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[2240] 闇と罪と本の旅人 第2部
Name: ふぁいず
Date: 2005/05/20 21:54
スレッドが50を越えましたので新しいスレッドを立ち上げます

※注意

当SSはフィクションです
お話の中に出てくる行為には犯罪に値する物も含まれています
決してまねをしないでください



[2240] Re:闇と罪と本の旅人 第2部 16
Name: ふぁいず
Date: 2004/03/10 23:49
第16話


贖罪は進む
でも、それとは無関係に時間も進んでいる・・・



[2240] Re[2]:闇と罪と本の旅人 第2部 16
Name: ふぁいず
Date: 2004/03/10 23:53
「ん・・・」


いつもの習慣で夜明け前に目がさめる。
なぜか、制服のままで寝ていた。
制服は皺だらけになり、下着をはいていなかったが・・・
首を横に向けると隣にシンジが下半身丸出しで寝息を立てていた。


そうだっけ・・・
私・・・シンジに犯されたんだ・・・
起き上がろうとしたその時、
「うっ・・・」
股間に痛みが走った。
まだ何か入っているみたいな感覚・・・
後で洗濯しなきゃ。
血が混じった染みがついたシーツを見つめ、私はそんなことをぼんやり考えていた。





シャワーを浴びると頭がはっきりとしてきた。
夕べのこと・・・そして、一昨日のこと。なぜ昨日は思い出せなかったのかはわからない。
ケンちゃんが何かしたのかもしれない。
ほっといてくれれば、あのまま壊れることか出来たのに・・・


今はあの時みたいに笑いがでてこない。なぜか冷静でいられた。
もう・・・後戻りできない。
いや、とっくにそうだったのかもしれない・・・


ゴポッ


小さな音を立てて、白いものが股間から流れ落ちた。





にゃー・・・
『嬢ちゃん・・・』
シャワーを浴びて新しい制服に着替えているとケンちゃんが現れた。
『遅かったみたいやな・・・』
「そうだね・・・何処行ってたの?」
『客人、迎えにな・・・すっぽかされてしもうたが・・・あのアホが!』
イラついたように耳の後ろを後ろ足で掻くケンちゃん。
「ケンちゃん、一昨日の夜、私になにかしたでしょ。」
『な、なにかって・・・なんや』
ふーん、とぼけるんだ・・・
「いいけど・・・私思い出したから、一昨日のこと全部。」
『な・・・』
「大丈夫、まだ壊れないよ・・・これからもっともっとシンジが私を汚してくれるから。」
『じょ、嬢ちゃん・・・』




キッチンで朝食の準備をしていると背後で物音が・・・シンジだった。
「おはよう・・・」
私が声をかけるとシンジは何故かおびえた表情をしている。
「どうしたの?」
今日は何をして私を壊すの?


でも・・・


「ご、ごめんなさい!」


えっ・・・


「ご、ごめんなさい!ぼ、僕っ・・・先に行きます!!」


そう言うとシンジは鞄を持って出て行ってしまった。


なにそれ・・・


私はその場に立ちつくしていた。お鍋のぐつぐつ言う音だけが響く。


なによそれは!





私は久しぶりに一人で登校していた。
シンジはまた気弱な性格に戻っている。
夕べ私をレイプしておいて・・・
勝手に後悔して、嫌われるのを恐れて・・・
私から逃げてる。


許さない・・・
今更私から逃げ出すのは・・・
シンジには最後まで私とつきあってもらう。私の贖罪に・・・





学校に着いた私はシンジを捕まえることができなかった。
いや、アスカも綾波もいない。


ウゥーーーーーーーーーーーーーーーーー


使徒?!
サイレンが鳴り響く中、私はもう一つの現実を思い出した。





「第3新東京市から退去命令が出ました。各自、直ちに下校して家族の皆さんと避難してください。」
学年主任の先生が放送で生徒に伝えている。
「みんな!気を付けて帰って!・・・赤木さん?」
クラスのみんなに指示を出していた洞木さんが私を見つけてきた。
「どうしたの、赤木さん。早く避難しないと・・・」
「うん・・・お姉さんに連絡したら避難する・・・」
「本当に?」
「うん・・・」
洞木さんはまだ何か言おうとしていたが
「お姉ちゃ~ん」「ヒカリー」
「あ、ノゾミ、お姉ちゃん。」
姉妹かな?
「ごめんなさい、私行かなきゃ。でも赤木さんも早く避難してね。」
「ええ。気をつけて。」
「赤木さんもね。」
洞木さんは何度も私を振り返りながら走っていった。




私は携帯を取り出す。
『ユイ?』
すぐに姉さんが出た。
「姉さん・・・使徒が出たの?」
『ええ、今回はちょっと危ないのよ。ちゃんと避難してる?』
「ううん・・・まだ学校・・・」
『何やってるの!早くなさい!』
怒鳴られた。
「姉さんは?」
『私はここでやらなきゃならない仕事があるの。動けないわ。』
「でも・・・」
『大丈夫・・・きっとまたあえるから・・・そのために私たちもシンジ君達も頑張ってるのよ。信じなさい。』
「うん・・・」
『終わったらまた会いましょう。』
「うん・・・」


『じゃあ、また』
電話が切れた。


今度の使徒は空から落ちてくる爆弾型・・・
今のシンジが役に立つのか解らない。
前回ミサトさんが言ってたように、勝つのはほとんど奇跡に近いのだから・・・
一歩間違えれば・・・第3新東京ごとネルフは消滅する。
信じなさい・・・か・・・


結局それしかない・・・今の私には・・・
待っているのがこんなにつらいとは思わなかった。





私は教室を出た。家に帰れない人のために臨時の避難バスが出ているはず。それに乗るために。



「ネルフにいる親父から電話があってよ・・・お前だけでも生きろってさ・・・」
「やばいんだろうな。やっぱ。」


早足に廊下を歩いていると、ある教室から声が聞こえてきた。
覗いてみると3人ほどの男子生徒が逃げようとせず話をしている。
3年生かな?どうして逃げないんだろ・・・


見ていると彼らも私に気づいた。
「何見てんだよ。」
「いえ・・・避難しないのかなって思って・・・」
すると聞いてきたその男子がふんっと鼻で笑った。
「今回はやばいらしいからな・・・逃げたって同じさ。」
「どうせ死ぬなら疲れんの面倒だし。」


そんな・・・姉さん達頑張ってるのに・・・


「なに睨んでんだよ・・・」
「・・・」
「そういやお前、どっかで見たことあるな・・・ああ、こいつあの2年の碇の女だぜ。」
「あのロボットのパイロットってやつのか。」
「そうそう、あのひょろいの。」
あっはははは
下品に笑う3人。
「あんなのがロボットに乗ってんだから、ますます今回はダメだな。」
「いままで生きてたのが不思議ってやつぅ~」
「お前も物好きだよな。なんであんなのといるんだ?」


「先輩達には関係ないです・・・」
そう、あなた達には関係ない・・・
私の気持ちなんかわかるわけ無い・・・




私はその場を去ろうとした。でも・・・
「なんだよ。むかつく女だな。」
「どうせ逃げたって死ぬんだ。なら、俺たちと良いことしようぜ。」
手を掴まれた。
「放してください!」
「いいじゃんかよ。どうせ碇のやつともやってんだろ。あんなやつよりも良い思いさせてやるぜ。」
「何を?!」
私は教室に引きずり込まれ、羽交い締めにされた。
「い、いやっ!」
逃げようとあがくが全く逃げられない。


「いいじゃんかよ~お、でっけえ胸!」
「やっ、触らないで!」
無遠慮に胸を掴まれ揉まれる。男達の目はぎらついていて私は恐怖を感じた。
「や、やめて・・・」
声が震える。
「怖がんなくてもいいじゃんかよ。」
私を羽交い締めにしている男子が後ろから首筋を舐めてきた。
「ひっ・・」
ぞくっ・・・
そのまま耳まで舐められ、思わず身体が痙攣してしまった。
「お、なんだよ今の?」
「ビクビクしてたぜ。」
「すっげえ敏感じゃん。けっこうスケベなんだな。」
「ち、ちが・・・」
違う・・・とは、言えない。現に私の身体は感じ始めていた。
シンジに散々触られ続けてきた身体は簡単に反応する。
私のあそこは湿り始めていた。
やだ・・・


そして彼らの手もそこに・・・
「お~足もすべすべ。」
「んん?染みできてんぜ。感じてんじゃないの。」
「結構、好きモンだなこいつ。可愛い顔してとんでもねえな~」
スカートをめくり、言いたい放題言う彼らの言葉が私の心に傷をつける。
なのに・・・
どうして私の息が荒く、熱くなるの・・・


「ほらよっと。」
後ろにいた男が私を机の上に座らせると、両膝の裏に手を入れ足を持ち上げた。
「ご開帳~」
「い、いやっ!」
M字型に足を広げられ下着が丸見えに・・・恥ずかしすぎる。
「さ・て・と」
もう一人の男が私の下着の横に指をかけ、めくった。
「あ・・あ・・・」
日の光の下に私の秘部がさらけ出されている。
やだ・・・こんなの・・・やだ・・・


さらに私の柔らかい肉を左右に広げられた。
「お~、テラテラ光ってるぜ。」
「やっぱ濡れてんじゃん。やらし~」
「う・・・うぅ・・・」
涙が出てきた。
グチュ・・・
「ん、んんっ。」
指を入れられ、私はうめき声を上げた。
夕べシンジに貫かれたそこはまだきつく、痛みが襲う。
「なんだ、やっぱ貫通済みかよ。」
「碇のヤツ、オドオドした顔してやることやってんだな。」


ぶつぶつ言うと彼は指を出し入れし始めた。
「くっ・・・うっ・・・んっ・・・」
鋭い痛みに顔をしかめる。しかし、しばらくすると痺れるような感覚が加わってきた。
「く・・・ん・・・んん・・・はっ・・・くんっ・・・」
「お、こいつ喘いでるぜ。」
「だいぶ遊んでんなこりゃ。」
「とんでもねえな。」
卑下した言葉で私をあざ笑う男達。その言葉も私の高ぶりを押さえることが出来なかった。
「あっ・・・ああっ・・・やっ・・・んっ・・・んっ・・・」
男の指は何時の間にか2本になり、その動きも速くなってきた。
時には、中をかき回すように指を動かす。そのたびに私は髪を振り乱して喘いでしまう。


「やっ、だめっ、だめっ、あっあっああっ!」


「ほれほれっ、いっちまいな!」
指の動きがいっそう速くなり、私の中を引っかくようにかき乱す。
「いやっ、いやいやいやっ、あ、あ゛っ、ああっ、んうっ、あぁっ!!」
浮遊感とともに頭が真っ白になり、身体を硬直させる。
そして、身体が痙攣し股間から透明な液体が勢い良く噴出した。


「うわっ、なんだこりゃ?!」
「すげー潮吹いてるぜ!」
「お~初めてみた。」


私は痙攣を繰り返すだけ。何も考えられなかった。


「見ろよ、すげーいやらしい顔してるぜ。」
「とんでもねえ淫乱だな。」
「お、俺、我慢できねえ。やっちまうおうぜ!」
男達はズボンを脱ぎ始めた。


ああ、私このまま犯されるんだ・・・
名前も知らない人達なのに・・・
これも私の罰なんだ・・・だから、このまま犯されればいい・・・
また贖罪ができる・・・フフ・・・


「こいつ笑ってるぜ。」
「へへっ、本性出たってとこだな。」
「じゃ、やっちまっても問題ねえな。」


並べた机に私を寝かせ、一人が覆い被さろうとしたその時、



ガララ
「そこまでにしといてもらえないかな。」
扉を開けて入ってきた人影があった。
「だ、だれだ、てめぇ!」
「君みたいなチンピラには良く似合うセリフだね。陳腐ってことさ。」
彼は綺麗な銀髪を掻き揚げながら冷たい微笑を浮かべている。


カヲル君・・・どうして・・・


「なめてんのか、このやろぉ!」
一人が殴りかかる。
だけどカヲル君はポケットに手を入れたまま首だけ動かして拳を避け、よろけた男の腹に膝蹴りを入れた。
「ぐへっ?!」
あっさりと昏倒する男。
「なっ?!」
「てめえっ!」
残りの二人もわめき声を上げながら飛び掛かった。
でもカヲル君の相手にはならない。数秒後には二人ともうめき声も上げず床に伏せていた。


「すまないね。校門で待っていたのだけど、君がこないので学校中捜していて遅れてしまったよ。」
カヲル君は机に横たわったままの私に近づくと、背中と膝裏に手を入れ抱き上げた。
「さて、のんびりもしていられない。避難するとしようか。」
そう言いながら出口に向かうカヲル君。扉のところでふと振返り、倒れている三人にこう言った。
「君たちも逃げたほうがいい。逃げられるものならね。」
そう言うと教室を後にした。





学校を出るとそこに待っていたのは黒塗りの公用車。ネルフの車?
「待たせたね。」
カヲル君は私を後部座席に座らせ自分も隣に座り、黒服の運転手にうなずいた。
急発進する車。学校が見る見る遠くなっていく。



私は隣に座るカヲル君を呆然と見ていた。
どうして私を待ってたの?
どうして助けてくれたの?
どうしてネルフの車に?
まさか・・・あなたは私の知ってる・・・


車が猛スピードで走り、町の境界を抜けたあたりで私は彼に話し掛けた。
「あ、あの・・・」
その時巨大な影が落ち、次の瞬間第3新東京市は巨大な火柱に包まれた。


「そ、そんな?!いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」



[2240] Re[3]:闇と罪と本の旅人 第2部 16
Name: ふぁいず
Date: 2004/03/10 23:56
カヲル君、格好いいなぁ~シンジとは大違い(笑)


ついにストック分使い切ってしまったので、これからは投稿が数日おきになります
連日投稿なんてするんじゃなかった~(苦笑)
まあ、一週間以上開ける気はないですけど
それ以上開けると飽きが来そうで・・・



[2240] Re:闇と罪と本の旅人 第2部 17
Name: ふぁいず
Date: 2004/03/13 00:05
第17話

彼は手を差し伸べる
でも、その手をつかむ資格は私には無い・・・



[2240] Re[2]:闇と罪と本の旅人 第2部 17
Name: ふぁいず
Date: 2004/03/13 00:10
天高く登る火柱。
「いやっ!いやぁっ!!姉さん!アスカ!綾波・・・」
私は泣き叫んだ。いやだいやだいやだ・・・私を一人にしないで・・・私の前からいなくならないで・・・


「ユイさん。」
カヲル君が私の肩に手を置く。
「見てごらん。大丈夫。」
「え・・・」
涙でにじむ視界の中、火柱は急速に消えていった。そして見えてくる第3新東京市の街並み・・・
「街が・・・」





運転手の黒服の人が無線機で何かを話している。
「・・・了解。使徒は殲滅されたようです。」
黒服の人はカヲル君にそう伝えた。
「だそうだよ。大丈夫、みんな無事だよ。」
「ほんとに?」
「ああ。」
よかった・・・




車は元来た道を戻っていく。
学校に着くと、私たちは車を降りた。
「学校が・・・」
窓ガラスが吹き飛び、酷い有様だった。
「建物は大丈夫そうだからすぐ再開できるさ。」
「うん・・・」
私が頷いた時、学校の中から人影が三つ飛び出してきた。


「いてえっ、いてえよおぉ~」
「目が、目がぁ!」
「死にたくねえよぉ~」


私を犯そうとした3年生達だった。全身ガラスが刺さり血まみれになっている。
「あの・・・」
私がカヲル君の袖をつかみ声をかけると、彼は全部言わせずに微笑んだ。
「わかったよ。・・・すみません、救護班を呼んでやってください。」
黒服の人は「了解しました。」と言うと無線機に呼びかけ始めた。
「君は優しいね。」
「私・・・優しくなんか・・・」
違う・・・私は優しくなんて無い・・・
ただ・・・あの人達も私と関わらなければ助かったかもしれないから・・・
きっと私が悪いんだ・・・





聞かなきゃ・・・
「あ、あの、カヲ・・・渚君・・・」
「ん?なんだいユイさん。それに僕のことはカヲルでいいよ。」
カヲル君は微笑んで言葉を続けた。
「前にもそう言っただろ。“シンジ君”。」
ああ・・・
目の前が真っ暗になり、“あの時”の光景が脳裏をよぎる。
握りつぶされる体。落ちていく頭部・・・
気がつくと私はカヲル君に倒れそうなところを支えられていた。


「うそ・・・」
「うそじゃないさ。」
「そんな分けない!」
「じゃあ、僕は誰なのかな?」
微笑を絶やさないカヲル君。


「だって、だって・・・“カヲル君”は・・・私が・・・“僕”が・・・殺した。」
「この手で・・・体を握りつぶして・・・首が・・・」
「首がぽろって・・・私が・・・私がぁ!」
だめ・・・気が変になる・・・


「落ち着くんだユイさん!」
カヲル君に抱きしめられた。
「僕は生きている・・・ここにいる・・・わかるね。」
「でも・・・」
私が殺した・・・


「たしかにあの時、僕の体は滅びた。でも、僕自身は“死”という概念がない存在なんだよ。ただ器が壊れたにすぎないんだ。」
「だったらどうして・・・」
「君に教えなかったのは申し訳ないと思っている。でも決まりなのでね。口外できなかったんだ。」
ほんとうにすまない。カヲル君は真剣な顔で頭を下げた。
「それが原因で君に辛い思いをさせてしまった・・・」


もういい・・・私は涙を流しながら首をふった。
「もう二度とあんな・・・」
「わかってる。」
「あんな居なくなり方しないで・・・」
「誓おう。タブリス、いや渚カヲルの名にかけて。」
カヲル君は胸に手をおき、肩膝をついた。
中世の騎士のように・・・





『あー、こんなとこにいおった!』
この声・・・ケンちゃん?
振返ると子猫のケンちゃんが毛を逆立ててうなっていた。
「ケンちゃん?どうしてここに?」
「やあ。」
『嬢ちゃんこそなんでこんなとこにおるんや・・・まあいいわ。おい、そこのアホボン!』
フーとうなるケンちゃん。怒ってる?
『人が迎えに行ってやればどこにいっとんや!おまけにかってに嬢ちゃんと会いおってからに!』
「僕は猫よりレディーを優先するのさ。」
二人知り合いなの?それにケンちゃん、人じゃなくて猫でしょ。
『アホか!だいたいなんでおまえが来るんや?!連続して三つは仕事したことないやろ!アルカディアで寝とるんじゃないんか?!』
三つ?アルカディア?なんのこと?
「愛しい人のピンチにはいつ何時でも駆けつける。それが僕さ。」
『こ、こ、こ、こんのっどアホがぁ!!』
い、愛しい人って・・・


えっ、もしかして・・・
「カヲル君・・・」
「なんだい?」
「カヲル君・・・リリスに言われて来たの?」
「ああ、君の現状を聞いてね。君を助けるように言われた。」


知っている・・・カヲル君は私が何をしているか・・・何をされているか知っている・・・


私はカヲル君から離れた。
「ユイさん?」
「近づかないで・・・」
カヲル君が困惑顔をしている。
「止めさせない・・・たとえカヲル君でも・・・私の贖罪は止めさせない。」
「ユイさん!」
「それに私はカヲル君に近づける資格なんてない・・・」
私はもう汚れている・・・


それに・・・
校舎裏で抱き合うカヲル君とアスカの姿が思い浮かんだ・・・
なぜか知らないけどこの二人は・・・アスカはカヲル君のこと・・・


だったら私はなおさらカヲル君に近づいてはいけない!


「僕のせいなのか・・・」
カヲル君が辛そうに呟いた。
「違うわ・・・これは“僕”の罪・・・」





カヲル君と分かれ、家に帰ると電話が鳴った。
「はい、赤木です。」
『ユイ?』
「姉さん・・・無事だったんだ・・・よかった。」
『おかげさまでね。あなたも怪我無い?』
「うん・・・」
『よかった・・・それでね』
姉さんが言った言葉に私は耳を疑った。


三人とも入院?!





姉さんが手配してくれた保安部の車に送ってもらい、私は病院に駆けつけた。
ロビーに入るとミサトさんと鉢合わせした。
「あらユイちゃん。お見舞いにきてくれたの?」
「ミ、ミサトさん。み、みんなは・・・」
やけにミサトさんお気楽な感じがする。
「大丈夫よ~大した事ないわ~」
そうなの?私は脱力してその場にしゃがみこんでしまった・・・


その後、ミサトさんが何があったかを教えてくれた。
「作戦はね、落ちてくる使徒を皆で受け止めるってヤツだったの。」
前と同じだ。
「でね、実際落ちてくると一番近かったのはシンジ君だったんだけど・・・」
それも前と同じ・・・
「シンジ君、出遅れてね。アスカが先に使徒の下に着いたのよ。」
シンジ・・・なにやってるの?!
「それでアスカ一人で使徒を支えて、その後シンジ君とレイが同時に到着。二人が支えてる間にアスカが殲滅ってとこかな。」
それじゃアスカ一人に負担が・・・
「だから入院って言ってもシンジ君とレイは検査程度、アスカもしばらく筋肉痛が続く程度らしいわ。」
「そうですか・・・」


私は許可をもらって最初にアスカと綾波の病室に向かった。


「ユ゛イ゛ィ゛~・・・がら゛だじゅうい゛だい゛の゛よぉ~・・・・」
「あはははは・・・・」
筋肉痛にうめくアスカに私は笑うしかなかったり・・・


「綾波さんは・・・て、もう着替えてるし・・・」
検査の終わった綾波はすでに制服に着替えて帰るばっかりの状態。ベットの上で本を読んでる。




「だいたいねぇ~頭脳派の私が肉体労働なんて向いてないのよぉ~」
りんごを私に食べさせてもらいながらぶつぶつ文句いうアスカ。元気だね・・・


「こんなんじゃユイにセクハラもできやしない・・・」
私の胸に手を伸ばそうとして、いだだだだぁ~とうめいている。


「しなくて良いです!」
セクハラって認めてたのね・・・
「そうはいかないわ!ユイにセクハラするのは私の一番の楽しみなのよ!」
腕を振り上げ力説したせいで、またぐうぅぅっとうめいてる。
「そんな楽しみはやめて・・・」
お願いだから・・・


「うぅ・・・ユイの胸、ユイのお尻、ユイの太ももぉ~・・・」
「ア、アスカさん?!」
スケベ親父ですかあなたは?!

「くうぅぅぅぅ・・・こ~なったら・・・レイっ、やぁ~っておしまい!」
「任務・了解。」


何時の間にか私の背後に立っている綾波が、がばっと胸を両手で掴んだ。
うそぉ?!
「はっん、ちょっちょっと綾波さん?!やめてぇ!」
「だめ、命令だから。私にはこれしかないもの・・・」
嘘だ、絶対嘘だぁ~
「ふかふか・・・」
「あっ、ちょっ、なに言って、だ、だめっ、んんっ、あ、あうっ、ああ、ああんっ!」


「あ~、これよこれ!やっぱりユイのこの声聞くと生きてるって実感わくわぁ~♪」
「そんな生きがい持たないでぇ~(泣)」
それから看護婦さんが来て怒られるまで綾波は延々私の胸を揉みつづけた・・・


でも綾波、なんなのその指使いはぁ・・・何処で覚えたのよぉ~
うう、今日は急いで来たから変えの下着持ってないのにぃ・・・





やっと二人に開放された私は、シンジの病室に入った。
こちらは個室でシンジ一人しか居ない。
シンジはひまそうにベッドの上でぼーとしていた。


「シンジ君・・・」
「ユ、ユイ・・・さん・・・」
シンジはおびえた表情を浮かべて、ベッドの上で後ずさった。
まだ君は・・・そんな・・・
むかつく。
「大丈夫?」
「は、はい・・・な、なんとも・・・ないです。」
私と目をあわさないシンジ。


「何を怯えているの?」
「・・・」
「もし怯えるとしたら、それは私の方じゃないの?」
「ご、ごめんなさい・・・」
「なにが・・・?」
「だ、だから・・・その・・・」
「わからないの?」
「・・・」
「わからないのにとりあえず謝ってるの?」
「そ、それは・・・その・・・ぼ、僕はユイさんに・・・酷いこと・・・しちゃったから・・・」
今更だと思う・・・それに・・・それこそが私の望むことだから・・・


「怒ってないわ・・・」
「ほ、ほんとに?・・・で、でも・・・」
「私は怒ってないし、君のことを嫌ってもいない。」
本当は大ッ嫌い。“僕”なんて・・・
でも、シンジは明らかにホッとした表情を浮かべている。単純・・・


「それにシンジ君は言ったわ・・・」
「えっ?」
「私は、君の“物”だって・・・」
「あ、あれはっ。」
「自分の“物”にしておきながら、今更捨てないで。」
絶句するシンジに私は微笑んだ。


私は、君の“物”なんだから・・・壊すまで・・・遊んで・・・



[2240] Re[3]:闇と罪と本の旅人 第2部 17
Name: ふぁいず
Date: 2004/03/13 00:12
今回はエロなしてです
エッチなシーンはありましたけどね(笑)
こっれはこれで書いてて楽しい♪



ユイの最後のセリフ
男の立場で聞いたらかなり怖いかも・・・



[2240] Re:闇と罪と本の旅人 第2部 18
Name: ふぁいず
Date: 2004/03/15 20:39
第18話

愛には人それぞれいろいろな形がある
でも、私には関係ない・・・



[2240] Re[2]:闇と罪と本の旅人 第2部 18
Name: ふぁいず
Date: 2004/03/15 20:42
落下使徒の殲滅から数日後、世間はつかの間の平穏を取り戻していた。
アスカも退院し、学校も再開されている。


カヲル君は学校で私に気軽に話し掛けてくる。でも、時々アスカと話し込んでいたり、私を見て考え込んでいることがある。
私は・・・できるだけ近づかないようにしていた・・・




そして・・・シンジと私との距離はまだ完全には戻っていなかった。


最近は、行き帰りに体を触ったり、キスやおしゃぶりを要求してくるようにはなった。
しかし、あのレイプ以来、私を抱こうとはしてこない。


このままではダメ・・・
どうしたらいいの・・・




私は悩みながら、料理の本を返しに学校の図書館に向かっていた。
この学校の図書館の蔵書は並ではない。私が良く利用している料理の本から何でも置いてある。
ないのは漫画くらいかも・・・
噂には世界に一冊しかない本も幾つかあるらしい・・・


図書館だけじゃない。
この学校はほんとに市立かって言うくらいあらゆるものが充実していた。


体育なんかは女子はマット運動や新体操の時は、学校指定のレオタードがちゃんとあるし、男子は選択で柔道、剣道、空手、フェンシング、中国拳法まであった。
部活動でも茶道部なんかはちゃんとした茶室をもってるし・・・
一体誰の趣味?


いつのまにか悩みが学校の不思議に変わっていたのに気が着いた時は、私は図書館に入っていた。


「えっと・・・料理コーナーは・・・」
返却手続きを終え、新しい本を探しに本棚のプレートを見上げながら歩いていると、
トンッ
「「きゃっ?!」」
ドサドサドサ
誰かにぶっつかって転んでしまった。


「ご、ごめんなさい。」
「い、いえ・・・いいんです・・・私こそごめんなさい・・・」
私が謝ると相手のほうもオドオドした調子で謝ってきた。
なんかシンジと話してるみたい・・・


見れば長い黒髪でメガネの女の子。同じ学年みたいだけど顔を知らないから、他のクラスかな?
彼女はぺこぺこ謝りながら落ちた本を拾っている。
私も拾うのを手伝おうかとしたけど・・・
「痛っ・・・」
足を捻っちゃったみたい・・・
「だ、大丈夫ですか?!」
「う、うん・・・ちょっと捻っただけだから・・・」
「た、大変!早く保健室に行きましょう!」
「ええっ?!だ、大丈夫よこれ位・・・」
「ダメです。ね、捻挫はほっとくと悪くなります。」
意外と押しのつよい娘で、私は保健室まで肩を借りて連れて行かれてしまった。





そう言えばあの娘の名前、聞いてなかったな・・・
お礼、言った方がいいよね・・・


次の日、私はシンジと一緒に登校していた。
ちょうどその時、通学路の途中にある本屋から昨日の女の子が出てきて、私たちと鉢合わせした。
「あ・・・」
「あら、」
ちょっと間抜けな声を上げる私たち。シンジは後ろで首をかしげていた。


「お、おはよう・・・昨日はありがとう。」
「おはようございます。足、大丈夫ですか?」
「ええ、もう痛くないから・・・」
「それは良かったです。」
それ以来、彼女「山岸マユミ」とは図書館でよく顔を合わせることが増え話をするようになった。
図書館での知り合い、それだけのはずだった・・・





「ユイさん・・・も、もっとスカート上げてください。」
「はい・・・」
ある日の放課後、私達は人気のない図書館にいた。
日差しの良いの窓側の本棚。
司書席側からは死角になるその場所で、私はシンジに言われるがまま棚を背にスカートをめくり足を広げて立っていた。
夕方にはまだ早い・・・
明るい日差しが剥き出しの太腿とショーツを白く照らしている。


恥ずかしい・・・


シンジは未だに私を抱こうとはしてこない。
でも、スリルが・・・そして私の恥らう姿が好きなようで、こういう偏執的なことを要求することが多くなってきた。
私が嫌がることを知っている・・・そして、私が逆らわないことも・・・


恥ずかしい・・・


廊下側からはここが見えることはない。
でも、窓の外の向かいはグラウンドになっていて、部活動でランニングなどしている生徒がちらちら見える。
誰かが図書館の窓を見上げたら・・・


恥ずかしい・・・


なのに・・・身体が熱い・・・息が、荒くなっていく・・・


シンジは私の前にしゃがみこんで、じっとショーツの三角の部分を見つめている。
触ることさえしてこない。


それなのに・・・私のあそこはからは布地を通して滴がこぼれ落ちていった・・・


「は・・・あ・・・」
頬が熱い・・・足が震え、息がますます荒く苦しくなってくる・・・
子宮が疼き、またおもらししてしまいそうな感覚が下半身を襲った。
もう・・・やめて・・・


その時、涙で滲む視界の隅で何かが動いた。


「えっ?!」
私は慌ててスカートを下ろす。
「ど、どうしたんですか?」
「今・・・そこに人が・・・」
私は震える手で本棚の角を指差した。


「・・・・誰もいませんよ?」
シンジが覗き込むように見たが、そう言いながら首を振った。
「でも・・・たしかに・・・」


翻った白い大きなリボン・・・女子の制服だったような・・・


結局、誰かいた形跡は見つからず、シンジも興ざめしたのかその日はそのまま帰宅した。




「赤木さん、今日私のうちに来ませんか?」
「えっ、いいけど?」
次の日、山岸さんと図書館で料理の話をしていると、彼女のほうからそう誘ってきた。
特に用もないので了承する私。
「よかった。美味しいケーキがあるんです。」
「それは楽しみかも。」




山岸さんの家は高級そうなマンション。ここに叔父さんと一緒に住んでいるらしい。
「叔父は仕事でいませんから、どうぞ。」
「お邪魔します。」


それからケーキをご馳走になり、私達は何気ない会話を楽しんでいた。


「私の母は・・・父に刺されて亡くなったんです。」
「えっ?」
突然思いがけない話を始める山岸さん。
「父もそれで刑務所に・・・二度と私の前には現れることはないでしょう。私も会いたくはないですし・・・昔、散々酷い扱いを受けましたから・・・」
「そ、そう・・・」


「それ以来ですかね・・・私、男の人が怖くて・・・不潔に見えて・・・あ、叔父のことは嫌ってません。忙しい中私を男手一つで育ててくれて感謝してますし大好きです。」
「は、はあ・・・」


「ですけど・・・私と同じくらいの男の子とは・・・どうも・・・」
わかるかもしれない・・・私もシンジが時々怖い・・・シンジ以外の男の人はもっと・・・


「ですから・・・私・・・女の子のほうが・・・好きなんです。」
「えっ?!」
私が驚いていると彼女は私の肩を押してその場にゆっくりと押し倒し・・・キスをしてきた。
「ふふ・・・赤木さん・・・可愛い。」
ええ~?!
え、えっと・・・私達、女同士で・・・だから・・えっと・・・
私が混乱しているあいだに彼女はスルスルと私のセーラー服を脱がしてしまった。
背中に手を回し、ブラのホックを外される。
「赤木さん・・・胸、大きいですね。羨ましいです・・・」
「あうっ・・・ん・・・」
胸に顔を埋められ、乳首をいじられる。
「あ、あっ、あっ、ああっ、だ、だめっ!」
同じ女の子同士、感じるツボは心得ているようで、私は簡単に翻弄されてしまう。
「お願い・・・もう、やめて・・・」
私が涙目で懇願すると、彼女は真面目な目で私を見つめてきた。
「碇さんとなら、良いんですか?」
「えっ・・・」
何でシンジの名前が出てくるの?


「私、昨日見てしまったんです。碇さんと赤木さんが図書館で・・・」
「あ、あれ、山岸さんだったの・・・」
昨日の人影はやっぱり・・・図書館にいたんだ・・・




「赤木さん・・・碇さんに脅されるとかしているんですか?」
「ど、どうして・・・」
「昨日のあなた達は・・・とても恋人同士には見えませんでした。
一方的に碇さんが赤木さんにさせているみたいに・・・
それに、赤木さんの目がとても辛そうでした。」


私は目をそらした。心の中まで見透かされそうで・・・
「そんなこと・・・ない・・・」
「本当ですか?」
「・・・うん。」


しばらく彼女は私の顔を見つめていたけど、また胸を触りだした。
「あ、ああっ・・・んんっ、んっ、ああっ・・・」
そして、その手はスカートの中に潜りショーツの上からゆっくりと割れ目をなぞりだした。
「ひ・・・ひんっ・・・んん・・・んっ・・・あ・・・」
腰が勝手に動き出した。
あ・・・だめ・・・さっきジュース飲んで、私・・・
「だ、だめ・・・そこはダメ!も、漏れちゃう!」
「あっ・・・」
みるみるショーツに黄色いシミが広がり、沢山の水滴となってあふれ出した。
「や、やあぁ!!」
パタパタと音を立てて水たまりが出来ていく。
山岸さんは驚いた顔をしていたが、やがてクスッと笑った。
「あらあら、お漏らしなんかしちゃって。いけない娘ね。」
「ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・」
私は泣きながら謝るしかできなかった。


山岸さんは赤ん坊を扱うように私のショーツを脱がし、床も手際よく拭いている。
私は放心しながらその場に横たわっていた。
「さて・・・いけない娘にはお仕置きが必要ですね。」
「ひっ・・・ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・許して・・・」
山岸さんは脅える私の股間に手を伸ばす。
「んんっ!」
「あら、やっぱりもう経験済みだったんですね・・・残念です。でもそれならそれで好都合です。」
「え・・・」
彼女は部屋の隅にあったケースから何かを取り出した。
プラスチックかゴム製に見える棒のような物・・・手元にスイッチがついていた。
「な、なに・・・」
「ふふ、いいことしてあげます。」
それを私の股間にあてがう。
「やっ・・・」
「怖がらなくてもいいですよ。私に任せて・・・」
ゆっくりと押し込まれた。
「あ・・・ううっ・・・だ、だめっ・・・大きすぎる・・・さ、裂けちゃうぅ・・・」
「大丈夫です。ほら、全部入りましたよ。」
「う・・・うう・・・」
シンジのものを一度受け入れただけで、後は指しか入れたことがない私のあそこは山岸さんが入れたもので一杯になっていた。
凄まじい圧迫感に私はうめくだけ・・・


「動かしますね。」
カチッ
スイッチを入れる音がすると、私の中の物が大きくうねりだした。
「ひっ、何?やっ、だ、だめっ!ううっ!あうっ!ああっ!!」
凄まじい刺激に私は我を忘れて悶えた。髪が振り乱れ口の中にまで入ってくる。


「凄いでしょ・・・赤木さん・・・いえ、ユイ!何もかも忘れておしまいなさい!」
「ああっ!だめっ!ひっひっひぃ!許して!もう許してぇっ!」


涙と涎を垂れ流し、私は哀願した。でも山岸さんは腕の動きをさらに激しくしてくる。
「ほらっ、いっておしまいっ!」
「あ、ああっ、あーっ、ひっ、ああっあーーーーーーーーーーーっ!!」
全身を仰け反らせて達してしまう・・・
「ふふ・・・可愛い娘・・・」


痙攣する私を抱きしめ、山岸さんはそっと頬を撫でた・・・





それから一週間後、お姉様・・・いや、山岸さんは叔父さんの仕事の都合で転校していった。
その間、図書館や山岸さんの自宅で人には言えないことをされたけど・・・
特大の注射器みたいなのを出されたときはさすがに逃げたよ・・・
よくシンジにばれなかったと思う。
ばれてたらシンジのことだから・・・山岸さんに何するか解らなかったから・・・




引っ越しする山岸さんに別れ際もらった手紙・・・
【辛いことがあったら他人を頼っても良いんですよ。】
の一行だった。



無理だよ・・・私は・・・そんなこと出来ない・・・
私の罪は・・・誰にも・・・



[2240] Re[3]:闇と罪と本の旅人 第2部 18
Name: ふぁいず
Date: 2004/03/16 17:52
痛い話が続いたので息抜き・・・のつもりだったんだけど・・・

マユミお姉様がある意味痛い人になってる~
女子中学生がなんであんなもの持ってるんだ、なんてつっこみはしないでください~
セカンドインパクト後、モラルが下がっていると言うことで・・・



[2240] Re:闇と罪と本の旅人 第2部 19
Name: ふぁいず
Date: 2004/03/17 21:32
第19話

きっかけを作ったのは私
でも今の私は彼の・・・



[2240] Re[2]:闇と罪と本の旅人 第2部 19
Name: ふぁいず
Date: 2004/03/17 21:35
「遅いな・・・」
シンジと姉さんが帰ってこない。
今日はコンピューターの診断とテストをやったら二人で帰ってくるって言ってたのに・・・
私はテーブルの上の料理をぼんやり見ていた。
「冷めちゃったな・・・」


私は料理をラップに包むと冷蔵庫に入れ始めた。
そう言えば、“前”にもこんな事あったような・・・
たしか、模擬体だっけ・・・実験やってて突然トラブルが起きてプラグごと湖に長時間放置されて・・・
結局アレ何だったんだろ?




「もう9時すぎてる・・・」
『帰ってこないんとちゃうか?』
ケンちゃんがキャットフードを食べながら言った。
「そうだね・・・大丈夫かな・・・」
『なんも連絡無いってことは大丈夫ってことやろ。心配いらん。』
食べ終わってあくびしてるケンちゃん。眠いの?


その後、私は軽く食事をとり、お風呂に入った。
「電話・・・くらいくれても・・・」
湯船に沈んでいると独り言が出てしまった。
わかってる・・・電話も出来ないくらい忙しいんだろう・・・姉さんは忙しくても余裕があれば徹夜の日は必ず電話をくれるから・・・
私が言っているのはただの我が侭・・・
「一人は・・・イヤ・・・」
シンジでもいいから帰ってきて欲しかった。




バスタオルを巻きながらリビングに戻ると、ケンちゃんは「ケンちゃん専用」のバスケットにもぐって丸くなっていた。
こうして寝てる所を見てるとただの子猫なんだけどなあ・・・


寝巻きに着替え、ケンちゃんを起こさないようにキッチンでホットミルクを作って一息。
こうすると良く眠れるけど、これ以上胸が大きくなるのはいやだなぁ~
重いし肩こるし・・・男子の視線が嫌らしいし・・・
そんなことを考えながら飲み終えた私は、リビングを後にした。





シンジの部屋の前でふと立ち止まる。
「また・・・増えてるのかな?」
扉を開け、ベッドの下を覗き込んだ。
「雑誌が増えてる・・・」
表紙をチラッと見て・・・はぁ~・・・ため息が出た。
「お願いだからマニアック系に走るのはやめて・・・」
“我”ながら悲しくなってくるから・・・中学生でしょ君は・・・
なんなの、この痴漢特集にトイレ特集って?!
じゅ・・・獣姦・・・て・・・何?
なんだかよくわかんないけど・・・絶対にイヤ!


