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[24871] 逆襲のユーノ【旧題:逆襲のなのは】(第十二話大幅修正)
Name: 裏・空の狐◆84dcd1d3 ID:b50a47bc
Date: 2012/06/13 06:19
注意! これはとらハ版の『平行世界のなのはさん~ユーノくんの不幸~』で登場した『奴隷ななのはさん』をベースにしたものです。

勢いで作りました。反省も後悔もあります。それとご都合主義です。

12/19題名変更
なんとなく自分でもタイトル詐欺な気がしたので……

2/3第四話修正
後半だいぶ変わりました。


4/3第八話差し替え
とりあえず、ごちゃ混ぜは止めようと思って。

4/12題名またも変更
なのはよりもユーノが主人公だからこっちか? と思いなおしたので。何度もすいません。




――――――――――――――――――――――――――




 かつて、時空管理局と呼ばれる組織があった。そう、あった。

 だが今は存在しない。JS事件で疲弊したところを敵対組織に突かれ、敗北しその誇りは地に落とされ、消滅した。

 そして、敗者となった彼女、高町なのはに待っていたのは残酷な運命だった。








「や! やめて! あ! いやぁ!」

 ずんずんと前後から犯され、私は悲鳴を上げて逃げようとするけど、非力な女の力では私を犯す屈強な肉体を持つ男たちにはかなわない。

「へへ、彼のエースオブエースもこうなっちまったらなあ……」

 ぐにゃっと乱暴に胸を掴まれる。

「痛! やあ、いやあ!」

 泣き叫ぶ私。だけど、そんなんで誰も助けてくれない。ただ、私の膣とお尻に杭のような男根をあらん限りの力で打ち込む。

「おいおい、あんまり乱暴にするなよ? 大切な売り物なんだからな」

 そばで見ていた私の管理を担当する男がつまらなさそうに男たちに釘を刺す。私を人間と見てない、ただのものとしか扱わないその冷たい声。

「へへ、そんなこと言われてもなあ」

 無遠慮に前から私の膣に己の肉棒をねじ込んいた男が笑う。

「こんな極上の……しかもあのエースオブエースを犯れるんだから、我慢できませんよ」

 後ろに立ち私の肛門を抉る男が思いっきり私の中に突き立てる。

 大切にしていた純潔は奪われ……男を喜ばすためにありとあらゆる性技をその身に叩き込まされた。

 誰か、誰か助けて……








 散々男たちの慰みものにされてから、私は自分に当てられた部屋の片隅で膝を抱えながら泣いていました。

「フェイトちゃん……はやてちゃん……みんな……」

 離れ離れになった仲間たち。みんながどうなったのかは知りません。でも、もし捕まっていたのなら、自分のように禄な目にあってないことは容易に想像がついてしまいました。

 そして、私は明日の競売にかけられる。見知らぬ誰かの所有物にされる。

 それが誰かは知らないけど、人間を売り買いするような連中なのだから、マシになるなんて有り得ないと予想できてしまう。

「ユーノくん……」

 思い出すのは一人の青年。多分私は彼のことが好きだったと振り返る。

 だけど、もう彼とは会えない。その現実に私は再び涙を流しました。









 夜が明け、私は目隠しをされ口枷を咥えさせられ、部屋から連れ出される。

 非合法の奴隷市場で、奴隷の競売が行われる。そこで他の様々な人たちと共に私も売りに出されるのです。

『さあて、本日最大の掘り出し物! 旧時空管理局の教導隊のエース・オブ・エース高町なのはです! 管理局に恨みのある方、または高嶺の花で手が出せなかった方、今がチャンスです! それでは十万からスタート!』

 司会の声が響き渡る中、客である男達が次々に私の額を提示する。

「百五十万!」

「元エースオブエースに百六十万!」

 目隠しをされ目が見えない私には周りの様子がわかりません。だけど、耳に届く男たちの声、肌に感じる熱気に恐怖以外の何も無かった。

 目が見えないからどんな相手かわからない。だけども、誰に買われようが、その先に待つのはきっと地獄なのだろうから。

 意味もなく顔を伏せる。私の心は砕けそうでした。

 でも……

「二百万!」

 聞こえてきた声に、私は顔を上げます。

 有り得ない。こんなところに彼がいるなんて有り得ない。でも、だけど……私が彼の声を聞き間違える方が有り得ない!

 その声は自分より高い額が提示されればさらに額を釣り上げた。そして、

『他にいませんね? では、彼が彼女の新しいご主人様です』








 そして、競売が終わり、会場の裏で奴隷に受け渡しが行われます。私は目隠しされたままそこに連れていかれました。

「彼女にちゃんとした服を」

 彼の要望に奴隷商人は答え、肌でしかわからないけど、上等な服を着せて私は引き渡されます。

「行こう」

 そして、彼は私の手を掴んで早足でその場を離れた。







 どのくらいたったか、思い浮かぶ疑問の答えを探し続けていた私には非常に長く感じた暗闇の時間は、唐突に終わりました。

「もう大丈夫だよ」

 最初に口枷が外され、続いて目隠しが外される。突然視界を支配する光に、私は目を押さえました。

「あっ、ごめん!」

 自分が悪いわけでもないのに謝って、慌てて灯りを消す彼。

 私は防衛本能が流した涙を拭い、戻り始めた視力で彼を見る。

 揺らぐ視界、その中でだんだんはっきりと目が見えていく。

 翡翠色の綺麗な瞳、クリーム色の髪。記憶より痩せた印象があるが優しげな面差し。

「ユーノ、くん」

「うん、なのは」

 微笑むユーノくん。

 確かにユーノくんが目の前にいる。幻なんかじゃない本物の。それを認識し、視界が再び滲む。

 今度は防衛反応なんかじゃないない。純粋に喜びの涙を。

「ユーノくん!」

 私はユーノくんに抱きついて泣き続けます。ユーノくんは黙って私を抱き締めてくれました。







 ようやく泣きやんだ私はユーノくんに並んでベッドに座っています。

「ねえ、ユーノくん。あれからなにがあったの? どこであんな大金……」

「ああ、そうだね、色々話さないとね」

 そう言ってユーノくんは話し始めました。

「今の僕はレジスタンスのメンバーなんだ」

「レジスタンス?」

 そう、と答えた。

「あの戦いで僕はなんとか逃げ出すことができたんだ。本当はみんなを助けに行きたかったんだけど、逃げるだけで精いっぱいでね。自分の無力さが情けなかったよ」

 本当に悔しそうにユーノくんは搾りだします。うん、大丈夫。その気持ちはわかる気がするから。

「何人かの司書や局の人たちと他の世界に逃げることができたけど……そこからスクライア時代の伝手を頼ってなんとか生き延びて、そしたらクロノから連絡があったんだ」

「クロノくん無事なの?!」

 よかった。知り合いが他にもまだいるのに安心します。

「うん、本局のXL扱の多くが落とされたけど、クロノの艦は撃沈を免れてね、残存艦を編成し直して辺境で機会をうかがってるんだ」

 そうなんだ……

「そこから、かつての管理局のメンバーを集めて地下組織を結成したんだ。今の政権に対抗するためにね。はやてや六課のメンバーも何人かはそこにいる」

「そうなんだ、はやてちゃん無事なんだ……あ、フェイトちゃんは?! ヴィヴィオは?!」

 ユーノくんが首を振る。

「残念だけど、彼女たちはまだどこにいるかわからない。他にもスバルを始めに何人かが行方不明になってる」

 そんな……

「お金の方は、僕は表向きはスクライアの学者ってことになっててね、カモフラージュとして遺跡発掘をしてるんだ。そしたら、この前もぐった遺跡で伝説の『トクガワの埋蔵金』を見つけてね、それを元手にお金を準備したんだ」

 それでもまだ余ってるよとユーノくんは苦笑する。

 地球で見つからないって騒がれてたけど、次元世界にあったんだ徳川の埋蔵金。そりゃあ見つからないわけだね……

 変なところで私は感心してしまいました。

「それと、これ」

 そしてユーノくんがポケットから取りだしたものは……

「レイジング、ハート」

 きらっと待機状態のレイジングハートが光る。

『お久しぶりですマスター』

「撤退時にたまたまティアナが回収したんだ。ずっとなのはのことを心配してたよ」

 そっか。無事でよかった。

 はいっとユーノくんがレイジングハートを差し出してきたので受け取ろうとして……手が震えてました。

 あ、あれ、なんで、手が……

「なのは?」

 ユーノくんが心配そうに声をかけてきますが、私は大丈夫です。

 なんとか苦労しながらレイジングハートを受け取ります。が、ぽろっとレイジングハートを落としてしまいました。

 慌てて拾おうとしますが、うまく取れません。

 お、おかしいな。手が震えてう、うまくもてない。あれ、視界がなんか滲んで……

「なのは!」

 ユーノくんが私の肩に手を掴みます。

「無理しないで、無理しなくていいんだよなのは」

 ユーノくんが静かに私に言い聞かせます。

 私が頷くとユーノくんがレイジングハートを拾ってくれました。

「ごめんねレイジングハート」

 ユーノくんの手にあるレイジングハートに謝ります。

『お気になさらず』

 レイジングハートがそう言うけど、長い間パートナーだったのにあんな……

 そして、私はベッドに座り込みます。

「だめ、なんだ」

 ぽつっと私は答えます。

「レイジングハートを取ろうとしたら、負けたこととか、いろんなこと思いだしそうになって……怖くてしかたなくて……」

 ぎゅっと拳を握ってしまい、ぽつぽつと涙が零れる。ユーノくんは黙って私の肩に手を回します。

 それだけで少しだけ心が軽くなりました。ありがとうユーノくん。

「ごめんね。だから、しばらくはユーノくんが預かっててもらえるかな?」

「うん、わかった。今日はもう休もう。なのはも疲れてるよね」

 ユーノくんはそう言って身体を離します。

「じゃあ、僕は隣の部屋にいるから。あ、一応鍵は渡しておくね」

 それだけ言ってユーノくんは部屋を出ました。

 私はベッドにもぐります。今まで粗末なマットだっただけに、その柔らかい感触が嬉しいけど……

「ユーノくん……」

 さっきまでそばにあったユーノくんの温かさがない、私はそれが無性に寂しくて仕方なかくなりました。

 そして、同時に私は思いました。思ってしまいました。

 今の戦えない役立たずの私が、ユーノくんのそばにいられるのかって。

 そう考えた瞬間、私はそばにあった鍵を取っていました。







 


ユーノside

 僕はもぞもぞと下半身から感じる違和感に目を覚ます。

(なんだろう、気持ちいい……)

 暖かく包まれるような気持ちよさに背筋が震える。

 なんなのかよくわからない。ああ、でも、この心地よさをもう少し味わっていたい……

 だけど、ゆっくりと意識が微睡みから浮き上がる。と、ともに五感もはっきりとしてくる。

−−ちゅっ、くちゅ、ピチャッ、ちゅっ、チュ−−

 耳に何かを舐める音が届く。そして、ゆっくり目を開けば、そこに僕のを熱心にしゃぶる、生まれたままの姿のなのはがいた。

「な、なのは?」

 なのはが顔を上げると口を離して笑う。

「おはようございますご主人様。気持ちいいですか??」

「え? あ、うん……」

 僕の返答になのはは嬉しそうに笑う。って、ご主人様?!

 突然のことに理解が追いつかない。

「よかった。じゃあ」

 そして、再び僕のを口にくわえた。暖かく、ぬめりとした感触に包まれる感覚に僕は震える。

「な、なのは……なんで」

 僕の問いになのはは答えずに、一気に奥まで飲み込み、すぐ口から離れそうなほどの勢いでディープスロートを始める。

 それだけじゃない。舌先が先をえぐるように蠢き、竿へまとわりつくように絡まる。

 男の弱点を攻めるようななのはの動きにベッドをかきむしって耐える。

 だけど、こういったことに耐え性がない僕の我慢はあっという間に限界を迎えた。

「うああ、出る。出ちゃうよなのは」

 僕の悲鳴になのはは今までで一番深く、根元までくわえる。

 そして、喉奥にキュッと締め付けられて、僕は一も二もなく果てた。

「も……出るっ、出ちゃう!」

 なのはの口に吐き出される僕の欲望。

「な、なのは、く、口離して……」

 だけど、なのはは無視して僕のを深くくわえたまま、僕の出す白濁の欲望を音を立てて飲み込む。

 舌を使って裏筋を刺激し、さらに射精を促す。

 そして、僕が出すものを出し尽くすと、チュルッと尿道に残ったものまで吸い出して、口を離した。

「んっ、すっごい濃い……どうでしたかご主人様?」

 口元に残った残滓を指でいじりながらなのはが問いかける。

「その、すごく、気持ちよかった……」

 虚脱感に包まれながらなんとか答える。

「よかった。じゃあ……」

 なのはは艶然と笑うと僕のをしごく。出したばかりで敏感なそこへの刺激に震える。

「ふふ、まだ元気」

 そして、再び反り返るくらい元気になったそれを、なのはは手で固定して、僕を跨ぐ。

 くちゃっと熱い粘膜が先に触れた瞬間、僕は動いた。

「なのは!」

 なのはの肩を掴んで押し返し、立場を逆転する。

「きゃ!」

 悲鳴を上げるなのは。

「なのは……一体何してるの?」

「な、何って、ご主人様へのご奉仕……」

「なのは、ふざけてるの? 僕はそんなつもりで君を助けようとしたわけじゃないよ?」

 確かに、なのはとそんな関係になりたいって思ったことはある。

 だけど、こんなのは違う。僕の気持ちを無視して、こんな……

 その時、気づいた。なのはの肩が震えてることに。

「だって……今の私はこんなことしかできない」

 ぽつっとなのはが呟く。

「戦うことも飛ぶこともできないから……ユーノくんが助けてくれたのに、なのに、なにもできないから、だから……」

 ポロポロと涙をこぼしながらなのはは独白する。

 なのはがそんなこと考えてたなんて……

 僕は黙ってなのはを抱きしめた。

「ユーノくん?」

「なのは、僕たちが出会った時のこと覚えてる?」

 僕の問いに戸惑いながらもなのはは頷く。

「僕が無茶してボロボロになってたところをなのはが助けてくれたよね?」

「うん、フェレットさんがしゃべった時は、すごくびっくりしたよ」

 懐かしいなとお互いに笑う。

「いろんなことがあったよね」

「うん」

 いろんなことを思い出す。一人でなんとかしようとして返り討ちにあった僕。

 なのはに助けられて、なのはにジュエルシード集めを手伝ってもらったこと。

 フェイトとの出会い、クロノたちに会って、はやてやヴォルケンリッターに出会い……たくさんのことがあった。

「なのはと出会わなかったら、今の僕はいなかった」

「私も、みんなと出会わなかった」

 そして、僕は意を決する。

「だから、僕にとってなのはは大切なんだ。たぶん自分より」

 えっとなのはが驚いたように僕を見る。

「その、いきなりだけど……ぼ、僕とこれからもずっと一緒に居てくれないかな?」

 僕の言葉になのはは少しの間、じっと僕の顔を見つめる。そして、

「ほ、本当にいきなりだけど……ユーノくん、私なんかでいいの?」

「なんかじゃないよ。なのはじゃないと嫌なんだ」

「私、汚されちゃったんだよ?」

「そんなのどうでもいいんだ。僕は……なのはが欲しいんだ」

 そこまで言って、なのはは俯いて泣き出した。

「ありがとうユーノくん……ありがとう」

 僕はその背中を撫で続けた。

 そして、なのはは泣き止むと顔を上げて、そっと目を瞑る。

 僕にだってそれがなにを意味するのかわかっている。

 僕はそっと顔を近づけてなのはの唇に自分のを重ねる。想像するしかなかったなのはの唇は思ってたよりもずっと柔らかい。

 少し経って口を離す。

「レモンの味って言うけどそうじゃないんだね」

 もっと暖かくて幸せな味だった。少し、苦い味がしたけど気にしない。

 僕の感想になのはがうなだれる。

 えっ? どうして?

「ご、ごめんね。わ、私、口濯いでくるね」

 ああ、やっぱり気にさせちゃった。どうしようかなって簡単だったね。

「なのは」

 僕は腰を上げるなのはの顔を両手で挟んで、再び唇を奪う。

 それだけじゃない。今度は舌を入れて彼女の口の中を舐めまわす。なのはが目を丸くして驚くのがなんか嬉しい。

 大丈夫だよ。そんなことどうでもいいよって教えたくて。

 散々なのはの咥内を舐めしゃぶってから唇を離すと、つっと舌と舌の間に唾でできた銀色の橋がかかって、プツンと切れた。

「なのはの口に僕の匂い付けられたかな?」

「あう、ユーノくん」

 物欲しそうな顔から一気に真っ赤になってもじもじするなのは。

 その様子がかわいくてつい苦笑を浮かべてしまう。

 欲しいな。

 ふと、そんなことを思ってしまい、ちょっと見ると僕の愚息も固く反り返って、先走りが溢れていた。自分の正直な反応に苦笑してしまう。

「あのさ、なのは。いいかな?」

 えっ? となのはは顔を上げる。

「その、さっきは拒絶しちゃったけど……なのはと、したい」

 僕の言葉になのはは一瞬きょとんとしてから、柔らかく微笑んだ。

「あ、うん……いいよユーノくん」

 僕がなのはをベッドに押し倒すとなのはは自分から足を開いて、両手を差し伸べる。

 その姿に僕の愚息が硬度を増す。

 なのはとついに……

 手を伸ばしてそこに触れる。くちゃっと瑞々しい音が立つ。

「あ、んっ」

 入り口の陰唇を探るように弄って、指を中に。

 そこは指先が溶けそうなくらい熱くて、きゅっと僕の指先をくわえ込む。

 前後に動かしたり、軽くかいたりと色々と試してみる。

「あ、ふあ、ユーノくんの、指、気持ちいいよ」

 なのはがとろんとした顔で笑う。

 とろとろのそこに僕は大丈夫かなと判断した。よ、よし。

「い、いくよなのは」

 僕は指を抜くと、丸見えとなっているなのはの秘所、きれいなピンク色を保つ膣の中へゆっくりと深く勃起したモノを挿し入れていく。

「あっ、あっ、ユーノくんのが入ってくる」

 なのはが息を漏らすように呟く。

「くぁ、なのはの中、暖かくてにゅるにゅるって絡みついて、気持ちいい!」

 そして、腰を推し進めていって、こつっと奥まで届く。大きすぎず小さすぎずちょうどピースがはまるように。

 なんだ、ぴったりだったんだ。僕らはこんなに……

「ユーノくん……」

 なのはが涙をこぼす。

「ど、どうしたのなのは?」

 なのは、なんで泣いてるの? 僕なにか失敗した?

