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[5342] 腕白関白二次創作「遠き時代の果て」
Name: グラスノッパラ◆c02f5898 ID:8197934f
Date: 2008/12/18 21:17



 目の前には無数の受講生。



 流石有名大学だけあって、大学にもかかわらず気合入ってるなー。
 俺が普通に学生やってた頃は……
 止めよう惨めになる、しかし、何でこんな事になったのかねぇ。
 個人的には部屋の隅っこで昼寝したい気分なんだが、そういうわけには行かないのが辛い所だ。
 諦めて講義を始めよう、あの怖くて充実して必死に頑張った、あの頃の話を本当の意味で伝えられるのは俺だけなんだから……




 朝、起きたら赤ん坊だった。




 いや、びっくりした。流石に二度もこんな事になろうとは、いい加減俺も良い年なんだから楽にしてくれても良いと思うんだがなぁ。
 そう、前世では豊臣秀次をやってたんだが、何の因果か1900年代後半に赤ん坊として生まれ直してしまったのだ。
 ちなみに、前世の前世は現代でサラリーマンやってました。
 何で俺ばっかこんな目に会うのかもしかしてみんな言わないだけでしょっちゅう生まれ変わったりしてるのか?
 まぁ、色々葛藤はあったが元々慣れ親しんだ時代だ……とは言っても二度目の時代の方が長く生きてきたわけだが……直ぐに馴れた。
 問題は、一種の天才児だと言われて騒がれたような気もするが、天才児も大人になればただの人。
 元々普通の大人が子供になっただけだ、時が経てば充分にごまかせるようになるだろうと楽観していた。

 しかし、問題が無かったわけじゃあない。
 と言うか、ここが最初に居た現代じゃないのが問題だ。
 そう、今居る現代ってのは俺が二度目の人生で歴史を変えまくったあの時代の未来だったのだ。
 なんかもう、思いの他、俺が作った日本の基礎ってのが上手くかみ合ったと言うか冗談半分で残した埋蔵金の影響もあってなんと言うか
 島国の癖になんと言うチート国家、豊臣パネェみたいな事を2ch歴史板で見かけるし、環太平洋の覇者みたいな国になっててワロス。
 まぁ、その辺り、俺がやった結果がどうなったかが気になって歴史を専攻に進んだりと、個人的な葛藤はあったが概ねなんとかなりはした。

 つーか、むしろ2chとかあってひろゆきとかいるのが驚きだ、日本人はんぱねぇ。
 江戸時代無かったからもしかしてオタク文化は育たないかもとか思ってたんだが2chはあるわアニメ大国だわ秋葉原は聖地だわ、もう笑うしかないね。
 これは遺伝子レベルで日本人はHENTAI遺伝子とか持ってるに違いない。
 千島列島経由で到達したアラスカとカナダ等の日本領(伊達の一族超頑張ったらしい流石政宗遺伝子)や、台湾やハワイ島、オーストラリアの日本人もHENTAIだし日本人化したら感染るのかもしれんけどな。
 しかも、戦国BASARAとか戦国無双とか俺居るよ。
 ……銃&爆弾使いで美化300%くらい。
 思わずゲームソフト投げたわ!
 薔薇とか背負うな、ウインクで稲とか甲斐とか落すな、なんだこのリア充、キモイわ!!
 信長の野望の豊臣秀次のステータスとか最悪だ。

 豊臣秀次 政治100 戦闘78 教養81 魅力93 野望16 義理7

 なんだこのチートキャラ、ありえん。
 何処の武田信玄ですか、チートスキルとかあるし、笑うしかないな。

 まぁ、でも安心した。
 俺があの時代にやったことは無駄じゃなかった。
 俺の子供たちはきちんと俺の期待に答えてくれてた。
 出来ればこれで最後にしたい所だが、今回、この時代を見せてくれた何かに俺は感謝をしたい。
 まぁ、殺伐とした時代じゃないんだ、一般市民の当然の権利として、この平穏をじっくり堪能させてもらうとしますか。





 そんな事を考えていた時代が俺にもありました……
 俺は何を間違ったんだろうか?
 変わってしまった時代に興味を持って大学で日本史を専攻した所までは間違ってなかったと思うんだがなぁ……