部屋に火をつけたい気分を必死に押さえながら、雑誌を元の場所に戻す。
部屋を出ようとした時、隅に置いてあるチェロに目が止まった。


「ふーん・・・ちゃんと手入れしてるんだ・・・」
『先生に言われて初めて、別に誰にもやめろって言わなかったし・・・』
その割には大切にしてたよね“僕”は・・・シンジも大切にしてるんだ・・・
こんど弾いてもらおう・・・
何故だか少しだけ嬉しかった・・・





翌朝、私がトーストを食べていると、
ピンポーン♪
チャイムが鳴った。
「はーい。・・・て、姉さんにシンジ君?」
ドアを開ければ、そこにいたのは疲れきった顔の二人だった。
「「だだいま・・・」」
ふらふらしながら入ってくる。
「だ、大丈夫?」
リビングの椅子にぐたーと座り込む二人。
コーヒー・・・は今の二人は胃に悪そうだから・・・
ホットミルクを作って渡した。


「マギの・・・コンピューターのトラブルがあってね・・・朝までかかったわ・・・」
ずずっとミルクをすすりながら話す姉さん。目が半分寝てるよ。
「僕は・・・朝までエントリープラグの中で・・・過ごしました・・・」
同じくミルクをすするシンジ。そう言えば肌がふやけてるような・・・


やっぱりあのトラブル起きてたんだね。
「お疲れ様です。」
そう言うしかない私の言葉に、二人はテーブルに力尽きたように突っ伏した。





結局二人はそのまま就寝することになり、私は一人家を出た。
「ユ、ユイ・・・帰りは・・・一人で・・・は・・・だめよ・・・」
「ぼ、僕が・・・迎えに・・・行き・・・ますから・・・」
ほとんど寝言みたいに言われたけど。あてにしないで待ってます。




学校に着くと、やっぱりアスカと綾波も休みだった。家で寝てるんだろう。
「赤木さん、おはよう。」
「おはよう、ユイさん。」
「おはよう、洞木さん・・・カヲル君。」


それから3人でしばらく世間話をしていたけど、私はカヲル君の顔を正面から見られなかった・・・
一度、ちらっと見たときカヲル君の表情が一瞬つらそうに見えたのが悲しかった。


昼休み、洞木さんと一緒にお昼を食べていると、洞木さんが話しかけてきた。
「赤木さん・・・渚君のこと・・・嫌いなの?」
「え?!・・・嫌いじゃないけど・・・」
「なら、どうして渚君を避けるの?渚君、時々赤木さんを見て悲しそうな顔してるわ。」
「そ、それは・・・」
「それに赤木さん、碇君とうまくいってるの?最近、赤木さん様子が変よ?」
「・・・」
「やっぱり何かあったのね!」
「何もない・・・何もないから・・・」
「赤木さん・・・」
それ以降お互い黙ってしまい、もくもくと食事を続けた。
洞木さんが私のことを心配してくれているのはわかる。
でも・・・その優しさが私には苦しい・・・私にはそんな資格はないから・・・





放課後、校門を出るとシンジが待っていた。
「来てくれたの?」
「え、ええ、リツコさんも心配してますし、やっぱり一人じゃ危ないですよ。」
「そう・・・ありがと。」
帰ろうとすると、洞木さんに声をかけられた。
「赤木さん・・・」
「あ・・・」
しばらく彼女は私をじっと見つめ、その後シンジを少しきつい目で見ていた。
「赤木さん・・・それじゃまた明日ね。」
「ええ、また明日・・・」
やがて洞木さんは私に優しくほほえむと去っていった。


「じゃあ、帰りましょうか。」
シンジの手が私の背中を軽く押した。
すっとなでるように肌を触られる。
「ん・・・はい・・・」
それだけで私の鼓動は早くなる。
私は洞木さんに心配される資格なんて無い。こんなに不潔な私は・・・





「うう、解らない・・・」
「さっきと同じ公式よ。よく考えて。」
夕食も終わり、私はシンジの宿題を見ていた。
なんでこんなに学力落ちてるの?“僕”の時より酷いじゃない。
「難しいですよぉ・・・」
「しっかりして、シンジ君はただでさえネルフのお仕事で勉強遅れてるんだから。」
「それを言ったらアスカや綾波だってそうですよ・・・」
「二人は成績いいでしょ。ちゃんと頑張ってるの。シンジ君も頑張りなさい。」
頭は抱えるんじゃなくて働かしなさい。


「学生は大変でちゅねぇ~」
にゃあ~
リツコさんが隣のリビングでケンちゃん相手に気楽そうに話してる。
う~人ごとだと思って~


「このままだと今度のテストで補習確実よ。」
「はいぃ~・・・」
“碇シンジ”として補習は情けなさ過ぎる。それはやめて・・・


「ほら、次の問題。」
「うう・・・」
シンジはうなりながらペンを動かしている。
私がため息をついたその時、
「?!」
シンジの手が私の太ももに置かれた。
「ユ、ユイさん、この問題解らないです。」
「ど、どれ・・・」
シンジの手が太ももをゆっくりとさする。
そんな、隣の部屋に姉さんもいるのに・・・
なのに・・・私の呼吸は荒くなっていく・・・


「ん・・・さ、さっきの・・・方程式の応用・・・よ・・・よ、よく、考えて・・・」
「は、はい・・・」
返事はちゃんと帰ってくる。でも、彼の手は動きを止めない。
手に力が入り、足を広げさせられた。
内股をさすられ足が震える。
「は・・・あ・・・」
背筋がぞくぞくする。
だめ・・・ショーツが濡れてくるのがわかった。


「こ、これでいいですか?」
そう言いながらもシンジのペンは動かない。動いたのは逆の手だった。
「あ・・・そ、それは・・・」
シンジの手がショーツの上を這いまわる。丸い染みの上にたどり着くと、円を書くようにさすられた。
「ん・・・んん・・・だ、だめ・・・」
声を出したら姉さんに気づかれる・・・


「え、違うんですか・・・」
そう言いながらシンジの手は動きを変え、指を割れ目に食い込ませるように強く擦る。
「あ・・・ん・・・う・・・うう・・・」
声が・・・我慢できなくなっちゃう・・・


コリッ
シンジの指が私の硬くなった突起をショーツの上から爪で齧った。
「んひっ!」
思わず声が出てしまい、慌てて口を手でふさぐ。


「ユイさん・・・て、ほんとに・・・いやらしいですね・・・」
シンジが耳元でささやいた。
「そ、そんな・・・」
「だって・・・自分からそんな格好してるし・・・」
「えっ?!」
気がつくと私は片手で椅子のふちを握り締め、腰を浮かしてシンジの指に押し付けるようにしていた。
いやらしく腰が動いている・・・


やだ・・・
こんなの・・・


ガタッ


私はシンジの手を払いのけ、
「あ、あとは、わかるよね・・・そ、それじゃ私も勉強あるからっ・・・」
そう言うとシンジの部屋を飛び出た。




「あら、もう勉強会終わり?」
姉さんが声をかけてくる。
「う、うん、私も明日の予習しないといけないから・・・」
「そう、がんばってね。」
何も気がついていない姉さんが微笑んでいる。
知られてはいけない・・・
知られたら嫌われてしまう・・・きっと私のことを軽蔑の目で見るようになる・・・
嫌・・・
私を一人にしないで・・・
私のこと好きって言って・・・


「?・・・どうしたのユイ。あなた・・」
ピリリリリリ
姉さんが訝しげな顔で何か言おうとした時、電話が鳴った。
「はい、赤木。あら、マヤ・・・えぇ、今から?・・・うん・・・ええ・・・わかった・・・すぐ行くわ。」
ため息をついて電話を切る姉さん。
「ごめんね、ネルフから呼び出し。すぐ行かないと・・・ユイ、こんどまたゆっくり話しましょう。」
「うん・・・」
姉さんはそそくさと着替えてくるとすぐに出かけていった。




「はあ・・・」
私はシンジの部屋のドアに寄りかかった。
足がガクガク震えている。身体の芯が熱い。
『どうしたんや、嬢ちゃん?』
ケンちゃんが不思議そうに聞いてきた。
私は答えず、片手で自分の胸を強く握り、もう片方の手を股間に持っていきあそこを強く押さえつけた。
グチュ・・・
押さえつけている指の間から愛液がにじみ出てきて垂れる。
『じょ、嬢ちゃん?!』
「う・・・あ・・・うう・・・」
切ない・・・
私は両手に力を入れた。
乳房が痛いほどに形を変え、あそこからは愛液が滴り落ちる。
ほつれた髪が口の中に入ってくるのも気にならず私はしばらくそうしていた。


だめ・・・
がまん・・・できない・・・


にゃあ!『嬢ちゃん!』
ケンちゃんの声を背中に聞きながら、私の手はシンジの部屋のドアを開けていた。





「あれ、どうしたんですか?」
「・・・」
勉強机に向かっていたシンジが振返って声をかけてくる。
「ユイさん?」
「・・・お願い・・・」


「えっ?」
「我慢できないの・・・」


「何がですか?」
わざと・・・言っているの?意地悪しないで・・・


「お願い、抱いてっ!我慢できないの!切ないのぉ!!」
にやりっ・・・シンジの口がいやらしく笑ったような気がした。


「それじゃ、ユイさん・・・パンツ脱いでください。」
「は、はい・・・」
私は言われるがままスカートを上げ、ショーツを下ろした。
あそこから溢れた愛液がショーツとの間に糸となって伸びている。


「ベッドに乗って手をついてください。」
「はい・・・」
まるで犬のような格好をとらされる。
「こ、こんな格好・・・」
「いやですか?じゃあ、止めましょうか・・・」
「いやっ!止めないで!お願い!」
私は懇願した。
必死だった。相手がシンジであることも何もかも忘れていた。


「じゃあ、ユイさん・・・何して欲しいか言ってください。」
「そ、そんな・・・」
「なら、ずっとそのままでいます?」
涙が滲んできた。
「・・・入れてください。」
「何をですか。」
「う・・・う・・・私のあそこに、・・・シンジ君の・・・を入れてください。」
涙がこぼれ落ちた。そして身体の方も限界に・・・気が狂いそう・・・


「お願いします!早く!入れてぇっ!!」
最後は絶叫だった。
シンジはにやりと笑うとズボンを降ろし、腰を突き入れてきた。


「あ・・・ああ・・・入ってくる・・・入ってくるのぉ!」
肉をかき分けて太く固い物が入ってくる感覚に、私は歓喜の声を上げていた。


「動かしますよ。」
「お願いっ、は、早く・・・」
シンジが私の腰を掴んで腰を動かし始めた。
「あっ、ああっ、はっ、ああっ、あっ、ひっ、ああっ」
一突きごとに頭の中で火花が散った。今までシンジにされていたことなど比ではないほど・・・
「いいのっ、もっとっ、もっとぉ。」
私は恥も外聞もない声を上げている・・・まるで雌犬のように・・・
シンジが私の髪を一房掴んで引っ張った。私の頭が持ち上げられ、淫らな表情の私の顔があらわになる。
「ひっ、ひぃっ、あっ、ああっ、ああぁっ!」
開いた口から涎がみっともなくあふれ、シーツに染みを作った。


「ユイさん・・・ユイさん!」
シンジの腰の動きが激しさを増す。
「ああっあっあああっ、はあっ、ひっ、ああっ!」
私は髪を振り乱して悶えた。
「ユイさん!・・・うぅっ!」
「あっ、あっ、ああっ、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁー!」
シンジは最後の一突きを私の子宮に突き刺すと、腰を引いて私から離れた。
そして私の髪を引っ張り、無理矢理シンジの方に顔を向けさせられる。
「ううっ。」
白い液体が私の顔に、髪に・・・そして制服に降りかかっていく。
「はあ・・・はぁ・・・あ・・・は・・・あぁ・・・」
制服に染みこんでいくそれを私はかすむ目でぼんやりと見つめていた。





シンジは私を腕の中に抱きしめたまま眠りについた。
二人とも裸になっている。あれから服を全部無がされ、私はもう一度抱かれた。
今度は精液を全部飲まされ、その上シンジの物を綺麗に舐めさせられた。


私は・・・


私は・・・シンジを私の断罪の“道具”扱いしていたハズだった・・・


でも・・・
今は、私がシンジの性欲を満たす為の“物”になっている・・・
もう、私の都合も気持ちも無視して・・・自分のやりたいことをやっている・・・


シンジにとって私は都合の良い雌犬?


私はシンジの思い通りに“落ちて”しまった・・・
今思えばシンジから私を抱こうとしてこなかったのは、私の方から言わせるため?
私を“落とす”ためだったのかもしれない・・・




なら・・・シンジの思い通り、どこまでも落ちていこう・・・
それが私の贖罪になるのだから・・・



[2240] Re[3]:闇と罪と本の旅人 第2部 19
Name: ふぁいず
Date: 2004/03/17 21:37
シンジのにやり笑いはもちろんパパ譲りです。
貫禄がないんで、ただ嫌らしいだけですけど・・・

次回、彼女が出演予定
また展開が変わる・・・予定?



[2240] Re:闇と罪と本の旅人 第2部 20
Name: ふぁいず
Date: 2004/03/19 22:07
第20話

シンジなんかを相手にするのは私くらい
そう思っていたのに・・・



[2240] Re[2]:闇と罪と本の旅人 第2部 20
Name: ふぁいず
Date: 2004/03/19 22:10
「ん・・・んちゅ・・・はむ・・・」
「い、いいです・・・ユイさん・・・」
私は椅子に座っているシンジの前に座り込み、シンジの股間に顔を埋めていた。
ズボンから飛び出たシンジの肉棒を夢中でしゃぶっている。
あの日以来、これが私達の日課になっていた・・・




シンジに屈して以来、彼は私をまるで玩具のように扱うようになった。
相変わらず人前ではオドオドしているし、私に勉強を教えてもらっていたりするが、時々人が変わったように私を弄ぶ。
色々なことをさせられた・・・
一日中、下着をつけることを許されなかったり・・・
以前使ったおもちゃを私の中に入れて、街中を連れまわされることもあった。
昨日は子供の遊ぶ公園で放尿を命令された・・・
 「あぁ~、おのお姉ちゃん、お漏らししてるぅ~」
子供達に指差され笑われた時は、死にたい気持ちになった・・・


最近夜、一人泣いていない日のほうが少ない気がする・・・
そのたびにケンちゃんにこんなことはもうやめろと、説教された。
やめないよ・・・


これで私は壊れることが出来るかもしれない・・・





「今日は転校生がいます。」
「霧島マナです。よろしく♪」
元気そうな娘だなぁ~私の感想はそれくらいだった。
「では、霧島さんは碇君の隣に座ってください。」
先生の言葉に彼女はシンジの前まで歩いてきた。
「こんにちは、あなたが碇君?」
「う、うん・・・」
「下の名前、教えてくれる?」
「シ、シンジ・・・碇シンジだよ・・・」
彼女は思わずこちらも微笑んでしまいそうな笑みを浮かべた。
「シンジ君ね。よろしくシンジ君。」
「う、うん・・・よろしく・・・」
「あは、可愛い♪」
真っ赤になっているシンジ。何処が可愛いのか良くわからないな~
シンジもからかわれてるってわからないのかな・・・




その日から彼女はシンジにまとわりつくようになった。
「シンジ君って包丁使うのうまいね~」
「そ、そうかな・・・」
「うん!私が保証するよ。将来シェフとかなれるんじゃない?」
「ま、まさか・・・」
「あはははは♪」


家庭科の調理実習、シンジと彼女は同じ班になって楽しそうに会話していた。
「ユイ、ユイってばっ。」
「赤木さんっ、焦げてるわよ!」
アスカと洞木さんに言われて、慌てて火を消す。
「ご、ごめんなさい・・・」
「大丈夫、ユイ?」
「う、うん・・・ちょっとぼーとしてただけ・・・」
「赤木さん・・・」
二人とも心配そうな目で見てくる。
私、何やってるんだろ・・・
嫉妬?まさか・・・馬鹿馬鹿しい・・・




「シンジ君、街案内して欲しいな。」
放課後になって帰り支度をしていると、また霧島さんがシンジに話しかけてきた。
「え・・・で、でも・・・」
シンジが私の方を見てきた。
「私はかまわないわ・・・一人で帰れるから・・・」
「でも・・・」
「ほら、良いって、行こっ♪」
腕を掴まれ強引に連れて行かれてしまった。
「ふう・・・」
ため息が出た。
どうせシンジの人付き合いの悪さにすぐ振られるでしょ・・・


「帰ろう・・・」
私が席を立とうとしたとき、話しかけてくる人がいた。
「ユイさん。帰るのかい?だったらお供させてもらうよ。」
「カヲル君・・・」
「シンジ君も霧島さんに連れ行かれてしまっただろ。だったら一人で帰らせるわけにはいかないね。」
私はカヲル君の綺麗な笑顔を正面から見ることは出来なかった。
「いい・・・一人で帰れるから・・・」
するとカヲル君はこのクラスにとって切り札となる言葉を言った。
「そう言うわけにも行かないね。これは委員長命令でもあるんだ。」
にこやかに言うカヲル君。
私はびっくりして辺りを見回した。
「赤木さん、また明日ね。」
「じゃね~、ユイ~」
笑いながら手を振り教室を出て行く洞木さんとアスカ。
どういう事?
アスカもどうして?・・・カヲル君のこと・・・アスカは・・・


「ではお嬢様。参りましょうか?」
芝居がかった、でも全く嫌みのないカヲル君の差し出した手の上に、私は思わず手を重ねてしまう。
「あ・・・」
私はクラスの女子の羨望のまなざしの中を呆然としながら手を引かれ歩いていった。





結局家までカヲル君に送ってもらい、私は誰もいない部屋の中に一人たたずんでいた。
楽しくなかった・・・と言ったら嘘になる・・・
実際、楽しかった・・・
帰り道、鞄を持ってくれたりとさりげなくエスコートしてくれるカヲル君。
屋台のクレープを買ってくれて、二人で遊び回る子供達を見ながら食べた。
シンジには無い気遣いと優しさがカヲル君にはあった。


「カヲル君・・・」
思わず口に出た言葉、胸の奥が暖かくなってくる。
でも・・・
カヲル君に甘えてはダメ。
カヲル君に縋ってはダメ。


カヲル君の優しい目を見ていると、贖罪をしようとする決意が揺らいでしまう。
それはダメ!
私の罪は決して許されない。私は幸せなんて求めてはいけない。


「カヲル君・・・」
私は暗くなっていく部屋の中、ずっとたたずんでいた。





「ユ、ユイさん、僕、今日出かけてきますんで、えっと、お昼はいらないです。」
「そう・・・行ってらっしゃい・・・」
日曜日の朝早くからシンジは出かけていった。服装も結構気合が入っている。
霧島さんと会うのかな・・・


彼女は一向にシンジに飽きる様子を見せず、相変わらず付きまとってくる。
何がそんなに気に入ったんだろ・・・
きっと、いいように振り回されて奢らされてるに決まってる・・・
「馬鹿みたい・・・」
なんだかイライラする・・・
私もどこか出かけよう・・・




私は商店街をぶらぶらとあてもなく歩いていた。
周りを見れば日曜日ということもあって家族連れや恋人同士が目立つ。
はあ・・・
なんだかため息が洩れた。


気がつけばショーウインドウの前で立ち止まっていた。
そこには純白のウェディングドレス・・・
綺麗・・・
でも、私には関係ないか。


一瞬、脳裏にカヲル君の顔が浮かんで、私は慌てて頭を振った。
横を通り過ぎた人たちが不思議そうな顔で見ている。
恥ずかし・・・
何考えてるんだろ、私・・・


私はそこから早足で立ち去った。




「あ~、彼女っ、一人?」
「ぼ、僕らと、あ、遊ばない?」
突然声をかけられて振り向くと、そこには浅黒い肌の少年と線の細い感じの少年の二人が立っていた。
「え・・・私?」
思わず聞き返す。ナンパ?
「そう、も、もしかしてヒマしてる?カラオケでも行かない?」
浅黒い肌の少年がちょっとぎこちなく言った。笑いも引きつっているみたい。
「ム、ムサシ君・・・やっぱ、やめようよ・・・」
細いほうの少年が気弱そうに言っている。
初めてナンパするのかな。悪い人たちには見えないけど・・・


私、いつもシンジが隣にいるからナンパなんてされたことないけど、クラスの女の子達の会話でどんなものかは知っている。
カラオケか・・・シンジは連れてってもくれないけど・・・
行くのはデートマニュアルに載ってそうな映画館や遊園地ばっかり。面白くもなかった。


「やっ、やっぱ、ダメかな・・・」
ムサシと呼ばれた少年が頬を掻きながら言った。細いほうの少年もうつむいている。


なんか、断るの悪いような気がしてきた・・・


「いいよ。」
「えっ?!マジ?」
「ほ、本当にいいの?!」


シンジも他の女の子と遊んでるんだから・・・カラオケくらい・・・
私は頷き、彼らに連れられて歩き出した。





「ユイちゃん、歌上手いなぁ~」
「そ、そうかな・・・」
「そ、そうだよ、声綺麗だし、可愛いし、アイドルになれるよ、きっと。」
「そんなこと・・・」
二人ともおだてるの上手いなぁ~
「ムサシ君とケイタ君も上手いと思うよ。」
「そんなこと無いって。」
「僕ら、歌のレパートリー少ないしね。」
「滅多に歌うことも無いしな~」
「そうなの?」
「うん、ラジオの歌聴いてるばっかだからね。僕たち。」
ふ~ん、今時珍しいね・・・
苦学生なのかな?
カラオケって楽しいな。そう言えば来たのって初めてのような気がする。
今回も“前回”も行ったこと無いし・・・
まあ、“前回”もし行っててもアスカの独断場になってそうな・・・


「はい、ユイちゃん。」
「あ、ありがと・・・」
ケイタ君がジュースを渡してくれた。
ムサシ君はマイクを持って熱唱中。軍歌?渋いね・・・


「ユイちゃんって・・・彼氏いないの?」
「え・・・別に・・・」
シンジは彼氏じゃないと思う・・・“僕”だし・・・
それに私は彼の“物”だもの・・・
カヲル君は・・・違う・・・考えちゃダメ。


「ユイちゃん?」
考え込んでたみたい。二人が顔をのぞき込んでいた。
「あ、なんでもないの。ご、こめんね・・・」
空になったコップをテーブルにおこうとしたとき、手から力が抜けた。
カラン・・・
床に乾いた音を立ててコップが落ちる。
「あれ・・・?」
手だけじゃない。体中力が入らない。頭がぼーとする・・・
「わたし・・・」
どうしたんだろう・・・めが・・・ねむい・・・


「ごめんねユイちゃん・・・」
「すまん・・・」
意識を失う瞬間、二人の謝る声が聞こえたような気がした。



[2240] Re[3]:闇と罪と本の旅人 第2部 20
Name: ふぁいず
Date: 2004/03/19 22:13
やってきました鋼鉄娘!
ゲームとはちょっと違った役柄です。

演じる女優「マナ」さんのコメントです
「ヒロインの座はもらったわ!」
さて、どういう意味でしょう・・・


で、ユイの運命は?ムサシ達の真意は?
以下次号!



[2240] Re:闇と罪と本の旅人 第2部 21
Name: ふぁいず
Date: 2004/03/21 21:53
第21話

私の罪はまだ消えない
気を抜けばそれもまた罪となり、私は罰せられる・・・



[2240] Re[2]:闇と罪と本の旅人 第2部 21
Name: ふぁいず
Date: 2004/03/21 21:56
「・・・・!」
「・・・、・・・・・!!」
誰かが叫んでる・・・
喧嘩してるの?
「・・・と話が違うだろ!」
「こんなことしちゃだめだよ!」
「うっせえよケ・・!だまってろ!!」
ぼくっ
誰かが殴られたみたいな音がした。
最初の二人は聞いたことある声みたいな・・・ムサシ君とケイタ君だっけ・・・
もう一人は知らない声・・・
「この娘が寝てる間に・・・っぽい写真撮って終わらすハズだったろうが!」
「・・だろ。そんなのでも僕いやだったのに、こんな事!」
「こんな上玉目の前にして見逃せるかっての!」
「てめえら嫌だったらそこで転がってろ!」
「やめろ!!」
それからしばらく乱闘するような音が続いた。
目が・・・開かない・・・身体も・・・動かない・・・


「うぅ・・・う・・・」
「手間かけさせやがって・・・」


終わったみたい。苦しそうなうめき声が聞こえる。
何が起きてるの・・・


えっ?!誰かが私の身体を触ってる。それも一人じゃない。たくさんの手が・・・
「うわ~すべすべだぜ。」
「宿舎の女共は筋肉質の脂ぎったのばっかりだからな。」
「お、おまえら・・・うぅ・・・ま、まさ、か・・・」
「ばぁーか、手ぇ出してないのはお前等位なもんだよ。」
「うぅ・・・な、なんて・・こと・・を・・・くっ・・・」
「ち、ちくしょぉ・・・」


なんの話・・・


「さて、一番俺な!」
「ち、ずりぃなぁ・・・」
「早くしろよ。」
「わぁってるよ!」
「や、やめろ・ぉ・・・」


身体が浮いてるみたい・・・
足が広げられてる?
え、何か私の中に入ってくる?


「うぉ~暖かっけぇ~、それに締まるぜ~」
その時、私の目が開いた。
その目に映ったのは・・・知らない少年が・・・私に覆い被さって・・・彼の股間は・・・私の股間に・・・
「え・・・?!」
「よおっ、お目覚めかい?お姫様。」
「な、なに?う、うそ・・・い、い・・・いやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
私は裸にされ、見知らぬ少年達に犯されていた。





「あっ、ああっ、うんっ、ううっ・・・」
一人の少年が私の足を掴んで腰を振っている。そのたびに私の股間からは水音が響いている。
「あ、んんっ、ん、んっ、あ、ああっ・・・」
別の少年は私の胸にしゃぶりつき、もう片方の乳房も手でいじり回している。
乳首を摘みねじるようにもてあそばれている。
「ひっ、ひいっ・・・うっ、ああっ、ああ・・・」
「でっけえおっぱいだよなぁ~、見ろよ、乳首こんなに尖ってるぜ。」
「相当遊んでんじゃないのか、こりゃ。ううっ、こっちも締まって気持ちいいぜ~!」
「やあっ、やああっ、あっああっ、ううんっ、ああっ、」
私は髪を振り乱してあえぐだけ・・・


すでに抵抗する意志もなくなっていた。
ただ、彼らのなすがままになってこの行為が早く終わることを待つだけ。
でも、いつ終わるのか見当もつかなかった・・・


「ううっ。」
腰を振っていた少年がうめくと、お腹の奥に熱い物が広がった。
「あ・・・ああ・・・そんな・・・」
中で出された・・・


「つ、次、俺なっ。」
別の少年が交代でベッドの上に乗ってきた。
彼は私を俯せにすると、腰を掴んで後ろから挿入してきた。
「んんっ・・・ん~っ!」
「おお~気持ちいい~」
「だろ~、じゃあ俺も・・・」
もう一人の少年が私の顔の前に跪くと、私の口を開かせて自分の物をつっこんできた。
「うっ、うぐっ・・・もがっ・・・」
「おい、歯ぁ立てんじゃねえぞ。」
私は後ろから貫かれながら、口でおしゃぶりをさせられていた。
激しく後ろから突き立てられる。
でも、声を出そうにも口はもう一人の物でいっぱいになっていた。
「ううっ、うっ、うっ、ううっ、げほっ、くうっ」
うめき声しか出てこない。
喉の奥まで突き立てられ、吐き気がおさえ切れなかった。
涎とともに胃液も口からあふれ出している。




「おお、おおっ、い、行くぞっ!」
「お、俺もっ!」
お腹の奥と口の奥で同時に熱い物が広がった。
私の頭の中でも火花が何度も散る。
二人が離れると私は力無くその場に倒れ伏した。
口元からどろっと熱い物がこぼれ落ちる。
ゴボッ・・・股間から鈍い音が響いた・・・




お、終わったの・・・?


「よし、今度は俺だ!」
「仕事もちゃんとしろよ。写真撮ってるか?」
「ばっちりさ。」


また別の少年が私に覆い被さってきた。
そんな・・・そんな・・・
「いやぁ・・・もお、いやぁ・・・許して・・・お家に帰らせて・・・」
「まだまだだぜ。全員回ったら返してやるよ。」
全員て・・・辺りを見回すと床に倒れ伏しているムサシ君とケイタ君を除いても、少年達は5人いた。
やだ・・・こんなの・・・
助けて・・・カヲル君・・・お姉さん・・・お姉ちゃん・・・怖いよぉ・・・


「う、うう・・・ひっく・・・うう・・・」
「泣くなよぉ。うぜえなぁ・・・」
「気にすんな。行くぞっ。」
少年の膝の上に向かい合うように座らされ、下から挿入された。
「お、俺、こっちでやってみたかったんだ!」
もう一人が後ろに回り、私の腰をつかむ。
「えっ・・・い、いやっ!う、ぐうぅっ!!」
お尻の中に入れられた。二人の物が私の中で薄皮越しにぶつかりこすれる。
「ひ、ひいっ!やめてっ!いやっ、いやぁ!」
私の悲鳴も気にせず、彼らは思い思いに動き出す。
「あっ、がっ、い、いやっ、ううっ、きっ、ああっ、うあぁっ!!」
激痛と快感が交互に襲い私の頭を焦がす。
「うへぇ~気持ち良い~!」
「お、俺もぉ~、いっいっちまう~!」
さらに強く突き上げられ、私の中で二つの爆発が起こった。


「いやぁ・・・いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
私はただ泣くしか出来なかった。
それからも私は延々犯され続け、意識を失った。




ぱしゃんっ
水音に目を覚ます。
「気がついた?」
声をかけられ、ぼんやりとした目でその人物を見る。
「もう大丈夫だから、終わったの。怖くないからね。」
もう一人の人が濡らしたタオルで私の身体を拭いていた。


辺りを見回すとそこはさっきのベッドの上ではなく、浴室のようだった。
「ごめんね・・・こんな目に遭わせて・・・」
「あたし達じゃあいつら止められなかったから・・・どうしようもなくて・・・」


そう言いながら私の身体を洗うのは女性二人だった。私と大して年も変わらない位の・・・


「中も洗浄しておいたからね。心配しないで。」
「お薬もあるからね。最悪の事態にはならないから・・・」


そう言いながらお湯をかけられた。
「あいつ等酷いよ・・・こんな事がほんとに・・・」
「しっ、この娘の前で下手なこと言わないで・・・」
なんの話?
あいつ等?
わたし・・・


私・・・


大勢の男の子達に・・・


「ひっ・・・・」
身体が震えだした。
「大丈夫よ!もう大丈夫だから!」
「怖くないのよ!安心して!」
二人が抱きしめてくれた。
でも・・・震えはしばらく止まらなかった・・・




綺麗にたたまれていた服を着て風呂場から出ると、ムサシ君とケイタ君が青あざだらけの顔で立っていた。
「すまん・・・俺は・・・」
「ユイちゃん・・・ごめん・・・こんなことになるなんて・・・」
「・・・帰りたい。お家に帰るの・・・」
早く帰らないとお姉ちゃんに怒られちゃう・・・
ご飯も作らないと・・・


「ああ、送ってくよ・・・」


建物を出るとそこは何の看板もついていないビルだった。
「ここ・・・どこ?」
「気にしなくて良い。ちゃんと家まで送るから・・・」
ムサシ君達の後について大通りに出た。


沢山の人たちに犯されちゃった・・・
どうして?
どうしてこんなことに・・・
やっぱりこれも私への罰なの?
そうだよね、ユイは悪い子だから当然なんだ・・・
そう、当然・・・私の贖罪なんだから・・・また私は罰せられたんだ・・・




ウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥウ!!
突然サイレンが鳴り響き、ビルの向こうを黒い球体の影がゆっくりと通り過ぎていった。


使徒・・・



[2240] Re[3]:闇と罪と本の旅人 第2部 21
Name: ふぁいず
Date: 2004/03/21 21:59
ムサシとケイタがユイを襲うと予想した方もいるでしょうけどこういう展開になりました
ムサシって正義感強そうだから悪役に向かないんですよね

こんな事が起きながらも使徒は来ます

次回、シンジがとんでもないことを・・・



[2240] Re:闇と罪と本の旅人 第2部 22
Name: ふぁいず
Date: 2004/03/23 23:58
彼は私に対しては強気になってきた
でも、ほかのこと関しては・・・



[2240] Re[2]:闇と罪と本の旅人 第2部 22
Name: ふぁいず
Date: 2004/03/24 00:03
私はシェルターの隅に蹲って、ただ時間が過ぎるのを待っていた。
今度の使徒は・・・なんだっけ・・・
なんだかどうでも良い・・・


ムサシ君とケイタ君は私をシェルターまでつれてくると、どこかへ行ってしまった。
私は今一人。
自分を抱きしめるように肩を抱いた。
まだ身体の節々が痛い・・・
腰も痺れたような感覚がまだ残っている・・・
あの女の子達が中を洗浄してくれたと言ってたけど、その名残なのだろう、ショーツがじわじわと濡れてきて気持ち悪かった・・・


なんでこんな事になったんだろ・・・
軽い気持ちで知らない男の子達についていった私が悪いのかな。
それともこうなるのが私の運命なのかな・・・贖罪のための・・・





何時間たったんだろう・・・時間の感覚も無い・・・


ビービービー
「シェルターの皆さんにお知らせします。当シェルターは危険と指定されたため、地下通路を通って速やかに移動を開始してください。」
アナウンスが流れ、避難していた人たちが一斉に動きはじめた。
私も流れに従って歩き始める。


通路に入ってしばらく歩いていると・・・
「キャー!」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああ!」
後ろで悲鳴が響き、すぐに途絶えた。
「何・・・?」
振り返ると・・・さっきまでいたシェルターの入り口付近が消えていた・・・
ただ何もない空間に・・・


ああ、そうだっけ・・・今度の使徒は・・・


「君!何やってる!速く逃げるんだ!!」
呆然と立ちすくんでいた私の手を誰かが掴み、引きずられるように走り出した。
それでも私は後ろを見続けていた・・・何もない空間を・・・





かなりの時間を移動し、たどり着いた新しいシェルターで避難している人たちは不安そうな顔をして過ごしている。
あれから何時間たったんだろう・・・もう深夜になっているみたい・・・


使徒・・・どうなったのかな・・・
“前回”、“僕”は使徒の影に飲み込まれ何もない空間の中で死にそうになった。
初号機が・・・いや、“母さん”が助けてくれたけど・・・今回はどうなるだろ・・・
シンジ、落ちたのかな・・・
まさか、アスカか綾波が落ちてないよね・・・


不安だけがつのる・・・


「赤木さん?」
膝を抱えて考え込んでいると、誰かに話しかけられた。
「あ・・・洞木・・・さん・・・」
「やっぱり赤木さんだった。よかった、無事だったのね。」
「うん・・・洞木さんも・・・」
「私は今日、家にいたから・・・お姉ちゃん達と一緒に避難してたの。」
振り返った洞木さんの視線の先には、以前見かけた二人の女の子が座って話し込んでいた。
「今回は長いわね・・・」
「うん・・・」
洞木さんが私の隣に座った。
「大丈夫よ。きっとアスカ達が何とかしてくれるわ。信じて待ちましょう。」
「うん・・・」
「元気ないわね・・・大丈夫?何かあったの?」
「・・・私・・・」


その時シェルターを激震が襲った。
「うわぁぁぁっ!」
「きゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「お母さ~ん~!」
「もうダメだぁ~!!」
一斉に悲鳴が上がる。


私は頭を抱えてただ震えるだけ。その時、誰かに抱きしめられた。
洞木さん?


揺れはしばらく続き、そして急に止んだ。
「・・・大丈夫?赤木さん。」
「うん・・・ありがとう・・・」
洞木さんが微笑んでいる。でも、私を抱いたままの手は微かに震えていた。
洞木さんだって怖いはずなのに・・・
「ごめんなさい・・・」
「え?!何が?」
不思議そうな顔をされた。
ごめんなさい・・・





それから1時間後、避難警報は解除された。




誰もいない家に帰宅する。いや、ケンちゃんがいた。
にゃぁ~
『おお、嬢ちゃん。無事だったんか。心配したで。』
「うん・・・」
『どうしたん?元気ないの。』
「ううん・・・疲れただけ・・・シンジは?」
『いんや、昨日は帰ってこなかったで。そのままネルフへ行ったんやろ。』
ああ、もう日付が変わってるんだ。
「そう・・・私、寝るね・・・」
『ああ、お休みな。』


軽くシャワーを浴びて汗を流し、私は裸のままベットに倒れ込んだ。
視線を下げると、乳房にいくつもの吸い後が薄く赤くついていた。
明日には消えるかな・・・
シンジに見つかったら・・・なに言われるだろ・・・
問いつめられるかな・・・
誰に何をされたかじゃなくて、他人としたのかを・・・
だって、彼にとって私は“自分の物”だもの・・・
怖い他人じゃなくて、良いなりに出来る唯一の物・・・


私、いっぱい汚されちゃった・・・
シンジももっと私を汚して・・・
それが私の望みなんだから・・・私の・・・


「う・・・うう・・・・うっ・・・」


なんで泣いてるんだろ・・・望みは叶っているのに・・・





朝、目が覚めると裸のままだった。
あのまま寝ちゃったんだ・・・


携帯を見ると、学校連絡網のメールで休校のお知らせが来ている。
そんなメールを読みながら着替えると、気がついたら制服着てるし・・・まあいいか・・・


ケンちゃんと朝食を取っていると、電話が鳴った。
「はい、赤木です。」
『あ、ユイ?』
「姉さん?よかった・・・大丈夫だった?」
『おかげさまでね・・・でも・・・』
そこで姉さんが言いよどんだ。何かあったの?
『シンジ君がね・・・』
「え・・・?!」


独房入り?!





ネルフに駆けつけると、アスカが迎えに来てくれた。
かなり機嫌が悪いみたい。
「アスカ・・さん、シンジ、君が・・・独房って・・・」
「そうよ。・・・あの馬鹿・・・」
「どうして・・・」
「敵前逃亡よ・・・」
話を聞くと前回同様、シンジが使徒に向けて発砲。その直後使徒の影に飲み込まれそうになるが、まるで予測していたかのようにアスカが駆けつけ救出。
そこまでは良かった・・・
すっかり怯えたシンジが錯乱してケーブルをパージ、逃走したという。
ミサトさん達の呼びかけも無視し走りつづけ、電源切れで街外れで止まったらしいけど・・・
怖いのは解るよ・・・でも・・・そこで逃げるなんて・・・


その後、時間がないため初号機は放置。
“前回”と違い人質もいない為、零号機と弐号機で使徒を囲みATフィールドを中和。N2爆弾の大量投下で殲滅したということらしい。
あの激震はその時のものだったんだ・・・


誰も怪我が無くて良かった。
でも・・・
シンジは一体何を・・・何をやってるの!





「碇司令はカンカン。結局シンジは5日間、楽しい一人暮らしよ。リツコも当分帰れないらしいし・・・ユイ、あんたその間あたしん家にきなさい。」
まだプリプリしているアスカがいきなりそう言った。
「え・・・で、でも・・・」
「デモもストもないの!5日もアンタをひとり暮らしなんて危なくてさせられるわけないでしょ!」
「え、えっと・・・」
私がまだ迷ってると、アスカはいきなり私の胸を両手で鷲掴みにした。
「ひゃんっ!」
「あんたは胸ばっかり成長して頭はお子様なんだから、おねーさまの言うこと素直に聞きなさい!」
「あっ、んっ、わ、わかったから、わかりましたから、胸揉まないでぇ~」
う~、またセクハラだよぉ・・・
「それってなんか酷い・・・私の頭が子供って言うより、アスカさんがたまにおじさんみたいなんじゃ・・・」
「そんなこと言うのはこの口かぁ!」
「い、いひゃい、いひゃいってばっ、ひょ、ひょめんなひゃいぃ~」
頬っぺた引っ張らないでぇ~
「うふふ・・・ぷにぷにぃ~♪」
「ふぁなひぃてぇ~・・・」




でも・・・
何時の間にか鬱な気分が消えていた・・・
アスカといると元気になれる・・・“昔”からそう・・・
アスカはまるでお日様のよう・・・今の私には眩しいくらい・・・




「そうと決まればあんたん家に荷物取りに行くわよ。善は急げってね。」
「なにが善なの???」
「うっ、ふ、ふ、ふ・・・おじょうちゃん、おじさんがええことしてあげるけんねぇ~」
「ア、アスカさんっ?!アスカさんが言うと冗談に聞こえないってば!誰がおじさんですか?!」
自分でおじさんって言ってるし!
「気にしない~気にしない~♪」
「気にします!」





結局、アスカの家に引きずられるように連れて行かれた。
途中話を聞きつけてきた綾波が現れ、何故か今日はお泊まり会が開催。
なんかやな予感が・・・


「おじゃまします。」
「どうぞぉ~♪」
アスカの家に入るとこざっぱりした清潔そうな部屋だった。
隣がミサトさんの家だとはとうてい思えないな・・・
やっぱり、隣は汚いままかな?


「ケンちゃん、今日からしばらくここでお世話になるからね。」
私は家から抱えてきた猫用バスケットを降ろし、扉を開けた。
にゃんっ
『お~、なかなかいいとこやんか。美少女も3人おって、こりゃ極楽やな♪』
部屋の中をとことこ歩きながらそんなことを言ってるケンちゃん。
アスカがケンちゃんの言葉解ったら蹴り出されるよ。


くえぇ!
この鳴き声って・・・
『お、なんやあんさんは?』
ペンペンだ。今回は初めて会うんだっけ。
「この子が家のペンペンよ。仲良くしてね。」
アスカがペンペンの頭を撫でながら言った。
くえっくええっ
『ほお、なかなかハードな体験しとるんやな。よかったのう、今の主人に会えて。』
くえっ
ケンちゃん、ペンペンの言葉解るの?!


ともかく私達の騒がしい5日間が始まった。




夕食・・・
「お~、さっすが専業主婦!美味しいわぁ~♪」
「誰が専業主婦ですか?!」
「お代わり・・・」
「あ、はいはい。」
「私もおかず追加!ユイを食べていい?」
「ダメです!」


お風呂・・・
「やっぱりでっかいわねぇ~」
「重いばっかでやなんだけど・・・」
「贅沢者ぉ~・・・わ~い、ふかふかぁ♪」
「ふかふか・・・」
「ちょ、ちょっと、二人で触らないで~、あっ、やんっ!」


就寝・・・
「あんたそんな格好で寝てたの?」
「へ、変かな・・・」
「馬鹿シンジには刺激が強い気がするけどね~」
「あ、綾波さん、パジャマくらい着て寝ようよ~」
「これが一番気持ちいいのに・・・」
「じゃあ寝るわよ~♪」
「なんで私を押し倒すのぉ?!」


でもって朝・・・
あれっ・・・身体が動かない?
「って、アスカさん!私は抱き枕じゃないってば!あ、綾波さん?なんで私の足にしがみついてるの?やっ、ちょっ、そんなとこ頬ずりしないでぇっ・・・あっ・・・あんっ・・・やっ・・・ああっ!」




なんか疲れた・・・
朝食の準備をしながらため息・・・
まあ、楽しいのは確かなんだけど・・・ね。


「ユ~イッ♪」
「きゃんっ!」
びっくりした~
「あ、アスカさん!後ろから抱きつかないで!フライパン持ってるんだから。」
「あ~・・・ごめんごめん、あっはははは♪」
「あ、やめっ・・・」
胸揉みながら言わないでぇ~
「赤木さん・・・裸エプロンじゃないの?」
「あ、綾波さん?!」
何でそんなに残念そうなの~?!
「浪漫なのに・・・クッ・・・」
唇噛み締めるほど?!




やっと朝食・・・
「いや~美味しいわぁ~」
「あのぉ・・・」
「んっ?何、ユイちゃん♪」
「どうしてミサトさんがここに?」
当然のように椅子に座って朝ご飯食べてるミサトさん。
お仕事は?まだ使徒出てすぐでしょ?
「あ~、戦い終わったから作戦部は暇なのよ~」
「んな訳ないでしょ!どうせ日向さんに押しつけて帰って来ちゃったのよ!」
「うっ・・・」
顔引きつってる・・・
「日向さんが過労死したら確実に犯人はミサトね!」
「葛城一尉・・・最低・・・」
「姉さんはずっとお仕事で泊まりなのに・・・」
ミサトさん、固まっちゃった・・・
「ち、違うわよ!ただ着替え取りに来ただけなの!私だって今夜は徹夜よ!」
「ふ~ん・・・」
「・・・」
「・・・」
「そ、そんな目で見ないでぇ~(泣)」
たまにミサトさんが年下に見えます・・・
いや、悪い意味で・・・


「そ、それにしてもユイちゃんのご飯って美味しいわね~、どう、私のお嫁さんにならない?」
「はいぃ?!」
「何言ってんの!」
何で私が女の人の所にお嫁に行かなきゃ・・・
「ユイはアタシのお嫁さんになるって決まってんのよ!」
ア、アスカァ~・・・
「おっ、じゃあアスカは私の恋敵ね!」
「ふんっ、望む所よ!」


「なんなんですかぁ~・・・」
私のために争わないで~・・・とはとても言えなかった。
なんか違うし・・・
て、綾波、なに潤んだ目で見つめてるの?
「ウェディングドレスを着て私にお姫様抱っこされている赤木さん・・・タキシード着た私はそっとキスするの・・・(うっとり)」
あなたもですかぁ~(涙)




こんな感じで5日があっという間に過ぎたのでした。




これはほんの一時の安らぎ・・・
楽しい時間はあっという間に過ぎ、そして辛い現実が私を縛り付ける・・・



[2240] Re[3]:闇と罪と本の旅人 第2部 22
Name: ふぁいず
Date: 2004/03/24 00:06
今回は、前半・状況説明、後半・ほのぼの
エロは無しです


いや、たまにはこういうの書かないと精神的に持たないし・・・
前回ちょっときつかったですしね


う~ん、アスカとユイを会わせると途端にほのぼのになってしまう・・・



[2240] Re:闇と罪と本の旅人 第2部 23
Name: ふぁいず
Date: 2004/03/28 20:52
第23話

運命は狂い始めている
それは私の所為?



[2240] Re[2]:闇と罪と本の旅人 第2部 23
Name: ふぁいず
Date: 2004/03/28 20:55
シンジが独房に入って5日目・・・
今日、拘束が解かれると言うことで私はネルフに迎えに行った。
すでに独房の受付にはミサトさん達が集まっていた。


ガチャ・・・


扉が開き、黒服の人に連れられたシンジが出てきた。憔悴した顔をしている。


「5日間、どうだった?」
ミサトさんか作戦部長の顔をして訪ねた。


「・・・・」
シンジはうつむいたまま何も言わない。


「何も言うことは無いの?」
「・・・・すみませんでした。」
ぼそりと言うシンジ。
何に対して謝ってるんだろう・・・
とりあえず謝ってるように聞こえる・・・
ミサトさんもそう感じたみたい。こめかみがピクピクしてる。


「あんたね・・・そうやってへこへこしてれば楽でしょうけど、万事うまくいくとは限らないのよ。」
「だったら・・・どうすれば、いいんですか?」
シンジの声も何となくいらついてる。切れるかな?


「自分がなぜ独房に入る羽目になったか、考えたの?」
「・・・僕が弱虫だからでしょ・・・」
“私”が弱虫だから?


