魔法を帯びたまま、ジジジジ……と微かな音をたてながら再び三つ編みちゃんを貫いていく
触れ合った足を軽く動かすだけで三つ編みちゃんはビクビクとその身を震わせる

「あひっ、クぅ! はふ、イっく……あッ!」 

さらに自分のその動きだけで感じてしまうのか、三つ編みちゃんの震えは納まる事が無い
びくびくと激しく反応するその内部は驚きのペースでいやらしい液体を生み出してきている
何て呼ぶのか知らないけど、早漏の女性版という感じだろうか

「ふあっ! あぁッ、アっ! くひっ! ひぁぁっ!」

それほど強くは無い筈だけど、まるで感電したかのように全身を震わせる三つ編みちゃん
その口元の涎を舐めとりながら、今までに無い強さで締め付けてくる内部をぐいぐいと突き上げて堪能していく
うん、これはこれで愉しめそうだ

「ひうっ…く、あっ! はヒ! あクっ…んッ、くぁ!」





         ……◇……◆……◇……





「あっ、あッ…あっ、あッ、あっ、あっ……」

その過敏とも言える反応が面白くて何回も連続してイかせちゃったけど……ちょっとヤりすぎだったかな
涙の跡が残る焦点の合わない瞳で揺れる三つ編みちゃんを眺めながらそんな思いを抱く
声をかけても聞こえている様子は無く、結合部から送られる刺激に対して虚ろな声を漏らすだけになってしまった

うーん、女のコは感情の起伏があるからこそ可愛いんだよなぁ
こうなっちゃったら、ただ生身であるってだけの人形と変わらないね
どうにも気が乗らなくなってしまったので、くいくいと腰を使い最後の区切りとして一度絶頂させてあげて……と、ふぅ
後は念のためにこの場の記憶を消して、体力を回復してから地上へ戻れと暗示を与えて放置かなぁ


これ以上魂の力を吸い上げたら死んじゃいそうだったし……
まぁ、おやつ代わりとしては丁度良かったかも知れない









[30317] ・ラインと俺とアルコール
Name: クラクモ◆5e745eb7 ID:0f7bd90b
Date: 2011/11/27 03:50
・ラインと俺とアルコール







三つ編みちゃんと遭遇した翌日、素敵な女のコが居ないハズレのパーティばかりだったけど
いつものようにグループの皆で探索者達を襲ったりしていた


「あはっ、いいわぁ……んっ……ふふふ、あン」

適当に無力化した後に先輩がエロコンボを決めているのをジックリ鑑賞していると
変なタイミングで少しだけど自分の力が高まるのを感じる
これは……あれ? なんでか三つ編みちゃんのラインを通じて力が入って来てる?



         ……◇……◆……◇……



拠点へ戻ってから意識を三つ編みちゃんの魂にある術式へと集中していってみる
……しばらくすると、夢の中に居るかのような感覚と共に、声や情景が浮かび上がってきた



「あー、あっあっ……あふっ あ……あっ、あッ!」

「くふっ! ……ふぅ  いやーこいつ、頭はこんなでも、ココの具合はそこそこだな」

あらら、三つ編みちゃん、町へと帰る前に浅い階層に入り込んでいるゴロツキにでも捕まっちゃったのかな
三つ編みちゃんの中で男が果てた瞬間に、こちら側に魂の力が流れてくる感じがした

自分のモノになった女のコを他人に触れさせるのは嫌だから
こんな風に力を吸収する術式は組んでなかった筈だけど……
うーん、俺との間に設定したつもりの"繋がって"、"絶頂を迎えたら吸い上げる"という術式にちょっとバグでもあったのかも知れない

しかし、あんな風な可愛い女のコとほとんど縁の無さそうな男達からも"良い"とまでは感じられないなんてなぁ
こんな時でもぱっとしない扱いとは……不憫な三つ編みちゃん


「へへ、次は俺の番だな――よっと……おぉ、確かに中は、まぁそこそこだな」

お尻を突き出しうつ伏せにさせられた三つ編みちゃんへと、別の男が組み付いて腰を打ちつけ始める

「あ……あ、ヒっ……あ、あっ……はふ……」

「それにしてもよ、コイツ確か昨日後追けてた下へ潜ってったパーティの奴だろ? こんなになっちまうなんて、一体何を見たんだ?」

「さァな、悪魔でも見たんじゃねーの」

おお、ゴロツキBさん正解


「……悪魔といえば、聞いたか、あの噂」

「ああ、ここの階層のずっと奥へ行ってボロボロになりながら帰ってきた連中が見たって奴だろ?
  なんでも頭が山羊で魔物を大量に引き連れてるとかいう」

「あひっ……あ、あー……ふは、あッ……あはぁ……」

犯されている三つ編みちゃんの隣でそんな会話をしているゴロツキA&C

ほほぅ、上の階層にも悪魔が居るのか、しかも山羊頭とか……記憶にあるスタンダードな悪魔じゃないか!
これは一度会ってみなければっ

「そうそいつだ……もしかしたら、コイツもそんな相手に出会っちまったのかねぇ」

「かもなぁ、にしても、好き好んでそんな危ない所へ行こうって奴の気が知れないぜ」


「あ……あはっ、あ……あー、あぁぅ」

三つ編みちゃんの薄い胸を後ろから捏ねながらゴロツキBが再び会話に加わる

「まぁそういうなよ、そんな無茶をする奴らのお陰で、俺らがこうしてイイ思いをできるってものさ」

「違いないな、ヒハハハっ」





         ……◇……◆……◇……





そんな状況の三つ編みちゃんから意識を切り離して、問題の術式に関してあれこれ考えてみる

姐御は別としても、これまで神官ちゃん、盗賊さんと、素敵な女のコが続いていたから
簡単に手放さないよう、念入りに支配する事しか思い浮かばなかった
でも三つ編みちゃんみたいに、たまたまチャンスがやってきたなら喰べちゃってもいいけれど
わざわざ2回3回とこちらから愉しみに行くほどじゃない女のコには、こんな感じの術式を仕込んでおいた方がおいしいかもなぁ

ふむ、どうせなら女のコが自分から行為を求めるように、ちょっとえっちになるよう意識を誘導させて
それからちゃんと専用の術式を設定して……後はシすぎて病気になったり身体を壊したりしないように
吸収した力の一部を使ってある程度健康を維持するように……うん、こんな所かな

よーし、手早く試すために明日は三つ編みちゃんを回収しにいこう
悪い奴に捕まった女のコを助けに行くなんて、まるでヒーローみたいだね!

あぁそうだ、ついでにコレも試してこようかな、臨床試験って大事だよね、くくくく……





トントントン


「ッ!?」

明日の計画を立てて一人でニヤニヤしていると、突然扉がノックされた
ななな何奴!? この場所は今の所誰にも知られていない筈だ、探索者もこんな奥までは……まさか先輩!?

トントントン

つ、ついに先輩の魔の手が(性的な意味で)ここまで伸びてきてしまったのかっ?!
いやしかし中に俺が居る事までは解らないに違いない、息を潜めて静かにしていればきっと大丈夫……大丈夫だよね?

内心あたふたしながらも硬直している俺
そうしていると扉の外側にいる何者かの気配が薄れていって……げぇ!
扉の隙間や鍵穴から、もやっとした何かが入り込んできたぁ?!
入り込んできた何かが一箇所へと集まって、だんだんと人型を形作っていく!!





「なにやってるの貴方」

変な顔をして動かない俺にそう声をかけてきたのは姐御でした
思わずぷしゅるるる、と風船から空気が抜けるように脱力して寝床へ崩れ落ちてしまう

「い、いやぁ……姐御だと気付かなくて驚きました、どうやってこの場所を?」

へなへなと返事をしてみれば、姐御は呆れた表情を浮かべて

「貴方ねぇ、私と魂のラインを繋いだ事をもう忘れたの?
  そちら側はいつでもラインを開いているみたいだから、居場所なんて簡単に判るわよ」

おおぅ、言われてみれば……なるほどと納得できるその説明、流石姐御です


「ところで姐御、ここへやってきた用件は何でしょう?」

もしかして夜這いだったりするんだろうか
仕事を終えて、そのまま朝までしっぽりと……なんてのも良いね!

「先日排除した探索者の連中が良さそうなワインを持っていたの
  それで、一人で飲むのもつまらないから……貴方ちょっと付き合いなさい」

残念、性的な意味ではなかったみたいだ

「おぉ、ワインですか? 俺ワインには少しうるさいんですよ」

なんて返しながらガラクタを漁って適当にコップを取り出す、姐御は……あぁマイグラスですか、ならOKですね

「まったく……魔法のイロハも知らなかった貴方が詳しい訳ないでしょう」

そんな言葉を投げかけつつもビンの栓を手で掴んでポンっと引き抜く姐御
女性がしていると何気に凄い光景だけど、あの細い指でも普通にそれだけの力があるんだよなぁ……魔物こえー

「ン、この香り……まぁまぁの品だったみたいね」

姐御はこの職場には不似合いにも思える綺麗なガラス製のワイングラスへ、俺は薄汚れた金属製のコップへとそれぞれワインを注いで

「良い月の夜に……」

へぇ、この世界にも乾杯のような作法、というか言い回しがあるんだ
こちらも「良い月の夜に」と返しながら掲げたコップを戻し、くいっと傾ける
吸血鬼ならではの言葉かも知れないけど……まぁ淫魔も月にまつわる属性魔法あるし、間違いでもないだろう

 ― 中級ワインの成分を記憶しました ―

「っ!? ブふっ、ごほっ」

少し気どってそんな事を考えながらワインの程よい酸味と渋みを味わっていると、いきなりそんな表示が出て噴出しそうになった
なにやってんだコイツ、という感じな姐御の視線を受けながら、どうにか堪えて一杯目を一気に飲み干す

「ちょっと! 折角の良いワインなのよ、落ち着いてゆっくり味わって飲みなさい」

「いや、それがですね姐御……」

言葉より実践だろう、とコップの中に爪の先から温水シャワー魔法と同じように創り出したワインを注いで
グラスからゆっくりとワインを飲んでいる姐御へと近づけてみせる

「それって、もしかして」

鼻先へとコップを近づけて中身を確認した姐御は、軽く目を見開いて驚いたような表情を浮かべた

「貴方って本当に変な魔法ばかり覚えるのねぇ……でも、これは良いわ、どんどん飲むわよ」

ニヤリと笑ってからぐいっと一杯目の残りを飲み干す姐御、さっきまでの優雅さとは逆に男らしい飲みっぷりです





         ……◇……◆……◇……





ペースの速い姐御と軽く語らいながらワインを飲んで、しばらく経過した頃

「それにしても、この部屋ちょっと臭うわね」

酔いが回って暑くなったのか、ローブの襟元を開いている姐御がそんな事を言い出した


「まぁベッド代わりに毛皮を使ってますから」

「そうじゃなくて……これは、男と女の臭いね」

目を細めてジロリとこちらを見ながらそう指摘してくる姐御

「あー、それはここであの時の神官とヤったからでしょうね」



「……ヘェ? ここで、ねぇ」

何か姐御の視線がおかしい……いや、妖しい……これは、もしかして

「そうです、ここで、こんな風に……」

言いながら隣に腰を降ろしていた姐御を膝の上に引き寄せて、後ろから抱きかかえてみる

「そぅ……それで、どうしたの?」

グラスを脇へ置いて、特に抵抗するでもなく続きを促す姐御
そんな姐御のローブの裾から手を入れて、その素肌へと触れていく

「こんな風に、裾から手を入れて……それからこうして」

「ン……ずいぶんと回りくどいのね」

きめ細やかな肌を指先でなぞりながら姐御の控えめなふくらみへと辿り着き、やわやわと力を加えて

「えぇ、あの時はまだ加減が解りませんでしたから」

そういいながら姐御の顔をこちらへ向けて、その形の良い唇へと唇を合わせる

「んっ……うン……ちゅく……んん……」

固くなってきたふくらみの先端を優しくこすり、ゆっくりとお互いの舌を絡ませて唾液を交換していく

「ンふ……それで、この先は……?」

ちょっと潤んだ瞳でそう聞いてくる姐御がどこか愛おしく感じられる
そんな姐御の下腹部へと片手を進めていって

「こうしながら聞いてみたんですよ、気持ちいいかって」

少し湿っている泉の周りで指を遊ばせると、姐御はぴくりと肉体を反応させた

「っ……ま、まだまだね」

「そう、あの時もそんな感じの答えでした、だから……」

もう一方の手で完全に充血したふくらみの先端をくりくりとすり上げながら言葉を続ける

「ホントにそうなのか、確かめさせてもらいますね」

「っ! ふ……んぅ……」

少し吐息が乱れた姐御へとまた口付けを交わして、上下の敏感な部分へと執拗に刺激を加えていく……



         ……◇……◆……◇……



「あ……はぁ……ん、ふっ…はぁ……はぁ……」

普段は冷静な表情を浮かべている顔を紅潮させて、時折ピクリと反応する姐御
その泉へと深く沈めた指先で、休む事無く内側をなぞりながら、耳元で再び問い掛ける

「こうするのが良いんですか?」

「はぁ……はぁ、全ぜ、んっ…ね、よくないわ」

目線を反らした姐御はそう言葉を返してくるけれど
その腰はもの欲しそうな感じで、今もこちらの指をきゅうきゅうと締め付けている

「そうですか……じゃあ、もっと別のモノがいいですか?」

膨張し誰得ローブを下から押し上げている俺自身を姐御のお尻へと押し当てて
言外に行為の段階を先へ進める事を匂わせて聞いてみれば

「んん……仕方ないわね、それで勘弁してあげる」

……そんな事言いいつつも、これから行う事への期待を隠し切れていない姐御
ふふふ、やっぱりさっきまでの態度は強がりだったのかな



するりと姐御のローブを剥ぎ取って、自分のローブも脱ぎ捨てて
それから姐御の背を押して、支えながらゆっくりと膝を立てたうつ伏せの状態にさせていく

「ぇ……こんな体勢で……?」

期待に震える姐御がぽつりとそんな言葉を漏らした

「ええ、姐御とラインを繋いだ時もこれでシたじゃないですか
  まぁ毛皮の上で獣のように……ってのもきっと愉しいですよ」

「あの時……?! ぁああ、あの時は私……ホラ、その」

後ろから思うままに突かれて酷く乱れてしまっていた自分を思い出したのか、姐御の顔が一気に真っ赤に染まる

「それに……さっき姐御は"良くない"ってウソついてましたね
  だから、これはお仕置きみたいなものです」

普段はあんなにクールなのに、行為の時の姐御って可愛いなぁ、ふふ
充分に潤った姐御の泉へと俺自身をあてがって、痛み防止の薬を創り出しながらゆっくり奥へと向かって突き進む

「ひゃ、あ……あぅ、んんん……」

中へと入り込むのに合わせて、くうっと反っていく背中を見下ろしながら
今回はどうやって愉しもうかなとあれこれ考えてみる……よし、こうしよう





「あ…あッ! はぁ……んん……うっ」

相互に繋がれたラインから快感が流れ込む分、痛みを意識する割合が減っているのだろうか
最初の時とは異なり、姐御は普通に悦びを感じられているようだ

「あっ…あぁ……んっ、ふかい……あぁ」

姐御のお尻へと、遅くも速くもないペースで腰を打ちつけながら、汗の浮かぶ背中へと口付けを落とす

「ふふ……姐御、コレはお気に召しましたか?」

熱い吐息をこぼして快楽に飲まれつつある姐御へとそう問い掛けてみれば

「いっ…んん……まぁッ、まぁ……ね」

なんて、途切れ途切れの素直じゃない答えが返ってきた
ここに居るのは一人の男と一人の女で、仕事じゃないから体面を取り繕わなくてもいいのに……仕方のない人だ
まぁ、そんな所が姐御の魅力なのかも知れないね

「姐御がこうしている姿、とても素敵ですよ」

「なにを……んっ、あぁ……こんな…あっ……あぅ……」

姐御は獣のような形が嫌なのかな、しかし男としてはこの体勢は良いものだ
突き入れた腰に押されて形を変える張りのあるお尻、こちらから送られる刺激にくっくっと反応しているその太もも
快楽に反り返っているすらりと伸びた背中、少し手を伸ばせばいい具合に触れる事ができるそのふくらみ

「うっ…あっ、あッ…あぁ……あっ……あ」

姐御の多くを一度に感じる事ができる
それにお互いが、お互いの求める衝動そのままに動きやすいのも素敵だ
今も姐御は熱く火照った肉体全体を本能のままに動かして、さらなる悦びを生み出そうとしている
その動きに合わせてこちらも腰を進め、二人の間で何度も淫らな音が弾けていく



「あッ  あ……んっ! あ、あぁっ……はぁぅ…あぁ、あっ」

しばらくして、姐御の声が高まってきた所で一旦動きを止めた

「あ……はぁ……どう、したの?」

もう少しで達していた所なのに、と言いたげにこちらを見やる姐御
それには答えずに首筋へと後ろから口付けをしたり、ふくらみをやわやわと触れたりと優しい愛撫を繰り返していく
そうして乱れていた姐御の呼吸が落ち着いたのを確認して、突き入れたままの腰の動きを再開する

「ン、あっ……い、いわ、そう……あぁ……は、んっ」

充分にほぐされていた姐御の肉体は、ちゅぐっちゅぐっとテンポ良く繰り返される前後運動を受けて
再び新しい快楽を生みだし、その高みへと走り始める

「あぁっ……あっ! はぁ……ぁあっ、あッ! あんっ」

先ほどの停滞があったからだろうか、姐御は積極的に自分の腰を動かして快楽を貪っている
ふふふ……でもそう簡単にはしてあげませんよ
その内部へ不規則な震えが走りはじめたのを確認しておいて、また腰の動きを緩めて姐御の肉体をまさぐっていく

「やぁ……あぁ、貴方っ はぁ…どうして」

「言ったじゃないですか、お仕置きだって」

もどかしそうに動く姐御のお腹をさすって、汗の流れる背中へと舌を這わせる
こちらの意図に気付いたのか、ハっとした表情を浮かべる姐御
そんな姐御が口を開く前に、停滞させていた動きをまた再開させ、熱く柔らかな肉の中を味わい始める

「なっ! ……ンっ……あぁ……あッ、あぁぅ……」

結局姐御は開いた口から言葉を発する事無く、求めていた刺激を受け入れていく
行為そのものはそう変わっていないのに、その肉体は次第に強い反応を返すようになってきていた



         ……◇……◆……◇……



「あぁ……私、もう…あっ、やめて……」

この"やめて"は「焦らすのをやめて」だと思うけど……ふふふ
長い間その高みへと辿り着けずに、それでいて決して冷める事のない行為を繰り返された姐御は
桜色に染まった頬をこちらへと向けて、弱々しく言葉を発している

「やめて、終わりにして欲しいんですか?」

そう言いながら肉体を離して、抜けてしまう寸前まで腰を引いておく

「やっ……っ! 違、ちがうの」

顔を横へ向けて振り向いて潤んだ瞳で見上げ、普段のきりりとした様子とは別人のような声色で
懸命にお尻を突き出して浅い部分にある俺自身を深く味わおうとしている姐御
そんな姐御の姿を見て、このまま一気にめちゃくちゃにしてあげたい衝動に駆られる

「ふふ……じゃあ、どうして欲しいですか?」

ゆるゆるとまた深みへと腰を沈めながら、もどかしそうな姐御のわき腹を撫で上げていって
その慎ましいふくらみの先端をすりすりと可愛がる

「あふ……あぁ……わたし、その……んん……」

……あー、これは駄目だわ
自分から求める言葉を言えずに恥ずかしがる姐御が可愛すぎる、もう我慢できない





無言で姐御の肉体をまさぐっていた手を離して、腰の両側をしっかりと掴む
先ほどのように突き入れた俺自身を限界まで引いて、体勢を整えて

「……あ、私」

行為を止めてしまうとでも思ったのか、不安げな表情を向けて何か言いかけた姐御の言葉に耳を貸さずに
――力強くその一番奥へと腰を叩きつける!

「……ッッ!! く! ああぁ……!」

勿論それで終わる事は無い、掴んだ姐御の腰と自分の腰を動かして、何度も何度も強く音を響かせる

「ひあっ  あ、アぁっ! んんっ……あぁあっ! あうっ!」

急激に変化した行為を受けて上がる、姐御の悲鳴のような声が心地良く心に響く
ぐぢゅっぐぢゅっと音を立てる柔らかな肉に包まれた俺自身へと伝わる反応が、その声が苦痛によるものではないと教えてくれる

「くぅっ! あぁっ……いイ! ぅあ…アっ! ぁあッ!」

敷かれた毛皮へと爪を立てて、肉体の際奥から沸き起こる快楽に嬌声を上げる姐御
そんな姐御をもっと近くに感じたくて、そのしなる背中へと覆い被さり細い上腕をぐっと掴んで
ガクガクと震える胴体全体を押し込むような勢いで、その際奥へと繰り返しぶつかっていく



「ああ! あぁ、アぁっ! っく! ぁ、ああっ、あアぁああーーーーっ!」

荒々しく押し寄せる快楽の波に飲まれ、押し上げられていった姐御が、ついにその頂点へと辿り着いた
止まる事なくその内部を抉っている俺自身をぎゅうぎゅうと締め付ける力が感じられる
行為によって淫猥な音を発している結合部からは、ねっとりとした液体が揺らめく姐御の太ももを伝って流れ落ちていった

「アあっ! あぁ! なに……これッ、あぁアっ…私、止まらなっ」

一度大きく絶頂を迎えた姐御、しかしその肉体は止まる事無く、すぐさま次の高みを目指してびくびくと反応している
俺の方はまだ辿り着いていないのだ、止める理由もない

「はぁぅ、アっ! だめっ、あぁ! あぁあ! ま、またッ、くゥううぅっっ…………ッ!」

これで二回目かな……あはは
別におかしい事も無いのにどういう訳か笑いが込み上げてくる、あぁ……愉しい、愉しいなぁ
絶頂がずっと継続しているかのような姐御の肉体を休む事無く責め立てる

「んうッ! クぅ……ああッ! アぁっ、ひ…っク! ふアっ! はぁアっ」

突っ伏してしまい、紅潮した顔を毛皮へと押し付けている姐御はすすり泣くような高い声を上げ始めた
ああ……そうか、好ましく思っている女を、自分の行為で満たしているのが嬉しいのかな
姐御がこんなにも感じてくれていると、俺も嬉しいし、愉しい……うん、そんな感じがする

「うぅア! ヒくっ! ぅアぁっ! アはぁんんンっっ…………ッ!!」

三回目っ!
休まず続けられる荒々しい行為によってめくれあがった結合部から、ボタボタと愛液が溢れて滴り落ちて敷物に染みを残している
もっと、もっと姐御には俺を感じて欲しい、そんな想いを受けて熱い肉の中を動く俺自身がさらに大きく充血していく

ピッタリと動く隙間も無いほどに密着して、そのまま溶け合ってしまいそうなほどに熱く包みこんでくるその内部
魂のラインから伝わるそれぞれの感情……まるで二人が一つの生き物になってしまったかのようにさえ思えてくる

「ひンっ! あ!! ふアっ! あアっ! ああッ! クああぁッ!」

俺も、もう限界が近いみたいだ
姐御が連続して達してしまう程感じているのと同じように、こちらもいつでもその時を迎えられるほどに高ぶりきっている


よし、随分と姐御を先へ進めてしまったけど、最後には二人で一緒に――

「……ああ! あぁあッ!! あぁああああっ!!!」

強く叫ぶように四回目の絶頂を迎えた姐御をぎゅっと抱きしめて
深く深く突き込んだ俺自身から高濃度の欲望を一気に解き放つ!!



         ……◇……◆……◇……



強く長く続いた絶頂の連鎖が終わり、力尽きて肉体から力が抜けた姐御がトサリと横に倒れる
ずるりと熱く爛れた内部から抜け出した俺自身から
大量に溜め込まれて姐御の内部へと吐き出しきれなかった欲望の残り火が、汗に塗れた姐御の肉体を白く染め上げていった





「はぁ、はぁ、はぁ…はぁ……はぁ…………ふー、はぁ……」

荒い呼吸を整えながら考えていて、今更ながら気付いたけど……
姐御を貫いたままで行為の最中に焦らすのって、つまりは自分を焦らしているのと同じじゃないか!
結局4~5回は焦らして止めてを繰り返してたから、その分の衝動が一気にきてしまったように感じる


あーー、それにしても疲れた……
どうも姐御とする時は熱くなって頑張ってしまう傾向があるなぁ、愉しいから良いんだけれども
こんなんで明日は起きれるんだろうか

姐御の隣へと肉体を横たえながらそんな事を思う
……まぁいいかな、明日の事は明日になってから考えよう


それじゃ、お休みなさーい





         ……◇……◆……◇……





そんなコトがあった次の日、空いた時間を使ってやってきました何階か上の階層

え、姐御? 姐御は一眠りして起きてから、いつもの3倍増しのクールさでキビキビと身支度を整えて
こちらの顔をろくに見ることさえしないで出て行っちゃったよ? 昨晩のお酒が残っていたのか、ちょっと顔が赤かったけど
皆が溜まり場へと集合する時間が近かったから急いでたんだろう





まぁそれはさて置き、ゴロツキのアジトは……と、こっちかな
三つ編みちゃんへのラインを通じて位置を調べてみたけど……うわぁ、3人揃って今日もまたヤってるや、頑張るねぇ


「やぁみんな、愉しんでるかい?」

アジトへ飛び込んで軽く挨拶、こちらへとゴロツキの皆さんの視線が集中する
その瞬間を利用して、それぞれへと視線を合わせて素早く拘束の暗示をかけていく

……残すのは一人で良いかなぁ
固まっている一人の腰から剣を奪って、三つ編みちゃんと寝床に居た一人を除いてサクサクと始末する
うん、あんまり良い剣じゃないね、この程度の武器を持つよりは爪を使った方が強い位かー

「ななな、なんだおめぇ!」

動けないままで声を上げる最後の一人を見てみれば……あーらら、いきなり仲間が死んだ恐怖からか見事に縮こまっちゃって、まあ
三つ編みちゃんも、抜けてしまったから物足りなさげにしてるじゃないか

「ふふふ、キミ達が昨日話してたモノさ……そう、悪魔だよ」

近寄り、そう声をかけながら汁まみれになっている三つ編みちゃんの下腹部へ触れて、修正した術式を送り込む
――これでよし、次は

「それにしても……このコを沢山可愛がってくれたみたいだね? 是非ともお礼をさせていただきたい」

そう言って懐から取り出した粉末を、身体を操って男に飲み込ませる

「うぐっ……な、何を飲ませやがったっ」

「イイ気分になれるお薬だよ、天国へ登るような気分を味わえるんじゃないかな」



「……なんだ? これ、からだがあつく、て、あぁ……ハァ……」

荒い息を吐きながら血走った目を三つ編みちゃんへ向ける男
縮こまっていた男のソレは元通りに、いや元以上に脈動して肉の悦びを求めているように見える

「さぁ、どうぞ? 最後になるんだ、存分に味わってよ」

拘束を解かれた男は、獣のような声を上げながら三つ編みちゃんへと襲い掛かっていった



         ……◇……◆……◇……



「あっ! アあっ、ッ! あヒっ! あッ!」

「ぐぅ、あぁ……と、止めてくれぇ、もう、身体が……」

嬉しそうな声を上げている三つ編みちゃんとは裏腹に、ぜぇはぁと苦しげな男がそんな声を上げる
あれから幾度となくその獣欲を三つ編みちゃんの胎内へ叩きつけた男の顔には、明らかな死相が浮かんでいた

よーしよし、三つ編みちゃんへ仕込んだ術式は正常に動いてるみたいだな
自分から何かをしようという意思のほとんど感じられなかったその肉体が、男を求めるように、いやらしくくねっている
三つ編みちゃんを経由した力の吸収も、しっかりと正しく動作しているみたいだ

男の方は……あ、ついにお亡くなりになったか、それとも気を失ったのか、身体から力が抜けて突っ伏してしまっているね
突然男の動きが止まってしまい「あー?」なんて不思議そうにしている三つ編みちゃんから男の身体を引き離して
それから軽く調べてみると――はい、ご臨終ですね、惜しい人を亡くしました
うはは、心臓止まってるのにまだ充血したままになってる! エロの力って偉大だな!

ちなみに男へ飲ませたのは、この前狼人君に切り落としてもらった俺の角の粉末だったりする
どこかで鹿の角が精力増強剤になると聞いた事があったんで、淫魔の角なら凄いんじゃないか?! と、試してみたんだけど
まさか自分では止められずに死ぬまでヤってしまうとは……これはまた、なんというか……思いのほか強力だね!
人間に使わせるような場合には一回の量を少なくした方が良さそうだなぁ

お薬は用法・容量を守って正しくお使いください、なんちゃって





         ……◇……◆……◇……





ゴロツキの寝床にあった適当な布を纏わせた三つ編みちゃんへ「町に戻って"思うように"暮らせ」と暗示を刷り込む
頭が変になってしまったけれど男を欲しがる若い女なんて、ある種の人間にとっては好都合な存在だよね
くくく、きっと今後も俺の為に力を集めてくれる事だろう


指示を受けてフラフラと歩き出す三つ編みちゃん、念の為に人間の気配がある方へと向かわせて、こっそり後ろから見守っておこう
まっさらにリセットされてしまった三つ編みちゃんのはぢめてのお使いという訳だ
お、発見されたみたい……うん、女性の神官も居るパーティみたいだから問題無く保護されるかな

気になる神官の女性は――おうふ、下町のおばちゃんというか肝っ玉かあちゃんというか、とにかくちょっと興味の対象外でした
あらら、三つ編みちゃんの格好に目を引かれた戦士♂がバシーンと叩かれてる
あの様子なら三つ編みちゃんも無事に町まで辿り着けるだろう、今後どうなっていくのか愉しみだ


うんうん、悪者に捕まっていた女のコも無事救助された事だし、今日は戻ってゆっくりしておくかー







[30317] 幕間 ~それいけ神官ちゃん~
Name: クラクモ◆5e745eb7 ID:0f7bd90b
Date: 2011/12/29 16:56
・幕間 ~それいけ神官ちゃん~





少女と女……今現在その境界線上にある彼女は夢を見ていた





最初に見たのは迷宮から命からがら帰還し、疲れ果てた体で寝台へ倒れて泥のように眠った日の事だった

ロウソクの灯りが照らす大きな寝台で、声を上げて獣のように交わる男と女の夢を

その数日後には埃の舞う小さな部屋で抱きしめあい、立ったままで激しく交わる男と女の夢を

ある時は薄暗い部屋で、男に組み敷かれた女が壊れたような嬌声を上げる夢を

また次の時には……



幾度となく見ているその夢の内容は見る度に異なり、同じなのは男と女がいる事……そしてその間にある行為だった

鮮明な映像ではない、いや、映像として見ているものですらないのかも知れない
そもそも自分はそのような場面を見た事がない、そんな自分がこのような夢を見るなどありえない

……ない、筈だ

たとえ今は信仰の力を失ってしまったとしても、自分は純潔を司る月神殿の神官だったのだから





だから夢にすぎないのだ

迷宮で苦楽を共にした頼りになる戦士達が、獣のような息遣いで、淫らな笑みを浮かべた妖艶な女へとのしかかっている光景も
その知識により皆を導いてくれたローブの魔法使いが、恐ろしい影に首元を後ろから噛み付かれている光景も

夢なのだ、仲間達に危険が迫っている場面で自分が助けない筈が無い
そう、"あの時"に、自分が"自由でさえあったならば"助けない筈がないではないか

「っ!」

チリチリと……夢の中であるのに頭のどこかが痛んだ





現実に仲間達は迷宮で散ってしまった、ではその最後はどんなだったのだろうか?
神官長様から贈られて、大事にしていた銀で編まれた鎧はどこで無くしてしまったのだろうか?
どうして自分は信仰の力を失ってしまったのだったか?
迷宮から脱出した時はどんな状況だっただろうか?



ぐるぐると様々な疑問が襲い掛かってくる

そして、その先あるのはいつも同じ感覚――その中で肉体が溶けていってしまいそうな熱い律動
ゆさゆさと揺れて、高まり、染まり、悦び、いつでも側にあり自分を許容してくれるナニカ



どうしてか、それに安心した時に思う……思ってしまう

でも、そんな事を思うなんて実際にはありえない、あくまでもこれが夢の中であるからに決まっている
あの男と女の行為を見て、「自分もまたあんな風に■■てもらいたい」と思う事なんて――





――ふふふ、本当に?





「ッ!!」

勢いよく寝台から身を起こすと、そこは自分の部屋の中だった
肉体が熱く汗ばみ、はぁはぁと呼吸が乱れているのを自覚する

「夢、か」

寝衣の胸元を握り締めながら、荒い呼吸を静めて心を落ち着かせようとしていく
しかし熱の篭った自分の肉体はいつまでたっても冷める事はなかった

どうして……

疑問を抱いて自分の肉体へと意識を向けてみれば
汗に濡れ、素肌に張り付く布の上からふくらみの先端が固くなっているのが判った
寝衣を握り締めていた筈の自分の右手は、いつの間にかそうするのが当たり前であるかのように、その突起をさするように動いていた
そこから伝わる刺激が、夢の中で得られた安心感と似ているように感じられて

――じくり、と肉体の深い部分が疼く

いけない、私はまた





         ……◇……◆……◇……





「くゥ…………んっ」

夜明け前の静かな部屋の中へと熱い吐息が広がっていく
両足の付け根へとあてがわれた自分の手が、まるで別の意思を持っているかのように蠢くと
じんじんと肉体の内側からは甘美な刺激が込み上げてきた

「……はぁ……はぁ、ん……」

淫らに蠢く指先にはヌルリとした感触があり、その部分からは小さく湿った音が聞こえた
痺れるような刺激にくらくらしながらも駄目だ、と考える

こんな物では足りない、もっと、もっと……

「んふ…………はぁ…はぁ、ぁあ……」

別の手で張りのあるふくらみを揉みしだき、"あの時"されたようにその先端をくりくりとすりあげる
そこから送られる刺激をより求めるように自然と胸が突き出され、その背中が仰け反っていく


――良いコだ……ふふ、さぁ……もっと先へ

熱に浮かされた意識へと、夢の中の声が聞こえたような気がした


そうだ……"あの時"はこんなものではなかった
肉の衝動に促されるまま、潤いをかき混ぜていた指をさらに奥へと入りこませる

「あっ、くぅ…………んん」

ズルリ、と直接肉体の中を触れた刺激に思考がスパークする、あぁ……たまらない、もっと欲しい

その感覚を味わいたくて、夢の中のように安心したくて
差し込んだ指を自分の中で前後に動かし、迎え入れている腰をゆさゆさと揺さぶる

「っ………ッ…っ! ぁく……う、ふぁっ!」

その高みを一心に目指す肉体が、自分の意志とは別にぴくぴくと震え始める
快楽にふらふらと揺れる膝は何かを迎え入れるように開かれていき、その足のつま先はぎゅうと反り返っていた
にちゃにちゃと指の動きにつれて淫らな体液を流すソコから、夢と同じような熱さが全身へと伝染していく

「あっ…く、んッ! ぁあ、あぁ…アっ! あぁっ!」

大きな声を上げ、口の端から涎をたらしてしまいながら行為へと没頭する
既にもう、それをはしたないと思う意識はどこにもなかった……そして――


「……んんっ、あぁ…ハぁあ、ぁア、あンんんんっ…………!」

今夜もまた、彼女の部屋の中にあられもない声が響き渡る





         ……◇……◆……◇……





「…………はぁ」

汗とそれ以外の体液で濡れている寝衣に煩わしさ感じて
寝台から降りた彼女は、寝衣を脱ぎ捨てると一糸纏わぬ姿をひんやりとした空気の中へ晒した
瑞々しい若さを匂わせるその肢体を、閉じられた窓の隙間から差し込む朝の光がぼんやりと照らし出す

「今日も布団を干さないと」

汚れてしまった寝具を見て軽く溜息を吐いて、手早く清潔な衣類を身に付けた彼女は
差し込む光に目を細めながら部屋の窓を開け放った





あの日、信仰の力を失ってしまった自分を変らずに迎え入れてくれた神官長様にはどれだけ感謝しても足りない

彼女のお陰で神殿の敷地の端、通りに面した倉庫を改装した小さな店舗を住まいとして与えられて
森で集めた薬草や神殿の見習いの子達が力を込めた聖水の販売などを行い、こうして日々の糧を得られているのだ


朝食を作る為に動き始めると少し疲労が身体に残っているような気がした
神官長様からも「無理はしないようにね」とのお言葉を頂戴している
薬草の在庫はまだあった筈……今日は森へ行かずに店でのんびりと過ごすのも良いかも知れない

――をするのは心地良い、愉しい事だ、洗濯が多少面倒でも、どうにも止められない、それに……悪い事なんかではない
"あの時"にも優しく抱きしめられてそう言われたではないか、大丈夫だと、それをする自分が良い子だと……





"あの時"とはいつの事だったのか、熱い律動の中で大丈夫だと耳元に囁いたのは誰だったのか、どうしてそれを疑問にすら思えないのか
彼女はそんな日常の中に紛れるように存在する違和感に気付かないまま、また新たな一日を過ごしていく








[30317] ・わんこと俺と召喚陣
Name: クラクモ◆5e745eb7 ID:0f7bd90b
Date: 2012/06/01 00:14
・わんこと俺と召喚陣







「…………?」

「どうした、何か居たか?」

「いえ、気のせいだったみたい。 行きましょう」





…………

ふー、危なかったぁ……
軽く息を吐きながら瓦礫の陰から顔を覗かせて辺りを見回し、完全に人の気配が無くなった事を確認する

ここしばらくの間、空いた時間で中階層から上に登って浅い階層をうろうろしていたけれど、やっぱり探索者の数が多いなぁ
それに……さっきの人は弓を持っていたけど狩人か何かだろうか、気配を察知する能力を持った職業も居て、どうにも移動に警戒が必要だ
盗賊さんの知識を得る事なく、自前の素人丸出しの忍び足だけで動いていたならば、もうとっくに発見されていたかも知れない
それにしても、あの狩人の女性は中々良さそうな感じだったのに……状況的に手を出せないのは悔しいな

まぁ今の所は仕方ない……か、とりあえずこのあたりは探索者の行き来が多いみたいだから、見える所に"コレ"を置いておこう





それはさて置き、連日の苦労の甲斐もあって浅い階層の地理もようやくぼんやりと解るようになってきた
完全に把握できないのには理由があって、その一つには先ずやたらと広い事が挙げられる
盗賊さんから得ていた情報によれば、一般に知られている範囲の端から端まで歩き続けて半日かかるとの事で……広すぎだと思うんです
浅い階層は全部で5つのフロアから成り立っていて、数こそ少ないながらもその広さによって数々の探索者達を葬って来たんだそうな

そんな浅い階層は探索者達から4種類の地域に分けて認識されており、それぞれ以下のような感じらしい

・調査済区域……下へと向かう階段までの最短ルートおよびその周辺、探索者の行き来が多く警備員側の魔物がほとんど排除されている
・要警戒区域……入り込んだゴロツキのアジトや自然の魔物、警備員側の魔物が混在している、上の方のフロアに多い
・危険区域  ……建築物の召喚陣が多数残されており、警備員側の魔物が大量に徘徊している、中階層寄りのフロアに広く存在する
・未踏査区域……人間側の手が入っておらず地理の把握がなされていない、危険地区の先、建築物の外縁部などが該当する

基本的に調査済区域が階段から階段を繋ぐ帯状に広がっていて、その周りに要警戒区域、その外に危険区域……と
探索者見た場合の安全性によって分けられているようだ

この建築物は驚いた事に、継続的に召喚が行われている魔物達だけではなく、召喚陣そのものや通路、壁に至るまでが
自然の侵食や探索者の手によって破壊されてもある一定の時期になると再生するのだという
しかも壊される前と同じ形で戻るのではなくて、どういう訳かランダム性をもって再構成されていく為に
入り口の無くなった部屋や途切れた階段なんてものまで存在しているらしい

あぁそうか……中階層の地形を把握している最中に
「こんなダンジョンダンジョンした通路構成の建物って何に使ってたんだろう」と思っていたけど
おそらくこの再生機構が原因なんだなぁ、道理でどこも壊れていない通路の脇に瓦礫があったりする場所がある訳だ

その関係か、地上からの入り口も何箇所か存在しているようだ
基本的に探索者達が利用している一番町から近い"正面玄関"と呼ばれる開口部をはじめとして
他にもゴロツキなどの後ろ暗い者達が使っている入り口や、自然の侵食によって崩落した場所なんかもそれぞれ複数存在するとの事である


浅い階層はそんな感じのフロア構成となっているので
警備員の職務をグループの皆で行った後の合間の時間だけでは、一度に少しずつしか見て周れない
特に俺の中で重要なのは探索者達……というか女のコが多く行き来する調査済区域なんだけど……
発見されないようにずっと警戒しているのは、悪魔の肉体のお陰で疲労しないとは言っても気分的にかなり疲れる

今日の所はこれ位にしておいて、拠点へ戻って休んでおこう





         ……◇……◆……◇……





「……で、そこで思いっきりカチ上げるんですよ、どうですか?」

ゴリゴリと行っていた作業の手を止めて、アニキへと身振りで行動を伝える

「ぶもぅ……」


警備員というものは侵入者が来なければ暇なものである
今日は姐御のコウモリや、狼人君の嗅覚にもこれといった反応が引っかからなかった為に
仕事内容は溜まり場での待機となっていた

「ええ確かに、実際試してみないと何とも言えないですよね」

「…………」

いつものようにうんうんと重々しく頷いているアニキ

上にあるような理由で皆が集まり、軽く雑談していた折に
アニキが「近くへ纏わりつかれると鬱陶しい」と愚痴をこぼしていた事について、皆であれこれ考えていたのである
ミノタウロスの身体はかなり大きい事もあって、斧を振り回す間合いの内側まで踏み込まれると対応に困る事があるんだそうな

そこで俺も僭越ながら一つ対策を考えて言ってみた……けど、はてさてどうなるかなぁ、個人的には中々良い線を行ってると思う
いつその対策方法を見れるか今から楽しみだ、実際使うかはアニキ次第だけどねー


そんな感じで雑談していると、会話には加わらずに椅子へ腰掛けて、創り出した眷属達へと意識を向けていた姐御が口を開いた

「ンー、今日はこの辺りまで入ってくる侵入者は居ないみたいね……階段の周辺でも気配が感じられないわ
  これ以上待機していても埒があかないし、今日はこれで終わりよ」

それを聞いたアニキと狼人君は立ち上がると、先ほどの会話に出ていた対策の練習でもするのか、二人でどこかへと移動していった
退屈そうにしていた先輩は「じゃーぁねぇ」なんて言いながら欠伸を漏らしつつ歩き出す
どうやらそのまま自分のねぐらへ戻って寝てしまうようである



さて、"コレ"の片付けも終わったし……俺はまた浅い階層へでも行ってうろうろしてこようかな

「ア、貴方は行く前にこの樽にワイン入れていきなさい」

……エェー
この前のアレに味を占めたのか、空の樽をどかりと降ろした姐御が俺へと命令してくる
いっそ"コレ"を混ぜてしまおうか……なんて一瞬思ったけど、後が怖いから止めておこう、別に疲れる事でもないし


「悪いわね、私が使えれば良かったのだけど」

み゙ゅーーー、と魔法を使い爪の先からワインを注いでいると姐御がそんな事を言ってきた
姐御は血以外の液体を扱う魔法に適正が無いらしく、ラインを通じて術式を送っても使う事が出来なかったのである
霧には変化できるのに……と思ったけど、ラインから術式がだだ漏れだった時にも霧になる術式は流れてきてなかったから
あれは吸血鬼の種族固有の能力なのかも知れない

「いえいえ、こんな事でも頼ってくれるのは嬉しいですよ。 また今度、この前みたいに一緒に飲みましょう」

よーし……そろそろ満タンになったかな
ずっりしと重くなった樽の栓をして、改めて浅い階層を探索しに行くために立ち上がる

「そうね、また今度。 ……っ……この前、み、みたいに」

少し俯いて、じっとワインの樽を見つめながら返事をしてくる姐御
そんなにじっくり見てなくてもワインは逃げないのに、お酒好きなんだろうか


……なーんてね、最近は仕事モードの姐御の感情も解る様になってきたんで何となく予想が付く
ふふ……あの表情からすると、あの晩のコトを思い出して照れてしまっているみたいだ
うへへ、あの時の姐御は可愛かったなぁ



おっと、ここでエロい事を思い出しているとそのまま姐御を連れて部屋でご休憩に突入してしまいそうだ
今は行動範囲をもっと広げたいから、そろそろ出発しようかな

片付けた包みを懐へしまい込み、いざという時に探索者へ擬装する為の装備を確認する
色々と詰め込んだ背負い袋に、杖に、薬類を詰めた瓶に短剣……うん、OKだろう
そう判断して、赤くなって動かなくなってしまっている姐御へと「それじゃ、いってきます」と声を残し、溜まり場を後にした





         ……◇……◆……◇……





「ふぁ……あーあ」

特に疲れてもないのに欠伸が出てくる

うーん……いつもは警備をしていた緊張感をそのまま維持して個人的な探索を開始してたけど
今日は待機ばかりで全然動かなかったから、どうにも気が緩んでるなぁ

この調子では探索者の多い地域を歩き回るのは危険かも知れない
まぁ急ぐ事でもないし、このまま休日気分を継続して"危険区域"でも散歩しよう
探索者が"危険区域"と呼んでいるエリアはこちら側の警備員しか居ないから、俺からすると逆に気が楽なんだよね
だらだらする事にかけては誰にも負けないぜ!


そんな風に思いつつぶらぶら歩いていると、中階層ではあまり見かけない完全な獣型の魔物とすれ違った
黒色で足が6本ある犬か狼という感じの見た目である
浅い階層は中階層よりも間取りそのものが全体的に大きくて、広い場所が多い
その広さをカバーする為にああいった足の速そうな魔物を使っているんだろうか

探索者との戦闘が多い地域では、主に武装した獣人の一団……中階層で一般的な
人間の大人サイズ獣人一人に、背の低い小型の獣人複数を加えたグループを良く見かけるので
召喚時に役割や構成の面で、戦闘タイプと警戒タイプという風に区別されているのかも知れない





「へぇ……」

その場所へ入った時、思わずそんな声が漏れた
サクサクと足元に何故か生えている草を踏みしめて進みながら辺りを見回してみれば
通常のフロアよりも高い天井、その空間をぐるりと巡るように整えられた歩道、その端にはベンチのようなものが配置され
広場の中心には驚いた事に今も機能している噴水まであり、それらを主張しすぎない光量の魔法の灯りが照らし出している
まるで夜の公園みたいな……っていうかどうみても公園である

今まで見てきたそれほど広くない石造りの構造とかけ離れた光景に、呆然としたまま手近なベンチへと腰を降ろす


これは、また……随分と人間らしい造りになっているなぁ
この地下巨大建築物を創ったモノ達に関しては姐御や先輩も知らなかった
個人的に扉の取っ手のサイズや高さ、部屋や階段などの大きさから推測するに人かそれに類するナニカだろうとは考えていた
そして通路や部屋のデザインが暗い感じの夜に活発化するような種族向けだったので
人ではない人に近い別種族ではないかと予想していた……んだけど、今これを見るに普通に人間だったのかも知れない
あるいは、もしかしたら人やそれ以外の種族が区別なく存在していた文明だったのか



「はふぅ」

ここに来てから随分"人間"を捨ててしまった気がしていたけれど、案外俺もまだ人間らしさが残っていたのかな
ベンチにもたれかかり、ハッハッハッと犬型の魔物が巡回していくのをぼーっと眺めていれば
まるで日本へと戻ったかのような錯覚を覚える……まぁ全体的にギリシャの遺跡みたいなファンタジーを感じさせるデザインだけど
近代的な印象を受けるのは、魔法とはいえ人工の明かりで照らされているからだろう

しかし……それでも、自分が知っていた場所に似た雰囲気のある所というのは落ち着くものだ
軽くランニングでもしている人が居そうな歩道
在りし日には子供達が駆け回っていたかも知れない芝生のようなもので覆われた広場
今もなお稼動を続けて水音を響かせている噴水、6本足のわんこを無数に引き連れて歩いていく人影
何もかもが懐かしさを感じさせてくれる、こんな休日を過ごすのも悪くない





……

…………

あれ? 何か今おかしいものが混ざっていたような……

じっと歩道を見つめる……うん、変な所は無い普通の石畳である
ついで短い芝のような植物が生えた広場、地下で何故草が生えていられるのかは謎だけど特に変わっている所は無い
座っているベンチも変わらずに俺の体重をゆったりと受け止めてくれている
水を吹き上げている噴水も、そこに魔法の術式が走っている事が感じられる以外には異常な点は見つからない
わんこを連れて歩いていく人影も犬の足が6本である事を除けばどこも…………って!!  歩いている人影!?

ぎょっとしながら視界の端に遠く捉えていた人影を凝視する
……警備員のわんこ達が攻撃していない事から、おそらく探索者やゴロツキという事はなくて警備員なんだろう
暗がりを透かすように目を細めて見てみれば、頭部から二本の角のようなものが伸びているのが判る

む、あれはもしかして……ゴロツキ3人組が話してた悪魔の人じゃないだろうか
いやぁ、こんな所で会えるとは思わなかった……これは幸先良いね、いやお互い悪魔だから幸先悪い?

あちら側がこちらに気づいている様子は無いようだ
ベンチに座っている場合じゃないな、行ってしまう前に声をかけてみよう



         ……◇……◆……◇……



それにしても、初めて会う姐御や先輩以外の悪魔かー
姐御は厳密に言えば悪魔とは異なるし、先輩は同じ淫魔だったから、どんな悪魔なのかとワクワクしてくる



近づくごとに視界の中の、ぼろぼろのマントを纏った角のある人影がだんだんと大きく見えるようになっていく
後ろから見ると頭全体が骨っぽい感じだ、スケルトンみたいな姿の悪魔なんだろうか

よーし、もうそろそろ追いつきそうだ
同じ警備員だから問題ないと思うけど、誤解の無いように角と尻尾は表に出しておこう

そうして身だしなみを整えておいて、ちょっと気どりながら声をかける

「やぁ、こんにちはご同輩! 良い夜だね」





「っ!?  あ……悪魔さま!?」

驚いた様子でバッとこちらへ振り返る骨悪魔さん(仮)
……え、この声……女性ですか?  それに悪魔、様……?

「うそ……本物……  あぁ! ついに…………」

骨悪魔さん(仮)は、若い女性特有の鈴を転がしたような響きの声を上げると
唐突にこちらへと向いて跪き、その骨っぽい頭に手を添えて、そのまますぽっと頭を……外したぁ?!

一瞬「さぁ、ボクの顔をお食べよ」なんてフレーズが脳裏をよぎったけど、それは置いといて
その下から現れたのは褐色の肌をした人間と変らない姿の女のコの顔でした

「悪魔さま、ようこそおいで下さいました」

何故か期待に溢れた顔でこちらを見上げる骨悪魔さん(仮)改め……うーん、褐色ちゃんかな
ずっと跪かれたままだと気分が悪いので、立ち上がらせようと手を差し出してみたら
尊いものへと触れるような仕草で両手で受け止められて、そのまま口付けまでしてくる

「…………」

なんだろうこの異常な好感度、俺なにかしたっけ? 心当たりが無いので微妙に気まずい
それにしても、こちらを悪魔と呼んでくるって事は褐色ちゃんは悪魔じゃないのかなぁ、良く解らん

まぁこのままでは話し難いので、未だにこちらの手を包んでいる褐色ちゃんの手をつかみ返してぐいっと引き起こす

「あっ」

急に引っ張られるとは思わなかったのか、体勢を崩した褐色ちゃんがぽすりとこちらの腕の中に納まった
うはっ、この感触……もしかして、このボロいマントの下は裸かっ
誰得ローブの下に何も付けてない俺が言うのもアレだけど、エロいですね、最高です!

 ― 呪術師♀を手に入れた ―

ん、今回はシステム表示が妙に早い
いつもは……もっと、こう、直ぐにでもねっちょりできるタイミングで表示されるのに……
いや、むしろこれは、褐色ちゃん改め呪術師ちゃんが「もういつでもOKよ、抱いて!」という事なのかも


そんな事を思いながら腕の中の呪術師ちゃんを見下ろすと

「あ、その、ここでは……」

肌の色が濃いから判りにくいけど、うっすらと頬を染めてそんな言葉を発した
ええっ、そういう事なの? これなんてエロゲ?



         ……◇……◆……◇……



俺の預かり知らぬ間にイタす事で話が進んでいるような感じなので
呪術師ちゃんに先導されてどこかへと案内されながら、あれこれと話を聞いてみる


……へー、悪魔教団ねぇ? え、中心人物の元で暮らしていたけど皆討伐された? なるほどなるほど……
それで一人になってから数年の間ここで隠れ住んでいるのね

「この力のお陰で今まで生きてこれました、これも悪魔さまのお陰です」

ほうほう……なんでもここから遠く離れた地方の生まれの呪術師ちゃんは、幼い頃から弱い魔物を操る事が出来たんだそうな
その力が迫害の対象となって追い出された所で、一般的には邪教とされている教団に拾われて育ち、現在まで生きてきたとの事である
なんだかなぁ……魔物を操れるなんて便利じゃんと思うのは、現在社会で培われたゲーム脳のお陰なんだろうか

それにしても、第三者として悪魔教団の活動内容を聞いた感じでは
主要な幹部が好き勝手に"儀式"と称してエロい事している胡散臭い偽宗教にしか聞こえないなぁ

呪術師ちゃんは純潔を悪魔へと捧げる為という名目で"儀式"とやらには参加しなかったようだけど
もし彼女が今のような喰べ頃になるまで教団が存在していたら「私に悪魔が降りてきた!」とか理由を付けて
おいしく頂かれてしまっていたんじゃないかと思う
そうなれば幹部はイイ思いができて、力を持った呪術師ちゃんとの関係も色んな意味で強化されて、教団的にはウハウハだったろうね


とりあえず本人に建築物への害意が無いとはいえ、警備員に配属されている筈の魔物まで使役できる力はちょっと危険かな
ここは警備員として、しっかりと"無力化"しておかないと、ね……ふふふふ

「いつの日か悪魔さまが現れて、我らに祝福を与えて下さるのを心待ちにしておりました」

俺から与えられるのは祝福の喜びというか、悦びなんだけど……さっきの様子からするとそれでOKなんだろうか
教団的にも"儀式"=エロだったみたいだし

「悪魔は代償なしには何かを与える事はない、それは知っているのかな?」

「はい、私の全てを」

横を歩きながら澱みなく返事をする呪術師ちゃん
随分とあっさりしているけれど、幼い頃から悪魔教団で育って、悪魔へその身を捧げるのが役目だと教えられていたら
こんな風に考えるのが当然になるのかも知れない、教育って怖いなぁ

「わかった、ならば契約を結ぼう」

まぁ、こんな女のコと行為を行う機会を淫魔が逃すなんて事はありえない
特殊な力に頼って生活しているせいか呪術師ちゃん自身の力はそこまでじゃないみたいだけど
その若い肉体は何とも美味しそうだ……たっぷりと味わわせてもらおう





         ……◇……◆……◇……





呪術師ちゃんに誘われるままに後について進み、しばらく歩いていると通路の先に重厚な扉が見えてくる

む、ここは……召喚陣の部屋かな? 最初に俺が召喚された部屋と雰囲気が似ているように思う
最初の時の事を思い出しながら扉をくぐって入ってみると、予想通り部屋の中心には円形に窪んだ部分あり
その底の部分に召喚陣が描かれていた
でも……んー、何か違うというか、力が集まっているのが感じられない、電源OFFの状態に見える
まぁ今は関係ないか



呪術師ちゃんはボロボロのマントを外すと入り口の脇にあった小さなテーブル位の石台へと置いて
召喚陣の中心へと向かって歩いていく

頬や首のあたりにも少し見えていたからもしかして、と思っていたけど
呪術師ちゃんの全身にはその褐色の素肌へ絡みつくようにして妖しげな紋様が描かれている
部屋の装飾と、一糸纏わぬ姿となった呪術師ちゃんのエキゾチックな褐色の肌を走るその紋様が合わさって
何とも冒涜的な気配を漂わせていた

「こちらです」

中心に佇む呪術師ちゃんからそう声がかかる
なるほど、召喚陣の上でスるのか……くくく、なかなか雰囲気が出て良いじゃないか
こちらも誰得ローブを脱ぎ捨てて全裸を晒して、呪術師ちゃんの待つ中心へと歩を進める

「…………」

行為への期待に上を仰いだ俺の股間を、呪術師ちゃんがじっと見つめている
いやぁ、そんなに見られると照れるね

「んん、ゴホン……汝、その身を我に捧げるか?」

「……はい、どうぞ我が身を受け取ってくださいませ」

一応それらしい儀式のフリをして、表情を引き締めて厳粛そうな言葉をかけておく
こちらの問いかけを受けて呪術師ちゃんも姿勢を正し、受け入れる意思を返してくる


「ふふ……いいコだ、さぁ始めようか」

「それでは…………ん…」

そう言いながら呪術師ちゃんは俺の前に跪いて、眼前に現れた俺自身へと口付けをする
それから恐る恐る舌を這わせてきて、そのまま先端の部分を口の中へと飲み込んでいく

おうふ……そういえば口でしてもらうのは今まで無かったかな
いつも愉しんでいた女のコの泉の内部とはまた異なった、ねろねろと動くざらりとした舌の感触が心地良い

「慣れているね、こちらの経験は多いのかい?」

「! ……いえ、違います。 その、信者の方に手ほどきを受けまして」

一度口を離して、わざわざ質問に答えてくれる呪術師ちゃん
ほうほう、娼婦の経験があった女の人に木型を使って男を悦ばせる方法を教えてもらい
実際に見学していた事もあったが、自分で男へと触れた事は無かった……と
あーそれで最初は恐る恐るという感じだったのか、なるほどね

「そうか……あぁ、大丈夫だよ? キミがそうなのは実に良い事さ」

機嫌を損ねたと心配しているのか、不安げな顔を向けてくる呪術師ちゃんの頭に手を乗せて、ゆっくりと撫でてあげる

「ほら、続けて」

「あ……はい。 はむ……ん、ちゅ……」



         ……◇……◆……◇……



「んふ……ん……ちゅ…………つちゅ……んん」

しばらく仁王立ちのままで、呪術師ちゃんの息づかいを下腹部に感じながら奉仕を受けていたけど……なんというか、暇だね
いやまぁ、確かに呪術師ちゃんの舌使いは中々のもので、暖かい口の中へ包まれている部分からは素敵な感覚が伝わってきてるけど
こちらからスる事が無いってのはどうにもつまらない、何か無いかなぁ

なんて事を考えつつもきょろきょろしていれば、ふと自分の尻尾が目に付いた
おお! 俺にはこれがあったじゃないか! 攻撃に拘束にと、色々お役立ちのこの尻尾なら現状を打開してくれる筈……!