 でも、そうじゃなかった。

「本当は、初めてがよかった……ユーノくんとが初めてがよかったの……」

 ああ、そうなんだ。そういう風に僕を思ってくれてたんだ。

 なのはの気持ちが嬉しくて、僕はなのはが泣き止むまで抱きしめた。









「ごめんね、何度も……にゃはは、私泣き虫になっちゃったかな」

「いいんだよなのは。泣きたかったら泣けば」

 なのはが目尻を拭って笑う。

「うん、いいよユーノくん……動いて」

「うん……」

 正直我慢の限界に達しそうだったからなのはの申し出は嬉しい。

 ゆっくり腰を動かし始める。

「うあ、なのは」

「中で擦れて……ユーノ、くん」

 気持ちいい。すごく気持ちいい。だけどそれ以上に嬉しい。

 今、僕はなのはと……

 だんだんと腰の動きが早くなる。湿った肉がぶつかる音が部屋に響く。

「なのは、なのはあ!」

 にゅるって絡みついて熱くて溶けてしまいそうで、なのはのそこはすごく気持ちいい。

 今までこんな快感は味わったことがなかった。

「気持ちいい……気持ちいいよユーノくん!」

 なのはがしがみつきながら矯声を上げる。

「ほんと? なのはほんと?」

 僕の問いになのはがこくこくと頷く。

「あ……ふあ! 初めて、こんなの初めてなの!!」

 嬉しいな。

 技術もなにもない、ただがむしゃらに僕はなのはの中を貪るそれでも、なのはが気持ちよくなってくれる。

「ユーノ、くん、キス、して、ぎゅっとして!」

「うん、うんなのは!」

 腰を動かしながらも、なのはの口を奪いしがみ付く。

 なのはの中から溢れ出す愛液が絡みついて、卑猥な水音が鳴り響く。

「やぁっ!きもちいい! きもちよすぎてお、おかしくっ、おかしくなっちゃうよお!」

「なっていいよ、おかしくなってもずっと僕がいるから!!」

 それでなのはが今までのことを忘れるなら……

 ズンズンと絡むなのはの中に僕の射精への欲求が高まる。

「だめえ、もうイク、イッちゃうう!」

「いいよなのは、僕ももうだから!」

 なのはの腰を抱えて下から突き上げるように腰を振る。

「一緒に、いっしょにい!」

「うん、一緒にいこうなのは!」

 なのはと一緒に高みまで昇りたくずんとなのはの最奥を抉る。

「にゃあっ!? ぁ、あ!! ふあぁぁぁぁぁぁっ!!」

 なのはが再び強く強くしがみつく。

 身体はビクビクと震え、顔はだらしなく弛緩する。

 そしてあそこがきゅうっと奥に誘うように今までで一番締まる。

「で、出る、出るよなのは!」

 そして、出る瞬間に引き抜こうとして、

「ダメ!」

 なのはが僕の腰に足を回して逃げられないようにしてしまう。

「うあ、な、なのは出る!」

 そのまま、僕はなのはの中に欲望の全てを解き放った。

 途端になのはの中が痙攣したように震えて、僕のを一滴残らず搾りとるように動き、僕も、何度もなのはの中に精を注いだ。










「幸せだよ、幸せだよおユーノくん」

「うん僕も幸せだな。でも、中でよかったの?」

 僕の問いになのはは頷く。

「うん、ユーノくんのでいっぱいで私凄く幸せだから」

 なのはの笑みに惹きつけられて、余韻に浸りながら僕らはキスを交わす。

「これからもよろしくね、私だけのご主人様」

「あ、うん……」

 まあ、いいかな。こんな関係からのスタートも……

 僕は小さく苦笑して、なのはが身体を起こす。

「というわけで、第二ラウンドゴー!」

「え? な、なのはもう少しま……」

 と、なのはは僕の身体を跨ぐと、硬度を失った僕の愚息を……






~~~~
勢いで作った。反省も後悔もある。
えっちいシーンに関しては……正直五十点もいかないと自分でも思ってる。
コメントお待ちしております。



[24871] 第二話 (修正)
Name: 裏・空の狐◆84dcd1d3 ID:b50a47bc
Date: 2010/12/18 23:39
 私が助け出されて数日が経ちました。

 その間、私はユーノくんから今まで手に入らなかった色々な情報を得ました。

 現在、管理局を壊滅させた組織は圧政を強いて、反対するものを弾圧、次元世界を支配しようとしていること。地球など管理外世界はまだ大丈夫なこと。フェイトちゃんとヴィヴィオにスバル、シグナムさんとアギトが行方不明のことを。

 そして、明日私たちはレジスタンスに合流する予定でした。








 その前日、私はなかなか寝付けませんでした。なんとなくユーノくんの髪を弄ります。

「どうしたのなのは?」

 とユーノくんが聞いてきました。

「ごめんねユーノくん。起こしちゃったかな?」

 ユーノくんはいいよと笑います。

「明日はやてたちに会うのが嬉しくて眠れないのかな?」

 にゃはは、やっぱりユーノくんにはお見通しでした。

「うん、二年ぶりだからね」

 そういえばそんなな経つんだっけ。

 はやてちゃん今はレジスタンスのメンバーだっていってたけど、早く会いたいな。

「睡眠用の魔法があるけどかけて上げようか?」

「えっ? じゃあ、お願いしようかな」

 うん、とユーノくんは笑う。

「はい」

 翠色の魔法陣が私たちを包むと、ゆっくり眠気が私を襲う。

「おやすみ、ユーノくん……」

「おやすみなのは」

 愛しいご主人様の声を聞きながら、私は眠りにつきました。








 翌日、少し遅く私は目を醒ましました。ベッドの中にユーノくんはもういません。

 あれ?

 私はすぐそばにあった着替えに袖を通して、部屋を出ます。

 すると食欲をそそるいい匂いが漂ってきました。

 もしかして、

 私がキッチンに向かうとユーノくんがご飯を作ってました。

「あ、なのはおはよ」

「ダメーー!!」

 私は気づけば大声を出していました。

「えっと、なのは?」

 戸惑い気味にユーノくんが声をかけてきますが気にしません。

「ダメなの! ご主人様なのに朝ご飯作ったりしちゃダメなの! そういうのは奴隷の私がするの!!」

 ユーノくんが私の叫びに苦笑を浮かべます。

「いやでも、なのはいい顔で寝てたから起こしづらくて、それに、それってどっちかというと、それって召使いじゃ……」

「それでも!」

 ユーノくん私からお仕事とってなにが楽しいの?

「まあ、もうすんじゃったならしかたないの。おはようユーノくん」

「おはようなのは」

 今度こそ私たちはちゃんと挨拶をしました。

 それからユーノくんが作った朝ご飯をいただきます。

 悔しいけど今まで自炊をしてたユーノくんと今まで包丁を握ってない私ではユーノくんの方が上です。

 悔しいからレジスタンスに合流したらはやてちゃんに料理を教わろうと私は硬く決心しました。










「じゃあ、行こうかなのは」

「うん」

 まだ飛ぶことができない私はユーノくんに抱えてもらいながら移動します。

 仮屋からだいぶ距離をとってからユーノくんは三重に探知妨害の結界を張ってから転送をしました。

 何度もユーノくんは、場所を特定されないよう世界を渡ります。

 そして、何度目かの転移の後にある辺境世界に降り立ち、そこのとある町の外れにある教会の裏に来ます。

 そして、ぼそぼそとユーノくんがドアに向かって呟くと、ドアが開きました。

「お待ちしてました。スクライア先生、高町さん」

 と、シャッハさんが迎えてくれました。








「今はまだここも知られていませんが、少ししたらまた場所を移す予定です」

 シャッハさんに案内されながら私たちは地下の階段を下ります。

 そして、ある程度降りると幾つかの扉がありました。シャッハさんはそのうちの一つを開けます。

 私たちはそのドアを潜って、

「なのはちゃーん!」

「なのはー!!」

「なのはさーん!」

 いきなり飛び出した三人に抱きつかれました。

「わわ! はやてちゃんにヴィータちゃんにリイン久しぶり!」

 その相手ははやてちゃんとヴィータちゃんにリインでした。

「ごめん、ごめんなあなのはちゃん。助けにいけなくてごめんなあ」

「なのは、また会えてよかった。本当によかった……」

「なのはさん無事で安心しました」

 三人とも泣きながら再会を喜んでくれます。

 はやてちゃん、ヴィータちゃん、リイン……

 私も二人の背に手を回します。

「ありがとうヴィータちゃん、はやてちゃん、リイン。心配かけてごめんね」

 私たちはしばらくの間そのまままた会えた喜びを分かち合いました。









 それから、外で見張りをするというシャッハさんの代わりにはやてちゃんたちが案内をしてくれることになりました。

 管理局の制服に似た服を着た人達が行ったり来たりと忙しそうに動いていて、たまにこっちを見て会釈します。

「ここは元はベルカ時代の遺跡らしくてな、本拠地ができるまでの仮設本部なんだよ」

 とヴィータちゃんが説明してくれます。

「へえ? ちょっと調べたいなあ」

 考古学者でもあるユーノくんが興味深そうに周りを見る。

「あれ? ユーノくん来たことないの?」

 私はユーノくんの言葉に首を傾げると、

「前の場所、新政権に見つかって壊滅したんだ」

 と、苦笑気味に答えてくれます。

 そ、そうだったんだ……

「ユーノくん安心して。ちゃんと見つかった貴重品は保管しとるから」

 とはやてちゃんがユーノくんの肩を叩きます。

「で、ここが私らのボスであるクロノくんの部屋や」

 そして、私たちは奥の部屋に入りました。

「久しぶりだななのは」

 そこにクロノくんと……お兄ちゃんがいました。

 えっ?

 お兄ちゃんは私を見ると一瞬で私の目の前まで来ました。

「なのは! なのはだな? ちゃんとここにいるんだな?!」

 私の肩を掴んでお兄ちゃんが何度も確認します。

「う、うん」

 お兄ちゃんは私の返事によかったと泣き出してしまいました。







「な、なんでお兄ちゃんがここにいるの?」

 私は目を白黒させながら問いかけます。

「ああ、クロスケになのはが捕まったって聞いて、いても立ってもいられなくてな。とーさんはもう無理だからかーさんと家に残ってるが、美由希もいるぞ? 今は、他の部隊と出ているがな」

 ずびーっと鼻をかみながらお兄ちゃんが答えてくれます。

 お兄ちゃん……それに、お姉ちゃんも……

「報告はユーノから聞いてる。俺は妹に手を上げた下種共を絶対に許さない。あらゆる手段を使い完膚なきまでに殲滅する。それがここでの俺の仕事だ」

 はやてちゃんとヴィータちゃんがその言葉に私から目を逸らします。

 やっぱりみんな知ってるんだね……

 でも、私はできる限り明るく笑います。

「大丈夫お兄ちゃん。ユーノくんが助けてくれたからもう平気」

 その言葉にユーノくんがちょっと顔を赤らめ、お兄ちゃんが頷きます。

「ああ、ユーノ。妹を助けてくれて礼を言う」

「いえ師匠、僕にはこれくらいしかできませんから」

 とユーノくんが笑って……師匠?

「ユーノくん、師匠って?」

「あ、言ってなかったっけ。今、僕は恭也さんに剣を教えて貰ってるんだ」

 鍛錬してたでしょ? とユーノくんが笑います。

 そういえば私が助けられて一週間、ユーノくんは毎日のように剣を振ってたの。

 聞けば「鍛えてるんだ」って教えてはくれたけど、そっかお兄ちゃんに教わってたんだ。

「ユーノはインドアだって聞いてたが、思ったより筋がいい。教えがいがある」

 と、お兄ちゃんがユーノくんを評価して、ユーノくんは恥ずかしそうに笑います。

 へえ、よく考えれば考古学って遺跡に潜ったりするから体力いるもんね。

「今日は久しぶりに直接見てやれるが……ところでユーノ」

「はい、なんですか師匠」

 途端にお兄ちゃんが険しい顔になります。

「なのはに手を出してないだろうな?」

 え゛っ?!

 私とユーノくんは真っ赤になってお兄ちゃんから目を逸らします。それを、はやてちゃんはほほうと笑います。

 私たちの反応にお兄ちゃんはいい笑顔でユーノくんの肩を叩きました。

「今日は地獄の特訓メニューCだ」

「いきなりB飛ばしてCですか?!」

 お兄ちゃんの言葉にユーノくんが悲鳴に近い声を上げます。

「当たり前だ! 妹に手を出したんだ、そのくらい覚悟しろ!!」

 お兄ちゃんが涙を流しながら怒鳴り返します。

 まったく、お兄ちゃんは……

「お兄ちゃん、私のご主人様になにしようとしてるの?」

 ピタッとお兄ちゃん、ううん、周りのみんなの動きが止まります。

「な、なのは、その呼び方は止めてって」

 ユーノくんがなんとか口を開いて、

「ご、ごしゅじんさま?」

 お兄ちゃんが錆び付いた声を洩らします。

「ごしゅじんさまっていったのかなのは?」

 お兄ちゃんが確認するように声を絞り出します。

「そうだよ。今の私は身も心もユーノくんの所有物なの」

 わあ、とはやてちゃんとヴィータちゃんが顔を赤くして顔を隠して、クロノくんは「さーて、仕事仕事」と部屋を出ます。

 お兄ちゃんが赤い涙を流しながら、ユーノくんの肩に手を置きます。

「ユーノ、これからお前を妹に託すにふさわしい男として鍛えてやるから覚悟しろ」

 そして、ユーノくんの首根っこを掴んで部屋を飛び出しました。

「うわー、ユーノ悲惨だな」

「そやね。でも、血涙なんて初めて見たわ」

 えっと、どうしよう? 私が悩んでいたらはやてちゃんが私の肩を叩き、

「とりあえず、他の知り合いにも会いにいこか」

 と提案されました。








 で、案内されたのは一つの大型トレーラーでした。これがどうしたんだろう。

「すずかちゃん、アリサちゃん入るで」

 えっ?

 はやてちゃんが呼んだ名前を一瞬、理解できませんでした。

 そして、トレーラーの横にあったドアが開いて階段が伸びます。

 はやてちゃんに続いてトレーラーに入ると、

「なのはちゃーん!」

「なのはー!」

 にゃっ?! 今度はアリサちゃんとすずかちゃんに抱きつかれました。

「すずかちゃん、アリサちゃん?!」

 私は予想外の二人に慌てます。

「よかった、よかったよなのは」

「なのはちゃん、よかったあ」

 二人は泣きながら私との再会を喜んでくれました。










「なのはちゃんやフェイトちゃんが大変だって聞いていてもたっても居られなくて、大学を休学してはやてちゃんたちに協力してるんだ」

「感謝しなさいよ。すずかの発明がレジスタンスを勝利に導くんだから」

 とすずかちゃんとアリサちゃんがなにをしているのか話してくれます。

 ふ、二人とも……

 私は二人の気持ちが嬉しくて涙が出そうになります。

「すずかちゃんの発明ってどんなの?」

 私が尋ねると、アリサちゃんはニヤリと笑います。

「よく聞いたわね。すずか」

「うん、アリサちゃん」

 すずかちゃんがボタンを押すと、部屋が暗くなります。

 そして一角にあったモニターが付きます。

「見なさい! これぞすずか渾身の発明、『バトルジャケット』!」

 画面にケープとメカニカルなパーツが付いたチャイナドレス風の服を着たアリサちゃんが映りました。

 バトルジャケット?

「ようするに、科学的にバリアジャケットを再現してみたのなの。着替える手間があるのと稼働時間に制限がある以外、ほぼバリアジャケットそのものだよ。おかげで魔法が使えない恭也さんやアリサちゃんも装備できるんだ」

 とすずかちゃんが説明してくれます。

「さらに一緒に作られたデバイスに関してもスゴいわよ。私と恭也さん用に特別性なんだから」

 と、画面にたくさんの装備が出てきます。

「す、すずかちゃんスゴいね……」

 私は開いた口が閉まりません。短期間でこんなに……

「一番苦労したのは、コンバーターやコンデンサーの小型高性能化かな? これは……」

 そこから延々とすずかちゃんが技術的な説明を始めます。

 まったくわからない話にチラッとアリサちゃんとはやてちゃんを見ればすでに達観した目にああ、いつものことなんだと理解しました。

 すずかちゃんにこういう面もあったんだね……









 そして、一通りの解説が終わりました。

「そうだ、ちゃんとなのはの分もあるよ?」

「えっ?」

 とアリサちゃんが奥に行って白いジャケットを持ってきました。

「はやてちゃんから貰ったデータを基に作ってみたんだどうかな?」

 私はジャケットを受け取ります。

 デザインは基本的には私のエクシードモードですが細部が違います。

 私のジャケット……不思議なことにレイジングハートの時みたいな恐怖は感じません。

 むしろ、アリサちゃんとすずかちゃんの思いが嬉しくて、胸が暖かくなりました。

「ありがとうすずかちゃん、アリサちゃん」

 私はギュッとジャケットを抱きしめました。








「でも、これ質量兵器に入るんじゃ?」

 ふと、外部から魔力を供給するとはいえギリギリな気が……

 ぽんとすずかちゃんが肩を叩きます。

「なのはちゃん、管理局はもうないんだよ?」

 わー、すずかちゃんくろーい。












ユーノside

 へとへとボロボロの状態で僕は自分に割り当てられた部屋に向かう。

 はあ、今日は師匠一段と厳しかったよ。

 まあ、あんな発言聞いて兄としては黙ってられないんだろうけど……

 ドアを開ける。

「ユーノくんおかえりー。わわ、ぼろぼろだね」

 と、なのはが出迎えてくれて、あれ?

「なのは、その服……」

 なのはのバリアジャケット……

 僕の問いになのはは笑う。

「にゃはは、すずかちゃんとアリサちゃんが用意してくれたんだ」

 となのはは軽くスカートを持ち上げる。

「大丈夫、なの?」

 無理してないか心配で僕は問いかけるけど、

「うん、最初はレイジングハートみたいになりそうで不安だったけど」

 くるんとなのはが回る。

「すずかちゃんやアリサちゃんの気持ちが嬉しくてそんなことなかったよ」

 となのはが笑う。その顔は、全然影のない綺麗な笑顔だった。

「ユーノくん」

 とんとなのはが抱きついてくる。

「あのね、頑張るよ。ユーノくんが頑張ってるみたいに私も頑張るから」

 強い決意の顔を見せるなのは。それを見て僕は苦笑する。

 やっぱりなのはは強いな。









 ベッドに僕は倒れ込む。

「お兄ちゃんってそんなに厳しいの?」

 と着替えながらなのはが問いかけるのに頷く。

「うん、師匠はかなり厳しいよ。たぶんなのはよりもかな?」

 ふと、元教導官のなのはと恭也師匠、兄弟だけに人に教える才能が遺伝しているんじゃないかと思った。

「そっか、なら……」

 なのはが僕の背中に乗る。

「たっぷりマッサージしてあげるね」

 楽しそうななのはの声。

 えっ? いや流石に今日はもう動けないと、なのはを止めようとして、ぐっぐっと肩甲骨の辺りに圧力を感じる。

「わっ、思ったより凝ってるね。んしょ、んしょ」

 となのはが丹念に凝りを揉みほぐしてくれる。

 あ、よかった。普通にマッサージだった。

 安心して体から力を抜く。

「なにか期待してたのかなあ?」

 なのはが猫なで声で聞いてくる。

「……ノーコメントで」

 それだけ返して、穏やかな気持ちよさに身を委ねる。

 はあ、このまま寝ちゃってもいいかなあ?

「ユーノくん、ちょっと仰向けになって」

 仰向け? なんとなくマッサージって背中からやるってイメージあったけど仰向けもあるんだ。

 僕はごろっと仰向けになる。すると、なのははポンポンと僕のお腹を叩いてきた。

「今まで気にしてなかったけど、そっか、お兄ちゃんに鍛えてもらってたから腹筋が硬くなったんだね」

 となのはが感心する。あはは、面と言われると恥ずかしいな。

「それに……ここもやっぱりマッサージ必要だったんだね」

 まるで獲物を見つけた雌豹のような声でなのはが笑って……んっ?

 股間に圧力がかかる。

「な、なのは?!」

 見ればなのはが僕の股間に頬摺りしていた。

「大丈夫、私に任せてね」

 カチャカチャとなのははベルトを外してファスナーを下ろしてしまう。

 そして、トランクスもずり下げられ、大きくなった僕の愚息が飛び出す。

「わあ、元気」

 なのはは嬉しそうに僕の愚息にその綺麗な指を絡める。

「ちょっと待ってねユーノくん」

 ちょんとキスをしてからなのはは着替えたばかりの服をたくしあげると、その豊満な胸を露わにする。

「すずかちゃんやフェイトちゃんほどはないけど……」

 そう呟きながら、なのはは僕の愚息を胸で挟んでしまった。

「ちゃんと挟めたよユーノくん」

 となのはは笑いながら上下に動いて僕のを刺激する。

「うあ、や、やわらかい……」

 話では実はあまり気持ちいいものじゃないって聞いたけど、そんなことなかった。

 なのはにそれをしてもらってるのが嬉しくて気持ちいい。

「んー、ユーノくん暴れないで。うまく挟めないよ」

「そ、そんなこと言われても……」

 流石にそこは制御できないから……

 そしたらなのはは、

「むー、えい!」

 間から飛び出した先っぽをなのはは咥えて吸引してしまった。

「うわ!」

「はむ、ぷぁ、ユーノふんのおひんひん、おいひぃ」

 なのはは舌を絡めて、鈴口を舌でほじって刺激して、その間も胸を動かして……

「ああ、いいよなのは……」

 僕の言葉になのはは嬉しそうに笑う。

 そして、胸で与える圧力に強弱を付けながらも責め立てる速度が上がって、

「うう、なのは、もうだめだ!」

 僕はその刺激に我慢できずに欲望を吐き出した。

「ひゃっ! ユーノくんのだあ……」

 口を離したなのはの顔に勢いよく僕の白濁とした欲望が降りかかる。

 なのははうっとりと口の周りについたのを舐める。

 その淫蕩ななのはの姿に僕のはすぐに力を取り戻す。

 疲れてるはずなのになあ……

「ユーノくんまだ元気だね。それじゃあ続きしよっか」

 と、なのはは背を向けてスカートをたくし上げると、お尻を左右に割った。

 って、え?!

「きょ、今日はこっち使ってみるね」

 恥ずかしそうになのはは真っ赤になる。

「な、なのは、いいの?」

 お、お尻なんてそんな……

「だ、大丈夫だよ。ユーノくんが来るまでにちゃんと綺麗にしたし、広げて待ってたから」

 となのはは僕の目の前でお尻を弄る。

「そ、そうじゃなくて……」

 そっちはその、むりやりされて……

 するとなのはは小さく微笑む。

「大丈夫だよユーノくん。私、全部でユーノくんを感じたいの」

 そして、なのははゆっくり腰を下ろす。前じゃなくて後ろに僕のを押し込む。

「だから……気持ちよくなってねユーノくん」

 そして、僕のがなのはのお尻に入りきった。

「んっ、う、動くね」

 ずりゅっとなのはが腰を上下に動かし始める。

「うう、なのはのお尻、すごい……」

 お尻は前とはぜんぜん違った。

 複雑に絡みついてやさしく包む膣と違い、つるつるすべすべの腸壁がきゅっきゅっと締まるのは普通のセックスとは違うアブノーマルな快感だった。

「あああ、やっぱりユーノくんのぜんぜんちがう」

 最初はゆっくり、だんだんとなのはの動きが速くなる。

「きもちいい、きもちいいのお! ユーノくんのすごく気持ちいいのお!」

 泣き叫ぶようになのはは快感を訴える。

 隙間から潤滑油がわりの腸液が漏れて、前から蜜が零れる。

「な、なのは!」

 僕は起きあがって、なのはの腰を掴んで動く。

「きゃ! だ、だめ私がしてあげるの!」

 と、なのはが文句を言うけど、僕は止まれなかった。

 ぎゅっと前に伸ばした手でなのはの胸を揉みしだく。

「あああ、ひああああ!」

 ぎゅうっとなのははベッドのシーツを握りしめる、僕はずんっと今までで一番奥まで付き入れる。

「はっ……あぁっ! ユーノッく……んんっ!!」

 ぶるぶるっとなのはが背筋を震わせて痙攣する。

「ああ、出る!」

 ぎゅうっと噛みちぎらんばかりに絞られたなのはのお尻に僕は本日二度目の絶頂を迎え、どぷどぷとなのはの直腸に精液を吐きだしてしまった。

 そして、ベッドの上に僕たちは倒れ込んだ。





「あのね、明日から私すずかちゃんたちを手伝おうと思うんだ」

 なのはの告白に目を丸くする。

「平気なの? その、武器とか触ったりして」

 僕の心配になのはが笑う。

「にゃはは、少し私も心配だけど……変わりたいから」

 と、なのははさっき僕に見せた強い意志を見せる。

「いつまでも怯えてたりしたくないから、少しずつね」

 そう言って笑うなのは。

 ああ、やっぱりなのはは綺麗だ。

 その笑顔も、その意思も。











~~~~
レジスタンスに合流。次回でフェイト救出です。



[24871] 第三話 (フェイト救出編)
Name: 裏・空の狐◆84dcd1d3 ID:b50a47bc
Date: 2011/04/03 14:53
 『次元帝国』それが今次元世界を支配する政府組織。

 JS事件から一年後に、肥大化し腐敗した管理局が次元世界を混乱させたと宣戦布告。侵略を開始し、その半年後にクラナガンとその周辺世界を占領した。

 そして、建国後まもなくして「力と恐怖」による統治を宣言して、反対するものを弾圧し始めた。

 ……うん。

「やっぱりつっこみ所が多いの。デススター作ってないよね?」

「いや、流石にそれはないよ」

 とユーノくんに否定されます。

 あ、通じた。そういえば昔一緒にロードショー見たっけ。

 まあ、そんなことは置いといて、レジスタンスと合流から一ヶ月が立ちました。その間にあったみんなはやっぱり変わってなかったり変わってたりしました。

 まずはお姉ちゃんです。

「なのはあ!」

「お、お姉ちゃん」

 仮設本部に戻ってきたお姉ちゃんを出迎えたら、涙を流しながら抱きつかれました。

 昔とほとんど変わらないお姉ちゃんに少しだけほっとしました。

「心配したよ……したんだからね!!」

「うん、ごめんねお姉ちゃん……」

 私も泣きながらお姉ちゃんを抱きしめました。











 そして、エリオとキャロ。

 エリオは私が捕まった戦闘で重傷を負ってしまい、現在もリハビリをしているそうです。

 トレーニングスペースに入ると、そこにエリオとキャロがいました。

「エリオ、キャロ」

 私が声をかけると二人がこっちを向きました。

『なのはさん!』

 キャロとエリオがこっちに来ます。

 エリオは背が伸びた以外にも『変わって』いました。

 失明したって聞いた左目に眼帯を付け、頬に走る大きな傷、右腕も鉄製の義手になっている。

 キャロもだいぶ変わっています。背がエリオと同じか若干高い。あとどこか雰囲気が変わっているように思えました。

「ご無事で安心しました」

「よかったなのはさん」

 二人が涙ぐみながら喜んでくれる。

「うん、二人も無事、じゃないよね。大変だよね」

 私はエリオの腕を見ます。今、エリオの腕は、すずかちゃんのお姉さんの忍さん特注の義手。

 忍さん自身は地球にいるらしく、すずかちゃんから聞いたけど、ここ一年、エリオのリハビリは本人の努力もあって予想以上の速度らしい。

「ええ。でもこの前ストラーダを両手でやっと振れたんです! もっとがんばらないと!」

 エリオ……

「うん、がんばろうねエリオくん」

 とキャロが笑う。

 その横にあの白い召喚竜はいない。エリオとキャロを逃がすために犠牲になったって聞いている。

 以来、エリオのリハビリを手伝いながらも、必死に努力をしているとはやてちゃんに聞いた。

「今度は、守るから」

 若干虚ろな光を灯してキャロは笑った。

 私はそんなキャロが心配になりながらも、がんばってねとしか言えないのでした。











 そして、次にあったのはティアナ。

「なのはさん!」

 すずかちゃんのところで新型装備のテストをしてた時、ティアナが部屋に飛び込んできました。

「にゃ! てぃ、ティアナ?」

 ティアナは泣きながら私にすがりつく。

「よかった……本当によかったですなのはさん……」

 この子にも心配かけちゃったかな……

「うん、大丈夫だよティアナ。大丈夫だから」

 私はポンポンとティアナの背中を撫でる。

「よかったなティアナ」

 その頭をティアナと一緒にいたヴァイスくんが撫でる。

 なんでも今はティアナとパートナー兼恋人同士とか。びっくりです。










 他、ナンバーズの更正メンバーは行方不明のノーヴェとディエチ以外はゲンヤさんとギンガが指揮する部隊にいるそうです。

 知り合いに行方不明がそこまで多くないのにちょっと安心しました。

 そして、意外な知り合いも。








「こんにちはなのはさん」

 とひとりの男の子が私に声をかけてきました。

「えっと、君は……トーマだったよね?」

「はい」

 トーマが頷く。

 トーマ・アヴェニール、あの戦いの少し前にスバルが拾ってきた子で、私も一度だけ会ったことがある。

 その横に銀色の髪の女の子。少しリインフォースさんに似ている気がします。ぺこっと頭を下げるその子。後で名前は聞いたけど、リリィって言う子で、トーマがある施設から助け出した子らしい。

「あの、こんなこと聞かれるの嫌だと思うんですが……スゥちゃんがどうなったかわかりませんか?」

 えっ?

「ティアナさんに聞いたんです。あの時スターズからティアナさん分断されて、スゥちゃんのそばにいたのはなのはさんだって」

 トーマの言葉に私は思い出す。

 あの時、私たちは敵に包囲されて、孤立。私がバスターで包囲網に穴を空けようとしたら……

『なのはさん!』

 スバルに突き飛ばされた。その瞬間スバルに……

 赤い飛沫、頬にかかった熱い何か。そして……

「ああ、あああああ!!」

 私はその場でうずくまる。

 怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い!!

「なのは!」

 暖かさが私を包む。でも、ダメ。震えが止まらない。

 しばらくして私はやっと震えが止まって、トーマを見る。

「ご、ごめんねトーマ、スバルはスバルは」

 なんとか言葉にしようとするけど、なにも出てこない。

「すいませんなのはさん。無理に聞いて」

 トーマが謝る。ううんトーマは悪くないよ。悪いのは弱い私……

「でも、一つだけ言います」

 私は責められるのかと思った。だけど、

「スゥちゃんは俺が助け出します」

 私が顔を上げると毅然と前を見るトーマ。

「俺が助けてもらったみたいに、今度は俺がスゥちゃんを助けます」

 その手に銀色のブレスレットが光っていた。










「そっか、トーマにあったんか……」

 お昼時にはやてちゃんとご飯を食べていたらはやてちゃんはうんうん頷く。

「あんな、今のうちに言っとくけど……あの子、エクリプスドライバーや」

 えっ?

「エクリプスってあの?」

 魔力結合を分断する力を始めに、宿主を生体兵器に至らしめ、最後は宿主を殺す最悪の病魔。

 でも、なにより恐ろしいのは……

「でもあの子、普通だよ?」

 私は思い出す。

 確かエクリプスの感染者は殺人衝動で人を殺さずにはいられないって聞いたけど……

「それがな、『精神を鍛えればそんなの関係ない!』って鍛えられたらしくてな……恭也さんに」

 お兄ちゃん、何でもありだね……

 私は改めてお兄ちゃんの偉大さを知るのだった……













 それから、しばらくが経ちました。ユーノくんは表向きの考古学者を演じるために、ちょこちょこ本部を離れ、私もそれについていきます。

 一度、スクライアの人たちに会いに行ったら「ユーノが嫁を連れて帰って来たぞお!!」と、盛り上がられちゃったりもしました。

 なんか、一部の人たちとユーノくんがこっそりとお話していましたが、私にはなんでもないと言っていました。

 でも、なんでもないようには見えなかったけどなあ……

 そして、その日は仮設本部に私たちは戻っていて、数々の装備をテストする間に、ある程度は私も恐怖心を押さえられるようになり、待機状態ですが、レイジングハートにも触れるようになりました。

 そして、そんなある日、私がすずかちゃんの作った装備のテストをしていたら、

『チームアースラはブリーフィングルームに集合』

 それは私たちのチームの名前でした。










 そして、ブリーフィングルームには、生き残りの元六課メンバーと、ユーノくんに、アリサちゃん、すずかちゃん、お兄ちゃんとお姉ちゃんが揃っていました。

「実はフェイトの居場所がわかった」

 私たちはクロノ君の突然の報告に驚きました。

「買収した研究員からの情報だ。ほぼ裏は取れている」

 モニターに一つの施設が現れる。

「第三人造魔道師研究所。ここにフェイトは収監されている。今から救出隊を編成するが……」

 フェイトちゃんが、そこにいる……

 それに私はいても立ってもいられませんでした。

「私も救出チームに参加させて!」

 私の希望にユーノくんが目を丸くします。

 そして、ユーノくんが私の肩を掴みました。

「無理だよなのは! なのはは今戦えるような」

 私はばっと手を出します。

「お願いユーノくん、私、フェイトちゃんを助けて上げたいの」

 私はぐっとユーノくんを見つめます。

 そして、ユーノくんはため息をつくと、私の手にレイジングハートを置きました。

 途端に言いようのない恐怖が湧き出しますが、ぐっとこらえてレイジングハートを握りしめます。

「また、よろしくねレイジングハート」

『All right』

 レイジングハートが答えてくれます。

「屋内の隠密任務の予定だったんだが……まあいいか」

 クロノくんが立ち上がります。

「突入班は高町恭也さん、美由紀さん、なのはとアリサ、ティアナとヴァイス。一時間後に出撃する。それまでに各員準備を」

『了解!』











 そして、私たちはすずかちゃんのファクトリーで新型装備を受け取ります。

「そのバトルジャケットは隠密用に調整してあって、周囲三メートル内の魔力反応を阻害します。まだ試作段階で、通常のバトルジャケットより防御力は低いので注意してください」

 と、私たちが袖を通したジャケットは真っ黒で装飾を廃し、その上、身体のラインも出ないようにしたデザインです。なるほど、確かに隠密用って感じなの。覆面をすれば、ほとんど誰が誰だかわかりません。

 私のレイジングハートもすずかちゃんの手で隠密用形態が付加されました。

 こう、もっとステッキが短くしたり、全体的に小さくして取り回しをよくして、黒を基調にしたりと、デザインやカラーも変更されています。ステッキっぽい感じです。

 仮の名称は『ステルスフォーム』。性能や使い方は、アクセルモードとほぼ同じそうです。

「それと恭也さんとアリサちゃんのデバイスも調整終わりました」

 と、すずかちゃんが出したのは、小太刀二刀と通常の太刀のようなデバイスです。確か、アリサちゃんのは『贄殿遮那』っていう太刀型のデバイスだっけ。

 小太刀タイプをお兄ちゃんが、贄殿遮那をアリサちゃんが受け取ります。

 そして、二人は試し振りをします。

「いいできだ、すずか」

「すずか、いいできよ」

 二人の言葉にすずかちゃんが微笑みました。











 そして、出撃直前に私たちにエリオとキャロが会いに来ました。

「本当なら、僕も参加したいんですけど……」

 そう言って、エリオは自分の右腕を見ます。

「どうか、フェイトさんをお願いします」

 うん、わかってるよエリオ。











 偽装トラックで施設へ潜入します。

 表向きは補給物資ということになってますが、積み荷の中はもちろん私たち。運転手ももちろん私たち側の人間です。

 トラックのエンジン音が止まりました。

 私たちは積み荷から出て、外に出ます。

「御武運を」

 トラックの運転手さんが激励をかけてくれました。

 さあ、作戦開始なの。












 トラックの守りにお姉ちゃんとヴァイスくんを残して、私たちは収監エリアに向かいます。

 私がサーチャーを使って先に敵がいるか確認しつつ、必要に応じてお兄ちゃんが敵を気絶させながら、施設の奥に向かいます。ところどころ、お兄ちゃんが何かをセットします。

 どうも、この施設は侵入者が魔法を使うとしか想定してないみたいで、魔力探知システムに頼りっきりで、監視カメラはあまりないようです。

 そして、被験者の収監エリアにつきました。ですが、そこは重要な部分となっていて、さすがにカードキーが手に入らなかった場所です。

「ふん、やっと私の出番ね」

 そう嘯くとアリサちゃんは両手を合わせて、扉の横の壁に歩み寄ります。

「なのは、私は魔力には恵まれなかったけど、あるレアスキルは持ってたのよ」

 え? そんなことあるんだ……

「見なさい私の力『物質変換能力』!」

 アリサちゃんが、壁に手を付くと、ぱりっと電流みたいなのが走りました。

 そして、壁がドアに変形してしまいました。

 アリサちゃん、すごい……ああ、だから突入部隊に組み込まれたの。

 そのドアを開けて私たちは収監エリアに入ります。すぐ、その奥の部屋に向かいました。

 情報ではここにフェイトちゃんが!