「違う!だれだって怖いわよ!でもねっ、あんた、自分の立場ってもんを考えたことあるの?あんたの行動1つで人類が滅ぶのよ!それにあんたが抜けたせいでアスカ達にどれだけ負担がかかったと思ってんの?!」
「・・・好きで乗ってる訳じゃ・・・」
「!!」
ミサトさん、怒りで顔が真っ赤になってる。
「あんた今まで降りたいとか止めたいとか、自分の意見言ったことあんの?!周りが言ったからなんてのが理由になると思ってるの?!」
「じゃあ、言ったら降ろしてくれたんですか!」
「はっきり言えば簡単にはいかないわね!でも、言わないのとじゃ全然違うわよ!」
口論になってきた・・・
そうだよね・・・“僕”も自分の意見を言わなかった・・・
ほめられたい・・・そんな子供じみた考えで闘ってたんだ・・・
で、うまくいかないと逃げ出すんだ。
エヴァのパイロットは、そんな子供っぽい考えが通用する物じゃないのに。




「もう止めなさい。」
「だってリツコ!」
「ここで怒鳴り合ってどうなる物でもないわ。シンジ君、家に帰ってゆっくり休みなさい。ミサトは一緒に来て、話があるから。」
「はい・・・」
「わぁ~たわよ・・・」
暗い表情でうなずくシンジ。ミサトさんは姉さんと出て行った。


「シンジ君。帰りましょう・・・」
「はい・・・」
シンジはとぼとぼ歩き始め、私はその後に続いた。





全く会話もなく私たちは帰宅した。
すぐにシンジは自分の部屋に閉じこもってしまった。
はあ・・・
ため息が出る。第三者の目で見ると、“僕”ってほんとに子供なんだ・・・
どうしようもなくほどに・・・
たぶん、今もシンジは自分が悪いとは思ってない。
きっと、どうして僕がこんな目に・・・なんて被害者妄想を膨らましているんだろう。


ガッターン、ドスン、バサッ
突然、シンジの部屋から音が響き始めた。
「な、なに?!」
慌ててシンジの部屋に入る。
「シンジ君っ、どうしたの?!」
そこには見たことが無いシンジがいた。


「ちくしょう!ちくしょう!ちくしょうっ!みんな!みんなでっ!!」
棚にある本とかCDを床にぶちまけている。
その顔はゆがみまくっている。
「シ、シンジ、君?!」
私がもう一度声をかけるとシンジは暴れるのを止め、こちらに顔を向けた。


怖い・・・


「ユイさんも・・・馬鹿にしてるんですか?」
「えっ?!」
「みんなそう思ってるんだ!僕は弱虫で卑怯でどうしようもないヤツだって!ユイさんもそう思ってるんでしょ!」
「わ、私は・・・」
思ってる・・・だって“僕”が一番それを知っているのだから・・・
私は何を言って良いのかわからなかった。


「くそっ!」
答えない私にイラついたのか、シンジが床に落ちている雑誌を蹴り飛ばした。
「ひっ!」
私のすぐ隣の壁にそれはあたり、思わず身をすくめた。


怖い・・・


「みんなで、みんなで馬鹿にしやがって!」
シンジはそう叫ぶと私の手首を掴んだ。
「えっ、シ、シンジ君?!」
そのままシンジは私を振り投げた。
ベッドに倒れ込む。
「きゃっ!」
すぐさまシンジも覆い被さってきた。
「ちくしょう!」
服の襟元に手をかけられ思いっきり左右に開かれた。
ビリビリビリッ
布の裂ける音が響き、胸があらわになる。
「い、いやぁ!」
思わず悲鳴を上げると、シンジは手を振り上げた。
パシンッ
「あ・・・」
叩かれた・・・シンジが・・・私に・・・暴力?
うそ・・・


じんじんしびれる頬の痛みが一瞬信じられなかった。
「ユイさんは・・・ユイさんは僕の言うこと聞いてれば良いんだ!」
握りつぶすかのように胸を掴まれて痛みにうめく。
「いっ痛いっ!ご、ご免なさいっ、ご免なさいぃっ!」


怖い・・・怖いよ・・・
私の知ってる“シンジ”じゃない・・・


抵抗を無くした私の下着を抜き取り、シンジはいきなり挿入してきた。
「うっ、ぐっ、くうっ!」
まだ濡れてもいないあそこは痛みだけを伝えてくる。


「くそっくそっくそっ!」
がむしゃらに腰を振るシンジ。私は涙を流しながらシーツを掴み耐えるしかなかった。
乳房にむしゃぶりつかれ、乳首を噛まれて引っ張られる。
「ひ、ひいっ!い、痛いぃ!ご免なさい!もう許してぇっ!」
私を感じさせることなど考えず、ただ自分の感情のはけ口として私の身体を蹂躙していくシンジ。


それでも私の身体は徐々に感じ始めていた。


「いっ、ぐっ、あっ、ああっ、・・・んっ、くうっ・・・」
次第にあえぎ声が上がり始める。
「あはは、・・・なんだ、感じてるじゃないですか。やっぱりユイさんってスケベですよね。」
私は首を振って否定する。でもシンジは私を嬲り続けた。
「なにが違うんですか。もうこんなにぐちょぐちょ音がしてますよ。・・・この淫乱女!」
「い、いやぁぁぁぁぁぁぁぁ、あああああっ!」
シンジからこんな事を言われるなんて・・・あまりのショックに私は号泣してしまった。
「あはは、はは・・・何泣いてるんです?感じてるくせに。嫌らしい雌豚のくせに!」
「あああああっ、ひっ、ひっく、ううぅっああー!」
自分でも泣いているのかあえいでいるのか解らなかった。
私の顔は涙と鼻水でぐちゃぐちゃだった。


「くっ、ううっ!」
やがてシンジがうめくと腰を引き抜き、私の顔に白い物をぶちまけた。


「あ・・・ああ・・・あ・・・」
「あは、はははっ、綺麗ですよユイさん・・・やっぱりユイさんはこれが似合いますよ・・・」
かけられると同時に私も達してしまい、シンジのあざけりの言葉にも痙攣するだけでなにも答えられなかった。


シンジはズボンを履くと部屋を出て行き、しばらくして玄関の閉まる音が聞こえた。
私は顔から涙と精液を滴らせたまま、ベッドの上で動くことが出来なかった・・・





何分たったろう・・・1時間くらいたったような気もする・・・
私はゆっくりベッドから起き上がった。
精液はもう乾いて顔に張り付いている。
胸を見下ろすと所々歯型がついて内出血していた。


とぼとぼとシンジの部屋を出ると、そこにはケンちゃんがいた。
にゃう・・・
『嬢ちゃん、もうええやろ・・・こんな怖い思いしとうないやろ・・・もうやめい。』
「ケンちゃん・・・」
『嬢ちゃんだってほんとはこんなこと望んでへんやろ。』
「ち、ちがう・・・私は・・・」
『なら、なんで泣いとるんや!』
「泣いてない!それに・・・私は、私は罪を償わなきゃいけないの!」
『誰がそう言ったんや!』
「誰って・・・」
『誰も嬢ちゃんを責めとらせん。あれはしかたなかったんや。』
「しかたないじゃすまない!人類が、全ての生物が滅びたんだよ!私の、“僕”のせいで!!」
『嬢ちゃん!』
「だからダメ。まだまだ私は罰をうけなきゃいけない!私はまだ壊れていない!」
『嬢ちゃん・・・なんでそんな意固地になるんや・・・』
「だからこれも私の罰!これでいいの・・・」
『嬢ちゃん・・・』
ケンちゃんの呟きを背中に聞きながら私はバスルームに入っていった。
これでいいんだから・・・





シャワーを浴び、着替えを済ませると私はシンジの部屋に戻り片付けを始めた。
汚れたシーツは洗濯機に入れ新しいものと交換する。
窓を開け、外の空気と部屋にこもった嫌なにおいを入れ替えた。
床に散らばった雑誌を拾っていると玄関が開く音がした。
「シンジ君・・・?」
「ただいま。」
「おじゃまするわね~」
姉さんとミサトさんだった。




「これ・・・シンジ君が?」
「あら~、荒れたわねぇ~・・・」
片付け終わっていない部屋を見られ、姉さんたちが驚きの声を上げる。
「・・・」
私は黙って雑誌やCDを拾いつづけた。顔を姉さんたちからそむけながら・・・


「ユイ?」
「な、何?・・・」
姉さんが声をかけてきたがそのままで答えた。
「ユイ、ちょっとこっちを向きなさい。」
「・・・」
私が黙ってそのままでいると姉さんが近づき、私の顔に手をかけ無理やり振り向かせた。
「あう・・・」
「どうしたの、この顔?!」
やっぱりシンジに殴られた後がまだ消えてなかったんだ・・・どうしよう・・・
「ユイちゃん、その顔!」
ミサトさんも驚いた声を上げた。
「シンジ君ね・・・」
「ち、ちが・・・」
私は慌てて否定そしようとした。どうしよう・・・
「じゃあ、だれがやったの!」
「こ、転んで・・・」
「転んでこんな跡がつくわけないでしょ!これは殴られた跡よ!」
「う・・・」
「それに目が少し赤いわね・・・泣いていたんじゃないの?」
「そ、そんなこと・・・」
「あの馬鹿。女の子にあたるなんて・・・」


その時、玄関が開きシンジが帰ってきた。
姉さんとミサトさんがいるのを見てギクッとした感じで止まる。
「シンジ君・・・ちょっときなさい・・・」
姉さんが低い声で呼ぶ。でもシンジは戸惑うように玄関で動かなかった。
「こっちに来いって言ってるんでしょ!」
ミサトさんが玄関まで行き、シンジの手を掴んで引っ張ってきた。


シンジの目が私を見ている。
話したのか!・・・その目はそう言っていた。
私は姉さんの後ろで小さく首を横に振った。


「なにユイちゃん睨んでんのよ!こっちを見なさい!」
ミサトさんに怒鳴らた途端、急に萎縮するシンジ。
姉さんは私を庇うかのように抱きしめた。
「シンジ君・・・ユイのこの顔の跡・・・何か覚えない?」
シンジはうつむいて答えなかった。いや、足ががくがく震えている。
「黙ってりゃなんとかなるなんて思ってないでしょうね。あんた、ユイちゃん殴ったでしょ!」
「あ・・・う・・・」
「シンジ君、部屋を散らかすのは別に良いわ。ユイに片付けさせてたのは気に入らないけど・・・でもね・・・」
姉さんがそこで一呼吸あけた。怒ってる・・・
「私は大事な妹を殴られて黙っていられるほどお人よしじゃないのよ!」


「す、すみません・・・」
頭を下げるシンジ。でもそれは姉さんたちの怒りに油を注いだだけだった。
「誰に謝ってるの?!怒鳴っている相手に謝れば済むと思ってない?」
「あたしはね、あんたのそういう自分だけは守ろうって態度が気に入らないのよ!」
「すみません・・・」
シンジはそれを繰り返す。まるでそれしか知らないかのように・・・
姉さんたちの言葉は私の胸にも突き刺さった。
その通りの生き方をしたせいであの未来になってしまったのだから・・・


「悪いけど・・・シンジ君、この家出てってもらえないかしら。」
「「?!」」
シンジと私が同時に青ざめた。
“私達”が一番怖いこと・・・それは捨てられること・・・
「す、すみません!謝りますから!ごめんなさい!」
シンジが必死になって何度も頭を下げる。
でも姉さんは冷たい目でそれを見ていた。
「そもそも私がほとんど帰れない家に、男女二人にした私が浅はかだったのよ。」
「そうね、シンジ君はしばらく本部の独身寮に入ってもらいましょう。」
ミサトさんも同意する。


ダメ!
それはダメ!
シンジがいなくなったら私の贖罪が出来なくなる。
私からシンジを取り上げないで!


なんとかしようと声を出そうとしたその時。
「・・・・?!」
声が・・・出ない?
声だけじゃない。身体が動かない!どうして?!


固まった私を残して話は進んでいく。
「とりあえず入居手続きをしに本部へ行きましょう。シンジ君、ついてきて。」
「・・・はい。」
「リツコ、手続き終わったら荷物取りに戻らせるから。」
「解ったわ。」
そう言うとミサトさんはうなだれたシンジをつれて出て行ってしまった。
姉さんは私の頬をなでると、
「冷やした方が早く消えるわ。タオル濡らして持ってきてあげるから待ってて。」
そう言ってキッチンの方に消えていった。


「・・・はっ・・・」
急に、まるで糸が切れたかのように身体の自由が戻った。
「一体何が・・・」
にゃ~
その時背後で鳴き声がした。
振り返ればケンちゃんが座っている。一瞬目が赤く光ってたような・・・
「まさか・・・今のケンちゃんが?!」
『そうや・・・しばらく嬢ちゃんはボンと離れてたほうがいいと思ってな。悪いがよけいなこと言えんようにさせてもらったで。』
「そんな・・・酷い・・・」
『すまんかったな・・・でも、これも嬢ちゃんのためや・・・かんにんな・・・』
私はケンちゃんに言い返そうとしたが、そこに姉さんが戻ってきたため言うことが出来なかった。





数時間後、シンジが戻ってきて荷物整理を始めた。


「合わない方が良いわ。」
私は姉さんに自室から出ないように言われ、会うことも出来なかった・・・


シンジは出て行った・・・
私は・・・どうしたらいいの・・・



[2240] Re[3]:闇と罪と本の旅人 第2部 23
Name: ふぁいず
Date: 2004/03/28 20:57
シンジが壊れ気味です

ドメスティックバイオレンスなシーンが入ってしまいましたけど、
たとえ18禁版であったとしてもちょっと不味かったかな・・・



[2240] Re:闇と罪と本の旅人 第2部 24
Name: ふぁいず
Date: 2004/03/31 21:00
第24話

私は自分が嫌い
あなたは私のこと・・・



[2240] Re[2]:闇と罪と本の旅人 第2部 24
Name: ふぁいず
Date: 2004/03/31 21:04
朝、朝食の準備をしていると姉さんが起きてきた。
「おはよう、姉さん。」
「おはよう・・・ユイ、どうして3人分あるの?」
「あ・・・」
いつもの癖でシンジの分も作ってしまった。
そうか・・・今日からシンジはいなかったんだ・・・


姉さんはため息をついて言った。
「寂しいかもしれないけど慣れてちょうだい。精神的に不安定なシンジ君とあなたを、これ以上一緒に住ませる訳にはいかないの。」
「うん・・・」
しょうがない・・・シンジの分をお弁当に入れて学校で渡そう。




学校に着き、自分の席に座る。隣を見るとシンジはまだ登校していなかった。
「そういえば一人で起きれたのかな・・・」
時々寝坊して私が起こしてたし・・・
そんなことを考えていると、霧島さんがやってきた。
「おはよ赤木さん、シンジはどうしたの?」
いつの間にか呼び捨てにしている?
「解らない・・・の・・・」
「解らないって、シンジ、赤木さんの家に下宿してるんでしょ?」
「昨日で・・・出て行った・・・から・・・」
「え?・・・何かあったの?!」
「・・・」
私がどう説明していいか解らず、悩んでいるとシンジが登校してきた。


「あ・・・おはようございます・・・」
「おはよう・・・」
私を見て弱々しく挨拶をしてきた。


そうだ・・・お弁当渡さなきゃ。
「シンジ君・・・あの・・・」
「シンジ!私、お弁当作ってみたんだ!食べてみてね!」
「う、うん・・・ありがとう。」
私が話しかける前に霧島さんが鞄からお弁当箱を取り出して渡してしまった。
「あ・・・」
「ユイさん、あ、あの、なにか・・・」
「いえ・・・なんでもないの・・・」
お弁当、無駄になっちゃったな・・・





結局、お弁当は無駄にはならなかった。
「いや~、やっぱりユイのご飯は美味しいわ~♪」
「私にもちょっともらえる?・・・美味しい!」
「ダメ・・・洞木さん、その卵焼きは私の物・・・」
アスカ、洞木さん、綾波が夢中でパクついている。
こう喜んでもらえると嬉しいけど、ちょっと複雑。
「赤木さん、この唐揚げの味付け、こんど教えてもらえない?」
「う、うん、いいよ。」


シンジはお昼になると霧島さんに捕まって、どこかに行ってしまった。
一人になった私はアスカ達に誘われて一緒に食べている。


「でも、赤木さん、このお弁当・・・もしかして碇君の?」
「え、・・・あの・・・」
「あいつのことなんかほっときなさい!」
私が言いよどむと、アスカが吐き捨てるように言った。
「ユイ、あんた昨日あの馬鹿に殴られたんだって?」
「ほんとなの?!赤木さん!」
「碇君・・・殲滅・・・」
「ど、どうして・・・」
なんでアスカが知ってるの?て、綾波、せ、殲滅って?!
「夕べミサトに聞いたのよ。ユイが独房入りの八つ当たりを受けて泣かされてたってね。」
「ひどい・・・」
「碇君・・・殲滅・・・」
「た、たいしたこと無かったから・・・シンジ君も苛ついてただけだし・・・て、綾波さん、殲滅って。」
「問題ないわ・・・」
「そうね、レイ、一回エヴァであの馬鹿踏みつぶしてやろうか。」
「ええ・・・」
それって問題大有りなんですけど・・・





放課後、私はシンジに連れられて歩いていた。
着いたのはあの人気の無い体育館脇のトイレ。その男子トイレ個室に連れ込まれるとシンジはすぐにキスをしてきた。
シンジの舌がむさぼるように私の舌を絡める。大量の唾液を注ぎ込まれ私はそれを飲み干した。
「ユイさん・・・ユイさん・・・」
そう言いながら私の顔を舐めまわし、耳たぶをしゃぶる。手は私の胸をこね回し、もう片方の手は背中を撫でまわしていた。
「はっ、あ、あっ、ああっ、んっ、あっ、あっ、ああっ、んふっ」
私はその刺激にただ喘ぐだけ。
シンジは制服をたくし上げると、ブラを外し乳首に吸い付いた。
「ひうっ!」
ちゅーちゅー音を立てて吸われ、硬く尖った乳首に軽く歯を立てられる。
「あっ、ひっ、ああっ、んふっ、お、おかしくなっちゃうぅっ」
乳房のあちこちに吸い付き、赤い跡をつけていく。まるでこれは自分の物だと印をつけているかのように・・・


やがてシンジは胸から顔を離すと私に言った。
「ユイさん・・・しゃぶってください。」
「はい・・・」
私はその場にしゃがみこむとシンジのズボンのジッパーに手をかけ下ろした。
ブリーフを掻き分け中から硬くなった肉棒を取り出す。
「ああ・・・」
私はそれを見ただけで軽く喘いだ。
「ユイさんはこれが大好きなんですよね。」
「はい・・・」
「・・・やっぱりユイさんは淫乱ですね。おしゃぶりする前に自分で言ってみてください。」
「え・・・」
「自分は淫乱だって・・・」
そんな・・・私の口から?そんなこと・・・
「い、言えないならお預けですね・・・」
泣きたくなった・・・でも・・・私は・・・
「私は・・・ユイは・・・淫乱です・・・」
「声が小さいですよ・・・」
「ユイは・・・ユイは淫乱です!」
涙がこぼれた。
それは羞恥の涙なのかこれで先に進んめられるという歓喜の涙なのかわからなかった。


「それで良いんです・・・解ってますよね。ユイさんは僕だけの物だ・・・」
「はい・・・」
「なら・・・いいですよ。」
「はい。」


許しを得て私はそれを口に含む。生臭い匂いと熱く脈打つものを感じ私は一気に高ぶった。
「ふむ・・・ふう・・・んちゅ・・・うん・・・うむ・・・」
頭を前後に動かして先から根元まで丹念にしゃぶる。棒に絡めるように舌を這わせると、シンジは嬉しそうな声を上げた。
唐突にシンジが私の頭を掴み、腰を激しく動かし始めた。
「んぐっ、ぐふっ、ごっ、かはっ、げふっ!」
何度も喉の奥を衝かれ、口から唾液とともに黄色い胃液が糸を引いてこぼれた。
「いきますっ、全部飲んで!」
喉の奥に熱い物が何度もはじけ、私は吐きそうになりながらもそれを嚥下した。


「ふう・・・」
シンジはチャックを上げ、扉の方を向いてしまう。
「あ・・・」
「なんですか?」
「お、お願い・・・わ、私、まだ・・・」
身体がうずいておかしくなりそう・・・
「でも、僕もおいっちゃいましたし・・・」
「そ、そんな・・・」
思わずシンジにすがりついていた。
「仕方ないですね・・・立ってください。」
「はい・・・」
私は力が入らない身体をよろけさせながら立ち上がる。
「後ろを向いて、壁に手をついてください。」
「はい。」
言われたままにすると、シンジは私のスカートをまくった。
「うわ、ぐしょぐしょじゃないですか。ユイさんの恥ずかしいところが透けてますよ。」
「くっ・・・」
羞恥に顔が真っ赤になる。
シンジはショーツに手をかけると引き下ろし、私の足から抜いた。
「ほら、こんなになってますよ。」
私の顔の前で広げてみせる。
股のところに出来た大きな染みに、私は顔を背けた。
「ほんとにいやらしいですね・・・自分で淫乱だって認めてますし、お、お仕置きが必要ですよね。」
「えっ?!」
思わず私が聞き返すと、シンジはいきなりショーツを丸めて私の口の中に押し込んだ。
「う、むぐぅっ?!」
しょっぱい味が口の中に広がり、私は嫌悪感に顔をしかめる。
「出しちゃダメですよ・・・声が外に漏れちゃって人が来たら困りますよね。」
な、なにを・・・
シンジは私の背後に回ると突き出した格好になっているお尻をなで回した。
「ん・・・んん・・・ん・・・」
そして、いきなり平手で叩き始めた。
バシィッ!バシィッ!バシィッ!
あまりの痛みに目の前で火花が散る。
「ふぐぅっ?!ううっ!ぐぅぅ!!」
口に入れられたショーツのせいでくぐもった悲鳴しか出てこない。
シンジは私の腰を掴み逃げられないように固定すると、さらに激しく叩き始めた。
「んぐぅ!ぐうぅっ!ぐうっ!むぐぅぅ!!」
叩かれるたびに涙が飛び散り、お尻は赤く染まっていく。
どうして、どうしてこんなことするの?!
「僕見てましたよ。前にリツコさんに叩かれてたとき、ユイさんの下着に染みが出来てたこと。」
「んんんっ!!」
私は必死に首を振った。
違う!違う!違う!!
「ユイさん、こういうのでも感じるんですよね。ほんとに変態ですよ。」
「んんん~!!!」
「だって、ほらっ、叩かれるたびにユイさんのあそこからいやらしい汁が飛び散ってるじゃないですか。」
「んんっ~~~~~~!!」
嘘だ!そんなの嘘!私は、私は・・・違う・・・


「ほら、こんなに。」
グチュ
指をいきなり中に入れられる。突然の刺激に体中が痙攣した。
「んふっ!んんっ、んん~ん~~~~~!」


「あはは・・・」
シンジはひとしきり私の中をかき混ぜると、濡れた指を引き抜いてそれを私のお尻に塗り広げた。
そしてまた私のお尻を叩き始める。
「んんっ、んっんっんっんんっ!」
痛みにくぐもった悲鳴を上げながら、私は屈辱感に涙が止まらなかった。


バチィィンッ!
最後にひときわ強く叩かれたとき、私の中で何かがはじけた・・・


ブルッ


腰が震え、股間から湯気を立てながら液体が勢いよくほとばしる。
「あ~あ・・・ユイさん、またお漏らししちゃって・・・そんなに気持ちよかったんですか?」
馬鹿にした口調のシンジの言葉にも、私は涙をこぼしながら震えるだけだった・・・





ピッピッピッ
電子音が響き、シンジがポケットから携帯を取り出す。
メールを読んでいるらしいシンジを、私は床にしゃがみ込んだままうつろな目で見ていた。
「ちょっと用事が出来たので僕、行きますね。ユイさん見つからないように出てってくださいね。」
そう言うとシンジはトイレから出て行った。


バタン


戸が閉まり、私は一人個室に取り残される。
目からは壊れてしまったかのように涙が止まらない。
しびれたあごを開くと、丸まったショーツが口からこぼれ落ちた。
床を転がるそれを私はただ見つめている。


どうして・・・
どうしてこんなこと・・・
家を追い出されたから?
それともこれが“碇シンジ”の本性なの?


これも私の罪に違いない・・・
これが私の望んだ贖罪なんだから・・・


でも・・・


でも・・・


耐えきれない・・・


「う・・・うう・・・・もう・・・やだ・・・うぅ・・・」
個室に私の嗚咽がいつまでも響いていた。





人目を気にしながら女子トイレに移り、顔を洗った。
新しいショーツを鞄から出して履く。
「う・・・」
腰が痺れて上手く歩けなかった。


トイレから出ると空には黒い雲が広がっていた。
「帰ろう・・・」


私はふらつきながら歩き、校門を抜けて一人下校した。
「また一人・・・か・・・」
以前、変質者に襲われた公園近くを歩いていると、公園の中に人影を見つけた。
人影の方も私に気づいたらしくこちらに近寄ってくる。


「シンジ君・・・と、霧島さん?」
「・・・」
「・・・」
二人とも黙っている。さっきシンジを呼び出したメールは霧島さんだったのだろうか。
「ど、どうしたの・・・」
まだ、私を虐め足りないの・・・腰が引けて数歩後ずさった。


シンジは私を何故かきつめの視線で見つめている。霧島さんは私から目をそらしていた・・・


「ユイさん・・・」
「な、なに・・・」
シンジの目が怖い・・・
「ユイさんって・・・男なら誰だって良かったんですね・・・僕とは遊びだったんですね・・・」
「な、なに言ってるの?!」
突然の言葉に私は驚いた。遊びって?!
シンジは手にしていた物を私の前にかざす。それは写真だった。


「ひっ?!」
その写真には・・・私が複数の男性に抱かれている・・・私は嫌らしい顔であえいでいた・・・
「そんな・・・そんな・・・」
あの時の・・・カラオケで眠らされて襲われたときの・・・写真撮られてた?
それに、なんでそれをシンジがもってるの?!


血の気が引き、足下がふらつく。


「こんな風にいろんな男と遊んでたんですね。」
「ち、違う・・・」
私が震えた声で否定すると、シンジの顔が醜くゆがんだ。
パンッ
私の頬が乾いた音を立て、よろけて尻餅をつく。
「シンジ!」
霧島さんが驚いた声を上げた。しかし、シンジは私をにらみつけたまま。
「じゃあ、これはなんなんですか!こんな沢山の男と・・・こんな嬉しそうな顔で!」
違う!違う!!喜んでなんか無い!
そう言いたくても声が出ない。
私は頬を押さえたまま、震えてシンジを見ていた。


「裏切ったんだ!父さんと同じで僕を裏切ったんだ!」
シンジは絶叫する。
「なんで?!なんでだよ!!僕だけの物になるって言ってたじゃないか!」
「シンジ、止めて!」
私に殴りかかろうと腕を振り上げたところを、霧島さんが羽交い締めにして止めた。


シンジはしばらくもがいていたが、意外と霧島さんの力が強いらしくやがて動きを止めてうなだれた。
「・・・結局、僕は身体だけだったんですね・・・」
それはシンジだって同じじゃない・・・
「考えてみれば、ユイさん・・・一回も僕のこと好きって行ってくれたこと無いし・・・」
言えるわけ無い・・・
だって君は“僕”なんだから・・・
“僕”は自分が大嫌いなんだから・・・


「マナは僕のこと好きだって言ってくれたんだ。」
そんな・・・霧島さんを見ると、私と視線を合わせようとしない。なぜか辛そうな顔をしている。


「いらない・・・」
「え・・・」
ぼそっとシンジがつぶやく。
「僕のこと・・・僕だけを見てくれない・・・僕の物にならないユイさんなんていらない!もう知るもんか!!」
いらない・・・?
「この淫乱!スケベ!売女!!お前なんか・・・お前なんか嫌いだ!!」
「シンジ?!言い過ぎよ!!」
見かねた霧島さんがシンジに叫ぶ。
でも、私は呆然とそれを見ていた。
いらない・・・?嫌い・・・?


「さよなら・・・」
シンジは吐き捨てるようにそう言うと、私に背を向けて歩き出した。
霧島さんがあわてて後を追う。一瞬、私を辛そうな目で見て唇だけが動いたのが見えた。
ゴメンネ・・・
どういう意味だろう・・・?
解らない・・・でも、そんなことはどうでも良かった・・・


解っていることはただ一つ。




私は・・・捨てられた・・・



[2240] Re[3]:闇と罪と本の旅人 第2部 24
Name: ふぁいず
Date: 2004/03/31 21:06
ああ、勢いで書いたらこんな展開に・・・
絶対、自分で自分の首閉めてるよ~
どうしようこの先・・・(オイオイ)

さて、この展開。
シンジの身勝手さが極まったのか、
それてもユイが自業自得なのか

どっちなんでしょうね

どっちなんだろ・・・(オイッ!)



[2240] Re:闇と罪と本の旅人 第2部 25
Name: ふぁいず
Date: 2004/04/04 21:45
第25話

捨てられた私
惨めで、無様で・・・そして、私にはお似合い?



[2240] Re[2]:闇と罪と本の旅人 第2部 25
Name: ふぁいず
Date: 2004/04/04 21:48
シンジの背中が遠ざかっていく。
私は思わず手を伸ばす。
行かないで!私を一人にしないで!!
その手の先でシンジの背中はますます小さくなっていき、やがて見えなくなっていった。
手に水滴がいくつも落ちてきた。雨が降り出したらしい。


捨てられた・・・


私は・・・捨てられた・・・
誰に?・・・シンジに・・・自分自身に・・・


雨は次第に強くなっていく。それでも私はその場に座り込んだまま呆然としていた。





日も落ち、辺りは暗くなって雨も激しさを増していた。
私は傘もささずに歩いている。
濡れた制服が肌に張り付いて透けている。髪も身体にまとわりついてきた。
すれちがう人たちが驚いた顔で私を見、何人かは声をかけてきたが私は歩き続けた。


頬を水滴が伝う・・・雨なのか泣いているのか自分でも解らなかった・・・




気がつけば家に着いていた。
玄関の前に立ったとき、ドアが突然開いた。
「ユイ?!」
姉さん?・・・帰ってたんだ・・・今日は早いね・・・


「どうしたの、ユイ?!びしょ濡れじゃない!なんで連絡しないの?!」
見れば姉さんは傘を二つ手に持っている。私を迎えに行こうとしてたのかな・・・


「ユイ?・・・ユイ?どうしたの?」
姉さんが私の顔をのぞき込む。どうかしたの?私何か変?
あれ・・・なんだか姉さんの声が小さくて聞きづらい・・・姉さんの顔がぼやけて・・・


「ユイ!」
私は意識を失いその場に崩れ落ちた。











ここはどこ・・・
誰かいないの?


そこにいるのは、“父さん”?


“僕”は駅で泣いている。
“父さん”の背中がどんどん遠ざかっていく・・・
行かないで!
「おまえなどいらん!」




先生の家の離れで一人勉強していた。
家の方から楽しそうな会話が聞こえてくる。
「あなた、いつまであの子預かるんですか?」
「しょうがないだろ・・・それなりの金もらっているんだから。」
「でも私、あんな暗い子いらないわ。」




ミサトさんが怒っている。
「エヴァに乗らないあなたなんて必要とされないのよ!乗らないなら、あんたなんていらない!」




綾波・・・
「怖いならあなたはそこで寝ていればいいわ。私が初号機に乗るから・・・あなたなんていらない。」




アスカ・・・
「私を見てくれないあんたなんて嫌い嫌い、大っ嫌い!あんたなんていらない!」




トウジ・・・
「よくも妹を傷つけてくれたな・・・おまえなんぞ死んじまえ!」




洞木さん・・・
「鈴原の足を返して!みんなを返して!この人殺し!!」




大勢の人が私を睨んでいる。
「人殺し!」
「俺はもっと生きていたかったんだ!」
「子供を返せ!」
「お母さん、どこいっちゃったの?返して!」
「死んじまえ!!」
「「「人殺し!!!」」」
「「「「「「「「人殺し!!!」」」」」」」」
「「「「「「「「「「「「人殺し!!!」」」」」」」」」」」」
「「「「「「「「「「「「「人殺し!!!」」」」」」」」」」」」」


いやだ・・・
ごめんなさい・・・
いい子でいるから・・・
許して・・・
“僕”を嫌わないで・・・
一人にしないで・・・










“私”は沢山の男の人に組み伏せられている。
全身を這い回る複数の手に、私は息を荒げる。
痛いほどに両方の乳房が揉まれて形を変えていく。
硬く尖った乳首を噛まれ、力いっぱい引っ張られ私は悲鳴を上げた。


あそこに、お尻に、口に、男の肉棒が突き刺さる。
次々と私の中に白い液が吐き出され、お腹が膨れていく。
全身が振りかかる白い液で染まっていく。


もっと、もっと私を汚して!私を罰して!
なんでもします!どんなことでも言うこと聞きます!
だから、だから私を見て!!私を見捨てないで!!


一人は嫌。誰もいない世界に一人で取り残されるのは、もう絶対に嫌!


「ユイさん。」
シンジ?!
「やっぱりユイさんって淫乱なんですね。こういうことが好きなんだ。」
違う!これは私の贖罪なの!私は罰せられているの!
「何わけのわからないこと言ってるんですか?ユイさんは好きでこういう事してるんですよ。」
違う!違う!!
「なら、なんでそんなに嬉しそうな顔で喘いでるんですか?」
嬉しくなんか・・・


「変態!おまえなんていらない。さよなら。」
シンジ!
嫌、いや・・・嫌ぁーーーーーーーーーーーーーー!!!





はっと目が覚める。
白い天井が見えた。
知らない天井だ・・・


「ユイ?目が覚めた?・・・」
誰かが私に話しかけてきた。
「姉・・・さん?」
「そうよ・・・私が解るのね?」
「うん・・・ここ、どこ?」
首を動かして辺りを見回す。
クリーム色の壁の何もない部屋・・・枕元の花瓶だけが色彩を持っていた。
ベッドの脇には点滴が下げられて、私の腕につながっている。
「ネルフの病院よ。あなた二日も寝ていたのよ。」
「どうして・・・」
「覚えてないの?あなたびしょ濡れで帰ってきて倒れたの。肺炎をおこしかけてたのよ。」
そうだっけ・・・
「高熱が続いて・・・一時はどうなるかと・・・」
語尾が震えてる・・・姉さん、泣いてる?
迷惑・・・かけちゃった・・・
「ごめんなさい・・・」
私が謝ると、姉さんは微笑んで手を私の額にあてた。冷たくて気持ちいい・・・


「いいのよ・・・熱もだいぶ引いたし・・・もう大丈夫だから・・・」
額にかかる髪をそっと直してくれた。




その時、扉が開き数人の足音が響いた。
「あ、ユイ目が覚めたの?!」
「赤木さん、良かったぁ~」
「ユイちゃ~ん、心配したのよ~」
アスカ・・・洞木さん・・・ミサトさん・・・


「3人とも、もう少し静かになさい。ここは病院なのよ。」
「「「は~い♪」」」
姉さんにしかられ、照れたように笑う3人。


また扉が開く。
「やあ、目がさめたのかい?歓喜の極みだねぇ、踊り狂いたいってことさ。」
「あなた・・・何言ってるのかわからない・・・」
カヲル君に綾波・・・


皆来てくれた・・・心配させたんだ・・・
やっぱり私、皆に迷惑ばかりかけてるんだ・・・


「ごめんなさい・・・」
私が小さな声で言うと、皆はきょとんっとしたあと、一斉に笑顔になった。
「な~に言ってんのよ!」
「そうよ、私達は赤木さんが元気で嬉しいのよ。」
「あ、これマヤちゃんからね。オペレーターの皆もほんとは来たがってたのよねぇ~」
「美少女は笑顔が一番さ。そんな曇った顔は君に似合わないよ。」
「あなたやっぱり変・・・赤木さん目がさめてよかった・・・」


心が温かくなる・・・でも・・・
「でも私、皆に迷惑かけてる・・・」


「迷惑だなんて思ったこと無いわよ!あんたのドジは最初っからなんだから、ねっ、ヒカリ♪」
「ア、アスカ、それは失礼でしょ。」


「でも・・・」
姉さんが私の手を握る。
「みんなあなたの事、大好きなのよ。」
私の目から涙がこぼれた。
馬鹿ね、と笑いながら姉さんが拭いてくれる。


私には贅沢すぎる幸せ・・・
こんな幸せを私は感じてはいけないのに・・・
だけど・・・今は、今だけはこの温もりに包まれていたかった・・・





ひとしきりガヤガヤとにぎやかな時間が過ぎ、やがて皆は帰っていった。
残ったのは姉さん一人。


「姉さん・・・」
「なに?」
「あの・・・お仕事は?」
「休んじゃったわ。今ごろマヤが悲鳴あげてるでしょうね。」
「・・・大丈夫なの?」
「いいのよ、そろそろあの娘も一人前になってもらわないと困るし。いい機会だわ。」
「ふーん・・・」
「それに、碇司令の許可もとってあるしね。」
「えっ・・・」
「そういう理由ならしかたないって休みをくれたわ。」
「父さんが・・・」
「父さん?」
「あ・・・シ、シンジ君の・・・」
しばらく姉さんは訝しげに私を見ていた。
「そうね・・・」
たいして気にしてなかったみたい・・・多分・・・


しばらく沈黙が続いた。




『温もり?』
えっ・・・
『なにを甘えたこと言ってるの?“私”は・・・』
・・・
『人殺しのくせに・・・』
!!
『それに忘れたの?“私”は自分自身に捨てられた最低女だって。』
やめて!
『あたりまえよね。“私”は自分が嫌いだもの。“自分”に嫌われるのは当然よね。』
やめて!お願い!
『淫乱で、変態。犯されても叩かれても感じて喜んでいる・・・“シンジ”も見捨てる訳よね。』
違う・・・喜んでない。そんな酷いこと言わないで・・・
『忘れないで、私の贖罪はまだ終わってないわよ・・・』




ぞくっ・・・
突然、背中に氷を入れられたかのような寒気に襲われた。


「どうしたのユイ?顔が真っ青よ。」
「寒い・・・の・・・」
姉さんは私の額に手をあてて顔をしかめた。
「また熱が出てきてるわね・・・まってて、お薬取ってきてあげる。」
立ち上がりかけた姉さんの手を私は思わず掴んでいた。
「ユイ?」
一人にしないで・・・
言葉にしなくても姉さんはわかってくれた・・・
「何処にも行かないわ・・・」
姉さんは私の手を握り、ナースコールのボタンに手を伸ばした。


私は姉さんの手のぬくもりを感じながら眠りに落ちていった・・・



[2240] Re[3]:闇と罪と本の旅人 第2部 25
Name: ふぁいず
Date: 2004/04/04 21:50
中書き
時々ユイを追いつめる声は別に二重人格ではありません
人類を滅ぼしたという強迫観念からくるただの幻聴です・・・て、それもかなりやばいか(汗)



[2240] Re:闇と罪と本の旅人 第2部 26
Name: ふぁいず
Date: 2004/04/09 00:06
第26話

明日になれば彼は謝りながら帰ってくるんじゃないか
そんな甘いことを考えている私は・・・



[2240] Re[2]:闇と罪と本の旅人 第2部 26
Name: ふぁいず
Date: 2004/04/09 00:10
翌日、退院許可が下り、私は帰る準備をしていた。と言っても今日は家で安静にしているよう言われたけど。
「ユイ、着替えはこれね。」
「うん。」
手渡された紙袋を開いてびっくり!
「ね、姉さん・・・これって・・・」
「一番可愛いの選んできたから♪」
フリフリの白いワンピース。所々に赤いリボンが可愛らしく入ってる。
「ほ、他のは?」
「今日持ってきたのはこれだけよ。」
「そんなぁ・・・」
着るしかないのかぁ~


渋々そのワンピースを着る。
「あぁ、やっぱり可愛いわぁ~♪」
「うぅ・・・恥ずかしいよぉ~」
がらっとドアが開き、アスカ達が入ってきた。
「ユイ~・ィ・・?!」
「こんにちは、赤木さ・ん・・・?!」
二人とも私を見て固まっている。や、やっぱり変だよね。
「「か・・・」」
「か、?」
「「可愛いぃ~♪」」
二人で抱き合ってきゃいきゃい飛び跳ねてる。
「ユ、ユイっその服どうしたの?!」
「あ、赤木さんって普段着そんなに可愛いの!?」
「ち、違います!こ、これは姉さんの趣味で・・・」
慌てて弁解する私。でも、姉さんはニコニコしている。
「あら、でも可愛いわよね。二人ともそう思わない?」
「思う!リツコ最高~!!」
「ああ、カメラ、カメラ・・・アスカ、カメラ持ってない?」
「携帯のでいいじゃん!」
「そ、そうね!」
「ちょっと二人ともぉ~」
それから延々撮影会が始まり、それに姉さん、その跡は看護婦さん達まで加わり大騒ぎになってしまった。
勘弁して・・・




そう言えば、シンジは一回も来なかったな・・・
当たり前か・・・捨てた女の見舞いなんてするわけ・・・


私は捨てられたんだから・・・






「ここで待ってて、手続きしてくるから。」
病院のロビーで姉さんはそう言って受付の方に歩いていった。
一人取り残された私に彼方此方から視線が集中する。
「ねっ見て、あの娘、可愛い~。」
「ママァ~、あたしもあのお洋服ほしいぃ~」
「うわ~、ああいう服、始めて見たよ。」
うう~、目立ちすぎだよ~


ボフッ
「きゃん?!」
顔を赤くしながらうつむいて立っていた私のお尻に、何かがぶっつかった。


「ほえぇ~、ご免なさい~」
ふりむけば、パジャマを着た小学生くらいの女の子が鼻を押さえていた。
「あ、大丈夫?」
「大丈夫ですぅ~」
てへへっと笑う女の子。可愛い子だな~
「ほえっ?うわぁ、お姉ちゃんそのお洋服可愛い~♪」
「そ、そう?ありがと・・・ハァ・・・」
ため息が出てしまった。


「サクラ。なにやっとんのや?」
「あ、お兄ちゃん。」
聞いたことがある声がして顔を上げると、
「す、鈴原君?」
「あ、赤木はんか?」
トウジだった。えっ、お兄ちゃん?
て、ことは・・・この子って、トウジの妹?


「鈴原君の妹さんってこの病院だったの?」
「ああ、そうや。赤木はんもここ二三日休んでたけど、ここやったんか。」
「うん。ちょっと入院しちゃって・・・」
「クラスのみんなも心配しとったで。」
「あ・・・ご免なさい・・・」
「い、いや、元気そうならそれでいいんや。・・・にしても赤木はん、なんちゅ~か、お嬢様って感じやな、その格好。」
「い、言わないで、お願いだから・・・」
恥ずかしいんだから。


「ね~ね~、お兄ちゃん、知り合い?」
私達が話していると女の子がトウジの袖を引いてきた。
「あ、ああ、おんなじクラスの赤木ユイはんや。赤木はん、こいつは妹のサクラや。ほら、挨拶せい。」


「は~い、こんにちはユイお姉ちゃん。鈴原サクラですっ!」
元気にぴょこんっと頭を下げるサクラちゃん。
「赤木ユイです。よろしくねサクラちゃん。」
「うんっ♪」
トウジはそんなサクラちゃんを優しい目で見ている。本当に大切にしているんだな・・・
私がそんなことを考えていると、サクラちゃんが話しかけてきた。
「ねえねえ、ユイお姉ちゃんってお兄ちゃんの彼女なの?」
「えっ?・・・ええっ?!」
「な、なにいうとんのや?!お前はぁ!」
「違うの?」
「ち、違うよ。私達はただのお友達。」
「な~んだ。ユイお姉ちゃんみたいな美人がサクラのお姉ちゃんになってくれたら嬉しかったのにぃ~。」
「何アホなこといっとんのや。・・・赤木はんがワシみたいなやつ、相手にしてくれるわけないやろ・・・」
「えっ・・・」
トウジらしくない小さな声に私が聞き返そうとした時、姉さんが戻ってきた。
「ユイ、行きましょう。あら・・・」
「あ、こんちは。」
トウジは姉さんと軽く話すと、サクラちゃんをつれて行ってしまった。
さっきのトウジ・・・まさかね・・・





家に帰るとすぐにベッドに寝かしつけられた。
「ちゃんと寝てるのよ。私はこれから仕事だけど、今夜はマヤが来てくれるから。」
「うん。」
「何かあったらすぐ連絡するのよ。」
「だ、大丈夫だから・・・」
「大丈夫だと思ったらこんなに心配しません!傘もささずに雨の中歩いて倒れたお馬鹿は何処の誰?」
「わ、私です・・・」
「だったら言うこと聞きなさい。」
「はいぃ・・・」
姉さんは何度も念を押すと家を出て行った。
玄関では、
「ケンちゃん、ユイの事頼んだわね。」
とケンちゃんにまで言う始末だった。私、猫以下?


ケンちゃんも、
にゃんっ!『まかしとき、姐さん!』
と大張り切りだったけど。


姉さん、私の看病で仕事貯まってるんだろうな・・・
姉さんこそ体壊さなきゃいいけど・・・
私、姉さんと一緒に住んでていいのかな・・・


にゃあ
『嬢ちゃん、気分悪くないか?おとなしく寝とるんやで。』
独りでに扉が開き、その隙間からケンちゃんが入ってきた。


「ねえ、ケンちゃん・・・」
『なんや?』
「私・・・ここにいていいのかな・・・」
『どういうこっちゃ?』
「私・・・姉さんに迷惑ばかりかけてる・・・ここ、出てった方がいいのかも・・・」
ケンちゃんは一っ飛びでベッドの上に飛び乗ると、私の額に前足をおいた。
『そんなことあらへん。リツコ姐さんは嬢ちゃんのこと本当に大切に思ってるで。』
「でも・・・私・・・」
『もし嬢ちゃんが此処を出て行ったら、それこそ姐さんは悲しむやろうな。嬢ちゃんは此処にいていいんや。』
「ほんとに・・・?」
『ああ・・・ほんとや。・・・一眠りせい。まだ調子が悪いからそんな考えになるんや。』
「うん・・・ケンちゃん・・・私が寝るまで・・・此処にいて・・・」
『どこにも行かんよ・・・』
ケンちゃんは私の枕元で丸くなった。私も目を閉じ、ゆっくりと眠りについた。





何時間か寝て、目が覚めると枕元にマヤさんが座っていた。
「ユイちゃん、お腹空かない?おかゆ作ってあるから食べる?」
「あ、はい。」
マヤさんのおかゆは美味しかったな。
その後は枕元でマヤさんにいろいろな話をしてもらった。
マヤさんって・・・女子高生みたい・・・本当に大人?
「マヤさんって・・・若々しいですよね・・・」
そう言うとマヤさんは複雑そうな顔をしてた。
「ほんとは年相応に見られたいのよぉ~」
その仕草も子供っぽかったりするんだな。





翌日もマヤさんが朝食を作ってもらい、学校まで車で送ってもらった。


「お、おはようございます・・・」
そっと扉を開けて教室にはいると、騒がしかったのが嘘のように静まった。
うわ~・・・注目浴びちゃってる。


「赤木さん、もう大丈夫なの?」
「ユイちゃん、お姉さんは心配したんだぞ。」
「お見舞い行けなくてごめんね。」
一斉に声をかけられる。
「あ、あの・・・心配かけてごめんなさい・・・」
「いいのよ、赤木さんが元気になれば。」


そんな話をしていると後ろから・・・


「ユ~イッ♪」
がはっと胸を掴まれた。
「うにゃあっ?!ア、アスカさん?!」
お願いだから胸揉まないで~
「ああ~、この感触♪ひっさしぶりだわぁ~♪♪」
私の胸はアスカのオモチャじゃないんだってばぁ~、洞木さんもカヲル君も笑ってないで止めて~
ああ、男子達が一斉にしゃがんじゃった・・・またエッチな目で見られちゃうよぉ~





その後騒ぎも静まりHRが始まったが、シンジは登校してこなかった。




「一昨日ね、霧島さんがいきなり転校してったの。」
「え・・・」
お昼時、アスカと綾波と洞木さんで一緒に食べていると、洞木さんがそう言った。
「休みかと思ったら、先生が突然そう言ったの。お家の都合だって言うけど突然すぎるわよね~」
ため息を突きながら言う洞木さん。ちゃんとお別れ会とかしたかったんだろうな。
「碇君も三日前から休んだままだし・・・」
「ヒカリ!」
洞木さんがそう言いかけると、アスカが厳しい口調で言った。
「それは言わなくていいの!」
「ご、ごめんね、つい・・・」
内緒の話だったの?・・・でもどうして?
「・・・シンジ君・・・どうかしたの?」
「ユイは知らなくても良い事よ・・・ネルフ絡みのことだから・・・」
「赤木さんは気にしないで・・・」
アスカと綾波がなんだかハッキリしない口調で言う。
何かシンジにあったの・・・
私が倒れている間に何があったの・・・
二人ともそれ以上はなにも話してくれなかった。




次の日も・・・そのまた次の日もシンジは登校してこなかった・・・


私は元シンジの部屋で主のいない机を見つめながら考えていた。
なぜ?
禁固はもう解けているはず・・・
あれから使徒も来ていないし、シンジが監禁される理由もない・・・
姉さんに聞いてもはぐらかされてしまった。
シンジは一体どうしたの?


私に会いたくないから学校に来ないの?
顔も見たくないの?


