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[6629] 混ぜるな†危険 ~鬼畜戦士と三国志演義~ (恋姫×ランス)
Name: あおたん◆15e52006 ID:08943f4e
Date: 2009/02/17 21:57
「ぐがっ……」

「………さん」

「ふっ、よせよ……、お前には涙は似合わないぜ……ぐぅぐぅ」

「……ンスさん」

「おおっと……どうしてもと言うのなら、最後に一発……ぐぅぐぅ」

「起きて下さいランスさん」

「ぐがっ…………あれ、港で憂える酒場の未亡人は?」

「ようやく起きてくれましたか、ランスさん」

「ウルザちゃん…………もしかして未亡人は夢?」

「ええ、夢です。おはようございますランスさん」



オレ様は起き上がると辺りを見回してみる。
どう見ても、見たこと無い場所だな。
雰囲気や地形的にゼス東部に似ていると言えない事も無いが、違う気がする。
というか、何でオレ様はこんなところに寝てるんだ?


「俺様はなんでこんなところで寝ているんだ?」

「何でここに、という点については私にもわかりません」

「む、ウルザちゃんに分からないとなると、ここはやはり英雄たる俺様が……。
 ピッキーン!思いついた!実はここは夢の中で、ウルザちゃんに好き勝手エロイ事をしていいのだ!」

「残念ながら現実です。それと、ランスさんは夢の中じゃなくてもいつも好き勝手やっていると思います」

「がはは、オレ様は英雄だから好き勝手にしてもいいのだ」

「それはいいとして、ランスさん、意識を失う前のことは覚えていますか?」

「えーっと……まぁまて、落ちつけオレ様。確かあれだよな、オレ様はヘルマンにいたんだよな?」

「ええそうですよ」

「それであれだ、シィルを溶かすためのアイテムがダンジョンにあるって聞いて……
 ゼスから偵察に来ていたウルザちゃん、自由都市からオレ様に逢いに来ていたマリア、JAPANからついてきた鈴女、それとリアに送られてリーザスから来たアールコートちゃん、この四人を連れてダンジョンに潜った気がするぞ」

「大分思い出してきたみたいですね」

「それでそれで……むむむ。
 えーっと確か地下10階位で変な鏡を見つけて、覗いたらなんか……
 アーーーーーーーーーー!うわぁ~ぺっぺ、思い出しただけで気持ちわるぅ~」

「何を見たんですかランスさん?」

「筋肉もりもりの変態が……なんかパンツ一丁でウィンクなんかしてきやがった変態が……」

「…………それで鏡を地面に叩きつけたんですね」

「うっわぁ~気持ちわる。あんな変態がいるなんて……変態はホ・ラガだけで十分だというに……」

「そして鏡が割れると同時に意識を失って、気付いたらここにいた……と」

「そういう訳だな。で、ウルザちゃん以外のやつらは何処に……って、マリアとアールコートちゃんはそこでまだ寝てるな」


周りを見ると、アールコートちゃんとマリアが寝ていた。
アールコートちゃんのスカートの中からパンツが見える。清純な白かぐふふ。


「ええ、鈴女さんには周囲の偵察に行ってもらいました」


鈴女は偵察でいない。他の二人は寝てる。これはウルザちゃんとやるチャンスなのではないか?
あるいはウルザちゃんを遠ざけて眠っている二人のうちどちらかと……。


「何かエロイ事考えているでござるな、ランス」

「うぉ、鈴女。急に出てくるな」


そんなこと思ってたら鈴女が帰ってきてしまった。
これでは、エロイ事をしにくいではないか!


「鈴女さん、偵察お疲れ様です。周りはどうでしたか」

「うぃ。とりあえずヘルマンっぽい感じではなかったでござる。
 他の地域だと某は行った事無いのでわからないでござるが」

「そうですか……」

「それと、家屋などは近くに発見できなかったでござるが、なんか盗賊っぽいのが兵隊と戦っていたでござる」

「ピッキーン!オレ様の勘が告げている!そこに可愛い女の子がいると!」

「確かに兵隊の方の指揮官は女性だったでござるよ。容姿の方もグーでござった」


ということはだ、急がないとその女の子とオレ様が恋に落ちる前に、その女の子が死んでしまうかも知れないということではないか!


「鈴女、悪い盗賊を倒して女の子を助けるぞ!早く連れて行け!」

「うぃうぃ、了解でござる」

「ウルザちゃんはここで寝てる二人の看病をしていてくれ」

「はぁ、分かりました。ちゃんと情報を聞いてきてくださいね?」

「がはは、まかせろ!それじゃあ、鈴女、行くぞっ!」


そうしてオレ様は、鈴女に先導されて戦場へと赴くのだった。








着いてみると、確かに見るからにみすぼらしい輩と兵隊っぽい奴らが戦っていた。
兵隊の方は、何人かてばさきとうまの中間のような生物に乗って戦っている。
格好いいので欲しいな、あれ。

「ランスランスー、そんなに見ていていいのでござるか?女の子がピンチでござるよ?」

「なにぃ!今すぐ助けにいかねば!鈴女、援護しろ!」

「うぃうぃ」






「くっ」

盗賊の討伐に来ていた公孫賛は唇を噛んだ。盗賊の数はそれほど多くは無いのだが、いかんせん決め手にかける。
そのままぐだぐだと戦っており、双方疲労が出てきていた。

「(星を別の方面に送ったのは失敗だったかなぁ)」

彼女の客将になっている趙雲は別方面の盗賊を退治しにいっており、その武を期待することも出来ない。
そんなことを考えていると、彼女の軍の一角が突如崩れ始め、盗賊の群れがこちらに押し寄せてきた。

「ちょっ!」

彼女を指揮官格だと認めたのであろう盗賊達の凶刃が彼女を襲う。
彼女は、その装備する『普通の剣』で対応するが、いかんせん数が多すぎて彼女には荷が重い。

「しまった!」

遂には得物である『普通の剣』を弾かれ、なすすべが無くなった彼女に襲い掛かる盗賊達。

「(ああ、ここで終わりかなぁ)」

走馬灯のようにそんなことを考えていた彼女に変な声が聞こえてきたのはこの時である。

「がははー!助けに来たぞ!」

遂に幻聴まで、更には緑色の鎧を着た異国の人間などという幻覚まで見えるようになったのか、そう思った彼女は一瞬後これがまだ現実であることを知った。







「ラーンスアターック!」

オレ様はとりあえずかわいこちゃんに襲い掛かっている盗賊どもを蹴散らすと、かわいこちゃんを見つめてみる。
ふむ、78点、合格!ここで助けて後でいただくとしよう!


「がはは、かわいこちゃん助けにきたぜー」

「…………」

む、なんかかわいこちゃん含め回りはみんな固まっている。何故だか知らんがまあいいや、敵だけ殺そう。


「よし鈴女、敵だけぶっ殺すぞ」
「了解でござるー」

そしてオレ様と鈴女は、オレ様にびびって固まっている(確定)盗賊どもを皆殺しにするのだった。






――――――――――――――――

誰か書くと信じてたのに、何故誰も書かないんだ!
勢い余って書いてしまったじゃないか!
そして思い知った……ランス何気に書きにくい('A`)
今は反省してる


誰か代わりに書いてゴダシア



[6629] 第二巻
Name: あおたん◆15e52006 ID:08943f4e
Date: 2009/02/16 00:20
「後はお前だけだ!」

「ひ、ひぃいいいいいいいいい!」

「逃がすかっ!鈴女!」

「ハイでござるよっと」

「動けんだろう、鈴女特製の毒針だからな」

「あっ……あが……」

「では終わりだ、死ねぇぇぇぇえええええ」

ザシュ

「ギャー」

「ふぅ、これで終わりだな」

「みたいでござるね」


あたりをざっと見渡してみる。
うむ、盗賊っぽいやつらの死骸しかないな。悪いことをするからこうなるのだガハハ。
っと、これまで眺めていただけの兵隊どもが、今度はこっちに剣を向けやがる。


「ランスランス~、どうも拙者たち警戒されてるみたいでござるね」

「うむ、どうにも英雄たるオレ様にびっくりしたらしいな」


とはいうものの、助けてやったのに剣を向けられるとムカつくな。
まとめて全部殺すか?


「ランス、我慢でござるよ。殺してしまったら、さっきの女の子と和姦できなくなるかもしれないでござるよ?」

「む、そうだな、それは困る。しょうがない、少しだけ我慢してやるか」

「それがいいでござるよ。少し待てば、向こうの指揮官もこっちに来るでござろう」


オレ様は英雄だから、強姦などひどいことはしないのだ。和姦、それこそオレ様の求めるセックスの形!
まぁ、大抵の女はオレ様の魅力に惹かれるから、強姦などしなくてもいいんだがな、ガハハ。
とか思ってたら、さっきオレ様が助けたかわいこちゃんがこっちにやってきた。
なんかびくびくしながら寄ってきてるのは、オレ様に会うのが恐れ多いからだろう。


「さ、先程は助かった。私は、性は公孫、名は賛、字は伯珪。見慣れない格好をしているが、貴方達はなにものだい?」

「オレ様は英雄のランス様だ」

「忍者の鈴女でござる、にんにん」

「しかし、なんか名前が長ったらしかったな。なんて呼べばいいんだ?」

「あ……ああ、伯珪と呼んでくれ」

「よし伯珪ちゃん。オレ様は君を助けたよな?」

「そうだな、危機一髪だったよ。それに他の賊も倒してくれて感謝してる」

「ということは、オレ様にお礼をすべきだよな?」

「そ、そうなるな」

「よしではセックスしよう」

「は……?せ…なんだって?」

「セックスだ、セーックス!セックスさせろ」

「……セックスってなんだ?お礼はしたいし、私に出来ることならなんとかしたいが」


む、これはセックスが何か分かってないな、チャーンス!


「大丈夫だ、セックスは伯珪ちゃんでも出来る。だからしよう、直ぐしよう!」

「あ、ああ」

「今頷いたな?(キュピーン)」

「あ、ああ」

「よし、では今すぐ「エーイでござる」ぎゃあああああああ」


オレ様のケツが、ケツがああああああああ。


「これをしたのは織田の時いらいでござるねぇ」

「鈴女っ!昔にひたってんじゃねえええええええ。オレ様のケツの処女がまた無くなるじゃないか!」

「処女は何回もなくならないでござるよ?」

「がぁあああああああ!そんなのどうでもいいわ!何しやがる!」

「なにって、ランス。さすがにこの状況でセックスはダメでござるよ」


ぐっ、む……。確かにここがどこかも分からないしな、その通りといえばそうなんだが……


「ちっ、しょうがない。後でにするか」

「それがいいでござるよ」

「あの~、私を忘れてないかい?」

「あっ、すまんでござる、忘れてたでござる」

「とほほ、まぁいいんだけどさ……」


なんか伯珪ちゃんがちょっといじけた。
が、直ぐに気持ちを切り替えたようだ。


「で、だ。お前達のことを聞きたいからついてきてくれないか?少し行ったところに私の城があるんだ」

「ふむ、それじゃあそこに行こう。鈴女、ウルザちゃん達を呼んできてくれ」

「うぃうぃでござる」


そう言うと、鈴女は消える。
相変わらずスーパー忍者だな、かなみなど比べ物にならんわ。


「なぁ、今の会話を聞いてると、まだ何人かいるのか?」

「ああ、オレ様の女が後3人いるからな。少し待っててくれ」

「わ、分かった」

「それと、だ。周りにいる兵隊どもの剣を早く下げさせろ。このままだと殺したくなる」


オレ様と伯珪ちゃんが会話してる間も、ずっと剣を下げないで構えてやがる。
オレ様の強さに恐れをいだくのは分かるが、助けてやったのにこれだと、さすがにな。


「ああ、すまない。直ぐに下げさせよう」


そういうと伯珪ちゃんは周りに指示を出した。
何人かが何か言っていたようだが、伯珪ちゃんが再び指示をすると渋々といった感じで引いたようだ。
そうしてしばらくして、鈴女がウルザちゃん達を連れてくると、俺らは伯珪ちゃんに連れられて、城に向かって歩いきはじめた。






「ウルザちゃん、もう一回言ってくれ」

「つまり、ここは私達がいた大陸ではないだけでなく、別の世界ということです」


伯珪ちゃんの城についてから色々聞いたり話してたりしてたが面倒なので割愛。
で、そのなかでウルザちゃんが出した結論が上のだったりする。
なんか、魔界とかそういうレベルで違う世界らしい。
……まぁ、魔界よりは更に遠い世界とか言ってたが。
あれ、帰れなくね?


「マリア、元に戻る装置を作れ」


こういうときはマリアだ。一回空の上に行く機械を作ってたしな。
同じような要領でなんとかなるだろ。


「無理だよ~。ここの世界、私達がいた所ほど科学が発達してなくて、チューリップすら作れないかもしれないし……」

「むがー!じゃあどうやって帰ればいいんだ!?」

「落ち着いてください、ランスさん。とりあえず焦ってもしょうがないですよ」

「そうでござるよ、ランス。こう、小粋な旅行とでも思えばいいでござる」

「だが、むむむ……」

「あ~あれでござるか、氷を溶かすのが遅くなるのがいやなんでござるな?」

「ぐ、断じてそんなことはない!」

「なら、このまましばらく滞在しながら、帰る手段を探せばいいでござるよ。
 それに、この世界にもランス好みの女がいっぱいいるかもしれないでござるよ?」

「うがー!分かった分かった。しばらく旅行気分でこの世界にいてやる!ふん」







「え~っと、そっちの考えは纏まったか?」

「あ、ごめんなさい。忘れて……時間をかけすぎてしまいました」


今、ウルザちゃんは絶対に忘れてたっていおうとしたな。
あのウルザちゃんですら、忘れてしまうのだ。伯珪ちゃんは中々可哀想な……かなみと同じ匂いがしてきたぞ。


「…………で、しばらくはここに留まってもらうってことでいいのか?」

「はい、こちらこそお願いします。手伝えることがあったら遠慮なく言ってくださいね」

「いや、あなた達は私を助けてくれたからな、客人として扱うよ。ゆっくりしててくれ」

「むっ、伯珪ちゃん」

「ん、なんだランス?」

「助けたお礼は君とのセックスだからな、忘れちゃだめだぞ?」

「あ、ああ。覚えてるよ、安心してくれ」

「がはは、それならいいのだー」

「あの……、伯珪さん。それが何かご存知なんですか?」

「いや、私にも出来ることって聞いたけど……違うのか?」

「いえ、出来ることには違わないんですけど……ランスさん!」


む、ウルザちゃんがなんか気付いたかもしれないが、今更遅いわー!


「もう約束したから遅いのだー!よし、伯珪ちゃんさっそくセックスしに行くぞー!」

「えっ?ちょ!きゃああああああああああああぁぁぁぁぁ……」

「レッツセーーックス!」


ハイパーなオレ様は、伯珪ちゃんを捕まえると、偉い人が使ってそうな部屋に向かって走るのだった。




















「あ……あの………わたしもいるんですけど………」


玉座の間には、一言も喋ってないがアールコートちゃんもいたのでした。







―――――――――――――

俺の力だとこれが限界だZE!


そして
エロは書いてみるけど、中身には期待しないでくれよNA!


このランスは戦国後、ヘルマンに行った時のお話し。
今になって、毛利姉妹入れたくなってきた・・・



[6629] 第三巻 (白蓮ちゃんを美味しく頂きました)
Name: あおたん◆15e52006 ID:08943f4e
Date: 2009/02/17 22:00
「とーう!!!」


ランスは部屋に入ると伯珪ちゃんをベッドの上におろした。
そしてすぐさま自分の服を脱ぎ始める。


「って、ちょ!ランス、何で脱いでるんだよ!早く隠せっ!」


伯珪はそんなランスの様子を見て慌てて顔を背けた。
その顔は羞恥からか、赤く染まっている。


「伯珪ちゃん、もしかして処女か?(キュピーン!)」

「………」


伯珪は顔を更に赤らめる。


「処女なのか?」

「………」

「処女なんだな?」


伯珪は真っ赤にした顔を両手で覆うと、うつむく。


「よーし、それでは英雄たるオレ様が女にしてやろう!感謝するがいい」


ランスはそう言いながら、伯珪に覆いかぶさっていく。


「……つまるところせっくすってそういう意味なのか?」

「そういう意味とはどういう意味だ?(ニヤニヤ)」

「えっと……、だから……ほら、男と女が……」

「男と女が?(ニヤニヤ)」

「…………」

「(ニヤニヤ)」

「い…言えるかああああああああ!!!!」

「がはは!男と女が棒と穴でハッスルなのだー。ということでいただきまーす!」


ランスは伯珪の衣服に手をかけていく。


「きゃああああ!ちょっ、やめ、脱がすなー!」


伯珪は抵抗するが、それ程力が入ってないのか、結局はランスのするがままに脱がされていく。


「む、服を着たままの方がいいのか。中々変態さんだな」

「いや、そういうことじゃなくてっ!」

「伯珪ちゃんはセックスするって言ったのだー。だからこれはれっきとした和姦なのだー」


そうこう言ううちに、ランスは下着以外全て脱がしてしまった。
そして片方の手で、下着越しにおっぱいをもみしだく。


「ぬふふ、伯珪ちゃんのおっぱいは柔らかいな~」

「んっ……やめっ……」

「こっちはどうかな~っと」


ランスはもう片方の手を、下着の中に潜り込ませる。


「む、さすがにまだ濡れてないか」


ランスの指が、確実に伯珪のスリットにあてがわれる。


「あっ……やめてっ……やめっ……」


ランスから逃れようと伯珪は腰を動かすが、逆にランスの指に腰を擦り付けてしまう。


「自分から擦り付けてくるなんて、処女なのにやっぱり変態さんなのだ~」

「馬鹿っ……ちがっ……」

「それではご開帳なのだー!」


ランスは、一気に下着を引き摺り下ろす。
そこは、使われたことなく綺麗だった。


「きゃああああああ!」

「むふ、処女なだけあって綺麗だな。オレ様のハイパー兵器ロックオン!」


伯珪の股間にハイパー兵器をあてがうランス


「えっ……、ちょ……、まっ……」

「トーーーー!!!」

「いったぁぁぁぁぁい!!」

「がはは、処女なだけあって、きつきつなのだー」


そう言いながら、ほとんど濡れていない中を強引に進んでいくランス


「いっ…痛い、痛い、痛いっ!」

「もうすぐ一番奥に到達するぞ」

「だめっ……もう入らない……」

「そんなことはない、入るぞ」


ランスは更に腰を突き出した。
そしてランスのハイパー兵器は、奥でコツンと子宮にぶつかる。


「よーし、全部入ったぞー」

「くああっ…!!」

「ふむ、伯珪ちゃん大丈夫か?」

「こっ……、こんな状態で大丈夫なわけないだろっ……!」

「まぁ処女だったし、しょうがないのだ」


そう言いながら、前後に腰を動かし始めるランス。


「いたっ…!ちょ……そこ…は…、気…を…使うところじゃ……ないの……か…よ…!」


ほとんど濡れてないのに動かされる痛みのため、言葉を途切れ途切れにしかしか喋れない伯珪。
一方のランスはお構い無しに腰を振る。


「がははー!ここまで来たら、もう止まらないのだ!」


ランスは徐々に腰のスピードを上げ、膣の中でハイパー兵器を本格的に擦りだした。


「がははははは!伯珪ちゃんいい感じだぞ!動きが止まらん!」

「んっ……くっ……」


自分勝手に腰を振るランス。
痛みを堪えて、声に出すまいと唇をかみ締める伯珪。


「よし、そろそろ出すぞ!」

「えっ…!ちょ……、中はっ……中は駄目っ……」

「そうかっ!中がいいのかっ!」


伯珪の言葉を無視し、ラストスパートといわんばかりに更に腰を振るランス。
伯珪はされるがままに、身体を揺さぶられる。


「よし、出すぞ!とりゃーー!!」

「いやっ…あっ…あああぁぁぁぁぁぁっ!!!」

「がはは、グッドだー!」


ランスは、伯珪の中にたっぷりと皇帝液を発射した。


「ふぃ~。気持ちよかったぞ、伯珪ちゃん」


ランスは、抜かずに伯珪に声を掛ける。
しかし伯珪は、初めての痛みの為に気絶しているようだった。

ムクムクムク…シャッキーン!(ハイパー兵器が復活する音)

「チャーンス!」


その寝顔にエロスを感じ取ったランスは、すぐさまハイパー兵器を復活させると、構わず二回戦を始める。
その後数時間、時折聞こえる女性の悲鳴と、大きな声を出し続ける男の奇妙な笑い声が城に響き渡っていた……。








「んっ……」

「おっ、起きたか伯珪ちゃん?」


数時間ぶっ通しでやってたせいか、最後には伯珪ちゃんは気絶してしまっていた。
オレ様もやりすぎで少し疲れたので、二人してベッドにねっころがっていた。


「へっ……、ランス……?」

「おう、英雄のオレ様だ」

伯珪ちゃんはオレ様の顔を見ながら何事かを考えているようだ。
そして何かに思い当たったのか、顔を真っ赤にしつつ、シーツにその裸体を隠す。


「現実……だよな……」

「おう、伯珪ちゃんが可愛すぎるから何発もやってしまったわ。がはははは」


そう言うと、伯珪ちゃんは恥ずかしそうにもじもじした。
そんなに可愛いことすると、またオレ様のハイパー兵器が……


「………白蓮」

「ん、なんだ?」

「………私のことは、真名の白蓮で呼んでくれ」

「真名ってなんだ?」

「……親しい人や信頼できる人、そうう限られた人間だけに呼ぶことが許される、その人にとって重要な名前、そんなところだ」


む、面倒なシステムがあったもんだ。
もともとでさえ名前が多いのに、更に別の名前があるとは……。
ん、でも待てよ?オレ様に真名で呼ぶことを許すということは……


「伯珪……いや、白蓮ちゃん。オレ様に惚れたな?」

「っ!!!」

「がはははは。オレ様モテモテー」

「っ~~~~~~~~!!!」


白蓮ちゃんは更に赤くなって、シーツに包まってしまった。
……あれ、そういえば何か忘れているような………あっ。


「白蓮ちゃん白蓮ちゃん」

「……なんだい?」

「他の奴らはどうしたと思う?」

「あっ……」

「ウルザちゃんとか、怒ってるかもしれん……」

「星も戻ってきてるよなぁ~」


見詰め合うオレ様と白蓮ちゃん


「戻るか……」


どちらとも無くそう言うと、オレ様達は重い足取りで玉座の間に向かうのだった。









―――――――――――――――

すいませんごめんなさいかんべんしてください

ランス6のエロシーン確認しながら書いてみたんだが、これが限界でした('A`)

えっ、白蓮の性格がおかしいって?
うん、オレもそう思う。恋姫の白蓮ルートやったばかりなのに、性格を真似し切れなかった。反省している

カオスのことまで書こうと思ってたのに、そこまで進まなかった…


ホ・ラガ?そこはほら、いるじゃんちょうどよさげで恋人盗られた哀れな人が。
きっと彼が生贄になったんだよ…
誰とは言わないけど、アレックスとかアレックスとかアレックスとか…



[6629] 第四巻 
Name: あおたん◆15e52006 ID:08943f4e
Date: 2009/02/20 14:02
ランスと白蓮が玉座の間に戻ってくると、白い服を着て、槍を持った女が立っていた。


「なるほど、確かにあの者達が言っていたとおり閨を共にされたようですな、伯珪殿」

「いや、あの……その……」


星の言葉に顔を赤らめてもじもじする白蓮。これはこれで可愛いのだが、ランスにとって今は目の前の女が優先のようだ。
オレ様サーチ!などと心の中で思いながら、星を観察している。

……
………
95点!それがランスの出した結論らしい。


「で、こちらの御仁が伯珪殿と閨を共にしたランス殿ですな」

「おう、オレ様が英雄のランス様なのだー」

「せっ、星。こっ…これには色々と事情があってだな…」

「ふふふ、一通りの事情は聞いておりますよ伯珪殿。しかし、今の貴女を見れば、それらの事情など切欠に過ぎなかったというように思えますがね」

「~~~~~~っ!」


顔を再び赤らめる白蓮。


「がはは、オレ様は英雄だからな、しょうがないのだ。ということで星ちゃん、君もやろう!(キュピーン!)」

「っ!」

「へっ?」


ランスの言葉を聞いたとたん、星の表情が切り替わり、一足飛びにランスに切りかかっていた。
咄嗟のことに驚いたランスは慌ててカオスを槍にあてにいくっ!

ガキンッ!


「おわっ!なっ……何しやがるー!!!」

「ほう、これを受け止めたか」

「星っ!いきなり何をっ!?」


カオスで塞ぐことに成功したランスではあったが、何故このような事態に陥っているのかさっぱり分からなかった。
それは白蓮も同様で、二人してすまし顔をしている星に目を向ける。


「なーに。いきなり真名を呼ばれて少しいらっときたものでな、挨拶がてらに腕試しといったところか」


なんでもないかのように言う星。


「むかむか~!いきなり切りかかってくるとは許せんっ!お仕置きしてやるっ!!」


いきなり切りかかられたことによる怒りからか、それなりに怒ってカオスを構えるランス。


「ふふふっ。貴殿にそれが出来るかな?」


そんなランスを見て、今度は楽しそうに笑う星。
二人の間に奇妙な緊張感が走り、そして……


「いきなりランスアターックっ!!!」


ランスは、いきなりランスアタックを繰り出した!
もちろん、可愛い女の子に本気を出せるわけも無く、それなりに手加減してのランスアタックではある。
しかし、凄まじい一撃であることには変わりない。
星は、それを槍で受け流し、その空きだらけの身体に一太刀入れて終わらせようと思った。
だが…

ガキンッ!!!!!


「ぐぅっ!!」


予想外の重い一撃に、槍が弾かれそうになる。
星は、瞬間的に全ての力を使い何とか弾かれるのを防ぐのが精一杯だった。
そのため予定していた反撃も出来ず、また、両手に痺れが残ってしまう。


「ふんっ!」


ランスはこれ幸いとばかりに続けてカオスを振るう。
その剣戟は休むことなく星を狙う。
対する星は、痺れを残す両手で何とか防いではいるが、崩れるのは時間の問題のように思えた。


「はぁああああああ!」

「うぉっ!?」


しかし、星は槍を体と腕の間に挟むように持つと、全身のひねりを使い、横に薙いだ。
槍は先端の刃に目が行き、突く物であると思われがちであるが、槍の特性としてもう一つ、その長さを生かした『払う』という行為もあるのだ。
ランスは槍を相手に戦った経験が少なかったためか、この攻撃に上手く対応できずカオスもろとも弾き飛ばされてしまった。

距離を開け対峙する二人。
星は笑っている。強者と手合わせできることへの喜びだろうか。両手の痺れも抜けてきたようで、次の一撃を今か今かと待っているようにも見える。
対するランスは少しいらいらしているようだ。槍という慣れない武器と対峙してるためか、あるいは、相手が女の子であるが為に全力を出し切れないためかも知れない。


ちなみに白蓮は、その戦いを見ておろおろしている。
自分の手が及ぶ領域ではないことに気付いているのだろう。分をわきまえているというべきなのだろうが、それはそれで憐憫を誘うものがある気がする

そんな白蓮を尻目に、対峙する二人は集中力を高めていく。
彼らにその気はないだろうが、傍から見ているものにとっては、次の一撃で決めようとしているように思われる光景であった。

このまま再開すれば、今度こそどちらかが傷つくかもしれない。
自分を今まで支えてくれた人と、自分を愛してくれた人、そのどちらかが……。
白蓮はそう思うが、彼女は自分では二人を止められないことも分かっていた。


そんな時である、この戦いをとめられる人間が現れたのは。


「ランスさんっ!」


鈴女に事態を聞いて駆けつけたウルザ、その人であった。









「いじいじいじ……」


その後、ウルザにしこたま怒られたランスは、部屋の隅で『の』の字を書いて小さくなっていた。
向こうでは女性陣が真名を交換するまで仲良くなっている。


「ランスランスー、そろそろ機嫌直すでござるよ」

「いじいじいじ……」

「みんな呼んでいるでござるよ?」

「オレ様なんていなくても……いじいじ……」

「星が真名を教えてもいいと言っていたような……」

「……なに?」

「いいのでござるか?せっかくのお近づきになるチャンスを逃して?」

「………」


その時、ランスの頭の中では以下の計算式が成り立った。


『真名で呼ばせる→オレ様が好き→セーックスッ!!!』


「がはは!星ちゃーーん!!」


一瞬にして立ち直ると、すぐさま星の元へ駆けていくランス。
なんとも単純であった。


「おおっ、ランス殿復活されましたか」

「うむ、オレ様とセックスしたいと聞いてな」

「はっ?」

「がはは、照れるな照れるな。さぁやろう、今やろう、直ぐやろう」

「はぁ……。貴殿の頭の中にはそれしかないようですな」


呆れたのか諦めたのか、力が抜けたようになる星。
しかし、直ぐに気を取り直して続ける。


「姓は趙、名は雲、字は子龍、真名は星。先程の無礼を詫びると共に、この名貴殿に預けましょう」


彼女の瞳はまっすぐに、ランスに向かう。
真名を預けること、それは、彼女達大陸に住むものにとっては重要な儀式であったのだろう。
が、外の世界から来たこの男にとって、正直どうでも良いことだった。


「うむ、よろしくな、星ちゃん。さぁ、やろうっ!」


おざなりに返事を返したランスは、やはりセックスの事しか考えていないようだった。
そんなランスに対して、星は怪しい笑みをもって返答する。


「ふふっ。今はまだ私を預けるわけにはいきませんな。残念ながら、白蓮殿ほど軽くは無いのでね」

「むっ、まあ良いわ。白蓮ちゃんみたいに直ぐオレ様にメロメロにしてくれるわー」

「うむ、期待しておりますよ、ランス殿」


星の言葉を受け、ランスは、既に星を攻略した気になって高らかに笑っていた。







「そういえばでござるが、カオスは何で反応しないんでござるか?」


会話も大体終わり、そろそろ各自与えられた部屋に戻ろうかという頃、鈴女は一つの疑問を口にした。


「む、そういえば。おい、馬鹿剣っ!」


ランスも今更になって気付いたのか、カオスに声を掛ける。が、


「反応が無いでござるね」

「うむ、反応が無いな」


二人揃って首を傾げる。
近くで見ていた、星と白蓮も揃って首を傾げる。


「な…なぁ、星」

「……なんですかな、白蓮殿」

「何で、あの二人は剣に声を掛けているんだ?」

「さて、私にもさっぱり……」


改めて、首を傾げる二人。
そんな時、おっさんくさい、極めてだるそうかつやる気の無い声が聞こえてきた。


「………だる~」


魔剣カオス、その人……その剣の声であった。







「要約すると……」

「だる~、もういい?わしもう寝てもいいよね?」


カオスの言ったことをまとめるウルザちゃん。
まったくやる気の無いカオス。


「魔王の気配はおろか魔人の気配も感じないから、やる気が無い…と」

「そうそう。だからわし、と~てもやる気が出ないから、基本的に寝てるわ」


そう言って黙るカオス。
最初は、何事かと思って事態の推移を見守っていた星と白蓮は、『異世界には喋る剣もあるのだろう』という結論で落ち着いていた。


「うるさいやつが黙るなら、オレ様は文句無いのだー」


がははと、笑うランス。
カオス曰く、魔人やら魔王といった危険な奴らがいない。となれば、ランスにとってはカオスはただの剣であれば十分である。
ということで、ランスは五月蝿い奴がいなくなったと喜んだ。
他の面々も、所持者であるランスが気にしていないので、どうでもよくなったらしい。
こうしてカオスの件は、どうでも良いこととして処理されるのであった。










「なあ、星」

「なんですかな、白蓮殿」


ランス達を侍女に任せて客室に送った後、玉座には星と白蓮が残っていた。


「どうして、ランスにあれほど簡単に真名を呼ばせたんだ?」

「ふむ、そのことですか……」


白蓮はそのことがずっと気がかりだった。
ウルザやマリアなど、その他の人間は真名を預けるに値する人間だと、白蓮はそう思っている。
しかし、ランスについては別である。
彼には尊敬すべきところなど欠片も無いし、むしろ人間として最低のの種類なのではないか、そう思ったのだ。


「一つはいきなり切りかったお詫びということ。異世界から来た人間には、真名の重みが分からないだろうというのに、少し頭に血が上ってしまいましたのでね。
 二つはその仕合が楽しかったことに対するお礼。ランス殿は強い。白蓮殿の下に来て、あれ程の使い手と久しく仕合っていなかったのでね。
 そして三つ目ですが、これは白蓮殿も良く分かるのではありませんか?」

「えっ!?私っ!?」

「ええ。出なければ、貴女もランス殿に真名など呼ばせなかったでしょう?」

「うっ……、まぁ……」

「いくら命の恩人といっても、何の魅力も無ければ閨を共にしないでしょう。例え流されやすい白蓮殿であってもね」

「流されやすいって……」

「つまり、ランス殿には訳の分からない魅力があるのでしょう。私としてはそれをもうしばらく観察したいのですよ。
 ですので、本当はもうそろそろお暇を頂こうと思っていましたが、今しばらくこちらにお世話になることにします」

「そ、そうか。これからもよろしく頼むよ、星」

「ええ、白蓮殿。ですが私の『救国』という願い、これを叶える為に白蓮殿には器以上に働いてもらうことになると思いますので、頑張っていただきますよ」

「はぁ……相変わらずはっきり言うなぁ~。まぁ、頑張るよ…」


それでは、そう言って星は玉座の間を後にする。
一人残された白蓮は、新たに負わされた重圧に、一人潰されそうになっていた。









―――――――――――――

おしえて作者!のこーなー

Q・なんで星とランスがたたかってるの?