 講義が終わって大学の研究室に戻ってきた時の事だったと思う。
 奥の部屋で古書を眺めて唸っている教授が居る。
 まぁ、特にする事も無かったし、その時の俺は暇だったんだ。
 つい、教授の作業を眺めに行った時、古書の訳文の間違いの部分を指摘してしまった事が全ての始まりだった。
 判るのかねと聞かれて、まぁ、それなりに読めますけど見たいな事を言った瞬間、教授の目の色が変わった。
 そりゃ、その文字が通常語として使われていた時代の人間で、しかも当時の支配者として当然レベル以上の教養はあったわけだし……
 昔は蛇ののたくったようにしか見えないあの文字も今では普通に現代日本語を読む感覚で読めるわけだ。
 それ以来、ちょくちょく俺に対して古書の内容について試験と言うか軽い質疑応答をその教授はしてくるようになった。
 そして、何処をどう気に入られたのか、俺が使えると判断した瞬間、フィールドワークとかにも当然のように俺を連れまわすようになったわけだ。
 その上、やたら、戦国時代末期からの数十年、つまり、豊臣秀次が生きていた時代について専門家も驚くような知識を持ってると言う事がばれた瞬間、俺の進路は何故か自動的に決まってしまったようである。
 奨学金を出すからとか上手い事言って大学院に進まされ、例の教授の助手として大学に残ることになり、今では立派な助教授です。
 おかしいなぁ、何でこんな事になったのか俺にはさっぱり判らない。
 その助手時代になんと、俺が前世で書いていた日記が発見されてしまった。
 冷静になって青ざめたね、日記の中に「マジやべぇ」「可児はマジゴリラw」「切腹近いかも! 俺に精神安定剤、デパスとかくれ!」「稲姫はやばい、本気で美人すぎ」とかリアルに書いてたわけだ。
 オーパーツ扱いされるか、豊臣秀次は未来人だとか、そんな噂が広がったらどうしようと焦った俺は蒼くなっておろおろしてたんだが。
 しかし、案ずるよりは産むが安しというか、『おそらく研究者の悪戯でこの日記は偽書だ』と鑑定されてしまって一安心。
 まぁ、少し寂しい気もするが、そりゃ未来人だったとか信じられるわけが無いよなぁ。
 あまりに挙動不審だったせいで教授にはあの日記の犯人は俺じゃないかと怪しまれた。
 まぁ、間違いでは無いんだが、その『お調子者が…』見たいな視線はやめてください、本当に豊臣秀次の日記なのは間違いないんですから。



 とまぁ、そんなこんなでそういう事情もあり、割と名が知れてきたので某有名大学で一期だけ特別に日本史の講義を受け持つようにはなったわけだ。
 あのー、生徒の皆様、そんな注目しなくても、これは別の意味で胃が痛い。
 と言うか、いっつも俺の講義の時に一番前、俺の正面で講義を受けに来る黒髪のお嬢さんは何者だろうか?
 なんかすっごい睨まれてますよ?
 なんと言うか、お見合いの時の稲みたいで冷や汗がだらだら出てくるのですが……









 -???-

 ある日、気が付けば私は赤ん坊でした。



 そう、私が居た時代は数百年前で、今はそれから数百年後なのだとか。
 馴れるのは大変でしたが賢しらな私を両親は愛してくれましたし、あの頃よりずっと学問がしやすい環境でしたので時と共にこの時代にもなれて行きました。
 何もかも世の中は変わっていて、それでも民達は笑っていました。
 秀次様はきっとこんな世界を望んで頑張っていたんだと胸が温かくなる思いです。
 ただ、あの人とこの光景を一緒に見れないのが残念で、寂しくもあります。
 幸い学ぶ事は楽しかったので世間でも有名な進学校に入学することが出来ましたし、私達が生きた結果、この日本がどうなったのかそういう興味から歴史を学ぶ事にもしました。
 その関係で有名な大学に入ったのですが……そこで、私は不思議な方に出会ったのです。
 私の大学に他所の大学から招かれた講師の男性なのですが、どうしても何処かで会った事がある気がします。
 聞く所によると、戦国時代末期から、安土桃山時代初期を専門にする優秀な歴史学者の卵なのだとか。
 まるで見てきたように当時の風俗や武将達の事を語り、まるで知っていたかのように当時に立てられた寺社やそこに収められていた古書などにも詳しいそうなのです。
 そう、そこまで聞いて、もしやと思いました。
 それ以来、その方の講義は目の前で、そして一挙一動を見逃さないように観察することにしました。



 私は既に確信しているのです、ただその事を問いただす勇気がないだけで……
 ですが、きっと私は近いうちに確かめるでしょう。
 不安よりも、寂しさのほうがどんどん強くなって行っているからです。
 そう……




「秀次様……」
「…………稲?」









 Happy End!!





