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[41567] 奴隷融合騎リインフォース (リリカルなのは)
Name: ザ・シガー/cigger◆964dce9a ID:36d18dd0
Date: 2015/09/19 16:30
リインフォースを陵辱する長編になります。
相手はオリ。
pixivやなのはエロパロスレでも投下しています。



[41567]
Name: ザ・シガー/cigger◆964dce9a ID:36d18dd0
Date: 2015/10/17 17:42
奴隷融合騎リインフォース1


「やっぱり、難しいわね……」

 顎先にペンの尻を宛てがい、シャマルは沈鬱な面持ちでテーブルの上の書類の山と、そして目の前に広げた空中投影ディスプレイを見やる。
 そこに羅列するのは医療データ、および、肉体を構築する各種プログラムの状態である。
 一人の女の体と魂の形、とでも言えば良いだろうか。
 神ならぬ人の被造物と思えぬほど、細緻を極める複雑で難解な設計図だった。
 シャマル、そして管理局本局の技術者達でもお手上げというのだから、やはり古代ベルカの魔導師の業はオーバーテクノロジーとしか形容できないだろう。
 検査を終えた当人は、それまで診察の為に晒していた大き過ぎるほど大きな胸をセーターの中に押し込んで、微笑んだ。
 寂寥と達観を湛えた笑み、既に自分の生の限界を見極めた顔だった。
 
「分かっていた事だ、覚悟はできている」

「でも、リインフォース」

 何かを言おうとして、だが口ごもってその先を言えない。
 シャマルはすまなそうな顔をするが、リインフォースは首を振った。
 さらさらと流れる長い艶やかな銀髪、白い肌、豊かなプロポーション。
 美貌に浮かぶ儚げな表情と、真紅の眼差しの淋しげな風情。
 闇の書事件、そしてその後に続いたマテリアル達との事件を経て、季節は春を目前にして、遂にリインフォースの長くも短い生命は終末に差し掛かっていた。
 近頃はとみに体調不良が続き、魔法の行使にも困難を感じている、往時の力の欠片もない。
 それでもリインフォースは満足だった、ほんの少しの時間でも、守護騎士の皆や主と過ごせた事を幸運に思う。

「良いんだ」

「……」

 シャマルは黙って、視線で訴えかける。
 本人がそうと言い張れば、他人がどうこう傲慢な事を言える筋合いではない。
 それは分かっているが、リインフォースの顔に翳る哀切の程を見逃すほど薄情でも鈍感でもなかった。
 リインフォースの口ぶりは、まるで受け入れ難い事実を、無理やり自分に言い聞かせるようでもあったからだ。



「古代遺物特殊研究室?」

「はい」

 確認して問い返すはやての言葉に頷くのは、美しい少年だった。
 金髪に白い肌、それだけの要素を見ればユーノのようであるが、与えられる印象はまったく違う。
 年の頃は十代の半ばくらいでクロノと同年代、切れ長の瞳、座っている佇まいからも漂う何とも言えぬ品、繊細な体に纏う上質な衣服。
 ユーノの印象を素朴な子犬と形容するなら、彼の印象は名家で養われる典雅な血統の猫、といった具合だ。
 事実、彼はやんごとなき血筋の者であった。

「ジャン・メルヴィルと言います。貴女達の事は、スクライア君から」

 少年、ジャンはそう言って、隣に座るもう一人の少年を見る。
 ユーノはこくりと頷いた。

「ごめんねはやて、君達の事をあまり無闇に口外するべきじゃないのは分かっているんだけど、でもメルヴィル博士は古代ベルカ文明の技術に詳しいんだ。たぶん今の次元世界で、一番」

 八神家に訪れたユーノ、その連れとして共にやってきた少年の肩書に、守護騎士もはやても微かな光明を感じざるをえなかった。
 ユーノ曰く、古代遺失文明研究の第一人者、若くして二つの博士号を持つ子供、天才。
 管理局とはまた別の独立した研究所に所属しており、なんでも学会や研究会でユーノと顔見知りになったという。
 彼に事情を明かし、八神家へ招いた理由は明白だった。

「リインフォースを救えるかもしれないと思って」

 ユーノの言葉に、皆が声もなく頷いた。
 問うまでもない、誰も彼女の死など望んでいはいなかった。
 できるだけ、長く傍に居て欲しい、共に同じ時間を生きていたい。
 
「な、なあ! ほんとか、ほんとにあんた……」
 
 それまで抑えていたヴィータが、ジャンに縋り付くように問うた。
 他の守護騎士もはやても、八神家の全員が同じ心境だっただろう。
 少年は微笑んだ、なんと優しく、人の心を惹きつける笑顔か。
 元来のどこか冷たさすら感じさせる美貌に浮かぶ微笑には、見るものに救いと希望、恍惚さえ感じさせる風情があった。

「可能性はゼロではありません。僕も全力で事に取り組むつもりです」

 はやて達は視線を見合わせ、色めき立つ。
 最初はあまりの若さと、聞き覚えのない所属に、どこか半信半疑だった。
 しかしユーノの紹介した肩書が真実ならば信用しても良いだろう、それでもしリインフォースが助かるというならば、どんなか細い希望にも縋りたい。

「お願いします! どうか……」

 はやてが小さな体を曲げて、車椅子の上で頭を下げた。
 少年博士は優しく高いソプラノの声で告げた。

「そんな畏まらないでください。人として当然の事をするだけですから」

 八神家の皆が、同席したユーノが、端然とした少年の言葉に感銘した。
 優しく賢く、白く美しい美貌、正に天使のような少年だった。

「あの……」

 おずおずと、その場で押し黙って立っていた当事者である女が、ようやく声を出した。
 麗しくも儚げな美貌、長い銀髪と豊満を極める女体。
 リインフォースは、己を救いえる少年に深々と一礼した。

「よろしく、お願いします」

 下げた頭を上げ、視線を向ける。
 瞬間、リインフォースはぞくりとした。
 細められた少年の眼差しが、一瞬だけ、鋭く酷薄なものに見えたからだ。
 氷結したように青い瞳、針のように鋭く冷たく。
 いや、見間違いだろう、と考えなおす。
 事実既にジャンの目は優しい光を湛えていた。

「はい、こちらこそ。リインフォースさん」



 広大な敷地を占めるのは、青々と茂る木々。
 天から注ぐ日光、清水流れる小川、その中を貫く石畳の道は良く手入れされていた。
 街から続く道の先、小さな森の中心には、大きな屋敷がそびえる。
 ミッドチルダの地上本部で一度手続きを踏んでから、リインフォースは送迎車に乗せられて、この屋敷に訪れた。
 門柱にはメルヴィル家の名と、ジャンの所属するという古代遺物特殊研究室の名が併せて刻まれていた。

「ここが僕の家兼、研究所です」

「立派ですね」

「そう言っていただけると嬉しいです」

 無人自動運転の車からジャンとリインフォースが降りた、車の中に乗っていたのは二人だけ。
 はやても守護騎士も付き添いはない、これは少年博士の申し出でもあった。
 彼の研究室にて、リインフォースの深刻なバグを除去改修する作業を行う際、リインフォース本人以外の来客は控えて欲しい、と。
 集中力を保つ為と、研究所でもある屋敷は老朽化しているので満足に接待できない為だと。
 目の当たりにした屋敷の壮麗さに、リインフォースは目を丸くした。
 老朽化したという割には、貴族然とした屋敷の白さと丁寧に刈り込まれた芝や植木からは、朽ちた気配など微塵もない。
 屋敷を見上げるリインフォースの前に、長身の人影が訪れた。
 声もなく恭しい一礼をするのは細長い体にタキシード、手袋と磨き抜かれた革靴。
 首から上は人間でなかった。
 人の顔のあるべき場所にはカマキリの頭が乗っていた。
 巨大な複眼に思わずぎょっとするリインフォースだが、すぐに相手がどういう存在であるかは理解できた。

「僕の使い魔、執事のピエールです」

「あ、えと、どうぞよろしくお願いします」

「――」

 頭を下げて挨拶するリインフォースだが、カマキリは何も言わない。
 発声器官そのものがないようだった。
 リインフォースは視線を周囲に向ける。
 迎えに出たのはピエールという使い魔ただ一人、それ以外には誰一人居ない。
 彼女の疑問を察したジャンは説明を添えた。

「屋敷の雑事は全てピエールが行っています、もちろんあなたのお世話も彼がします」

「そうなんですか。ご家族は?」

「健在ですが、住まいは別です。研究にはその方が何かと都合が良くて」

「では研究室の方と一緒にここで?」

「いえ、僕一人です。研究室と言っても僕一人で設立し、僕一人で運営しているので」

 家族恋しさより自身の知性と探究心を優先する、天才ゆえの早熟だろうか。
 八神家の家族皆で一緒に過ごしたいと思うリインフォースには、想像もできない心境だった。
 それとも、もっともっと長い生の時間を得れば、彼女にも孤独を求める心に共感できるのだろうか。
 全てはこの少年の細い双肩に掛かっていた。

「ではどうぞ」

「はい」

 促され、彼の後に続く。
 手荷物は気付かぬうちにピエールが持っていた。
 客室として宛てがわれた部屋は八神家の自室の倍はあった、それも埃一つとして落ちていない整然ぶりである。
 荷物を置いた後は、長い廊下の先、屋敷本館の隣に建てられた別館へと案内された。
 どうやらここが少年の仕事場らしく、古色蒼然たる本館に比べ、近代的な改修が施され、そこかしこに各種魔法術式を用いた計測機器が無機質な姿で屋敷の古雅を乱していた。