 鍵を壊して部屋に入ると、何人もの人間がいり乱れ、汗と精液と愛液が混じり合った、酷くすえた臭いが臭った。

 その奥、乱雑に敷かれたマットの上に誰かがいた。

 それが誰なのか私にはすぐに解った。本当はそんなわけないと思いたかった。だけど……

「フェイト……ちゃん……」

 私がフェイトちゃんを間違えられるわけなかった。

 一糸纏わぬ裸体のあちこちに付着した白濁した液体。それがなにか理解した時、胃が痙攣して吐き気が込み上げてきた。

「うっ!」

 マスクを外した私は、その場にうずくまって、胃の中にあったものを全て戻してしまいました。

 ヒドい……こんなのヒドすぎる……

 視界の片隅で、アリサちゃんとティアナも口を押さえながら泣いていました。

「なんでこんなことを……」

 後ろでお兄ちゃんが怒りに震えた声を出すけど私は振り向けなかった。

 口元と目を拭う。そして、フェイトちゃんに歩み寄る。

「フェイトちゃん……」

 そっと抱き起こすとフェイトちゃんはぴくんと反応しました。

「なの、は?」

 血色の悪い唇が動く。

「助けにきたよフェイトちゃん」

 そっとフェイトちゃんを抱きしめます。

「なのは、汚れちゃうよ?」

 フェイトちゃんのズレた心配に私はまた泣きました。










 フェイトちゃんにお兄ちゃんが上着を着せて、数人の被験者も一緒に助け出します。そして、私たちはすぐにトラックに向かいます。

「急いで!」

 前を私とお兄ちゃんと私、後ろをティアナとアリサちゃんが固めながら先導し、トラックに向かいます。

 さすがに侵入されたことがばれたようで、途中から次々と現れる警備兵。それをティアナが幻影魔法で欺き、お兄ちゃんの剣が、または私のシューターで蹴散らします。

 でも、どんどんと集まってきて、

「あー、もうしつこいわね!」

 アリサちゃんが壁を叩くと、いくつもの拳骨が壁から飛び出して警備兵を蹴散らしてしまいます。すごい……

 そして、トラックにつきます。トラックの周りはお姉ちゃんとヴァイスくんにやられた警備兵が何人も倒れていました。

「全員乗りましたね?! 出ますよ!」

 トラックが発進します。追いかけてくる敵を私がシューターで牽制し、今度もティアナが幻影魔法でトラックの姿をいくつもあるように見せます。

 そして、バリケードを突破して、施設を脱出しました。

 施設から出ると、お兄ちゃんは懐からなにかのコントローラーを取り出しました。そして、かちっとその上に付いていた赤いスイッチを押します。

 直後、後ろから、爆発音が響きました。振り向くと、施設のあちこちが爆発し、火に包まれていました。

「任務完了」

 それだけ言って、お兄ちゃんはコントローラーを外に投げ捨てました。

 セットしてたの、爆弾だったんだ……










 そして、脱出して本体に合流した私たちは、シャマルさんにフェイトちゃんたち捕まっていた人たちを診察してもらっています。

「薬物に関しては心配は必要ないです。体についた傷もそのうち治るけど……」

 シャマルさんは言い淀みます。

「心に受けた傷は直ぐには治りそうにないわ」

 そう、なんだ……

 こっちについた時のことを思い出します。










 助け出されたフェイトちゃんにクロノ君が会いに来ました。

「フェイト!」

 ビクッとフェイトちゃんが震えます。

「お兄、ちゃん?」

「ああ、よかった無事で」

 クロノ君がフェイトちゃんを抱き締めようとして、

「いや!」

 フェイトちゃんがクロノ君を拒絶しました。

 クロノ君はフェイトちゃんの拒絶に呆然として、フェイトちゃんは私の後ろに隠れてしまいます。

「ご、ごめんなさいクロノ……今は、近づかないで……」

 泣きながらフェイトちゃんはクロノ君に謝り続けました。










「今までのせいで重度の男性恐怖症、対人恐怖症になってしまったみたいね」

 そんな……

「時間はかかるけどゆっくりとリハビリして慣らしていかないと……なんでこんなヒドいことできるのかしらね」

 シャマルさんはそう言って目尻を抑えながら天を仰ぎ、一緒に話を聞いていたすずかちゃんが泣き出して、アリサちゃんが壁に拳を叩きつけました。












 シャマルさんはしばらくは私が面倒を見るべきだと言いました。

 友達である私たちのそばの方が、フェイトちゃんの心にかかるストレスも低くなるからということらしいです。

 確かに、まるで虐待された猫みたいにずっと私やアリサちゃん、すずかちゃんにしがみついて、誰かと会うたびに私たちを盾にするようにしてるんですから、私たちが面倒を見るしかないです。

 そして、フェイトちゃんに割り当てられたのは私たちの隣の部屋でした。

「ここが今日からフェイトちゃんの使う部屋だよ」

 私の言葉にこくっとフェイトちゃんが頷きます。

 で、部屋に入ると、先に戻っていたユーノくんが部屋の片づけをしていました。

「ユーノくん、お疲れ様」

「あ、なのは」

 ユーノくんがこちらに振り向きます。私はちょんとユーノくんとフレンチなキスを交わします。一日ぶりのユーノくんの味~♪

「ユーノ?」

「フェイト、久しぶり」

 ユーノくんがフェイトちゃんに笑いかけて手を差し出します。

 握手だとフェイトちゃんは理解して手を伸ばそうとするけど、その手はプルプル震えています。

「フェイト、無理しなくていいよ?」

 そう言ってユーノくんはそっと手を下ろしました。

「ごめんねユーノ……」

 フェイトちゃんが謝りますがユーノくんは笑って許すのでした。

 と、そこに、

『フェイトさん!』

 エリオとキャロが部屋に飛び込んできました。

「エリオ、キャロ?」

 フェイトちゃんの言葉にはいと頷く二人。

「よかったです。また会えて」

 と、エリオが笑い、フェイトちゃんもなんとか微笑もうとして……固まってしまいました。

「え、エリオそれ……」

 ぷるぷると震えながらフェイトちゃんは、エリオを指さします。その先は眼帯に覆われた左目。それから、右腕。

 エリオはとっさに右腕を隠すように立ち位置を変えます。

「そ、その目と右腕……」

「義手です……」

 絞り出すようにエリオは答えました。

 すると、フェイトちゃんは泣き出してしまいました。

「ご、ごめんねエリオ、わ、私がもっと強かったら、敵に捕まったりしなかったら……」

 その場にへたり込んで謝るフェイトちゃん。

「そ、そんなことありません! これは、僕の失敗のせいです!」

「そうですよ! 悪いのはフェイトさんじゃないです。帝国です!」

 エリオとキャロが慌てて弁明するけど、フェイトちゃんは泣きながらひたすら謝り続けました。

 そんなフェイトちゃんを見るのが辛くて、私たちは目を逸らすことしかできませんでした。













~~~~
敵対政権のイメージは銀河帝国。いくらでもつっこみプリーズ。
そして、ARISAさまはバーニングではなく、アルケミストアリサでした。
フェイトがなのはと比べると心に折った傷が深いのは、フェイトって精神的に割と脆い方だと思ったからです。
あと、エクリプスのあれは賛否両論だと思いますが、まあ友人と「こういう理由で克服したら面白いんじゃね?」っていう会話からこういうのです。
いや、かなり無理あるとは思いますがね……



[24871] 第四話 (修正)
Name: 裏・空の狐◆84dcd1d3 ID:b50a47bc
Date: 2011/02/06 09:14
フェイトside

 私が助け出されて一カ月ほどが経った。

 その間、なのはたちが甲斐甲斐しく私の世話をしてくれるのがとてもうれしい。

 同時に、今まで誰も優しくしてくれなかった反動からか、ついそれに甘えてしまっている自分がいて申し訳なくも感じる。

 みんな、変わってないようで変わってた。

 アリサとすずかは私たちを助けるために大学を休学してまで助けに来てくれて、今ではレジスタンスで知らない人間がいないほどの存在になっていた。

 そして、ユーノとなのはが一番変わっていた。いや、変わりすぎていた。

 たとえば食堂で、

「はい、ユーノくんあーん」

「あ、あーん」

 恥ずかしそうだけど嬉しそうにユーノがなのはにあーんをしてもらう。

 それは、この一カ月毎日見ている光景。見れば周りの人間はまったくこの様子を気にしていない。それくらい当り前の光景とされているのだろう。

「たく、毎日いちゃいちゃ……このバカップルども」

 そんな風景にメロンパンを食べながらアリサはげんなりしていた。

「まあ、仲がいいのはいいことだよ?」

 とすずかがフォローするけど……

 私は見てて胸がチクチクする。なんで? 私は二人が幸せになって欲しいって思ってたのに……

 なのはは大切な、一番の親友。私を助けてくれて、私とずっと一緒にいてくれた。強くて優しくて、事情があって世間知らずな私を助けてくれて、すずかやアリサを紹介してくれて。

 ユーノも、私を助けてくれた一人。私の裁判で弁護してくれて、目標だった執務官になる手助けをしてくれた。今もみんなと一緒に私の面倒を見てくれて、本当にユーノは優しいと思う。

 そんな二人だから、幸せになって欲しかった。いつもそばにいたのだって、二人を真っ先に祝福するために。

 でも、目の前の二人を見ていたら黒い感情が鎌首を擡げる。

 なんで、なのははそんな風に笑えてるの?

 なんで、なにもなかった二人が今はそんな風にしているの?

 なんで……

 次々と浮かび上がる言葉を頭を振って振り払う。いやだ、こんなこと考えるのは。

「そうだね、いいことだね」

 私はなんとか笑みを浮かべてすずかの言葉に頷いた。








 夜中、私はトイレに行きたくなって目を覚ました。

 一緒に寝ていたアリサを起こさないように気を付けながら部屋を出てトイレに行く。ここ一カ月のリハビリの成果でトイレくらいはひとりで行けるようになったんだ。

 そして、トイレで用を足した私は部屋に戻る途中、なのはの部屋の前に来て、

『……ノくん』

 なのはの声?

 まだ起きてんだ。

『ユーノくん……』

 たまたま聞こえた言葉に、こんな夜更けになにをしているのか気になって、私はついそっと部屋を覗き込む。

「っ?!」

 部屋では裸のなのはとユーノが交わっていた。

「あ、あ、ユーノくん気持ちいいよお」

 と、なのはがとろんと溶けた顔でユーノに微笑む。

 あんな風に笑うなのはを、私は見たことがない……

「うう、僕も、僕も気持ちいいよなのは」

 ぱんぱんと肉と肉がぶつかる音、ぐちゃぐちゃといういやらしい水音が鳴り響く。

「あ、ひゃう! ユーノくん、ユーノくん!!」

 ユーノから与えられる快感を享受するなのは。

「なのは、なのは、なのはあ!!」

 ユーノはなのはの背中を覆うような体制でがむしゃらに腰を動かす。

 その快感に耐える顔に、かわいいと、つい場違いな感想を抱いてしまう。

「いぃ……いぃん、あぁぁん……ふああああ!!」

「くう、ううっ」

 なのはがビクビクと背筋を逸らして震え、ユーノが唸りながらブルブル震えた。二人ともいったんだ……









 私は部屋に戻ってベッドに入り込む。

 私の体は異様に熱くなって、あそこが少し濡れていた。ユーノとなのはが……

 その、普段の姿からそういうことがあっても不思議じゃないとは頭ではわかってる。わかってるんだけど……少しだけ哀しくなった。

 なのは、気持ちよさそう、ううん、幸せそうだったと、あの時のなのはの顔を思い出す。

 好きな人とするのってそんなにいいものなの?

 私は無理やりされて、ずっと辛かった。なのはも似たような目にあったって言うのに……

 黒いなにかとしか言いようのない感情がまた湧きあがる。なにこれ……いやだ、こんなこと考えるの……

 私は何も考えないように寝ようと努める。だけど、その感情は、なのはに対する嫉妬は消えることなくくすぶった。









 それから、私にはなのはの部屋を覗く日課ができた。

 二人の行為を見て、妄想を広げて……虚しさを抱えながら部屋に戻る。その繰り返し。

 そして、たまたま二人がなにもせずに一緒に眠っていた日だった。その日も私は二人の部屋を覗いていた。

 私はほっとしたけど、同時に少し残念な気がして、残念に思った自分に哀しくなった。

 私はドアを閉めて、部屋に戻ろうとして、

「あああああああ!!」

 なのはが悲鳴を上げた。

 なのは?! 私がまた部屋の中を覗くと、泣きながらなのははベッドから跳ね起きた。

 頭を抱えてブルブルとなのはは震える。

「なのは!」

 なのはの悲鳴に目を覚ましたユーノがなのはを抱き締める。

 ユーノに抱きしめられて、しばらくしてなのはは落ち着いた。

「なのは、大丈夫?」

「う、うん……」

 こくっとなのはは頷く。

「また、あの夢?」

 黙ってなのはは頷く。その肩は小刻みに震えている。そんななのはを、ユーノは優しく抱きしめていた。

 いいなあ、なのは……

 そこまで思って私は頭を振る。なのはが苦しんでるのになにを考えてるの!

 私は逃げるように部屋の前から去った。










 部屋に戻った私はアリサを起こさないようにベッドに潜り込んで、さっきのことを思い出していた。

 さっきのは、多分、フラッシュバック。辛いことを悪夢としてなのはは見たんだ。

 私もフラッシュバックがある。最近はその頻度も少なくなり始めたけど、それでも、何度も夢に見てみんなを困らせている。

 なのはも同じなんだ。 そう考えた時、私はほっとしていた。なのはだって私と変わらない……

 そして、そこまで考えて、また自己嫌悪に陥った。こんなことで安心するなんて……

 それ以上、なにも考えたくなくて私は目を瞑ったのだった。












 それから数日後、ちょっとしたことがあった。

 みんなでお昼ご飯を食ていた時のこと。

「あ、アリサ、それちょうだい」

「はい」

 と、アリサが持っていたビンをユーノに渡す。

「ありがとうアリサ」

「べ、別にたまたま持ってたからよ」

 と、アリサがそっぽを向く。その様子にすずかがくすくすと笑う。

 それで、私がおかずにソースをかけようとして、たまたま同時に手を伸ばしたユーノの手が私の手に触れた。

『あっ』

 そっと私たちは手を離す。

「ユーノから使っていいよ」

 と私が言って、みんながまじまじと私を見る。

「どうしたの?」

 私が首を傾げるとなのはが聞いてきた。

「ユーノくんに触られて大丈夫なの?」

 ……あっ?! 今触られたけどなんともなかった!

「ユ、ユーノ!! ちょっと手を出しなさい!」

「う、うん!」

 アリサに言われてユーノが手を出す。

 そして、ほらと促されて、私は試しにユーノの手に触れてみた。

 一秒、二秒……十秒触れる。

 怖いとかそんなことは思わなかった。ただ、ユーノの手は以外と大きいんだなと
思った。

「……なんともない」

 私の言葉にわっとみんなが湧いた。

 私もびっくりしていた。もっとリハビリは時間がかかるって思ってたのに……

「よし! ユーノくん、試しに本当に大丈夫かフェイトちゃんを抱き締めてみよう!!」

『えええええっ?!』

 なのははそれでいいの?!












 というわけで私はユーノに抱きしめれることになった。

 もちろん食堂ではなく、私の部屋で。

「じゃあ、行くよ、フェイト。無理はしないでね」

 当たり前だけと私は緊張していた。ほ、本当に大丈夫かな?

「う、うん!」

 頷くと、私はそっとユーノに抱き締められた。

 大丈夫だった。恐怖も不快感もない。ただ暖かくてホッとする。このままずっとこうしていたい……

 そして、ユーノが離れた。少し残念な気分になる。

「フェイト、どう? 大丈夫?」

 と、心配そうにユーノが聞いてくる。

 そう言う風に心配してもらえるのがちょっと嬉しかった。

「うん」

 私が頷くと、やったあ! とみんなが飛び上がった。

「私、クロノ呼んでくるわ!!」

「私はお赤飯頼んでくる!」

 とアリサとすずかが部屋を飛び出した。

「よかったねフェイトちゃん、本当によかった……」

「うん、心配かけてごめんねなのは」

 涙ぐむなのはの手を握る。

 そして、

「フェイト!!」

 クロノが部屋に飛び込んできた。

 私はビクッと震えてしまう。あれ? なんで……

「よかった、本当に……」

 クロノが私を抱き締める。

 途端に私は怖くて仕方なくなってしまった。

 膝がガクガクして視界が滲む。なんで? ユーノは大丈夫だったのに……

「フェイト?!」

 慌ててクロノが離れたけど、しばらく私は震え続けた。

「ごめんねクロノ……まだ触られるのダメみたい」

 震えが止まってから、私はクロノに謝る。

「ああ、いや、いいんだフェイト」

 気にするなとクロノが笑ってくれる。

 本当にごめんねお兄ちゃん……






なのはside

 私たちは先ほどのフェイトちゃんの反応に関して相談します。

「なんでユーノは平気なのかしら?」

 とアリサちゃんが首を捻ります。

 なんでなんだろ? 私にもさっぱりです。

「こういうのも失礼だけどユーノくんって男っぽくないからとか?」

 とすずかちゃんが呟きます。

 ま、まあ確かにユーノくんって、顔や声は男っぽくないよ? でも、あっちはすごく立派なの!

 でも、そんなことここで主張するわけにはいかないの。真面目に考えます。

 自分にちょっと置き換えてみる。

 助け出された直後は、フェイトちゃんほどじゃないけど、私も男と言うものが怖かった。

 それに、なんで私がそんな目にあわなくちゃいけないんだって思ったりもした。死にたいとも思ったし、全て壊しちゃいたいとも思った。

 でも、ユーノくんがいてくれたから、私はこうしてられる。

 ユーノくんに抱きしめられて、名前を呼んでもらうと、そんなことがどうでもよくなるほどの安心感と幸福感があります。依存だと言われるかもしれないけど、それでも、ユーノくんのおかげでこうしていられる。

 その時、ふと思い出しました。ユーノくんに抱き締められたフェイトちゃんが浮かべた安らいだ笑みを。

 もしかして、フェイトちゃん……

 ブンブン頭を振ります。そうと決まったわけじゃないの! で、でも、もしそうだったら……私はどうしよう?












フェイトside

「あん! ユーノ……く、あふあ!!」

「なのは、なのは!」

 その夜も、私は部屋を抜け出して、なのはとユーノの情事を覗いていた。

 くちゃくちゃと私はあそこをいじる。

「なのは……ユーノ……」

 私は二人の行為を見ながら妄想する。もし、私がなのはなら……その妄想にぞくぞくと快感が走り、私はより自慰に耽る。

 尖ってきた乳首を指先で押し込んだり、弾いたりすると、電流のような快感が背筋を走る。

 蜜が溢れるあそこをいじる。とろっとまた蜜が溢れる。

 私も好きな人に気持ち良くしてもらいたいよ。幸せな気持ちになりたいよ……

「ユーノ、ユーノ……」

 自然とユーノの名前を呼んでいた。

 お願いユーノ、私を抱き締めて、たくさんキスして、私をなのはみたいに笑顔にして。

 私を見てユーノ。

「イク、イっちゃうううう!!」

「僕も、ああああああ!!」

 そして、なのはたちがイった直後に私もいきました。




 部屋に戻ってベッドに潜り込む。

 なのはに感じた嫉妬、そして、ユーノに対して抱いた安心感。

 それをちょっと考えて、その理由がわかった。

 そっか、私は……ユーノが好きなんだ。

 誰にも優しくて、綺麗な笑顔を浮かべるユーノが、私は好きになってた。

 きっと、今まで誰にも優しくされなかった分、優しくされるのが嬉しくて、そう感じてしまってるのかもしれない。なのはが幸せそうなのが羨ましくてそう思っているのかもしれない。

 それでも、私はユーノのことが……








 翌日も私は普段通り過ごそうと努力する。

 ただ、ユーノを見たり、名前を呼ばれたりすると、自分の感情が暴走しそうになる。

 ユーノに抱き締められたい。ユーノにたくさん名前を呼んでほしい。ユーノ、ユーノ……

 ダメ! ユーノはなのはの大切な人なんだ!

 たまになのはの方を見れば、どうすればいいのか困ったように笑うなのはがいる。なのは、やっぱり気づいてるのかな?

 だとしたら、どうしよう?


 私はいつも通りシャマルのカウンセリングを受けて、一人で部屋に戻ろうとしてた。

 流石に何時までもなのはたちに付き添ってもらうのも、ね。

 と、考えてたら、通路を曲がろうとして、私は誰かにぶつかった。

「あっ! す、すいませ、ユーノ?」

 ぶつかった相手はユーノだった。

「フェイト?」









 それから二人で部屋に戻る。

「そっか、一人でシャマルさんのところに行けるようになったんだ」

「うん。何時までもなのはたちに頼るわけにいかないしね」

 ああ、ユーノと話すとやっぱりほっとする。

 ちょっとだけ頬が紅くなるのを自覚する。

「フェイト、顔が紅いよ? 風邪じゃないよね?」

 と顔を覗き込まれた。

「えっ? だ、だ、だ、大丈夫だよユーノ!」

 うう、ユーノ、なんでそんな不意打ちするのかな?

 そう? とユーノが顔を離すとちょっと残念な気がした。

 そして、部屋についてユーノはじゃあと自分の部屋に戻ろうとして、私はその手を掴んだ?

「フェイト?」

 訝しげに私を見るユーノ。

 えっと、うんと……

「ユーノ、ちょっとお話できないかな?」









 私はユーノと話す。

 現在、なのははアリサと一緒にすずかの試作品のテスト中だからいないから、二人っきりで。

「こうやって二人っきりで話すのは久しぶりだね」

「うん、こっちではなのはたちが必ずいるからね」

 とユーノが笑います。そうだね。

 そして、話をするけど……なのはの話が多かった。まあ、私たちの共通の話題ってそのくらいだからね。

 別にユーノに悪気がないのはわかってる。だけど、恥ずかしそうに、でもどこか嬉しそうになのはのことを話すユーノ。

 それだけで、こんなに近いのに遠くにユーノを感じる。

 当然と言えば当然だ。だって、ユーノの隣にいるのは私じゃなくて……なのはなんだから。

 それを認識して、胸に刺すような痛みを感じて視界が滲む。

「……フェイトどうしたの?」

 と、ユーノが問いかけてきた。

「なにが?」

「なにがって、泣いてるよ」 

 あ……

 私は涙をぬぐう。

「その、僕なにか泣かせること言ったりしたかな?」

 と、申し訳なさそうにユーノが聞いてくる。

「ううん、なんでもないよ」

 確かにユーノのせいと言えばせいだけど、だからと言って言おうと思わない。

「でも……」

「本当に大丈夫だから」

 それだけ言って私は微笑む。

 少しだけ気まずい雰囲気になる。

「ねえ、僕にできることないかな? 出来る限りのことはするから何でも言ってみて」

 たぶん、自分のせいだと思ってるからそう言ったんだろうね。

 なんでもする、ね……

「本当になんでもいいの?」

 私は念押しするように聞くと、ユーノは戸惑い気味にこくっと頷きました。

 私は立ち上がってユーノの手を取ります。

「立ってユーノ」

 言われた通りユーノが立つ。

「こっち」

 私はユーノの手を引っ張る。

 そして、ベッドまで来ます。

「フェイト?」

 なにをするのかわからなさそうにユーノは私を見ます。

 そんなユーノにちょっとだけ罪悪感を感じたけど、そのまま私はユーノをベッドに押し倒して、その上に跨る。

「ふぇ、フェイト?!」

 慌てるユーノ。

「ユーノが、なんでもするっていったんだからね?」

 私はユーノに顔を近づけて、自身にとって免罪符である言葉を呟く。そして、ユーノの両腕を拘束して、キスをしました。

「んんっ?!」

 舌を挿し入れるけど、ユーノは硬く口を閉ざしてた。ならと、私は歯茎を舌でくすぐる。ちょっとすれば、歯に隙間ができて、すかさずユーノの舌に絡める。

 舌を動かして、ちゅっとユーノの唾を呑む。おいしい。

 しばらくして口を離すと、ユーノは荒く息を吸う。

「フェイト、なんでこんなことを……」

 哀しそうに私を見るユーノ。そうだろう。これは、言ってみればなのはとユーノに対する裏切りみたいなものだ。でも、

「……好きだから」

 気づけば呟いていた。

「え?」

 ユーノはきょとんとする。

「好きなの、私はユーノのことが好きなの……」

 ぼろぼろとみっともなく涙を流しながら私は自分の気持ちを訴えていた。

「ユーノがいてくれると安心するんだ。この前抱きしめられた時も、ほっとして、ずっと抱きしめてほしいって思った。わかってるよ。これが、単に甘えてるだけ、依存してるだけの気持ちだって。それでも好きだから。ユーノになのはがいるのもわかってるけど、それでも……」

 私は泣きながらただ自分の気持ちをぶつけた。

 きっと嫌われるそう思った。相手の気持ちなんて考慮せずにただ自分の気持ちだけ押し付けてるんだから。

 でも、下から伸びた手に、私はそっと抱きしめられた。

「ごめんねフェイト。全然気づかなくて」

 ああ、やっぱりユーノは優しいな……








 ぽんぽんと僕はフェイトの背中を撫でる。

 まさかフェイトが僕のことが好きなんて気づかなかった。それなら、さっきのだって、なのはの話しばかりなら傷つくよね。

 ふうっと息を吐く。

「僕もフェイトのことは好きだよ。でも、やっぱり僕はなのはのことが好きなんだ」

 こくっとフェイトが頷く。

「それでも、お願いユーノ。一回、一回だけでいいから……私を抱いて」

 僕は悩み、なのはごめんと心の中で謝ってから。フェイトの頼みに頷いた。










 フェイトの服を脱がし、下着に手を伸ばし、その途中で、僕は手を止めた。

 露わになったフェイトの身体には、うっすらといくつもの傷が刻まれていた。

 ここ一カ月で目立たなくはなったけど、それでも彼女がどんな風に扱われてきたかを如実に語る傷痕はまだあった。

「ごめん、ユーノ……嫌だよねこんな身体」

 フェイトが身体を隠すように縮こまる。

 なのはにも似たような傷があって、それで彼女が泣いてしまったことを思い出す。それくらい、女性は身体についた傷に敏感なんだよね。

「そんなことないよフェイト」

 僕はそう笑って、フェイトの着ているものを全て脱がす。

 そして、露わになったフェイトの身体は純粋に綺麗だと思う。

 豊かに実った胸は下品にならない絶妙なラインの大きさを保ち、くびれた腰に、そこからきれいな線を描くほどよくお肉のついたお尻。

 決してなのはが魅力的ではないわけじゃないが、彼女とも違う美しさに思わず見惚れてしまう。

「きれいだよフェイト」

 言葉とともに手を伸ばそうとして、ふと思った。どうせなら……

 僕は顔を近づけて、ぺろっとお腹にあった傷を舐める。

「ひう!」

 フェイトが悲鳴を上げるけど、僕はぺろぺろと傷口を舐める。

 大丈夫って教えてあげたくて、こんな傷、気にしないでって伝えたくて。

 一瞬、あの時、なのはにもこうしてあげればよかったと考えて、相手をしてるフェイトに失礼だとすぐに思考を切り替える。

 目立つ傷を一つずつ舐め終えるとフェイトは涙を流してた。

「ユーノ……あり、がと」

 そんなフェイトを僕はぎゅっと抱きしめた。










「フェイト、いいかな?」

 服を脱いで、僕はフェイトに覆いかぶさりながら、フェイトのあそこを撫でる。

 すでにそこは十分に潤っていた。

「うん、おねがいユーノ」

 フェイトの頼みに頷いて、僕はフェイトの秘所に肉棒を擦りつけて、ゆっくりと挿入する。

「ああ、ユーノが入ってきた……」

 ゆっくりと奥を目指す。そして、全てがフェイトの中に収まった。

「わかるよユーノ、私の中にユーノがいるのが」

 嬉しそうに、幸せそうにフェイトは笑う。

「ねえ、動いて。もっとユーノを感じさせて」

「うん」

 フェイトの言葉に僕は腰を動かす。

 入れたモノが抜けないぎりぎりまで腰を引いて、また奥へと叩きこむ。

「ああ! ひう、ユーノ、きもちいい、きもちいいよ!」

 フェイトが僕に足を絡めて、しがみついてきた。

 突き込むたびに跳ねる彼女の胸を鷲掴む。

「ひうっ! む、むねえ! だ、だめ、気持ちいいの!! こんな、こんなあ!!」

 フェイトの中はなのはとも違った。なのははその、逃がさないというか、僕を捕まえて離さないと言うように僕に絡みついてくる。

 対してフェイトは優しく抱きしめられるような感じの後、一切にいくつもある舌に舐められるような動きに背筋が震える。どっちも素晴らしい名器だった。

「あふ、うん! だ、ダメ! も、もうイク、イっちゃあああうう!!」

 びくびくと身体を震わせ、涎を零しながら顔を弛緩させるフェイト。

 途端に中もびくびくと痙攣して、奥へと誘うように蠢かれて……

「うううう、フェイト!!」

 耐えきれずに僕はフェイトの中で果てた。









 その、フェイトとした後、時計を見れば、もうすぐなのはが戻ってくる時間だった。

 慌てて僕らは服を着替える。

「ありがとうユーノ……すごく嬉しかった」

「あ、いや、僕もその……気持ちよかったし」

 後始末をしながら、かけられた言葉になんて言うべきか困ってそんなこと言ったら、フェイトが笑う。

「えっと、ユーノ、もしよかったらまた」

 と、その時、ドアが開いた。

「ただいま、ユーノく……ん」

 部屋に飛び込んできたなのはの言葉が尻すぼみになる。

 ああ、間に合わなかった。

「なにしてたの二人とも……」

 そして、僕たちは正直になにをしてたかなのはに話した。

「えっと、なのは、私が悪いんだ。ユーノにむりやりお願いして」

「あ、いや僕も悪いよ。拒否しきれなかったんだから」

 二人揃ってなのはに謝る。

「い、いいよ二人とも。そこまで気にしなくて」

 と、なのはがぎこちなく笑う。

 そういうけど、うう、どうしよう。なのはを裏切るような真似をしたことに変わりないし。

「その、私は別にいいよ? フェイトちゃんが、その、ユーノくんとしても」

 え?

 なのは、なに言ってるの?

「その、ユーノくんのこと好きになる気持ちよくわかるし、それに、ご主人さまが女の子に手を出すのを奴隷の私が口出しすることじゃないし」

 うんとなのはは頷く。いや、なのは?

 なんて言おうか悩んでフェイトを向く。

 すると、フェイトはぽろぽろと涙をこぼしてなのはに近寄る。

「なのは、いいの?」

「う、うん。だって、私にとってフェイトちゃんも大切な人だもん。ならフェイトちゃんも幸せになるほうがいいし……で、でも、た、たとえフェイトちゃんでも、一番は私なの! ユーノくんの一番は私だけなんだから!!」

 真っ赤になってそう主張するなのは。

「わかってるよなのは」

 フェイトが頷く。そして、こっちを向いて。

「その、いいかなユーノ?」

 えっと、僕の意見は……まあ、いいか。

 僕は苦笑気味に頷く。

「うん、これからよろしくフェイト」

 そう言葉にすると、ぱあっとフェイトは花が芽吹くような笑顔を浮かべた。









 翌日……

「ユーノ、あーん」

「ユーノくん、あーん」

 朝食で僕はなのはとフェイト両方からあーんをしてもらっていた。

 なんか最近減ったはずの視線がまた増えた気がする。

「ねえ、すずか、私たちはなのはとフェイトを助けに来たはずよね?」

「う、うん」

 暗い表情でアリサがすずかに尋ねる。

「なのに、なんでその二人に私たちは敗北感を抱いてるのかしら?」

「な、仲がいいのはいいことだよ?」

 と、引きつった笑みでなんとかすずかは答えた。

 えっと、ごめんね。







~~~~
フェイトさん、ユーノくんのものになるでした。
さて、次はどうしようかな?



[24871] 第五話
Name: 裏・空の狐◆84dcd1d3 ID:b50a47bc
Date: 2011/02/21 13:17
 フェイトside

 私もユーノと関係を持ってから一週間ほど経ちました。

 明日がどうなるかわからないのに、ユーノといるだけで毎日が幸せな気がします。

 ですが、

「ねえ、フェイト、最近なのはが不機嫌そうな気がするんだけど、理由わからないかな?」

 と、ユーノが聞いてきた。へ?

「ごめん、私にもわからない」

 私は首を振る。なのはが不機嫌……言われてみればそんな気がする。

 それに、この前、ユーノの前で私とその……した時、なんか怖かったし。あ、一応言っとくけど、私もなのはもそっちの気はないんから! あくまでも、三人でする一環だから!

「そっか、フェイトもわからないんだ」

 と、ユーノは洩らす。

 その時、ふと思いました。やっぱり、私も一緒なのが嫌なのかな?

 よく考えなくても、私たちの関係は異常。本心ではユーノが私とするのは嫌なのかもしれない。

 でも、私もユーノが好きっていう気持ちはどんどん強くなってきて、ユーノから離れたくない。例えユーノが本当に好きなのがなのはだとしても。

 でも、なのはと話さないと。うん。









 そして、翌日、意を決してなのはに聞いた。

「ねえなのは、なにかあったの?」

「へっ? いきなりなにフェイトちゃん?」

 となのはが首を傾げる。

「えっと、最近のなのはが機嫌悪そうだったから」

 ああ、となのはは納得する。やっぱり自分でも気づいてたんだ。

「その、もし私もユーノのモノになるのが嫌なら」

「違うよフェイトちゃん」

 途中できっぱりと言葉を止められた。

「ユーノくんの……ご主人様が決めたことだから、私は気にしてないよ」

「でも」

 なお言い募ろうとして、なのはは笑顔で遮った。

「ユーノくんは、ご主人様は私を助けてくれた。そばに置いてくれて、私を救ってくれた。フェイトちゃんも、笑えるようにしてくれた。ご主人様がすることは全部正しいの」

 となのはが微笑む。

 全部正しい、か……そっか、そこまでユーノのことを肯定できるから、私も輪に入るのを受け入れたんだ。

 私もまだまだだったんだね、なのは。

 それから、なのはがもじもじする。

「ただ、その不機嫌っていうより不満なの」

 不満? ユーノに対しての?