という訳で……ふふ、跪いて奉仕を続けてくれている呪術師ちゃんの足の間へとするすると尻尾を這わせていってみる

「!?」

おっと、呪術師ちゃんが気づいたかな
急な刺激を感じても歯を触れさせないようにしている辺り良く仕込まれてるなぁ

「悪魔の悦びを受け止めるには……ふふ、それなりの準備が必要になるからね」

俺自身を口へと咥えたまま、こちらを上目遣いに見てくる呪術師ちゃんへとそう微笑みを返して
男性の雄の部分を前にして興奮していたのか、少し湿っている部分を尻尾でゆっくりとなぞる

「んんっ?! ん…………んぅ……んちゅ……ちゅるる……」

敏感な部分へと感じる刺激に困ったような表情を浮かべていた呪術師ちゃんは
ぎゅっと目を閉じると再び俺自身へと奉仕を開始した
呪術師ちゃんが俺自身を使って行う淫靡な演奏会である

「ちゅく……んん…………んふ……ぷちゅ……ちゅ……」

呪術師ちゃんは口に含んだ俺自身の頭の部分へ吸い付くようにしながら、下側の筋へと暖かい舌を回すように押し付けてくる
うっく……経験が無い割になかなかヤるじゃないか呪術師ちゃん、こちらも負けていられないな

トランプのスペードマークに近い形をした尻尾の先端、その丸みを帯びた側面を湿りつつある部分へとあてがい
縦長の泉を割っていくように軽く埋もれさせ、左右にかき分けるように動かして刺激を与えていく

「んふっ……ちゅ、んっ……ふ…んぅ…………ちゅる……んぐ…………」

泉の入り口をくねくねとかき混ぜている尻尾に合わせるように
呪術師ちゃんは肉体全体を揺するように動かして、丁寧にこちらへと奉仕してくれている

その表情を見ようと下を向いてみれば
うっとりとした顔で口を使っている呪術師ちゃんのふくらみの先端も、ツンと立ち上がっているのが見えた

ふふふ、こちらも気持ち良いけど、呪術師ちゃんも充分愉しめているみたいだ





「……んっ! んん、ぅ…………ぷはっ…あぁ……はぁ……あぅ、ん……」

それに気を良くして、調子に乗ってくぃ、くくぃと尻尾を使っていたら、息が乱れてきた呪術師ちゃんが奉仕を止めてしまった
悪魔へと捧げる為に純潔を守ってきたと言っていたから、ココへの刺激には慣れていないのかな

「くくく、仕方のないコだ……口が止まっているじゃないか」

「……っ…もッ、申し訳ありませ…んっ」

力が抜けてしまったのか、こちらの下半身へと縋り付いて
それでも唾液に濡れて光る俺自身へと上気した頬をすり付けて愛撫をしてくれている健気な呪術師ちゃん

「まぁいいさ、そろそろ先に進んでみようか」



膝立ちの状態にある呪術師ちゃんと同じように膝を突いて、俺自身とその泉の高さを合わせる
快感に力が抜けてしまっている呪術師ちゃんの起伏のある褐色の肉体を、腕を回して支えてあげながら
体液を滴らせている泉ではなく、両足の間へと俺自身を進めて、太ももへ挟み込まれた状態にする
ぐっと腕に力を込めると、意外に大きい呪術師ちゃんのふくらみが二人の間で潰れるのが感じられた

「はぁ……はぁ……あぁ…………ぅ、ん……」

顔同士が近くなり、陶然としている呪術師ちゃんの表情が良く見える
ゆっくりと足の間にある俺自身をその泉へとこすり付けながら、軽く唇を合わせて
それから唇を割って唾液に塗れた口内へと舌を侵入させていく

「あぁ……悪魔さま…………ん、ちゅ……んむ……んん……」

あーそういえば、特に臭いとかも無いけれど……気分の問題で口の中へ直接ワインを創り出し、二人の口内を一度洗い流す
流石に自分のモノを咥えていた口へと、そのままキスをするのにはちょっと抵抗があった

「ん! んぐ……は、ぁふ  ……あの、今のは」

「僕は人へ快楽をもたらす悪魔だからね、人が愉しむ為の液体を創り出すなんて造作もない事さ」

そう誤魔化し、「ほら、こういう風に……」と見せつけるように
尻尾の先から効果の弱い回復薬とエロ成分を混ぜ合わせた液体をねっとりと滴らせて
呪術師ちゃんの肉体へと両手でぬるぬると塗り込んでいく

良く考えたら呪術師ちゃんは探索者のような訓練は受けていない筈である
だからその分、例えば能力的にぱっとしなかった三つ編みちゃんなんかよりも体力的に劣っているかも知れない
感じすぎてぐったりと力が抜けちゃった女のコを抱いても愉しくないから、こまめに補給してあげないとね

「あっ、これは…………ぁ、んん……ぅん…………」

時には両手を使って、倒れそうな時には片腕で支えて
互いのお腹が触れ合った状態で呪術師ちゃんの泉のすぐ下へと差し込んだ俺自身をゆっくりと前後させながら
わななくその全身へと薬液を馴染ませていく
ぼんやりと召喚陣を照らしている魔法の照明の下、光をぬらぬらと照り返しながら呪術師ちゃんの肉体が揺らめいている

「はふ……ン…………あぁ……んっ……あ……はぁ…………」

呪術師ちゃんの褐色の肉体へと刻まれている妖しげな紋様は、ぱっと見で特に魔法的な意味が無いみたいだったから
実際の悪魔を見た事のないインチキ悪魔教団の人達が、素人の知識でそれっぽく刻み込んだだけだと思っていたけど……これはいいなぁ
行為の中でくねり、仰け反り、揺らめいている女の肉体を、より一層妖しく、淫靡に、背徳的に見せるデザインとなっている
この紋様を考えた人はそっち方面で優れた芸術家だったのかも知れない

呪術師ちゃんの肉体を這い回る両手の動きに応じて、ふにゅふにゅと形を変える柔らかなふくらみが何とも言えない感触を伝えてくる
探索者として鍛えていない分、より女としての部分が強調されたいやらしい肉体だ

「……く、んっ……はぁ……あぁ……あぅ……」

ふくらみの先端をくっと指で挟んでみれば、呪術師ちゃんは熱い吐息をこぼしながら
両足の間へ挟み込んだ俺自身へときゅっと力を加えてきた
むっちりとした張りのある内股で包まれて、泉の内部とはまた違った力加減が心地良い

そんな風に褐色の肉体を堪能しながら薬液を塗りこんでいると
呪術師ちゃんの方から腰を下げて、自分の敏感な部分を足の間にある俺自身へと押し付けるように動いている事に気が付く
よし、準備はこんなもんでいいかな……それじゃ、さっそく、ふふふふ



         ……◇……◆……◇……



「それでは、キミを頂こうか」

俺自身の位置を調節して呪術師ちゃんの泉へと合わせ、そう声をかける
こちらの上腕のあたりを軽く掴んで、もたれかかって来ている呪術師ちゃんが悩ましげな吐息を吐きつつコクリと頷くのが感じられた

物欲しそうにしている泉の中心、やや下よりの部分へと俺自身をあてがい、ゆっくりとその内部へ向けて腰を沈める
女の液体でびしょびしょに濡れていながらも、固く閉じられていた入り口をこじ開けて
つぷ…ずずずず……と、熱い泥のようにも感じられるその内部の柔らかな肉壁をじわじわとかき分けていく

「う…………ぐっ、ぅ…………ぁ……」

内部を押し進んでいく俺自身から独特の感触が伝わった瞬間、呪術師ちゃんの顔が苦痛に歪む
おそらくその純潔の証を破り抜いたのだろう
くっ、流石に初めてだとキツイ、まだ締め付けが強いというよりは痛みに強張っている感じだ

「痛いかい?」

歯をかみ締めて何かを堪えている呪術師ちゃんをきゅっと抱きしめながら耳元で問い掛けてみると

「……い、いえ。 大丈夫です」

固い声でそんな答えを返してきた
うーん、良くない傾向だね……この調子で呪術師ちゃんが自分を押し殺してしまっても面白くない、もっと素直に反応して欲しい所だ
これはちょっと罰を与えないと

根元まで納まっていた俺自身を急激に引き抜いて、その勢いのままに再び最奥まで一気に突き入れる

「ぎっ…………うく、ぐ……うぅ…………」

突然の荒々しい動きに呪術師ちゃんから苦痛の声が漏れる
その肉体も痛みに強張ってしまい、本来の柔らかさが失われてしまっていた

「嘘はいけないな、感じたままに言わないと駄目だよ? でないと悦びを与える事はできない」

一旦動きを止めて、再びそう問い掛けてみる

「う……申し訳ありま、せん」

涙の滲んだ瞳をこちらへと向けた呪術師ちゃんは怯えたような様子でそう言って
痛みを感じている事を素直に伝えてくる

「うん、そうだね。 最初は誰でも痛みを伴うものなんだ、大丈夫さ、おかしな事じゃない」

そうして血の気が引いてしまって小刻みに震える呪術師ちゃんの頭を撫でてあげながら

「正直に言えたキミにはご褒美を上げよう」

神官ちゃんの時のように、痛みに硬直してしまっている内部から魔法を使って回復薬を塗りこんでいった



「あ……中が……」

薬の効果でじんわりと温まり、痛みが消えてきたのだろうか
表情から強張りが取れてきた呪術師ちゃんがぽつりとそう呟く

「ふふ、さっきの痛みはその身を捧げた代償みたいなもの
  これからはたっぷりと悦びを与えてあげよう」

固く抱きしめていた腕を緩めながら、突き入れたまま静止していた腰の動きを再開させる
うん、硬直していた胎内も少しだけほぐれてきているみたいだ

「う、あ…………ぁ、痛みが……んっ……ぅ」

再び苦痛を受けるのか、と一瞬身構えた様子だった呪術師ちゃんから力が抜けていく
この調子ならもう大丈夫かな


ヒクヒクと早くも雌としての反応を開始しつつあるその内部を感じながら
呪術師ちゃんのお尻を抱きかかえて軽く持ち上げるようにして、膝立ちの状態から胡座をかいて座った体勢へと移行する

「んっ……あぁ、奥まで……」

そうして腕の力を抜いて呪術師ちゃんの体重が俺自身へとかかるようにしてみれば
膝立ちの状態よりも深くへと刺激が伝わったのか、そんな上ずった声が聞こえる

「くくく……ほら、キミが求めていたモノだよ、存分に味わっていくんだ」

最初から激しくするのも辛いかもしれない
腰の上へと跨らせた呪術師ちゃんを揺するように力を加えながら、回すように腰を使って
痛みで一度冷めてしまった興奮を再び高めていく

「あぁ、悪魔さま……はぁ……ぅ……これが、はぁ……はぁ」

こちらの肩口へと頭を預け、乱れた吐息を漏らしている呪術師ちゃんの表情からは再び快楽が高まってきている事が窺える
少しだけ擦れて、にちゃにちゃと微かに湿った音を立てている結合部を意識しながら
慣れない呪術師ちゃんの肉体へ快楽による熱を蓄積させるように、丁寧にゆるやかにその内部を突きほぐしていく



         ……◇……◆……◇……



「うぁっ、あ……あっ  ふ…くぅ……あ、あぁっ」

その肉体が快楽に慣れていくのに合わせて、ずにゅっ、ずにゅっと次第に大きく深くさせていった腰を動きを受けて
呪術師ちゃんの腰や内部も、くっくっとした反応を返し始めていた

速く、激しい交わりではないけれど、緩急のあるリズミカルな動きで呪術師ちゃんを導いていく

「あぅ……ん、あっ  ぅあ、あぁ…あッ、あぁ……あっ」

ゆさゆさと何度も繰り返される性の律動、止まる事のないその行為によって
呪術師ちゃんの肉体は高ぶり、欲情した雌としての姿をさらけ出しつつあった

体中に塗り込んだ薬液と汗とが混ざり合い、淫靡にくねる呪術師ちゃんの肉体を流れ落ちていく
上下する二人の間では固く充血したふくらみの先端が転がり、やわらかな感触の中にちょっとした彩りを添えている

「あンっ、あっ、あっ……あク、ぅあっ…あッ、あぁあっ!」

ぐっ、ぐっと腰を使いながら両手を呪術師ちゃんの揺れる肉体へと這わせる
お腹の横から脇の辺りを掠めるように触れていくと、呪術師ちゃんは鼻にかかるような甘い声を上げ始めた

そんな彼女の瞳を覗き込んで、不安や痛みを感じていない事を確認する
元より積極的に悦びを求めていただけあって、初めての行為による強い快感への恐れは無いらしい
うん……肉体も心も充分にほぐれているかな、後々の印象を決定するものだし、何事も最初のイメージが肝心だよね

それじゃあ、最初の仕上げだ



「あっ…あふっ! あぁっ、あッ、アっ! んんっ!」

縋りついたこちらの胸元で弾けるような吐息を漏らしている呪術師ちゃんを突き上げながら
そのたっぷりとしたお尻を両手でぐっと掴み、動きに合わせて上下に力を加える
若い肉体特有の張りを保ちながらも指がどこまでも沈んで行ってしまいそうな柔らかさが素晴らしい

「ふぁっ、悪魔さマッ…んっ! ぅく……わた、わたしっ…あぁっ……はぁう!」

内部の奥深い場所を連続して擦り上げられ、呪術師ちゃんの肉体にぐぅっと力が篭る
快楽にしなるその肢体を逃れられぬようにしっかりと押さえ、目前へと迫りつつある高みへとぐんぐんと突き上げていく


「ぅあっ! あぁ、あッ…はンっ! んっ、んぁッ…あっ、ああっ、あぁッ!」

男との行為が初めてとは思えないほど淫蕩にその顔を歪めて、あられもない声を上げる呪術師ちゃん
その半開きの唇から垂れてしまっている涎を舌で舐め取りながら、びくびくと悦びに震える肉体を抱きしめ、そのまま最後まで――

「あ、ふぁっ! アっ、あぁっ…くぁ、あっ、あッ! あぁ…ああ、あアぁああぁッーーーーーっ!」 

くっとのけぞってその喉をさらし、呪術師ちゃんが肉欲に濡れた瞳を見開いて大きく絶頂を迎えた
それと同時に、きつく締め付けてくるその胎内へとびゅっ、びゅくっと契約の印を注ぎ込んでいく!





「あ、はぁ…はぁ……熱いものが…………んん、これで、私は…………はぁ……はぁ」

ぐったりとこちらの肩へともたれ掛かり、時折ピクリと震える呪術師ちゃんが熱い吐息と共にそんな言葉を呟いた
ふむん……あちら側が完全に受け入れる体勢だったからか、術式も問題なく入り込めているかな

「そうだね、これで契約は完了だよ」

向かい合って繋がったまま、欲望の熱が残る呪術師ちゃんの肉体を抱いて、耳元へ触れるように囁く

「でも……いや、だからこそ、キミが望めばこれからはもっと愉しむ事が出来る」

くふふ、お預けを喰らったまま何年も待っていた肉体だ
薬液で生命力を補充しながらの行為だった上に、呪術師ちゃんは若い、一回位じゃ満足できないだろう
用事は済んでいるのに離れるそぶりを見せていない事もそれを裏付けている

「さぁ、キミは望むかい? もっと、先を」

「ん……はい、悪魔さま、私を…もっと……」

軽く身じろぎするように、その胎内へ納まったままの俺自身を確かめるように動いた後で
呪術師ちゃんはコクリと頷いて、さらなる行為を求めてきてくれた





         ……◇……◆……◇……





さて、それでは第二ラウンドと行こうか

ふむ……体力的な面では最後にちょっと疲れていたみたいだし、もう少し強めに回復させてあげる必要があるかな
最初に使っていた薬液を継続的に、尻尾の先からとろりとろりと呪術師ちゃんの肉体へと直接流しかけていく
……あぁ、呪術師ちゃんに行為のペースを任せて、どの程度動けるのか確認するのもいいかも


「よし、次はキミにシて貰おうかな?」

呪術師ちゃんを腰の上に乗せたまま上半身を横たえて、そこから軽く肘を突いて少し身を起こした状態になる
支えを失った呪術師ちゃんは、少し迷うような仕草の後でこちらの胴体の横へと両手を突いて体勢を維持する事にしたようだ
少し前のめりになって、目の前へやってきた見事なふくらみが大迫力です



「その、それでは…………う、ふぅ…………くぅ……」

ぬる、ぬちゃり、とぎこちなく開始された呪術師ちゃんの腰の動きによって、その内部にある俺自身へと柔らかな刺激が伝わってくる

「ん……んぁ…………はぁ、あぁ……ふぁ、ううん…………」

男との初めての快感に痺れた肉体で懸命に腰を動かす呪術師ちゃん
その不慣れな様子が、逆にある種のスパイスとなって悪くない快感と興奮を生じさせている

「ふ……うぅ、あ…………あっ、悪魔さま、そこは……あふ……」

目の前で揺れる見事なふくらみへと片手を向け、上下する動きにその先端が擦れるようにあてがってみると
呪術師ちゃんは潤んだ瞳を閉じてうわごとのように言葉を漏らした
ふふ……呪術師ちゃんも気持ち良いのか、自分からその手に擦れるように肉体を動かして悦びを生み出しているみたいだ



「はぁ……はぁ、あぅ……ん……ぅあっ、あぁ……んっ」

呪術師ちゃんの熱い吐息と、二人の結合部からのちゅく…ちゅく…という水音が静かな部屋の中へと流れていく
こういうじっくりと高めていく行為も嫌いじゃないけど……呪術師ちゃんのペースは大体判ってきたから
くく……そろそろこちらからも動いて、より深く愉しんで貰おう

そう考えて、呪術師ちゃんが腰を寄せるタイミングに合わせて、こちらからもクっと突き上げる

「あっ! ……ん、んふ……あっ…………うあっ」

自分が予想していたよりも強い快感が伝わって、呪術師ちゃんの声が乱れる
ぴく、ぴくりと肉体を震わせるその反応が愉しくて、時には動かずに、時には連続して腰を使い
その上で柔らかな肉体を妖しく踊らせている呪術師ちゃんを責めたてていく



「あふ……く、んっ……んぁ、はぁ…………あぅ、ん……」

あら、調子に乗って腰を使っていたら呪術師ちゃんの力が抜けてこちらの上へと倒れこんできてしまった

「はぁ、はぁ…悪魔さまぁ、あぁ……そんなに、ぃ……されると、私……」

「おやおや、仕方のないコだな……まぁいいさ、今後の課題だね?」

こちらの肉体の上にべったりと重なっている呪術師ちゃんのくびれへ腕を回して
快感に歪むその顔を見つめながらくいくいと小刻みに腰を使っていく

「も、申し訳ありまっ――あッ! あぁ……あっアっ、あぁあっ」

呪術師ちゃんは中のこの辺が弱いのかな、言葉を途中で途切らせた呪術師ちゃんはくうっと背中と首を仰け反らせて嬌声を上げ始めた
うはは、俺の上でその状態になっているから
潰れたふくらみによって作られた谷間や薬液に濡れて光る艶めかしい鎖骨に、それから細い喉までが眼前に晒されているよ

これは吸い付かざるを得ないな! おいしそうだけど、流石にふくらみの先端は位置的に無理だから……ここかな
喉元へと噛み付くように吸い付いて、軽く舌を這わせながら呪術師ちゃん首筋を流れる汗を味わう
それから鎖骨へと移動していき、強く吸い付いて呪術師ちゃんが俺のモノだという証拠を痕に残していく

「あっ! あぁ、いい……んんっ! 良いです、あくまさまっ、あッ、あぁっ」

すっかり快楽の虜となってしまっている呪術師ちゃんを休むこと無く突き上げていき
ひくひくと震えて絡みつき、熱い体液を滲ませている泉の内部を堪能する

流石、建前とは言え悪魔へ捧げる為に選ばれて、育てられた肉体の持ち主だ、密着した肉体へ伝わる柔らかな感触が素晴らしい
それに、くっくっと締め付けてくる内部の具合も、もう堪らない……はは、これは良いモノだ!

「あぁっ、く…ぅあッ! あぁ、あふっ! あはぁ、あぁぅ!」

体勢的にそんなに強い行為は出来ないけれど、それが返って快感を蓄積する事になっているのか
呪術師ちゃんは褐色の肌の上からでも判る程にその肉体を上気させて
ぐずぐずに蕩けてしまったような甘い声を上げている

「ひぁっ、ぁうっ……アっ! ふあっ、あぁッ、あく! あッ、アっ!」

呪術師ちゃんは良い具合にこなれてきているみたいだ、このまま最後まで行ってしまおう
上に乗っている呪術師ちゃんのお尻を両手でしっかりと掴み
先ほど把握したその内部のざらりとした部分へ、ぐいぐいと重点的に俺自身を擦りつけていく

「あぁっ!? そ、そこっ、あッ! ひ…く、んぅっ! ぃ、あっ…あぁッ!」

ふふ、やっぱりこの部分が弱いんだな
呪術師ちゃんの意識は言葉を発する事ができない程の快楽の波に飲み込まれてしまい
その胎内は次々に送られる甘美な刺激を受けて熱く爛れ、ぴく、くくっと不規則な締め付けを返すようになってきていた

「いぁ…あ、あぁっ! あっく、うンっ…あッ、あふっ! くぁっ! んっ」

胸元で上がる甘く熱い呪術師ちゃんの声と吐息を愉しみながら、可能な限り大きく腰を突き上げて
強い締め付けを返してくる濡れた肉の中をぢゅくっ、ぢゅくっと力強く蹂躙していく



結合部から肉体の奥底へと何度も響くその悦びに、呪術師ちゃんの肉体とその声が今までに無い程高まっていき――

「はぁう! う…ンっ! んはッ! あぁアっ! あく、んッ! んん、ああぁあアああッーーーっ!!」

ついに最高潮に達する

背中を大きく仰け反らせ、がくがくとその肉体を震わせる呪術師ちゃん
その蕩けるような熱を持った胎内へと染み込ませるように、最奥の壁へと押し付けた俺自身からどぷ…どぷっと術式を注ぎ込む!

「あっ! あ……いぃ……はぁ、はぁ…………あぁ…素敵です、悪魔さま…………」



先ほどまで生娘だったとは思えないような女の表情を浮かべ、こちらへと汗と薬液に塗れた肉体を預けてきている呪術師ちゃん
欲望の熱に火照ったその顔へと口を寄せて、深く唇を合わせながら舐めるように魂の力を味わう

「あ、んっ…………んぅ、ちゅ…………ぴちゅ……んん…………」

うん、最初の予想通りに力の総量はそれ程では無いけれど、特殊な能力のせいかクセになるような感覚がある
ごっそり喰べてしまいたいほど大きな力でもないから、気が向いた時にいつでも愉しめるツマミみたいなものかな
肉体の方の"味"も良いしね……くくくく

そんな事を思いながら密着して潰れている呪術師ちゃんのふくらみや、両手で鷲掴みにしたそのお尻へと意識を向ける
はは、良いなぁ、これからは会いに来る時間さえあればいつでもこの肉体を味わえるのか……最高だね!

最初の行為を終えた時から呪術師ちゃんの肉体へと流しっぱなしにしていた薬液が、とろりとろりと俺達の肉体の下へ広がり
気がつけば、窪んだ召喚陣は丸い泉のように薬液に満たされていた





         ……◇……◆……◇……




「はぁ…………ぁ…………ぅ……ん…………」

流石に疲れてきたんだろうか、呪術師ちゃんは肉体から力が抜けてしまった様子で
こちらへとその身を預けたまま、静かに呼吸を整えようとしている

繋がったままでいた俺自身を、今だに時折震えの走るその内部からぬちゃりと引き抜いて
呪術師ちゃんの肉体を薬液の泉……と言っても、元が召喚陣の窪みだから指の半分位の深さしかないけど、その中へとそっと横たえていく
薬液へと接触する面が増えれば体力の回復も早くなるだろう

「……悪魔さま……凄かった、です」

快楽の余韻に浸りながら、夢見るような表情でとぎれとぎれに話す呪術師ちゃん
その情事の跡が色濃く感じられる肉体を眺めていてふと思いつく
悪魔教団の人達が施した紋様だけじゃなく、俺の証をはっきりとこの褐色の肉体へ刻み込んでおこう
ふむ……形はアレで、刻む方法は……うーん、こんな感じかな



「よし、契約の仕上げに印を刻んでいくよ?」

その肉体……おヘソを中心として足の間の茂みの上側、両胸の先端とおヘソの間あたり、両わき腹の骨盤付近、と
逆向きの五芒星となる位置へ強く吸い付き、真っ黒なナニカを篭めた口付けの痕を残していく
多少変形しているけど、逆向きの五芒星……悪魔を表すカタチだ

「あっ……くっ! んッ!」

真っ黒なナニカという、人には異質な力を注がれているからだろうか
苦痛の声を上げる呪術師ちゃんの意識を紛らわせるように、その泉へと指を泳がせて悦びを作り出していく

「ふ…あ! あぁ……クぅ!」


……これでよし、呪術師ちゃんの褐色の肉体を走る紋様にワンポイントを添えるように刻まれた、消える事のない五つの黒い口付けの痕
くく、あははは! それを見ていると呪術師ちゃんを完全に俺のモノにしたという達成感が沸き起こってくる

その事が嬉しくて、そんな呪術師ちゃんが愛おしく思えて、泉の中の指を強く動かして更なる刺激を送り込む
目の前に刻みつけられた俺のマークへと舌を這わせて、そこに残っているかもしれない痛みを快感で塗りつぶしていく

「んっ、悪魔さま……嬉しいです  あぁ、あはぅ…………あっ……」

片手は呪術師ちゃんの泉の中でちゅくちゅぷと音を立てさせておいて、自分の頭はだんだんと上へ……
紋様で描かれているラインを舌でなぞって唾液の形で薬液を塗りつけながら、ふくらみへと向かう

辿り着いたふくらみへと顔を押し付けて、その柔らかさを堪能し、ツンと再び充血を始めた先端を鼻先で押すようにして可愛がる
そのやわやわとした刺激に慣れた頃を見計らって、不意打ち気味にぱくりとその先端を口に含んで吸い上げると

「悪魔さま…………んぅ……あぁっ! あくま…さまぁ……」

呪術師ちゃんは肉体全体を跳ねるように反応させてそんな声を上げた


「良いコだ……くくく、さぁ、キミのココは誰のモノだい?」

泉の中の指にくっと力を込めて、「悪魔さま」とうわごとのように繰り返している呪術師ちゃんへとそう問い掛けてみれば

「あッ! あぁ、悪魔さま……はぁ、ッ…悪魔さまの、モノです……んっ…………」

その刺激にきゅっと指を包み込むような反応を返しながらも、はっきりとした返事を返してきた
あぁ、本当にこのコは良いな……男の支配欲を満たしてくれる

「ふふ……良く言えたね、いいコだ……」

少し下側にずれた形で寝そべり、寄り添うようにしていた体勢から身を起こして
呪術師ちゃんの膝の間へと身体を入れて、柔らかさと張りの両方を備えた太ももを脇に抱えて準備を整える

薬液の泉に上半身を横たえ、こちらを期待の篭った瞳で見つめてくる呪術師ちゃんの表情を見下ろしながら
今なおトロトロと、体液と俺自身の欲望が混ざり合った液体を垂らしているその泉の中へ、再び俺自身を突入させていく……



「は…んっ、くぅ…………あ、あぁ……」

その肉体を覆っている薬液のせいか、くぷ、ちゅぷぷ……と淫猥な音を立てながら俺自身を咥えこんでいく呪術師ちゃん
腰を進めるにしたがって、その感触に歪んでいく呪術師ちゃんの淫蕩な表情に興奮を覚える
思えば2度目の時は抜かなかったから、これが女として花開いた後の呪術師ちゃんとしては一回目になるかな

淫魔の力に瑞々しい肉体の奥深くまで侵されて、すっかり少女から女へとつくり変えられてしまった呪術師ちゃん
二度に渡る行為によって、その胎内へ雄を受け入れる事に慣れてきているのか
呪術師ちゃんはうっとりとした様子で、奥へと入り込み、にゅくにゅくと擦れ動く俺自身の感触を味わっているようだ

「あっ、あっ…あぁっ、あく、あぁ……あぁあっ!」

体の表面から刻み付けた俺のマークが二度と消える事の無いように、辺りを漂う真っ黒なナニカを意識的に操作して集め
声を上げて悦ぶ呪術師ちゃんへと腰を突き入れながらその胎内へと染み込ませるようにする
外と内、両側から力を刻む事で、俺のモノだという印をより強固なものにしていく

こんな物かな……しばらくの間、術式へと集中していた意識を愉しむ為のものへと切り替えて
脇に抱えていた両足を肩に担ぎ直し、大きく腰を前後させ、深く浅く、貪欲に快楽を貪っている呪術師ちゃんの内部を何度も往復する

「あンっ! あ…あっ! ああっ! あぁ、アっ、あッ…はぁあっ!」

こちらが大きく動ける体勢だからか、その行為を受け止めている呪術師ちゃんは
今までよりも激しくその若く淫らな肉体を反応させ、いやいやをするように首を振って高い声を放っている
召喚陣に広がった薬液の上を、二人の律動が波紋となってゆらゆらと行き交う

しかしこの体位は良いなぁ、盗賊さんの時もそうだったけど
抱えた足がぴんっ、ぴんっとする様子が直に伝わるのが凄くイイ、女のコが感じてくれているのが良く伝わってくる



「はぁぅ、あぁ! はぁ、あぁ…うあっ! あッ、あクぅ!」

ふむん、流石に初めてで3回目はキツかったのかな、呪術師ちゃんの体力もそろそろ限界かも知れない
ちょっと勿体ない気もするけど、今日は早めに終わらせておこう

仰向けになった状態でも、ほとんど形の変わらない張りのあるふくらみへ手をやって
突き入れる腰の動きと合わせてむにゅむにゅと可愛がりながら、呪術師ちゃんの肉体を快楽の高みへと導いていく

「アっく! うぅ…あッ! あん! アっ、はンっ! んっ! んあっ!」

ぎこちなく、それでいて何ともいやらしく振られていた呪術師ちゃんの腰は、目前に迫った頂点へと向けてぎゅっと力が篭り
俺自身を奥へ奥へといざなうような動きを開始する
ふくらみの固く充血している先端を指先で挟み、くりくりと転がして呪術師ちゃんへ更なる快感を味わわせる

度重なる行為によって淫らな熱が篭るその最奥の壁へ向かって、小刻みにノックするように俺自身を押し付けると
本能のまま前後に揺れるリズムに宙を蹴っていた呪術師ちゃんの足が
奥へ奥へと突き込むこちらの腰を逃がさないように巻きついてくる、そうして――

「あアっ! ぁくんっ! ンはっ! あんッ! あ、ああっ…あぁあアああっーーーーーッ!!」

一際高い声を放ち、ぶるりとその薬液のぬめりに光る肉体を震わせて絶頂を迎えた呪術師ちゃん
肉の悦びにぎゅうぎゅうと収縮するその胎内へと、俺自身を限界まで突き入れて……奥深くで白濁した欲望を一気に解き放つ!





         ……◇……◆……◇……





「あくっ、は…はふ、はっ……はぁ…はぁ、はぁ……はぁ……」

やっぱり体力的に限界だったのだろう、少し苦しそうな呪術師ちゃんの様子を見ながら
びゅく、びゅく……と、思う存分注ぎ込んだ術式を注意深く深めていって、軽く魂の力を味わっておく

うん、一応契約という事で意識的に繋がりを強化していったお陰か
呪術師ちゃんとの間には、それこそ眷属であると言っても過言ではないくらいのラインが完成したようだ
これで呪術師ちゃんの側からも簡単な意思のようなものを伝えてくる事が可能だろう

新しく作り出した術式の完成度に満足しつつも、軽くラインを通じて情報のやり取りなんかの機能を試してみる

 ― 構造体への低級アクセスコードを記憶しました ―



……!? なんだこりゃ? このファンタジーな世界にしては随分ハイカラな単語が出てきたなぁ
うーん……んんん、アクセス……構造体とやらに接続するスキル? よくわからん

まぁいいか、とりあえず呪術師ちゃんとの事から終わらせていこう





「良く頑張ったね、今日はこれでおしまいだよ」

力なく横たわったままの呪術師ちゃんへと声を掛け、その肉体を起こしてから後ろから抱え直して
温水シャワー魔法を使いイロイロな体液と薬液を綺麗に流していく

「あっ…………ありがとうございます」

何となくその見事なふくらみをむにむにと重点的に洗ったりして弄びつつ、今後の関係について伝えてみる

「わかるかい? キミと僕とが、肉体の交わりを解いた今も繋がっているのが」

「はい、んっ……悪魔さまの力が、直ぐ側にあるように、ぁ…か、感じます」

くり、くりりっと……うん、ここは綺麗になったかな、一部固くもなってるけど……よし、次に汚れていそうなのは……足の付け根かな

「そう、その力に向かって祈ってくれれば……まぁ
  こちらもする事があるから、いつでもとは言えないけれど……必ず会いに来てあげよう」

「は、くぅ……あ、悪魔さま、嬉しいです……んっ」

こっちは、ぬる、ぬるりって感じかな……ふぅ、こんなものか
呪術師ちゃんの反応が愉しくて思わず遊んじゃったけど、これ以上は危ないからね



液体を操作して呪術師ちゃんの身体から水気を取りのぞき、ローブを着せてあげてから
部屋の片隅に作られていた寝床へと運んで横にならせる

「疲れたろう、身体を休めると良い」

そばに腰を降ろして、キスの形で回復薬と眠り薬を飲ませてから軽く言葉を交わしていると
程なくして薬の効果が出てきたのか、呪術師ちゃんはすぅすぅと静かな寝息を立て始めた

今はゆっくり休んで、体力を回復させておいてね
そうしたら次に会った時にも、たっぷり……くふふふふ



         ……◇……◆……◇……



さて、帰ろうか……と、思った所で行為をしていた現場である、薬液やら体液やらで満たされたままの召喚陣が視界に入る
コレ放置してたら酷い臭いになっちゃいそうだなぁ、有機物たっぷりだし……うん、後始末をして行こう

泉のほとりへと膝を突いて意識を集中し、召喚陣を満たしている液体を真っ黒なナニカへと還元させていく
んん? 心なしか電源OFFっぽかった召喚陣が光っているような……



――あぁなるほど、呼び水のような感じで、真っ黒なナニカが一度流れたから本来の力が流れてきて機能が戻ったのね

あれ……こんな事、前は解らなかったけど……もしかして、これがアクセスコードとやらの効果?
意識して読み取ろうとしてみれば、微かに、近く遠く、不思議な感覚と共に召喚陣へ繋がるような感触がある
これは要練習かなぁ、落ち着いた場所でかなり集中していないと細かい操作や理解は無理そうだ

しかし召喚陣へアクセス出来るという事は、この地下建築物=構造体って事になるんだろうか
構造体へ干渉できる資格を呪術師ちゃんが持っていたんだから……もしかして呪術師ちゃんはここを造った人達の末裔だったり?
今は寝ちゃってるから、これは次に合った時に呪術師ちゃんの故郷の話を詳しく聞いてみてもいいかも知れない


まぁ、呪術師ちゃんとナニをするにしてもまた今度かな
そう考えて、扉の外側に沢山屯している犬型の魔物達に見送られながら呪術師ちゃんのアジトを後にする

探索にアクセスの練習にと、また忙しくなりそうだ……でも、今日は拠点へ戻ってごろごろしていよう
無理をしてまで急ぐものでも無いし、また明日から頑張れば良いよねー







[30317] ・獣と俺と、狩りをする人される人
Name: クラクモ◆5e745eb7 ID:0f7bd90b
Date: 2013/08/24 08:01
・獣と俺と、狩りをする人される人







「やぁ、調子はどうですか?」

「…………」

「ええと、本日はお日柄も良く?」

「………………」

「あー、その牙立派ですね?」

「……………………」


うーむ……これはどうしたものか
最近暇な事が多い中階層の警備業務を終えて、いつものように浅い階層へやってきたんだけど……

今現在、何故か浅い階層の獣人さんグループと一緒に歩いております
彼らはアニキや狼人君みたいに何となく意思が伝わる訳でもなく、ほぼ知性ゼロの二本足で歩く獣みたいな種族である
そんな皆さんとは、今までは互いに出会ってもスルーし合っていたのに
どうも呪術師ちゃんとシてからは付き纏ってきて……というか
護衛、あるいは護送?という感じで、顔を合わせると一定の距離を一緒に付いて来てくれるようになってしまった


呪術師ちゃんが持っていた下級の魔物を使役するスキルが勝手に発動でもしてるんだろうか
彼らは隠密スキル的な物は持っていないので、はっきり言って邪魔以外の何物でもない
隣を歩く大人ほどの大きさのリーダー格獣人さん他小型獣人さん6名でぞろぞろ歩いているので
俺だけ気配を消して移動してても意味がない訳で……なんてこった

こりゃ新しく手に入れたスキルの細かい制御に慣れるまで、浅い階層の探索はお預けかなぁ
あぁでも、探索者が全く居ない呪術師ちゃんの所へ行く分には特に問題にならないか……うん、それがいい、会いに行こう



進路を階段の周辺から危険区域の奥地へと修正し、呪術師ちゃんの褐色の肌を思い出してニヤニヤしながら歩いていく
今日は呪術師ちゃんとどうやって愉しもうか……最初の時は上と前からだったから、ふふ、次は後ろからかなぁ
あのふくらみを鷲掴みにしながらバックで、なんて最高だよね、くくくく……





         ……◇……◆……◇……





ふと気がつけば6本足の獣達の多いエリアへ入りこんでいた
程なくして前方から獣のグループが巡回してきた所で、獣人さん達がこちらから離れて元来た方角へと引き返し始める

ふーむ……やっぱりそれぞれの担当範囲でも決められているんだろうか
思い起こせば自分や姐御達も警備する場所は何となく一定の範囲内に限られていて
これ以上は行かなくてもいいかな?と、自然に思うように誘導されているような、いないような……?

警備している時の記憶を思い出しながら、戻っていく獣人さん達を今度は獣のグループと一緒になって見送っていると
交差路に差し掛かった先頭の小型獣人さんの頭に矢が生えるのが目に入った、矢ガモならぬ矢獣人の完成だ


……じゃなくて! 探索者の襲撃か!! 味方に囲まれているからって気を抜きすぎた!

残りの獣人さん達が戦闘態勢に入って、こちらから見て横方向の通路へと突入して行くのを見やりつつ、構造体へとアクセスを開始する
近場の地形と存在だけなら――よし、獣人さん達が戦闘に入ったんだろう、横の通路の先に探索者の反応が感じ取れる
となるとこっちから回り込めば……いけるな、ちょっと遠いけど獣達は勿論、俺も魔法で強化したら速度的には大丈夫だろう

そう判断し、周りの獣達に意識的に"命令"を送って、探索者達へ不意打ちをかける為に走り始めた





獣達を振り切ってしまうほどに速度が出る強化した脚力にちょっと驚きながら、先ほど居た通路の付近まで戻ってくると
前方から戦闘の音が聞こえてくる、獣人さん達はまだ戦っているらしい

おや、あれはいつか見た狩人さん? 回り込んだ先の十字路、その真ん中に一人だけで弓を構えている姿が見えた
戦闘音は曲がった先から聞こえてくるから、前衛が戦っている所から距離を取って、弓を射る事に集中してるのかな

ふふ、これはチャンスだ……前見かけた時にはどうにも出来なかったけど、今の力を高めた俺ならイケる筈!

と、いう訳で再び構造体へとアクセスを行って、現状をチェックしてみよう
ふむむ……獣人さんグループはボス+2名の残り3人か、時間の問題だね
そうなると警備員としても個人としても嬉しくないから……うん、遅れてくる獣達に加えてもう一つ位は近くの群を呼んでおこうか
ハハハ! やっぱ戦いは数だよね!

仮に前衛の皆さんが今戦っている獣人さん達を殲滅出来たとしても
位置的に獣達の2つの群は探索者パーティを挟み撃ちする感じになるから、問題なく排除できるだろう



……そろそろ獣達も追いついてくるかな、気づかれないように防音の結界を狩人さんのぎりぎり後ろまでの範囲で設置して
探索者7つ道具の一つであるロープも用意しておいて……と、あとは後ろから、うふふ

走って近づいた勢いを殺さずに、狩人さんの身体をかっさらうようにして横の通路へと駆け込んだ!

「なっ! むぐっ……」

「大人しくしろ、後ろから来ている魔物達に気づかれるぞ」

突然の出来事に動揺して声を上げる狩人さんの口を押さえて、近くの瓦礫の陰へと身を寄せる
少しすると、丁度追いついてきた獣達の一団が唸り声を上げながら十字路を走り抜けて
通路の先で戦っている探索者パーティへと向かっていくのが見えた

流石にいきなり現れた見知らぬ男と直ぐ近くを通る魔物では魔物の脅威を優先したのか、狩人さんがひとまず大人しくなる



「なんだとっ! 後ろから?! 彼女はどうしたんだ!?」

バックアタックを受けて、うろたえた声を上げている探索者パーティの皆さん
通常は一つの群と戦っている間は他の群が寄って来る事は無いから、その動揺は大きいみたいだ

「これは不味いぞ、逃げようぜ!」

少しすると盗賊風の男がそんな事を言って走り出した、いやはや……判断が鋭いのか根性が無いのか
足の速さに自信があるようで、手負いが多い向こうの獣人さん達では追いつけないように見える
でもあっち側の通路からは……

「ヒっ、なんでこっちにも……クソがっ、くるなぁーーーーー!」

呼んでおいたもう一つの群がやってくるんだよなぁ、かわいそうに
角の先から獣の唸り声と盗賊の男の哀れな悲鳴が響いてくる

少ないとは言え最初から戦っていた群に加えて、こちら側から向かった一団と盗賊の男を始末した群
通常は集まる事のない数の獣と獣人達に囲まれた探索者パーティの残りの皆さんが、絶望的な戦いへと突入していく



「ぷはっ、はなせっ! 皆を援護しないと!」

「バカな事を、あの状況に何が出来る」

俺と二人でナニは出来るけどね! と、いう訳で……愉しませてもらおうか
こちらを振りほどこうとしている狩人さんを押さえる為に胸に手をやってもみもみ、としてみたり

「……ッ!? なにをする!」

「何って……ナニさ」

そう答えつつ、淫魔ではなく悪魔の魔法の基本セット的な中にあった暗闇の魔法を掛けて、狩人さんの視覚を奪い去る
同時にその隙を突いて、輪を作っておいたロープに掴んだ狩人さんの腕を通して、両手を背中側で縛り上げてしまう
……っと、念のために弱体とエロ効果の毒もこっそり打っておこう、チクっとな

「え、目が……」

俺の返事を聞いて反射的に腰の短剣を抜こうとしたみたいだけど……残念だったね、ククク

 ― 狩人♀を手に入れた ―



「魔物の事なら気にすることはない、奴らを避ける結界を張ったからな」

この階層にはゴロツキも現れる、今後の事を考えると悪魔である事は隠しておいた方が良いだろう
無法者……人間の魔法使い崩れを装っておく

「なんだと! そ、それなら皆も……」

「他の連中は……もうあらかた魔物の餌になってるな
  ま、助かった者同士、仲良くしようじゃないか」

もぞり、とふくらみを味わっている手の平を動かし、もう一方の手で太ももの内側をじっくりと撫で上げながら耳元でそう囁く

にしても、三つ編みちゃんもそうだったけど……迷宮の中でスカートってどうなんだろう
ヤる側としては大歓迎だけど、防御の面で不安があるように見える
……もしかして"花を摘む"のに便利だから、とかなんだろうか……ううむ、謎だ

瓦礫から顔を覗かせて残りのメンバーを見てみると、一人の前衛と神官の人が壁際で魔法使いを守って何とか凌いでいるようだ
まぁでも、長期戦になったら構造体からの回復が得られる魔物側が有利だし
あそこから状況を覆す手は持ってないみたいだから、後はもう結果が見えているかな

「そんなっ……なんで、こんな……」

仲間達が倒れていく様子を聞かされて、魔法の効果で見えなくなっている瞳に暗い色を浮かべて狩人さんがそんな事を呟いた

沢山の魔物が巡回しているのを知っていて、危険を承知で入って来てるんだから仕方ないよね
武装して押し入ってこられるこっち側からすれば、そんな相手でも女のコだったら命まで取らないんだから
感謝してくれても良い位さ! あはは



         ……◇……◆……◇……



「ぐっあああ! が」

最後に残った戦士の上げていた悲鳴が不自然な所で途切れた
獣は獲物を仕留める時、真っ先に喉を狙って喰らいつくと言うから、これでおしまいか



ふふ……それじゃこっちも頂くとしよう
狩人さんの、和服のような感じで前で大きく重なって、片側で止められている上着の紐をするすると解いて
服の合わせ目を開いていき、その下の素肌を露出させていく

「あ……離せっ、はなせぇ!」

その肌に外気が触れた事で自分の状態を察したのか、狩人さんが声を上げて大きく抵抗しようとする
しかし既に毒が回りつつある肉体ではこちらの拘束を解く事は出来ない


さて、狩人さんの肉体はどんな"味"がするかな

「安心しろよ、何も命まで取ろうって訳じゃないんだからさ」

そう声をかけ、前が開かれた上着の下、ふくらみのあたりだけを覆っている丈の短い肌着と素肌の間へと両手を滑り込ませて
ボリュームと何とも言えない弾力のあるふくらみを下から掬うようにして揉み上げる
刺激を受けて、手の中でふにゅふにゅと形を変えるふくらみの先端がツンと固くなっていくのが感じられた

「ひ、ぅ…………く、やめろッ」

振りほどこうと身を捩る狩人さんの息づかいに、僅かに怯えの色を滲ませているその声に
人間を襲っているという実感が高まる……悪魔として人間を陥れる悦びに存在が満たされていく

「キ、キサマっ、こんな事をし?!」

虚勢を張るように荒い声を上げかけた狩人さん
しかしその声を遮るようにスカートの内側へと手を差し入れると、ビクリとその肉体を強張らせて言葉を中断させた

「あ……よせ、そこは…………」

「こんな事をして、どうなるか……か? ――あぁ、お前のココがこんなになっちまうんだな?」

一転して弱々しい声を発する狩人さんへとそう言葉を返す

捕まえた時に打っておいた媚薬は充分に効果を発揮しているようだ
指先に触れる布地は、ヌルリとした液体でびしょびしょになっていた


「ハハ、なんだ、こんな状態ならもう大丈夫だよな?」

ずり下げた下着から覗く狩人さんの泉の入り口へと、誰得ローブの下から露出させた俺自身を宛がって
目の見えていない状態にある狩人さんに、それが何かを認識させるように軽くこすりつける

「……っ? あ、い……いやだっ、よせぇ!」

激しく左右に首を振って拒絶の声を上げる狩人さんに構う事無く、後ろから、一気にその肉体を貫く……!

「うあっ! ……あぁ、そんな…………入って……」

侵入してきた異物によって押し広げられて、狩人さんの肉体へと力が篭るのが感じられる
へぇ……二十歳を回った位に見えたから、初めてではないと思っていたけど、この感じは中々……
程よい締め付けと、俺自身の先端へと伝わるざらついた部分、これは掘り出し物だったかもしれない


呪術師ちゃんとしようと思ってたからこの形にしたけど
バックアタックで捕まえて、バックアタックで責めるなんて……ね、ははっ

「つあっ……う、あぁ…………くっ、う、動くなっ」

その内部の感触を探るように、ゆっくりと腰を前後させていると、狩人さんが小さく声を発した

「クク……男と女がこうなったら動くのが当然じゃないか
  なんならもっと声を上げてヨがってくれても良いんだぜ?」

「キサマッ…………っ! ぅく、こんな……こんなっ」

肌蹴られたふくらみを後ろから揉みしだき、首筋へと舌を這わせて
未だに逃げようと身をくねらせている狩人さんの肉体へじわじわと快楽を染み込ませていく

「なーに、気にする事はない、もう俺とお前以外誰も居やしないんだからな?」

耳元へと口を寄せて、嘲るようにそう囁いて、だんだんと行為の速度を上昇させる

自分から求めていた訳ではない強引な行為
しかし、成熟した女の中心へと繰り返し与えられる刺激によって
その肉体は次第に妖しく熱を持ち、男を受け入れるような動きを開始してしまう

「はぁ……あぁ…………んっ……ぅぁ……ふぅ、はぁ…………」

狩人さんはいつからか言葉を発する事をやめて、奥歯をかみ締めて、何かを堪えるようなそぶりを見せ始めていた
少し乱れた吐息と、にちゃにちゃと微かに聞こえる水音に確かな手ごたえを感じる

この辺りは滅多に人間が入ってくる事の無い場所だ、探索者達を片付けた獣達も周囲を警戒してくれている
安全で、まだ時間もある……このまま、たっぷりと、クククク





「ぅ……ん、あぁ…………うぅ……くっ、ふ…………はぁ……はぁ」

じゅぐっ、じゅぐっと滑りの良くなってきた狩人さんの内部を後ろからリズミカルに勢い良く突き上げる
お腹のあたりと肩の付近へと左右の腕をぐるりと回して、結合部から響く快感に膝が崩れそうになっているその肉体を支えておく
あぁ、いいなぁ……腰を突き上げられる動きに連動して、ふるん、ふるんと上下するふくらみが腕に当たる感触が堪らない

「ふっ、あっ……ぁ、くっ…う、ンっ! んん…………いっ、く」

熱く濡れ、震えるその最奥へ俺自身が到達するごとに微かな声を漏らす狩人さん
相変わらず抑えられた声だけど、その声色は最初の頃よりも艶を増していて、狩人さんが快楽に囚われつつある事が感じられた

「あぁ、はぁ、はぁ…ふ、あっ…………あぁ、ん、んくっ……うぁ、ああ……」

止まる事のない淫靡な律動、狩人さんは細い首を反らしてその肉体へ受けている快感を示しながらも
必死に嬌声を漏らすまいとしているようである
ふふふ、頑張るなぁ……よし、ここはどちらが先に根を上げるか根競べと行こうか



         ……◇……◆……◇……



「ん…んぁっ、あふ、あぁあ……はっク…あっ! くぅ、んうぅうンんっ…………!」

おおっと、しばらくの間変わらないペースで腰を使っていたけれど……
狩人さんは静かな様子とは裏腹に、かなり高ぶっていたみたいだ

ようやく高い声を上げ始めたかと思ったら、そのまま腰を、かく、かくくっと震えさせて達してしまったらしい
突き入れた俺自身を伝い、こちらの足にまで狩人さんのいやらしい液体が流れてきている
念の為にふくらみの先端をまさぐってその状態を確かめてみると……うん、やっぱりイったみたいだね
一つのピークを迎えて、その全身からも力が抜けているのが感じられた

「あぁ…はぁ、はぁ、はぁ……うぅ…………」

何となくそのまま片手で張りのあるふくらみを揉みしだきながら、狩人さんが倒れてしまわないように支える
もう一方の手で足の間の泉から流れる液体を、俺自身を咥え込んで広がっているその縁を
ねっとりとなぞるようにしながら指にとって、絶頂の余韻にピクリと震える狩人さんの耳元で囁く

「くく……達したか、気持ちよかっただろう?」

「ぅ……だっ、誰が……キサマなどに、されて…………」

立ったまま後ろから貫かれて、肉体を蹂躙されながらも気丈な声を上げる狩人さん

「何を言うんだ、お前のココもこんなにぬるぬるになって、良い具合だったじゃないか」

そう言いながら指にとった液体をふくらみの先端を中心に塗りつけていく
液体が足りなくなれば突き入れたままの俺自身を使って狩人さんの泉から汲み出し
そこまらまた指へと取って、静かに息づいているふくらみ全体へと行き渡らせる

「感じるか? お前が自身で流した、いやらしい液体だ」

自らの体液に塗れてぬらりと光を反射しているふくらみを両手で掴み、にゅむにゅむと搾るように力を加えて
指を押し返してくる豊かなその弾力を愉しむ

「うぁっ…………あぁ……ゃあ……か、感じてなんか…っ! んんんっ」

同時に、静止させていた腰の動きを再開させて狩人さんの奥深くを抉っていく
一度達した事でこなれてきているのか、動きと共に淫靡な水音を立てているそこはスムーズに俺自身を受け入れてしまう

「んん……んふ、ふあっ…………はぁ、はぁ……あぁ、だめっ、とめ、止めろッ……」

「感じてないなら、止めなくても大丈夫だろ?」

乱れた吐息を漏らす狩人さんへとそう答えて、止める事なく腰を使い続ける
目の前にある狩人さんの汗ばんだ肉体……暗く静かな通路に浮かび上がる素肌が妖しく揺れる



「しかし、いやらしい肉体だな……これじゃ、普段から男が欲しくて仕方ないんじゃないか?」

「バカなっ、そんな事が、んっ……ぁっ、ある訳…………うぁ、あぁあっ」

言葉による責めを行いながら、確かな熱を帯びてきた狩人さんの肉体へと指を這わせていく
太ももの内側、しなやかな筋肉の上を適度に覆っている脂肪をなぞるように辿って脚の付け根へと向かう
出入りを繰り返す俺自身によって大きく開かれている泉の入り口の脇を抜けて
その上側の部分、顔を覗かせている突起へと軽く挨拶をすれば狩人さんの肉体がびくっと跳ね上がる

「ある訳……あるのか? くくく、嫌がってる割には良い締め付けだぞ」

「くぅっ、こ、これは……キサマがッ! っ……ぅう…………あ、はぁ……あぁ……んぅっ……」

狩人さんは突き上げられながらも頭をひねり、魔法によって見えなくなった瞳でキッとこちらを睨みつけてくる
くく、良いね……早くこの顔が快楽に歪み崩れる姿を見たいものだ

「そうか、それなら……これから"そう"なるようにじっくり仕込んでやるよ」

「いっ…はぁ、やめ……あっ! ……んっ、んん、ぅあっ……あぁ、あくっ」

仕込むと言っても俺限定で欲しがるように、だけどね!
はぁはぁと肉体の熱を逃すように速い呼吸を繰り返す狩人さんへ、ぱんぱんと音を立て勢いに乗って腰を打ち付けて
結合部から何度も繰り返し響く快楽で、その意識から抵抗を削り取っていく

この感じだと、そう遠くない間に、ふふふふふ……



         ……◇……◆……◇……



「ひぁっ……いッ、くぁ…………あぁ、うぅ…っく、はぁ……あぁあ……」

容赦なく突き立てられる俺自身に、何度もその奥深くを擦り上げられて、狩人さんからは余裕が失われてきていた
抑えきれなくなり、高く響くその声が耳に心地良く感じられる

「ほら、気持ち良いだろう? 素直になれよ」

少しの間だけ行為を止めて、意識の隙間へと入り込ませるように耳元に囁いて
それからまたぐっぐっと力強いペースで腰を使って、狩人さんを快楽の海へと追い立てていく


「や……あっ! は、ぅ…くっ……あぁ、あっ! んぁっ……んンっ、くぅ!」

もうそろそろ頃合かな
汗の浮かんだ肩口へと舌を這わせて、ふくらみの先端を、くにくにと指ですり上げながらそんな事を思う
俺自身を咥え込んだ狩人さんの泉には溶けてしまいそうな熱が篭り、ねっとりとした液体をトロトロと垂れ流している

足の立ち位置を、より狩人さんの近くへと変更して肉体を寄せて
そうして体勢を整えておいて、二人の間で続けられている行為を、より激しく、高みを目指すものへと切り替えていく

「く、あっ、奥……おく、ゃめッ、あぁっ! 駄目…ダメ、だめぇっ」

細かくトントンと、執拗にその最奥を押し上げるようにすると、狩人さんは肉体をしならせて大きな声を放ち始めた
両手でしっかり抱えた腰がビクビクと震え、終わりの時を迎える兆候を示す内部にほくそ笑みつつ術式を用意する


「ははっ、奥がイイんだな? 俺も限界だ……今、たっぷり出してやるぜ」

「え――ぁ……やぁっ、あッく……あっ、あうッ! アっ、あぁッ、あぁアっ!」

細かい動きから突然に大きく強く、数回腰を叩きつけ
最後に肉体全体を押し上げるように密着させておいて、そのまま……

「イぃっ……は、アくっ! うぅっ、あ! あっク…ぅうう、あぁあアあッーーーーーっ!」

男の根源に溜め込んだ術式を、再び絶頂を迎えさせられた狩人さんの奥深くへと勢い良く打ち込んだ!





         ……◇……◆……◇……





「……っ……あぁ、あ…そんな…………んっ…はぁ、はぁ……なんて、事」

熱く滾った欲望で、その胎内が満たされてしまったのが解るのだろう
狩人さんは乱れた呼吸を整えようとしながらも、今にも泣きそうな声を漏らした

「お前もあんなに嬉しそうに鳴いてたじゃないか、中に注ぎ込まれて本望だろ?」

「キ、キサマとなんかで……っ…………嬉しい訳が――ぅあ……動くなぁ……」



んん? こちらは動いてないのに、と思ってよく見れば……おやおや
絶頂の震えが納まった狩人さんの腰は、自分からもの欲しそうに動いて、突き入れたままの俺自身が擦れるようにしている

「くくく……そっちこそ、あんなに求めて、いやらしく動いていたじゃないか」

「うぅ……わた、私は……そんな事していないっ」

感覚が限界に達して、麻痺しているような状態にあるんだろうか
狩人さんは自分の肉体が動いている事を自覚していない様子で、否定の声を返してくる

「気付いていないのか? 今、誰が動いていると思う」

「え? あ……んっ、そんな……わたし…が…………ッ?!」

はっとした表情を浮かべて、こちらを振り向いている狩人さん
その肉体は、そうしている間にもぎこちなく動いて、自ら快楽を生み出そうと蠢いていた



「あぁ、ぃやだっ……ぅ、こんなの、違う…………んんっ」

「違わないだろ? お前は、初めて会った男に犯されて、悦んで腰を振るような女なんだよ」

ぺちぺちと、現在進行形で欲望を貪っている腰を軽く手の平で叩いて、その部分へと意識を集中させて自覚を促す

「違うっ、私は…………ぅあ……ン、あっ…………ちが…違うの、これはぁ」

「そんな自分が恥ずかしいか? クク……安心しろ、お前が黙っていれば、誰にも知られる事は無い」

そう軽く言って、休めていた腰を再び動かし始める
一人だけ動いていた時と異なった刺激を受けた狩人さんの内部は、悦びの声を上げるかのようにヒクついて俺自身を強く締め付けてくる

「うぁ……あぁ、誰…にも…………あっ……んん、ぁ……」

「そう、黙っていれば大丈夫だ……俺も言いふらすような事はしない、二人だけの秘密って奴さ」

優しく腰の動きを合わせながら、ぼんやりとした声で呟く狩人さんの耳元で甘く囁く

そうやって、混ざり合った二人の体液が淫猥な音を立てるその内部を、何度かゆっくりと往復させていると
狩人さんはそれまでの拒むような様子とは微妙に異なる声色で、与えられる行為を受け入れ始めた

「っく、はぁ…はぁ……だめぇ、ああ…………あぁ! あッ、あんっ」

これは……どうやら、さっき俺が言った事を本気にしたのかな? まぁ特に嘘は言ってないけれど
危険な迷宮の中で見知らぬ男に犯されているという異常な状況や、魔法で閉ざされてしまっている真っ黒な視界
お構いなしに突き上げられる結合部から伝わる快楽に、意識が色々とおかしくなっているのかも知れない

くく、ははは! でもこれは良いな! 口では嫌がりながらも積極的に動いてしまう女を抱くなんて
なんとも愉しみ甲斐があるじゃないか、あはははは!
こちらも求めてくれる通りに、いっぱいイかせてあげないとね……ふふふ





「あふっ、んっ…………んふ、あぁ! あぁう……あッ、あっ、あぁっ!」

もう拘束は要らないかな?
滑らかに腰を前後させて、熱く絡み付いてくる狩人さんの内部を味わいながらそう考える
突き入れた俺自身とヒクヒク震える肉襞が擦り合わされる事によって生み出される性の悦び
押し寄せるそれに全身を震わせている狩人さんは、ロープを解かれても逃げようとするそぶりを見せなかった

くふふ……イイ感じに出来上がってきてるみたいだ

「く…ンっ! あぁ、ぅあ……あっ! ぁ……ん! んふ……ぅ、ちゅ…………」

後ろから首へと巻き付けるように回した腕で狩人さんの整った顎を掴み、強引にこちらへと顔を向けさせて、肩越しに唇を合わせる
熱く湿った吐息を感じ、軽く舌先を触れ合わせてから顔を離して、汗の流れる首すじへと舌を這わせて行く

「あぁっ……く…ひンっ! あっ! いぃ…………ん、あっ! そレっ…それぇ」

両手でふくらみの重さを支えるような体勢で突き上げを繰り返し、上下に揺れるふくらみを愉しみ
固く充血したその先端をこりこりと転がして狩人さんに甘い鳴き声を上げさせる

「くく……こうするのがいいんだな?」

最初の頃と比べると随分素直になったなぁ、問いかけに大きく首を動かして肯定している狩人さんを見やりつつ思う
それから首元へと顔を埋めて、滑らかな肌へ吸いついて……そこに、俺が蹂躙した証を刻み付けていく

「ンんッ! イいっ……あぁ、いや……わた、わたしぃ……んっ、あぁぅ! あふ……それ、ぃイっ、いいのっ!」

時折見せる上辺だけの拒絶と、快楽を求める言葉、術式を打ち込んだ今となってはどちらが本心かなんて解りきっていた
淫らな雌としての部分を余す事なく曝け出している狩人さんの姿に、こちらの興奮も高まっていき
更なる接触を……快楽を求めて、濡れた肉の中を突き進む俺自身がより大きく膨張していくのを感じる

女として完全に男を受け入れる為の肉体が出来上がっているからだろうか
狩人さんはまだまだ行為を続ける事ができるようだ、こちらも存分に愉しませてもらうとしよう





         ……◇……◆……◇……





「あアっ! あぁぅ……あハ、奥から…ナがれてっ、あ! あン……あっ、あッ、ああっ!」

すっかり肉欲の虜になってしまった狩人さん
既にもう自分がどこで何をしていたのかも忘れてしまったかのようである
今二人の結合部から零れ出ているのは……さっきまた奥に出した、最初はあんなに嫌がっていた俺のアレなんだけど

……ま、いいか! 狩人さんも愉しそうだし!