後書き
元々、個人のブログで公開してたのですが、チラシの裏板が出来たし、ブログでの反応も悪くなかったので理想郷で公開してみることにしました。
少し邪道な設定ですが、憑依モノで転生モノだし世界観的にはありだろうと突っ走りました。
まぁ、出来れば生暖かく見ていただければ幸いです。



[5342] 蛇足
Name: グラスノッパラ◆c02f5898 ID:8197934f
Date: 2008/12/19 02:22
「あの、秀次様」
「ん? どうした、稲」

 稲と再会して一ヶ月、今の名前もあるんだが、二人きりの時は昔の名前で呼び合っていたりする。
 数十年は呼び合った名前だし、俺も稲もお互いそう呼ばれるのが当然で自然とそうなっていた。
 そんなに頻繁に二人っきりになる機会があるのかと思われるだろうが……

「これはなんです?」
「あぁ、そのダンボール箱か、なんと言うか……」

 まぁ、あれだ、お互いの部屋のカギをお互いが持ってると言う、そう、察してください。
 いや、若くなった事だし、お互い前世での関係に操を立ててたと言うか、ごめんなさい、思いっきり張り切ってしまいました。
 今度、稲の両親にご挨拶に行かんといけんなぁ、本多の義父上みたいな親父さんだったらどうしよう……
 それは兎も角、あのダンボールの話だ。
 あれは、なんと言うか豊臣秀次グッズを入れておく箱だったりする。
 誰でも一度は似たような事を経験した事があるんじゃないだろうか?
 身近な家族や友人、もしくは自分が有名になって、それにまつわる新聞の記事を集めたり保管したりした経験が。
 俺の場合、豊臣秀次が出てくるフィクションがその対象になってたりするわけだ。

「戦国BASARAに、戦国無双、えっと、ゲームですよね?」

 あぁ、前に買ってあんまりすぎたんでぶん投げた奴だな。
 稲が持つパッケージには結構美形な銃を持った男と黒いオーラを出している妖女って感じの女キャラがデカデカと印刷されたPS2のゲームソフトがあった。
 他には、司馬遼太郎が書いた歴史小説や、歴史漫画、ビデオが数本などが入っていたりする。
 やたら美化されてて勘弁して欲しいが、フィクションだからなぁ。

「ふふ、やはり後世の人達の評価はお気になりますか?」

 そりゃあなぁ、数年前には大河にもなったし、気にならないと言ったら嘘にはなる。
 純粋にフィクションとしてなら良く出来てるのは判るんだが……
 あまりにも美化が激しすぎてなぁ。

「私も幾つか見ましたけど、それほど大きく違ってはいませんでしたよ」

 む、そう言うならちょっと大河の録画でも見てみるか、美化しすぎって事を証明しないとな。
 と言う事で、二人でソファーに並んでビデオ鑑賞をする流れに……
 この俳優美形過ぎだ、何このくさい台詞、いやいや勇敢すぎるだろうと恥ずかしさでもだえる俺。
 懐かしいですね、もう少し秀次様は優しかったと思います、などとべた褒めな稲。
 まぁ、手の平に感じる稲の手のぬくもりと、肩に感じる稲の重みは懐かしくて有意義な時間であったことは間違いない。









 稲と再会して大きく変化した事が二つある。
 一つは、お互いの部屋を行き来するようになったこと。
 もう一つが生徒、主に男共の視線だ。
 うまくやりやがって、みたいな睨む様な視線が増えた、すげー増えた。
 どうやら稲にはかなり人気があったようで、俺、このままだと大学構内で刺されんじゃないだろうか?
 まぁ、こっちの大学は出向みたいなもんだ、元の大学の研究室が平和で何よりだよなぁ。

「先輩、彼女が出来たって言うのは本当ですか?」

 話しかけて来るのは高校の時からの後輩で、茶色がかかった髪をショートカットにした堅物そうな雰囲気のお嬢さんだ。
 当時の友人と石田三成の切腹と当時の流れについて話してた時にそれを聞いてたのか話に入ってきたのが縁で知り合ったのだが……
 このお嬢さんがまた凄いの何の、滅茶苦茶熱心な秀次ファンのようでやたらと豊臣秀次に対して詳しい。
 俺が石田三成を死に追いやった責任は豊臣秀次にあるみたいな事を言った所、責任の所在は石田三成にあり豊臣秀次には何の責もないとすごい剣幕でまくし立てられたのは何時まで経っても忘れられない。
 普段は凄く冷静で多少融通が効かない所はあるが真面目で良い奴なんだが、妙に豊臣秀次を神聖化してるんだよなぁ。
 そんなこんなで最初は険悪だったんだが何度か遣り合ってるうちに妙に懐かれた。
 懐かれたと言うか、俺を見る目が尊敬を通り越して崇拝に近い所まで来てるんじゃないかと勘違いするほどに気に入られた。
 そのせいか、これだけ優秀で探せばもっと良い進路があっただろうに何故か俺の後を追って今の大学に入学してきたんだよなぁ。
 しかも、大学入学後はうちの研究室に入り浸っていたりするし、困った奴だ。
 どう考えても、過大評価だよなぁ。
 しかしタイムリーな話だがこっちの学校まで稲の事が広まってるのか、からかわれて照れる段階は過ぎてるとはいえ由々しき問題だ。