 あまりにも意外な発言だった。

「その、なんていうか、優しくしてくれるのは嬉しいけど、でもね、その……私もっと、ユーノくんに虐められたいの」

 えっ?

「私はユーノくんの奴隷なんだから、もっとたくさん……」

 ブルブルと震えながら、なのはは自分の言ったことに陶酔する。

「そ、そうなんだ……」

 なんとかそう返す。

 私は自分でも自分が歪んでしまったと思ってた。だって、好きな人が複数の女の子を侍らせてるなんて、普通じゃ受け入れられないでしょ?

 でも、それでも、なのはの歪みは私以上だった。












 そして、私はユーノにそれを伝えるか悩んだ。だって、なのはがそんなこと考えてたなんて言いづらいし……

 でも、考えた結果、ユーノに伝えることにした。

 だって、私の知る中で一番なのはの心を占めているのは私たちのご主人様であるユーノ。きっと、ユーノならなんとかしてくれるはずだと思う。

 ……他力本願って言わないでね?

 そして、私がユーノに報告すると、ユーノは悲しそうに顔を俯かせた。

 まあ、予想外だったろうね。なのはがそんなこと考えてたなんて。

「そうだったんだ……」

 そう呟くとユーノはよしと気合いを入れた。早まらないでねユーノ。

 この時の私は知らなかった。ユーノがちょっと間違った方に頑張ることを。









ユーノside

 僕は早速行動を開始した。

 なのはを満足させられるように、ご主人様らしいってどんなことかアリサとすずかに尋ねる。

「女の子に聞くなバカ!」

「流石に答えづらいかなあ」

 と返され、ヴェロッサは、

「ユーノ先生、疲れてるんだね」

 と同情混じりの目で栄養剤を渡され、クロノには、

「シャマルさんに看てもらってこい」

 と切り捨てられた。

 そして、シャマルさんの診察を受けた後、はいっといくつかの本と精神安定剤を渡されたのだった。

 それから、部屋に戻って本の前で問答する。あのタイミングで渡されたってことは……ごくっと唾を飲み込んで本を開く。








 ええええ?! こ、こんなことするの? わ、すご……

 い、いや流石にこれはちょっと……ひいいいいい!!













 僕はぱたんと本を閉じる。

 うん……正直、ちゃんとできるかわからないし、そこまではと思う内容もあったけど、出来る限り頑張ってみよう。

 後から考えれば、この時の僕は頭がパーになってたのだろうなあ。










 その晩、僕はベッドの上でなのはとキスをしていた。

「えへへ、ユーノく~ん」

 甘えるように擦りよってくるなのはの頭を撫でる。

「ねえ、なのは。今日はいつもと違う風にしてみたいけどいいかな?」

 僕はそう尋ねながらベッドの下に置いといたカバンを持ち上げる。

 なのははへ? と首を捻った。












 カバンから取り出した紅いリボンでなのはを縛る。

 えっと、縄は痛そうだし、跡が付いちゃうだろうからリボンです。でも縛るんだから、リボンも変わらないじゃないか。とちょっと冷静な自分がつっこむ。

 と、リボンを伸ばして気づいた。それだけで、とろっとなのはのあそこから蜜が零れてるのを。

「なのは、もう濡れてる。縛られるだけで嬉しいの?」

 と聞くとこくこくとなのはが頷く。

「う、うん、ユーノくん。縛って、私のことユーノくんから離れられないように……」

 これで、喜ぶんだと少し驚く。縛るというのは肉体的だけでなく、精神的にも効果があるって乗ってたけど本当だったんだ。

 でも、もう少し雰囲気作りをしないと、と考えて耳元に顔を近づけて囁く。

「なのは、『ユーノくん』じゃないよ『ご主人様』でしょ?」

 雰囲気作りの一環で言ってみたんだけど、その囁きになのはがぶるっと震える。

「ご、ごしゅじんさま……」

「うん」

 なのははご主人様と何度か呟くと、ぶるぶると震え、さらに蜜が溢れる。呼び方を変えさせただけなのに……

 そして、リボンを結んだんだけど、なんていうか……すごい。

 上半身を縛ったんだけど、根元をリボンで結ばれ、引き絞られた二つの乳房がより大きさを増して、前に向かって張り出してる。 真っ白な肌に紅いリボンもよく映える。

「すごいなあ」

 ぐにっと試しに揉んでみる。

 いつもより、みっちりと満たされたような、弾力が増したような感触が返ってくる。

「あああ!?」

 途端になのはがびくっと跳ねる。

 さらぐにぐにと揉むと、なのはがびくびくと震える。

「はあ、ひう! 気持ちいい! 気持ちいいです、ご主人様ぁ!!」

 いつもよりも激しく乱れるなのはに少し面食らうけど、愛撫を続ける。

 あっという間になのはの乳首が硬くなって、つんと上を向く。あそこが愛液でびしょびしょになっていた。

「そんなに気持ちいいの?」

「は、はい、ご主人様……」

 こくこくとなのはが頷く。縛るだけでそこまで変わるんだ……

 軽く左の乳房を持ち上げて、その紅くなった肌に舌を這わせ、そのピンク色の頂を口に含む。

 グミのような感触の乳首を唇で扱いて、舌で舐めて、敏感なそこに歯を立て甘噛みする。

「っん!!」

 途端に、なのはは背筋を逸らす。

 天井を仰ぎながらぱくぱくと喘いで、あそこからも潮が噴き出す。

 ほんの様子見のつもりだったのに、胸だけでなのはは絶頂に至ってしまったようだった。

 そ、それにしても早いな……恐るべし緊縛プレイと僕は戦慄した。











「ご、ごめんなさいご主人様……勝手に一人でイっちゃって……」

 意識を取り戻したなのはが小動物のように小さくなりながら、謝ってくる。

 えっと、ここではフォローするんじゃなくて、

「うん、ダメだね。勝手に先にイくなんてね」

 出来る限り、漫画のセリフを思い出す。

「お仕置きが必要だね」

「お仕置き……」

 なのはは不安と期待が入り混じった表情で僕を見つめる。その表情に複雑なものを抱きながら、僕はお仕置きしようとして、

「ユーノ……」

 後ろでドアが開いた。

 振り向くと、そこにフェイトがいた。

「フェ、フェイト?」

「フェイトちゃん?」

 熱にうなされたような顔で、ふらふらと僕らに歩み寄る。

「勝手に覗いてた私も、一緒にお仕置きしてください……」

 フェイト、君もか……











 そして、フェイトもなのはと同じくリボンでラッピングしてベッドに転がす。

 うーん、なんかすごい光景だなあ。とちょっと人事みたいな感想を抱く。

 リボンで緊縛された美女がベッドに二人も転がってるなんて、自分でも夢を見てるんじゃないかと疑う。

 でも、目の前のは現実で、僕がしたことなんだ。

 なんか、いろいろ段階飛ばしてる気がするけど、二人がいいならいいのかな? いいんだよね?

「うう、ご主人様……お仕置きぃ、早くう」

「ああ、ユーノ……ご主人様ぁ、フェイトにもお仕置きしてぇ」

 と二人がおねだりしてくる。いや、お仕置きって反省させるものであって、おねだりは違うんじゃ?

 と疑問が湧いたが、まあ細かいことは気にしないでおこう。うん。

 えっと、お仕置きだから……

「はい、なのは、フェイト」

 ベッドに登った僕は二人をうつ伏せにして、お尻を高く上げるような体勢にする。

 そして、手を振り上げてなのはのお尻を叩いた。

「ひいっ?!」

 悲鳴とパシッと肉を叩く音が部屋に響く。

「勝手に先にイくなんて悪い子だね」

 さらにパンパンとなのはのお尻を叩く。

「はいぃ! 悪い子です! なのはは悪い子だからお仕置きしてぇ!!」

 続いてフェイトのお尻を叩く。

「フェイトも、また覗くなんて、ダメじゃないか。反省してる?」

「ごめんなさい! 反省します! だからもっとぶってえ!!」

 叩く度に二人のお尻の肉がプルプルと震えて、叩いた場所が赤く染まって、秘所からさらに、蜜まで噴き出す。

 二人では叩く感触も違う。

 なのはのお尻はプリプリしてて、叩く度に心地いい弾力が返ってくる。対して、フェイトは柔らかくて指に張り付くような感触で、どっちも甲乙付けがたいお尻だ。

『ああああああ!!』

 そして、トドメとばかりに両方のお尻を同時に叩くと二人はブルブルと震えながらイってしまった。

 ……二人って実はマゾだったのかな?

 ふと冷静に分析してしまう。と同時に、もやもやした何かが胸の奥にくすぶる。

「ご主人様ぁ……またイっちゃいましたぁ」

「ごめんなさい……お仕置きするの?」

 二人が媚びるように僕を見る。その顔に胸の奥のもやもやが大きくなる。

 ……うん、今更だけど、なんか、やっぱり嫌だ。

「ごめん、やっぱりこれ以上は僕にはできない」

 僕は二人を抱き締める。

「ご主人様?」

「ユーノ?」

 二人が不思議そうに僕を見る。 

「二人がしてほしいって思っても、僕は……あまり二人にこういうことはしたくない」

 そういうことをすると、僕も二人をどん底に陥れた連中とぜんぜん変わらない気がしてしまう。だから、二人が望んでもそんなことをしたくない。

「できるなら、今までのことなんか忘れられるくらい、幸せにしてあげたいんだ」

 と、僕は二人に思いを曝け出す。

 二人は、一瞬ぽかんとしてたけど、嬉しそうに笑った。

「ありがとうユーノくん、そんな風に思ってもらえるなんて、それだけで私、幸せだよ」

「うん、私も、そう言ってもらえるだけで嬉しいよユーノ」

 手を回せない二人が僕に身を寄せる。

 そんな二人に僕は手を伸ばして、リボンの結び目をほどこうとして、諦めた。

 ちょっとやそっとでは解けないようにちょっと強めに結んでたこともあるけど、汗で縮んだのか、結び目が硬くなってしまってたのだ。










 汗で硬くなったリボンを苦労して解くと、なのはとフェイトの呼吸が荒くなっていった。え、え?

「ああ……ダメ、おっぱいが熱い、熱いよお……」

「わ、私も、熱い……疼いちゃう……」

 二人は自分の手でおっぱいを揉み始めた。ふわっと、二人から甘い匂いまで漂い始める。

 えっと、なんで……

 と、考えて、すぐに答えに至った。血が戻ってきて、乳房の感覚が敏感になってるのか?

 まさか、見た目や二人の乱れ具合以外にもこんな効果があるなんて……一つで三度おいしいとは、やるな緊縛プレイと再び感心してしまう。

 って、なに考えてるのさ! 二人にはもうそういうことしないって決めたばかりじゃないか!!

 僕は二人を抱きよせて、乳房を揉む。

「ああ、ユーノくんの手だあ……」

「ん、ユーノォ」

 途端に二人が甘えた声を上げる。

 血が急激に戻ったおかげか、熱くなってぱんぱんに張った乳房の感触を両手で楽しませてもらう。

 しばらく、いつもと違った感触を楽しんでから、二人をなのはを上にして、織り重ねる。ぐにゃっと二人の乳房が重なり、ひしゃげ。秘所が重なり合う。

「ああ、フェイトちゃん」

「んん、乳首が擦れるう」

 二人が蠢くたびに柔らかくつぶれた二人の乳房が形をゆがめる。

 なかなかすごい光景だなあと思いながら、上になっているなのはのお尻を掴み、二人をより密着させながら、その間に僕の肉棒を突き刺す。

「ひう!?」

「ああう! お、お豆擦れるう!!」

 ずりゅずりゅと二人の花弁の間を何度も往復する。

 そして、たっぷりと二人の愛液を塗し、大きくなった息子をまずはなのはの中に入れる。

「あ、ああ、ユーノくん来たあ!!」

 なのはが喜びの声を上げる。

 僕はなのはのお尻を掴んで、何度もなのはの奥に突き入れる。

「あああ、ユーノくん! ご主人様! すごい、すごいよお!!」

 ずんずんと腰を繰り出すたびに、なのはが甘い声を上げる。

「なのは、かわいい……」

 そんななのはにフェイトがキスをする。

「んん!?」

 ぴちゃぴちゃと音を立てて舌を絡める二人。いつの間にか、指を絡めるように繋いでる。

 僕はなのはから息子を引き抜く。そのまま、今度はフェイトの中に。

 二人が口を離す。

「あああ、抜いちゃダメえ」

「んんん、ユーノ、ユーノが入ってくるう!!」

 なのはの抗議を聞きながら、今度はフェイトの中を味わう。

 そして、何度も二人の中を交互に行き来を繰り返す。

「あああ、出たり入ったりい……ひゃん!」

「い、っぱい擦れるて、ふああ!」

「はあ、はあ、二人の中、すごい気持ちいいよ……」

 何度も何度も、そうしているうちについに……

「ううう、出る!!」

 なのはの中に突き入れた時に、僕の欲望が噴火した。

「あああああ! 出てる、ユーノくんのザーメンたくさん出てるう!!」

 なのはがぶるぶる震えながら絶頂に達する。だけど、

 僕は、そのまま、なのはの中に全部注ぎ込みたい誘惑と、絡みついてくるなのはの媚肉を押しのけて、まだ射精している僕を引き抜く。

 そして、びゅくびゅく白濁を噴き出すそれを今度はフェイトの中に突き入れる。

「あああ! ユーノの、射精しながら入ってくるう!!」

 そして、フェイトの一番奥で、残った全てを僕は吐き出した。 











 はあはあと僕らは余韻に浸りながら、ベッドに転がっていた。

 そのまま、ゆっくりと呼吸を整える。よ、よし。

「えっとね、二人とも、突然だけど、実は僕、一つやりたいことできたんだ」

 と、切り出す。

「やりたいこと?」

 なのはの問いに頷く。

「どんなこと?」

 フェイトの問いにえっとと話し始める。

「みんなで賑やかな家族を作ること」

 僕の言葉に二人は満面の笑みで頷いた。








 この時の僕は知らない。自分が考えてたよりも賑やかな家族になることを……






~~~~
3Pのお話です。
やっぱりちょっと描写難しい。
さて、いったいユーノの家はどれだけの大家族になることやら……



[24871] 第六話 (すずか編)
Name: 裏・空の狐◆84dcd1d3 ID:b50a47bc
Date: 2011/04/03 14:53
 どうも、月村すずかです。

 フェイトちゃんを助け出して一カ月以上が経ちました。

 アリサちゃんと私がこっちに来た目的、行方不明のなのはちゃんとフェイトちゃんを助け出すは解決しました。

 ですが、帝国がいつ地球に侵攻するかわからず、また、大切な友達を傷つけた敵を赦すつもりはなく、私たちは未だにここにいます。











 その日、私はフェイトちゃん用のバトルジャケットの、そして、バルディッシュの強化プランを作っていました。

『お願いすずか。すずかの力を貸して』

 私はフェイトちゃんの言葉を思い出します。

 フェイトちゃんもまた戦うんだね。リハビリとしてアリサちゃんとなのはちゃんと訓練をしている姿を思い出す。

 なら、私は出来る限り、フェイトちゃんがまた居なくならないための設計をします。

 それに友達に頼まれたんだから全力で行くよ!

 どれくらい画面に向き合っていたか、バトルジャケットの設計が一段落ついて画面から視線を外して椅子に寄りかかります。

「すずか、お疲れ様」

 と、声をかけてきたのは、

「ユーノくん」

 視線を向けると柔らかく微笑むユーノくん。

 はいっとコップを差し出されて、それを受け取ります。少し嬉しいです。

「今、フェイトのジャケットを設計してくれてるんだよね」

 とユーノくんが画面を覗き込みます。

「うん、ちゃんとフェイトちゃんがちゃんと帰ってきてくれるように色々考えてるんだ」

 受け取ったコーヒーを飲みながら答えます。

「そっか、ありがとう」

 とユーノくんが笑います。

 私はその笑顔にドキッとしてしまいますが、私はブンブン頭を振ります。

「どうしたのすずか?」

 と、心配そうに顔を覗き込まれ、今度はドアップのユーノくんの顔が……

「な、な、なんでもないよユーノくん! コーヒーありがとう!!」

 と私は答えて画面に向かいます。

「どういたしまして。すずかもあまり根を詰めすぎないでね」

 うんと答えながら私は設計の続きに取り掛かりました。










 ユーノくんがいなくなって少ししてから、はあ、と息を吐きます。

「もうそんな時期なのかな?」

 さっきの感覚はなんとなくわかってます。

 私たち月村の人間は、人の血を糧にする『夜の一族』と呼ばれるもの。その私たちは一定の年齢に達すると『発情期』を定期的に迎えるようになる。

 ユーノくんにドキドキしたのはそのせい。前回の時期を考えれば、そろそろ迎える頃だから。

 はあ、と息を吐く。

 お姉ちゃんは恭也さんが彼氏になるまでノエルにしてもらってた。で、私はファリンなんだけど……

「今ファリンいないんだよね」

 この前までいたんだけど、諸事情で地球に戻っているから。

 となるとどうしよう? アリサちゃんに頼むのもなんか嫌だし、なのはちゃんやフェイトちゃんもね……なんだか、頼んだ日にはすごい目に会う気がする。

 ユーノくんは……ダメダメ、絶対にダメ! ユーノくんにはなのはちゃんとフェイトちゃんがいるんだから!!

 でも、私がその中に入っても……

 ブンブン頭を振る。これだから発情期は嫌い。ファリン早く戻ってきて!











 数日後、まだファリンは戻ってこない。

 うう、まだ、大丈夫だけど……

 ちょっと紅くなった自分の顔を見る。少し熱っぽくて風邪みたいな感じ。

 はあ、明日にはファリン戻ってくるからそれまで耐えられれば……








 で、私はフェイトちゃんの装備のデータを取っていたんですが……

「すずか大丈夫?」

「う、うん」

 フェイトちゃんに声をかけられなんとか返事を返す。

「大丈夫って、すずか顔が赤いわよ?」

 心配したアリサちゃんたちも駆け寄ってくる。

「わ、熱もあるよすずかちゃん」

 なのはちゃんが私の額に手を当てて驚く。

「ねえ、今日は休んだら? フェイトの装備を準備するのに徹夜してたでしょ?」

 と、アリサちゃんに促される。

「う、うん。そうするね」

 風邪と勘違いしたアリサちゃんの言葉に頷いて、私は訓練室を出る。










 おかしい。いつもの発情期とは症状が違います。体が熱くて、頭がふらふらします。

 魔法の世界だから少し症状に変化が出てるのかなと自己分析するけど、答えは当たり前だけど出ません。

 ふらふらしながら部屋に向かう。と、

「あれ? すずか?」

 体を引きずるユーノくんと遭遇しました。もしかして恭也さんにしごかれた後なのかな?

「顔が赤いよ? どうしたの?」

 と心配そうに顔を覗き込まれる。

 途端にどきっと心臓が高鳴る。な、なんで?

「そ、その風邪気味で」

 なんとか嘘の答えを返す。

「ふーん、大丈夫?」

 私の嘘にユーノくんが心配そうに問いかけてくる。

「うん、大丈夫」

 となんとか笑ってみせます。だけど、心臓がバクバクなっている。

 すると、ユーノくんは膝の裏と背中に手を回して私を抱き上げました。

「ユ、ユーノくん?!」

「心配だからね。部屋まで送るよ」

 そう笑って見せて、しっかりとした足取りで居住エリアに足を進めた。恭也さんに鍛えられてるから、見た目と違って意外とたくましいんだね……










 そして、部屋に着くと、丁寧にベッドに横にされる。

 さすがユーノくん、女の子をベッドに乗せるのが巧いねって冗談を言おうかと思ったけど、なんとなく止めた。

「よし、なんか欲しいものあるかな?」

 欲しいもの……ユー、じゃなくて喉が渇いちゃったなあ。

「お水欲しいです」

「了解」

 ユーノくんが微笑んで部屋を出る。

 熱くて服を緩める。ユーノくんに抱き上げられてから余計に体が火照ってる。

「はい、水もってきたよ。あとシャマルさんからの風邪薬」

 とユーノくんが水差しとコップに錠剤を持ってきた。

 私はユーノくんから水の入ったコップと薬を受け取ります。

 私はそれを飲んで、またベッドに寝転がる。

「ありがとうユーノくん」

「このくらいどうってことないよ。それにすずかにはお返ししたかったし」

 お返し?

 ユーノくんの言葉に首を捻ります。

「ほら、僕がなのはやフェイトが行方不明で落ち込んでいた時にさ、二人が励ましてくれたよね」

 ああ、あのこと。

 私たちは二人からメールの返事がないこと、そして、恭也さんや美由希さんがいなくなったのを不審に思い、エイミィさんになにがあったか尋ねました。

 最初ははぐらかしてたエイミィさんだけど、最後は折れてなにがあったのか教えてくれました。

 管理局が壊滅したこと。なのはちゃんたちが行方不明になったこと。そして、クロノくんたちが地下に潜って再起の機会を窺っていること。

 それから私たちの行動は迅速でした。

 すぐさま大学に休学届を出し、親の反対を押し切って、エイミィさんのところに転がり込んで、クロノくんのいるクラウディアに押し掛けました。

 最初は渋って私たちを返そうとするクロノくんでしたが、粘り強い交渉の末に、なんとか協力者の地位を勝ち取りました。

 その頃、ユーノくんは来客用の部屋で、なのはちゃんたちのことで、ずっといじけていました。

 それを立ち直らせるのに、私はアリサちゃんと一緒に励ましたんです。

「気にしてたんだ」

「うん、いつかお返ししたくてね」

 と、ユーノくんが笑います。その時、どくんと一際強く心臓が高鳴りました。

「すずか?」

 心配そうにユーノくんが顔を寄せました。

 な、なに? ユーノくんを見てるとどんどん心臓が高なる。

 だんだんなにも考えられなくなって、私は自然と手を伸ばし、











 熱にうなされたようなすずかに、なんか嫌な予感がして、一歩身を退こうとして、ガシッと手を掴まれる。

 そのまま、僕はその細腕からは信じられない力で引き寄せられた。

「うわっ!?」

 ベッドに倒れる僕。そして、一瞬ですずかにマウントポジションを取られる。

「す、すずか?」

 すずかを見る。

 ふーふーと獣みたいに荒い呼吸を繰り返し、爛々と血走った瞳が、いや、血のような赤い色が爛々と揺れている目で僕を見ている。

 普段の深窓のお嬢様然としたすずかとは全然違う。まるで獣だ。

 そして、すずかが僕の顔を掴み、そのまま唇を奪われる。

「んんっ?!」

 すずかの舌使いは荒々しかった。

 無理やり入ってきた舌は僕の咥内を蹂躙し、唾を啜る。数日間、碌に水分を得られなかったと言わんばかりの貪欲さ。

 なのはやフェイトに比べて暴力的とすら言える勢いだった。

 そして、唇が離れると銀色のアーチがかかる。はあはあと荒い息を吐くすずか。

「もっと……」

 すずかはそう呟くと、僕に背を向ける。

 ま、まさか……

 かちゃっと金具の音がした。や、やっぱり?!

「すずか、待っ」

 バキッと言う音とぶちっという音が鳴った。

 ……なに今の音? すずかはベルトをいじってたよね?

 ただ音の直後、腰回りが少し緩くなったような気が……

「邪魔」

 ポイッとすずかが何かを捨てる。

 それに目を向けると、金具だったものがあった。

 か、革製のベルトから引きちぎった?! い、いったいどんな力してるの?!

 さらにズボンからもブチって音。たぶんボタンとファスナーかな? と予測する。

 そういえば、今ある服もだいぶ旧くなったし、そろそろ買い換えようかな?

 フェイトにも外の空気吸わせてあげたいし、なのはやフェイトと一緒に買いに行くかなあ……さらにパンツに手をかけられる。

 はう! すいません現実逃避でした!

「ちょ、ちょっとすずか!」

 すずかは僕の声を無視して、僕のフェレットを掴む。

 はう!?

「ユーノくんのかわいい……」

 うっとりとしたすずかの声が聞こえる。

 男の弱点を捕まれ、碌に動けない。なによりもしすずかがさっちの力で……

 その想像に背筋が冷えて、あそこも萎える。

「あ、ちいさくなった」

 残念そうにうーとすずかは唸る。

 そして、パクッとすずかが僕のを口に含む。

「ひう?!」

「んー、ちゅ、じゅる、ユーノふん、ひもひいい?」

 もごもごと僕のを勃たせようと口を動かすすずか。

 はっきり言ってなのはやフェイトより技巧自体は拙いんだけど、むしろそれが新鮮で、熱く柔らかい舌が絡みついて、たまに擦れる八重歯がちょっとしたアクセントになる。

「うわ、だめだすずか……」

 だんだんと僕のあそこは質量と硬度を増していく。

 そして、喉の奥まで達すると、すずかは口を離して、咳き込んだ。

「んー、ユーノくん元気よすぎ……」

 すずかがまた体制を変える。

 そして、スカートをたくしあげるすずか。そこから覗けたショーツはぐしょぐしょに濡れていた。

「ユーノくんの舐めてたらこんなになっちゃったんだ……」

 淫欲にまみれた瞳で僕を見るすずか。

 捕食者であるすずかの目から僕は目を逸らせられない。

 すずかがショーツを脱ぐ。とろりと健康的な脚に蜜が垂れる。

「ユーノくんを頂戴……」

 そして、僕のに手を添えて、角度を合わせる。くちゃっと熱い粘膜に先っぽがキスをする。

「ちょ、ちょっとすずか!?」

 僕はなんとか抜け出そうとするけど片手で抑え込まれてしまう。

 そして、そのまますずかは体重をかけて、腰を落とした。

 途中でなにかに引っかかるような感覚に、ぷつっと輪ゴムが切れるような感じと共にスルッと奥へと誘われる。

「あっ、く……痛い……」

 すずかは顔をしかめる。や、やっぱりさっきのって……

「す、すずか、もしかして君は……」

「うん、処女だったよ」

 事も無げに言ったすずかに絶句する。

「な、なんで……」

 こんなことを?

「わかんない、わかんないの」

 すずかが腰を動かす。

「いたっ、んっ、なんでかユーノくん見てたらドキドキして、はあ……止まらなくなっちゃって、ひう!」

 容赦なくすずかは腰を上下に動かす。

 とても今まで処女だったとは思えない動きだ。

「す、すずか……」

 すずかの中はまるでそこだけ別の生き物のように動いて、まだ硬くきゅうっと僕のを締め付ける。

「うう、す、すずか……だめだよ」

「はあ、だめ、止めない、で……はあん!」

 すずかを引き離そうとするけど逆に腕を拘束され、抑えつけられる。

 そのまますずかは技もなにもなくただ荒く息を弾ませながら動く。

「だ、だめだすずか、も、もう……で、出る!」

 そして、ついに僕はすずかの中で果てる。

「はあ、あふう……あつぅい」

 どくどくと僕はすずかの中に精を吐きだす。すずかは一番奥まで飲み込んでその灼熱を受けた。

 そして、最後の一滴まですずかの中に注ぎ込んでから、射精後の倦怠感に包まれながらも僕は気づいた。

 すずかはじっと僕を見ている。な、なんだ? 寒気がするんだけど……

 そして、すずかの顔が近づいてくる。すでに、深紅に染まった瞳が近づく。

「はあ……ユーノ、くん」

 また、キスかと思ったけど、違った。すずかは口を開けてた。そこに牙があった。

 そう、牙。彼女には似合わなさそうな、でも、どこかふさわしい、獲物を容易く喰い破れそうなほど鋭そうな牙が。

 そして、すずかは僕の首筋に噛みついた。

「ぐっ?!」

 牙が僕の中に入ってくるのがわかる。

 ぬるっと、穿たれた穴から血が流れるのがわかる。

「んぐ、ん、んぐ……」

 そして、すずかが喉を鳴らすたびに、僕の血がそこから吸い出されていった。

「ひう?!」

 噛まれてるんだから、痛い。だけど、それ以上に、血を吸われるのが気持ちよかった。

 な、なんで?! その気持ちよさに僕は恐怖する。

 逃げろと頭は言うが、身体は言うことを聞かない。むしろ、口元から涎を垂らして、すずかの身体を抱き締める。

 血を吸われていると言うのに、股間に血が集まって再び硬く勃起する。そして、すずかの中が蠢いて、僕のを刺激する。

 首筋とあそこ、両方からの刺激が背筋を走る。

 びくびくと僕はすずかの中に再び欲望を吐きだしていた。吸われるたびにひくひくと僕はすずかの中に精を注ぐ。

「んん……はああ」

 ずるっと僕の中から牙が引き抜かれる。その刺激にびゅっと精液を吐きだして、射精が収まった。

 すずかが顔を上げる。最初は呆けた顔だったけど、だんだんと焦点が合い始め、顔が強ばってく。

「ユ、ユーノくん……」

 わなわなとすずかが震えながら、視線を下に移す。

 ずるっと、小さくなった僕のものがすずかの中から抜け出し、こぽっと、僕が出したものと、すずかのがまじりあったものが零れた。

 それを見た瞬間、

「わ、わたし、わたし……あああぁぁぁぁぁぁあぁぁあ!!」

 すずかは両手で顔を覆いながら泣きだした。











 そして、すずかが落ち着いてから話し始める。

「す、すずか、なんでこんなことを……」

「はつじょうきだからってゆーのくんをおそっちゃったんです」

 すずかは体育座りでいじけたまま答える。

 えっと、発情期?

 それから、すずかの一族について説明された。

 すずかの一族は夜の一族という特殊な一族であること。彼女たちは普通の人間に比べ高い能力を誇る半面、他者、それも異性の血が必要という、俗にいる吸血鬼のような一族であるらしい。

 そして、彼女たちはある一定の年齢に達すれば、発情期というものを迎え、どうもすずかはちょうどその時期だったらしい。

 で、普段はファリンさんに付き合ってもらってたけど、今はいないから、どうやって発散するか考えていたら、気づくと僕を襲っていたとのこと。

 しくしくと泣き出すすずか。えっと、とりあえず、どう慰めればいいんだろう?

「ううう、なんでこんなことになったのかな? 吸血は結婚してからって決めてたのに……」

 あ、血の方が重要なんだ。

 考えろ、考えるんだユーノ・スクライア。女の子は笑顔が一番。すずかは、あれだ、血を飲むのは結婚してからって言ってるんだ。なら……出てきた答えに再び悩む。

 どうしよう、これなのはやフェイトへの裏切りになるよね? で、でも今のすずかを放っておくことも不味いし……

「ううう、お姉ちゃんにも、死んだお母さんやお父さんにも顔を見せられない」

 泣きながら自己嫌悪に陥っているすずかを見て、はあ、っとため息をついた。

 仕方ないよな。うん、仕方ない。これで恩返ししたことにしよう。

「すずか」

 僕はすずかの両肩に手を置く。

「ごめんねユーノくん、私フェイトちゃんのジャケット作ったら三人とはもう二度と会わないように」

「僕が責任取るよ」

 え? とすずかが顔を上げる。

「その、すずかがそういう状態だって知らなかったとはいえ、こんなことになったなら、男が責任を取らないといけないと思うんだ」

 少し古い考えかもしれないけど、僕はそうだと思うし、クロノだってちゃんと責任を取ってた。

「で、でもユーノくんにはなのはちゃんとフェイトちゃんがいるでしょ?」

 そうなんだよね……

「二人に責められるのは僕だから、大丈夫。すずかは気にしないで」

 僕はすずかに笑いかけて、








「ふーん、ユーノくんが責任取るんだ」

「すずかをかばうなんてかっこいいねゆーの」











 突然かけられた声に嫌な汗が噴き出る。

 すずかも僕の背後を見たまんま固まっている。

「なのは、さん? フェイト、さん?」

 なんとか振り向いて、そこにとてもいい笑顔を浮かべたなのはとフェイトがいた。

「なんでさん付けなのかな?」

 うん? となのはが首を傾げる。

 だらだらと汗を流す。

「ど、どこから聞いてたのかな?」

「すずかちゃんが自分の体質を説明したところかな?」

 そうか。うん、

「その、なのは」

「ストップ」

 僕がなにかを言う前になのはがストップをかけた。

「話はちゃんと聞いてたの。大丈夫だよユーノくん。私たちは二人を責めないから」

 と、なのはが笑う。

「な、なのはちゃん、でも、わたし……」

 なおもすずかが何かを言おうとしたら、なのははすずかを抱き締めた。

「ねえ、すずかちゃん、発情期になったら誰でもいいって思うの?」

 なのはの行動に目を白黒させながらすずかは首を振る。

「ううん、やっぱり好きな人じゃないと……その、ユーノくんのこと素敵だと前から思ってたから」

 と、すずかは答える。す、素敵って……すずかの言葉に僕は赤面する。

 そして、その答えに満足そうに頷くなのはとフェイト。

「なら、それでいいんだよすずか。私たちの間に入るのは」

 と、フェイトがすずかに微笑む。

 最初、すずかはなのはたちの言っていることがわからなかったのか、呆然としてたけど、だんだんと表情が崩れる。

「ありがとう、なのはちゃん、フェイトちゃん、ごめ……」

 そこでなのはがすずかの言葉を止めた。

「ごめんはいらないよすずかちゃん」

 なのはの言葉にフェイトも頷く。

 うん、うんとすずかは泣きながら頷く。

 そして、なのはとフェイトはすずかを布団で簀巻きにしてしまった。

 ……はい?

「じゃあ、ユーノくん、ちょっとすずかちゃん預かるから」

「それから、明日、訓練室借りとくからよろしくね」

 ああ、やっぱりOHANASHIはあるんだね……

 仕方ないこととはいえ、僕は自分の明日の命をすごく心配した。

 そして翌日、ダブルブレイカーによるOHANASHIを僕はされたのだった。



















 一方シャマルさん。

 シャマルはなにか重要なことを忘れてるようなと首を捻っていた。

 そして、机の上を見て、一錠の薬があるのを見て、気づいた。

「あ、ユーノくんに渡したの風邪薬じゃなくて、精力剤の方だったわ」

 うっかり~とシャマルが笑う。

 後日、医務室に白い悪魔と黒い死神に夜の姉妹、さらに金髪灼眼の討ち手と真っ黒師弟(弟子ぼろぼろ)の襲撃があったと言う……