「ヒぅっ……んッ! あっ! あん、んっ…………ひびっ、響くっ!」

浅い部分から深い場所の壁へ向けて、くぢゅりと淫猥な音を奏でて俺自身が突き進む
続けられている男女の営みによってぬめりを増した二人の結合部は、激しい行為の全てを快楽に変換してしまう

「はッ、はっ、あぁ……あふ、んんっ! アっ! ぁイっ、いいっ! ああッ、ああアっ!」

狩人さんは瓦礫に手を付いて、舌を出して獣のように腰を振っている
怜悧な表情を浮かべていた最初の頃の姿は既に見る影も無かった

何となくその口元へと手を向けてみると、貪るように指に吸い付いて舌を絡めはじめた
うわぁ……最初の印象じゃ狩人さんはこういう方面は淡白なイメージがあったのに……淫乱というか、これは素質があったのかな
初めてでは無かったけれど、そこまで男慣れしている様子でもなかった、今までの生活で表にならなかった部分が現れたんだろう

そんな事を思いながら茂みの下側、わななく肉体の源にあるふっくりと充血した突起をくっくっと摘み上げ
柔らかな肉に包まれた腰を大きく前後させて、その最奥の壁をぐいぐい押し上げていく

「あッ! いっ…クぅ……ぃくっ! いあッ! アんっ! あぁっ! ぅんンんんっ…………ッ!!」

大きく首と腰を反り返らせて何度目かの絶頂を迎えた狩人さん
その胎内と、意識と……魂までも染め上げるように、強く突き込んだ深みへとこちらもまた欲望を解き放つ!





         ……◇……◆……◇……





「…………ふぅ」

いやー愉しかった
うん、こういう場面は久々だったから興奮した

最後の行為で激しく絶頂を迎えて気を失った狩人さんが、支えにしていた瓦礫へ突っ伏しているのを見下ろす
時折ピクリと震えるその肉体の内側から、二人の体液が零れて脚を伝わり、石畳の上に垂れていくのが見えた

そんな光景を見ていると、またシたくなってくるけど……流石に気絶するようじゃあ、もう限界だよね
今日はこれまでかな……あぁ、一応回復薬を飲ませておこう

回復薬を創り出して、意識を集中して――
スライムのように蠢く回復薬が、狩人さんの口と……下の口から入り込んでいく

「…………ぁ……ぅん…………っ…………」

よし、飲み込んだな
魔法を使ったついでに狩人さんの肉体も綺麗にして……忘れない内に暗闇の呪いも解いておかないと





さて……と、移動する準備はこれでOKだ
三つ編みちゃんの前例もあるし、安全な入り口付近まで運んで、目が覚めるまで見守っていた方が良いね
ゴロツキなんかに狩人さんは勿体無い

意識の無い狩人さんへと念の為に眠りの魔法をかけてから背負い、構造体にアクセスして
周囲の魔物達へ近づきすぎないように"命令"しながら、安全なルートを"調査済区域"へと向けて歩き始めた



         ……◇……◆……◇……



上へと繋がる階段を目指して歩きながら、狩人さんから吸収した知識を確認していく

ふむん……弓と、気配察知……これは屋外、自然の中でのものがメインか、建物の中ではそこまで解らないのね
なるほど、狩人さんは割と強い力を持っていたけれど、中階層で見かけなかったのはこれが原因だったのかな
広い空間や自然のような場所のある浅い階層とは違って、中階層は部屋と通路しかないからなぁ……
その関係か、逆に浅い階層や構造体の外に関しては、かなり詳細に地理を把握していたようだ
遭遇した場所が場所なので、もしかしたら狩人さんの居たパーティは未踏査区域の調査を請け負っていたのかも知れない

この分だと、もう自力で浅い階層を探索する必要はない……かな?
狩人さんを人も魔物も居ない、構造体の"正面玄関"にほど近い横道の奥で降ろして
少し離れた物陰から様子を窺いつつ今後の事を考えてみる

探索者やゴロツキ達が出入りする開口部の位置も詳しく確認できた
必死にやっていてその時は気づかなかったけど、構造体を通して"命令"する事で下位の魔物も操作できる
これは浅い階層においては大きな力となるだろう
ただ、あまり目立った事をやって警戒が厳重になり、討伐隊なんてものを組まれても面白くない
狩人さんに思わせたように、人間のゴロツキを装って女のコを襲うのが良いかな



なーんて、愉しい未来を思いながらニヤニヤしていれば狩人さんの目が覚めたようだ

肉体がだるいんだろうか、座ったままきょろきょろと周りを見回して……自分の荷物が落ちているのを見つけて
それから、自分の肉体を見下ろして、じっと地面を見つめて
ぎゅっと握った手を振り上げて、振り下ろそうとして……そうした所で動きを止めた

うん、ヤった女のコが、事後に自分を傷つけないように防止する暗示は有効みたいだ
再会するその時まで、元気で居て欲しいから……ね、ふふふ

しばらく自分の肩を抱いて、俯き身体を震わせていた狩人さんがよろよろとした歩みで入り口の方向へと去っていく
"正面玄関"から最寄の街までは見通しの良い平原で、探索者の行き来も多いらしい
ふぅむ……何故解るのか不明だけど、今の感覚ではまだ日が高い時間帯のようだから、もう大丈夫だろう





この場所からでも、少しだけ……閉鎖された地下の空間とは異なった、広い空気の流れる気配が感じ取れる

警備員は構造体の外へ出られるんだろうか?

ここに来てから一度も見ていない空の色を思い出していると、そんな疑問がぽつりと浮かんだ
いつか、外へ出て行ってみたい
この暗い構造体の中では得られないモノ、それを探しに行きたいのだ










――そう…………そう、探索者達の、若くして夫を亡くした未亡人を!

いや、だって、中階層で男ばかりな理由が、若い女性の多くは浅い階層に居る間に結婚して
盗賊さんみたいな例外を除いて、町で暮らす生活を送るって事なんだから、つまり……くふふ
つまり、排除している男達の半分位はおそらく妻帯者で、それが戻らない訳だから
それを待つ女達は……ふふふふ、一人で寂しい夜を送っているに違いないのさ!

元とはいえ探索者なんだ、きっと美味しくて、愉しくて、イイ感じだろう
今はまだ辿り着けないけれど、いつかきっと…………









[30317] 幕間 ~それいけ狩人さん~
Name: クラクモ◆5e745eb7 ID:0f7bd90b
Date: 2012/06/04 19:04
・幕間 ~それいけ狩人さん~







「やっと出てきたね、ほら元気だしな! 顔色は悪くないんだから」

ここ十数日の間、わざわざ部屋の前まで食事を届けてくれていたリンダさんが微笑みながら声をかけてくれる
そのいつも通りの大きな声が嬉しくて、久しぶりに笑った気がした

「色々心配かけました、でも、もう大丈夫」

彼女は仲間達が全滅してしまった事までしか知らない

その後で、あの男に私がされた行為も
閉じ篭っていた部屋の中で声を押し殺して何をしていたのかも
月のモノが訪れて、"心"の底から安堵した事も
私の卑しく、淫らな部分を


「そうかい? 無理するんじゃないよ!」

知らない……そう、私が口にしなければ誰も知る事は無いのだ、だから……
以前と変わらず心配してくれる様子に再び安堵の笑みが浮かぶ

「ええ、本当に大丈夫よ」

大丈夫、秘密は守られている……だいじょうぶ、ダイジョウブ――――





         ……◇……◆……◇……





最低だ……
穏やかな日差しの下、先に見える町へ向かってゆっくりと疲れきった足を進める

昨日まで一緒に居た皆はもういない、居なくなってしまった
唯ひとり、生き残った私も――

「……っ!」

足を踏み出した拍子にジクリと下腹部が疼く
ホント、最低……





「よう! お疲れ…………お前さん、いつもの仲間は?」

町の入り口に詰めていた顔見知りの兵士の声に無言で首を振って、そのまま通り過ぎる
そういえば、皆で階層奥地の調査に出発した朝も、ここに詰めていたのは彼だった
遠く感じる数日前の記憶を思い起こす

年配の兵士は私の様子から事情を察したのだろう「そうか」と呟くだけでそれ以上追求してはこなかった
出かけた者が帰ってこない、そんな事は世の中にありふれている……特に、この町では

最低だ……
死んでしまった仲間の事よりも、自分が■された事に気付かれなかったか、そんな事ばかりが気にかかる
湿り気の残る下着から、いやらしい液体が垂れてしまっていないだろうか
首元へ巻いた布から、強く吸い付かれた痕が見えてはいないだろうか
下腹部が、じんじんと熱い



「戻りました、鍵をお願いします」

道行く人達の視線を避けるようにしながら、やっと下宿に辿り着いた
管理人室のリンダさんに声をかける

「お帰りナターシャ! 他の連中の鍵も持っていくかい?」

「……いえ、私の部屋だけで」

あぁそうか……いつもは手の空いた者が皆の分の鍵をまとめて受け取って部屋へ戻っていたな
今まで送っていた日常の、そんな事も忘れていた
私の普段と異なる返事を聞いたリンダさんの表情が訝しげに曇る

「なんだい、あんた達ケンカでもしたの?」

「っ、死んだの……みんな」

鍵を受け取りながら何とかそれだけを口にして、逃げるように部屋へ向かった



中庭で水を汲み、自分の部屋へ入って、扉を閉めて……すぐさま鍵を掛けて
そこでやっと一息吐くことが出来た
大丈夫だ、誰にも気付かれていない、知られていない

――私が■されて、それを■■■でいた事なんて





         ……◇……◆……◇……





部屋の中で独り絶望していた


「くっ…………うぅ……」

桶の水を絞った布で自分の身体を拭いている時に、肉体の内側から零れてくる男の欲望

……何回、中に出されただろうか

こんな有り様では子を孕んでしまうかも知れない
嫌だ、もしそうなったら、私が■されたと、他人に知られてしまうではないか

「……はぁ、はぁ…………んっ……」

自ら慰めるのに似た行為
男に注がれたソレをかき出そうとする指の動きによって、肉体の内側の疼きが強くなる

とろり、とろり、と胎の奥から卑しい液体が流れ出していく

「あぁ、違う……違うの、私は……」

部屋の中で独り、彼女は誰にともなく否定の言葉を発しながら肩を抱いて身体を震わせる










気がつくと夜になっていた

月の無い夜


月が出ていなくとも星は常に輝いている、完全に暗闇になる事はない
しかし、彼女には部屋の隅の暗がりから真っ黒なナニカが広がり、目に映る全てが暗闇に染まっていくように感じられた



――ふっ、あっ……ぁ、くっ…う、ンっ! んん……

暗闇の中、独り寝台の上で蹲っていれば、どこからか声が聞こえてくる
生娘が耳にすれば真っ赤になってしまうであろう声……欲情した女の声


――あっ…………あぁ、ん、んくっ……うぁ、ああ……

その声はだんだんと近くで聞こえる様になっていった
くぐもってはいるが、確かに悦びを感じている女の上擦った声


――ん…んぁっ、あふ、あぁあ……はっク…あっ!

どこか聞き覚えがある声
高くなっていくその声に疑問を抱き、何故か熱の篭る頭で考えて……そして思い出す


――くぅ、んうぅうンんっ…………!

あぁ……これは、自分の声だと
そう、行為を行っているのは…………■されていたのは、自分だった



それからも暗闇の記憶は途切れる事はない
最初は離れている場所から聞こえていたのに、いつしか淫らな声を上げているのは現在の自分自身となって
下半身から途切れる事無くこみ上がってくる甘い刺激に意識が囚われていく

「あっ……く、んん…………うぅ…んっ、あぁ……」

ここはどこ? 自分の部屋? 冷たい地下の通路?
記憶と現実の境界が曖昧になり、肉体の震えが、疼きが、止まらない

声を、抑えなくては





         ……◇……◆……◇……





「ぐぅ…………ぅ、ンっ……ッ!!」

ぎゅっと枕に顔を押し付けて、どうにか声を上げるのを堪えた
あんな声、人に聞かれる訳にはいかない

「はぁ、はぁ…………はぁ――ぁっ、ふ…………ンん……」

……まだだ

寝台の上にうつ伏せになり、膝を立ててお尻を突き出して……片手は足の間から離せないまま
残った手でシーツを握り締めて、行為を続ける



(――いやらしい肉体だな……これじゃ、普段から――)

「あぁ、いや……ぃやぁ…………ぅあッ、く……」

記憶に残る男の言葉を否定したくても……じくじくとした疼きは消えてくれず、肉体は無意識の内に動いてしまっていた
指に感じるヌメリの中をかき混ぜて、そうして得られる刺激に意識が浸食されていく

……あぁ、気持良い

男女の行為を知らなかった訳ではない
駆け出しだった頃、少しの興味から男に抱かれた事はあった……しかし、こんな風に夢中になってしまう事は無かった

「んっ……は、あぁ…あっ! あぁ…………違う……」

……そう、全然違うモノだ、こんなに良かった事なんて――





唐突に、鋭い光が顔に投げかけられた

「ッ!?」

直前までの自分の思考にハっとして、足の間から手を遠ざける
窓の隙間からは太陽の光が差し込んでいた

「そんな、これじゃ……私……ほんとうに」

男の言った事は正しかったのでないのか、私はいやらしい女だったのだろうか

いや、違う……絶望に落ちてしまいそうになる心を必死に奮い立たせる
朝が訪れて、あの暗闇は去った……大丈夫、大丈夫な筈だ、自分はおかしくない
今日は眠ってしまおう、あんな事があったから疲れているのだ、身体を休めればこんな事は、もう二度と……





         ……◇……◆……◇……





「はぁ……」

空気の澱んだ部屋の中、寝台の上に肉体を横たえたまま、少しの間だけ死んだ仲間達の事を想う

戦士のように鍛え上げられた肉体が自慢だった神官
多少逃げ腰なのが玉に瑕だが、仕事はしっかりとこなしていた盗賊
無口な魔法使い、冒険を求めて兵士を辞めたと言っていた戦士
的確な指示で皆をまとめていたリーダー

リーダーから寄せられていた想いにも気が付いていた
特に嫌いという訳でもなかった……自分が好意と呼べるものを抱いていたかは疑問だが
ただ何となくその事が気恥ずかしくて、こちらからはリーダーとだけ呼んでいた彼

もしかしたら、近い内に彼からその想いを伝えられて……受け入れて
どちらかの故郷で家庭を持って暮らすのも悪くない、そう思う事もあった、それなのに



今日も意識に浮かぶのは……皆が死んでしまった後の事、あの行為の記憶

「……んっ」

身じろぎした拍子に、ぬめる下着の感触が感じられて背中がピクンと跳ねる……また、声が聞こえてくる


――んっ、あぁぅ! あふ……それ、ぃイっ、いいのっ!

愉しんでいた

仲間が殺された……直ぐ近くで、直ぐ後で
しかし私は確かにあの時、悦びを感じていた、快楽を貪り、刺激に酔い痴れていた


そう思い出しながら足の間へやった指に湿った感触が伝わってきた
日が沈む……また夜が、暗闇の時間がやってくるのだ

「……ぅ、はぁ…………あぁ……んぅ……」

指を前後に動かしながら思う

大丈夫だろうか? いや、きっと大丈夫な筈だ
昨日も、その前も……声の事で尋ねてくる人はいなかった、誰にも知られていない

だから、大丈夫





         ……◇……◆……◇……





そうして部屋に閉じ篭ったまま十日ほどが過ぎ去った頃、気だるい肉体には月のモノが訪れていた

「ふ、ふふっ……」

クスクスと口から笑いが漏れる
よかった、これで本当に大丈夫

私は顔も判らぬ男に孕まされてはいなかった、胎の底まで■された訳ではなかったのだ
自分が■されたという証拠はどこにも残っていない、気付かれない、知られない、秘密は守られている……その事に、"心"から安堵する



そうだ、もう閉じ篭る必要は無い
肉体に残っていた痕も消えている頃だろう
部屋を出て、また仕事を受けよう、そうしていつもと変わらない日々を送るのだ

身支度を整えた彼女は、"心"からの笑みを浮かべて部屋から出て行った










――心の底に潜む"心"が、自分のものだと思ったままで







[30317] ・宝?と俺と水の音
Name: クラクモ◆5e745eb7 ID:0f7bd90b
Date: 2013/08/25 21:28
・宝?と俺と水の音







「うーん、解るような、解らないような」

召喚陣から目を離して、ぐーっと背中を伸ばすようにしながら一人呟く

召喚陣と言っても呪術師ちゃんの寝床ではなくて、最初に召喚された中階層の外れにある方の部屋である
壁際には出会い頭に姐御に殴られて俺がぶち撒けた血の痕が赤黒く点々と落ちていて
様々な邪悪っぽいレリーフが刻まれて胡散臭い気配を漂わせる室内へと何とも猟奇的な彩りを添えている

……あの時は痛かったなぁ、いきなりの事で何がなんだか意味がわからなかったし
というか、命のやり取りが日常茶飯事の世界に来て受けた一番大きな被害が
味方である姐御からのパンチって、運が良いのか悪いのか


まぁこんな俺が今まで生き残れているという事は、きっと幸運なんだろう
数分の間ぼんやりと思考を漂わせ、そんな結論が出た所で気を取り直して再び意識を召喚陣へと集中していく

先日、狩人さんが居た探索者パーティと戦っている最中に何度か行っていた構造体へのアクセス
その能力を召喚陣へ向けて使えば何か解るのではないか……と、やってきたのはいい物の
何と言うか、うーん……例を出すなら、本を読むのに言語は学んだけれど内容が理解出来るかは別の話、という感じ?

大まかな術式の構造は視えるけれど、それが何を意味するのかは解らない
これは実際に動いている所と動いた結果を何回か観察しないと、どうにもなりそうにない気がする
好都合にも召喚陣には結構な力が溜まってきている、こちらからも少し力を流して発動を促してみよう





「……あれ? こんな所でどうしたの?」

「うわっっひょ!」

いつの間にか入り口の所へ先輩が現れていた
力を篭めてみようと集中していた所にいきなり声がかかって、思わず変な悲鳴を上げてしまう

「あぁ、先輩……ビックリさせないで下さいよ
  ちょっと召喚陣を見てたんです、これってどんな術式なのかなーって」

「ふーん、箱を探しに来た訳じゃないんだ?」

気安く近寄ってくる先輩からじわじわ下がりながら返事を返す

あれ? 普段は誰も立ち寄らない部屋に二人っきり……何かヤバいような
こういう場合は適当に質問して誤魔化すに限る

「箱……ですか?」

「そうよー、階層が警備員でいっぱいになってくると、魔物の代わりに色んな物の入った箱が召喚されるの」

言われてみれば最近は獣人さん達をはじめ、他の見知らぬ女性淫魔が率いているグループなんかも頻繁に見るようになって
非常に眼福……じゃなくて、警備員の総数が増えてきているように感じる
最近は探索者がこの付近まで入ってくる事も減っているしなぁ……先輩の言う箱とやらが召喚される可能性は高いのかも知れない

「まあ箱以外の物の事もあるけど……どっちにしても最近はお客さんも少ないから魔物は減らないし、そろそろ出てくる頃かも」

得意げに人差し指を立てて教えてくれる先輩へ軽く相槌を打ちながら改めて召喚陣へとアクセスを行い、強くなる輝きに意識を向けていく

それにしても箱か……どういった理由でそんな物が召喚されるんだろうか
侵入者が来なくなるように頑張った魔物達へのご褒美? あるいは構造体の部屋から失われた備品の補充的な意味かも知れない
それならば姐御の部屋にあったベッドみたいに、妙に豪華な家具がある事も頷ける

「良いものが出てきたら二人で山分けね?」

そう話す先輩の関心も召喚される物に向いているようだ、近寄って来る事もなく、わくわくした様子で召喚陣を見守っている

山分けかぁ、先輩が欲しがるような物となると……うーむ
確か侵入者を排除した時に先輩が拾っていたのは宝石や装飾品の類だった
普段着ている紐……もとい服(仮)には装飾品を付けている様子はない……というか付けるほどの面積も無いけれど
それでも、そういった綺麗な品を集めたくなるのが女性のサガという物なのだろう



なんて事を思い出しながら脈動する輝きを見つめる事しばし
一際輝きが強くなり、アクセス先から術式が発動したのが伝わると同時に召喚陣の中心へナニカが現れる!

「――――」


「えーと……」

「あはは、残念」

どんなお宝が出るかと少し期待していたのに……捕らぬタヌキのなんとやらかっ
俺と先輩の前に現れたのは水のような透明な塊、魔法生物っぽい気配を持っているスライムだった
普通の獣人や淫魔のような魔物が呼び出される可能性も有った訳だし、一応珍しいと言えば珍しい、のかな?

じっとりと失望の眼差しを向ける我々を気にする事無く、うぞうぞと表面を波立たせて移動を開始するスライム
何ともマイペースというか、無機質な反応である
量はドラム缶二、三本分位だろうか、以前遭遇した個体はもっと大きかったので、あれは割と長生きしている奴だったのかも知れない

ぼーっと様子を窺いながら「ぷるぷる、ボク悪いスライムじゃないよ?」等と脳内でセリフを当てて遊んでいれば
彼(?)は床に残っていた俺の血の痕へと辿り着き、その汚れを溶かし始めた
どうやって汚れを感知しているのか謎だけど、おそらくこの調子で構造体の内部を"掃除"するのがスライムの役割だと思われる



スライムの様子を観察しながらあれこれ考えていると、隣で動く気配が感じられた

やばっ、先輩と二人っきりだったの忘れてた! このままでは先輩に喰われて(性的な意味で)しまう
折角今まで逃げ延びてきたんだ、こんな所で終わってたまるか!
咄嗟に身構えて逃げようと――おや?

とことこ歩いて、こちらではなくスライムへ近寄っていった先輩は、そのまま足を止める事無くって……ええ!?

「うぅん……この感触、やっぱり出来たては違うわぁ」

なんて事を口にしながら、ずぶずぶとスライムへ沈み込んでいく先輩
スライムに絡みつかれる美女……見かけだけは興奮ものの光景が完成だ


「あー、その……先輩? 一体何を?」

「ナニって、おふろよー」

ぬらぬらと光る妖しい色気全開な先輩の肉体を視覚で堪能しつつ問い掛けてみれば、きょとんとした先輩からそんな答えが返ってくる
オフロ? ああ、お風呂ですか……なるほど風呂、スライム風呂ね…………っ!? 思わず目をカッと見開く
まさか全自動掃除機と思っていたスライムにそんな使い方があったとは……流石は先輩、発想が素敵にえろえろだ
いやこの場合は、そう連想してしまう俺がエロいんだろうか

しかし、うーむ、おそらく警備員という事で生きている魔物は溶けたりしないと思うけど、装備品は大丈夫なのかな
そう思いつつふと足元に目をやれば、そこには脱ぎ捨てられた紐というか服というか下着というか……やっぱり紐が
あぁ……なるほど、ちゃんと服(仮)は脱いであるんですね、後ろ姿だったし普段と隠れている面積がほぼ変わらないから気付かなかった
つまり先輩は今、全裸な訳だ…………ごくり………

「あら……うふふ、一緒に入る?」

先輩の"食事"中の姿を思い出し、ちょっとドキドキしているとそんな声がかかった
げっ、さっきまでは召喚物の事に関心が行っていたみたいだけど、今は視線がエロい感じになっている
体中に絡みついたスライムと相まって、もう最高で……なんて言う前に逃げよう! 危険が危ない感じがプンプンするぜ、性的な意味で

「ちょっと考えたい事があるので俺は移動しますね。 それじゃ、ごゆっくり~」


くるりときびすを返して「えー、せっかくイイ感じなのに行っちゃうのー?」なんて声を背中に受けつつ、その場から逃げ出した



         ……◇……◆……◇……



自分の部屋へ向かう通路を独りで歩きながら、先ほど調べた召喚陣の術式をチェックしていく

……動いていたのはこの部分で、力はここから流れてこうなって……で最後にココがこうで、ででーんとスライムが現れた、と
なるほど……召喚時の挙動に関しては姐御から流れてきた魔法の中にあった眷属召喚と似たような感じか
それ以外の部分が構造体の力の循環やら蓄積、警備員の設定等である可能性が高いのかな、うむむ……


「……るる……」

動作の確認がとれた術式を頭の中で整理していると、視界の端に二人連れの人影が映った
あの背中は狼人君だろうか、隣に居るのは先輩……じゃないか、さっき別れたばかりだし
しっぽと羽の生えた後姿をよくよく見てみれば髪が短いし色も先輩とは異なっている、羽も少し小さいかな
どうやら俺の知らない淫魔の人らしい

「……じゃない……には…………ないで……」

微かに会話が聞こえる
ふむん、別のグループメンバーと何をしているのか気になるし、ちょっと追跡してみよう





む……数分のあいだ刑事物やスパイ映画のノリで足音を忍ばせてストーキングしていると、二人の姿がフッと見えなくなる
見失ったかな? と、動揺しそうになる耳に扉の閉まる音が聞こえた

どうやら先にある部屋の中に入ったらしい
壁に張り付いて慎重に近づき、扉に耳をつける

「……ン…ふふっ、せっかちさんね…………」

部屋の中からはそんな声が漏れていて、同時に狼人君の興奮した様子も窺うことが出来た


……あー、なんというか……狼人君もヤる事やって愉しんでたのね
扉に張り付いた自分の姿が急にアホらしく感じられて、そそくさと扉の前から離れる

他の人の行為を出歯亀している暇があったら呪術師ちゃんの所にでもシケこんだ方が良いし……って、そうだ
この前行こうと思った時には狩人さんのパーティと遭遇したり、シたりしていて結局行かなかったから、また今度行こう

それにしても、アニキはマッチョさんの時にそういった場面を見ていたけれど、狼人君もしっかり発散する場所があったんだなぁ
バトルマニア一直線ではない一面を知る事ができて、何となく安心する
まぁ望めばずっと続けられる淫魔が相手じゃ相当絞り取られるに違いない
明日集合した時に濃縮回復薬でも差し入れてあげよう





         ……◇……◆……◇……





さて、そんなこんなで一夜明けた、お仕事中のこと

「――そう言えば、もうそろそろ"再生"が起こるかもしれないから……一応、皆も気をつけなさい」

たまり場で狼人君が差し入れた濃縮薬を小皿に移して舐めている姿をぼけっと眺めて
「あぁなるほど、人間用のビンは狼の口には合わないんだなぁ」なんて種族の差を実感している時に姐御がそんな事を言ってきた


"再生"……なんでも、構造体内部の壊れた扉や罠がリセット、復元される一定の期間をそう呼ぶらしい
探索者側の知識にも似たような"組替え"というものがあったので、おそらく同じ期間の事を指すのだろう

上の方じゃ構造体の機能が不安定になっているのか、割と多くの部分の壁が脆く壊れている部分もあったりして
それがおかしな事になっている機能のままに無理に再構築されて、通路全体が変化してしまう程の影響があるという事である
この中階層では構造体の機能に大きな異常は無いので"組替え"とまではならず、普通に破損個所が直る"再生"が起こる感じなのかな

「マ、この階層じゃそれほど危険はないけどね、始まったら入ってくる人間も居なくなるし」

確かに上の方じゃルート全体が変わったりしてるんだから、その渦中を通ってここまで来るような人間は居ないだろうなー
壁の中にいる! なんて事になったら目も当てられない

そんな事を考えていると、姐御は気楽な様子でさっさと集まりを解散させてしまった
まだ"再生"が始まった訳でもないのにこんな調子で大丈夫なんだろうか

まぁいいか、今日こそは呪術師ちゃんの所に行ってイチャイチャしてこよう





一人中階層から出て、もう歩き慣れつつある浅い階層を進んでいる最中に、ふと考えが浮かぶ

……あれ? もしかして、ようやく把握できたこの浅い階層の地理がまたリセットされるって事?!
地上への出口なんかの位置は変わらないだろうけど……ここしばらく歩き回っていた努力は無駄だった、のか

せっかく得られた浅い階層の知識がほぼ白紙になってしまう事がショックで
フラフラと覚束ない足取りで石畳の通路を進み、ある扉の前を通った時の事だった

「がッ!」

 ― 15のダメージを受けた ―

突然の衝撃に視界がブレて、身体から力が抜けそうになる
クソっ、構造体へのアクセスでレーダーみたいな事ができるからと油断してた!
一体、なんだ……げ、もう一発!?

 ― 15のダメージを受けた ―

よろめく身体を動かして何とか背後に振り向き、黒い影を視界に収めると同時に
再び衝撃を受けてしまい、意識が完全にシャットダウンした





         ……◇……◆……◇……





 ─ 再生…10ポイント ─

痛てて……鈍い頭の痛みに意識が浮上する

ダメージというか怪我そのものは回復しているみたいだから、これは痛みの感覚が残っているだけかなぁ
確かダメージが再生で回復するのは20ポイントごとなので、二度目の再生……そんなに時間は過ぎてないだろう

……ちゅ……っ、ぴちゅ…………

そんな事をぼんやりと考えつつ状況を確認してみれば、ここは……すっかり見慣れた、構造体の中によくある普通の小部屋、か?
壁にある装飾の窪みにペンライトのような明かりを灯す棒状の魔法具が差し込まれていて、部屋の中をうっすらと照らし出している
扉は一つのみ、鍵が掛けられて、ご丁寧にクサビが打たれて固定までされている密室状態だ


ちゅぷ…………ちゅ、ちゅるる……ちゅっ

そして、さっきから聞こえるこの音は……何か下半身が暖かくてぬるぬるして気持ちいいし……
視線を向けてみれば、薄暗がりの中で上下に揺れる淡い色の金髪が見えた

「ン…………これで」

観察している間にも事態は進行しているようで、身を起こした人影が俺の腰の上に跨って、そのまま――

「あぁ……っ! ふ…………く、はぁ……はぁ」

口でされた事で元気になり上を仰いでいた俺自身が、濡れた襞にずっぽりと包まれる



あぁ――これは盗賊さんだね、うん……身体を起こしてはっきり見えるようになった顔も、しっかりと盗賊さんだ
女のコの泉に入り込んだ感触で見分けがつけられる淫魔の性質が地味に凄いと思う

と、言うか……盗賊さん!? ……謎は全て解けた、犯人はこの中に居る!

「い…んっ…………はぁ、あぁ……」

まぁ特に物陰も無い密室の中に二人だけだし、推理という程でもないけれど
しかしなんでまた、鈍器と思われるもので殴りかかるような事になったんだろうか

「ねぇ、ちょっといいかい?」

こちらの胴体の横に膝を突いて、言葉を発する事も無く一心不乱に腰を動かしている盗賊さんに視線を向けて話かけてみる

「ん……駄目」

一瞬動きを止めた盗賊さんはそれだけを口にして行為に戻ってしまった
むむ、なにやら不機嫌? ラインを意識してみれば、快感と共にそんな感情が流れてくる
悦んでるのに不機嫌とはどういう事なんだろうか

ふてくされた顔で、でも肉体は上下に動かしながら、着たままだった上着を脱いでいる盗賊さん
わーお……こんな時だけど、固く固定されていたサラシからふくらみが解き放たれる瞬間が大迫力だ
ふやん、というか、ぶわん、というか……って、そうじゃなくて

「ほら、話を聞いて」

「……ぅ…………やだ」

「やだ」って盗賊さん、子供じゃないんだから……こちらの胸や腹に手を触れさせてきて、求めている割には頑なな態度である
しかし、これは……うーん、一回落ち着かせるしかないかな、どうもヤリたいのは確かみたいだし
盗賊さんの望むままに、このまま愉しもう


そう考えて両手を眼前で揺れるふくらみへ――触れようとした所で手を掴まれてしまう
掴んだ盗賊さんをじっと見つめてみると……視線を逸らされた
えー、どういう事なの、盗賊さんが満足するまで見ていろってコトデスカ?

「……ん、はぁ……はぁ…………ぃ、ふぁ……」

掴んだ俺の両手を肩の外側で床に押し付けると、盗賊さんは腰をくねらせて行為に没頭していく
どうでもいいけど、これ普通男女逆の体勢だよね……ボク汚されちゃった……

まぁ……たまにはこうしてシて貰うもの中々良いかな
盗賊さんに納まった俺自身は、ぬるぬるとした暖かさに包まれている
腰の動きによってずるんと擦られて、くっと掴むように締め付けてくる感触が心地良い

「あぁ…………は、ぅ……んっ……はぁ…………ちゅ」

口寂しくなったのか、肉体を屈めてこちらの胸板を啄ばんでくる盗賊さん
俺が抵抗しないのをいい事に鎖骨や首筋にまで吸い付いて舌を這わせてくる

されてる側ってのはこんな風なのか、気持良いというよりはくすぐったいという感じだ
むしろ……ふふ、意識しているのかいないのか、こちらに覆い被さって来ている形だから
重力に引かれた魂、じゃなくてふくらみがやわやわとソフトに触れているのがたまらないぜ!
そのツンと固くなった頂が盗賊さんの動きで肌の上を転がっている感触が最高です!



「……はぁ、ふぅ…………ん、そろそろ…………」

しばらくそうして俺を貪っていた盗賊さんは、ぽつりと呟くと肉体を起こして大きく腰を上下に揺らし始めた
小さな明かりで照らされた部屋の中、盗賊さんの白い……今現在は上気して薄桃色に染まった素肌が浮かび上がってよく見える
肉体の動きに伴って、ぶるんぶるんと暴れている見事なふくらみの姿が何とも興奮を誘う

「ふっ……うぅ、あぁ……はぁ、はぁ……あぁ、あぁあ……」

こちらの腹に手をついて肉体を支え、抜けてしまう寸前まで上に動いて、それから一気に根元まで
盗賊さんはじゅぶっ、じゅぶっと音をたてそうな程激しく、ただただ快楽の頂点を求めて肉体を動かしている

「くぅ……あっ、ふ…………ぅ、あぁっ…………んん、あふ」

機嫌が悪いせいか抑えられた声だけど、その肉体は汗を浮かばせて震え、確かに悦びを感じているようだった
おそらく終わりの時も近いだろう



「……うぅっ、んん……んぅ、あっ…………ぅあ、ああぁッ!」

程なくして、俺の上で艶めかしい腰使いを見せて踊っていた盗賊さんが、その茂みをこちらに押し付けるようにして動きを止める
熱く震え強く締め付けてくる結合部から液体が溢れて床を湿らせていた

さて、これで落ち着いてくれるかな?



         ……◇……◆……◇……



絶頂を迎えた後、力を抜いてもたれ掛かって、俺の胸に頬をつけている盗賊さんが口を開いた

「……呼んでくれるって、言った」

え゛……呼ばれるの待ってると言ったのは盗賊さんで、確か俺からは特に言ってなかったよね?
そんなに会いたかったの? そりゃもちろん、暇が出来たら呼んで愉しもうとは思ってたけれど

「だからって、これはないんじゃない?」

軽く批難する色をみせて話し掛けてみても、盗賊さんは首を振って頑なに口を利いてくれない
この体勢でそうやって頭を動かされると髪が触れてこそばゆいな

そんなやり取りの最中でも、盗賊さんの肉体は余韻を愉しむように軽く動いてるんだけども……ふふ、かわいいなぁ


「女を運んでた……フラフラで、私と同じ」

怒っている風なのにこちらから離れない様子に内心ニヤニヤしていれば、盗賊さんはなんだか危険な目つきでそう口にした

っ!?

あちゃー……そういう事か、運んでたって事は狩人さんの時かな……見られてたのか、気付かなかった
隠れたり追跡したりする知識の吸収元になった盗賊さんだから、より上の技能があるのも当然と言えば当然か
おそらく狩人さんを背負って運んでいる最中に目撃されたんだろう

いやー失敗したな、いま一瞬反応したのって盗賊さんの言った事を認めているのと同じじゃないか
もしかして、べったり密着していたのも反応を見逃さない為か? 「これは嘘を吐いている味だぜ」みたいな

とりあえず現場は見られてないみたいで助かった
仮に行為を直接見られていたら後ろから刺されていたかも知れない……俺じゃなくて、狩人さんが



「あぁ、見てたんだ」

さて、どうしたものか
何となく繋がったままの盗賊さんのお尻をむにむにと揉みながら考えてみる

「ぁ……うぅ…………ん」

怪我をしていた所を助けたとか適当な嘘を吐いても意味はないだろう
こういった話をする時点で、盗賊さんの中では俺と狩人さんがナニした事は"真実"になってしまっていると思う
まぁ、普通に事実ではあるのだけども……うーん
「男は理性で動き、女は感情で動く」って何の言葉だったかなぁ

……あーとりあえず、アレだ! ヤって誤魔化そう!

「確かに彼女とは一緒に居たよ」

盗賊さんのくびれに腕を回して支えながら、自分の肉体を起こして
そのまま今度はこちらが上になる体勢へ持ち込む

「……あの、女」

うヒ、盗賊さんの表情がさらに危ない感じになった、どうみてもこれは狩人さんの刺殺フラグ

しかし顔は鋭いままだけど、肉体の方はこちらに腕と足を絡みつかせて、繋がりを離すまいとしている
違う形とは言え一度恋人を失ってしまった経験から寂しさや不安を感じて、それが排他的な衝動に繋がってしまっているんだろうか

そんな事を考えながら腰の動きを再開させて、盗賊さんの内部を掘削していく


「……ぅ…………んっ……んん」

うん、やっぱり落ち着かせるにはコレが良いみたいだ
ぬるぬると暖かい襞の中を前後していると、次第に固かった表情がほぐれてきていた

「こうして、今キミといる……それじゃあ不満かい?」

動く度に、きゅっきゅっと俺自身を締め付ける力を感じながら、優しく耳元で囁いてみる

「あっ……ぅ、でも……」

ぷいと顔を逸らした盗賊さんは、快感に悦びつつも怒っているという何とも微妙な表情だ

「……あいつ、ン……居なければ」

自分をもっと見てくれる、盗賊さんはそう言いたげに言葉を切って口を閉ざした
やっぱそんな感じの事を考えていたか……これはクギをさして置かないと

「キミが危険な事をして死んでしまうのを許さないように、あのコに危ない事をするのはダメだよ」

「だ、だって……」

ううむ……
くちゅくちゅと音を立てている肉体は素直なのに、結構ワガママな……というかこれは感情が先走ってしまってるのかなぁ
思えば中階層で出会った時も、感情のままに一人で侵入するなんていう危ない事をしていたっけ
仕方ない、少しだけ辛く当たって一度冷却してみよう



「まだ解らないのか」

意識して冷たい声を出しながら身体を屈めて、固く充血したふくらみの先端を血が出るギリギリの強さで噛む
それまで緩やかな快楽に浸っていた盗賊さんの肉体がこわばるのを感じる

「キミは俺のモノだ、勝手は許さない」

膨張した俺自身を盗賊さんの内側、際奥の壁に苦しさを感じるであろう強さで押し付けながら、もう一方にもキツく歯を立てて

「ぁ、ぐっ…………痛ぅ……」

苦痛の声を漏らす盗賊さんの意識がはっきりこちらに向いたのを確認してから口を開く

「同じようにあのコも俺のモノだ……傷つけるような事は、許さない」

涙を滲ませた盗賊さんへと強い視線を送りながら、強調するようにそう言った





「……」

「……ゃだ、捨てないで」

しばらくの間動きを止めて見詰め合っていたら、唐突に盗賊さんが瞳から涙を溢れさせてそんな言葉を漏らした


……ほあ?
どういう経緯でそういう結論になったのか謎だけど……威圧感を出す為に身体を起こして見下ろしていた事で距離を感じて
俺が盗賊さんを捨てて離れてしまうとでも思ったのだろうか

神官ちゃん、盗賊さん、三つ編みちゃんに呪術師ちゃん、俺が悪魔だと知っている女のコ達から
完全に目を離してしまうなんて事は絶対にないんだけども……まぁ、女心は色々難しいね

「ごめん、ごめんなさい……」

手の平で顔を覆って、涙声の謝罪を繰り返す盗賊さん
ふむ……とりあえずこんな所かな、あんまり追い詰めるのも良くないだろう、盗賊さんが情の深いコだってのは解っていた事だ

「大丈夫さ」

優しい声をかけながらゆっくりと腰の動きを再開させ、先ほど痛みを与えたふくらみの先端にぞろりと舌を這わせる
苦痛を散らすように、少しだけ回復薬も分泌しながら丁寧に……

「あ……っ…………うぅ……」

恐る恐る、という感じで行為を受けている盗賊さん
その柔らかなふくらみをたっぷりと味わってから、鎖骨に口付けして、首筋を舐め上げていく

「キミは俺の女だ……だから、わかるね?」

何の理屈にもなっていないけど、ここまで来たら後は勢いだ

肉体の奥深くに突き上げをくり返しながら、顔を覆っていた手をどけて
そのまま両手で盗賊さんの顔を挟み、至近距離でその瞳を覗き込みながら告げる

「危害を加えない、これを守るのなら捨てるなんてしないよ、ずっと一緒に居てあげる」

「……うん、うンっ」

その言葉を聞いて、盗賊さんは先ほどまでの怯えた泣き顔とはうって変わって
嬉しそうな様子で微かに喘ぎながら頷いている、けど……ホントに解ってるんだろうか
再開された行為に悦んでいるだけって事もありそうな気がする

将来手をつけた女のコ同士が軽い嫉妬心を抱く位するのは良いけれど、血みどろの争いなんて見たくないしなぁ
魂に仕込む術式にこの手の確執を防止する機能を組み込んで、ラインを通じた暗示でもはっきりと禁止しておく必要があるかも
くくく、今のところ手放す予定のないコは神官ちゃんに盗賊さん、呪術師ちゃんあたりかな
いやぁ……皆と一通りまたスるなんて、ふふ、たいへんだなー、まぁそんな用事が無くてもスるけれど

という訳で、先ずは目の前……所か繋がっている状態の盗賊さんだ、さっそく新しい術式を打ち込んであげよう
淫魔の性質で制御できるとは言っても、長い時間魅力的な女のコと繋がっていれば当然ながら衝動を強く感じる

「ふふふ、素直なコは好きだよ」

充分に高まっている欲望のままに、腰の動きをだんだんと早めながらそう告げる
一応返事はしてくれた訳だし、誉めてあげないとね



         ……◇……◆……◇……



横たわる盗賊さんの肉体に覆い被さって、男女の行為を深めていく

神官ちゃんや呪術師ちゃんとは異なる盗賊さんの熟れた女の肉体
命をかけて遺品を捜しに来るほどだ、死んだ恋人とは長い付き合いで、その関係の中で何度も何度も行為を行っていたんだろう
男を受け入れる事に慣れているその肉体は、それでいて決して緩んでしまっている訳ではなく
引き締まった肢体から受ける印象そのままに、突き込む俺自身をしっかりと包み、締め付けてきている

「……あっ……んん…………はぁ、いい……」

不慣れなコ達が見せてくれた本能の反射的な反応とは違って、意識的に行為に応えて動く盗賊さん
内側にある俺自身を擦り上げる淫靡なその腰使いは、何とも男を高ぶらせてくれる

「んっ…………ふぁ……あ、あぁ…………」

盗賊さんは色白だからだろう、声は静かなままだけど欲情して肌が染まっているのがはっきりと見てとれた
そうして赤く上気した顔に蕩けるような表情を浮かべているのが、なんともまた……イイ、良い感じだ、もっと俺を感じさせたくなる


お腹に手をやって、泉の端から突き出た突起に親指の腹を添える
前後する腰の動きを受けてその部分が擦れるようにすると、俺自身を熱くぬめる肉が強く挟み込んできた

「あッ……く、んぁっ……あぁ……っ! そ…こ……」

盗賊さんはその細い顎を突き出し、足を大きく開いて、最も敏感な部分への刺激を受け入れている
この様子ならいつでも大丈夫だろう
そう考えて体勢を整え、二人の結合部に勢いよく音を立てて腰を打ちつけて、一気に行為の終わりへと追い込んでいく

「んっ・……あっ! アっ、あっ……あぁッ!」

急激に変化したペースを受けて、盗賊さんは応えるように高い声を上げ始めた



くくく……淫靡な熱が篭りドロドロになってしまっているその部分の感触に思わず笑みが浮かぶ
ヌメリを帯びて絡みつく襞と触れ合い、擦りあわされる度にこみ上がる性の悦び
淫魔として、食欲と性欲が同時に満たされるこの感覚は何度味わっても飽きる事は無い

「ぅあ! あッ……あふっ、く……ンっ、あぁあっ!」

さぁて……盗賊さんはどんな味になったかな
ヒクヒクと終わりの兆候を示す内部を愉しみながら、腰の動きを深く、奥へ、細かく押し込むような動きに変えて――そのまま、最後まで

「んッ、あアっ! あぁッ! ふぁ、あアぁぁあっッ…………!!」

本能の深い所から沸き起こる衝動に、肉欲に染まった声を上げていた盗賊さんの肉体がガクガクと揺れて強張る
こちらも準備は万端だ
高みへ辿り着いて震えるその肉体をしっかりと抱きかかえ、深く突き込んだ俺自身から一気に欲望を注ぎ込む!



         ……◇……◆……◇……



「アっ、は…………はっ、はふ……ぁ…はぁ……はぁ」

どくん、どくんと、より深くへ送り込むように盗賊さんの胎内を押し上げながら、その魂に術式を染み込ませていく





欲望を吐き出し終えて、肉体を起こそうとすると下へと引っ張られる感覚があった
盗賊さんが腕を離さずにまだ掴まっているようだ

「どうしたの?」

あれだけナニしといて、どうしたのもないけれど……一応聞いてみれば
盗賊さんは火照った顔のまま口を開いて

「…………もっと」

なんて、上目遣いでおねだりしてきた





……

…………はは、ははは

ふふふ、ご要望とあらば仕方ない、例の"再生"の時期に会えなくなる事もあるから
ここはもう嫌っていうほど存分に可愛がってあげよう!


「……っ! んぁ……あっ! あぁ、あぁ……アぁっ!」

繋がったままだった腰に腕を回して、身体全体を使い大きくグラインドさせる
盗賊さんは絶頂が納まったばかりだというのに、再び強く女としての反応を開始していた

「ふぁ……ああっ! あぁ、すき、好きッ!」

高ぶる感情を吐き出すようにそんな声を上げる盗賊さん
魂への暗示によって作られた感情とは言え、こんなにいじましい姿を見せられて男として興奮しない訳が無い

「アっ、あぁっ……あぁあッ! す…いイっ、あッ、あう! ぅン、あぁああっ!」

縋りつく肉体をきつく抱き締めかえして、ギアをトップスピードに入れた
これはもう行き着く所まで行かないと、止まりそうにない





         ……◇……◆……◇……





「はぁっ……はぁ、はっ……はぁっ……」

赤く染まった艶やかな肢体を力無く無造作に投げ出して、荒い呼吸を整えている盗賊さん
そのヒクついている内部から俺自身をズルリと引き抜くと、二人の体液が糸を引いて橋を作るのが見えた

くく、あれから5回は術式を打ち込んであげたから、充分満足してくれたに違いない
おかしくなる程の強さではシなかったけど、最後の辺りなんて啜り泣きのような悲鳴を上げてたし
しかしあれだけヤっても意識が飛ばないなんて……盗賊さんは凄いな、これは大人の女としての余裕だろうか


行為の跡が残る淫らな姿を目で愉しみながら、注ぎ込んだ術式の確認を行っていく
三つ編みちゃんの事があって修正した吸精の為のライン、肉体の操作に、追加した健康の維持
今回一部強化した意識の誘導、などなど――うん、問題無い

それにしても、あー……今落ち着いた状態で考えると、普通にラインを通じた暗示を与えるだけでも何とかなった気がする
浮気を知られた人と似たような感じで、俺も動揺してしまっていたのかも知れない
まぁそういったプレイと考えれば悪くは無かったかな



「落ち着いたかい?」

問いかけにコクンと頷く盗賊さんの肉体をシャワー魔法で綺麗にしていく

白い素肌、引き締まった肢体、柔らかなふくらみ……女として綺麗に花開いている泉の中心
盗賊さんとは今回も突発的な遭遇になってしまって、行為そのものも全体的に急ぎ足であまり時間を取れなかった
次に会う時はどこかベッドの上で、この熟れた肉体を一晩中ねっぷりたっぷり味わいたいものだ





ああ……そうだ、その手のルートを知ってそうな盗賊さんにアレを預けてしまおう

「……それ、何?」

そう思い狼人君の協力で大量に作った粉の包みを荷物から取り出していると、近くで座って服を着ていた盗賊さんが真剣な表情で質問してきた
毒物を扱う者としてこういう薬っぽい品には関心が高いのかな

「これは……あー、夜のお薬だよ、キミにはもう必要ない物だけどね」

そう前置きしてから一回の分量に分けた包みを一つ渡して、表向きの各種効能を話していく
媚薬効果に精力増進、美容健康、加えて避妊効果まである上に効果も二、三ヶ月は持続する夢の薬だ

と、まぁご大層に言ってみても、その正体はいつも精液に乗せている術式を、同じように悪魔の一部であった角の粉末に篭めただけの品だ
この薬は一回使ってしまえば肉体の奥に染み付いて、そう簡単には剥がれない
練り込んだ改良済みの術式による適度な誘導で、いつかのゴロツキのように命を落とす程の危険も無く
それでいて服用者は行為の時に強い快楽を得られる筈である

「これを流通させて、なるべく多くの人に行き渡らせて欲しい
  そうしたら……こちらからもキミに会いにいけるようになるんだ」

「……うん、わかった」

盗賊さんはじっと包みを見つめたままこちらの要望を聞いて、しっかりと頷いてくれた

「一回の分量はその包み位だから、売る時は気をつけてね」

了解が得られたので、袋に詰めた残りの粉末も盗賊さんに渡してしまう
今までは探索者の荷物にあった依頼内容が書かれた紙やら何かの手入れ用の油紙みたいな物を使っていたけど
その辺の品は構造体の中じゃ安定供給が望めないから、ちょっと困ってたんだよね
薬物を扱う事の多そうな盗賊さんならば、これに適した包み紙も用意できるに違いない





         ……◇……◆……◇……





まともに立てなくなってしまった盗賊さんをおんぶして、背中にふくらみの潰れた感触を味わいながら"正面玄関"へと向かう
前回ほど辛い体勢の体位では無かったけれど、今回のこれは回数をこなしたせいかな

「……♪」

……何か必要以上にきゅっとしがみ付かれて、足もぴったりくっ付いてきているけど、本当に歩けなくなっているんだろうか
疑問を抱きつつも落とさないように気をつけて、他の探索者やゴロツキ達と出会わないようなルートを選んで通路を進んでいく


それにしても……会おうと思い立ってから、なかなか呪術師ちゃんの所に行けないものである
一度目は狩人さんと遭遇して、二度目は盗賊さん、二度ある事は三度有るとは言うけれど、流石にもう無い……と思いたい
浅い階層への移動時間の事もあるし、いくらずっと続けられる淫魔の肉体でも、ヤるだけヤったらその場はすっきりしてしまうし
一応ヤる事だけが目的では無いので"再生"が始まる前までには会っておきたい

「……だめ」

「ぃつッ?!」

 ― 1のダメージを受けた ―

今後の予定をあれこれ考えていると、唐突に盗賊さんが胸元を抓ってきた
えっ、他の女の事を考えていたでしょって? ……なにそれこわい

 ─ 再生…1ポイント ─

特にラインから感情を流している訳でも無いのに察知してくるなんて……盗賊さん恐ろしいコ……!





「……ここまでで」

女の勘の鋭さに戦々恐々としつつも浅い階層を中ほどまで進んだ所で、ぽつりと盗賊さんが言葉を発する
ゆっくりと背負った肉体を床に下ろすと、別れの口付けをせがまれてしまった

「んむ……ん…ちゅ…………んふ……んぁ……」

勿論俺が拒む事なんてない、引き締まった肉体を腕の中に抱き寄せ、深く唇を合わせて、舌を互いに絡ませて……
ついでに唾液を飲ませたりしながら、近い内に始まる"再生"の期間に入ってこないようにラインを通して暗示を与える

「ン……ぷは…………ぁ、はぁ」

「しばらくはお別れだ、次は町で会おう……薬の事は頼んだよ?」

流石にここで行為を始める訳には行かない
盗賊さんの吐息が熱を帯び始めた所で口を離して、名残惜しそうにしている盗賊さんに別れを告げた

「ん、まかせて……楽しみに、待ってる」

暗示が効いているのか、盗賊さんは素直に頷くと、音を立てる事の無いしなやかな動きで立ち去っていく

自分でも近い動きはできる筈だけど、やっぱり本職は凄いなぁ
まったく音がしないから実体の無い幻を見ているかのようだ

そんな事を思いながら盗賊さんの姿が見えなくなるまで見送った





「んーー」

さて……と、盗賊さんをおぶっていたからか、ちょっと固くなった背中をぱきぱきと伸ばして気分を切り替える
やった事と言えば盗賊さんに襲われてアレな一時を過ごしただけだけど、何故か一仕事終えたような開放感があった

ん、よし! 明日は呪術師ちゃんの所へ行くぞ! 行くんだ! でもってイク!


わけのわからない気合を入れて、ねぐらへ戻るために踵を返す
愉しい明日に備えて、全力でぐったりするぜ!









[30317] ・五色と俺と昔の話
Name: クラクモ◆5e745eb7 ID:3611a5e1
Date: 2012/11/09 01:00
・五色と俺と昔の話





「アー……もういいわよ。 解散ねー、解散」

暇すぎて待機中からワインを飲んでいた姐御のやる気無い声に送り出されて、今日もまた上の階層へ向かう
"再生"の起こる間隔は多少のズレをもちつつも周期が決まっているらしいので時期的に探索者達も動きを控えているようだ
ここ数日の間、俺達が担当している中階層のエリアに探索者が現れる事はなかった

とは言っても、先日の盗賊さんの事もあるので浅い階層ではそこまで油断できない
盗賊さんから得た知識によると、この時期は構造体内へ入り込んでいたゴロツキ達が"組み換え"を避けて
迷宮の外にある周辺の森や山へ一時的に移動していくので浅い階層で騒ぎが起こる事が多いらしい
町の中へ紛れ込む者も多いらしく、悪化した治安に対応する為に迷宮へ入れなくなった探索者達が各所で雇われるのだとか

まぁそんな理由で、色々と人間の動きが活発化する浅い階層はいつもより危険になっている筈である
いつにも増して注意しなくてはならないだろう





「んん?」

既に通い慣れつつある呪術師ちゃんのエリアへ向かう浅い階層の通路
構造物へのアクセスを意識して周辺を確認しながら歩いていると、角の先から妙な気配が接近しているのに気が付く
この気配……知っているような、知らないような? なんだろうか



……っ、くるかっ?!

「ああ! たびのおかた! まものにおわれています! おたすけください!」

立ち止まって杖を構えると、曲がり角から現れた変なモノがなんか棒読みの台詞と共にこちらに飛びついてきた
腰の辺りにしがみついて、そのまま背中側へと俺を壁にするように回り込んでくる

見た目は赤い髪をした人間の少……幼女?のような何かだが、色々とおかしい
先ずこんな所に非武装の人間の子供が居る訳がない、とか
幼女なのに先輩の服(仮)のような紐ビキn……げふん、露出の多い服を着ている事だとか
何気に俺にもある人間にしては鋭い三角の八重歯が隠せてなかったりとか
見た目と飛びついた際の重量が合っていない上、幼女の割に妙にあるふくらみに触れている感覚が存在していない事だとか

……さらにぶっちゃけてしまうのなら、ほんのり感じる同族の気配だとか

「……」


どう突っ込みを入れようかと考えていれば、前方からもうお馴染みとなった6本足の獣達がやってきた
あー……これは多分、迫る獣達から人間に擬態しているこの変な子を庇って戦っている隙に後ろから、って計画なんだろうなぁ
どことなく身に覚えのある手口である

「…………」

しかし俺の正体は悪魔なわけで、ついでに下級の魔物も支配可能なので特に何も起こらない
むしろ現れた獣達はお座りしてこちらの命令を待っている雰囲気さえ漂わせている

 ― 1のダメージを受けた ―

無視して進もうかな? なんて思っていれば
背後に引っ付いて実体の無い……エアギターならぬ空気胸?を押し付けていた変な子が動きを見せた
これまた覚えのある成分を含んだ毒針でチクチク攻撃を行っているようである

「ははは、かかったな! 愚かな侵入者め! もう動けないだろ! じわじわと嬲り殺しに……って、あれ?」

 ─ 再生…1ポイント ─

ずっとツンツンされるのもこそばゆいので、くっ付いていた変な子を引っぺがして放り出す

「ひぇっ?! ど、毒が効かないなんて……こここ殺される~~~!」

べしっとその辺の獣の上に落っこちた変な子は、自分の攻撃が効いていない事に怯えた様子を見せると
獣に乗っかったまま走り去っていった

……なんだったんだろう





         ……◇……◆……◇……





気を取り直して呪術師ちゃんとのラインを意識しながら進んでいると、最初に出会った夜の公園のような空間へ辿り着いた
彼女は今日もこの辺りに居るようだ

改めてこの場所を見渡すと気づいた事がある……ここは、天井が高い
歩道の脇に植えられた樹木のさらに上、ドーム型の天井を距離感の掴み難くなる暗い紺色の魔法の光が照らしている
その高さは15メートル、いや20メートル程はあるだろうか
このエリアは浅い階層の3層目に位置しているけれど、上に向かう階段はそこまで長くは無い、せいぜい8メートル位だ

階段の長さだけを考えれば、下手をすると地下一階まで突き抜けてしまう高さがあるというのに
狩人さんの知識の中には上の階層でこれほどの広さを持った進入不可能な空白地は無かった
端から端まで歩き続けて半日もかかると聞いて、薄々そうではないかと考えてはいたのだけど
どうやら、構造体の内部では空間の広さが弄られている場所が数多く存在しているらしい



お、いたいた
そんな事を思いながら歩道を進んでいけば、前方に背中を向けて歩いている呪術師ちゃんを発見した
相変わらず6本脚のわんこ達を大量に引き連れたマント姿へと足早に近づいていく

そういえば呪術師ちゃんは"組み換え"の間はどうしているんだろうか
この付近のエリアは破壊された跡が無いのでそう危険な事は無いだろうけど
そもそも真っ黒なナニカから存在維持の力を供給されている警備員と違って、彼女は普通の人間である
構造体の内部は寒くも暖かくも無い快適な温度なので寝床や衣類はさほど重要でないけれど、流石に食事は必要だろうと思う


目の前に本人が居るんだから、聞いてみればいいか……でも、とりあえずは

「きゃっ」

こちらに気づいていなかった呪術師ちゃんをおもむろに捕まえて、通路横の茂みへと引っ張り込む
ふふ、公園の茂みの奥で……というシチュエーション、一度ヤッてみたかったんだよなぁ
会おうと決めてからお預けを食らっていた事もあり、俺自身もようやく訪れた機会に高ぶっている感じだ

連れ込んだ茂みの中で未だに混乱している呪術師ちゃんを押し倒す
マントの合わせ目に手を入れて、その下に隠されていた妖しい紋様の走る褐色の素肌を露出させる

「あ、やっ! いやぁっ、放して!」

すると、顔を近づけてその柔らかな果実を堪能しようとした所で呪術師ちゃんが意外な抵抗を見せた
悪魔第一主義の呪術師ちゃんが嫌がるなんて、アノ日なのかな?