あれ以来私の贖罪は止まったまま・・・
私を罰してくれる人がいない。


でも・・・
『いならい。』
『おまえなんか嫌いだ!』


もしシンジが出てきても私は彼の前にいられるの?
あの時の私を見るシンジの目が・・・汚物でも見るような冷たい目を思い出すと身体が震えた。


足下がふらつき、寄りかかるようにシンジの机に手を置く。
その時、スカートの上から机の角が私の股間に押し付けられ、身体がびくっと震えた。
「あっくっ、んんっ!」
体重を机の角にかける。私の柔らかいお肉が角に押しつぶされ中に隠されたお豆を刺激した。
「う・・・ん・・・あ・・・ああっ・・・」
自然に腰が前後に動き出す。止まらない・・・
「はっ・・・ああっ・・うんっ・・・あっあっあっ・・・」
気持ち・いい・・・
机の上に片足を乗せ、スカートをまくると机のふちに合わせて股間を大きく擦りつけた。
下着が割れ目に沿って深く食い込んでくる。
すでにぐしょぐしょになっていたあそこは机のふちを光らせた。
「ひっ、あっ、あうっ、ああっ、ああっ、んんっうっ・・・・」
指を2本そろえて口の中に入れる。
舌が自然に動き指を絡め舐めまわした。
指を伝って唾液が溢れてきた。
腰の動きが激しくなっていく。
「ふうっ、くちゃ、あ、ああっ、あうっ、あふっ、あ、あ、あっ、ああっ!」
視線の横に顔が見えた。


上気した顔で、指をくわえながら涎を垂らしているいやらしい顔・・・
壁にかかった鏡に映った私の顔だった・・・


『この淫乱女!』
『嫌らしい雌豚』
『この淫乱!スケベ!売女!!』


シンジの罵声が頭に響く。そのたびに背筋に電気が走った。
「あっ、いやぁっ、ああっ、あああああーーーーーっ!」
涙が溢れてくる。
なのに・・・こんなこと言われて悲しいのに・・・腰が止まらない!
私は夢中で股間を机に擦りつけている。
「ああっ、いやっ、ああっ、い、いくっ、・・・だめっ・・・いっちゃうぅっ!」
思いっきり身体をのけぞらして、私は達してしまった。
しばらく硬直していたがやがて体の力が抜け、机の上に崩れ落ちた。


「はあー・・・は、あ・・・あふ・・・うん・・・」
無意識に指をくわえて吸い上げている。
シンジのものを奉仕していた時のように・・・
腰がビクビク痙攣してしばらく止まらなかった・・・


淫乱・・・


シンジに言われた通り・・・


私は淫乱でスケベで・・・虐められて喜ぶ変態・・・
そう思うとまた背筋にゾクソグと電気が走った。


気がつけば、机からぶら下がった状態の足を伝って暖かいものが流れ落ちている。
それはソックスを汚し、フローリングの床に黄色い水溜りを作っていた・・・



[2240] Re[3]:闇と罪と本の旅人 第2部 26
Name: ふぁいず
Date: 2004/04/09 00:17
リツコ姉さんの趣味が暴走しているような・・・

感想掲示板で逆行してスーパーなシンジについて討論がありましたけど、私のSSはスーパーシンジ物書いてる人に思いっきり喧嘩売ってるような気が・・・(汗)
体力無し、特殊能力無し、学力中学生上位レベル、精神弱い・・・
よく話が進むなぁ~と。



[2240] Re:闇と罪と本の旅人 第2部 27
Name: ふぁいず
Date: 2004/04/12 21:11
第27話

シンジがいない。
私の心は贖罪を求め、身体は快楽を求める・・・



[2240] Re[2]:闇と罪と本の旅人 第2部 27
Name: ふぁいず
Date: 2004/04/12 21:21
私が退院してから一週間が経った。
でも、シンジは一向に学校には姿をあらわさない。
たまにネルフへ姉さんの着替えを届けに行っても会えなかった。
姉さんやミサトさんに聞いても、そのたびにはぐらかされて答えてもらえない。
綾波は「知らない」の一点張りだし、アスカは聞いたりすれば、
「ユイはあんなヤツのこと気にすること無いのよ!」
と怒られてしまう。


皆、私になにか隠している?


シンジ・・・どこにいるの?
そこまで私を拒絶しているの・・・顔も見せたくないくらいに・・・


シンジがいないと私の贖罪が進まない。
こうなったら街に出て、シンジ以外の男の人に声かけて身を任せてしまえと思ったけど・・・
いざとなると怖くて何も出来ない。
結局、私も“僕”以外の人間が怖いんだ・・・


それに・・・シンジがいなくなって以来、身体が疼いてたまらない・・・
シンジに弄ばれ、抱かれつづけたこの身体は常に快楽を求めてきている・・・
いやらしい・・・
もう私の身体は快楽無しじゃ我慢できない・・・
時々、授業中でも無意識に手が胸や股間を弄ろうと動くことがある。
人に見られたら・・・必死にそれを抑えるが、その羞恥心で下着が濡れてしまう。
その度、休み時間にトイレで自分を慰めていた。


私は本当に・・・淫乱だ・・・




姉さんの洗濯物の入った袋を抱えながらネルフの廊下をとぼとぼと歩いていると、気がつけば知らない場所だった。
「ここ、何処?」
迷った・・・情けない・・・
もときた道を戻ろう・・・って、考え事してたからどの角曲がってきたのかわからないよ・・・


「うぅ・・・」
困った・・・こういうときに限って誰も通らないし・・・


途方に暮れていると突然真横の壁が開いた。壁かと思ってたら扉だったんだ。
「おおっと!」
「きゃあっ?!」
いきなり人が出てきたので私は悲鳴を上げてその場に転んでしまった。
洗濯物が袋から飛び出て床一面に広がる。


「ああぅ・・・」
泣きたい気分で洗濯物を拾う。すると扉から出てきた人物が話し掛けてきた。
「ユイちゃんじゃないか。」
「え、・・・加持・・・さん?」
無精ひげのその人物は加持さんだった。そう言えば船の上で会ってそれっきりだったような・・・


「手伝うよ・・・おっ、派手な下着だなぁ~♪」
「だっ、だめぇっ!!!」
紫のレースの下着(姉さんの着替え)を広げている加持さんから慌ててそれを取り返した。




「どうしたんだい、こんなところで。」
どうやら私は加持さんの執務室の前でウロウロしていたらしい。


「あ・・あの・・・」
「うん?」


「こ、ここ、どこでしょう?」
「はっ?・・・迷子だったのかい。」
はあ~とため息を吐かれた。うう、恥ずかしい・・・


道を教えてもらい、部屋を出る。
そうだ、加持さんなら・・・
「あの、・・・」
「ん?なんだい。」
「シンジ君・・・どうなったか知りませんか?」
「ああ、まだ捜索中だよ。なかなか面倒があってね。」
「そ、捜索中って・・・ど、どういう事ですか?!」
「知らなかったのかい?!」
あっちゃぁ~と加持さんは頭を抱えた。





「加持君・・・」
技術部にある姉さんの部屋で、加持さんは姉さんに睨まれていた。
「す、すまん。まさかユイちゃんに秘密にしていたとは知らなかったんで・・・」
「プロにあるまじき失態ね・・・」
「いや、本当に面目ない・・・」
蛇に睨まれた蛙。そんな感じの加持さんだった。
「姉さん、どういう事?シンジ君が失踪って・・・」
ため息をついて姉さんは話し始めた。
「あなたが倒れた日にね。シンジ君が突然いなくなったのよ。護衛についていた保安部の目をくらましてね。」
「それって・・・」
家出?
でも、子供一人でネルフから逃げ切れるわけ・・・
「ただの家出ではないわね。かといって、誘拐の線も考えづらい。痕跡が無さ過ぎるもの。」
「それじゃあ・・・どうして・・・」
「何者かの手引きでシンジ君自ら逃亡したっていうのが一番有力なのよ・・・」
逃亡?手引き?解らない・・・どういう事?


「どうして・・・」
ネルフから逃げたの?・・・それとも、私から・・・そこまで私を拒絶・・・


そう考えると目の前が真っ暗になった。
「ユイちゃん!」
加持さんの声に気がつくと倒れそうになっていたらしい。肩を支えられていた。
「だからユイには言いたくなかったのよ・・・」
姉さんが疲れた声で言った。


「私が・・・私が悪いの?・・・」
ソファに座らされた私は頭を抱えた。
「どういうことだい?」
「やっぱりあなた達なにかあったの?シンジ君の護衛についていた保安部員の報告で、あなた達が言い争っていたことはわかっているの。なにがあったの?」
「シンジ君・・・私のこと嫌いだって・・・好きだって言わない私は、もう要らないって・・・」
それより先は言えない。
姉さんに私とシンジの関係を知られたら嫌われてしまう。きっと軽蔑される・・・


「よくある痴話喧嘩だけど、好きって言ってくれないから要らないってのもシンジ君極端だなぁ。」
「そうね、それにそれだけでネルフからも逃走っていうのも、ね。」
「手引きした者の存在もあるしな・・・」
加持さんは無精ひげをぽりぽり掻きながら私を見つめた。
「ユイちゃん、霧島マナって娘をしっているかい?」
「霧島さん・・・?同じクラスでしたけど・・・」
「彼女がシンジ君に接触した最後の人間なんだ。しかも、現在彼女も消息不明ときている。」
「え・・・」
「まだ詳しくは言えないが、彼女もシンジ君失踪に一枚かんでるんじゃないかって疑いがあるんだ。」
「そんな・・・」
霧島さんが?どうして?
シンジをどうして連れて行ったの?
>『マナは僕のこと好きだって言ってくれたんだ。』
別れ際のシンジの言葉がよみがえる。
やっぱり私を捨てて、霧島さんと・・・
「霧島さんとシンジ君が一緒に・・・」


本当に私は捨てられた・・・
やっぱり私は要らない人間なんだ・・・だって、“僕”自身にも要らないって言われたんだから・・・


姉さんと加持さんがそれから何か言っていたけど、私は何も耳に入らなかった・・・





荷物を抱え地上に繋がるモノレールの駅に入ると、ホームにはかなりの人が電車待ちをしていた。
どうやら帰宅時間にぶつかっちゃったみたい。
モノレールが到着して乗るとやっぱり座れない。
みんな疲れた顔してるな・・・大変なんだ・・・
私は車両の角のスペースの壁に寄りかかった。


窓の外でピラミッド型のネルフ本部が小さくなっていく。
私はそれをじっと見ていた。


シンジはもうここにはいない・・・この町にもいない・・・
私を捨てて、霧島さんと出て行ってしまった。
捨てられた私はどうしたらいいの・・・
見捨てられた私は・・・


シンジが私を汚してくれない。
私を抱いてくれない。虐めてくれない・・・
私の唇を、胸を、足を、あそこを・・・


「ん・・・はぁ・・・」
体が熱く疼いてきた。
だめ・・・こんなところで。


それに、これじゃ私がシンジに抱かれることを、ただ快楽を望んでいるみたいじゃないの。
違う。
私は贖罪を、罪を償いたいから・・・
“僕”に触れられるのはおぞましいことなんだから・・・
“僕”の精液が私にかけられ、注がれることで、私は死にたいほどの屈辱を感じているのだから・・・


なのに・・・どうしてこのことを考えていると下着が湿っていくの。




列車は地上線と合流する駅に到着し混雑はますます酷くなった。


一般の人たちが次々と乗り込み私は壁に押し付けられる。
く、苦しい・・・


荷物がどこかに行かないように胸に抱えて必死に耐えていると、お尻のあたりで何かが動いた。
鞄か何かがぶつかっているのかと気にしないでいたけど・・・


お尻に触れたり離れたりしていたそれは、段々お尻を撫でるような動きに変わっていった。
こ、これって・・・
私がおかしいと感じたときには、お尻を掴まれていた。


ち、痴漢だ・・・


混雑の為身体が動かせない。首だけ後ろを向けても、サラリーマン風の人たちがうつむいて立っていて誰だかわからなかった。


ど、どうしよう・・・


動揺する私のお尻を、痴漢は全体を撫でまわしたり、柔らかさを楽しむように揉んだりと好き放題触っている。
やがてスカートをめくり上げ、ショーツをじかに触ってきた。
「ひっ・・・」
ごつごつと節くれだった指の感触がおぞましく、鳥肌が立ちそうになる。
指が私のお尻の割れ目をなぞるように上下に動く。
やだ・・・
やめて・・・
声を出したいのに、怖くて口が動かない。


それに、今の私の身体を触られたら・・・


痴漢はお尻の横からショーツの中に手を入れ、直接なで回す。
そして、ショーツのお尻の部分を紐のようにされ、お尻に食い込まされた。
ショーツを軽く上に引っ張られると、お尻に・・・そして股間にショーツが食い込んでいく。
「く・・・ん・・・ん・・・」
ショーツが食い込み、すれるたびに背筋から頭にかけて電気が走る。声が出そうになるのを必死に堪えた。
「あ・・・」
熱い物が私の中から漏れだし、ショーツの中に広がっていった。


私、感じてる・・・知らない人に触られて。


痴漢の手がショーツの前の方に回った。
やめてっ・・・そこは・・・濡れてるのが知られちゃう・・・


クチュ・・・


「んっ・・・」
驚いたように痴漢の手が一瞬止まり、その後調子づいたように私の割れ目を擦り始めた。
「ふっ・・・ん・・・んん・・・ん・・・」
声が出ちゃう・・・
その時、耳元にヤニ臭い息がかかった。
「お嬢ちゃん・・・濡れてるじゃん・・・やらしいなぁ・・・」
「あ・・・」
小声でそう言われると私の顔が一気に熱くなる。


ショーツの横に手をかけられ、ゆっくりとズリ降ろされる。
ショーツは股間のすぐ下で丸まって紐のようになってしまった。
私、電車の中でスカートをめくられ、下半身をむき出しにしている・・・
こんな所を誰かに見られたら・・・


股間に伸びた手の指が伸び、割れ目の中に潜る。
「んっんん・・・」
私の中に指が入ってきた。
ゆっくりとかき回すように私の中を動き回る。
「あ、はぁ・・・は、はぁ・・・はぁぁ・・・」
声が・・・息が荒くなって押さえきれない。
周りにばれちゃう。こんな私を見られちゃう・・・・
やだ、こんなの・・・やだ・・・
涙があふれてきた。


別の手が伸びてきて、お尻をなで回し始めた。それとはまた別の手が太ももを触ってくる。
そんなっ、一人じゃない?!


新しい手がセーラー服の裾から中に入ってきた。
背中をなでられ電気がはしる。そして、ブラのホックを手早くはずされた。
「や、やだ・・・」
「声を出すなよ・・・こんな姿周りに見られたくないだろ・・・」
痴漢に囁かれ、抵抗も出来ない。
セーラー服の中で痴漢の手は前に回り、浮いたブラの中に手を入れてきた。
すでに固く尖っていた乳首をつままれ、こねられる。
「ん・・・ふ・・・ん・・・んん・・・」
「びんびんじゃんかよ・・・こうされること望んでたんじゃないのか?」
痴漢の私をあざ笑う声に、私は口元を抑えながら必死に首を横に振る。


「ひっ・・・ん・・・んんっ・・・ん・・・はぁ・・・んっ・・・あはぁ・・・」
私の中の指が動きを速くする。胸も鷲掴みにされもみくちゃにされた。
お尻の穴にまで指が入ってきた。
「ふっ・・・はっ・・・あふっ・・・ん・・・んんっ・・・んっ・・・はあっ・・・」
割れ目に入った指と、お尻に入った指が薄い肉を挟んでこすれあう。
私は声を出してはいけないということ以外、自分がどこにいるのか何をされているのか何も解らなくなってしまった。
だめ、ダメ・・・だめっ・・・
「んんんんんんんっ!」
頭の中が真っ白になり、身体が硬直する。
何度も快感の波が押し寄せ、次第に引いてくると身体から力が抜けた。
「は・・・あ・・・あ・・・はぁ・・・」
足がガクガクして立っていられない。


壁に手をつき倒れそうな身体を支えていると、痴漢の手がまたスカートをめくった。
そして手を掴まれると、なにか固く熱い物を握らされた。
しばらくすると熱い物がお尻にふりかかり、その後ショーツを元に戻された。
グチュ・・・
ショーツの中で自分の物とは違う何かがしめった音を立てた・・・





列車が止まると痴漢達は他の乗客と共に去っていった。
私もよろけながら列車を降りる。
歩くたびにショーツの中でゼリーのような物がグチュグチュと音を立てていた。
トイレに入り、ショーツを降ろすと白い物が糸を引いて垂れている。
精液をかけられたんだ・・・
スカートにも何本か黒いシミが付いていた。


私、電車の中で複数の人に弄ばれたんだ・・・
他の人にも見られていたかもしれない・・・


濡らしたハンカチでスカートを拭いていると、また涙がこぼれてきた。


泣くことは無い・・・
だって、あの人たちは私に罰を与えてくれただけ・・・
ここにいないシンジの変わりに贖罪を手伝ってくれただけ・・・


「う・・・うう・・・」
だから・・・泣かなくていい・・・



[2240] Re[3]:闇と罪と本の旅人 第2部 27
Name: ふぁいず
Date: 2004/04/12 21:29
お知らせ
碇シンジを演じている若手役者の「SINJI」君が都合によりしばらくお休みです。
決して、ギャラ交渉のトラブルでも、役が悪すぎるからイメージ低下と所属プロからクレームが来た訳でも、ゲスト女優の「マナ」さんと駆け落ちしたという噂も全くありません(笑)。
復帰をお待ちください。




ああ、シンジがいないと展開が難しい。
次回、使徒戦のお話が進展します。



[2240] Re:闇と罪と本の旅人 第2部 28
Name: ふぁいず
Date: 2004/04/15 23:06
第28話

私の考えたシナリオ
でも、それはよけいに事態を悪化させた・・・



[2240] Re[2]:闇と罪と本の旅人 第2部 28
Name: ふぁいず
Date: 2004/04/15 23:12
あれから数日たったが、シンジの行方は以前解らない。
加持さん達が探しているらしいが、部外者の私には詳細など伝えられるわけもなかった。


ポーン
「2-Aの鈴原君、至急校長室まで来てください。」
校内放送が響き、トウジが怪訝な顔をして立ち上がる。
「鈴原、何かやったの?」
「なんやろ・・・心当たりないなぁ・・・」
洞木さんが声をかけるがトウジは首をかしげていた。


参号機が来るんだ・・・
トウジ、どうするんだろ・・・
もし、トウジがチルドレンを受けたら、私にはもうどうすることも出来ない・・・


放課後、トウジは教室に帰ってきた。なんだか不機嫌そうな顔をしている。
「よお、トウジ、なんだったんだよ。」
「なんでもあらへん・・・たいしたことやなかったわ。」
クラスの男子が声をかけたがぶっきらぼうに答えるだけだった。
次の日になってもトウジは普通に学校に来て悩んでいる様子もない。
きっと断ったんだ・・・よかった・・・





「あ、赤木さん、ぼ、ぼ、僕とつきあってください!」
「ごめんなさい・・・私、そんな気には・・・」
シンジが来なくなって、学校内に私とシンジが別れたという噂が広まっているらしい。
今日も屋上に呼び出されて告白された。これで五人目・・・


断られうなだれて帰っていく男の子の背中を見ながら、申し訳ない気分が広がる。
でも、私なんかと・・・


「ん~、今の子はちょっと可愛そうだったかな~」
入れ違いに昇降口から出てくるアスカ。
野次馬っぽくついてくるけど、実のところ私を守ろうとしてくれているみたいだった。


実際、昨日告白してきた3年生は、私が断ると途端に怒り出した。
『お高くとまってるんじゃねえよっ!』
その直後、飛び出してきたアスカに蹴り飛ばされて退散してしまったが・・・


「これで可愛い系はダメか・・・今までの体育会系二人ととガリ勉系とナンパ系もペケ。て、ことは・・・」
「?」
「ユイの好みって、イケメン系?美形が好きなの?」
「はあ、なんでそうなるの。」
私は男の人と付き合う気がないだけ。




「それとも女の子が好き?ああ、だめよユイ!アタシはノーマルなの、ごめんなさい。みんなぁこのアタシのぉ美しさがぁぁ罪なのねぇ~♪」
セリフの後半がミュージカル風になってる・・・
「はぁ・・・違います。」
「じゃあ、どんなのならいいのよぉ~?」
「別に好みなんて無いから・・・それに・・・」
「それに?」
「・・・なんでもないの。」
私なんかとつきあったって、きっと良いことなんか無い。


それに・・・私なんてまた捨てられるに決まってる・・・それが怖い・・・






その日、夕食を終えた姉さんがじっと私を見ていた。
「・・・」
「?・・・何?姉さん。私の顔に何かついてる?」
「え・・・いえ、なんでもないわ。」
そう言うと何か考え込むように黙ってしまった。
何を悩んでいるんだろ。


姉さんはあまり仕事の話はしてくれない。
機密に関わる仕事に就いているのだから当たり前なのだろうけど、一人で悩んでいるのを見るのは辛い。
自分の無力さが情けなかった。





数日後、学校に行くと洞木さんがまだ来ていなかった。
「おはようアスカさん。」
「あ、ああ、ユイ、おはよう。」
「洞木さんがいないなんて珍しいね。」
「そ、そうね・・・」
「風邪でもひいたかしら・・・大丈夫かな。」
「だ、大丈夫よ、きっと。」
なんだかアスカの歯切れが悪い。


HRが始まっても結局洞木さんは来なかった。
そう言えばカヲル君も来ていない。彼はなんだか前からよく休んでどこかに行ってる見たいなんだけど・・・




「赤木はん、ちょっとええか?」
「えっ・・・あ、はい。」
昼休み、私はトウジに呼び出されて屋上に来ていた。
「なんでなんや・・・」
「えっ?」
訳がわからず聞き返す。
「なんで委員長がロボットに乗らなあかんのや?!」
「ええっ?!」
私は耳を疑った。
どういうこと?なぜ洞木さんが?
気がつけば私はトウジのジャージを掴んでいた。


「ど、どういうこと?ほ、洞木さんがエヴァに乗るって・・・う、嘘でしょ!」
「な、なんや・・・知らんかったんか?」
私の剣幕にトウジの方が動揺している。
「こんまえ、赤木はんの姉はんが学校に来てパイロットにならんかって言ったんや。でもな、ワシは妹を怪我させたロボットなんぞ関わりとうないって言ったら諦めて帰ったんやけど。」
それで良かった。私の考えていたとおりになった。
「でも、昨日委員長から電話があったんや。ロボットのパイロットになることを了解したってな。」
「そ、そんな・・・」


そこまで考えてなかった。
トウジが乗らなかったら代わりに誰が乗るかなんて・・・
トウジが乗らなくなればあの悲惨な事は起きない。そう思っていた。


参号機を遊ばせておくわけ無いのに。
私は目の前が暗くなった。


「あ、赤木はん!大丈夫か?!し、しっかりせい!」
気がつけばトウジの胸に倒れ込んでいた。
「あ、あかん・・・ワ、ワシ、いらんこと言ったんやろか・・・赤木はんは教えてもらってなかったってことは・・・」
トウジが頭を掻きながら困った顔をしている。
その時、昇降口の扉が開いた。


「そうよ。この馬鹿!よけいなことユイに言ってくれたわね。」
「アスカさん・・・」
アスカは知っていたの?
「赤木さんには心配かけたくなかったのに・・・」
綾波まで・・・


「どうして・・・どうして洞木さんなの?!どうして!」
私はアスカに詰め寄った。
「洞木さんが戦えるわけないじゃない。アスカさんだって解ってるでしょ!どうして!」
「私だって何度も説得したわよ!でもヒカリも強情で・・・私達ばかりに戦わせる訳にはいかないって。勝手に話を進めちゃったのよ。」
「そんな・・・」


脳裏に、ぐしゃぐしゃになったプラグから引き出される片足のないトウジの姿が思い浮かんだ。


あの参号機には・・・ダメ!乗っちゃダメ!
もう私の正体がばれても良い!


「アスカさん!あの、」
ピリリリリリリリリッ
私が言いかけると同時にアスカと綾波の携帯が鳴り響いた。
「はいっ・・・爆発?!松代で?わかった。すぐ行くわ!」
「ごめんねユイ、話はまた後で!行くわよレイ!」
「了解。」
そう言うとアスカ達は走って行ってしまった




松代で爆発?
それって・・・
今日、起動実験やってたんだ!
数日前、姉さんが悩んでた事ってきっとこのことだったんだ。


「死んじゃう・・・洞木さんが死んじゃう・・・やだ・・・やだぁ・・・」
「あ、赤木はん?!だ、大丈夫や。惣流達がいるんやから。だから大丈夫やって!」


私はどうして良いか何も思いつかず、ただその場に膝をついて泣きじゃくるだけだった。
「ワ、ワシ、ど、どないしたらいいんや・・・」
トウジの途方に暮れた声が、避難警報にかき消された。





「赤木はん、こっちや!早よ!」
私はトウジに手を引かれシェルターに向かって走っていた。
参号機には使徒が・・・でもアスカも綾波も攻撃なんて出来るわけ無い。
だから“父さん”はダミープラグを使うだろう。


そうなったら洞木さんは・・・




いやだ!そんなの絶対に・・・


私をいつも気にしてくれる洞木さん。
大切な大切な友達。
失いたくない!




「赤木はん?」
私はトウジの手をふりほどいて立ち止まった。
「どうしたんや、赤木はん。はよ逃げんと!」
「だめ!」
「は?!」
「絶対ダメ!」
私は走り出した。


「赤木はん!どこ行くんや!戻るんや!」
「だめ!洞木さんの所に行かないと!絶対に行かないと!」
トウジの制止の声も聞かず私は走り続けた。
私が行ってどうなるわけでもない。
でもシェルターの中で待っていることなんて出来なかった。
トウジの声もいつしか聞こえなくなっている。


「はあ、はあ・・・はぁ・・・くぅ・・・」
10分も走らないうちに私はその場に座り込んでしまった。
息が切れて、膝ががくがく笑っている。
体力の無い自分が情けない。


「う・・うぅ・・・洞木さん・・・洞木さぁん・・・」
止めどもなく涙があふれてくる。
私は無力だ。洞木さんを助けることも、そばに行くこともできない。


ブオン!!
突然、エンジン音が響いた。
「赤木はん、乗りぃ!」
「ト・・・鈴原君!?」
顔を上げればトウジがバイクに乗って隣にいた。
「そ、それ・・・」
「ワシ、これでも不良なんやで。」
盗んできたの?!
照れくさそうに笑うトウジ。
「委員長の所に行きたいんやろ。早よ乗り!」
「う、うん。」
後ろに座りトウジの腰にしがみつく。
「うほっ!む、胸が・・・い、いや、ど、どこに行けばいいんや?」
「え、あの、強羅の方に・・・」
「わかった!」
ブオンッブオオオオオン!
バイクはうなりを上げて走り出した。





「こらぁ!止まりなさい!行っちゃあいかん!!死ぬぞお!!」
ピピー
検問をいくつも突破し、バイクは走り続ける。
そのたびに警官の怒号と笛の音が響いた。




やがて青い山のような物が見えてきた。
「赤木はん、あれって・・・」
「そんな・・・」
それは山ではなかった。
片腕のない零号機が倒れ伏している。
「綾波さん・・・」
「だ、大丈夫や。きっ、きっと・・・」
バイクは零号機のそばを走り抜けた。


「かぁっ、走りにくぅ!」
やがて道路がえぐり取られたようにでこぼこになってきた。
もう此処は戦場なんだ。


その時、
「な、なんやこれ?!」
「えっ、なに・・・ひっ!」
突然バイクが止まり、トウジの驚いた声に前方をのぞき込んだ私は悲鳴を上げそうになった。
「ち、血の川や・・・」
目の前を流れる川。でもそれは水ではなくどす黒い血の色をしている。
「じゃあ、この上で・・・」
戦いが・・・
この血は誰の物?
弐号機?それとも参号機?
どっちを想像しても最悪の答えしか浮かんでこない。


ズシン・・・
大地が震えた。
「な、なんや・・・」
ズシン、ズシン・・・
何かが近づいてくる。
もしかして使徒?
アスカもやられてしまったの?
恐怖に身体が震えて、思わず私はトウジにしがみついていた。
「うひょおっ?!」
トウジもなんだか変な悲鳴を上げていた。


「あ、あれは・・・」
トウジが震えた声を上げる。
その時、目の前にある小高い丘の向こうから巨大な影が現れた。
夕日を背にして真っ黒にしか見えない。


ズシン、ズズ・・・、ズシン、ズズズ・・・
その影は何か重い物を引きずる音を立てながら近づいてくる。
やがてそれは私達の目の前を通り過ぎていった。


赤い、血のように赤い機体。
それはアスカの弐号機。そして、弐号機が引きずっている物は・・・


真っ黒な固まり。
手も足もちぎれ飛んでいる。
頭もつぶれて原型がない。
そして・・・エントリーフラグがあるべきハズの後頭部は・・・爆ぜたように大穴が開いていた。


私はよろけるようにバイクから降りた。


「赤いの惣流のロボットなんやな。それじゃ・・・」


「うそ・・・」


「あれ・・・もしかして委員長が乗ってたロボットなんか・・・」


「うそ・・・」


「だ、大丈夫やろか・・・大丈夫やろな・・・な、赤木はん・・・」


「やだ・・・」


「赤木はん、何とか言ってくれ・・・たのむ・・・」


『そこの二人!その場を動くんじゃない!』
突然背後に車が急停止し、黒服の人たちがぞろぞろと降りてきた。
トウジが拘束され、私も手を掴まれる。


「んっ?君は・・・赤木博士の妹さんじゃないか。」
見たことがある顔の黒服の人が話しかけてきた。
「なんでこんな所に・・・どうした?大丈夫かね?」


私は頭を抱えた。
髪をかき乱すように爪を立てる。


「いや・・・いや・・・」
「君っ、どうした?!落ち着くんだ!」


「いやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


私は気を失いその場に倒れた。



[2240] Re[3]:闇と罪と本の旅人 第2部 28
Name: ふぁいず
Date: 2004/04/15 23:18
ご免なさい、今回はH無し


トウジの代わりにヒカリを乗せてしまいました
彼女の運命は?


次回に続く!



[2240] Re:闇と罪と本の旅人 第2部 29
Name: ふぁいず
Date: 2004/04/21 23:52
第29話

罪を償いたいのに
だけど私の罪は増えていくばかり・・・



[2240] Re[2]:闇と罪と本の旅人 第2部 29
Name: ふぁいず
Date: 2004/04/21 23:57
『ここはどこ?寒いよぉ・・・』
洞木さんの声が聞こえる。私は必死の洞木さんを探した。


『誰かいないの?痛い・・・痛いよ・・・誰か助けて・・・』
「洞木さん!どこ、どこにいるの?!」
声がするのに姿が見えない。
辺りは霧に包まれたように見通しが悪かった。


「洞木さん!」
やがて人影が見えてきた。二つに分けたお下げ。洞木さんだ。
「よかった。無事だったんだ。」
『赤木さん?』
「洞木さん。」


洞木さんは私に背を向けて立っていた。
「洞木さん、私はここだよ。こっちにいるよ。」
私の声に彼女はゆっくり振り向いた。
『赤木さん・・・迎えに来てくれたんだ。嬉しい・・・』
「え・・・」
彼女の顔は・・・血だらけで・・・胸からも血が噴き出している。
腕も足も裂けて骨が飛び出していた。


「ほ、洞木・さん・・・」
『赤木さぁん・・・・』
彼女は私に倒れかかるように抱きついてきた。
思わず抱きしめた手にいやな感触を感じた。
自分の手を見てみると、真っ赤に染まっていた。
「そんな・・・いやっ、いやぁーーーーーーーー!!!」





「いやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
悲鳴を上げながら、がばっと起きあがった。
「どうしたの?!大丈夫!」
看護婦さんが駆け込んできた。
私にはその看護婦さんまで血だらけの洞木さんに見えてしまった。


『助けて赤木さん・・・死にたくないの・・・』


「いやあっ!ご免なさい!ご免なさい!許してぇ!!」
「落ち着いて!大丈夫だから!先生っ、先生!!」
暴れる私を看護婦さんが必死に押さえ、駆けつけてきたお医者さんが何かを注射すると急速に意識がなくなっていった。









「なんでなんや・・・」
「トウ、・・・鈴原君?」
鬼のような形相でトウジは私を睨んでいた。
「なんで委員長があんな目にあわなならんのや?!」
「ご、ご免なさい・・・」
「赤木はんが謝りゃ元に戻るんかい!」
「ご免なさい、ご免なさい・・・」
私はひたすら謝るだけ・・・


トウジは苛ついたように私の手を掴んだ。
「ひっ・・・」
「赤木はん、ほんとは知っとったんやろ。委員長がエヴァに乗るって。知っとってなにもしなかったんやな?!」
「ち、違う・・・わ、私は・・・」
「言い訳すな!!」
バシイッ!!!
思いっきり頬を叩かれた。
私は倒れ伏し、震えながらトウジを見上げる。


「なんや・・・泣けば許してもらえると思っとるんか?」
「ご、ご免なさ・・・」
「うっとおしいんや!」
襟元を掴まれ、制服を思いっきり引き裂かれた。
ビリリリリッ!!
「い、いやあっ!」


トウジは強引に私の髪を掴むと、顔を目の前に持ってきてこう言った。
「メチャメチャにしたる!」




ブラをむしり取られ、力任せに胸を揉まれた。
私は苦痛にうめく。
「ぐうっ、い、痛いっ、痛いぃっ!」
「ふんっ、こんなでっかい乳しおって!これで男誘っとったんやろ!」
「ち、違うっ。ひいぃっ痛いっ!」
「口答えすんな!」
思いっきり胸を握られ、悲鳴を上げた。


「う、う、う・・・ご、ご免なさい・・・ご免なさい・・・」
涙があふれる。
トウジはそんな私を無視して、胸にむしゃぶりついてきた。
「うう・・・ん、んん・・・」
頬張るように乳房を口に含み、歯形をつけられる。
もう片方の乳房も鷲掴みにされ、揉みくちゃにされていた。


「あっ・・・・は・・・は・・・んん・・・」
「なんや、感じとるんか?やらしいなぁ・・・」
「ち、違う。」
「何が違うんや。乳首こんなに固く尖らせといて!」
「んひぃっ!」
乳首を摘まれ、引っ張られた。
「こんの淫乱女が!自分のことばっか考えて委員長見殺しにしおったんやろ!」
「ち、違う!違う!私は・・・」
「口答えすなって言ったやろ!」
また胸を強く握られた。
「ひいぃっ!ご免なさいぃっ、もうしません!もうしませんから許してぇ!」


トウジは泣き叫ぶ私の髪を掴むと、強引に唇を押しつけてきた。
「むぐ・・・んん・・・」
舌が入ってきて口内を好き勝手に蹂躙された。
流し込まれた唾液を飲み干すと、身体が熱くなっていく。


「あ、はあ・・・ああ・・・」
唇を解放された私はトロンとした顔であえいでいた。


「ふん・・・やらしい顔しおって・・・本性出しおったな。」
トウジは私のスカートをめくり、ショーツに手をかけた。
一気に引き下ろされ、片足だけ脱がされる。
足首にショーツを引っかけたまま、大きく足を広げられた。


「なんや、この糸ひいて垂れとるのは?ああっ?!」
トウジは私の股間を指でいじると、そこから滴る物をすくい取り私の顔の前に持ってきた。


「ああ・・・」
「なんやって言っとるやろ。言えないんか。おらっ?!」
答えない私の口に指をつっこむトウジ。
そのまま舌を捕まえ、なすりつけられた。
「んぐっ、あああ・・・」
舌を引っ張られ、涎を垂れ流す。


そんな私をトウジは軽蔑した顔で見、ズボンを下ろした。
いきり立ったものが股間にあてがわれる。


「おらっ!」
「ぐうぅっ、んんっ!」
熱く固い物が私の中に入り、息が詰まる。
トウジは激しく腰を突きたてた。子宮を突き破られそうな勢いに、乳房が激しく揺れる。
「うあっ、ああっ、はあっ、あっ、あひっ、ああっ、あんっ、んっ、あああっ!」
私は髪を振り乱して喘いだ。快感に何も考えられない。
「なに感じとるんや、この淫乱女!おまえはなあ罰せられとるんや!」
両方の乳房を握られ捻られた。
「ひいぃぃっ、ご免なさいぃっ、あぁっ、いひぃっ、許して、許してくださいぃ!」
「口で言ってもわからんようやな。」
トウジは私をひっくり返しうつぶせにすると、お尻に肉棒をつきたてた。
「やあぁっ、お尻はいやあっ!」
「言ったろ!これは罰やってな!」
「あぐうっ!」
激しく出し入れされ痛みに喘ぐ。でも、それもしばらくすると別の声に変わっていった。
「あぐっ、ひ、ひいっ、あうっ、ああっ、んあっ、ああっ、あああっ!」
「なんや?!尻でも感じとるんかぁ!この変態女がぁ!!」
バシィッ!
お尻を思いっきり平手で叩かれた。
「あひいっ!ああっ、あああっー、いやっ、ああっ、あっ、あっ、ああっ、ひあぁっ!」


トウジは荒々しく私のお尻を犯し、また私を仰向けにして前のほうに入れてきた。
「あうぅっ、ああっ、あっ、あっ、ああっ!」
「この淫乱が、なにしても感じよる。もういいわ。中で出すからな!」
「ああっ、い、いやっ、んっ、な、中は、ああっ、ダ、ダメッ、ゆ、許してっ、んあっあっ!」
私の喘ぎながらの哀願も無視し、トウジはさらに動きを早く激しくした。
「知るか!孕んでしまえ!」
私の腰を高く持ち上げ、最後に深くひと突きすると、熱いものが激しく中で噴出した。
「うおぉっ!」
「い、いやあぁぁぁ!!」


最後の一滴まで出すかのようにトウジは力んでいたが、やがて自分のものを引き抜いた。
私は腰を持ち上げられたままの姿勢にされ、痙攣していた。
ゴポッ・・・
目の前でぽっかりと穴をあけている私の割れ目から泡立った白いものが音をたてて噴出し、私の顔にとろーっとたれ落ちた。


「ああ・・・赤ちゃん・・・できちゃう・・・」
トウジの・・・親友だった人の・・・洞木さんの好きな人の・・・
そんなことになったら、洞木さんに嫌われてしまう。絶対に許してもらえない・・・
そんなの、いやぁ・・・


「う・・・うぅ・・・」
『何泣いてるの?いいじゃない、妊娠したって。』
やだ!やだよお・・・
『トウジの赤ちゃんが出来たら、きっと“私”は壊れることが出来る。望み通りじゃない。』
やだっ!そんなの洞木さんが許してくれない!洞木さんに嫌われたくない!
『何言ってるの・・・その洞木さんは“私”のせいで死んだのよ。』


「いやあっ!!こんなのいや!いやあ!!」


「五月蝿いわ!騒ぐな!!」
バシッ!
「ヒイッ!」
また叩かれ怯えた私が大人しくなると、トウジは私の髪を掴み頭を持ち上げ薄ら笑いを浮かべた。
「どうや、たくさん出たやろ。でも、孕んでも誰の子供かわからんと思うけどな。」
「え・・・」
どういうこと?
「これで終わったと思っとるんやないやろな。委員長見殺しにしといてこれで済むわけないやろ。怒っとるのもワシだけじゃないしのお。」
「えっ・・・」
ぞろぞろと人影が集まってきた。
「クラスの・・・」
2-Aの男子達だった。
「よくも委員長を。」
「酷いよな。」
「罰が必要だ。」
「そうだ、これは罰なんだ!」


だれかの声を合図に全員が一斉に飛び掛かってきた。
胸をお尻を、体中を触られもみくちゃにされる。
口に、あそこに、お尻に一斉に肉棒が差し込まれ、体の中も外も蹂躙されていった。


「うわぁ、赤木さんってやらしいのねぇ。」
「見てっ、あんな大きなのが入ってる。」
「なにあのいやらしい顔。不潔ね。」
「あんなのと一緒のクラスだったなんて、最低っ!」
クラスの女子達が私を蔑んだ目で見つめ、罵倒していた。


「いやっ!見ないで!見ないでぇ!!いやあ!こんなの、いやあ!!」
体の中で一斉に熱い物がはき出され、私は意識を失っていった。







「あ・・・」
目を開けると白い天井。
「ここは・・・」
前に倒れたときに入院してた病院?
「私・・・」
さっきのは夢?それとも現実?


「ユイ!」
病室の扉が開き、姉さんが入ってきた。
「姉さん?」
「そうよ、大丈夫?ごめんね、直ぐこれなくて。でもどうしてあんな所にいたの!」
「あんな所?」
「あなたと鈴原君で戦闘地域にいたんでしょ。何かあったらどうするの!」
あんな所・・・戦闘地域・・・


赤いエヴァ・・・血の色のエヴァ・・・
黒いエヴァ・・・手も足もちぎれた・・・
つぶれた・・・つぶれた後頭部・・・?!


「あ・・・ああ・・・ああ・・・」
フラッシュバックのように記憶がよみがえり、私は頭を抱えた。
「ユイ?!落ち着いて!大丈夫だから。心配ないから!」
姉さんが慌てたように私を抱きしめる。


でも・・・


洞木さんは・・・


「どうして・・・」
「えっ?」
「どうして洞木さんが・・・」
「ユイ・・・」
姉さんの辛そうな目を見て私は爆発した。


「どうして!どうして洞木さんをエヴァのパイロットにしたの?!なんで洞木さんがあんな目に遭わなければいけないの?!」
「ユ、ユイ、落ち着いて。」
姉さんが必死になだめようとしている。それも私の怒りに油を注ぐだけだった。
「洞木さんが戦えるわけ無いじゃない!どうして洞木さんなの!どうして!」
「・・・」
黙ってしまった姉さんを私は思いっきり突き飛ばした。
姉さんはよろけて床に座り込んでしまった。


「ごめんね、ユイ・・・」
「嫌い!姉さんなんて大っ嫌い!!返して!洞木さんを帰して!!」
「ユ、ユイ・・・」
呆然とした目で私を見る姉さん。でも私はもう自分を押さえることが出来なかった。


その時扉が開いた。
「だめよユイ。そんなこと言っちゃ。」
アスカと綾波だった。綾波は片腕を吊っていた。


「勢いで心にもないこと言っちゃダメ。後で一生後悔することになるわよ。」
「赤木さんは博士のこと嫌いじゃない・・・」
「だって!」
姉さんが洞木さんのことパイロットに誘わなきゃ、洞木さんはこんな事にならなかった!
それにアスカも綾波もどうしてそんなに冷静なの?!洞木さんのことどうでもいいの?!













「さっき、あんたヒカリを返せって言ったわよね。」
「・・・」
「なら返してあげる。ほら♪」
アスカは開いたままの扉の影に手を入れると誰かを引っ張り出した。


「こんにちは赤木さん♪」
「え・・・」
「どうしたの?私の顔に何かついてる?」
「え・・・」
「もう~、黙ってたら解らないわよ。」


「ほ、洞木・さん?」
「はい♪」
「ほ、ほんとに洞木さん?」
「ほかに誰に見える?」
「だ、だって・・・洞木さんの乗ってたエヴァ・・・グシャグシャに・・・」
「そうなる前に脱出出来たの。」


脱出?!乗ってなかったの?
「アタシがヒカリの乗ってるエヴァを攻撃するわけないでしょ。」
アスカも苦笑しながら言った。
「起動直後に、何・故・か・脱出装置が起動。爆発とともに施設の屋根ごと野外に飛んでったのよ。」
姉さんが疲れた顔で言った。
「そのあと暴走した参号機を私が使徒として処置したワケ。」
「修理不能なほどにね・・・」
恨みがましい目でアスカを見る姉さん。アスカは笑ってごまかしていた。
「AHAHAHAHA・・・いや、ヒカリに怖い思いさせたヤツなんで、つい切れちゃって♪」
「確かに怖かったわ~・・・あの脱出装置。いきなり真っ白になったかと思ったら、無重力になったりぐるぐる廻ったり・・・遊園地のアトラクションなんか目じゃなかったわ。」
「得したじゃない。」
「あのね~アスカァ・・・」
洞木さんが笑ってアスカと話している。
生きてる・・・


「う・・・うう・・・」
「ど、どうしたの赤木さん?どこか痛い?」
「うわあぁぁぁぁぁぁ!」
私はベットから降りると洞木さんにしがみついて大泣きしていた。
洞木さんは優しく私の髪をなでてくれていた。





ようやく泣きやんだ私に洞木さんが優しく話しかけてきた。
「赤木さん、謝らなくちゃいけないことがあるでしょ。」
「え・・・」
「お姉さんのこと嫌いじゃないんでしょ?」
「あ・・・」
>『嫌い!姉さんなんて大っ嫌い!!返して!洞木さんを帰して!!』
顔から血の気が退いた。
私、なんて事を・・・
姉さんの辛そうな顔が、呆然とした顔が思い浮かんだ。
身体が小刻みに震え出す。
自分から拒絶してしまった。
嫌われる・・・姉さんに嫌われてしまう。


「お姉さんはね、私が断るものだとばかり思っていたそうよ。勧誘も形式だけのものだったそうだし。でも、私が決めてしまったので逆に慌てていたわ。本当に良いのかって何度も念を押されたの。後悔するから止めなさいってね。」
そんな・・・
「私、私・・・」
「いいのよユイ。私が悪いのは確かなんだから。それに、私がもっとしっかりチェックしてたらこんなことにはならなかったわ。洞木さんも本当にご免なさい。」
姉さんが私達に頭を下げる。
「そ、そんな、赤城博士のせいじゃありません!そんなことしないでください!」
洞木さんの方がが慌てしまった。
「だからユイ、あなたも気にしなくていいの。」
「でも・・・でも・・・私・・・酷いこと姉さんに・・・」
「だから良いの。それともやっぱり私のこと嫌い?」
私は必死に首を横に振った。
「私もユイのこと大好きよ。」
ふわっと姉さんが抱きしめてくれた。
また涙があふれてきた・・・
私、まだ姉さんの傍にいてもいいの?