~~~~
ユーノくん三人目に手を出すの巻き。
いや、ついやってしまった……とらははずいぶん前にやったから夜の一族についてはちょっと曖昧で、自己解釈混じりかもです。
とりあえず、吸血で気持ちいいは、ブラック・ブラッド・ブラザーズの影響が多分に含まれてると自分でも思ってます。
題にハーレム付けたほうがいいかなあ?



[24871] 第七話(ちょっと修正)
Name: 裏・空の狐◆84dcd1d3 ID:a9f084e4
Date: 2011/03/29 21:35
 さて、話が進んできたところで、帝国の設立について少し話そう。

 帝国とはいきなり現れた侵略者なんかじゃない。元々は中規模な管理世界だった。

 そこで突然頭角を現したある人物『レックス・サピエンティス』は、それまで無名だとは思われない速度でその世界の首相となった。

 そして、管理局を『悪』と断じ、どこにあったかわからない戦力で電撃戦を行いクラナガンを制圧し、その後、次元帝国設立を唄い、自分自身が皇帝になった。

 戦力に関してはガジェットにそっくりな自動兵器が中心だったため、もしかしたら、スカリエッティに関係があるんじゃないかという疑いもある。

 僕には少しだけ心当たりがないわけじゃないけど、まだ憶測の領域だし、なにも言えない。








 現在、僕はなのはたちと訓練していた。

「そういう時は身を隠すのよ!」

 と、アリサは遮蔽物に身を隠しながらなのはに近づく。

 なのはもシューターを使ったりして誘導しようとするけど、足裏で炎を爆発させ加速するアリサの速度に追いつけない。

 そして、接近してきたアリサの剣をレイジングハートのストライクフレームでいなそうとするなのは。

 だけど、接近戦を得意とするアリサと砲撃がメインのなのはでは分が悪く、アリサの剣がなのはの首筋に突き付けられた。

「はい、これで私が十戦中六勝ね」

 アリサの言葉にむーっとなのはは膨れるのだった。










 訓練後のブリーフィングで反省会が行われる。

「まあ、最低限接近戦の心得あるみたいだけど、もう少し鍛えた方がいいわよ?」

「はーい」

 なのはが無念そうに頷く。

 まあ、習い事で心得はあったとはいえ、戦い方を学んで二年のアリサ相手にブランクがあるとはいえ、元教導官の自分が負けるのはかなりショックなんだろう。

 まあ、アリサ曰く、魔法が使えるなのはたちが羨ましくて、よくイメージトレーニングしてたおかげとのこと。

「はい、ユーノくんのデバイスの調整終わったよ」

 はいと僕はすずかからデバイスを受け取る。

 僕のデバイスは今、恭也さんから手ほどきを受けている御神の技を使うことを前提に設計された二刀小太刀。恭也さんや美由希さんと同型なんだよね。

 ただ、剣をメインに使う人のデータが少ないし、すずかの製作するものは独自の設計なため、データ取りを兼ねてよくすずかに調整してもらっている。

「ありがとうすずか」

 すずかはちょっと顔を赤らめながらうんと頷く。

 あの後、なのはたちに連れさられたすずかは詳しいことは聞いてないが、僕と付き合うことになった三人でなんらかのルールを定めたということだろう。

 ついでに僕を喜ばす訓練というのをなのはたちに受けているらしく、この前しくしく泣きながら「お嫁にいけない……」って言ってて、責任取らなければと戦慄したなあ。にしても、いったいなのはとフェイトはすずかに何をしたのさ?

 で、僕がデバイスの具合を確かめるために素振りをしていたら、

『ユーノ先生、スクライアから連絡がありました。すぐに通信室までお越しください』

 スクライアから? なんだろう?

 僕はデバイスを仕舞うとすぐに通信室へ向かった。











 
「はあ、パーティーねえ」

 スクライアにいる協力者の言葉に応える。今度、学会のパーティーがあり、それに出席するよう頼まれたのだと言う。

『ああ、君は現在、考古学では有名ではあると同時に、次元世界でも有数の資産家だからな。こういったところでコネを作りたい連中もいるだろうな』

 まあ、確かにレジスタンスの財政の一部に、すずかの研究資金も僕が出してるからなあ。

 それでもまだまだあるから、色々と恵まれない子供たちのためにいくつかの団体に寄付もしている。

『裏は取ったが連中の匂いはあまりない。まあ、数名関係者がいるから気を付けろよ』

「了解」

 まあ、仕方ないかなあ。

 断るのは簡単だけど、まあ出ておいた方がいいか。あんまり姿を見せないと余計に怪しまれるだろうし。








「ということで、パーティーに出ることになったんだ」

 と、なのはたちに切り出す。

「へー、どんな服着て行こうかなあ?」

 と、なのはが考えだす。

 連れだしていいかと思うけど、まあ、彼女も怪しまれないように一応、ね。

 どうも、今の僕は「かつての高嶺の花の幼馴染を大金叩いて手に入れた成り金考古学者」なんて言う噂が立ってるらしい。

 ちょっと頭冷やしてもらいたいな。この噂を流した人には。

「ふーん、じゃあ、私も行くよ!」

 と、すずかが名乗りだす。

「どうして?」

 すずか自身は顔は割れてないとはいえ、連れだしていいのかなあ? 第一、管理外世界の人間だし……

「ほら、私やアリサちゃんがこっちに渡ったことが、向こうに把握されてるかもしれないでしょ? だったら、『好きな人のために次元世界までやってきた奇特な女』って思わせるためにも、ね」

 ああ、なるほど。

「すごいぞすずか! そんなこと考えてたんだ!」

 その言葉に僕はうんうんと頷いて……ちょっと待て。

「なにしてるのフェイト?」

 すずかの横に視線を移せば、昔みたいにツインテールに纏めた髪を蒼く染めたフェイト。いや、少し人相も釣り眼気味になっているか?

「違うぞユーノ。僕はレヴィだ!」

 と、フェイトが胸を張る。いや、フェイトでしょ? フェイトだよね?

(そのね、フェイトちゃんはどうしてもユーノくんのそばにいたいって、考えてああいう格好してるんだよ)

 と、僕の疑問にすずかが小声で教えてくれる。

 そ、そうなんだ。僕のそばにいたい、か。なんかそう言う風に思ってもらえると嬉しいや。

「ありがとう、フェイ……レヴィ」

「ははは、気にしなくていいぞユーノ!」

 でも、なんで性格まで変わってるんだろう?









 で、まあパーティー当日、僕は卸したてのスーツ、なのはは昔着ていたのに似たデザインのドレス、そして、すずかとレヴィは……メイド服だった。

「なんでメイド服?」

「メイドさんはお金持ちのたしなみだよユーノくん」

 それはなんか違うんじゃ……

 なお、師匠は運転手兼護衛でここに来てるが、僕の目に見える場所にはいない。

「はじめましてスクライア先生、私は……」

「お久しぶりですユーノ先生、以前学会でお会いした」

 パーティーが始まると次々と僕のところに人が挨拶に来た。それこそ、一度会ったかどうか覚えてないような人まで。

 すずかやアリサが覚悟しとけって言ってた理由がなんとなくわかったよ。お金でここまで変わるんだね……

 でも、次々と挨拶をされるが、僕たちの周りに人は全然残らない。

 なんでだろ?

「ユーノくん、はいあーん」

「あーん」

 どうしてかと考えながら、僕はなのはが差し出してくれたお肉を食べさせてもらう。

「じゃあ、僕も。なのは、あーん」

 と、僕がなのはにフォークを差し出すとなのはもあーんと食べる。

「あーん、んーおいしー!」

 と、くいくい袖を引っ張られ、振り返ればすずかもフォークを持っていた。

「御主人様あーん」

「あーん」

 もちろん、すずかの分も受け取る。

 そしたら、今度は反対側、レヴィに引っ張られる。

「ユーノ、今度は僕だぞー!」

 あーんじゃなく、むりやり口の中に押し込まれた。

「むぐぐ!?」

 い、息が……水水!!

「わー! ごめんユーノ!?」

「ユーノくーん?!」

 慌てるレヴィとなのはに対し、落ち着いてすずかが水を渡してくれる。

 ごくごくと一気にコップの中身を飲み干し、流し込む。

「ふー、ありがとうすずか」

「どういたしまして」

 すずかが微笑む。

「ごめんユーノ」

「もー、レヴィちゃん慌てすぎだよ」

 あははと僕らは笑う。

 なんか周りから「甘……」「デザートは甘さ控えめで」「ハーレムでバカップル……」なんて聞こえるけどどうしたんだろ?

 と、思ってたら、

「いやはや、驚きましたねえ」

 嫌な気分になりそうな猫なで声。

 振り向くと、一人の男、僕らの調べではなのはを競売にかけていた組織の責任者。なんでここにいるのさ……

「どうも……」

 僕は、いや僕たちはその男を睨みながら、なのはの前に立つ。

「その節は私たちの商品をご購入ありがとうございました。あなたたちがこれに出ると聞いて訪れたのですが、いやはや、彼女には私たちも手を持て余したものですが、まあ、気が強いのもそれはそれで好きな方もいますから直しませんでしたが、お手を煩わせてないか心配だったんですよ」

 懐から飛針と鋼糸を抜きたい衝動に駆られるけどなんとか耐える。

「一体どのような調教を施したんでしょうか? よかったら参考にお聞きしたいんですが」

 ああ、こいつ僕らに喧嘩を売りに来たのか。よし買った。

 飛針を抜き、僕とすずかにレヴィが一歩前に出ようとして、先に出たなのはに阻まれた。

「なのは?」

 そして、なのはは額に汗を張り付かせながら不敵に笑う。

「それはねたっくさんの愛情と優しさなの」

 その笑みに男がたじろぐように一歩引く。

「そ、そうですか、ありがとうございます」

 そして、男は気押されたまま、それでは、と男が去る。僕らはその後ろ姿を睨み続けた。








 あの後、会場を出た途端に、なのはは崩れ落ちてしまった。

「なのは!」

 なのはの顔は真っ青で小刻みに震えている。

「やっぱり、無理してたんだ……」

 すずかの呟きになのはは頷く。

「なのは、大丈夫?」

「大丈夫だよレヴィちゃん」

 心配そうなレヴィになのはは無理に微笑む。

 なんで……

「なんで止めたのさ」

 なのはが僕に向き直る。

「ダメだよ。今問題を起こしたら、下手をしたら、みんなバレちゃうかもしれないの。大丈夫。女の子はいつでも女優なの、これくらい、平気な顔でいられるから……本当に大丈夫だから」

 なのはは僕に向かって笑う。

 でも、それでも!

「あいつらはなのはに!!」

「それと、教えて上げようと思ったの」

 僕が言う前に強くなのはは続ける。

「あんなのに私は縛られたりしない。私は私の幸せを手に入れたって」

 なのはは微笑む。その笑顔は涙でぐしゃぐしゃだけど、とても綺麗で痛々しくて……僕はなのはを抱き締めながら泣いた。









 それから、なのはを休ませるために部屋を借りて、そこで僕らは休んでいたんだけど……

「はあ、ちゅう、ぺちゃ……ユーノ、くん」

 舌を絡めて僕はなのはと唾液を交換する。借りた部屋のベッドの上で、全裸になった僕たちは絡みあっていた。

 まあ、いいのさ。僕はなのはを元気づけるためなら何でもするからさ。

「ん! すずかちゃん、そこ……だめえ!」


 脇を舐めるすずかになのはが悲鳴を上げる。

「ふふ、なのはちゃんって脇弱いんだ。じゃあ、ここは?」

「ひうう!? おへそもだめえ!! んん!!」

 脇からすずかが顔を動かして、きれいなお臍を舌先でほじると、なのはがさらに悲鳴を上げる。

「ちゅ、ぴちゃ……なのは、たくさん溢れてる」

 ぺろぺろとレヴィがなのはの蜜を啜り、舌を入れる。

「ひう! レヴィちゃん、舌入れちゃだめえ!! うにゃああああああ!!」

 三人で弱いところを責められてなのはは背筋を逸らして震える。

「ねえ、なのはって、攻めるのと攻められるのどっちが好きなの?」

 ふと気になってなのはの耳元で囁くように尋ねる。

「どっちも、どっちも好きぃ! 攻めるのも攻められるのもお、好きなのおぉ!!」

 なのはの言葉にふと、大丈夫なのかと思った。なんていうか、なのはの心が不安定なように感じられる。

 でも、なのはやフェイトたちの心の負担を僕も背負いたいと思うし、みんなで支えてあげたいと思う。

 僕はちらっと二人を見ると、こくっと二人が頷く。

《一、二の……三!》

 そして、タイミングを合わせて、レヴィがクリを、すずかが硬くとがった乳首に歯を立てて、僕はなのはの舌を噛む。

「ーーーーーーーー!!」

 口をふさがれたなのはは声にならない悲鳴を上げながら、絶頂した。

 くたあっとなのはが身体を弛緩させる。虚ろになった瞳にちょんと口づける。

 では……

「行くよなのは」

「にゃあ? 行く?」

 僕はまだ呆けているなのはの腰を掴んで、彼女の秘所に、痛い位に膨張した自らの分身をあてがうゆっくりと挿入した。 

「ひゃあああああああ!! ユーノくんきたああああ!!」

 達したばかりで未だ痙攣が続く肉の壁をかき分けて僕はなのはの奥を目指す。

 ぴくぴくと蠢いて、吸い付くように締めつけられる心地よさにぶるっと震えながら、腰を前後させる。

「にゃあ! ふうう! きもちいいよお!!」

「ふふ、なのはちゃんそんなに気持ちいいの?」

 なのはの後ろに回ったすずかが脇から手を伸ばして、なのはの乳房に指を這わす。

「ああ! すずかちゃん、だめえ! 乳首くりくりしちゃだめなのお!!」

 ぺろぺろとすずかはなのはの首を舐めながら、乳首をつまんだり、お臍を指でほじる。

「ユーノ、こんなのどうだ?」

 と、後ろからレヴィの声が聞こえたと思ったら……

「うあ! フェ、レヴィなにしてるの!?」

 レヴィはこともあろうに……僕のお尻に舌を這わせてた。

 穴の窄まりの皺の一枚一枚を舐めるように周りをいじってから、ずりゅっと僕の中に舌が……

「はう?!」

 突然の衝撃に僕は思いっきり腰を突き出してしまい、なのはの子宮口に先がめり込む。

「ああああ!!」

 お尻とペニス、二つの衝撃に僕はなのはの中に自分の欲望を解き放ってしまった。

「あひぃ、ああっあう、出てる、たくさんユーノくんの出てるうううう!!」

 僕が出すと同時になのはもまた絶頂へと叩きあげられたようだけど……

「レ、レヴィ、もうやめ……うう!」

 レヴィの、フェイトの舌がにゅるっと奥まで入って、直腸を舐められたら未知の快感が湧き上がり、すぐに海綿体に血が集まっていった。

「あ、ゆーのくん、またおっきくなってきたよぉ」

 弛緩した顔でなのはが嬉しそうに笑う。

 すずかも、位置を変えて僕となのはの結合部に舌を這わせ、その動きにぞくぞくとした快感が湧き上がる。

 よし、みんながその気なら、まだまだ行ってやるさ!!

 その後、僕は抜かずに二回なのはの中に子種を注いだ。











 翌日、僕と師匠はよーく自分たちのデバイスの刃を研いていたら、

『昨日未明、○○氏が何者かに襲撃されました。当局に寄りますと鋭い刃物のようなもので……』

「こわいですね、ししょー」

「そうだな、でしよ」

 棒読みでそんなやり取りを交わしながら、僕らは赤いなにかがついた刃を念入りに磨き続けた。












~~~~
二人の剣に何がついてたかご想像にお任せします。
帝国の設定ですが、初期から微妙に変化です。最初は「本当に突然現れた謎の敵」なんて適当な設定だったのでw
アリサのお父さんの名前はサウス・バニングスさんですw え? 一文字多い? いいじゃんいいじゃんそのくらいは。
にしてもエロ部分自分で書いといてあれですが、やっぱり稚拙だな……



[24871] 第八話 (アリサ編)
Name: 裏・空の狐◆84dcd1d3 ID:a9f084e4
Date: 2011/04/06 21:30
 私は、目の前の光景に溜め息をつく。

 なんなんだこの状況は……

「ユーノくん、あーん」

「ユーノ、あーん」

「えっと、ユーノくん、あ、あーん」

 なのはとフェイトにすずかがあーんをするのはここ最近の恒例行事となっている。

 目の前の砂糖を吐きそうな光景に、私は一口目以降のメロンパンに口が進まなかった。

 ちらっと周りを見る。ティアナとヴァイスはあーんはしてないが、甘い空気を周りに振りまき、エリオはキャロとルーの間で迷い、トーマは美由希さんの手料理で撃沈してリリィに介護されている。

 この場にいないはやても相手ができたみたいだし、私の親友たちは全員相手ができてしまった。私だけ浮いてない。沈んだまま……

 ふん! 別にいいわよ。そういうのは人それぞれだしね。私はゆっくりといい人を見つけるわ。

 と、チラッとユーノを見る。にしても、なんでみんなユーノなのかしら……

 確かに美形ではあるが、どちらかというと女顔で、男にしちゃひょろい体系でちょっと頼りない。

 ま、まあ最近は恭也さんに鍛えられて少しは逞しくなったみたいだけど……まだまだよ!

 性格だって、どの箸からか迷ってる姿を見ればわかる通り、優柔不断だ。

 それに話を聞く限り三人とも最初はユーノからじゃなかったらしいし、男ならしゃんとしなさい!

 でも、優しいし、三人を包み込めるくらい包容力がある。それに、一度決めたらなかなか曲げない根性はあるし……ま、まあそこは認めて上げるわよ!

「アリサ、僕の顔になにかついてる?」

 なんてユーノが声をかけてきた。なのはやフェイトたちは私の顔を見てなんか意味深な笑みを浮かべている。

 あ、えっと……

「な、なんでもないわよ。なのはもフェイトにすずかも、ユーノばかりじゃなくて自分でも食べなさい!」

 私の言葉に三人は、少し不満そうにえーと文句をぶー垂れるのを一睨みで黙らせる。

『ありがとうアリサ』

 と、頭にユーノの声が響く。

 どうやら、私だけに念話を飛ばしてるみたい。

『別に、あんたのためじゃないわよ。まったく、少しは周りを気にしなさい』

 私は再びメロンパンを食べる。その時だった。

〈緊急警報! 帝国の部隊一個大隊がこの世界に転移した模様! 総員第一種警戒態勢!!〉

 その警報に基地は騒然となった。











 私たちは自分たちのトレーラーのガレージで準備を進める。

 一個大隊となればただの視察やらじゃない。恐らく私たちのことがバレたのだろう。

 となれば包囲されるまえにこの基地を引き払わなければならない。

 幸いなことに、近日中に私たちは新アジトに場所を移す予定だったから、準備はあっという間に終わったからよかったけど……

 戦闘の準備を進める。私たちのグループは私と恭也さんがフォワード。すずかとユーノになのはがバックアップ。

 フェイトはまだバルディッシュのヴァージョンアップが終わってないから、トレーラーの運転を任せている。

 バトルジャケットに着替えるた途端に、私の髪が紅く染まり、長さも昔みたいに伸びる。

 すずかは特にそう言った調整はしておらず、恐らく私の特異体質だろうって言ってたわね。最初は困惑したけど、最近はまあ綺麗だしいいかなと思ってる。

 準備を終えて、トレーラーの上に待機する。

 部隊が付いた時点でこの周囲はジャミングされ、転移はできない。

 そのため私たちは転移が使える範囲までトレーラーで逃げる必要があった。その間、私たちがトレーラーを死守しないと!

「行くぞ!」

 恭也さんの号令に私たちのトレーラーが基地から飛び出す。同じように四台が併走する。

 すぐに帝国が量産する自動兵器が私たちに迫ってきた。私は炎の翼を広げてトレーラーに並走する。恭也さんとすずかは飛べないけど、私はジャケットのバッテリーが続く限りなら、空中戦はできる。

「こんのー!」

 私は仕込み番傘の引き金を引き、傘の先端から撃ち出される弾丸が自動兵器を貫く。

 この傘もすずかが作ってくれたもの。いざとなれば広げて盾にできる優れものだ。

 さらに近づくものは恭也さんが排除、なのははバスターで、すずかは私たちの背くらいはありそうな大砲で、遠距離から攻撃する敵を撃ち抜く。

 ユーノもバインドやシールドで援護に入ってくれる。

 順調に私たちのトレーラーは基地から離れる。

 よし、このままいけば……







 その時だった。私たちのトレーラーに青い道が伸びてくるのは。







 えっ?

 そして、その上を誰かが走っている。

 ローラーブレードのようなものを履き、その右手にギアが付けられたナックル。表情は仮面に阻まれ伺えないが、青い髪を靡かせている。

 まさか……

「スバルなの?!」

「リボルバーシュート」

 なのはの呼びかけの直後に、抑揚のない声で攻撃が返ってくる。

 私はそれを切り裂く。

 一回だけ、それに少ししか話したことないけど、今のは確かにスバル!

 スバルらしき人物は私たちのトレーラーの上を通り過ぎると、またこっちに迫る。私は身構えて……

「いやああああああ!!」

 そばで絶叫が上がって、振り向く。レイジングハートを取り落としたなのはが頭を抱え、がたがた震えていた。

「ごめんねごめんねごめんねごめんねごめ……」

 泣きながら誰かに謝り続けるなのはをユーノが慌てて睡眠魔法で強制的に眠らせ、すずかが支える。

 それを見て、ぎりっと私は歯軋りした。

「行くわよユーノ」

「うん!!」

 とユーノは頷く。私たちはスバルへ向けて飛び出した。







 炎を撃ち出しつつ、空中で私はスバルに斬りかかる。

 それを右手のリボルバーナックルで受けられ、タービンの回転で弾かれる。

「チェーンバインド!」

 さらにユーノのバインドが伸びるけどするっとスバルは避け、一瞬で私の後ろに回る。

 確かに早いわね。でも!

 翼の一部を爆発させる。一瞬で反転、攻撃を傘で弾く。

 それでできた隙に私は大上段に構えた刃に炎を這わせる。資料から知り、エリオから教えられた技。

「目を覚ましなさいよ! 紫電一閃!」

 振るった剣が、ガードに入った両腕を弾いて顔の仮面に傷を付ける。

 ちっ、浅い! 刀を構え直し、

「ああああああああ!?」

 その瞬間スバルが苦しみ出した。

 な、なに?

 そして、いきなり私たちに背を向けて走り出した。

 ちょっ!?

「待ちなさい!」

「アリサ?!」

 私は翼を広げて追いかけようとして……真横からの衝撃に飛ばされる。

 えっ?

 痛みに耐えながらそっちを見ていたら、大型の自動兵器。

 しまった、スバルばかり見てたから周りに集まってるのに気付かなかった……

「アリサ!」

 ユーノの声とともに、私は抱き止められる。そして、ユーノが自動兵器から背を向けるのを見ると同時に、私の意識は落ちた。










 ポツポツと頬に当たる冷たいものに、私が目を覚ますと、誰かにおぶさられていた。

 まるでパパの背中に背負われてるみたいな、広くて暖かい背中に安心してしまう。

「ん、ん? ここは……」

「あ、アリサ起きた?」

 その相手、ユーノが振り返った。

「ユーノ?」

「うん、よかった起きたんだ」

 ユーノが微笑む。その微笑みにドキッと胸が高鳴る。

 な、なんでユーノにドキドキしてるのよ!

「あ、あんた怪我は平気なの?」

 確かあたしを庇って……

「ああ、大丈夫。直前にプロテクションで防いだから」

 そう、よかった。

「ここはどこなの?」

 周りを見れば鬱蒼と生い茂る森の中だった。そんな場所を雨の中、ユーノは自分の上着をかけた私を背負って歩いてた。

「ああ、ここは……」

 あの後、気絶した私を引っ張って、ユーノはあの場を脱出。転移を行ったものの、帝国の追っ手から逃げるため、碌に座標を指定しなかったため、よくわからない場所に転移してしまったらしい。

 で、捕捉されるかもしれないから、今は転移するのはマズイと判断し、しばらく隠れられる場所を探して歩き回ってたということだ。上着は私が雨に濡れないようにというユーノの判断ね。

「ありがとう。もう歩けるから降ろして」

 私がそう言うとユーノはそっと私を降ろしてくれる。

 そのタイミングで雨足が強まった。

「うわ!」

「アリサ、あそこ!」

 ユーノが指差した場所に丁度いい洞窟があった。

 慌てて私たちはそこに駆け込んだ。










 私たちは、洞窟の中で私が起こした炎を挟んで座りながら、雨が止むのを待っていた。

「ねえ、アリサ、なんでアリサはスバルを追いかけようとしたの?」

 と、ユーノが唐突に聞いてきた。

「気になるの?」

「その、アリサはスバルとは接点が少ないのに何でかなあって、やっぱりなのはのため?」

 ふん、確かにあたしとあの子の接点と言えば、なのはの教え子で、一度あったくらいね。

「まあ、それもあるけど、気に入らないからよ」

「気に入らない?」

 そう、気に入らなかった。

「あの子、誰かを助けるために頑張ってたんでしょ? なのに、今はその逆。弾圧の片棒を担がされてる。それが気に入らないのよ」

 命を守りたかった女の子に真逆のことをさせる。さらに、どう考えてもあれはなんらかの処置をされたとしか思えない。それが腹立たしくて許せなかった。

 ユーノはそっかと笑う。

「アリサはやっぱり優しいね」

 なっ……

「なにいきなり言いだすの、このバカフェレット!」

「だって、ちょっとしか関係のないスバルのためにそんなに怒れるなんて、スゴいと思ったから」

 まったく、このバカはなんで恥ずかしがらずに、そんなこと言えるのよ……

 私はユーノの顔を見れずに、洞窟の外を見る。

「止まないわね」

「そうだね……」

 そこで気づいた。ユーノの声はどこか張りがなかった。

「ユーノ?」

 振りかえる。なんか体が少し揺れてる?

 直後、ユーノは倒れた。

「ユーノ?!」

 私は慌ててユーノに駆け寄る。

 気づかなかったけど、顔を覗き込めば、真っ赤だった。試しに額に手を当てるけど……

「ちょ、あんたすごい熱よ?!」

「そ、そう……?」

 息も絶え絶えにユーノが答える。

 えっと、こういうときは、濡れた服を脱がして、火ももう少し強く……

 緊急時の対処を思い出しながら、私はユーノの服を脱がした。









「あんたってバカよね……」

「そうだね……」

 服を脱がせてから、ユーノのジャケットのおかげで濡れなかった私の服を無理やり着せられたユーノが笑う。

 ユーノが倒れた理由はすぐに検討がついた。

 恭也さんの厳しい訓練。なのはやフェイトにすずかとの関係、表向きの考古学者としての仕事、これらで体力は相当消耗してただろう。

 そして、ここにきて、先の戦闘で私を庇った時に相当量の魔力を消費した上で、雨の中で私が風邪をひかないようにと、自分のジャケットをかけて歩き回ったのが駄目押しになったのだと思う。

「なんで、あんたは自分を二の次にするのよ……」

 本当に人を心配にさせる。目が離せない。

「そんなつもりはないよ。ただ、僕はみんなが無事でいてほしいだけだよ」

 無事でいてほしいって……

「僕はなのはたちを助けられなかった。でも、今はあの時よりも少しだけ力があると思うと、なのはにフェイトとすずか……それにアリサのためならちょっとくらい無理しちゃおうって気になれるんだ」

 ユーノの発言に私は噴き出した。

「な、なんでそこで私の名前が出るのよ?!」

 なのはたちはわかるけど、なんで私まで!

「だって、アリサも僕を助けてくれた人だから、いつか恩返ししたかったし」

 助けた? 私がユーノを?

「ほら、僕が一人で無茶して倒れた時、アリサもなのはやすずかと一緒に助けてくれたでしょ?」

 首を捻ってた私にユーノが言った。ああ!

「あんた、そんなことで?」

「そんなことじゃないよ。それに、なのはが墜ちた時も慰めてくれたし、僕らに合流した時も勇気づけてくれたし」

 ユーノが赤い顔できれいに微笑む。

「アリサは命だけじゃない、二度も僕の背中を押してくれたから、だからね」

 ……まったくこのバカは。

 自分より周りを優先して、危なっかしくて放っておけない。そして、天然で今みたいな不意打ち。狡いじゃない……

 顔が紅くなると同時に少し寒さに震える。さすがに下着だけじゃね……

「ねえアリサ、やっぱり寒い? 服返そっか?」

「病人なんだから余計な気を回さなくていいの!」

 その申し出を私は切り払う。

 そう、とユーノが引き下がり、ちょっと思いついた。

 少しくらい……いいよね?

 そう考え、私はユーノに近寄る。

「アリサ?」

 そして、ぽすっとユーノの太腿に座り込んで、ユーノの腕を私の前に回させた。

「あ、アリサ?」

「あんたもあたしも温かまる。それにあんたはあたしの身体に触れられっていう役得ありで、一石二鳥でしょ?」

 にししと笑う。真っ赤になるユーノにちょっとだけ溜飲が下がった。








 しばらくして、だいぶ雨が弱まってきた。

「だいぶ弱くなってきたね」

「そうね」

 そろそろ転移しても……

 その時気づいた。洞窟の入り口に妙な機械があるのに。

「な!」

 見つかった!?

 私は慌ててそばに置いといたデバイスを取って、

『あー! アリサちゃん、ユーノくん大丈夫! 私! 私だよ!!』

 と、それからすずかの声が聞こえた。

「すずか?」

 その声にユーノが目を丸くした。












 それから、すずかの指定した場所に転移し、私たちはみんなに合流した。

「ランダムに転移したのによく見つけられたね」

 と、ユーノがすずかに尋ねる。

 あ、確かに。いつの間にサーチャーを?

「私のいじったデバイスには独自のリンクシステムを組み込んであるんだ。だからそれを利用すればすぐに見つけることが出来るの」

 なるほど、それは便利そうなシステムね。

「にしても、アリサちゃん……ふふ」

 ……ちょっと待て。

「すずか、あんたまさか……」

「大丈夫、なのはちゃんたちには話さないから」

 ぐっとすずかがサムズアップ。

 やっぱり見られてた!?

 あたしは頭を抱えて……

「ユーノ! なのはが目を覚ましたよ!」

 フェイトの言葉に私たちはなのはのいる仮眠室に移動した。








「ユーノくん、スバルが、スバルがあ……」

 ユーノの服を掴みながらなのはは泣き続ける。

 ユーノはそんななのはの背中を優しく撫でる。

 少しだけなのはを羨ましいと思ってしまい、慌ててその思考を振り払って、なのはの握りしめられた拳にそっと手を添える。

「うん、絶対に助けてあげよう!」

「ありがとう、アリサちゃん、ありがとう……」

 なのははユーノの腕の中で泣きながら何度も頷いた。