「そこへ」

 指で示されたのは、広い研究フロアの中央にある円形のくぼみだった。
 電気や魔力といったエネルギーを通すケーブルが張り巡らせてあるところを見ると、これが解析とプログラム干渉の機械なのだろう。
 リインフォースは頷き、言われるままそこに立った。
 
「早速始めたいと思います」

 輝く線が地面に幾重にも走り、複雑な紋様を刻んでいく、魔法陣だ。
 古代文明、ひいては古代ベルカ式魔法や文化に造詣のあるジャンのマシンが生み出すのは、やはり三角形を中心に構築されるベルカ系だ。
 彼の魔力光なのか鮮血の如き赤色が、薄暗い照明の研究室を下から照らしだす。
 リインフォースは体を服の上から這うような、探査魔法の感覚を覚えた。

「まずは貴女の体をスキャンします。服を脱いでください」

「……え」

「どうかしましたか?」

 唐突な、まったく予想していなかった言葉に、リインフォースは目を丸くして硬直した。
 少年といえば、むしろ何の問題があるのか分からないといった風に、きょとんと首を傾げる。

「着衣があるとアウトフレームとして構築された貴女の体を通して、夜天の魔道書のプログラムへ深いアクセスが出来ないんです。お恥ずかしいかもしれませんが、お願いします」

 金髪の美少年は、心底すまなそうに、その心地良いソプラノで囁く。
 怜悧な子供の願いを前に、リインフォースは顔を真っ赤にする。
 そうだ、これはあくまで自分の修復、治療行為だ。
 それに相手はまだ少年ではないか。
 羞恥心や貞節は捨てなければ。

「わ、わかりました……」

 蚊の鳴くような声を出し、彼女は己の着衣に手をかけた。
 まずは上。
 白いセーターをめくり、肉付きと締りを両立させた下腹を晒す。
 くびれた胴の上には凄まじい丘陵、いや、山岳が二つそびえていた。
 釣鐘型の乳房のボリュームは爆発的であり、黒い下着が白雪の如き肌に良く映える。
 次にリインフォースは下半身の脱衣へと移った。
 ぴっちりと豊満なラインを包んでいたジーンズのベルトを外し、上から下へと剥いていく。
 腰から尻への急激なカーブはそのまま腿と膝、くるぶしまで優美を極める曲線を魅せつけた。
 正に女体の神秘だった。
 元来の儚げな美貌と相まって、リインフォースは凄艶な色香に満ちている。
 白い肌を強調する黒い下着がまたそれを引き立てるのだ。

「これで良いですか」

 問いかける声は風が吹けば掻き消えるほどか細い。
 下着姿ですら異性に晒す事に激しい羞恥心を駆り立てられる様子である。
 居並ぶ機械類の隣で鎮座する椅子に腰掛けたジャンは、にこやかな笑顔で宣告した。

「下着もお願いします」

「し、下着もですか?」

「ええ」

「……」

 かっと白い肌が満面赤く染まっていく。
 リインフォースは震える指先で最後の薄布を外していった。
 背中に手を回すと、自然と背を反る形になり、巨大な胸を前に突き出す。
 ぷつんと微かな音を立て、ホックが外された、はらりと落ちる布切れの代わりにまろび出たのは究極的に男の願望を成就した胸である。
 凄まじいサイズを誇りながら形は完璧な造形を保ち、肌は白く、潤いに満ち、薄桃色の乳輪と乳頭が鮮やかな色合を添える。
 少しの身動ぎでも重々しい揺れを起こす様は、視線を吸い寄せる魔法でもあるようだった。
 最後の一枚に手を付けるにはもうしばらく時間がかかった。
 瀟洒なレースの生地の作る三角形を、両端から摘んで歪め、引きずり下ろす。
 尻の巨大な質量を解き放ち、むっちりと肉付きの良い腿を、膝を、下腿を通り越し、ショーツは足首の先から消えた。
 リインフォースはなんとか手で隠すが、それでも脱衣する諸々の動作の中で、髪と同じ色の茂みは確かに少年の目に焼き付いただろう。
 
「ありがとうございます、それで結構ですよ」

「はい……」

「それにしても、お綺麗だ」

「……ッ」

 羞恥心に、リインフォースの白い肌が一気に紅潮し、乳首と茂みを必死に両手で隠し、もじもじと身をよじった。
 体は成熟の極みだが恥じらう仕草はあまりに乙女だ。
 美女を見つめる少年の眼差しは次第に鋭く、そして興奮の熱を帯びる。
 探求の学士ではない、嗜虐的に獲物を追い詰める狩猟者の瞳だった。
 ジャンは革靴の踵を鳴らしてリインフォースの周囲をぐるりと歩き、長身の肢体を上から下まで存分に観察した。
 同時に探査魔法も走っているのか、彼女は白磁の肌にもどかしいこそばゆさを感じる。

「やはり美しい。本で見たより何倍も、比べ物にならないほど」

「え? あの……それはどういう」

 ぽつりと零れた不可思議な言葉に疑問符が浮かぶ。
 ジャンは答えるより先に白く細い指先を宙に踊らせた。

「より仔細に調べさせていただきましょうか」

 魔力光が赤い輝きを生み出し、三角形の魔法陣が幾つも展開、出現する鎖の群が生ある大蛇の如く女の四肢に絡みつく。
 あまりに突然かつ想像を超えた事態にリインフォースは怒りを感じたり自己防衛する事さえ忘れ、ただただ唖然と硬直した。
 そんな彼女をよそに、少年は己の手の上に本を出す、淡い燐光に包まれた白染めの革表紙の本。
 書に保管されていた魔法術式は正確に発動され、十重二十重の円形を織り成してリインフォースを囲んだ。
 円を構築するのは綴られた古代文字で、それが無数に並び土星の輪のように一見して円形を作る。
 ジャンの持つ本から魔力が流れ込み、古代語の魔法陣はリインフォースの肉体に作用し、毒蛇の如く牙を立てて侵食を開始した。

「くッ! あ、ぅああッ!」

 肌から入り込むように感じる冷気、神経を伝わり、悪寒は肉体のみならず彼女と夜天の書、ひいてははやて達とを繋ぐシステムに強制介入してそのリンクを断ち切った。
 リインフォースの白い肌は薄く汗を滲ませ、何度も小刻みに痙攣した。
 荒くなった呼吸を整え、全てが終わるのに要したのは、時間にしてたった数十秒足らずである。
 ようやく意識をはっきりさせたリインフォースは、乱れた長い髪を首を振って払い、少年を見た。

「何を……メルヴィル博士、私に……一体何をしたんです」

「白の書って言うんですよ、これ」

 美女の問いかけに、少年、ジャン・メルヴィルは泰然と答える。
 リインフォースの困惑も怯えも知らぬのか、それとも、知っていてもどうでも良いというのか。
 指先でくるくると回る書の白表紙、薄く浮かぶのは古代ベルカ語だった。
 
「夜天の書、あるいはその系統にある古代ベルカ式魔道書のプログラムへの絶対アクセス権を持つ、まあロストロギアですね。我が家の秘宝です。といっても、これ自体に大した能力はないんですが」

 宙に無造作に放り投げた白の書は消失、おそらくは待機状態と化したのだろう。
 ジャンは両手を自由にすると、鎖で四肢を封じられ大の字を描くリインフォースへと歩み寄る。
 あまりの事態に今まで思い至らなかったが、よくよく考えると自分は隠していた乳首も秘裂も、何もかも晒しているではないか。

「あ、や……み、見ないでください……」

 消え入りそうな声で、リインフォースは自由にならない手足をもどかしく動かし、訴えかける。
 目尻には羞恥のあまり涙まで浮かんでいた。
 いくら子供とはいえ、異性に裸身をまじまじ見られるのは、耐え難い。
 しかし少年はまるで気にする事もなく、感嘆とも恍惚とも言える眼差しで、リインフォースの体中の隅から隅までを見つめた。
 魔法で抵抗しようにも、主との魔力リンクの一切を断たれたリインフォースには、鎖を破壊する力も出せない。
 いや、そもそも、自分を救うという少年に、抵抗して良いものかどうか。
 されど、彼は果たして、本当に自分を救うつもりなのかどうか。
 
「こんな事、治療に必要なのですか? 手足を縛る必要性なんて……」

「ないに決まってるじゃないですか」

「なッ」

 リインフォースは絶句した、彼は悪びれる事もなく拘束など不要だと断言したのだ。
 
「貴女と夜天の書を切り離すのは、必要です。これから他の一切のシステムと隔絶してから、白の書で貴女という存在を形作るプログラム一つ一つに干渉し、修正していく」

「では、なぜ……」

「決まっているでしょう。助けてあげる対価ですよ。命を永らえるんだ、少しくらい僕にお返ししてくれたって良いでしょう?」

「それは、そうですが……」

「なら決まりだ。今日から貴女の治療が完了するまでの間、貴女には僕の言う事を聞いてもらいます、どんな命令でも、ね」

 くつくつと少年が笑う。
 それまで薄く微笑んでいた気品ある表情ではない、巣にかかった美しい蝶の翅を一枚ずつ引き毟る毒蜘蛛の笑みだった。
 ジャンはリインフォースの周囲をまた歩き出す。
 舐めるような視線で、今度は手で隠されていない秘所や乳首を、息がかかるほどの間近から観察した。
 吐息がかかるだけでゾクゾクし、リインフォースは身震いして切なげに目を細める。
 玉の汗の浮かぶ白い肌、たわわな乳房、くびれた腰、肉付きの良い尻と太腿。
 そしてかぐわしい甘い香りのする髪と、真紅の瞳の美貌。
 至高芸術を愛でる一流の愛好家のように少年はリインフォースの全身を見つめた。
 