A・あついきょくききながらかいてたせいだとおもう
 さいしょはらぶこめにするよていだった


Q・なんでかおすのけんがこんなにてきとうなの?

A・きづいたらてきとうになってた。けっして、あわてていれたわけではないですよ?


Q・なんで、ぜんたいとしてぐだぐだなの?

A・さくしゃのじつりょくぶそくです、ほんとうに(ry



[6629] 第五巻  幕間その一
Name: あおたん◆15e52006 ID:08943f4e
Date: 2009/02/24 02:12
ランスが劇的(?)な出会いをはたして、気付けば一月が経過した。
盗賊などの出現が、加速度的に増え、また黄巾党という勢力が明確に形を持ち始めていた。

そしてこの一月、異世界に放り出されたランス達がどのような生活を送っていたのか、以下ダイジェストでご覧ください。





~マリアさんの場合~



『1週目』



白蓮さんに、スペースを貰って、工房を造ることの許可を貰った。
公孫家の職人さん達に聞いて回ったところ、この世界にはヒララ鉱石は無いらしい。
私が現在持っているチューリップの弾は少ない。
とすると、私もJAPANの時と同様、戦場に出る可能性がある以上、なにかしらの対策が必要になりそうだ。
とりあえず、この世界の技術を見せてもらうべく、職人さん達に会いに行こう。
そしてチューリップ(異世界版)を造らねば!

と思ってたら、ノックの音が聞こえてきた。


「マリアさん、よろしいですか?」

「は~い」


入ってきたのはウルザさん。その手には、木みたいな何か(後で聞いた話によると、竹というらしい)を持っている。


「マリアさん、お願いがあります。紙を作っていただけませんか?」

「紙……ですか?」


ウルザさん曰く、この世界に紙はあるものの、とても高価なものらしくなかなか使うことが出来ないらしい。
そして、代わりにその手に持っている竹簡というものを使っているらしいのだが、どうにも使いにくいらしい。
そこで、どうにか紙を量産出来ないかと私に頼みに来ているみたいだ。
とはいえ……


「あっ、あの……。私、専門は兵器とか機械関係なんですけど……」

「ええ、ですから紙を簡単に造れるようになる機械を開発していただきたいのです」


なんていうか、専門じゃないこと分かっていってるんだろうなぁって気がする。
だって、ウルザさん普通に物事を頼む時以上にすまなそうにしてるし。
う~ん……うん。なんとかやってみよう。いつもウルザさんにはお世話になってるし、紙を普及させることが白蓮さんへの恩返しにもなるだろうし。

そうして、私は紙の作成を引き受けることになった。





『2週目』


先週は紙を作る機械を造るのに忙しかった。
ほぼ丸々一週間費やしてしまい、他の事が出来なかった。あれかな、ついでに書くものも造ったのがいけなかったのかな?

まぁ、なんだかんだで一応それなりに量産できる機械を造ることが出来た。
ウルザさんなんかは喜んでくれたのだが、どうにもいまいちな気がする。
まだ改良する余地がありそうなので、暇を見つけて改良してみようと思う。

まぁ、一段落着いたのは確かだ。これでようやくチューリップの開発に……


「マリアマリア、よろしいでござるか?」

「キャー!!!!!」


急に後ろから声をかけられて、びっくりして大声を出してしまった。
振り返ると、そこには鈴女さん。
いくら忍者とは言え、人の部屋に忍び込むのはやめて欲しい。


「拙者、忍者部隊を作ろうと思っているのでござるが、その装備を作って欲しいのでござるよ」

「忍者の装備?手裏剣とかクナイとかそういうの?」

「そうでござる。これが、それらの詳細な情報でござる」


そう言って、鈴女さんは懐から紙を取り出す。
もうこんなところにまで紙が広まっているのかと思うと、少し誇らしい気分になる。
そして、紙を見てみると、数々の忍者道具が事細かに書かれていた。
何気に数が多い。それなりに時間が掛かりそうだ。


「では、そういうことでよろしくでござる!」

「えっ!ちょ……行っちゃった……」


声を掛ける間も無く、鈴女さんは消えてしまった。
頼られるのは嬉しいし、この世界の製鉄技術を習得するためだと思えば、まあやってもいいような気がする。

こうして私は、忍者道具の作成に取り掛かった。





『3週目』



紙の作成と同様、忍者道具の作成にも一週間かかってしまった。
今回は私のせいじゃない。鈴女さんから渡された紙のせいだ。
あの紙、ところどころに見たことも聞いたことも無い忍者道具が描かれていたのだ。
しかも、それほど細かく書かれているわけではなく、どう作ればいいのかよく分からないのだ。
その結果、用法などを考慮して、試行錯誤しながら作ることとなり、時間が掛かってしまった。
鈴女さんにその話をすると、どうも彼女の思いつきで書いてたものらしい。
作れたらラッキー程度に思っていた、そう聞いて私は脱力して怒ることも忘れた。

まぁ、なにはともあれ、これで急ぎの仕事は無くなった。
これでようやく……


「あ……あの………」

「はぁ………どうぞ~~~~」


なんでこうもタイミングが悪いのだろうか。
ようやくチューリップを作ろう!と思ったその時に、今度はアールコートちゃんがやってきた。


「あ……あの………」

「ん、何かな?アールコートちゃん?」


リーザスのリア様から、実地訓練と称して送られてきた彼女。
なんでも、戦術及び戦略の実力はピカイチらしいのだが、いかんせん気が弱く、実践ではその力全てを出し切れていないらしい。
そのため、ランスの情報収集も兼ねて、実践修行として送られて来た彼女。こんな事態になって可哀想だとは思うが、ランスと冒険を共にする以上諦めて欲しいものだ。

そんな彼女が、おずおずと紙を差し出してきた。
日々の合間に、徐々に改良を加えているだけあって、最近では紙の量産のみならず、質自体も向上している。ちょっと誇らしい。
まぁ、そんなことはおいておいて、私に紙を渡そうとしている彼女。
ああ、なんか嫌な予感がする……。
あ~、ちょ、そんな泣きそうな顔しないで。嫌じゃないから、嫌じゃないから……ね?


「えーっとなになに、『攻城及び防衛用兵器開発依頼』か。中身は……うわ~、凄いね~これ」


中身を覗いて、思わずうわ~とか言ってしまった。
中身は、この世界における城の性質と、それを破壊及び防衛するためにそれぞれ有効な兵器が、大まかに書いてあった。
『大まかに』である。細かい設定とかは、開発者にお任せというやつだ。
そして、白蓮さんの判子も押してある。つまり正式な依頼ということになる。


「あ……あの、お嫌だったらいいんです……。どうせ私の考えたものなんて、マリアさんから見れば駄目駄目でしょうし……」


凄く畏まってしまってるアールコートちゃん。
そんな彼女を見たら断れるわけもなく……。
まぁ、急ぎの仕事も無いしいいよね、と自分に言い訳しながら私は、兵器の開発を始めるのだった。






『4週目』


結論から言って、兵器の開発は成功した。
まず、度重なる開発のためか、職人さん達と仲良くなった。
そして、気付いたら崇め奉られていた。種子島の時みたいに。
そのためか、職人さん達は必死に働いてくれた。
私も興に乗って、時間を忘れて製作に勤しんだ。
気付いたら、一週間経過していた。
兵器の名前は『投石機』と『井闌(せいらん)』となった。
私としてはチューリップ~号と名づけたかったのだが、気付いたら職人さん達がそう呼んでいたので、そう命名した。
双方とも簡単に組み立てできるようになっており、井闌は城壁の上で組み立てることも出来るくらいのサイズだ。
さすがに投石機は城壁の上で組み立てることは出来ないが、城内からでも城外へ発射できるので問題無いだろう。
アールコートちゃんは、とても満足してくれたようで、嬉しそうだった。
だが、帰り際一人でぶつぶつ言いながら出て行ったのをみて、少し心配になった。
出来上がった兵器を見て、その使い方を考えていたのだろうが、独り言はあまり可愛くない。
今度、お菓子でも食べながら兵器について話し合おうと決めた。

職人さん達と仲良くなったことで、この世界の技術は大体習得することが出来た。
さっき種子島を思い出したが、この世界でなら種子島をベースにした方がいいチューリップを作れる気がする。
そう思い、おおよその見当が付いたところで











「マーリーアー!!アイスフレーム時代に作った、オレ様のハイパー兵器の形をしたあれを作ってくれ!」




扉を壊さんばかりに飛び込んできたランスから、新たな依頼を受ける。

私がチューリップの開発に専念できるのは、いつになるのだろうか……。



*チューリップ開発率……0%(ただし、必要な技術は大体習得した)







~ウルザさんの場合~


『1週目』




「なるほど、そういう考え方もあるんだな」


私は、白蓮さんと政務について話し合っていた。
みたところ、公孫家にはそれほど政務に精通した人材がおらず、白蓮さんが殆ど一人でまわしているような状態だった。
私にも政務の経験があったので、助言などの手助けをすると喜ばれた。
泊めていただいている恩義もあるし、しばらくは白蓮さんを助けて政務に勤しもうと思う。


あ……、マリアさんに頼んで紙を作ってもらわなきゃ。






『2週目』




「はい、ええそこはそのように。あ、いえ、そこはこのようにした方が……」


気付いたら、私の方にもかなりの量の政務が舞い込んでくるようになった。
その多くは、私が新たに提案したものなので、政務の量が増えたのは仕方ないと思う。
その分、きちんと成果が出始めてるものもあるので、一安心だ。
とはいえ、私が提案したもの以外にも多くの案件が私のところにやってくる。
私は手伝いなので、それ程多くの案件は受け持っていないはず。とすると、白蓮さんは今まで大変な量の政務をこなしていたことになる。
そんな白蓮さんを助ける為にも、私ももっと頑張って政務をこなそうと思う。





『3週目』


白蓮さんを助ける為に頑張って政務をこなしていると、更に多くの仕事が舞い込んでくるようになった。
市場の区画整理など、重要な案件も含まれているのは、白蓮さんに信頼された証だろう。
そう思うと、信頼に答える為にもっともっと頑張ろうという気持ちになった。


……そういえば、警備に関しての案件が回ってきていないのはなんでだろうか?






『4週目』


仕事がようやく落ち着いてきた。
今まで白蓮さん一人では回らずに、溜まりに溜まった分まで全て終わらせてしまうことが出来た。
今では、私のところに来る案件は、概ね午前中でかたが付いてしまうようになった。
そこで私は、白蓮さんの手伝いをしようと、彼女の執務室を訪ねてみた。


「あ~、どうぞ~~~~」


とてもハードなスケジュールで執務をこなしていたのだろう。
白蓮さんの声には生気が感じられなかった。
そして私は彼女の机を見て驚いた。仕事が無いのだ。
もう終わったのだろう、そう思って声を掛けると、思ってもいない返事が返ってきた。


「ウルザは凄いな~。私が一日をかけても終わらなかった量を、午前中で終わらしてしまうなんて。
 おかげで、私の仕事は簡単な警備に関する案件だけさ……はは……はぁ~……」




私は、彼女の仕事の殆どをこなしていたことを、この時初めて知ったのだった。





――――――――
他の人は次回に続く。



知ってたかい?
ウルザって戦国の時点で個人Lv50なんだぜ?
しかも、軍師補正で弱くなってるのに、それを修正するためか、攻撃力が通常の軍師の1.5倍に設定されてるらしいぜ……。



[6629] 第六巻  幕間その二
Name: あおたん◆15e52006 ID:08943f4e
Date: 2009/02/28 23:31
~鈴女さんの場合~


『1週目』



白蓮と色々話をしてみたところ、この国には『忍者』のような概念は無いらしいでござる。
市井に紛れて情報を集める『草』のような存在はいるようでござるが、『忍者』のように闇から闇に情報を集める存在はいないようでござる。
そこで、拙者が『忍者』を組織することになったでござる。
なんでも、今後JAPANのような戦乱の時代が来るかもしれないということらしいでござる。

ということで、拙者は今、忍者の素質がありそうな人材を探しているのでござるが……


「なかなかいないでござるなぁ……」


忍者は職業として特殊であるゆえ、中々見合った人間が見つからないのでござる。
拙者式の忍者候補捜索方法は


「………ポイッとな」

シュッ(←クナイが飛ぶ音)

サクッ(←クナイが刺さる音)

「いっでえええええええええええええ!!」

「はぁ、また駄目でござったか……」


忍者には、機器探知能力が必須であるゆえ、
いきなり飛んで来るクナイを避けられるかどうかを判断したり


「………(じー)」←物陰からメッさ見てる

「ん……?」

「どうした、いきなり後ろを振り返ったりして?」

「いや、なんか見られてる気がして……」

「(今気付いた人は使えそうでござるねぇ……)」


物陰から、こっそり覗いてる拙者に気付くかどうか(もちろん、気配はそれなりに出してるでござるよ?)などでござる。
拙者のやり方があってるかどうかとかは、正直よく分からないでござるが、きっと大丈夫な気がするでござる。





『2週目』


とりあえず一週間人集めをしてみたところ、50人程めぼしが付いたでござる。
で、今その人達を集めたところなのでござるが、どうにも感触が悪いでござる。
まぁ、いきなり『忍者になろう!』とか言われても、そもそも忍者が分からないから反応のしようが無いのも当然でござるか。

という訳で、少しデモンストレーションをやろうと思うでござる。

 分 身 の 術 


『忍者になるとこんなことも出来るでござる』×いっぱい


え~と、他には……

 隠 れ 身 の 術


『こういう風に一瞬にして隠れるようになれるでござる』×いっぱい(全員隠れて)


さて、何人かは凄くびっくりしてくれたでござるが……、どれくらい忍者になってくれるでござるかねぇ……


あそうだ、マリアに忍者道具作ってもらわないといけないでござるなぁ……





『3週目』


「まずは形から入るでござるよ」

「「分かったでござるっ!」」


先週の人集めの結果、20人も残ったので、今週から訓練開始でござる。
人に教えたことはないでござるが、拙者JAPAN一のくのいち故、なんとかなるでござろう。
とりあえずは、忍者っぽくみえるように、言葉から教えていく予定でござる。

マリアに頼んでいた忍者道具が届いたでござる。なんか予定外のものが色々あるので、後でちゃんと確認してみるでござる





『4週目』



毎日毎日、みんな真面目に訓練してるでござる。
ひたすら、正規兵の数倍きついメニューをこなしてるのは、国への愛か、はたまた忍者への憧れかわからないでござがるが。

それでもやっぱり訓練が厳しすぎたのか、何人か見るからに脱落しそうな人達がいたので、どうしようか考えたでござる。
そして、マリアに頼んでいた忍者道具の確認をしている時に、ピンと来たでござる。


「熱き魂、正義の味方!ニンレンジャーレッド!」

「青き炎は静かに燃える!ニンレンジャーブルー!」

「淡き光は、アナタを癒す!ニンレンジャーピンク!」

「大地の色が、アナタを包む!ニンレンジャーグリーン!」

「黄色い色は、食欲の色……ニンレンジャーイエロー……」

『5人揃って、忍者戦隊ニンレンジャー!』×4
「なんで俺だけ食欲とか、わけわかんねえよ……」


伊賀のじーちゃん達をぱくって、格好いい仮面かぶせてみたでござる。
結果はご覧の通り。まぁ、一人あれなのはしょうがないでござる。まともなのが考えられなかったのでござるよ。
ちなみに、拙者は司令官的な立ち位置のブラックでござるよ?

こうして、拙者達は、下忍程度の実力とはいえ、忍者の部隊を作ることに成功したのでござる。
今度マリアに、全員分のニンレンジャーマスクと衣装を作ってもらうことにしようと思うでござるよ。





~アールコートさんの場合~


『1週目』


あ、あの……。私は正直何をすればいいのか分かりません。
政務はウルザさんがやってますし、訓練は星さんが行っています。
マリアさんや、鈴女さんのお手伝いは出来ませんし……。
ランスさんは、そもそも見つかりません。忙しいのでしょうか?



私、何をすればいいのでしょう……?




『2週目』



「ふふふ、参りましたよ、アールコート殿。まさかあそこから逆転されるとは」

「え、えと……。その、勝っちゃってすいません……」

「何をおっしゃる。私もまだまだだということが分かりました故。いい勉強になりました」


気付いたら、星さんと将棋なるものをしてました。
私達の世界に会った、軍棋と似たような感じの遊びでした。
こ、こういうのだったらそれなりに頑張れるんだけどな……。


「そうだ、アールコート殿、貴殿は将軍職であると聞きました。宜しければ、兵の調練を手伝っていただけませんかな?」

「え……あの、その……。わ、私には……無理……です」

「何をおっしゃる。この趙子龍、将棋にはいささか自信がありました。しかし貴女はその私を破ったのだ。
 貴女に無理であるならが、私には不可能ということになってしまうではありませんか」

「えと……あの、私……」

「自信を持たれよ、アールコート殿。貴女には、素晴らしい力がある。宜しければその力、我々に貸していただけませんか?」


星さんは、真剣な表情でした。どうにも、本気で私なんかの力を信じてくれているみたいです。
人に認められるのはちょっと嬉しいです。今度、星さんのお仕事を手伝ってみようと思います。





『3週目』


星さんのお手伝いをして、兵の調練をしました。
兵隊さんたちは、最初は怖かったです。なんか、男の人って感じが怖かったです。
でも、私の指示をちゃんと聞いてくれました。いい人ばかりだったと思います。
調練自体も、星さんに褒められました。
それで、お礼として一緒にお酒を飲みました。
初めてだったので、ドキドキしながら飲みました。
凄く、大人の味がしました。私には、ちょっと早いのかも知れません。
星さんとは、お酒を飲みながら沢山お話をしました。
この世界での、戦の方法などを色々教えてもらいました。
そこで、いくつか気になった点があったので質問してみました。
星さんが真剣に考えて、答えてくれたので嬉しかったです。
特に、私が考えた攻城兵器を褒めてくれたのが嬉しかったです。太鼓判も押してもらいました。

私にも出来ることはあるようです。
皆さんのお役に立てるように、もっと頑張ろうと思います。
まずは、星さんにも褒めてもらった攻城兵器について、マリアさんに提案してみようと思います。
マリアさんは優しいので、あんまり怖くないけど緊張します。
でも、頑張りたいと思います。




『4週目』


マリアさんに頼んだ、攻城兵器が完成しました。
マリアさんに頼む時はやっぱり緊張したけど、頑張ってよかったです。完成した物を見ると、そう思います。
それと、マリアさんにお茶会に誘ってもらえました。
ご褒美なのかな?頑張ってよかったと思います。

最近、私でも役に立てることがある、ということを信じられるようになりました。
ここの人達が優しいから、というのが強いかもしれません。
でも、みなさんの信頼に答えられるように、少しずつ頑張ってみようと思います。



――――――――――
もう一回続くらしい
PS・星が原作でやってたのって、将棋だよな、囲碁じゃないよな……?



[6629] 第七巻  幕間その三
Name: あおたん◆15e52006 ID:08943f4e
Date: 2009/03/04 02:13
~星さんの場合~


『1週目』


「そこっ!遅いぞっ!」

「「はいっ!」」


現在、兵の調練をしている。
正規兵だけあって、指示にはきちんとしたがってくれている。
その分、こちらも考え事をする時間が出来るので、つい考えてしまうのだ。
ランスと名乗った異人のこと、そして彼と一緒に現れた異人達のことを。
彼らは、この世界とは別の世界からやってきたといっていた。
そして、丁度良くとでも言おうか、『天の御使いが現れる』という予言がこの国中に流れていた。
とすると、彼らが予言にあった天の御使いと考えるのが妥当なように思えるが……


「天の御使いというには、いささか品位が足りませんな……」


あのランスという男、どうにも品位が足り無い。
それに、この大陸を救おうという、崇高な使命を抱くようにも思えない。
であるので、本来であれば、私にとっては気にする必要の無い男のはずなのだが……。

あの男には、それを補って余りある、不思議な魅力があるように感じられる。
白蓮殿が閨を共にしたのも、その不思議な魅力のせいだろうし、彼の周りにあれだけ魅力的な女性達がいるのもそのせいだろう。
かく言う私も、彼の魅力に惹かれたのか、しばらく彼と行動を共にしてみたいと思っている。


「結局、何者なのでしょうな……」


結局結論は出せず、私は訓練に意識を集中させることにした。




『2週目』


ウルザ殿に、アールコート殿が将軍職であると伺ったので、その実力を見てみたくなったので将棋の相手をお願いしたのだが……。


「ふふふ、参りましたよ、アールコート殿。まさかあそこから逆転されるとは」

「え、えと……。その、勝っちゃってすいません……」

「何をおっしゃる。私もまだまだだということが分かりました故。いい勉強になりました」


将棋は初めてと言っていたが、こうも見事にやられるとは思わなかった。
彼女ならば、私の代わりに調練を任せられるかもしれない。


「そうだ、アールコート殿、貴殿は将軍職であると聞きました。宜しければ、兵の調練を手伝っていただけませんかな?」

「え……あの、その……。わ、私には……無理……です」

「何をおっしゃる。この趙子龍、将棋にはいささか自信がありました。しかし貴女はその私を破ったのだ。
 貴女に無理であるならが、私には不可能ということになってしまうではありませんか」

「えと……あの、私……」

「自信を持たれよ、アールコート殿。貴女には、素晴らしい力がある。宜しければその力、我々に貸していただけませんか?」


普段の彼女は、自分に自信が無いように思える。
しかし、今私に返事をした彼女の瞳は、今までと違う色をしているように思える。
今回の勝利と、今後の兵の調練で少しは自信がつけていただけると良いのだが。




『3週目』


先週、アールコート殿に兵の調練を手伝っていただいたが、これがなかなかにいい感じだった。
アールコート殿は最初は緊張していたようだが、時が経つにつれて、慣れてきたのか最初の緊張が無くなっていったように思える。
最後には、私の話を聞いて攻城兵器の提案をされていた。
今回の件で、彼女に少し自信が付いたように見えたので、よかったと思う。
後、今後は彼女に調練を任せる機会を増やそう。そうすれば、私が別のことをする時間が増えるというもの。
とりあえず、気分がいいので秘蔵のメンマで酒でも飲もうと思う。



『4週目』


今週は、アールコート殿と調練を分けて行っているので、いくらか時間が出来ている。
おかげで、町に繰り出すことが出来たのだが……


「ランス殿、何をしておられるのか……」


ランス殿が、婦女子を相手に好き勝手やっているのを発見してしまった。
貴方が自由人であるのは知っているが、さすがにこれを見逃すわけにはいかない。
少し懲らしめるべきであろう。
そこで私は、変身することにする……


「華蝶仮面推参!」


とりあえず懲らしめておいた。
何故か、私の変装であると見抜いていたようにも見えた。
こんな完璧な変装なのに、何故ばれたのだろうか……。





~白蓮さんの場合~


『1週目』


ランスと閨を共にしたあの日から……。
私は、何回もランスと閨を共にしている。
ランスの性欲は凄まじいもので、毎回何回も何回もやるものだから、少々疲れ気味だ。

彼にとって私は、数多くの女性のうちの一人に過ぎないのだろう。
彼の愛が、私一人に向けられているわけではないのは分かっているし、愛など無いのかもしれないと思うこともある。

でも……それでも……
生来、自分自身の必要性を感じない私にとって、人に必要とされるのは嬉しいものだ。
私は何でも出来る代わりに、何も出来ない。
器用貧乏と言い換える事もできるだろう。
それゆえ、私には常に代わりがいた。何をするにしても、私である必要が無かった。
そんな私を、ランスは必要としてくれた。
もちろん、これが私の勘違いである可能性もある。
ランスに必要なのは、私ではなく、女性であると考えることもできる。
でも、私はこう思いたいのだ。
ランスが必要としてくれているのは、白蓮という女性である……と。

まあ、それはともかく、最近はランスと閨を共にすることが多かった。
とすれば、多くの時間をそこにとられるわけで、必然政務の手が止まる。
今まで、ただでさえ手一杯だった政務が、滞ってきているのである。
さすがにこれはまずい。
でも、私一人の力ではどうにもならない。

そう思って悩んでいると、ウルザが声を掛けて来た。
曰く、疲れているように見えるが大丈夫か?ということらしい。
疲れている理由を正直に話すのは恥ずかしいので、適当に政務のせいだと答えておくと、彼女は手伝うと言ってきた。
彼女曰く、彼女は国政をになう立場の人材らしい。
そんな人物が何故旅を、とも思ったが、彼女が嘘をつくような人間には思えないので、本当のことなんだろう。

そこまで考えた時、自然と、彼女に手助けを求めている自分がいた。
どうも、自分が思ってた以上に疲れが溜まっていたのかもしれない。
そして私は、彼女にいくつか仕事の手伝いを任せることにしたのだった。




『2週目』


ランスと閨を共にする頻度は、先週に比べると減った。
少し寂しいものもあるが、そのおかげで、政務にもある程度手を回せるようになった。
また、ウルザは予想以上に優秀で、次々と新しい政策を出すとともに、次々と政務を進めていった。
周りの文官たちも、彼女を認め、また尊敬の眼差しで見ているものすら出ているようだ。
私自身の処理する政務の量も少しずつ減ってきている気がする。

優秀な人材っていいなぁ、などと思いながら、私は今日も政務をこなす。






『3週目』


目に見えて、私のところに回ってくる政務が減ってきた。
特に、細々した指示が必要な重要な案件が減っている気がする。
私の手元に来るのは、殆どが警備など、単純な案件になってきていた。
ウルザに触発され、文官たちが頑張って働いてくれたからかな、そんな風に思った。

私の予想通りなら、もう少しで溜め込んでいた案件まで全て片付くはずである。
頑張れ私。





『4週目』


どうにも、嫌なことを耳にしてしまった。
元来、私が処理していた案件の殆どは、ウルザのところに回っているらしいということだ。
文官達の会話を小耳に挟んだのだが、曰く、ウルザ様のところに持っていった方が早く片付くからだとか。
だから、私の方には簡単な案件しか来ていないのか、そう思うと、ちょっと悲しかった。

そんなことを考えていると、ウルザが私の部屋にやってきた。
彼女曰く、政務が午前中で終わってしまったので、私の手伝いに来たのだとか。

優秀って妬ましい、そんなことを思ってしまう私自身に、少し嫌悪感を抱きながら、
私は、ゆる~く返事を返すのだった。








~ランス君の場合~


『1週目』


星ちゃんに声を掛けても、中々相手にされないので、最近は白蓮ちゃんとよくセックスしている。
彼女はなんというか、相手してやるだけで喜んでるようなので、オレ様としても悪い気はしないのだ。
もっともっと可愛がってやるから、覚悟しておけよ?