~~~~
第八話差し替えました。
理由、やっぱりそれぞれでちゃんと話し作った方がいいと思ったためです。
アリサ編、次でハーレム入りかなあ。



[24871] 第九話
Name: 裏・空の狐◆84dcd1d3 ID:a9f084e4
Date: 2011/04/11 23:38
アリサside

 新しい拠点に来て一週間が経った。ここ数日でなのはもだいぶ落ち着いた。

 今ではなのはたちがいつも通りユーノにあーんをしている。それを見て、

「あーんってそんな楽しいもんなの?」

 と、つい呟いてしまった。

「気になるの? アリサちゃん」

 自分の失言に頬が赤くなる。

「べ、別に! あ、あんたたちがあきもせずによくやってるから、少し気になっただけよ!」

 あたしは恥ずかしくて顔を逸らす。なんか、フェイトとすずかが小さく笑った気がして睨みつけると、三人がごめんごめんと謝った。

「うーん、楽しいじゃないな。どちらかと言うと嬉しいかな」

「嬉しい?」

 あたしがオウム返しすると、フェイトが笑顔で頷いた。

「好きな人に食べさせてあげられる。それだけで、胸がぽかぽかしちゃうんだ」

 ふーんとフェイトの言葉に頷きながら、メロンパンに噛り付いて、

「アリサちゃんも試してみる?」

 噴き出した。

「な、な、な、なに言ってるのよあんたは!!」

 あたしに相手はいないっつーの!!

 すると、なのははずいっとユーノを押し出す。

「はい、試してみたら」

 ……ユーノにか。

 ふん。

「ちょ、ちょっとなのは!」

 いきなりなのはに背中を押されてユーノがうろたえ、私はメロンパンをちぎる。

「ユーノ」

 あたしがメロンパンを差し出すとユーノは目を丸くする。

「あ、アリサ、別になのは言ったことは気にしなくて……」

「いいから、は、早くしなさいよね!」

 あたしの言葉にユーノは頬を引きつらせ、小さく頷くと、恐る恐ると顔を近づける。そして、

「あーん」

「あ、あーん」

 ぱくっとあたしの差し出した、メロンパンの切れ端を受け取るユーノ。ちょっと胸がきゅんとなる。

 もぐもぐとユーノが口を動かしてる間にまたメロンパンを千切って、

「どうだったアリサちゃん?」

 っは?!

 あたしを見ながらにやけるなのは。な、なにあたしは次を準備してるのよ!!

「べ、別に楽しくないわね!」

 今ちぎった分を口の中に放り込む。

 そう、フェイトの言う通り、楽しいじゃなかった。その……確かに嬉しかった。

 ただ、すずかとフェイト、その生温かい目で見るのは止めてもらえないかしら?










 昼、新しくなった研究室ですずかの手伝いをしていたら、 

「あ、アリサちゃん、ちょっと部品取ってきて貰えないかな?」

 なんてすずかに頼まれた。

「了解、なんのパーツ?」

 と、すずかに必要なパーツの詳細を聞いてから、倉庫の中を見に行く。

 ん~、見つかんないわねえ。まあ、慌ててこっちに来たから片付いてすらいないから仕方ないけど……と、私が探し回っていて、

「アリサ」

 かけられた声にドキッとする。

「ユ、ユ、ユ、ユーノ?!」

 振り向けばそこにユーノがいた。って、なにあたしはユーノがいるだけでドキドキしてるのよ!!

「な、何であんたがここに?」

「ああ、すずかが遅いから様子を見に行ってって頼まれたんだ」

 ま、まあ確かに思ったより時間がかかってるわね。

「まだ、見つかってないなら手伝うよ」

 と、ユーノが提案してくれる。そうね。まあ、一人より二人の方がね。

「じゃあ頼むわ」










 そして、二人でパーツを探していて、あたしは脚立に載って高い位置になるパーツを取ろうとしていた。

「たく、こんな高い場所に置くんじゃないわよ」

 あたしはちょっと背伸びしながら手を伸ばしてパーツを取ろうとして、脚立が動いた。

 え?

 そのまま、あたしはバランスを崩して、

「アリサ!!」

 ユーノの声が響いて、あたしは後ろに倒れ、がしっと力強くユーノに後ろから抱きとめられた。

「うわ!?」

 でも、流石にそれだけでは止められず、あたしたちは床に倒れた。

「ううう」

「いたた、ありがとうユーノ」

 ユーノのお陰であたしは特に怪我はなかった。

 ……あれ? この体勢ってあたし、まるでユーノを押し倒したような……

 慌ててあたしは先に腰を上げた。うううう、気にするなあたし。気にしちゃだめだ!

 それから、ユーノを助け起こそうと思って…… 

「ゆ、ユーノ、手、手から血が!!」

 ユーノの手から血が出ていた。

「あ、少し切っちゃったみたいだね。でも、大丈夫だよこのくらい」

 そうは言われてもね。

 あたしはハンカチを取り出して、傷口を押さえる。

「ご、ごめん、あたしの不注意のせいだわ」

「い、いや、アリサは気にしなくていいよ」

 まったく、なんでそう返すのかしら。もう……

 それから、すずかの頼みは後回しにして、あたしはユーノを医務室に引っ張っていった。








 


 その晩、

「んんっ、あふ……ユーノの、ばかぁ」

 胸元をはだけさせ、ショーツの中に指を伸ばす。

 硬く尖った先を指で弄び、ぐしゃぐしゃになったあそこに指を入れる。要するにあたしは自慰をしていた。

 その、ユーノに抱きとめられて助けてもらってから身体がほてって仕方ない。

「なんで、いつも、いつも……んんっ」

 ズブズブと、指を奥になにか硬いものに触れた。

 これがたぶん処女膜なのよね? 名前と違って膜じゃないわよねこれ。

 表面をなぞるとざらざらした感じがする。

 この奥ってどうなってるの? ちょっと気になる。

 ……やっぱりこれ破るの痛いのかしら? レディコミでは痛いってシーンはあったけど、たまにないのもあるし、人それぞれってところかしら?

 この奥まで届かせるのは指じゃ無理ね。ユーノのなら……そこまで考えて頭を振る。

 なに考えてるのよあたしは!

 無性に自分を叱りつけたくなって、あたしは、引き抜いた指で豆をギュッと摘まんだ。

「~~~~っ!!」

 ビリビリとしたナニかで頭まで貫かれるような感覚の後に、ベッドにくたあと横たわる。

「ユーノのバカ、バカユーノ」

 あたしはどうしたいんだろう?











なのはside

 こっちに移ってから少しだけアリサちゃんの様子が変わりました。

 なんていうか、その、ユーノくんに対する態度が前と少し違います。あえて表現するなら恋する乙女?

「というわけでユーノラヴァーズ会議開始なの!」

 メンバーは私とフェイトちゃんにすずかちゃんです。場所はすずかちゃんの部屋。

「アリサちゃんがユーノくんをどう思ってると思う?」

 私が二人に尋ねると、二人は少し考え込んで、

「好きなんじゃないかな?」

「私もそう思うな。アリサちゃんわかりやすいし」

 うんうん、二人も同じ意見で私も嬉しいの。

 さて、となると……

「アリサちゃんをどうするかだね? 二人はどう?」

 私の問いに二人は苦笑を浮かべます。

「私は……大丈夫。ユーノがいてくれるならそれで」

「私も、ユーノくんが私のことを見てくれているなら、それでいいから」

 そっか、じゃあ……

「みんなでアリサちゃんもユーノラヴァーズに入れられるように頑張ろう!」

 ……あれ? 二人ともなんで私をじっと見てるの?

「なのは、なのははそれでいいの?」

 へ?

「うん、なのはちゃんは……ユーノくんの相手が増えていいの?」

 うーん。

「私はいいよ? その、アリサちゃんも一緒に家族になれるなんて素敵じゃないかな?」

 私の言葉に二人はそっかと頷いてくれました。

 さて、アリサちゃんを素直にできるように頑張らないと!











再びアリサside

 朝、あたしは自己嫌悪に陥っていた。き、昨日は、ううううう。

 まあ、落ち着け。まだ、焦る段階じゃない。

 あれは、その、一時的なものよ! と、自分を納得させる。と、そんなこんなでユーノに少し顔を合わせずらかったんだけど……

「フェイトちゃんの装備も完成したから、一度フォーメーションの確認しよっか」

 というなのはの提案であたしたちはなのはの部屋に集まることになった。もちろんユーノも……タイミング悪いわよバカ!!

 残念ながら恭也さんは別の任務でいないため、アースラチームフォワード陣は現在なのは、フェイト、すずか、そしてユーノだけ。

「で、まあ、こんな感じで……アリサ、僕の顔に何かついてる?」
 
 ユーノの言葉にどきっとする。し、しまった、さっきからユーノばっかり見てた。

「な、なんでもない」

 ぷいっと私は顔を逸らす。

 そうして、決まったフォーメーションはまあ、当然の形。フロントアタッカー、あたしとユーノ。ガードウイング、フェイト。センターガード、なのは。フルバック、すずか。

 それでお開きだとあたしは思ってたんだけど……

 あたしはいきなりすずかに羽交い締めにされて、ユーノが両側からなのはとフェイトに拘束された。

 えっ? えっ?

「す、すずか?」

「ふふふ、アリサちゃん、今からすごいからね」

 はっ? へっ?

 ユーノも突然のことに戸惑って目を白黒させていて、なのはとフェイトがいそいそとユーノのズボンを脱がし始めた。

「な、なのは! フェイト?!」

 んなあ!?

「ちょ、ちょっとすずか?!」

 あたしが暴れるけどすずかはびくともしない。

 そうしているうちにユーノのパンツがずり下ろされて、ぶるんとユーノのフェレットが解放された。あ、思ったより小さい……って、なに観察しているのよ!!

「ふふ、ユーノくん、ちゅっ」

「ユーノ、ペロッ」

 躊躇いもせずに二人がユーノのを舐める。

 うわあ、本当にあれ舐めるんだ。

 あ、大きくなってきてる。さっきまではあんなに小さかったのに……

 わわ、あんなに深く口の中に……よだれでどろどろだけどふやけないのかしら?

 ああ、むしろ硬くなってるのかしら? それにユーノ気持ち良さそう。

「ふふ、アリサちゃん、面白い?」

 すずかに囁かれて我に帰る。な、なにあたしは食い入るように見てるのよ!

「ちょっとすずか、なのは、フェイト! いくらなんでも悪ふざけが過ぎるわよ!!」

「そうだよ三人とも! もうやめて!?」

 あたしたちが叫ぶけど、

「でも、アリサちゃんだって」

 そういってすずかがあたしの服の中に手を潜り込ませる。

「ち、ちょっとすずか、んんっ!」

 すずかの手があたしの胸を掴み、ショーツの上から筋をなぞるように指で弄られる。

「アリサちゃんのおっぱい、先っぽ硬くなってるよ? それにショーツも濡れてびしゃびしゃ」

「そ、そんなことない! ひう!?」

 今度は首筋を舐められてから耳を甘噛みされる。それだけで、あたしの身体は昂ぶってしまう。

 ウ、ウソ、なんで……

「や、やめてよすずか……」

 あたしの懇願を無視してすずかが手を動かす。

「ねえ、アリサちゃん、ユーノくんを見て」

 ユーノを?

 言われてユーノを見る。

 今度は、フェイトのその豊満な胸で挟まれ、飛び出した先をなのはがしゃぶってる。

 そんなことをされて、ユーノのフェレットが大きく、硬く反り返っている。それを見た途端に、おなかの奥がきゅんとなった。

 な、なによこの感じ……

「ねえ、アリサちゃんもユーノくんのこと好きなんでしょ?」

 な?!

「な、なに言いだすのよ!」 

 あたしの反応に面白そうにすずかが笑う。

「だって、アリサちゃんわかりやすいんだもん」

 う……

 あたしは顔を紅くする。

 ねえ、認めなよ。

 と誰かが心の中で囁く。と同時に、意地でも認めないんだから! と言う声も聞こえる。

「ねえ、素直になりなよ。みんなで幸せになろ?」

 みんなで?

「ユーノくんとなのはちゃんにフェイトちゃん、私に、それにアリサちゃん、みんなで幸せに家族になれたらいいなって、なのはちゃんが言ってたんだ」

「なのはが……」

 なのはがそんなことを?

 いいかもしれないと思ってしまった。家族として、ユーノとなのはにフェイトを支えて、護ってあげれたら……

 それにユーノの相手ももう三人、一人くらい増えたって、あたしも輪に入っていいんじゃないか?

 それに、意地でも認めないってことは、私の本心は……

「いいかも……」

 ぼそっと呟いた途端にすずかがいい笑顔で笑った。

「なのはちゃん、フェイトちゃん、オーケーだよ」

 あそこにしゃぶりついていたなのはとフェイトが顔を上げる。そして、すずかによく似たいい笑顔を浮かべる。

「ほら、ユーノくん」

 なのはが腕を引っ張って、あたしの前にユーノを連れてくる。すずかはもう押さえてない。

「あ、アリサ……」

 ユーノが困ったように頬を引きつらせる。そんなユーノに指を突き付ける。

「ユーノ、先に言っとくけど、あたしはあんたが嫌い」

 あたしの言葉にすずかがもうというけど、気にせずに続ける。

 これだけはちゃんと言っておきたいから。

「優柔不断で、なよなよしてて、女顔で女ったらしで、そんなあんたがあたしは嫌い」

 あたしの言葉にだよねとユーノが肩を落とす。

「でも……同時にあたしはユーノ、あんたのことが好き」

「へ?」

 ユーノが顔を上げて目を丸くする。

「その……優しくて、意外と男らしいところがあって、決めたことはなかなか曲げない意思の強いところがあって、そういうところがすごく好き。だ、だから、あたしもユーノの女にしてほしい」

 前に読んだ本ではこんなセリフあったけど、大丈夫かしら?

 と、思ったらあたしの言葉にユーノが頬を紅くする。

「い、いいの? アリサは……」

「いいも悪いもないわよ。好きなんだから、好きだからしょうがないの!」

 ぐいっとユーノの腕を引っ張る。

「あ、あたしの処女あげるんだから……あたしを上げるんだから、感謝しなさい!!」

 ユーノは少し悩んでから、うんと頷いた。









ユーノside

 自分のものを持ち、アリサに突き付ける。

「ほ、本当にいいの?」

 改めて尋ねると、じろっとみんなから睨まれる。

「あんたね、いいって言ってるんだからいいに決まってるでしょ! あと、なのは、フェイト、すずか!なに見てるのよ!!」

 指摘されてなのはたちが顔を合わせる。

 それからアリサに向き直り、

「やっぱり初めてだから、ね」

「アドバイス出来る人がいるといいと思うよ」

「アリサちゃんも家族になるところ見たいなあ」

 と、朗らか(?)に告げるなのはたちにアリサはそっぽを向く。

「……勝手にしなさい」

 少し目じりが光ってたのは諦めの涙かな?

 まあ、この三人になに言っても仕方ないからね……

「じゃ、じゃあいくよアリサ」

「うん……」

 くちゃっと先がアリサの中に入る。アリサが身を強ばらせる。

 さらに腰を進めようとするけど、異物を拒む扉に阻まれて進まない。緊張して硬くなってるのかな。

「アリサ息を吐いて」

「そんなこと言われても……」

 ま、まあ、そんなすぐに緊張が解けたら苦労しないか……

 そう考えて、僕は。

「アリサ」

「な、なに、んっ?!」

 アリサにキスをしてみた。舌を入れて、口の中を撫でまわすと、アリサの身体から力が抜けていく。

 よかった。狙い通り。

 って、あれ? そういえば、すずかがしてたから、前戯なしだったけど、キスしてなかったな。

 することが前後してちょっと失敗した気分だな。はは。

 その時、膣口を押していた先がにゅるっと中に侵入した。

「うう、い、いた……」

「うわ……い、いきなり」

 小刻みに動かしながら、奥を目指す。そして、ある程度奥までいって、ぷつっと硬質の何かがちぎれるような感じがして、ずるっとそれまでなかなか進まなかった僕のがアリサの中に押し入った。

「んん!」

 そして、こつっと僕のが奥まで到達する。

「あ、アリサ大丈夫?」

 痛そうに顔をしかめたアリサを心配して声をかけると、ゆっくりアリサが目を開ける。

「う、うん。さっきは痛かったけど、もう大丈夫。はーこれで終わったんだ」

 ああ、確かにアリサの処女は終わっちゃったんだ。僕が終わらせた。

 きゅうきゅうと律儀に締めつけるアリサに今にも出してしまいそうだけど、なんとかそれを耐える。

「ほら、ユーノ退いてよ重いから」

 へ?

 退くって……まだ始めたばかりなのに?

 なのはたちも顔を合わせ、それから、くすっと笑った。

「な、なに笑ってるのよ」

「だって、アリサちゃん勘違いしてるよ?」

 勘違い?

 すずかの言葉に僕と同じように首を捻るアリサ。

「今から始まるんだよ」

 フェイトの言葉にますます訳がわからなそうにしているアリサを見て、やっと意味を理解した。

 ああ、なるほど。アリサはそういう勘違いしてるんだ。だったら、

「行くよアリサ」

「い、行くって……い、いた!」

 僕が腰を動かすと、アリサが呻いた。

 アリサの中は熱く滑った感じがするけど、きつく硬くて、未熟な感じがする。

 なのはとフェイトと違う。すずかの初めての時とも違うその感じが、気持ちいい。

「うう、痛い、痛いってばユーノ!」

 あ、あれ? 痛くないって言ってたのに。

「な、なんで……ばか、バカユーノ! い、痛いっていってるでしょ?!」

「ご、ごめんアリサ、止めるから、いた」

 ぽかぽかと腕の中でアリサが殴ってくる。

 僕は腰を引いて抜こうとして、そしたら、ぱしっと軽くなのはがアリサを叩いた。

「な、なのは?」

 アリサも僕も突然のなのはの行動にあっけにとられる。

 なのははそっとアリサの頬を撫でる。

「ふーん、アリサちゃん、ユーノくんにされて痛い? でもね私はそれが羨ましいの」

 う、羨ましい?

 どこか光を感じさせない目でなのはがアリサに語る。

「私ね、初めては知らない誰かに盗られちゃったの。その後も、ずっと痛くて、嫌っていっても止めてもらえなかった。アリサちゃんはいいよね。私と違って、ユーノくんに初めての痛みを教えてもらえてるんだから」

 それを聞いた途端、アリサが俯く。

「ごめん、なのは、ユーノ」

 アリサが謝ると、なのははいつもの優しい微笑みを浮かべる。

「いいの、アリサちゃんがわかってくれたなら」

 ぽんぽんとなのははアリサを抱き締める。

「ゆ、ユーノいいわよ、う、動いて」

「う、うん」

 ずっずっとアリサの中で前後に動く。

 きゅうっと締まるのはそのままだけど、さっきよりもどこか締め付けが弱くなった気がする。

 お陰で少し動きがスムーズになった気もする。まあ、気のせいかもしれないけど……

「はあ、はあ、アリサ……」

「うう、ユーノォ」

 うう、さっきからなのはやフェイトに散々焦らされた挙げ句に、アリサの中が気持ちよくて……腰の奥で溶岩が煮えたぎるような感じが僕を襲う。

「も、もうダメ……出る!」

「うん、出していいよ。それで本当にあたしがユーノのものになれるなら……」

 ぐっとアリサも腰を突き出して、僕の腰にしがみついた。その勢いで、亀頭が子宮口とキスして……うううう!!

「出る……!!」

 びゅくびゅくとアリサの中に僕は熱くて白い欲望を吐きだした。

「はあ、はあ、アリサ」

「ユーノ……んっ」

 ちゅっと軽くキスをした途端、くたっとアリサが身体を弛緩させ、すうすうと寝息を立て始めてしまった。

 初めてで疲れたのかな?

 ちゅぽっと小さくなった僕の分身をアリサの中から引き抜く。

「さてと、アリサちゃんが終わったなら」

 と、なのはの楽しそうな声。どうやら、僕はアリサみたいにまだ眠れないみたいだ。











 翌日、朝ごはんの時、

「ユーノくん、はい、あーん」

「ユーノ、あーん」

「ユーノくん、あーん」

「ゆ、ユーノ、ありがたく思いなさいよ! あ、あーん」

 四つの箸が僕の前に突き出される。

 それを見て周りの人間が、逃げ出すか、もしくは、ブラックのコーヒーを飲んでいた。

 なんとなく僕は苦笑する。据え膳食った自分が悪いとはいえね、この戦いを速く終わらせて、四人とも僕が絶対に幸せにしてみせよう!