「今日は都合が悪かったかい?」

お腹に手を置きつつそう声を掛けると、暴れていた呪術師ちゃんは動きを止めて、こちらへときょとんとした視線を向けてくる
おお、こんな表情の呪術師ちゃんもソソるね!



「あの……もしかして、悪魔……さま?」

戸惑った様子の呪術師ちゃんの目線がこちらの頭へと向かっている
頭の上? あ……そういえば、最初にあった時は擬態を解いてから声をかけたんだったかな、今日はフードも被ってるし
悪魔大好きっコの呪術師ちゃんからしたら、現在のこの姿でヤるのは物足りないのかも知れない

フードを後ろへどけて、頭に意識を集中して――むむむむむ

紫の光が頭上に走り、角の重さが感じられるようになる
この操作も素早くこなせるようになってきたなぁ、流石は俺、二つ名は『早い悪魔』……いや、前にも思ったけどこれは駄目だ

「紫の…光……」

アホな事を考えていると、呪術師ちゃんは何かを思い出すように口元に手をあてて、そんな言葉を呟いていた

そういえば……真っ黒なナニカがみっしり詰まった空間から出る時もこの光を見たなぁ
ここに来てからイロイロと色っぽい方向で色んな事があったから、あの頃が遠く感じる気がしないでもない

「この光がどうかしたのかい?」

「やっぱり、……まさ…………ミサ…………」

呪術師ちゃんにしては珍しい事に問いかけをスルーされてしまった
ぶつぶつと考え事に集中して、こちらの声が聞こえていない感じである
呪術師ちゃんも一つの事に集中すると周りが見えなくなるタイプの人だったのか



……まぁいいや、今はこっちの都合を優先させてもらおう
と、いう訳で

「わひゃ…ん……ぅ、悪魔さま、なにを」

ふにゅ、ふにゅりと正面から鷲掴みにしたふくらみを変形させる
うむうむ、呪術師ちゃんのふくらみは今日も見事なボリュームだ……これは盗賊さんの上を行くサイズだなぁ、すげーぜ

「いや少し聞きたい事があったんだけど……後にしよう」

「あっ……あ、後で…ンっ、ですか?」

くりん、と指の間で硬くなってきた部分を転がすようにして、呪術師ちゃんの跳ねるような反応を愉しみながら続ける

「そう、後で……ね。 今は…………」





         ……◇……◆……◇……





横たわる呪術師ちゃんに覆いかぶさり、刺激を受けて上を仰いだふくらみの先端にゾロリと舌を這わせる

「あ…んっ……はぁ…………ぁ、悪魔さま……ぁむ、ん……ちゅ」

そのまま少し汗ばんだ素肌を舐め上げていき、鎖骨から首筋、そしてしっとりとした唇へ
舌を絡め、互いの唾液を混ぜ合わせながら呪術師ちゃんの膝の間へと肉体を動かして、体勢を整えていく

「ぅん……んく……ちゅ…………ん、はふ…………はぁ……はぁ、はぁ……」

こちらの脚にすり寄って俺の腰を手前に招くように動く呪術師ちゃんの太もも
その付け根に目をやると、分泌された体液がてらてらと光を反射させているのが見えた

ははっ、淫魔の気配を感じているせいか、良い具合に欲情しているみたいだ……これ以上の愛撫は必要ないかな?
その事に笑みを浮かべながら、唾液に濡れた唇から熱い吐息を漏らす呪術師ちゃんの潤んだ瞳を見つめて――腰を、一気に

「くぅ、は…あぁああぁ…………っ!」

ぬちゅう、るるる……と、べったり濡れた肉襞をかき分けて、俺自身を根元まで没入させる
呪術師ちゃんはくっと背をそらせ、喉を突き出すようなしぐさで肉体の内側に入り込んだ俺自身を感じているようだ
眉を寄せ、目じりを下げたその表情に苦痛を感じている様子は無い

出会った最初の日からある程度時間が経過した二度目の機会
女のコが快楽に慣れてしまうでもなく、苦痛を受けるでもない反応をしてくれるこの時期は、実にいい
何事も、覚えたてというのは面白いし、愉しく感じるものだ

「ぅ、はぁ……はぁ、あぁ……んん…あっ……」

呪術師ちゃんもその例に漏れず、何とも素敵な姿を俺に見せてくれている
ぬかるみの中の俺自身をゆっくりと引いて、浅い部分でゆるゆると動かしてみれば
粘膜の触れ合った部分からこみ上がる刺激に耐えかねた様子で吐息を乱し、甘えた声を上げ始めた

動きの前後が切り替わるたびに、呪術師ちゃんはぴく……ぴく……と可愛らしく反応する
震える肉体の上で息づいている大きなふくらみも、ふるんふるんと揺れて俺の目を愉しませてくれる

その姿が急に愛おしく感じられて、衝動のままに首筋へと唇を付けて、強く吸う

「ふあっ……あぁ、悪魔さま……あ、あン……んっ……はぁぅ……」

俺の所有物であるマークを肌に付けて、こちらを見上げる呪術師ちゃん
あぁ、このコは良いな……本当、良い感じだ

淫靡な熱を帯びた肉の襞、そのひとすじひとすじを確かめるようにじっくりと俺自身を進める
けっして激しくは無い、速度の遅い焦らすような交わり
しかしその事が逆に密着し、すり合わされる部分を強く意識させていく

「はっ……んん、う…あっ! あぅ……はぁ、ふぁ……あ、んぁあっ」

沸き起こる快楽に鼓動が早まり、心臓からトクトクと送られる血液が呪術師ちゃんの肉体を熱く、淫らな女へと作り替えていく
呪術師ちゃんの切なげな吐息は次第に上ずり、細い悲鳴にも似た声へと変わってきていた





夜の公園のような空間にある小道の脇、茂みの奥に悩ましげな声が響く
脱ぎ捨てたローブの上で、ひんやりとした外気に晒されている素肌を絡み合わせる

「あ、あッ! あっ、くぅ……ンっ! あっ、あぁっ!」

熱く乱れた吐息を漏らし、こちらの首へ腕を回している呪術師ちゃん
抱きつき密着したふくらみを感じながら、深く結んだ結合部をぐんぐん突き上げれば
雄を求める若い肉体は内部の俺自身をきゅうきゅうと包み込み、もっと奥へもっと奥へと引き込むような動きを開始した

中々出会えずに悶々としていた俺がその誘いを拒む事も無い
膝の位置を調節し、汗の流れる呪術師ちゃんの腰をぐっと抱き寄せて、快楽の頂点へ向かって走り始める

「ぅあっ! あっ、あッ アぁっ! ん…んくッ! あぁっ! アっ!」

一際膨張した俺自身を肉体の奥深い部分へ連続して打ち込まれて、呪術師ちゃんの肉体が仰け反り、跳ねる
触れ合った体温を感じながら上気した首元に再び口付けを落とす
耳元で上がる甘い悲鳴と共に、ふわりと呪術師ちゃんの女としての匂いがまた強くなったのを感じた……もう、そろそろか

「あぁッ……あクっ、ぁく魔さまっ! あっ! くぅっ! あーっ!」

呪術師ちゃんの呼び声に応えるように、大きくタイミングを計るように肉体の奥をノックすれば
腕の中の熱く淫らな肉体は、これ以上ないほどに俺自身をきつく締め付けてくる
収縮してより強く密着した粘膜から生まれる快感に意識が染まり、腕の中にある肉体へと、より深く、何度も腰を打ち付けた
ぶつかり合う湿った肉の音が辺りに響く

「あアっ! ふぁッ! あーっ! あぁあっ! はぁアっ!」

追い込む様なこちらの動きに高まる呪術師ちゃんの鼻にかかった甘い声
汗の流れる肉体を、荒い呼吸を混ぜるような近さで抱きしめ合って、溢れる衝動のまま――

「ぁ…ああぁああアあーーーーーっ!!」

蕩けるような熱を孕んだ深みへと俺自身を押し込み、白く濁った欲望を勢い良く解き放った!





         ……◇……◆……◇……





「ふぅ……」

一息ついて、頭を切り替える
ここでこのまま呪術師ちゃんをてろんてろんのくにゃくにゃにしてしまう訳にはいかない
今日は話を聞きにきたのだから、忘れないようにしないと



「……ッ!……」

横にごろんと転がるようにして肉体を離し、上半身を起こすと、少し離れた所でナニカの気配が動くのが感じられた
実はヤり始める前から周りには、いつも呪術師ちゃんと一緒の6足わんこ達がそれぞれ寝そべっていたりした訳だけど
感じられた気配は獣達よりも随分と小さい気がする……敵意は感じないけど、一体なんだ?

「悪魔さま、どうかなさいましたか?」

じっと気配を伺っているこちらに疑問を持ったのか、上気した肉体を無造作に晒したまま
隣で息を整えていた呪術師ちゃんがそう問いかけてくる

「あぁ、いやちょっと気になることが――」

「おかーさん、おつかれさまー」

っ!?
返事をしようとした所で、唐突に幼い声が割り込んできた、何奴!! というかお母さん!?

「ばかっ! これからが良いとこなのにっ!」

違う方向からぱたぱたとコウモリに似た羽音が聞こえたかと思うと、また別の声が聞こえる
そちらに目を向ければ褐色の肌に三角のしっぽ、コウモリの羽に面積の少ない服(仮)と
髪や肌の色を除けば先輩……というか一般的な淫魔♀をスケールダウンした感じの存在が浮かんでいる

むむ、なんか最近似たような気配を持った奴と遭遇したような……

「おや、もう終わりでしょうか?」

黒い髪の毛を持ったそいつに気をとられていると、いつの間にかさらに他の個体が複数現れていた
最初に出てきた緑の髪の個体をはじめ、黒、白、赤、今声をかけてきた青と全部で5体、髪の色がカラフルな連中である

何だろうこいつら……うーん、見たこと無いけど、気配からして小悪魔……なのか?
近くを飛んでいた動きの遅い白色のを両手で捕まえてみれば――む、これは
ゲームのコントローラーを持つ感じで胴体周りをむにむにしてみると中々な弾力、チビだけどスタイルはグラマーだな

「ぁぅ…………あ、主さま……次は私でシますか?」

手の中の白色がもじもじしながらそんな事を言ってくる、スルって……一体どうヤるつもりなのか

「あー! ずるい! 私も、わたしもー!」

返答に困っていると赤色が騒ぎ出して周りをぐるぐる飛び回り
黒色は頭の上に乗ってくるし、青色は「任せてください」とか言いながら裸のままな股間に張り付いてモゾモゾしている

実は、淫魔の肉体は行為の相手に合わせて勝手に最適なサイズに変化するので可能といえば可能だったりする
とは言え、確かに姿は可愛いけど……このサイズは、なぁ…………いくら女のコが好きでもヤる気にはならない
50cm程だろうか、妖精さんというには大きすぎ、子供というには小さい位だ

……しかしこの体質、この先無いとは思うけど身長10メートルを超えるような巨人♀とヤるハメになったりなんかしたら
俺の肉体はどうなるんだろう、ご立派な御方のようなセクハラ生物に超進化でもするんだろうか

「あッ、ボスの角、すご……硬くて、太い……ンっ……」

って、待て黒色、お前人の角に抱きついてナニやってるんだ、液体が垂れてきたぞ



         ……◇……◆……◇……



小悪魔と思しき連中は、まるで自分の尻尾を追いかける子犬のような困ったテンションだった
どうもここへ来る前に遭遇した変な子は赤色が化けていた姿っぽいけれど
あの時の人間が擬態した俺だと気づいていないのか、その記憶が緩そうな脳内から失われているのか、気にしている様子は無い

「あ、その……あの、この子達は――」

はしゃぎ回ってまともに会話が成立しないので、何か知っているらしい呪術師ちゃんを魔法で洗浄しつつ事情を聞いてみた所
彼女は引っ付いていた緑色を人形のように抱えながらこの連中が現れた経緯を語ってくれた

なんでも、俺と契約を結んでから5日ほど経った頃にお腹の逆五芒星からおもむろに発生したとの事で
そうして現れたこの連中は呪術師ちゃんを母と認識して懐いているのだという

「……なる、ほど」

詳細を聞いて思わず頬が引きつる

「ありがとうございます。 悪魔さまと私との、絆の結晶です」

むしろ悪魔ってだけで無条件にエロくてステキな肉体を提供してくれて、こっちがありがとうと言いたい位だけれど
でも、まぁ……何と言うか、ナニの最中に呪術師ちゃんのお腹の中へ思う存分たっぷりとアレを出して
さらに真っ黒なナニカも外と内から染み込ませるように凝縮して入れた訳だけど、まさかなぁ……
道理で俺と似たような気配を持っていて、似たような発想でアホな内容とはいえ計略を仕掛けてくる訳だ
脱ぎ捨てていたローブに袖を通しながらそんな事を思う

「?? ますたーは、ますたーですー」

もしかして俺は父親扱いなんだろうか……と思いきや、のんきに抱えられたままの緑色の反応を見るとそうでもないっぽい
母親扱いの呪術師ちゃんに対しての父親ではなくて、マスター・主・ボス等と呼ばれるという事は
この小悪魔達としては子と言うよりも配下みたいな認識になっているんだろう

ふと思いついて、呪術師ちゃんのラインを細かくチェックしてみる
力の流れを意識してみれば、案の定呪術師ちゃんと小悪魔達の間には何らかの繋がりが存在していた
うーん、構造体と俺達魔物の関係に近いもので、呪術師ちゃんを守る役割が与えられている感じかな?
ついでに俺の注いだ力を元に発生した事もあってか、俺の眷属という性質も持ってしまっているようだ

あぁ、もしかしたら呪術師ちゃんの魔物を操る力にも関係しているのかも……って、そうだ
小悪魔達の登場に気をとられて忘れる所だった



「そういえば、さっき出会った時、角の光の事で何か考えていたみたいだけど」

まとわり付く赤色をあしらいつつ手近なベンチへと移動して問いかけてみれば
緑色を離した呪術師ちゃんはマントを羽織りながら隣へとやってきて口を開いた

「角の光、ですか? …………あっ、そうです。 悪魔さまはやっぱりカミサマなんですね!」

えっ?

「先ほど私を清めてくださった水を生み出す魔法なんて、昔聞いたお話にもありましたしっ!」

そう言って、ベンチに並んで座った状態からこちらへと身を乗り出してくる呪術師ちゃん
エロ方面以外では割と落ち着いた性格の呪術師ちゃんにしては妙に興奮している
そんなにくっ付くと大きなふくらみが当たって気持ちい……ではなくて

「ほら、落ち着いて――それで、その昔の話ってのは何の事だい?」

そのまま目の前の暖かい肉体を抱き寄せて行為に及びたくなる衝動を抑えつつ、問いかける

「あ、はい。 私の故郷に伝わっている昔話なんですが、その中に紫の光と共に魔法を使うカミサマが出てくるんです」

ベンチへと座りなおして居住まいを正した呪術師ちゃんの返事に耳を傾ける
妙に静かだなと思えば、小悪魔達も思い思いの場所に陣取って話を聞く体制をとっているようだ
さっきまであんなに騒いでいたのに、主の行動を邪魔をしないような習性でもあるんだろうか

「へぇ……面白そうだね。 ちょっと聞かせてくれないかな」

異世界の昔話か、どんなものなんだろう……というか、そもそも呪術師ちゃんに会いに来たのはそれが目的だったような
まぁいいや、今でも細かい所までしっかり覚えていると言うことなので、語ってもらう事にしよう



「わかりました……んんっ、それでは――


 その昔、ここには一つの王国がありました

 王国は最初、一つの寂れた辺境の町でしかありませんでした
 人々は荒れ果てた土地でほそぼそと貧しい暮らしを送っていました
 ある時、そこにカミサマの一族が空の果てから降り立ったのです
 カミサマからもたらされた魔法によって、町は豊かな繁栄を築きあげていきます
 その力はどんどん大きくなり、しだいに周りの町も取り込んで、いつしか一つの王国となりました

 しばらくの間、王国には幸せな時が流れていきます
 幾度となく大きな災害が訪れても、カミサマ達の助けでその困難を乗り越えて暮らしていました

 安寧の日々が続いていく中、王国で一人の男が王となりました
 その王はとても傲慢で、世の中のすべてを我が物としなければ気がすまない人でした
 遠い国々を従えて、城に集めた財宝の山を前にしても、王は満足しませんでした
 際限のない欲を抱えた王は、恐ろしい事を思いついてしまいます
 王国の繁栄を見守ってくれていたカミサマの一族、その力を手に入れたい……と

 カミサマ達は人々が困った時に助けてくれる事はあっても、私欲の為に力を貸してくれる事はありませんでした
 そこで王は、王国の外れで静かに暮らしていたカミサマの一族の娘を城へと招き、騙し、幽閉して……強引にその血を交えてしまいました
 愚かにもそうする事で自分や子孫にもカミサマの力が宿るだろうと考えたのです

 しばらくして、娘を奪われたと知ったカミサマは激しい怒りを抱きました
 カミサマは激情のままにその偉大な力を振るい、お城の一室から娘を助け出します
 そして、身篭ってしまっている娘の悲しげな表情を見て、騒ぎを聞いて現れた王の前でこう告げました
 「おまえ達に力を貸した事は誤りであった、我らの力で生み出してしまったモノ全てを消し去ってやろう」

 その夜、王国を妖しい紫色の輝きが覆いました
 人々は恐ろしさのあまり家の中に閉じこもっていました
 あくる朝、外に出た人々は驚きます

 豊かな実りを約束してくれていた大地は固く乾いてひび割れて
 滾々と水を湧き出させている綺麗な泉だった場所には水の一滴もありません
 日を浴びて輝き人々を守っていた高い城壁はただの土の山になってしまい
 夜に街を照らしていた魔法の明かりは輝きを失っています

 そこからはカミサマがくれた恵みの全てが、確かに失われていました
 ずっと、ずっと昔の……王国が王国になる前の姿に戻ってしまったのです

 固く乾いた土は食べ物を生み出す事が出来ず
 水が無ければ生き物は乾いて死を待つばかり
 城壁がなければ恐ろしい外敵が命を脅かし
 明かりの無い夜は人々の心に不安をもたらします

 人々は我先にと他の国へ移っていきました
 王国に残るものはカミサマの力を手に入れたと思った愚かな王ただ一人でした


 ――こうして、栄華を誇った王国は一夜にして消え去ってしまったのです」



「ふぅん、なるほどねぇ……」

呪術師ちゃんは、いつものどこか丸っこい印象を受ける声でそんな物語を聞かせてくれた

「故郷から荒野に遠くかすんで見えるんですよ、小高い丘にそれらしい遺跡が残っているのが」

だから興味があって、小さな頃に何回も聞かせてもらったんです――と、呪術師ちゃんは懐かしそうに、そして寂しそうに続けた



……しかし、そんな感じのしんみりとした空気も、周りで「拉致監禁ですー」だの「わわ、王に、強引に……」やら
「強姦だな、強姦ー!」、「ボス! こっちも子作りしようぜ、子作りっ」等と騒ぐ小悪魔達のおかげで台無しである、これは酷い

うん、まぁ独りで隠れ住んでいた呪術師ちゃんには、こんなアホな連中が一緒に居る位で丁度良いのかも知れない
一人だけ騒がずに動いて、誰得ローブの裾から中へ入り込もうとしてくる青色をつまんで放り出しながらそう思った



         ……◇……◆……◇……



「おなかへった」

話が終わって再び騒ぎ出した小悪魔達をぼんやり眺めていると、唐突に赤色がそんな事を口にした
お腹が減る……? ここに来てからついぞ感じたことの無い衝動である
……あぁ、そうか、小悪魔達が関連付けされているのは呪術師ちゃんだから、構造体から存在維持の力が全自動で供給されないのか

「こっちはまだ大丈夫だけど、まぁ減ってるかな?――かーさん、わたし達、先に戻ってるね」

「うん、皆も気をつけてね」

黒色はそう言うと、赤色に手を引かれてどこかに移動していく
戻るって事は呪術師ちゃんの拠点になっている召喚陣の部屋にでも食料が置いてあるのかも知れない
「あー、まってよー」と緑色が二匹を追いかけて行き、「お母さま、主さま、それでは~」と白色が別れを告げる

「それでは、ご主人さま。 失礼します…………かあさまとヨロシクおねがいします」

最後に青色がそんな言葉を残しつつ他の連中の後を追って飛び去っていく
かあさまを、じゃなくて"と"ヨロシクって事は……暗にナニでもしろって言いたいんだろうか
まったく、なんて奴だ……こっちは一々言われなくてもヤル気十分さ!





「…………」

小悪魔達の去った空間に噴水の音だけが流れていく
あれだけ騒がしい連中だと、居なくなった時の落差が激しいなぁ
ここしばらくはずっと一緒に居ただろう呪術師ちゃんも、隣で少し寂しそうにしている

「あー、うん、そういえば……キミやあの連中は何を食べてるの?」

さりげなく肩に腕を回しつつ、気になっていた事を聞いてみると

「あっ……はい。 私は木の実や果物で、あの子達は召喚陣の光を吸っているみたいです。
  前に来て頂いた場所のもっと奥に、色々な実のできる木が生えている場所があるんですよ」

身を寄せてくれる呪術師ちゃんからは、そんな答えが返ってきた……えっ、それだけ?
悪魔は元々あやふやなモノから発生した存在だから問題なさそうだけど
人間の呪術師ちゃんが木の実や果物だけで何年も生きられるものだろうか

「私のお乳が出ればあの子達にもあげられるんですが……」

妙な事を口走っている呪術師ちゃんをよそにあれこれ考えてみる
いくら色々な果物があっても、それだけじゃ人間は生きられないと思う……多分、塩分とか色々足りない
でも、目の前の呪術師ちゃんは健康そのものだ、何となく女のコの状態が解る淫魔の感覚もそれを裏付けている
という事は、呪術師ちゃんも警備員となった魔物と同じように構造体から何らかの補助を受けている?

ふぅむ……呪術師ちゃんが追い出された故郷は、構造体があるこの地方からは遠く南に離れているという話だったけど
話に出ていた紫の輝きは悪魔だけじゃなく構造体の召喚陣が放つ光とも同じだから、何らかの関連性があるのかも知れない
もし話の中の"カミサマ"の一族が構造体の創造主と同じであるならば
人型で、しかも人間と子供もできるような近い種族、あるいは特殊な力のある人間そのものという事になるのだろうか

そして、その光を使う術式にアクセス……操作できる因子を持っていた呪術師ちゃんは、やっぱり――



「あの……悪魔さま、何か」

おっと、新しく入った情報に集中しすぎていたかな
考え込んでいたこちらへと呪術師ちゃんが不安げに声をかけてくる
少し先ほどの様子を思い出して……隣に寄り添っている呪術師ちゃんの腰へ腕を回して、その柔らかな肢体をぐいっと引き寄せて

「ああいや、何でもないよ――それじゃあ、ふふ……さっきの続きをしようか」

声を掛けながら空いた腕を膝の下へ通して、呪術師ちゃんをひょいっと膝の上に抱き上げる
いきなりかも知れないけれど、まぁ良いだろう、不安や寂しさで沈んだ顔よりは愉しんでいる表情を見ていたい



         ……◇……◆……◇……



急な動きに驚いた表情を浮かべる呪術師ちゃんへ顔を寄せて、少し強引に唇を合わせる

「あっ……ンん…………ん、ふ……」

そのぷるんとした弾力のある唇を軽く啄ばむようにしていると、驚きに硬くなっていた肉体から力が抜けるのが感じられた
こちらへと体重を預けてきている呪術師ちゃんのその肉体は心地良い重さと柔らかさを伝えてくる

それにしても、呪術師ちゃんの服はマント一枚しか無いんだろうか
今度三つ編みちゃんが残した荷物から肌着でも持ってきてあげても良いかも知れない
構造体の中は温かくも寒くも無いけれど、流石に布一枚はどうかと思う
擬態の為とは言え、俺でさえ誰得ローブの上にマントを羽織っている訳だし

……あー、でも、三つ編みちゃんの服じゃ胸周りが苦しいかも知れないか
平均よりも恵まれている神官ちゃんや狩人さんでも呪術師ちゃんほど大きくはない
知っている中でその部分のサイズ的に近いのは盗賊さん位だけど、彼女はサラシで押さえてたしなぁ……
かといって戦利品の中に数多くある男性用の着替えを使わせるのは何だか気に入らない

そうだ! 包帯代わりなのか、戦利品の中には清潔な布が沢山あったから、あれを使ってもらおう
ぼろぼろのマントの下、素肌に包帯を巻いた姿……うん、イイね!


「ん…………うぅ、んっ……はぁ」

その服装の呪術師ちゃんを想像してテンションを上げながら実際に手も動かす
マントの合わせ目から入り込み、柔らかな太もも、もっちりとしたおしり、きゅっとしたお腹……そして目的地となる豊かなふくらみへ
腕の中で息づく温かな肉体へとゆっくり指を這わせていく

親指と他の指とで大きく挟むようにふくらみの感触を味わってから
これからの行為への期待か、ツンと立ち上がりつつある先端に親指の腹で軽く回すように触れる

「あぁ……はぅ…………ん…あくまさまぁ……」

呪術師ちゃんは夢見るような表情を浮かべて、甘い吐息を漏らした
突然の行為にも拒む様子は見られない、このコはどんな時でも俺を受け入れてくれるのだろう

その事に内心笑みを浮かべながら、再び唇を触れさせて恋人のような行為を続ける
少し汗ばんだ肉体へ指先をかすらせるようにして、ふくらみの形をなぞり上げ、さわさわと優しくわき腹をくすぐる
腕の中の肉体は、その温度を次第に上昇させていく



そうやってしばらく緩やかな時間を過ごしていると、呪術師ちゃんが太ももをもじもじさせているのに気が付いた

「あ、その……悪魔さま、わたし……」

「ふふ……また欲しくなったのかい?」

頬を上気させた呪術師ちゃんの顔に肯定の意思が浮かんでいるのを確認してから、向かい合ってこちらの膝を跨ぐ形に体勢を整える
誰得ローブの裾から俺自身を取り出して見せつけるようにすると、呪術師ちゃんの喉がごくりと動くのが見えた

「さぁ、今度は自分で入れてごらん」

「……はぁ…………はぁ……はぁ」

熱の篭った呼吸を繰り返す呪術師ちゃんは、潤んだ瞳でじっと俺自身を見つめたまま、無言で膝を立てて肉体を上にしていく

「う、あっ……」

何度か失敗して泉の表層を滑ってしまい、その度にピクンと可愛らしく肉体を震えさせたりしながらも
片手でこちらの身体に縋りつき、もう一方の手で俺自身を支えて、ゆっくりと腰を降ろしていく呪術師ちゃん

既に一度行為を行ったせいか、ずぶずぶと俺自身を飲み込む呪術師ちゃんの泉の中は万全の状態で待ち構えていた
くふふ……自分から動いて入り込むのもイイけど、不慣れな様子の女のコに入れて貰うのもイイものだなぁ
太ももに力を入れて肉体を支えている事で、連動して強く締め付けてくる肉の感触に笑みが零れる


「…………ん、入りまし――あぅっ!」

完全に納まった事で気を抜いたのか、足から力を抜いてしまった呪術師ちゃんの重みが強く俺自身にかかってくる
当然そんな事になれば呪術師ちゃんの肉体の奥深くに刺激が届く事になる訳で、びくりと震える内部の締め付けがきつくなる

「クク、ゆっくりでいいんだ、自分で動いてごらん」

咄嗟にこちらへ縋りついている呪術師ちゃんの耳元でそう囁いてから、ベンチの背もたれに体重を預けて見守る体勢に移る
「はい」と頷いた呪術師ちゃんは、手の平を上にして差し伸べた俺の腕を掴んで安定を確保すると
探るように足に力を入れて、震える腰をぎこちなく前後させ始めた

「うぅ……ふ、あっ…………はぁ……んん……」

前面の開かれたマントからちらちら顔を覗かせて上下に揺れているふくらみや、妖しくくねる紋様の描かれた褐色の肢体
至近距離にあるそんな呪術師ちゃんの姿を見ているだけでも充分に愉しめる
勿論、熱く柔らかい肉の中を動く俺自身に伝わってくる感触は言うまでもない

ふー、ふーっと呪術師ちゃんの口元からこぼれる濡れた吐息、結合部から微かに届く湿った肉の音
二人だけの……と言うには獣達が沢山居るけれど
夜の公園風の空間の中を、それらの音が噴水の水音に紛れるように流れ出していった





「…………」

腰の上で揺れる肉体を感じながら、意識をその奥深く、魂へと集中させていく
先ほどラインを通して行ったものより直接的な、心と肉体が繋がった状態での調査だ

現在感じている快感、肉体のざわめき、小悪魔達への思い、俺への依存……独りぼっちであった寂しさ
呪術師ちゃんを構成しているモノを認識しながら意識の手を深くへ向かわせる
そうしてたどり着いた心の底には……やはりと言うべきか、うっすらと紫色の輝きが存在していた
他の女のコの心にも潜って比較してみなければ何とも言えないけれど、これはほぼ確定か



ひとまずの結論を出して意識を浮上させると、甘い吐息が耳に聞こえてきた

「んっ……あ…………あっ……ふぁ……あぁは」

呪術師ちゃんの方も大分慣れてきたみたいだし、もういいだろう
呼吸と共にリズムをとりながら、懸命に自分の肉体を前後させてくれている様子からそう判断する

「解ってきたみたいだね……ふふ、さぁこっちへおいで」

「ぁ、はっ……はい、あくまさま、私……はぁ、はぁ…ふわふわと……よくて」

荒い吐息の合間に答える呪術師ちゃんのくびれに腕を回して、くっとこちらへ抱き寄せて
密着するふくらみの柔らかさを感じながら唇を深く合わせ、口の中で滲ませた回復薬を喉の奥へと流し込んでいく
最初の時の事を覚えていたのか、呪術師ちゃんは喉へ注がれる液体をこくりこくりと受け入れている

「うん、いいコだ……さて、どうしようかな」

まぁどうするもナニも、今も下半身は深く繋がったままで抱き合っている訳だけど
そうだなぁ……やはりここは、前から思っていたように後ろから愉しませてもらおう
激しくなる形だし、余裕がある内に経験してもらった方が良いに違いない



         ……◇……◆……◇……



「……こう、ですか?」

言われた通りにベンチの上に膝を突いて、片手は座面に、もう片方は背もたれを掴む体勢になってから、そう聞いてくる呪術師ちゃん
狭い場所に乗って少し不安定な体勢でこちらに顔を向かせているからか、目の前に突き出された肉付きの良いお尻がふらふらと揺れている

「そうそう、そのまま……」

そう言いながら、先ほどまでの行為に滲んだ汗で少しひんやりとしているお尻を鷲掴みにして
手の平に感じるたっぷりとした肉の質感を堪能しつつ、俺自身と呪術師ちゃんの泉の位置を調節する

「さぁ、いくよ」

返事は無かった、しかし欲情して行為への期待に濡れている呪術師ちゃんの瞳には、拒むような意思は見受けられない
とろとろと淫らな体液を流している中心へと俺自身の先端を宛がって、ズブリと肉の中へ分け入っていく


「あっ、ハぁぅ…………ッ!」

今までは向かい合った形ばかりで、こちらの向きからは初めてだからだろうか
呪術師ちゃんは背中を反らして、入り込んだ俺自身をきゅうっと締め付けてきた

くく、思っていた通りいい感じだ……俺自身を包む感触にペロリと唇を舐めて笑みを浮かべた
ぼろぼろのマントに褐色の肌、身体に描かれた紋様と、ファンタジー的な要素をふんだんに含んだ姿の呪術師ちゃん
そんな姿の少女と夜の公園、まるで日本にいた頃のような印象を受けるこの場所で、こうして交わっている
さまざまに異なる要素が混ざり合う現状は、何とも不思議な気分を沸き起こらせた

「っ……あぁ、あくまさま…………うぅ、んぁっ!」

ぬかるんだ肉の中を、浅い位置から一気に、勢いよく深みへと入り込んで
それから腹に力を入れて俺自身を持ち上げるようにしながら、ゆっくりと、内部の背中側をなぞり上げるように……

「ン、はぁァ……! ぁ、ぁあぁ……ぅあ、ぁっ……」

持続して伝わる刺激に、ため息のような嬌声を上げている呪術師ちゃんの肉体を、ゆっくりと縦横に揺り動かす
この体勢は男女の交わりの中でも、最も動き易いものかも知れない
こちらだけがそうなのではない、突かれている呪術師ちゃんも動きに合わせてその腰を動かし始めている
完全に同期する事のない微妙な動きの違いが、粘液の中で擦れ合うそれぞれの部分に快楽を生み出していく


「気持ち良いかい?」

目の前で揺れる背中へと、吐息を当てるような近さで問いかける
優しく、焦らすような行為を続けられている呪術師ちゃんの肉体は、ただそれだけの事でもヒクンと反応した

「あぁ……はっ、はい、悪魔さまが……ふっ…深くに、あぁ……感じます」

乱れた吐息の合間にそう言葉を返してくれる呪術師ちゃん

淫魔のモノはあらゆる状況に対応して、女を満足させられる最適な大きさや形に変化する
なので、今のように泉の内部が少し伸ばされた体勢の時でも、奥へと届き難くなってしまう様な事にはならない
呪術師ちゃんの感じている度合いや肉体に合わせて、内部を酷く圧迫する程でもなく、奥まで届かないという事もなく
泉の先を少し押し上げる程度のサイズとなって肉体の奥へと接触を繰り返す

その事が、呪術師ちゃんが上になっていた時との明確な違いとなって強く意識されるんだろう
激しい行為ではないけれど、こちらの腰の先で揺れる褐色の肉体からはトロトロと淫らな体液が流れ出している

「っ! あ……あぁ……はぁぅ……」

垂れていく液体を逆に辿るように、呪術師ちゃんの太ももの内側を下から撫で上げる
腰を突き出す度に、柔らかな皮膚の奥で悦びに跳ねる筋肉の躍動を感じた

深く感じている事にほくそ笑みながら、手はそのまま足の付け根、俺自身を咥え込んでいる泉の縁へ

「ひあっ、あぁあ……はっ…ぁくまさま、そこはぁ……あっ!」

ただでさえ前後する俺自身によって刺激を与えられている部分
腰の動きと共にゆったりとしたスパンで沸き起こる快楽、そこへさらに追い討ちをかける
広げられた泉の形を指で象るようにぬるりとなぞって
今現在は何の刺激も与えられていない泉の上の端、充血してぷっくりと突き出た女の欲望を両側から指先で挟みこむ

「あッ、はぅんんンっ…………!」

その瞬間、呪術師ちゃんが一際大きな声を上げて肉体を反らし、内部の俺自身が強烈に締め付けられた
ぷしゅ、しゅ……とかすかな水音が聞こえて、足の間へやっていた両手が何かで濡れる


……これは驚いた、盗賊さんのように慣れているコならともかく
まだそこまで慣れ切っていない呪術師ちゃんが、ねぇ……このエロい肉体は伊達じゃないって事かな、ふふふ

「イったね」

ベンチの座面に片手を突いて、震える背中に覆いかぶさるようにして囁きかける

「いった……? ――あ……はい、わたし……はぁ、はぁ……わたし、いった……イきました」

呆然としていた呪術師ちゃんは一瞬疑問を浮かべながらも直ぐに我に返って、そう宣言した
他の人間との触れ合いがあまり無かった人生によるものか、その精神にあどけない、幼い部分のある呪術師ちゃん
そんな彼女にこういった単語を言わせるなんて……良いな、背徳感がたまらない、興奮する!

「ふふ、良いコだ……」

可愛い呪術師ちゃんを褒めつつ、尻尾の先から回復薬を呪術師ちゃんに流しかけていく
紋様の描かれた褐色の背中に広がる薄赤い液体が、快楽に疲れた肉体を癒し始める

「あっ、悪魔さま……ありがっ、ありがとう…ございます」

空いていた片手に回復薬をとり、肉体の下に回して柔らかなふくらみを掴む
うはは、元々女のコの胸が一番大きく見える体勢だからか、手に感じるボリュームが凄いね! 指が沈み込んでいきそうだ

そうして、呪術師ちゃんの胴体全体へと回復薬を塗りこんでから、腰の動きを再開させた



         ……◇……◆……◇……



「あっ……あっ、あぁあっ! あぁ、はぁっ……あッ、ふぁ、あぁっ」

先に加速したのは吐息のペースか、それとも揺れる腰の動きか
いつしか、どちらともなく速くなっていった二人の肉体は、肉のぶつかり合う音を辺りに響かせる程になっていた
くんっ、くんっと揺らめく呪術師ちゃんの腰が、内部を突き進む俺自身を奥深くまで受け入れている

じゅっ、ちゅっ、じゅぶ、ちゅぷ……と、連続して淫靡な水音を立て続ける二人の結合部
少し目を上げれば、本能のリズムで腰を手招きするように振る呪術師ちゃんの反り返った背中が視界に映った
二度目で行為に慣れつつあるという事と、先ほど動きを任せていた事の経験からか、呪術師ちゃんは性を味わう事を覚えてきているようだ
くねる肉体に刻まれた紋様が、より淫らに呪術師ちゃんを彩っている

「ふあっ?! あっ! ぁく魔、さまっ…あぁっ! く、ぅンっ!」

両手を呪術師ちゃんの肉体に回して、その豊かなふくらみを揉みしだく
ピンと充血した頂を指で転がせば甘い声が上がり、内部の締め付けが強くなった

ははっ、こうして突き上げながら同時に他の敏感な部分を責められるのも後ろからする利点だなぁ
二重三重に与えられる刺激に、最初は少し不安そうな様子を見せていた呪術師ちゃんも悦びの声を上げてくれている

「はぁっ、あっ……あぁっ! あんっ、うっ、あッ、あぁあっ!」

腰を自由に動かして、思うが侭に濡れた肉の中を抉り、ヒクヒクと震える襞を堪能する
深く打ち付ける度にこちらの下腹部へと触れ、形を変えるふんわり丸いお尻の感触が、堪らない

自らの手で……肉体で、性の悦びを教えた女のコが、その悦びに髪を振り乱して悶え狂う姿
これ程までに男の支配欲を満たしてくれるモノが他にあっただろうか……もう何と言うか、色々と、最高だ!



ぞくぞくと背中を駆け上がる悦びのままに、腰を振り続ける

「あぁっ、あっ! はンっ! んあっ…アっ、あっ、あぁぅっ!」

気が付くと呪術師ちゃんはベンチの背もたれへと縋り付いて、今にも崩れてしまいそうになっていた
いっぱい感じてくれたから限界も近いかな……でも、ここはもう少し頑張ってもらおう
俺自身の前後する動きに連動してぶるんぶるんと激しく揺れているふくらみを強調するように、しゅるりと尻尾を巻いて
たっぷりとした腰も両手で掴み、呪術師ちゃんが倒れてしまわないように支えてあげながら行為を加速させていく

「ふぁっ! ぅあぁ! アっ! あぁッ! ああっ! あーっ! あぁあっ!!」

深く、強く、激しく、終わりを目指して呪術師ちゃんの塗れそぼる内部の先へと攻勢をかける
呪術師ちゃんが上げる甘い鳴き声と、俺自身をきつく包み込み震える内側、その褐色の肉体を愉しみながら
最初の時に忘れていた術式の準備を完了させる……よし、これでOK、後は、このまま――

「アぁっ! ああアあぁあぁーーーーーっ!!!」

天井を見え上げるように肉体全体を反らせて、ガクガクと大きく絶頂を迎えた呪術師ちゃん
熱く震えるその肉の奥の奥へと俺自身を押し付けて……びゅく、びゅくりと、念入りに溜め込んだ術式を一気に注ぎ込む!





         ……◇……◆……◇……





「ふふ、そんなに良かった?」

ふらふらになってしまった呪術師ちゃんの重みを背中に感じながら、以前行為に及んだ召喚陣の部屋……彼女の寝床へ向かう
何か最近女のコをおんぶしてばかりな気がするけど、背中から伝わる感触が最高なので気にしない

背中の腰の辺りに湿り気を感じるのも……気にしない
呪術師ちゃんはマント一枚で、おんぶしている時は前が開いて足の間の辺りが俺に密着しているだろうけども、キニシナイヨ!
例え背負った肉体が下半身をこちらへ擦り付けるように動いていても、そこからにちゃにちゃ音がしても、気にしないのだ!

「ぁん…………あ、はい。 悪魔さま、私……んっ、凄かったです」

耳の直ぐ近くに艶っぽい声と吐息を感じる……と言うか、また明らかに欲情している
うーむ、呪術師ちゃんはエロいなぁ、淫魔の肉体と接触しているせいなのか、エロ教団の教育の成果なのか
本当にもう、ご馳走さまって感じだ




「悪魔さま、今日もありがとうございました。 その……ま、また……」

「こちらこそ、さ。 また今度、一緒に、ね? それじゃ」

送り届けた呪術師ちゃんの寝床で軽く挨拶を交わし、お土産としてリンゴを渡されつつ帰路に着く
というか本当に果物あるんだ……草木が生えてるんだからおかしくは無いけど、何故地下にそんなものを植えたんだろう
構造体への疑問がまた一つ出てきてしまった、俺の人生にはあんまり関係ないけど、謎だ



さーて、どうしたものかな
手の中のリンゴを上に放っては受け止めて、その質感や匂いを感じながら考える

呪術師ちゃんの昔話を聞いても、結局の所あんまり意味は無かった
判った事といえば呪術師ちゃんが構造体の創造主の子孫かも?という程度
構造体にアクセスして自由自在に操作できる、なんて都合良くは行かないみたいだ


俺の目標は自分の生存、これに尽きる、ついでに色々ヤって愉快に生きていられると尚良い
構造体の中にいる限り生存する事にはあまり問題はない
腹も減らないし、怪我も治る、力も供給されれば、存在も維持される

……けれど、それらの要素は構造体から契約によって得られるという所が問題だ
構造体は頑強な造りになってるように見えるけど、それでも完璧じゃない
実際に浅い階層では機能にバグが生じているとの事だし、年月で自然に劣化している部分もある

個人的に拠りどころが一つだけってのは微妙だ、こういうのはもし無くなってしまったら困る
平和な日本に居た頃の経験じゃ困る程度で済んだけれど、今のこの世界では命に関わる事になるだろう
だから、いざという時の保険が必要だ……でも、まだ足りない

少しだけそんな焦りを抱きつつ、手に持ったリンゴを齧ってみる
日本の物と品種が違うのか、久しぶりに食べたそれは記憶にあるものよりも酸っぱく感じられた





 ― リンゴジュース(100%)の成分を記憶しました ―

「ぇぶっ」

いきなり表示が出てきて、変な声を出しつつ軽くむせてしまった
相変わらず空気を読めないシステム?表示である
アクセスコードという手がかりらしきものがある構造体とは違って、こっちは謎のままだ……でも今は良いか、便利なだけだし



考えながら歩いていれば……ぽつり、と三つ編みちゃんの時のように力が少し高まった
あぁ、そろそろ時間か、感覚では日が落ちて少し経った位になっている
先ほども考えていた危険性、一つの力に頼り、それが失われた時にどうするのかという問いには、もう答えが出ていたりする

ぽたん……ぽたん

構造体一つで不安なら、二つ、三つ、沢山の他のモノから力を貰えばいい
好都合な事に自分は淫魔……吸精悪魔で、その方法を持っていたわけで

ぽた、ぽたん……ぽたん

盗賊さんが町まで帰ったのは早くても今日の昼過ぎ位だろうから、まだ渡した粉は流通させていないだろう
これらは以前にその辺の通路へと置いていた粉の方かな
粉を使って今もどこかで行われている男女の営みが、俺の力を高めていく

ぽたん……ぽたん、ぽたん

ははっ、良い感じだなぁ
盗賊さんに渡したものが流通し始めれば、もっと増えるだろう
もう少ししたら、一度外へ出ようとしてみても良いかも知れない

食べ終えたリンゴの芯を、ついて来ている獣達へ投げてやりながら思う





……と、いうか、命の危険とか色々並べてみたけれど
ぶっちゃけてしまえば、中階層に女のコが沢山来てくれれば、居心地の良い構造体から外へ行こうなんて思わなかった
でも来ないんだから仕方ない、多少面倒でも努力せざるを得ないじゃないか!
専門の神官さえもごまかせる俺の擬態なら、町へ行ってもそれ程危険も無い……筈

そうしたら、この手で直接……ふふふ、自由に女のコ達とナニした上で、力の供給も増やせる
まさに一石二鳥って奴だ、これは頑張るしかないだろう

いやぁホント、愉しみだなー









[30317] ・眼鏡と俺と格闘戦
Name: クラクモ◆5e745eb7 ID:3611a5e1
Date: 2013/04/05 02:53
・眼鏡と俺と格闘戦







浅い階層を後にしていつもの中階層担当のフロアへ戻ってくると、目の端に何か動くものが引っかかった
天井の隅の暗がりをじっと見上げてみれば……こんな所にコウモリ?

「いい所へ戻ってきたわ。 ちょっと手伝いなさい」

「ぉわッ! ……って、姐御だったんですか。 何か、問題でも?」

心の中で首を傾げていた所へ唐突に響いた声に少し動揺してしまう……しかし、手伝えって何をだろう
大概の事は自力でどうにかできそうな姐御がわざわざ眷属を通して命令するなんて、かなりヤバい事態なのかな?


「探索者よ、差し迫った危険は無いけれど……このまま逃がす訳には行かないわ」

姐御の眷属であるコウモリに先導されながら状況を聞いていく

姐御とアニキ、狼人君の3人で移動していた時に強い魔法の気配を感じて現場へと直行、5人組の探索者を発見
そこでは魔法使いが帰還用の移動魔法の詠唱を行っていた、と……なるほど
現在は防御優先の立ち回りをしている探索者達を攻めあぐねていて
このままでは前衛を片付ける間に逃げられてしまう可能性が高いのだという

ボス格の強力な魔物を吸血鬼が束ねた我らが姐御グループの存在を人間達に知られてしまうのは面倒な事になりそうで
ついでに複数対象をまとめて移動させる帰還魔法なんて高度な魔法を使える魔法使いは
エモノ的な意味で魅力的であるという点も合わせて、姐御としては逃がしたくないらしい



「だから貴方には最優先で魔法使いの詠唱を妨害して欲しいの――あ、そこの角を曲がった先よ」

細かい説明を受けながら足早に進んでいると行く手から狼人君の咆哮が聞こえてきた
通路を曲がってその場を目に収めてみれば、神官ちゃんが脱出した時の物に似た魔法陣が探索者パーティの足元で輝いている
ぱっと見た感じ魔法陣に篭められた力はかなり強い、この分では何時発動してもおかしくなさそうだ

ふむん、パーティ構成は片手剣と大きな盾を構えた戦士♂が一人に、槍を構えた戦士♂が一人
どっしりと両手斧を構えた小柄でヒゲな……もしかしてアレはドワーフかな? が一人
豪華な衣服を纏った眼鏡の神官っぽい女性が一人と、最後にフードを被って大きな杖を構えた魔法使いの、合計5人かー

「新手!?」

という訳で、お仕事お仕事
横の通路からひょっこり現れた俺に気づいた探索者達が反応しようとする……が、その動きは鈍い
俺は姿だけなら人間の魔法使いに見えるので、咄嗟に魔物かどうか判断できなかったんだろう

その遅れを突いて、あらかじめ用意していた雷撃の魔法を魔法使いに向けた杖の先から放つ!
淫魔の適正としては不向きで、クリーンヒットしても即死するほどの威力は出せない雷系統の魔法だけれど
人間が回避できる速度ではないので命中率だけは圧倒的だ

「あぐっ!」

放たれた青紫の電撃が、術式に集中していて無防備なローブ姿へと真っ直ぐに突き刺さる
魔法使いはくぐもった悲鳴を漏らして、その衝撃に身体を硬直させた


って、あれ……それだけ? 何かの防御魔法を使っていたのかな?
通常なら腕一本位の範囲を火傷する程度の威力はある筈なのに、ビクっと痙攣する程度に抑えられてしまった
どうせ殺せる程ではないからと、フルパワーで撃ち込んでいなかったら完全に防がれていたかも知れない

まぁそれでも、今回のように高度な集中や詠唱を必要とする魔法を妨害する分には充分だったみたいだ
魔法使いの掲げた長い杖から力を送られていた帰還の魔法陣は、不安定に揺らいで真っ黒なナニカへと還元されていく

これでもう探索者達は簡単には逃げられない



         ……◇……◆……◇……



「任務完了ッ!」と言いたい所だけど、元からの人数差もあるから……うーん、この後見てるだけって訳にはいかないか
魔法陣が消えるのを見て一瞬動揺した探索者達も、直ぐさま体勢を整えてアニキ達の攻撃に対応してきている
中々やり手の連中らしい、これは一人位は受け持っておいた方が良さそうだ

そう考えて麻痺薬で作った氷刃の魔法を放ち、魔法使いの完全な無力化を試みる

「シッ!」

む、驚いた事に高級な神官っぽい――司祭さんでいいか、こちらと魔法使いとの間に移動してきた彼女に防がれてしまった
俺に向かって身構える司祭さんの腕からは少し血が滲んでいる
とっさに腕を使ってそれなりな速度で飛んでいく氷刃の魔法を弾いた、のか……? 回復魔法があるからって無茶するなぁ

「目を覚ませっ! 貴方は操られているのだ!」

 ― ターゲット不適合 ―

角と尻尾を隠している俺の事を姐御に操られた人間とでも思っているようで、対峙した俺にそんな事を叫ぶ司祭さん
同時に精神異常を解除する神術もかけてきた……しかし、別に魅了されている訳じゃないので俺に効果がある筈も無い

魔法使いは無力化できなかったけど、姐御と睨み合っていた司祭さんがこっちへ来たのは中々良い状況だ
相性的にもエモノ的にも合っているし、このまま俺が相手をして、姐御には魔法使いへと向かってもらおう





さて、改めて目にする司祭さんは20代の後半へ差し掛かった位の年齢だろうか
眼鏡をしている事と短い髪のぴしっとした姿も相まって、仕事の出来る女上司という感じの印象を受けた
神官職というものは人前に立つ職業であるからか、姿勢が良くてスラリとした佇まいを見せている
肉付きは平均より少し足りない位だけど、キリリと引き締まった表情がたまらない
その時になったらどんな風に この顔を歪めてくれるんだろう……ふふふ、実に楽しみだ


「仕方ない、少し痛い目を見てもらう」

無力化した後の事を思ってニヤニヤしながら杖の先に魔法を浮かべる俺を危険だと判断したのか、司祭さんが身構えて……おおっと!

「ハァ!」

反射的に捻った身体の横を、鋭い呼気と共に風を切る音が通り抜ける

司祭さんは両手を固く握り締めて、こちらへ踏み込むと同時に素早く拳を放ってきていた
魔法を防いだ時に見せた機敏な動きから、もしやと思っていたけれど……この司祭さんはモンクなんだろうか
この姿勢の良さも格闘術を修めているが故にって所なのかねぇ

「……遊んでいる時間は無い。 続けて行くぞ!」

少し離れた後方では、魔法使いが光る壁のようなものを展開して姐御から次々に打ち込まれる魔法をなんとか反らしている
そちらをチラリと見た司祭さんは、数歩下がって間合いを取っていた俺に声をかけると
独特のステップから勢い良く身体を捻って……首を刈り取るような軌道で蹴りを繰り出してくる!

「シッ!」

前衛にかけてあるらしい神術の補助や姐御の手加減などもあって、仲間達が互角に近い戦いを出来ているという現在の状況
それを打開する為に、見た目が一番しょぼい俺をさっさと倒して援護に向かいたいのだろうが、そうはいかない
淫魔の柔軟な肉体を最大限に利用して上半身を屈めてそれを回避し、お返しとばかりに氷刃の魔法で切りつけ、ッ?!

――ベギッ! 


あぶなっ……嫌な予感がしてカモフラージュ用の杖を盾にしたのは正解だった……耳元で聞こえたヤバい音にじわりと汗が滲む

回し蹴りを避けられた司祭さんは、そのまま一回転して流れるように後ろ蹴りを放ってきていたみたいだ
防御した重さと音から推測するにブーツや脛当ての部分に鉄板でも仕込んでいるのかな
見事にへし折れてしまった杖が自分の首ではない事に安堵の吐息が漏れた

「今のを防ぐか、魔道に身を堕とした者にしてはやる」

どうも司祭さんの中では、俺は操られている要救助者から悪魔に魂を売った人間へと悪者ランクがアップしてしまっていたらしい
さっきエロい目で見ていたのが悪かったのかも知れない、でも仕方ないよね、淫魔だもの

にしてもあの蹴りは危険だなぁ……司祭さんの動きを警戒しながら対策を考える
先ほどのような威力を出す為には数歩の距離が必要だろうから、一度懐へ入り込んでしまえば大振りになるあの攻撃は……





……というか、なんで俺は真面目に正面から戦おうとしてるんだ!
映画やゲームで見た格闘戦のイメージに引っ張られてたかなぁ? ああいうものじゃ格闘家の相手は格闘家だったし
うん、今やってるのは試合でもストリートファイトでもないんだから、盗賊さんみたいに道具を使って楽して戦おう


「ひっ、俺の杖が…………く…くるな、くるなぁ」

杖が壊れて情けなく動揺する悪の魔法使い、という風な演技をしつつ後ろに下がっていく
同時に持っていた袋の中から滅茶苦茶にロープや包帯等の道具を投げつけて……最後に麻痺薬入りの瓶を出して投げつけてみる

「無駄だ」

司祭さんの顔めがけて投げつけた瓶は蹴りで簡単に落とされてしまった
飛んできた物を的確に破壊するなんて……何気に凄い、まるでカンフー映画だ

まぁ重要なのは割れた瓶から零れる麻痺薬だから問題ないけどねー、ひひひ
という訳で、先に投げた小物類の上にかかった麻痺薬に意識を集中して――


「諦めろ、もう逃げられんぞ…………っ!?」

通路の壁を背にして座り込む俺へトドメを刺す為に、足を踏み出そうとする司祭さん
しかし、既にその両足首には蛇のように蠢く湿ったロープが絡み付いていた

液体をスライムのように操作するスキルだけじゃ拘束力や強度が弱くて、簡単に千切られてしまうだろうけど……クククク
こうしてロープに染み込ませて操作すれば充分に効果が期待できるってものさ!


「く、何時の間に……卑怯な!」

体勢を崩して倒れた司祭さんは絡みつくロープを外そうとしている、だが生き物のように蠢くそれは簡単には外れない
それに一度絡み付いてしまえば触れた所から染み出す即効性の麻痺薬によって痺れが広がって、身体に力を入れ難くなっていく
司祭さんがどれだけ悔しげな視線を向けてきても、もう勝負は決まったようなもの
追加で用意した眠りの薬を肉体全体へスライムのように這わせていって、近寄る事無く司祭さんの身体を無力化してしまおう

……おおぅ、司祭さんのほっそりとしたスタイルであっても
眠りの薬で湿った服と、締め付けるロープで強調される形となったふくらみは最高にエロいな!

「ははは、良い姿じゃないか」

皮膚からも吸収される眠りの薬が本格的に効いてきたのか、だんだんと動きの弱くなっていく司祭さんを見下ろす

「私、が…負けるわけ……には…………」

声が途切れると同時に、最後まで持ち上げてこちらを睨みつけていた司祭さんの頭がカクンと落ちる、これで無力化は完了だ



余裕が出来たので周囲へ目を向けてみれば、アニキ達は変わらずに戦っていて
連携して戦っている前衛の戦士達3人もまだまだ余裕そうに見える……あ、槍の人は防御に向かないから、少し辛そうかな

しかし、あの拮抗も今掛かっている補助の神術が切れるまでだろう
見たところ衝撃を緩和する術式が掛かっているみたいだけれど、確かあれは効果が強い分持続時間が短い筈
帰還魔法の詠唱を妨害され、司祭さんが俺に倒されてしまった現状では、もう神術の掛け直しは出来ない
残りの魔法使いの方も姐御の魔法に追い立てられて息が上がっている様子が窺える、もう少しで体力や精神力が切れそうな感じだ



         ……◇……◆……◇……



「きゃうっ」

疲労によって集中力が切れたのか、姐御の手加減した魔法が直撃して吹き飛ばされる魔法使い
壁に打ち付けられて気絶したようで、そのままずるずると崩れ落ちて倒れていった
これで二人目、探索者のパーティは残り3人か……にしても、妙に可愛らしい悲鳴だったな、今の



「チッ! 魔物どもがぁ!」

おっと、前衛側でも状況に変化があったようだ
男の叫び声に顔を向けてみれば、防御の薄そうだった槍戦士の人が胸を大きく切り裂かれて倒れていくのが見えた
ついに神術の効果が切れたのかな

そう広くない通路で、3人で連携しなければならないほどアニキ達の攻撃が激しかった事が彼の不幸だろう
槍の穂先で突いて攻撃するのはともかく、重い一撃を防ぐのには柄を横に構えられない状況じゃ無理っぽいし
残りの二人も気合を入れて諦めずに頑張っているけど……これはもう長くないね、相手が弱くなってアニキ達も飽きがきている


一応逃げだそうとした時の為にいつでも動けるようにしていると、斧を大きく振り切ったアニキが半ば背を向けるような体勢を取った
……! こ、これは……アレをやるつもりですかアニキ! 内心わくわくしながら、ぐっと手を握り締める

盾戦士の人は斧での一撃を外したアニキが大きな隙を見せたと思ったに違いない
仲間の復讐だと言わんばかりに大きく踏み込んで切りつけようとする、が……それは間違いだ

「ガッ!!」

あたりにバゴンと響く爆発音のような音、そして重たい物が天井にぶつかり、落下する音
うへぇ……これはひどい
アニキの必殺"後ろ脚キック"を受けた盾戦士は一瞬で5~6メートルはある天井にぶち当たり、そして地面に叩きつけられていた

金属製の鎧にくっきりと残された蹄の跡にぞっとする、あれじゃ衝撃で即死だろうなぁ……まさに必殺
馬なんかの後ろ蹴りはかなり危険という話を聞いた事があったから、この前軽い気持ちでアニキとの会話でネタに出したけど
大柄で金属鎧に身を固めた戦士をあそこまで吹っ飛ばすなんて、ミノタウロスの巨体を支える脚は伊達じゃないらしい


「…………ぅ、ぐ…ゴフッ」

馬鹿げた威力の蹴りで同僚が宙を舞うのを唖然と見ていたドワーフの人
その隙を狼人君が見逃す筈も無く、首元を切り裂かれた彼もゆっくりと膝を落としてその命を終えた
うつ伏せに倒れた、小さいながらもがっちりとした身体の下から赤い水溜りが広がっていく

……流石に血の替わりに酒が流れているような生き物じゃなかったか
あぁでも、もしかしたら何か酒を持っている可能性もあるかも……彼らの荷物をチェックしてみよう





         ……◇……◆……◇……





 ─ エール酒を手に入れた ─

予想に違わずドワーフの人は酒を持っていた
命のやり取りをする危険な場所にまで嗜好品を持ち込んでいるとは、やっぱりこの世界でも歩く酒樽とか呼ばれているんだろうか



「皆ご苦労さま。 さっさと片付けて帰るわよ」

そんな事を思いながら周りを見回すと姐御からそう号令が掛かった
戦利品を持ち帰る量や種類が一番多いのは俺なので
てきぱきと動いて、まだ使用可能な小物や布製品、銀貨等を集めていく

 ─ 種火の小枝を手に入れた ─

20cmほどの形が整えられた棒を手にすると、そんな表示が流れる
んん、これは……魔法のかかった道具なのかな? 簡単な術式が側面に掘り込まれている
火の魔法を使える俺には関係無いけれど、火種を手軽に用意できる魔法の品のようだ
マッチやライターの魔法版という所か、そういえば先日の時に盗賊さんがこんなの使っていたっけ


「ぶるぅ」

おや珍しい、アニキ達も回収ですか? ――なるほど、それは記念に良いですね……あぁその部分はここの紐を解けば外れますよ
盾戦士の着ていた鎧を剥がそうとしているアニキを軽く手伝いつつ話をする
アニキは自分の蹄の跡が残った鎧を、狼人君はドワーフの斧を、それぞれトロフィーとして持っていく事にしたらしい

せっかくだから俺も、うーん……戦士の一人が持ってた槍でも持っていこうかな? 悪魔の武器といえば槍だよね、性的な意味も含めて
そう考えて亡骸の横に落ちている槍を手にとってみる

 ─ 壊れた槍を手に入れた ─

あちゃー穂先が駄目になってるか……まぁ良いや、柄の部分は金属製でまだまだしっかりしている
折れてしまった杖の代わりにもなるし、一応持っていく事にしよう





……

…………

うん、大漁大漁
目の前には使えそうな品物を詰め込んだ袋
今日は温かくて柔らかくていい匂いのする戦利品もあるし、拠点に戻ってからが愉しみだ、うひひ



それにしても……狩人さんの時の経験から、この手のロープ類はイロイロ役に立つだろうと多めに持っておいて正解だったな
いつの間にか頭の中にあった知識を引き出して司祭さんをしっかり拘束し直す

――何故か亀の甲羅を思い出させる縛りになってしまった、適当に知識から引っ張ってきたら……拘束ってそっちか!