『2週目』


白蓮ちゃんにもちょっと飽きてきたので、白蓮ちゃんの所に行く回数がちょっと減ってきた。
とりあえず、マリアやら鈴女やらウルザちゃんやらもローテーションに加えて、可愛がってやるとするか。




『3週目』


公孫家で生活をしているうちに、ちょっとずつ侍女やらと仲良くなってきた。
この世界に可愛い子が多いというオレ様の勘は正解だったらしく、侍女も可愛い子ちゃんばかりだ。
ということで、そろそろ手を出そうと、エロイ事……、例えばお尻を撫でてみたり、抱きついてし始めたのだが、
中々どうして感触がよろしくない。
どうにも、オレ様が別の世界から来たということで、恐れ多いという感じらしい。
とすると、ちょっと強引に……とも思ったのだが、そんなことをやろうものならウルザちゃんがいつも以上に怒ってくる。
これじゃあなかなか手を出せない。まぁ、徐々にオレ様に惚れさせていくとしよう。




『4週目』


城の中だけだとつまらんので、最近は街に出るようになったのだが、やっぱり街中にもかわいこちゃんが一杯いる。
ので、ついたまらなくなっていただいてしまおうと思ったのだが、星が邪魔してきやがった。
オレ様の楽しみを邪魔するとは、必ずお仕置きをしてやるからな!がはははは!!

そういや、なんであんな変な仮面を被ってたんだ?



―――――――――
次回ようやく、本編に移るらしい。



[6629] 人物紹介的な何か ver1
Name: あおたん◆15e52006 ID:08943f4e
Date: 2009/03/04 02:15
能力紹介(KOEIの三国志風味)

能力値自体は割と適当です
今後、作者が彼等の行動を決めるための指標程度のものだと思っていただければ

・ランス

統率 83
武力 95
知力 30(エロに関する場合100)
政治 15

いわずと知れた主人公。
最近は大分丸くなった(らしい)



・ウルザ

統率 90
武力 85
知力 77
政治 95

ランス6に出てきたヒロイン
なにこのチートって感じに、能力が高い


・鈴女

統率 62
武力 82
知力 43
政務 23

戦国ランスの準ヒロイン
マニアックな好みなので、ランスのことがらぶらぶらしい?
忍者+面白いこと好き なので、今後最も動く可能性があるキャラ


・マリア

統率 73(研究なりなんなりで、自分の部下を持つことが多かったため、気付いたら高くなっていた。)
武力 23(チューリップが開発されると、大幅に上がる)
知力 67
政務 83

最近はランスのことが好き、ということを隠さなくなったマリアさん
泣かされるのはいつも女だという言葉を体現しているといっても過言ではない
史実では堅城を作った公孫家の職人と共に、チートな兵器などを開発してくれる気がする


・アールコート

統率 50
武力 62
知力 75
政務 55
開放 1/3(星のおかげで、ちょっとだけ自信が付いた)

出展は鬼畜王ランス
孔明にも劣らないであろう知力の持ち主であるが、自分に自信が持てていないため、その実力を発揮しきれていない。
ちなみに、ランス君には未だ抱かれていません


・白蓮 (姓・公孫  名・賛  字・伯珪  真名・白蓮)

統率 70
武力 75
知力 60
政務 60

なんとも影の薄い太守
能力値的にも、それ程特徴が無い
無印恋姫では、殆ど活躍せず、歴史の闇に消えていった。
そんな彼女が、ランス君のおかげで一皮向けたか!?
今後に期待である


・星 (姓・趙  名・雲  字・子龍  真名・星)

統率 93
武力 97
知力 72
政務 70

言わずと知れた三国時代のチート
総合能力では、曹操、張遼等と同じくらい高いのではなかろうか。
ランス君の不思議な魅力に引かれ、公孫家にいついている。
ランス君に抱かれるのは、いつになることやら……



[6629] 第八巻
Name: あおたん◆15e52006 ID:08943f4e
Date: 2009/03/08 15:30
「桃香!ひっさしぶりだなー!」

「白蓮ちゃん、きゃー!久しぶりだねー♪」


白蓮ちゃんに呼ばれて玉座の間に来てみれば、見たこと無い女の子が3人と男が1人。
女のこのうち一人は白蓮ちゃんと知り合いみたいで、仲良く話しをしている。

その仲良く話をしている女の子、白蓮ちゃんは桃香と呼んでいたが、
これは凄い。
なんというおっぱい。
サイズ的には毛利三姉妹のきくちゃん位あるか?
いや、もしかしたらゼスでいただいたあのおっぱいがひたすら大きい子並にあるかもしれん!
ああ、なんか動く度に揺れてる……。
お尻の方もぷりっぷりだし、辛抱たまらん。
必ずいただくことにしよう。

二人目は黒髪で長いポニーテールの子。
おっぱいは桃香ちゃんほどではないにせよ、それなりに大きいし形もよさそうだ。
だがそれ以上に惹かれるのは、そのプロポーション。
体全体がすらっと引き締まっていて、桃香ちゃんとは違う意味で物凄く魅力的だ。
まぁ、目つきが若干厳しいところがある気がするが、問題なかろう。
あれだな、オレ様の直感によるとウルザちゃんにタイプが似てる気がする。
今すぐにでもやりたいが、桃香ちゃんよりは若干ガードが固めな気がするな。
時間をかけて、じっくりオレ様に惚れさせてやろう、がはははは!!


もう一人、ちびっ子がいるが、オレ様はがきんちょには興味無いのでパスだパス。

それよりも、問題なのは男の方だ。
見るからに冴えない男だし、英雄たるオレ様と比べると見劣りすることは間違いないのだが、
何故かオレ様の勘が『やつは危険だっ!!!』と告げている。
桃香ちゃん達と一緒に来たことを考慮すると、下手したら奴に桃香ちゃん達を取られてしまうかもしれん。
そんなことは許せん!!
奴のへたれっぷりを見せて幻滅させるか、場合によっては事故に見せかけて殺そう、そうしよううん。

とりあえずこんなところか。
こんなところにわざわざ来るくらいだ、どうせ少なく見積もっても数日位は逗留するだろう。
それを無理矢理延ばさせて、ゆっくりとオレ様が落としてくれるわ!!


「ねぇねぇ、白蓮ちゃん」

「ん、なんだ桃香?」

「あの人、誰?さっきからすっごく見られてる気がするんだけど……」

「あの人って……ああ、ランスのことか」

「らんす?珍しい名前だね。服装も珍しいし、もしかして異国の人?」

「異国というか、そちらの北郷殿と同じく、異世界からだよ」

「えっ!?本当にっ!!??」

「本当に。そういう意味では、ランスも天の御使いかもしれないな」

「でもでも、ご主人様も天の御使いなんだからね!?」

「分かってるって、桃香。どっちが偽者とか言うつもりはないから。むしろ、性格的にはこっちが偽者としか思えないし」

「ん、どうゆうこと?」

「あはは、なんでもないさ。とりあえず紹介するよ、おーいランスー」

「ん、呼んだか?」

「あの、えーと、私、姓は劉、名は備、字は玄徳です。よろしくお願いします」

「おう、オレ様は英雄のランス様だ」

「ランス、桃香達はしばらくうちで預かることになったんだ。……くれぐれも無茶はしないでくれよ?」

「おう、オレ様も無理矢理は好みじゃないからな」

「……私のときは無理矢理だったくせに」

「なにをいう、あれは双方合意の上ではないか。がはははは」

「えっと……、なんのお話をしてるのかな?」

「セックスの話だ。こっち風に言うと同衾とか閨を共にするとか」

「っ……」

「玄徳ちゃんもオレ様に抱かれたくなったらいつでも来るといいぞ。オレ様の愛は無限大だからな、がはははは!
 そういえば、そっちのかわいこちゃん、名前は?」


黒髪ぽにーのかわいこちゃんに会話を振ってみる。
なんか顔を赤くしてるみたいだ。
この反応、処女だな(ニヤリ


「わっ、私は、姓は関、名は羽、字は雲長だっ!」

「ふむ、雲長ちゃんもオレ様に抱かれたくなったらいつでもくるんだぞ?」

「ぶっ、無礼なっ!私が貴様なんぞに……」


とか雲長ちゃんがぶつぶつ言っていると、その傍らにいたちびっ子が話しかけてきた。


「ねぇ、鈴々には?鈴々は誘わないのか?」

「おこちゃまには興味が無いわ。これは大人の会話なのだー」

「うー、鈴々は子供じゃないのだ!」

「ふむ……その身体でおこちゃまじゃないというのは無理だな。オレ様に相手して欲しかったらもっと成長するのだな、がはははは!」


その後、がきんちょが色々言ってきたがオレ様は特に気に留めなかった。
そして、男(北郷一刀というらしい)の紹介があった。
玄徳ちゃんや、雲長ちゃんにご主人様と呼ばせてるのを聞いて、オレ様の勘が正しいことが分かった。
星ちゃんも、奴に少しばかり興味があるそぶりを見せていた。
奴は危険だ。奴をどうにかするにせよ、玄徳ちゃん達を落とすにせよ、急いだ方がいいかもしれん。

その後、ウルザちゃん達の自己紹介も終わり、とりあえず今後の方針を決めることに。
とはいっても、簡単に言ってしまえば玄徳ちゃん達が加わって盗賊退治なんかをするってだけだ。
まあ、これから直ぐに討伐に出かけると聞いたときは驚いたが、オレ様は英雄だしな、問題ない。
後、みんなが平和に暮らせる国云々言っていたが、そんなことオレ様にはどうでもいいのでスルーだ。
とりあえず、オレ様にとってはいかに玄徳ちゃん達を落とかが重要だ。夜にでも鈴女と相談することにしよう。











「公孫の勇者達よっ!その武名を天下に響かせろっ!!!」

「おおおおおおおぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!」


出陣の時間になり、白蓮ちゃんが兵士を奮い立たせている。
玄徳ちゃん達は左翼、オレ様と星ちゃんが中央、
ウルザちゃんとアールコートちゃんが右翼、白蓮ちゃんは後方で全体の指揮をになうことになった。
また、マリアは留守番。鈴女の部隊は調練が終わりきっていないので、これもまたお留守番となった。
まあ、鈴女本人はオレ様の横にいるが。


「ランスランスー、今回は何かやるでござるか?」


鈴女が声を掛けてくる。
何かとは、もちろん桃香ちゃん達を落とす為に一芝居打つかどうかということだ。


「いや、今回は様子見だ。鈴女、戦闘中の桃香ちゃん達の様子を調べておいてくれ。
 ちなみに、野郎はどさくさに紛れて殺してもいいぞ」

「相変わらず鬼畜でござるね~」

「ふんっ、野郎なんぞいらん」


オレ様に必要なのはかわいこちゃんだけだからな。
北郷一刀などという危険な存在は早いうちに消すに限る。


「これはランス殿、なかなか物騒な話をしておりますな」

「む、星ちゃんではないか。なんだ、オレ様に抱かれに来たのか?」

「なに、これから共に出陣する相手の顔を見に来ただけですよ」

「安心しろ、オレ様は英雄だからな。たかだか盗賊ごとき屁でもないのだ」

「ふふふ、期待してますよ、ランス殿」



そうこうしてるうちに出陣。
相手は黄巾党とかいう盗賊が数千程度。
作戦としても真正面から叩き潰すだけらしいので、まったく問題が無い。
そんなこと考えてるうちに、敵が見えてきた。


「みんな、頼むぞっ!」


白蓮ちゃんが声を掛ける。


「帰ってきたらお疲れ様の一発なのだ~」

「ばっ……馬鹿……」


恥ずかしいのか真っ赤になって答える白蓮ちゃん。
うむ、それだけでヤル気が出るというものだ。
もちろんいろんな意味で。


「うし、じゃあ行くとするか。星ちゃん、遅れるなよ?」

「ふふ、誰に物をいっているのですか。この趙子龍、盗賊ごときに遅れは取りませんよ」

「いい返事だ。行くぜっ!!!」

「ええっ!!」


駆け出すオレ様と星ちゃん。
こうして、オレ様の盗賊討伐戦が始まった。


――――――

だれか、俺に力(書く力とか気力とか色々)ください
自分の力不足にへこむ('A`)



[6629] 外伝 俺の時代ktkr!そう思ってた時期が僕にもありました
Name: あおたん◆15e52006 ID:08943f4e
Date: 2009/03/11 23:56
*一発ネタです
*本編の北郷は普通の北郷です。
*一回妄想はじめたら、本編が考えられなくなったんで、とりあえず筆に起こしました。
 これで本編を考えられるZE!









はじめまして、おはこんばんちは。

俺の名前は北郷一刀。聖フランチェスカに通う2年生さ!


気付いたら荒野の真ん中だった。

俺は思ったんだ……







俺の時代ktkr!!!!!!11111













はい、改めましてこんにちは。
北郷一刀です。
聖フランチェスカに通う2年生です。
部活は剣道部してます。


そして、オタクです。


いきなり異世界跳びました。
厨二?大好物ですがなにか?





すまん、順を追って話そう。
オタクと言っても、俺は引き篭りとかじゃない。
学校も行くし、普通の友達とも遊ぶ。
部活も、ちゃんと剣道部通ってるしな。

そんな俺ですが、オタクです。
そして、エロゲオタです。エロゲオタなんです。大事なことなので二回言いました。
大好物はランスとマブラヴオルタです。
この二つに関することなら、一晩中語れる自信があります。
誰か、一晩語らない?周りに語れる人いないんだよね…。


閑話休題


まあ、今までの感じで大体人となりは分かってもらえたと思う。
わかんなかったらまああれだ、諦めてくれ。
そんな僕ですが、悪い奴と戦って異世界に飛ばされましたっ!
あれなんだよね、俺さ、SFとか信じちゃうたちで。
まあ、信じたいだけなのかもしれんが。
だからさ、毎日警備と称して見回りしてたのよ、木刀持って。

もちろん何回か警備員さんのお世話になりましたがなにか?

だってしょうがないじゃないか!
夜の学校といえば、イベントの宝庫!
可愛いヒロインとお近づきになるチャンスがあるかもしれないと思うと!!!!!
ちなみに、剣道もそのためだけに覚えました。

まあ、そんな感じでいつも通り見回りしてました。
そしたら、なんか知らないが鏡を盗み出してる少年と遭遇しました。
その時思ったね、俺の時代ktkrって。
これを退治すれば俺学園のヒーローじゃね?と思って勝負しました。

正直甘かったです。
チョー強かったです。
何故か蹴りが光ってました。
この世界にも、気とかちゃんとあるとわかってよかったっちゃあ良かったんですが。

必死に戦った結果、鏡割っちゃいました(テヘ
光に包まれました。
気付いたら荒野の真ん中にいました。






俺の時代ktkr!!!





そして俺は考えました。
これ異世界物かな?それとも過去へ飛ばされたのか?俺の能力どうなってんだろ等々。
動いてみた感じ、俺の身体能力は変わってないっぽかったです。
特殊能力は知りません。きっと、何かのイベントで覚醒するものだと信じてます。


そんなこと考えながら途方にくれてると、向こうの方から人らしき何かが近づいてきました。
顔が不細工な上、言葉遣いが三下なので、すぐにわかりました。
こいつらやられ役だって。
ということで、適当に挑発して戦ってみました。
俺の力でも楽勝だろpgrって感じで。

刃物怖かったです。
それなりに剣道やってたはずなんですが、倒せませんでした。
正直、俺に弱体化補正入ってるんじゃね?とかも思いました。

そんなこと考えながら戦っていると(逃げ回っていると)綺麗な女の子が助けてくれました。
名前を聞くと、かの有名な三国志の武将と同姓同名です。
過去改変の異世界物でした。本当にありがとうございました。
KOE○の三国志シリーズやら信長シリーズやら、シミュレーション系はやりつくしてる俺です。
時代を聞いて、今後の展開を思い浮かべました。
桃香ちゃんのおっぱいが大きすぎて、何も考えられませんでした。
俺自重wwwwww俺自重しろwwwwwwww


気をとり直して、とりあえず空気を読んで天の御使いとやらになりました。
ご主人様って3人に呼ばれるようになりました。
俺の時代来過ぎです。ハーレムマンセー。
今から、頑張って一級フラグ建築士になろうと思いました。


んで、俺の記憶やらなんやらを辿りつつ、公孫賛のところに行くことにしました。
あ、色々知識人ぶったんで、彼女達の評価はうなぎのぼりですよ?
はやく桃香ちゃんのおっぱいを……ハァハァ



で、ですよ、公孫賛の所にようやく着いたんですよ。
色々と欲望にまみれた未来を妄想しながら。

そしたらですね、なんかいました。


よくみたら、ランスでした。







うおおおおおおおおおおおおおおおおおお
ランスktkr!!!!!!!1111
すげーテンションあがりましたよ。
もしかしここ、ランスの世界?でも……みたいな感じで色々頭が回転しました。






とかしてたら、ランスが凄い怖い目でこっち見てます。
でね、重要なことに気付いちゃったんですよ。


ランスがいる→女の子取られる→俺いらない子


あれ、もしかして俺\(^o^)/オワタ?
下手したら殺されます、本当にありがとうございました。


本当に、これからどうしよう……orz









―――――――――
感想は全て目を通させていただいております。
本当に力になります。
今後もちまちま更新していきますので、今後ともよろしくお願いいたします



[6629] 第九巻
Name: あおたん◆15e52006 ID:08943f4e
Date: 2009/03/18 00:36
「ふんっ」

「ぎゃー」


最後まで残っていたカスを殺すと、辺りには盗賊どもの死体のみが残った。
正直楽すぎる。
この世界に魔法は無いらしい。
とすると、最強の剣士たるオレ様に雑魚が適うはずが無いというのも分かる。

分かるのだが……

正直、もう少し位頑張って欲しかったものだ。
せめて、桃香ちゃんや星ちゃん辺りが危険になる程度には。
でないと、『英雄たるオレ様が格好よく助ける』という王道的展開に出来ないからだ。


今回の戦闘で得たことといえば、

①オレ様が強いという評判がたつ(これは後で鈴女に評判を流させるので間違い無い)

②星ちゃんの前で、オレ様の勇姿を見せることが出来た(危険を助けた訳ではないが、それなりの効果はあるだろう……多分)


こんなもんだ。
正直物足りないが、仕方あるまい。
この鬱憤は、帰ってから白蓮ちゃんにぶつけることにしよう。
今夜は寝かさないからな、がはははは!!!

ちなみに後で聞いた話だが、北郷は劉備ちゃんにくっついていたらしく、殺すに殺せなかったようだ。
ちっ、悪運の強いやつめ。





その後
オレ様達は、付近の盗賊どもを倒しまくっていた。
村を襲ってる盗賊どもを殺し、町を襲っている盗賊どもを殺し、商人を襲っている盗賊どもを殺し。
まあ、もちろん相当の対価として女の子を頂いたりもしたがな、がはははは!


そんなことをしていると、当然オレ様も愚民どもから評価されるわけで。

曰く

『天からの英雄、ランス様!』

曰く

『超絶美形の英雄、ランス様!』

曰く

『世界最強の英雄、ランス様!』


最近では、こんな評価がオレ様の評価になっている。
まあ、もちろん鈴女他忍者を用いて浸透させたものだ。

そのおかげで、街を歩けば食い物を貰えるわ、
かわいこちゃんに声を掛ければ簡単にいただけるわでうはうはなのだ。

劉備ちゃんや関羽ちゃんも早くいただいてしまいたいのだが、
彼女達は彼女達でそれなりに功績を挙げてしまっているため、オレ様の評判の効きが今ひとつなので、中々手を出す段階にいたらない。
とはいえ、最近オレ様を見る目が変わってきている。
あれはあれだな、オレ様に徐々に惹かれてきている目だ。
特に関羽ちゃんの俺を見る目が尊敬に近くなってきている。
焦ることは無い、ゆっくりとオレ様の虜にしてくれるわ!がはははは!!!





side 愛紗


ランスという人間は不思議だと思う。
初対面の時は、ただの変態だと思った。
私や、桃香様など、女性と見れば誰にでも手を出そうとする変態だと。
……まあ、鈴々は選ばれてなかったが。

そして彼と戦場を同じくする始めての実戦。
そこで見たのだ、鬼神の如く戦う彼を。
そして戦場の中にありながら、こちらを気遣うように確認する彼を。

彼は人を切ることに躊躇が無かった。
もちろん私も、敵を切ることに躊躇いは無い。
だがそれは、崇高な理想、平和な世の中を作るという理想があるからである。
私は理想により心を補強し、人を切るという行為を正当化している。
であれば、彼も同様に何かによって、人を切るという行為を正当化しているのだろうか。
彼は異世界から来た人間である。
となれば、本来この世界において彼を補強する何かは無いはずだ。
でも、彼は剣を振るう。
躊躇無く、ただ鬼神の如く。
彼をそのようにするものは何なのだろう。
私はそれが気になった。


その後、幾度と無く匪賊の退治などで戦場を同じくした。
そして彼は、著しい速度でその名を、名声を高めていった。
同様に私達も名を上げてはいたが、彼には及ばなかった。


異国から来た彼。

自身を英雄と言ってはばからない彼。

戦にあっては、常に先頭で鬼神の如く戦う彼。


ご主人様には無い、その力強さで、私達を引っ張って行ってくれている。
そんな風に思ってしまうくらい、私は彼のことが気になってきた。
今にして思えば、最初に会った時のあの態度は彼なりの冗談だったのかもしれないし、
仮に本心だったとしても、『英雄、色を好む』というくらいだ。
今では自他共に認める英雄の彼である、いささか好色であっても問題無いのかもしれない。

そんなことを考えながら、私は彼の横に立つ。
これからまた、匪賊退治の時間だ。
横目にこっそり彼をみながら、私は戦場へ向かった。













「急に呼び出してすまないな」


白蓮ちゃんに呼ばれて玉座に行くと、そこには主要な面々が既に揃っていた。


「もう知っている人もいると思うが、今朝方、黄巾党討伐の勅旨が届いた」


正直よく分からなかったので、簡単に要約してもらったところ、
白蓮ちゃん達太守の上司にあたる奴が、ようやく正式に盗賊を退治しろって言ってきたらしい。
んで、そのおかげで今までみたいな小規模の討伐ではなく、大々的に討伐軍を編成できる、と。

しかし、劉備ちゃん達の独立などという話が出てきた。
独立ということは、ここから離れていってしまうということではないかっ!
せっかくじっくりたっぷりオレ様への好感度を上げていっているところなのに、今離れてしまってはマズイ。
下手したら、北郷とかいうヘタレに先を越される可能性が……。

どうするオレ様!?
今現在、独立云々について細かく話始めてしまっているんだぞ!!
ここで何とかせねば!!!
そうだ、とりあえず会話だ、会話をして時間を稼ぎつつ、何かいい案を考えれば!


「ふむ、劉備ちゃん。何故独立しようと思うのだ?」

「えっと、いつまでもお世話になってるわけにはいかないかな~って思って」

「む、そんなこと問題無い。かわいこちゃんがいることは、プラスにはなってもマイナスにはならん」

「ぷ、ぷらす?それに、まいなす?」

「あ~、あれだ。良いことはあっても、悪いことは無いって意味だ」

「ああっ、そういう意味ですか確かにそう言っていただけるのは嬉しいんですけど、私達にも夢がありますから、
 ここにずっとお世話になっているわけにもいかないんです」

「夢?」


む、なんかこの辺が重要な気がする。
オレ様の天才的な頭脳が、この辺で丸め込めばいいと告げている!


「ええ。私達の夢は、みんなが笑って過ごせる世界を作ることです。
 暴力に怯え、貧困に喘ぎ、日々を過ごすことが出来ない、そんな人達を無くす為に私達は立ち上がりました。
 ですから、そんな私の夢を叶える為に、私達は独立した方がいいと思うんです」


あれだ、この際甘っちょろい理想なんぞどうでもいい。
オレ様的には、かわいこちゃんさえいればそれでいいしな。
が、あれだな、ここを出て独立することと、彼女の夢を叶えることがどう繋がってるんだ?
考えろオレ様。ここが執念場だ!!



………

……





ピッキーン!
さすがオレ様だっ!考え付いたぞ!!!
くくく、今その理論を崩してくれるわ!


「劉備ちゃん、疑問なんだが、なんでその夢がここにいたら達成できないんだ?
 オレ様が聞いた話では、白蓮ちゃんも君と同じ考えだったはずだが」

「ここにいたら、確かにこの辺りの人は助けられると思います。
 だけど、偉い人に認められて相とかに任命されれば、その地域の人々を同じように助けられるからです」

「だが、今更中央がなんなんだ。
 こんな時期になって黄巾党の討伐令を出すような政府に力があるとは思えん。
 どうせ直ぐにでも崩壊して戦国時代がやってくるだろうよ。
 その時に君はどうする?
 自分の領地が平和だからいいやと思うか?
 思わないだろ?私服を肥やしている奴らをやっつけようと思うだろう?
 その時に必要なのはここには全て揃ってる。
 純粋な力ならば、英雄たるオレ様がいる。
 マリアが作った兵器がある。
 鈴女が集めた忍者がいる。
 天才軍師のアールコートちゃんがいる。
 政務面で優秀な上、戦闘でも役に立つウルザちゃんもいる。
 金銭的にも、白蓮ちゃんが商人を優遇したおかげで潤ってきている。
 そんなところから、わざわざ君が離れる理由が本当にあるのか?」


どうだ、この理論!
まあ、実際JAPANとかそんな感じだったしな。
いくら崇高な理想やら夢やらがあったとしても、
結局は権力でも財力でも、力が無けりゃ何も出来ないのだよ。
劉備ちゃんもそれがわかってるのか、明確な反論を言えてない。
くくく、ここで仕上げだ!


「これでもまだ独立したいというのなら、それは君が白蓮ちゃんのしたで働きたくない、
 自分の理想を盾にして、そう言ってるに過ぎないということになる。そう理解していいんだな?」


オレ様の言葉を聞いて、劉備ちゃんが言葉に詰まったようだ。
あたりまえだ、天才のオレ様が考えたことだからな!
反論など出来るはずが無いわ。


「桃香様、私はランス殿の言うとおりだと思います」

「うっ、愛紗ちゃん……」


オレ様の案に賛成したのは、まさかの関羽ちゃんだ。
劉備ちゃんを姉とも主人とも仰いでる彼女が、劉備ちゃんに反対するとは……。
ふっ、オレ様も罪な男だ。


「先にランス殿が言った様に現在の状態ほど、我々の夢を叶えるのに適当な条件はありますまい。
 英雄のランス殿という旗印がある以上、我々もその下で理想の為に戦うべきかと存じます」

「愛紗ちゃん……もしかして……」


呟くと、劉備ちゃんはうつむいて何かを考えはじめた。
そして少し考えた後、何かすっきりしたように顔を上げた。


「そうだねっ。愛紗ちゃんの言うとおりそうしようかっ♪
 そういうわけで白蓮ちゃん、よかったら正式に雇ってもらえないかな?」

「い、いいのか桃香?お前なら、出世することも出来るんだぞ?
 そ、それに……ここにはランスもいるんだぞ?」

「む、それはどういう意味だ」

「ふふっ、ランスさんがいるからこそだよ。ね、愛紗ちゃん?」

「ななななんでここで私に振るのですか桃香様っ!」

「ふふふ、なんでだろ~ね~♪」


最後のやり取りはなんかよくわからんが、とりあえず彼女達の独立は阻止できたみたいだ。
とりあえずは、これでよしとするか。















ーーーーーーーー

書けば書くほど粗がでる。
もう、これは駄目かもわからんね……



[6629] 第十巻
Name: あおたん◆15e52006 ID:08943f4e
Date: 2009/04/04 23:35
「ふむ、愚民がそれなりに集まったようだな」

「ランスさん、それは言いすぎかと……」


ウルザちゃんに窘められつつ、今回の徴兵で集まった愚民達を見やる。
どいつもこいつも、正義やら大儀やらに惹かれてやってきたのだろうが、実際そんなものは無い。
あるのは、オレ様が正義で、オレ様が正しいという真理だけなのだ。
ということで、やつらには、精々必死になって働いてもらおう。
まあ、オレ様の活躍には及ばないだろうがな、がはははは!


「あああああ、あのぉ!」

「むっ、なんだ、呼んだかがきんちょ?」

「むー、今の声は鈴々じゃないのだー」

「何を言っている。がきんちょなんざ一人しかいないんだから、お前に決まっておろうが」

「ランスは、もう少し背の低い女の子に優しくした方がいいと思うのだ……」

「ぼいんぼいんになったら考えてやるぞ、がはははは!!!」

「あのーっ!!!」


なにか、ガキっぽい声が聞こえたので、がきんちょかと思って対応してやると、どうもそうではないらしい。
がきんちょとは違う声が聞こえたので、仕方なく辺りを見回すと、なんか帽子の頭の方だけ見えた。
で、そのまま視線を下に下ろしてみると、なんかおどおどしたガキがいた。

その身長は低く!
その胸は平坦で!
その尻には肉感が無い!