 その光景に改めて僕はそう誓った。
































Another side

 第九無人世界「グリューエン」、その軌道拘置所第一監房。

 こつこつと足音が聞こえた瞬間、スカリエッティは微笑んだ。

 そして、簡易ベッドに横たえていた身体を起こし、訪れた相手に向き合う。

「やあ、遅かったね」

 親しげにスカリエッティは相手に話しかける。

 その相手がなにかを言って、

「構わん。やりたまえ」

 嘲るような、憐れむような、そして、自嘲気味な笑みをスカリエッティは最後に浮かべた。







 その日、軌道拘置所第一監房が何者かによって破壊され、稀代の科学者にしてテロリスト、ジェイル・スカリエッティも共にこの世から消滅した。










~~~~
アリサ編しゅうりょ~。そして、スカリエッティにはご退場願いました。
はてさて、これからこの世界はどうなることやら。次はヴィヴィオとかに行ってみたいけど、その前にエリオやトーマの話かな?
コメントお待ちしておりまーす。



[24871] 第十話
Name: 裏・空の狐◆6f2a5b2b ID:a9f084e4
Date: 2011/04/23 21:13
 その日、あたしたちは新しいフォーメーションのチェックをしていた。

「はああああ!!」

 あたしの太刀が訓練用ドローンを破壊し、

「ふ!」

 ユーノの鋼糸とバインドが数体を行動不能にする。そして、

「ディバインバスター!!」

 なのはの砲撃がそれらを破壊し、

「ごめん、すずかちゃん、数体抜けた!」

「了解!」

 と、なのはが呼び掛けた次の瞬間には、鍵とレイピアを足したような形をした剣(キーブ○ードじゃないよ!)でその数体を切り裂いた。

「はい、かんりょう」

 と、すずかが着地して、残骸の中から一体のドローンが現れた。あ、倒し切れてなかった。

 それが、すずかに迫って……一瞬の閃光の後、二つに割れて、爆発を起こした。

「油断大敵だよすずか」

 そして、なにもない空間に黒が広がる様にして、蝙蝠の翼のような鋭角的なデザインのマントを纏ったフェイトが現れた。

 それが、すずかが考えに考えたフェイトのための新装備、ステルスクロス。まあ、簡単に言えば、今みたいに人間の視界から消えたりできる装備だ。

 確かに今のはやばかったわね。でも、

「その代わり新記録だよ」

 と、なのはが笑う。

 それから全員で反省会。

「最高速度は負けてるけど、フェイトちゃんよりアリサちゃんの方がダッシュ力あるね」

「そうね、あたしの方がもう少し前に出た方がいいかしら」

「すずかって、反応早いよね。全体を見回せるようにもう少し後方に移ってもいいかもね」

「なのはちゃんとユーノくんは今のポジションが一番いい感じだからこのままかな?」

 と、思い思いに互いのフォーメーションの意見を交わし、それを元に作り直す。それが、最近のあたしたちの主なイベント。

 ただ、

「あ、あのさ、できたらもう少し離れてもらえないかなあ?」

 と、あたしたちの中心で肩身を狭そうにしていたユーノがぼやく。

 なにせ、ユーノは両腕をフェイトとすずかに取られ、膝の上になのはが座っている。あ、あたしは……うう。普通にユーノの対面に座っている。

「ユーノくん、嫌なの?」

 うるんだ目でなのはがユーノの顔を見上げる。

 その様子にうっと、ユーノがうろたえ、

「う、ううん、そんなことないよ。すごくうれしいよ!」

 その返事になのはが嬉しそうに笑う。

「そっかあ、そうだね。ここも元気だもん。ねえアリサちゃんも」

 え! ううう、あんたたちはなんでそう易々とユーノに甘えられるのよ……少し羨ましい。

 でも、あたしだってユーノの彼女の一人なんだから、遠慮する必要もないしね。

「そ、そうね。この位置じゃ見づらいしね」

 と、あたしはユーノの背中に乗っかった。

 はあ、やっぱりユーノの背中って安心する。それと、お腹の奥がきゅんとなる。

 ふう、ユーノとしてからずっとこんな感じ。ユーノといるとお腹の奥が切なくなって、なにかが足らない感じがしてたまらない。ユーノに、またその……してもらう? でも、また痛かったら嫌だし……

 どうすればいいの?











なのはside

 さて、アリサちゃんも数日前から、私たちユーノラヴァーズに入りましたが……あれ以来ユーノくんとしたって聞いてません。

 なんで? どうして?

 ユーノくんは自分から進んでアリサちゃんとしようとはいいださないし、こうなったら私たちの出番なの!

「というわけでまたまた会議です!」

『おー!』

 フェイトちゃんとすずかちゃんが答えてくれます。

 なお、アリサちゃんは残念ながら不参加です。だって、アリサちゃんのための会議だし、本人いたら止められちゃうかもしれませんし。

「で、なんでアリサちゃんはユーノくんとしようとしないと思う?」

 はーいはーいと手を上げるフェイトちゃん。

「きっと、練習中なんだよ。アリサって仕切りや屋だから、ユーノにリードされるんじゃなくて自分がリードができるように練習してるんだよ。後は……素直になれないだけ?」

 ああ、なるほど。アリサちゃんならありそうなの。

 続いてすずかちゃん。

「単に怖がってるんじゃないかな? この前、痛がってたし、男の人とセックスって痛いって思い込んじゃってるんじゃないかな?」

 そういえば、アリサちゃん最初から最後までずっと痛がってて、全然気持ちよさそうじゃなかったの。

 なら、すずかちゃんの言う通り、痛いことって思い込んでるとか?

「でも、ユーノくんとして気持ちよくなれないってなんでだろ?」

 うーんと私は悩みます。フェイトちゃんも一緒に悩みます。

 確かに、私は最初……というか、ユーノくんとするまで痛くて辛いことでした。

 でも、ユーノくんとしたら、そんなことはありませんでした。嬉しくて、幸せで、暖かくて、セックスってこんなにいいものなんだって思えたんです。

 たぶんフェイトちゃんもそうなんだと思うの。

「すずかちゃんは初体験の時はどうだったの?」

 この中で唯一人、初めてがユーノくんだったすずかちゃんに問いかけます。

「そ、その、夢中でよく覚えてないんだけど、私も確かに痛かったことは痛かったけど、それ以上に気持ち良かったかなあ」

 私の質問に頬を紅くしながらもすずかちゃんは答えてくれます。

 やっぱり、気持ちよかったんだよね。なら、なんでアリサちゃんはダメだったのかなあ?

 うーんとみんなで考えますが、なかなか答えは出ません。

 むう、こうなったら……

「こうなったら、直接アリサちゃんに聞くしかないの!!」

 おーっと私たちは手を掲げました。










再びアリサside

「んっ、んあ……濡れてる……」

 秘裂を指で撫でると、くちゃっと水音が鳴った。

 あたしは乳房に指を這わせてあそこをいじって、慰める。でも、足りない。快感を覚えても、何か満たされない。

「あふっ、ふぅ……気持ちいいのにぃ」

 つまんで転がして、爪を立てて虐める。いつもこれだけで十分だったのに、今は、足りない全然足りない。

 初体験からずっと中にユーノのおちんちんがまだある感触がして、お腹の奥にきゅんきゅん疼いて堪らない。

 指を中に入れてみるけど、全然大きさも、充足感も足らない。こんなのじゃ全然足りない。

 本当は欲しかった。ユーノのが欲しくてたまらない。

 でも……

「痛いのはやだなあ……」

 どうしてもあの時の痛みを思い出してしまう。

 痛くてしょうがなくて、全然気持ちよくなかった。初体験は痛いものって聞いてたけど、それでもやっぱり腰が引けてしまって、ここ数日、その……ユーノとしたりしていない。

 ううう、怖いんだから仕方ないじゃない!

 そこで、がちゃっとドアが開いた。

 え?!

 びくっとあたしは身体を強ばらせる。

「やっほうアリサちゃん」

 なのはたちが入ってきた。

「き、きゃああああああああ!!」

 反射的にあたしはそばの枕を投げていた。









 どうやらユーノに渡しといた合鍵でなのはたちは入ってきたらしい。

「ふーん、一人で寂しく慰めてたんだあ」

 にやにやと枕をぶつけられたなのはが笑う。

 な、なによ……別に一人でしてたっていいでしょうに。

「ねえ、なんで? ユーノとすればいいのに」

 と、フェイトが聞いてくる。

「べ、別にあたしの勝手でしょ」

 ぷいっとあたしはそっぽを向いて、

「実は怖いとか?」

 すずかの一言に固まった。

 な、なんでわかるのよ。

 ゆっくり振りむけば、生温かい目で私を見るなのはたち。やめてよね。そんな眼差し向けるのは。

「ふふ、なら」

「ユーノと」

「したくなるようにしてあげる」

「ちょ、ちょっと!!」

 手をわきわきさせながら三人が迫ってきて……











 クチャクチャとあそこをなのはに弄られて、フェイトがあたしの乳首に吸い付く。そして、すずかがあたしの口を塞いでくる。

「ふあ、やぁ、やめ……んんっ!」

 すずかに舌を絡まされて、思うようにしゃべれない。

「ふふ、アリサの美味しい」

 フェイトの舌がチロチロと縁をなぞる様に動いてから、ちゅっと先を吸われる。

「ん、アリサちゃん、どんどん溢れてくる。実は欲求不満だったんじゃないの?」

 なんてあそこに口を付けてたなのはに言われた時、無性に腹が立った。

「あんたたちと一緒にするな! 色ボケども!」

 あたしの台詞になのはは不満そうな、すずかとフェイトは苦笑を浮かべる。

「アリサ酷い……」

「でも、私たち否定できないよね」

 と、フェイトとすずかが苦笑して、なのはは、

「でも、そんなこと言っちゃうアリサちゃんにはお仕置きなの」

 サディスティックな笑みをなのはは浮かべて……










 僕は部屋でのんびりしていた。

 最近、何故か師匠がいない。だから美由紀さんに代わりに教わってるんだけど、同時にトーマも指導を受けてるから、普段の半分程度だ。

 師匠どうしたのかなあ?

 そして、なのはたちは今はいない。ただ、部屋を出る前に『期待しててね』なんて言ってたけど、なんか嫌な予感がするんだよなあ。

『ユーノくん、ちょっとアリサちゃんの部屋に来て』

 と、念話でなのはに呼び掛けられた。なんだろう?













 そして、アリサの部屋に訪れると、

「あ、うあ、ゆ、ユーノォ」

 ベッドの上でなのはたちに責められているアリサがいた。

「あ、ユーノくん、こっちこっち」

 と、なのはたちに手招きされる。

「な、なのはなにしてるの?」

 僕の問いかけになのはたちはうーんと唸って、

「アリサちゃんをかわいがってるの」

 かわいがってるって……

 アリサを見る。アリサの顔は涙と涎でぐしゃぐしゃになっていた。い、いったいなのはたちなにしてたのさ?

「ふふ、アリサちゃん、まだ一度もイかせてないの。それはユーノくんの役だからね」

 ぼ、ぼくの役?

「アリサちゃん、エッチするの痛いことだってこの前ので思い込んじゃったみたいだから、しっかり教えてあげようって思ったんだ」

 と、すずかが説明する。

 ああ、だからこの前からアリサはしようとしなかったんだ。

「ほら、ユーノ、アリサに教えてあげて。ユーノとすることがとっても幸せなことだって」

 そう言ってアリサのあそこをフェイトが広げる。

 う、そんなことしたら……

 ズボンの中で愚息が痛いほど大きくなってるのがわかる。

 アリサが僕をうるんだ目で見つめる。そ、そんな目で見られたら……

「ゆ、ユーノ……お願い。も、もう耐えられない」

 アリサの言葉が引き金となった。

 僕はズボンを下ろして愚息を開放する。

「アリサ」

 そして、フェイトが広げたアリサのピンク色の入り口にゆっくりと押し込んだ。

「ああ、はあああ」

 奥まで入りきると、アリサがブルッと震えて大きく息を吐き出した。

「んっ、これ、これだったの。あたし、これが欲しくて堪らなかったの」

 アリサは微笑む。よ、よし。

 僕はアリサの腰を掴んで腰を引く。抜ける直前に、再びアリサの奥へと突き込む。

「ひう! 痛くない、きもちいい、きもちいい」

 アリサが腰をくねらせて快感を叫ぶ。よ、よかった。また痛くしちゃったらどうしようと思ってたけど、大丈夫みたい。

 僕は何度も強く絡みついて締めつけてくるアリサの中を動く。

「はう! ゆ、ユーノォ、だめ、も、もうイク、イっちゃうううう!!」

 アリサが強く僕にしがみつく。 身体はビクビクと震え、顔はだらしなく弛緩する。今までで一番強くアリサの中が締まった。くうう!!

 歯を食いしばって、射精するのを耐える。

 にしても、早いね。まあ、ずっとなのはたちに寸止めされてたから仕方ないのかもね。でも……

「僕はまだだよ」

「ふえ? あ、ひあああああ!!」

 アリサの脚を抱え上げて体位を変える。

 うっく、体位を変えた瞬間こ、擦れて、僕も余裕が擦り減ってしまった。

 アリサのお尻を掴み直して痙攣し続けるアリサの媚肉に向かって、がむしゃらに大きく腰を振り動かすす。

「気持ちいいよユーノォ! ユーノも、気持ちいい? あたしで気持ちよくなってる?」

 アリサの言葉に頷く。

「気持ちいいよアリサ。僕もすごく気持ちいい」

 僕の返事にアリサがほほ笑む。

 吸い付くように締め付け、込み上げる射精への欲求を耐える。蜜壷から溢れ出す愛液が絡みついて響く卑猥な水音がいよいよ大きくなっていた。

「アリサ、イクよ。僕も……」

「イってユーノ、あたしの中にたくさん出してえ!!」

「うう、出る!!」

 アリサのおねだりに答えて僕はアリサの一番奥で精液を吐きだした。












アリサside

 耐えに耐えた後の快感は素晴らしく、あたしはベッドに突っ伏して休もうとして、お尻を掴まれた。

「な、なに?!」

 振り向くと、なのはがあたしのお尻を掴んで持ち上げてきた。

 あたしのお尻が高く掲げられる。

「ちょ、ちょっとなの、はひっ!?」

 あたしが文句を言う前に、お尻を指で掘られる。

「ふふ、ユーノくん、アリサちゃんね、ユーノくんの為にお尻も準備済みなんだよ」

「ちょ、それは、なのはが無理やり、ひう!」

 なのはの言葉に反論しようとして、腸壁をひっかかれた。

「ほら、ユーノくん」

 ちゅぽっと言う音と共に指がお尻から抜かれた。

「あ、あの、アリサ、なのははそう言ってるけど、いいの?」

 と、ユーノが確認してくる。

 こ、怖いけど、さっきみたいに気持ちよくなれたら、なんて期待があたしの中を渦巻く。そ、それに、なのはたちは気持ちいいって言ってるし、大丈夫、よね?

 しばらくあたしは葛藤してから、小さく頷いた。



 初心者だからと、念のためにと、なのはがどこからか出したローションを塗りつけられる。

 冷たくてぬるぬるしたそれに、ちょっと身震いする。

「そ、それじゃあアリサ、いくよ」

 あたしの腰を掴んで、ユーノがゆっくり入ってきた。

「あ、ううああ」

 ゆっくりとお尻に入ってくる感触に総毛立ち、全身から脂汗が吹き出す。

 な、なにこれ、全然気持ちよくない……

「く、苦しいよぉ……や、やあ、ゆ、ユーノ、ぬ、ぬいて。お、お尻割れちゃう」

 出すことしか知らない排泄器官が無理やり拡げられて、逆流してくるのが、苦しくて仕方なかった。

 それに、事前にしておいたはずなのに、この場でお漏らしをしてしまいそうで怖くてたまらなかった。

「うう、わ、わかったアリサ」

 根元まで入れたものをユーノがゆっくり引き抜こうとして、

「ひゃあ!? な、なにこれえ?!」

 引き抜かれそうになる瞬間、ふわっと空に昇るような心地があたしを襲った。

「らめえ! ぬからいでえ!!」

「ええっ? な、なら」

 またユーノが押し込んできたら、気持ち悪さに鳥肌が立った。

「うぐあ、抜いてえ、いやぁ、苦しい」

 そして、また、ユーノが抜こうとするとまたあの快感があたしを襲う。

「あああ、気持ちいい! もっとお!」

「う、ど、どっちなのさ? もう、知らないよ」

 じゅぷじゅぷと軽快とは言い難いリズムでユーノが律動する。

 交互に遅いくる苦しさと快感。入れられる苦しみが強い分、抜かれた時の気持ちよさも一押しだった。

 そして、それは唐突に現れた。突き込まれたっていうのに、そんなに苦しくなった。それ以上に気持ちよくてたまらなくなった。

「きもちいい、きもちいいよユーノォ!!」

 苦しいのも、気持ちいいのもぐちゃぐちゃになって、もうなにがなんだかわからない。

「いいの? アリサ本当に?」

 こくこくとあたしは何度も頷く。

 ほ、本当に違う。アブノーマルで強烈な快感は確かに癖になってしまいそう。

「いく、イクう!!」

「ぼ、僕も、アリサぁ!!」

 どくどくと今度はお尻の中に精液が吐き出される。

「あつい、染みるのお!!」

 子宮って言う行き止まりがない分、精液がお腹の奥に奥に注がれ、広がっていく感覚にあたしは震えた。









 ふうと息を吐く。

「なんかあたしバカみたいね」

 ぼそっとつい呟く。

 その、なんていうか、す、すごかった。一人でするなんて比べ物にならないくらい。なんであたし一回痛かったからって、尻ごみしてたのかしら。

「まあまあ、アリサちゃん、今はもうそんなわけじゃないんでしょ?」

 まあ、ね……

「あんたたちが色ボケになった理由がわかった気がするわ」

「だから色ボケはやめて~」

 なのはの抗議を無視する。

 ちらっと見れば今度はフェイトが後ろからユーノに突かれて喘いでいる。

 まあ、あたしたちが色ボケなら、ユーノ、あんたも底なしってわけね……











またもなのはside

 数日後、

「すずかちゃんとリインが一緒に戦艦の設計をしてたなんてびっくりだね」

「すごいねすずかって」

 私とフェイトちゃんがお話しながら、たまたまブリーフィングルームの前を通った時でした。

『それ、本当?』

 ユーノくんの声?

 見れば明かりのないブリーフィングルームのドアが少しだけ開いていました。

 そっと覗き込むと、中でユーノくんとクロノくんが深刻そうな顔でお話していました。

「ああ、ニュースにもなってる」

 クロノくんの言葉にユーノくんが顔を強ばらせる。いったい何のお話しているの?

「でも、それって……」

 ユーノくんが顔を伏せる。

「皇帝、聖王家の末裔と婚約……おそらくその聖王はヴィヴィオのことだろうな」






またもアリサside

 ばたんと音がして振りむくと、そこに恭也さんが倒れていた。

「きょ、恭也さん?!」

「どうしたんですか?」

 慌ててあたしとすずかが駆け寄る。

「み、道……」

 道?

「こっちについてからずっと道に迷ってた……」

 ああそういえば、恭也さん方向音痴だったっけ。

 って、ちょっと待て。こっちについてからって……

「一週間以上迷ってたんですか?!」

 どんだけ方向音痴なんですか恭也さん?!

 





ステルス・クロス
 フェイト用新装備。そのマント状の装甲は、すずかが研究していたECMやステルス技術がふんだんに盛り込まれていて、熱反応から魔力反応を欺瞞する上に光学迷彩モードも存在する。 また、場合によっては装着者を守る防具の役目も果たし、表面には特殊コーティングがなされている。
 フェイトの弱点である防御力をカバーし、フェイトが得意とする高速戦を補助することを念頭に設計されている。
 問題点としては、現状では光学迷彩はフェイトのような電気変換資質がないと使えず、光学迷彩時は熱反応を隠せない。 






~~~~
アリサ素直になるの回&ヴィヴィオの居場所判明編です。
すずか少しチート臭いかなあ? でも、これくらいできないとレジスタンスも対抗できそうにないし。
なお、ステルスクロスはデスサ○ズヘルのアクティブバインダーみたいなのを想像してください。そして、恭也さんの迷子は声優ネタw



[24871] 第十一話(ヴィヴィオ編)
Name: 裏・空の狐◆2b882bce ID:a9f084e4
Date: 2011/07/05 10:24
「ヴィヴィオが?!」

「本当に?!」

 気づけば私たちは部屋に飛び込んでいました。

「な、なのは、フェイト聞いてたの?」

 突然の私たちの登場にユーノくんが目を丸くします。

「いいから、ヴィヴィオが?!」

「ああ」

 クロノくんが頷きます。

「今からみんなを集めて話す」










 そして、ブリーフィングルームにアースラチームを初め、チームリーダーたちが集められました。

 クロノくんが咳払いをします。

「全員に報告がある。皇帝と聖王の婚約が発表された」

 クロノくんの言葉にざわめきます。

 そして、モニターに一人の少女とその隣に一人の男性が写りました。え?

「な、なんでヴィヴィオが聖王モードに!? 」

 そう、画面に写ったのは、二年しか経ってない筈なのに、大人の姿をしたヴィヴィオが写っていました。

 もう一人の人物は、銀色の髪をオールバックに纏めた壮年の男性、記録で何度か見た皇帝です。

「わからない。ヴィヴィオに対応するレリックは破壊されたはずなんだが、そして、これも見てくれ」

 次にクロノくんが写させたのは、えっ?

「ゆり、かご?」

 そう、画面に写ったのはミッドチルダの空に浮かぶゆりかごでした。

 ただし、あちこちのユニットが脱落しています。

「ああ。恐らく、ベルカ時代に大破した艦を修復していると思われる」

 進行度は二割程度だろうとクロノくんが補足します。

 ゆりかご、それなら聖王が必要なのはわかります。でも、そんなことをわざわざ公表するってことは……

「さらにこれから二日後に婚約記念としてパレードが行われる。恐らくそれも罠だ。聖王とゆりかご。二つのピースが揃う前に短期決戦を狙うこちらを一網打尽にするためのな。だからといって、このまま、手を拱いていたら、いずれにしろ僕らの敗北は必死だ」

 クロノくんの言葉にみんなが静かに頷きます。

 許さない。ヴィヴィオをまたゆりかごを使うための道具にするのは。

「そこで、我々は近々行われるパレードを強襲。ヴィヴィオを奪還する。すずか、TDD-1の進捗状況は?」

「艤装は八十パーセント完了。武装はいくつか間に合わないけど、殆ど自衛用のお飾りだから現状でも作戦行動は可能だよ」

 そうか、とクロノくんは頷く。

「なら、これから三十六時間後に作戦を決行。各自、準備を入念に行ってくれ」

 クロノくんの言葉にみんなが力の入った返事を返す。

 ヴィヴィオ。すぐに助けに行くよ!












ヴィヴィオside

 私はじっと椅子に座ったまま、今度のパレードの段取りを黙って聞いてました。どうせお飾りとして座るだけなんですから。

 そして、終わり際に、

「母上様の身柄がこちらにあることは努々お忘れなく」

 その言葉に私はその背中を睨み付けるけど、そんなことを気にせず、担当の男は部屋を出て行きました。

 一人になって、私は自分の身体を見る。

 無理やりこの身体にされて、もう一年。最初の頃に感じた違和感も、身体の痛みも、もうありません。

 私は大丈夫だよママ。ママを助けるためなら、なんだってできるから。














なのはside

 私たちはすずかちゃんとリインが設計し、改造した次元航行艦に乗りました。

「みなさん、よろしいですか? では、トゥアハー・デ・ダナン 出航します!」

 ルキノの言葉と共に強襲揚界次元航行艦トゥアハー・デ・ダナンが次元世界を跳びました。

 私は久しぶりに見る次元空間を眺めながら、レイジングハートをいじっていました。

「なのは、不安?」

 と、ユーノくんに指摘されてびくっと震えてしまいます。

「う、うん。正直不安かな?」

 ユーノくんの言葉に頷きます。

 ヴィヴィオは大丈夫でしょうか? 酷い目に合わされていませんでしょうか? そもそも、いまさら助けに来た私を拒絶したりするんでしょうか?

 不安で不安でたまらない。

 そしたら、ぎゅっとユーノくんが抱きしめてくれました。

「大丈夫。なのは。なにかあったら、僕も一緒に背負うから」

 その言葉に安心しました。

 やっぱり優しいなユーノくん。

 安心してユーノくんに寄りかかっていたら、頭を小突かれました。振り向くと、フェイトちゃんとアリサちゃんにすずかちゃん。どうやらアリサちゃんに小突かれたみたいです。

「まったく、あたしたちも忘れないでね」

「なのはちゃんの子供なら、私たちの子供でもあるんだから」

 と、アリサちゃんとすずかちゃんが笑います。

 二人とも……

「そうだよ、なのは。ヴィヴィオはきっと大丈夫だから、助けてあげよう」

 フェイトちゃん。

 そうだね。その通り。

 絶対にヴィヴィオを助けてあげよう。そして、アリサちゃんとすずかちゃん、新しい家族を紹介してあげよう。








 

 そして、待機していた艦隊の目を掻い潜り、私たちはミッドの地に再び戻ってきました。

 帰ってきたんだ。ミッドチルダ……

 みんな感慨深そうに、中には泣いてしまう人もいましたが、すぐに涙を拭い、前を見ます。

 目の前にパレードが広がってました。全員がデバイスやそれぞれの装備を展開します。

「作戦開始!!」

 クロノくんの号令に私たちは飛び出しました。










 突然の強襲に浮き足立つ人間を尻目に、自動兵器が私たちの前に立ち塞がります。私たちはそれらを打ち払い前進します。

 だけど、そこに、

「ディバインバスター」

「柴電一閃」

 抑揚のない、聞き覚えがある声。スバル! シグナムさん!!

 同じ仮面を被り、ヴィヴィオに向かう私たちに迫る二人。

 一瞬竦む足、でも、前に踏み出し、デバイスを向けようとして、

「はああ!!」

「うおりゃあ!!」

 二つの影が割って入りました。

 トーマ! ヴィータちゃん!!

「ここは、俺たちが!!」

「先に行け!!」

 うん!!

 さらに前進する。

 でも、その先に何体もの大型の自動兵器が……

『コール・フェニックス!』

 二つの声が重なりました。

「アァァカシックバスタアァッ!!」

「ブレイブフェニックス!!」

 二体の不死鳥が私たちの横を通り抜け、敵を焼き尽くす。

「行け、なのは、ユーノ!!」

「行きなさいなのは、ユーノ、フェイト!!」

 お兄ちゃん! アリサちゃん!!

「邪魔は……させない!!」

 すずかちゃん!

 道をまた塞ごうとする自動兵器をすずかちゃんが撃ち抜く。

 開いた道をさらに進む。

 見えた、ヴィヴィオ。

 私は息を吸い込んで、

「ヴィヴィオーーーーー!!」











ヴィヴィオside

 私は特に感慨も浮かべずに、目の前の戦いを眺めます。

 帝国の反対勢力がこの機会に乗じて攻撃してきている。狙いはきっと皇帝、そして、私……

 ゆりかごを動かせる私を殺すか奪うつもりなんだろう。

 別にそれでもいいと思いました。どうせ、皇帝の妃という名の人形になるくらいなら……

 でも、できたらママを助けてからが……

「ヴィヴィオーーーーー!!」

 え?

 確かに聞こえました。

 聞き間違い。いえ、そんなことありません。私が……ママの声を聞き違えるなんて!

 そして、見えました。目の前に、翠色の光と金色の光、……ピンク色の懐かしい光!!

「ママ!!」

 私は立ち上がろうとして、皇帝に阻まれました。

「騙してたんだね!!」

 私が睨み付けるけど、皇帝は涼しい顔で目の前の戦いを見ます。

「ふむ、思ったよりも早いな。まあ、自動兵器では足止め程度とはわかってるが、これほどとは……しかし、一艦だけとは、艦隊は気づかなかったのか?」

 腰に差していた剣型のデバイスを引き抜く皇帝。

 皇帝がママを迎え撃ち……その剣が二つの剣に阻まれました。

「なのはの!」

「邪魔はさせない!!」

 フェイトママ! ユーノさん!!

 二人の剣が皇帝を足止めします。

 その間に、ママが横をすり抜け、私に向かってきます。

「ヴィヴィオ!!」

 ママが手を伸ばす。

「ママ!!」

 私はその手を掴みました。














なのはside

「ママ!!」

 ぎゅっと私は伸びたその手を握り締め、ぐいっと引っ張り、抱きしめます。

「ヴィヴィオ、ヴィヴィオなんだね!!」

「うん、ママ、私だよ。ヴィヴィオだよ」

 視界が涙であふれる。ヴィヴィオ、確かにこの腕の中に私の大切な娘がいる。それが、嬉しくて、涙が溢れて……

 私たちの横にユーノくんが叩きつけられた。

「感動の再会の最中に申し訳ないんだけど……早く撤収しよう」

 あ、ごめんなさい……

 私とフェイトちゃんで砲撃を撃って皇帝を牽制、フェイトちゃんがユーノくんを支えて、発光弾を打ち上げてから、私たちは合流地点へと向かいました。

 皇帝に借りを返すのはまた今度なの。















トーマside

 やっと、やっと会えた。スゥちゃん。

 仮面に包まれた顔。でも、その顔がすごく優しい笑顔を浮かべることは知ってる。

「今、助けるから!」

『うん、助けようトーマ!!』

 俺の中のリリィに強く頷く。

 ギンとディバイダーとリボルバーナックルが噛み合う。

 そのまま、弾いて距離を取る。

 クリムゾンスラッシュを飛ばす。それをプロテクションで受けるスゥちゃん。

 だけどそれを破壊し迫る斬撃を、リボルバーナックルでスゥちゃんはガード。ナックルに傷が入る。

 お母さんの形見に傷をつけてごめん、それでも今は!

 スゥちゃんが左腕にスフィアを形成、たぶん、前に見せてくれたディバインバスター!

「リリィ!」

『うん!!』

 スゥちゃんに向かって前進しつつ、リリィの調整を俺からも手伝う。使うのは……

『ディバイドゼロ・エクリプス!!』

 範囲を狭くし、できる限りスゥちゃんだけに向けて死なない程度に威力を絞る。

 スゥちゃんのスフィアが『分断』され、膝が折れる。よし!

 俺はそれでスゥちゃんの動きを止められたと思って、右手を伸ばして、

「振動拳」

 スゥちゃんの拳が迫る。とっさにその拳を左手で持ったディバイダーで受けて、刃が半ばから折れた。

「ぐ!?」

 威力を下げすぎたか?!

 振動拳の影響か、左腕が痺れてディバイダーを取り落す。

『トーマ!!』

 そのまま、拳が迫って……俺の顔の横を一発のオレンジ色の魔力弾がすり抜けて、スゥちゃんの仮面に直撃する。

「行きなさい!」

 ティアナさん!!

 背中を押され、俺は咄嗟に取り落したディバイダーを蹴り上げて右手で執る。

「はあああああ!!」

 そのまま、刃を振った。

 手応えはあった。スゥちゃんの仮面が切れる。

 アリサさんの報告では、この仮面にダメージを受けた途端にスゥちゃんが苦しんだって聞いていた。

 なら、この仮面になにかがあるはず!!

「あああああああああああ!!」

 そして、半分に分かれた仮面が落ちると同時に、スゥちゃんが絶叫を上げた。

 そのまま、どこかに走り去ろうとして、

「逃が、すかあああ!!」

 遮二無二にスゥちゃんを羽交い絞めにして動きを止める。

 暴れるスゥちゃんの肘や頭突きが入るけど、気にしない。

「リリィ!」

『うん!』

 二度目のディバイドゼロ・エクリプス。

 今度はさっきよりも強めにして、スゥちゃんから力が抜ける。

 そのまま俺も尻餅をつく。

 本日二度目のゼロ……正直、体がしんどいくて堪らない。これ以上は無理だ。

『お疲れ様トーマ。でも』

 ああ。

 ぎゅっとスゥちゃんを抱きしめる。

「ごめん、こんな風にしか助けられなくて」

 スゥちゃんに謝る。と、ばしっと後頭部を叩かれた。

「感傷に浸るのはいいけど、さっさと逃げるわよ!」

 ティアナさんに言われて周りを見れば、迫る自動兵器。

 や、やばい!

 俺とティアナさんは気絶したスゥちゃんを連れてその場を脱出した。














再びなのはside

 デ・ダナンに乗り込む私たち。

「急速離脱!!」

 クロノくんの号令とともに、デ・ダナンは再び次元空間に飛び込みました。

 待ち構えていた艦隊からの集中攻撃に晒されます。

「前面に防御フィールド集中!!」

 すずかちゃんが目の前からの攻撃だけを防ぐようにシステムを調節。

 艤装を急いだせいで、この艦は最低限の武装しかない。艦隊と戦うなんて無謀極まりなく、となれば、この艦の最大の武器である速度を生かした逃げの一手しかない。

 最大船速で進む艦。脇目も振らずに突き進む。

 少しずつフィールドの範囲を変更するすずかちゃん。艦を必死に操舵するルキノ。

 そして、相当なダメージを受けながらもトゥアハー・デ・ダナンは包囲網から抜け出しました。












「ゴルド部隊は全滅、ウルズチームも二名やられ、他にも重軽傷者は多数。ダナンも、ダメージ多数で、ステルス性は六十パーセントまでダウン、船速も四十パーセント、稼働率は五十パーセントかそこらだ」

 クロノくんが被害を読み上げる。

 そう、なんだ。

 現在、デ・ダナンは帝国から隠れるため、辺境の次元世界に身を隠しています。

 その間に、ヴィヴィオと、トーマが助けたスバルの診断がされました。

「わりい、シグナムは助けられなかった。敵になってわかったけど、やっぱり強いよあいつは」

 とヴィータちゃんがシャマルさんに謝るけど、いいのよとシャマルさんは笑います。

「とりあえず、診断した結果だけど、スバルの命ち別状はないわ。暗示にかかっていた痕跡はあるけど、相当精度がよかったみたいで、たぶんすぐによくなるわ。ディバイダーでの『分断』も心配しなくていいわ」

 そっか安心した。助けた当人のトーマもほっとしてる。

「それから、ヴィヴィオなんだけど……もう、子供に戻れないわ」

 え?