「リインフォースさん。貴女の事は、今まで何度も見てきました、小さいころから何度も」

「どういう事ですか……」

 先ほどの本で見たという言葉といい、妙だった。
 ジャンは自分を知っている、だがおかしいのは、リインフォースははやて達の元で顕現するまでかなりの期間を実体化せずにいる事だ。
 管理局の公式の記録にもそれはほとんど残っていない筈。
 すると少年は手を掲げ、一冊の本を出す。
 先ほどの白の書ではない、別の本だ。
 魔道書の類ではなく、ただの物理書籍で、古代ベルカ語と思わしき文字が切れ切れに綴られている。
 少年は手垢のついたページをめくり、ある部分で止めて、リインフォースへと掲げた。
 そこに載っていたのは、紛れも無いリインフォース自身の姿だった。
 髪の毛一筋まで繊細に描かれたリインフォースの絵、そして彼女についての仔細な紹介だった。

「これは、私!?」

「はい。どうも僕の先祖は古代ベルカ式魔道書の制作に携わっていたようだ、無限書庫にも保管されていない古代の文献が多くあります。これはその一冊だ」

 ジャンはページをめくり、この日まで幾度も見返し、目と記憶とに焼き付けた箇所を、夢見るように見つめた。
 
「人間の細胞をベースに作られた夜天の書の管制人格、融合騎のアウトフレーム。僕の初恋の相手だ。僕はこの本に描かれた女性に恋し、そして愛しました。叶わないと知りながらもね」

 氷蒼色の双眸に、今や狂おしい邪悪と熱情が揺らめく。
 無垢な初恋と言えば聞こえは良いが、天才少年の早熟な知性と知識に芽生えた恋心は、常人のそれを遥かに逸脱していた。
 
「そんな貴女がどこぞの未開の世界で現出し、魔法文化もない蛮族の主に仕えていると知った時は驚きました、そして悔しかった……僕以外の人間が貴女の主人に収まるなんて。でも、もう良いんだ、今日から貴女は僕のものだ」

「ひゃッ、あ……や、あぁッ! だめ……んぅッ」

 涼やかな声音に獰猛な欲望を秘めて囁く少年は、その白く細い手を目の前で戦慄く巨大な乳房へと寄せた。
 釣鐘型の真っ白な胸を、谷間の入り口から乳首、下乳までねっとりと絡みつくように撫で回す。
 女など知る筈もない年少者とは思えぬほど、愛撫の手管は淫靡を極めた。
 下から重量級の果実を持ち上げ、指先を埋めていく。
 当然ながらジャンの指では到底リインフォースの爆乳を全て掴みきれるわけがなく、指の間から盛大に柔らかな肉が零れた。
 五指に従って肉を変形させる乳房の、なんと淫らな事か。
 柔軟に弾み、揺れ、加えられる力に従って形を変える、しっとりと吸い付くような触り心地。
 少年は夢中になって極上の爆乳を弄んだ。
 リインフォースは慣れぬむず痒い快感に身をよじり、目尻に涙を溜めて切なげに震える。
 
「嗚呼、とても気持ちが良い、素晴らしい感触だ。柔らかくて触ればそっちから吸い付いてくる」

「やめ……や、やめてください……こんな、事……してはいけませんッ」

「別にやめても構いませんけど、その時は貴女を助けるという話もご破算ですよ」

「そんな……」

 生き延びて、これからずっと主や守護騎士の皆と一緒に過ごしたい。
 辱めを受け少年の玩具に甘んじるのに比べれば、確かに比較できぬほど格別の褒章ではある。
 もしも誰かに、助かる為にどんな事でもするのか、と問われれば、迷わず頷いただろう。
 だがしかし、実際に辱めを受ける羞恥心とは別だ。
 それも、相手はこんなにも若く美しい少年である。
 なまじ成人男性にされるよりも屈辱的かつ、背徳的な感慨があった。
 押し黙るリインフォースの様子から、それが承諾と同義であると判断したジャンは、再び彼女の肢体を貪り始めた。
 乳肉全体を揉みしだきつつ、次第に指先は頂上で咲く薄桃色の蕾へと至る。
 乳頭はやや小さめだが乳輪全体は乳房のサイズに比例して少し大きく、それが余計にいやらしさに拍車をかけている。
 縁から焦らすように撫で、つぅ、と指でくすぐるかと思えば、唐突に乳首を痛いほど摘む。
 強弱の緩急にリインフォースは引きつった悲鳴を漏らした。

「あぁぁッ!」

 悲鳴、されど響きに含まれる甘い音色は、彼女の肉体が紛れもない官能に痺れ始めた証左である。
 硬くしこりだした乳首をコリコリと捏ねて、持ち上げると、ジャンは顔を寄せ、そっと口に含んだ。
 小さな唇が吸い付き、舌と歯を器用に使って転がした。
 頬をすぼめてしゃぶりつき、甘噛してコロコロと弄り、たっぷりと愛撫する。
 たちまちリインフォースの顔はくしゃくしゃに歪み、切羽詰まった嬌声で喘いだ。
 
「む、むね……だめ、あッ! そんな、吸っちゃ……ひゃ、はぅうッ!」

 銀髪を振り乱し、常よりも甲高い、上ずった声を上げるリインフォース。
 必死に手足を動かし、拘束を逃れようとするが、鋼の縛鎖は決して緩まない。
 ジャンは金髪を揺らして好き放題にリインフォースの乳房を味わう。
 丁度彼の身長だと長身のリインフォースの胸に顔が当たる位置にあり、吸いやすいのだろうか、くびれた腰に片手を回し、もう一方の手で尻まで撫でる。
 やがて散々吸って乳首を尖らせた片胸から口を離し、唾液の糸を淫らな銀糸と化して伸ばしながら、少年は今度は反対の胸へと吸いついた。
 左右どちらもまんべんなく、執拗かつ熱烈な愛撫の洗礼に、生白い豊満な体が何度も跳ねた。
 次第々々に白磁の肌に浮かぶ玉の汗、全身が紅潮し、感度の良さを主張するように艶やかに濡れた声音が静かな室内に反響、天上音楽の如く狩猟者と化した少年の耳を愉しませた。
 時間をかけて乳首をねぶり尽くした時、ようやくジャンは口を離した。
 
「あぁ……はぁ、くぅッ……」

 朱に染まる頬に涙の筋を作り、リインフォースは聞くも淫らな切ない吐息を零して胸を上下させた。
 すっかり充血し、勃起した乳頭は少年の唾液に濡れ光り、元々の淫らさに拍車がかかっている。
 ジャンは唇についた自身の唾液を、ぺろりと舌を伸ばして舐める。
 その仕草は悪戯子猫のような茶目っ気さえあった、実際は邪悪なチェシャ猫の微笑に等しい。
 すっかり火照ったリインフォースの姿に、少年は指を鳴らす、主の命に呼応して魔法陣より新たな鎖が出現、今度は両膝に巻き付いて捉えた。
 
「ひゃあッ」

 上ずった声で悲鳴を上げ、リインフォースの体が持ち上げられる。
 両手首と両足首の拘束、そして今度は両膝への拘束、都合六つの支点で以って体を支えられたリインフォースは大きく股を開く格好にさせられた。
 まるで妊婦が分娩する時の、あるいは産婦人科医の診察を受けるような、女の秘すべき部分全てを晒す姿勢である。
 当然ながら、見るのは医者ではなく、歪んだ愛と欲にまみれた若き天才学者の青い瞳。
 薄く銀の恥毛の生えた部分を、汗と蜜で湿った豊満な肉の合間を、ジャンはかつてない程の興奮に燃えて見下ろした。
 尋常の感動など感じない達観した少年が、この時ばかりは指先を震わせて触れる。

「ここが、貴女の……こんなに濡れて。とても綺麗ですね、ピンク色だ」

 うっとりと恍惚の熱に美貌を染めた少年は、陰唇を広げ、陰核から尿道口、膣口に至るまでの全てを見つめた。
 興味深そうにつつき、あるいは押し広げて粘膜のてかりと、溢れる愛液とを塗り込めて。
 こそばゆい快感に身震いするリインフォースは、恥ずかしくて死んでしまいそうな心地である。
 必死に手足をばたつかせるが、六つの鎖は無慈悲であり、緩む事は決してない。
 
「やだ……あぁ、やッ、見ないで……そこ、見ちゃ……あッッ!!」

 一段と甲高い声が迸った。
 細い少年の指が、強引に宝珠の皮を剥き、さらに膣口に第一関節まで挿し込んでいた。
 胸への責めですっかり熱く、敏感になった体は、本人の意思とは無関係に快美の痺れを生み出した。
 怖い、この時彼女は、未だかつて無い不安に駆られた。
 こんな事はいけない、したいとも思わない、なのに女として熟れに熟れた我が身は、快楽の前にあまりに弱かった。
 既に溢れた蜜は巨大な尻たぶまで伝って落ちて、床に点々と跡を残していた。
 甘酸っぱい雌の香りが満ち、少年は鼻を鳴らして呼吸して吸い込んでいる。
 嗜虐心に満ちた目が、彼女を見上げた。