間違いなく、ただのガキだった。
この際、一人だろうが二人だろうがあんまり関係無いだろう、うん。


「ねぇ、君達どこから来たの?」


最近出番の無くなっていたマリアが、がきんちょどもの目線に合わせて腰を落とし、話しかけている。
ちなみにマリア、今回も本当は仕事が無いので留守番だったのだが、留守番は寂しいとのことで無理矢理ついてきた。
素直にオレ様と離れ離れになるのが寂しいといえばいいのに……。
まぁ、ちゃんと可愛がってやるがな、ぐふふ。


「えええええとでしゅねっ!」

「あわわわ、朱里ちゃん、噛んじゃってるよ。ちょっと落ちつきゃないとっ」

「そ、そうだね。こういうときは深呼吸して……すーはーすーはー。
 よしっ!改めて……あああああにょっ!」

「うん、なにかな?」

「私達はですね水鏡先生という方に兵法とか色々学んでそれを人々の役に立てようとしてでも先生と喧嘩して
 でもやっぱり人の為に働きたいって気持ちを抑え切れなくてそれで最近特に名高い公孫賛様の軍が募兵をしてるって話を聞いて
 しかもその軍には天の御使い様もいらっしゃるらしくこれはここに行くしかないだろって話しになって
 私と雛里ちゃんで来て見たら既に募兵が終わっていて出発する直前だったのでとりあえず私の話を聞いていただこうと
 こうして直接お話させていただいてるのでしゅ!」


とりあえず長かったので、オレ様は途中から聞くのをやめた。


「で、結局どういうことだ?」

「ん~、とりあえず知識があるから雇ってくれってことじゃないかな?」

「ははははいっ!そういうことです!」

「わわわ私達は、孫氏に始まり、古今東西大抵の軍略書などは覚えているので、役に立つと思います!」

「だって、ランス。どうするの?」


ふ~む、正直こんなちびっこどもには興味が無いんだが……。
本の名前とか、言われてもさっぱりわからんし、そもそもオレ様という英雄がいる限り、軍師がいなくても負けはしないのだ。


「ランスさん、ランスさん。あのね、うちのご主人様が雇っておいた方が良いって言ってるんだけど……」


ご主人様?………ああ、あの男の事か。
にしても、いずれオレ様がいただく劉備ちゃんが他の男のことをご主人様と呼ぶなど不愉快だ。


「ふむ、劉備ちゃん。あの男のことをご主人様って呼ぶの禁止な」

「えっ?なんで?」

「あたりまえだろう。正式にオレ様の配下に加わったのだ。とすれば本来のご主人様はオレ様だ。
 なのに、あんなヘタレをご主人様と呼ぶのはおかしいだろ。
 あんな奴、ヘタレで十分だわ。がはははは!」

「う~ん……そう言われるとそうなんだけど……」

「では決定。決まり!オレ様が言うんだから変更無しっ!」


その後、劉備ちゃんが不満を言っていたが黙殺しておいた。
ついでに、朱里ちゃんと雛里ちゃんはあのヘタレの言葉を聞き入れて雇っておいた。
何だかんだ言って、あのヘタレ、実は中々優秀なのだ。
いつも馬車馬のように働くし、新しいことも考える。
そして何よりオレ様の為に働くしな。オレ様は英雄だから、邪魔をしないものには寛大なのだ。がはははは!


ちなみに、朱里ちゃんと雛里ちゃんには真名を教えてもらったんだが、これはオレ様に抱かれたいということだろう。
だがしかし、いかんせん体型がお子ちゃま過ぎる。
もっとボインボインになってからなら抱いてやるからな。がははははは!!!







「現状、最も私達が討伐すべき黄巾党はこの地にいる者達だと思います」


自己紹介やらなんやらのごたごたが片付いた後、朱里ちゃんと雛里ちゃんは今後の展望を説明しだした。
その声は、先程までの慌てたり頼りなさそう立ったりする声とはことなり、凛として、しっかりと芯を伴ったものだ。
なるほど、確かに自らを軍師として雇えと言ってくるだけはありそうだ。
内容の方は細々しすぎていてようわからんが、ウルザちゃんやら白蓮ちゃんやらが頷いてることから考えて、それなりにいい案なのだろう。
そして、鈴女の放った忍者が持ち帰ってきた情報を元に、次ぎ狙うべき具体的な敵や、その作戦なんかも説明していた。
その辺も、正直よく聞いてなかったんだがまあいいか。オレ様は天才だし、オレ様の思ったとおり動けばいいだろう。



ということで、戦闘が始まったわけだが


「なんでオレ様がこんなところで隠れてるんだ?」

「やっぱり話を聞いてなかったんですね、ランスさん……」


オレ様は狭っ苦しい渓谷で何もせずに、隠れていた。
隣にいるウルザちゃんに聞いてみると、どうにも他の奴らが釣ってきた山賊を一気に叩き潰すらしい。


「ランスさんの隊には、敵の本陣を突き抜けていただくことになります。
 そして挟撃。一網打尽にしてしまいます。よろしいですか?」

「むっ、それは中々危険ではないか?」

「ええ、危険です。ですから、無理だと判断されるなら私と一緒に前に出るだけでもかまいませんよ?」

「む、ウルザちゃんと一緒というのは魅力的だが、このオレ様に不可能は無い。
 余裕で当たり前のようにこなして見せるわ!」


とはいえ、オレ様が英雄かつ最強なのは疑いようが無い事実なのだが、いかんせん兵隊どもが心もとないな。
ここは一丁発破でもかけてやるか。


「聞けっ、兵隊どもっ!貴様らは……雑魚だ」


ウルザちゃんの部隊の奴らは、何事が起こったかと驚いているようだ。
が、オレ様の部隊はそれ程動揺していない。さすがオレ様、特に何をしなくても、隊を率いるだけでその効果が出るとは。


「貴様らは雑魚だ。どれくらい雑魚かといえば、英雄たるオレ様の100分の1ほどの実力も無いくらい雑魚だ。


 が、……だ。


 オレ様の部隊は、これから最も危険な任務をこなす事になる。
 敵陣の中央を突破し、背後から襲い掛かるという任務だ。
 さて、ここで質問だ。何故オレ様の隊が、一番危険な役目を引き受けるか分かるか?
 
 それはな、お前らを率いているのが英雄たるオレ様だからだ!
 お前らは雑魚だが、英雄たるオレ様が指揮をとれば、そこらの雑魚とはまったく別の雑魚になる!
 英雄たるオレ様の部下だ!つまり最強のオレ様の部下だ!
 であれば、貴様らは最強の雑魚だっ!!!
 相手は高々山賊、最強の雑魚たる貴様らの敵なんぞではない!

 奴らに殺された友を思い出せ!
 奴らに殺された家族を思い出せ!
 奴らに殺された恋人を思い出せ!
 そしてその怒りを力に変えろ!

 貴様らの思いは、怒りは、命は…………オレ様が預かる!
 ただ、黙ってオレ様に付いて来い!!!!」


オレ様の演説(もちろんこの間白蓮ちゃんがしてた演説を真似てみただけだが)を終えて数瞬の静寂を経て……


『う……うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!』


 この渓谷を揺るがすのでは無いかと思われるような、兵隊どもの雄たけびが木霊した。
 兵隊どもは口々に怒り口にし、そして隣の奴と剣をぶつけている。

 正直やりすぎたかもしれん。興奮しすぎで暑苦しい。


「ランスさん凄いですね……。まさかここまで素晴らしい演説が聞けるとは思いませんでした」

「オレ様は天才だからな、これくらいは当然だ。まぁ、若干やりすぎな気もするが……」

「……そうかもしれませんね。声が響いて、黄巾党達に聞こえてないことを祈るばかりです」





しばらくして、鈴女の忍者部隊が報告に来た。
概ね、作戦通りらしい。
ということで、オレ様は部下に指示を出しながら待つ。
待つ…
待つ………
待つ……………




がああああああああああああ!!
暇じゃーーーーー!!!
伝令っ!こんな早く来るんじゃねええええええええええ!

暇で暇でしかたないので、ウルザちゃんにエロイ事でもして時間を潰そうと思ったのだが、


「報告、前方より砂塵が上がっております!恐らく、味方及び黄巾党かとっ!」


と、報告が来た。
ちっ、どうせならもう少し早く、あるいは遅く来ればいいものを……。

そんなことを考えていると、とうとう渓谷の中にまで敵が入ってきた。
オレ様の出番のようだなっ!
さっきから、待たされたりお預け食らったりでイライラしてるんだっ!さっさと突っ込んでぶっ殺してやる!!


「行くぞっ!!オレ様に……続けええええええええええええ!!!!!!!」

『うおおおおおおおおおおおおお!!!!!!』


乱戦の中に突っ込んでいくオレ様達。
盗賊どもは、オレ様達の登場に驚いたのか、あるいは勢いに飲まれたのか、驚いてやがる。
それを、部下と共に切って先に進んでいく。
むっ、直ぐ先に黒のポニー発見っ!!
そしてそれに群がるような山賊ども!
てめえら、それはオレ様の女だっ!死ねえええええええ!!!


「ふっ、助けに来たぜっ!関羽ちゃんっ!」

「っ、助かりますっ、ランス殿っ!」


関羽ちゃんに群がっていた山賊どもをぶっ殺して、関羽ちゃんに話しかける。
声は元気だが、疲れは隠せていない。
こんなところでオレ様の女を殺させるわけにはいかねえしな、一旦下げさせるか。


「お前達は一旦下がってウルザちゃん達と合流しろ。ここから先は、英雄たるオレ様の出番だ」

「いえっ!こんなところで下がる訳にはっ」

「オレ様の女をこんなところで殺される訳にはいかんのだっ!一旦下がれ!
 それとも、英雄たるオレ様の力を信じられないか?」

「っ……」


一瞬言葉につまり関羽ちゃん。
オレ様の言葉に心打たれたのか、顔は赤い。


「分かりました、一旦下がります」

「そうだ、それでいい。後は英雄たるオレ様に任せろっ!」

「ランス殿……ご無事で……」

「当たり前だ、関羽ちゃんと一発やれるまで死ねるか」

「ラっ、ランス殿っ!!」

「がはははは!」


このまま、関羽ちゃんを口説きたいところだが、さっきから盗賊どもがちょっかいを出してきて邪魔だ。
さっさと殺して、終わらせるか。


「行くぞっ!!」

『応っ!』


オレ様が敵の真っ只中に突っ込んでいくと、部下どももそれに続く。
落ち着きは取り戻したみたいだが、それでも結局はただの雑魚だ。
目の前に立ちはだかる雑魚どもをなぎ倒しながら、オレ様は敵陣に突撃して行った……。



[6629] 第十一巻
Name: あおたん◆15e52006 ID:08943f4e
Date: 2009/04/11 23:44
「敗残兵が潜んでいるかもしれん。各自、陣地をくまなく調べろ!」

『了解っ!』

「見つけた物資には手を付けず、直ぐに私達に報告してくださいね」

「ちびーずの片割れが言うとおりだ。きちんとオレ様に報告するように。
 オレ様の軍で嘘をつくようなやつは、胴と首が離れ離れになるからな」


山賊どもをオレ様の獅子奮迅の活躍で蹴散らしたあと、オレ様たちは山賊どもの拠点に来ていた。
関羽ちゃんは律儀にも、山賊が残っていないか確認を飛ばしている。
ちびーず(命名オレ様)の、はわわ言ってる方は戦利品について指示を出している。
他は軒並み、戦が終わったことにほっとしたかのように、談笑していた。


「ランス殿、先程はありがとうございました」


一通りの指示を出し終えたのか、声を掛けてくる関羽ちゃん。


「なに、オレ様は英雄だからな。あのくらい軽いものよ」

「その後の敵陣への突撃、見事なものでした。同じ武人として、感服いたしました」

「そう褒められると悪い気はしないな。ところで関羽ちゃん、怪我とかはしていないだろうな?」

「えぇ、おかげさまで目立った怪我はありません」

「ならばよし。オレ様の女だからな、勝手に怪我をされるわけにはいかないのだ。がはははは!」

「かっ、勝手に貴方の、お……女にしないでくださいっ!」

「何を言う、さっきはオレ様にメロメロだったではないか」

「そっ……、それは……その…………ゴニョゴニョ」


関羽ちゃんは、顔を真っ赤にして押し黙ってしまった。
ふむ、これはもういけそうか……?
それとも、後一回くらい好感度を上げるべきか?


「にゃはは~。お姉ちゃん、顔が真っ赤なのだ」

「戦ってばかりの愛紗ちゃんにも、春が来たんだね~。ランスさん、愛紗ちゃんのことよろしくお願いしますね?」

「なっ!鈴々っ!それに、桃香様までっ!」


真っ赤になっている関羽ちゃんが珍しいのか、囃し立てるがきんちょ。
それと、まるで人事のように言う劉備ちゃん。


「当たり前だ。ベッドの中でしっかりと可愛がってくれるわ。
 それと劉備ちゃん。がきんちょはともかく、君も人事じゃないぞ?」

「ふぇ?」

「君も可愛いからな。関羽ちゃんともども、オレ様の女にしてくれるわ。がはははは!!」

「えっ、え~っと……」


とたん、おろおろし始める劉備ちゃん。
顔はオレ様を向いたり、関羽ちゃんを向いたりしながらきょろきょろしている。
関羽ちゃんの方もなんか不満げな雰囲気になっている。
恐らく、オレ様を独り占めできない不満の表れなんだろうが、残念ながらオレ様は英雄なのだ。
オレ様に抱かれたいと願う何人ものかわいこちゃんのためにも、オレ様は一人の女に拘る訳にはいかないのだよ。
オレ様モテモテ~♪



「ぶ~、鈴々だけ仲間はずれはひどいのだ」

「がはははは!その体型、百年早いわ!もっとボインボインにならんとな」

「む~!そんなこと言ってられるのはいまのうちなのだ!鈴々はすぐにボインボインになるのだっ!」

「がはは!ボインボインになってから言うんだな、がきんちょ」





妙な対抗意識を出してるがきんちょを大人の余裕で軽くあしらっていると、パシリっぽいのがオレ様のところに舞い込んできた。


「申し上げます!陣地の南方に官軍らしき軍団が現れ、我らの部隊の指揮官にお会いしたいと……」

「官軍らしき、とはどういうことだ?」

「それが……、通常官軍が用いる旗を用いず、曹と書かれた旗を掲げているのです」

「曹と言えば……許昌を中心に勢力を伸ばしている、曹操さんかと」


関羽ちゃんが聞き返すと、詳細を話すパシリ。
そしてそれを聞いて、相手に見当をつけるちびーず(はわわ)
つーか……オレ様が聞きたいのはただ一つ


「曹操ってかわいこちゃんか?」

「曹操さんは……が、外見的には、ランスさんのお眼鏡にかなうかどうか微妙なところですが、
 そんなことは関係無く、『誇り高き覇者』……そんな言葉が妙にしっくりくるような方です」

「『誇り高き覇者』か……。まあその言葉に免じて、直前の失礼な言葉は不問にしてあげるわ」


朱里ちゃんの発言が終わるのを待っていたかのようなタイミングで放たれる声。
そちらを向くと、青と赤の服を着たおねーちゃんたちを従えるように、一人の………が立っていた。


「はじめまして。我が名は曹操。官軍に請われて、黄巾党を征伐する為に軍を率いて転戦している人間よ」

「ふむ、君が曹操ちゃんか…………」

「貴様っ!華琳様に向かってちゃん付けなどっ!」

「やめなさい春蘭。私達が会いに出向いたのよ。この程度のことで目くじらを立てないの」

「はっ、しかし……」

「いいの。今は静かにしてなさい」

「はい……」


曹操ちゃんと呼んだ事が気に障ったのか、俺に噛み付こうとする赤いの。
それを止める曹操ちゃん。

まあ、そんなことどうでもいい。
大事なのは……


「胸はそれなりにあるし……身長は、がきんちょどもより少し高い位か。
 髪型が縦ロールなのはちょっとあれだが……。
 まぁ、雰囲気ががきんちょっぽくないし、低めいっぱいストライクといった所か……」

「すとらいくと言うのがどういう意味かは分からないけど、私を品定めするなんていい度胸ね。
 人のことを品定めするそんなあなたは、いったい何様なのかしら?」

「オレ様はランス様だ」

「らんす……ね。最近、公孫賛陣営で獅子奮迅の働きをする異人が、確かそういう名前だったと思うけど、あなたでいいのかしら?」

「おう、オレ様で間違い無い。しかしオレ様の英雄っぷりも罪だな。
 異国にまで、その名声が轟いてしまうとは。惚れてもいいぞ?」

「はぁ……、私があなたなんかに惚れる訳が無いでしょう……。
 しかし、『英雄』か……。貴方、今この大陸においてその名前が持つ意味をわかって名乗っているのかしら?」

「むっ、どういう意味だ?」

「今この大陸において、『英雄』という言葉はとても重いわ。
 それが、城下町の酒場でごろつき達が語っているのならば、私は特に気にしたりはしない。
 けれど、公の場で、というよりも私達のような人の上に立つ人間達がいる場で自らを『英雄』と名乗るということは、
 自分こそが、人の上に立ち、人を導き、そして平和をもたらす者である。と、公言するということ。
 貴方には、その覚悟があるの?」

「当たり前だ。オレ様は誰がなんと言おうと『英雄』であることに変わりは無い」


曹操ちゃんがなんか小難しい話をしていたので、とりあえず頷いておいた。
まあ、オレ様が英雄であることに変わりはないだろうし、問題無いだろう。
む、曹操ちゃん。そんなに熱い目で見るな。オレ様惚れちまったのか?
君なら抱いてやるぞ。がはははは!


「ふふふ。天も面白い男を使わしたものだわ。ランス、あなたの目指すものは何?」

「む、最終的な目標は、この世界のいい女全員とセックスすることだな。
 だがまあ、とりあえずの目標は何かと聞かれれば、あれだな。この国の平和だ」

「……あなたは自分の欲望に忠実なのね。でもだからこそ、何故そんな貴方が、平和を望むのかしら?」

「オレ様の女がそれを望んだからな。英雄のオレ様にとっては、その程度の願い楽勝なのだ」

「あなた……本気で言ってるの?」

「当たり前だ。なんだ、惚れたか?」


曹操ちゃんは沈黙をする。
と思ったら、なんか肩を揺らして笑い出した。


「くっ、くくく……。あーっはっはっは!!
 いいわ、貴方凄く面白いわ!
 自らを『英雄』と名乗って憚らないことといい、
 誰もが夢を見ながら半ば諦めている『平和』を、本気で実現させる気でいることといい……。
 天には、あなたのような人間ばかりなのかしら!?」

「英雄たるオレ様のような人間がこの世に二人といるわけなかろう。
 オレ様は、どこの世界でも唯一無二の英雄なのだ」

「そうね、そうよね。あなたはあなたよね。天の御使いにして英雄の。
 ええ、いいわ。こんなに愉快になったのは久しぶり。
 我が名は曹操!覇道を往く者よ!!
 そして、我が真名は華琳!この真名、あなたに預けるわっ!」

「な、華琳様っ!どうしてこいつなんかにその真名をっ!」


先程以上に慌てる赤い方。
つーか、真名を教えられるってことは……




オレ様にベタぼれっ!?



ちっ、さすが英雄。会ってすぐの女まで落としてしまうとは。
オレ様の格好よさが憎いぜ。


「いいのよ春蘭。私は今、最高に気分がいいの。こんな馬鹿にあったのは初めてですもの」

「む、今オレ様のことを馬鹿って言わなかったか?」

「ふふふっ、悪い意味じゃないわよ。それじゃあ秋蘭、春蘭、陣に戻るわよ」

『御意!』

「ランス、また会える日を楽しみにしてるわ」


そう言って、華琳は颯爽と去っていった。
次に会える日を楽しみに……ということは、今は時間が無いから駄目だが、次に逢った時は抱いてくれと言うことか。
なかなか大胆じゃないか。まぁ、エロエロな女は嫌いじゃないがなっ!がははははは!!!


その後、周りを見渡してみると、
何が起こったのか良く分からない人間と、
あわわ とか はわわ とか言ってるだけのちびーずと、
一応正式な指揮官のはずなのに、触れてすらもらえずに地面にのの字を書いている白蓮ちゃんがいた。



[6629] 第十二巻
Name: あおたん◆15e52006 ID:08943f4e
Date: 2009/05/24 00:15
その後、軍師達の話し合いで一緒に行軍することが決まった。
目的地は敵の本拠地の一つらしい。
しかし、敵の兵数は多くないとか。


「なんか、楽勝っぽいな」

「あわわ、そんなことないですよ~」

「そうですよ。敵主力部隊が出陣中で敵兵が少ないとは言え、こちらもそれ程多いわけではありませんから」


ふむ、ちびーず曰くそういうことらしい。
まあ、オレ様がいれば負けることなぞ無いのだがな!がはははは!!!


「申し上げます。曹操軍から命令が参りました。
 我が軍は横隊を組み、号令と共に敵陣に向けて突撃をせよとのこと。
 曹操軍は後方より弓による援護の後、直ぐに後を追うとのことです!」

「やったー!鈴々先陣っ!」

「待てっ!その話は本当かっ!?」

「はっ!曹操軍が兵糧を焼くまで時間を稼げ……と」

「むかっ!つまりオレ様達に囮になれということか?」

「はっ!おそらくそうではないかと……」


オレ様を、英雄たるオレ様を囮にするだと……。
むがー!!!!許せんっ!
華琳はお仕置き決定っ!
縄で縛ったり鞭で叩いたり、ロウソクで……っとこの時代にロウソクはないか。
まぁ、マリアに作らせればいいとして……。
とりあえず、いじめ倒してくれるわっ!


「あっ……あのっ……」

「むっ、どうしたアールコートちゃん?」

「こっ、これは……その……あの……、たっ、試されているんじゃないでしょうか?」

「むっ、それはどういう意味だ?」

「えっと……あのっ、鈴女さんに調べていただいた情報によると、えっと、曹操軍と私達の軍の規模は同じくらいです。
 こっ、こちらの方が小規模というならまだしも、同程度の規模の場合に片方に囮をやらせようとすれば、確実に意見が割れます。
 そして、結果として作戦は成功に終わらないでしょう。
 でっ、ですが、あの曹操さんのことです。あれだけの覇気を見せた人がその程度のこと分からないはずありません。
 つ……つまり、考えられることは……えっ、英雄を名乗るならその程度のことはやってみせろ。
 ということじゃないでしょうか……」


む、確かにそう考えられないこともない……か?
なんか小難しくてよくわからんが、アールコートちゃんが言うんだし間違いないんだろう、うん。
だが、あれだな。試されるだけじゃ面白くないな


「試されているとは言え、やられっぱなしは癪だかな。なにか華琳を驚かせたいものだが……」


英雄たるオレ様に相応しいような、なにかこう素晴らしい戦果を挙げつつ、華琳の考えの上を行く作戦が欲しい。
欲しいんだが……。
さすがに天才のオレ様であっても、こんなすぐさま作戦は考え付かない。
回りのちびーずもアールコートちゃんもなにも思い浮かばないようだ。
ちっ、しょうがない。とりあえずは、保留と言うことで、何か面白いこと思いついたらその時に実行することにしよう。

こうして、盗賊どもとの一戦が始まった。









始まったはいいんだが……


「あっけなさ過ぎないか?」

「む~、鈴々は不完全燃焼なのだ~」

「本隊が出払っていたとは言え、弱すぎますね……」


いかんせん、盗賊どもは弱かった。
徹底的に弱かったのだ。
本隊が出払っており、残っていたのは守備兵少数。
その守備兵達も、オレ様達の活躍を耳にしていたのか、士気が極端に低かった。

そんな状態で始まったこの戦。
特に何をするでもなく、いや、何かする時間すらなく城内から黒煙が上がり、盗賊どもは壊滅状態に。
後はまあ、混乱に乗じて突っ込んで終わりだった。
正直、戦の前に囮だとか騒いでいたのがアホらしい。

「おそらく、曹操さん達も自分達の力を見せておきたかったのでしょうね。
 私達はこれほど早く自分達の仕事をこなせる……と」

後は城内に隠れている奴らを探すだけの状態になったので、オレ様はちびーずと共にゆっくりしている。
城内の細かいところなんぞに、オレ様がわざわざ動く必要などないのだ。
かわいこちゃんが隠れていればもちろん別だがな。





「さて、本拠地を落としたはいいがこれからどうするんだ?」

「このままここに居るのは、ちょっとマズイんじゃないかなぁ?」

「む、どういうことだ?」

盗賊どもの本拠地を落としたということは、前線基地としてそのまま使ってしまえるということではないのか?

「敵の本隊が引き返してくると、今の戦力ではいささか不安が残りますからね……」

「私も愛紗さんに賛成です。本隊の規模がどれほどのものかは分かりませんけど、
 黄巾党の全勢力から推察すれば、十万はくだらないと思います」

「ふむ、正確な数が知りたいな」

すぅーっと息を吸ってー

「うまは乗り物っ!」

「もっこは乗る人!っでござる」

「うむ、近くに居たか鈴女」


どこからとも無く現れる鈴女。
周りのみんなもそれなりになれたのか、最初の頃ほどは驚かなくなってきている。
まぁ、はじめてみたのかちびーずはびっくりして固まってるみたいだが。

「そもそも拙者は傍を離れてなかったんでござるがね~。というか、この合言葉そこはかとなくエロスを感じるのでござるが?」

「うむ、もっこちゃんというエロエロな女の子がいたのだ」

「なるほど、そうでござったか。で、必要なのは黄巾党の情報でござるか?」

「うむ。調べは付いてるか?」

「もちろんでござる。さすがに戦う相手の情報くらい言われなくても調べるでござるよ。
 で、情報でござるが……。
 今出払っている本隊の総数が大よそ十一万といったところでござる。
 今まで叩き潰しまくってたおかげで、それ程増えてるわけではないようでござるな。
 で、その黄巾党を率いているのは、女の子の三姉妹みたいでござる」

「女の子?それは美人かっ!?」

「3人とも美人でござる。しかもそのうちの一人は、桃香に負けず劣らずおっぱいが大きいでござる」

「何だとっ!?」

「爆乳でござる」

「爆乳だとっ!」

む、これはなんとしても捕まえておしおきせねばなるまい。
正義のためにも、オレ様のためにも、なんとしてもおしおきをしなければならないのだ。
だが、となると十一万もの兵を相手にしなきゃならんのか……。
対するこちらは2万ちょい。うーむ……

「後手に入った情報だと、盗賊の寄せ集めなのでまともな装備をしていないとか、
 率いている3人は、元は旅の芸人だったということくらいでござるかね」

「鈴女、敵の本隊はどのくらいの時間でここまで来るんだ?」

「そうでござるね~……距離はそれ程離れてないでござるから、早ければ一日で来るかもしれないでござる」

「ウルザちゃん、こっちの兵糧は?」

「そうですね、多めに持ってきていますし、ここで手に入れた分を合わせれば1週間から2週間はもつかと」

ふむ、それだけもてば十分……か?
後は……

「マリアっ!」

「ん、な~に、ランス?」

「この間作ってた…セイランだったか、あれとか投石機はここにあるもので作れるか?」

「ん~……。投石の方は岩とか特殊な植物とか必要になるから難しいかもしれない。
 でも、セイランならここにある材料で作れると思うよ」

セイランは作れるのか。
もしかしたらこれなら……。

「あっ、あのっ!」

「む、なんだ?オレ様は今考え事で忙しいのだが」

「あわわわわ、もっもしかして、ここに残って防衛しようなんて思ってませんか?」

「うむ、その通りだ」

「はわわ!さすがにそれは無理ですよっ!城を盾にしたって大よそ5倍の兵力差があるんですよっ?」

「何を言う。ここで首謀者を討ち取れば、これで盗賊退治はおしまいだぞ?
 こんなまたとない機会を逃すわけにはいかんだろう」


そう言って周りを見る。
どうも、周りの奴らも乗り気じゃないみたいだな。
だが、こう言われたらどう反応するかな?


「考えても見ろ。弱小勢力ならまだしも、オレ様達は今や巨大な勢力だ。
 盗賊退治で稼いだ名声やらなにやらで、いまやすげー勢いなのだ。
 なのにここで盗賊から逃げたという噂が立ってみろ?どうなると思う?」

「そっ……それは……」

「今までの評価は地に落ち、人心は離れていくだろうな。
 そうすると、お前らの夢が遠ざかっていくことになる。
 逆にここで敵の本隊を叩けば、オレ様達の評価は最高潮になり、黄巾党騒動も終わる。
 どちらを取るべきかは、わかるだろ?」


ふふふ、これで逃げ出すわけにも行くまい。
逃げれば今までの苦労が水の泡。逃げなければ束の間かもしれんが平和が戻ってくる。
こう言われて逃げるような人間は、ここにはいないだろうよ。


「そうですね、戦いましょう」

「愛紗ちゃんっ!?」

「桃香様、ランス殿の言うとおり、ここで逃げ出すわけには行きますまい。
 私達の望んだ平和が、直ぐそこまで顔を覗かせているのです。
 ここで逃げ出すようでは、私は私の思いを信じられなくなってしまいます」

「愛紗ちゃん……」

「それに大丈夫ですよ。ランス殿という英雄がいらっしゃいますから。ね、ランス殿?」

「当たり前だ。オレ様が負けるわけなかろう。それに関羽ちゃんも劉備ちゃんもまだいただいてないからな。
 傷一つ付けさせんさ」

「ということです、桃香様。戦いましょう、我々の理想の為に」

「……ん、そうだねっ!目の前に、平和があるのに逃げるわけにもいかないもんねっ!」


そう言って顔をあげる劉備ちゃん。その顔は、やる気に満ちていた。
そしてそんな劉備ちゃんに影響を受けたのか、周りの面々も顔つきが変わってくる。
ちびーずとアールコートちゃんなんかは、早くも作戦を練りだしたようだ。

くくく、これでいい。
待ってろよおっぱいちゃん!必ず捕まえて、おしおきをしてやるからな!