「まぁ、一応な。そんなに話が広まってるのか?」
「いえ、ただ黒髪の女性と仲良く歩いていたのを見かけただけです。」

 しれっと答える彼女。
 どうやら俺は墓穴を掘ったらしい。
 しかし、このお嬢さん、普段はあんまり表情が変わらないのだが、今は妙に不機嫌になってる気がする。
 普通なら惚れた腫れたと勘違いしそうなもんなんだが……
 まぁ、亀の甲より年の功、それなりに経験を積んできたから言えるが尊敬はされてても惚れられては無いような気がするんだよなぁ。

「先輩は、なんとなくですが、一生結婚とか異性との付き合いはしないんじゃないかって思ってました。」

 いやいや、そうでもないと思うんだがなぁ。
 実際、稲と出会わなければ特に焦って彼女を作ろうとは考えなかっただろうけど……

「どういう知り合いなんですか?」

 古馴染みだよなぁ、多分、今の知り合いの誰よりも古い知り合いだな。
 そう言った俺を彼女は無言で見つめた。
 何となくだが、不機嫌さが薄まって納得の色が見えてきた気がする。

「……もしかして」

 その一言は良くは聞き取れなかったが軽い雑談をした後、彼女は一礼して帰って行った。
 はて、なんだか思い当たりがあるみたいな反応だったが、流石に前世からの夫婦ですなんて判るはずがない。
 変な勘違いしていなければ良いのだがなぁ。





 -???-


 それは偶然だった。
 いや、偶然というには運命染みていて、そもそも今この状況が望外の奇跡のようなものである以上、やはり偶然ではなく運命だと思いたかった。
 私はあの時、確かに死んだはずだ。
 今わの際に見る夢か、輪廻転生の先にある新たな生かそれは未だに判断できてはいない。
 そんな時、私はあの人の言葉を思い出す。
 堅物で融通の利かない私に柔軟で強靭な新しい物差しを与えてくれた数々の言葉。
 もう二度と会えないと思っていたそれに私は再び出会ったのだ。

 おそらくあの方は私には気付くまい。
 姿も形も性別さえも変わり果てた私に……
 それに、あの方に全て押し付けて去った私が、今更どの面下げて名乗れるだろうか?
 ただ、それでもあの方と再会させてくれた運命に私は感謝したい。

 忠義の志などともてはやされた人間など何処にも居なかった事を私は知っている。
 だがもし許されるのならば、あの時、最後まで果せなかった忠勤を此度の世では果したい。

 そして、私やあの方のような存在はもっと居るのかもしれない。
 可能なら、あの黒髪の女性と会って話しがして見たい。
 私の推測が正しいのなら、きっと……








 今度こそ続かない。




 後書き
 投げっぱなしジャーマンスープレックス。
 蛇足編をお送りしました。
 従妹の古流武術の達人とか、妙に兄に懐いて時々秀次様と呼んでくる妹とかきっと居るんだろうなぁ。
 けどきちんと形にする自信がありませんので終わります。
 普通に嫁書くより、三成だろうと言う事で今回のような形になっております。
 甲斐姫(男)とか駒姫(男)とか一瞬考えたんですが、カミソリメールとか来そうなんで三成(女)に。
 普通、生まれ変わりがあるとして前世と同じ性別に生まれる可能性は二分の一ですよね。
 ごめんなさい、超ごめんなさい、悪気が無いことだけは信じていただきたいです。

 しかし、感想数吹いた。
 多数の感想、ほんとありがとうございます。
 ちなみに信長の野望風能力値の義理7は最大は100ではなく10で換算しております。
 あと個人的に戦国BASARAのロボット枠は西国最強立花さんだと思う。
 そしてロボットの肩に乗ってるのは舞兵庫、人機一体・立花の舞……みたいな?


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