「おお、ここやここや。」
「どうやら感動のシーンらしいねぇ。」
トウジとカヲル君が病室に入ってきた。
私はトウジの姿を見てびくっと震えた。
>『メチャメチャにしたる!』
あれは・・・
>『孕んでしまえ!』
思わず下腹に手を添える。


「いやぁ、やっと解放されたわ。もうあんな長い説教、二度と御免や。」
「説教だけですんだのだからよかったんじゃないのかい?」
「そうなんやけどなぁ~、すまんなあ渚、迎えに来てもろうて。」
「たいしたことないさ。」


トウジが苦笑している。
あれはやっぱり夢だったんだ。恐ろしい顔をしたあのトウジは・・・


「ご免なさい・・・」
「あ、なんや?・・・ああ、バイクの件か?あれはワシが勝手にやったことやし、赤木はんの姉はんの口添えで説教だけで済んだしな。気にせんでええよ。」


ちがう・・・私はたとえ夢でもトウジを侮辱した。男らしさを信条とするトウジがあんな事するわけ無いのに。
「ご免なさい・・・」
「だからええって。」


でも、私は謝る。許されないことだから・・・
きっとあの悪夢は私の願望なのだから・・・
親友を侮辱してまでも私の贖罪を進めようとする、私の身勝手さの・・・


やつぱり私は最低だ・・・







だから・・・もっと罰が必要。



[2240] Re[3]:闇と罪と本の旅人 第2部 29
Name: ふぁいず
Date: 2004/04/21 23:59
やっぱりヒカリは殺せません~
ハッピーな展開なのに、よけいユイは自分を追いつめていきます




関西弁って難しい・・・
関西の人、読んでて変なところがあったらご免なさい。


関西弁講座って塾がどこかにあるらしいとか・・・



[2240] Re:闇と罪と本の旅人 第2部 30
Name: ふぁいず
Date: 2004/05/03 01:48
第30話

あの人は私にとって大切で神聖な存在
一緒にいると幸せで・・・辛い・・・



[2240] Re[2]:闇と罪と本の旅人 第2部 30
Name: ふぁいず
Date: 2004/05/03 01:51
第13使徒の騒ぎも一段落し、洞木さんも軽い打ち身以外たいした怪我も無く日常生活に戻った。
参号機はアスカがエヴァの中枢まで完膚無きまでに破壊したせいで、廃棄と決定したらしい。
乗機が無くなったことで、洞木さんは予備役扱いで、実質上は解雇となった。
もうこれで彼女が危ない目に遭うことはないと思う。よかった・・・




今日は日曜日。のんびりした朝食を二人と一匹で済ませ、私は後片付けをしていた。
姉さんはつかの間の休みを寝て過ごすらしい。朝食の後すぐに寝室に戻っていった。
ケンちゃんも私の足元で丸くなっている。
二人とも食べてすぐ寝ると太るよ?
でも、口に出して言ったら怖いし・・・


洗ったお皿を拭いていると、リビングの電話が鳴った。


「はい、赤木です。」
『あ、ユイ。アタシ~♪』
「アスカさん?」
『ユイ、今日ヒマ?ヒマよね。うん、ヒマでしょ♪』
「あ、あの・・・」
決め付けられちゃった・・・確かにヒマだけど。
『と言う訳で出かけるわよ。』
「なにか『と言う訳で』なんですかぁ?!」
『気にしない気にしない~・・・あ、それと、ん~・・そうだリツコいる?』
「いるけど・・・さっき寝て・・・」
「どうしたのユイ。誰から電話?」
ちょうど姉さんが寝室から出てきた。ちょっとフラフラしているから、きっとウトウトしてたんだろうな。
「アスカさんから・・・姉さんに代わって欲しいって・・・」
「あら何かしら?」
姉さんは受話器を受け取ると、なにやら話し始めた。
「どうしたのアスカ?・・・うん・・・ふーん・・・あらあら・・・なるほど・・・いいわよ、て言うか任せなさい!ふふっ♪」
最後はなんだか楽しそう。何だろ?


「はい、返すわね。」
「う、うん。・・・もしもし。」
『それじゃ10時に大通りの噴水前ね。』
「うん。」
『ちゃんと可愛い格好で来るのよ!リツコにも頼んでおいたからねぇ♪』
「え、ええっ?!」
『じゃあねぇ~♪』
「ちょっ、ちょっと、アスカさん?!もしもし、もしもしって・・・切れてる・・・」
受話器を戻し、恐る恐る後ろを振返る。


「やっぱり・・・」


そこには洋服の束を抱えてニコニコしている姉さんがいたのでした・・・





「はぁ・・・」
ため息が出る。
あれからたっぷりと姉さんに着せ替え人形にされて遊ばれてしまった。
知らないうちにまた服が増えてたし・・・


「ふう・・・」
待ち合わせ場所に向かって歩きながら、自分の服を見下ろす。


フリルの付いた白いブラウス・・・それは良いけど、この大きくて凝った刺繍のレースの襟が・・・胸元のリボンも大きいよぉ。
リボンが編みこまれた黒いスカートも裾のレースがやたら凝ってるし・・・しかもコルセット付きって・・・
赤いリボン付きの黒いニーソックスもかなり恥ずかしい・・・


うう、すれ違う人達の視線が・・・
姉さんの趣味ってたまに理解できないです。




噴水前に着くとまだアスカはいなかった。
時計を見ると・・・まだちょっと早かったかな。


「ふぅ・・・」
噴水の縁に座り、今日何度目になるかのため息をつく。
まったくアスカも姉さんも絶対楽しんでるよ。ケンちゃんまで着替えてるたびにニャーニャー楽しそうに笑ってるし・・・




「か~のじょ♪一人?おっ、可愛いじゃん。俺たちと遊ばない?」
突然声をかけられる。見れば髪を染めてピアスを沢山付けた男の子達が私の前に立っていた。
またナンパ。でもムサシ君達の時はそうでもなかったけど、この人達、ちょっと怖い・・・


「いえ、待ち合わせしてるところですから。」
私が断っても彼らは引かなかった。
「いいじゃん♪そんなのほっといて俺らと遊ぼうぜ!い~とこしってんだ俺♪」
「い、いえ、その・・・」
「いいから俺たちと来れば良いって!ほらっ!」
手を捕まれ引っ張られる。この人達、私の言うこと元から聞く気ないんだ!
どうしよう・・・怖い・・・


「は、放してください・・・」
「あんまりうだうだ言ってると、俺、怒っちゃうかもしれないぜ♪」
「ひっ・・・」
笑顔で、でも笑っていない目で見られ、恐怖で抵抗も出来ない。
辺りを見回しても誰も知らない振りをして通り過ぎていくだけだった。


そのまま連れて行かれそうになった時、知っている声が私を呼んだ。


「やあ、ユイさん。待ったかい?」




「カ、カヲル君・・・」
「すまないねえ、遅れてしまったよ。」
笑顔でカヲル君は私の前に来ると、ピアスの男の子から私をすんなり引き離した。
私はカヲル君の背中に隠れるように逃げた。


「な、なんだテメエは?!」
「僕かい?フッ、彼女の知り合いさ。僕は彼女に用があるんだ。悪いけど消えてもらえるかい?」
「なんだと?!このやろ・・・」
男の子はカヲル君を睨み付けていたけど、カヲル君の目を見てひるんだように目をそらした。
「ケッ、い、行こうぜっ!」
少し震えた声で吐き捨てると、彼らは去っていった。


「大丈夫だったかい?」
「う、うん・・・・・・あ、ありがと・・・」
怖かった・・・私は暫く身体の震えが止まらなかった。




「ユイさん、今日はどうしたんだい?何時にも増して可愛らしいね。素敵ってことさ。」
「ア、アスカさんに呼ばれて・・・そ、そんなに見つめないで。」
恥ずかしすぎるよ。
「あ、こ、これは姉さんの趣味で、わ、私が選んだわけじゃ・・・」
私、何慌てて弁解してるんだろ。
「良いんじゃないのかい。よく似合ってるよ。」
「あ、ありがと・・・」
やだ、顔が熱くなってくる・・・カヲル君の顔をまっすぐ見れない・・・


「カ、カヲル君はどうして此処に?」
「ああ、僕もアスカに呼ばれてね。」
“アスカ”・・・名前で呼んでるんだ・・・なんだか胸が苦しい・・・


「そ、そうなの・・・ア、アスカさん、遅いね・・・」
「そうだねぇ・・・」
間が持たないよ・・・早く来て。


ピリリリリリリッ
その時私の携帯が鳴った。
「はい・・・あ、アスカさん。」
『ごめんねぇ~用事が出来て行けなくなっちゃったぁ~』
「あ、そうなの・・・あ、別にいいよ。またの機会にでも。私も帰るから・・・」
「そ~いうわけにもいかないわ!そこにカ・・・カヲル来てるでしょ。変わって。」
「うん・・・」
カヲル君は携帯を受け取るとしばらく話していた。
「はい、終わったよ。」
「あ・・・もしもし?」
『せっかくおめかししてきたんでしょ。二人で遊んできなさい!』
「ええっ?!」
『楽しんでくるのよぉ~♪・ブツッ』


切れた・・・
な、なんで?!


「さて、ユイさん。行きたいところはあるかい?」
カヲル君が微笑みながら聞いてきた。


そんなのダメだよ。カヲル君は私となんか一緒に居ちゃいけないんだから。
私なんかと一緒に居たらカヲル君が汚れちゃう!


「わ、私・・・帰ります。」
「ユイさん?」
困惑顔のカヲル君をおいてそこから逃げだそうとした時、また携帯が鳴った。


「はい。」
『ユイ。逃げちゃダメよ~。明日学校でちゃんと報告聞くからね。逃げたら学校で泣くまで愛撫するから♪』
「そ、そんなぁ・・・」
『気楽に楽しんでくればいいのよ♪じゃあねぇ~♪ブツッ』
もしかしてどこかで監視してる?そんな考えまで出てきてしまった。


「じゃあ行こうか。ユイさん?」
「はい・・・」
やると言ったらほんとにやりかねないアスカの脅し(セクハラ宣言?)。
学校でそんな事されたら、もう登校できないよ・・・
私は逆らう術もなく、カヲル君に手を引かれて歩き出した。





「ふ~ん・・・これがプリクラって言う物なのかい?」
「カヲル君、初めて見たの?」
「話には聞いたことはあるけどね。ユイさん、一緒に撮らないかい?」
「え、あ、う、うん。」
さり気なく肩を抱かれて、出てきた写真には真っ赤になった私が写る・・・


「あ・・・あの縫いぐるみ、ペンペンにそっくり。」
「ふむ・・・クレーンを動かすのかい?・・・簡単だねえ~。はい、どうぞ。」
「あ、ありがと・・・す、凄いね・・・」
ひと抱えもある大きな縫いぐるみを一回でとってもらったり・・・


「歌は良いねぇ~♪」
「は、早いよぉ~(泣)」
ダンスゲームでカヲル君は華麗に踊り、運動音痴な私は直ぐにゲームオーバー。
延々踊り続けるカヲル君の周りには、人だかりの山が出来てしまった。
「ああ、素敵な方・・・」
「あの人誰?!アイドルにあんな人いたっけ?」
「なんて綺麗なのぉ!ああ~もうだめぇ~・・・」
失神者まで出てしまい、私達は慌ててゲームセンターを出る羽目になった。





「いやぁ~、ビックリしたねぇ~。」
「カヲル君、綺麗すぎるんだもの・・・」
ファミレスで食事をしながら、カヲル君が苦笑していた。
取ってもらった景品の山は、宅配サービスに家に送ってもらったので今は手ぶら。
失神する人の気持ちもわかるな・・・私も見とれていたし・・・


「ユイさんにとって洞木さんは大切な人なんだね。」
食後のコーヒーを飲みながらカヲル君が突然こう言った。
「え・・・?う、うん。」
「助かって良かったね。」
「うん・・・でも・・・」
「でも?」
「“前”の時は、トウジを助けられなかった・・・どうして今回は・・・」
上手い具合に脱出装置が誤動作したんだろ。


「ああ、赤木博士には悪いことをしたよ。」
「えっ?」
「ちょっと参号機のプログラムに手を加えさせてもらったんだ。もちろん痕跡が残らないようにね。」
「えっ?・・・それって・・・ええっ?!」
カヲル君はニコニコ笑っている。


「カヲル君って一体・・・」
そう言えば今回はフィフィスチルドレンとして来てるんだろうか?
「言ってなかったね。今回は僕は委員会から派遣された若き技術顧問ってことになっているんだ。プログラムも弄り放題さ。」
「委員会?!」
「大丈夫さ。リリスが“設定”してあるから誰も僕の存在には疑問をもたないよ。」
「そ、そう・・・でも、17使徒としては・・・」
「ああ、今回は僕は使徒と言う“役”は演じていないんだ。約束しただろ。二度とあんな事はしないと。」
「良かった・・・本当に良かった・・・」
涙が出てきた。今回はカヲル君は死なないんだ・・・
「ユイさん・・・」
「ありがとう・・・洞木さん、助けてくれて・・・」
カヲル君は微笑んだまま、黙ってハンカチを差し出した。
涙はしばらく止まらなかった。





午後はゆっくりと街を歩いて回った。
ペットショップで子犬を抱かせてもらったり・・・
小さなギャラリーで絵を眺めたり・・・


姉さん行きつけのブティックの前を通ったときは、店のお姉さんに「ユイちゃ~ん、そのお洋服似合ってるわぁ♪新作入ったのよ。着てみない?」と捕まり、また即席のファッションショーをさせられた。
写真撮ってたから、きっと姉さんに送るんだ。うぅ・・・


「ふぅ・・・」
やっと解放されて店から出るとため息が出た。
「いやぁ、いい目の保養になったよ。素敵だったねぇ~」
「カヲル君までそんな事言うぅ・・・」
あれって恥ずかしいんだよ・・・





影が長く伸び出した頃、私はカヲル君に送ってもらい家に着いた。


「あ、あの・・・きょ、今日はありがと・・・」
「いや、僕こそありがとう。楽しかったよ。」
「そ、そんな・・・」
夕日に赤く染まるカヲル君の笑顔が綺麗過ぎて、私はまっすぐ彼の顔を見ることが出来なかった。


「じゃ、じゃあ、また明日学校で・・・」
「ああ、おやすみ。また明日。」
カヲル君はそう言うと私の両肩に手を置き、顔を近づけるとすぐに離れた。
「え・・・?!」
「じゃあ。」
手を上げながら帰っていくカヲル君。
残ったのは、唇に残る暖かな感触。


「えっ?!」
そっと唇に触れてみる。
今、カヲル君・・・


どうして?
シンジに何度もキスされてるのに。こんなのじゃなく舌まで入れられる激しいのを散々されてるのに。


胸がドキドキして治まらない。
顔が熱い・・・


腰から力が抜け、玄関の前にペタリと座り込んでしまった。




シュッ


「あらユイ。どうしたの?こんなところで座り込んで。」
玄関が開いて姉さんが不思議そうな顔で聞いてきた。




夕食時、姉さんに散々からかわれた。
ブティックからメールで送られてきた写真を見せられたり、家に届けられていた縫いぐるみの山の事とかも。
プリクラの件も口が滑ってしまい見せる羽目になってしまった。
「まあ~、真っ赤になっちゃって。初々しいわね♪」
「や、やめてよぉ~・・・」
「良いじゃない。良い思い出よ。楽しかったんでしょ?」
「う、うん・・・」
「いいわねぇ~若いって・・・」
「はぁ~・・・」
もうため息しか出なかった。





夜、真っ暗な自室の中、私は寝間着姿で壁にもたれかかっていた。
「カヲル君・・・」
ペンギンの縫いぐるみを抱きしめながら、呟く。
私はカヲル君に近づいちゃいけなかったのに・・・
アスカもどうして・・・カヲル君のこと好きなんじゃないの?
カヲル君と一緒にいた今日一日、贖罪のことが頭から綺麗に消えていた。
絶対に忘れてはいけないことなのに・・・
一瞬たりとも忘れることは、それ自体が大罪なのに・・・


指で唇にそっと触れる。
カヲル君にキスされた・・・
『“私”は汚れているのよ。カヲル君まで汚してしまったじゃないの!』
どうしよう・・・
とんでもないことを・・・
それに私はアスカを裏切った・・・
きっとアスカは私とカヲル君を友達付き合いさせたいだけ・・・そうに決まってる・・・
それなのに・・・


カヲル君と一緒にいたい・・・そばにいて欲しい・・・
そんな考えが頭をよぎる。
ダメ、私にはそんな資格はない。
それにカヲル君にはアスカが・・・


どうしたらいいの・・・




ピリリ、ピリリ・・・
携帯が突然鳴り出した。


「はい・・・」
『・・・・』
「!!」


それはもう一人、私の心を虜にした人の声だった・・・



[2240] Re[3]:闇と罪と本の旅人 第2部 30
Name: ふぁいず
Date: 2004/05/03 01:56
ほのぼのにするつもりが、少女漫画みたいな展開になってしまった・・・(汗)
カヲル君がますます格好良くなっていくな~


ついでにバルディエル戦のネタバレも入れときました




追伸
ユイの服装の参考にと、初めてゴスロリ・サイト見ました
なんか・・・凄いっすね・・・
でも秋葉原でこんな格好の人、たまに見たことあるな~




いきなりほのぼのにした理由・・・ゼルエル存在、すっかり忘れてすっ飛ばしてました~や、やばい~
現在、再構成中~


さて、電話の主は誰か・・・次回をお楽しみに・・・



[2240] Re:闇と罪と本の旅人 第2部 31
Name: ふぁいず
Date: 2004/05/09 20:43
第31話

遠く離れた人
でも、その手は私を掴んで放さない・・・



[2240] Re[2]:闇と罪と本の旅人 第2部 31
Name: ふぁいず
Date: 2004/05/09 20:45
携帯が鳴り、出た私の耳に聞こえてきたのは優しく甘い声だった。
「はい・・・」
『山岸です。』
「お、お姉様?!」


懐かしい声に声が上擦る。
『お久しぶりですね、ユイ。』
「ど、どうして・・・」
『ユイが・・・呼んでいたような・・・気がして。』
「あ・・・」
私が山岸さんを“お姉様”と呼ぶようになってから、別れの日までの短い一週間。その間にも同じようなことがあった。
シンジに身体を弄ばれ一人落ち込んでいるときに電話が鳴ったり、家に誘われて慰められたりした。
お姉様といる間は、何もかも忘れられた。




「お姉様・・・お姉様ぁ・・・」
『あらあら、どうしたんです?いきなり泣き出して・・・』
「う・・・うぅ・・・」
『また・・・碇さん、ですか?』
「違います・・・私、シンジ君に・・・捨てられました・・・」
『まあ・・・』
驚いた声が聞こえた。
『でも、私はそれで良かったと思いますよ・・・ユイと碇さんは一緒にいるべきでは無いと思います・・・』
「・・・」
『それで泣いていたのですか?』
「・・・違います。」
『話してご覧なさい・・・』
「今日・・・私、男の人とデートしてきました・・・」




私は今日一日の出来事を話した。お姉様は黙って聞いている。
『楽しくなかったのですか?』
話し終えると静かな声で聞かれた。
「いえ・・・楽しかったです・・・」
『なら・・・どうして?』
「私・・・私は、彼に相応しくない・・・・カヲル君は私なんかと一緒にいちゃいけないんです!」
『どうして?』
「私なんか・・・私なんかじゃダメなんです・・・」
はあ・・・電話の向こうからため息が聞こえてきた。


『悲しい娘・・・どうしてそんなに自分を卑下するんですか・・・』
「・・・」
『なにがそんなに辛いんです?いったい何がユイをそんなに縛り苦しめているんですか?』
「それは・・・」
『・・・』
「・・・」




『私にも言えないんですね・・・』
「ご免なさい・・・ご免なさい・・・」
私はひたすら謝る。こればかりはお姉様にも言えない。私の罪は誰にも話せない。


『可哀想に・・・私がそばに行けたら良かったのに・・・』
「お姉様・・・会いたい・・・会いたいです・・・」
『ご免なさい。私は今、オーストラリアにいるの・・・直ぐには行けないわ・・・』
遠い・・・遠すぎる・・・




『でも・・・私の心はいつもユイの側にいますよ・・・』
「お姉さま・・・」
『今も私はあなたの隣にいます・・・私を感じませんか?』
「あ・・・はぁ・・・お、お姉さまを・・・か、感じます・・・」
携帯から聞こえてくる声に、まるで耳に息を吹きかけられたかのような感覚が広がって私は思わず喘いだ。
身体が熱く火照ってくる。


『ユイ・・・自分の胸を触ってご覧なさい・・・』
「はい・・・」
そっと、胸に触れる。自分の鼓動が感じられた。
『どうなっています?』
「胸が・・・ドキドキ言ってます・・・お姉様に話しかられる度にもっと・・・」
『その手は私の手・・・』
「ああ・・・お姉様の手が・・・」
自然に手が胸を揉み始めた。
「あ・・・あぁ・・・」
『可愛いわ、ユイ・・・』
「あ・・・お姉様・・・あぁ・・・」
手の動きが激しくなっていく。薄いパジャマの下で乳首が固く尖り出す。
『ユイの乳首、直ぐ固くなりますね。いやらしい娘・・・』
お姉様がまるで見ているかのように言う。
「あ、ああっ、ご免なさいっ、ひうっ、ユ、ユイは、ユイはいやらしい娘です!」
パジャマのボタンを外し、胸をさらけ出すと乳首を摘んで引っ張った。
「はあっ、ああっ、ひんっ、あ、ああっ!」


『もっと、もっと感じなさい。ユイのいやらしい所を私に見せて・・・』
携帯から言葉が聞こえるたび、まるで耳に息を吹きかけられたかのように身体が仰け反った。


『ユイのあそこはどうなっているのかしら?』
その言葉に手が自然に股間へと移動した。
グチュ・・・
そこはすでに大きな染みが出来て、床にまで水滴が落ちている。
「あ・・・ああ・・・濡れてます・・・触ると音が・・・」
『聞かせてユイ・・・』
「はい・・・お姉様・・・」
私は携帯をハンズフリーの状態にすると、足を大きく開き股間の前の床においた。
自由になった両手でショーツの上から弄る。
水音はさらに激しくなっていった。
『聞こえますよユイ。あなたのいやらしい音が・・・』
床においた携帯から聞こえてくるお姉様の声も、心なしか熱を帯びてきていた。
ああ、私でお姉様が感じていてくれてるんだ・・・


「もっと、もっと聞いてください・・・ユイのいやらしい所、もっと!」
もどかしげにショーツを脱ぎ捨て、腰を浮かせると携帯の前に突き出した。
指を自分の中に潜り込ませる。
グチュウッ!
「あうんっ!」
『ユイの中、とても熱いのね・・・』
話さなくても私のしていることは全て伝わっていく。
携帯から聞こえてくるお姉様の息づかいも熱を帯びてきた。


「あっ、あひっ、ああっ、んっ、手が、手が止まりませんっ、ああっ、気持ち、気持ちいいのぉ!」
激しく指を出し入れする。無意識に入れている指は二本に増え、私の中を擦りかき回していく。


『ああっ、ユイっ、私も、私も気持ちいいです。ユイを、ユイを感じる!』
「ひんっ、あっ、あふっ、私も、私もお姉様を感じますっ、お姉様の指が感じるのぉ!」
もう片方の手が後ろに回り、お尻の穴に指が潜っていく。
薄い皮を挟んでお互いの指がぶつかり合った。
あまりの快感に涙と涎が止めどなくしたたり落ちる。
「ひ、ひいっ、お、お姉様っ、ユイは、ユイはお尻でも感じてしまいます!お、お尻の中に指が入ってますぅ!」
『良いのよユイ。あっ、もっと、もっと感じなさい。』
私は壁に寄りかかったまま、腰を携帯に向かって突き出し夢中で指を動かした。
私のあそこから、そして携帯から激しい水音が聞こえてくる。


「ああっ、あっ、あっ、あああっ、も、もうっ、もう、いっちゃいますっ、お姉様っ、ユイ、いっちゃう!」
『はあっ、あっ、ああっ、私も、私もいきそうっ、ユイ、一緒に、一緒にぃ!』
「ああっ、だめっ、い、いくっ、ひっ、んあっ、ああっ、あんっ!」


無我夢中で指を動かし、そして・・・
「『ああっ、あっ、あぁーーーーーー!』」
身体が浮き上がる感覚とともに、頭が真っ白になり全身を硬直させた。
やがて仰け反らしていた身体から力が抜け、床に横たわる。
緩慢な動作で携帯を足下から顔の前の床においた。
そこから聞こえてくるお姉様の荒い息づかいに、もう一度軽く達してしまう。
べとべとになった指をくわえ、私はしばらく痙攣する身体を横たわらせていた。


この瞬間、この瞬間だけは、私は悲しみも辛さも全て忘れていた・・・






『たとえ殿方でも、あなたの側にいてくれるのならば、ユイはその方に付いくべきです。人は一人では生きては行けません。特にあなたは・・・』
「・・・」
『ユイがそんなに大切に思う方ならその方は素敵な人だと思います。その方が少しは強引なくらいにあなたを導いてくれることを願うだけです。』
「お姉さま・・・」


『どんなに離れていても、私はあなたのことを忘れません。・・・いつか私に話したくなったら、話せるようになったら、いつでも連絡なさい。』
「はい・・・」
そう言って、お姉様は電話を切った。


後に残るのはまだ火照った身体と静寂に包まれた薄暗い部屋。
窓から降り注ぐ月明かりに濡れた床が微かに光っていた。



[2240] Re[3]:闇と罪と本の旅人 第2部 31
Name: ふぁいず
Date: 2004/05/09 20:48
短っ!!

前回が少女漫画のノリなら、今回はレディースコミックのノリ?!

マユミお姉さまの声だけ特別出演の回でした


最近、ちょっとスランプ気味
書きたいエピソードはいくつかあるんだけど、なかなか話にまとまらないです
まあ、のんびり行きましょう・・・



[2240] Re:闇と罪と本の旅人 第2部 32
Name: ふぁいず
Date: 2004/05/13 20:55
第32話

解っている。私にとって幸せは罪。
でも、私はそれを求めてしまった・・・だから・・・



[2240] Re[2]:闇と罪と本の旅人 第2部 32
Name: ふぁいず
Date: 2004/05/13 21:02
身体の火照りも次第に冷えていき、私は床から立ち上がるとノロノロとベットに横になった。


さっきまでのお姉さまとの行為も遠い昔のように感じて、今は一人孤独感が広がっていく。
私は一緒にベットに持ち込んだペンギンの縫いぐるみを抱きしめた。


寂しい・・・
一人はイヤ・・・


たとえシンジに汚され、その腕に抱きしめられ嫌悪感に苛まれていても、一人でいるよりは良い。


「一人はイヤ・・・」
涙が一筋こぼれ、私は縫いぐるみを抱きしめたまま眠りに落ちた。





月曜日になり、学校に登校すると教室の中が騒がしかった。
「おはようございます・・・」
教室の中に入ると、アスカの机の周りに女子の固まりが出来ている。
「?」
自分の机に鞄をおいていると、その中の一人が黄色い声を上げた。
「いや~ん♪ユイちゃん可愛いぃ~」


「ええっ?!」
突然私の名前を言われ、慌ててアスカの机のに走る。
「な、何見て・・・えええっ?!」
女子達をかき分け、アスカの机の上にある物・・・ノートパソコンを見ると、そこに映っていた物は・・・


噴水の前で座っている私・・・フリフリのあの服で。
ナンパする少年達からカヲル君に助けられている私。
プリクラで肩を抱かれている私。
ダンスゲームで転びそうになっている私。
食事している私。
ペットショップの・・・ブティックの・・・


「な、な、な・・・」
「ああ~ユイ、可愛いわぁ~♪」
「そうよねえ~♪」
あまりのことに声が出ない私の前で、アスカと洞木さんがほふぅ・・・と頬を染めてため息をついた。


「ア、アスカさん・・・こ、これって・・・」
「ん~?昨日のユイ。可愛く撮れてるでしょ♪」
「そ、そういうことじゃなくて・・・」
するとアスカが突然拝むように片手を顔の前に立て、悪戯っぽく片目を閉じた。
「ユイ、ごめん!もう一度ユイの可愛い格好見たくってさぁ~♪」


どういう事?それって・・・
「え?・・・ええっ?!え~~~~~?!」
昨日の事、全部アスカが仕組んだことだったの?
待ち合わせ場所に来れなくなったのも、カヲル君が来たのも全部?!


「じゃ、じゃあ、昨日ずっと後をつけてたの?!」
「そっ、も~二人ともラブラブでアタシとヒカリのこと全然気がつかないんだから。おかげでいい絵が撮れたわ♪」
ラ、ラブラブって・・・顔が真っ赤になっていくのが解った。
「いいじゃん♪ユイも楽しかったでしょ?」
「そ、それは・・・も、もう知りませんっ!」
私は恥ずかしさにその場にいられなくなって、足早に自分の席に戻ると窓の方に顔を向けた。


「ああん、ユイちゃんすねちゃったぁ。」
「ねっ、こんど赤木さん家に遊びに行っても良い?」
女の子達の楽しそうな声が背後からかかってきた。


はふぅ・・・
思わずため息が出る。
でも・・・このクラスの人たちは私にとても優しい。女子も男子も私のことをいつも気遣ってくれているのがよくわかる。
姉さんといる家に続いてここは私にとって大切な場所だった。


そう・・・このクラスは・・・





「赤木さん。ちょっと良いかしら?」
昼休み、廊下を歩いていた私は背後から呼び止められた。
振り返ると知らない顔の女の子。ほかのクラスの娘らしい。


「私?」
「そう。ちょっと良い?」
「あ、はい・・・」


彼女に連れられ、私は校舎裏まで歩いていく。


「あ、あの・・・」
人気のない場所に来て不安になった私が声をかけると、彼女は振り返りこう言った。


「あなた、カヲル様のなんなの?!」




「えっ・・・?」
カヲル様?・・・この娘、なに言ってるの?私がカヲル君の・・・
「私昨日見たのよ。あなたとカヲル様がデートしてるところ。」
「あ・・・」
やっぱり目立つよね。あの格好に、綺麗なカヲル君とだもの。
「なに赤くなってるのよ。やっはりあなた・・・」
「あ、あの・・・アレは・・・」
「カヲル様はね、神聖な存在なの。おいそれと触れてはいけないのよ!それなのに・・・」
彼女の顔が醜くゆがむ。私は怖くなって数歩後ずさった。


「あんな気安く手をつないで・・・何様のつもりなの?!」
「わ、私は・・・」
私だって解ってる・・・私なんかカヲル君に近づく資格がないことを・・・汚れている私なんか・・・


「知ってる?カヲル様のことで抜け駆けする娘には罰があるの・・・」
「ば、罰・・・?」


恐怖が増し、また後ずさった私の背中に何かがぶつかった。
「えっ?」
振り返ると男の子が二人立っている。そのうち一人は知っている顔。以前、私に告白してきたサッカー部のエースって言ってた三年生の先輩だ。
もう一人は一年生らしいけど知らない顔・・・


「よお、ユイちゃん。」
「本物の、あ、赤木先輩だ~、ほ、ほんとにいいのかよ?」


もう一人の男子の言葉は私の前にいる娘に向けられた物だった。
彼女は薄ら笑いを浮かべると言い放った。


「時間がないんだからちゃっちゃとやっちゃって。大丈夫よ。大抵のことならパパがもみ消してくれるから。」


「な、何?なんなの?!きゃっ!」
怯える私に彼らはいきなり抱きついてきた。




「い、いや!むぐぅ?!」
悲鳴を上げると口を手でふさがれた。
「うわぁ・・・赤木先輩のおっぱいだぁ・・・」
もう一人の男子が私の胸を無遠慮に掴み揉んでいる。
「こいつ俺の舎弟なんだけどよ。ユイちゃんの大ファンなんだってさ。おーおー、嬉しそうに。」
先輩が少年を見ながらへらへら笑う。


「声、出すなよ・・・」
口をふさいでいた手を放されると、声を出す間もなくキスをされた。直ぐに舌が入り込み口内を嬲りだす。


「うぐ・・・むう・・・」


胸を揉んでいた手がセーラー服の中に潜り込み、たどたどしくブラのホックに手をかけ、外していく。
ブラが外れると、セーラー服ごとたくし上げられた。


「うわぁ・・・でっけえ~」
「おい、片方寄越せよ!」
一人は乳房を揉みくちゃに弄りだし、もう一人は吸い付いてきた。
「や、やあ・・・あ・・・止めて・・・んん・・・お願い・・・」
私が涙目で訴えると、それまで黙ってみていた女の子が鼻で笑った。


「ふん、なに言ってるの?そんなに乳首尖らして、やらしい・・・ほんとは嬉しいんでしょ?」
「そ、そんな・・・あふっ・・・やぁっ・・・ち、違う・・・」


怖い・・・それなのに、私の身体は直ぐに熱く火照りだしてきた。
「あ、ああっ・・・やんっ・・・んんっ・・・」
足がガクガクして立っているのがやっと・・・


「あんまり遊んでると、もうすぐ昼休み終わっちゃうわよ。」
「あ、ああ、そうだな。ユイちゃん、しゃぶってくれよ。」
「お、俺のも・・・」
少女の言葉に彼らはズボンのチャックを降ろして、肉棒を取り出した。
「そ、そんな・・・」
「早くしないと誰か来ちまうぜ。それでもいいのかよ?」
「う・・・」
観念した私は、その場に跪くと小さく口を開けた。
「早くしろよ!」
「うぐっ。」
頭を掴まれ、無理矢理口の中に肉棒をつっこまれた。
そのまま頭を前後に動かされる。
「うっ、うぐっ、ううっ、あふっ、じゅるっ、ぐうっ。」
「お、俺のも頼むよ・・・」
手を掴まれ、もう一人の肉棒を握らされる。なま暖かい感覚が伝わってきた。


無理矢理しゃぶらされながら私の舌は自然に動き始めていた。先輩の物の先っぽから出てくる液を舐め取り吸い上げる。手も前後に動かしながら、指が微妙に少年の物を刺激していく。
「う、上手いじゃねえか。」
「あ、赤木先輩、そ、それいい!」
二人が嬉しそうな声を上げる。それを見ていた少女が軽蔑した声で言った。


「ふんっ、やっぱり淫乱じゃないの。やらしっ、あなたなんかカヲル様に近づく資格なんてやっぱり無いわ!」


そう・・・私は、淫乱・・・こんないやらしい私なんて・・・
カヲル君・・・ご免なさい・・・やっぱり私なんか・・・


涙が頬を伝う。
そして太ももにも熱い物が滴っているのが確かに感じられた・・・


一瞬閃光が走った。


「だ、出すぞ!服にかけたくなかったら全部飲めよ!」
そう言うと先輩は腰を突き出し、私の喉の奥で熱い物を噴出した。
「ぐうっ、んくっ、んっ、んくっ・・・んんっ・・・」
吐き気を押さえながら必死でそれを飲み干す。
「んっ・・・ぷはっ・・・けほっ、けほけほっ!」
ようやく解放されて私が咳き込んでいると、もう一人の少年もうめいた。
「あ、赤木先輩、お、俺のも!」
そう言うと私の頭を掴んだ。私は口を大きく開ける。
「おうっ。」
「あ・・・ああ・・・」
開けた口の中に白い物が注ぎ込まれる。顔にも数滴降りかかり、ゆっくりとしたたり落ちた。


また閃光が数回光る。


「の、飲んで・・・」
彼は期待に満ちた目で私を見つめる。私は口を閉じ、粘り着くそれを嚥下した。
「す、凄っ、あ、あの赤木先輩が俺のを飲んでる!」
その濃い味、濃厚な臭いに私の頭は真っ白になり、一気に達してしまった。
身体がビクンビクンと痙攣する。


閃光が走る。何度も何度も・・・
見ると少女が小さなカメラをかまえていた。




「うわあ、赤木先輩やらしい顔だなあ。」
「ユイちゃん良かったぜ。またやろうな。」
いやらしい目で私を見下ろす二人。そして少女も・・・
「解ったでしょ、あなたなんてカヲル様に相応しくないのよ!今後、いっさいカヲル様に近づかないことね!近づいたら・・・この写真カヲル様に・・・いえ、学校中にばらまいてあげるから。」
蔑んだ目でそう言いはなった。


「う、ううっ・・・うっ・・・」
口元を押さえながら泣き崩れる私をその場に残し、3人はそこから立ち去っていった。
昼休みの終わりを示すチャイムが鳴り響いたが、私はその場を動かなかった。





私は結局教室には戻らず、保健室に入り気分が悪いと言ってベッドに潜り込んだ。
「赤木さん、大丈夫?ご家族の方呼びましょうか?」
保険の先生が心配そうに言った。全校集会とかでも時々貧血で運び込まれたりするので、先生とは顔見知りになっている。
「いえ・・・休んでいれば大丈夫です・・・」
「そう?我慢できなくなったら直ぐ言うのよ。」
「はい・・・」


先生は心配そうな顔でそう言うと、ベッドを仕切るカーテンを閉じた。
一人になった私は白い天井を見つめる。
涙がまたこぼれた。


これも罰なんだ・・・
大罪人の私がカヲル君とデートとなんかするから・・・
あんな幸せを私は感じてはいけない。
だから・・・これでいいんだ・・・





「ユイ!大丈夫?!」
「赤木さん、どうしたの?!」
午後の授業が終わったらしく、アスカと洞木さんが保健室に駆け込んできた。
いつの間にか私は微睡んでいたらしい。
「あ、・・・アスカさん・・・洞木さん・・・」
「あ・・・じゃ無いわよ!もお~ビックリするじゃない、授業始まっても戻ってこないんだから!」
「赤木さん、大丈夫?まだ気分悪い?」
二人とも本当に心配してくれたらしい。
「ご、ご免なさい・・・も、もう、大丈夫だから・・・」
「ほんとに?」
「無理してない?」
「う、うん・・・大丈夫・・・」
私は起きあがりベッドからおりる。
ふと襟元に白みがかった小さな染みが付いているのを見つけた。
ああ・・・あの少年のがかかってたんだ・・・
じっとそれを見つめる私に二人が不安げに聞いてた。


「赤木さん?」
「ユイ、どうしたの。なにかあったの?」


「え・・・いえ、なんでもないの・・・」
「ほんとに?まだ気分悪いんじゃないの?」
「ううん、大丈夫だから・・・」
心配そうに私の額に手を当てる洞木さん。
そして・・・アスカはじっと私を見つめていた。
「ユイ・・・またあの目をしていた・・・・・・ママ・・・」
ぼそりと呟いたアスカの言葉・・・どういう意味なんだろう・・・





その日の晩、何処で知ったのか私の携帯に先輩からメールが届いた。
その内容を見た私の携帯を持つ手が震える。


『明日の朝、早めに来なよ。来なかったらわかってるよね。』


私の罪はまだ終わらない・・・



[2240] Re[3]:闇と罪と本の旅人 第2部 32
Name: ふぁいず
Date: 2004/05/13 21:04
中書き
イジメ、カッコワルイ!
この作品はフィクションです。良い子は絶対真似しないでね。ユイちゃんと約束だよ。

とりあえずお約束な注意事項は入れて置きましょう。

さて、カヲル君とお姉さまとの幸せな一時はあっという間に過ぎ、待っていたのは辛い現実

ユイの運命は?
以下次号



[2240] Re:闇と罪と本の旅人 第2部 33
Name: ふぁいず
Date: 2004/05/21 00:06
第33話

怖い・・・辛い・・・
それでこそ贖罪になる。だから私は「逃げてはダメ」



[2240] Re[2]:闇と罪と本の旅人 第2部 33
Name: ふぁいず
Date: 2004/05/21 00:09
翌朝、食欲も出ず朝食もそこそこにして、早めに家を出た。
姉さんは昨日は泊まりで帰ってきていない。


学校が近づくにつれ、足取りが重くなってくる。


『何をためらっているの?』
だって・・・今から私は・・・
『罰してもらえるの。嬉しいでしょ?』
罰してもらえる・・・
私は罰せられなければいけない・・・
これからされることも贖罪の為・・・


でも・・・
怖いよ・・・




「やあユイちゃん、おはよう。」
「おはようございます・・・」
校門の前で先輩が待っていた。もう一人の少年も後ろに控えている。
「じゃ、行こうか。」
先輩は私の肩を抱くと、校舎裏の方に歩き出した。




「ん・・・んむ・・・ちゅ・・・あふっ・・・んんっ・・・」
私は壁にもたれかかって立つ先輩の前に跪き、先輩の物をしゃぶっていた。
もう一人の少年は私の背後にしゃがみ、抱きつくように私の胸を弄っている。
「ほらっ、もっと舌を使えよ。」
「あむ・・・は、はい・・・んんっ・・・くちゅ・・・あはっ!」
先輩に奉仕する私の背後で制服の中に手を入れながら胸を弄っていた少年が、私の首筋に吸い付いた。
そのまま耳まで全体をなめ回される。
「ああっ、あふっ、ん、んむっ・・・んっ、んっ、んんっ、あふっ・・・ひんっ・・・」
背筋を走る刺激にうちふるえながら必死にしゃぶり続ける。


「ああ、赤木先輩の胸、柔らかけぇ~・・・」
「あっ、ああっ、やあっ!」
「おいっ、休むんじゃねえぞ!」
私が快感に思わず口を離し喘ぐと、先輩が苛ついたように言う。
「あ、は、はいっ・・・あむ・・・ふっ・・・ふう・・・」
再び先輩の物をくわえて奉仕を再開するが、少年の手が太ももに降りスカートの中に入ってくると身体が震える。
「うわっ、赤木さんのここ、ぐしょぐしょだぁ~。それにすっげえ熱い!」
少年は夢中で私の股間を弄る。水音が響き、私の身体がビクビクと痙攣した。
「んんっ、んーっ、んむっ、んっ、んっ、うんっ!あふっ、ううんっ!」


「うおっ、もう我慢できねえ!おいっ、そっちのをくわえてやりな。」
先輩は私を引き離し、少年の方に向けた。
ズボンを降ろして立つ少年の物をくわえると、先輩は私の腰を掴み腰を高く持ち上げる。
私はまっすぐ足を伸ばして立ちながら、腰を90度曲げて少年の腰にしがみつきながらくわえる姿勢になった。


「俺はこっちの口でしてもらうからな。」
先輩はそう言うと、スカートをめくりショーツの股間の部分をめくって腰を突き入れた。


「ふううっ!」
熱く固い物が私の中に勢いよく入ってくる。少年の物をくわえているため私はくぐもった悲鳴を上げることしかできなかった。


「おお~締まるっ。あったけぇ~」
「あ、赤木先輩、良い!もっと舐めて!」
先輩は激しく腰を動かし、少年も私の頭を掴んで放さない。


「ふうっ、うっ、ううっ、あふっ、うっ、んんっ、んっ、んっ、んんっ、ふううっ!」
口を、あそこを熱い物が蹂躙していく。
息苦しさと快感に頭が痺れて、何も考えられなかった。


「い、いくぞ!」
「お、俺もっ!」
「んっ、んんっ、んんーーーーーーーっ!!」
二人が最後に強く一突きし、私の頭が真っ白になって達してしまう。
先輩は自分の物を引き抜くと、ショーツと太ももに熱い物を振りかけた。
私は、太ももを垂れていく熱いものを感じながら、口の中に広がった苦い物を飲み干していた。





「良かったぜユイちゃん。また頼むな。」
先輩がぐったりと校舎の壁にもたれて座る私の頬をペチペチ叩きながら、笑って言った。
私は熱い息を吐きながら、時折痙攣するだけ。
先輩はそんな私を見下ろすと、へへっと笑いながら少年とともに立ち去っていった。


先輩達と入れ違いに、昨日の少女が現れる。
「朝からお盛んねぇ。いやらしいったらありゃしない・・・赤木さんも良かったわね。同時に二人に愛してもらって。羨ましいわぁ。」
「・・・」
私は虚ろな目で彼女を見上げた。
「赤木さんは先輩達とやってるのがお似合いよ。カヲル様のことは忘れるのね。」
楽しそうに笑うと、彼女も去っていった。


私はその後ろ姿を黙って見送り、しばらく放心したまま座っていた。
やがて、ノロノロと立ち上がり、近くの女子トイレに向かって歩き出した。


また贖罪が一つ進んだ・・・
だから、これは・・・良い事なんだ・・・


しばらくして予鈴が鳴り響いた。





普通に授業を受け、昼休みになるとまた先輩から呼び出されトイレでおしゃぶりをさせられた。
ふらつきながら教室に戻った私を、アスカが待ち受けていた。


「ユイ、どこ行ってたの?」
「あ・・・と、図書館に・・・」
「そお?・・・ねえ、ユイ、何か悩み事でもあるの?アタシに何か隠してない?」
「べ、別に・・・何もないよ・・・」
「本当に?」
アスカの青い目がじっと私を見つめている。
辛い・・・アスカに嘘をつくのは・・・でも、本当のことを知られたら嫌われる。軽蔑されてしまう。
アスカに見捨てられるのは絶対に嫌!