――――――――
正直、ランスがシリアスすぎたりしないかと思わないでもなかったり。
そして、白蓮の空気っぷりが異常



[6629] 第十三巻 張三姉妹、ゲットだぜ!
Name: あおたん◆15e52006 ID:08943f4e
Date: 2009/05/24 00:16
「放て放てっ!矢を放てっ!奴らを城門に近づけさせるなっ!!」

「城壁を登らせちゃだめなのだー!何でもいいからぶつけてしまうのだっ!」

「マリア隊構えてー。3,2,1,発射ー」

「ふぁあああああ……。暇だ………」


黄巾党本隊を激突して4日目、オレ様は流石に飽きてきたのだった。




黄巾党と戦うことを決めたオレ様達が取った作戦は、簡単なものだった。
とりあえず、全軍二万のうち、セイラン作ったり、防衛する準備したりで一万ほど使って準備。
残りの一万は休ませた。

そして翌日、強行軍で戻ってきた黄巾党に対し、前日休ませていた一万で突撃。
出鼻を挫いておこうというわけだ。
向こうは強行軍で戻ってきたところに加え、全軍が集まりきっていない状態で三万程。
戦力差的には1対3だが、そこは装備も充実している正規軍対装備もまともに無い野党ども。
それに加え、気力充実な兵士対、移動で疲れきった野党。
ついでにここはド派手にやって来いと言うアールコートちゃん+ちびーずの要望により、
オレ様、星ちゃん、関羽ちゃん、ちびっこ、後ついでに白蓮ちゃんが出撃した。

オレ様が出ている以上もちろん負けるわけも無く、散々に倒して悠々と引き上げさせてもらった。
つーか改めて思ったんだが、星ちゃんといい、関羽ちゃんといい、ついでにちびっこといい、強いな。
もちろん英雄たるオレ様程ではないのは確かなんだが、下手したらリック位の強さがある。
そんな面々に攻撃されたんじゃ、黄巾党の奴らにも少しばかり同情するぜ。
まぁ、ほんのちょっとだけだがな。がはははは!!!


ということで、初撃で痛手を被らせることに成功したオレ様達は、兵を引き上げて籠城作戦に入ったわけだ。
その頃にはマリアのセイランも完成してたし、アールコートちゃんが考えた、
『木に縄をつけて壁をよじ登ってる奴にぶつける。そして引き上げて何回も使う』
っていう簡単な作戦用のものの用意も出来てたし、準備は万全だったわけだ。

んで、攻撃してきた奴らに対して、矢を放ったり、熱湯をかけたり、木を落としたりして防衛をした。
防衛をして、防衛をして、防衛をした。
今日で四日目。
オレ様には似合わない地味な作業なので、飽きてきたと言うわけだ。





「飽きた」


というわけで、四日目の夜の会議でそう言ってみた。

「防衛してるだけと言うのは、英雄たるオレ様にとって、いささか簡単すぎるし地味すぎる。
 だからもっとこう、簡単だけど目立つような方法は無いのか?」

「あわわわわ。ランスさん、そんなこと言わずに頑張って欲しいです」

「そうですよランス殿。戦果は確実に上がっているのですから、今しばらく頑張りましょう」

「む、そんなこと言う関羽ちゃんも、毎日毎日同じ事の繰り返しで飽きてきてたりしてないか?」

「そんなことありませんっ!この戦いは、私にとって重要なものです。
 そのようなこと考える訳ありません!!」


オレ様程ではないとは言え、実力のある関羽ちゃんのことだから、前線で暴れまわりたいと思っているものだと思っていたが、
そうではないようだ。


「う~、鈴々はお兄ちゃんと同じで暴れたくてうずうずしてるのだ」

お前にはきいとらんわ、がきんちょ。


「ということで、そろそろ作戦を次の段階に移せたりしないのか?」

「え……と……、鈴女さんの……準備が……で、出来てる…な…ら…、次の段階に移ってもいい…と思います」

「む、呼んだでござるか?」

「鈴女、現在どんな感じだ?」

「ん~、当初の予定の八割と言ったところでござるが、やってやれないわけではないと思うでござるよ?」

「よし、それなら問題無いな。作戦を次の段階に移そう」


オレ様の言葉に、周りはやっぱり少し渋い顔をしている。
英雄たるオレ様が言うのだから、黙って信じればいいものを、まったく。


「あー、せっしゃが言うのもあれでござるが、今回に限ってはランスの言うことにも一理あるでござるよ?」

「今回に限っては、とはなんだ。今回もだろうが」

「えっ、もしかして“もう”ですか?」


オレ様の文句をスルーしつつ、ウルザちゃんは確認の意味を込めて鈴女に問い返した。
鈴女は、首を縦に振って肯定している。


「というわけで、むしろ今しかタイミングがないでござる」

「いくらなんでも早すぎでは?」

「せっしゃもそう思う出ござるが、事実として直ぐそこまで来てるのでござるよ」

「これで、こちらの準備が整ってなかったら、いい笑いものになってしまいそうですね……」

「愛紗さんの言うとおりですね。ここは、多少無理を押してでも、作戦を次の段階に移しましょう」


こうして作戦は次の段階に移される。
途中からオレ様がないがしろにされていた気もするが、まあ思い通りになったから許しておいてやろう。
少しいらっとした分は、三姉妹にでもぶつければいいしな。がはははは!!!









「か、か、火事だあああああああああああ!!!」

「敵襲っ!敵襲っ!!!!」

「ちょっ、敵襲って、こんな暗闇でどう戦えってんだよ!!!」

「ぎゃあああ、熱い、あづいいいいいいいいいいいいい」



ふむ、ここからでも火が見えるとは、中々上手くいったみたいだな。
作戦の次の段階、それはすなわち黄巾党に工作員を忍び込ませて、破壊工作を行うということだ。
内容的には、十万もいる黄巾党内に、こっそりと鈴女の忍者部隊を紛れ込ませ、
闇夜に乗じて、食料などに火を放つということだ。
今回は、ありもしない襲撃を追加で叫ばせることによって、火事による混乱にプラスして、拍車をかけている。
まとめると、黄巾党的には
1・自軍の陣地が燃える(火による被害+疲労)
2・食料の喪失
3・ありもしない敵襲に対する恐怖(疲労)
こんな感じだ。
これで明日の朝には、脱走兵により数を減らし、疲労により動きが鈍くなり、ついでに空腹な状態の黄巾党が出来上がるわけだ。
ちなみにオレ様の命令で、奴らの本部周辺だけは火が及ばないようにしている。
三姉妹に死なれては困るしな!
ということで、戦果を確認したオレ様は、どうやって三姉妹をいただくか考えつつ、睡眠をとるのであった。
ぐうぐう。







「うがあああああああああああああああああ!!」

「飯だぁぁぁああ!!飯をよこせええええええええ!!!」

「ここを、ここを落とせば飯を食えるぞおおおおおおおお!!」


翌朝、オレ様は結局城壁の上から色々なものを投げたりしていた。



軍師ズ(アールコートちゃん+ちびーず)曰く、これはある程度予想できていたことらしい。
敵の食料を無くしてしまうのは有効な方法であるが、その場合、食料を失った敵がどのように行動するかは考えれば分かるとか。
食料を無くした者の取る行動は3つ。
退くか、降伏するか、別のところから持ってくるか、だ。

今回の場合、数に勝る黄巾党が降伏することは考えがたく、残りの二つは拠点を取り返すという意味において同義である。
結局、『オレ様達を攻撃して、素早く拠点を落とす』という手しか考えられなかった。
そして、向こうは食糧難という事情があるため、それこそ死に物狂いで攻めてくる。
それが、現在の状態である。


日の出と共に始まった今回の攻撃は、既に数時間にも及んでいた。
黄巾党は今までのように組織だって攻めてくるわけでもなく、ひたすら全員で突っ込んできているようなものである。
雑魚どもの癖に数だけは多いため、なかなかめんどくさい。
まぁ、オレ様みたいな指揮官が居ないんで、てんでばらばらに攻めてきているため、持ちこたえること自体は出来ているがな。


「鈴女っ!まだか!」

「いや、流石にいくらなんでもまだで……っておろ?あれはまさか……?」


鈴女が遠くを見て驚いた顔をしている。
オレ様も同じ方向を向いてみるが、何も見えん。
いったいどんな目をしてやがんだ、まったく。

とか思っていると、オレ様にも徐々に見えてきた。
ついでに、叫び声も徐々に聞こえてくるようになった。
うむ、これはやはり………










「申し上げます!黄巾党後方より、援軍到着っ!蒼地に曹の一字。曹操殿のご到着です!」



「それではっ、曹操隊の突撃に合わせて出陣してください。
 ランスさん、愛紗さん、鈴々ちゃん、星さん、ウルザさん、白蓮さんお願いします!」

「がはははは!ようやくオレ様の出番かっ!」

「ここで、決めますっ!」

「う~、鈴々は鬱憤が溜まっていたのだ!ここで大暴れなのだっ!」

「ふふふ、こんな大舞台。腕が鳴りますな」

「ここできっちり終わらせてしまいましょう」

「ようやく、ようやく出番がっ!」


今回の作戦はこういう作戦だった。
華琳の軍を一旦退かせ、補充を行わせると同時に、敵の後方から迫る。
オレ様たちはそれに合わせて、敵を弱らせ、突撃する。
そうすれば、まともな指揮官がいない黄巾党なんぞ、ぶっ潰せるだろう……と。

ということで、今まで待ちに待った反撃の機会。
一人何か間違ってるような気がしないでもないが、オレ様たちは意気高々に突撃を開始した。






その後、は考えるまでもないだろう。
空腹+疲労を無理矢理抑えていた所に、敵の増援に背後から攻撃を仕掛けられた黄巾党を、
決戦として突撃を開始したオレ様たちは徹底的に叩き潰した。
黄巾党は最早軍として機能しておらず、ただの烏合の衆となっていた。

そして、そんな中オレ様がやることと言えば……


「うおおおおおおおお!美人三姉妹はどこだぁあああああああ!!!」


華琳に先を越される前に、三姉妹を(特におっぱいちゃんを)捕まえることだった。


「鈴女っ!位置は分からないのかっ!?」

「えーっと……確か大体あっちの方だったと思うでござるが……」


でかしたっ!流石忍者!

とりあえず、鈴女の言った方向に突撃する。
邪魔なざこどもはさくっと切り殺し、前へ前へ。
血眼になってあたりを探っていると……


『きゃーっ!!』


きゅぴーん!女の子の悲鳴!
そこかああああああああああああああああああああ!

声のする方に向かうと、そこには味方に襲われてる女の子達。
しかもそのうち一人は爆乳!
間違いない、この子達だっ!!!


「てめえらっ!それはオレ様のものだっ!!!!死ねえええええええええええええええ」


オレ様のモノ(決定事項)に手を出そうとしていた奴らを軽く殺して、女の子達の方を向く。
むっ、これは中々上玉だな。
おっぱいちゃんはもとより、他の二人も、ボインちゃんでは無いが、オレ様の守備範囲内だ。


「君達、名前は?」

「えっ……えっと………」

「っ…、そ、そういうあんたこそ何者なのよっ!?」

「む、オレ様は英雄のランス様だ。君達を助けてあげたのはオレ様だからな、感謝しまくるがいい」

「あっと……、助けていただいてありがとうございました。私が長女の張角で、この二人が妹の張宝と張梁です~」

「ちょっと姉さん!何勝手に名乗ってるのよっ!」

「えーでも、命の恩人さんだし……」

「そもそも、ランスというのは、私達の敵にいる異邦人では?」

「そうよっ!そもそも私達が危険な目にあったのは、こいつらのせいじゃない!」


む、なんか話が面倒な方向に向かっている気がしてきたぞ。
よし、ここは………鈴女っ!


「了解っでござるよっと」


鈴女はどこからともなくとりだした吹き矢で、三人を射抜く。
すると三人とも、その場で眠り始めてしまった。
うむ、これならばお持ち帰りも楽だろう。


張三姉妹、ゲットだぜ!











――――――――

書いてて思うのは、力量の無さ
人格崩壊が始まってしまったぜ、ガッデム!
とりあえず、予定より大幅な人員削減を考えざるを得ない。

だがしかし、なんとしても完結は、完結だけはするから………
だからっ!みんなっ、おらに力を分けてくれっ!



[6629] 第十四巻 張三姉妹をおいしくいただきました
Name: あおたん◆15e52006 ID:c55e040d
Date: 2009/06/10 01:06
「それにしてもランス、楽しそうな顔をしてるでござるね」

「これからあの三人とやれると思うとな。ぐふふふふ」


黄巾党退治を終えたオレ様たちは、城に戻ってきていた。
白蓮ちゃんやらは、これから後始末とか色々あるみたいだが、オレ様には関係無い。
オレ様には大事な役目があるからだ!
それはもちろん、今回の首謀者に『 お 仕 置 き 』をすることである。
こんな大きな騒ぎを起こしたんだ、じ~くり、た~ぷっりお仕置きをしてやらんとな。がはははは!!


「それじゃあオレ様は行ってくるからな。しばらくは、誰も通すなよ」

「うぃうぃ。せいぜい楽しんでくるでござるよー」





「はいるぞー」


三姉妹を監禁している部屋に入る。
三姉妹は、部屋の隅に集まって震えていた。

一番おっぱいが大きいのが、長女の張角こと天和ちゃん。
天然っぽいところが人気らしいが、そんなことよりあのおっぱいがけしからん。
これは、念入りに調査せねばなるまい。ぐふふ。

眼鏡を掛けてるのが、三女の張梁こと人和ちゃん。
他の二人に比べれば容姿は劣るとか聞いたのだが、十分オレ様の守備範囲だ。

残りの一人、本来なら一番元気なはずの次女、張宝こと地和ちゃん。
本来なら元気系らしいが、まあ今は捕まっていて元気がないのだろう。
オレ様のハイパー兵器で元気を注入してやるからな。がはははは!


「あーっ!あんた!!」

「オレ様はあんたなんかではない。英雄たるランス様だ」

「そんなことどうでもいいのよっ!あんたのせいで、私たちが捕まっちゃったんじゃない!」

「何を言う、オレ様は世間を騒がせていた黄巾党、その首謀者を捕まえただけだ。
 悪いことをしたのは、オレ様じゃなくてお前らだろうが」

「ぐっ、うっ、煩いわね!」

「ちー姉さん、少し落ち着いて。それで、そのランスさんが何のようでここまで?」

「オレ様のことはランス様と呼べ。
 オレ様がここに来たのは、君たちの処分を決定するためだ」

「えっ…、私たちどうなっちゃうの?」

「あれだけの事をしたんだ。本来なら死刑だな。
 黄巾党の首謀者として、街中で公開処刑だ」


三人の、特に天和ちゃんと地和ちゃんの顔色が青くなる。
人和ちゃんはそれほど表情を変えない。
眼鏡っ子だからな、それなりに頭の回転は早いのかもしれん。


「私たちは死刑ということですか?」

「本来なら……な。条件次第では、君たちを処刑しないでも済む」

「じょ、条件って!?」


ニヤリ


「なに、簡単なことだ。オレ様の物になることだ。
 英雄たるオレ様のものになれるのだ、光栄だろう?」

「ちょっ!なんであんたなんかの物にならなくちゃいけないのよ!」

「嫌ならかまわんぞ。そのときはそうだな、公開処刑だけじゃ物足りないから、他の者達の慰み者にするか。
 元黄巾党に対して、オレ様の兵隊になれば張三姉妹を抱ける、とでも宣伝すれば兵隊がたくさん集まるだろう」


もちろん他の奴に抱かせる気なんざさらさらないが、脅しとしては十分有効だろう。
三姉妹とも、オレ様の発言を聞いて、さらに顔を青くしてるしな。


「さあどうする?オレ様のものになるか、みんなの慰み者になるか?
 好きなほうを選ぶがいい」

「くっ……この変態っ!鬼畜っ!悪魔っ!人でなしっ!」

「ふむ、それは慰み者になるということでいいんだな?」

「あっ……ぐっ……」

「ちー姉さん……」


うむ、やはり元気系というか、生意気なのをこういう風にいじめるのは楽しいな。
わくわくしてきたぞっ!


「あのー、ちょっといいですかー?」

「む、なんだ天和ちゃん」

「ランスさ…まの物になったとしてぇ、私達は今までみたいに歌ったり踊ったり出来るんですか?」


ふむ、そういえば考えてなかったな。
オレ様的には好きなときにやれればいいから、それ以外なんざどうでもいいんだが……。
とはいえ、また黄巾党みたいのを集められても困るしなぁ。


「私達、歌って踊るのが好きなんです。だからお願いします」

「そうですね、私からもお願いします。今回の黄巾党騒動のように、暴れさせたりはしませんので」

「ふむ、まぁいいか。面倒を起こさないのなら許可してやる。
 で、それはつまりオレ様の物になるということでいいんだな?」

「ちぃちゃん、いいよね?」

「ちー姉さん……」

「う、うぅぅぅぅぅ。分かったわよ!あんたの物にでもなんでもなってやろうじゃない!」

「あんたではない、ランス様だ。それでは早速、オレ様の物になってもらおう!」


うっほほーい。ようやくできると思うと、みなぎってきたぜ!
シャキーン!
オレ様のハイパー兵器は、瞬時に準備完了だ!!
即効で服を脱いで!


「ちょっと!いきなり脱がないでよ!」

「何を言う。これがオレ様のハイパー兵器。今後君たちがお世話するモノだ!」

「おっ、おっきいね。れんほーちゃん」

「そ、そうね姉さん。初めて見たけど、おっきいわね……」

「ふむ、一応聞いておくが、全員処女だよな?」


三人とも顔を赤らめると、小さくうなずく。
うむ、素晴らしい!


「それではまず、オレ様のものを三人でなめてもらおうか」

「うっ、こんな気持ち悪いものを……」

「しょうがない、それじゃあみんなの慰み者に…」

「分かったわよ、やればいいんでしょ!」

「歯は立てるなよ」


おずおずと、オレ様のハイパー兵器に口を近づけていく3人。
そして、ゆっくりと先端をなめ始める。
その口は、男を知らない故にたどたどしい。


「んっ……れろっ、ぺろっ……んっ……」

「んっ……んふぅ、れるっ…」

「ぺちょっ……れろっ……あっ……」

「先端だけじゃなく、裏側もなめろ」

「んっ、わか……った……れろっ」

「おうっ、いいぞ。れんほーちゃんは袋をなめてくれ」

「はい、分かりました。んっ……れろっ、ぺろっ……」

「あ、あへ……。て、てんほーちゃんはそのおっきなおっぱいでハイパー兵器をはさみながら舐めてくれ」

「んっ……こっ、こうかな……んっ…れろっ、ぺちゃ、れるっ……」

「おお、やわらかくてぐっどだー!そのまま三人ともおうっ!」

「ふふふ、ここが弱いんだねー。んっ、ぺちょ……徹底的に、ぺろ、れろ……、なめてあげる……ぺろっ、れろっ…」


パイズリしながら、カリの部分を攻めてくるてんほーちゃん。
処女の癖に積極的とは、やるじゃないか!


「ふーん、いい声聞いちゃった。ちぃも手伝うわ、ちゅっ、ちゅっ、んっ……」

「んっ……おっぱいが……れろっ、ぺろっ、……熱く……れるっ、ちゅっ、なってきちゃった……」

「んっ、ちゅっ……ちゅっ、れろっ、れるっ、ぺろっ……んっ……」


パイズリでオレ様のハイパー兵器を攻めてくるてんほーちゃんに、カリを執拗に攻めてくるちぃほーちゃん。
無言で、しかししっかりと袋を攻めてくるれんほーちゃん。
あへあへ、気持ちいいぞ……。


「んっ、なんかかわいいね。ちゅっ、れろっ、すごく気持ちよさそうな顔してる」


そう言いながら、執拗におっぱいでハイパー兵器をしごいてくる。

「うほほー。もうたまらん、出すぞ!」

「えっ…、あっ……、んんんっ!」


どびゅ!どびゅ、びゅ!


「あへあへ、えがったー」

「んっ、熱い……」


オレ様は、腰を動かして強引に刺激を与えると、一発目を全員にかかる様に発射した。
ふぅ、とりあえずフェラはこれまでだな。


「それではメインディッシュ、いただきまーす!」


オレ様はすぐさま固さを取り戻したハイパー兵器で、三人を一日中可愛がるのであった。





翌日、ウルザちゃんやら白蓮ちゃんやらになんか言われたが、無理矢理認めさせた。
これでいいのだ。がはははは!











-------――――
センスが無さ過ぎて困る。
これをおかずに出来た猛者がいたら報告してくれw

そして正直、エロ消してR15位でその他版に行くべきかとも思うんだが、どうよ?
この程度のレベルでここにいていいのでしょうか……?



[6629] 第十五巻 汜水関攻略(ついでに華雄ちゃんもry
Name: あおたん◆15e52006 ID:c55e040d
Date: 2009/06/15 07:54
汜水関

それは天然の要害を利用した関であり、洛陽の東側にあって、洛陽への進行を塞ぐ鉄壁の守りの一つである。
その汜水関において、今、万の兵が殺しあっていた。
ある者は射殺され、ある者は射殺し、ある者は切り殺し、ある者は切り殺され、ある者は突き殺し、ある者は突き殺されて……。
辺りには、おびただしい数の兵士と、おびただしい数の"元"兵士と。


地獄


今まで大きな戦を体験していない兵士は、今この場所をそう評するかもしれない、そんな光景。


そんな汜水関で一組の男女が、兵の叫びを背に踊りだそうとしていた。


「ふっ、オレ様が勝ったらやらせてもらうぜ、華雄ちゃん!」

「ああっ、勝てるもんなら……、勝ってみろぉぉぉ!!」


繰り出される刃と刃がぶつかり合う。
それが、踊りの始まりの合図。
二人の一騎打ちは、こうして火蓋を切った。













黄巾党を潰し、三姉妹をおいしくいただき、事後処理を済ませたオレ様達は、領地に戻っていた。
ちまちま盗賊などを潰し、平和な日々が……


なんてこともなく、、すぐさま次なる事件がおきた。
なんでも、洛陽の董卓が暴れてるからみんなで倒そうってことらしい。
最近劉備ちゃんや関羽ちゃん攻略が進んでないので、ここで一発どうにかしようっ!とか思っていたら……


「我が名は華雄!私を侮辱した罪、死をもって贖わせてやる!」


なんか、汜水関とかいう関にいた一人が突っ込んできやがった。
槍…というよりは、ハルバードっぽいのを振り回してこちらに向かって一直線だ。

キュピーン!
これはチャンスだ!

相手は、ちびーずの挑発作戦に乗って出てきた馬鹿。
容姿は……うむ、おいしくいただいてあげたくなる感じだな。
けど、それなりに強いっぽい(もちろんオレ様ほどではないだろうが)
つまり、
馬鹿を倒す→馬鹿をやる+一騎打ちに勝ってオレ様格好良い!=オレ様もてもてー!
うむ、ここで頑張らない手はないな!

こうして、オレ様は馬鹿(華雄)に向かって突き進んでいった。













「そらそらそら!!」

「よっ、とっ、たっ!」


華雄ちゃんは、常識では考えられない速度でハルバードを振り回してくる。
縦横無尽というべきか、型にとらわれず、どんな姿勢からでも一撃を放ってくる。

まあオレ様にかかれば、防御するくらいなら造作も無いがな、がはははは!
とはいえ、攻撃に転じるとなると若干面倒だ。
地味に時間を掛けて倒すことなら出来そうなんだが、いかんせん派手にやってオレ様の強さをアピールせねばならん。
鈴女に吹き矢でも吹かせるか、とも思ったんだが、関羽ちゃんがそれを見たときに鈴女を使ったことに気づく可能性がある。
となると、オレ様の評価が上がるどころか下がる可能性もあるので却下。


「うーむ……」

「考え事をしてる余裕なんて無いぞっ!そら!そら!そら!」

「だーっ!!うるさいっ!君を倒す方法を考えてるんだから少しは集中させろ!!」


と、華雄ちゃんの攻撃が止まった。
ん、どうした?
なんでそんなに感心したような顔をしてるんだ?


「ほほう。防戦一方の状態でも、最後まで勝利を諦めないか」


……考え事してるから防戦になってるだけで、別に華雄ちゃんが思ってるような状況では無いんだがな。
とはいえ、これはチャンスだ。
なんかこう、一撃でずばっと終わらせる方法は……
………
……



ピッキーン!



「華雄ちゃん!」

「おっ、何か思いついたかっ!?」

「このままずるずると続けても面倒だ!次の一撃で勝負を決めよう!」


大声で、周りの連中にも聞こえるように話すオレ様。
近くにいた奴らは、一時的に戦闘をやめてこっちに注目している。
この状態じゃあ、断れないよなぁ……くくく。


「その意気やよしっ!貴殿の提案に乗ってやる!」


意気揚々とオレ様の提案に乗ってきたな。
これで、次の一撃勝負が決定した。
そしてオレ様には、超必殺技のランスアタックがある。
これでオレ様の勝ちは確定だな、うん。

そしてここに最後の罠を……。


「オレ様が勝ったら、敗者として素直に言うことを聞いてもらうぜ!」

「ふっ、好きにするがいい。ただし、……勝てたらだがなぁ!」


よし、言質も取った。
これで、オレ様が勝てば和姦成立なのだー。
というわけで


「いくぜ……」

「来いっ!」

「ラーンス……」

「はぁぁぁぁぁぁぁっ…」






「アターーーーーック!!!!」

「たぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


真上から振り下ろされたオレ様のカオスと、それに合わせるかのように振られたハルバードが交錯する。

そして……


「オレ様の勝ちだっ!」

『うぉぉぉぉぉぉおおおおお!!!!』


華雄ちゃんの手からハルバードは弾き飛ばされ、オレ様はカオスを天に掲げる。
周りで見ていた味方は声を上げ、オレ様の栄誉を称える。
うむ、予定通り派手に終わったな!


「ランス殿っ!」

「おお、関羽ちゃんか。見ていたか、オレ様の勇姿?」

「ええ、素晴らしい戦いでした。特に最後の一撃は、私も目を奪われてしまいました」

「がはははは!オレ様は英雄だからな!」

「華雄将軍が倒れたことで、汜水関は後一押しでしょう。これもランス殿のおかげです」

「ふっ、それじゃあ最後の締めは、関羽ちゃん、頼んだぞ。
 オレ様は、華雄ちゃんが逃げないように捕まえたまま陣に連れて帰るからな」

「そうですね、分かりました。きちんと成し遂げて見せましょう」

「おう、それじゃあ頼んだぞ!」


オレ様の期待に応える為か、張り切って汜水関を攻め立てる関羽ちゃん。
華雄ちゃんを連れて帰るための口実なんだが、まあ上手くいってよかったぜ。
これで今から華雄ちゃんと……ぐふふふ。

そして肝心の華雄ちゃんだが、なんかこう、降参だ好きにしろ的な感じで座ってる。
うむ、潔くて助かるぜ。


「おぅ、華雄ちゃん。これから敗者として連行するがいいな?」

「私は負けたんだ、好きにしろ」


というわけで、縄で縛って連行した。
華雄ちゃんは、縛らなくても逃げないといっていたが、これは縛ることに意味があるのだよ、ぐふふ。

そして陣へ到着。
途中、まだ戦中だとか言ってたちびーずがいたが、一騎打ちで疲れたとかなんとか適当に誤魔化しておいた。
ついでに鈴女に誰も入ってこないように見張らせてっと。


「さて華雄ちゃん。君は、敗者として言うことを聞くと言ったな」

「ああ、私は負けたんだ。ならば、その命をどうしようと勝者の自由だろう。好きにしろ」

「うむ、では好きにさせて貰おう!」


スパパパーン!
シャキーン!


速攻で脱いで、準備万全になったオレ様のハイパー兵器を前に、呆然とした顔の華雄ちゃん。
その顔を、喜びに変えてやるぜ。ぐふふふふ。


「よーし、では服を脱がすぞー」

「……ってちょ、何故脱いでる!?というか、何故私の服を脱がしにかかってる!?」

「何故って、好きにしていいと言ったではないか。っと、縄が絡まって脱がせられないな。それ、びりびり~っと」

「ちょ、きゃぁぁぁぁ!!」

「おお、女の子っぽい悲鳴を挙げるではないか。それにおっぱいも、なかなか大きくてぐっどだー」

「あっ、いや、だから、んっ、胸をっ、触るなっ……あぁ」

「うむ、触り心地もなかなかなのだー」

「ちょっ、んっ、だからっ、なんでこんなことっ…」

「好きにしていいと言ったのは華雄ちゃんなのだ。だから、これは合意の下のプレイなのだー。
 では、下のほうもびりびり~っとな。をっ、縄が食い込んでエロエロではないか」

「たっ、確かに好きにしていいとは言ったが、あっ、わっ、私はそんなつもりでっ、んっ!」

「ぐふふ、こうして縄で擦ると感じてるみたいなのだー。ほれほれほれほれー」

「あっ、んっ、そんなに擦ると、いたっ」

「とか言いながら、もう濡れてきたぞ」

「えっ、んっ、嘘っ」

「ぐふふ、体は正直ということだな。ということで、そろそろオレ様のハイパー兵器、ロックオンっ!」

「えっ、ちょっ、せめて普通に……」

「こうなったら男はもう止まらないのだ!照準良し、発射ー!!」

「あ…………アッーーーー!!!」





ご馳走様でした



[6629] 第十六巻
Name: あおたん◆15e52006 ID:c55e040d
Date: 2009/06/24 18:48
さて、汜水関で大活躍し、しっかり働いたオレ様だが、今度は虎牢関攻略に向かっている。
正直、華雄ちゃん(真名は教えてくれなかった。何故だ?)で遊びたかったんだが、華雄ちゃんから聞き捨てなら無い情報を聞いた。


「虎牢関の守将、霞と恋……いや、張遼と呂布は女性だ」


しかも不細工では無いと言うではないか。
ここは、その二人も捕まえて三人同時にお仕置きしてやるべきだろう。
ということで、オレ様は虎牢関攻略も頑張ることにしたのだ。









そして虎牢関が見える位置までやってきた。


「張遼に呂布、出てくると思うか?」

「虎牢関ですからね……」


ちびーず(あわわ)が言うには、虎牢関の守りは鉄壁で、篭城されるとそうそう落とすことは出来ないのだそうだ。
だから、守備側は打って出る必要が無いらしい。
ちなみに、汜水関も同じような感じらしいのだが、華雄ちゃんは熱血ばかなので、まんまと飛び出してきたんだとか。


「華雄ちゃんみたいに、挑発したら出てこないかな?」

「多分……無理だと思います。
 うわさに聞く限り、張遼さんは冷静な人物らしいですし、呂布さんは何を考えてるのか分からないらしいですし」

「まあ、とりあえず試してみればいいんじゃないでござるか?叫ぶだけならただでござるし」

「む、それもそうだな。近くに行ったら試してみるか」







という話をしながら前進していたら、虎牢関から敵軍が出てきた。
なんでかよくわからんが、オレ様にとっては都合がいいな。


「わざわざ虎牢関から出てくるとは……。何か作戦でもあるんでしょうか?」

「ふっ、弱気だな関羽ちゃん。敵がどんな作戦を使ってこようと叩き潰す、そうだろう?」

「そっ、そうですね。私としたことが少し弱気になってしまいました」

「正義の味方たるオレ様達が負けることは無いし、もし関羽ちゃんがピンチになってもオレ様が助けに行く。
 だから、安心して戦ってくれ。」

「はいっ!」


ちまちまと関羽ちゃんの好感度を稼ぎつつ、前進して行くオレ様達だった。










「うおおぉぉぉぉぉ!!呂布ちゃんどこじゃあぁぁぁぁ!張遼ちゃんどこじゃぁぁぁぁぁぁ!!!」


戦闘が始まってすぐ、オレ様は張遼ちゃんと呂布ちゃんを探して走り回っていた。
敵は歩兵部隊と騎兵部隊の二種類いて、今現在オレ様がいるのは歩兵部隊の方だ。
将が張遼ちゃんと呂布ちゃん以外いないのなら、こっちにどちらか一人いるはずなのだが……。


「っと、邪魔だ!」

「ぎゃー」


雑魚を片付けながら探し回るが、なかなか見つからない。
ちっ、どこに……


「ランスランス、あっちの方で味方がぽんぽん飛んでるでござるよ」


人を飛ばすような戦い方が出来るのは、関羽ちゃんクラスの人間だけ。
つまるところ、敵であれば二人のうちのどちらかの可能性が高い。


「よし、そっちに行くぞ!」

「って、なんか向こうから近づいてきてる気がするでござるが……」


人の飛ぶ位置が、どんどんこっちに近づいてくる。
そして現れたのは、人を簡単に飛ばす女の子。
オレ様の勘が、この子が張遼ちゃんか呂布ちゃんだと告げている!
まあ、違ったとしてもいただく事にかわりは無いんだがな。がはははは!