「ほら、見てくださいよ。指の間で糸引いてますよ? 貴女も気持ち良いんでしょう。縛られて弄られて、こんなに感じて、いやらしい人だ」

「いわないで……違う、そんなの……私……んぅッ、くうううッ!」

 リインフォースが感極まったように唇を噛み、身をよじって髪を振り乱す。
 見れば、ジャンの指はこれでもかとクリトリスを摘んで、抓っていた。
 細められた眼差しは鋭く強く、支配者の視線で眼前の雌を射抜く。

「嘘をつくな、玩具の分際で」

「あ、あああッ! いやぁああ!」

 千切るかと思うほど、強烈な捻りを加えて陰核を責め立てるジャン。
 リインフォースは何度も大きく跳ねて泣き叫んだ。
 痛み、そして快感、相反する電撃が彼女の中を駆け巡り、より一層肉体を火照らせる。
 もうそこは湯気が立つ程の熱気を帯びて、桃色の粘膜は充血してひくひくと蠢く。
 すっかり準備はできていた。
 彼女の様子に、ジャンはいよいよと理解したか、バックルを外し、ズボンを半分おろして己を取り出した。
 支配者として振る舞っていてもさすがにそこはまだ少年、未成熟な男性器が顔を出す。
 それでもしっかりと勃起して、硬く上を向いて、皮を被った先端をリインフォースへと突きつける。

「……まさか、うそ……うそ、ですよね……そんなの」

 責めに戦慄いていたリインフォースが、ぴたりと添えられた熱い感触にはっと我に返り、見下ろす。
 少年はその小さな体をむっちりとした太腿の間に割り込ませ、硬く屹立したものを、今正にリインフォースへ埋没させようとしていた。
 恐怖、不安、倫理観の危機。
 リインフォースは今度こそ泣き叫んだ。

「やだ、やだ! や、やめてくださいメルヴィル博士! そんな事、だめ……こわい、いや……助けて、みんな……主ぃッ!」
 
 理知的で清楚、淋しげな大人びた雰囲気のあるリインフォースが、この時ばかりは子供のように助けを求めた。
 だが都合のいい助けなど存在しない、鎖の感触は冷たく確かに彼女の四肢を拘束し、少年の屹立は熱く粘膜に触れてくる。
 小さな手が太腿を挟み込み、少年はゆっくりと腰を前に突き出していった。

「僕の初めて、貴女に捧げますね」

 恍惚に声を弾ませ、ジャンはリインフォースの豊満な肉体に抱きつく。
 あっという間に、二つの肉体は繋がった。
 滑りこむようにぬめる蜜壺へ吸い込まれる剛直。
 肉棒は小さくも、しっかりとリインフォースの純潔を奪った。
 
「ああッ! い、いたいぃッ! いや……だめ、こんな……あああぁッ!」

 少年に犯される背徳、強姦される悲痛、肉体に走る痛みと快感。
 リインフォースは巨大な乳房を波打たせ、長い銀髪を乱して喘ぐ。
 少年の腰が一心不乱に前後して、リインフォースのぬめる蜜壺を何度も押し広げる。
 初めての性交に、ジャンは表情から余裕を失って溺れた。
 大人顔負けの知性を持とうと、肉の悦を前には意味を持たないのだろう。
 目の前でたぷたぷと揺れる爆乳の谷間に顔を埋め、むっちりと肉付きの良い太腿を両脇に抱き抱え、ジャンは腰を動かすだけの本能に取り憑かれる。

「すごい、あぁッ! こんな、気持ち良いなんて……リインフォースさん……もう、でる、出します!」

 素早い腰使いが、一段と早くなった。
 濡れた肉と肉のぶつかる淫猥な音色、少年と美女の甲高い鳴き声。
 とうとうその瞬間は、訪れた。
 あまりに呆気無く果てた彼は、ぎゅっと体を押し付け、出せる限りの精を解き放つ。

「ぅあああ!」

「ひゃううう!!」

 熱い精が満ちていく。
 恍惚の極みの声を上げるジャン、被虐に打ちひしがれて喘ぐリインフォース。
 性徴を迎えた頃合いの少年の射精は凄まじく、あっという間に膣内を満たし、子宮口まで粘ったものがかけられる。
 少年は童貞を喪失し、初めて女性の中で果てた感動に満ちて、潤んだ目でリインフォースの乳房の間に顔を埋め、深呼吸を繰り返す。
 汗で湿った肌の匂いは天然の媚香と化して肺腑に満ちた。
 未だ小刻みに震えては射精を繰り返す小さな肉棒に、リインフォースも痺れるような快感を覚えてしまう。

「こんな……こんなの……だめ……ゆるしてぇ」

 赤い瞳に涙を滲ませ、首を横に振るリインフォース。
 そんな彼女を離すまいと、小さな手が胸に埋まる。
 指を沈み込ませ、乳房を揉みしだき、浮かんだ汗の雫をちろりと舐めるジャン。
 感動に涙ぐんだ青い瞳は、嗜虐心に満ちて見上げた。
 小さな暴君は、目の前の獲物を逃すまいと、柔らかな肉へこれでもかと指を食い込ませた。
 痛みと快感に顔を歪めるリインフォース。
 そんな反応さえも、彼をこの上なく悦ばせる。

「これからプログラムの異常を治すまでの間、たくさん遊んであげますからね。リインフォースさん」

 甘美な程の少年の涼やかな声音が、優しく残酷に囁く。
 嬲る者と、嬲られる者、細く小さな少年と、長身豊満の美女。
 見守るのは一切の感慨を持たぬ、執事姿の無機質なカマキリの顔だけ。
 これから始まる幾日もの陵辱の、最初の一日目だった。
 
 
続く



[41567]
Name: ザ・シガー/cigger◆964dce9a ID:36d18dd0
Date: 2015/10/17 17:46
奴隷融合騎リインフォース2


 かちゃかちゃと金音が鳴る。
 手に持った盆の上で、黄金のスプーンとフォーク、陶製のカップとティーポットが立てる音色だ。
 どれもが雅趣豊かな飾りと細工に匠の業が光る逸品である。
 繊細に扱う執事は、テーブルに座した主にカップを差し出し、紅茶を注ぐ。
 茶葉の蒸らしも温度も申し分なく、添えられたビスケットの焼き具合、ジャムの風味も完璧だ。
 ただし所作をこなす執事は終始無言であり、顔は不気味な黒点の目を持つカマキリだった。
 普通の子供が見れば泣き出しそうだが、主人である少年博士はどこまでも平素である。
 そもそもこの使い魔を作り出したのは彼なのだから、当然か。
 優雅に紅茶を飲みながら、若き天才は窓外を仰ぎ見た。
 広大な敷地に萌える木々の青々とした輝き、良く晴れた青い空は見ていて気持ちが良い。

「良い天気ですね、リインフォースさん」

 さらさらと金髪を揺らし、ジャンは朗らかな笑顔で振り返る。
 室内に居たもう一人の人間に向かって。
 返答はない。

「……ん、ふぐぅッ」

 部屋の奥に彼女は立っていた。
 声にならぬ呻きを零して。
 口は塞がれていた、ギャグボールを噛まされ、皮バンドで固定されている。
 両手は頭上高く掲げられ、皮ベルトとそこから繋がる鋼の鎖で天井のフックから吊るされていた。
 着衣はない、全裸だ。
 真っ白な肌は汗の雫を点々と浮かべ、背中に長い銀髪を貼り付けている。
 切れ長の赤い瞳に涙を滲ませ、ギャグボールの穴から溢れる唾液の筋を顎まで垂らした様は、見ているだけで倒錯的な気分を掻き立てられた。
 股間の茂みも湿っている。
 むっちりと肉付きの良い太腿の内側を、つぅ、と垂れる透明な水。
 出処は、女の最も秘すべき場所だった。
 甘酸っぱい天然の媚香となってかぐわしく匂う愛液。
 全身を湿らせる汗の雫と共に、リインフォースの火照った体温で蒸され、篭った室内で濛々と立ち込めている。
 少年は紅茶を一杯飲むと、カップを執事ピエールに渡し、椅子から立ち上がった。

「どうです、一晩そうしていた感想は。ああ、そうだ、答えられないんでしたね」

 コツコツと革靴の踵を鳴らし、少年はリインフォースの前まで来た。
 
「ふぅ、うう!」

 何かされると察したリインフォースは目を見開き、身をよじって恐怖する。
 だがそんな仕草までも、ジャンの嗜虐心をそそった。
 少年の細い指が膝から腿までくすぐり、ゆっくりと上へと進み、やがて蜜壺へと至る。
 くちゅ、と粘着質な、淫らな音色。
 細い指が媚肉を掻き分ける。
 
「んッ! ん゛ぅう!!」

 濡れた髪を振り乱し、リインフォースが戦慄く。
 苦しげで切なげな声音は、その芯に甘い響きを秘めていた。
 鈍い振動音。
 膣壁を掻き乱した少年の指の間には、小さなたまご型の物体があった。
 ローターだ。
 電源用コードはない、魔力で動くようになっているらしい。
 この玩具で、リインフォースは一晩中苛まれていたのだ。
 すっかり彼女の愛液と体温を浴びたローターは温かく、湯気までくゆらせて女の匂いをかもした。
 ジャンはそれを自分の顔の前まで持ち上げると、ぺろりと赤い舌を妖しく這わせる。