「どうしたんだい?」
「あっ、お・・カヲル。ユイの様子が変なのよ。」
「そうなのかい?」
カヲル君の赤い目が優しげに私を見つめてきた。
「カ、カヲル君・・・」
胸が苦しい。
『助けて・・・』誰かの声が聞こえた気がした。


その時、廊下の方から視線を感じた。
教室の扉の所から、あの少女がじっと私を睨んでいる。


「わ、私、次の授業の準備があるから・・・」
「あっ、ユイ!」
アスカの声を振り切って、自分の席に戻る。
カヲル君は私のさっきの視線をたどって、扉の方を見つめている。
「「「きゃ~、カヲル様ぁ~♪」」」
少女を含めたカヲル君のファンクラブの娘達が、黄色い歓声を響かせいてた。





放課後、私は少年一人に捕まり身体をまさぐられていた。
ここは誰もいない理科準備室。人気のない部屋の標本類が気味が悪い。
先輩は部活動で来ていない。


「あ・・・ああ・・・」
「あ、赤木さん・・・ああ、赤木さん・・・夢みたいだぁ~、俺一人で憧れの赤木先輩を、一中のアイドルを独占してるんだぁ・・・」
彼は譫言のように呟きながら私の身体をなで回す。
「アイ・ドル?」
なにそれ・・・
「知らないんすか?先輩は、惣流先輩、綾波先輩と並んでうちの学校のアイドルなんですよ。」
アスカや綾波ならわかるけど・・・
「な、なんで、私なんか・・・」
「自覚無いんですか?信じらんね~なぁ~・・・あぁ~良い匂いだぁ~」
彼は私の髪に顔を埋めて鼻を鳴らしていた。耳に息がかかり、私の呼吸が荒くなる。


「あっ・・・はっ・・う・・・うん・・・あ・・・うむっ!」
頭を抱きかかえられ、荒々しくキスをされる。
舌が私の唇を、そして顔を舐めまわしべとべとにしていった。


「せ、先輩、ここに座って。」
「はい・・・」
少年は私をテーブルに座らせると、ショーツを抜き取った。
「あ、足、広げて。」
そして、足をテーブルの上に乗せられて大きく広げられた。
「ああ・・・やだ、こんな格好・・・」
スカートが捲くれ上がり、秘所が彼の前にさらけ出される。


「先輩、あそこ広げて。」
「えっ?」
私は彼が何を言っているのか解らなかった。
「先輩の大事なところ、先輩が自分で広げて見せてよ。」
「そ、そんな・・・」
そんなの恥ずかしすぎる!
でも・・・
「できるよね。先輩。」
私はこの子に逆らう事なんて出来ない・・・この子と先輩とあの女の子には・・・


「はい・・・」




私はおずおずと両手を股間に持って行き、柔らかいお肉をそれぞれ摘むと左右にゆっくりと開いた。


「うわぁ・・・すげぇ・・・」
少年が目を見広げて私のあそこをまじまじと見つめている。
「先輩のあそこ、テラテラ光ってるよ。うわっ、また汁が垂れてきた。すげぇっ!」
私自身があまり見たことがない部分を、彼は逐一説明してきた。


「お願い・・・くっ・・・そんなに見ないで・・・う、うぅ・・・」
あまりの恥ずかしさと情けなさに涙が溢れてきた。


「先輩、ここがやっぱり感じるの?」
彼はそう言いながら指で私のお豆を転がす。その刺激に私の身体がビクビクと跳ねた。
「あっ、ああっ!だ、だめっ!そ、そんなに強く、しない・でっ!ああっ!」
「うわぁ、どんどんやらしい汁が出てくるよ先輩。」
「あひっ!や、やあっ!み、見ないでぇ!あっ、ひんっ!」
ひとしきり彼はお豆を弄ぶと、やがて指を放した。私は弛緩して荒い息を吐く。
「ダメだよ先輩。手を放しちゃ。」
「は、はい・・・」
力の入らない腕を伸ばし、また秘所を開いた。


少年はまた指を伸ばし、今度は下の方を触りだした。
「朝、ここに入れられてたんだよね。ぐしょぐしょじゃん。」
「んんっ・・・」
指を差し込まれ、出し入れされる。また息が荒くなってきた。
「うわ~凄く熱いよ先輩。それに中がざらざらしてる。こりゃ気持ちよさそうだなぁ~。」
「はっ・・・ああっ・・・そ、そんなこと言わないで・・・お願い・・・うっ・・・」
「誉めてんだよ先輩。・・・中、どうなってんのか見てみたいなぁ。」
「え・・・?」
彼はそう言うと、背後にあった理科機材の入った棚を開いた。
「これでいいか。」
そう言うと取り出したのは太めの試験管。彼はそれをテーブルの横にある水道で洗うと私の前に持ってきた。
「な、なにするの・・・」
「言ったでしょ。中見てみたいって。」
そう言うとそれを私の股間にあてがった。
「う、嘘っ?!ダ、ダメッ、そんなの入れないで!お願い!」
「大丈夫だって。」
私の制止も聞き入れず、少年は一気に突き入れた。
「あぐっ!」
冷たい感触が私の中に入ってくる。
「そ、そんな・・・いやぁ・・・」
「すげえっすげえっ!こんなんなってんだ!ヒダがいっぱいあってミミズみたいだよ先輩。」
彼は夢中になって試験管を色々な角度に動かす。
「いやぁ・・・いやぁぁぁ・・・ひっく・・・うああああぁ・・・」
私はついに声を上げて泣き出してしまった・・・
それでも少年は楽しそうにして止めてくれなかった。




暫くして彼は試験管を抜き、私をテーブルの上に押し倒した。
「じゃ、じゃあ、本番やろうか、先輩。」
「・・・」
私はもう涙も出ず、されるがままになっている。
少しとまどいながら彼が腰を突き入れた。
「んんんっ・・・あ、はっ!」
絞り出されるように息を吐く。


そして私は少年の気の済むまで犯された。
何度も、何度も・・・






服を直し、私は少年に支えられてふらつきながら理科準備室を出た。
足元がおぼつかない。
彼は体力が有り余っているらしく、私が絶頂に上り詰めても行為を止めてくれなかった。
何度もいかされ、最後は失神寸前の状態だった。


「中で出しちゃったけど大丈夫だよね。あ、それとこのパンツ、記念にもらっとくよ。」
「・・・」
嬉しそうに話している少年。ふいに私を抱きしめるとキスをしてきた。
「先輩、また二人っきりでやろうよ。俺、もっと色々やってみたいことあんだ♪」
私を抱きしめたまま耳元でささやく。
この子、シンジと同じなんだ。私をおもちゃにして楽しんでる。
私はこの子にとって、欲望満たす為の“物”・・・


彼はもう一度唇を押し付けてきた。
その時、


「な、なにやっとんのや?!あ、赤木はん?!」
「す、鈴原君・・・」


突然トウジが現れて驚いた声を上げた。





あ・・・ああ・・・見ら・れた・・・



[2240] Re[3]:闇と罪と本の旅人 第2部 33
Name: ふぁいず
Date: 2004/05/21 00:13
虐め編、まだまだ続きます

悪役キャラの名前がつけられない・・・
下手な名前付けて、読者の人とかぶったら・・・と思うとなかなか・・・
どうしたもんですかね。

次回、トウジの行動は?
見られてしまったユイは壊れてしまうのか?



[2240] Re:闇と罪と本の旅人 第2部 34
Name: ふぁいず
Date: 2004/05/27 20:42
第34話

差しのばされる手
でも、その手を掴む資格なんて私には・・・



[2240] Re[2]:闇と罪と本の旅人 第2部 34
Name: ふぁいず
Date: 2004/05/31 02:05
「おんどれ!赤木はんになにしとんじゃ!!」
トウジが激高して叫んだ。
「な、何だよ、あんた。」
その迫力に少年が動揺する。
「何だじゃあらへん!さっさと赤木はんから離れんかい!」
少年は私を抱きしめるのは止めたが、その手は私の腰を抱いたまま。
その態度にトウジはさらに怒りを増す。
「もっと離れんかい。おんどりゃあ!パチキかますぞ!」
それでも少年は私を放さなかった。それどころかニヤニヤし始める。


「なんだよ。自分の彼女触ってて何が悪いんだよ?」
「か、彼女やて?!う、嘘言うのもええかげんにしいや!」
「だって彼女なんだからしょうがないじゃん。・・・ねえ、先輩。」
私の方を凄みを込めた目で見る。トウジも少し不安そうな目で私を見つめていた。
「わ、私・・・」
沈黙が続く中、いらついたように少年の手が私の腰を強く抱いた。


その瞬間、
ごぷっ・・・
私の股間から鈍い、でも静寂の中でははっきりと響く音が聞こえ、太腿を伝って白い物が床にしたたり落ちる。


「あ・・・」
「なっ?!」
少年が惚けた声を、トウジが驚愕に満ちた声を上げる。
そして私は・・・


「い、いやあぁぁぁ!」





「いやっ、いやあっ・・・見ないで・・・見ないでぇ・・・」
「あ、赤木はん・・・」
泣きじゃくる私をあ然とした顔で見つめるトウジ。
少年は鼻で笑うと、私を見せつけるように抱き寄せた。
「解ったろ。先輩はもう俺の女なんだ。さっきもよろしくやってたのさ。」
そう言いながら私の胸を揉む。私はトウジの視線に耐えられなくなって顔を背けた。


「ねえ先輩、言ってやりなよ。先輩はもう俺の女だってさ。」
「あ、ああ・・・」
私の首筋に舌を這わせながら少年が言う。
トウジはうつむきながら拳を震わせていた。


軽蔑された・・・
きっとアスカや洞木さん達にも・・・クラスの人たちにも知られてしまう・・・
もう・・・生きていけない・・・
やだ・・・




「嘘やろ・・・なあ、嘘やって言ってくれ赤木はん。」
すがるような目のトウジ。少年はそんなトウジをあざ笑った。
「何必死になってんの?馬鹿じゃねぇ?あ、もしかしてあんた、先輩に惚れてたとか?悪いねぇ~もう俺の女になっちまったよ。」
「ぐっ・・・」
「知ってる?先輩の中ってすっげえ気持ちいいんだぜ。締まりが良くて絡みついてくんだ。」
青くなっていくトウジ。私も耐えきれずに両手で顔を覆った。
「やめて・・・お願いですから、やめて・・・そんなこと鈴原君の前で言わないで・・・」
「なに言ってんだよ。もっと見せつけてやろうぜぇ。ほおらっ、サービスサービスゥ!」
「やあぁっ!」
彼は私のスカートをまくり上げた。ショーツを履いていない秘部がトウジの前にさらけ出される。
そこからはまだ白い物がしたたり落ちていた。


どんどん調子に乗っていく少年。
私は涙が止まらなくなっていた。
その時、


「こんガキャ!」
突然トウジが駆け寄ると少年に頭突きを食らわせた。
「ガッ?!」
よろけて私を放す。するとトウジは私を引き寄せるとこう言った。
「おんどれ嘘ついてるやろ。」
「な、なに言って・・・」
少年が頭を押さえながら言い返そうとする。
「ほんとに恋人同士ならワシも男や。素直に引き下がるわ。でもな・・・」
トウジは私をぎゅっと抱きしめた。
「あ・・・」
「ほんとに好きあっとるんなら、赤木はんがこんなに悲しそうな顔するかい!おんどれ、赤木はんを脅すか何かしとるやろ!」
「な、なに言ってやがる。ほんとに先輩は俺の女・・・」
「まだ言うか!」
トウジは拳を振り上げた。
吹き飛ぶ少年。
この展開に私は口元を押さえて、ただ見ているだけだった。




「ち、畜生・・・お、俺にこんな事しやがって・・・お前なんか先輩に言いつけて、いや、お嬢に言ってこの町から追い出してやる!」
「ああん?なに言ってんのや。」
怪訝そうな顔のトウジ。でも私は顔から血の気が退いた。
「や、やめて!お願いやめて!何でもします。あなたの女になりますから、鈴原君に酷いことしないでください!」
私の言葉に、にやつく少年。
でも、トウジは・・・
「赤木はんっ、そんなこと言ったらあかん!」
「で、でも。」
「いいんや!おいお前!誰が後ろ盾になっとるかは知らん!でもな、覚えとけ!なんかあったらお前も道連れや!生かしとかんからな!!」
「ひいっ!」
トウジの迫力に少年が腰を抜かすように座り込む。そのまま這うように逃げ出した。
「ひ、ひぃぃぃぃぃぃぃ!」





「ふうっ・・・」
トウジは逃げていく少年が見えなくなると、ため息をついて私の方に向き直った。
「あ・・・」
私は怯えて後ずさりする。
見られた・・・知られてしまった・・・嫌われる・・・


「大丈夫か・・・って言って良いのかわからへんけど、大変やったなぁ・・・」
そう言いながら手を伸ばす。
「く・・・」
私は恐怖にいっそう身を縮ませる。でも、
「もう怖かあらへん。安心せい。」
トウジの手が私の頭を優しく撫でる。
身体から力が抜けていく。
視界がぼやけてきた。
「う・・・う・・・」
「うん?」
「うわあぁぁぁぁぁっ!」
私はトウジの胸に飛び込むと大泣きしてしまった。


私が泣き止むまでトウジは黙って私の頭をそっと撫でていてくれた。
妹のサクラちゃんに接するように・・・
本当のお兄さんのように・・・





トウジに送ってもらい、家に帰る。
「ワシが出来ることでなんとかするさかい。一人で悩まんといてや。」
玄関前で優しくトウジが言ってくれた。


「鈴原君・・・」
「んっ?」
「どうして・・・どうしてそんなに私に優しいの?・・・私・・・」
軽蔑しないの?こんなに汚れている私を・・・
まさか、あの子の言っていたこと・・・私のこと好きだって・・・
「そ、それはやな、あ、あの、そうや!男は困っとるおなごを助ける義務があるんや!」
「そ、そうなんだ・・・あ、ありがとう・・・」
そうだよね・・・やっぱりトウジは男らしくて優しいから・・・
私、何自惚れたこと考えてるんだろ・・・
私なんか好かれるわけ無いのに。こんな汚れた女なんか・・・
やっぱり私、迷惑かけてる。
「ご免なさい・・・」
謝る私をトウジはなぜか困っているような、悲しんでいるような複雑な顔で見つめていた。




一人夕食を食べながら考え込む。
トウジはああ言ってくれたけど・・・
あの女の子が今日の事知ったら・・・
あの娘のお父さんがトウジの家庭を目茶目茶にできる力を本当に持っているのなら、私は・・・


私は一体どうしたら・・・


にゃあ
『嬢ちゃん、どうしたんや?なんか悩み事か?』
物思いにふける私にケンちゃんが心配そうに聞いてきた。
「ううん、なんでもない・・・」
『嬢ちゃん、一人で悩んでいても物事は解決せんで。嬢ちゃんには力になってくれる人達が沢山おる。それを忘れんといてや。』
「・・・」




その夜、あの少年から携帯に電話がかかってきた。
『先輩、今日は邪魔が入ったけど、明日も遊ぼうよ。あ、荷物送っておいたからみといてね。』
一方的にそう言うと電話は切れた。
荷物?
マンションに入る前に郵便受けに入ってた大きな封筒のこと?


私宛だったんだ・・・




リビングのテーブルの上に、置きっぱなしにしていたのを取ってきて開けてみる。
「こ、これっ・・・」
中に入っていたのは小さな箱と手紙。
箱の中にはピンクの機械。以前、シンジのベットの下にあったのに似ている。アレより少し大きくて長い。
手紙には・・・
『明日はこれを中に入れて来るように。』


「あ・あ・・・」
震える手から機械が落ちる。


でも・・・
どうせ私は逃げられない・・・





翌朝、着替えて朝食をとる。
姉さんは、また徹夜で帰ってきていない。


トイレに入り、夕べの小箱を開ける。
「これを・・・」
ショーツを降ろし、機械をあそこにあてがう。力を入れて押し込んだ。
「んん・・・あ、はっ!」
落ちてこないように指で奥まで押し込むと、子宮の入り口にコツンッとぶつかり、身体がびくっと震えた。
そのままショーツを上げて、線の先につながっていた小さなプラスチックケースを腰に止めた。
これって・・・やっぱりシンジが使っていたオモチャと同じだよね。
こんなの学校で動かされたら私・・・


不安にさいなまれながら、学校に向かった。





校門を通り抜けても先輩達には会わなかった。
グラウンドではサッカー部が朝練に励んでいる。試合が近いらしい。


「おはよっ、ユイ。」
「おはよう、赤木さん。」
教室でアスカと洞木さんが話しかけてきた。
「おはよう、アスカさん、洞木さん。・・・ひうっ!」
突然、私の中のオモチャが動き出した。振動が私の中を、子宮を刺激する。腰が小刻みにビクビクと震えた。
「ユ、ユイ?!」
「ど、とうしたの?!変な声出して。」
驚いたアスカと洞木さんが聞いてくる。
「あ、な、なんでもない・の。朝からしゃっくり止まらなくて・・・」
「な~んだ。びっくりさせないでよ。」
「ご、ごめんなさい。」
なんとかごまかして机に戻る。まだオモチャは細かく震えていた。


「ん・・・んん・・・」
だ、だめ・・・声が出ちゃう・・・
こんな所でばれたら、私・・・
すると唐突に振動がとまった。
身体から力が抜け、私は荒い息をついた。


ちらっと廊下の外にあの少年の姿が見えた。
しばらく私をニヤつきながら見ていたが、教室に入ってきたトウジに見つかり慌てて逃げていった。トウジはふんっと鼻を鳴らして睨みつけると、私の方に歩いてきた。
「おはようさん。・・・あいつ、なんかしてきよったか?」
「お、おはよう・・・ううん・・・なにも・・・」
「そうか。なんかあったら遠慮無く声かけてくれな。」
「うん。ありがと・・・」


言えない・・・
今私の中にあの子が送りつけてきたオモチャが入っているなんて。
学校で私はいやらしく感じているなんて。


それにやっぱりトウジを巻き込んじゃいけない。


でも・・・
今日一日、これが続くの・・・
『これも罰なのよ・・・』





授業中、休み時間を問わず、オモチャは唐突に動き出し止まるを繰り返した。
そのたびに私は声を押し殺して必死に耐えていた。
椅子には私の出した愛液が滴って、そのたびにこっそりハンカチで拭き取った。
もし私の席が一番後ろの窓側でなかったら、みんなに気づかれていたかもしれない。
でも、四時間目・・・


ブウウウウウ・・・
私の中でまた振動が始まる。
教壇では先生が古文を朗読していた。
だめ・・・もう許して・・・


足が小刻みに揺れる。脂汗がじっとりと滲んできていた。
あ、ああ・・・腰が・・・ゆっくりと勝手に動き出していく・・・
椅子はもう私の愛液でべちょべちょだ。椅子の間に置いたハンカチも、グショグショでもう役に立たない。


足が自然に開いていった。腰が前後に、左右にゆっくりと円を描く。
このまま胸を、あそこを思いっきり弄り回したいという衝動がわき上がり、それを必死に押さえた。
「あ・・・はぁ・・・う・・・」
口元を押さえて必死に声を押し殺す。
は、早く止まって。そうでないと私・・・


先生の朗読する声がだんだん聞こえづらくなってきた。
身体が浮き上がっていく感覚。


「ん・・・んん・・・んん・・・」
足がカタカタと震え出す。
ダメッ・・・ダメッ・・・


「ン・・・ンン・・・ン・・・ンンッ。」
頭の中が真っ白になり、足を思いっきり伸ばして突っ張らせる。
口元を押さえて、私は快感が退いていくのを震えながら待った。


ああ・・・私、教室で・・・
みんながいるのに・・・


涙が一筋こぼれた・・・




昼休みには先輩に呼び出され、またトイレでおしゃぶりをさせられた。
その間、ずっと私の中のオモチャは動き続け、先輩がいくと同時に私も達してしまった。
股間からポタポタと水滴がしたたり落ちる。
「ユイちゃん。今日はずいぶん積極的じゃないか。やっぱりユイちゃんもエッチなのが好きなんだなぁ。」
先輩がズボンを履きながら笑っていた。





そして放課後。
また私はあの少年に捕まり、人気のない理科準備室に連れ込まれていた。
「先輩、ちゃんと今日一日アレつけていた?」
「はい・・・」
「じゃあ、スカート上げて見せて。」
私は言われるがまま、スカートを持ち上げる。


「うわぁ。先輩グショグショじゃん。こんな一杯垂れてるよ。」
「う・・・」
彼の楽しそうな言葉に私は顔を背ける。
「先輩どうだった?気持ちよかった?」
「そんな・・・そんなこと・・・」
「気持ちよかったんだよね。」
「う・・・はい・・・気持ち・よかったです・・・」
「やっぱり!先輩やらしいもん。ねえ、何回いっちゃった?」
「くっ・・・に、二回、です・・・」
なんでこんな事私は・・・
『これも私の贖罪なのよ。』
でも・・・


「先輩、もう一回、いって見せてよ。」
そう言うと彼はポケットからスイッチを取り出した。
私の中でまたあの振動が始まる。こんどは今までとは比べ物にならないくらい激しく。
「あっ・・・かっ!・・・ひいっ!!」
子宮がビリビリ震え、思わず仰け反る。開けた口からは声にならない悲鳴が漏れた。
私の股間からハッキリとモーター音が聞こえてきた。


「あっ、だ、だめっ!も、もう、許してっ。」
背後のテーブルに寄りかかり、崩れそうな身体を支えながら私は哀願する。
「何いってんだよ。そんなに腰動かしちゃって、嬉しいんでしょ。」
「ち、違っ、ああっ!」
耐えきれずテーブルの上に倒れ込んだ。腰が別の生き物のようにビクンビクンと跳ねている。
「やっ、ああっ、だめぇっ!ひっ、くっ、ああっ、あっ、あっ、ひうっ、あひいっ!」
口からは涎がみっともなく垂れてくる。テーブルの上に涙と涎で水たまりが出来ていった。
「すげえっ!先輩、すげえいやらしいよ。」
少年も興奮して自分の物を取り出ししごいていた。
そして私も・・・


「ダメ、ダメダメダメッ!いくっ、いっちゃうぅぅ!」
頭の中が真っ白になり、私は今日3度目の絶頂を迎えた。
「先輩!お、俺もっ!」
少年もそう言うと私の太ももに白い物を大量に振りかける。それは糸を引きながら足下に垂れていった・・・





「はぁ・・・あ・・・はぁ・・・ぁぁ・・・」
熱い息を吐きながら私はテーブルの上に突っ伏していた。
「出すよ先輩。」
彼はそう言うと、私のショーツを下ろし秘部から伸びているコードを引っ張った。
「あっ、んんっ・・・」
身体の中からゆっくりと引きずり出されていく。
じゅぽっ!
やがてそれは鈍い音を立てて抜け落ちた。
「ほらっ、こんなに糸引いてるよ。」
彼はそれを私の顔の前にぶら下げる。
それから落ちた滴が、糸を引きながら私の顔に落ちてきた。


「じゃ、本番やろうか。」
「お願い・・・私、もう・・・これ以上・・・」
もう身体が保たない・・・でも私が哀願しても彼は許してくれなかった。
「何言ってんだよ。まだまだこれからさ。」
そう言って、ズボンを降ろした。
その時。




「止めてもらえる?」
その場にいないハズの声が聞こえた。
「なっ?!だ、誰だよ!」
慌てて振り返る少年。私も声のした方向に目を向けた。
そこにいたのは、


「あ、綾波先輩?!ど、どうしてここに?!」
「あ、綾波・さん?」
赤い目でじっと私達を見つめる綾波が立っていた。




「な、なんでここに・・・い、何時の間に・・・」
動揺して上擦った声を上げる少年。
「こ、これはさ。お、俺達、そのっ、愛し合ってんだ!だ、だからそのっ、野暮なこと言わないでさ。それとも綾波先輩も一緒にやる?」
慌てているのか支離滅裂な事を言っている。
「そ、そうだよ。先輩も一緒に楽しもうよ。うんっ、良い考え!」
そう言いながら彼は綾波の肩に手をかけた。


ドスッ


その瞬間、鈍い音が響き少年の体が崩れ落ちる。
「いやらしい男は嫌いだよ。」
そして倒れた少年の影から現れたのは、長身で長い髪のセーラー服を着た少女だった。
でもうちの学校の制服とは違った、スタンダードなセーラー服だった。
それから、その手には・・・刀?!


「大丈夫?」
彼女は優しく私を助け起こすと、ティッシュで体を拭いてくれた。


「あ、ありがとう・・・でも、綾波さんどうして此処に・・・」


その時、綾波の服装が瞬時に変わった。
ブラウスとタイトスカート。大きな帽子に・・・


「リリス?!」





「まだこんな事を続けているのね。」
リリスが冷たい声で言った。
「これは・・・」
「わかっているはずよ。カヲルでも誰でも、助けを求めれば解決すること。あなたはあえてそれをしない。」
「・・・」
「いつまでこんな事を続けるつもり?」
「私は・・・私の罪はまだ消えていない・・・」
「あなたに罪なんか無い。あるとしたら、それはあなたの周りにいる人たちを裏切っている事よ。」
「裏切り・・・それってどういう・・・」
「自分で考えるのね。」
突き放したように言うリリス。私の体を拭き終えた制服の少女がとがめるように言った。
「リリス。冷たすぎない?」
「自分で気づかなければわからないわ。特に彼女の場合は・・・」
「そうかもしれないけど・・・」
しばらく沈黙が続いた。


「時間だわ。次の世界にいくわよ。」
「うん。この世界には初美もいないみたいだし。でもリリス、その姿としゃべり方は何?」
「彼女に会うときはこの姿なのよ。」
一瞬、リリスの髪が長い金髪に見えた気がした。
そして二人は消えていった。「また来るわ。」と言い残して・・・


同時に倒れていた少年も頭を振りながら立ち上がる。


「あれっ?俺なんでこんな所に?」
そう言いながら私を無視して帰ってしまった。
またリリスが何かしたんだ。




残ったのは私と、リリスが抜けてぼーとしている綾波。
天然なのか、此処にいることにあまり疑問を抱いていないらしい。


「赤木さん?帰らないの?」
「え、ええ・・・帰りましょう。」


そう言うと綾波は嬉しそうに私と手をつないで歩き出した。


リリスは何を言いたかったんだろう・・・
裏切り・・・私がみんなを裏切っているというのなら、それは私が大罪人だと言うことを隠していることだ。
そしてそれもやっぱり罪・・・



[2240] Re[3]:闇と罪と本の旅人 第2部 34
Name: ふぁいず
Date: 2004/05/30 22:04
後書き
ちょっとゲストにあの少女が登場。一応、これっきりの予定。
相変わらず色恋沙汰には鈍くて、マイナス思考バリバリのユイでした。

本当は3話で終わる予定だった「虐め編」
入れたいエピソードが増えてしまってのびてしまった~

5/30改正 Vol.2



[2240] Re:闇と罪と本の旅人 第2部 35
Name: ふぁいず
Date: 2004/06/05 00:29
第35話

私が本当に求めているのは?
幸せ?それは・・・許されない。でも・・・



[2240] Re[2]:闇と罪と本の旅人 第2部 35
Name: ふぁいず
Date: 2004/06/05 00:34
綾波と二人で学校を出ると、校門前にトウジが立っていた。
「おう、赤木はん、イインチョ達が探しとったで。」
「そ、そう。ご免なさい。あとで連絡しとくね。」
「そうしとき。・・・それと、大丈夫か?さっき、あのガキがウロウロしとったが・・・なんもされへんかったか?」
小声でトウジが聞いてきた。
「う、うん・・・大丈夫、だよ・・・」
思わず目をそらしてしまう。それでトウジは何か感じ取ってしまったようだった。


「あのガキ!・・・やっぱり赤木はんから目を離さんほうがよかったか・・・」
トウジ、私を守ろうとしてくれているみたい。
ダメだよ・・・私なんかに関わっちゃ・・・


「だ、大丈夫だから。ほんとに、大丈夫だから・・・」
「いや、心配するに超したことはあらへん。とりあえず今日も送ってくわ。」
そう言うと私を先導して歩き出してしまった。
どうしよう・・・本当にトウジが巻き込まれちゃう・・・





その夜、先輩からメールが届いた。
『ユイちゃん、明日も楽しませてやるから早く来なよ。』





朝起きると、深夜帰宅して今日は寝ているはずの姉さんがリビングに座っていた。
「姉さん?今日はお休みじゃ・・・寝てなくていいの?」
「まあね。・・・ユイこそずいぶん早いわね。」
「え・・・う、うん・・・ちょ、ちょっと用事が・・・」
朝食も取らず鞄を持って出て行こうとする私の手を、姉さんが掴んだ。


「だめよ。」
「えっ?!」
「鈴原君が迎えにきてくれるから、待っていなさい。」
「す、鈴原君が?!ど、どうして?!」
どうしてトウジが?!
「昨日、ネルフの方に鈴原君から電話があったのよ。外線たらい回しにされてやっとつながったみたいだけど。」
「・・・」
「そしてこう言ったの。ユイを虐めようとしている生徒がいるから一人で登校させないでください。ってね。」
「あ・・・」
私を守ろうとしてくれている。
でも、これ以上巻き込むのは・・・
トウジに、トウジの家族に何かあったら私は・・・


姉さんは私の手を放すと、悲しそうな顔をして聞いてきた。
「どうして?」
「えっ?」
「どうして私に何も言ってくれなかったの?私はそんなに頼りにならない?」
「そ、そんなこと・・・そんなことない!」
姉さんはいつだって私のこと心配してくれている。大切にしてくれている。
「じゃあどうして?なぜいつも自分一人で悩むの?シンジ君もそう。言ってくれなければ人には通じないのよ。」
シンジも・・・“私”も“シンジ”だから・・・
“馬鹿シンジ”だから・・・
また姉さんに心配させてしまった・・・


「ご免なさい・・・」
私が謝りながら項垂れていると、姉さんは優しい目をして私の頭をなでてくれた。
「お願い、もっと私を頼って。私はね。あなたに感謝しているの。だからあなたの力になりたいのよ。」
「かん・しゃ・・・?」
どうして?私なんかに?
「あなたが来るまで私は自分自身を捨てて生きていたの。死んだ母さんを超えたい。それだけのために生きていた。だからどんな汚いこともしたわ。愛される訳のない人にすがっていた。」
「姉さん・・・」
「でもね。あなたが来てからは違う。生きていることがこんなに楽しいなんて初めて知ったわ。家に帰れば出迎えてくれるユイがいる。だから家に帰るのが楽しい。ユイと一緒に食べる食事もとても楽しくて美味しいの。これもあなたのおかげなのよ。ユイが私の家族になってくれたから。」
「家族・・・」
「だから私もユイの力になりたい。ユイが苦しんでいたら助けてあげたいの。大切な妹なんですもの。」
「姉さん・・・」
いつの間にか姉さんは涙を流していた。そして私も・・・


「最初はね。マギでも調べられなかったあなたの身元を調べるために引き取ったの。でも今はそんなことどうでも良い。あなたがいない生活はもう考えられないのだから。」
姉さんは私をそっと抱きしめた。私も柔らかいその胸に顔を埋める。
「いずれね。あなたの戸籍をもう一度登録し直そうと思っているの。姪じゃなくて本当の赤木家の娘に。私の妹として・・・嫌?」
私は首を横に振る。
嫌なわけ無い。本当に姉さんの妹になれる・・・
「でも・・・本当に私なんか・・・良いの?」
不安そうに私が聞くと、姉さんは微笑んで言ってくれた。
「馬鹿ね。ユイだから妹にしたいのよ。」
私達はまた泣いた。嬉しさで・・・


にゃあ・・・
『ええ話やなぁ・・・嬢ちゃん、嬢ちゃんは世界一幸せもんやで・・・ほんまに・・・』
ケンちゃんの涙声が聞こえた。


「私はね。あなたとの生活を失いたくないの。ユイと一緒に生きていきたい。だから・・・どんなことをしてでも・・・」
姉さんの目は、何かを決意したかのように強い光を宿していた。





姉さんと本当の姉妹になれるんだ!


でも・・・
私のような大罪人がそんな幸せ掴んでいいの?
私は償いきれないほどの罪を背負っている。
すでに汚れきっているし、これからもっともっと汚れ壊されなければいけない。


でも・・・
姉さんと一緒に居たい・・・居たいよ・・・


どうしたらいいの・・・
とうしたら・・・わからない・・・




ピンポーン
チャイムが鳴り、玄関を開けるとそこにいるのはトウジだった。
「おっ、おはようさん。」
「あ・・・おはよう・・・鈴原君。」
何故か赤くなりながら挨拶をしてくるトウジ。


姉さんも玄関まで出迎えに来た。
「おはよう鈴原君。」
「お、おはようございます!」
「悪いわね。ユイをお願いね。」
「わ、わかっとります!ワシ、いや、僕におまかせください!」
頼もしいわね、と姉さんが微笑んだ。トウジは真っ赤になって照れている。


「それから・・・手に負えなくなったら私に言いなさい。良いわね。」
「はい。」
「ふふ・・・格好いいわよ鈴原君。渚君と五分の勝負してるわね。」
「な、なあっ!!」


「???」
姉さんの最後の言葉、どういう意味だろ?・・・トウジも真っ赤になって慌ててるし。





トウジと並んで学校に向かう。
どうしよう・・・先輩は早く来るように言ってたのに、遅れてる・・・
トウジも巻き込まれて、何か酷い事されるんじゃ・・・
「す、鈴原君。」
「あ、なんや?」
「や、やっぱり・・・鈴原君、私と一緒にいない方が・・・もしもの事があったら・・・私・・・」
「赤木はんは気にせんでええ。これはワシが好きでやってることや。」
「で、でも・・・」
「ええって・・・お、渚やないか。」
「え・・・」


見れば前の通りに止まったネルフの公用車から降りてくるカヲル君がいた。
運転席の黒服の人と何か話している。


「ありがとう。あとは頼みますね。」
「は、おまかせください。」
黒服の人はそう言うと走り去った。
カヲル君は私達を見つけると微笑んで手を上げる。


「やあ、おはようユイさん。ついでに鈴原君も。」
「お、おはようカヲル君・・・」
「おはようさん。ついでは無いやろ・・・」
笑いあうカヲル君とトウジ。意外とこの二人は仲が良いらしい。





そのまま3人で学校に向かう。
私の足取りはますます重くなっていく。
そして、校門前まで来たとき、私は恐怖に硬直した。


校門の横で先輩とあの少女がじっと私を見ている。
先輩は苦虫を噛み潰したような顔で、
そして、少女は私を憎悪の表情で。




「おはようございますぅ。カヲル様ぁ~♪」
「ああ、おはよう。」
少女は一瞬で笑顔を作ると、カヲル君に話しかけた。
返事を返されて、きゃっと喜んでいる。
そして笑顔のまま、私の方に向いた。


「おはよう、赤木さん。」
「お・・・お、おはよう・・・ござい・ます・・・」
足がガクガク震えて上手く喋れない。
彼女の顔は笑顔のまま、でも目は全く笑っていなかった。


「ちょっとお話があるのだけど、いいかしら?」
「あ・・・あ・う・・・」
私は恐怖のあまり声も出せない。彼女は私の手を掴んで連れて行こうとした。


「どこ行くんだい?僕もご一緒させてもらうよ。」
「ならワシも行こうかのう。」
カヲル君とトウジがそう言ってついてきた。


「え、えっと、た、たいしたことありませんから、カ、カヲル様が来るほどでは・・・」
「たいしたこと無いなら別についていっても良いじゃないのかい?」
「そ~やなぁ~」
カヲル君達にそう返されて、少女は顔をそらす。でも、隣にいる私には彼女の表情を見ることが出来た。
悔しそうな顔が・・・


「あ、く・・・」
私を握る手に力が入り、私は苦痛に呻いた。


やがて彼女は振り返る。笑顔を作り・・・
「やっぱりたいしたこと無いですから、いいですわ。じゃ、赤木さん、また今度。」
そう言って私の手を放し、立ち去っていった。
離れて見ていた先輩も、チッと口を鳴らし後を追っていく。


「大丈夫かい?」
カヲル君が私の手を持つ。その手には指の後が赤くついていた。
「う、うん。何ともないよ。」


トウジも私の横に来ると耳元で囁いた。
「あの二人か?」
「・・・うん。」
「そっか・・・厄介やな・・・あの女、たしか・・・」
「某・大物政治家のご息女さ。」
カヲル君が何気なく話に加わった。


だから、もみ消せるって・・・町から追い出すって・・・
だめだよ、彼女ならトウジの家族をメチャメチャにしてまう。そんなの・・・


「す、鈴原君、やっぱり、私・・・」
「大丈夫やって。赤木はんは心配性やなぁ。」
トウジは笑い飛ばした。





その日、トウジは何気なく私のそばにいてくれた。そしてカヲル君も・・・
でも、二人の手の届かない所で、私は少女に捕まってしまった。


「あら、赤木さん。奇遇ね。」
休み時間になり女子トイレに入ると、待ちかまえていたように彼女と数人の女の子に囲まれた。
「あ・・・」
壁際に追いやられる。
「いい度胸ね、赤木さん。あれだけ言ったのにカヲル様に近づくなんて。」
「わ、私・・・」
氷のように冷たい彼女の視線、私は恐怖に足が震えてきた。


「私を舐めてるの?それともカヲル様が優しいことにいい気になってるのかしら?」
「そ、そんなこと・・・」
彼女は私の髪を鷲掴みにすると耳元に口を寄せて囁いた。
「あの写真・・・そんなにばら撒いてほしいんだ・・・露出狂の気もあったのね。この変態女!!」
私の顔から血の気が引いた。
「ご、ご免なさい。ゆ、許して、許してください。」


「あ~ら、震えちゃって可哀想♪」
取り巻きの女の子の一人が笑いながら言った。
「お嬢、知ってる?2-Aの連中ね、揃いも揃ってこの娘のことお姫様扱いなのよ。馬っ鹿みたいよねぇ~。」
「ふんっ。あのクラス、女共は馬鹿だらけだし、どうせ男連中はこのでっかい胸で誑かしたんでしょ。」
そう言いながら私の胸を無造作に掴んだ。
「い、痛い!」


別の娘が手を伸ばして、私の髪を一房掴む。
「あ~ら、ユイちゃん綺麗な髪ねぇ~。でもショートカットのほうが似合うんじゃない?おね~さんがカットしてあげましょうか?」
そう言ってポーチの中から鋏を取り出した。
「や、やだ・・・」
私が怯えながら言うと、彼女は急に不機嫌そうな顔になった。
「やだ?・・・人がせっかく綺麗にしてあげようって言ってるのに、そういうこと言うの?この娘は。ちょっと可愛いからって頭に乗ってない?」
「あ・・・」
「ほらっ!なんとか言ってみなさいよ!」
そう言いながら彼女は、鋏の刃の部分で私の頬をペチペチ叩いた。
「ひっ!」
恐怖に目を閉じる私の腰がぶるっと震えた。そして・・・


シャーーーーーーーーーーーーーーーーー


「やだ!この娘!」
「アハハハハ!漏らしてやんの!汚ったな~い!」
女の子達が馬鹿にしたように笑う。


「あ・・ああ・・・止まらない・・・やぁ・・・う・・・うう・・・」
私はただ、せめてスカートまで濡らさないようにとすそを持ち上げて止まるのを待つしかなかった。




シャーーー・・・・ポツ・・・ポツ・・・


やがてそれは止まり、滴がショーツから時折落ちた。
足元には水溜りが出来、靴を濡らしている。


「う・・・うう・・・ひっく・・・う・・・・」
涙に視界が霞む。


「あははー、お漏らし娘ぇ~。」
「中2にもなって恥ずかしくないのかしらね~。」
「ほんとほんと・・・ん?お嬢、なにやってんの?」
「ふふ、これも青春のメモリーだから撮っておいてあげるの。」
そう言って彼女はカメラをポーチから取り出した。
「お嬢、やっさし~♪」
「「あははは」」


カメラをかまえる少女。
もう・やだ・・・
こんなの・・・ヤダ・・・





「ちょっと!今取込中だってば!」
「いいから退きなさい!」
その時、急に外が騒がしくなった。
そして外で見張りをしていたらしい女生徒を、引きずりながら入ってきたのは・・・
「放しなさい!・・・ユイっ?!あんた達!ユイになにやってんのよ!!!」
「アスカさん・・・」
女の子達に囲まれて泣いている私を見つけたアスカは、今まで見せたことのない憤怒の表情をした。
「な、なによ・・・」
「べ、べつに私達は・・・」
一斉に怯えた表情になる女の子達。
でも、お嬢と呼ばれた少女は強気な態度を崩さなかった。
「別にあなたに関係ないでしょ。私達は赤木さんとお話ししていただけよ。」
「お話?・・・あんたの言うお話ってのは、泣かすこと?」
「これは赤木さんが勝手に泣いてるのよ。だってお漏らししちゃったんだもの。泣きたくもなるわよね~。私達、慰めていてあげたの。」
そうそう、と周りが同意する。アスカはそんな彼女たちを嫌悪感丸出しの顔で見ていた。


「はん!よくもそんな話を・・・あんたよくうちのクラスの前で騒いでるカヲルの追っかけよね。大方カヲルと仲が良いユイに嫉妬して虐めてたんでしょ。あら、図星?」
アスカの挑発に少女の握った拳が震える。
「こ、この・・・私になんて口の利き方を・・・私を誰だと・・・」
「色々噂は聞いてるわよ。あんたのことはね。」
「だったら!」
怒鳴り返そうとする少女を取り巻きの娘達が押さえる。
「やばいよお嬢!」
「こいつ、ネルフの・・・お嬢のパパでも・・・」
「くっ・・・」
彼女の顔が真っ赤に染まり醜くゆがんでいた。


「ネ、ネルフの、ロボットのパイロットだからっていい気になるんじゃないわよ!」
「そんなの関係ないわ。アタシは肩書きなんかに頼らないし縋らない!アタシはアタシ、惣流アスカ・ラングレーよ。親の権力が自分の力だと勘違いしている、どこかの馬鹿娘と一緒にしないで欲しいわね。」
「な、なんですって?!」
「あら、思い当たるフシでもあるのかしら?」
「!!!」


彼女はしばらくうつむいて震えていたが、ずかずかと足音を鳴らしてトイレから出て行った。
「覚えてなさいよ・・・」
「あんたこそ覚えときなさい。ユイに何かあったら、あんたの大好きな権力でも何でも、使えるだけ使ってあんたを潰すから。」


彼女は悔しそうに去っていった。取り巻き達も慌てて追いかけていく。
「そんな物に縋ると、ろくな結末にならないのよ・・・」
アスカは彼女の背中に、何故か悲しそうな目でつぶやいた。


「ユイ、大丈夫?」
アスカは優しい表情になると、私を優しく抱きしめた。
「うん・・・う・・・うう・・・」
頬を流れる涙を、アスカは優しく指で拭き取ってくれた。
「泣かないの。ちゃちゃっと掃除しちゃうから、ユイは早く下着代えちゃいなさい。」




教室に戻ったアスカがカヲル君と何か話し込んでいる。
その後、カヲル君はどこかに電話をしていた。





「赤木ユイさんですね。」
学校が終わり、校門を出た私にスーツを着た男の人が話しかけてきた。
「あ、はい。」
私がとまどうように返事をすると、その人は名刺を差し出した。
「怪しい者ではありません。」
「大泉先生の秘書・・・さんですか?」
テレビのニュースとかでたまに聞く、政治家の人の事務所の名前が書いてあった。
「当事務所の大泉が是非お会いしたいと申しております。申し訳ありませんがご足労願えませんか?」
「えっ・・・ど、どういう・・・」
訳がわからず混乱する私の背後から、カヲル君とトウジが声をかけてきた。
「大丈夫だよ、ユイさん。僕も行くから。」
「ワシも行くでの。」
「えっ?えっ?えっ?」


結局訳がわからないまま、大きな車に乗せられてそのまま走り出してしまった。





着いたのは大きなビルの一室。
カヲル君達を控え室に残し、私は立派な部屋に招き入れられた。
出迎えたのは鋭い目つきでがっちりした体格の中年男性。
「いや、ようこそ。私が大泉だよ。わざわざ済まないね。」
「は、はあ・・・」
大げさに握手をされ、ますます困惑する。
確かこの人は、日本でもかなり偉い人じゃなかったっけ・・・たしか、時期総理の有力候補ってニュースで・・・


その時、別の扉が開いて誰かが入ってきた。


「パパ、急に呼び出してなんなの?・・・あ、あなた?!」
入ってきたのはあの少女だった。


「なんであなたが此処にいるの?!」
「なんでって・・・その・・・」
私が教えて欲しい・・・それにパパって、それじゃ、この人彼女のお父さん?!