「君、名前は?」

「ん……呂布……」

「オレ様の名前はランスだ。今から君を倒させて貰うぞ」

「ランス……?」

「おう、ランス様だ」

「ランス……音々が敵の指揮官だって言ってた……」

「ん?何を言って……」

「倒す」


ガキンッ!
突如振り下ろされた一撃に、何とかカオスをあわせて防ぐ。
ぐっ、何だこの重さはっ!?
無理矢理弾いて体勢を立て直そうとするが、立て直す暇も無く次々に攻撃してきやがる。
くそっ!謙信ちゃん相手にしてるみたいじゃねーか!
動きが荒々しく、ひたすらに速くて重い。
こんな話聞いてないぞチクショウ!


「ぐっ!おわっ!うぉっ!」


オレ様が防戦一方だ。
やばい、やばすぎる。
ここは、謙信ちゃん相手にも使った戦法でっ!


「ランスコサーックキーック!」


足元を狙ったこの一撃、かわせまい!
と思ったら、ジャンプでかわされた。
うぎゃあぁぁぁ!謙信ちゃんにも同じようにかわされたんだったぁぁぁぁ!


「これで終わり……」


上を見ると、今まさにとどめの一撃を刺そうとしている。
やばいやばいやばい!
誰か助けてくれぇぇぇぇ!!!

ヒュッ

そんなことを考えているうちに、オレ様を殺そうとする一撃は振り下ろされて






ガキィッ!

「ランス殿っ!」

「関羽ちゃん!?」


関羽ちゃんの一撃が、見事に弾き返した。
関羽ちゃんは、そのまま呂布ちゃんと対峙している。
そして、オレ様はすぐさま体勢を立て直す。


「助かったぜ、関羽ちゃん」

「お怪我はありませんかっ!?」

「ああ、大丈夫だ」


さすがに一対一だときつかったからな、手助けしてくれるなら助かるぜ。
そうして、オレ様と関羽ちゃんの二人で対峙する。


「よし、関羽ちゃん。いくぞっ!」

「はいっ!」




そうして二人掛りで、呂布ちゃんにかかっていったのだが


「ぐっ……」

「そんな、二人がかりでも押し込めないというのか……」


オレ様と関羽ちゃん、二人を相手がかりでなお、呂布ちゃんを倒せないでいた。
こっちは二人していっぱいいっぱいなのに、呂布ちゃんはまだ余裕があるような表情をしている。
いったいどれだけ強いっつーんだ。


「二人くらいなら……平気……」

「ならば三人なのだっ!」


そんなオレ様たちの所に、がきんちょがやってくる。
こんな時は頼りになるな、がきんちょ!


「不本意ですがしかたありません、三人でかかりましょう」

「ああ、倒さないことにはどうしようもないからな……」


逃げられちまったら、この後のお楽しみタイムがなくなっちまうしな。
しかも、時間をかけると張遼ちゃんを逃がしちまうかもしれんし。


「それじゃあ、いっくぞー!!」


がきんちょの声を皮切りに、三人で呂布を攻め立てる。
関羽ちゃんとがきんちょは義姉妹なだけ、あってなかなかいい連携をしていた。
それにプラスして、英雄なオレ様だ。
さすがの呂布ちゃんもきついのか、防戦一方になっていた。
ここで決めるぜ!
オレ様が二人に目配せを送ると、二人とも分かったと言わんばかりに返してくる。
オレ様の思いが分かるとは、これは愛の力だな、関羽ちゃん。(がきんちょはしらん)
オレ様は、こっそりと力を溜め込んで……


「ランスアターック!」


必殺の一撃を繰り出した。
まあ、殺す気で撃ってるわけでもないので、必殺というのはおかしいかもしれんが。
とはいえ、武器ぐらいは吹っ飛ばすつもりだったんだが


「ぐっ……」


少しきつそうだが、呂布ちゃんはしっかりと耐えていた。
おいおいおい、本当どんだけ強いんだよ……。


そんなこと思っていると、虎牢関の方から声が挙がる。
どうも、門をこじ開けたらしい。


「ここまで……」


そう一言呟くと、突如走りだす呂布ちゃん。


「待てっ!」


関羽ちゃんが追いかけようとするが、速さが違う。
それに疲労もたまっていたのか、直ぐに離されてしまった。


「強かったのだ~」


がきんちょが満足そうに呟く。
周りを見回してみると、騎兵部隊の方も、撤退が終わったのか既にいなくなっていた。




こうして、オレ様の予定を何一つ達成できぬまま虎牢関攻めは終わってしまった。
呂布ちゃんや張遼ちゃんにぶつける予定だったものは、


「えっ、ちょ、八つ当たり……アッー!」


八つ当たりとして、華雄ちゃんですっきりさせてもらった。





―――――――
後半部分が、どうもしっくりこない。
でもとりあえずうp
どの辺を訂正したらいいのか、指摘していただけるとうれしいです



[6629] 第十七巻
Name: あおたん◆15e52006 ID:c55e040d
Date: 2010/02/28 05:04
洛陽の現状は、『悲惨』の一言が似合うんじゃないかと思う。
暴君董卓の名の下に、人々は餓え、苦しんでいたんだろう。

この街には活気が感じられない。
屋台で客引きをするおじさんの声や、井戸端で会議するおばさんの声、そして何より子供の遊び声が感じられない。
いや、正確には、その痕跡すら感じられないと言うべきか。

長いこと使われずにいたのか、風化した屋台。
壁ははがれ、扉は壊され、看板が道端に落ちているお店。
草や苔が生い茂り、使うことの出来ない井戸。
そして、道端に座り込み、ただ生きているだけの人々。

これが、これが都と言われた洛陽の姿なのだろうか。
私は、地獄にでも迷い込んだのではないか。
そんなことを考えてしまう。


「桃香様……」


そんな私を心配したのか、愛紗ちゃんが声を掛けてくれる。
ありがとう、愛紗ちゃん。
でも、お願いだから、本当にお願いだから


「もう少しだけ、待ってもらっていいかな……」


目に焼き付けよう。

ともすれば忘れがちになってしまう。
白蓮ちゃんの所で楽しく過ごしていると忘れてしまうけれど。

これが、この悲惨な状態がこの大陸の現状なのだ。
この地獄のような光景が、この大陸の現状なのだ。
この光景を無くすことが、私達の願いなのだ。
この光景を笑顔に変えることが、私達の願いなのだ。

今までのような、漠然とした思いではなく、確かな現実として私の夢を叶えよう。

私は一度まぶたを閉じて、この光景を記憶する。
ゆっくりと、絶対に忘れてしまわないように。


「桃香様……」

「んっ、もう大丈夫」


時間にして一分に満たないくらいだろう。
愛紗ちゃんの声に、目を開ける。
もう、大丈夫。
私の覚悟は固まった。


右を見る。
そこには、私の夢を叶えようと言ってくれた、愛紗ちゃんと鈴々がいる。

左を見る。
そこには、私達を引っ張っていってくれる、ランスさん達がいる。

後ろを見る。
そこには、私の夢に力を貸してくれる、沢山の仲間達がいる。

大丈夫、これなら私は戦える。
この人達と一緒なら、私の夢を叶えられる。

さあ、前を向こう。
私達の力で、この光景を笑顔に変えよう。
今はまだ大陸すべてを変える力は無いけれど、それでも出来ることはあるのだから。


「さっ、それじゃあ炊き出ししよっか♪」

『はいっ!』


元気のいい返事と共に、私達は洛陽での行動を開始した。













「ランスさんは、見回りをお願いできますか?」


炊き出しを始めた劉備ちゃん達をぼーっと見ていたら、そんなことを言われてしまい、今オレ様は見回りの真っ最中だ。
見回りの主な目的は、市民を見つけて、炊き出しの存在を教えること。
出来るだけ多くの人を救いたいという、劉備ちゃんの願いの表れだろう。

正直面倒だったので断りたかったんだが、劉備ちゃんの何かを期待するような瞳と、ウルザちゃんの睨むような視線が怖くて頷いてしまった。
しかたない、かわいこちゃんを探すついでに言われたとおりにしてやるか。

ということで、オレ様は街をあるいているのだが、その現状はなかなかひどい。
表通りもだいぶひどかったが、裏通りは更にひどい。
ゼスの2級市民が住んでた町とかと変わらない感じだ。
こんなところじゃ、かわいこちゃんはいないだろう。
そう思うと、急に面倒になってきた。


「あら、ランスじゃない」

「むっ、その金髪縦ロールは華琳ではないか」


そんなことを考えながら歩いていると、赤い方を従えた華琳に出会った。


「金髪縦ロールって……、あなたねぇ……」

「がはははは。ところで、こんなところでなにをしているんだ?」

「洛陽の視察よ。色々報告は聞いたけど、やっぱり自分の目で見ておきたかったからね。
 あなた達は炊き出しをしていたんじゃないのかしら?」

「オレ様は別行動で見回りだ」

「そう」

「あら、楽しそうね。私も混ぜてくれないかしら?」

「む?」


声のした方を向いてみると、おっぱいが4つあった。
4つのおっぱいが、今にも溢れんばかりに服にしまわれていた。
うーむでかい。とても揉みがいがありそうだ。


「貴様は孫策!何しに来たっ!?」


そう叫んで剣を抜き、華琳を守るように立つ赤いの。
どうも、4つのおっぱいのうち2つの持ち主は孫策と言うらしい。


「あらっ?なんか警戒されてるわよ?」

「雪蓮、だから言ったじゃない。普通は警戒するぞ」

「貴様らごちゃごちゃと!何をしにきたのかと聞いている!」

「うーん、面白そうなことしてたから、ただ混ざりに来ただけなんだけど……。信じてもらえないかしらね?」


改めておっぱいの持ち主を観察してみる。
ピンク色の髪の持ち主、シェレンと呼ばれた方は、エロイ服装に素晴らしいおっぱいが特徴だ。
オレ様的には今すぐにでもお相手してもらいたい位いい女だ。
黒髪の持ち主も、エロイ服装に素晴らしいおっぱいが特徴だ。
こっちの方が若干おっぱいが大きい気がする。
眼鏡を掛けてるんで、その大きすぎるおっぱいでパイずりさせた後、あの眼鏡にかけるのが面白そうだ。


「下がりなさい、春蘭」

「し、しかし華琳様……」

「大丈夫よ。下がりなさい、春蘭」

「はい……」


うーむ、なんか前にも同じような場面を見た気がする。


「さっすが、曹操。器が大きいわねー」

「ふふふ、ありがとう」

「君達、名前は?」

「あらごめんなさい、名乗ってなかったわね。私は孫策よ」

「周瑜だ」


ピンク色の髪の毛をした方が孫策。眼鏡を掛けている方が周瑜らしい。


「それにしても面白そう……か。確かにそうね。この場所に、洛陽とはいえ廃れた街の一角に、
 この大陸を納められる器を持つ人間が勢ぞろいしてしまっているんだから」

「あら?袁紹とか袁術とか、勢力だけなら大きいところはまだあるわよ?」

「ふぅ、本気で言ってるのかしら?なら私も、貴女の認識を改めなければならないのだけれど」

「じょーだんよ。あんな奴ら、今はいいけど直ぐにいなくなるわ」

「雪蓮!」

「安心しなさい、周瑜。別に袁術に話したりはしないわ」


さっきから、何話してるのかさっぱりわからん。
難しい話ならよそでしてほしいもんだが……まあいいか。とりあえず、おっぱいを眺めてよう。


「さて、私はそろそろ戻るわ。
 江東の虎が娘、孫策。
 異国から来た英雄、ランス。
 この私、覇道を往く者曹操は、あなた達と相見える時を楽しみにしてるわ」


オレ様がおっぱいに見とれている間に、華琳は言ってしまった。
慌しい奴だ。結局何がしたかったんだ?


「それじゃあ私も行くわ。ランス、まったねー」

「む、行く前にどうだ、オレ様と一発」

「さっきから私達の胸ばっかり見てたもんねー。でもだーめ」

「ほら行くぞ、雪蓮」

「あーん、待ってよ冥琳」

「オレ様も戻るか……」


こうして、それなりにいい時間を過ごしたオレ様は、見回りをやめて帰っていくのであった。













――次回予告!――


ついに相対した三英雄
これからは、彼らが時代を動かすことになる!



そしてキングクリムゾン!


時は流れ、大陸は三分された。


袁紹を倒し、河北四洲を制覇した ランス

袁術から独立し、江東一帯を治めた 孫策

破竹の勢いで周辺を平定していった 曹操


そして今、最大の戦いが始まる




次回、混ぜるな†危険 ~鬼畜戦士と三国志演義~

「こうして、北郷一刀は○○を手に入れた」

の一本です
お楽しみに!



[6629] 外伝 北郷一刀はこうして○○を手に入れた
Name: あおたん◆15e52006 ID:c55e040d
Date: 2009/09/24 23:24
ランスと会って、俺\(^o^)/オワタと思っていたんですが、案外そうでもなかったようです



おはこんばんちわ、主人公のはずの北郷一刀です。
ランスと出会って最初の戦は、怖かったんで桃香ちゃんにくっついてました。
あ、怖かったって戦場が怖かったわけではなく、ランスが俺のこと狙ってくるんじゃないか?って意味でです。
実際戦場では、血の臭いで吐きそうにはなりましたが、それ以外は特に問題無かったです。
あれですかね、今流行のゲーム脳?のおかげなような気がしないでも無いです。
グロゲーのやりすぎってことなんでしょうか?正直バイオとかあんまり得意じゃないんでやり込んでないんですが。
それともあれかな、俺の沙耶スキーが、沙耶の力よろしく脳をいじってくれたのかも知れません。
まあ、桃香ちゃんには戦場が怖かったと思われてるっぽいんですが、これは計画通りなので問題無し。
どさくさにまぎれて、体とか触ってみましたが、すげーやわらかかったです。
どんだけ柔らかかったかっていうと、あれだね……うん。
童貞には言いあらわせられない柔らかさでしたwww
おっぱいとかお尻とか触ってないのにこのやわらかさですよ?
おっぱいとかどれだけ柔らかいんだと小一時間問い詰めt(ry









そんなこんなで、初めての戦場を生き抜いた俺ですが、今後どうやって生き残ろうか考えました。


1・ランスのいないところで生きる
2・ランスに対抗して、自分もハーレムっぽいの作る
3・ランスのストライクゾーンの外を俺がっ!
4・まったり傍観


1を選んだ場合
主人公のはず(だよね、きっと……)なのに、物語を遠くから見るとか面白くないし、
桃香ちゃんは気になるし、なんだかんだ言ってランスの行動見てみたいし、桃香ちゃんはおっぱいだし……。
ってことで、面白くないので却下。
いやまあ、桃香ちゃんとか連れて別の地でただれた性活(誤字に非ず)とかもいいかもしれないんですが、
ランスが桃香ちゃんを逃がすはず無いし、現実的では無い気がします。





2を選んだ場合
死にます。速攻殺されます。
きっと、鈴女が苦しまずに殺してくれること間違い無しです。
まあ、エロイ技で殺されるなら考えなくも…(ry
いや待て落ち着け!死んだら、それ以外のいいことが出来なくなってしまうし、俺の桃香ちゃんがランスに食われる!
なもんで、却下!




3を選んだ場合
ランス君は、意外にローボールは見送る人間なのです。
ということで、ど真ん中は諦めて、ローボール一本に絞ればうまく住み分けられるかもしれません。
今いる中だと鈴々とか、ランスのストライクゾーンの外っぽいので、3を選ぶなら狙い目です。

ロ○とか、ただの屑やろうだな、お前……。って思ったそこのあなたっ!
それは違う、間違っているぞ。(孤独な王様的感じで)
ロリ(あ、言っちゃった)は正義。可愛いは正義と同じくらい正義。問題無いんです。正義なんです。大事なことなので(ry
よーく考えようよ!ロリが許されないのは、現代……というか、俺が元いた日本においてであって、この世界じゃないんだよ!
10歳で奉公とか、14歳でおっさんに嫁ぐとか、エロイ権力者の女にさせられるとかよくある話なんだよ!……シランケド
だから、郷に入りては郷に従えという言葉があるように、俺がロリでエロをしてもなんら問題は無いんだよ!……タブンネ

……OK分かった。それでも、詭弁並べるなよこのロリコンって言うんだな。
ならば、魔法の言葉を教えてやるよ!
いいか、よく聞けよ!









「本作に登場する人物は、全て18歳以上です」





HEY,YOU、これで分かっただろ?
聞くところによると、彼女達は全員18歳以上なのさ!
彼女達……鈴々とかちびっ子達は、 た ま た ま 背が低いだけであって、立派に18歳以上なんだYO。
つまり、現代日本の倫理観に則った上でも、まったく問題無いってことだ。
真正のロリコンたる君の期待に添えられないのは残念なことだがな……。

ということで、うん。
3は案外いいかもしれん。



もちろん前提として、俺のストライクゾーンは下に広いということは言うまでも無い。




4を選んだ場合
KYってレベルじゃねえぞ!
せっかく異世界来て、大好きなランスに会ったのにその発想は無いわ。
選択肢に入れたこと自体間違いだね。






結局、色々考えてみたが、脳内会議を開くまでも無く3で決定しました。
ロリっ娘補完計画、発動!














その後……
とりあえずは、必死に働くことにしました。
それで、せめて桃香ちゃんの気ぐらいは惹いておきたい!
っていう下心しかなかったんですが、まあそれは俺がオタクだったんでしょうがないってことで。
現代人の教育水準考えれば、この時代の仕事なんて楽勝だろ、常識的に考えて……。
知識ちーとで俺SUGEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEとなり、桃香ちゃんゲットだZE!




そんな風に考えていた時期が僕にもありました……。
ええ、あれなんですよ、あれ……。
分かるでしょ?異世界に飛ばされた物語の王道の一つ。




喋れるのに、読み書きが出来ない




まさしく、この状態でした。
つまるところ、まずは文字の学習からになるわけで……
そこから始めないと知識チートとか出来ないわけで……。


ということで途方に暮れることになりました。
そしたら、同じく途方に暮れる桃香ちゃんを見つけました。
頼んだら、読み書きを教えてくれることになりました。
うはwwwww俺主人公補正付き過ぎだろwwwwwww
一人でそんなことを考えながら、桃香ちゃんに文字を教えてもらう日々が始まりました。
おっぱいのことばっかり考えていたんで、中々文字を覚えられませんでした。
俺自重wwwwww俺自重しろwwwwwww
あれ、前にもこんなことがあったような……?


もちろんこれだけじゃなく、ロリっ娘補完計画も同時に発動します。
具体的には、鈴々にお菓子をあげて餌付けをしたり、鈴々に料理を作って餌付けをしたり、鈴々と一緒に街で食べ歩いたり。
鈴々ばっかりになるのはしょうがない。なんてったって、他にロリっ娘がいないしな!
桃香ちゃんには鈴々が好きなの?的なことを聞かれたけど、桃香ちゃんのことも同じくらい好きだよって言っておきました。
なんかちょっと驚いたらしく、あたふたしてました。かわゆいのぉ、かわゆいのぉ。
これで、俺のことを男として意識する生活が始まってくれるといいんですが……。






そんなこんなで過ごしていたところ、ついに黄巾党討伐の時期になりました。
そして、孔明と士元が軍に入りたいとか言ってきた。
もっと分かりやすく言うと、諸葛亮と鳳統だった。
そしてランス風にいうとがきんちょだった。

つまり、ロリっ娘だった。

ひゃっほおおおおおおおおおおおおおおおおおう!!!
とりあえず、桃香ちゃんに言って速攻雇わせました。
何でこんな早い時期にいるのとか、何で二人一緒にいるのとか正直どうでもいいです。
能力的に見ても、外見的に……特に体系的に見ても、この二人を雇わないとかいうことはありません。
ランスの様子を見るに、ストライクゾーンから外れてるっぽいです。
つまり、俺のものということですね、わかります。
きっちりと好きなものとか好きなことを調査した上で、俺に懐く様ちょうkyゲフンゲフン、餌付けをしていこうと思います。

後、何故かこの時を境に桃香ちゃんがご主人様って呼んでくれなくなりました。
一刀さんというのもそれはそれで来るものがあるんだが、もしかして思ってたことがばれて好感度大幅ダウンとかしてるんじゃないかと戦々恐々です。





いつの間にか黄巾党の乱が終わってました。
ランスと曹操が無茶しやがったらしいですが、下っ端の俺にはよく分かりません。
まあ、しばらく平和ということなので、一生懸命ロリっ娘と仲良くなろうと思います。



とか思ってたら、反董卓連合始まってました。
あれ、早くね?とか思ったんですが、さすがに細かい年代まで覚えてないんで実際どうかはわからんのです。
まぁちょうどいいタイミングなので、これを気に独立っ!とか考えて、公孫賛とか少し煽ってみたんですがダメでした。
なんか、ランスがランスらしからぬ頭の回転を……。
さすが変態、エロに関することは天才みたいです。
そういう意味では、少しだけ親近感が沸きました。
桃香ちゃんをあげる気は無いけどね!



反董卓連合で集まり(俺は身分が低いので、他の陣営の武将を確認できませんでした。チクセウ)、出発。
史実どおりだと、あれな感じの袁紹があれな作戦を出してた気がするんですが、そんなのものともせずに汜水関、虎牢関を抜けて洛陽に到着しました。
ここで俺は考えました。
確か、どこぞの井戸に玉璽が落ちてるはずなのである。
これを見つけてしまえば、漢王朝を敬う桃香ちゃん達の評価はうなぎのぼり間違い無し!
そして、あわよくば皇帝とか……ぐふふ。

まあ、皇帝とか正直どう考えても無理だとは思うが、とりあえず玉璽を探して損は無いので、こっそり探すことに。
んで、あそこでもないそこでもないとか探し回ってたら、倒れてる女の人を発見しました。
足とかは腕とかは、細くてとても引き締まっていて、その肌は健康的な色を放ち、何よりおっぱいは大きすぎることも無くとてもよい形をしています。
これは助けなければ!と思って近寄ってみたら、犬に攻撃されました。
体当たりとか噛み付きとか、近寄れば近寄るだけ威力が上がってくるので、さすがに無視できなくなりました。
それで、ロリっ娘陥落用に準備してたお菓子をあげてみたら、あっさり大人しくなりました。
正直、仕掛けた俺が言うのもなんですが、もっと主人を大切にしろと。
こんな簡単に買収されるなと言わざるを得ない感じです。

まあ、とりあえずの障害はさったので女性を介抱しようと顔を確認したら呂布でした。
つーことは、いつの間にか俺に懐いてるこの犬は赤兎馬か何かかもしれません。
上手くいけば、三国志最強の武将ゲット!+普通の女の子ゲット!?(性的な意味で)になるかもしれないという思いっきり下心満載の俺は、
とりあえず、俺の陣に連れて帰ることにしました。
心臓の辺りに手をあてて生死を今更ながら念入りに何度も何度も脈を計ったりしながら確認しつつ、お姫様抱っこをして連れ出すことにしました。

さて行くかと、羽根のように軽い呂布を抱えて歩き出そうとしたところで、ロリっ娘×2に呼び止められました。
かたや、清純派を地でいったようなお嬢さん(ロリっ娘)
かたや、眼鏡で帽子な僕っ娘(ロリっ娘)
どうも、この子(呂布)と知り合いらしいので話を聞いてみたところ、董卓と賈駆でした。
………
……………
…………………
正直、すごく驚いたのは確かなんですが、驚きすぎてどう驚けばいいのか分からないとでもいいましょうか。
俺のフラグの立て具合とか、主人公補正とかどうなってんのかと。
なんでこんな主人公補正的なイベント盛りだくさんなのに、ランスなんて余計なもの入れたのかと。
神様に突っ込み入れたい気分でした。
なんか考えるのもばからしくなったので、とりあえず全員連れて帰ることにしました。


翌朝には、何がどうなったのか董卓と賈駆がメイドになってました。
こうして、俺こと北郷一刀はメイドさん二人を手に入れましたとさ。









(・3・)あるぇー?
どうしてこうなっただんろう……


























―――――――――――――――

中々本腰入れて書く時間が取れません(´・ω・`)
でもまあ、しばらくしたら落ち着くので、
次回更新は今年中、完結は今年度中にする予定です
でも、予定は未定だって、どっかの偉い人がいtt(ry



[6629] 第十八巻
Name: あおたん◆15e52006 ID:c55e040d
Date: 2009/12/01 00:18
「あ~、早く戦争始まらないかなぁ~」


漆黒が支配する空間で、彼……いや、『あれ』は楽しそうに囁いた。
『あれ』は闇が支配する空間において、ただ一点の白として、その場にたたずんでいる。
あえてあれの姿かたちを言葉に言い表すとするのであれば、そう『白いクジラ』。


「ふふ、楽しそうですね」


その声とともに、白いクジラの前に、小さな、とても小さな何かが現れる。
いや、もしかしたらはじめからいたのかもしれない。
その大きさは白いクジラの数十……いや、数百分の一程度であり、白いクジラに比べればあまりにも小さすぎた。
そして、よく見ると現れた小さな何かは人の形をしている。
落ち着いたその声は、知性を感じさせる男性の声であり、眼鏡がその知性を更に印象付ける。
黒髪を長々と伸ばしており、白の装束に身を包んでいた。


「ね~于吉、戦争まだかな~。今まではちっちゃい国がいっぱいあったから、ぷちぷちの戦争も規模が小さかったじゃん?
 それはそれで面白かったんだけど、やっぱりいっぱいのぷちぷちが一気に死んでいく方が楽しいよね~。
 今は三つの大きな国だけになったんだし、早く戦争始めてくれないかなぁ~」


于吉と呼ばれた男は、しょうがないなぁといった風に苦笑いを浮かべる。
于吉にとって、目の前にいる白いクジラは小さな子供だ。
蟻の群れを興味深そうに見ていながら、興味が無くなれば踏み潰していき、それで何も感じることがないような小さな子供。


「ええ、いい感じに緊張も高まっていますし、そろそろお望みの戦争が起きると思いますよ。ただ……」


子供をあやす大人のように、優しく白いクジラに応える于吉。
しかし続く言葉は、わざとらしく顔をしかめながら続けられる。


「どうも三大国のうちの一つ、『公』の動きが面白くないんですよ。
 戦による大陸の統一をよしとせず、話し合いで平和を得ようとしている」


そう話した後、于吉はやれやれと言わんばかりに首を横に振り、白いクジラの方を見やる。
白いクジラは、おもちゃを取られた子供のような顔をしていた。


「えー!それじゃあ何の為に君達に協力したのかわからないじゃーん!
 僕はね、ぷちぷち達の戦っている姿が、苦しんでいる姿が見たくて君達に協力したんだよ?
 それなのに、それが見れないなんて、どうしてくれんのさー!」

「なぁに、その時は力ずくで壊せばいいのさ」


于吉の横に、新しい人影が現れる。
何処から現れたのか、それは銀髪の少年だった。


「ふふ、左慈は乱暴ですね」


于吉は、左慈と呼ばれた少年に言葉を返す。
その内容をそのまま読み取れば、それはたしなめる様な内容であったが、その実、于吉の声には喜色が含まれていた。


「この外史は本来あるべき外史ではない。それを壊すために手を組んだのに、結局どうにもなりませんでした、じゃすまないからな。
 貂蝉のやろうにやられた俺たちの力も大分戻った。とはいえ、俺と于吉だけでどうにかできるような状態じゃない……。
 くそっ!貂蝉さえいなければっ!」


左慈は、怒りを込めてその言葉を発する。
それを受けて、于吉は神妙に頷き、言葉を紡いだ。


「そういう訳で、我々だけではどうしようもありません。
 我々の目的を達するためにも、そして貴方の目的を達するためにも、力を貸していただけますか?」

「いいよ~。どうせなら、思いっきり面白くしちゃおうね!
 ……ふふふ、ぷちぷち達をどうやって苦しめるか。考えるだけでも楽しくなってきたよ!」


白いクジラはあーでもない、こーでもないと思考に没頭していく。
既に回りは眼中に無く、その思考はいかにすれば自分が楽しめるか、その一点にかかっていた。
そんな白いクジラを見て、二人の人間は踵を返す。