そうだ、忘れない内に魔法使いも拘束しておくか
おぉ? 小さい奴だと思ってたけど……フードの奥を覗いたら女のコじゃないか、魔法使いにしては珍しい

そんな事を思いながらも ささっと別の縄を用意して拘束を開始する
しかしこれは……ううむ、魔法使いちゃんの肉体はちょっと起伏に乏しくて、触ってもあんまり嬉しくないね
淫魔の感覚で魔法使いちゃんは20歳前後だと感じられるのに……首元からすとーんと足元まで視線が通る平らな肉体、背も高くない
まぁいいか、どうせ魔法使いだから姐御のエモノだし

ちなみに姐御は欲しい物があったら俺に声をかけてくる位で、基本的に立ったまま作業に加わる事は無い
コウモリを使って周囲の警戒をしてくれているから不満は無いけど、細かい事を手下に任せた姿はいかにも"姐御"って感じだ


よっし、詠唱できないように猿轡も噛ませて……と、ふぅ、拘束はこんな物かな
気絶したままの魔法使いちゃんを担ぎ上げて、同じく意識の無い司祭さんの横に並べて何となく眺める

同じ縛り方だというのに、司祭さんのふくらみに縄が喰い込んだ背徳感溢れるエロエロな姿と
「木切れが邪魔だったので束ねて縄で縛りました」的な魔法使いちゃんの姿……うんうん、これが格差社会か……かわいそうに
司祭さんもどちらかと言うとスレンダーな体形なのに、それに輪をかけてまっ平らとは
魔法使いのイメージは痩せている物が多いけれど、もしかして脂肪を燃焼させて魔法を使っていたりするのだろうか



         ……◇……◆……◇……



「貴方もお疲れ様、今日は助かったわ」

めぼしい物をあらかた回収して、立ち去るアニキ達を見送っていると姐御からそんな言葉がかかる

「お疲れ様です。 いえまぁ、不意打ちでしたしね、楽なもんですよ」

「その割には、そいつから一発喰らいかけてたみたいだけど……」

足元に転がる司祭さんを示して、じっとりと視線を向けてくる姐御
うっ、杖が折られた時を見てたのか、あの時は本当にヤバかったからちょっと恥ずかしい

「い、いやぁ、余裕……そう、余裕でしたヨ?」

「ふぅん? ならいいけど――マ、油断して死なないようにね」



「むぐ…………んむ?」

そんな風に姐御と軽く会話していると変な声が聞こえた

「アラ、お目覚め?」

視線を下に向ければ魔法使いちゃんが混乱した様子で もぞもぞ動いている
そういえば司祭さんには眠りの薬を使ってあるけれど、結局こっちのコには使ってなかったな

「…………っ!? むわー! んむぅー!」

自分を覗き込んでいる人影がさっきまで戦っていた吸血鬼である事に気付いたのだろう
魔法使いちゃんは必死な顔で、近寄る姐御から逃げようと身を捩り始めた

「珍しく当たりを引いたかしら、フフ……この魔力、美味しそう……」

目を細め、ペロリと自らの唇を舐める姐御、その伸びた牙を目にして激しく首を振りながらむーむー言っている魔法使いちゃん
まぁどんなに拒絶しようとも、身動きできない状態から逃げられる訳が無いわけで……


引っ張り起こした魔法使いちゃんの小柄な肉体を後ろから抱えた姐御は、嬲るように細い首筋へと舌を這わせ
恐怖に震えるその表情をたっぷりと堪能してから口を大きく開き――つぷりと牙を突きたてる

「んうッ!?」

と、ここで俺が予想していなかった事態が発生した
首筋から吸い上げられ、急激に欠乏していく力を無意識の内に肉体が補おうとでもしているのだろうか
吸血鬼の口付けを受けて不規則に痙攣する魔法使いちゃんの身体へと、周辺に漂う真っ黒なナニカがぎゅんぎゅん集まっていく!

「ん…………うぅっ……んっ! んぅ…………」

……な、なんかヤバくないですか? 集束していくこの感じ……いまにも自爆でもしそうだ、それか魔砲
力が集まり、呻き声を洩らしてヒクっ、ヒクっと痙攣している魔法使いちゃんの姿に思わず身体が後ずさってしまう

そんな異常事態に対して姐御は……あれ? 気にする事なく普通に血を吸っていた
これといった危険は無いって事?



「…………フゥ」

普段よりも時間を掛けて血を飲んでいた姐御が満足そうに吐息を漏らす
しかし今まで見た獲物達とは違い、吸血を終えても魔法使いちゃんはパサパサの干物になってはいないようだ、一体どうなっているんです?

「フフ……アハハハ! 本当に素晴らしいわ、この子!」

どこか恍惚とした表情で、ぼうっと突っ立ったままな魔法使いちゃん
その隣で上機嫌に、片手で自分の顔を覆ってラスボスっぽい笑い声を上げている姐御
……何と言うか、血に染まった口元もあってちょっと怖いです


「あー、姐御? コレはどうなったんですか?」

「ンフフ、ふふ……  ――んんっ、そうね、説明が必要かしら」

魔法使いちゃんを指差しながら問い掛けてみれば、ようやく笑いをおさめた姐御は軽く咳払いをしてから返事を返してくれた

「と、言ってもそう大したことじゃないわ、前に貴方から受け取った術式を使ってみただけよ」

その内容を聞いて、改めて魔法使いちゃんへと目を向けてみる
俺が女のコとシた時にはあんな風に真っ黒なナニカが集まるような事は無かったけれど……姐御の方で術式を弄ってみたのかな

「ホラ、挨拶なさい」

どこも見ていない瞳で佇んでいた魔法使いちゃんは、姐御からそう声がかかると
ピクリと反応してこちらへ振り向いて……あ、転んだ

そういえば縛ったままだったね、猿轡もかけてあるし

「…………」

ちょっと居辛い沈黙の中を動いて、縄を解いて立たせてあげてみる


「わたしはおねえさまのしもべ、コンゴトモヨロシク」

魔法使いちゃんは何事も無かったかのような様子で、たどたどしくそう言葉を発した
しもべ……下僕かぁ、俺の使っている術式よりも表層意識を支配する効果が強くなった感じなのかな

「……私の事はマスターと呼びなさい」

「ますたーですね、わかりましたおねえさま」

おねえさま、という辺りで少し動揺した姐御の命令にトンチンカンな答えを返す魔法使いちゃん

「姐御……このコ、大丈夫なんですか?」

「エ、えぇ、肉体が上手く動かないのは存在が変えられたショックからくるものだから、一時的なものだけど
  …………どこか失敗したのかしら……」

早口でそう語り、最後にボソっと呟く姐御……聞こえてます、聞こえてますよ!





         ……◇……◆……◇……





そのまま熟考モードに突入してしまった姐御は、別れの挨拶もそこそこに魔法使いちゃんを引き連れて去っていった
新しいお酒が手に入ったから一緒にどうかと思ったけれど……まぁいいか、今日はこっちもヤる事あるし

 ─ 司祭♀を手に入れた ─

よっこらせ、と肩に担いだ司祭さんの温もりと柔らかさを感じてほくそ笑む
適度に鍛えられて引き締まっているスリムなこの肉体を、どうやって愉しもうか

……そうだ、さっきの服が薬に濡れた姿がエロかったから……ふふふふふ





という訳で、特に何事もなく戻ってきました愉しい小部屋
部屋の隅に回収した荷物を放り出して……ってそろそろアイテム類も整理して片付けないと邪魔だな


……うん、めんどいから後でいいや
即座に結論を出して、意識が無くぐったりとした司祭さんを向かいの小部屋へと連れ込む

ここは拠点の部屋と似たような造りの小部屋で、扉の鍵が壊れていたので使わなかった場所だった
しかし、改めて考えてみると薄い結界を扉へ重ねて設置すれば鍵の代わりになる
結界を張ったままでは力の一部が取られっぱなしになるから常用するには向かないけれど、短期間使う分には問題無い

神官ちゃんを逃がしてしまった時の事を考えると、一応帰還のスクロールなんかも確保してある拠点は使えない
そんな理由から今回はこっちを使う事にしたので、魔法を使って水を操り埃を掃除していく
床に広げた流れを一箇所に集めてから元の真っ黒なナニカへと還元、跡には小さな埃の山が残された
これ洗濯とかにも使えるなぁ、魔法便利すぎる


とりあえず担いだ司祭さんを床へ下ろしてっと

「…………ぅ……」

眠りの薬は良く効いてるみたいだ、今のうちに司祭さんをヤり易い形に拘束し直しておこう
手早く肉体全体を縛っていた縄を一旦外し、縄の液体操作や尻尾を駆使して今度は手首と壁にあるレリーフの突起とを結びつける
長さは……つま先がギリギリ床に着く程度の高さでいいかな
Yの字に両手を広げて磔にされた聖職者とナニするなんて……くくく、何とも興奮するネ!

わくわくしながら未だに意識の無い司祭さんに手を伸ばして、防具を兼ねているのか少し丈の長いチョッキのような形状の上着のボタンを外していく
ふむ、これは確か規律の神のものだったかな、上着には三角形に3本の横線が入った紋章が刺繍されていた
そんな事を確認しつつ、開かれた上着の下に残ったブラウスのボタンも全て開けてしまう
少し覗いているおヘソが可愛らしい

狩人さんもそうだったけど、この手触りの柔らかな肌着はブラジャーの代わりみたいなものなんだろうか
思い起こせば今まで見た女のコ達は肌着のみかサラシ、そもそも何も無しかのどれかだった
下半身に関しては現代風のものが流通していても、上半身の下着は無いのかも知れない

さて、お次は下半身だ
腰帯を解いて、少しだぼっとした裾の広いズボンのような装備をずり下げるとスラリとした曲線を描く脚が露わになる
続けて靴を脱がせようと足先を持ち上げてみると、妙に重い
……あぁ、やっぱり中に鉄が仕込んであるのか、そりゃ受けた木の杖が折れる訳だよ

「……ん………………」

物騒なブーツを脱がせ終わり、衣服の前を開かれて下着が見えている無防備な姿を眺めていると、司祭さんが小さく声を発した
もう少ししたら眠りの薬も切れてきそうだ……まぁ、その前に別の刺激で起きるかも知れないけどな!



それじゃ、早速……ひっひっひ

ほくそ笑みながら肌を晒して磔にされた司祭さんの鍛えられたお腹に手を触れさせて、質感を確かめるように軽く押してみる
手のひらに伝わる体温と、女性特有の柔らかな肌の内側に存在している引き締まった筋肉
これならば強力な蹴りを繰り出せるのも頷けるというもの……ははっ、この肉体ならさぞかし他の部分の締まりも良い事だろう

「ぁ………………ぅ……」

そんな事を思いながら手のひらを進め、肌着の上からやわやわとふくらみをまさぐる
揺れるほどには大きく無いけれど、確かに存在する温かな柔らかさ……生理的な反応で薄い布地の下の一部分が固くなっていく
戦闘中の司祭さんからは男勝りな印象を受けたけれど、こういった所はやっぱり女だね、うむうむ

「……んぅ………………ふ……」

おっと、そろそろ司祭さんの目が覚めそうだ、変に抵抗される前に仕込みをしておこう
爪の先から意識して粘度を増したエロ成分を創り出して、司祭さんの上半身へとトロリトロリと塗りこむ

くくく……思ったとおりにエロい仕上がりだ……そう、名づけるなら透け透け裸ブラウス!

裸Yシャツというにはふくらみを覆う肌着が残っているので厳密には違うかも知れない
だが素肌にぴったりと張り付き、その下の形をくっきりと浮かび上がらせた肌着は扇情的で、とてもイイ
これからの期待にイロイロと膨らむというものだ

ぬるぬるになった肉体を服の上から撫で回し、次第に下へ
仕上げに両手で引き締まったお尻をむにむにと弄りつつ、ねっとりと念入りに――



ん? この感じ……どうやら司祭さんは生娘ではないらしい
確かに年齢的に結婚していてもおかしくは無いけれど、その割には男の臭いがしない、少なくともここ数年は男の影は無いっぽい
司祭さんの過去に思いをはせながら、足の間に手のひらを滑り込ませる

「あ……ここは……?」

分泌させたエロ成分が茂みを隠している下着を透けさせる程になった頃、ぼんやりとそんな声が聞こえた
とりあえずそのまま手を前後させてみる、ぬるんぬらりらぬるぬちゃりっと

ふむん、経験があるって事と、数年はヤってない事を合わせて考えると……
司祭さんがまだ駆け出しだった頃に男と付き合っていた? ……少し違和感を感じる
厳格そうな性格に見える司祭さんが結婚以外で異性と関係を持つようには見えない
既に家庭を持っていると考えても、それはそれでこの年齢になってまで未だに危険な迷宮へ出入りしているのは妙だ

「っ! なっ……何っ!?」

敏感な部分に強い刺激を受けて目が覚めたらしい司祭さん、その一瞬に見せた感情の色から、一つの推測が成り立つ

迷宮を探索するには妙に小奇麗で豪華な……今思えば潔癖な印象を与える服装
体術を使うには動きを阻害しそうな、だぼっとした肉体のラインが出ない装備
女性である事をあまり感じさせない、まるで男のように装った容姿や口調
武器が無くても戦える、肉体一つになっても抵抗する手段を失わないその技能

表情から伺えた感情は、恐怖……ははぁん、つまり司祭さんは……

「犯された事があるのか」

口に出した言葉に、至近距離にある司祭さんの肉体がぎくりと硬直する
正解……か、まぁ直前までヤられてて他人のアレが付着したままだったら気になるけど、何年も前なら関係ないな
でも、ふふふっ、これをネタにして愉しむのも面白そうだ

「なっ、何故それを……」

「さぁな、なぜだろうな?」

目が覚めたらドロドロになっていて股間を弄られていた、というアレな状況で何故知っているのかを聞いてくるという事は
余程その時の記憶が強く残っているんだなぁ、もっと現状には色々と問題があるだろうに

適当に返事をはぐらかして、答える事無く行為を続行する
べちょべちょになった下着にひとまず別れを告げて段々と上へ、肉体の曲線をなぞる様にしてふくらみへと向かう

「ぅあっ!? あ……な、くっ、こんな縄でっ」

エロ成分で濡れた上着が、手の動きに応じて司祭さんの素肌を刺激する
その感触を受けた事で拘束されている自分に気づいたのか、逃げようと腕に力を篭めている司祭さん

「無駄だ、魔法がかかった縄だからな。 さっきも見ただろう?」
 
引き千切られる事は無いだろうけど、一応はったりをかましておこう、疑う事に慣れてなさそうな司祭さんには効くだろうし
こういうのは一度「この縄は切れない」と思わせてしまえば意外と効果がある、人は無駄だと思った行動は続けないものだ


それにしても神官系統の人は集中力が高いというか、まわりを見ていないというか……
濡れた肌着にふくらみ全体の形が浮かんで見えてしまっているという、無防備な自分の姿に気が回らないんだろうか
俺の息遣いだって近くに感じているだろうに……うん、ここは一つ自分の現状を教えてあげないとね!

狙うのは、眠っていた時に受けた刺激によって肌着を内側からツンと押し上げている、慎ましやかなふくらみの頂
透けた服の上からその先端を捕捉して吸い付こうとする、しかし肌着の厚さがある為か上手くいかない

……でも、それでいい
ヌメリを帯びたエロ成分のおかげか、充血したそこがつるんと口から逃げてしまう度に
お尻を掴むようにして押さえつけている司祭さんの背中には、クっと力が篭るのが感じられた

「あッ……やめ、やめないかっ!」

自分がどんな状態か、やっと把握しきったのかな……ははっ、何しろこうして襲われる事の"経験者"だ、理解するのも早いだろう
司祭さんは切羽詰った声を上げて、胸元の俺へと眼鏡のガラス越しに鋭い視線を向けてくる
まぁそんな風に怖い顔をされた所で、武装解除されて両手を拘束された状態ではこちらの嗜虐心を煽るだけなんだけども

勿論司祭さんの言葉を聞き入れる事はしないで、次は放置していたもう一方の先端へ
胴体を捻って逃げようとする所を追いかけて吸い付き、同じように硬くなったそこを弄ぶ

「このっ! ……く…………んぅっ、身体が……」

舌のざらつきを肌着越しに伝えるように、硬く自己主張しているそこをゆっくりと舐め上げると
司祭さんは思わずといった様子で噛み締めた奥歯のさらに奥から小さく声を漏らした

「どうした? くく……感じて、火照ってきたか?」

「っ……け、けがらわしい」

反応してしまった自分を恥じたのか、そっけなく言葉を返した司祭さんが顔を背ける
しかしその刺激を受けている部分がツンと立ち上がって反応している事実は変わらない

神官ちゃんの時と同じ様に、信仰心に支えられた意識がどれだけ耐えられても、その肉体は正直だ
熱い時には汗を滲ませ、寒いときには鳥肌が、痛みを受ければ強張って……女としての部分を意識してしまえば欲情してしまう
男に組み付かれ、素肌を弄ばれている自分に司祭さんは気づいた、認識してしまった

そうして、その現在へと囚われていく

「汚れるということは、綺麗なモノにしか起こりえない」

言いながら、最初に口を付けた側のふくらみへと移り、小刻みに吸いついてちゅっちゅっと音を立てる
吊り下げられて爪先立ちになっている司祭さんの脚が、その度にふらふらと力無く揺れ動き
刺激に強張る司祭さんの肉体にじんわりと熱が広がるのが、押さえつけた両手に感じられた

「うっ…………く、ふ…………はぁ……」

女性を女に……雌に、淫らに創りかえてしまう淫魔の体液が、もうそろそろ本格的に効果が出てきた頃である
それをたっぷりと塗り込められていたふくらみの先端は、より強い刺激を求めるかのように存在を主張していた
一度目に吸い付かれた時よりも、二度目、三度目……皮膚に染み込んだ背徳の成分が、順調に司祭さんの肉体を狂わせていく

「なぁ、アンタはそんなに綺麗なモノだったのか?」

「くぅ……私は……キサマ等のような、っ……下劣な、欲望など…………ひあっ?!」

途切れ途切れの言葉を遮るように、先ほど塗りこんだエロ成分と……それ以外の液体とでねちょねちょになっている足の間へ
濡れた下着の中……熱の篭るそこへ片手をぬるんと滑り込ませて、軽く指先を動かす
僅かに動かした、ただそれだけであるのに、司祭さんは声を裏返らせ、跳ねるようにヒクンと背中を反らせた

「下劣な欲望、ねぇ? ハッ、それなら……これはなんだ? 綺麗な欲望とでも?」

顎を引き、お腹に力を込めて声を堪えている司祭さんの様子を鼻で嘲い
粘液に塗れた指で縁をなぞるようにしてから、泉の中心やや下側にある入り口へとあてがう

司祭さんの顔色が変わった

「よせっ、このような事……間違っている!」

「間違ってなんかいないさ。 弱肉強食がここの法……そして、アンタは負けたんだからな」

慌てた様子の司祭さんに視線を向けながら、言葉と共に……泉の中へぬちゅうと、指を一気に沈み込ませる
犯されたという過去により性的なもの全てを忌避していたのか、司祭さんのソコは男を知らない少女のように強い抵抗があった

「ひぅ、ぁ……あぁ……」

司祭さんが恐怖の色を含んだ短い悲鳴を上げる……同時に、その表情には僅かな戸惑いが覗く
呪術師ちゃんがそうだったように、初体験時と2度目では感覚がかなり違っている筈である
薬によるものとは言え、これだけヌルヌルになっていれば尚更その差は大きくなるだろう

「アンタが昔どんな風に犯されたか知らないが、安心しろ」

これは正しい事だ――そう告げて、行為を続ける
ふふ、昔の事を忘れる位に愉しませてあげるさ



         ……◇……◆……◇……



「っ! ……ぁ……ふ…………っく、ぅうぅ……」

片手で泉をかき混ぜつつ、ヌメってつるんと逃げるふくらみを唇で追い立てて、二箇所を一度に責めたてる
淫魔の体液によって増幅された快楽を受け、必死に口を閉じて声を堪えている司祭さん
濡れた衣服がくったりと脱力した肉体に張り付いて、何とも色気のあるイイ姿だ

もうそろそろ本格的に頂いても良いかな
びんびんになっているふくらみの先端をれろんと舐め上げて、その拍子に泉の中の指が締め付けられるのを感じながらそう思う
服の裾から覗く司祭さんの健康的な肌もすっかり桜色に染まり、更なる悦びを求めているように見えた

「どうだ、気持ちいいか?」

一旦手を止めて話しかけながら、さりげなく司祭さんの両足の間へと立ち位置を変更する
行為を始めた頃はぎゅっと頑なに閉じられていた彼女の膝は、軽く押しただけで俺の肉体をその内側へと迎え入れた
ぬちゅりと泉から抜いた指から粘液が糸を引いて、ふつんと切れて垂れ落ちる

「こん、な事が、正しイっ……等と」

「あぁ、そうだ。 クク、ただ賊に犯されるのとは、全く違うだろう?」

乱れた呼吸を整えようとする合間に、途切れ途切れに話す司祭さんへとそう言葉を返す

まぁ本当は全く同じ事だけどネ!
正当性を主張するのだって、規律の神に仕えている司祭さんの精神的抵抗を少しでも減らせるかもってだけだし
でも、おそらく初めてをロクな愛撫も受けずに奪われたであろう司祭さんにとっては
こうして感じるように肌をまさぐられて、薬によって欲情させられた上での行為は随分と違ったモノになる筈だ

「お前は今正しい事をしているのさ、だから痛みなど感じない……それを、これから証明してやろう」

ローブの裾から露出させた俺自身を、ずり下げられ伸びきってしまった下着と泉の隙間へと差し入れて、位置を整えて、そして……

「……っ!? 嫌っ、いやだっ……それは、やめてくれっ!」

会話に気をとられていたのか、泉の入り口へ宛がわれた俺自身にようやく気づいた司祭さんが怯えた様子で暴れ始める
そんな事を頼まれても止める訳が無い
柔らかな女の肉体に触れて、その匂いを嗅いで、俺の方だってすぐさま愉しみたくて仕方がない位に興奮しているのだ
痛みを感じないように、事前に可能な限り泉をほぐしていた事に感謝して欲しいもんだよ

と、いう訳で……いただきまーす


「あっ……あ゛ああああっ!!」

半分ほど暖かいヌメリの中に入り込んだ時に、司祭さんがいきなり叫び声を上げた

あー、びっくりした……にしても、今までヤった女のコ達とは反応がかなり違うなぁ
そう思って意識を向けてみれば、どうにも司祭さんの様子がおかしい

「やだ、やめて…………うぅ、痛いのは……」

司祭さんは虚ろな瞳からぽろぽろと涙を零しながら、さっきまでとは随分変わった口調で訴えてくる
先ほど暴れた時に外れてしまったのか、眼鏡の無くなった素顔と相まって、まるで別人になったみたいだ

「ぅ……ぐすっ……いたいの、ぃやぁ」

あら、あらららら……何だろうね、この状態
司祭さんは細かく震えながら肉体を丸めようとして、しかし拘束されているのでそれは叶わずに、ただひたすら怯えている

心に負っていた傷のフラッシュバックみたいなもんなのかなぁ、精神が退行しちゃってるみたいだし……
まったく酷いもんだ、よっぽど酷く痛めつけられて、乱暴にされたんだろう
個人的に行為の時には女のコの方も悦んでくれないと愉しくないので、何とも場違いな怒りが湧いてくる
捕まえて無理やりヤろうとしている俺が言うなって話だけども

まぁ、結局スる事には変わりないし……と、途中で止めていた腰をずいずい前へ進める
司祭さんもまだ女盛りだってのに、エロを嫌ったままなのは勿体ない、是非とも好きになってもらわないと……ね、ふふふ


「あゃ……うあ、わぁあ……」

初めてではない成人した女性がこれだけトロトロになっているならば、痛い訳がなかった
身構えていた司祭さんも、予想していた感覚との違いに変なうめき声を上げている

そのまま、痛みが無い事を司祭さんへ理解させるように、ゆっくりと数回腰を突き上げる
腰を引く時、引き止めるように強くなる締め付けに思わず笑みが浮かぶ
ははっ、肉体の方は素直なもんだ、エロ体液の効果もあるだろうけど、もう馴染んできているみたいだ

「ひぅ、う…………んっ……ふぁっ」

肉体の深い部分に発生した熱が伝染して、ゆるやかに喘ぐ司祭さんの頬がだんだんと桜色に染まっていく
眼鏡と共に強さを装っていた意識から仮面が外れてしまったのか、実に素直な反応で、可愛らしい
丁度良い、このまま一気に畳み掛けていこう

頼りなく揺れるくびれを支えていた両手を動かして、張り付いた肌着の下へ入り込ませ
前後する腰の動きに合わせるように、液体に濡れた素肌の感触を愉しみながら肌着を少しずつたくし上げる
肌着の下から顔を覗かせた桜色のソコは、出番を待ち焦がれていたかのように上を仰いでいた


「うわ……あぁ、んぅう…………くは、あっ!」

ふくらみを、中央に寄せるようにしてにゅむにゅむと軽く揉んで……続けてその頂を指で挟み、軽く動かす
弾けるような吐息を漏らした司祭さんの反った肉体の奥から、嬌声と同時にねっとりとした液体が新しく溢れてくる

くくくく、司祭さんはもっと激しいモノをお望みらしい
突き入れた俺自身に絡みつく べったりと濡れた肉の襞、先ほどまで男を怖れていた女の部分は
今ではもっともっとと求めるように強く包み込んできていた

「あぅっ……あっ! ……だめ、まっ、待って!」

次第に強くなっていく行為によって生み出された未知の感覚に不安を覚えたのか
息を乱した司祭さんが懇願するように話かけてくる、でも……

「待たないさ。 オマエも、そうだろう?」

「やっ、あ……あぁっ! やだぁ、私っ、変にな――あンっ!」

会話の途中で、ふくらみの頂をぴんと指で弾いて司祭さんの言葉を封じ
それを皮切りに腰の動きの速度を上昇させて、更なる悦びを掘り起こしていく
口ではあれこれ言っていても、唯一自由に動かせる司祭さんの脚は
さっきからこちらの腰へと内ももをすり寄せてきている訳だし、本心では異論も無いだろう

「くぅっ! うぅ……あっ、あぁ……あぁあっ!」

繰り返される突き上げと、それによって揺れる控えめなふくらみ
淫魔の体液に濡れてぬらりと光を照り返すそこに触れれば、その硬くなった先端が動きにつれて手のひらの下でコリコリと転がる
上下に擦り合わされて蓄積される快感に、耐え切れなくなった司祭さんが喉を晒して反りながら大きな声を放ち始めた

「気に入ったか……いつでもイっていいぞ」

後ろの壁との間に挟みこまれ、逃げ場のない司祭さんのお腹の中をぐりぐりと押し上げて
潤んでのぼせたような表情を浮かべた瞳を至近距離で覗き込みながら声をかける

「ふぁ、あっ……ぁ……ゃめ、違っ! ンっ、んん……い、あぁッ!」

司祭さんはふるふると首を振ったり喘いだりと、イロイロ大忙しだ
そんな風に混乱している所へ顔を寄せ、頬に口付けをしてから優しく囁く

「痛みは、無いだろう? だから、拒む必要は無い」

司祭さんが冷静な時ならおかしいと、馬鹿な事をと一笑に付しただろう理由にもなっていない理由
でも、ふふふ……交わった肉体の奥を押し上げつつ、表情に出さないようにしながら心の中で嗤う
どんなに固い信念を持っていても、男に犯されている時に冷静でいられる訳が無い、俺が冷静でなんて居させない

腰をゆっくりと引いて、また押し込みながら、司祭さんの耳元で言葉を続ける

「さぁ受け入れろ……それが秩序だ」





         ……◇……◆……◇……





「ん、ンっ! あ……あっ、あッ! くぁ、あっ……あぃっ!」

吊り下げられた司祭さんの重みを押し上げるように腰を突き出す
俺自身に感じる濡れた内部の奥底をトントンとノックすると、肘の上へ抱えた片方の脚が応えるようにヒクンと宙を蹴る
二人の結合部から零れた液体が、足元の床に水溜りを作っていく

はっ、はっと半開きの唇から熱い吐息を漏らす司祭さんからは、恐怖や怯えはもう欠片も感じられない
淫らに火照ったその肉体は、性の衝動を顕にして入り込む雄に悦びの声を上げている

「ククッ、いいぞ……覚えておけ、これが、正しい感覚だ」

きゅうきゅうと強く締め付けられる俺自身にほくそ笑みながら、司祭さんの引き締まったお尻を持ち上げるようにして抱き上げる
こうすれば、少し調節するだけで全体重を二人の結合部に集中させる事ができるだろう

「つぁっ! あっ! あぁ……ぉくっ、奥がぁ!」

最初の時の経験によるものか、それとも格闘技を修めているからか、司祭さんは少々乱暴な方がイイらしい
腕の動きと合わせて勢い良くその深みを突き上げてみると、持ち上げられた肉体全体が大きくガクンと震えた……軽くイッたかな?


よし、ちょっと腕が疲れるけどこのまま一回目と行こう

「ひっ、くぁっ! あっ! あくっ! うぅうっ!」

肉体全体を持ち上げて……そして突き出した腰の上へ落とすように腕を動かす
ずんっ、ずんっと女の中心を激しく強く貫かれる司祭さんは、その度に見上げるように首を反らして自らの悦びを表現している

そうして、司祭さんの内部は貫く俺自身を奥へ奥へといざなうように蠢き始めた
こちらの腰を逃がさないと言わんばかりにがっちりと挟み込んだ司祭さんの脚
大きな上下運動に揺れ動くふくらみの間を、汗が線を引いて流れ落ちていく

「ふぁっ……あぁっ! ひぁ、あっ! あぅっ! あぁあっ!」

吊り下げられた腕と、俺に抱え持ち上げられた下半身
その間で、司祭さんの腰が風にあおられた布のように滅茶苦茶に振り乱されて、しなる
きつく締め付けられた内部の接触が強くなり、連鎖的に更なる快楽を生み出す

「あ…はっ! うぁっ! あっ! あぁっ! あーっ! あーっ! あアぁっ!」

欲情に染まり切った高い声、快楽の頂点はもう目前だ
こちらも根元まで一気に俺自身を突き入れ、さらに押し付けるように力を篭めて――

「ぁぐッ! くぁ…アあぁっ、ぁあぁああっっーーーーー!!」

ついに絶頂を迎えて全身を痙攣させる司祭さんの胎内……その最奥の壁を強引に抉じ開け、奥の先へと術式を注ぎ込む!!





         ……◇……◆……◇……





「……かッ! は……く、かふっ……はっ……はっ」

おうふ……ちょっと調子に乗ってヤり過ぎてしまったようだ
ほぼ初めてと言っても良い行為だし、あんなに奥まで入れてしまうのは無理があった気がしないでもない
ぐりんと白目を向いて、ヤバ気な呼吸をしている司祭さんを見やりながらそんな事を思う

事後に、行為の跡を残して艶っぽくクタっとなった女のコを観賞するのが密かな楽しみだけど……流石にこの顔だとちょっと怖いよ





ま、良いか!

気分を切り替えて、意識を司祭さんの中に打ち込んだ術式へと傾けていく
うーん、予想通りというべきか……神官系統の職という事もあって、神官ちゃんほどでは無いにせよ壁があるなぁ
神官ちゃんはヤったら防御が外れたから楽だったけれど、この分では何日か時間を掛けないとならない感じだ

結論が出た所で、ずるんと繋がったままでいた交わりを解いて肉体を離す
続けて意識を失って縄にぶら下がっている司祭さんへと睡眠薬に弱体の薬、加えて念のために回復薬を打ちこむ

む、縄を外す前に寝床を用意しないと駄目か……隣の部屋から余っている毛皮を持ち込んで適当に敷いてっと
うむうむ……頷きながら縄を外した司祭さんの脱力した肉体をごろりと横たえる
そうだ、多少とはいえ術式が通っているから多分もう必要無いけれど、雰囲気作りに後ろ手に腕を縛っておこう
ただ寝ているだけよりも拘束されてた方が何かエロいし

こうして……上半身に肌蹴た上着だけを纏って腕を拘束された司祭さんが完成した
くくく、これで次の時もたっぷり愉しめそうだ



それはさて置き、後は……まぁその都度準備したらいいかな、戦利品の中に数日分の保存食はあった筈だし、水は創れるし
頭の中で予定を確認しながら部屋を出て、扉を結界で封鎖する

さて、姐御に頼んで仕事を休ませてもらわないとな……ふふふふふ









[30317] ・始まる休暇と俺と半分
Name: クラクモ◆5e745eb7 ID:883cf583
Date: 2013/08/25 21:27
・始まる休暇と俺と半分







「姐御ー?」

姐御の隠れ家の前、一見何も無い壁に向かって声をかける
普段は通気口から出入りしていると言っていたし、ここからでも声は聞こえる筈だけど……姐御の返事は無い

しかしこれ、壁に向かって話しかけるって横から見たら相当変な人ではなかろうか





いつもの溜まり場は無人だった
まぁメンバーが揃っていたとしても元々人間は一人も居ないけれど、今日は普通に誰も居なかった
そろそろ集合時間なのにと疑問に思いつつ、姐御の隠れ家までやってきてこうして呼びかけてみても返事は無し、どうやら留守のようだ


念のために真っ黒なナニカにアクセスしてチェックすると……どうやら近くには居ないらしい

「……んー?」

とりあえず居ないのは置いておくとして……アクセスした真っ黒なナニカがどこかざわついている感じがする
今まで感じた事の無い感覚だけれど、もしかしたら"再生"が本格的に始まっているんだろうか
でもって、その為に警備員の動きも何らかの変化をしていて、姐御達はどこか別の所に集まっていたり?

ううむ、溜まり場が集合場所になっているのは単に地理的な利便性によるものだから、構造体のあれこれに関して意味がある場所じゃない
となると……候補は召喚陣の部屋、かな? 他の拠点っぽい場所に心当たりなんて無いので行くだけいってみよう



当面の目的地を設定して、首をコキコキ鳴らしたりしながら召喚陣の部屋を目指して通路を歩いていく
昨日は自由時間の半ば過ぎ位に戦闘を行って、それから司祭さんとにゃんにゃんしていたのでほぼ徹夜状態だ
悪魔ボディのおかげで体調に問題は無いけれど、昔の習慣のようなものか何となく気だるい

いつぞや俺の小部屋の位置を姐御に知られた時のように、姐御側のラインも開いておいてくれたら居場所が判るのになぁ





……

…………

「姐御、ここに居ましたか」

予想通りと言うべきか、召喚陣の部屋の扉をくぐるとそこには捜し求めた姐御の姿があった
姐御はこちらに身体の側面を向けて立ち、部屋の中央奥にある召喚陣へと視線を送っている



「お姉さま駄目でした。 陣の形から術式の構造はある程度推測できますが、干渉は弾かれてます」

呼びかけに反応してこちらへと視線を向けた姐御に用件を伝えようと口を開いた所で、聞き慣れない独特な声が部屋の中に響く
種族の変化に伴う肉体の不具合が終わったのか、先日とは打って変わって理知的な様子の魔法使いちゃんの登場だ

「そう……駄目で元々だったからそれは良いわ。 ――あとお姉さまは止めなさい」

干渉を弾かれる、ねぇ……やっぱりアクセスコードが無いと駄目なのかな
何故か直っていない呼び方から始まる二人の掛け合いを眺めつつそんな事を考えていると、姐御がこっちへと向き直った

「それで、貴方の方は何の用事でここへ来たの?」

「いえその、ここにというか姐御に用事だったんですが……2~3日仕事を休んでもいいですか?」

司祭さんをオトす為に愉しむという完全に個人的な用事なので、おずおずと切り出してみる
すると、姐御は何かに気づいたそぶりをみせて口を開いた

「あぁ……貴方には伝えて無かったわね。
  この子から聞いたのだけど、"再生"が終わるまで他の探索者は来ないらしいわ」

隣にやってきた魔法使いちゃんを示しつつ、そんな事を言う姐御

魔法使いちゃんが補足してくれた内容によると、彼女や司祭さん達が所属していたパーティは
一般探索者の立ち入りが禁じられる"再生"前後の構造体を調査する特殊な依頼を受けて動いていたのだという
彼女達は"再生"前に入ってきていた最後の探索者パーティだった訳で、そしてそれは昨日全滅してしまった
探索者が居なければ警備員の仕事も無い……という事で、しばらくは溜まり場へ集まる必要もないらしい


つまり……そう、狼人君が召喚されるまでの日々と同じように、有給休暇の始まりだ!





         ……◇……◆……◇……





「ン……悪くないお酒ね」

大きめのコップに注いだエール酒をぐびりと豪快に呷って感想を述べる姐御
気がつけばちろちろと揺れるロウソクの灯りで照らされた姐御の部屋の中、絨毯の上に三人座って酒盛りを行っていた

「このワインも美味しいです」

魔法使いちゃんもそう言いながら、前回姐御と飲んだ時の中級ワインをコクコクと一口ずつ区切るように傾けている



許可を取ったらまた小部屋に戻ってイロイロしようと思っていたのに……どうしてこうなったんだろう
休暇と聞いて開放的な気分になり、手に入ったエール酒の話題を酒好きな姐御にしてしまったのが悪かったのかも知れない
味見をした姐御の命令であれよあれよという間に、魔法使いちゃんの転移魔法まで使って部屋に移動をして宴会に突入してしまった

縛って部屋に放置してきた司祭さんの事が少し気にかかるけど
慣れない行為に大分お疲れの様子だったし、半日位は寝たままだろうから……まぁ扉の結界を維持している限りは大丈夫かな


「これは色々とツマミが欲しくなる味ですねー」

女性の部屋だからか、漂う何ともいえない匂いに ぽわわんとしながら常時持ち歩いている人間擬装用の荷物を漁る……お、あったあった
保存がきく塩漬けの干し肉を一欠片取り出して齧って、口の中に残る塩気をエール酒で流す、うむ美味い

と、不意に手元から干し肉の感触が無くなる

「んぐっ……んん、確かに合うわね。 さぁ、次よ」

姐御が奪った干し肉を片手に満足げな様子でエール酒のおかわりを要求してきた
既にもう間接キスを気にするような間柄じゃ無いけれど、何と言うか……姐御はアルコールが絡むと豪快さが増すような気がする
とりあえず干し肉は包みを開いて真ん中にでも置いておこう

「いただきます」

魔法使いちゃんが礼儀正しく言って干し肉に手を伸ばした
ワインと塩っぽい肉って合うんだろうか……いや、ステーキとワインの組み合わせがあるんだから、有りかな?
他に用意できる物もないし、味の相性を考えても意味が無い気がしないでもない





「――ていたのよ」

「なるほど、それで三人で居たんですか」

どうやら昨日の姐御達は、先輩も探していた箱を求めて他の場所にある召喚陣の部屋を回っていたらしい
この姐御の部屋に豪華っぽい小物が沢山あるので、長年の習慣的に品物を集めているんだろうか


うーん、なんだかんだで もう一時間位は飲んでるなぁ
ぽつりぽつりと言葉を交わしながら、稀にお酒を注いだりしながらゆっくりとした時間を過ごす

良いね、この空気……身内の飲み会みたいな?
男と女の二人で飲むとなると色っぽい印象になるけれど、3人だとまた違った気安さがある

「あぁ、そういえばこんなのも覚えました」

酒が回ってきたのかふわふわとした気分でそう言いつつ、新しいコップを2つ用意して、リンゴジュースを注いでみる
コップを受け取り、中身を口に含んだ姐御は意外そうな顔つきで口を開いた

「へぇ? 果物なんてよく手に入ったじゃない」

「ええ、先日浅い階層で手に入れたんですよ」

上の階層に行くのがもっと楽になればいいんですけどねー、なんて軽く愚痴を言ったりしながらコップを傾ける
興味がある様子の姐御に対して魔法使いちゃんはジュースにこれといった反応をしていないけど……まぁ当然か、この前まで地上に住んでいた訳だし



……あ、あー……浅い階層と言えば嫌な事思い出した
せっかく苦労して覚えた通路も"再生"始まったからもうほとんど役に立たない知識なんだよなぁ、くぅー
やりきれない思いを流す様に、コップの中身をぐびりと呷る

移動にかかる時間も自由時間の少なくない割合だし……あー、もっと楽したい
とりあえず今後浅い階層でナニをするにしても、この移動時間がネックだなぁ
6本足の獣達は乗って移動できる程大型じゃないし、獣人さん達に背負ってもらっても別に速くない
ついでに動物の毛皮は見かけるのに騎乗に適した動物は見かけた事が無い……あれ、むしろ俺が騎乗される動物? もちろん性的な意味で

「外に行ければなぁ……」

多分淫魔のぱぅわーで女のコ達をより取り見取りだろうってのに……


酔いが回ってきたのか、思わずここ最近ずっと考えている計画がぽつりと口から零れていた

「ふぅん、外に、ねぇ……?」

くぴくぴとコップを空けていた姐御が視線を宙に彷徨わせてこちらの言葉を繰り返す
む、ちょっとヤバかったかな? 姐御の性格的に「職場を放棄するのか? よし死刑!」みたいな展開にはならないと思うけど
今後の展望を口に出したのは初めてだったな……反応が気になって意識を向けると、姐御は俯いて何事かを呟き始めた

「……やこのコ……光に弱…………理だけ………魔なら……」

なんだかぐるぐるとした目つきで、考えをまとめるようにぶつぶつ言葉を発している姐御

「あの……姐御?」

「……地上……報や品……得られ…………良いわね――貴方、この子を抱きなさい」

顔を上げた姐御は、隣に座って無言でワインを空けていた魔法使いちゃんの肩に腕を回しながらそんな事を言ってきた



「は?」

ほわっつ? どうしてそんな結論に? いやこの場合は、Why?
いきなりの話に混乱していると、フラリと立ち上がった魔法使いちゃんが寄ってきて、ぽすりと無造作にこちらへと倒れ掛かってくる

 ― 半吸血鬼♀を手に入れた ―

あぁ種族はそうなったんだ……にしてもこのコ、小柄だからぐにゃんと体重をかけられても重くは無いけど……これは相当酔っ払っているな
静かに飲んでいたから量は少ないかと思っていたのに、かなり飲んでいたみたいだ

「お姉さま、抱かれました」

支えた腕の中から姐御に対して得意げに報告する魔法使いちゃん、驚きの急展開である
うん、それは違うんじゃないかな? ほら、姐御もやれやれって顔をしているし……

「はぁ……そういう意味じゃないわ、男と女の……セックスをしなさいと言っているの」

訂正されて、自分の勘違いに気づいた魔法使……もう種族が変わったからハーフちゃんと呼ぼう、彼女が羞恥に赤く染まる

「解りました、セックス、っ?!……します」

そして、反射的に命令を復唱したタイミングでその内容に理解が及んだのか、ハーフちゃんの顔がさらに別の意味で真っ赤になった

あまり自発的に話す事をしないで淡々と応答しているけど、別に感情が抑制されている訳ではないんだなぁ
しかし、だからと言って姐御の命令に抵抗するつもりも無いらしく、立ち上がってフード付きのローブを脱ぎ始めるハーフちゃん


……うわぁ、流石はハーフちゃんだ、20才位の筈なのにドロワーズが良く似合ってる

「えー、その……ヤるんですか?」

ある意味健康的なその姿に視線をやりながら何となく躊躇している俺

やっぱりこういうのは襲うにしても、いちゃいちゃするにしても、それ相応のムードが欲しい
多分ハーフちゃんが使える移動魔法を表に出たがっている俺に覚えさせて、地上の食べ物を嗜好品として供給させようって事なんだろうけど
こう、実利的に必要に駆られてこなすってのはどうにも……

「何言ってるの、貴方淫魔でしょう?」

そんな俺に対して、姐御は「良いからさっさとヤれ」とばかりに誰得ローブを脱がしにかかってくる
何気に姐御も酔っ払っているんじゃなかろうか、思い起こせば前に飲んだ時も、しばらく飲んだ後で急にエロく積極的になっていたような
あーでも……あの時の姐御は可愛かったから良いや、許せる

「ひゃうっ、おね…おねえさま……」

裏返った声にピンク色の回想から戻ってくると、姐御が今度は既に素裸になっていたハーフちゃんに絡みついていた

おぉぅ……男でも女でも見境なし!?
姐御はハーフちゃんの後ろから組み付いて、足の間とふくらみ……ふくらみ? ともかく彼女の胸に妖しく手を這わせている
ぺたんと絨毯の上に女のコ座りをしたハーフちゃんは、大きな動きをしないよう命令でもされているのか
少し腰を浮かせるようなそぶりを見せるだけで姐御からの行為を受け入れていた
何かもう、やりたい放題だなぁ、ヤらせたいだけに



……うん、とりあえず男としてはじっくりねっぷりと鑑賞するのが礼儀というものだろう

人間とは異なる肌の白さをもった姐御の手が、ハーフちゃんのやや不健康そうに見える肌の色に混ざって蠢く
身じろぎするハーフちゃんの裸身が揺れるロウソクの火に照らし出されて、手作りの焼き物の表面に似た淡い陰影を作り出す
大きな起伏が無いからといって、その姿がエロくないかと言われれば、そんな筈が無い訳で……

「あっ……そ、そんな所……」

肩を丸め、足の間へ入り込んだ姐御の手を軽く押さえるようにしているハーフちゃんの恥じらいを含んだ声が聞こえる

あー、その、なんだろう……女のコ同士ってのも、中々に興奮するね!
何だかんだ言いながらも、目の前の行為を見てムラムラとヤる気になっている俺が居た
ムードが欲しいってだけで元から拒む気はないし、実は司祭さんが一回で気絶しちゃったからモノ足りなかったのさ!



「う…ふぁ…………あぁ……ぉねぇさま……」

そうこうしている内に、気が付けばハーフちゃんの肌はうっすら色づき、姐御の両手が蠢く足の間からは微かな水音が聞こえ始めていた
淫魔ほどでは無いにせよ、似たような魅了の力を持った吸血鬼である姐御の手管も見事なものである

おっと……姐御にまかせっきりなのも何だし、こちらも参加していこう
力が抜けてしまって、後ろの姐御へともたれ掛っているハーフちゃんの肉体へと手を伸ばす

「あ…………」

ふに、ぺた、くりり……ううん、何がとは言わないけれど、残念だ
個人的にはもう少しこう、むにゅんとして欲しい、そんな感想を抱きながら滑らかな素肌へと手のひらを這わせる

「ん……ふ、うぅ…………っは、ぁ……」

お、ふくらみの柔らかさに埋もれて刺激が逃げないからか、胸のポッチの感度は悪くないみたいだ
すべすべとした肌に手のひらを這わせているだけでも、ハーフちゃんの肉体はひく、ぴくんと反応して吐息を乱れさせている

それにしても……こうして姐御と二人でハーフちゃんを挟んでアレやコレやしていると
何と言うか"いたいけな少女にイケナイ事を教えている現場"って感じがぷんぷんしてくるな! ひひひひ



「フフ……もう準備はOKね。 ほら、彼に女にしてもらいなさい」

ハーフちゃんの首筋を背後から舐め回していた姐御は、口を離すとそんな言葉を発した
前から感じていたけれど、姐御はエロに関しては少しせっかちだなぁ
まぁ、ハーフちゃんがこれだけクタっとなっている今ならば、もう問題ないだろうけど

「あ……はぃ、おねぇさま。 お願いしま――」

変な所で途切れた言葉に顔を上げると、ハーフちゃんの視線がこちらの股間をロックオンしていた
何となく力を入れて、注目されている真っ最中である上を仰いだナニをひこひこ動かしてみたり

「ひっ……そんな、これが…………」

「大丈夫よ、魔法があるから痛みは感じないわ」

姐御は、ナニの動きを見てびくっとしているハーフちゃんへとそう言葉をかけてから、確認するように目を合わせてくる
魔法? あぁ、姐御とシた時の痛み防止魔法か……了解した事を伝える為にこちらも軽く頷いておこう


「……えと、ここに入って……動く、んですよね……?」

ゴクリと生唾を飲み込みながら、自分の泉と俺の股間を呆然とした瞳で見比べているハーフちゃん
知識を扱う職業だからか、経験は無くとも性に関する情報だけは持っているらしい

意外と耳年魔な……って別に年齢的には知ってても変じゃなかった
それはともかくとして、少し怯えている様子なので、ハーフちゃんの頬に両手を添えて優しく声を掛ける

「怖くはないから、安心して」

「わかり……ました」

ハーフちゃんが小さいせいで、どことなく子供相手にする対応になっている気がしないでもない
丁度こちらを見ているし、親近感を増加させる暗示でもかけておこう

……うん、半分とはいえ人間以外に向けて暗示を使った事は無かったけれど、一応効果は出ているようだ
そのままハーフちゃんの顔を引き寄せて、小さな唇を軽くついばむ

「ん、あふ……ちゅ…………ぅん……」

ちょっとお酒臭い、そんな感想を抱きながら合わせた半開きの唇を舌でなぞって、その柔らかさを感じ取る
頬に当てていた手を下げていき、首筋を経由して肩の上へ……互いの肉体に軽く手を触れながら行う、そんな口付け
不慣れなせいか、ハーフちゃんの唇から息継ぎに漏れる吐息が鼻先を擽る……が、やっぱりお酒臭い

「ふぁ…ぁ…………キス、しました」

思わず唇を離すと、ハーフちゃんがぽわんとした表情で口元を押えながらそんな事を口にした

「嫌だったかい?」

「いえ……でも、不思議な感じがしました」

お酒と場の雰囲気に中てられて思考が鈍っているのか、どこか単調な受け答えを繰り返すハーフちゃん
キスの時にこっそり唇へ唾液の形で媚薬を塗りこんでおいたので、その影響もあるのかも知れないけどね、ふふふ


さて、そろそろ本格的な行為に移ろうか……何故だかハーフちゃんの後ろでこっちを見ている姐御の顔が怖いし

「さ、おいで」

「……ぁ、はい、いきます」

って、わーお……軽く肉体に腕を回して引き寄せるつもりでそう言ったら
ハーフちゃんは自分から膝の上に乗ってきて、こちらに抱きついてきてしまった
お酒の臭いに混じって、フワリと仄かにハーフちゃん自身の匂いが鼻を掠める

うーん、改めて腕の中に収めてみると、ハーフちゃんは思った以上に小さいなぁ
足の上に跨る形だから足の太さ分上に座っているのに、頭の位置は一つ分こちらよりも低い、少女のような女の肉体

「お腹に、当たって…………暖かいです」

「ちょっと腰を持ち上げて? ……うん、そう。 さて、それじゃあ」

微妙に反応に困る感想を言ってくれるハーフちゃんへと指示を出して、お互いの体勢を整える

「あ……」

あてがった俺自身の先端に高い体温とぬめりを感じると、ハーフちゃんが小さな声を上げた
初めてがこんな形じゃ大変だろうけど……そこは淫魔としてフォローすればいいか

「始めるよ」

声をかけて、ハーフちゃんの腰を支えた両手で肉体を下げるように誘導する
ねっとりとした体液を滲ませているハーフちゃんの泉へと、ぐにゅっと先端を沈めて……そうして――



「ッ! あぁあむんんんーー!?」

浅い部分から一気に奥まで入り込んだ衝撃にハーフちゃんが大きな声を上げる……かと思いきや
その開いた口は いつの間にか横に回りこんでいた姐御の唇に塞がれてしまっていた

「んんん!? んんっ……ふ、んん…………うぅ……」

声を上げていた所に姐御に舌を入れられたハーフちゃんは戸惑った様子を見せているけれど
これは、姐御なりに痛みへの注意を逸らしてあげようとでもしているんだろうか

そんな事を思いながら、かなりきついハーフちゃんの内部で魔法を使って痛み止めの薬を塗りこんでいく

「んぅ……ちゅ……う、んぐっ…………んむ……んっ……」

にしても、ハーフちゃんと正面から抱き合って下半身を密着させている俺の位置からだと
濃厚に舌を絡め合っている二人の顔が凄く近くに見える、ドアップである
目の前に晒されたハーフちゃんの喉元が、何かを飲み込むようにこくんこくんと動いているのが何ともエロい

……しかしこの状態、視覚的にはキスをしているのが自分では無いので他人の行為を覗き見ている感覚なのに
実際自分のナニは女のコの中に納まっている訳で、どこか奇妙な気分である



「ぷはっ……はぁ、はぁ……」

そんな違和感を愉しんでいれば、程なくして姐御はハーフちゃんの口を開放した
ふむん、大分落ち着いてきた様子だから、中に直接塗り込んだ薬がもう効いてきたのかな


「ん、はぁ………………あの、私、変ですか?」

一度貫いてからそのまま動かずに様子を見ていただけのこちらが気になったのか、ハーフちゃんがおずおずとそんな事を聞いてくる
至近距離、胸元から見上げる上目遣いは、何かもう……こうかはばつぐんだ!

しかし、変……かな? 確かに出会ったばかりの男といきなりヤっているのは普通ならおかしいけど、それは姐御のせいだし……
あれこれ考えつつ、ゆっくりと一度引いた腰を突き上げる
ハーフちゃんの内部を……ぬるぬるに濡れている肉の襞を俺自身で掻き分けて、そのまま行き止まりまで進む

「……ぅ……んぅっ」

一番奥まで辿り着いたタイミングでこちらの腕をつかんでいるハーフちゃんの手に力が入り、俺自身がクっと締め付けられた
潤んだ瞳が少し歪み、小さく開いた唇から湿った吐息が漏れて……うん、可愛い

んー、多少狭い位でコレといった異常は感じられないな……薬も問題なく効いているようだし

「私、あんまり成長しなくて……ぁ……男の人は、大きい方が良いって……」

無言で考えを巡らせているこちらに不安を覚えたのか、早い口調でそう続けるハーフちゃん

あぁ……なるほど、そういった事を気にしていたのか
ファンタジー世界だし「*****はステータスだ!」みたいな言葉は無いのかな

「変じゃないよ、キミが小さいのは。 例えるのなら髪の長さが違うとか、そんな程度のものさ」

腕の中に収まる温もりを抱き締め、耳元で優しく囁きかける……個人的な好みはもっとある方が良いけどネ!
そんな内心を隠しながら腰を引いて、またゆっくりと突き上げて
緊張しているのか、浅く早い呼吸を繰り返すハーフちゃんのペースを整えながら、男女の行為をだんだんと深めていく

それにしても、学者肌の人間というのは容姿に関して他人の目をあまり気にしないものかと思っていたけれど
ハーフちゃんは自分の体型を気にしていたんだなぁ
もしかしたらあのフード付きローブを使っていたのも、自分の小さな姿を人に見られたくないという理由だったのかも知れない



ハーフちゃんのコンプレックスはともかく、気を使った甲斐もあってか腰の上の肉体からは余分な力が抜けてきていた
抜けているのはあくまでも余分な力だけなので、繋がった部分の筋肉はきゅうきゅうと絶賛活動中である、うひひ

「……ん……ふ…………あふ……んっ……んん……」

この様子ならもう大丈夫かな? 腰を支えていた両手をゆるゆると動かし、上へ
じっとりと汗の滲み始めた肌をくすぐりながら、痩せ気味で骨の浮いた胴体の脇に手を這わせる

「う…………んふ……ぁ、はぁ…………あっ」

不意打ち気味に胸のポッチへするりと指を向かわせると、ハーフちゃんの肉体が小さく跳ねた
その可愛い反応を愉しみながら動きをだんだんと強くして、二人の結合部へと快楽の熱を蓄積させていく
腰の上、不慣れな様子で揺れるハーフちゃんの肉体は、次第にその動きを大きなものに変化させていった



         ……◇……◆……◇……



「あぁ……っ……はぁ、あぁ……はぁ、はぁ…………」

ハーフちゃんの体重は軽いので、女のコを上に乗せるこの形でも割と自由に動く事ができた
胸元にすがりついたハーフちゃんの息遣いを感じながら、くいくい腰を突き上げる

「あっ、うぅ……んん……凄い……あぅ……すごい、です」

二人の間で刻まれる淫靡なリズムを受けて、ぎこちないながらも腰を使い始めたハーフちゃんがそんな感想を漏らす
人間を止めてしまった影響なのか、初めてなのに意外と余裕があるらしい
うむうむ、痛がる女のコを抱くのは好きじゃないし、イイ事だ……まぁ泣くのではなくて鳴いてくれるのは大歓迎だけど!