「どういう、ことですか?」

 私の問いかけにシャマルさんが言いづらそうに顔をそらす。

「その、どうやらあの姿は聖王モードじゃない……無理やり投薬やらであの姿まで成長させられたみたいなの」

「なんで!」

 私は身を乗り出す。

 無理やり大人にされたって……どうして!!

「……たぶん、見た目の釣り合いよ。ヴィヴィオが子供のままじゃ例え聖王とはいえ、皇帝は内外に示しがつかなくなる。だったら、聖王モードに頼らず普段から大人の姿にしようと考えたんでしょ」

 吐き捨てるようにシャマルさんが答える。

 そん、な……

 私はその場に崩れる。

「どうにも……ならないんですか?」

「どうにかなったら、人類は若返りっていう永遠の夢を手に入れることになるわね」

 シャマルさんが悲しそうに告げる。トーマが悪態をついて壁を殴る。

 その時、しゃあっとカーテンが開けられました。

「ヴィヴィ、オ?」

 聞いてたんだ。

「大丈夫だよママ」

 ヴィヴィオが笑う。

 大丈夫って……

「このくらいじゃ私へこたれないよ。それに、早く大人になりたいって思ってたし、これならママたちの手伝いもできるし……泣かないって約束したから」

 だんだんとヴィヴィオの声が弱弱しくなる。

「ヴィヴィオ!」

 そんなヴィヴィオを私は抱きしめる。

「無理しなくていいんだよ? 泣いてもいいんだよ?」

 だって、本当はまだヴィヴィオは子供だから。

 ぽろぽろとヴィヴィオが涙をこぼす。

「うああ、ママ……やだよ、いきなりこんな、こんな……」

 うんうんとヴィヴィオの頭をなでる。

「うあああああああああああああああ!!」

 泣き続けるヴィヴィオを私は抱きしめ続けました。












 そして、泣き止んだヴィヴィオを離す。

「そうだ、ヴィヴィオ、新しい家族ができたんだよ?」

「新しい、家族?」

 そう聞いてヴィヴィオは私のお腹に視線を向ける。

「あ、そっちはまだかな? 入ってユーノくん」

 私が呼びかけると、ユーノくんが医務室に入ってきました。

「やあ、ヴィヴィオ」

「ユーノさん?」

 ヴィヴィオが目を丸くします。

「そのね、ユーノくんは今、私のご……恋人さんなんだ」

 慌てて言い直します。ご主人様は子供にはちょっと早いよね。

 はーとヴィヴィオはユーノくんを見て、

「やっとパパって呼べるんだ」

 その言葉にユーノくんは恥ずかしそうに笑います。

 やっとってどういう……まあそういうことなんだよね? 娘にもそんな風に思われてた昔の私って……

「あと、それから……」

 と、後ろを見れば、きらんと光る六つの目。ちょっと怖い。

 入ってきてと言えば、しゅばっと音を立てそうな勢いで三人が入ってきた。

「ヴィヴィオ、ごめんね助けるの遅くなって!」

「フェイトママ!」

 ぎゅうっとフェイトちゃんがヴィヴィオを抱きしめる。

「こんにちはヴィヴィオちゃん!」

「さすがはなのはの子ねヴィヴィオ。親を心配させまいと立派だわ」

 ぐっとアリサちゃんが笑う。

「アリサおねえちゃんとすずかおねえちゃん?」

 二人の登場にヴィヴィオが驚きます。

「実はね」

「私たちもユーノの恋人なのよ」

 アリサちゃんとすずかちゃんの言葉にヴィヴィオが目を丸くします。

 そして、フェイトちゃんに顔を向ける。その眼は違うよね? と訴えていますが、フェイトちゃんは苦笑して、

「ごめんねヴィヴィオ。私もなんだ」

 それを聞いた途端、ヴィヴィオは若干軽蔑の混じった目でユーノくんを見ます。

「ユーノさんって……実は女ったらし?」

「ぐはあ!!」

 気にしていたのか、ユーノくんはヴィヴィオの言葉に血涙を流しながら倒れました。

 ヴィヴィオ、なにもそんなストレートに言わなくても……あと、パパじゃないんだね。

「ごめんねパパ。ヴィヴィオは気にしないから」

「うん、ありがとうヴィヴィオ……」

 あはは……

 ヴィヴィオに肩を叩かれるユーノくん。そんな変な構図にみんなが笑いました。










強襲揚界次元航行艦 <トゥアハー・デ・ダナン>
すずかがリインの「敵に隠れながらみんなを運べないか」というアイディアを元にXV級の船体と部品を流用し改良を施した艦。
これまでの次元航行艦の倍の航行速度と高いステルスシステムで、敵中枢を強襲する電撃作戦を可能にした艦。
反面、武装は貧弱で、防御フィールドの範囲も限定されている。



~~~~
ヴィヴィオ奪還の話です。そして、スバルも。
さてと、どうやってユーノに手を出させるか……てか、このユーノって割とあっちの欲望に忠実w
トーマに関してですが……完全に勢いです。だって、三巻の間ずっと暴走しててちゃんと制御できる姿や、能力について描いてくれないんですもん。
てか、なのはさんたちあれ殺る気満々でしょ?

アカシックバスターは声優ネタです。魔装機神での初期ヴァージョン(魔方陣から炎の鳥を打ち出す方)をイメージしていただければ。
トゥアハー・デ・ダナンも若干声優ネタですw
ちょっと悪ノリしすぎたかな?

もう一つ報告です。とらハ版の『司書長と聖王』完結しました。



[24871] 第十二(大修整)
Name: 裏・空の狐◆f3b7bcd6 ID:c8e9b849
Date: 2012/06/12 22:42
「ママ、私、どうすればいいのかな?」

「ママにもわからない。だから、ヴィヴィオがよく考えて自分で決めなさい。これからどうしたいか、どうするのか。私も一緒に考えるから」

 助けられた日、ママは私にそう言ってくれました。










 どうしたいのか、言われても私はよくわからず、数日を過ごしていました。

「あれ、ヴィヴィオ?」

 たまたま廊下を歩いていて、かけられた声に振り返ると、そこに一人の男の子がいました。

 あれ? えーっと……見覚えがある気はするのですが、誰だかわかりません。

「誰?」

 私の問いに彼はちょっと残念そうに笑います。

「俺、トーマだよ。トーマ・アヴェニール」

 トーマ……あ!

 思い出しました。スバルさんがお世話をしていた男の子で、私も何度かあったことがあった。

「え? トーマなの?! ひ、久しぶり!!」

 本当に久しぶりです。その私の反応にトーマは笑っています。

 なんていうか、言われるまで気づきませんでした。背も高くなってるし、雰囲気も違うし、なんか……かっこいいし。

「うん、久しぶり。その、話は聞いたんだけど、大丈夫?」

 その問いに私はこくこくと頷きます。うん、大丈夫。ちょっと戸惑っていますけど、全然平気です。

 それによかったとトーマが笑います。

「俺もレジスタンスに参加してるんだ。だから、これからよろしく」

「う、うん」

 差し出されたトーマの手を取ります。うわ、大きくて硬い。なんていうか、戦っている人の手みたいです。

「じゃあ、俺スゥちゃんのお見舞いに行くから」

 それから、トーマはスバルさんのところに行こうとするんですが、

「あ、あの、トーマ!」

 ちょっと気になったことがあったので、呼び止めました。

「なんでトーマはここにいるの?」

 そう、なんでトーマはここにいるんでしょうか?

 前にトーマとあった時は、その普通の少年でした。いえ、境遇は知っていますから、普通であろうとする少年と言ったところでしょうか?

 そんなトーマがなんでこんなところに? そんな私の問いにトーマは困ったように笑うと、

「奪り返したいから、かな?」

 奪り返したい?

「最近、わかったことなんだけど、俺って日常が好きだったんだ。スゥちゃんたち、みんなで過ごす日常が」

 静かにトーマは語りだします。それを、私は黙って聞きます。

「でも、それは奪われた。俺の大切なものは。だからって、諦められないだろ、ああそうですかなんて思えるわけないだろ」

 そう、トーマはまだ諦めてない。だから抗うって言っている。

「スゥちゃんは助け出した。まだお姉たちも捕まっている。だから、助け出すんだ」

 ぎゅうっとトーマは拳を握りしめるのでした。

 奪り返す、か……










 トーマと話した後、私は考え込みました。

 私は特にここでする事が、ありません。身体は大人でも、中身は子供ですから、させようとしないのは当たり前と言えば当たり前だけど。

 だから、考える時間はありました。そして、考えた末の私の答えは……

「奪り返したい」

 平和な世界で家族仲良く暮らしたい。こんな体になっちゃったけど、できたらちゃんと学校通って、友達を作って、そして、そのうち弟や妹ができたらお姉ちゃんとして頑張る。

 そんな未来をママたちと一緒に作る。そのために、ママたちと一緒に戦う!

 まあ、戦うと言ったらなんか言われそうな気もしますが、ママたちは私にしたいことをしなさいって言ってるし、うん大丈夫。

 そうと決まったらすずかママにデバイスをお願いしなくちゃ!












 というわけで、私はすずかママの研究室まで来ました。

 一度、すうっと息を吸ってから、渡されていたカードキーを使って部屋に入ります。

「すずかママ、お願いがあるんだけど……」

 って、あれ? すずかママいない。もしかして訓練室かなあ?

 と、私はUターンしかけ、奥でごそごそ物音がしているのに気づきました。

 もしかして、奥の倉庫にいるのかな? 私は部屋を出ずに、そっちに行ってみる。

 そして、倉庫の中を覗き込んで、慌てて口を押えました。

 だ、だって、奥の倉庫で、すずかママがユーノパパと抱き合っていたんだもん!
 そっと私は覗き見します。え、えっと、そういうの気になるお年頃なんだもん!!

 そこで、なにかおかしいのに気づきました。

 最初、すずかママがユーノパパの首筋に顔を埋めてるように見えたけど、なんか違います。よく見れば首筋に噛みついてる?

 じゅる、ぴちゃっとなにかを啜るような音も聞こえます。

 な、何をしてるの?

 そして、すずかママがユーノパパの首筋から口を離すと、その歯が、ユーノパパの首筋が紅いのに気づいてしまいました。な、なんで?

「はあ、ごめんねユーノくん。やっぱり、一度味わうと輸血用って不味く感じちゃって」

 ゆ、輸血? と言うことは、あれって……

 すずかママってなんなの?!

 はは、っとパパが笑います。

「僕は構わないよ。それに、すずかが僕のに夢中なら嬉しいし」

 もう! っとすずかママがパパを叩きます。こ、このバカップル!

 で、でもとりあえず今見たのがなんなのかはまた今度聞くことにします。別に怖いわけじゃないよ?

 では、私はちょっと距離を離して、

「すずかママ、いるー?」

 ママを呼びました。















「ごめんね。ちょっと倉庫にものを捜しに行ってたんだ。で、ヴィヴィオちゃん、用事はなにかな?」

 と、倉庫から出てきたすずかママに尋ねられました。よ、よかった気づかれてないみたいです。

 よ、よし! さっそくすずかママにお願いするよ。

「わ、私用のデバイスを作ってください!」

 パパはえ? と声を上げて、すずかママは、驚いたように目を丸くしてから、小さく笑いました。

「どんな、デバイスがいいのかな?」

「すずか?!」

 ユーノパパがすずかママに振り向きます。

「い、一番良いデバイスを頼みます」

 具体的なイメージが出なかったから、ついそう言っちゃったけど、すずかママはニンマリと笑うと、「聖王は言っているスゴいのを造れと」と言って図面を引き始めました。

「ちょ、ちょっとすずかいいの?!」

 慌ててユーノパパがすずかママを止めようとする。

「うん、だって私たちといるなら護身用にデバイス必要かなって思ってたし。ちょうどいいかな」

 う、っとパパが唸る。

 ま、まあ確かにそういう意味でも必要かも。でも、私はみんなと戦いたいのに。でも、それは言わないでおこう。

 自分で決めなさいって言ってたけど、本当のこと言ったら反対されると思うしね。

「そ、それもそうだね」

「というわけで、あとでなのはちゃんとフェイトちゃんの説得手伝ってね。あの二人少し過保護すぎるから」

 パパは了解というと、恭也おじちゃんとの訓練だからと部屋を出ていきました。

 それをすずかママは見送って、

「ヴィヴィオちゃん、本当は戦いに参加したいんでしょ?」

 ぎくう!!

 ば、ばれてた?

 にこっとすずかママが笑う。

「ヴィヴィオちゃん、一つ約束して」

 約束?

「絶対に無理はしないこと。いいね?」

 真剣な言葉でママは言いました。

 そのママの言葉に私は頷きました。うん、大丈夫。ママたちとこれからも一緒にいたいから、無理なんかしないよ。










 そして、晩御飯の時間、

「あれ? すずかちゃんは?」

「ああ、研究室で新しいデバイスの設計をしてるよ」

 すずかママはまだ研究室にこもっています。

「あ、またなんだ」

「夢中になると止まらないもんねすずかちゃん」

 やっぱりそういうタイプなんだすずかママ。

 そして、ママたちにあーんされるパパと言う相変わらず砂糖がだばだば出そうな光景を眺めながら食後のコーヒーをいただきます。

 こっちに来てから毎日ブラックです。大人の体というのもありますが、目の前のあれで糖分は充分過ぎます。

 席変えようかなあ?

 なんてちょっと考えてたら、たまたまトーマ、エリオくんにキャロさん、それから、一人知らない女の子が一緒にご飯を食べているのを見つけました。

 チャンス!!

「あ、トーマたちいるんだ。一緒に食べてくるね!!」

 そう言って私はそそくさとトレーを持ってトーマたちの席へと向かいました。












「一緒にいいかな?」

「あ、ヴィヴィオ、いいよ」

 すぐにトーマはいいよと言ってくれました。

 ふう、よかった。私は安心して空いている席に腰かけました。

「はは、やっぱりあの空気はダメだったんだね」

 と、エリオくんが笑いながら、ちらっとママたちの方を見ます。

「うん……」

 ブラックコーヒーを飲みながら答えます。

 そういえばクロノさんも気をつけろって言ってましたが、あれはこういうことだったんだね。周りも砂糖吐いてるよ。

 それから、トーマの隣に座ってる知らない子がじっと私を見ているのに気付きました。

「自己紹介まだだったね。私、高町ヴィヴィオ。よろしくね」

 すると女の子が笑ってくれます。

「私、リリィ・シュトロゼック。リリィって呼んで。よろしくねヴィヴィオ」

 と自己紹介をしてから、握手を交わします。

 よかった、悪い人じゃなさそう。まあ、悪い人がこんなところにいるとは思えないけど……

 なんとなくみんなのことを見てしまいます。

 ぎこちなく義手の方の腕でご飯を食べようとするエリオくんに、それを横からサポートするキャロさん。

 トーマはリリィと仲良くご飯を食べてます。

 ……あれ? また私来る場所間違えちゃった? いえ、そんなことはない。きっと、たぶん……そう自分に言い聞かせながらご飯を食べます。

 それからだいたい食べ終わってから、

「トーマとリリィってもしかして恋人同士?」

「ぶーーーー!!?」

 ふと思って口にすると、トーマが飲んでいたコーヒーを噴き出してしまいました。

「と、トーマ、大丈夫?!」

 むせてしまって咳き込むトーマの背を慌ててリリィが撫でます。

「だ、大丈夫だよリリィ。えっと、リリィとの関係だけど、そういうのじゃないかな。俺の頼りになるパートナーだよ」

 パートナーなんだ。

 なんかリリィがどう反応すればいいのか困っているような笑みを浮かべてるけど、もしかして、リリィとしては不本意な答え?

 ま、まあ、人のことをあれこれ詮索するのもあれだし、別の話題にしようかな。

「えっと、トーマたちにちょっと相談があるんだけど」

 そして、私はママたちにはできない頼みをしました。













 訓練室。

「本当にいいのヴィヴィオ?」

 でかい剣と銃を合わせたような武器と黒いバリアジャケットのような服を着たトーマと相対します。

 そう、私はトーマたちに戦闘訓練に付き合ってくれないかと頼みました。

「うん、お願い」

 私の返事にトーマはため息を吐いてから、仕方ないと言いたげな顔をしてから剣を構えます。

「じゃあ、行くよヴィヴィオ!」

 そして、私はみんなと戦うための第一歩を踏み出しました。






~~~~
大修整しました。
とりあえず、ユーノ×ヴィヴィオは大幅カット。ちょっと無茶のあるカップリングだったと反省。



[24871] 閑話 不屈の心は折れたか? (凌辱描写あり)
Name: 裏・空の狐◆84dcd1d3 ID:a9f084e4
Date: 2011/04/16 00:25
凌辱描写ありです。苦手な方は引き返してください。















 男は苛立っていた。

 理由はたった一人の女。高町なのはだった。

 一年ほど前、彼は帝国から捕虜だった彼女を引き取り『商品』へとするつもりだった。

 だが、一年に渡る調教も辱しめも、彼女の不屈の心を屈服させるに至らなかった。

 そして、彼女の納品まですでに残り一月程度に迫っていた。すでに宣伝もしているし、競売の参加チケットも完売していた。

 このまま彼女を競売にかけることはできる。気が強く反抗的な位がちょうどいいという奇特な客もいるからだ。

 だが、そのつもりもなく出品しては、それはそれで自分が負けた気がしてしまう。別にそれで売れるのならいいが、それでも、少しばかりプライドが傷つけられるようで腹立たしかった。

 そして、考えた末に、端末を取り出した。

「私だ。あの女から服を奪った上で部屋に性欲をもて余している男を何人か惜しこんでおけ」

 それだけ伝えて男は端末を切った。

 それは男があまり好まない下の下の手段。だが、これ以上なく奴隷の精神を追い詰めるのに最適な方法でもあった。


「確かにお前の精神は頑強だ。そこは認めよう。だが、一ヶ月間ただひたすら男の性欲処理に使われて耐えられるか?」

 そして、男は陰惨な笑みを浮かべるのだった。








 まるで囚人を入れるような牢獄の一番奥、そこで、かつて次元管理局でエースオブエースと謳われた高町なのはは、幾人もの男たちによって凌辱されていた。

「ひぃ、やあああああッ!!」

 本来ならば澄んだ美しい響きである筈の声を出すであろうなのはの口から、耳をつんざく悲痛な叫びが上がる。

 膣に挿入されていた肉棒が震え、なのはの中に精を吐き出す。既に何度も射精を行われた膣穴から精液が零れゴポゴポと音や泡を立てて精液があふれ出した。

 そして、肉棒が引き抜かれれば、入りきらない精液が零れ、床に歪なアートを描く。

 やっと少しは休めるとなのはが思った刹那、その思いを踏み躙るように後ろに控えていた男がペニスを侵入させてきた。

「はぐぅ! も、もうやめてえ!!」

 だがその懇願に彼女を陵辱する男たちは攻めの手を休めたりはしなかった。むしろ、その声により一層の興奮を得て彼女を嬲る。

 同時に肛門にまで挿入され、なのはの苦痛が増す。

「くぁあ! やあああ!!」

 なのはを屈強な男二人が前後から抱き上げて前の男に膣を、後ろの男には肛門を、醜悪で逞しい肉棒で前後を犯され、なのはは悲鳴を上げる。

「この女、まじで名器だな。マンコがキュンキュンと俺のチンポを締めてやがる」

「うお、ケツ穴の締りがよくてもう出ちまいそうだ」

 ごりごりと前後を犯す男たちが口々に手前勝手な感想を漏らす。

 剛直がカリ首の辺りまでのぞき、再び根本まで押し込まれ、そのたびにパンと尻が鳴る。

 そして、男たちはさらにピッチを上げ、なのはの身体を貪る。

「うおおおお! 出すぞ!!」

「こっちもだ! 出すぞ! ケツに出してやる!!」

 びくんと男たちの肉棒が震え、ほぼ同時にどくどくとなのはの中に自分たちの欲望を吐きだした。

「ひぐ……あ、つい……」

 その吐き出された精液の熱さになのはは身震いする。

「ふう、なかなかよかったぜ」

「こっちもいい具合だったよ」

 なのはに欲望を吐き出した男達は、極上の快楽に酔い痴れ、そう漏らす。

「おい、いいのはわかったからさっさと変われよ!」

「さっきからこっちは待たされてたんだよ」

「ああ、すまねえ。すぐ変わるぜ」

 今までなのはを犯していた男たちは幾分小さくなった肉棒を彼女から引き抜くと、彼女の身体を次の男たちに譲る。

 休むことなく、また次の凌辱が始まった。








 いったい、どのくらい経ったか、なのはの身体は汚されてない場所を探すほうが困難なほどに精液を浴びせられ、汚されていた。

「ひぐ、いや、いやああああ!!」

 逞しく醜悪な肉棒に膣と肛門の粘膜を削り取られそうな勢いで抉られ、それのもたらす圧迫感と苦痛になのはが悲鳴を上げる。

「ち、うるせえな。ちょっと誰かこの口塞いでやれ」

「おう。ほら、口開けて俺のチンポしゃぶれ雌ブタ」

 と、一人の男がいきりたった肉の槍を彼女の口に無理やり突き込む。

「むぐ!! ん、ごふ!!」

 頭を固定され、男が腰を前後するたびに、亀頭に喉奥を突かれる。

 口をふさがれ、呼吸が苦しくなったなのはは、早く男を満足させて引き抜かせようと、舌を動かした。

「うお、舌が絡みついてきたぜ。へへ、お前もその気になってきたのか?」

 そんなわけではない、ただ必死ななのはの行動に男が下卑た笑みを浮かべる。

 犯される女のことなんて気にしない、自分たちが快楽を得るための行為。それになのはは快楽を得ることなんてできなかった。

「おおっ、確かにこいつぁ良い具合だ! 美味しい美味しいって俺のチンポに吸い付いてくらあ!」

「こっちもだ! チンポをうまそうに喰い締めて良いケツマンコだ!」

 男たちが蔑むように笑う。

 さらに、周りに控えていた男達もなのはを犯すものたちの興奮に煽られ、次々に自身の肉棒を手に取ると、無理やりなのはの細く長い手に自身のを握らせ、豊満な乳房に欲望を擦りつける。

 なのはは必死に男たちを満足させるために、早く終わらせたいがために、両手を動かし擦り上げ、指先で鈴口を弄り、手の平で玉袋を揉みしだく。

 それに、男はみっともない声を上げて腰を震わせる。そして、肉棒をギュっと握り締めると、前触れもなく限界を迎えた肉棒が白濁液を噴出し、なのはを汚す。

 一拍遅れて、なのはの乳房を犯していた肉棒もマシュマロのように潰された乳房の隙間から精液を迸らせる。

「くううう! 出すぞ、一滴も残さず飲めえ!!」

 そして、なのはの頭を押さえつけ、喉の奥底まで犯しながら、男はなのはに熱い奔流を吐きだした。

「んぐ! ふぐう!!」

 後頭部を押さえつけられたなのはは、喉奥を直撃した白濁液を飲むしか選択肢はなかった。

「こっちもだ! 出すぞお!!」

「はっはっは、尻とマンコ、同時に中出しだあ!!」

 前後からなのはを貫いていた二人の男も同時に彼女の体内に熱い白濁液を流し込む。

 その熱たるや、まるで体内に溶岩でも流し込まれて、内側から焼かれるような錯覚すら覚えるほどだった。

 それを感じながら、なのはの意識は遠のいていった。









 あれからどのくらいたったか、なのはが目を覚ますと、そこに男たちはそこにいなかった。

「臭い……」

 ぼそっとなのはが呟く。

 窓もない部屋には、何人もの人間が入り乱れ、汗と精液と愛液が混ざり合った酷くすえた臭いが漂っていた。

 なのはは身体を起こすと、ごぽっと膣と肛門から大量の精液が溢れだした。いや、そこだけではない、長い髪も口も、身体も白く濁った精液に汚されつくしていた。

 さらに、そばには、なのはを責めるために使われた電池切れのローターやバイブがいくつか転がっている。

「うっく……ひく」

 男たちがいないのに安心すると同時に、自分の身体が汚されつくした絶望でなのはは泣きだした。

 この部屋にどのくらいいるのだろうか、なのはには時間すら分からなくなってきた。だが、酷く長い時間が経っているように思え、それが、なのはの心を苛む。

 これまでの一年、プライドも人間としての尊厳も何もかもが否定され、無理やり性技を覚えこまされた。それでも、この地獄から抜け出せるとなのはは信じていた。

 いつか助けが来ると信じていた。きっと、フェイトやはやてが……ユーノが自分を助けてくれると、それがなのはの心を守っていた。

 だが、もう来ないんじゃないか。みんな捕まってしまったんじゃないか? となのはは思い始めていた。

 それでも、なのはは信じたかった。きっと助けが来てくれることを。

 そこで、扉が開いた。

 男たちが戻ってきたと思い、せめて弱みを見せぬために、なのはは涙をぬぐい、扉を睨む。

 だが、入ってきたのはまだ、まだ幼い、子供といっていい少年だった。少年は頻りになにかを気にしながら部屋に入る。

(もしかして、助け?)

 とてもじゃないが、今までの男のように自分を犯せるような人間じゃないように思え、一瞬なのははそんな希望を思い描いた。

 だが、現実はどこまでも残酷だった。

「へへ、いつも雑用でこき使われてるんだ。こんくらいご褒美があってもいいだろ」

 そう呟きながら、少年はなのはを押し倒し、無理やり足を広げさせた。

「い、いやあ!!」

 助けじゃなかった。それどころか、そんな子供まで自分を犯そうとする事実になのはは悲鳴を上げる。

「う、五月蠅い! 静かにしろ!!」

 少年はそう言ってなのはを押さえつける。

 長い凌辱により弱ってしまったなのはの力では、同年代と比べれば少し力のある程度の少年ですら跳ねのけることはできなかった。

 少年はズボンを下ろし、いきりたったものを出すと、すぐ肉棒をなのはの中に捻じ込んだ。

「うわあ! なんだこれ。す、すげえ! すげえ気持ちいい!!」

 少年は初めての肉の悦びに、得も言われぬ未知の快楽に少年は呻くように言葉を漏らす。

 そして、少年が腰を前後させ始め、まだ幼い肉棒が出入りするたびにぐちゃぐちゃと精液と愛液の混ざった液体が隙間から溢れ、淫猥な水音を響かせる。

 さらに、なのはの豊かな乳房を乱暴に揉みしだき、その先端にあるピンク色の乳首に吸い付く。

 そして、少年はがむしゃらになのはの膣を抉り、

「ううう、出る!!」

 どくどくと肉棒から精液を迸らせた。

「あ、うう、出てる……」

 だが、それだけでは終わらない。旺盛な性欲と体力で少年はなのはの身体を貪る。

 出し終われば、また少年は動き始める。今度は見よう見まねで、なのはの足を抱えるようにして動く側位の体勢で。

「はあはあ、気持ちいい気持ちいい」

 ただ本能のままに腰を動かし、幼いが、逞しい肉棒で幾度もなのはの中をかき回す。

 頭の中を焼き尽くすような快感の濁流に少年は溺れ切っていた。そこにいるのは幼くとも憐れな雌を貪る悦びを知った一匹の雄だった。

 そして、またどくんと少年がなのはの中に精を吐きだす。

 その頃にはなのははぐったりと少年にされるままだった。

 わずかな希望が踏みにじられ、このような少年に犯された事になのはの精神には大きな亀裂ができていた。

 そして、

「おい、なにやってるんだ?」

 少年がなのはのに四度目の精を放った時、男たちは戻ってきた。

 なのはの身体に夢中になって時間を忘れていた少年は、男たちを見て顔を蒼くした。

 そして、男たちによって少年は乱暴になのはから押しのけられる。

「さて、じゃあ続きと行こうか」

 男たちが下卑た笑いを上げる。それに精神に亀裂が入ってしまっていたなのははついに涙を零す。

「いやあ……いやあああああああ!!」

 そして、再びなのはは圧倒的な凌辱の渦へと引き込まれた。










『やあ、いやああああ!!』

 泣き叫びながら男を拒絶するなのは。男はその様子を満足そうにカメラで見ていた。

 ここ一カ月、ずっとなのはを犯させ、心身ともに弱らせようと試みてきたが、遅々として進まなかった。

 最後の手段も効果がなかったと、男は素直に負けを認めようと思っていた。しかし、あの少年がなのはを犯してから、明らかになのはの反応が違った。

 あの少年がなにをしたのかはわからないが、これで数日後にはなのはを『商品』にできる。少しくらい待遇の改善を考えてもいい、と男はほくそ笑んだ。









 なのはは部屋の片隅で膝を抱え泣いていた。

 数日後、自分が売りに出されることを知ったからだ。

 もう、なのはは諦め始めていた。自分が助けられることを。

「ヴィヴィオ、フェイトちゃん、ゆーのくん……会いたいよお」

 せめて最後にこの三人には会いたい。そう思うが、今のなのはにはそれも叶わない望みだった。

 だが、彼女はまだ知らない。数日後、自分が今名前を言った中の一人に助けられることを。







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エロ描写練習&以前あったリクがベースです。
にしても、コメントないのは寂しいっす。アリサ編駆け足過ぎたのかなあ?


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