「それでは、一旦失礼します。また後ほど、考えが纏まった頃にでも伺いに参りますよ。
 それではまた会いましょう、





     ―――――ルドラサウム――――                        」






『ルドラサウム』それは、ランス達の世界を創造した、『神』の名前であった……。




















健業。それは版図を広げ一大勢力となった呉の国の首都である。
今、その玉座の間において、集められた緒将は重苦しい雰囲気に包まれていた。
議題の内容は今後の方針。呉の国の、今後の身の振り方である。

いまや、大陸は三つに分かたれていた。

曹操が率いる、最大勢力にして最大の敵となっている『魏』
天の御使いを旗頭に勢力を拡大し、河北四州を納めた公孫賛を主とする『公』
そして、彼女らの所属する『呉』

現在三国は、いずれも残りの勢力と隣接しており、国境線は常に緊張が続いている。
それでも、最近までは緊張だけであり、小競り合いなども起きていなかった。
『公』の方針が平和であり、領土拡大の野心が無かったこと。
また、『呉』の方針が『呉』の国の繁栄であり、今は外に目を向けるよりも内側に目を向けていたこと。
そして何より、『魏』の目が西国に向いていたことが大きかった。

しかし先日、ついに魏が馬家を下し西国を平定。その矛先を東、すなわち公ないし呉に向けてきたのである。
そこでついに、今後の方針、つまりは戦うのか、和平を結ぶのか、あるいは戦わずして降るのか、といったことを決める会議が開かれたのである。

しかし、場の空気は重かった。理由は簡単である。
全面対決するには、戦力差が大きすぎること。
和平を結ぶという道は、魏の方針、すなわち大陸制覇の方針にぶつかるため可能性が無いこと。
そして、戦わずして降るというのは彼女達の誇りが許さないこと。

結局、彼女達は動けないでいたのだ。
目の前に見える道は全て先が見えてしまっている。
では何か別の策は無いのか。
それを一人一人考えている。
しかし、有効な策が見つからない。
だからこそみな押し黙り、会議は重苦しい沈黙に支配されていたのだった。

いや、正確には―――――みなが気付いているのだ。
全ての条件を満たす方法があるということを……。


「私から提案があるわ、雪蓮」


落ち着いた、それでいて覚悟を決めた声で場の静寂を破ったのは眼鏡の奥から知性を滲み出させている女性だった。
名は周公謹。呉にその人有りと謳われた軍師である。


「は~、やっぱりそれしか無いの、冥琳?」

「そうね。現状を打破するならその手しか無いわ」

「じゃあ問題は……」

「そう、『どちらにするか』……よ」


二人の間に緊張が流れる。
そしてその緊張は回りに伝播し、誰も口を開くことはなく、二人のことを見守っていた。


「シャオが行くわっ!」


そんな中、一人の少女が声を挙げる。
その声は覚悟に満ちたものというよりは、好奇心に満ちていた。

「私は呉の国が好き。かあさまの代から育み、大きくしてきた呉が大好き。
 でもね、それと同じくらい外の世界を見てみたいの。
 魏が、公が、あるいはその更に先の世界がどんなものなのか見てみたいの。
 その点、相手は天の御使い。シャオの知らないことをいっぱい知っていると思うし、いっぱい教えてくれると思う。
 もしかしたら、天の世界にも連れて行ってくれるかもしれない。
 そう考えたらね、もう止まらないの。
 この思いが、勝手に大きくなってしまっている。
 だから今回は、シャオが行くわ」


孫尚香の話を聞いて、孫伯符は思う。ああ、私の妹だ……と。
興味を持ったものに対して手を抜くことが無いその姿は、まさしく私の妹だ……と。
そうして優しく苦笑い。

周公謹は考える。孫尚香を出した時の利と孫権を出した時の利を。
小蓮、彼女の明るさならば、異国の地にあっても直ぐになじむだろう。そして、ランスとも直ぐに打ち解けるようにも思える。
逆に蓮華様を送った場合、ランスの性格に合わないことは間違い無い。
それに、蓮華様は君主の才を持っている。雪蓮に何かあった際に呉を纏められるのはこの方だけだ。
となると、やはり……。
そこまで考えて、周公謹は、やはり自分は軍師だな……と苦笑い。

孫仲謀は揺れ動く。安堵の心と申し訳なさに。
他国に嫁ぐということを、しなくてよくなりそうなことへの安堵。
妹に全てを押し付けてしまったのではないかという申し訳なさ。
彼女は揺れる、揺れる揺れる。
未だ彼女は、開花せぬまま……。


「それじゃあ小蓮、頼んじゃっていい?」

「うんっ!任せてっ!」


こうして、公の英雄ランスと呉の姫孫尚香の婚姻による同盟の話が動き出す。
孫尚香は呉の運命を託され、公へと向かった……。



































「チェンジで」

「なんでよーーっ!!!」



そして断られた。












―――――――――――――――――――

久しぶりに無印やったら、孫家が可愛すぎて困った。
というか、全体としてキャラが無理にキャラづけされてなくて丸い感じ。
鈴の音の人とか片目の人とか、真だと少しぶっ飛びすぎだと思うんだ。
でもシナリオは真の方が上。
キャラ萌えの無印。
シナリオの真。

なんとなくそんなことを思った今日この頃。



[6629] 第十九巻
Name: あおたん◆15e52006 ID:c55e040d
Date: 2010/01/06 00:31
「ちょっと!!チェンジってどういうことよ!」


現在目の前でわめいているのは、呉の使者として来たちびっこだ。
どうにも、俺様の判断が気に入らないらしい。
しかしだ、むしろ文句を言いたいのは俺様なのだ。

今日の会見は、呉の使者との正式なものだという話だった。
そして俺様が知っている呉の人間といえば、孫策と周瑜だ(名前はこの前聞いた)
つまるところ、どっちもむちむちでおっぱいがバインバインなのだっ!
だから、呉の使者と聞いてワクワクして来て見ればこんなちびっ子……。
俺様がどれほど落胆したことか……。


「そ、そうは言うがな、ランス。そんなけんもほろろに送り返す訳には……」

「それこそ何を言う、白蓮ちゃん。俺様がこんながきんちょに欲情するとでも思うのか?」

「い、いや……。確かにランスは小さい子には手を出さないから孫尚香には欲情しないとは思うが、そういう話ではなく……」

「何だ、ちゃんと分かっているじゃないか白蓮ちゃん。俺様が手を出すのは、バインバインな大人の女性だけなのだ。
 まあ、たまにバインバインでなくても手は出すが、少なくともお子様には手をださんのだ。
 つまり、こんながきんちょを結婚する理由なんぞまったくないのだ。
 というかそもそも、俺様は結婚などせん。
 英雄で超絶格好いい俺様が結婚なんてしてしまえば、何人もの俺様を愛してる女を泣かせることになるからな。がはははは!」


そもそもの前提として、俺様が結婚する気が無いということを無視しているこいつらが悪いのだ、俺様は何にも悪くない。
……まあ、来たのがバインバインのねーちゃんだったら、口約束ぐらいはしておいて、おいしくいただいていたかもしれんがな。がはははは!

む、白蓮ちゃんやらウルザちゃんやらみんなして俺様を見ているな。
俺様の言葉に感動してしまったか。照れるではないか。


「ま、まぁそういうわけだから、婚姻の話は置いておくとして……だ。
 公としては、同盟の話は大いに賛成なんだ。むしろ、こっちからお願いに行こうと思ってたくらいにな。
 だから、政略結婚とか人質とか無しに、普通に同盟してくれればいいかなぁ……なんて……」


なんというか、恐る恐る声をかける白蓮ちゃん。
向こうにとって悪いことなんか何一つ無いんだ、俺様みたいにバシっと言ってやればいいのに。
がきんちょは、なんか知らんが俯いてプルプルしてるし。


「わかったわ……」

「おっ、そ、そうか、わかってくれたか!それじゃあ早速、同盟の調印を……」

「貴方の考えはよーーーーーっくわかったわ、ランス」


ん、ここでなんで俺様なんだ?


「確かに貴方の言うとおり、シャオの体はちょーっとばかり貧相かもしれないわ。
 でも、それは成長途中なだけで、直ぐにお姉ちゃん達みたいにばいんばいんのぼいんぼいんになるもんっ!
 それに、体型以外の女性としての魅力なら、シャオは誰にも負けないわ!
 そこの貴女達にも、お姉ちゃん達にもね!
 見てなさい……、直ぐにそれをわからせてあげるわ……。
 そこのあなたっ!そう、私と一緒に呉から来たあなたよっ!」

「はっ、はいぃっ!」

「帰ってお姉ちゃんに伝えなさいっ!結婚式の準備をしておくようにって!」

「え……あの……正しく伝えた方が……」

「直ぐに本当になるんだから、この程度誤差よ誤差っ!
 つべこべ言わずに、さっさと行きなさいっ!」

「はいぃぃぃ!」


慌てて駆け出す男。
残されたのは、ぷんすかしてるがきんちょと、ぽかーんとする俺様達。
で、結局どうなったんだ?


「というわけだから、しばらくお世話になるわっ!いいわねっ!?」

「いや、だから婚姻とか無くても同盟は結ぶと……」

「ということで、ランス!行くわよ、案内してっ!」

「いや、ちょっと待て、何で俺様が……」

「いいから行くのっ!」

「いやっ、だから、どわっ、引っ張るなぁあああああ!」


こうして、がきんちょは居座ることになった。
俺様のような英雄がもててしまうのはしょうがないことではあるが、さすがにがきんちょはないな、うん。



ちなみに


「そういえばランス」

「ん?」

「チェンジって何?」


がきんちょはチェンジの意味を知ら無かったにもかかわらず、雰囲気で内容を察していたらしかった……。










「……という訳でして、はい」

「なるほど、分かった。下がっていいぞ」


シャオについて同盟の締結に向かい、なのに一人帰ってきたやつの報告を聞くと、冥琳はそいつを下がらせた。
眉間の辺りを押さえて、何か難しそうな顔をしている。


「そんなに難しく考えなくてもいいんじゃないの?一応同盟は締結できてるっぽいし」

「はぁ……。まあそのとおりなんだが、天の御使いには我々の常識が通用しないということを身をもって知らされたよ」

「そうよねー。まさか理由が、ちびっ子過ぎて欲情しないからいらないなんて。普通に戦争の口実になるわよねー」


私としては、理由がすっきりしてる分好感が持てるんだけど……ね。


「それに……だ。小蓮様も何をやっているやら。帰っていいと言われたんだから、帰ってくればいいものを……」

「あら?私としてはそっちの方は理解出きるわよ。いい女じゃないからいらないって言われたのよ、見返してやりたくならない?」

「生憎と私は軍師でね。そんなことには拘らないさ」


そう言って自嘲気味に笑う冥琳。
まったく、まだまだ女を捨てるには早いでしょうに……。


「で……だ。今後のことなんだが」

「そうねぇ、魏との国境付近に兵力を集結させつつ、公と連絡を密に取るくらい?」

「そうだな。下手に我々が打って出る、ということで公に打診する訳にはいかないな。
 もしそんなことをして、作戦の主体がこちらにあるのだから魏の本隊はこちらで相手にしろとか言われたらたまったものではないしな」

「んーそうなんだけど……、でもランスはそんなつまらないことするような人には見えなかったけどなぁ……」

「それは私も同じ考えだよ、雪蓮。しかし、ランスに関してはそうかもしれないが、周りはそうとは限らないということさ」

「ようするに、待つしか出来ないってこと?」

「そういうことさ。何か大きいことが起きるなら、小蓮様が伝えてきてくれるだろう」

「ちぇー、つまんないのー」


そう言う私を見て、冥琳は笑う。
それはとても柔らかい笑み。
それを見て、私も何故か笑い出す。
私は、呉の国の持つ、こういう雰囲気が大好きだ。
だからこそ呉を守りたいとも思うし、笑顔を持つ人が増えるようにと、発展させたいとも願うのだろう。


「ねえ冥琳」

「ん、なんだ、雪蓮?」

「頑張ろうね♪」

「……ああ、そうだな」


そうして、私と冥琳はまた笑いあうのだった。









ーーーーーーーーーーーーー

終わらせるまでが作者の仕事。
ちょっとgdgdしてるなーとか思っても負けない。がんばる



[6629] 第二十巻
Name: あおたん◆15e52006 ID:c55e040d
Date: 2010/02/28 05:02
「ん、集まったようだな」

シャオ(本人からそう呼ぶように言われた)が俺様の下に押しかけてきた翌日、俺様たちは再び玉座に集まっていた。
この場には、何故かシャオも来ている。本人が言うには、もう既に公の一員なのだから当たり前なのだそうだ。

「昨日今日と連続で呼んでしまってすまない」

白蓮ちゃんの言葉を聞き流しつつ、今日の議題は何だろうと考える。
昨日は真面目な話をして、呉との同盟を締結させることが出来た。
となると今日は、それについてのお祝いとかではなかろうか。
きっと白蓮ちゃんが手を叩けば、そこかしこから綺麗なねーちゃん達が飛び出してくるに違いない。
この街にいるかわいこちゃんは大抵手をつけた後だということは、白蓮ちゃんも知ってるから、遠くから別のかわいこちゃんとか呼んでないだろうか。

「昨日は、呉の国と同盟をすることが出来た。これは、我が公の国にとって大きな前進だ。
 なぜなら、残りの敵が魏の一国になることを意味するからだ」

む、なんか白蓮ちゃんが真面目なことを話し出している。
周りもみんな真剣な目をして聞いてるっぽいし、どうにも綺麗なおねーちゃん達とうはうははできなさそうだ。

「そこで、今日みんなを呼んだのは他でも無い。魏に対して、我々がどう立ち向かうかということだ」

「その先は私が引き継ぎましゅ」

白蓮ちゃんの言葉を引き継いで、いきなり噛んだちびーずの片割れ、確か孔明ちゃんだったか、が話をする。
話が難しくなりそうなので、俺様は周りを見て気を紛らわすことにした。

「つい先日、曹操さんの率いる魏は西方の平定を終了しました。
 それはつまり、西に向けていた兵力を東に向けることが出来るということです」

俺様の女達だけあって、みんな中々いいおっぱいをしている。
大きさだけで言えば、マリア・鈴女・桃香ちゃんが大体同じくらいだろうか。
大きさでおっぱいのよさが変わる訳ではないが、大きいのはやはり揉み心地が良くてグッドだ。
それに、大きければパイズリできるしな。

「兵力を東に向けることが出来ると言うことは、すなわち私達、公か呉と戦をすることが出来ると言うことです」

次におしりだが、これもやはりマリアと桃香ちゃんが並んでいいな。
なんていうかこう、服の上からでも分かるむっちりとした感じがたまらない。

「魏の国の方針は一つ。すなわち、魏の国による大陸の制覇です。それはつまり、私達と必ずどこかでぶつかるということです」

最後にスレンダーないい女という意味では、ウルザちゃん・星ちゃん・関羽ちゃん。
この三人は、出るところが出て引っ込むところが引っ込んでいるという素晴らしい体だ。
マリアや桃香ちゃんがなんていうか、ポヨっとした体型なのに対して、こちらはスラっとした感じ。

「そうなると、私たちのとる手段は限られます。守るか、攻めるかです」

守るか攻めるか、か。
劉備ちゃんやマリアはぽやぽやした感じがあるので守りと言う感じだろう。
なんというか、俺様の好きに攻めさせてくれそうだ。
逆に星ちゃんや関羽ちゃんは、やってる途中でも俺様に主導権を渡さないようにしてきそうだ。
星ちゃんなんかは特に、「悪い女」みたいな感じで積極的に攻めてきそうなきがするぞ。



ところで……

「攻めるとか守るとか、どういう意味だ?」

俺様が崇高な考えをしている間に、なんか回りでは別の話が進行していたらしい。

「はい。説明しますと、攻めるとは文字通り魏の領地に攻め入ることです。
 曹操さん達がこちらに攻めて来る前に攻め入ってしまおうということですね。
 逆に守ると言うのは、曹操さん達が攻めてくるのを待って、それを撃退してしまおうと言うことです。
 この場合、撃退した後、魏の兵力が回復する前に、逆侵攻を仕掛けることになります。
 前者の利点として、私達公の国土が蹂躙されないこと、また魏の戦力が整う前に戦うことが出来ることが考えられます。
 ただ欠点として、同盟国である呉が援軍要請に応じてくれるかどうかがいまいち分かりかねないという点が考えられます。
 緒戦で私達が勝利しても、魏にはまだ兵力が残ってるわけですからその後泥沼になる可能性が否定できません。
 その間に国力を高めるなり、漁夫の利を得る為に機を見て攻撃するなり、美味しい所だけを狙う可能性があります」

ふむ、なんかよく分からんが、魏に攻め入ると、呉においしいとこどりされるかもしれないということか。
俺様達が苦労だけするというのはもちろん却下だ。

「次に後者の利点として、呉の援軍が考えられます。
 私達公及び呉は、魏との国境に既に多数の兵を控えさせています。
 時間が経つにつれ、その数は私達の国のほぼ限界まで膨れ上がるでしょう。
 現時点で兵数に劣り、かつ最大兵数に勝る魏からすれば、私達の兵数に勝るまで手を出してくることは無いはずです。
 となれば、多少時間がかかってでもこちらの兵数を上回るまで、すなわちほぼ全ての兵を集めるまでは攻めてこないはずです。
 この場合、起こるのは決戦。
 そして私達が攻められた時に呉が援軍を出さない場合、私達が負ける可能性は決して低いとは言えません。
 そしてもし私達が負けた場合、呉は私達の国土を吸収した魏と戦わなければならないことになります。
 呉としてはそんなことにするわけにはいきませんし、呉が攻められたときの私達も同様です。
 ですから最終的には、魏対呉と公の連合軍ということになります。
 欠点は、先手を譲るので向こうにある程度の主導権を握られてしまう点ですね」

とりあえず、守れば魏・呉・公のほぼ全兵力による決戦になるということは分かった。
これはどうだろう……。
決戦となればどうなるか。まず、英雄たる俺様がいる時点で公に負けは無い。
そして、俺様は間違いなく大活躍だ。
とすれば、星ちゃんや関羽ちゃん相手に最後の一押しをするちゃんすかもしれん。

が……だ。
大規模な決戦ともなれば、それだけ俺様の女(予定も含む)を失う可能性が出てくるわけだ。
小規模な戦いなら、俺様が駆けつけるのも面倒じゃないし、むしろ俺様の格好いい姿を見せることが出来るから大歓迎だ。
しかし決戦ともなると、俺様の女達があっちこっちで戦うことになり、俺様のフォローが間に合わなくなる可能性がある。
しかも今回は、相手側である華琳達も死なないようにしないといけないわけだ。
それは、いくら英雄の俺様でも難しいものがある。
とすると、できれば戦わずにどうにかしたいのだが……。

みんなの視線が俺様に集まっている。
ここで素晴らしい意見をずばっと言えなければ、英雄たる俺様っぽくない!
白蓮ちゃんなんかは、俺様の判断がこの国の未来を決めることを知ってるんだろう。
さっきから、ひたすら熱っぽい目をこちらに向けてくる。
いくら俺様が影番みたいなことをしているとはいえ、さすがは王様だな。
ふむ……、王様といえば華琳も王様だし、シャオもなんだかんだで王女様か。
公と呉の偉い女を従え、最後の国の偉い女を手に入れに行く、さすが俺様。
あっちでも、リアに陽動でヘルマンを攻めさせる準備をさせてるし、突入部隊にはゼスの王女であるマジックちゃんが含まれている。
そして、いざシーラを捕まえに行こうとしたところで……ってあれ、なんかこの状況似てないか?
大陸に国が三つ(JAPANは大陸に無いから含めない)というところもそうだ。
とすると、向こうのことを参考にすればいいのかもしれん!


向こうだとリーザスとヘルマンの国境付近は物騒だが、ゼスとリーザスの諍いはまったく起きていない。
何故ゼスとリーザスがもめていないかと言えば、それはリアとマジックちゃんが俺様の女だからだ。
俺様の女のいる国同士が戦ってもしょうが無いしな。
そして、シーラも俺様の女にしてしまう予定だったから、ゼス・リーザス・ヘルマン全てが俺様の下に平和になるのだ。
さすが英雄たる俺様。人類を統一し、世界を平和にしてしまうとは。

とすると、これを参考にしたときどうなるか。
公は既に白蓮ちゃんが俺の女だから問題無し。
呉も(後で変えてもらう予定ではあるが)王女が俺様の女になってるから問題無し。
つまり、後は華琳を俺様の女にすれば終わる。
わざわざ戦って大陸統一しなくとも、すべて丸く収まるわけだ。

とすると、華琳に会う手段は……




1・もう考えるのも面倒だ。直接会いに行こう

2・もう考えるのも面倒だ。直接会いに行こう

3・もう考えるのも面倒だ。直接会いに行こう




さて、どうするかな……?



[6629] 第二十一巻
Name: あおたん◆15e52006 ID:c55e040d
Date: 2010/03/18 03:03
華琳にとって、ランスは常に予想の斜め上を行く存在だった。


初めて出合った時、ランスは英雄と言われていた。そして、ランス自身もその気になっていた。
それが、華琳にとってはたまらなく不愉快だった。
英雄とは、民を、そして国そのものを導く存在のことを指すべきである。
それが英雄と呼ばれるものの存在意義であり、役目であるべきだ。
華琳はそう考えていたからである。

しかし華琳が見たところ、ランスはそのようなつもりがまったく無いように見えた。
彼にとって英雄とは、自身を褒め称える称号の一つに過ぎないように見えたのだ。
だから説いた。
英雄とは何かを。
英雄を名乗ることの意味を。
そして、その言葉が持つ重さを。

その上で、華琳はランスに尋ねたのだ。
それでも英雄を名乗るのか……と。

勢いだけで英雄を騙っていた人物ならば、ここで怖気づいて英雄を名乗るのをやめるだろう。
英雄と言う言葉を利用して自身を権威付けている人物であれば、強がって英雄を名乗り続けようとするのだろう。

英雄をやめるのならよし。
それでもなお、自身の利害の為に英雄を騙るのであればその場で切って捨てるつもりでさえいた。

しかし、ランスはそのどちらでもなかった。
彼は英雄を名乗り続けることを選択した。
しかしそこに利害の計算は一切無く、ただ純粋に、英雄であるが故に英雄を名乗る、そのような当たり前の感覚として英雄を名乗ったのである。

華琳はこの回答を聞き驚いて…………、そして心底愉快になった。
この大陸出身の者ではないとはいえ、これほどの人物がまだいたのか……と。
あまりにも愉快だったため、真名まで教えてしまった。
それが、華琳とランスとの初めての邂逅だった。



次に驚かされたのが、黄巾党を倒した時だった。
あの時、ランス達を囮に使う作戦を提案したのは華琳だった。
華琳から見れば、それが一番確実で、損害の少ない戦い方だったからだ。

しかし考えてみれば分かると思うが、
「一旦帰って兵士を集めてくるから、それまで囮として敵をひきつけておいてね」
などと言われて誰が納得するのだろうか。
いや、逡巡し、計算し、そして華琳達を信じることが出来るかどうかを利害から考えて、信じることが出来るかもしれないと思えば納得するかもしれない。
しかし、ランスの反応はそうではなかった。
ランスは考える素振りすら見せずに了解したのだ。
そこにどのような思惑があったのかは分からない。
ただ事実として、ランスはすぐさま了解したのだ。
これに華琳は驚かされた。
そして思ったのだ『この信頼に応えたい』……と。
そしてそれは結果として、華琳達の準備を早めることにつながり、黄巾党討伐に成功したのであった。




そして今、華琳は玉座に向かっている。
ランスに驚かされ続けてきた彼女が、今また、ランスに驚かされることになった。
魏対呉・公の図式が明確化された今になって、どうしてこのようなことが起こるのか。
華琳はいらだちまぎれにそのようなことを考える。

しかしそれと同時に、楽しいと感じてしまっていた。
自身の予想の斜め上を越えていくランスが、今度は何をしてくれるのか。
今回、ランスがここに来た理由くらいなら検討がついている。
そして、それを華琳が認める分けないということも向こうは分かっているはずだ。
しかし、それでもなお、ここに来たのだ。
つまり、また何かしら驚かせてくれるのではないか、そういう思いが華琳の胸の中に渦巻いており、それを楽しいと感じてしまっているのだった。


そんなことを思いながら、玉座の間に通じる扉にたどり着く。
そこで華琳は一度立ち止まり、『華琳』から『魏王曹操』へ変わる為に一度深呼吸をする。
そうして切り替わった自身を客観的に見つめ、扉に手をかける。
扉が開くに連れて開けていく視界からは、いくつもの視線が向けられる。
それを受けながら、華琳は魏王として堂々と玉座に向かう。
そして玉座に腰を下ろすと、ついにその口を開いた。

「待たせたわね、ランス」

「応、待ってたぜ華琳」


大陸の運命を決める話し合いが、今始まろうとしていた。














「さて、今更挨拶なんて面倒なことはいいわ。それで一応聞いておくけど、今回の訪問は何のようなのかしら?」


玉座に座り、ランスと一言交わすと、華琳はすぐさま本題に入るように促してきた。
魏の王、その肩書きにふさわしくその言葉には力があり、対峙した公の面々(+小蓮)は気圧される。
約一名……ランスにおいてはその限りではなく、いつものように堂々と、胸を張る……というよりはふんぞり返るようにして華琳を見返していた。


「それでは単刀直入に言わせていただきます。公及び呉の国との戦争をやめ、恒久的な三国同盟を築きませんか?」


公の面々の中でいち早く正気に戻り、言葉を発したのはウルザだった。
ゼスの四天王たる彼女にとって、ある程度の威圧感は慣れたものだったので、その分他の者より立ち直りが早かったのだ。


「現在、大陸は3つの大国によって治められています。すなわち、魏・呉・公の三カ国です。
 そして現在、国家間の緊張と言う一点を除けば、この大陸に住む人々は幸せに暮らしていると言えるでしょう。
 それは何故か?それは、現在大陸に残っている三カ国が、それぞれ民の幸せと平和を目標にしていた国であるからです。
 つまり、魏・呉・公のそれぞれの国は、それぞれに共通した目標を達成していることになります。
 にもかかわらず、ここで再び戦端を開いてしまえば、大陸は再び黄巾党の事件に端を発した混乱に包まれ、民の平和と幸せは夢と消え行くでしょう。
 しかし、先ほども言ったように私達三カ国の目標は同じであり、それは既に達成されているのです。
 であれば、わざわざ戦端を開き、混乱を導くことに意味はあるのでしょうか。
 少なくとも私たちは、そこに意味があるとは思えないのです」

「では私たちが取れる道は何か。そこには二つの道が考えられます。
 一つは、話し合いによる、漢王朝のような大陸統一国家の作成。
 もう一つは、三カ国による同盟の締結です。
 ……前者については、難しいと言わざるを得ないでしょう。
 利害関係の調整や法制度の統一など、様々な軋轢や混乱を引き起こす可能性がありますし。
 もちろん、不可能かどうかで考えれば、可能です。しかし現在の状況を鑑みれば、それをすることの利益は薄いように考えられます。
 なぜなら、後者の方法が取れるからです。
 後者の方法をとった場合、それぞれの国が、それぞれの制度や理念などを維持したまま、今後の平和を望むことが可能だからです。
 戦争も無く、私達の目標が達成できる。それならば、それを選択すべきではないでしょうか?」


ウルザの言葉を聞いて正気に戻り、続いて言葉を発したのは朱里と雛里だ。
彼女達は軍師という立場から、現在の状況、そして戦争が起こった場合の不利益を述べ、そして三国同盟が成った時の利益を説く。
彼女達は冷静に、感情を混ぜずに淡々と話す。
彼女達から見た華琳という人物は、冷静で、冷酷で、それでいて計算高い人物。
であれば、余計な感情など入れずに、ただただ事実だけを述べる。その方が成功率が高くなるように思えたからだ。
そして、それを華琳は聞いてはいるようだった。しかし、その表情に変化は無い。


「私達の目標を達成できる方法があるのに、それでもまだ大陸統一の為に戦争をするというのは、
 そしてみんなの平和を乱すということは、それはもう平和のためなんかじゃないっ!大陸を統一するための戦いだよっ!
 そんなの……絶対に許せないっ!」


そして最後に桃香が思いのたけをぶつける。
これは朱里と雛里にとっては想定外の発言だった。
先ほども言ったように華琳という人物は、冷静で、冷酷で、計算高い人物であると二人は思っていた。
であるから、このような感情論は逆効果にしかならない、そう思っていたのだ。

なのに、想定外の桃香の発言。
これを聞いた二人は、本来であれば肝を冷やすべ立場だ。
しかし、彼女達二人が抱いた印象は、逆だった。
心を打たれた。
彼女達だけではない。桃香の言葉を聴いていた人間は、みな一様に心を打たれていたようだった。

智謀を司る軍師達の様に、理路整然と言葉を並べ立てたわけではない。
前線を鼓舞する将軍のように、圧倒的な力強さがあったわけでもない。
しかし、響いた。
『平和』という夢を追う少女の、後一歩で『平和』をつかめると思った少女の心の叫びは、確かに人々に響いたのだ。

これには魏の軍師たちも、そして武将達も言葉を発することができず、このまま決するように思われた。
しかし



「貴女が何を許さないというのかしら、劉備」



『華琳』という王はそれを上回る信念を有していた。


そして、最初の言葉以上に冷酷に、そしてまるで期待はずれだといわんばかりに言葉を続ける。


「まず一つ言っておくわ。劉備、貴女何様のつもりなの?
 今の貴女は公の国の一武将。王でもなければ、外交の最高責任者でもないの。
 つまり、今の貴女には力なんてこれっぽっちもないのよ。
 そんな貴女が許さない?笑わせないで頂戴。
 今の貴女に出来ることなんてこれっぽっちもないのよ」