「リインフォースさんの味がします。それに、良い匂いだ」

 鼻を鳴らして愛液の香りを嗅ぐ姿に、リインフォースは耳まで赤くなる。
 恥ずかしくて死んでしまいそうだった。
 止めてくれと懇願しようにも、口は塞がれている、言っても彼は聞く耳持つまい。
 やがてローターを捨てると、細い指は乳房を求めた。
 ずしりと重く、たぷんと揺れる柔らかな肉に、指先を埋めて。
 水風船かゴムボールでも弄ぶように捏ね回す。
 つんと勃起した乳首は特に念入りに摘んで転がした。
 強く抓ると、リインフォースの反応も良い。
 もちろん乳頭を口に含んで吸い付き、舌と歯で転がすのも忘れない。
 乳飲み子のように執拗に。
 それでいて子供では絶対に真似をしないような淫猥さでの吸引。

「ふぅうッ、ううぅ、んぅう~ッ!!」

 ふーふーとギャグボールから息を吐き、汗みずくだった体がさらに濡れる。
 愛液はもう洪水のようで、くるぶしまで滴り落ちていた。
 少年は乳首を口から離すと、喘ぎ悶えるリインフォースを心から嬉しそうに見上げた。
 
「こうして苛められる姿、とっても似合いますよ。リインフォースさんはやっぱり、マゾ奴隷の素質ありますね」

「んー! んー!」

 首を振り、否定しようとするリインフォース。
 少年は無論、そんな反応など構う事はない。
 好き放題にリインフォースの真っ白できめ細かい肌を撫で回し、あちこちの豊満でしっとりと吸い付く膨らみを揉みしだく。
 正しく子供が新しい玩具を弄り回すように。
 その時だ、突然、古い電話のベルが鳴る。
 視線を向ければ、そこにはカマキリ頭の執事が持つ、クラシックなデザインに瀟洒な意匠を施した電話が在った。
 古めかしいのはデザインだけで、中身は最新の次元間交信可能の通信デバイスであり、着信相手の名前が表示されていた。
 八神はやて、と。
 ジャンは冷たい眼差しを湛え、リインフォースの乳房から口を離して受話器を取った。
 一瞬リインフォースは恐怖したが、幸運にも映像通信ではなく、音声のみだった。
 自分の痴態は見られずに済む。

「はい、ジャン・メルヴィルです」

『どうも、八神はやてです。あの……実は、ちょっとお伺いしたい事があって』

「ああ、リインフォースさんとのリンクが切れた事、ですか?」

『……はい』

 当然といえば当然だろう、守護騎士や融合騎であるリインフォースとは、書の主であるはやてとのリンク機能がある。
 あまりに仔細な肉体変化や精神状態は伝わらなくとも、重大な危機や変調はある程度伝わる。
 それが、昨日突然切れたのだ、リインフォースだけとなれば、理由はジャンに聞くしかあるまい。
 ジャンはなんら臆することなく、どこまでも平素の涼やかさを崩さずに答えた。

「実はリインフォースさんのシステム内の不具合を調べるのに、一度夜天の書と繋がりを断たねばならなくて。ここに居る間は切らせていただきました、大丈夫、終わればすぐ戻りますよ」

『本当ですか?』

「ええ。もちろん」

 悪魔が笑えばこんな微笑だろうか、どこまでも優しく、それでいて奥底に猛毒の爪を隠し持つ。
 見てくれが美しい少年であるだけ余計に不気味だ。
 すると、突然ジャンは振り返った。
 鋭い視線はリインフォースを肩越しに捉え、唇の端が釣り上がる。

「そうだ。なんならリインフォースさんと代わりましょう」

 少年の目配せ、念話を飛ばしたのか、視線だけで察したのか、ピエールは過たず主の命に応じる。
 手袋をした手が、片手でリインフォースの口のギャグボールを外し、もう一方の手が受話器を受け取って、リインフォースの顔に宛てがった。

「あ、あ……」

 助けを求めれば良いのか、ジャンの行為を訴えれば良いのか。
 頭の中を駆け巡る懊悩。
 ちらと視線を少年へ向けるが、特に何も言わず、強制もしない。
 黙ってこちらを見ているだけだ、好きにしろ、というように。
 
『リインフォース、大丈夫? 具合悪ない?』
 
「え、はい……」

 言えない、言えなかった。
 もし真実を語ればジャンはリインフォースの治療を止めるだろう。
 そうすれば、主と過ごせる時間は絶望的に消える。
 
「何も、ありません。大丈夫です……ひゃッ!」

『どうかした?』

「い、いえ……」

 リインフォースは眉尻を下げ、恨めしげに、切なげに、少年をきっと睨んだ。
 しかし潤んだ瞳と赤らんだ頬で睨みつけたところで少しも怖くはない。
 ましてや両手を縛られ釣り上げられた女に、何ができるか。
 彼女の剣幕などどこ吹く風で、好きに柔らかな肢体を貪った。
 電話を顔に添えられたリインフォースの内腿をゆっくりとくすぐるように撫で上げ、汗の雫が浮かぶ背中をちろりと舐める。
 やがて再び、飽きる事なく豊かな白い胸を揉みしだいた。
 指が柔らかな肉に埋まり、たぷん、と下から持ち上げる。
 勃起した乳首を抓りあげれば、途端に声が弾んだ。

「ふぁああ! ん、くぅ……ッ!」

『リインフォース?』

「いえ、なんでも……なんでもありませ、んッ、から……」

 リインフォースはなんとか声を抑えようと、甘い嬌声を上げまいと唇を噛むが、少年の愛撫は的確かつ執拗、そして冷酷だった。
 彼は正面に立ち、口を開けた。
 ぞくりと背筋が凍える。
 持ち上げた乳房の先に、赤い舌を伸ばした唇が近づいていく。
 かかる吐息さえこそばゆい、声を立てず、身をよじって逃れようとするが、無意味だ。
 音もなく口が閉じ、乳首が口内に含まれた。
 ねっとり絡みつく舌、そして乳首にほんの僅かに当てられる歯の感触。
 甘噛みされる心地に、ゾクゾクする。
 
「~ッ!!」

 快感のあまり目が涙でいっぱいになり、頬まで濡れた。
 下半身まで疼く。
 こんこんと泉のように溢れる蜜が新たな筋を膝まで作り、それを少年は見逃すわけもなく、指を伸ばして掬い取る。
 ぬめりを帯びた白く細い指が、熱く疼いた桃色の粘膜の間に、ぬるりと滑りこむ。
 
「んッ……」

 甘美な痺れが腰から脳天まで駆け上り、リインフォースは必死に抑えようとするが、声は切なげな吐息となった。
 かろうじて電話口のはやてには、その姿が見えず、事態を憶測する術がないのが救いだった。

『リインフォース、声どうしたん?』

「なんでも、なんでもありません……から、あッ……気にしないで、ください……ッ」

 くちゅくちゅ弄られる膣口、さらに勃起したクリトリスまで摘まれ、喉の奥で悲鳴が押し殺される。
 こみ上げる快感を前に、エクスタシーが近づいてくるのが分かる。
 リインフォースの豊かな尻が弾み、膝が笑う。
 それでも彼女は健気に平静を装うとして、声を紡ぐ。

「安心して、ください……すぐ、戻りますから……あッ、くうッ……すぐに、主のところへ……あ~ッ!」

 人一倍強い力で陰核が抓られ、乳首を吸われた。
 それだけでもう我慢の限界を超えて、リインフォースの脳髄をアクメの波がさらう。
 甘い声を上げ、絶頂に打ち震える白い肌。
 愛液の雫が垂れて足元に水たまりを作る。
 つんと立ち込める甘酸っぱい匂い、発情した雌の媚香。
 切なげに吐息を零しながら、リインフォースは胸を上下させて喘ぐ。
 
『リインフォース、大丈夫?』

「はい……」

『そんなら良いけど、じゃあ、頑張ってな』

 そこでおもむろに受話器はリインフォースの顔を離れ、執事の手によって少年に渡される。
 
「では、後は僕にお任せください八神さん。それでは」

 通信を切り、受話器を元の位置へ戻す。
 少年の顔に邪悪な嘲笑が浮かんだ。

「大好きなご主人様の前でイッた気分はどうかな? 恥ずかしかった? でも、凄く感じただろう? 見てごらんよ、足元、まるで失禁したみたいだ」

 クスクスと笑ってジャンはリインフォースが滴らせた淫水の量を指摘する。
 美女の白い頬が、羞恥心にぱっと赤らんだ。
 裸身を余すところなく隅々まで見られるだけでも恥ずかしい上、犯され、さらには電話越しにはしたなくアクメする声まで出してしまった。
 
「あなたは……さ、最低です……」

「お褒めいただきありがとう」

 肩を竦め、蔑みの言葉を受け流すジャン。
 彼はまた視線で促し、執事に下知を与える。
 ピエールの手袋に包まれた指先から魔法陣が生まれた。
 操作したのは鎖でリインフォースを繋げて吊るす、鈎状のフックだった。
 フックの基部が鈍い金属音を立てて下がっていき、リインフォースは床の上に膝を突く格好となった。
 ようやく吊るされた状態から解放されてほっとするのもつかの間、背後に感じた気配に、寒気が生まれた。
 
