<このWebサイトはアフィリエイト広告を使用しています。> SS投稿掲示板

SS投稿掲示板


[広告]


感想掲示板 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

[5440] 【架空史】東方神道伝【オリジナル×東方Project】
Name: クランベリー=ストロベリー◆1601022a ID:89b5a54e
Date: 2008/12/22 22:22
作者の二つめの作品です。ですので文章の練り方が甘いところがあると思います。甘いところを発見したら容赦なく指摘してもらって結構です。

勝手に東方の設定を改変しているところがありますが、そこは仕様ということでご容赦ください。



[5440] 東方神道伝 第一話
Name: クランベリー=ストロベリー◆1601022a ID:89b5a54e
Date: 2008/12/22 22:04
瑞々しい若芽が萌え出でて、大地を若々しく柔らかな緑で覆い、春の穏やかな風が春の訪れを告げる寛政十二年四月八日、信濃の国、三宮の博霊神社の神主である幸人は縁側に座りながら桜を見ていた。
「神主様、何だか今日は素晴らしい事が起こりそうな予感がします。神主様はどう思われますか?」
博霊神社の数少ない住み込みの巫女であるおゆきは幸人に晴れやかな笑顔を向けながら言った。
「ええ。私もそう思います。」
幸人が微笑みながらそういいながら本殿の方を見ると、本殿が淡い光に包まれているように見えた。
「おゆき、巫女を全員招集しなさい。それと、本殿の近くには誰も近寄らせないように。」
幸人が険しい顔でそういうとおゆきははっとして本殿のほうを見て、本殿が淡い光に包まれていることに気付いて驚愕した。そして、その淡い光は少しずつ外のほうへと広がっているように見える。

「か、神主様! 一体全体どうしましょうか!!」
おゆきは泡を食いながら幸人に尋ねた。おゆきの顔色は蒼白で、慌てているのが一目でわかった。
「おゆき、まずは落ち着くのです。それから、すべての巫女を招集して不測の事態に備えさせなさい。私は本殿に入って原因を調べてきます。」
幸人はおゆきを落ち着かせるように、穏やかな声音でおゆきを諭した。
「神主様・・・わ、分かりました。私は私のできることをします。ですから、神主様は無事に帰ってきてください。」
おゆきは幸人に諭されて落ち着きを取り戻し、するべきことをするために宿舎に小走りで駆けていった。

「さて、どうしましょうかね。」
幸人は本殿のほうに向き直り、落ち着いた足取りで本殿の扉のほうに近づいていった。
本殿は、見た限りでは淡い光を放っていること以外特に異常があるようには見えなかった。幸人は深呼吸をしてから本殿の扉を開き、中に入っていった。
「・・・何もなしですか。しかし、油断できるものではありませんね。」
幸人には本殿の中はこれといって何も異常があるようには見えなかったが、警戒をするに越したことはない。なぜなら、本殿の中で何が起こっているのかということが全く分からなかったからだ。
幸人は少しの異常も見逃さないように眼を凝らしつつ御神体が安置されている部屋の扉を開けた。

その部屋の中で、磐長姫の御神体である巨大な巌は荘厳な空気を放ちながら光り輝いていた。
一方、木花咲耶姫の御神体である大勾玉はかすかに光るのみでその光も今にも消えそうだった。
「これは・・・どういうことでしょうか。木花咲耶姫の大勾玉の方の光が小さいとは。光るのならどちらも同じくらい光らないとおかしいはずですが。」
幸人は首を傾げつつ巌のほうに視線を移した。
と、その時、巌の輝きがひときわ大きくなって、光の粒子が人型を取り始めた。
幸人はその様子を息を呑んで見つめるとともに、なぜ巌のほうの輝きが大きかったのかということに結論を出していた。
「磐長姫様が御降臨なされるのですね。」
幸人がそういったかいわないかという間に、その光は辺りにはじけ飛んだ。眼がくらむほどの光量だったので幸人は思わず眼を閉じてしまった。

幸人が眼を開くと、そこには厳しい顔をした巌のような女性が立っていた。その女性は、かすかではあるが確かに光を放っている。
幸人は一目でその女性が磐長姫だと分かったが、確認のために話しかけた。
「あなた様は磐長姫様でいらっしゃいますね?」
「いかにも。私が磐長姫である。そなたはここの神主であるな?」
磐長姫はその名の通り巌のような声で幸人に話しかけた。
「はい。私はこの博霊神社の神主である幸人と申すものです。失礼ですが、磐長姫様はいかなる御用のために御降臨なされたのでありましょうか。」
幸人が磐長姫に聞くと、磐長姫は何度も何度もうなずいた。
「私は人の命のなんとはかないことかと常々思っておった。理由は分かっておる。私がニニギに送り返されたからじゃ。・・・されど、その子孫にまでその業を負わせることはひどく心苦しいわけでの、私はそれを覆さんがためにそれ以来ずっと力をためておったのじゃ。そして、時代が下るにつれて神全体の力が急速に落ちて行っての、唯一力を温存しておった私が信仰を集めて神全体の力を底上げせんがために、降臨することになったのじゃ。」
磐長姫はため息をつきながら言った。そして、
「人に不老長寿の力を授けることができるほどには今の私には力はない。じゃが、信仰を集めて私の力をあげることができさえすれば人を不老長寿にすることも不可能ではない。じゃから力を貸してはくれんじゃろうか。」
そうとも言った。
幸人に異存があろうはずがない。
「はい! 私にできることなら。」
幸人はそう答えて深々と頭を下げた。

「幸人よ。私は神体のあるこの部屋から出ることはできぬ。じゃからこの部屋に生活するための用具を運んではくれんじゃろうか。私も実体を持った以上、霞を食ろうて生きていくわけにも行かぬ。手間をかけるがすまぬな。」
磐長姫は申し訳なさそうに幸人にそういったが、幸人が断るはずがなく、
「はい! 喜んで。」
晴れやかな笑顔で快諾したのだった。
「幸人よ。重ねてすまぬが、ほかの神社に神体もそこに置いてある木花咲耶姫の神体と同じように光っておるはずじゃ。使者を送って確かめておいてはくれぬか?」
磐長姫は幸人に頬を掻きながらそういって自分が座る事が出来る所がないか探し始めた。
「はい。分かりました。すぐに生活用具を運ぶように言っておきます。それが終わってから使者を出して確認させます。それでは、失礼いたします。」
幸人はそういってから段取りを頭の中で整理しつつ磐長姫に背を向けないように退室した。


感想掲示板 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

SS-BBS SCRIPT for CONTRIBUTION --- Scratched by MAI
0.019407987594604