「っ……!」


桃香が息を呑む。
華琳の言うとおりだった。
桃香……劉備は何かと目立つし、その発言は人の心を惹き付ける力を持つ。
これは確かだ。
しかし、言ってしまえば、ただそれだけなのである。
華琳の言うように、劉備は王でもなければ、外交の最高責任者でもないのだ。
仮に劉備の意見を通そうとするならば、軍師やランス・白蓮といった決定権を持つ人間にその意見をとりあげてもらわなければならないのだ。
つまり、劉備は自己の一存で何かを決定することの出来る人間ではないのである。


「まあ、こうは言ったけど、まったく力が無いわけでもないわ。
 今の貴女は外交使節の一員。つまり、決定権は無かったとしても、国の代表であることには変わりないのよ。
 国の代表が他国の王に向かって『許さない』という発言をすること、その意味が分かるかしら。
 貴女の『許さない』という発言、これは公から魏に対しての宣戦布告と十分にとらえられるものよ」

「そっ……そんな……。私は……そんな…………つも…り……じゃ……」


古今東西、戦争の大義名分は様々にある。
同盟を反故にされた等の大きなものもあれば、一兵士の暴走といった小さなものまで、戦争を開始する大義名分としては十分に成り立つのである。
であれば、今回の『許さない』という発言はどうなるか。
端的に言えば、もちろん大義名分になりうる。
仮にも外交使節団の一員、つまり国の代表が、相手の王を否定したのだ。
すなわち、『公が魏を否定した』そうとられても、なんら不可思議ではないものなのだ。

そのことを、華琳に言われてようやく理解した桃香は小さく否定の言葉を繰り返す。
その体は小刻みに震え、何かを懸命に堪えているようだった。

しかしそんな桃香を気にもせず、いやむしろ、とどめを刺すかのように華琳は言葉を紡いだ。



「誰よりも平和を願う貴女の不用意な発言で、戦争が始まる。これほど皮肉なこともないわね」

「あっ…………ぁ………」

「どうするの、劉備。それでも貴女はまだ、私を『許さない』のかしら?」



華琳に現実を、自らの発言が招くであろう未来を克明に示されて、桃香は崩れ落ちる。
今までの桃香にとって言葉とは、自らの思いを遂げるための手段に過ぎなかった。
例え無理難題だとしても、桃香の発言は結局は無碍にされることなく実行された。
桃香自身、無意識ながらそれを理解していた。
自分の言葉には、力がある……と。
だから今回も、単純に言えば『でしゃばった』。
事前の打ち合わせを無視し、いつも通り発言し、いつも通り上手くいく……そのはずだったのだ。
しかし、今回は違った。
華琳という王が、桃香の発言を一刀両断にしたのだ。
そして現実を、事実を桃香に突きつけたのだ。


そして、桃香は耐え切れなかった。
自ら心を閉ざしたのか、今、桃香の瞳に生気は無かった。





そんな劉備を心底見下したように見た華琳は、ため息をつくと、再び喋り始める。



「このままだと、私が劉備という小物の発言の言葉尻を捉えて戦争の口実にしたようになるから、一応言っておくわ。
 私はね、劉備の発言がたとえ無かったとしても、三国同盟など結ぶ気は無いの」

「それは何故でしょうか。先ほども申し上げたとおり……」

「簡単よ。私が貴方達を信じられない。ただそれだけよ。
 いつ攻めてくるか分からない相手と同盟なんて、結べるわけがないでしょう?」


華琳は、それが当たり前であるかのように言ってのける。
これに驚いたのは公の陣営である。
この危険な中、わざわざ魏まで交渉に来ているのだ。それを酌んで、ある程度は信用して貰えると思っていた公の陣営は、慌てて弁解に入る。


「しかし、私たちは……」

「黙れっ!」


弁明の為に口を開いた雛里の言葉は、終わりを迎えることなくさえぎられた。
そして、雛里の言葉をさえぎった華琳の一喝は、今まで冷静であったからこそ効果を増大し、聞くもの全てを萎縮させる力があった。


「貴方達公と呉は、軍事同盟を結び、私の国との国境に兵を集めているわね。
 つまり今現在は、武力を背景とした圧力をかけ、その上で交渉に臨んでいるということ。
 これは、外交の形としては非常に正しいわ。
 軍事的なものであろうと経済的なものであろうと、圧力が無ければそれは国家間の交渉にならないもの。
 だけれど、今回の件に限ればその限りではないわ。
 貴方達がやっていることは、左手に武器を持ちながら、武器を捨てて手を取り合いましょうと右手を差し出しているようなもの。
 そのようなものを、誰が信用できるというの?」


華琳の発言は正しかった。
公と呉が兵を集めているということは、そもそもが魏を信用していないということに他ならないのである。
本当に本気で三カ国による平和を目指すのであれば、相手がどのように武装していようとも武器を持たず、無防備に手を差し出すべきだったのだ。
そこまでして、初めて相手も気を許し武装を解くのである。

公の面々はこのことに気付いていなかった。
いや、正確には朱里や雛里のような一部の人間は気付いていた。
しかし、彼女達は失敗の可能性を計算し、その時の被害を計算し、そして失敗に備えてしまった。
そして結局、彼女達の言葉は華琳には届かなかったのである。


「仮に今三国同盟を結んだとしても、私は貴方達を信用していないから、国境に兵を置くことになるでしょう。
 とすれば、貴方達も攻め込まれるかもしれないと疑心暗鬼になり、国境に兵を置くことになる。
 つまり、今と変わらないのよ。
 それでは意味が無いわ。それでは、結局大陸が平定されたとは言えない。
 だから私は戦う。危険を冒したとしても、魏による大陸統一の為に戦うわ」


公の面々には最早返す言葉も無かった。
それぞれが華琳の言ったことを考え、結局同じ結論を出した。
そして、それに納得もしてしまった。
だから、彼女達には華琳に返す言葉が無かった。



こうして、公と呉の面々だけではなく、同席した魏の面々さえも、これで交渉は終わり、戦が始まるものだと確信した。
であるから、続く言葉が発せられた時、彼女達は何が起きているのか理解できなかった。






「さて、待たせたわね、ランス。本題に入りましょう」

「うむ、ようやく俺様の出番か」




ランスと華琳、時代を代表する英雄の対話は、まだ、始まってすらいなかったのであった……。








[6629] 第二十二巻
Name: あおたん◆15e52006 ID:c55e040d
Date: 2013/08/16 14:22
「それじゃあ、改めて聞いておこうかしら。ランス、貴方の目的は何?」


劉備ちゃんやちびーずが長々と何か話してる間、俺様はずっと考えていた。
英雄たる俺様の桃色の脳細胞を全力全開で使い続け、考えていたのだ。


『どうすれば、華琳とやれるか』を。


そして俺様が出した結論は、






「うむ、華琳とセーックスしにきたのだー!」


正直に俺様の欲望を伝えることだった。
華琳みたいなタイプは、下手な小細工をすると失敗しそうだしな。
回りは驚いているみたいだな。
英雄たる俺様の思考についてこれないとは、可愛そうなやつらなのだ。がはははは!


「ふふ、いいわ。正直なのは好きよ、ランス。
 でもいいの?貴方の連れてきた人達は、魏・呉・公の三国同盟を望んでいるみたいだけど、貴方はそれを私に望まないのかしら?」

「何の問題も無い。華琳が俺様の女になれば、それも含めて全て解決されるからな。がはははは!」

「……それはどういう意味かしら?」

「華琳のみならず、近いうちに呉のおっぱいちゃんを俺様の女にする。
 そうすると、魏・呉・公、三国全ての王は俺様の女ということになる。つまり、全部俺様の国だ。
 そして、全て俺様の国だということは、戦争なんぞする必要が無いのだ。俺様のもの同士で争わせるとか、馬鹿らしいしな。
 これで争いの無い世の中、平和な世の中が完成。俺様はいい女とやれてハッピー。みんなは平和になってハッピーなのだ。がはははは!」

呉のおっぱいちゃんと言ったあたりで、シャオが騒いでるようだが、俺様は気にしない。
気にして欲しければ、もうちょっとバインバインになれというものだ。


「はっぴーの意味は良く知らないけれど、なんとなく理解出来たわ。
 でもね、ランス。その考え方には問題があるわ。とても簡単で、とても重要な問題が。
 つまり、私や孫策がランスの女にならなければいけないということよ。
 貴方は、私達をその気にさせてくれるのかしら?」

「俺様は英雄だからな。そして、俺様に不可能は無い。
 それに少なくとも、華琳は俺様に真名で呼ばせる程俺様にめろめろだし、そんな質問すること自体が既に、俺様にメロメロな証では無いか。がはははは!」

「ふふふ、確かにそうなのかもしれないわね」


本当に面白そうに、華琳は笑う。
話の内容よりは、俺様と話せること、それ自体を楽しんでいるようだ。
俺様と話すことが何より楽しいとは。可愛いではないか。
俺様の格好よさは罪なのかもしれんな。がははははは!


「でも、その方法が成功したとしても、根本的な解決にならないと思うのだけれど?」

「む、何を言う。
 公の連中はそもそも戦が嫌いだからわざわざ起こしたりしないし、呉の連中は話に聞く限り、自国が富む、それが目標だそうじゃないか。
 であれば、わざわざ他国に喧嘩を売るなんざ疲れることはするまい。
 つまりは華琳が手を出したりしない限り、大陸は平和なままなのだ。
 まあ、俺様をめぐって女達の戦いが始まるかもしれないが、その時は俺様のハイパー兵器できっちり説得してやるから問題無いのだ。がはははは!」



「では、未来は?私や貴方が存命中の間はそれでいいかもしれない。
 孫策や公孫賛も、わざわざ平和を乱すようなことをするような人物でないことは、私も分かっている。
 でも、彼女達が亡くなったら?貴方や私が死んだ後は?
 貴方という一人の英雄に頼ったような同盟だもの、簡単に瓦解するわよ。
 そして、結局戦乱に戻る。



 国は荒れ、ただ平和に暮らしていただけの民が死ぬ。

 役人は私腹を肥やすため、昨日まで友だった者を殺すでしょう。

 王族は権力を夢見て、共に国を盛り立てていこうと誓った兄弟姉妹を破滅に導く。



 そして、少しばかり他人より力があって、少しばかり他人より正義感の強い人間は、大陸を変えようと立ち上がる。

 平和のためと心を偽り、自らを慕ってくれた人間に死ねと命じる。

 仕方が無い、そう言って、尊敬すべき敵の首を落とす。

 そして英雄は、平和が好きだっただけの英雄は、誰よりも人を殺す。

 敵も味方も、愛した人も憎かった相手も、家族だろうが他人だろうが関係無く、ただ一点、「平和」の為に邪魔だから、殺す。


 
 そんなおもいをする人間を、これ以上増やす訳にはいかないのよ。」



最後の方は呟くような声だったが、天才な俺様はもちろん理解したぞ。
つまりあれだ、国が三つもあると後々面倒だから、一個に統一したほうがいい、こういうことだな。
色々言っていたようにも思うが、きっとそういうことだと思う。

だがな華琳、君は少し思い違いをしているのだよ。




「俺様が死んだ後のことなんざ知らん。後のことは、その時いる奴に任せればいいだろうが」




くくく、さすがの華琳もぽかんとしているな。
この大陸の中で、唯一俺様に少しだけ近いかなーなんて思った華琳であっても、やはり真の英雄たる俺様の思考回路にはついてこれないようだ。
まあこればっかりはしかたあるまい。俺様が英雄なのがいけないのだからな。
ということで、英雄で優しくて格好いい俺様が、丁寧に説明してやろうではないか。がはははは!


「いいか、華琳。100年先のことなんぞ、考えるだけ無駄だ。
 なぜなら俺様たちは生きていないからだ。
 その時にはその時の女がいて、王がいて、庶民がいて、そして俺様にはかなうはずは無いだろうが英雄がいる。
 どこかの馬鹿が暴走すれば、王が対応するかもしれんし、英雄が対応するかもしれん。
 そいつらは何が起きているか知っているし、対応も出来るからな。
 だが、俺様たちは別だ。
 未来に何が起こるかなんぞわからん。
 分からんことの為に労力をさくなんぞあほらしいし、労力をさいてもそれが正しい対応になるかわからんとか、なおあほらしいわ。
 
 結局のところ、100年後のことは、100年後の人間に任せればいいのだよ。
 そうだな、それでもなお気になるというなら、あれだな、馬鹿が出にくいようなシステ……組織でも作っておけばよかろう。
 俺様と子作りして、超絶天才なガキに全て任せるってのもありだと思うがな。がはははは!」


正直、未来のこととかどうでもいいわ。俺様いないし。
華琳は俺様の華麗な発言を聞いて、考え込んでしまっているようだ。
まあ、天才の俺様の発言だからな。いくら華琳が優秀でも、理解するのには少し時間がかかるだろう。

だがしかし、俺様はここで手を休めたりはしない。
ここで最後の一押しをして、華琳を落とすのだ!


「まあ、なんだかんだ言ったが、結局国のことなんて俺様に取ってはおまけなのだ、おまけ。
 俺様が今日ここに来た目的は、華琳、君を俺様の女にすることだからな。

 最後にもう一度あえて言おう。
 華琳。お前はいい女だ。
 どれくらいいい女かといえば、英雄たる俺様が公から魏までじきじきに落としに来るくらいだ。
 だから華琳、俺様の女になれ」

「…………」



む、俺様の言葉を聞いて華琳が何か呟いたようだが、声が小さすぎて聞き取れなかった。
まあ、十中八九俺様の女になるという発言だな。照れすぎて小声になったのかもしれん。
だとしたら可愛いじゃないか、たっぷりとベッドの中で可愛がってやらないとな。がはははは!


「ランスさん、今日はここまでだそうですよ」


俺様がちょっと考えにふけっている間、いつの間にか解散宣言が出てたらしい。
ふむ、やっぱり恥ずかしいのかな、華琳は。
一晩置いて心の準備をし、その上で明日改めて俺様の女になろうということなんだろう。

俺様としては、さっさと今晩やってしまいたかったが、そこは俺様良い漢。
華琳が一晩時間がほしいというならくれてやろうじゃないか。
そのかわり、明日はひいひい言わしてやるがな。がはははははは!!


そうしてその日、俺様たちは、客室に連れて行かれたのだった。



[6629] 第二十三巻
Name: あおたん◆15e52006 ID:c55e040d
Date: 2013/03/29 18:01
公の面々が出て行った後の玉座の間には、現在華琳たち、魏の面々が残っていた。
華琳は一言も発さぬまま、玉座に座り、静かに目を閉じている。
残りの魏の諸将は、おのおの先ほどまでの出来事を反芻し、ただじっと、華琳が口を開くのを待っていた。


「何でもいいわ、何か意見のある者はいる?」


ぽつりと、まるで呟くように放たれた華琳の言葉は、その言葉の弱々しさに反し、全員の耳にしっかり届いていた。
しかし、誰もが口を開かない。

何故誰も口を開かないのか、いや、開くことが出来ないのか。
答えは簡単だ。みな、圧倒されていたのである。
目まぐるしく推移した今回のことが一点。
そしてもう一点は、彼女達の王、華琳の雰囲気が普段と違うからだった。


そんな様子を見てか、あるいははじめから予測してなのか、華琳はいつものように凛々しい声ではなく、絞り出すような声で言葉をつむぐ。


「今日、私は魏王曹操として、この会議に臨んだはずだった。
 だから最初は、魏の王として、間違えることなく対応することが出来ていた。
 そう、それは間違いなかったわ。私は、間違いなく魏の王、曹操だった。

 だけどね、あの男は、ランスはそんな私を簡単に打ち破った。
 簡単に、私は『華琳』になってしまった。
 
 私とランスの会話は、王と英雄の会話。
 そして、この大陸の未来を決定する会話。
 なのに、ランスにとってはそうじゃなかった。
 正確には、『結果的に』大陸の運命を決める会話になるだけで、ランスにとってはそんなの間違いなくおまけだった。

 ランスの第一声覚えてるかしら。ランスは包み隠さず、私とやりに来たと言った。
 正直、耳を疑ったわ。ランスがいかに既存の概念に囚われないといっても、まさかここまでとは思っていなかったもの。


 そして私は『華琳』になった。


 その時私は、王としての責務を忘れ、大陸の未来なんかどうでも良くなっていたわ。
 ただただ、私は愉快でたまらなかった。
 魏王曹操という仮面がはがれ、『華琳』という私自身が表に出てきたわ。

 今思えば、ランスとの会話を今日の主題においていた時点で、『華琳』を隠しきれていなかったのかもね。

 そしてその後、私は『華琳』として話をしたわ。魏王曹操であれば、一笑に付し、にべもなく断るべき事柄を『華琳』として聞いていた。
 『華琳』として聞き、尋ね、理解し、そして根拠もなく納得してしまった」


そこまで言って、曹操……いや、華琳は、一呼吸置く。
誰かの唾を飲む音が聞こえる。
永遠にも似た数秒の間をおいて、華琳は言葉を、今度ははっきりと口にする。



「そして華琳は恋をした」


「ランスにとって私は、何人もいる彼の女の中の一人なのかもしれない。
 私だけが特別、そんな感情を抱いていないことくらい理解している。
 それでも、そこまで分かっていたとしても、私は彼に恋をした。

 私の想像もつかないことをやってのける彼に、
 私の思いもしなかった未来を見せてくれた彼に、
 そして何より、私自身を欲しいといってくれた彼に、


 私はただただ恋をした。


 ……私は今、魏王曹操としてではなく、『華琳』として決定を下そうとしているわ。
 私だけじゃない、あなた達、そして魏の国全てに関わる問題を、魏王曹操としてではなく、『華琳』として決定しようとしている。
 
 意見があるなら聞くわ。例え私を罵倒しようと咎めはしない。だから、好きなように発言しなさい……」


「こういう時は、やはり軍師の風達から言うべきですねー。ぐぅ」

「風、こんな時までふざけないの」

「おおっ、稟ちゃん、起こしてくれてありがとなのですよ。
 さて華琳様、軍師としては、反対させていただきます。
 華琳様もおっしゃていた通り、ランスさんの発言には根拠がありません。
 華琳様とランスさんがくっついたとして、その後ランスさんが呉の孫策さんを落とせるかどうかなんて分からない、これが一点目。
 仮にそれが成功したとして、その後争いの無い大陸が残るかどうかなんてわからないのですよ。
 場合によっては、ランスさんを奪い合うために戦を始めるかもしれない。
 いいですか、華琳様。華琳様が戦を起こす気が無くても、他の二人がランスさんを独占する為に戦を起こすかもしれないのですよ。
 そして、そうなった時、私達はもただやられるわけにはいきませんから、軍備を整えることになるかもしれない。
 そして、私が思ったことを他国の軍師たちも思うでしょう。
 結局、仮初の平和にしかならない可能性があるのですよ」


いつものとぼけた感じは、微塵も感じさせずに風が言い放った。
そして、稟がそれに続く。


「そして、魏という国は、華琳様の志を根幹に置いている国です。
 いえ、正確をきすならば、魏王曹操の志を根幹に置いている国です。

 そんな国で、華琳様が魏王曹操としてではなく『華琳』として行動したならば、間違いなく混乱が起きるでしょう。


 以上をもって、我々軍師としては反対とさせていただきます」


華琳は、風と稟の言葉を瞬き一つせずに聞いていた。
そして全てを聞き終えた今、華琳の表情に変化は無い。
華琳の感想を一言で言えば、『やはり』だ。
華琳は華琳であるとともに、魏王曹操であるのだ。
国政に関わらない範囲であれば、確かに『華琳』として行動することも許されるのかもしれない。
しかし、こと国政に関することは、魏王曹操として判断すべきである。
華琳自身そう思っているのだから、風と稟に言われたことに対する感想は『やはり』というものだった。


しかし


「ただですね、風は風個人としてランスさんの提案に乗るのもありなんじゃないかなとか思ってしまっているわけですよ。
 ランスさんは無茶苦茶です。
 何を考えてるか分かりませんし、分かったとしても理解できません。

 ですが、不思議な魅力があります。あれが、天の御使いってやつなんですかねー。あるいは、英雄というのかもしれません。
 正直風は、ランスさんに任せてさえしまえば、全て上手くいってしまう様な、そんな気がしてしまうのですよー」


「華琳様は一つ勘違いをしておられます」


風の声を継いで、今まで黙っていた最後の軍師、桂花が口を開く。


「我々軍師の仕事は、確かに華琳様にご助言差し上げ、時にはその命を散らすことになろうとも諫めるのが仕事です。
 ですがそれはあくまで、『華琳様の願いをどのように叶えるか』その一点に尽きます。
 そして、華琳様が何を願い、何を望むのか、それを決めるのは我々ではなく、華琳様自身なのです」


普段、華琳に依存しているように見える桂花のこの一言は、強く回りに響いた。
ここにいる面々、すなわち魏の諸将は今、自分が何を信じて華琳について来たのか、それを強く意識していた。
魏王曹操としての華琳に惹かれてついてきたのか、それとも『華琳』に惹かれてついてきたのか。

秋蘭が一歩前に出る。

「華琳様、我々にとって覇道とは、華琳様の進まれる道のことです。
 華琳様は、ただ思うがままにお進みください。
 我々は、ただそれをお助けするだけです」

「私は馬鹿だから、難しいことは分かりません。
 私に出来ることは、華琳様に何処までもついていくという誓いを、最後まで貫くことだけです!
 ですから私は、どんなことになろうとも最後まで華琳様についていきます!」


春蘭と秋蘭、最も古参の二人の言葉はここにいる全ての人間の気持ちを代弁したのだろう。
しょうがないなぁ、というように笑う華琳。
諸将も、すっきりした顔で笑っていた。


「ありがとう、みんな。私はいい部下を持ったわ」


華琳は思った、本当にいい部下を持ったと。
自分なんかにはもったいないくらい……とは思わない。
それは私を信じ、着いてきてくれた全ての部下を侮辱する行為になるから。
だから華琳は、自分に相応しい素晴らしい部下達だと胸を張ろうと思った。


「それでは、今後の方針を伝えるわ」


華琳は静かに、しかし胸を張って決定を下したのだった。










―――――――――――――――――――

作者は華琳が大好きです
でも、同じくらい蓮華が好きです。

しかし、このまま行くと蓮華が関わってくる確立が25%だということに気付いた午前3時過ぎ



[6629] 第二十四巻
Name: あおたん◆15e52006 ID:002a42f4
Date: 2010/11/11 20:03
「待たせたわね」


翌日、俺様達は再び玉座の間に集まっていた。
昨日の様子から見て、俺様の魅力に落ちてしまったのは間違いない。
華琳は恥ずかしがって昨日結論を言わなかったが、これから返事を聞けるのだ。
まあ多分、王様だからとか庶民が云々言うとは思うが、全て建前だろう。
王である以上俺様への愛を表に出せないのは大変だな。がはははは。

ちなみに昨日華琳に散々に言い負かされた連中、特にちびーずと桃香ちゃんは未だに落ち込んでるようだ。
昨日これは好機っ!と落ち込んでいる桃香ちゃんを落とそうとしたんだが、そもそも話をするレベルじゃなかったので諦めた。
今日はまあ、話しかければ返事が返ってくるレベルにまで復活している。
今日のこれで厄介ごとは片付くし、これからじっくり時間を掛けて落としていけばいいだろう。


「それじゃあ早速出悪いんだけど、昨日の返事をさせてもらうわ」


華琳は威厳たっぷりにそういうと、間を溜める。
あれだな、告白みたいなもんだし、中々口に出しにくいんだろう。
一晩心の準備が欲しいくらいの恥ずかしがりやさんだしな。がはははは!


「魏n「おーおーおー心の友よ、ちょっといい?」……」

「む、この空気を読まずに下品な声を出すのはお前か、バカ剣」


最近はおとなしくなり、ただ単にごくごく普通の……というか、俺様みたいな英雄が持つには不釣合いなくらい不細工な剣、カオスが話しかけてきた。


「相変わらずひどいのー。重要なこと教えてやろうと思ったのに」

「重要なこと?」

「そそそ。重要なこと。なんていうかもう、ちょーじゅーよー的な」

「俺様は今忙しいのだ、後にしろ」

「……そうね、珍しい喋る剣が言いたいことというのも気になるのだけれど、先にこちらの案件を終わらせてからにして欲しいわね」


いきなり喋り始めたカオスに驚いていた華琳だが、既に落ち着いているようだ。
普通は今回りにいる奴らみたいに、口をパクパクさせたりして中々対応できないもんなんだがな。


「ん~でもな~、心の友よ。そんな時間ないぞい?」

「だから後にしろと言っt」





「来たぞ、魔人だ」









カオスの言葉とともに、天井が大きな音をたてて吹き飛ばされる。
落ちてくる天井の破片が埃を巻き上げ、視界が一時的に聞かなくなった。


「はじめまして皆様。私、

 ドラゴニコフ・プリンシパル・ト・パンド・リーザリオン・ア・ラ・モード・サテント

 と申します。以後良しなに」


視界が開けると同時に、なんか名乗ってる変な男。
ドラゴ……なんだって?
俺様だけではなく、どうやらみんな名前を聞き取れなかったのだろう。
ぽかーんとしている。


「おや、少々聞き取りづらかったようですね。
 では改めて、私は

 ドラゴニコフ・プリンシパル・ト・パンド・リーザリオン・ア・ラ・モード・サテント

 と申します。以後よしなに」

 「長いわっ!」


はっ!?思わず突っ込んでしまった。
しかし何人かは同じことを思ったのか、俺様の突っ込みに対して首を縦に振っている。


「長い……と申されましても……、これが私の名前なれば、覚えていただきたく思います」


そういいながら頭を下げる、カオス曰く、魔人の男。
髪は金髪でウェーブでロング。
服装はゼスの貴族服っぽい感じだな。


「まあよく考えれば、野郎の名前などどうでもよかったわ。
 え~と、ドラ……なんとかっ!何しにきやがったっ!?」

「ですから度々申し上げていますとおり、私の名前はドラg」

「ええぃっ!貴様の名前なんぞどうでもいいと言ってるだろうがっ!
 もういい、貴様魔人だな!そうなんだな!ぶっ殺していいんだな!?」

「おうおうやっちゃってくれ心の友よ。何でここに魔人がいるのかとかどうでもいいから、さっさとやっちゃってわしに魔人を切らせてくれ」


そういえば、なんでここにいるんだろうな。
ここは俺様が元いた世界とは違うはずなんだが……。
うーむ………。
………
……

まあいいか。
男だし。
邪魔だし。
面倒だし。
さっさと殺っちまおう。


「……まぁ、私の名前のことは、真に残念ですがこの際置いておきましょう。
 さて皆様、私がこの度皆様の前に現れたのは、」

「いきなりランスアターックっ!!!!」


ガキンと、金属と金属がぶつかる音がする。
手には痺れ。
俺様は必殺の一撃を放つが、しかしドラなんとかが持つ杖によって防がれていた。


「やれやれ。前口上すら聞いていただけないとは、人間とはここまで野蛮になれるのですね」


ドラなんとかはため息をつきながらそう言うと、俺様の剣を弾き飛び上がる。


「では改めまして……。
 さて皆様、私がこの度皆様の前に現れたのは、皆様に宣戦布告をさせていただくためです。
 といいますのも、私には主がいるのですが、その御方は大変戦争がお好きなのですよ。
 今までは魏・呉・公の三国が戦争を起こし、それだけで我が主は満足しておられましたから問題はありませんでした。
 しかしどうも、魏・呉・公の三国で盟約を結び、戦争の無い世の中が作られてしまう様子。
 これでは我が主は面白くありません。
 我が主にとって、戦争の無い世の中程つまらないものは無いのです。
 そこで我が主は、私に命令を下しました。
 楽しくして来い……と。
 我が主の願いとなれば、私といたしましても、全力で答えようと思いまして。
 そこで私の軍勢などを使い、皆様に対して宣戦を布告させていただくにいたったわけでございます。
 明日、魏・呉・公、三国全てに同時に攻撃させていただきますので、せいぜい我が主を楽しませていただきたく思います」


そう言って俺様達を頭上から見下ろすドラなんとか。
その態度、言葉、丁寧に見えるがだがこれは……


「気に喰わないわね」「気に喰わんな」


俺様と華琳の声が重なる。


「いきなり剣が喋ったり、貴方が空を飛んでいたり、ランスが貴方のことを知っていたり色々聞きたいことはあるのだけれど、それ以上に気に喰わないことが一つ。
 貴方、何様のつもりなのかしら?
 戦争が楽しいから見ていた?
 戦争が無くなってつまらなくなったから戦争をまた起こす?」


華琳はそこで一度言葉を切る。
そして深く深く息を吸って


「ふざけんじゃないわよっ!
 私達はあなた達の玩具じゃない!
 かかってくるならいくらでも来るがいい!
 私達を侮ったこと、すぐさま後悔させてあげるわっ!!!」

「ええ、我が主は激しいのがお好みですからね。
 楽しい戦になることを期待しておりますよ」


そういうとドラなんとかは、馬鹿にしたようにお辞儀をする。
やつの言葉が本当なのだとすると、面倒だ。
やつを倒すには俺様とカオスが必要だから、俺様は基本的にのいるところにいなきゃいけないわけだ。
が、次やつが何処に出てくるかなんぞわからん。
華琳のところなのか、おっぱいのところなのか、俺様の国なのか。
ノーヒントでやつが何処に来るかあてなきゃならんのか。

ぐぬぬぬぬぬ

……

…………

………………

いくら天才の俺様でも中々難しいな。
ここは発想を変えよう。
俺様が惚れるくらいいい女達なのだ、あんな変態紳士に負けるはずがない!きっとない!
とすれば、俺様が何処に行くか、それを決めるための基準は、どの女を落とすかだ。
ピンチの時に颯爽と現れ、かっちょよく助ける俺様。
その姿を見て、俺様にメロメロになる女。
そして夜には……ぐふふふふ。

さてそれでは、俺様はどうすべきかな。



1・このままここに残る。(華琳ルート)

2・公の国に戻る(星ルート)

3・おっぱいちゃんを求めて(何故か蓮華ルート)

4・あれ、ここでこの変態紳士殺せばいいんじゃね?(エンディングへ一直線ルート)



―――――――――

あくまで参考までの四択です。
意見が多かったのが必ずしも選ばれるわけではないので、あしからず。


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