「あ、やだ……やぁ」

 リインフォースの白く大きな尻たぶを、少年の手が掴む。
 逃れようにも手首から伸びる鎖をカマキリ頭の執事が短く掴み、逃げ場は与えない。
 肩越しに振り返ると、ベルトのバックルをガチャガチャと外す少年が、硬く反り返ったペニスをリインフォースのびしょ濡れの秘所へと突きつけた。
 ぴたりと触れた粘膜と粘膜の熱、それは二つの肉体をぶるりと震わせる、快美の痺れを生む。

「さあ。今日のご褒美の時間だ。たくさん出してあげるからね」

「だめ……だめ、やめて……いや……あああぁッ!!」

 まだ未成熟な少年の、小さくも熱く硬い剛直がぬるりと中に滑りこむ。
 奥までは届かずとも膣口を掻き回し、腰が前後する度に若々しい激しさがリインフォースを苛んだ。
 最初は尻を掴んでいた手が、腰へと這い昇り、下乳まで揉んだ。
 息を弾ませた少年は狂ったように腰を振りたくり、劣情と歪んだ支配欲を叩きつけた。

「あ、あぁッ! だめ……だめぇ……ふあッ! ひゃううッ!」

 少年の動きに合わせて溢れる、蕩けるような甘い声音。
 その都度揺れる巨大な白い乳房。
 くしゃくしゃに歪んだ表情と、涙を溜めた真紅の眼差し。
 振り乱される髪から薫る果実ような匂いといい、犯され辱められ、喘ぎ悶えるリインフォースの、なんと妖しく艶やかな事か。
 必死に泣訴する上ずった悲鳴さえも、犯す者の嗜虐心をこの上なくそそらせる。
 少年の美貌にはありありと陵辱のサディスティックな喜悦が燃えていた。
 
「だめ? 何がだめだ。こんなに濡らして、締め付けてくる癖に。ほら、大好きな乳首も、一緒に弄ってやるよッ」

「ふぁあああッ!!」

 小さな指が、ぷっくりと膨らんだ乳輪と乳頭を掴み、抓り上げた。
 ピリピリと走る痛みと快感に、膣壁は締り、埋没するペニスをしゃぶり尽くす。
 支配し陵辱する者として余裕を持ちたいジャンだったが、このあまりに素晴らしい締め付けと、満遍なく絡みつくヒダの快感には、さすがに息が上がる。
 肩で呼吸しながら腰を振りたくり、腕が回り切らないリインフォースの胴にかぶりつくように抱きついて、これでもかと突き上げた。

「そろそろ、出すぞ。受け取れ……僕の精液、全部ッ」

「だめ、そんな……あッ! あああぁッ!!」

 長い銀髪を振り乱し、叫ぶリインフォース。
 語尾は裏返り、無駄な贅肉のない背中が仰け反る。
 程なく内部を満たす白濁の脈動が泡を立てて零れ落ちる、さすが若いだけあって量は凄まじかった。
 何度も跳ねて痙攣しては射精し、後から後から注いでいく。
 ようやく終わった時、二人の足元には、広がる愛液の泉に、濁ったシロップを落としたみたいに粘り気が山を築いていた。
 噎せ返るような性臭、重なって響く荒い息遣い。
 少年の唇が濡れた女の背中を、そして肩を舐め、キスをした。

「んッ……ふぅッ」

 絶頂後の敏感な肌を愛撫される心地に、つい恍惚の響きが溢れる。
 少年は彼女の長くきめ細かい髪を指で梳き、満悦気味に囁いた。

「安心して良いですよ、リインフォースさん。こうして僕の玩具にした後は、ちゃんと治療の方もして差し上げますからね」


続く





[41567]
Name: ザ・シガー/cigger◆964dce9a ID:36d18dd0
Date: 2015/10/16 21:43
奴隷融合騎リインフォース3

 
「早くしろ」

 少年の下知、足元の美女は屈辱感と羞恥心に身悶えし、顔を歪めた。
 しかしその美しさは微塵も翳らず、むしろ恥じらいと快感に紅潮する様は、凄艶でさえあった。
 幼い陵辱の主は興奮に笑みを浮かべ、己の脚の間に座る彼女の、長くなめらかな銀髪を掴む。
 
「奴隷らしく奉仕をするんです、リインフォースさん。命令を聞かなければ、オシオキですよ?」

「うう……」

 少年の股ぐらに顔を近づけ、リインフォースは裸身を震わせた。
 今日もまた、鬼畜の悦びを求める美少年ジャン・メルヴィルによる辱めは行われる。
 彼への奉仕の強要だった。
 ここへ来てから裸に剥かれたままの生白い、きめ細かい肌に浮かぶ玉の汗。
 身じろぎする度にたわわな乳房が揺れ、悩ましく色香を匂わせる。
 逡巡したリインフォースだが、逆らえばより酷い罰が待っている、ようやく手枷から解放された手を伸ばし、彼女は少年のズボンに手をかけた。
 おそるおそるバックルを外しファスナーを下げ、下着をめくる。
 美しい少年の肌は彼女に負けぬほど白く、なめらかだ。
 汗や皮脂の匂いが酷くなかったのは救いだろう。
 それでも、硬くなり反り返ったものが鼻先に突きつけられると、さすがに少しばかり酸味がかった匂いがする。
 
「さあ」

 少年が促した。
 言われた事を脳内で反芻し、リインフォースは耳まで赤くなった。
 男女の交合ではさほど珍しくないと言われはしたが、世間の恋人や夫婦達はみんなこんな事をしているんだろうか。
 羞恥心の強いリインフォースは火が点きそうなくらいに熱を帯びる。
 しかしいつまでも恥じらい、固まっている事も許されない。
 少年の冷ややかで、それでいて熱い眼差しは、上から絶対君主の圧力を加えてくる。
 物理的圧力はなめらかな銀髪を乱暴に掴み、引き寄せる小さな手として現れた。
 
「早くしろ、と言っただろう。この愚図が」

 目を細めたジャンの視線の、なんと冷酷で容赦のない事か。
 同年代の子供はおろか、大人だってここまで他者に容赦のない目はできない。
 リインフォースは諦め、頷いた。
 
「はい……」

 口を開ける、舌を伸ばす。
 おそるおそる、美女はまず最初の一舐めを幹の根元に這わせた。
 薄い塩味、青臭さ、熱く硬い感触。
 
(うう……)

 内心嫌悪感を抱きながらも、彼女は凶悪な主人に虐げられる犬のように、あくまで従順にぎこちないフェラチオを続けた。
 ぴちゃり、ぴちゃり、と控えめな水音。
 奉仕させながら少年の小さな踵が、己の前に跪く美女の太腿の上に乗り、踏みしめた。

「いッ!」

「そうだ、そのまま続けろ」

 走る痛みに顔を歪めるリインフォースだが、舌遣いは続けた。
 根元から半ば皮を被った先端まで、チロチロと舐め上げ、吸う。
 張り詰めたペニスはまだ未成熟で小さいものの、若いだけあって石のように硬い。
 先走るカウパー液を啜り、皮の中に舌先を入れて中まで舐め取る。
 恥后の青臭さが鼻を突く。
 なんという異臭だろう、リインフォースは鼻が曲がりそうに……いや、これは……果たして本当にそうか。
 スンスンと鼻を鳴らす、呼吸する度、配布に染み渡る匂い。
 とても臭く……いや、良い匂いだ。
 リインフォースは次第に呼吸を早め、そして、己の変化に驚き、視線を上げる。
 目を見開いた。
 少年の手にはあの白い本が握られていた、魔力の燐光を煌かせる、白の書。
 それは闇の書のプログラムに干渉可能な古代ベルカのロストロギアだった。
 
「分かるかい? 今貴女の体、感覚器に干渉してるんだ。プログラムの書き換えだ、嫌な匂いだったものが、堪らない、心地良いものになっていくだろう? どうだい? 自分の感覚器を人の好きに弄られる気分は」 

 まるで新しい玩具を好きに弄繰り回すように、嬉々として問いかける。
 天才の知性と技術に無垢な嗜虐性と性欲、好奇心。
 目を輝かせた美しい顔に浮かぶのは、鬼畜のそれだった。
 穢れ無き残虐さ、その奥にはリインフォースへの熱い想いが秘められている。
 愛とは必ずしも慈しみや優しさに現れるばかりでない、狂った熱情は過たず、彼の真なる想いの結実だった。
 
「やだ、うそ……こんな……ん、ちゅる、じゅぷッ……ふう」

「嘘じゃないさ。美味いか? ふふ、新しいご主人様の味だ、よく覚えておくんだぞ。これから、毎日味わうんだからな」

 少年は右手に書、左手はリインフォースの煌めく銀髪を掴み、強引に引き寄せる。
 硬く熱いものが喉に当たり、噎せ返る。
 リインフォースは目尻に涙を溜め、必死に鼻で呼吸しながら、乱暴なイマラチオの感触に苦鳴を上げた。
 
「ん、んぐぅ! ふう……ううッ!」

 髪を掴まれた頭部が痛いし、喉を蹂躙する肉棒の感触もまた然り。
 だが青臭い少年の屹立の発する香りが、堪らなく甘美で、頭の奥に陶酔感が染みこんでくる。
 苦しみと屈辱、羞恥、悔しさ、それら心身を打ち据える感情の中、何故か肌は火照っていく。
 頭を掴んで前後に震わせるジャンの手はどんどん素早く規則的に動き、喉に叩きつけた。
 終わりの時は唐突に、呆気無く訪れた。
 少年の腰が微かに跳ねた、瞬間、熱く粘ったものが溢れた。