「ふふ、気持ち良いかい? これがセックスだよ」

すっぽりと腕で包み込んだ小さな背中を擦るように優しく撫でて
吐息を乱して喘ぐハーフちゃんの頬に口付けをして、そう耳元に囁く

「ん……はっ、うぅ……お腹の、奥がっ……く、あふっ」

いくら少女のような容姿といっても、ハーフちゃんはしっかりと成人した女性だった
薄く開いた瞳を潤ませ、桃色に染まった細い肢体を男に絡みつかせている現在の姿を見て子供扱いする人は居ないだろう
触れ合った素肌に感じられる柔らかさが一人前の女である事を明確に主張している
まるで男の子のように肉付きが無くても、やっぱり女は女で……男の皮膚とはまるで違う触感である

「熱くて……っ、じんじん、します……」

ハーフちゃんはアルコールにではなく、快楽に酔った瞳をこちらに向けて途切れ途切れに言葉を口にした
体格的なものか小さな声だけど、もう随分とこなれてきているようだ
最初は狭く感じたその内部も、今では ちゅっちゅぷっ、ちゅっぢゅっと粘着質な音を立ててスムーズに俺自身を受け入れていた





「いい……ふぁ……あぁ、イい……っ……ですっ」

「……」

ふと、ベッドの縁に腰掛けている姐御と視線が合う
こちらが見ている事に気づいた姐御は、「フン」というように軽く鼻から息を漏らすと顔を横に向けてしまった

ありゃ、姐御ったら自分から命令してヤらせているのに拗ねちゃってるよ
さっきまでは酔っ払ってあんなにノリノリだったのに、酔いが醒めてきているのかな
それでいて手が届く距離に居るのが何とも、なぁ……

という訳で、ハーフちゃんを揺さぶる傍ら片手を伸ばして、未だ服を着ている姐御のローブの裾から内側へと侵入を試みる

「ン……駄目よ。 今はこのコを見てあげなさい」

姐御に従順なハーフちゃんなら気にしないと思うけど……仕方ないか、なら代わりに
と、使っていなかった尻尾を姐御へ近づけて、軽くすりすりと肉体に触れさせてみた

「……貴方って、意外に欲張りなのね」



「あっ、あっ、あぃっ……いっ、あぁ……いク、いきますっ」

そんなやりとりを姐御としている間も、ハーフちゃんとの淫らな上下運動は続いていたりする
泉の中を思う存分かき回されていたハーフちゃんは、低く静かな、しかし良く通る独特の声で終わりの時が近い事を訴えてきていた

ならばこちらも応えない訳にはいかない
あまり肉付きの良くないハーフちゃんの太ももを両手で掴んで戦慄く小柄な肉体を固定し
その最奥の壁へと俺自身をぐいんぐいんと強く押し付ける

「うぁっ……あぁ、ぅ……んっ、んんぁあ……っ!」

奥深く肉体に響く、その継続する刺激を受けたハーフちゃんは いっぱいいっぱいだ
例えるならば溢れる寸前にまで水を入れられたコップ
ぶるぶると性の悦びに震え、艶かしく蕩けきったその肉体は、もう些細な刺激でも簡単に悦びの頂へとたどり着くだろう


さぁ仕上げだ、姐御の時のように念入りに術式を用意して、後は……

「ひうッ!」

腰を一旦下げて、先ずはひと突き
変化した大きな動きによって、背中に回された腕に力が篭った
ハーフちゃんは小さな背中をピンと伸ばし、顎を引いて強く与えられた快感を耐えようとしているようだ

「くぁっ! あンっ!」

そうして身構えている所へ間髪入れずに、ふた突き、み突き
連続して肉体の深くを突き上げられたハーフちゃんの爪先が反り返り、背中に爪が立てられて、肉の中に咥え込まれた俺自身がキツく締め付けられる
耐えられなくなって上を仰いだハーフちゃんの口から、これまで出る事の無かった悲鳴のような嬌声が放たれた

くふふ……この瞬間の女のコの表情は何回見てもイイ
肉体の火照りに頬を上気させ、意識を襲う快楽に顔を歪め、獣の行為に息を乱れさせた、その姿
何一つ取り繕う事なく、自らの欲望を素直に曝け出していて……はは、ホント、可愛いなぁ

「あぁっ! あーっ! あぁあっ!」

そのままズンズンと大きく突き上げて……名残惜しいけれど、これで止めだ
最後に、ハーフちゃんの肉体全体を持ち上げるように腰を送り込み――その最奥で作り上げた術式を一気に開放する!

「んんッ!? ぅあっああぁアぁーーーーーっ!」 

貫かれた肉体の奥底で弾けた熱い欲望が引き金となり、ついに絶頂を迎えたハーフちゃん
カク、カクンと不規則に腰を震わせる華奢な肉体を抱きしめながら、残りの術式をドクリドクリと注ぎ込んでいく……





         ……◇……◆……◇……





姐御が一度通したラインだからか、はたまた元が人間だからなのか、そもそも抵抗しないように命じられているからか
ハーフちゃんの胎内へ吐き出した術式は姐御の時とは違って、ほとんど抵抗される事無くその魂との接続を深めていった


この分ならかなり深くまでいけそうだ――って、うおぁ!?

 ― 火壁の魔法(弱)の術式を記憶しました ―
 ― 火球の魔法(中)の術式を記憶しました ―
 ― 空圧の魔法(弱)の術式を記憶しました ―
 ― 雷撃の魔法(中)の術式を記憶しました ―
 ― 氷刃の魔法(中)の術式を記憶しました ―
 ― 地裂の魔法(弱)の術式を記憶しました ―

意識の端を凄い勢いでログ?が流れ始め、同時に酷い頭痛が襲い掛かる

「ぐぅ、ううぅう……」

うわわわわわわ、いや、あれ、俺は、それで……いきなりの事に自分を見失いかけて、身体がふらふらする
痛みと混乱から抱きしめていた腕が緩み、絶頂の波が去って脱力したハーフちゃんが横へと崩れていく
意識が無いみたいに見えたけど……まぁ絨毯の上だから良いか

「ちょっと! 貴方、大丈夫?」

術式に影響を与えないために少し離れてベッドに腰掛けていた姐御の心配そうな声が聞こえる、とにかく今は落ち着かないと……

 ― 基点作成の術式を記憶しました ―
 ― 空間転移の術式を記憶しました ―
 ― 灯火の魔法の術式を……
 ― 魔力防壁の……
 ― 拘束……

頭の中に様々な知識が押し込まれて……あー、これはハーフちゃんが今まで学んだものなのか、凄い量だ
その事を熱くなった頭でぼんやりと理解していると、ようやく知識の流入は終わりを迎えた



「あー、あー…………もう大丈夫です、ちょっと量が多くて混乱しました」

額に手を当てながら、気がつけばすぐ横まで来ていた姐御に問題無い事を伝える
一応目的だった転移魔法も……うん、よし、これなら俺にも使えそうだ

「そう? なら、良いわ。 ……私の時はそんなに負担にはならなかったから、貴方の術式よりも劣化していたのかしら」

こちらの無事を確認した途端、冷静になって状況の分析を開始する姐御
何気に研究者っぽかったハーフちゃんとのコンビはお似合いなのかも知れない

「かも知れません。 僕も最近まで気づきませんでしたが、術式や知識の受け渡しは完全にコピーできないようで……よっと」

そんな姐御に相槌を打ちながら、裸のまま だらんと横たわったハーフちゃんを抱き上げて、ざっと魔法で洗浄しながらベッドへと向かう

「…………ぁ……とぅ…………す」

おや? 気絶しているかと思いきや、ハーフちゃんには辛うじて意識が残っていたらしい
ぼそぼそとお礼の言葉らしきものを呟いている……とは言え、これ以上行為を続ける必要も体力もないだろうけど

「うん……さぁ、今日はお休み――あ、構いませんよね?」

「えぇ、それ位なら別に構わないわ」

姐御の了承も得られたので、広いベッドの端にハーフちゃんを丁寧に寝かせる
これまで頑張ったハーフちゃんも流石に疲れていたのか、横になるとすぐにスゥスゥと寝息を立て始めた





さて、当初の目的は済んだけど、この場はどうなるんだろう

そんな事を思いながら、一仕事終えた気分で辺りを見回す
散らばったコップに、篭ったアルコールとアレの臭い、素っ裸で立っている俺、その前に膝を突いている姐御

「…………姐御?」

って……ちかっ、近いですよ姐御!

姐御は、不慣れなハーフちゃんとの行為でそこまで満足できずにいて未だに上を仰いでいた俺の股間に顔を寄せると

「……フフフ、血が付いているじゃないの…………ン……」

艶っぽい表情でそう呟いてから舌を伸ばして、付着していたハーフちゃんの純潔の証を舐め取りはじめた

「っ……」

うはっ、これは堪らない……細い指で支えられ、チロチロと舌が触れてくる感触に意識が囚われる
普段は立場的に上にある姐御が自分の股間へと顔を埋めて奉仕するかのようなその光景もそれに一役買っている
おかげで姐御がその汚れを綺麗にしてしまう頃になると
ただでさえヤる気の残っていた俺自身は完全に回復し、みなぎる欲望にびくびくと元気になっていた

「いいわ……さぁ、いらっしゃい」

そんな状態を見て妖艶な仕草でぺろりと自らの唇を舐めた姐御は
俺の頬をするりと軽く撫でながら立ち上がり……ベッドの上、ハーフちゃんの隣へと仰向けに横たわって膝を広げる

「どうしたの、ホラ……早く…………ココに……」

そんな仕草にゾクゾクしていれば、姐御の方も興奮して待ちきれないのか
欲情に頬を染めながら自らの泉へと手を当てて、その部分を広げるようにしてこちらへ視線を向けてきていた


……あぁ、そんな顔で、そんな風に誘われたら男は野獣になっちゃいますよ、姐御





         ……◇……◆……◇……





フラフラと吸い寄せられるようにベッドに上がり、仰向けの姐御に覆いかぶさる

「は……あぁっ、ぃいわ……」

もどかしいような気持ちで既にべちょべちょになっていた泉の中へと深く腰を埋めると、姐御は細く高い吐息のような声を漏らした
どうやら姐御の方もいつに無く高ぶっているみたいだ

「姐御……凄く濡れてますね」

「そ、その子のラインから……ンっ…………その、流れてきてたのよ」

覗き込むこちらから少し視線を逸らせて、そんな返事をする姐御
あらら……おそらく魔法の研究とか分析の為なんだろうけど、ラインを開いてたのか
ハーフちゃんとの時、後半大人しかったのはこのせいかな

「なるほど。 でも、こんな姐御もまた、素敵ですよ」

背けた顔の耳元でそっと囁いて、腰の動きを開始させる
ぬらりと動き出し擦りあわされる粘膜の感触に、思わず笑みが浮かんだ

「ッ! ……ふ、ぁ……バカな事、言わないの」

顔を横に向けたままで、そんな事を可愛らしく呟く姐御をもっと感じたくて、その肉体へと手を伸ばす

……あ、姐御はローブ着たままだったか

これはこれで……うん、たくし上げられた暗色のローブからにょっきり伸びた素足がエロいなぁ
濡れた肉の中、奥の壁をノックする度に跳ね上がりそうになっている姐御の太ももに手を這わせながら、そんな事を思った



「ン……んっ、ふぅ……はぁ……ぅん、んん、あぁ……」

アルコールの匂いが残る部屋の中に、姐御のくぐもった喘ぎが流れていく
これだけ気分のノった状態で服を脱がす為に動きを止めるのも何なので、ローブの上から姐御の肉体をまさぐる
今までは行為の最中に脱いでいたので気づかなかったけど、改めて触ってみればいかにも高級そうな薄い布地を使ったローブである

「あ、ん……んふっ……うぅ…………はっ、はぁ……それ、駄目よ……」

おっと……胴体のあたりで無心に手触りを確かめていたから、ちょっとくすぐったかったかな
姐御はフルフルと肉体を震わせながら止めるように言葉をかけてきた
まぁ、くすぐったいという感覚は快感に繋がるものだし、別に構わないと思うけど、それよりも……

「姐御、口を閉じていると苦しくないですか?」

そう、姐御は最初からかなり強く悦びを感じてくれている筈なのに、ずっと口を閉じて声を抑えていた
もっと可愛い声をいっぱい聞かせて欲しいのに、どうかしたんだろうか

「だって……あの子に聞かれるじゃない」

こちらの質問に対して、そんな事を小さな声で囁く姐御

「…………」

自分からはあれだけ絡んでおいて……だってって……そんな、恥ずかしがって……ははっ、姐御、そりゃないですよ!
ふふっ、まったく、もう……仕方ないなぁ

「姐御」

「ナ、何かしら?」

動きは止めずに、浮かんだ笑みを隠す事無く姐御に話しかける

「いえ、協力しようと思いまして」

話の詳細をぼかしつつ顔を近づけて

「あ…ム、んっ……んんん……」

何か言おうとした姐御の唇を、唇で塞ぐ
こうしてしまえば、どんな事をしても声が漏れる事は無いし……ふふ、もう遠慮は要らないかな

汗に濡れ素肌に張り付いているローブの上からふくらみを捏ねると
なだらかな曲線を描く丘の先端がツンと硬くなっているのが、布越しにも感じられた
指で突起を捕らえてくりくりと弄べば、姐御は肉体を捩って逃れようとする

そんな反応が可愛く感じられて、もっと感じて欲しくて、さらに行為のギアを一段階上げる

「ンっ……んむ……ぅ、ん゛んっ! は……ぅんっ」

引く時にはゆっくりと……内側の襞をなぞるようにして、入り込む時には一息で、奥深くへ
姐御は強まった腰の前後運動に一瞬目を大きく開いて、それからぎゅっと瞼を閉じた
こちらの首へと腕が回されて、肉体の奥へ突き入れている俺自身への締め付けが強くなる

あぁ、姐御の方からもこうして求めてきてくれているって、興奮するな……



「はふっ、んッ! ……んぅっ……んん、ンっ!」

激しい動きに合わせた唇から息を漏らしながら、ゆさゆさと悦びを求め合う

元々高ぶった状態で開始した行為だ、終わりの時は近い
堪え切れない快感を動く事で逃そうとしているのか、姐御の足がピンっ、ピンっと宙を蹴っていた

「んっ! うン! んんッ! んーっ! んーっ! んンんーっ!」

口の中で悲鳴を上げて、ブルブルと肉体を振るわせる姐御へと
淫らな熱で蕩けてぐちょぐちょになった結合部分から飛沫が散りそうな勢いで腰を突き込む

そんな獣欲を曝け出した行為を、互いに乱れた呼吸に意識がトびそうになる限界まで続けて……ここだ

「んはッ! あっ!? やッ! あぁっ、ああぁアああぁっ!!」

唐突に唇を離された上で迎えてしまった姐御の絶頂の声を聞きながら、深く導かれた奥底へと欲望を解き放った!





         ……◇……◆……◇……





「さて、それじゃ俺は行きますね」

「……ン、待ちなさい」

着たままだった姐御のローブがどろんどろんのべちょべちょになるまで頑張って、ベッドで抱き合ったまま一眠りした後のこと

行為や宴会の後始末を終え、身支度を整えて部屋から出ようとした俺に
ベッドの上で気だるげにまどろんでいた姐御から引き止める声がかかった

「おっと……なんでしょう。 寝覚めの一発でもヤります?」

「違うわよ。 そこの樽とこっちの壷に……よろしくね」

オゥ……姐御…………飲兵衛ここに極まれり……!
しかし今回の事ではこっちも大きな利益を得られたので、お返しをするのは望む所である
了解の意を伝えて作業を開始する俺をよそに、姐御は腰をさすりながら欠伸をして本格的な眠りに入ってしまった


……って、ちょっとー? 姐御が魔法使わないと、この部屋の出入り口隠せないんですけどー!









[30317] ・準備と俺と夢見るチカラ
Name: クラクモ◆5e745eb7 ID:5117a69a
Date: 2018/12/12 18:22
・準備と俺と夢見るチカラ







「…………ふぅ」

覚えたばかりの転移魔法を壁抜けに使う事になるとは思わなかった
まったく……激しかったせいか姐御も全然起きないし、困ったもんだ

俺じゃあ魔法的に隠された入り口の扉を内側から開ける事は可能だとしても、あの高性能な隠蔽魔法は再現できないんだよなぁ
今まで基本的に手加減した魔法しか使わない姐御からのみ魔法の術式を受けとっていたので気づかなかったけど
どうやらハーフちゃんから受け取った術式全般は本人のものより劣化しているようだった
隠行のスキルも盗賊さん本人よりも劣っていたので、知識や経験の吸収をしても100%の再現は無理って事らしい

まぁとにかく、流石に突かれ疲れて寝ている二人を戸締りしない部屋で放置していくのも何なので、上手くいって良かった
本来は魔法的な基点をあらかじめ設定しないと移動できない転移魔法でも
近くであれば壁向こうの位置や状況を真っ黒なナニカを介して把握できるっぽいし、構造体の中だと地味に汎用性が高そうだ
もう少し慣れたら女のコ達のラインを直接辿って行く事で、いつでも会いに行けるようになるかも知れない

それに……ふふ、今まで所持していた、数があまりない上に一方通行になる消耗品の帰還の巻物と違って
ようやく手に入れた念願の、自由に使える移動手段だ! いやっふーー!!





うきうきとテンション高く明るい未来を想像していると自分の部屋の前へ到着していた

まぁ今は向かいの監禁部屋(仮)の方が愉しさ一杯だけどね! なんて事を思いつつ扉を開いて部屋の中へ
寝床代わりにしている毛皮の上に腰を下ろして周りを見回してみれば、雑然と置かれた品々が目に入る

 ― 手鍋を手に入れた ―

今まで行った探索者との戦闘の後で適当にまとめて持ってきたこれらの戦利品も、もうそろそろ片付けが必要かなぁ
携帯用の調理器具なんて、俺はどうしてこんなに幾つも持ってきてしまったのか……まだ使えるとは言え、擬装用にしても一個二個あれば充分なのに


「んー」

うん、とりあえず先立つ物から始めよう
元の所有者達が財布として使っていただろう小さな袋を幾つか手に取り、手の平に銀貨を取り出して金額を数えていく

探索者は基本的に流れ者なので、普段から自分の財産のある程度を持ったまま行動している
やくざな商売であっても人一人が生きていく上で稼いで溜め込んでいる財産なので、その金額も少なくは無い
でもって、ここ構造体の中では割と頻繁にそんな人達がお亡くなりになったりしている訳で……もう、ウハウハである
侵入者が多いのはあまり警備員としては好ましくない事態であるけれど、ゴロツキの皆さんが稼ぎに来るのも頷けるというものだ

「ひーふーみーよーの……っと、こんなとこか」

戦利品の中から姐御が持っていってしまった少数の金貨や宝石なんかはともかく、一般に流通しているらしい銀貨は大量に貯まっている
盗賊さんや三つ編みちゃんから得られた相場関係の知識によると、一人でなら数年間は遊んで暮らせるだけの金額になるっぽいので
これだけあれば人間社会に紛れて生活するのも問題ない……と、思う


次に、あーと……雑貨類は擬装用に最低限あれば良いから残りは適当に纏めておいて
……あぁ! そういえば呪術師ちゃんに包帯っぽい布を渡しに行くんだった
救急箱みたいなものなのか、回復薬やらも一緒に入っている袋から布束を取り出して……これ位で良いかな
残りの、それなりに価値のある使わなさそうな巻物類と既に成分を覚えた水薬類は外に行ってから売ってしまっても良いかも知れない
水薬の類は創りだせるので必要になったらその都度用意したらいいし、いくつか空き瓶があれば数をストックしておく必要も無いだろう

ざっくりと細かい品々を種類ごとに纏め終わり、続いてかさ張る物へと目を向ける

 ― 銀鎖の服を手に入れた ―

チャラリと微かな音を立てたのは神官ちゃんが装備していたチェインメイル
見た感じ鎖が綺麗に細かく編まれていて、いかにも高級な品っぽい装備である
いつの間にか輝く銀色から自然に酸化する以上に真っ黒くなってシックな色味になっているけど、これはどうしよう
神官ちゃんの体型に合わせられているみたいだから俺じゃ着れないし、とりあえず保留しておくか

片づけをしているのに保留って時点で微妙に駄目っぽい気がしないでもない


ふむ、神官ちゃんと言えば、他にもいくつかあったような……
事後に着せたのはローブだけだったので、彼女のグローブやらブーツは部屋のどこかに転がっている筈
初めての行為に てろんと蕩けて乱れていた姿を思い出しながら、ごそごそと部屋の隅を漁る

「ッ!」

げっ、なんてこった……ここで神官ちゃんとヤッた時に敷いていた毛皮から異臭がががが!
戦慄しつつ、急いで臭いが散らないようにぐるぐる巻きにして外の通路に放り出す

あの頃はまだ洗浄魔法を使えなかったからなぁ……姐御も臭いがどうとか言ってたっけ、奥の方に埋まってたんで気づかなかった
後でなるべく離れた通路に投棄しておこう、おそらくその内スライムが処理してくれるに違いない
休む時に使う毛皮も旅する時には2枚もあれば良いから、足りなくなる事も無いし

探索者一人に付き1~2枚持っているので大量に有る毛皮の在庫を頭の中で確認しながら扉を閉めようとして、ふと正面の扉が目に入る





……そうだ、司祭さん、片付けに夢中で司祭さんを忘れてた!

ええと、捕まえてからヤって、姐御の所で宴会してヤって一寝入りして戻ってきて片付けしててで……もう半日以上経ってるか
運動してお腹減ってるだろうし、ご飯を上げなくちゃいけないな、性的な意味ではなく

という訳で一旦部屋に戻って宴会の時のツマミにもしていた干し肉に、固いパンと水
あまり数は無いけど乾燥した葡萄っぽい果物なんかを整理した荷物から取り出し、適当な器に載せる
後はちょいと隠し味に例の粉を振りかけて水にもたら~りと"愛情"を混ぜて……うむうむ、これで司祭さんもグッと素直になってくれるだろう、うひひひひ

では改めて餌付けをって、ん? これは……ふむん、なるほど……ならばこっちは……
少し考えてから、用意した食事を下に置いて、軽く準備をして、結界を解いて扉を開く

開けゴマ! なんちゃって



「フッ!」

別に自分のネタに笑った訳ではない、予定より遅くなった為に既に目覚めていた司祭さんの不意打ちである
そういえば人体を凶器に変える物騒な鉄板入りブーツは取り上げて自分の部屋の方へ放り込んで置いたけど、足は縛ってなかったっけ

しかしそんな攻撃も来ると解っていれば怖くは無い、扉の影に待ち構えている事は先ほど真っ黒なナニカレーダーによって把握済みだ!
物騒なブーツを履いたフル装備状態ならともかく、疲労やらナニやらの結果弱体化して、その上素足を剥き出しにしている今の司祭さんの軽い蹴りでは
人間よりも強靭な悪魔の肉体をさらに魔法で強化した状態で待ち構えているこの俺にダメージなんて――


――ぼすっ

 ― 14のダメージを受けた ―

おふっ! ……おぅあ、地味に痛い…………で、でも、出会った当初アニキに肩を叩かれた時よりは痛くないからダイジョウブ
表情に出ないよう必死に痩せ我慢をしながら脇腹で受け止めた脚を掴み、余裕たっぷりに話しかける

「おいおい、せっかく食事を用意してきてやったってのに酷いじゃないか」

「っ! この強さ……あの時は手を抜いていたのか?」

 ─ 再生…14ポイント ─

眼鏡を装備した状態にある司祭さんは、通路で戦った時のように鋭い視線をレンズ越しに向けてくる

ってあれ、眼鏡? 手は後ろで縛られたままなのに一体どうやって眼鏡かけ直したんだろうか
口でつるを開いて上に向けて置いて、そこに顔を入り込ませたのかな?
……何か、腕を縛られた女性が口だけで頑張ってナニかしている姿を想像すると妙に興奮してくるぜ!

「俺を強いと感じるのなら、逆だな……くくく、アンタが弱くなったのさ。 こんな風に……な」

わざと性的なモノを匂わせる言葉を掛けながら軸足を払い、司祭さんの肉体を床へと転がす
両手を背中側で縛られて蹴り上げた片足を掴まれた状態ではろくな抵抗も出来ず、簡単に倒れる司祭さん

続けて仰向けとなった肉体に覆いかぶさり、ゆっくりと足に手を這わせてその付け根へと向かわせる
流石に眼鏡はどうにかなっても口だけでは下着を履くことは難しかったのか
それとも単にアレな液体で濡れていて触るのが嫌だったのか、司祭さんは下半身には何も身につけていないままだ
なので手のひらにはしっとりとした素肌の温度が直接感じられる
当然、それをされている司祭さんの側にも同じようにその刺激は伝わる訳で……

「っ、く……手をはなせっ、これ以上罪を重ねるな!」

む、捕らえた相手を無理やり犯すような相手にもまだそう言ってくるのか、司祭さん良い人だなぁ
このまま何度か肉体を重ねていった勢いで色々誤魔化そうと思ったけど、そうなると……うーん
少しの間、司祭さんの性格を元にあれこれ軽く検討してみる……丁度良いかな? 後々の事を考えて少し仕込んでおこう

「……アンタが言ったんじゃないか、俺は魔道に堕ちた者なんだろう? 今更もう戻れやしない」

前後の状況と微妙に合っていないズレた言葉を唐突に発する俺
少しうつむいて態と悲しげな様子を匂わせながら、いかにも説得する余地があるかのように呟く
司祭さんが最初に考えていたものに近い、嫌々ながら魔物に従っている人間……と、いう風に演出する訳だ
冷静に考えられる状態ならば、そういう人は捕まえた女性を脱がしたり舐めたりしないと思うだろうけど、今の司祭さんなら……

「そんな事はない! 誰だってやり直せるっ、悔い改め、罪を償うのだ!」

おー流石、人の救済を目的とした職業の人は違うね、こちらの言った事を真摯に受け止めて予想通りの反応を返してくれる
どうやら司祭さんは意外に熱くなり易い人のようだ……だからこそ、こうして簡単に嘘の言葉に飛びついてしまうんだろうけど
今だってまだ俺の手でひん剥いて肌を晒した司祭さんの上に覆い被さったままなのに、真面目な顔で話をしている状況が自分の事ながら少し笑える

「そうしてノコノコ出て行って、償いの名の下に首を切られるのか? 信用できないな」

頑なな表情を作り、司祭さんの言葉を拒絶しながら両手を動かして、さらに別の言葉を投げかける

「綺麗な肌だ……俺達のような人間とは違う」

「な……っ……」

言いながら司祭さんのわき腹をするりと撫で、今度は上着の内側を上へ
何か言おうと口を開いた司祭さんを遮るように、そのふくらみを直接掴み、ぎゅっぎゅっと強く揉みしだく
うむ、うむ……小ぶりとは言え、中々の張りと感触だ、これも鍛錬の賜物だろうか

内心でニヤニヤとそんな感想を抱く俺をよそに、敏感な場所を乱暴に扱われた刺激により司祭さんの肉体に力が入って、硬直する

「アンタ、飢えを感じた事はあるか? 道端で寒さに凍える夜を過ごした事は?」

神殿で働いていれば、今挙げたような理由で望まずに悪の道へ進んでしまった人を見る機会があっただろう
そして、小奇麗に整えられた容姿や身に着けていた装備品から推測するに、おそらく司祭さんは ある程度恵まれた家の生まれ
自分が貧しさを知らないという事に負い目を感じるはず……そして、そこを利用させてもらう

俺には別にそんな同情するような事情は無くて、普通に真っ黒だけどね!

「っ、それは……」

面と向かって男に素肌を弄ばれる羞恥心からか、それとも嫌悪からか……あるいは先日注ぎ込まれた淫魔の体液で狂わされた感覚からか
わずかに頬を染めた司祭さんが気まずそうな様子で言葉を詰まらせる
台詞の中にちりばめられたそれらしい単語によって、上手く同情を誘う方向で思考を誘導できたらしい

「まぁ、犯された事もそういった不幸の一つだろうがな……また、昨日のように可愛がってやろうか?」

この部屋で意識を失う前にされていた行為を思い出したのか、司祭さんの表情に怯えが浮かぶ

止めていた手で柔らかなふくらみに ゆっくりと指を這わせると、ぴくりと反応した司祭さんの肌が粟立つのがわかった
やはり淫魔と一度行為を行ったからか、肉体そのものがかなり感じやすくなっているようだ
ヤった次の日に女のコがどうなっているのかなんて知らなかったけど
肉体の奥に淫魔のアレなんていう濃ゆい成分を注がれるだけあって、無効化された術式以外にも何かしらの効果が残っているもののようだ


ある程度肉体的な抵抗が低下しているっぽいので、このまま継続的にナニしていってもその内司祭さんに術式を通せそうではある
とは言え、食事にイロイロと混ぜていくのも無駄にはならないだろう
上と下……両方から責めればより一層効果を望めるに違いない、健康の問題もある事だし、ここはしっかりと食事を取ってもらいたい

「やっ、離せ! やめろ!」

「そうだな……なら、今日の所はやめておこう」

感じやすい部分を軽く刺激されて吐息が少し乱れた所であえて拒絶を受け入れ、組み敷いていた司祭さんから離れる

「ほら、食事だ。 喰えるってのは幸せな事だ、飢えたくないのなら、食べておくんだな」

瞳を潤ませ、頬を染めて床にへたり込んだ司祭さんの前へと、表に置いておいた食事を並べていく

「……」

当然の事ながら両手を縛られている司祭さんは食事を始める事が出来ない

「どうした? 食べないのか?」

物言いたげな視線を無視してそう問いかける

「ッ!」

言外に「縄を解くつもりは無い」と言われて動揺する司祭さん
クククク、さぞかし困っている事だろう、それなりに社会的地位のある人が犬食いをする必要があるだなんて……ね、ははっ

「あぁ……なるほど。 食べ物じゃなく、やっぱり俺のが欲しかったのか?」

このままでは食べてくれないかも知れないので、背中を預けていた扉から離れて意図的に下卑た笑みを浮かべながら司祭さんに近づこうとしてみる


こうすれば、おそらく――

「ち、違う! ……これは食べさせてもらう、出て行け!」

司祭さんの性格ならばこんな風に言ってくるだろう、何と言うか行動を読みやすい人である
嘘を吐かない神官職についている訳だし、これで嫌々ながらもご飯を食べてくれる筈だ
……用意された食事に何が入っているのか知らないまま……ね、ふふふふふ





企みがほぼ成功した事で自然と浮かぶ笑みを司祭さんに見られないようにしながら監禁部屋の外へと出て、再び扉を結界で封鎖する
さて、どうするかなぁ

部屋の中で羞恥に震えながら這いつくばって物を食べる司祭さんを観察出来ないのは残念だけど
食事が効いてきてしまえばいくらでもそれ以上のコトに及べるだろうから、今はいいだろう
流石に自分を襲った相手が同じ部屋に居たら落ち着いて食べられないだろうし
飢えて衰弱した女のコなんて抱いても愉しそうじゃないからなぁ……


あぁそうだ、この空いた時間で呪術師ちゃんの所へ転移できるか試しておこう、包帯っぽい布の束を渡しに行く予定もあるので丁度良い

そう考えて自分の部屋へと戻り、用意しておいた包帯っぽい布束を背負い袋へと入れて少しの間呼吸を整える
集中した意識を向けるのは呪術師ちゃんだ
魂へと繋いだラインを手繰り寄せて、その存在を感じ取ろうとする

「……」

なーんて仰々しく言っても、つい先日に物理的にも精神的にも繋がって堪能したばかりなので楽なものである
ほんの僅かな時間意識を向けただけで彼女の温もりのようなものがやや上よりの方角に感じられて、居場所を特定する事が出来た
この反応だけじゃまだ初めての長距離転移には不安だけど、呪術師ちゃんは召喚陣のある部屋を寝床にしているから……よし、あったあった
呪術師ちゃんのすぐ近くに力の集中するポイントを見つけて一息つく

召喚陣は真っ黒なナニカ……力を集める中心にもなっているし、元々召喚という魔法的な移動の出口でもある訳なので、転移魔法の基点には最適だ
一度使っただけの慣れない転移魔法でいけるかどうかについては、これはまぁとにかくやってみるしかない
仮に距離的に届かないにしても構造体の中でなら危ない事にはならない……だろう、たぶん、きっと、おそらく



「『――と彼方を結び、道を開け』」

長距離の移動という初めての挑戦に少し不安になり、最初に姐御の部屋から出た時よりも多めに力を流しながら詠唱を終えた
その結果、足元には紫色の光を放つ魔法陣がくっきりと鮮やかに形成されている

輝きに目を細めながら出来上がった術式をチェックして……この分なら大丈夫かな、移動先の座標も問題なさそうだ
という訳で、転移!





         ……◇……◆……◇……





「ぅぇ」

真っ黒なナニカの中から姐御に召喚された時のように、ぶるんと身体全体が震える感触と共に視界が一変する

足元には薄暗い部屋をぼんやり照らしている召喚陣
どうやら転移に成功したようだ

何者かが動く気配を感じて目を向ければ、首を起こした六足獣がこちらへ顔を向けていた
現れたのが同じ警備員である事を確認したのか、特に何をするでもなく静かにのそりと動いて寝に入る六足獣
そんな彼?のお腹のあたりには折り重なるようにして小悪魔達が眠っている

さほど必要という訳でもなく、その上姐御の所で仮眠をとったから気にしていなかったけど、通常のサイクルだと寝ている時間帯だったのか
一番下で下敷きになっている白色のうめき声を聞き流しつつ呪術師ちゃんの所へ足音を忍ばせて向かう


「……」

見下ろした呪術師ちゃんからも微かな寝息が聞こえる

公園っぽい空間から持ってきたものなのか鳥の巣のように細い枝を敷き詰めて、その上へ獣の皮を敷いてある簡素な寝台の上に仰向けで横たわり
いつも羽織っているぼろぼろのマントをかけて穏やかな眠りの中にあるようだ
先日呪術師ちゃんとベンチの上で愉しんでから、えーと戻ってきて司祭さんのパーティと遭遇戦、その後司祭さんと部屋でヤッて
それから姐御達と宴会してナニして眠ってで……あー、色々有った割に丸一日とちょっとしか経ってないのか、まだ疲れが残っているのかな

思えばエロい場面ではない普通に眠っている女のコの顔をこうして見るのは初めてかも知れない
まぁ寝ている女のコの枕元に淫魔が佇んでいるというだけでエロい場面と言えなくも無いけれど

そんな事を思いながら隣へと静かに腰を下ろして、もさもさと やや大きく巻いている呪術師ちゃんの髪に指を絡める

「ぁ……さまぁ…………ぃへへ……」

なんだか凄く幸せそうな表情でもごもご言っている呪術師ちゃん

……気になる、どんな夢を見ているんだろう
ここは一つ、夢へと干渉する魔法でも掛けてみようか

意識を集中して、呪術師ちゃんとのラインを辿り――


――それが、始まった





『ふふふ、悪魔さまぁー! こっちです。 早く、はやくぅー!』

ベタ塗りされたような不自然な青空の下、色とりどりな花々の咲き誇る草原を、満面の笑みを浮かべた呪術師ちゃんが駆けてゆく
そして、それを追いかけるのは……妙に睫毛の長い、キラキラとした紫色の光を周囲に振りまく俺っぽい人影
付かず離れずの距離にある二人の周囲を、これまた星のような光を纏った五色の小悪魔達が祝福するかのように飛び交っている


(うわぁ……)

グラリ、ときた
色んな意味でダメージが大きい夢の中の光景に思わず気が遠くなりそうになる
呪術師ちゃん……思い込みが強くて夢見がちなコだとは思っていたけれど、ここまでとは……

悪魔崇拝を掲げた怪しげな教団とは言え、一応人間との付き合いがあったのは話を聞く限り12~13歳位の時期までだろうから
心の成長的には仕方ないのかも知れないけども……この内容、もう少しどうにかならなかったんだろうか



『きゃっ……今、見ました?』

ふと、楽しげな笑い声が小さな悲鳴で途切れた
呆然としていた意識をそちらへ向ければ、少し強い風でも吹いたのか花びらが舞い散り……呪術師ちゃんのぼろぼろのマントが少し捲れていた

どうやらこの手のシーンお約束の嬉し恥ずかしなチラリズムが展開されたみたいだけど
ここは呪術師ちゃんの夢の中な訳で、なんとまぁ……エロ教団出身の彼女らしい願望と言うか、何というか

『もうっ、悪魔様ったら、いやらしいんですから…………でも私、悪魔様なら、いつでも……』

どちらからともなく抱き合った二人は、じっと見つめ合い、そして――





「おぅふ」

そこまで見て、変な呻き声を漏らしつつ夢に干渉する魔法の行使を中断した
あ、危なかった……もう少しでナニカを持っていかれる所だった、呪術師ちゃん……恐ろしいコ……!!


「んぁ……あれ、あるじー?」

額に当てていた筈なのに、いつの間にか呪術師ちゃんの豊かなふくらみに抱え込まれていた手を引っこ抜いているとそんな声が聞こえた
見れば赤色が眠そうに目を擦りながらこちらへとトテトテ歩いてきている、どうやら起こしてしまったらしい

んー、呪術師ちゃんが寝ているままだとイマイチこいつ等に対する距離感が解らないなぁ、どういう風に接したら良いもんだろうか

「あー、なんだ。 元気かい?」

寄って来た赤色へ何となく手を向けて、さっき呪術師ちゃんにしたように小さな頭をわしゃわしゃしてみたり

「げんきだよー、ビンビンさー」

まだ寝ぼけているのか、へらりとした笑顔で答える赤色
うむ、よくわからん……まぁ嫌がっている様子ではないからこれで良いんだろう



「おや、ご主人さま?」

そんな風に赤色と親交を深めていると、少し離れた所でまたごそごそと気配が動いた、呼び方からすると今度は青色が起きたようだ
性格や口調はそれぞれ違っていても姉妹みたいなものだからなのか、赤色と似たような反応である

「なるほど、夜這いという奴ですね」

パタパタと低空を飛んで近寄りつつ、したり顔でそんな事を言う青色……ってなんでやねん

「いや、違うよ。 今日はコレを渡しにきたんだ」

内心それも良いかな、なんて思いながらも背負い袋を下ろして帯状の布束を取り出していく

呪術師ちゃんは先日の疲れが残っているのかぐっすり寝ているし、ヤりに来た訳じゃないので無理に起こす必要もない
全体的にアホっぽい小悪魔達の中でも青色は比較的まともな奴だった気がするし、こいつに預けてしまおう

「彼女、流石にマントだけなのはどうかと思ってね。 まぁ今はこんなのしかないけど」

目の前まできた青色に「服の代わりにでも使ってくれ」と呪術師ちゃんへの言伝を命じる

「確かに、預かりました。 ……そうですね、拘束プレイというのもありますし」

青色はふんふんと頷きながら布束を見ている
赤色は布束に突っ込んでぐるぐる巻きに絡まっている
他の3色は寝たままだ


……こいつらに預けて本当に大丈夫かな? 大丈夫だよね? 一応悪魔だしバカっぽいだけで知能が低い訳じゃない筈だけど、微妙に不安だ





         ……◇……◆……◇……





「ぉぁ」

何度目かになる身体が空間ごと捻られるような独特の感覚
閉じていた目を開けば、そこはもう俺が姐御達と出会った担当階層の召喚陣の部屋だ

長距離の移動には基点が必要とは言え、自分の足で警戒しながら数時間かけて浅い階層まで移動していた事を考えれば随分と楽になったなぁ
"再生"が終わりさえすればその数時間を今度は浅い階層に出入りする経験の浅い若いコ達を見繕うのに使える訳だし
この感じなら地上に直接行く事も基点さえあれば出来そうだ





という訳で戻ってきました監禁部屋

さぁて、司祭さんの様子はどうかな……って、おや、寝てる?
手を背後で縛られているからか眼鏡をかけたままの司祭さんは、寝床として用意しておいた毛皮の上で横向きに膝を曲げ背中を丸めて眠っていた
ブラウスっぽい上着は着たままだけどボタンはしていない、相変わらず下半身には何も身に着けていないので、きゅっと引き締まったお尻が丸出しである

彼女やハーフちゃんが所属していたパーティは構造体を割と下の方まで探索した帰りだったみたいだし
その後に俺が捕まえてからも二人で激しい運動をいっぱいシタしで、疲れが溜まっているんだろう
あぁ……捕らえられた状況下で可能な限り体力を温存するって感じのサバイバル的な考えもあるのかも

「……ン、ふっ…………ぁ……んん……」

そんな事を考えていると、眠っている司祭さんから何やら怪しげな声が漏れた

近寄って見下ろしてみれば、力の抜けた寝顔は艶っぽく紅潮していて、薄く開いた唇からはどこか湿った吐息が漏れている
肉体全体も汗ばんで、縛られていない両足はもぢもぢとした動きを繰り返していて……魘されている……んじゃないよなぁ、これは
眠る司祭さんの肉体からもわわんと香る、女の匂いを確認して一人頷く

うんうん、食事に混ぜ込んでおいたエロエロな成分はバッチリ効いているみたいだ
先ずは肉体を慣れさせて、えっちな事に忌避感を抱かないようにさせてしまえば、段々と意識も引きずられて行って……後は、くくくくく


「だ……ゃ、ぃ…………」

どうやらイイ夢を見ているみたいだし、呪術師ちゃんの時みたいに覗いてみようかな?
もぞもぞしている司祭さんの背中側に回りこんで……折角なので服の中に手を潜り込ませて
もにもにと控えめなふくらみを軽く愉しみつつ意識を集中させていく





『あ……あッ……く、んっ……ん……ンっ』

暗いどこかから司祭さんのあられもない声が響いてくる
意識へと入り込んだ俺の前に見えてきたのは、通路からの光で物の輪郭が見える程度に薄く照らされている地下室だった

構造体の中で見た事の無い板張りの簡素な内装は、もしかすると司祭さんが過去に犯された場面を夢の中に再現しているのかも知れない
当時もそうだったのか、それとも俺に犯された事の記憶が昔の記憶と混ざっているのか
つい先日実際に行為を行った時と同じように壁に両手を釣られる形で縛られ磔にされた司祭さんの前で
真っ黒い輪郭だけの人影が肉体を重ね、腰を一定のリズムで動かしている

『い、アっ……あ、ふぁっ、あっ……あっ……あぁっ……』

くぐもった司祭さんの喘ぎに微かに混じって聞こえるのは湿ったナニカがぶつかり合う音

人影が真っ黒で いま一つ肝心な部分を見てもよく判らないけれど、当然というかナニしている真っ最中の夢であるらしい
理性の弱くなる夢の中だからなのか、眼鏡を掛けていない状態の司祭さんも随分と乗り気な様子で人影の動きに応えているようだ
肉体の深みを突き動かされて宙を蹴る足先、くぅっとしなる腰から背中のラインが男の獣欲を刺激する

『あぁ……いやぁ、もう……もうッ』

そんな様子を愉しんでいると、切なげな声を上げて司祭さんが肉体をのけ反らせて――何も起こらなかった


……なるほどなぁ

夢という、あやふやな過去の記憶の再現だけでは絶頂を迎える程の強い快楽は得られない
しかし彼女の肉体は、食事へと大量に盛られたエロ成分によって悦びを求めたがっている
そんな風にして、眠りの中で……あるいは眠る前からずっと、司祭さんは悶々とし続けていたんだろう

『はっ……んっ…………おね、おねがいっ……わたし、もう』

濡れた声で……潤んだ瞳で、自らを犯す人影に腰を擦り付けて懇願する司祭さんが、なんかもう起きてる時とのギャップもあってたまらなくエロい
いやはや、心の中ではこんなにも求めていたなんて、一回だけで放置しちゃったのは悪かったかな、なんて――



あれ? 心の中?


改めて考えてみれば、今見ているのは司祭さんの心の内側である、魂へと触れていると言っても過言ではない
そして、こうして内面を覗けているという事は術式が届いているという事だ
処女という肉体的な状態に対して与えられていた月の女神の加護とは違い
規律を守るという社会活動に対して与えられる加護だから、恒常的に護っているという訳でもないって事……なのかな? よくわからん


ふーむ……これはもしかするとイケるんじゃなかろうか
試しに夢の内容に干渉を行い、磔にされている司祭さんを降ろそうとしてみる

『あ…………どう、して?』

おー、大丈夫そうかな、しっかり夢の内容へと干渉できているっぽい
夢の中の司祭さんは女の子座りでぺったりと床に腰を下ろして、戸惑った様子で黒い人影を見上げていた
それにしても、夢とはいえ犯されていたのを止められて戸惑うって、随分と"出来上がって"いるみたいだなぁ

奔放な夢の世界には、法なんてない
意識のある状態でヤった時には加護によって術式を弾かれてたけど……おそらく、今このままヤれば、ふふっ
なにしろ10年かそこらの間ずっと理性に押さえ込まれていた欲望だ、たっぷり汲み出してあげないと可愛そうだよね

それでは、さっそく……



「いただきまーす」

夢への干渉はそのままに、半分だけ現実に意識を戻して体勢を整える
横向きになっていた肉体をごろんと転がし、仰向けにして膝を開かされた司祭さんに小声で手を合わせてから、腰を前に進めていく

この試みが成功したなら神官ちゃんみたいに加護を外せる条件が無い神官職のコをヤる時に、かなり楽になる
あまり好きじゃなかったけど淫魔は夢魔とも言うし、眠ったままってのも稀にはいいかな

濡れた入り口へぐにゅりと俺自身を押し当てて、そのまま柔らかな襞を掻き分けながら既に準備万端な状態となっている内部へ

「んッ……は、ぁ…………あぁ……」

よし、眠りから醒めないようにする干渉も問題無く働いている
トロトロになっていた司祭さんの泉の奥へとずっぽり入り込んでも目覚める様子は無い

夢の中の真っ黒な人影と同期して同じ体勢で犯させている為か
司祭さんの側もこちらの動きにつれてきゅっ、きゅっとお腹の中が収縮してくれている

「あ……ふぁ、ぁ……ぁっ……は、あぁ……」

眠ったままの抵抗出来ない相手を弄んでいるという背徳感溢れる行為に、何ともいえない昏い悦びが湧き上がってくる
緩急をつけてリズムを刻めば、意識の無い司祭さんから漏れる声もまた同じようなリズムで高く、低く、応えるように変化した
その事が面白く感じられて、無心に腰を動かして組み敷いた司祭さんの引き締まった肢体を貪り、犯す

夢の中だけではなく実際に男を受け入れている司祭さんの肉体は、次第に息を乱し、淫らな熱を高まらせていく





『あぁ、あっ……あっ、く……んん、あぁ……い、イぃっ!』

司祭さんの意識も、今されている行為を随分と気に入ってくれているらしい
夢を見ている時に柑橘類の匂いを嗅ぐと、夢の中でもミカンが出てくると前に聞いた事がある
つまりこうして二人で肉体を密着させて愉しい運動をしていれば、夢を見ている司祭さんも"実感"できるという訳だ

「はぁ……はぁ……あっ……はぁ……はっ……ん、ぁ……」

俺の下で汗に濡れた肉体を突き動かされて荒い呼吸を繰り返しながら、それでいて眠りに囚われたままの司祭さん
目じりを下げ頬を赤く染めたその顔は、起きている時の凛とした表情とはかけ離れていて、蕩けたような女の艶を浮かべていた
小ぶりなふくらみに手を這わせて硬くなっているその頂をくりくりと転がせば、細くしなやかな腰が本能に揺れ動き、擦り寄ってくる
薄く照らされた室内に濡れたものが触れ合う湿った音が流れていく


理性の鎖から解き放たれた、性の悦びを露にしている司祭さんの肉体に興奮が高まる
もっと……もっとこの女を味わいたい、しかしその為には眠ったままではやはり足りない

「ははっ、いいぞ……オマエも、イキたいか?」

『ゃあっ……わたし、へんにっ……あぁっ! こんなぁ……こんなのっ!』

先へと進む為に術式を用意し、前後の動きを激しいものに変えながら、ふと思いついて現実の司祭さんの耳元でそう囁いてみると
予想通り匂いや感触だけではなく声も聞こえるのか、返事と取れなくも無い反応が司祭さんの意識から返ってくる
現実の司祭さんは眼鏡を掛けたままだけど、夢の中では眼鏡をしていない状態とあって、まるで少女のように悦びに甘えた声を上げている

「変じゃないさ。 気持ちイイ事をして、気持ち良くなる……何もおかしい所は無いだろう?」

優しく声をかけながら、前回こじ開けてしまった司祭さんの奥の壁を繰り返しノックしていく
はぁはぁと大きく開いた口から零れる司祭さんの吐息が熱を増し、かすかに悲鳴のような声が混じり始める
眠ったままの肉体が一度だけピクンと大きく反応し、脚が宙を蹴った

「……ぁ……あぁ……はぁ、はぁ……ぁ……ぁっ」

これだけ感じていればもう司祭さんは何時イってもおかしくはない、後は、こうして――

「素直になれ……それが正しい事だ」

押し開かれた泉の端にピンと突き出した女の中心を指で押しつぶしながら耳元でそう囁いて、白濁した術式を一気に注ぎ込んだ!



『ひあっ! アぁ…ああぁああッーーーー!!』

「ん! はッ、あぁぁぁっ…………!」

肉体の奥深い場所で弾けた夢だけでは得られない感覚に応えて、現実の司祭さんの肉体ががくがくと仰け反り、終わりを迎えた

『んはっ……あ……あぁ、中に……入って…………』

物理的に胎内へと注ぎ込まれているモノを感じるのか、はたまた心の奥……魂へ注がれている術式を感じるのか
夢の中の司祭さんは夢と現実の混ざり合った悦びに震えながら、そんな言葉を漏らしていた





         ……◇……◆……◇……





「はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……」

組み敷いた司祭さんに軽く体重を掛けて汗に濡れた肌と体温を直に感じながら、打ち込んだ術式をチェックしていく

8割……といった所かな? 俺の力は確かに司祭さんの魂へと混ざりこんでいるようだ
神の加護は外れていない、しかしどんなに強固な壁があっても内側へ入り込んでしまえば後はこっちのものである

黒の混ざった白い絵の具がもう二度と綺麗な白にはならないように、もう後には戻れない



伸ばした爪で司祭さんを縛っていた縄を切って背中側で固定していた両手を自由にして
それから呼吸と共に上下するふくらみに手を這わせて、司祭さんの鼓動を感じながら眠りへの干渉を解除する
首筋に浮かんだ汗を舐めとって、そのまま肌を啄ばむようにしながら鎖骨へ……そして手の平で寄せるようにしたふくらみへ

「く、ンっ…………ふぁ……ぁ、あ?」

小さな桃色の頂を吸い上げながら ざらつきを伝えるように舌を動かせば、それを感じた司祭さんの意識が眠りの奥から浮かび上がってくる

とは言え、完全な覚醒には至らない
先ほどまで行なわれていた行為の余韻にぽってりと熱く火照り、繋がったままの肉体が正常な思考を阻害している事だろう
見ていた夢の内容とほぼ変わらない現在の状態も、それを助長している


だから、ここで一気に決めさせてもらう
動きを止めていた腰を静かに動かして、司祭さんの内側のぬめりを確かめる

「っ、ぅ……まだ……するの?」

夢の中から、夢に似た現実へ……寝起きでぼんやりとしたままの司祭さんは気づかない

「あぁ、こちらへこい。 ――そうだ、いいぞ」

欲情する肉体の熱に浮かされたまま、素直に腕を引かれてこちらの腰へと跨る体勢となって

「ンっ…………は、あぁあ……奥まで」

自らの体重がかかり、繋がりの深くなった俺自身をきゅうと強く締め付けた





「あぁ……あ、あっ……んッ……あっ、はぁあっ……」

床に座り、互いに向かい合って繋がった形
ゆっくりと……まどろみを誘うように始まった上下運動は次第に速く、激しさを増していく
切り揃えられた司祭さんの前髪から汗が滴って、ぽたりとこちらの胸に落ちた
引き締まった筋肉を柔らかな皮膚で覆った女の肉体が、腰の上で踊る
半開きの唇から零れる蕩けきった甘い声が、背中に腕を回して抱きかかえたこちらの耳を擽ってくる

目が醒めている状態で行なう行為……どこか拒絶の残っていた一回目の時は神の加護によって防がれた
でも……ふふ、夢だと思っている等の理由はどうであれ、これだけ求めてきている現在なら、どうかな?
規律の神は一方的で強引な行為を罪として否定していても、別に男女の営みを否定している訳じゃない

「ふぁ……あ……イっ、んんっ……アっ! あっ……あぁっ」

感じたままを声に出しているような、そんな声を上げている司祭さんの顔には拒絶の色は見えなかった
それ所か自分から腰を擦り付けて、積極的に悦びを生み出そうとしてすらいる
ならば後は愉しむだけだ

直ぐそこにある司祭さんの唇を奪い、濡れた口内へと舌を滑り込ませる

「んむ……ンっ! んふ……んっ……んんぅ……」

突然口へと入り込んできた異物に驚く司祭さんをよそに、歯茎の内側を軽くなぞり
それから深く唇を合わせ、逃げる舌を絡めとって唾液を送り込む……同時に腰を大きく突き上げ、俺自身を咥え込んだ襞の奥へと攻勢をかける

ビクリと抱きしめた女の肉体が跳ねた
ぽうっとした表情を浮かべた司祭さんの喉が、コクリコクリと動いて唾液を飲み込んでいる

「ちゅ……ん、んぐ……うぅ、ふ……ぁっ……はぁ、はぁ」

僅かな驚きは快楽によってたちどころに流されていってしまい、残されているのは肉の悦びだけ
もうそこに、凛とした女司祭の姿は無い



「ん、はっ……あぁ、熱い……っ! は、くぅ……ぅあっ、あっ」

くぃくぃと肉体を動かして擦れ合う粘膜に欲望のリズムを刻む
肉体を鍛えている事と、あまり経験が無い事からか、司祭さんの内部はとてもきつい
まるで、初めての娘を抱いているかのようだ
筋肉がついた肉体だから微妙かなと思っていたけれど、これはこれで……うん、イイね!

「はっ、ぅあ……はぁ……あっ、あっ……んっ……あぁっ!」

司祭さんも肉体の芯から巡る熱を発散するかのように腰をくねらせて、実に嬉しそうな声を上げている
その引き締まった肉体を流れる汗を追いかけるように、口付けの際に頬へ当てていた手を首筋へ、鎖骨へ、ふくらみへ
早鐘を打つ司祭さんの鼓動を感じながら、ゆっくりと触れている場所を理解させるように指を進める

「や、うっ……はぁ……ン、あっ! あぁぅ……」

ツンとなったその桜色の部分をしばしの間軽く可愛がり、嬌声を上げて肉体を捩り悦びを表す司祭さんを愉しみながら
さらに指を進めて俺自身を今も受け入れている下腹部へと向かわせる

「なぁ、また、欲しいか?」

「イっ……あぁっ、おねがい! 私をっ、く……ンぅ、わた、わたしにっ!」

上下運動によってじゅぷじゅぷと二人の体液が白く泡立っている泉の縁
今も俺自身がつきたてられているそこを指でゆっくりとなぞれば、鼻にかかった濡れた声でそんな返事が返ってきた
ははっ、何とも可愛くなっちゃって……まぁ、ココがこんなになっていれば納得もいくというもの

そんな事を考えながら行為を一気に強く、激しいものに変える

「あっ……あっ、アっ! ふぁ…あ、あっ、あッ、あっ、あっ!」

速度を上げてぶつかり合う腰の間で、分泌された体液が淫猥な音を奏でる
湯気を立てそうなほどに火照った肉体が交わり、擦り合わされるそこから痺れるような欲望が広がる

もうゴールは目前だ
さっきは術式に集中するあまりイタダイテなかったけれど、今度はしっかりと味わわせてもらおう
こちらの首へとぎゅっと抱きついて、すっかり快楽に飲まれてしまった様子で色に爛れた声を上げている司祭さんを突き上げながら舌なめずりをする
さて、司祭さんはどんな味かな、ふふふ

「あっあ、ィっく! あ! あっ、あぁっ! あぁあっ! アあぁッ!」

すがる腕に力が入り、上を見上げるように首と背中を反らした司祭さんの内部が収縮し、肉体全体がガクガクと震える、そうして――

「あぁあ! ああアぁああぁっーーー!!」

目の前の女を完全に自分のモノにする為の術式を、肉体の奥深くへと解き放った!





「はっ、はっ……はっ……はぁ、はぁ……はぁ……」

こちらへともたれかかるように肉体を密着させ脱力している司祭さんの背中をゆっくりと撫でながら、魂の力を吸い上げる
神官ちゃんほどの旨味は無いけれど、長年の鍛錬の賜物かどことなくコクのある、そんな味わい



余韻に背中をぶるぶると震わせていた腕の中の肉体が落ち着いてきた頃
キスをしようとでもしたのか、慣れない様子で顔を寄せてきた司祭さんの眼鏡がこちらの鼻にコツリとぶつかった

「あ……これ、眼鏡……?」

現実では掛けたままだった眼鏡に手をやり、ぼんやりと呟く司祭さん

そういえば司祭さんは眼鏡を使って弱い自分を覆い隠して性格の切り替えっぽい事をしていた
今までは夢の中の感覚を引きずっていたからか、掛けたままでも女らしい感じが出ていたけども
派手にイって一度すっきりしちゃったし、流石に気づいちゃうかな

「な…………うっ、くぁっ」

はっとして、夢ではない現実であると気づいて離れようとした司祭さんだけど、足に力が入らないのか
再び体重がかかって奥まで貫かれる形となってしまったりして、深く繋がる感触がなんかもう最高である

「くくく、急にどうした」

動揺する司祭さんの表情を愉しみながら太ももに手を這わせて、もう一方の手でお尻を捏ねる

「ひっ、やっ……貴様っ、なんでこんな」

「何言ってるんだ、オマエの方からノってきたんじゃないか……それとも、寝ぼけてでもいたのか?」

そうなるように誘導したのは俺だし、むしろ寝ている時から犯していたのも俺だけど、そ知らぬ顔でそう声を掛けた

「え? あ……そんな、わたし……わたしから? …………ンっ」

こちらの言葉を受けて少しの間視線を彷徨わせていた司祭さんが、独り言のように呟いてその顔に理解の色を浮かべる
どうやらこれまでの過程を思い出したようだ、それと……現在進行形で
男と密着し、貫かれている、その事を直接肌で感じているという自分の現状も

咄嗟にまた動こうとした司祭さんから、思わずといった風情で漏れた声が何とも色っぽい

「も、もう、やめてくれ……」

軽く腰を動かしてみれば、流石に完全に目が醒めて意識がはっきりした状態では眼鏡による自己暗示が強いらしく
司祭さんは途切れ途切れながらどうにか拒絶の声を発してきた
自分がしてしまった事の羞恥や後悔に震えるその顔を見ていると何とも嗜虐心がそそられる、けど
うーん、今日はここまでからなぁ……後々への仕込みの都合上あんまり無理やりする訳にもいかないか

そう判断し、術式を通して司祭さんの心に触れながら口を開く

「わかった、嫌がる女を抱くほど飢えている訳じゃない。 そう言うなら終わりにするか」

つい先日縛って無理やりヤった人間が言うなって話だけど、どうやら混乱していい感じに動揺しているみたいだし
このまま司祭さんのせいにしてしまおう

「ぅ、くぅ…………あぁ」

力が入らない様子の司祭さんの肉体を持ち上げて、深く繋がっていた俺自身をぬちゃりと引き抜いた

「しかしまぁ、こんな状況で男を欲しがるなんて、オマエさんも随分溜まってたんだな」

「そそ、そんな事は無い……こっこれは、何かの間違いだ!」

そう言いながら色々な体液に濡れて光る肉体を敷いてあった毛皮の上に降ろすと、司祭さんはどもりつつもそんな言葉を返してきた

「そうか? さっきはあんなに積極的で……そうだな、中々に可愛かったぞ」

「ヒっ……もっもう駄目だっ、近寄るな!」

ふと思いついて少しからかってみれば、淫魔のねっとりとした視線を向けられた司祭さんは
ほぼ裸の自分の肉体を腕で隠して、ずざざっと壁際まで後ずさりしていった
おぉ……良い表情、そそるね!