「ああ、そうか。私にお別れ言いに来たのね。この町を出て行くんでしょ。大丈夫よ、パパに頼めば引っ越し先の物件もご家族の仕事先も良いようにしてもらえるから。」
「えっ?!」
一気にまくし立てる少女。私はオロオロと戸惑うばかりだった。
「パパ、そう言うことだからこの娘の力になって上げて。彼女、私のお友達なの。」
笑いながらそう言う彼女に、大泉先生は予想もしない行動を取った。


「この・・・大馬鹿者がぁ!!」
パアン!!
腕を振り上げ、自分の娘の頬をを思いきり叩いた。
「きゃあっ!」
その場に尻餅をつく少女。私はあまりのことに声も出ず成り行きを見守っていた。


「パ、パパ?!な、なにするのよ?!」
初めて父親に殴られたかもしれない彼女は、信じられないといった表情をしている。
「お前は・・・お前はなんと言うことをしてくれたのだ・・・この親不孝者めが!」
「パパ?!」
「私の恩師であらせられる赤木教授のお孫さんを・・・ネルフの赤木博士の妹さんでもある娘さんを辱めるとは・・・私は亡くなった教授に会わせる顔がないわ!」
そう怒鳴りつけると先生は私の方を向いた。
そして・・・
「パパっ!!」
「そ、そんな!止めてください!」
いきなり私に向かって深々と土下座をしてきた。
「娘が本当に申し訳ないことをしてしまった。全て私の責任です。どうか、どうかお許しください。」
「パパ!なんで?!なんでそんなことするのよ?!」
少女はもう半狂乱になっている。


「こんな事で許されるとは思っておりません。いっそのこと今の職を辞職してお詫びを・・・」
「パパぁ!!!」
「だ、駄目です。そんな事しないでください。お願いですから顔を上げてください。」
私の方も慌ててしまっている。よく知らないけど、この人は日本にとってとても重要な立場にいる人だって聞いたことがある。私のためにそんな・・・


「もう良いです。良いですからお願いです。私なんかのためにそんな事しないでください。」
先生の前に跪き、必死にお願いするとやっと先生は立ち上がってくれた。


「本当に申し訳ない。・・・娘にもきつく言っておきます。二度とお嬢さんには手を出させません。」
そう言いながらもう一度深々と頭を下げた。
返って私の方が恐縮してしまって、慌てて私も頭を下げた。




「外で待っておれ!この馬鹿娘が!」
「パパぁ・・・」
先生は少女を部屋から追い出すと、優しげな顔で私を見た。
「本当に申し訳ない。」
「いえ、もう良いですから。お願いです、謝らないでください。それに、それにあの娘のこと、嫌いにならないであげてください・・・」
父親に嫌われるのはとても悲しいことなのだから・・・
「優しいお嬢さんだ。」
そう言うと先生は私の頭をなでた。
違う・・・私は優しくなんて無い。ただ、嫌われる辛さを知ってるから・・・“父さん”に捨てられる辛さを・・・


お見舞い金を出すという先生を何とか止まらせて、私は部屋を出ようとした。
「済まなかったね。お姉さんの方にもお詫びを・・・」
「お、お願いです。姉さんには言わないでください!心配かけたくないんです・・・」
駄目!姉さんに知られたくない。私は必死に懇願した。
「そうかね・・・わかった。誰にも言わないよ。」
「お願いします・・・」
私が頭を下げると、先生は真剣な顔つきになってこう言った。
「お姉さんを大切にしてくれたまえ。君のお姉さんはとても勇気のあるすばらしい人なんだよ。」
「は、はい・・・」
どういう事なんだろう・・・





「終わったかい?」
「う、うん・・・」
部屋を出るとカヲル君とトウジが待っていた。
「もう大丈夫だよ。もう何も気にすることはない。もう一人の先輩の方もね。」
「らしいのぉ。なんやよおわからんが・・・」
二人とものんびりコーヒーをすすりながら言った。


「あ、あの、カヲル君・・・」
「ん?なんだい。」
「此処に呼ばれたのって・・・もしかしてカヲル君が?」
「さあ?」
綺麗な笑顔で笑ってごまかされてしまった。
でも、たぶんこれはカヲル君が何か手を回してくれたんだと思う。
でなければ、こんな私なんかに大物政治家の先生が会おうなんてするわけないもの。


がちゃ・・・
その時、扉が開き打ちひしがれた表情の少女が出てきた。
「あ・・・」
彼女はジロッと私を見た。
「・・・汚いわよ赤木さん・・・パパに言うなんて・・・」
「わ、私・・・」
私が何か言う前に、カヲル君が庇うように私の前に進み出た。
「汚いのは君じゃないのかい?」
「カ、カヲル様?!だ、だって、この女は・・・この女はカヲル様に相応しくありません!この女の事、カヲル様は知らないんです!」
私の顔から血の気が退いた。言われる。全部言われてしまう。もう、ダメ・・・


「知ってるさ。そして君のやったことも全てね。」
カヲル君の言葉に今度は、少女の顔から血の気が退いた。
「あ、ああ・・・」
「君のやったことは好意に値しないね。嫌いってことさ。」
「カヲル様!」
カヲル君は冷たい目で彼女を見つめた。
「自分の欲望のために人を陥れる。それも他人を使って・・・ボクの一番嫌いなタイプだよ。」
「カヲル様・・・それは・・・それは・・・」
「二度と僕の前に現れないでもらいたいね。」
「カヲル様ぁ・・・うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
彼女は力なくその場に泣き崩れた。
「ああ、君の部屋に泥棒が入っているかもしれないけど、君のお父上は別に気にしないと思うよ。何がなくなっているかは君も見当がつくだろう。」
カヲル君はそう言うと私達を連れて部屋を出た。
振返る私の目に映った彼女はとても小さく見えた・・・





「終わったのう・・・」
トウジが伸びをしながら呟く。
「あ、あの・・・二人とも・・・ありがとう。」
「いや、大した事してないさ。」
「そや。結局、ワシなんかなんも役に立っとらんかったしのう。」
照れくさそうにトウジが言った。
「そんなこと、そんなこと無い!鈴原君は私のこと守ろうとしてくれた。酷い目に会うかもしれなかったのに・・・」
「そうさ。鈴原君、君は誇れることをしたんだ。尊敬するってことさ。」
私とカヲル君にそう言われると、トウジは照れたように頭を掻きながら空を見上げた。


「カヲル君・・・」
「なんだい?」
私は言葉に詰まった。でも・・・
「全部・・・知ってたの?」
私が何をされていたのか・・・私がどんなに汚いのか・・・
「赤木はん・・・」
トウジが心配そうな目で私を見つめる。
「いや・・・君が虐待されているって言うことも後で知ったんだ。すまないね、助けてあげられなくて・・・鈴原君がいなかったらどうなっていたことか。」
「ワシも大した事しとらんよ。」
二人してお互いを誉めあっている。その顔は照れくさそうだった。
そんな人とも、私にはとても素敵に見えた。


「私、助けてもらったのに・・・何もお礼も出来ない・・・」
何かしてあげたい・・・
でも、私には何もない・・・助けてもらうばかり・・・
やっぱり私は人に迷惑をかけるしかできないのかな・・・


「別に良いよ。」
「そや、何かしてもらいたくてやったことやあらへん。」
「でも・・・」
私がスカートの裾を握りしめ俯いていると、カヲル君がふっと笑った。


「なら、一つだけお願い聞いてもらえるかな。」





来るときに乗った車に送ってもらい、私達は学校に戻った。
そしてカヲル君の先導で校舎に入る。
着いたのは・・・音楽室?


「あ、あの・・・カヲル君?」
「一曲、弾いてもらえるかい?」
カヲル君はピアノの前に立つと、静かに言った。
「おお、赤木はんのピアノかぁ。そりゃええのぉ。」
トウジも嬉しそうに手近の椅子へ、背もたれを前にまたがるように座った。


「そんなので・・・良いの?」
「ユイさんのピアノは音楽の極みさ。そう思わないかい?鈴原君。」
「そや、金払ってもいいくらいや。」
二人とも期待した目で私を見つめる。


「ありがとう・・・」


私はピアノの前に座ると静かに弾き始めた。
観客はたった二人。
でも、素敵な二人のために心を込めて・・・



[2240] Re[3]:闇と罪と本の旅人 第2部 35
Name: ふぁいず
Date: 2004/06/05 00:38
中書き

虐め編、終了です
ちょっと強引に終わらせてしまった気もしますが・・・

ゲストの悪ガキ3人組を演じてくださった皆さん、お疲れ様でした~
A子「ちょっと、4話も出演したのに結局名前無し?!」
B太郎「ああっ、名前がA・B・Cになってるぞ!」
C男「市役所の例文に出てくる名前だってもっとマシだよ~酷すぎる~」
気にしない~お疲れ~また端役があったら呼ぶね~
A・B・C「二度と出るか、こんな作品~!!」

次回から新展開です



[2240] ここまでの人物紹介
Name: ふぁいず
Date: 2004/06/11 21:44
●赤木ユイ
逆行碇シンジ。
ただし、リリスの力により身体も心も完全に女性化している。

・特徴
腰まである黒髪ストレート
なにげに巨乳

・性格
サードインパクトを体験し、その全てが自分のせいと思いこんでいるスーパー内罰ちゃん。
無抵抗で受け身な性格。
さらにシンジ(男)であったことの意識が残っているため、男に対する警戒心が薄い。
そのため簡単に騙される。
シンジの時と違い、人に好かれようと意識しない。(あきらめている)
結果、自然に振る舞うため人が集まってくるのは皮肉かもしれない。
本人は気がついていないが、かなりのM体質であり虐められて感じてしまう。
贖罪を望み汚されることを求めるが、いざその状況になると怯え泣きわめく。
壊れたいと思っているが、・・・今の状況はすでに・・・
おもらしっ娘(笑)
ゲンドウのことを可愛いと称するが、さすが碇家の血を引く女と言うことか?

・その他
妹にしたい、お嫁さんにしたい人気№1で、一中アイドル御三家の一人。(本人自覚無し)
さらに病弱+美少女というキーワードで一部の男子、女子を萌えまくらせている。
一般人だが、リツコとシンジの着替えなどよく持ってくるためネルフの通常パスを持っている。
ネルフではマスコット扱い。隠れファンクラブ有り。


運動能力:人並み以下、体力全くなし、泳げない、病弱で良く倒れる
学力:全科目常時学年トップ10範囲内
得意科目:音楽全般(学校行事でピアノ演奏任されるほど)、家庭科
趣味:料理
将来の夢:特にありません・・・
友人:洞木ヒカリ、惣流アスカ・ラングレー、綾波レイ

●碇シンジ
逆行先の世界のシンジ。

・性格
原作準拠。ただし、ユイという何でもさせてくれる女性が現れたため本性が少しずつ出てきている。
捨てられることを恐れ、人に好かれたいと思っている。(努力はしていない)
根暗なむっつりスケベ。ただし、Hの知識はすべて(ベッドの下に秘蔵の)雑誌とビデオのまねごと。

抵抗も拒絶もしないユイの身体をもてあそぶが、怒られたり泣かれたりすると途端にオロオロするダメダメ君。
だが、カヲルに対するユイの態度に嫉妬し無理矢理処女を奪う。それ以来、ユイをオモチャのように扱ってきた。

現在、失踪中・・・

運動能力:人並み、ただし格闘系はネルフの訓練により同年代よりは強い
学力:中の下・・・転校前はそこそこできたが、最近は思春期特有?の別のこと!に頭がいっぱいで、ユイに勉強を教えてもらってギリギリの状態
得意科目:音楽(チェロ限定、歌唱力は無し)
趣味:音楽鑑賞・・・と、宝物グッズ?の収集
将来の夢:音楽関係に進みたいです・・・
友人:赤木ユイ?

●リリス
覚醒した綾波レイ・・・ではなく、綾波レイがリリスの仮の姿。
無限にある世界の本を管理している。
休暇ついでに気まぐれで一冊の本に登場人物「綾波レイ」として物語に参加。碇シンジ(後のユイ)と知り合う。
その本がサードインパクトでバッドエンドとなり、リリスに戻った。
ユイ(元・碇シンジ)にかなり思い入れがあり、彼女の幸せを願っている。

本来の姿形・性格は違うが、現在は“綾波レイ”だった時のままでいる。
現在は多忙で、ユイの世界になかなか干渉できないでいる。

イブという妹がいる(おでこちゃん・登場予定無し)

●惣流アスカ・ラングレー

・性格
原作よりは優しい
その明るく頼りになる性格で、一中のアイドル御三家の一人になっている。通称(姉御)
ユイにセクハラするのが何よりも楽しみ。事あるごとにユイを触りまくる。
その行動は、まさにエロ親父?!

自他共に認めるネルフのエースパイロット。
運動能力:抜群
学力:大学レベル  アタシは天才なのよ~、でも漢字が苦手・・・
将来の夢:ユイをお嫁さんにげっとだぜ!(なんですかそれぇ~by.ユイ)
友人:赤木ユイ、綾波レイ、洞木ヒカリ

●綾波レイ

・性格
原作準拠
ただし、アスカが来日してからは親友付き合いをしており、女の子らしい感性がでてきている。
変なところまで似てきているが・・・
意外とお茶目で空想家。

見た目はクールビューティーで、一中アイドル御三家の一人。
週に数回はアスカの家に泊まりに来ており、実質上同居状態。

たまにリリスに身体を乗っ取られ、記憶のない時間が発生するがあまり気にしていない。
「寝てたのかしら・・・」オイオイ・・・

運動能力:普通、水泳は得意
学力:上の上
将来の夢:ユイさんにご飯作ってもらう生活。ぽっ・・・(なんか間違ってるぅ・・・by.ユイ)
友人:惣流アスカ・ラングレー、赤木ユイ、洞木ヒカリ

●洞木ヒカリ
学級委員長、通称、2-Aのお母さん・新幹線姉妹

・性格
原作準拠
責任感が強く、特にユイの面倒見が良い。(病弱で、危なっかしくて、儚げで・・・ほっとけないのよ!)

休日はアスカと遊び歩いているらしい。
トウジのことが好きだがユイ殴打事件以来、離れ気味

友人:赤木ユイ、惣流アスカ・ラングレー、綾波レイ

●山岸マユミ
18話、31話に出演
人呼んで「さすらいのお姉様」「メガネの美少女キラー」等等・・・
全国に“妹”がいる(笑)
可愛い女の子が好き。男は嫌い!
普段はオドオドした女の子を演じている(男避け)が、その手にかかればその気が無い娘でもあっという間に落としてしまう。
そのヒット率は100%!!
ユイもたった一週間でマユミに甘えてしまうほど虜にされてしまった。
※マユミが引っ越して数日、ユイは毎晩「お姉様・・・」を思い出し枕を濡らしていたとかいないとか。
同様の被害者?は全国に複数いるらしい。



[2240] Re:闇と罪と本の旅人 第2部 36
Name: ふぁいず
Date: 2004/06/10 21:15
第36話

私の体は私を贖罪へと導く
それは不幸?それとも望み通り?



[2240] Re[2]:闇と罪と本の旅人 第2部 36
Name: ふぁいず
Date: 2004/06/19 00:09
あれから二日。
何事もなく日常が過ぎていった。
あの少女はあれ以来姿を見せず、先輩も二三度見かけたけど、私と目を会わそうとしない。


久しぶりに怯えなくていい朝を私は迎えていた。




「おはようございます。」
「おはよ、ユイちゃん。」
学校に登校した私は、前の席の娘に挨拶しながら自分の机の上に鞄を置く。
その時、教室の前の入り口から誰かが早足で入ってきた。
何気なくそちらを見た私は息を飲む。
それは、あの一年生の子だった。


ずかずかと教室の中に入り、教壇の前で辺りを見回している。
「あいつ!」
先に教室に来ていたトウジが私の前に守るように立った。
でも、彼は私達の予想と全く違う行動を取った。


「あっ、いた!先輩♪」
そう言いながら駆け寄った先にいるのは・・・ケンスケ?
今まで入院していたらしくて、昨日からまた登校し始めていたみたい。
少年は嬉しそうにケンスケの前に立った。
「な、なんだよ・・・」
いぶかしげな顔のケンスケに少年は笑顔のままこう言い放った。


「先輩!昨日初めて見かけて・・・惚れました!俺と付き合ってください!」


ずざざっ!!!!!
教室全体が彼らを中心に引いた。それはもう盛大に・・・
「な・・・」
「先輩♪」
一瞬、惚けていたケンスケだったが、少年に詰め寄られると突然立ち上がった。
「か、勘弁してくれぇ~!!」
そう叫んで教室を飛び出ていく。
「あっ、先輩ぃ~!」
少年も慌てて後を追っていった。


残った私達クラスの人たちは呆然とそれを見送っていた・・・


『おお~、相田じゃねえかぁ~。今度は優しくするから付き合え~!!』
『だ、団長?!も、もう、いやだぁ~!』
『先輩~、愛してます~♪』
遠くでの太い声が聞こえ、ケンスケの悲鳴がまた響いた。
「な、なんなんや・・・」
トウジの呟きがクラスのみんなの心境を代弁していた。


これって・・・リリスの仕業?


次の日からケンスケはまた登校しなくなった。原因は・・・誰も教えてくれない。
知らないほうが良いみたい。





そしてまた、穏やかな日々が数日続いた。
ある日の昼休み、私はアスカ、綾波、洞木さんと屋上で食事をしながら談笑していた。


「もう訓練、試験、訓練で最近休みが少ないのよぉ~」
アスカが私のおかずをつまみ食いしながらぼやいている。
「ごめんね、アスカ。私の参号機が壊れてなければ少しは楽になってたかもしれないのに・・・」
「何言ってんのよ。ヒカリが危ない目に遭うのを見るのはもう懲り懲りよ。」
申し訳なさそうな洞木さんの肩を、アスカがばんばん叩きながら言った。
「でも・・・二人だと大変じゃ・・・」
「現状の戦力を如何に有効に使うか。葛城一尉しだいでどうにでもなるわ。」
私の不安を冷静に綾波がフォローする。
「でも、シンジ君がいれば・・・ご免なさい。」
私がシンジに捨てられなければ、シンジは出て行かなかったかもしれない。
私の行動がアスカ達を不利な方向に導いている。


「な~んでユイが謝るのよぉ~。」
「だって・・・」
「そ~やって、全部自分が背負い込んじゃうのはユイの悪い癖よ!」
アスカはそう言うと私の背後に回り、がばっと胸を掴んだ。
「や、やあっ!」
「ミサトみたいに胸で考えろとは言わないけど、もうちょっと前向きになりなさいよね。」
そう言いながらひょいっと私を自分の膝の上に座らせ、胸を揉みまくった。
「あっ、やっ、やあっ!ちょっ、ちょっと、あ、アスカ・さんん!」
「Oh~、相変わらずいい感触デスゥ~♪」
もう日常になってしまったアスカのセクハラは、洞木さんも苦笑するだけで止めてくれない。
「あっ、んっ、んっ、んんっ、だ、だめだってばぁっ。」
私が顔を真っ赤にして抗議すると、急にアスカは深刻な顔になった。


「良いじゃない・・・何時までこうしていられるかわからないんだから・・・」
「えっ・・・」
「ア、アスカ、どういう事?」
「・・・」
意味ありげな言葉に私と洞木さんが問いつめる。綾波は黙ったままだったけど。
「んっ?ああ、使徒はどんどん強くなっていくし、私は戦う仕事してるんだからね。何時死ぬかわからないのよ。」
「ア、アスカさん?!・・・んっ・・・」
「アスカ!縁起でもないこと言わないで!」
洞木さんが本気で怒っている。


でも、確か次の使徒って・・・
“前”は初号機の暴走でかろうじて勝てた・・・今回は・・・どうなるか・・・
まさか・・・アスカ知ってるの?知ってて・・・死ぬ覚悟なの・・・


「も~ヒカリったら心配しないで。心構えを言っただけよ。この無敵の天才美少女、アスカ様が負ける訳無いじゃない!ただ、楽しみたいことは今楽しんじゃおうってだけよ。」
「な、なら良いけど・・・」
軽い口調で洞木さんをなだめるアスカ。
でも、その場は重い雰囲気に包まれ、みんな黙りこくったままだった。


私はアスカの言葉の意味を考えようと・・・考えたいんだけど・・・
「ん・・・んん・・・あっ・・・」
話している間、ずっとアスカの指は私の胸を弄り続け、耳元で話すアスカの息がかかる度、背筋に電気が走った。
「ん・・・ん・・・は・・・あ・・・・」
アスカは上の空で何かを考えながら私の胸を弄り続け、洞木さんは俯いて私の状況に気づかない。
綾波は・・・ぼーとしてどこを見ているのやら・・・
話しかけられる雰囲気では無い中、私の身体は確実に高ぶっていった。
ブラの中で乳首が痛いほど尖って、アスカの指使いに合わせてこすれる。
熱い物がショーツの中に広がっていった。


「ふっ・・・はっ・・・あ・・・ああ・・・んんっ・・・」
高ぶる感覚を、曲げた人差し指の関節を噛みながら必死に抑える。
でも、それももう限界。私、私・・・もう・・・


「はっ・・・あっ・・・ん、ふっ・・・んんっ!だ、ダメッ!」
「んっ?ユイ、何か言った?」
アスカが気がついたように私に聞いてきた。と、同時にアスカの手が私の胸を揉み込んだ状態で止まった。乳首が指に押しつぶされる。
それがとどめになった。
「あっ、ああっんんんっ!!」
びくっと痙攣して体を硬直した後、脱力してアスカにもたれかかる。
あ、ああ・・・いっちゃった・・・こんなところで・・・


「えっ?!ええっ?!」
「あ、赤木さん?!」
「?赤木さん・・・?」
アスカ達が慌てて呼びかけるが、荒い息を吐くだけで返事も出来ない。
「あ、あわわっ!ご、ごめん、ユイィ~!ど、ど~しよヒカリィ、やっちゃったぁ~!」
「あ、赤木さん、大丈夫?ア、アスカ、やりすぎだってばっ!」
慌てふためくアスカと洞木さん。そして綾波は・・・
「赤木さん・・・お漏らし?」
私の座っているアスカの太ももに、スカートの下から流れ落ちていく一筋の水滴に首をかしげていた。





「ユ、ユイィ~ごめんってばぁ~・・・」
「知りません!」
何度も謝ってくるアスカに私はつれなく答える。
本当は恥ずかしくて顔も見れないんだけど・・・
授業が終わると私は逃げるように学校を後にした。
本当に恥ずかしすぎるよ・・・
思い出しても顔が真っ赤に火照ってきた。


私の身体、前にも増して敏感になってる。あんな事でいってしまうなんて・・・
いやらしい・・





「あ、今日は姉さん定時で帰れるって言ってたっけ・・・」
お夕飯、何か疲れがとれるようなものにしよう。
私は、足を商店街の方に向けた。


「よお、ユイちゃん。今日は鯖が安いよ~。」
「ユイちゃん。今日も可愛いねえ。おじさん、おまけしちゃうよ。」
「あら、ユイちゃん。今日は良いトマト入ったわよ。」
顔見知りのお店のおじさん、おばさんが声をかけてくる。
「う~ん・・・今日はね・・・」
何にしようかな・・・




「ととっ・・・買いすぎちゃったかな・・・」
食材の詰まった袋を下げて、私はよろけながら歩いていた。
その重さにまっすぐ歩けない。ほんと、私って体力無いな~
「近道しようかな・・・」
私は通りを外れて、路地裏に続く道に入っていった。
しばらく歩いていたその時、


「よお、お姫様。」
「えっ?!」
いきなり背後から声をかけられ、振り返ろうとした私の口に何かハンカチのような物が当てられる。
「む、むぅ?!」
どさっ
その途端めまいがして荷物を落としてしまう。
酸っぱい臭いが鼻を突き、私は意識を失った。





「ほらっ、お目覚めのお時間ですよっお姫様っ!」
ぺちぺち
誰かが私の頬を叩く。
「ん・・・」
うっすらと目を開ける。私を見下ろしている知らない顔が目に映った。


「おお、姫のお目覚めだ。」
「ば~か、いつまでやってんだよ。」
私の周りにも何人かの人影がいる。
ここ・・・どこ?この人達・・・だれ?


私は起きあがろうとして、手が動かない事に気がついた。
「えっ?!」
私の手は後ろ手に縛られていた。
「なっ、何っ?!なんなの?!」
一気にパニックになり必死にもがく。そんな私を少年達はへらへらした顔で見ていた。


「おいおい、じたばたすんなよ。逃げられやしないんだからさ。」
「だれっ、あなた達誰なんですか?!」
「あら~傷つくなぁ~。俺達のこと忘れちゃったわけぇ~?」
「そ~だよ。俺達と沢山楽しんだじゃないか。なあ、『お姫様』。」
その呼ばれ方に嫌な思い出が脳裏に浮かんだ。


『よおっ、お目覚めかい?お姫様。』


あれは・・・カラオケで眠らされて・・・気がついたらベッドで裸にされてて・・・
私は・・・沢山の男の人に・・・


「あ・・・ああ・・・」
身体がガタガタ震え出す。この人達は・・・この人達は・・・
「おっ、思い出したかい。」
「俺達さ、ユイちゃんの体が忘れられ無くってさ~。また来ちゃったよ。」
この人達はあの時の男の人達。


「いや・・・いやあっ!帰してっ。お願い!お家に帰らせて!」
「うっせえっ!ガタガタ騒ぐな!」
バシィッ!
頬を平手で叩かれた。
「ひいっ!」
私は涙を浮かべながら、恐怖に震えるだけだった。


「つれないこと言うなよぉ~、一緒に楽しんだ仲じゃないかよ。」
いやらしい目つきで一人が私の胸を揉みながら言った。
「いやぁ・・・」
「それによぉ、ユイちゃんこーゆーの嫌いじゃないんだろ。聞いたぜ、ほんとはすっごい淫乱だって。」
「えっ・・・」
誰がそんなこと・・・
「見られたり、体さすられるだけで感じるんだって?おまけにしゃぶるのも入れられるのも大好きなんだってな。」
「ち、違う・・・私・・・」
どうして?!誰が、誰がそんなこと?!


「誤魔化さなくても良いじゃん。あいつが言ってたんだよ。『自分がユイを女にしたんだ』ってな。」
「えっ・・・?」
それって・・・
私を女にした?


それって・・・


「シ、シンジ・君?」
「そ「おいっ、よけいなことべらべら喋るな!」」
彼が答えようとしたとき、他の少年がきつい口調で遮った。
シンジなの?!シンジがこの人達と一緒にいるの?


「わりい。じゃ、さっさと始めようぜ。」
「じゃあ、隊長呼ぶな。」
「おおっ。」
しばらくすると扉が開く音がして誰かが部屋に入ってきた。


「隊長、この娘ですよ。前に話したの。」
「おおっ、可愛いじゃねえか。」
「そーでしょ。あそこも抜群ですよ。」
「そりゃ、楽しみだ。」
その人は太った中年の男性だった。私をいやらしい目で全身をなで回すように見ていた。
その視線のおぞましさに、思わず震えが走る。


「な、なに・・・い、いや・・・」
「怯えることはないよ、お嬢ちゃん。おじさんが天国に連れてってやるからな。」
そう言うとその人は私にのしかかってきた。
「いやっ、いやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」





「おお~、やっぱり若い娘はいいな~。それに最近の14歳は発育も良い。もう大人の体だな。」
「うっ、うんっ、あ・・・・う・・・・」
私は中年の男性の膝の上に座らされて、後ろから胸を揉まれていた。
首筋を舌が舐め回している。
「あっ・・・はっ・・・ああっ・・・いやぁ・・・」
「制服を着せたままってのがまた良い。こりゃ人気のある一中の制服だろ。」
「そおっすよ、隊長。マニアが涎垂らしてほしがってるヤツですよ。」
下品な笑い声を上げる男達。
いやだ・・・こんなのヤダ・・・帰りたい・・・


「さて、下はどうかな。」
そう言うと男性は片手を私のスカートの中に伸ばしてきた。
「ひっ・・・・んんっ。」
「おおっ、ぐちょぐちょじゃねえか・・・お嬢ちゃん、嫌がってる割には濡れてるじゃねえか。ほんとは好き者だろ?あん?」
「ち、違っ・・・あうっ!」
否定しようとしてもそれに合わせて彼は私の秘部を擦る。私の身体は意志に関係なく熱く火照りだし、指の動きに合わせビクンビクンと痙攣を起こす。


「あいつ、だいぶこの娘を開発してたみたいですからね~。大概のプレイは可能みたいですよ。」
「ほお、そりゃ良い。存分に楽しませてもらおうか。」
そう言うと私の肩を押し、そのままベットへ俯せに倒された。手が使えない私は、顔がベットに押しつけられる。
スカートをめくられ、ショーツを降ろされた。
お尻を油っぽい手がなで回し、あそこの中に指が入ってくる。
「んんっ、んっ、んっ、ひんっ!」
「へへっ、準備はもう良いみたいだな。じゃっ入れるぞ。」
そう言うと、ベルトを外す音が聞こえ私のあそこに固い物が押しつけられた。
「そりゃっ!」
「うああっ!」
熱く固い物が私を貫いた。そして激しく腰を打ち付けられる。
「あっあっあっああっ、ひっ、いっ、うっ、ああっ、やっ、は、激し、すぎるっ、や、やあっ、壊れちゃうっ!」
私の悲鳴に、彼は嬉しそうにさらに激しく腰を打ち付ける。
「おおっ、おおっ、こ、こりゃ良い!良いぞ、こりゃ!」
「ひ、ひいっ、あっ、がっ、ああっ、うあっ、ひっ、ひっ、ひあっ、ああっ!」
さらに手を前に伸ばして、私の胸を制服の上から強く揉みしだいた。
痛みと快感に、私は我を忘れて叫ぶように喘ぐだけだった。
「ひっ、うっ、うあっ、ああっ、痛っ、やっ、やあっ、だめっ、だめえっ!壊れる!壊れるうっ!ああっ!」
舌を突き出し、涙と涎を垂れ流しながら私は絶叫していた。
さらにお尻の穴にも指を入れられる。
「ひああっ!!」
「おおっ、締まるっ!い、いくぞっ!おおうっ!!」
私の中で熱い爆発が起き、私の頭の中は真っ白な閃光に染まった。


ゴポッ


男性の物が引き抜かれると、私の股間から鈍い音が響き熱い物が吹き出していた。
「ほらっ、綺麗にするんだ。」
彼は自分の物を私の口に押しつけた。私は、朦朧としながらそれをしゃぶる。
私が舌を這わせると、またそれは硬さを取り戻してきた。


「ほお、しゃぶり方も旨いじゃねえか。良し、第二ラウンドだ。」
そう言うと、今度はそれを私のお尻に押しつける。
「あ、がっ!!」
激痛とともにお尻の穴に入れられ、声にならない悲鳴を上げた。
「おおっ、締まるぞ!」
彼は嬉しそうに言うと、また激しく腰を動かし始めた。
「いやぁ!!痛いっ、痛いぃ!!助けて!姉さん!お姉ちゃ~ん!!助けてぇ!!!うああああ!!!」
それからの記憶はほとんど無い。
ただ覚えているのは、痛みと快感に私が絶叫しながら悶え狂っていたことだけ・・・




男が私から離れ、私は捨てられるようにベットの上に崩れ落ちた。
お尻と秘部からは熱い物がしたたり落ちている。


「おい、後はお前等好きにしていいぞ。」
男の声に少年達が歓喜の声を上げて私に群がる。


私はまだ帰してもらえないらしい・・・




姉さん・・・


ごめんね・・・ご飯、作れなくなっちゃった・・・



[2240] Re[3]:闇と罪と本の旅人 第2部 36
Name: ふぁいず
Date: 2004/06/19 00:13
中書き

また現れた謎の集団・・・て、読んでる人にはバレバレでしょうけど。

今までにない大ピンチな状況にユイはどうなってしまうのか?

以下次号・・・

6/19改正 Vol.2



[2240] Re:闇と罪と本の旅人 第2部 37
Name: ふぁいず
Date: 2004/06/19 00:16
第37話

激しく陵辱され汚されていく私
望み通りなのに・・・心の中で悲鳴が聞こえる・・・



[2240] Re[2]:闇と罪と本の旅人 第2部 37
Name: ふぁいず
Date: 2004/06/19 00:22
あれから一体何時間経ったんだろう・・・
「あっ、はっ、ひっ、ひっ、ひっ!」
四つん這いにされ、後ろから激しく突かれる。


「うほー!気持ちい~。」
制服をたくし上げられ、少年が私の胸で自分の物を挟んでしごいている。
「うおっ!」
少年が呻くと、制服と私の顔に熱い物が降りかかった。


「うあぁぁぁぁぁ!」
あぐらをかいた少年の上に抱き合うように座り挿入される。そして背後から別の少年が抱きつき、お尻の方に入れられた。
そのまま、子宮を下から突き上げられるように彼らの腰が動き出し、私は喘ぎ狂った。




「は・・・あ・・・あ・・・う・・・ん・・・」
一人の少年が立ったまま私の腰を掴んで腰を振っている。私は逆さまにぶら下げられたようにしてか細い声を出していた。
体が動かない・・・
何も考えられない・・・


「なんか反応無くなってきたな。」
「何時間やってると思ってだよ。もうすぐ朝だぜ。」
「そんなにやったか?夢中でやってたからわかんねえよ。」
「この娘、なんどやっても飽きねえしな。」
ひと休みしている少年達が煙草を吸いながら話していた。
「でもよ、なんかこの娘おかしくねえか?」
「何がだよ?」
「あんだけやって、全然緩くなんねえんだぞ。普通ならガバカバになっちまうだろ。」
「それに、“あいつ”が結構やってたはずなのに、全然黒ずんでないしな。」
「別にいいんじゃねえの?めっけもんだって事だろ。長く楽しめるじゃん。」
「ん?ず~と此処に置いとく気か?」
「そ~だな、帰すのもったいないよな。」


私、帰れないの・・・


「なら此処に置いときゃいいさ。セカンドインパクト以降、年間の失踪者、行方不明者数知ってるか?女の子が消えるなんざしょっちゅうさ。一週間もすれば噂もされなくなる。俺ももっと楽しみたいしな。」
中年の男がビールを飲みながら話に加わった。
「あいつも馬鹿だよなあ。こんな上玉自分から捨てて。自分みたいなウジウジしたヤツが他の女に好かれるとでも思ってたのかね?本当のこと知った時のあの顔、今でも笑えるぜ。」




「うおっ!」
私を犯していた少年が呻いて腰を押しつける。
私の中で熱い物がはじけた。
「う・・・あ・・・ああ・・・」


もう・・・どうでも良い・・・
何度出されたんだろ・・・今度こそ妊娠しちゃうかな・・・


それに・・・私、帰らせてもらえないみたい・・・
きっと、壊れるまで此処にいさせられるんだ・・・
良かったじゃない。望み通りになったんだから・・・


でも・・・
でも・・・




姉さんに・・・みんなにもう会えないんだ・・・




姉さん・・・
本当の姉妹になりたかったな・・・


ごめんね・・・心配してるかな・・・


でも、私が幸せになるなんて結局許される訳無かったんだ・・・
だから・・・これが私には相応しい・・・































やだ・・・
やだよぉ・・・


姉さん・・・お姉ちゃん・・・
会いたいよぉ・・・・


ベッドの上に投げ出されて放置されている私の目から涙が一筋流れた。





「う・・・」
私の上から少年が離れていく。
いつの間にか気を失っていたらしい・・・
指一本動かせない・・・
制服は染みだらけになって乾いたところがバリバリになっている。
髪も顔も身体も、汚れていない所なんて無かった・・・


「さて、俺ももう一回やらせてもらうか。」
中年の男がそう言いながら立ち上がった次の瞬間、部屋のドアが音を立てて吹き飛んだ。


「な、なんだ?!」
「ネルフだ!全員手を挙げて投降しろ!抵抗すれば射殺する!」
数人の男達が部屋になだれ込んできた。
先頭で指揮していたのは・・・加持さん・・・?





「ユイちゃん?!なんてこった・・・」
ベッドに横たわる私を見て、加持さんが唖然とした声で言った。
他のネルフの人たちも怒ったように少年達を殴りつけている。


助かったの?
でも・・・姉さんに知られちゃう・・・
私が汚れきってるって・・・嫌われる、もう妹って言ってもらえなくなっちゃう・・・


「な、なんでだ?!なんで此処が!?」
床に押さえつけられてた中年の男が喚くように言った。
「タレコミがあったんだよ。」
そう言うと加持さんは扉の方に目をやった。
そこにいたのは色黒の少年とやせ気味の少年。


「畜生!ムサシ、ケイタ!裏切ったな!」
「当たり前だ!これ以上、こんな犯罪者集団の中にいられるか!」
「そうだよ!それにユイちゃんをまた襲うなんて!酷すぎるよ!」
ムサシ君とケイタ君?
「てめえら・・・こんなことしてどうなるか解ってるんだろうな・・・」
低い声で呻く中年男。次の瞬間、加持さんがその男の腹を蹴り上げた。
「うげぇ!!」
「どうなるか?他人より自分の心配でもするんだな。連れて行け!それと全員、此処でのことは口外するなよ!」
加持さんが指示すると、男達は手錠をつけられて部屋から連れ出されていった。
ムサシ君達も一緒に出て行く。部屋に残ったのは私と加持さんだけ。


「すまんユイちゃん・・・もっと早く助けられたら・・・すぐ、りっちゃん呼ぶからな。」
そう言う加持さんに、私はかすかに首を横に振った。
「呼ば・・・ないで・・・見られ・・たく・ない・・・姉・さん・・・に・・・知られ・たく・・ない・・・」
かすれた声で辛うじてそこまで言うと、私は意識を失った・・・





「あ・・・」
目を覚ますと、目に映ったのは薄汚れた白い天井。
知らない天井だ・・・


「よお、目が覚めたかい?」
ベッド脇に座っていた加持さんが話しかけてきた。
「此処・・・は?」
「俺の知り合いの病院さ。非合法なこともするが腕は良い医者がいるんだ。」
「病院?」
「何も心配しなくていいよ。見てもらったけど外傷はないし、病気の感染や妊娠の心配もない。ちゃんと綺麗にしてくれてあるよ。」
「・・・」
「おっと、なんでこんな病院と知り合いだなんてのは内緒だぜ。」
おどけたように加持さんが言った。でも、私の反応がないと頭を掻きながらスマン、と謝る。


「ユイちゃんの服も、もうすぐクリーニングの最速便で帰ってくる。そうしたらネルフの病院に移ろう。」
そんなのに頼んだら、布地が傷んじゃうな・・・私はそんな馬鹿なことを考えていた。


「でも・・・本当に良いのかい?りっちゃんに・・・」
「いや!お願い言わないで!絶対にいや!」
「ユ、ユイちゃん?!」
「いやっ!いやぁっ!!お願い!お願いですから言わないでぇ!!」
「お、おい、ユイちゃん、落ち着くんだ。」
私の取り乱しように慌てた加持さんが、立ち上がって私の肩を掴んだ。でも、私は叫び続ける。
「お願いです!お願いですから!言わないで!言わないでください!!」
「解った。解ったから・・・」
もう私には加持さんの声も聞こえていなかった。
「言わないで!お願いです!何でもしますから!何でも言うこと聞きますから!」
「ユイちゃん。とにかく落ち着こう。なっ。」


知られたくない、知られたくない、知られたくない、知られたくない!
私は思わぬ行動に出ていた。
「お、おい、ユイちゃん?!」
私の手は加持さんのズボンに伸びると、自分でも驚くくらい手早くベルトを外した。
そして、ズボンと下着を降ろすと、加持さんの物にむしゃぶりついた。
「うおっ?!ユ、ユイちゃん、な、何を?!」
驚いて硬直していた加持さんが声を上げる。
「お願いです・・・何でもしますから・・・私を好きにしていいですから・・・」
加持さんが私を引き離そうとするが、私は加持さんの腰にしがみつくようにしてしゃぶり続けた。
「う・・・うっうっ・・・止めるんだユイちゃん・・・」
呻く加持さんの物が私の口の中で固く大きくなっていく。
大きい・・・顎が・・・痛い・・・
でも、加持さんにお願い聞いてもらわないと・・・


「ウッ・・・だ、ダメだ、ユイちゃん、こ、こんな事しちゃ・・・」
加持さんは必死に耐えるように震えていたが、突然私を突き放し強い力で押し倒した。


「く、くそっ!ス、スマン、ユイちゃん!」
そう言うと病院服のズボンを下着ごと脱がし、私の足を割った。
そしてそのまま腰を突き入れる。


「うああっ!!!」
今まで経験したものより一回りは太いものが私の中に無理やり入ってきて、私は圧迫感に息が出来ず目を見開きながら口をパクパクさせるだけ。
「くうっ・・・締まる・・・スマン、ユイちゃん、すぐ終わるから・・・」
加持さんはそう言うと激しく腰を動かし始めた。
「あっ、かっ、はっ、あっ、ああっ!痛いっ!、あうっ!ひっ、ひいっ!お、大きいっ、さ、裂けちゃうっ!い、いやぁっ!裂けちゃうぅっ!!」
一突きされるごとに息が無理やり吐き出される。
「かっ、はっ、はっ、ひっ、はっ、ひっ、あっ、うっ、ひいっ!」
視界が暗く狭くなり、頭の中で火花が絶えず散っていく。
痛みはいつの間にか消え、凄まじい快感に私は我を忘れて喘ぎ続けていた。


「い、いくぞっ!」
加持さんは最後に強く一突きし、子宮を叩き付ける衝撃に私は絶頂を迎える。
「ひあっ、ああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
次の瞬間、加持さんは自分の物を引き抜き、私のお腹の上に熱い物を吐き出した。
私は何度も押し寄せる余韻に痙攣しながら、お腹のそれを指ですくい口に含んだ・・・




「すまん・・・ユイちゃん・・・」
加持さんが謝りながらティッシュで私のお腹を拭いていた。
「お願いです・・・言わないで・・・姉さんに・・・言わないで・・・」
私は譫言のように呟き続ける。
「解ったから・・・言わないから・・・約束する!・・・言える訳無いよ・・・」




後始末を終え、私の服も元に戻した加持さんはベッドの縁に腰掛けて頭を抱えていた。
「畜生・・・俺の息子は猿以下かよ・・・まったく理性も何もありゃしない・・・こんな事りっちゃん知られたら殺されちまうよ・・・いや、それどころか改造確実かも・・・」




ぶつぶつ言ってる加持さんの横で、私は動かない身体を横たわらせていた。
でも、頭は急速に冷めていく・・・


私・・・今何したの・・・
姉さんに知られたくない・・・だからって・・・
加持さんに黙っていてもらいたいから・・・
だから・・・
私、自分の身体で・・・


私・・・口止め料を自分の身体で払ったんだ・・・
これって売春じゃない・・・


私・・・そこまで落ちたんだ・・・


ふふ・・・




「ふふ・・・あは・・・あははは・・・」
「お、おいっ、ユイちゃん?!」
突然笑い出した私を加持さんが驚いた目で見た。
「あは、あははははははは・・・・あははははははははは・・・・」
「ユイちゃん?!ユイちゃん!頼む、しっかりしてくれ!・・・クソッ!」
加持さんは枕元のボタンを押し、直ぐにお医者さんが駆けつけてきた。
私は何かの注射を打たれ、眠りに落ちていった・・・


『沢山贖罪が出来たじゃない・・・これで姉さんと本当の姉妹になれる日が少し近づいたわね』










「あ・・・」
目が覚めると、また白い天井・・・でも、前見た物より綺麗で高級感があった。
「ユイちゃん、大丈夫か?俺が解るか?」
「加持・さん・・・?」
私が名前を言うと、加持さんはホッとしたように胸をなで下ろした。
「良かったよ・・・突然、ユイちゃんがおかしくなっちまって・・・無理もないけど・・・」
「ここは・・・?」
「ネルフの病院だよ。ユイちゃんが寝ている間に移したんだ。」
「そうですか・・・」
「ユイちゃん・・・ごめんな。俺に出来ることがあったら何でもするから許してくれ・・・」
「いいんです・・・私は・・・」
なんだっけ・・・
上手く物が考えられない・・・
薬のせいか、頭がぼぅっとしている。


その時、病室の扉が勢いよく開いた。
「ユイ!」
「姉さん・・・?」
走ってきたのだろう。髪を乱れさせて息も荒い姉さんが私に駆け寄ってきた。
寝ていないのか、目の下にクマができている。
「ユイ!大丈夫だった?良かった・・・本当に良かった・・・」
私を抱きしめ、涙声になっている。
「ご免なさい・・・」
「良いの・・・ユイが戻ってきてくれて・・・大丈夫?何もされなかった?」
そう聞かれ、私はビクンッと身体を固まらせた。
「何もなかった・・・何もなかったよ・・・」
「ユイ?」
「何もないの・・・何もないから・・・」
お願い、信じて・・・知られたくない・・・嫌わないで・・・


「ユイ・・・まさか・・・」
「りっちゃん!」
何か言おうとした姉さんを、加持さんが呼び止めた。
「何もなかったんだ。解るよな・・・」
「・・・そう・・・解ったわ、ユイ。無事で良かった。それだけで良いの・・・」
そう言うと姉さんは私をまた抱きしめた。


ああ・・・良かった・・・信じてくれたんだ・・・
姉さんに嫌われないで済んだ・・・


私は姉さんのぬくもりに包まれて、ウトウトし始める。
「ふふ・・・ユイを怖い目に遭わせた連中・・・地獄すら生ぬるいわね・・・」
「り、りっちゃん・・・」
私が眠りに落ちる直前、表情は見えないけど頭の上で姉さんの呟きが聞こえた。
加持さんが何故か酷く怯えた声を出していた・・・





2日ほど学校を休み、私に日常が戻った。
学校では、私がまた体調を崩して休んでいたことになっていて、クラスのみんなは私が学校に来たのを素直に喜んでくれた。
アスカ、綾波、そしてカヲル君は、何か起きたのを知っているのか、私を一人では帰らせようとしなくなった。


そして、数日後・・・
食事の後かたづけをしていた時、つけていたテレビがあるニュースを流していた。


『次のニュースです。戦略自衛隊で犯罪行為が発覚し、大量の処分者が発生しました。政府発表によると予算の横流しから各種不正行為、その他の様々な犯罪行為があったということです。また、身寄りのない少年少女を集め、国際法で禁止されている少年部隊を作っていたという情報もあり、問題はさらに拡大する模様です。この件に関して、大泉議員が怒りのコメントを出しています・・・』


この時は、私には関係のない別の世界の話・・・そう思って聞き流していた。
でも、2日後にこの事件は私にも大きく関わってくることになる。




その日私は姉さんの着替えを持って、マヤさんと話をしながらネルフの通路を歩いていた。
「今日から姉さん、また徹夜なんですね。」
「そうなの。先輩、忙しくて・・・体壊さないか心配なのよ。」
「そうですよね・・・無理しないでほしいんですけど。」
「ユイちゃんはどうするの?寂しくない?」
「あ、今日はアスカさんのお家に泊まることになってます。」
「そう、良いわね~。私も学生時代お友達のお家に何度か泊まったことあるけど、お喋りとか夢中になっちゃって徹夜になっちゃったことあるわ。女の子同士のお泊りって楽しいのよね~。」
「くすっ、そうですね。」


実はあの日以来、まだ一人で寝ることができない・・・
病院から帰ったその日の夜、私は布団に入ってすぐ、言いしれぬ恐怖に飛び起き、姉さんの部屋に泣きながら駆け込んでいた。
昨日も、私は姉さんのベッドで手を握ってもらって寝ていた。
今日のことも、多分姉さんがアスカに頼んでくれたのかもしれない。
でなければ、今夜は私一人で震えながら眠れないで過ごしていたはずだから・・・




その時、前から誰かがミサトさんと数人の黒服の人たちに連れられ歩いてくるのが見えた。


「え・・・」
それは、三重の手錠をかけられた学生服を着た男の子・・・私のよく知っている・・・


「シンジ・君・・・?」



[2240] Re[3]:闇と罪と本の旅人 第2部 37
Name: ふぁいず
Date: 2004/06/19 00:28
中書き

う~ん、加持さんはシティーハンターかルパンⅢ世か?!
下半身に理性がないのでした~
(「もっ○り~」とか「不○子ちゃ~ん♪」とか・・・)

そして、ついに彼が帰ってきました
パワーアップ(ダウン?)・・・してるかもしれない彼にこうご期待???