「~ッ!」

 声もなく、リインフォースは驚愕と苦痛に目を剥いた。
 粘る生臭い精液の奔流、しかし改変されつつある肉体は、濃厚な臭気に歓喜する。
 気付けば自然と喉を鳴らし、嚥下していた。

「んく、ん、こく……ふうッ」

 涙に潤む瞳が、どこか法悦の甘美さを湛え、彼女が元来秘めている儚げな美しさと深く結びつき、その姿は見る者の芯を揺さぶる。
 誰もが想う、この女を嬲りたい、責めたい、欲望の赴くまま辱め、実った肢体も貞淑な心も、全てを苛め抜いてやりたいと。
 それを行える唯一の支配者となったジャン・メルヴィルの心中は、正に天へ昇らんばかりの喜悦に満ちていた。
 射精の快感と支配の悦に耽り、長々続く絶頂の余韻を噛み締めながら、少年はリインフォースを見下ろす。

「そうだ、全部飲め……全部だ」

 恍惚の溜息、リインフォースは言われるまま、頬をすぼめ、舌を這わせ、丁寧に彼のペニスを奉仕する。
 どうせしなければ打擲を受けて強制されるのだ、ならば、自分からした方が罰は少なくて済む。
 
「はふ、ぴちゃ……ちゅ、じゅるッ」

 目尻に溜まった涙が頬を伝い、淫靡で艶やかな水音を唇と舌で奏で、リインフォースの奉仕は続く。
 少年は犬のように仕える美女へ、歪んだ欲望の笑みを深めた。
 
「まるで犬だな。まあ、雌犬奴隷のお前にはお似合いか」

「……」

 言葉責めに募る羞恥心と屈辱感、それでも奉仕は止まらない。
 唾液を絡め、精液も先走りも飲み、丁寧に清掃を成す。
 あっという間にジャンのものは彼女の唾液のみで濡れ、てらてらと濡れ光る。
 顔を離すと、唾液の橋が銀の輝きを照り返して伸び、切れた。
 深い呼吸、鼻を鳴らして息をするリインフォース、それもまた無意識だった、改変されたプログラムの影響で、浅ましく餌を前にした犬のように嗅覚で少年の香りを求める自分が居た。
 
「はぁ……」

 涙の膜を甘く張った瞳が、紅い、妖しい瞳が、じっと見つめる。
 吸い寄せられるように、リインフォースの視線は目の前でまだ硬く屹立している少年のそれを見る。
 熱っぽく、物欲しげに。
 リインフォースはそこではたと気づき、かぶりを振った。
 
(違う、私は……ッ)

 慌てて彼女は己を取り戻し、律した。
 そう、全ては自らの肉体を正常に戻し、大切な主や仲間、家族の元へ帰るまでの苦難に他ならない。
 決してこの感覚に引きずられてはいけないのだ。
 意を決し、睨み上げる。
 少年は意外そうな顔をした。

「へえ、なかなか芯が強いんですね。まあ、その方が僕も楽しい、屈服のさせ甲斐がありますよ。リインフォースさん」

 別段怒るわけでもなく、むしろ言葉通り、リインフォースの頑なさに、少年は破顔した。
 彼女の肉体に施した改変は根深い、言うなれば新たに本能を追加したようなものだ。
 例えリインフォースやヴォルケンリッターが魔法によるプログラム生命であったとしても、肉体はあくまで血の通う有機物、恒常性を維持する為の本能の影響は強い。
 ジャンは白い書を別空間に収納、手元から消し去ると、ゆったりと座った椅子の背もたれに我が身を預ける。
 そして美しい奴隷へ新たな下知を与えた。

「上になれ」

 その命令の意味するところが分からぬリインフォースではない。
 今日までの度重なる調教の中、何度もこうした行為を強要された。
 リインフォースは重い腰を上げ、立った。
 巨大な乳房、くびれた柳腰、重量感たっぷりの尻たぶ、太腿。
 煌めく銀髪と美貌と、彼女の裸身全ては余さず晒されている。
 間近から浴びせられる少年の視線が、柔肌の上をチクチクと刺激してくるのが分かる。
 椅子に座る少年の上に、リインフォースはゆっくりと、足を広げて跨った。
 秘部は既に微かに濡れていた、そこへ当たる硬く張り詰めたものもまた、精液と、彼女の唾液に濡れている。
 互いに濡れた粘膜の結合は、あまりに呆気無く、そして速やかに成された。
 ぬるりと入り込む感触に、リインフォースは耐え切れずに声を上げる。

「はあッ!」

 両手が少年の背に回り、背後の背もたれを掴んだ。
 がっしりと固定し、リインフォースはその巨大で淫らな造形の尻を、上下させる。
 できるだけ早く、少年を絶頂させ、終わらせたい。
 そう考え、一心不乱に身をくねらせ、豊満な肉を波打たせる。
 ジャンは美貌を快楽と支配欲に染め、眉を歪めた。
 顔を埋めるのはリインフォースの乳房の谷間だ。
 きっと誰もが、男なら一人残らず願うだろう、この白く豊かな、柔らかい肉の間に溺れる事を。
 その権利をただ一人独占するジャンは深く呼吸して彼女の汗のにじむ体臭を吸い込み、つんと尖った乳首に舌を這わせ、そして吸い付く。

「あ、だめ……そこ、ひゃう!」

 リインフォースは涙を流し、上ずった声を張り上げてよがる。
 少年が聞くわけない。
 彼は必死になって、まるで乳飲み子のようにリインフォースの乳房を吸い、手はリインフォースの巨大な尻肉へ埋めて、腰を微かに上下させる。
 跨る女のダイナミックな腰使い、下になる少年の小刻みな腰使い。
 二つの動きは徐々に噛み合い始め、やがて重く、淫らな水音を奏でる。
 愛液の量がどっと増したのが分かる、既に飛び散った水気で床に点々と跡が残っていた。
 室内に満ちる雌の発情した香り、肺まで犯すような臭気の暴力。

「あ、ん! くぅ……はぁ、ああッ!」

 リインフォースの声音は、どこまでも甘く、蕩け、上ずった響きを奏でた。
 分かる、あと少しで、己の膣内に収めた剛直が果てると。
 今日まで何度も犯され味わった感覚だ、まだ未成熟ながらも硬く張り詰めた少年のものが、その瞬間に僅かに大きくなる。
 そしてたっぷりストロークをつけた上下運動、リインフォースは巨大な尻たぶを振り、そして、落とした。
 
「くう!」 

「あぁああッ!」

 ぶるりと身震いするジャン、体内に溢れる熱と勢い、粘り気に絶叫するリインフォース。
 甘美な波が、果てしなく我が身を溶かす快楽の濁流が、リインフォースの意識を霞ませた。
 
「あ……はぁ、あぁ……」

 涙だけでなく、唾液まで唇の端からだらしなく垂らし、恍惚の呈を晒す。
 白い柔肌に張り付いた銀髪と相まって、その姿はどこまでも凄艶だ。
 見上げる少年の目は射精してもなお尽きる事のない欲望に燃え、輝いた。
 
「ふふ、くはは……ああ、やっぱり、綺麗だ。僕の……僕だけの、奴隷」

 歪み狂った情熱に滾るジャンは、その白く細い指を、豊かな尻たぶへより深く埋めて、谷間に顔を沈める。
 二度の射精など忘れたかのように、剛直は硬く張り詰める。

「さあ、次は犬らしく手を突いて這え。後ろからやってやる」

 冷酷に、そして熱を帯びた声が命じる。
 リインフォースに逆らう権利などなく、彼女はただ黙って応じ、従った。
 この日の宴はまだ始まったばかりだった。


続く



[41567]
Name: ザ・シガー/cigger◆964dce9a ID:36d18dd0
Date: 2015/12/12 20:27
奴隷融合騎リインフォース4


 度重なる陵辱と姦通、ほぼ毎日リインフォースは少年と繋がっている。
 もちろん今朝もそうだ、例外はない。
 リインフォース用にと宛てがわれた部屋には眠る為の簡素なベッドと身を清めるシャワー以外何一つない。
 性臭は既にその室内に染み付いていた。
 
「あッ、くう……ああッ! く、ぅうッ!」

 長い銀髪を振り乱し、必死にシーツを掴む。
 豊満な肢体は少年の体重が上下する度に淫靡に揺れ弾んだ。
 その光景の異常な、そして艷やかな事。
 良く実り完成された豊かな女体を、上になって貪る、腰を振りたくる未成熟な少年の肉体。
 双方が共に美しいだけに、一層その姿を淫らに印象付けていた。
 
「どうだ、良い、だろ……もうイキそうか?」

 少年が躁めいた攻撃的嘲笑を浮かべて叫ぶ。
 細い四肢に力を込めて腰を打ち付け、手は存分に目の前に爆乳を弄ぶ。
 正しく言葉通りに、玩具をめちゃくちゃにして遊ぶ子供の指使いだ。
 巧みに性感帯を探るというよりは、乳肉の柔らかい感触、硬くしこった乳首の感触を、それぞれに蹂躙する愛撫。
 普通ならば泣き叫んで痛みを訴えるのだろう。
 だが、度重なる陵辱による成果か、それとも、元来がマゾヒズムへの感受性が高かったのか。
 リインフォースの口から溢れる声音は、どこか甘く、雌の色香に染まっていた。