さて、愉快な反応をしてくれる司祭さんを弄るのはここまでにして……と

「まぁいい、しばらくはそこで大人しくしておけ。 おそらく命までは取られない筈だ」

「あ、ま……待て!」

話の中で匂わせておいた"嫌々ながら悪の道に入ってしまった下っ端"の設定に合わせて言葉を残し
静止の声を上げる司祭さんを放置しつつ部屋を出た





         ……◇……◆……◇……





「……」

よし、今の行為で疲れているのか、司祭さんは特に意識して干渉を行わなくても大人しくしてくれているようだ

出たばかりの扉に背を預けてしばらく様子を伺ってみても、特に何かしようとしている動きは見られない
軽くラインを確認してみれば既に術式は完全に通っているみたいだし、もう逃げたり攻撃してきたりする事も無いだろう

後は適当に地上へと戻して、何かあった時の協力者として役に立って貰えばいいかな
一般的な方向では司祭さんに、後ろ暗い世界では盗賊さんに助けてもらえば、めんどくさい事を避けるのも簡単になる



そうと決まれば姐御に話を通して、司祭さんを"逃亡"させて、その次は……ついに外の世界だ!

「っふ、ふふっ、はははっ」

嬉しさからこみ上がってくる笑い声を漏らしながら、姐御の部屋へとむけて足を踏み出す
この一歩は小さな一歩だけど、俺にとっては大きな一歩だぜ! なんてね、はははははっ







[30317] ・記憶と俺と空の色
Name: クラクモ◆5e745eb7 ID:74c49ec8
Date: 2019/01/14 09:55
・記憶と俺と空の色






「うぁー…………」

頭を軽く振りつつ小さくうめき声を漏らす

含み笑いでウキウキと歩き始めたのは良かったものの
代わり映えのしない石造りの通路を一人歩いているだけでそのテンションが維持できる筈も無く
司祭さんとの行為の余韻が醒めてからは微妙に恥ずかしくなってしまった俺である

それにしても、ココ最近湧き上がる高揚感に自分を抑えられない時が多いように思う
確かに地上の世界でのあれこれに期待してウキウキはしているけれど、なんだろうね、これは
こちらを殺しにかかってきている相手と普通に戦える事を考えれば
悪魔である事による精神的な強度のようなものはエロ方面にしか効かないって訳でも無いと思うのだけれど



少しだけ悩みながら通りがかったいつもの溜まり場
僅かな違和感に上を見上げると、天井の隅に姐御のコウモリがぶら下がっているのを発見した
このコウモリは厳密には生き物ではないので気配が小さく、動かないでいる時は非常に見つけ辛い
姐御との繋がりが無かったら見落としていたかも知れなかった

「姐御、今ちょっといいですか?」

丁度良いのでコウモリを通して声をかけてみる
姐御達と別れてから、片付けや司祭さんとにゃんにゃんしていたのを踏まえると
一眠りして休まる位の時間はもう経過している頃合である
とは言え、あくまでも仮眠程度でしかないし、まだ眠っている可能性もあった


「……ン、何か用かしら」

こちらを向いているコウモリに姐御の気配が強まる感覚があり、ややあって気だるげな声が響く
もしかして起こしちゃったかな?

「さっきの宴会で言っていた、外に行ってくるという話を具体的なものにしておきたいと思いまして」

「話……? あぁ、そんな事を言ってたわね」

って、忘れてたんですかっ!?
そもそもハーフちゃんとヤらせたのだってそこからだったのに

「いいわ、部屋まで来なさい」

内心ツッコミを入れていれば、続けてそんな命令を飛ばしてくる姐御

許可が得られたので、手早く転移の術式を展開する
意識すると何となく姐御やハーフちゃんの場所もわかるし、そう遠い距離でもない
転移魔法にも慣れておきたいから、面倒な事はさっさと済ませてしまおう



         ……◇……◆……◇……



「あ、きゃっ」

転移を終えるとそんな声が聞こえた
閉じていた目蓋を開くと正面にちょっと驚いた様子の姐御が座っている

「もう転移魔法を試しているのね、どう?」

「わわ、わわわ……」

ハーフちゃんは何を騒いでいるんだろうか
壁際の机の椅子に腰掛けている姐御の声を聞きながらぐるりと見回してみれば
背後にあるベッドの向こう側にローブを抱えて顔を赤くしているハーフちゃんの姿があった

ああ……着替え中だったのね
姐御は気にしなさそうだけど、女性の部屋にノックも無しに訪れるのはデリカシーに欠けていたかな

「ええ、溜まり場からの距離程度なら余裕を持って移動できるみたいです」

まぁそれも繋がりを持った姐御やハーフちゃんが居ればこそだけど
ハーフちゃんから姐御へと向き直り、長距離の移動も基点になるものがあれば可能そうである事も伝えておく

「それなら問題無さそうね」

「ただその、ここから出るってのは……大丈夫なんですか?」

咄嗟に着込んだと思われる前後逆の肌着に気付いたのか、後ろでまたハーフちゃんがごそごそやっている
もし今ここでバッと振り向いたらどんな反応をしてくれるかな? なんちゃって

「エ? ……あぁ、こことの契約の事?」

一瞬だけ小首をかしげた姐御は、直ぐにこちらの言いたい内容を把握して軽く頷いた

「あれはあくまでもここを守っている限り報酬として力を与えられるというものだから、別に買い物に出て行く位なんてこと無いわよ」

勿論出て行っている間は契約の恩恵を受けられないけどね、と続ける姐御
なんでも俺が来たばかりの頃に我らが姐御グループの前衛が不足していたのも
当時居た虎の獣人が地下での生活に飽きて出て行ってしまったからだとか何とか

そんな話を聞きながら不意打ち気味に後ろを振り返って……うむ、平坦だ
ナニがとは言わないが、ハーフちゃんはつける必要が無いらしい

「わっ、ひゃ」

姐御へと向き直り、聞こえるハーフちゃんの動揺した声と、どたたっと人が倒れるような音を耳にしながら軽く思考を巡らせる

なるほど、良くある「契約でその場所に縛られる」というものとは違うようだ
そういえば一般的な魔物が召喚される時には普通に拒否権があるって前にも言っていた
思ったよりも被雇用者側の権利は保証されているらしい

「ふふ…………っ! その、貴方も、ここから完全に居なくなるつもりでは無いんでしょう?」

ハーフちゃんの様子を見て軽く笑みを浮かべている姐御へ顔を向けたまま無言で記憶を確認していると
何かに気が付いた姐御が顔色を変えて早口にそう問いかけてきた
微妙に深刻そうな様子でじっとこちらを見つめてくる視線を受け止めて口を開く

「はいそれは、まぁ……姐御にはお世話になってしますし、ここも気に入ってますからね」

薄暗く静かで、空腹になる事もない上、一人で居ても人に化けてさえいればいきなり攻撃を受ける事もほとんど無い
加えて人間を襲うという悪魔的な意味での食事も有利な条件下で進める事ができるし
さらに姐御や呪術師ちゃん、盗賊さんといった女のコ達とアレやコレやナニをする事も可能とくれば拠点には申し分ないのだ
これで更に若い女のコ達がわんさか来てくれれば最高だったのに……ああ、でも、自分用のベッドはどうにかして調達したいかな

「そぅ……なら、いいわ」

こちらの返答を聞いて、姐御は少しだけ硬くなっていた表情を緩めた



「……着替えを覗くなんて、酷いです」

外へ行く件に関して問題無く話が通った事にほっと一息ついていれば
ようやく身だしなみを整え終わってトコトコと隣にやってきたハーフちゃんが頬を膨らませてそんな事を言ってきた

ぶつぶつとデリカシーがどうのと言っているけれど、さっきは着替えの途中でローブが絡まって転んじゃってたし
まぁ多少の小言は甘んじて受けよう、こうしてカワイイ様子も見れたしね!





「ア、そういえば」

そうして、ハーフちゃんを会話に加えて調達する品のリクエストなんかをしばらく話し合っていると
姐御がふと何かを思い出したように言葉を発した

「この前の、このコと一緒に居た女はどうしたの?」

隣で控えていたハーフちゃんがピクリと身じろぎする
司祭さんと彼女は同じパーティの仲間だった筈だから、そりゃ現在は人間やめちゃってたとしても気になるよなぁ

「彼女なら上手く処理が進んだんで後で外へ帰して、町で行動する時の役に立ってもらおうかなと」

規律の神という人の社会において強い影響力を持っている神殿の、そこそこ上の地位にあるっぽい司祭さんだ
何かと信用が必要な行動をする際に良い後ろ盾となってくれるだろう

「処理……ですか?」

「うん、といっても怪我をさせたりなんかはしていないよ。 ちょっと"仲良く"なっただけさ」

言葉が悪かったのか不安げな表情で問いかけてくるハーフちゃんを安心させるように微笑んでおく
司祭さんは初めてではなかったので、そういう意味でもはっきりと怪我はさせていないと言える
腰が筋肉痛に、とかにはなっている可能性はあるけども

「仲良く? ……あっ。 エミリアさんも、なんですね」

何故か顔を赤くしたハーフちゃんから半眼でじっとりとした視線を向けられた、解せぬ
いやまぁ言いたい事は解るけども、なんだかなー
同じような事になった姐御は女性だし、ハーフちゃんにとって俺がはぢめての男性になる訳だけど……あー、んー、イイネ!
別に親密な異性と思われていても悪い気はしないので放っておこう

「ふぅん……ま、淫魔だしねぇ、そこは仕方ないわよ」

生暖かい目でこちらを見ながら姐御がそんな事を言ってくる

流石は姐御、懐が深いのか種族的な価値観によるものか解らないがエロには寛大である
ハーフちゃんも時間が経てばこういう風にドライな考えになるのかな?
うーむ……それはそれで、少し寂しいかも知れない
女のコが初心な反応をしてくれるのも嬉しいというか美味しいというか

「それで、貴方は何時出発するのかしら」

アホな事を考えていると姐御から質問が来た

「そうですねー、それじゃあ……」

途中で言葉を切って予定のあれこれを考えてみる

"再生"が始まっている為、警備員としての仕事はしばらく無い
というかハーフちゃんが加入しているから俺が抜けても十分な戦力を確保できている気がする
あれ? もしかして俺お役御免? チラりと姐御の表情を伺うも、普段と変わらない表情で返事を待っているだけだった
うん、さっきも居なくなる事を心配するようなそぶりを見せていたし、大丈夫……と思っておこう

まぁそれはさて置き、出発するのに必要な人として振舞う擬装用の荷物の準備は前にやった片付けの際に終わらせてある
これは普段から持ち歩いているものとそう変わらないので手間は掛からなかった
捕虜になってる司祭さんは帰還の巻物を自分で使ってもらえば直ぐにでも帰せるだろう
あとは……少しの間、遠い彼方に想いを馳せてから、決めた

「明後日、いや明々後日くらいに出発しようかと思います」





         ……◇……◆……◇……





「ふー」

転移魔法を使用する事へ向けていた集中を解いて、一つ息を吐いた
いやはや、案外なんとかなるもんだなぁ



そんなこんなで、暗示を刷り込んだ司祭さんに帰還の巻物を使ってもらい地上へ帰らせたのが昨日の事

ルートの確認もかねてやってきた"再生"中の浅い階層は、うねるような高濃度の真っ黒なナニカが溢れまくりで
普通の人間では物理的な地形の変化で壁に埋まる以外にも
生き物として色々ヤバ気な影響がありそうなレベルの結構な危険地帯になっていた
"再生"期間中に入ってくる人間が居ないのも頷けるというものである

俺は悪魔だからなのか、この中をうろついていても特に問題ないようだ
そういえば姐御に召喚される前に居たよくわからない真っ黒な空間はもっとねっとり濃厚な感じだった
あれが大丈夫だったのだから恐らくどれだけ真っ黒なナニカに晒されても平気なのだろうか
まぁ人間から悪魔に変わっていた事が大丈夫だと言えるのなら、だけども

それはともかくとして、アクセスコードを持った俺が近くに居ると安全の為か付近の"再生"活動が一時停止されるようなので
構造体が活発になっているエリアであっても危険を感じる事もなく
壁抜け目的の短距離転移を繰り返して直線的に、あまり時間を掛けずここまでやって来れていた

「さて、と」

頭を軽く振って、肉体の芯に残る耳鳴りのような力の余韻を振り払い一つ深呼吸
うむ、途中で見かけたスライムに異臭を放つ毛皮を投げこんで処分を終えた事もあり、すっきりといい気分だ

現在地は浅い階層、地下一階の外れの外れ、人類側に未踏査区域と呼ばれている一帯である
この辺りは壁に大きい妙な形の装飾やら何に使われていたのか良く解らない凹凸やらが付いていたりと
自分の部屋やたまり場のある中階層とも呪術師ちゃんがいる浅い階層の奥地とも随分と異なる造りなのが見て取れる

「うーん、この先だったかな」

場所の目安となる通路の幅や壁の装飾の違いに目をやり、少々あやふやな記憶を辿って独り言を呟く
それから周囲の真っ黒なナニカを介して行く手の地形を確認しながら歩き出した

目指しているのは以前チェックしておいた自然の侵食によって出来たと思われる外部への開口部である

地上まで直接転移魔法で行けない事も無いだろうけど、流石にどうなっているのか解らない場所にいきなり行くのは危険だし
探索者が持っていた帰還の巻物の出口に設定されている"正面玄関"前の基準点には
魔物の出現を警戒する為の詰め所があるらしく、常駐している兵士に目撃される可能性が出てくる
それが司祭さんのような社会的地位のある人なら良いかも知れないが
人間達の言う"組み換え"が始まって以来立ち入り禁止となっていて、無人となっている筈の迷宮から
見慣れない魔法使いが一人だけで出てくるとか怪しすぎである
ゴロツキか、あるいは人に化けている魔物なのか、とにかく疑って下さいと言っているようなものだ

なので手持ちの巻物を使って"正面玄関"に出る事は、まず最初に候補から外された
どこか目立たない場所へ帰還可能な巻物なんてものが有れば良いけれど、生憎手元にあるのは"正面玄関"の外へ戻る量産品だけ
次にゴロツキ達が利用するらしい"裏口"も、もし後ろ暗い連中が周囲に残っていて目を付けられたりすると面倒なので却下

流石に未だ発見されていない未知の出入り口を探すのは面倒なので、そうなると残るはこの先の開口部しかない





そんな理由から、この自然の崩落によって出来たと思われる開口部へやってきた、訳だけ……ど…………

「……」

怪しい
開口部……と言うか亀裂っぽいそこは以前軽く確認した時と変わらず、円形の水溜りのある空間の中央付近の天井に存在している

最初に来た時には構造体内部の地形の大まかな把握に重点を置いていた事もあって「へーこういう場所もあるのかー」で、済ませていた
しかし良く考えてみれば、数年に一度の周期で訪れる"再生"があるというのに、自然の浸食で壊れるなんて事があるんだろうか
確かに広いホールのような高い天井には今も一筋の亀裂(仮)が存在しては、いる
でもって丁度昼ごろという事もあり、そこからは太陽のものと思しき光が差し込んでいる、のだが
真っ黒なナニカにアクセスしながらやってきたから解る……ここの機能は死んでいない、壊れて風化している訳では無いのだ

一体どういう事なんだろう



……まぁ、いいか!

ざっと調べた所で何気に亀裂の真下にある池と呼べる規模の大きな水溜りの何割かが
全自動掃除機である所のスライムで構成されている事に気づいたけど、俺に危険はなさそうなので気にしない
大体構造体に関しては謎が多すぎなので、ある程度はスルーしないとやってられない

そんな事より外だ! そして若い女のコ!! ついでにおいしい食べ物! あと酒!
逸る気持ちのままに水溜りの上を魔法でふよふよと歩く程度の速度で浮遊しながら、光の差し込んでいる亀裂(仮)へと向かう

久しぶりに感じる日差しに目を細めながらその断面部分を詳しく観察してみれば
やはりと言うか、風雨によって浸食されているように見えたのは上から落ちてきた岩や泥が端っこに詰まり
開口部の表面上の輪郭を自然なものっぽい形に縁取って、そこにコケやシダっぽい植物が生えているからであって
亀裂のように見えた部分の地肌そのものは、どうやら綺麗な面構成のままで傷んでいる様子は無かった


「ぅヒッ?!」

さぁ地上だ、とルンルン気分で亀裂を抜け上に目を向けた所で、大きく丸い瞳と視線が交錯する

一瞬の動揺で浮遊の魔法が乱れて落っこちかけ――っとと、危ない…………よし、大丈夫
内心あたふたしつつ必死に術式を立て直して、改めて頭上に目を向ける
そこに居たのは、特に何をするでもなくこちらをじっと見ている大きな蜘蛛

……でかい、もう凄くデカい、蜘蛛苦手だってのに、よりによって胴体だけで乗用車サイズのが居るとは流石ファンタジー
感覚的には一応彼?も警備員扱いらしいので襲ってくる様子は無い、でもホント勘弁して欲しい
とっとと抜けてしまおうと、開口部を抜けた先の縦穴の日陰になっている側をビクビクしながら上昇していく

一番広い所で2メートル弱ほどの幅でしか開いていない開口部とは異なり、その上の縦穴部分の直径は意外に大きかった
ドンと鎮座している大蜘蛛から目を逸らしつつぐるりと見回せば……ざっと10メートル程はあるだろうか
上の円形に切り取られた青空の端には樹木が見えているので
森の中に開いた丸い縦穴(大蜘蛛在住)の底に亀裂のように開口部が開いているという感じの地形なのかな





「――――」

ふと下に目を向ければ、襲いかかってくる事はなくとも動くものを追う習性をもっているようで
大蜘蛛は巨体を感じさせない滑らかな足運びでこちらを向き、いくつもある丸い瞳に浮遊する俺の姿を映し続けていた
さっきは逆光だったので当社比3倍くらい恐ろしげに見えたけれど、こうして上から見下ろす分には意外と可愛く……見えないな

むしろよりはっきりと細部が確認できてキモい、こっち見んな!





         ……◇……◆……◇……





かさ、かさり、午後の日差しの中で歩みを進めるごとに足元で落ち葉が微かな音を立てていく

地下に広がる謎の巨大な構造体、その上の地表部分には結構な広さの森が存在していた
位置関係からすると、人間から"正面玄関"と呼ばれている場所はこの森の南の外れにあたるのだろう


……ん、よしよし

人の手の入っていない、大人が腕を回しても足りない程の太さの木々で形作られた古い森の中
少し立ち止まって、意識を遠くへと向けて、確認してからまた歩き出す

まさか構造体の敷地が地上まで含んでいるとは思わなかった
どうやらここも警備員の活動範囲内となる扱いのようで、今の所はまだ力も問題無く供給されている
穴に居た大蜘蛛と同種と思われる人間サイズの固体がこちらをじっと見ているのを視界に入れないようにしつつ歩いていく
うん、蜘蛛は苦手だけど同じ警備員という事で警戒する必要は無い、ないったら無い

ふふ……いやー、それにしても愉しみだ

久しぶりに……いや、この世界だと初めてになるかな?
見上げる空は記憶にあるものよりも鮮やかな色で、暗い地下に慣れた目には少し眩しく感じられた





……ターゲット確認

根元にキノコが生えているような木々が立ち並び、下草が多くて見通しが悪い場所
地下で獣人達と6足獣がそうであったように、警備員の種族や能力ごとに活動範囲が区切られているのか
先ほどまでの蜘蛛達のテリトリーからは少し離れた周囲に魔物の気配が感じられない、そんな一角


ガサリ、と気づいてもらう為に意図的に大きく音を立てて目標の後ろへ降り立つ
すると彼女は、腰の短剣の柄に手をかけながら振り返り、こちらのローブ姿を確認すると鋭い声を投げかけてきた

「何者です!」

そう、森へ薬草を摘みに来ていた神官ちゃんだ

通常であれば危険の少ない森の入り口の付近で採取を済ませる筈が
どういう訳か今日に限っては、まるで何かに呼ばれているかのように、こんな奥地まで入ってきてしまったのである
森も司る神に仕えているという職業上、彼女は森歩きには慣れているから道に迷う事は無いのにねぇ
ホント、なんでだろうねー? ふしぎだなー? ひひひひ


膝下までのブーツにすらりとした脚を覆う厚手のズボン
ボタンを下から上まできっちり留めてある長袖のシャツと、それを内側から押し上げて良い感じの曲線を作り出しているふくらみ
きゅっと形の良いお尻を隠す程度の長さの外套、摘んだ薬草を入れてある籠に、背中の弓と矢筒
自然の中を歩く為だろう、胸が無ければ男装のようにも見える活動的な装備に身を包んだ神官ちゃん

最初に会った時の清楚なローブ姿とはまた異なる魅力を漂わせる立ち姿に視線を這わせながら口を開く

「久しぶりだね」

「……? その……どこかでお会いしたでしょうか?」

…………ん、あれ、もしかして覚えてないのかな? 二人であんなに衝撃的なコトをしたのに?

馴れ馴れしいけれど一応は友好的に声をかけたこちらの様子にある程度警戒を緩めつつも
しかし怪訝な顔で他人行儀な反応を返す神官ちゃんに、こちらも首をかしげる
どういう事なのか確認しようと、改めて彼女の魂へと意識を繋げてみれば……

「……んっ……」


――あちゃー、なるほどね

どうやら神官ちゃんが帰ってから魂の繋がりを通して送りつけていた「俺の事を人に知られないようにする」という暗示が
色々とおかしな事になって、関連した記憶を"人"である神官ちゃん自身も思い出せなくなっているようである
あの時は魔法的なものの操作に慣れてなかったし、はぢめての食事を愉しんだ後でテンションおかしかったからなあ
まいった、まいった、これじゃ感動の再会とはいかないか


「っ?! ……?」

なんて事を考えていると、神官ちゃんが不思議そうな表情を浮かべてきょろきょろと周囲を見回していた

んん? まだナニも……と思ったけど、あぁ、そういえば神官ちゃんは魂の気配に敏感なコだっけ
あの時も術式で魂をまさぐられてビビッと何か感じている様子だったな

「ええ、以前迷宮で"イロイロと"お世話になったんですが、その時の忘れ物を返しにきたんですよ」

ふむ……繋がりを通して魂を弄られた副作用なのか少し顔を赤くしているけど、もしかして気持ち良いんだろうか……ちょっと試してみよう

「短い間のコトでしたから、忘れてしまっているのかも知れませんね」

神官ちゃんに話しながら再びその魂へと集中して、さわさわと撫でるような強弱をつけて術式を動かしてみる

「なるほど、そうでしたか。 失礼ですが、忘れ物というのはどういった…………ッ! ぅぁ……」

こんな森の奥深くで忘れ物を渡しに来たと言われる不自然さに気づく事ができないまま、会話の途中にヒクンと身をすくませる神官ちゃん
おぉ、思っていたよりも強い刺激が伝わっているみたいだ、これは面白い

己の存在に直接触れられる感覚にもぢもぢしている神官ちゃんの様子を愉しみながら
背中の荷物を降ろして、持ってきていた彼女の装備品を取り出す

「ぇ、あ。 それ、は……」

真っ黒に染まったチェインメイルに視線を向けて目を見開いた神官ちゃんが何事かを呟く

「あれは、夢……で…………ッ!?」

そして急に表情を強張らせると唐突に背負った弓や薬草の入ったかごを投げ捨てて、身を翻して走り出した

おや、もしかして記憶が戻ったのかな?
だとしたら同時に俺が悪魔である事も思い出しただろうから逃げ出してしまうのも仕方ない
しかしまぁ、一生懸命走って翻る外套の下に見えるお尻がふりふりしているのが可愛いネ!
脚を前後に動かす事でズボンの布地が突っ張って、左右交互に浮き上がる形が、なんというか、こう……グっとくる良い感じだ
そんな後ろ姿を堪能しながら、茂みの奥へと消えていく神官ちゃんを見送った



こんな風にのんびりしていれば、普通だったら完全に見失ってしまうけれど……俺と彼女ではそうならない

少しすると、右手側の茂みの奥からがさがさと音がし始めて、そして――

「きゃっ!」

つんのめる様にして腕の中に飛び込んできた神官ちゃんの柔らかい肉体をしっかりと受け止めてあげた

「そんな!? 何故っ……」

ふふふふふ、既にもう神官ちゃんとは魂レベルで繋がっているんだ
こうして心の奥の部分から干渉してあげれば、神官ちゃん自身が意識していなくても自然と戻って来てしまう

よく言われる「自分からは逃げられない」って奴だね! ははっ




「急に走り出したりして、何かありましたか?」

なりふり構わず急に走ったことで少し息が荒い神官ちゃんを抱きしめたまま、何食わぬ顔で話しかける

「ぁ、ええと……急に、その……あれ、私……」

神官ちゃんは問いかけの内容に対して戸惑った様子で曖昧に言葉を濁した

ふむ……この反応を見るに、さっきは逃げちゃったけど完全に記憶を思い出したって訳でもないのかな
腕の中の神官ちゃんは身体を捩って抜け出そうとするそぶりを見せている
でも、これは悪魔に対してというよりは、あくまでも異性に抱きすくめられている事に対する拒絶という所だろう

まぁ記憶が戻っていなくても、これからする事にはあんまり関係ない
というかむしろ、もう一度はぢめてのような反応を愉しめる分美味しいんじゃなかろうか

そんな事を思いながら神官ちゃんの肉体に回した腕をずり下げていって、形の良いお尻を軽く撫でる

「ひゃ……あっ、あの、放してくれませんか」

より激しくこちらの腕から逃れようと動く神官ちゃん、その汗ばんだ肌から昇る女のコの匂いに衝動が高まっていく
くくっ……こんな素敵なコをまた味わえるなんて、いやぁ、ホント最高だね!

「どうしてです?」

問いかけながら、服に隠された若さ溢れる肢体の柔らかさを確かめるようにして手を這わせる
簡単に腕を回せてしまう、ほっそりとした腰のくびれを手前に引けば
神官ちゃんのふくらみがこちらの胸へと押し付けられてその柔らかさが布越しに伝わってきた

「どうしてって、こんな……ゃ、ふ、ふしだらなっ」

「ふしだら、ね」

ぐいぐいとこちらを押しのけようとしながらも、走ってきた事以外の原因で頬の赤みを濃くする神官ちゃん
ふふ、一体どういった行為を連想したんだろうね? これは是非とも聞いてみないといけないな

「こういうコトが、どういう意味なのか……知っているのですか?」

驚きと混乱、羞恥に揺れる神官ちゃんの瞳を見つめてそう言いながら
腕の中にあった温もりをトンと軽く押しやり、手近な大木の幹へと彼女の背中を押しつける
すぐさま踏み込んでその足の間にこちらの膝を入れ、両側に腕をついて、木と自分の体で挟み込む

「いえ、ち、違います。 そんなこと、わたしが知あッ? ……ぁ、だめ、です……」

首を小さく振り口早に否定の言葉をつのる神官ちゃんの肉体に服の上から少し荒っぽく触れていく
腰から始まり、くびれのあたりからあばら骨を経由してふくらみへ……下から押し上げるように辿りついたそこを揉みしだく

急な展開に硬直していた神官ちゃんが今更のように手から逃れようと動いても、それは叶わない

「へぇ? なら、これからどうなるのかも解らない、のかな?」

丁寧な人物を装っていた口調を戻し、からかいを含んだ声をかけながら むにゅむにょと手の平に伝わる感触を味わう
ん、最初に会った頃よりも少し大きくなっているような……? "女"になって成長したのかな、ふひひ

「そうでッ……そう、です。 知りませんっ! ぅ……だ、だから、止め」

日常生活の中ではありえない近さに顔を寄せられて、何かにおびえる視線を彷徨わせながら言葉を発する神官ちゃん
その言葉の途中で……開いた唇を、唇で塞いだ

「んぅっ? ん! んんー!」

しっとりとした潤いのある唇を舌で割り、暖かい口内へと差し入れる
異物を押し出そうとする舌を悪魔の長い舌で絡めとり、ヌメりの中でざらついた感触が微かな水音を立てて触れ合う
身を離そうと動く腰を抱き寄せて、擬似的な男と女の行為ともいえる深い口付けで神官ちゃんを侵す

目の前にある女の汗ばんだ肌の匂いがまた鼻に触れて、地下で最初に行為をシた時の事を思い出させた
あぁ、あの時はホントに良かった……そして、今も、また、これから

息苦しくなったのか、無駄な抵抗を続ける神官ちゃんの喉がこくりと動いて、送り込んだ唾液を飲み込んだ

淫魔の、唾液を……





         ……◇……◆……◇……





「ぷあ……はぁ……あ、い、いやっ」

何故か頑なにいやらしい事など知らないと主張している神官ちゃんだけど、本当は良くない事になると解っているのだろう
とは言え、華奢な彼女がそれを拒み本気で抵抗した所で悪魔の力に敵う筈もない

「クク、いいよ……知らないと言うなら、今みたいに教えてあげよう。 これから、キミと、キミの肉体に……ね」

こちらを押しのけようとしている両手を掴みながら魔法を行使すると、湿った縄が背負い袋から蛇のようにくねって現れる
そうして、蠢く縄は足から上へと神官ちゃんの肢体を這い上がり、その両腕を頭の上で交差させた形に拘束していく

「な、これは……ほ、解きなさい!」

あっという間に腕を縛られてしまい切羽詰った声を上げる神官ちゃん
表面上は動揺していないかのように、キリリとした視線を向けてきているけれど
僅かに震える睫毛や声色が、その態度は虚勢に過ぎないという事をこちらにしっかりと伝えてきていた

当然、そんな視線を向けられてもこちらの興奮が高まるばかりである
後は縄の残りの部分を頭上の木の枝へぐるりと回して、爪先立ちになる程度の高さに吊るしてしまえば準備完了だ

動かす為に使っていた術式を解くと、神官ちゃんの体重がかかった縄がキシりと音をたてた



うむうむ
司祭さんを捕らえた時にやった縄を操る魔法を練習しておいたかいがあった

一歩足を引いて、腕を上げて枝に吊るされた状態になった神官ちゃんの無防備な肉体をじっくりと眺める
あぁしまった、上着を脱がせてから拘束すれば良かった
とりあえず首元で固定している紐を解けば外せそうな短い外套と、後は……ズボンとブーツも脱がせちゃおうかな

「ひっ、いや……こないで、ください……」

ねっとりと視線を肉体に這わせると、神官ちゃんはおびえた様子でふるふると身体を震わせた
捕われても抵抗を止めなかった初めての時とは異なり
既に加護が失われている神官ちゃんは今の状況に先ほどとは打って変わって気弱な様子を見せている
目じりを下げて不安げに揺れる眼差しに、なんとも悪魔や淫魔……そして男としての本能が刺激された

「嫌がる必要は無いよ……これからするのは、むしろイイ事だからね」

そう声をかけながらスルリと軽く頬を撫でて、顔の輪郭をなぞり、ほっそりとした首元へ
手の動きを感じさせるように下へ進んで胸の前で外套を留めている紐を掴む

「う……いけません、このような事をすれば神罰が下ります!」

「心配は要らないよ、大丈夫"だった"から」

強がりに過去形で軽く答えて紐を引けば、固定されていたみ短めのマントのような外套は重力に引かれて地面に落ちていく
ふむ、弓を扱うだけあって肩はしっかりしているけれど、女のコだから肩幅は狭いんだなぁ

「やっ、誰かっ! だれか助けてぇっ!」

そんな感想を抱きつつ短剣の鞘が付いている腰のベルトを外して、ズボンを引き下げている所で神官ちゃんが大きく声を上げた
しかしここは人の入ってこない森の奥、助けを呼ぶ声は誰にも届かない

気にせずスラリとした足からブーツを引き抜いて、それから神官ちゃんの後ろに移動する
腕を吊るされて無防備な背中に寄り添い、わざとふくらみに触れるようにしながら上着のボタンを丁寧に外す

「そんな事よりもさ、もっと気にしなければならない事があるんじゃない?」

集中力が高いのか、神官ちゃんは一つの事に気を取られると他がおろそかになる傾向があるなぁ
だからお愉しみの最中には没頭しちゃってあんなに乱れちゃうのかな? なんてね……くふふふっ

下着を残して露出させた神官ちゃんの下半身……程よい丸みを持ったお尻に手を当て、少しの間その弾力を愉しんで
そこからわき腹をくすぐるようにしながら上へ

ククク……さぁ、愉しい時間の始まりだ

「……っ……て、手を、離して」

触れた時に一瞬身を固くした神官ちゃんのそんな声を聞きながら、しかし両手を止めることはしないで
ボタンが全て外されている上着……その影に両外側の半分だけ隠れているふくらみへと辿り着かせる

「ぁ…………あ、やめッ?!」

ああ、柔らかい

生地と素肌の間に滑り込ませた両手で、その幸せな重みを持ち上げるようにして、やわやわと優しく揉む
拒絶の言葉を放とうとした神官ちゃんが口を開くのに合わせて、その先端にある色づいた部分を指先でくるりと回すようになぞると
ヒクンと敏感に反応した神官ちゃんの声と肉体が大きく跳ねた

口元に笑みを浮かべながら、ふくらみの先端だけに指をかすらせて するりするりとゆっくり焦らすような速度で繰り返し触れていく
ピンポイントに敏感な場所へ走る刺激から神官ちゃんは肉体をくねらせて逃げようとするけれど……逃がしてはあげない
その動きに合わせて腕を動かして、近すぎず、遠すぎず、じわじわと追い詰めるように

途切れる事なく続くその行為を受けて、次第に神官ちゃんの吐息が乱れ、熱を帯び始める
その頃になると、既にエロ成分を含んだ唾液を飲まされている事もあってか
指で触れている部分はすっかり固くなり、ツンと立ち上がってきていた

「……ん、はっ…………ぁ、あぁ……」

蓄積されていく刺激を堪えきれずに小さく喘ぐ神官ちゃん
くくく……この分では肉体のスイッチも入った事だろう
今度は先端を手の平で転がして、ふくらみ全体をぐにぐにと回すように捏ねながら考える

「ふぁ…………あ……ぅ……」

人間は一年を通していつでも欲情可能な動物だ
性的な部位へ刺激を受け続ければ理性や思考とは無関係な原始的な根っこの部分で肉体の準備は整えられていってしまう
本人は意識してはいないだろう内腿をもじもじと擦りあわせている動きがそれを証明していた
そして一度肉体が欲情してしまえば、好む好まないに関わらず、次第に意識もそちらへ流されていく


「こうされるの、気持いい?」

「ぁ、やっ……嫌、です……ッ……」

俺の声によって、それまではただ肉体へ受ける刺激だけに向いていた意識が
男へ肌を許しているという現状の把握に繋がったのか、神官ちゃんは羞恥に頬を染めて顔を背けた
そんな事をしても逃げられる訳じゃないのに……ふふ、可愛いなぁ

手の平に丁度納まる……いや、少し余る位の大きさに成長した神官ちゃんのふくらみ
若さ特有の張りと自在に形を変える柔らかさを同時に備えた曲線、中心にアクセントとして存在する先端
それにそこを念入りに可愛がってあげた時の、背中をピクンとさせて胸を突き出すようなしぐさ
女のコの感触はどれだけ堪能しても飽きない

「そう? なら確かめてみようか」

でも、ここだけを愉しんで他を放置するのも可愛そうだ
片方の手をふくらみに残しつつ、一方の手は爪先立ちの状態で頼りなく揺れる足の間へと矛先を向ける

「え…………だめ……待ってください、そんな」

動きに気付いた神官ちゃんが身を捩って声を上げるけれど、構う事はない……だって、もうそこは……ふふふ
少しだけ骨の浮いたわき腹をなぞるようにして手を下ろして、きゅっとしたおヘソを通り過ぎ、あっという間に目的地へ
短い旅路を終えた手に、しっとり濡れた布の感触が伝わってくる

「もし嘘だったら……悪いコにはおしおきをしないと、ね」

「……んっ」

その場所を確かめるようにつぅっと指を縦に動かしてみれば、口を閉じた神官ちゃんの喉の奥から艶めいた微かな声が漏れた
いい感じだ、そんな神官ちゃんの様子を見やりながら布の内側へ入り込む

濡れ濡れである

ちゃっ、ぬちゅ……と手にヌメリを感じながら、淡い茂みの先にある泉を解すようにやんわりと捏ねる
ふくらみへと念入りに行った行為のおかげか既にべったりと湿り
それでいて生娘のようにぴたりと閉じられている神官ちゃんの女のコの部分

「あ……そこ、はっ…………駄目、です……ぁ、触らなっ!? ……んッ、く」

でも、ここは……くく、あはははは! 中指の腹で、その奥へと続く入り口をぐっと押すようになぞって笑みを浮かべる
もう男を知っている、そして、その事を俺だけが知っている
何しろ、ふふ、他でもないこの俺が、この腕の中で震える清らかな……清らかだった娘を、"女"にしたんだから!

「ぅぁっ…………いやっ、嫌ぁ……」

5本の指を全体で楕円を描くように動かして、ぬるぬるになっている縦長の泉の表面を這いまわらせ
後ろからは俺自身でお尻の弾力をふにふにと押す

泉に感じる手から逃げようと腰を引き、しかし後ろへ下がっても背後に立つ俺の肉体に前へ押し出されて
前と後ろから挟まれ、そこから何とか逃れようとしている神官ちゃんの腰は
今はまだそうでは無いけれど、欲望を求めるのに似た動きをゆらゆらと前後に繰り返している

「嫌、かい? クク……それなら、どうしてココはこんな風になっているの?」

くりり……と、片手でふくらみのツンとした部分を摘みながら問い掛ける

「は、ンっ…………うぅ……」

腕の中の瑞々しい肢体がピクンと強張った

「どうして、そんなに息を乱しているんだい?」

与えられた強い刺激にくっと上を向く神官ちゃん、その髪に顔を埋めて、耳の後ろでそう囁く
汗の滲んだ肉体が揺れて、キシリと縄の軋む音が聞こえる

「それに、どうしてココはこんなに……濡れているのかな?」

そして、問いかけと同時に、熱く濡れた泉の内側へ……ぬるりと指を入り込ませた







         …………■……◇……◆……◇……■…………







「ねぇ、どうして?」

執拗に繰り返される男の問いかけを、首を左右にふって拒絶する

…………気持良いからだなんて、そんな事……言えるわけがない



「や……離し、ん……ぬ、抜い……っ! てぇ」

恥ずかしい部分へ入り込んできた男の指が何か得体の知れない生き物のように蠢く、そのたびに
かき回された肉体の奥から熱が、奇妙な痺れが背筋を駆け上がってくる

「ぅ…は…………く、んぅっ……」

男の吐息にうなじをくすぐられ、思わず喉の奥から漏れた、自分のどこか艶を感じさせる声
その声に、いつか見た夢の内容が脳裏をよぎった

知らない、知らない筈なのだ
16歳で成人を迎えてからより多くの経験を積む為に始めた探索者としての生活
戯れで酒場の女性からそういった話を聞かされる事はあったが、ただ、それだけで
だからあれは夢、自分が体験した事ではない……その、筈なのに

はぁはぁとうるさい自らの呼吸に混じって、ちゅっ、ちゅく……と小さな水音が聞こえる


濡れていた

自分で慰めている時よりも、ずっと酷く
この、見覚えの無い男に縛られ……望んでいない行為をされて


そして、考えることで後ろに立つ男を、男の手をより強く意識してしまう

「ぃゃ……や、あぁ…………ン……やめて……ください」

乱れた呼吸の合間に何とか発した拒絶の声……だが、こんな声を聞かされて止めてくれる男は居ないだろう
自分でもそう思ってしまうほどに、それは鼻に掛かったように甘さを含んだ声だった

「あぁ、わたし……こんな…………う、ぁ……」

頬が熱い、常に無いほど高ぶっている、だけどその事が……気味が悪い程、肉体に馴染んでいた

伝わる刺激がズキン、ズキンと記憶の扉を叩く
あぁ、これはあの夢の中の痛みだ

――もの足りない、もっと激しくして欲しい

「あふ…………んん……はぁ、はぁ……あぁあ……」

おかしくなってきている、そう感じた
男に触れられて反応してしまっている部分からだけではない、胸の奥、心の中からも
じわりじわりと淫らな欲望が顔を覗かせてきている

男の指が二本に数を増やして、より深い部分へズルリと入り込……っ!

「んぁっ! あぁ……だめ…………く、んぅッ」

肉体が大きく跳ね、男の手で掴まれていない側の胸がぶるんと揺さぶられ、頭上で腕を縛っている縄からキシリと音が鳴る
女のものよりも太く長い男の指先は、深い場所の触れられる事に慣れていない部分を容赦なく擦り上げていく
ぞわりと背筋を通り過ぎる感覚に、きゅぅ、と乳首が一層固くなってしまうのが自覚できた
手足へとびりびりと痺れに似た何かが走って、動かさずには居られない

「あぁっ……ん、くぁ…………あ、あっ! う……んんんっ」

そして、思わず上げた声でこちらの変化に気付いたのか、執拗にその部分を男の指先になぞられて
ヒクンヒクンと勝手に動き、入り込んだ異物を締め付けてしまう自分の肉体は、誤魔化しようのない程に火照り始めていた



顔にかかる髪から、滴となった汗が下へ流れていく

頬を回り、顎先から首へ、鎖骨へ
肌を伝う感触を追うように視線を下に向けると、胸をまさぐる男の指の間からツンと突き出した先端が目に映った
その瞬間、はしたなくも刺激を求めるように上を仰いでいたそこを、くっと摘まれて

「あ! く、うッ…………ンん……あ、いやぁ……」

ただそれだけで、今も弄ばれている足の間の内部から、とろりといやらしい液体が垂れてしまう
私は月神殿の巫女だ、このような事は拒まなければいけない
それなのに……感じてしまうのが止まらない、キシ…キシリ、肉体が動いて、また縄が音をたてた

変だ……指だけでこんなになるなんて、でも

――もっと、もっと……

あぁ、熱い……もう、これ以上我慢できそうにない
一度思ってしまったら、駄目だった
気が付けば自然と腰を揺さぶって、女の中心からじんじんと響く悦びを自分から求めてしまっていた

「イっ……んん、ぅあっ、ゃ……あぁ…………あっ」

半分ほど開いた自分の口から、あられもない声が零れている
そこに含まれたいやらしい響き……ああ確かに、自分は、欲情している
べったりと水気を含んで重くなった下着が足首へとずり落ちてしまったのが気にかからない位には、どうしようもなく
でも、でも……仕方ないではないか、男に、こんな……

「ぅンっ、く……ぁ…あぁっ! あっ……あぁ、んッ、ぃ……あっ、あ」

自分に言い訳をしている間も、ヌメリを帯びた内部はくちゅくちゅと妖しく繰り広げられる男の指使いに翻弄されていた
淫らな熱を持った肉体の芯が甘くぶるぶると震え、ぐんぐん高みへと押し上げられていく

「あッ! あぁ……あっ……あっ、ああっ……ふぁ、あぁあ!」

そうされている事に、不思議と嫌悪感は抱かなかった……そうして、全身に満ちた欲望に逆らう事無く、そのまま――

「ぁあッ! あぁあア…………っ!!」

強く押し寄せる快感の衝撃に目を大きく開いて、夢で見た人影のように背中や足先を反り返らせて
肉体の内側に咥えこんだ男の指をぎゅうぎゅうと締め付けて……されるがままに、絶頂を迎えさせられた









[30317] ・彼女と俺と羽ばたく翼 <New>
Name: クラクモ◆5e745eb7 ID:74c49ec8
Date: 2019/01/14 09:55
・彼女と俺と羽ばたく翼







「ふふ、お疲れ様」

ふわふわとしていた意識に誰かの声が届いた

お疲れ様? 一体、何が?

上へ引っ張られていた腕が急に自由になって、落ちていた外套の上にぺたんと座り込んでしまう
震える手足には力が入らなくて、立つ事ができない
"月の訪れ"の時に似た、奇妙な疼きが身体にある

ええとわたし……、…………?



…………そうだ、逃げないと

今という状況がよくわからない、でも……逃げなければいけない
おぼろげに浮かんだ考えに何とか動く四肢へと力を篭めて、手と膝を突いて進もうとする

「そんな恰好で……クク、誘ってるのかい?」

また誰か、男性の声が聞こえる

それと同時に片足に暖かい何かが触れて、それ以上進めなくなってしまった
くい……と、軽く足首を引かれてバランスを崩す
倒れこんだ身体を森の柔らかい落ち葉が優しく受け止めてくれた


あれ? ……進めない、どうして……行かないと、ダメなのに、でないと、私は

意味も解らず焦る気持ちだけがぐるぐると頭の中を廻り、途切れ途切れの思考が綺麗にまとまらない
混乱したまま、うつ伏せになった身体を肘をついて起こし、何かに引っぱられて真っ直ぐ伸びた足の先を振り向く

肩越しに後ろを向いた視界へと、ローブを脱ぎ捨てて素裸となった男性の、男の……股間のモノが飛び込んできた

「あ……」

意識がはっきりとして、直前までの出来事を思い出す
葉の擦れる音と共に森を吹き抜けていく風が、晒したままの素肌を撫でていった


目の前で自分と同じように肉体を剥き出しにしている男
夢の記憶、その中で何度も男が女に突き立てていた、しかし現実に見るのは初めてである……筈の、雄のモノ
大きく反り返ったソレに目を奪われ、息をのむ

……無理だ、あんな、入るなんて


――あぁ…………あれが、私を

上を仰いだソレに魅入られてしまったかのように視線を外す事はできなかった
逃げないといけないのに、軽く掴まれているだけなのに、どうしてなのか

そうこうしている内に、すぅっと男の手が動きを開始して、肉体がピクリとなる
気味が悪いほどの優しさで、肌に触れるか触れないかの所をじわじわと這い進んでくる男の大きな手
そこから伝わる感触に皮膚が粟立つのを自覚する

それでも、身体は動かせなかった


――そうだ、動いてはいけない、こうしていれば、このまま……私を

どこか肉体の奥の方から、ぞわりと背中に走る刺激に紛れて誰かが囁いている
その声は……求めていたモノがようやく得られる、そんな悦びの響きを含んでいた



「ほぅら、捕まえた」

近くで聞こえた男の声と、素肌に感じられる自分のものではない温度
気がつけば、男は伸ばした足に覆い被さるほどの距離にまで迫っている

「ひぁっ…………あ、や……」

どうにかして立ち上がろうと膝を曲げていた、男に掴まれていない側の足
その太ももの内側をゆっくり撫で上げられるぬらりとした感触に、されていたコトを思い出す

最中と同じように下腹部の内側が きゅうと疼いた
鼓動が、また早くなっていく

先ほどは男の指だった、では……次は?

夢の中の、乱れてあられもない声を上げていた女性達と、この先の自らの姿が重なった
はぁはぁと自分から聞こえる吐息がうるさい

私が、ああなってしまう

逃げようとしていた時とはまた異なる緊張が生まれて、ごくりと唾液を飲み込んだ
そうした自分の状態に気付いてはっとする
これでは、まるで期待しているようではないか――男との、あの行為を、私が……わたし、が

「……ッ…………ぅ……」

沸き起こった動揺が収まらない内に
足の付け根、先ほど弄ばれてべっとりと濡れてしまったままのそこへ、再び男の指が触れた

「もう、準備はできているみたいだね」

その入り口を広げるように軽く掻き混ぜられて、ヒクリと反応しかける足に男が跨ってくる
うつ伏せの状態から片肘を突いて、上半身を半分ほど捻って後ろを振り向いていた私
伸ばしていた下側の足が体重をかける事で固定されて、男の腕にもう一方の曲げていた脚をより大きく開かされた
完全に逃げられない形で組み伏せられて、お尻の後ろ側にはっきり感じられるようになった異性の体温

……肉体が、近い


「ぁ……いや…やめて、ください」

ふと、そんな実のない懇願が空しく口から零れていた
しかし弱弱しい囁きは当然のように聞き入れられず、男は熱い温度を持ったモノを剥きだしのソコに宛がってきて


――ついに、また

"されて"しまう……恐れ、不安――そして期待
様々な感情がぐるぐると頭の中で渦を巻いて微熱を帯びた肉体を縛る
あんな大きさのモノが入り込むのだ……初めては痛みが伴う、どこかでそう聞いた覚えがあった

「諦めたのかい? それとも…………まぁいいか、すぐに解る事さ」

"すぐに"……背後からのしかかる男のなんでもない言葉が、記憶のどこかを刺激してくる

(――えて、すぐに良くなるから――)

確かに"あの時"、最初は痛かった……でも、男が言った通り、すぐに――



すぐに? どうなった? いつのこと?



「――う、ぃンっ…ぁ、はっ!」

男の体重がかかってくるのと同時に、ずにゅうと肉体の内側が強引に押し広げられる
日ごろ手を使って慰めていても触れることが無い深み
奥まで届くソレに下腹部を圧迫されて、かみ締めた歯の間から声が漏れた

「くっ…………ぅ、は…………あ……?」

痛く、ない……? 

身構えていた意識を緩めて、恐る恐る息を吐きながら思う
先ほどの自分の思考の中で感じた違和感、そして、今現在痛みを感じていない事に対する違和感
自分ではないような、酷く乱れる自分の姿が記憶のどこかにチラついている……では、自分は知っていた?
否、そんな筈は無い
私は純潔を司る月神殿の神官、知らない……知らない筈だ、こんな……コトは、っ!

力が入り、反り返った背筋を駆け上がる心地良い刺激とは別に……ズキン、ズキンと頭の奥が痛む

「さぁ、愉しもうか」

しかし、悠長に疑問を抱いていられたのも、男が動き始めるまでの僅かな間だけ

奥まで入り込んだ状態で一度動きを止めて、こちらの様子を窺うようにしていた男
腰がゆっくりと引かれ圧迫感が薄れた所で再び奥へと進んでくる
クンと奥に突き当たれば、また引かれて……そしてまた深くなって
強く、弱く、何度も繰り返される動作で、胎の奥から耐えがたい何かがこみ上がってくる

「うっ……あっ、ぁ…………ふ……ぅンっ」

手に触れた知らない間に剥ぎ取られて落ちていた上着をぎゅっと握り締めて、口に含む
はしたなくも、何かを噛んでいないと漏れてしまう声を抑えられそうになかった

「んっ! ……く、ぅぅう! うぁ…………ぃ、ン!」

突き入れられたモノが内部で動く度に、異物感から足の間に力が入って、より強くその存在を認識させられる
ソレの凹凸が敏感な部分へ密着したまま摺り合わされ
また染み出し始めてしまった液体がちゅくちゅくと淫らな音を立てていた
背中と首の後ろに力が入り、意思とは無関係にお尻を突き出したような体勢になってしまう

「あっ、い…………ん、んんっ……はぁ、はぁ、あぁ……あぅうっ」

動かれる度に、痺れるような感覚が頭の中を走り抜けていく

――そう、これが、私の





「ほら、"良くなった"でしょ?」

腰の動きを緩めた男がそう言いながら胸に手を回してくる
その先は既にもう、先ほど指で弄ばれた時のように、いやそれ以上にツンと充血して固くなっていた

「やぁっ……は、あぁ…………こんな……」

転がすよう摘まれたそこから、じぃんと甘美な刺激が肉体全体へと滲み出す
知らず知らずの内に腹に力が入って、強くなった男のモノとの接触で、また刺激が……

肉体が、熱い

「ふぁ、あ……あぁ……ンっ…………んあッ……あぁ、だめ……」

波紋のように広がる快感に、ゆさゆさと揺れながら思う

男に……抱かれてしまった
逃げられなかった私は今、獣のように組み伏せられて
清らかであるべきこの肉体で、こんなに深く、奥まで男のモノを受け入れてしまって

「あ……う、ン…………んっ……くぅ……はぁ、はぁ、わ、わたし……」

ああ……繋がって、いる……これが、男との交わり……

背中に口付けされて、後ろから抱きしめられた時
密着した男の肌と汗の臭いが、今更ながらにその事を強く感じさせた



「それじゃ……うん、そろそろ、本格的にイこうか」

そう口にした男が片手で私の腕を引きつけるように掴んだ
もう一方の手が腰へと回されて……少しずつその背徳の動きを強くしてくる
ずぐっ、ずにゅっと、続けざまに勢いよく肉体の内側を貫かれた

蕩けるような感覚に理性が焦げ付いていく

「や…待っ――あ! んっ……うぅ、ああ…………アっ!」

首を小さく左右に動かして静止の声を発しようと開いた口からは、気付けば上ずった声が漏れていた
逃げようとしていた時には、まったく力を入れられなかった自分の肉体
その肉体が、ヒクンヒクンと強く……男からの行為に応えている

……まるでこうなると知って、求めていたみたい

ふと浮かんだ考えにぞくりとする

「ふぁっ…………う、あっ……あぁっ! ……うぁ……駄目、んんっ! だめっ、あっ、あぁ……」

違うっ、わたし、こんな事、ちがう、こんな……知らない、しらないっ、しらないっ!
休みなく突かれながら、乱れた呼吸に定まらない思考が、それだけを必死に繰り返した

それでも現実は変わらない

力強い男の動きに合わせて、くぃくぃと奥へ迎えるように自分の腰が動いている
そしてそこから這い上がってくる快感で、そうするのが当たり前であるように肉体がきゅうきゅうと反応してしまう
ちゅっちゅっちゅっちゅっと、男と繋がった場所から聞こえるいやらしい水音は途切れない

「いぅ、あっ! んっ……は、ンっ、あっ…あっ、あっ、あぁ……あぅッ!」

何度も何度も、次第に深くなり、強く、甘く、熱く、連鎖して広がるその感覚は、堪えきれるものではなかった
頭を振ってそれから逃れようとしながらも、それを感じていた……快感を、感じてしまっていた

知らない筈の、知っている感覚――だから、わたしは"あの時"

「あッ、んっ…あん! イぁっ! あっ……あ、あぁっ! あっ、アっ! あっ! ぁンんっ!」

お尻へとぱんぱんと力強く男の腰を打ち付けられて、乳房を男の手の平で巧みに揉みしだかれて
しとどに濡れている肉体の内側、奥深くを熱く滾った男のモノで繰り返し蹂躙されて……その全部を受け入れてしまって
荒い呼吸を繰り返す口からは、意味の無い声が……女としての、悦びの声がひっきりなしに漏れ出していた

強くて、気持ち良くて、熱くて、きもち良くて、突かれて、気持ちよくて、ぜんぶが、きもちよくて
背中がぞくぞくとして……こんなの、拒むなんて、できなくて

淫らな熱に支配されたわたしを揺さぶる、永遠に続くかのようにも感じられる男と女の行為
しかし、わたしには何故かその終わりがあると"解って"いた……あぁ、そうだ……既にもう、知っていたのだ
知らない筈だったそれが解る事を不思議にも思わないまま、全身がまた甘い痺れに満たされて、昇りつめていく

「あんっ、あッ! アっ、あっ…あぁっ! ゃうっ! んぁっ、ふァあぁっ!」

欲しい、欲しい、ほしい、ホシイっ!

欲望に身を任せて、肉体を動かした
ピンっピンっと跳ねるようにしていた手足の内側にぎゅぅっと力が篭り
ブルリと上半身を揺らしながら大きく仰け反って、肉体に咥えこんだ男のモノを離さないよう強く締め付ける

「あぁッ! ヤっ、あっ! あぁっ! アあっ!?」

男の無骨な腕に抱えられた腰がぐいと引き寄せられて、これ以上ない位に深く、奥に



肉体のナカで

灼熱が弾け、て……っっッ!