[2240] Re:闇と罪と本の旅人 第2部 38
Name: ふぁいず
Date: 2004/06/25 22:26
第38話

シンジは“僕”だから唯一怖くない男の人だった
でも・・・今は一番怖い



[2240] Re[2]:闇と罪と本の旅人 第2部 38
Name: ふぁいず
Date: 2004/06/25 22:31
シンジ・・・
シンジ、帰ってきたんだ・・・


シンジを連れたミサトさん達は私の前を通り過ぎようとする。
「あ・・・」
私が思わずシンジに声をかけようとすると、ミサトさんは硬い表情のまま言った。
「ごめんねユイちゃん。今、仕事中だから。」
「行きましょユイちゃん。葛城さんのお仕事の邪魔しちゃダメよ。」
マヤさんも私の手を持って、早足で歩き出す。
私はマヤさんに手を引かれながら後ろを振り返った。


シンジは・・・一度も私と目を合わせようとしなかった・・・




「姉さん。」
「あら、ユイ。来てくれたの?いつも悪いわね。」
姉さんの執務室に入り、着替えを渡す。
姉さんはマヤさんと書類を見ながら打ち合わせを始めた。


「あ、あの・・・」
「ん?どうしたの?」
「さっき・・・シンジ君が・・・」
私がそこまで言うと、姉さんはしまったっと言う顔をして、マヤさんも顔をしかめた。
「すみません先輩。今日、彼が来ることは聞いてたんですけど、まさかぶつかるなんて・・・」
「いいのよ・・・そう、会っちゃったのね・・・」
「うん・・・シンジ君、帰ってきたんだ・・・」
私の言葉に姉さんは首を横に振った。
「いいえ、正確には連行されてきたのよ。」
「えっ?連行って・・・」
「彼の意志にかかわらず、強制的にネルフに連れ帰ったって事。」
言葉の意味はわかるけど・・・一体どこから・・・


「一般人であるユイに詳しくは言えないわ。シンジ君はね、今まである組織の中にいたの。そしてそこでネルフの機密も何も知ってることは全部話していたらしいわ。今、彼はスパイ容疑もかけられているの。」
「スパイって・・・そんな・・・」
シンジにそんな器用なこと出来る訳無いよ・・・たぶん聞かれたことそのまま話しちゃったんだ。
「まあ、スパイって言うのは言い過ぎだと思うけど、機密漏洩も立派な犯罪よ。しばらくは拘束されるでしょうね。」
「そう・・・なの。」


“僕”の時は『帰れっ!』て父さんに言われて追い出されたけど、シンジはもうそれどころじゃないんだ。
シンジは今どう思っているんだろ・・・
反省してる?
それとも・・・


会いたい・・・会って話をしなきゃ。
次の使徒を相手にするには、初号機は絶対に必要。
アスカ達を死なせないためには、シンジを乗せないと・・・
それに、私の贖罪にはやっぱりシンジが必要。シンジなら私を・・・


でも・・・
私はシンジに捨てられたんだ・・・
『ユイさんなんか要らない!』
今更、私の言葉なんかシンジが聞く訳・・・


「ユイ。」
私が考え込んでいると、姉さんが話しかけてきた。
「あ、な、なに?」
「もしかしてシンジ君と会おうなんて考えてない?」
「え・・・」
「悪いことは言わないわ。シンジ君と会うのは止めなさい。これは姉としての命令。いいわね。」
「・・・」
まるで私の考えを読んでいたかのような姉さんの言葉に、私は何も返せないでいた。





「こんにちは。」
にゃ~


その日の夕方、ケンちゃんを抱えてアスカの家へお邪魔した。
そこに待っていたのは・・・
「いらっしゃ~い♪」
「待ってたわ・・・」
くわぁ~
アスカとペンペンと・・・綾波まで。
何となく二人ともウキウキしているみたいな気がする。
なんだかやな予感がするんですけど。




私の作った夕飯を二人とも美味しそうに食べている。
「ご馳走様~♪あ~美味しかった~。」
「ご馳走様・・・そう・・・これが幸せってことなのね・・・」
「お粗末様でした。」
やっぱり料理を喜んで食べてもらえると嬉しいな。
私が洗い物をしていると、アスカと綾波が奥の部屋でなにかごそごそ始めていた。


「何してるの?」
片付けを終えて、手を拭きながら聞くと、二人は大きなスーツケースを引きずって部屋から出てくる。
「?・・・何?」
アスカはニコニコと笑っているし、綾波もなんだか落ち着かない。


「あのね~ユイ。リツコにね。色々写真見せてもらったのよ。」
「写真?」
「赤木さん・・・可愛かった・・・」
「え・・・?」
な、なんだかやな予感が当たりそうな気が~・・・


「だ~か~らぁ~♪あたし達も直に見たいなぁ~てっ♪」
そう言うと二人はスーツケースをがばっと開いた。
そこに入っていたのは・・・色とりどりの洋服の山・・・


「さあ~今日は徹夜よぉ~♪」
「頑張るの。」
「やっぱりぃ~~~~~~」




「まず最初はこれね。」
「可愛いの。」
「あうぅ・・・」
おなじみのフリフリのワンピースを着せられ・・・


「これなんかどうかな?」
「大人っぽいの。」
「せ、背中が丸見えだよぉ~」
真っ赤なドレスを着せられて・・・
ハイヒールまで履かされて、倒れそうになって綾波にしがみつくと、至福の表情をされてしまった。


「やっぱりこれは必須よね。」
「お約束なの。」
「な、なんで巫女さん?!」
部屋の中で竹箒まで持たされて・・・


「と、なれば、続いてはこれよね♪」
「和式の次は洋式なの。」
「よくわからないよ~・・・」
こんどはシスターの格好をさせられて・・・


「で、巫女さんが出れば、これも必然よね。」
「メガネも重要ポイントなの。」
「うう、日本にメイドさんなんているのかなあ~。」
『旦那様』って呼んでくれって言われて、言ってみれば、二人に押し倒されそうになるし・・・


「これって萌よね!」
「萌え萌えなの・・・」
「何、この耳飾り?」
ピンクのセーラー服を着せられ、耳にはアンテナみたいな飾りを・・・
えっ?「はわわ~」て、言ってくれって・・・どういう事?


他にも、レースクイーンとか、バニーさんとか、看護婦さんとか、チャイナとか色々着せられ・・・


「最後はやっぱりこれよね・・・って、レイ!抜けがけなしって言ったじゃない!」
「赤木さん・・・幸せにするわ・・・」
「きゃっ!なんでこーなるのお?!」
純白のウエディングドレスを着せられ、いつの間にかタキシードを着た綾波にお姫様抱っこされてしまった。
負けじと自分もタキシードを着込んだアスカが乱入し、交互に記念撮影。


もちろん他の衣装も全部撮影されていて・・・
一体どっからこんなに衣装持ってきたのぉ?・・・て、姉さんが資金提供したの?!
報酬は今日の写真を見せること?!


なんなのよお~・・・


ケ、ケンちゃん?!部屋の隅で大人しいと思ったらその爪に挟んでる小さい箱は何?
にゃあ~
『いや~、ええもん見させてもらいましたわ。んっ?これか。もちろんカメラや。リリス姐さんやカヲルのアホボンも見たがると思うからなぁ~。』


勘弁してぇ~・・・




ようやく撮影会?も終わり、私達はベッドに入った。その前にお風呂でも一騒ぎあったけど・・・
「さ~ユイちゃん。おねむの時間でちゅよお~。」
「赤木さん・・・良いにおい・・・」
「なんで二人とも抱きついてくるのぉ~・・・」
空調が効いていて、快適な部屋とは言っても、やっぱり暑苦しいよ。
「気にしない気にしない。私達がついていてあげるから、ゆっくりお休みなさい。」
「何も怖くないの・・・」
「!」


そうか、そうなんだ・・・
二人とも私を・・・


「ありがとう・・・」
思わずこぼれた涙を、アスカは微笑みながらそっと拭いてくれた。




その日から怖い夢は見ないようになった・・・






翌日、私はアスカ達とそろって学校に登校した。
休み時間になり、週番の私は次の授業に使うディスクを受け取りに職員室に入る。
「先生。」
「ああ、ご苦労様ですね。これなんです。ちょっと重いですよ。相方の男の子はどうしたんですか?」
「あ、はい、今日は折原君、風邪で休みなんです・・・」
「ああ、そうでしたね・・・では、気をつけて持って行ってくださいね。」
「はい。」
私はディスクが入った箱を受け取り、職員室を出た。
「あう・・・本当に重いな・・・」
ふらふらしながら廊下を歩く。でも、数歩も歩かないうちに足がもつれてしまった。
「きゃあっ!」
「おっと。」
転びそうになっとその時、誰かが箱ごと私を支えてくれた。
「あ、ありがとうございます・・・えっ?!」
「よおっ、ユイちゃん。」
私を助けてくれた人は・・・浅黒い肌の少年。
「ムサシ・君?」
「ああ、覚えていてくれたか。」
彼の後ろにはケイタ君も立っていた。二人とも一中の学生服を着ている。
「どうして・・・?」
私の疑問に二人は頭を掻きながら、言いにくそうな顔をした。


「あ~・・・そのな、俺達のいた所な、非合法な場所だったんだ・・・それで、この前それが公になって、沢山捕まった連中も出たんだけど、俺達は保護観察と言うことで学校に通わせてもらえることになったんだ。」
「そうなんだ・・・良かったね。」
あの悪い人たちと縁が切れたんだ。
「もう一人一緒にこの学校に来たんだけどな・・・ユイちゃんには会いたくない、と言うかとても会うことは出来ないって・・・」
「?」
ムサシ君が後ろをちらっと見る。私も首をかしげながらそちらを見ると、廊下の隅に顔を伏せながら立っている女子生徒が一人いた。
ショートの栗色の髪の女の子。私と一瞬目があって、彼女は慌てて向こうを向いてしまった。
「あ・・・霧島さん?」
どうして?
彼女、シンジと・・・
「あいつも色々理由があったんだ。許してやってくれ・・・」
「え・・・う、うん・・・」
理由って・・・霧島さんってムサシ君達と知り合いだったの?
どういう事なんだろう・・・よくわからない・・・


「あのユイちゃん・・・」
ケイタ君が言いにくそうに話しかけてきた。
「え、何?」
「あの・・・その・・・僕たちのこと・・・怒ってないの?」
「え・・・どうして?」
「だって、俺等、ユイちゃんに酷い事したんだぜ。憎まれて当然だろ。」
ムサシ君も吐き捨てるように言った。
「でも、あの時も・・・この前も二人は私を助けようとしてくれたでしょ。怒ってないわ。」
「ユイちゃん・・・」
「それでも俺達は自分が許せないよ。あいつ等の仲間だったのは確かなんだ。だから・・・俺達に出来ることがあったら何でも言ってくれ。出来る限り力になる。」
ケイタ君は泣きそうな目で、ムサシ君は真剣な目で私を見つめた。


「赤木さ~ん。」
「あ、洞木さん・・・」
その時、洞木さんが駆け寄ってきた。
「じゃあ、俺達はこれで。」
「それじゃあね、ユイちゃん。」
二人は軽く手を振って去っていった。


「赤木さん、今日は折原君休みなんでしょ。一声かけてくれれば手伝うのに。」
「あ・・・ご免なさい・・・でも、一人でも大丈夫だと思って・・・」
「大丈夫って・・・結構あるじゃない。重いでしょ。」
私が持っている段ボール箱を見ながら、洞木さんがため息をついた。


「ところでさっきの人たちは?」
洞木さんが箱の片側を持ってくれながら聞いてきた。
「えっと・・・転びそうになったところを助けてくれたの・・・」
「ふ~ん、て、やっぱり重かったんでしょ。まったくもぉ~。」
そう言うと洞木さんは一人で箱を持って、スタスタ歩き出してしまった。
結構、軽々と・・・
「ああっ、洞木さん。それ私の仕事だからっ。」
「いいの、赤木さんはか弱いんだから。」
慌てて私が後を追っても、結局洞木さんは箱を渡してくれなかった。
私ってそんなに頼りないのかなぁ~・・・





それから二週間が経った。
ムサシ君達は時々廊下とかで会って挨拶をする程度。二人とも学校生活を楽しんでいるらしかった。
霧島さんは・・・私は避けられているらしく、あれ以来会ったことがない。
私も・・・会う勇気が無かった。




学校が終わり、私はアスカ達の付き添いでネルフに向かった。
アスカ達はそのまま訓練に入り、私はその間ネルフの中をぶらぶらしていた。
いつもは姉さんの執務室でコーヒーを飲んだり、食堂のおばさん達とお料理の話をして時間を潰しているのだけど、今日は何となくただ歩いているだけ。


「外出てみようかな・・・」
ピラミッド型のネルフ本部の周りは、地下とは思えないほど広大な森と湖が広がっている。
小動物も放されていて、ちょっとしたピクニック気分が味わえた。
私は遊歩道に沿ってのんびり歩いていた。


「あ・・・」
しばらく歩くと、遊歩道沿いに設置されているベンチの一つに俯くように座っている人影が見えた。
近づいてみると・・・それは・・・
「シ、シンジ君?」
「ユ、ユイ・さん・・・」
私の声に彼は驚いたような怯えたような声を出した。
しばらく沈黙が続く。


「だ、出してもらえたんだ・・・」
「え、ええ・・・昨日から・・・でも、本部からの外出は禁止なんです・・・」
「そう・なの・・・」
勇気を出して話しても、ぎこちない会話にしかならなかった。


またお互い黙り込んでしまう。


「あ、あの・・・座ってもいい?」
「ええ。」
私は彼の隣に座った。
シンジは俯いたまま何も話さない。


「今まで・・・どこにいたの?」
「すいません、話しちゃいけないって言われてるので・・・」
「そ、そう・・・」


「じゃ、じゃあ・・・霧島さんは・・・」
私がそこまで言うと、シンジは急に怖い顔になってこちらを向いた。
「知りませんよ、あんな女!」
「えっ?!」
「マナは・・・あの女は僕を騙したんだ。僕のこと好きだって言ったのに・・・」
シンジは拳を震わせながら言葉を続けた。
「みんな、みんな!僕を馬鹿にしてたんだ!僕を利用するだけだったんだ!畜生・・・」
叫ぶようにまくし立てる。その顔はゆがみまくってる。
「父さんだって、父さんだって僕の顔見るなりいきなり殴って・・・何が失望させるなだよ!僕のこと要らない癖に!」
「シ、シンジ君・・・」
私はその剣幕に怯えていた。


何があったんだろう・・・
解ることは、シンジか行った先でも優しくされなかったことだけ・・・
此処を出て行っても彼が望んだ世界では無かったことだけ・・・


それに“父さん”が失望させるな、って・・・
それって、シンジに期待しているって事じゃ・・・




「ユ、ユイさん・・・」
「えっ?」
突然、シンジが話しかけてきた。
「あ、あの時、酷いこと言ってすいません・・・ぼ、僕が悪いんじゃないんです、あの女が・・・」
そう言いながら私の方ににじり寄ってくる。
「だ、だから、だから・・・ぼ、僕のこと嫌いにならないでください。僕を見捨てないで・・・」
「あ・・・」
彼の手が私の太ももの上に置かれる。
私は身体が硬直したように動けなかった。
「ユイさんは、僕のこと見捨てませんよね・・・ユイさんは僕の物なんですよね。」
シンジの顔が私の眼前に迫る。
彼の目は・・・どこか狂気が含まれていた・・・
怖い・・・


「そうだよ・・・ユイさんは、僕の物なんだ・・・」
太ももの上に置かれていたシンジの手がゆっくりと上に上っていく。
腰を這い、胸に触れる。
そのまましばらく撫でるように胸をさすっていく。
「あ・・・は・あ・・・」
その感覚に、思わず切なげな声を上げてしまった。


そしてその手は、私の喉元にそっとあてがわれた。
私は恐怖で逃げることもできない。
「もう二度と僕を裏切りませんよね・・・この前のことは許してあげますから。」
彼の指に少し力が入った。
「く・・・は、はい・・・」
私は震えながら答える。


怖い・・・
これは誰?
シンジじゃないの?
私の知っているシンジじゃない・・・
これは“僕”じゃない!


「もしまた僕を裏切ったりしたら・・・」
さらに指に力が入り、私の喉を締めていく。
「か・・はっ・・・」
苦しさにあえぐ私に彼は・・・シンジは・・・表情のない顔でこう言った。


「僕は・・・ユイさんを・・・殺しますから・・・」
そういうと彼は手を離した。


「ケホッ、ケホッケホッ!」
開放された私は、涙を浮かべながら咳き込んだ。
「大丈夫ですか?」
シンジが私の背中をさすっている。
でも、その手には優しさのかけらもなかった・・・


私の咳が治まっても、その手は私の背中を這い回る。
私は嫌悪感と恐怖でただ震えている事しかできなかった。



[2240] Re[3]:闇と罪と本の旅人 第2部 38
Name: ふぁいず
Date: 2004/06/25 22:36
中書き

皆さん、お待たせいたしました
都合により番組を離れていた若手アイドル「SINJI」さんが復帰です
狂気に満ちた迫真の演技にご注目ください~

と、言うことでシンジ帰還です
パワーアップしてるのかダウンしてるのか・・・
コレで準備は整ったので次の使徒戦に話は進んでいきます~

コスプレパーティー入れてみました~(笑)



[2240] Re:闇と罪と本の旅人 第2部 39
Name: ふぁいず
Date: 2004/07/03 21:23
第39話

私の身体はシンジの所有物
そして命さえも彼は・・・



[2240] Re[2]:闇と罪と本の旅人 第2部 39
Name: ふぁいず
Date: 2004/07/03 21:26






『僕は・・・ユイさんを・・・殺しますから・・・』
殺す?
誰が?
シンジが・・・


殺す?
誰を?


私を・・・・?





やだ・・・
怖い・・・怖い・・・怖い!
死にたくない・・・死にたくないよ・・・




その夜、私はベッドの上で震えていた。
目を閉じると、私の首をそっと絞めてくるシンジの手が浮かび上がってきて身が竦んだ。





あの後、シンジに身体を撫でられ続けていた私の携帯が鳴り響いた。
「ユイさん、電話ですよ・・・」
「う、うん・・・」
携帯を開き耳に当てる。
『あっ、ユイ~、帰るわよ!どこにいるのよぉ~。』
「う、うん。直ぐ行くね。あっ・・・」
携帯をあてているのとは反対側の私の首筋に、シンジが吸い付いてきた。
『ん?どうしたの?』
「えっ、あ、ううん。なんでもないの。す、直ぐ行くから・・・んぁ・・・」
喘ぎ声が聞こえないように、話し終えると直ぐにマイクの部分を指で塞いだ。
『?・・・わかった~、食堂で待ってるからね~。』
「う、うん。それじゃ・・・」
通話が切れた瞬間、シンジが思いっきり首筋を吸い上げた。
「あっ、ああっ、だ、だめっ!ひんっ!」
思わず身体がびくんっと跳ねる。
シンジはしばらくして私から離れた。
「あはは・・・跡が付きましたよ・・・ユイさんは僕のだって印が・・・」
「ええっ?!」
思わず手を首筋に当てる。
シンジは、そんな私を冷たい笑みを浮かべながら見ていたが、ポケットから手帳を出すと何かを書いて破り手渡した。
「それじゃ、ユイさん・・・また・・・」
そう言うとシンジは離れていった。


「もお~、どこ行ってたのよぉ~、一緒に帰ろうって言ったじゃない。」
食堂ではアスカがプンプンしながら待っていた。
「ご、ごめんなさい。外の森散歩してて時間を忘れちゃったの。」
そう言い訳する私に、アスカは「相変わらずユイはぼけぼけなんだからぁ。」と私の頭をくしゃくしゃとなで回した。
その手がふと止まる。
「んっ?ユイ、首筋赤いわよ。どうしたの?」
「えっ、あ、あの、も、森にいたから・・・虫に刺されたかも・・・」
「もうっ、ちゃんと薬塗っとくのよ。」
「う、うん。」


その時、私は心臓が止まりそうだった。
シンジと会っていたと言ったら、アスカはなんて言うだろう。
止められるんだろうか・・・怒られるかもしれない・・・


姉さんも知ったらきっと怒るに違いない・・・
会ってはいけないと言われているのだから・・・




私はベッドの上で身体を抱きしめる。


でも・・・私はこれからもシンジに会う・・・会わなければいけない・・・


だって、私は彼の“物”、彼のオモチャ・・・
身体も命も・・・


そして・・・シンジに汚されることが私にとって最大の罰・・・私の贖罪・・・
望みは叶っている・・・はず・・・





次の日の朝、私は早く家を出て昨日シンジに別れ際に渡されたメモを頼りに歩いていた。
段々、人気のない場所に進んでいく。


少し怖い・・・


そして、たどり着いたところは・・・


「ここって、綾波さんのマンション?」
廃棄寸前のマンション群。解体が始まっている棟から作業音が響いていた。
“以前”、“僕”がカードを持って訪ねた場所・・・
綾波は此処で一人、飾り気のない部屋で住んでいた。


“今”は綾波はアスカの部屋に入れ浸りで、ここはただの荷物置き場状態になっているらしい。


メモの記された場所は、綾波の住んでいる部屋とは別の棟だった。


キィ・・・


さび付いた音を立てて扉が開く。
この棟は完全に無人らしい。人気が全くない。
入った部屋の中もほこりだらけで何もなかった。たった一つ、段ボールの箱が置いてある以外は・・・
「これの・・・こと?」
私はその箱に近づき、恐る恐る開けてみる。
「あ・こ、これって?!」
それを見た私の声が思わず上擦った。
私はこれを知っている。
だって、私はシンジに散々これで・・・


私の・・・子宮がきゅんっと疼いて、熱いものがショーツの中に広がっていった・・・





学校に登校しても私は、一日中上の空。
意識がどうしても鞄に向いてしまう。正確には鞄の中の物に・・・
「ユイ~、ど~したのよぉ。今日、なんか変よ。」
「赤木さん、また気分悪くなったの?」
昼休み、アスカと洞木さんが心配して聞いてきた。
「え、あ、ううん、大丈夫。なんでもないよ。」
「ほんとにぃ?」
「無理しちゃだめよ。」
「うん、でも本当に大丈夫だから心配しないで。」
そう言って私は鞄からポーチを取り出すと席を立った。
「ごめんなさい、ちょっと、おトイレに・・・」
そのポーチにはアレが入っていた・・・




ガチャ
女子トイレの個室に入り、カギを閉める。
そのまま洋式の便座の上に座った。


「はあ・・・」
ため息をついてじっとポーチを見つめる。
いけない・・・こんなこと・・・
私の思いとは裏腹に、私の手は震えながらポーチを開けてある物を取りだした。
大きめのポーチの中でもその存在を主張し続けていたそれが、私の前に姿を現す。


「あ・・・ああ・・・」
鼓動が早くなる。
息が苦しい・・・


それは黒光りするプラスチックで出来た、男の人の物の形をしたオモチャ・・・


駄目よ・・・こんなの・・・


『欲しい・・・』


此処は学校なのよ。


『欲しい・・・欲しいの・・・』


駄目・・・


私の目は次第に潤んでいき、気がついた時にはそのオモチャに舌を這わしていた。
「ん・・・んちゅ・・・あふ・・・ああ・・・」
駄目!こんな事しちゃっ!
でも、でもっ、止まらない。
「ふあっ、んんっ、んむっ、んっ、んっ、んっ」
私はシンジの物を奉仕している時のように、喉の奥までそれをくわえ込んでいく。
「んぶっ、けほっ、んんっ、んっ、んっ、おえっ、あうっ」
喉の奥に何度もそれが当たり、そのたびに吐き気にえづいた。
それでも止まらない!
しばらく私は夢中でしゃぶり続けていた。
涙が頬を伝い、涎が幾筋も口元からあふれ出て制服にしたたり落ちていった。


「あむっ、んんっ、んふうっ・・・・あ・・・」


やがて私はそれを口から放す。そしてノロノロとショーツを降ろした。
私の秘部とショーツの間を何本もの光る滴が糸を引いていた。


駄目!それ以上は駄目!人が来ちゃうよ!こんなの駄目!


私の理性が悲鳴を上げた。
でも・・・


我慢できない!


便座の上に腰を突き出して座ると、秘部にオモチャを添える。そして、私はゆっくりと力を入れてそれを押し込んでいった。
私の中に太く黒光りするそれが飲み込まれていく。
「うあっ・・・くっ・・・んんんっ!」
悲鳴を上げそうになるのを必死で抑えた。
「あ、ああ・・・いっぱい・・・」
私の中に奥まで入ってる。子宮の入り口に当たってる。


手元のスイッチを入れる。
するとオモチャは低い唸りを上げながら私の中で暴れ始めた。


「あっ、ひっ、くうんっ、んんっ、くっ、あうっ!」
捻れ、曲がり、かき回していく。
私は残った理性で必死に声を押し殺していた。
でも、手はオモチャを掴んで放さない。力一杯私の秘部に押し込んで快感を逃がすまいとしている。
「うあっ、あっ、はっ、ああっ、ひっ、ひんっ、ううんっ!」
気持ちいい!気持ちいいの!
もっと!もっと私を虐めて!私を狂わせて!
セーラー服をたくし上げ、ブラを外すと胸を思いっきり揉みし抱いた。
固く尖った乳首を摘んで引っ張ると、失神しそうなほどの快感に身体を震わせた。


「あ、はっ、あうっ、はっ、はあっ、はあんっ!」
背筋を仰け反らして喘ぎ続ける。


だめっ・・・いっちゃう!


その時、個室の外から話し声が近づいてきた。
「・・・でさ、彼ったらね。」


「!!」
私は慌ててスイッチを切った。


「うんうん、それで?あの後どうしたの?」
「んっふふ~。聞きたい?」
トイレに入ってきた女生徒達の声が個室の前で聞こえる。
そのまま洗面台の前でおしゃべりを始めた。
「あれからねぇ、彼氏の家に行っちゃたのよぉ。」
「きゃ~、やるうっ。それからそれからっ?」


二人の話が弾んでいる中、私は個室の中で必死に息を潜めていた。
いく寸前だった私の身体がぴくんぴくん痙攣する。
あ・ああ・・・気が・・・変になるっ・・・
手が無意識に動かないオモチャを力を込めて押し込んでいく。腰も快感を求めるかのように浮き上がっていった。
お願い!早く出て行って!いきたいの!我慢できない!おかしくなっちゃう!!
段々理性が消えていく。
私の口からは涎が垂れ、目がうつろになっていった。


もうばれても良い!そう思い始めた頃、彼女たちは話をしながらトイレから出て行った。


足音が消えると同時に私はスイッチを入れた。
「ひああっ!」
再びオモチャが私の中で暴れ出し、急速に私は絶頂に向かって突き進んでいった。
オモチャの動きだけでは飽きたらず、両手でオモチャを掴んで中をかき回すように動かす。
「あっ、はあっ、あっ、うあっ、はあっ、あっ、ああっ、い、いくっ、いっちゃうぅっ、あああっ!!」
頭の中が真っ白になり、身体を思いっきり弓のように仰け反らしてガクガクと痙攣を繰り返した。


やがて身体の力が抜け、私は個室の床に崩れ落ちた。
のろのろと股間に手を伸ばし、動き続けるオモチャのスイッチを切る。
私はしばらくそのまま床に横たわって余韻に時折痙攣を繰り返していたが、やがてゆっくりと身体を起こした。
「んっ・・・」
オモチャを引っぱると、ぐぽっと音を立てて私の中から糸を引きながら出てきた。
トイレットペーパーでオモチャを念入りに拭いて、ポーチにしまう。
そして滴が垂れる股間も拭くと、ショーツを履き身なりを正した。


水洗のレバーを引き、トイレットペーパーが渦を巻きながら流れていくのをじっと見つめながら私は自分のやったことを思い返していた。


私、何やってるんだろ・・・
こなんことシンジに命令された訳でもないのに・・・
人が沢山いる昼間の学校で私・・・


『やっぱりユイさんって淫乱ですよね。』
シンジの声が頭に響いた。
一筋涙が頬を伝う・・・


昼休みの終了を告げる予鈴が鳴り響く中、私は立ちつくしていた・・・





それからは、私がネルフに行く度にシンジに捕まり、監視カメラがないジオフロント森に連れ込まれて犯されていた。
ある時は、木の幹に抱きついた私を後ろから犯していく。
ある時は、シンジに言われて隠し場所から持ってきたオモチャで弄ばれた。


私はシンジの性欲の捌け口として、欲求不満の解消先として身体を弄ばれ続けた。




そして、今日も私はシンジに犯された。


ざくざくざく・・・
朦朧とした意識の中、シンジが落ち葉を踏み鳴らしながら去って行く音が聞こえる・・・
私は、森の中に全裸で横たわって置き去りにされていた。


私の周りには下着と制服が散乱している。


今日は乱暴に着ているものを全部脱がされ、森の中を裸で連れまわされた上に犯された。
ネルフの職員にとって憩いの場にもなっているこの森は、いつ誰かに出会うかわからない。
シンジに弄ばれているこの時間は、私にとって恐怖の時間でしかなかった。


『許して!お願いっ!、こんなのイヤァ!』
泣いて許しをこう私を見てシンジは楽しそうに笑っていた。
『何言ってるんですか?本当は好きなんですよね、こういうの。ユイさんは見られて感じる変態なんですから。』
そう言いながら私を押し倒し、犯していった。




身体をゆっくり起こすと、顔にかけられた精液が糸を引いて落ちていく。
脇に落ちているスカートを手繰り寄せ、ポケットの中からテッシュを取り出して拭い取った。
そして、身体についた土や埃を払いながら下着と制服を着ていった。


「う、ううっ、うっく、うう・・・ぐすっ・・・うっ、うっ、うっ・・・」
制服を着終えると、私は地面にしゃがみこみ嗚咽を漏らす。


これは私が望んだことなんだ。
これは贖罪なんだから。
私は罰せられているのだから。


これは私が望んだことなんだから・・・


何度自分に言い聞かせても涙は止まらなかった。





しばらくして、私はうつむきながらとぼとぼと歩き出す。
姉さんの着替え、早く帰って洗濯しなきゃ・・・


そう考えていたとき、突然サイレンが鳴り響いた。




「使徒・・・」
来たんだ・・・
最強の使徒が・・・



[2240] Re[3]:闇と罪と本の旅人 第2部 39
Name: ふぁいず
Date: 2004/07/03 21:33
中書き
シンジは最近羞恥プレイがお気に入り。恥ずかしがる女性を見るのが好き(マニアックだねぇ・・・)
※もちろん、雑誌の知識。

逆にユイが一番嫌がるのが羞恥プレイ。恥ずかしいレベルを超えて、死にたいほどの苦痛・・・
人に見られて、大切な人たちに嫌われることを極端に恐れている。

ついに来ました、ゼルちゃん出番ですよ!!
次は迫力の戦闘シーン・・・て、それが一番苦手なんです~・・・




☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
余談になりますが、Hシーンのシュチエーションは大概、エロゲを参考にしています。
で、先日もエロゲの体験版をダウンロードしてやってみたんですよ。
絵は可愛いんですけど・・・これってスプラッタじゃないですかぁ~
惨殺シーンがあって怖い~ヒロインがバラバラに~(泣)

さすがにこのゲームは参考にしたら、この板にすら掲載不可になっちゃいます~
(ゲーム名は・・・新作だから知ってる人は言わなくてもわかるかも・・・)

では~



[2240] Re:闇と罪と本の旅人 第2部 40
Name: ふぁいず
Date: 2004/07/09 23:31
第40話

外から見た異形の天使達の戦い
“僕”はこんな恐ろしいことをやっていたの・・・



[2240] Re[2]:闇と罪と本の旅人 第2部 40
Name: ふぁいず
Date: 2004/07/09 23:57
サイレンが鳴り響く中私はネルフ本部に戻り、入り口にいた保安部の人の誘導でジオフロント内のシェルターに入った。


しばらくすると上の方から揺れが伝わってきた。
不安にな思いに自分の身体を抱きしめる。


大丈夫・・・
“僕”の時と違って、今回はエヴァが3機そろってる。
それにアスカも“僕”が知っているアスカより強い。
だから、きっと勝てる・・・
勝てるよね・・・


振動は次第に激しくなり、爆音も時々響いてきた。
多分、ジオフロント内での戦闘が始まっているんだ。


アスカ・・・綾波・・・死なないで・・・





ドガッーーーーーン!!!


突然、大きな音とともにシェルターの照明が一瞬消え、すぐに赤い照明に切り替わった。あちこちで悲鳴と鳴き声が聞こえる。


ガガガガガーーーーーードドッンッ!!!


次の瞬間、シェルターの天井が裂け、赤い物が瓦礫とともに崩れ落ちてきた。


「キャーーーー!!」
「逃げろーーーーー!!!」
「助けてーーーー!!!」
人々が一斉に出口に向かって走り出した。


でも、私は逃げないで呆然と落ちてきたその物体を見つめていた。


「あ・ああ・・・そ、そんな!」


それは赤い大きな腕・・・・
弐号機の・・・


アスカ!


次の瞬間、私は出口に向かって走り出していた。
他の人たちが向かっている出口とは反対方向にある出口に向かって・・・





「はあ、はあ、はあっ・・・くっ・・・」
私はジオフロントの森を走っていた。
息が切れて足がもつれる。
何度も転びそうになりながら私は走り続けた。


アスカ、アスカ、アスカ!
お願い!無事でいて!死なないで!


森を抜け、突然視界が開けた。
そこは高台のようになっていて、ジオフロントを一望できた。
そこから見えた物は・・・


白黒の体に布のような腕を振るう使徒。
パレットガンを連射しながら使徒の周りを走る初号機。
まだ片腕が修復されていないらしい零号機が、使徒から離れてポジトロンライフルを構えている。
そして、右腕を肩から無くしながらも使徒の腕を避けながらスマッシュホークを振り回す弐号機の姿があった。


アスカ、良かった・・・生きてる!
でも苦戦してる。今のアスカでも楽には勝てないの?
あの使徒はやっぱり強いんだ・・・
「アスカさん!」
弐号機が正面から使徒の腕をスマッシュホークで受け、凄まじい火花が散った。
そのまま横に受け流し、弐号機の脇をすり抜けていく腕にスマッシュホークを叩き降ろして切断する。
「凄い・・・」
やっぱり今のアスカは強い。これなら勝てるかも・・・




「ユイちゃんじゃないか?!」
突然、背後から声をかけられる。
「加持さん?どうして此処に・・・」
私が聞くと加持さんはあきれたような顔をした。
「おいおい、そりゃ俺のセリフだろ。こんな所で何やってるんだ?目の前で戦闘が行われているんだぞ。危ないだろ。」
「シェルターに、弐号機の・・・アスカさんのエヴァの腕が落ちてきて・・・私、居ても立ってもいられなくなって・・・」
私の言葉に加持さんは困ったような顔になった。
「気持ちはわかるよ。俺だってアスカが心配だからな。でも、こんな所にいちゃいけない。速く逃げよう。」
「でも・・・」


私が言葉を続けようとした時、轟音を立てて初号機が吹き飛ばされた。
辛うじて攻撃を避けた弐号機も背中のケーブルを切断される。
いつの間にか切断されていた使徒の腕も再生していた。


「アスカさん!シンジ君!」
「まずいな・・・」
私達は逃げることも忘れてその光景を見つめていた。


シンジは気を失ってしまったのか、初号機の目から光が消えて動かなくなった。
使徒がさらに弐号機を攻撃しようと腕を振り上げた瞬間、使徒に光の束が連続して襲いかかった。
零号機がポジトロンライフルでアスカを援護しようとしている。
でも、全ての攻撃は強固なATフィールドに阻まれ使徒には届いていない。
湖に浮かぶ戦艦も援護射撃を始め、使徒は爆煙に包まれた。
かなり距離があるはずの私達のいる高台まで、その熱と爆風は届いてきた。


加持さんが私を守るように抱きしめる。
「か、勝てるの?」
「いや・・・まだ解らんな・・・」
私の呟きに加持さんは否定的な答えを返した。
「攻撃が届いていない。あれでは・・・」


爆煙の中で何かが光った。
その途端、零号機が持っていたポジトロンライフルが爆発し、零号機は吹き飛んでいく。
「綾波さん!!」
地面に打ち付けられた零号機は何とか立ち上がろうともがいていたが、やがてその動きが止まってしまった。


戦艦からの攻撃がさらに激しさを増す。
しかし、また使徒の目が光り戦艦は爆発をおこし炎上した。


次の瞬間、機会をうかがっていた弐号機が姿勢を低くしながら使徒につっこんでいく。
使徒の直前で身体を回転させ、ATフィールドの波紋を突き破りながら強烈な膝蹴りを使徒のコアに炸裂させる。
たまらず使徒は仰向けに倒れた。


「良し!上手いぞアスカ!」
加持さんが思わず声援を上げた。


弐号機はプログナイフを取り出すと、使徒の顔面を串刺しにして光線を封じた。布状の手もそれぞれ両足で踏みつけて動きを封じる。
そしてカバーがかかったコアを片手で何度も何度も殴りつけた。
ガシンッ、ガシンッ!
弐号機がコアを殴るたびに鈍い音が響き、空気が震えた。


バリーンッ!
ついにコアにかけられたカバーが砕け散る。
「やった!・・・何っ?!」
歓声を上げた加持さんの顔が、次の瞬間凍り付く。
「えっ・・・」
とどめを刺そうとした弐号機の動きが、腕を振り上げた形でピタリと止まった。


「まずいっ!電源切れか!」
「アスカさん!」


使徒は布状の手で弐号機の頭を巻き付けゆっくり持ち上げると、投げ捨てるかのように放り投げた。
凄い勢いで弐号機は止まったままの初号機に激突して、二体は並ぶように地面に横たわった。


使徒の顔面からナイフが押し出されて地面に落ちる。傷が急速に治ると、その目に光が点った。


「きゃあぁぁぁ!!!アスカさん!シンジ君!」
弐号機、初号機の胸が爆音を立てて弾け、私は悲鳴を上げていた。
煙が晴れると、二体のエヴァの胸元には赤い光を放つ玉が露出している。


「あれは・・・コアか・・・」
加持さんが呆然と呟く。


使徒はゆっくりエヴァに近づくと、両手を板のように固くしてそれぞれのエヴァのコアに向かって打ち付け始めた。


ガン!ガン!ガン!
使徒の腕が振り下ろされる度に、二体のエヴァはその衝撃で跳ね上がる。
死んじゃう・・・アスカが死んじゃうよ!


「やめてぇ!お願い!もうやめてぇ!!いやぁ!こんなのいやぁ!!」
「くそっ、これまでなのか・・・」
泣き叫ぶ私を抱きしめながら、加持さんが絶望に満ちた声を出した。


もうだめなの?
此処で終わってしまうの?
私はアスカ達が殺されていくのをただ見ていく事しかできないの?
こんなのヤダ・・・
アスカ達は幸せになって欲しいのに・・・
罰せられるのは“僕”だけで良いのに・・・


助けて・・・
だれかアスカ達を助けて!




突然、使徒の動きが止まった。
それどころか怯えたかのように後ろに下がる。
「なんだ?」
失神寸前だった私は、加持さんの呟きに意識を取り戻した。


なに?・・・まさか・・・


次の瞬間。


バシャッ!
弐号機の顔が上にずれ、四つの目が光を放った。
バキンッ!
初号機の口が拘束具の破片をまき散らしながら開く。


『『ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!』』
二体のエヴァが唸りを上げて立ち上がった。
そして、獣のような動きで使徒に襲いかかっていく。


「暴走・・・いや、まさか、これは・・・」
加持さんは今何が起こっているのか薄々解っているらしい。


あの時と同じだ・・・
なら二人は・・・




使徒が布状の腕を伸ばし、二体のエヴァに襲いかかる。
初号機は横っ飛びで軽々それを避け、弐号機は無造作にその腕をつかみ取る。
そのまま弐号機は使徒の胸に足をかけると、使徒の腕を強引に引きちぎった。そして、それを自分の切れた右腕の先端にあてる。
びくんっと弐号機が震えると、使徒の腕は形を変えて灰色のエヴァの腕になっていった。
片腕を無くした使徒はふらつきながらも残った腕で攻撃しようとしたが、飛びかかってきた初号機にあっさりと組み伏せられてしまった。
初号機は爪を立てて使徒の腹を引き裂いていく。使徒が光線を撃とうと目を光らせた瞬間、初号機はその顔にかじりついていた。


ぴいぃ!ぴいぃぃぃぃ!
使徒が悲鳴を上げている。
それ以降は、一方的だった。
抵抗をほとんど無くした使徒を、二体のエヴァが好き勝手に引き裂いていく。


最早それは殲滅ではなく・・・それは強姦だった・・・
使徒はもはや二匹の獣に陵辱されていく、か弱い少女にすぎなかった。


「あ、ああ・・・」
初めて外から見たエヴァの凶暴さに、私の身体は恐怖にガタガタ震えた。
自分の身体を力一杯抱きしめても、歯がカチカチと鳴る音が止まらない。
内股を伝って熱い物が流れ、私の足下に黄色い水たまりが出来ていった。


使徒の腹が大きく引き裂かれ、二体のエヴァが頭をつっこんだ。
グチャ、グチャ、グチャ
咀嚼音が響き渡る。


使徒を・・・食べてる?!


初号機が顔を上げた時、その口元には赤い内蔵がぶら下がっていた。


「うぐっ!」
たまらず私は口元を抑えてその場に跪く。
熱い物が喉の奥からこみ上げてくるのを必死に抑えた。


「ユイちゃん、あんなもの見ちゃ駄目だ!」
その光景を隠すように、加持さんが私の前に回りながら背中をさすってくれた。


『『グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!』』
加持さん越しにエヴァの歓喜に満ちた叫び声が聞こえていた。





しばらくして2体のエヴァは動きを止めた。さらに、ジオフロントの各所からワイヤーが射出され、エヴァをがんじがらめに縛り上げていく。


「大丈夫かい?」
加持さんが近くに置いてあった荷物から水筒を持ってくると、お茶を注いで渡してくれた。
「ありがとうございます・・・」
礼を言って受け取る。
汚れてしまったショーツの感触が気持ち悪い。早く着替えたい・・・


お茶をすすりながら周りをよく見ると、荷物の脇にはバケツやら鍬が置いてある。そう言えば加持さん、菜園の趣味があったっけ・・・スイカだったかな?


ドドドドドドドッ


轟音が響き、見れば大きなクレーン車がエヴァを専用搬送車に固定しようとしていた。
二人は・・・アスカとシンジは・・・やっぱりエヴァに吸収されてしまったのだろうか・・・
帰ってくるよね・・・
“僕”の時はどうやって帰ってきたのか、その時の記憶がぼんやりしていてよくわからない。
でも、姉さん達がサルベージ作業をしてくれるはず・・・
大丈夫だよね・・・


「いやはや・・・二体同時にエヴァの覚醒か・・・これから大変だな・・・委員会も黙っていないでしょうし、碇司令、どうなさるおつもりですか?」
加持さんがそれを見ながら呟く。でも、その顔はなんだかニヤついている。




やっぱり加持さんってなにか“真実”っていうのを調べているんだ。
でもこのままだと・・・


脳裏に留守番電話を聞いて泣き崩れているミサトさんの姿が浮かんだ・・・
駄目だよ。そんなの・・・






しばらくして警報が解除され、私は加持さんに送られて家に向かっていた。
車の中でも私は考え込んでいた。
どうしたら加持さんを死なせないですむのか・・・
ミサトさんが泣いてる所なんて見たくない。


良い答えなんて出なかった・・・




やがて私達のマンションの前で車が止まる。
「さあ、お嬢様。到着ですよ。」
加持さんがおどけたように言った。
でも私は車から降りず動かなかった。
「どうしたんだい?気分でも悪いのかい?」
加持さんが心配そうに聞いてくる。
私はしばらく迷っていたが、意を決して加持さんに話しかけた。


「加持さん・・・加持さんって危ないこと、してるんですか?」
私の問いに加持さんは一瞬、きょとんとした顔をした。
「なんだい急に。危ないことって?」
おどけた調子で聞き返してくる加持さん。でもその表情は何かよけいなことを話してしまったのかと考え込んでいるようだった。


「加持さんにお願いがあるんです・・・」
「な、なんだい?」


私は加持さんの目をじっと見つめた。




「死なないでください。」



[2240] Re[3]:闇と罪と本の旅人 第2部 40
Name: ふぁいず
Date: 2004/07/09 23:38
中書き
ご免なさい~戦闘シーンは私の力量ではこれが限度です~
パイロット視点じゃなくて傍観者視点なら楽だろうと思ってたけど・・・甘かった・・・
格好良く書いたつもりですが、矛盾点とかは見逃してください~(泣)

弐号機のギミックって目が開くだけでしたよね。口は開くんでしたっけ?
どうやって使徒を食べていたかはヒ・ミ・ツ・・・
(目の装甲の隙間から啜ってた?)

さて、アスカとシンジはどうなるでしょう?
次回もサービスサービスゥ♪(出番のないミサトでした~)


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