「……ア、あぁアあぁっーーーーー!!」





快楽の奔流に意識を灼かれながら――心の深い部分に、ビシリと亀裂が入るのを感じていた

「あッ! あ、あっ…あぁっ……」

びゅく、びゅく……と胎の奥に押し付けられたモノからナニカを注がれる度に、満たされる悦びで震える



それは、初めてではない、どこかで味わった事のある感覚だった







         ……◇……◆……◇……







「はぁ、はぁ、ふぁ……は…ンっ……ぁぅ……はぁ…はぁ、あぁ…………」

心地良い疲労感
じぃん、じぃん、疼く肉体の芯といつかの記憶
ナカにある、自分以外の温度
それらを認識して、でも何も考えられないまま、ただ余韻に浸る

乱れた呼吸を整えていると下腹部からズルリと圧迫していたモノが消えて、腕を引かれて仰向けにされた
上を仰いだ視界、こちらを見下ろす誰か
木々の葉の間から夕暮れ時の赤い空が僅かに見える

巣に帰るのだろうか、鳥が鳴きながら飛んでいく



月は見えなかった





「いい表情だね。 そんなに気持ち良かった?」

いつかの夢で感じたような安らぎに包まれて、ぼぅっと鳥を目で追っていれば、からかう様な男の声が聞こえた
今日よりも もっと以前に聞いた覚えのある声

今ならば、どこで聞いたのか思い出せそうな気がする、そうだ……あれは、"あの時"に……







         …………■……◇……◆……◇……■…………







未だ二十歳を過ぎていない年頃の娘を、抱いた……彼女はその瑞々しい肉体を弄ばれ、穢された
それがこの久しぶりとなる再会の結末――でも、終わったのは再会のシーンだけ、まだ夜は始まってもいない

「……ふぅ」

暖かなお腹の中へたっぷりと新しい術式を打ち込んでから、繋がりを解いた
微かに震える薄桃色に色づいた肉体を投げ出して、ぐったりとうつ伏せになっている神官ちゃんを改めて見下ろす

乱れた髪が流れる汗で張り付いた肩、荒く息を吐いている火照った横顔、与えられた悦びに翻弄されて涙を滲ませた瞳
夕暮れ時の光に赤く染まる森の中に白く浮かび上がった、曲線を描く背中から腰の陰影……ひと目で事後だと判るその姿

「う…………ぁ……」

腕を引いてこちらを向かせれば、快楽に蕩けた女の肉体が剥きだしとなってそこにある

まだほんの少しだけ芯が残る、仰向けとなっても一定の形を保ったふくらみ
激しく動いた事で分泌された汗はきめ細かな肌にむしゃぶりつきたくなるような艶を与え
年不相応にも思える女の気配が、絶頂を迎えたばかりの裸身からむわんと匂い立つ
やっぱり神官ちゃんは良いな……これからもこんな素敵なコを抱けるなんて……ははっ、最高の気分だ

「いい表情だね。 そんなに気持ち良かった?」

無論、そんな事を思っている俺がこれだけで終わる訳が無い



「あなた、は」

呼びかけてからしばらくの事
反応が無かったので彼女の肉体に付いた土や落ち葉を魔法で流しつつふにふにと凹凸を愉しんでいると、声がかかった
顔へ目を向ければ、快感で満たされていっぱいいっぱいだった心にいくらか思考が戻ってきたのか
先ほどまで虚ろにぼんやりしていた神官ちゃんの瞳がこちらへと焦点を合わせてきている

「ぅ、ん…………あの時に、助けた」

んん?
助けたというと最初の騙まし討ちの前か、まだ当時の事を完全に思い出せたという訳では無いのかな
一度合った視線をまた宙に彷徨わせて、設定ミスしていた暗示を修正された事で戻りつつあるだろう記憶を辿る神官ちゃん

「そうそう、迷宮で助けて貰ってね。 ふふ、その後もたっぷり……どうなったか、思い出した?」

「悪魔に追われるあなたを助けて……それから、私達は…………わたし、は……?」

全く……素っ裸で男の下に居るのに、考え事をすると他に気が回らなくなるのは変わらないなぁ、ひひひ

「っ、何ムぐ…んぅっ、んんんー!」

あんまり無防備なものだから思わずがばりと覆いかぶさって、ふっくり濡れた唇を奪ってみたり

一応回復薬も飲ませておきたいし、逃げられないように両手で頬を押さえてっと……む、今度は歯を閉じちゃってるか
イッパツ愉しんだ割に神官ちゃんはまだ抵抗する意思が残っているらしい
とはいえ、悦びに蕩けた肉体では大した力も入らないようで、叩いてくる強さも「ぽかぽか」程度の可愛いものだけど

「んぅむ、んんんっ」

しかし、ぷるんとした唇の内側に入り込んでうねうね動かしてはみたものの
流石に悪魔の二股な長い舌とはいえ、その力だけではしっかりと閉じた歯をこじ開ける事は出来なかった
両手は神官ちゃんの頬を挟むようにして顔を背けられないように抑えているから使えない

……よし、ここは尻尾に頑張ってもらおう

見えない位置で尻尾を実体化させて、神官ちゃんの濡れ濡れな内ももを下から蛇のように這い上がらせてみる

「ッ!?」

思ったとおり、不意打ち気味に意識の向いていない所へ刺激を受けて驚き、神官ちゃんの口が開く

「ぐ、ンんっ! んんぅッ」

一度開いてしまえば、後はもう簡単だ
即座に唇を深く合わせ、口腔内へと舌を入り込ませて、逃げようとする神官ちゃんの舌を絡めとる
触れそうなほど近くにある潤んだ瞳と一瞬だけ視線が交差し、すぐにぎゅっと閉じた目蓋で遮られた

呼吸するたびに互いの吐息を吸い込んで、小さな……でも酷くいやらしい音を立てて唾液が混ざり合う
口の中を好き放題されている神官ちゃんの動揺は大きいようだ
気がつけば、必死に顔を押しのけようとしていた神官ちゃん手が、ただこちらの腕を掴むだけとなっていた

「ん、ふ……うぅ! んん、ぐぅ……」

いつかのように神官ちゃんの喉が動いて、舌先から創りだした回復薬をこくんこくんと受け入れていく



「ぷはっ、はぁ…はぁ……はぁ……はぁ」

息苦しかったのか、神官ちゃんは唇を離すと水から浮かび上がった時のように大きく息を吐いた
僅かに涙を滲ませた瞳がこちらへと非難するように向けられている

「さて、これでいいかな」

まぁそんな顔をされてもやっぱり興奮するだけな訳で……

「な、なにが、いいと……ぁ」

少しだけ拒むかのように動いた両手を今度はこちらが掴み、肩の外側で地面に押し付けて
そのまま開かれた肉体と肉体を密着させるようにじわじわと距離を縮める

「こんな風に、前にもしてあげたじゃないか」

言ってから、神官ちゃんの首筋に浮かんだ汗を舐め取った
閉じようとした膝の間に、膝を差し入れて肉体を割り込ませる

「ひっ、や、嫌です……離して、ください」

両手を押さえられているので、胴体を捩るだけの軽く弱々しい抵抗しかできない神官ちゃん
その動きと共に形の良いふくらみも右へ左へと男を誘うように揺れ動く

ああ、なんというか、実においしそうだ

「いや……こんな………………んっ」

そんな風にしていたらどうなるのか、しっかり教えてあげないと……ね

顔を寄せて、柔らかな丘の上にトッピングされた小さな桜色の実に唇を付けた
軽く吸いながら丸く円を描くように舌先で転がす

「嫌? 本当は、もっとシて欲しいんじゃないかな?」

一旦口を離してそう声をかけてから、今度は並んだもう一方へ
舌をべろんと出し、小さくツンと立った先端を焦らすように下から上へゆっくりと舐めあげる

「ぅ、そんな……そのような事、ありません。 あれは、夢だからで……」

与えられる刺激に背中を震わせながら、否定してくる神官ちゃん

「……へぇ、夢」

一度言葉を切り、またもう片方へ戻って、可愛らしい突起にチュッと反動があるようにキス
組み敷いた肢体がヒクンと動いた

「キミは、男にこういう事をされる夢を見るのかい? ……淫らな娘だね」

「違いますっ……わた、私は月神殿の、巫女なの……ッ……です。 だから――」

からかう様に声をかけると、神官ちゃんは何故か必死になって自分が巫女であると主張してきた

「――嘘は、いけないな」

その事が気に入らなくて、少し強く彼女の言葉を否定する

「っ……嘘なんて、そんな、私は確かに」

「月神殿の巫女は、処女でなければならない」

耳元で囁けば、一瞬の硬直
目を見開いて動揺を露にする神官ちゃん
くいと腰を突き出して、いきりたった俺自身を神官ちゃんの泉に押し当てた

「ッ!?」

「仮に以前の記憶が夢だったとしても、さっきシた事は覚えているだろう?」

脚の間に触れるモノを感じたのか、神官ちゃんの肉体がまた強張る

「ぁ…………え、ぅ…………」

ぱくぱくと口を開き何かを言おうとして、でも言葉に出来ないでいる神官ちゃん
少し腰を前に動かすと、ヌルりと濡れたソコが俺自身の先端へ吸い付くかのように感じられる

「どちらにせよ、キミの初めては僕のものだ。 意味はもう、わかるね?」

「そんな……や、やめて…………私は、巫女で……神官で…………あ、うぅ」

心の内を現すように神官ちゃんの瞳が彷徨い、チラリとこちらの股間を見て……それから、そっと閉じられた
もう激しく抵抗しようとするそぶりはない、その事実に薄く笑みが浮かぶ



だから――そのまま、深くまで

「ゃ、ぁっ……ぅんンっッ!!」

ズるんッ、と一息に奥まで俺自身を埋めた
手首を掴んで地面に押さえつけている神官ちゃんの手が、ぎゅっと握られているのが見える
クンと背中が反りかえり、まるで入り込んだモノの分押し出されたみたいに、形の良いふくらみが突き出された

「ほら、すっかりヌルヌルになってる」

「んぅ…は…………ぁ、はぁ……駄、だめ、です……ぬ、抜い」

さっきのような、イッた直後で快感に飲まれて朦朧となっていた状態とは異なる
直前まで会話をしていた場面からの挿入を、神官ちゃんはどう感じているのかな、くふふふ

「どうして? こんなに気持ちイイじゃないか」

ゆっくりと前後に動きだしながら、そう問いかける

「あっ、んん……気持ち、イっ…………きもち良く、なんて、ありまッ……ありません」

奥の扉へ突き当たる刺激に、ふるん、ふるん、とふくらみを敏感に揺らしながら
しかし神官ちゃんは言いかけた言葉とは異なる内容を途切れ途切れに応えた
まぁ彼女が浮かべているこの のぼせたような表情を見れば、答えは解りきったようなものだけども
はは、可愛いなぁ……ホント、良い反応だよ、神官ちゃん

ふいと顔を背けて口先だけの否定を繰り返している神官ちゃんをよそにふくらみへと吸い付く

「ふぁ、あ……んっ、ん…………ン、くっ」

桜色の突起を軽く可愛がってから一言告げる

「胸、前よりも大きくなったね」

「はぁ、はぁ……な、何を言って……ぁ、んぅっ」

戸惑ったような言葉の途中でまたしゃぶりついた
神官ちゃんの中が収縮しきつくなる……が、構わず速度を早めて突き上げる

「……ひあっ、んッ、あ……あっ」

肉体を捩る神官ちゃんの胴体にがっしりと腕を回してふくらみの先を執拗に嬲った

「ぅ、くぅ、あぁあ、ア! ……ッ、~~~っ!」

声にならない悲鳴を上げ仰け反る神官ちゃんの首が、伝わる刺激に耐えかねたのか右へ左へと振られ
こちらの腰の両側を通る脚にぎゅうと力が篭る
真正面から抱きしめた腕に感じる素肌が震えて、急激に汗が染み出し始めた
漂う女の匂いが濃いものになっていく

これだけの事で軽くイってしまったらしい
口でどうこう言っていても、神官ちゃんの肉体はいつも正直だ

「もっとイきたいかい? それとも、イかせられたい?」

腕の中の色づいた肉体から、小刻みなリズムで快楽を引き出しつつそう聞いた

「やっ、う……あ、いや……知りませ…ンっ、ん……そんな、こと……」

特に意味の無い問いかけだけれど、えっちな行為のまっ最中である事を自覚させて神官ちゃんの羞恥を煽る
言葉と肉体、複数の方向から神官ちゃんの理性を揺さぶっていく

「クク……そう? この様子じゃ、そうなのかなって思うけど、ホラ」

腰に回した腕で肉体を引き寄せて、ぬっぽりと収まった俺自身をぐにゅうと際奥へと押し付ければ
ひくく、と神官ちゃんの健康的な太ももが引きつり、こちらの胴を挟み込んでくる

脚をピンとさせながらも眉根を寄せて堪えようとする神官ちゃん
でもその抵抗はほんの僅かな時間しかもたなかった

「ぁアっ! んッ…………ふぁっ、あ……はっ、あぁっ」

続けざまに何度か同じように腰を送られると、神官ちゃんは懸命に閉じようとしていた可愛い唇から
すぐに切なげな……性の高みへと駆け上がっている事を示す色っぽい吐息を漏らし始めた

「んんっ、ち、違い……ます、んぅ……こ、これはぁ」

ゆさゆさと肉体が揺さぶられる物理的な動き以上に言葉尻が甘く上ずってしまい、上手く話せていない神官ちゃん
今日既に一度、その胎内へ淫魔の精を放たれている若い女の肉体は、すっかり"そういう"状態になっているようだ

「かわいい声だ。 もっと聞かせて欲しいな」

このまま無言で行為を続けても神官ちゃんはトロトロになってくれるだろうけども
今回はあえて言葉を投げかけ、会話を行うことで
彼女の意識を快楽にトばしてしまわないようにして反応を愉しんでいこう

「話す、ことなんて、ッ……あり、ありませんっ」

ちょっと的外れな言葉を返す神官ちゃんに笑みを浮かべつつ動きを速める

「あっ……だっ、駄目……くぅ、う……ん、ンっ…………ぃやぁ、腰が……」

くちゅくちゅと深まっていく行為に、神官ちゃんの肉体が彼女の意思を外れて自分から求め始めた

「解るだろう? キミは、巫女や神官である前に女なのさ」

「そんな、あっ…ん、そんな事っ、ひぁ……ぅ、あぁっ、あっ」

からかい混じりで掛けた声に反論しようとしても、喘いでしまって言葉を続けられなくなってきている神官ちゃん
ぎこちなく腰を揺する彼女の鎖骨へ軽く舌を這わせてから、続ける

「ほーら、こんなにいやらしい顔をしてる」

「あん、ンっ……あ、ぃやぁ……見な、みないで……くださぃ」

耳元で囁くと、神官ちゃんは握った手を額に当てるようにして顔を隠してしまった

そんなに恥ずかしい事なのかな
そもそも仰向けになって肉体を開いている神官ちゃんが両手で顔を隠しても
もっと恥ずかしいぬるぬるな所やらぷるんぷるん揺れる先っちょのツンツンになった部分が丸見えだったりする
まぁ恥ずかしがる姿も可愛いし、こうして愉しむのには何の問題もないね!

でも、彼女の肉体も積極的な反応を見せつつある事だし、という事で

「だめだよ、さぁこっちへおいで」

背中へ回した腕でぐいと引き起こして、形の良いお尻を胡坐をかいた膝の上へ乗せてみた

「ひゃ…………あ、あッ!」

小さく悲鳴のような嬌声が上がる
神官ちゃんの肉体を起こした事で繋がっているソコに体重がかかり、強く締め付けられた

「ぅあ……はぁ、はぁ……おく…………当って……」

咄嗟にこちらの肩へぎゅっと縋りついた神官ちゃんがぽぅっとした声色で呟く

「ぁ……ん、ふ…………あぁ……はぁ、はぁ……」

互いの肩の上に顔を乗せた体勢
熱を帯びた神官ちゃんの吐息が耳をくすぐる
胸や腹、露出した肌にぴったりと触れる女の柔らかさがたまらない

「あぁ……こんな…っ! く、んぅっ」

互いの顔が見えなくなった事で少し心に余裕が出来たのか、神官ちゃんが何かを言いかける
そして、その時を狙ってずぐんと腰の動きを再開した

「や、あっ……あ、うぅ……ンっ……んっ!」

力強く、ゆっくりと下から突き上げる
肩に掴まる神官ちゃんの腕に力が入り、胴体の左右を通っている足が腰へと絡みついてきた





「……ふぁ、あぁ……ふ、深っ……あっ、はっ」



心と体の深くに刻み込まれていた"経験"が自然と彼女を導いていく

















         …………■……◇……◆……◇……■…………





爛熟した性の匂いと熱を帯びた女の嬌声がその場を満たしてから、しばらくの事
そっと、深く茂る森の木々の間を抜けて、一筋の月の光が自らに仕える神官を照らし出し始めた

ゆらゆらと妖しく宙を蹴るピンと反った爪先
しきりに男の胴を挟み込むしぐさを見せるスラリと伸びた脚
男を深く受け入れて離さず、ぬめる欲望の蜜を滴らせ、猥雑な水音を奏でる色づいた花芯
細いしなやかな腰のくびれと、そこに力強い男の腕が回されていなければ倒れてしまう程に後ろへ仰け反った背中

時の移ろいと共に、狭い小さな光は足元から順に若い彼女の剥きだしの姿を夜の中へと白く浮かび上がらせる

肉体を突き上げる獣の律動に雫を散らす形の良い乳房には赤黒い口付けの痕が点々と残され
その頂で揺れる桜色の小さな乳首は、男の唾液に てらてらと鈍く光り、更なる刺激を求めてツンと固く立つ
浮かび上がった鎖骨へ流れ溜まった汗が、乱れた呼吸と共に零れ火照った肌を艶かしく彩った
それから、こみあがる悦びに喘ぎ、空を仰ぐようにして言葉にならない甘い声を高く放つ無防備に晒された白い喉へ

そして……彼女が清らかな乙女であった頃ならば、身を包む加護を感じ祈りを捧げていただろう神聖な輝きは――


「クク、ふふ……ははははっ!」

月の白い光を塗りつぶすように、辺りが紫の色に染まる


……あるいは、その光で桃色に上気した面を照らしだされて、美しい月をその快楽に濡れた瞳に映したのならば
ともすれば冒涜的なこの場においてさえ、今からであっても過去の信仰を取り戻す事が出来ていたのかも知れない

しかしそれはあくまでも起こりえなかった仮定の未来
この現実では、清浄な光が神官の顔を照らそうとしたその直前――男の嗤う声と共に、娘の姿は漆黒の翼で覆い隠されていたのだった

夜よりも昏い黒に包まれた彼女へ、その輝きが届く事は叶わずに



月が遠い山に沈んでいく

「ンっ、あっ、あぁっ……く、アッ! あッ……イっあ、ぁくッ! あぁッ、あアぁああっっッ!」

そうして、また
抱かれる女は……男の腕の中で、既に何度となく迎えさせられた終わりへと昇りつめる

絶頂の悦びが肉体中を駆け巡り、強く放たれた精の温もりで胎を満たされて、それが女の孤独を癒した
荒い息に上下する汗まみれの胸元に吸い付かれて
小さな痛みと共にまた一つ男の所有物であるという印を肌と心に刻まれた

どこかわからないものが、じくりじくりと変えられていく感覚に女が震える
それでも、もう、止まれない

「……はッ、はぁ、はぁ…………ふぁ、はぁ……あっ! いンっ、んっ……クぁっ、深…ぃあッ、あぁっ!」

おちていく



深くなる――温かい    浅くなる――痺れてく
深くなる――強くなる   浅くなる――蕩けそう
深くなる――気持ちいい  浅くなる――溺れそう
深くなる――満たされる  浅くなる――縛られる


交わる腰の上で、色に染まった女の肉体が幾度となく弾む


深くなる――――囚われて
浅くなる――――逃げれない


光のない森の中、行為の果てはみえない

「ふあっ……あっ、あうっ、くンっ……アっ! あぁっ、ハ…んっ、んうッ、ンっ! あっ、あっ!」

夜の底より奏でられる音色は深い闇であっても隠し切れない濃密な情欲の熱を孕み


混ざり合う男と女は、空が白み始めるまで眠る事は無かった










[30317] ※ こぼれ話 ※
Name: クラクモ◆5e745eb7 ID:0f7bd90b
Date: 2011/11/07 20:46
※ こぼれ話 ※



ここでは話の流れの都合によって細かく語られず、今後ストーリーに絡む可能性も低い設定や小ネタ
それに簡単なあとがきのような、場面ごとで私が意図したかった事などを、つらつらと残していきたいと思います。

ストーリーを追っていく上で、舞台となる世界のイメージの補助になるかもしれません。
が、特に読まなくても問題ないと思われます。

また、それ程重要な内容はありませんが、本編の内容が引用されており、ネタバレになる可能性もありますので
まだ本編を読んでいない方はお気をつけ下さい。






















         ……◇……◆……◇……



・真っ黒なナニカと俺と悪魔



>人間性や人格的な意味じゃないからね!

でも、そう自分で言ってしまう主人公はちょっと痛いかも知れません


>手遅れになっても知らんぞーーーー!

手遅れでした


>聞けるし嗅げるし触れて味わえる

何を味わったのかは謎に包まれています


>108のダメージ

特に意味はありませんが煩悩の数だけダメージを喰らっています


>牛人間からこのちょっと高慢そうで綺麗な声が出ると思いたくない

エロゲ的発想による構想段階では何気にミノタウロス♀という可能性もありました……が
個人的に書いても嬉しくないのでボツになりました


>俺の服装も変化していて

上はローブオンリーですが、足には一応板状のものを皮紐で縛って固定するサンダルフォ…サンダルのようなものを履いていました



         ……◇……◆……◇……



・状況把握と俺とグループ



>巨大地下建築物の中ほどにある階層

中階層に該当する階は全部で10階ほどあって、主人公が召喚されたフロアは上から3番目の比較的浅い階層に近い場所でした


>この階層までやって来る侵入者はそこそこ手強い相手も多く

人類はこの建築物を数百年の時間をかけても調査しきれていない程度の強さしかないので
中階層へやってくるだけでも中々の腕前と言えます


>召喚の魔法陣

本編では姐御が誘導して起動させていますが、誰も使わない状態であっても一定時間ごとに自動的に召喚が行われていて
上で書いた人類が攻略しきれていない事の一因となっています

警備員に使わせる為の武装がどこからか箱詰めで転送されてくる事もあり
探索者達はこの箱を"宝箱"と呼んでいるようです


>召喚によって呼び出されるモノ達をおしなべて魔物と呼ぶ

魔物と括られているモノの中には、獣人など召喚とは関係なく普通に世界に存在しているものも含まれています
自然に日常を送って(人間を襲ったりして)暮らしている中で、構造物の検索に引っかかり召喚の喚び声がかかると
構造物で働いても良いと望んでいるという意思確認の後に召喚陣へと転送されていきます
その時目の前に美味しい獲物がいたりすると本人の意思でキャンセルされたりすることもあります

ちなみに悪魔は世界の澱みと呼べるようなズレた場所に存在していたり、真っ黒なナニカから新たに発生したります


>道具を使わなくても魔法を扱える

悪魔の身体は真っ黒なナニカとの親和性が高いのがその理由となっています
同じ理由で魔法使いの杖も親和性が高い素材で作られています



         ……◇……◆……◇……



・最初の狩りと俺と獲物



>眷属のコウモリ

真っ黒なナニカと術式で構成されています
その場の視界を共有したり声を聞いたり、伝えたりする事が可能です


>「くそっ! こんな所で! くっ、皆をどうした!」

よく読んでみるとパーティメンバーを見捨てて一人逃げてきた、的な内容にも取れますが
結局演技なので、それっぽい雰囲気が出ていればいいんです!


>グループメンバーはそれぞれが中ボス級の能力を持った種族で

ゲーム的に表現するならば
ミノタウロス+知能の低い量産型獣人3~4人――これが強い群れや区切りとなる部屋で待ち構えているような相手であって
姐御+悪魔か上位獣人2人位+量産型獣人多数――で、フロアボスというレベルです

主人公が属するグループは姐御の方針もあって(姐御自身の保身の為の)戦力を固めていて
そんな一団が事前の準備ができない普通の通路で襲ってきたりする為に、探索者キラーとなっています


>霧となって付近に紛れていた姐御

吸血鬼としては割とありがちな能力ですが、何気にかなり酷いレベルのチートです
しかし神官が無力化されていない場合はじゅっと焼かれて酷い事になります


>善人パーティさんの強さは微妙だったのかな

主人公はこう思っていましたが、月神殿期待のホープである神官ちゃんに経験を積ませる為に集められた優秀な一団でした
しかし中心となる神官ちゃんが真っ先に無力化されてしまった為にあのような結末となり
神官ちゃんは別の意味での"経験"をたっぷりと積まされてしまう事に……


>愉しい小部屋

5メートル四方くらいで鍵のかかる扉が一つだけの部屋です
片側の壁の真中に扉があり、入って左手前には装備品やガラクタが、左手奥にはビンに入ったポーション類や水等が
右奥を中心とした残りの部分には布や毛皮が敷き詰められて寝床となっています


>下半身がブーツ&下着に、上半身は厚手の肌着みたいな鎧下&グローブ

ブーツもグローブも行為の最中に外れてどっかいっちゃいました
でも、手足にだけ装備品がついていて胴体には何もない姿って素敵だと思うんです


>一晩中

神官ちゃんと始めたのは特に夜という訳ではありませんが、表現上の理由でこんな感じになりました


>下着

中世風の世界観の割に古臭いものではなくて、今風の薄手で色気を感じられるものとなっています
これが世界の修正力か……!



         ……◇……◆……◇……



・初めての食事と俺と初めての……



>回復薬(弱)

浅い階層に出入りしている駆け出し探索者は、傷を負った場合
軽く洗って薬草を塗りこんで包帯で包んで、後は町へ戻って休む程度の事しかできません
(弱)とは言え即座に傷が治るような薬は、直ぐに町へと戻れなくなり戦闘力を維持する事が重要となる
中階層以降へ進む事が可能な熟練の探索者が使用するそこそこの贅沢品となっています


>身体に馴染む……

ここを書いている間
「ククク……ハハハハ、なじむ、馴染むぞ神官んNNNNーーーーー!」と
某エジプト在住の吸血鬼のように叫ばせそうになる衝動を必死に堪えていました


>福音戦士神官ちゃん

きっと要塞化された第三新王都へと迫り来る"使途"と呼ばれる謎の生命体…というか悪魔を次々(性的な意味で)撃退していく
一大スペクタクルロマンに違いありません


>何回も出したから

たっぷりと注ぎ込まれたアレは術式によって誘導制御されているので、内部で卵子と出会ったとしてもあっさりスルーしていきます
よって、今後神官ちゃんのお腹が大きくなるような展開はありませんです


>何かの巻物

主人公は知りませんが、これは月神殿期待のホープであった神官ちゃんの為に用意されていた非常に高価な品物で
一般的に熟練の探索者達が使用している帰還の巻物は
魔法陣が展開され、魔力が充填されるまでに何分間かの時間が必要となります


>……(前略)……

クンカクンカやら、きゅんきゅい等の意味不明な台詞がありましたが、見苦しいので省略されました



         ……◇……◆……◇……



・事後報告と俺とお持ち帰り



>姐御の辛辣な言葉

よく訓練された人ならば、この冷たい言葉からでもツンデレ風成分を感じ取れるのかも知れません
でも別に姐御はツンデレじゃない……筈?


>変な事しちゃってましたか

HENTAI的な意味では問題無く変な事でしたが
それを置いても、実は通常の女性であるならば、主人公が冗談にしていた"入れ惚(いれぽ)"と言っても過言ではないレベルで
女性淫魔が男性を喰べるのと同じ速度で吸精可能でした
ゲームにおいて、たった1ターンでレベルドレインが終わるのをイメージしてもらえると良いかもしれません
主人公の勘違いと、神官ちゃんの抵抗力が桁違いに高かった為にあのような展開となってしまったのです



         ……◇……◆……◇……



・ベッドと俺とその温度



>ロウに何か香料を混ぜてあるものなのか、仄かに甘い香りが漂ってくる

実はエロ効果のある魔法の燭台でした
行為に痛みを伴う姐御には必需品だったのかも知れません


>姐御と一回目

女性のあえぎ声を多用しない形のエロを表現しようとしてみたのですが、上手く書けず
結局二回目以降は通常の書き方で進める事にしました
どうにも自分の力不足を感じさせる部分となっています


>姐御と二回目

姐御は今までドライに生きてきた事もあり、友好的な他者との触れあいにあまり慣れていません
そこへ一気に身近に、温もりまで感じられるような術式を打ち込まれて内面でかなり動揺してしまっています
それに気づかない主人公はどんどん行為を進めてしまい、姐御の混乱は深まるばかり

という事が表現できていたら良いのですが、どうなんでしょう


>俺を吹き飛ばす力を出せる姐御が、そうしない

この話の最後に判明していますが、集中できていないので筋力増強が行えず、普通に抵抗できませんでした


>どうしてか、じっとこちらを見てきた姐御

上記にあるように、他者との触れあいが薄かった姐御は
細いとはいえ相互に繋がったラインから、主人公の姐御を可愛いと思ったりその存在を求める感情がおぼろげに流れ込んでいて
まるで男女関係や恋愛に不慣れな女の子のようにドキドキしてしまいます
しかし空気の読めない主人公の行為によって、その感情は快楽に押し流されていってしまいました


>姐御の体温

この世界の普通の吸血鬼の肌は人間よりも冷たく、また汗をかく事もありません
主人公はその最中に行為によって熱をもったものと考えていますが
実は打ち込まれた魂の欠片によって種族が徐々に変質していった事によるものでした
行為の後半に姉御がメロメロになってしまっているのもこれが原因の一つにあります


>温水シャワー魔法

厳密には水ではなくて、可能な限り水のように薄めた……だったりしますが、使用する上では特に問題ありません


>逃げ惑う俺だった

最後にはベッドの汚れを綺麗に落とす事で許してもらっています











[30317] 番外~少し未来のこと『春待ち祭り』
Name: クラクモ◆5e745eb7 ID:0f7bd90b
Date: 2012/06/01 00:17
・春待ち祭り





「すみませーん、これくださーい」

冬という一番寒い季節を越えて、もうしばらくしたら暖かくなってくるだろうこの時期
通りに面した店内は、普段の静かな様子とは異なり、がやがやとした賑わいを見せていた





月神殿や大地の神殿、情熱の神を祭る神殿などが連携して行う一年を通した季節の祭り事
その中の一つに春待ちの祭りがある

いつの頃からだろうか、春を待つという言葉と恋愛事とを関連付けた年頃の少女達の間では
この祭りの日に純潔を司る月の女神の印……月を模して木を円く削った簡単な護符を購入して
それを意中の相手へと送る事が「私の純潔を貴方に捧げます」という意思を伝える告白の定番となっていた



今日はまさにその祭りの日である
年頃の若い女性達が次々に店へと訪れては、護符を手にしていそいそと帰っていく

前日まで神殿の皆でかかりきりとなって準備をしていた護符が売れていくのを見ながら
男子禁制の月神殿の者としては、意中の男の事を想う女性達の期待と不安の入り混じった表情が微笑ましく、また少し羨ましくもあった


……そう、前の年までは

「……っ」

この一年で自分の肉体が積んだ"経験"を思い出して、下腹部から痺れのようなモノが背すじを走り抜け、皮膚が粟立つ

形はどうであれ、自分は男と女の関係が清らかなものだけではないと知ってしまった
そのせいなのだろうか、家路を急ぐ少女達の表情に、どこか艶めいた欲望が見え隠れしているように感じてしまうのは

ああ……あの少女達は今日というこの祭りの夜に、それぞれの愛しい相手へと護符を手渡すのだろうか
そして、男に受け入れられて、二人で行うあの……あの、甘美な行為をするのだろうか……



「ありがとうございました」

「あはは、店員さんありがとー
  これと、この……とっておきの魔法の粉を使って、今日こそは彼と……えへへへ」

残り僅かとなっていた護符を無事に買えた事が嬉しいのだろうか
閉店間際に駆け込んできた少女は、そわそわと興奮した様子であれこれと話しかけてきていた
意中の相手を思って浮かべるその笑みを眩しく思いながら
やんわりと宥めるように受け答えしている時に少女が取り出した簡素な粉の包み



ッ!!

――その……粉の包みから漂う気配へ、意識がくぎ付けにされる

「それでー、そこから彼と一緒にゴハンを食べて、それから……」

嬉しそうに予定を話す少女の言葉が、右から左へと意識の表層を通り過ぎていく

この……この気配を、知っている、これは……あの男の……

急に喉の渇きを覚え、ゴクリと唾液を飲み込む
しかし妙に粘ついた感触のそれは喉の渇きを癒す事は無かった

気のせいか、粉の包みから漂う気配が自分を取り巻いているようにさえ感じられる

……いや、気のせいではない、先日森の中で思い出した……思い知らされてしまった
自分は最後に迷宮へ赴いたあの時、閉ざされた薄暗い部屋の中で、あの男に、この身の隅々まで、肉体の奥まで

知らず知らずの内に下腹部へとやっていた手をぐっと握り締める
トクトクトクトク……と少し速くなった胸の鼓動が耳につく

繰り返し肉体の奥底を貫かれて、幾度となくこの気配を、この身の内側へと注ぎ込まれた
そうされた自分は、熱くて……甘く痺れるようなその感覚で満たされ、堪えきれずに、こちらから――





「……店員さん? 店員さんっ!」

はっと辺りを見回せば、先ほどの少女が心配そうな表情を浮かべてこちらを覗きこんでいた

「店員さん大丈夫? お腹いたいの?」

「あ……いえ、大丈夫ですよ。 ただ、今日は沢山人が来ましたし、少し疲れているのかも知れませんね」

いつの間にか下着が湿っているのを感じながら、何とか平静な声を出して問題ない事を伝える

「そっかぁ、今日はお祭りだもんねー……あっ、もうこんな時間。 私もう行くね? ありがとー」

時を告げる鐘の音が響き、それを聞いた少女はあわただしく店から出ていった
あの少女が最後の客だったようだ
祭りの日特有の喧騒が失われて一人だけになった店の中は、日常の状態へ戻っただけであるのに……いつもより広く感じられた



もう日が暮れる……そろそろお店を閉めてしまおう

表の扉の鍵を閉めて、店内を軽く片付けていく
それから用意してあった少し遅めの夕食をゆっくりと食べ始めた





……トン…トトン

丁度食事を終えて片付けをして、今日はもう寝てしまおうかと考えていた時の事だった
ふと、店の扉が叩かれた音が聞こえたように感じて、カウンターの椅子から立ち上がる
店の営業時間は過ぎてしまっているけれど……どうしても今すぐに必要な品物を求めている人なのかも知れない
何かの用事を伝えに、神殿から見習いの子がやってきた可能性もある


「……?」

ガチャリと鍵を外し、閉店である事を示す看板の掛けられた扉を開いて外を覗く
夕暮れの赤い光に照らされた店の表の通りには、遠く家路を急いでいる人を除いて人影は見当たらなかった





風で看板が揺れたのか……それとも他の店の扉の音だったのだろうか
軽く息を吐きながら扉を閉めて、再び鍵を掛けた、その瞬間――

するりと両腕の内側を背後から人の手が通り、ぐっと胴体を抱きしめられた
直前まで全く感じられなかった何者かの吐息にうなじをくすぐられ、背中がヒクリと強張る

「ふふ……きたよ」

耳へ触れるような近さで囁かれた男の声
聞き覚えのあるその声を聞いて、心の奥底から、意識を灼くような……熱く爛れた記憶が脳裏へと呼び起こされていく

「……そんな、どうしてここに」

「さぁ? どうしてだろうね?」

思わず口をついて発せられた疑問に、おどけたようにそう返す男の声
その声が耳朶を打つたびに、自分の肉体が別の……淫らなナニカに作り変えられていくような錯覚を覚えた
口の中が酷く粘つく


「ま、ここに来たのは喚ばれたからかな?」

男がそう口にした途端、今まで抱きしめるだけだったその両手がもぞりと蠢き
ふくらみと……そして下腹部へと移動を開始した

服の上を何か別の生物が這っているかのような動きを受けて、硬直していた肩がピクンと跳ねた
その刺激で我に返り、慌ててその両手を掴み、押しのけようと力を加える
しかし、そう力があるようには見えない男の両手は、止めようとする手に構わず目的地へと到着してしまう

「…………ぁっ……」

服の上からではあるが、二つの敏感なその部分を撫でられて思わず小さな声が漏れる
じんわりと肉体の芯の部分へと熱が点るのを自覚する
血管の中を血液が流れていく音が、妙に大きく耳へと聞こえる

「くくく……興奮しているね」

その自分の変化を、まるで確信しているかのような男の声が聞こえた
だめだ、このままでは……

「は、離し…てっ、ください。 こんな所で」



「へぇ……なるほど、ここじゃなかったらいいのかな」

……っ!?
男の答えを聞いて愕然とする――今、自分は何を考えていた?

そう、確かに……先ほどの自分が心配していたのは、これから"あの行為"を行われ、蹂躙されるであろう自分の身ではなくて
扉一枚を隔てた表の通りへと声が漏れてしまわないか、等という事だった

「私、は…………ぅ……あっ」

何か、何か言わなければ、そう考える間も男の両手はふくらみと足の間を這いまわり
触れられている場所から広がる、痺れるような甘い刺激に思考が奪われていく

「いいじゃないか、聞かれてしまったら、聞かせてあげれば……ね? ふふふ」

「う…………ぃや、やめ」

ようやく口に出せた拒絶の言葉は、男の口へと飲み込まれてしまった
男の、温かくヌメリを帯びた長い舌がこちらの口の中へと入り込んできて、言葉による抵抗さえ奪われてしまう

「んっ、ふ……んむぅ…………んんー」

――あぁ……心地良い……

っ!? いや、違う、拒絶しなければ、こんな事を

「ちゅ、んぅ…………んく、ぁ…………んふ……」

――そうだ、こんな事では足りない、もっと深くを

男の唇に口を塞がれ、混乱する頭の中で異なる思考がせめぎあう

しかし、男の手がふくらみを撫でるごとに、足の間で蠢くごとに
肉体の内側からじんじんと淫らな熱が伝わって冷静な思考が侵食されていく

あぁ……熱い…………だめだ、はやく、この熱を冷まさないと…………







         …………■……◇……◆……◇……■…………







初めて出会った時と、森の時と、今回で……もう三度目の逢瀬かぁ
しみじみと、そんな事を思いながら腕の中の良い匂いがする肢体をまさぐる

こちらを押しのけようとしていた手は、気が付けば逆に縋りつくようにこちらの腕を掴んできていた
神官ちゃんの肉体は……はは、いつも正直だ

「ほら、熱いだろう?」

はぁはぁと吐息を乱した神官ちゃんから店員用の前掛けを外し
しっかりと締められていた首元の留め紐をするすると解いて、篭った熱を逃すように肩口を大きく肌蹴させる

外気に晒されたふくらみの上半分を背中側から鑑賞しつつ、そっとその息づく素肌と衣服の間へと手を差し入れて
柔らかさの中で固くなって存在を主張している先端を回すようにしながら優しく揉み解していく

「な…………ぁ、いやっ」

服の上からではない、その肌へと直接伝わる感触に神官ちゃんが身じろぎする

「いやかい? ふふふ、嘘は良くないな」

そう声をかけながら首筋をチロチロと舐めるように味わって
同時にふくらみの先端を軽く指で挟んで、神官ちゃんの肉体がピクンと跳ねるのを確かめる

「あっ……ぃやぁ、私は…………あぁ、はぁ……」

「ほら、もうこんなに固くなってる」

顔を赤く染めて恥らう神官ちゃんの意識を、服の内側で動かす手に集中させておいて
もう片方の服の上から足の間を嬲っていた手を使い、少しずつ裾の長いスカートをたくし上げていく
徐々に露になる神官ちゃんのしなやかな脚が目にまぶしく映る

「そんな、そんなこと……んっ……ぁ」

完全に露出した太ももを、ツツ……と優しく撫で上げて

「ぁ、ひぁっ……そ、そこはっ」

おっと危ない、意識の外側からの刺激で驚いたのか、脚から力が抜けて倒れそうになる神官ちゃん
そのふくらみと……茂みの下の泉とに当てていた両手を、こちら側へぐっと引くようにして支えてあげる

「……っ!」

あらら、咄嗟だったからちょっと乱暴にその泉へと体重がかかるような刺激が加わっちゃったけど
神官ちゃんは、くっと首を反らして悦びを感じているみたいだ
ふふ……随分とえっちなコになったね、それに支えたココも……

「すっかり濡れているね」

また倒れてしまわないようにしっかりと抱えてあげておいてから、邪魔な下着を尻尾を使ってずり下げていく
触った時から解っていたけど……完全にぐしょぐしょになってるなぁ
俺が始める前から湿っていないと、今こんなにはならないから……ふふふ

「んっ、くぅ…………い、言わなっ、ぃで……あっ……」

そんな状態の下着を足首まで下げてしまって、役目を終えた尻尾を
片方の足の太ももから膝にかけて、軽く締め付けるようにくるくると巻いて支えてあげて
そうして体勢を整えてから、泉へとあてがった指を使ってその奥から液体を汲み出す

神官ちゃんは内部で指を動かす度に、肉体全体をピクンピクンと跳ねさせて可愛い反応を返してくる
はぁはぁと、どこか艶を含んだ吐息を漏らす神官ちゃんの瑞々しい肉体は、じっとりと汗を浮かべつつあった

ちょっと早いけど……神官ちゃんも準備OKみたいだし、先へ進むとしよう



         ……◇……◆……◇……



「な、何を…………」

神官ちゃんの肉体をくるりと半回転させて、閉じられた扉へとその背中を押し付け
こちらへと瞳を向けている神官ちゃんの上気した頬を軽く撫でて、再び今度は正面から愛撫を再開する

「んっ…………ぁ、だめです、ここじゃ…………う、んん……」

下腹部へと向けた手を軽く押すようにしてくる神官ちゃん
着乱れた、肌蹴られた上着とたくし上げられたスカート、足元に落ちている下着……刺激に身を捩る姿が何とも色っぽい

「ふふふ、いやらしい顔をしてる」

熱く濡れた泉を掻き混ぜながら、潤んだ瞳を覗き込むようにしてそう声をかける

「あぁ、そんな……そんな事…………はぁ……あぁ……」

送られる視線から逃げるように顔を背けて、言葉を漏らす神官ちゃん
横を向いて目前に晒された首筋へと口付けを落として、鎖骨へと舌を這わせていって
同時に片方の手でふくらみを押すように揉み、そのツンと固くなった先端をくりくりと指の間で転がす

「嘘じゃないさ、キミのココも……ココも、ほら、こんなに悦んでる」

「ぅあ……んっ…………ち、違います、私は……」

神官ちゃんは上ずった声でそう言葉を発しているけれど
尻尾で支えられていない方の膝はふらふらと、何かを挟もうとするかのように揺れ動いていて
泉の中を泳ぐ指は今も離したくないと言わんばかりに締め付けられている

「そう? それなら、今日は止めておこうか」

「ぁ……だ、ダメっ!」

言葉と共に身を離そうとしたこちらを引き止めるように掴む細い腕
その自分の手へと、信じられないものを見るかのように呆然と視線を向けている神官ちゃん
くく……ははは! やっぱり神官ちゃんは正直者だね! まったく……ふふ、可愛いなぁ



そんな正直者の神官ちゃんにはご褒美を上げよう
「わた、私は……」なんて、何時かみたいに呟いている神官ちゃんへと一度離した身を寄せて、膝の間へと身体を入れて
ローブの下から取り出した俺自身をその泉へと合わせて、そのまま、ゆっくりと……

「ぁ、ふっ…くぅうぅぅ…………」

神官ちゃんの脚にぎゅうっと力が篭るのが撒きつけた尻尾へと感じられる
べったりと濡れた柔らかな肉の襞が入り込む俺自身を包み、ずるりとも、ぬるりともつかない甘美な刺激に意識が奪われていく
あぁ、この感触……神官ちゃんはイイな、初々しさと成熟した女が混ざり合ったようなその仕草が愛おしい

そんな感情と沸き起こる衝動に逆らう事無く腰を動かして
扉を背にして、その場から逃れる事の出来ない神官ちゃんをテンポ良く突き上げる

「ぁうっ、く……あぁ…………んん……はぁ、中が……」

「感じるかい? ふふ……また一つになれたね」

端整な顔を歪め、細い顎を突き出すようにして悦びを受け止めている神官ちゃん
彼女の桃色に染まった頬へと舌を這わせながら、ふらふらと揺れる腰へと腕を回してしっかりと抱えて
きゅうきゅうと力を加えてきている熱く柔らかなその内部を力強く押し上げていく

「ンっ! ん…んっんッ…………んンんっ…………ぅんっ……」

ん? あぁ……店の外に聞こえてしまうからと我慢してるのか
まぁ実際は、誰かに邪魔されたくないし、結界張ってあるから大丈夫なんだけどな

グっと突き上げた状態で内部の……締め付けが強くなる部分をぐりぐりとすり上げながら
眉を寄せて、奥歯をかみ締めて悦びの声を漏らすまいとしている神官ちゃんに目線を合わせて、いつかのように軽く暗示をかける

「"大丈夫"だよ……"安心"してくれていい」

こちらを見つめ返す潤んだ視線が少しの間だけぼやけて……それから唐突に、ドロリと
熱せられたチーズが形を崩す時のように、神官ちゃんの瞳が淫らな色に染まっていった

「ん、はっ……あっ、んん…………あぁ……わたし、わたしっ……」

それまでこちらから送られる快楽に流されるままだった神官ちゃんの肉体は、悦びに答えるように、求めるように蠢き始める
若く健康な女の肉体……それが、男を欲しがらない訳が無いのだ

ふふふ……やっぱり女のコは素直なのがイチバンだよね




「あっ……あッ、あぁっ、く……んはっ! うぅ……あっ……あぅっ!」

不安定な形の交わりだからだろう、こちらへと縋りつき、肩へと腕を回してきている神官ちゃんの湿った吐息を耳元に感じながら
そのしなやかな腰を……淫靡な水音を立てるその内部を思う存分に突き上げる

「いっ……は、んむ…………ちゅ、んっ…………んぅっ!」

潤んだ瞳を見つめて、唇を合わせながら不意打ち気味に強く身体を揺らし、互いの茂みが擦れるように腰を押し付けると
絡めていた舌先が神官ちゃんの心の内を表すように口内を暴れ、支えている腰や足がビクンと跳ねる様子が感じられた

「ん……ッ! ぷはっ、はぁ…あぁ……あっ! うぅ、んんぁっ!」

イイ、実に良い……唇を離して、またあられもない声を上げ始める神官ちゃん、その首筋を流れる汗を舐め取りながら思う
二人の結合部から立ち上る独特の匂い、切なげに乱れた息づかい、触れ合った柔らかな肉体、そしてそこから伝わる体温
その全てが、女を抱いているという事実をはっきりと感じさせてくれる……あぁ、最高だ!



「うっ、あぁ……んっ! あっ…あッ、アっ! ひ……っく、ぅう……あぁあっ!」

神官ちゃんの泉から零れた体液がこちらの足を濡らし、二人の間でツンと充血したふくらみの先端が転がる

ゆさゆさとその肢体を揺らす神官ちゃんの声が、すすり泣くような色を見せ始めて
突き入れた俺自身に絡み付いてくる肉襞も、不規則に、それでいて強い締め付けをきゅうきゅうと行うようになっていく

「いっ……ふ、あっ! あぁっ…く……ンんっ! アぁっ! あッ! ふあっ!」

ここまでくれば後はもう目前の高みへと追い込むだけである
ぎゅっと目をつぶり抱きついてくる神官ちゃんを抱きしめ返して、そのまま、最後まで……

「あっ! ん……くあっ! あぁっ! あアぁああッ…………っ!!」

熱い吐息をこぼして喘ぎ、がくがくと全身を震わせて絶頂を迎えた神官ちゃん
その胎内へと押し込んだ俺自身から、弾けんばかりに高まった欲望を一気に開放した!





「ふぁ……ンっ…………はぁ…はぁ……あぁふ……」

魂へと久々に感じる"味"を堪能しながら、腕の中で快楽の余韻に震える神官ちゃんの様子を確かめる
衝動のままにちょっと乱暴にイかせたから、軽く意識が飛んじゃってるかな

どうやら今日は一日忙しく働いて、少し疲れていたみたいだし……次はベッドの上で愉しむとしよう
繋がったまま腕をお尻の下へ回して、ぐっと持ち上げてっと

「ぁう、ンっ…………んっ…………んぁっ……」

さぁて、俺達の愛の巣へ行こうか……クククク
一歩一歩進むごとに、胸元で何とも色っぽい声を漏らす神官ちゃんを抱えて、店の奥にある階段をゆっくりと上っていく

恋人達の夜はまだ始まったばかり、時間はたっぷりとある――







         …………■……◇……◆……◇……■…………







「ん……うぅ…………」

あぁ……いつもの夢
素肌に触れる甘い微かな刺激に浸りながら、そんな事を考える

この分ではまた着替えを用意しなければいけない
でも、もうしばらくはこのままで……



「…………ぅ、はっ……く!」

唐突に下腹部へと入り込んできた熱く生々しい感触によって、霞がかっていた意識がはっきりさせられた
開いた目に自分の部屋の様子が映る


「う……あぁ…………」

あ…………自分は……今まで、何をしていた?
店を閉めて、食事を済ませて……それから、それから…………

直ぐそこにある答えが、わかっている筈なのに、言葉にならない

「んっ…………はぁ、ぅ…………」

ずるり、と下腹部に感じるモノを引かれる刺激に、少し疲れの残る肉体がピクンと跳ねる

「目が覚めたかい?」

自分の部屋の中に、本来居る筈の無い男の声が響いた





         ……◇……◆……◇……





あぁ……そうだ、祭りの日、店に現れた男に





――私は、私は…………抱かれたのだ

そうして、貫かれたまま、店の二階にある自分の部屋へと連れ込まれ
乱れていた衣服を完全に剥ぎ取られて……今、こうして、寝台の上で、素裸になって、膝を突いて、後ろから

「んうっ…………うぁ、あっ…………っ、くぅ…………」

男はこちらの反応を確かめるように、間隔を空けて、大きく腰を動かした
先ほどの行為で充分に潤っている深みを擦りあげられて思わず声が漏れる

っ! こんな、こんな格好で、またあの時のように……

そう考えた途端に、一度その頂点を迎えて終息へ向かっていた肉体がカッと熱くなるように感じる
じわりと、男のモノに翻弄される下腹部の内側から体液が染み出し始める

「ふ…くっ…………あぁ…………あうっ…………んん、ふぁっ…………」

ズッ、ズッと女の中心に繰り返し押し寄せる獣の律動に……呼吸が、鼓動が、体温が、一足飛びに高められていく
ロクに抵抗できないまま、ほの暗い地下で行われた最初の行為が脳裏をよぎる、抵抗……そうだ、抵抗しなければ

しかし、微熱を帯びた肉体は思うように動かすことができなくて、自然と自分から求めるように腰が動いていってしまう

「な、なっんで…………こんな……んっ…………こんなに」

――気持ち良いんだろう



あぁ、ダメだ……このままでは、おかしく……"また"おかしくされる

「あぁ……だめ…………んぁっ、うぅ……あ…あっ、んぅっ」

じくじくと肉体の芯から這い上がってくる淫らな熱が意識へと溢れてきて
どうにか堪えようとしていた声は、たちどころに決壊してしまい、乱れた呼吸を繰り返す口から漏れ出していく

「ふふ……いい声だよ、ほら……もっと感じて」

「はうっ、く……あぁ、あっ! ……ゃ、あぁっ……んんっ、そんな……」

ギッ…ギッ、と軋む寝台の音に混じって聞こえる男の声に、足の間からちゅっちゅっちゅっといやらしく響く水音に
今自分がどうなっているのかを否応なく自覚させられる

「ぅあっ、あッ! くぅ、あぁあっ……あぁっ、あっ…くン……あぁ」

ああ、明日は寝具を洗わないと……

一階の店の時に注がれた男の精が、肉体の奥を抉る動きによって溢れ、太ももの内側を垂れていくのを感じて
次々に弾ける快楽に意識を灼かれながら、そんな場違いな事を思った





「あふっ! く…アっ! あッ、あっ……あぅっ! ンっ、うぁっ!」

深く浅く、寄せては返す波のように幾度となく肉体を貫く原初のリズムに乗せられて
もうどうしようもなく、自分の中の女……雌としての部分が覚醒させられていく

「あっ! ぁイッ! うンっ、あ! あクっ! ふァっ……はぁうッ!」

肉体の内側の弱い場所を解っているかのように……いや、もうそうであると知られているのだろう
自らを貫いている男の腰が巧みに前後し、執拗にその部分をすり上げられる

ぬちゅっ、ぬちゃっと聞こえる水音と共に、下腹部の奥深い場所から伝わってくる快楽に頭の中を染め上げられて
意思とは関係なく肉体の内側に力が篭り、背中が反り返っていく

「アっ! あぁッ、あっ……はぁぅ! クんっ! あンっ、ああっ! あぁあッ!」

こみ上げる熱と快感を逃がすために荒い呼吸を繰り返す半開きの口からは
自然と声が……人の言葉ではなく、獣のような……甘えるような鳴き声が漏れてしまう

「――――」

耳元で男が何事かを囁いた
雄と雌の快楽に灼かれ、熱に浮かされた意識には届かない

しかし欲情に染まった肉体には理解できた、させられた
激しく突き入れてくる熱い男のソレによって、肉体の内側の最奥の壁が何度も押し上げられる

「クあッ! あっ! あうッ! ンっ! んッ、アっ! あぁッ!」

シーツをぎゅっと握り締めて、ビリビリと強い悦びに曝されながら思う……感じる
あぁ……また、また……心を溶かすような、包むような、あの灼熱を……この胎の中へと注ぎ込まれるのだ

「あクぅッ! クぅ…くルっ! ぃはッ! あぁっ! 奥ッ、おくにっ!」

もう自分が何を言っているのかすら解らない、欲望に火照った肉体から汗を流し、ただただ本能のままに動く
ぱんぱんと、肉と肉のぶつかり合う音が部屋の中に響いていた

脳髄へと直接響くその強い律動を受けて、自分の肉体が男の精を受け入れる状態になっていくのが解る
意識が、肉体が……その高みへと、吸い込まれるように浮き上がっていって――

「ふあっ! ああっ! はぁうッ! あぁ…イッ! アあッ! アあぁあアぁっっーーーーッ!!!!」

男の腰が強く押し付けられ、後ろから抱きしめられるのと同時に
肉体の内側で弾けた閃光によって意識が真っ白に染め上げられていく……!





         ……◇……◆……◇……





この部屋で男との行為が始まってから、どれ位の時が過ぎたのだったか
熱気と……雄と雌の匂いの篭る部屋の空気を呼吸しながら、微かに残った意識の隅でそんな事を考える

「はアぅ! アんっ、あッ、あクっ! あぁっ…アぁあっ!」

下から突き上げてくる男の腰に跨り、声を上げて腰を振っている自分の肉体
私は何をしているのだろう
男はこちらを拘束してはいない、いつでもこの行為を止めて、逃れられる……だと言うのに、私は……

「ひうッ、ンっ、あっ! アふ、ぅ…んンっ! っク、あぅっ!」

融けて、混ざり合ってしまっているのではないかとさえ思える程に熱を持った下半身は、ぼんやりと思考を続ける間も
咥え込んだ男のモノとの悦びを求めて、上下に、前後に、自らの意思とは無関係に動き続ける



無関係……本当に、そう?  逃げられないのは、男のせい?

「アあッ! ぃイっ…くぅ……ぅあっ、いクッ! ィ、あアぁあっッ……ッ!」

また絶頂を迎えて、胎の中へ男の欲望を注がれて、大きく背中を反らせながら、ふっと疑問が生じる
駆け巡る快感の中で疑問に対する答えを探して……そして、気が付いた

ああ、自分は……わたしは――



甘く囁く男の声が、太ももを撫でる男の右手が、ふくらみへと優しく触れてくる男の左手が
その温もりを伝えてくれる男の肉体が……そして、今も熱く肉体を貫いている男のソレが……ああ、こんなにも

「ぁふ……うぅ……はぁ、はぁ…………はぁぅ……ん――アっ! あン! あッ、あぁアっ! ゎた…わタしを、もっとぉ……!」

こんなにも――気持ち良くて、欲しくて堪らないのだ





これでは、逃げられない、離れられない……離れたくない

あぁ……そうだ、私の肉体は…………私の、心は
男に捕らえられて、囚われて、この身に女の悦びを教え込まれてしまったあの時から

もう、既に、ずっと、ずぅっと…………









繋がった二人の間で力と欲望が循環し、混ざり合い、更なる高みを目指して何度も繰り返し求め合っていく
閉ざされた部屋からは、肉欲に爛れた女の声が途切れる事無く祭りの夜の街へと染み出していった



祭りの喧騒にざわめく街の上、巡りゆく月だけがただ静かに夜を見守っている
夜明けの時は、まだ遠い












[30317] 番外~少し未来の先のこと『国境近くの町で』
Name: クラクモ◆5e745eb7 ID:16f88ec7
Date: 2013/12/23 05:40
・国境近くの町で





「あっ……あっ、あ……アっ! あぁ……あぁあっ」

さぁて、明日はどうしよう。 ゆさゆさと肉体を動かしながら予定を確認していく。
今日で買取のかかっていた素材も納め終わっているから……うん、もうそろそろ、この町を離れようかな。

「ん、んっ、あッ……あぅ、んぁっ! いっ……あ、あっ」

それにしてもこのベッド、造りが安っぽいのか軋む音がうるさいなぁ。
まぁここで眠る訳じゃないので、別にいいけども。

「ぅあっ……やぁ、あぁっ……きちゃ、きちゃうぅ! ふあっ、あアぁっ!」

あ……そうだ、明日は首都へ向かう便が出る筈だ、護衛でもしながら便乗して東の町へ行ってみよう。
美味しい地酒が有名って昼に食堂で聞いたし、お土産にも丁度良さそうだ。

そうと決まれば……ははっ、今の内に"腹ごしらえ"しとかないとな。
という訳で、いただきまーす。

「あぅっ! あッ、あンっ! あぁ、アっ、あぅんンんんんッ…………!!」





         …………■……◇……◆……◇……■…………





一日目、あの人は国境の砦に着いた頃かなぁ……隣に夫の温もりが無い事に寂しさを感じる。

二日目、一人でいる寝台の冷たさを紛らわすように、結婚してからシていなかった事をした。 あの人も寂しいのかな、そうだと嬉しい。

三日目、給仕の仕事中ぼうっとしていたら常連のおじさんに「生理か?」なんてからかわれてしまった。 今度おばさんに言いつけよう。

四日目、……またシちゃった。 私ってこんなにえっちだったかなぁ。

五日目、今日も、また。 お腹の奥が切なくて、我慢できないよぉ…………早く、帰ってきて。

六日目。
勤め先の食堂で懐かしい人に出会った。 夫と付き合う切欠になった不思議な薬を売っていた人。
今は探索者として依頼を受けている傍ら、色んな薬の研究を進めているのだという。
あなたのお陰で結婚できたと話すと嬉しそうに微笑んでくれた。 祝福してくれた事が恥ずかしくて、少しドキドキした。

一年前を思い出しながら話す内に不思議な薬の副作用も思い出した。
クセになっちゃう事もあるって言っていたっけ。 あの人ももう直ぐ帰ってくる、我慢我慢。



         ……◇……◆……◇……



仕事中に懐かしい出会いがあった日の夜。

「ン……はぁ…………」

大事な兵隊さんとしてのお仕事だから仕方ないけれど、夫と離れてしまう事がこんなに辛いだなんて、考えもしなかった。

「それじゃあ、いってくるよ」 「えへへ……いってらっしゃい、ア・ナ・タ♥」

結婚したばかりの夫をそう言って笑顔で見送った。 あれから、何日経ったかなぁ。





――とんとんとん


寝室でごろごろとして、熱を持って疼く肉体を持て余していると、唐突に玄関のドアがノックされた。

あの人だ!

夫は兵士という職業上、仕事が長引いた時には夜に帰って来る事もたびたびあった。 早く顔を見たい。
寝台から飛び降りて玄関へ向かい、2回鍵を開けるのに失敗してあたふたと扉を開き、外に佇む人影に抱きついた。

「おかえりなさい!」

高鳴る胸の鼓動を抑えながら抱きついた人影は、そっと私の肩を掴むと……あ、あれー? 引き離されてる?

「え? ……あ? お客さん?」

そこに居たのは不思議な薬を売っていたお兄さんだった。

「夜分遅くにすみません。 今、いいですか?」

「あ、えっと……」

よくない。
いくらお世話になった人でも、流石にこんな遅く、夫の居ない時に男性を招き入れるなんて非常識な事はできない。

……そうだ! 明日また職場の方へ来てもらおう。 食堂の売り上げにも貢献できるし話も聞ける。
良い考えだと思い、お兄さんに返事をする為に顔を向けて、口を開いた。

「いいですよ。 中へどうぞ……」



どうしてか、そんな心とは裏腹に、奇妙に惹かれる瞳の輝きに断ろうとする意識がぐらりと歪んで、部屋の中へと招き入れてしまっていた。

(わたし、なにやってるんだろう)

「……あっ、む。 んんんっ」

ぼんやりとしながらも、お茶を出そうと薬缶を火にかけて、振り向いた所で、唐突に奪われた唇。
男性の力強い腕に抱きしめられて、汗ばんだ肉体の芯が、意識が、痺れる。

ドキドキと心臓の音がうるさい、熱くて、くらくらする。 やだ、こんな、名前も知らない人なのに……





キシリ、と音が聞こえる。

気づいたら寝台の上で組み敷かれていた。
無遠慮に右の乳房を揉みしだかれて、いやらしい熱がそこから広がっていく。

「ふゃ、ぁ…………あぅ……あっ……はぁ、ん」

唾液にぬめる舌で首筋を舐め上げられる感触が、わけもわからない程に気持ちいい。 お腹の奥がじんじんする。

(わかんない、なんで、わたし)

そんな思考の答えを見つけられないまま、くりり……と硬くなった乳首を指で摘ままれた甘い刺激に背中を反らした。
快感に白く混濁する意識に声が聞こえる。

「これは、夢さ」

「あっ、あ……ンっ……ゅめ…………」

夢、かぁ……どうせなら、あの人に出てきて欲しかったなぁ。
うっすらと、その事を残念に思いながらも……素肌へと重なる温もりに膝を開いた。

そうして、求めていた熱が……足の付け根に、肉体の、奥に――





         ……◇……◆……◇……





朝。
鳥の鳴き声が聞こえてから少しして、窓の格子からこぼれた光が目蓋を照らし始めた。

だるい……眠い、そんな事を思いながら寝返りを打って朝日から逃れようとする。
今日の仕事は午後からだ、昨日の晩はあんな事をしたんだし、ゆっくり休も、う……? あんな、事………………ッ!?

「うひぁっ!!」

眠気が一気に醒めて、飛び起きた。


見下ろした自分の肉体は、少し下着が湿っている以外に異常は見られなかった、服も着たままだ。

あれ? 夢だったんだ……あー、良かったぁ。
あ、でも、あんな夢を見ちゃうなんて、私ったら、うぅ……


「おーい! 朝から何騒いでるのー」

「ひゃ……わわ、ご、ごめんなさい大家さん! ちょっと寝ぼけちゃって」

「ふーん、ダンナが居なくて寂しいんじゃないの? ふふ、若いっていいわねー」

「そそそそんなこと……」





隣の家の庭から聞こえる声に慌てて弁明をしている娘の家の外、人目につかない路地裏を、ローブの男が欠伸をしながら立ち去っていった。
部屋の中では、火の消えたかまどに置かれたままの薬缶が、朝の光に照らされて鈍く輝いていた。





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