「や、やめ……くぁッ! いや……ああッ!」

 淡く上気した頬に涙の筋を作り、身も世もない切なげな悲鳴を上げては身をよじる。
 犯され嬲りものになる屈辱感もある、だが何より恐ろしいのは、悲鳴を上げさせるのは、自身が徐々にこの行為へ順応していってしまっている事だ。
 幾度も腰を突き立て、出来る限り奥へ硬くなったものを埋没させる少年。
 やがて、その動きが素早く、一定のリズムを以って繰り返される。
 分かる、それが何を意味するのか、どうなるのか、何をされるのか。
 ゾクゾクとこみ上げる何かがリインフォースの体を熱くした。

「だめ、ああ……だめ、だめぇええッ!」

 語尾は蕩け甲高い響きを生み、室内に木霊した。
 長く尾を引く、絶頂の甘美な恍惚感。
 少年の吐き出した若く濃厚な精、それを受け止め、共に達する女体。

「あ……あぁ……でてる、いっぱい……」

 名残を惜しむように何度も脈動しては体内に注がれる感覚に、思考が霞む。
 荒く呼吸を繰り返し、肩と大きな胸を上下させてリインフォースは酸素を貪る。
 少年もそれは同じで、満面汗まみれになり、やがて弛緩してリインフォースの上に倒れこんだ。

「ひゃ」

 自身の豊かな胸の谷間に顔を埋め、ふーふー、と息に喘ぐ少年。
 顔を極上の乳房に寄せ、汗に濡れた柔肌を満喫し、深呼吸。
 心底嬉しいという顔で、少年は目を細めた。

「良い匂いだ……」

 匂い、柔らかさや大きさを言われる事はあっても、匂いをどうこう言われた事はなかった。
 何故か無性にゾクっとして、リインフォースは恥ずかしさのあまり顔をそむける。
 そんな彼女の様相に、ジャンはより喜悦を深め、口角を釣り上げた。

「だんだん体の相性も合ってきましたね。どうです、僕とするのも、悪くないって思えてきたでしょ」

「そ、そんな事ありません」

 一瞬狼狽し、かぶりを振るリインフォース。
 確かに言われた通り、だんだん彼との交合に慣れている、感じるポイントも把握され、どれくらいのタイミングでイクかも双方理解できるようになっていた。
 だが、断じてそれが良いなどとは言えない、言ってはいけない。
 我が身はあくまで主の、八神はやてのものなのだ。
 未だ折れぬ彼女の心を不快に思うよりなお、少年はその誇り高さを面白がり、邪に微笑した。
 笑顔が美しいだけ、余計に不気味である。

「そう、ですか」

 ジャンは立ち上がると、ベッドの外へ足を下ろし、身支度を整える。
 ベッドサイドに置かれた着衣は彼のものだけだ、リインフォースはここへ来た当初脱がされてから、一度も着衣を許されていない。
 少年は衣類を身につけながら、新しい遊びを考えた時特有の、嗜虐心に満ちた目でリインフォースを振り返る。

「体を洗っておいてください。後でまた来ます」

 指を鳴らす、外に控えていたカマキリ頭の執事が速やかにドアを開け、主に道を開けた。

「では」

 そう告げて立ち去る小さな後ろ姿に、リインフォースは底なしの不安感と、そして微かな甘い感覚を覚えた。
 それが紛れもない、期待、と自覚した時、彼女は唇を噛んだ。
 できるだけ早くこの虜囚の日々が終わる事を祈る、それしか出来る事はなかった。



 シャワーを浴びた頃、見計らったかのように突然ドアが開き、執事のピエールが入室してきた。
 相変わらず何も喋らない使い魔は、しかし、手に何かを持っていた。
 差し出されたものを見て、リインフォースは目を丸くする。
 
「服? これを、着ろ、という事ですか」

 首を傾げるリインフォースに、執事は頷く。
 獣のように全裸での生活を強いられてきたリインフォースには、確かにありがたいものだ。
 これまで身につける事を許されたものといえば、首輪や鎖、拘束具の類くらいだ。
 リインフォースはまず下着から身につけた。
 目の前でただただ無言で立ち尽くすカマキリの無機質な視線が気になるといえば気になるが、今更どうこう言える事ではない。
 白いショーツとブラ、そして同じく白で色を統一したストッキングとガーターベルト。
 清楚さの中にどこか淫靡さを醸し出す下着である。
 その上に着るワンピースの服とエプロン、ヘッドドレス。
 一通り身に付けると、ようやくそれが何の衣装か知れた。

「こ、これは……メイド服、ですか?」

 エプロンにヘッドドレス、スカートの丈は長く、どこかフェティッシュな魅力に満ちた侍従の姿。
 紛れも無くメイド衣装である。
 豊満な肢体とミステリアスな美貌のリインフォースが着ると、実に様になる。
 
『ああ、やっぱり、良く似合いますね』

 突然少年の声が響き、リインフォースは慌てて顔を上げる。
 空中に投影されたディスプレイに彼の顔があった。
 彼にしては、直接リインフォースの着替え姿を見に来ないのはどういうわけか、不思議に訝りながら、リインフォースは沈黙する。
 ジャンの微笑、既に見慣れた、邪悪な遊戯を楽しむ小悪魔のものだった。
 少年はくつくつ笑いながら、リインフォースに促す。

「ピエールと一緒に来てください。お客様が来られるので」

 客、一体誰だろう。
 悪い予感を背に冷ややかに感じながら、リインフォースは部屋を出る執事の後ろについて行く。
 どちらにせよ抵抗や反逆の許されない身である事は、既に嫌というほどわかっていた。
 向かった先は、屋敷の玄関だ。
 そこに着いた時、リインフォースは目を見開いた。
 何故なら、そこには見慣れた少女が居た、愛くるしい笑顔の、車椅子に座った主が。

「あ、主はやて!? それに、将!?」

 驚愕に戦慄くリインフォースに、何も知らない主は無垢な笑顔を見せる。
 彼女の後ろには車椅子を押す、ポニーテールの美女、シグナムも控えていた。

「うん。リインフォース、しばらくぶりやね、どう? 元気しとった?」

 リインフォースの動揺をよそに、少女へと何かが伸びる。
 腕だ、細い腕、白い指先、妖しい毒蛇のように、しなやかに。
 ジャンは一見何の邪気もなく、はやてに近づくと、親しげにその肩にそっと手を触れた。
 彼の本性を知るリインフォースだけが怖気に身を震わせる。

「ええ。実はリインフォースさんに内緒でお呼びしたんです。貴女の容体が気になられていたようなので」

 にっこりと優しく笑う少年。
 誰が知ろう、この優しく美しい印象を与える笑顔の裏にある邪気を。
 如何にも紳士然とした顔の裏に潜む悪意と嗜虐性を。
 彼の手が愛する主の肩に触れているというだけでリインフォースは生きた心地がしなかった。
 あの手で何度この身が嬲られ辱められたか考えれば、当然だろう。
 何を言えば良いのか分からず硬直し、ぱくぱく口を開けているリインフォースに、はやてはきょとんと小首を傾げる。

「それにしてもリインフォース、随分可愛い服着とるね」

「え、あの、これは」

「ああ。それなんですが、リインフォースさんに、少しお手伝いしてもらっていて。何分、この家には執事のピエール以外誰もおりませんので」

「そうなんですか」

 すげなく説明の言葉を添えるジャン、はやては疑う事なく頷いた。
 
「ね? リインフォースさん」

 ちらと視線を向けられ、リインフォースは内心凍りついた。
 言えない、本当の事など何も。
 彼女に出来る事は、彼の茶番に付き合い、従う事だけだ。

「はい……」

 リインフォースの内心を十全に悟り、少年は微笑む。
 この美しい女が自分の意のままという認識に、素晴らしい満足感を得ているのだろう。

「では、どうぞ。はやてさん」

 促され、はやての車椅子をシグナムが押し、彼らは館の中へと足を踏み入れた。



「……」

 カチャカチャと音が鳴る、手に持った盆の上の食器類の奏でる音だ。
 いつもは執事のピエールが運ぶそれらを、今日はメイドとなったリインフォースが運んでいた。
 少年は少女と語らっていた。
 はやての気にかけていたリインフォースの体調、治療の施されている現状と、今後の予定についてだ。
 
「経過は順調です。プログラムのバグの処理は残すところ半分ほどですよ。この分ならそう遠くないうちに完治するでしょう」

「ほ、本当ですか?」

「ええ」

 にっこりと笑う少年の言葉に、はやても涙ぐんだ笑みを浮かべた。
 後ろに控えたシグナムも感嘆しているようだった。
 彼の言葉に嘘はない、だろう、だが真実もない。
 確かにリインフォースは助けられるかもしれないが、その対価として彼は美しい肉体を、高潔な精神を、快楽と陵辱で蹂躙する悦に耽っていたと。
 リインフォースは複雑な面持ちで、盆の上のカップとティーポットを持っていく。

「良かったねリインフォース」

「え、ええ」
 
 そう笑いかける主に、リインフォースはそっとテーブルにカップを乗せていき。
 瞬間、びくりと仰け反った。

「……ッ」

 危うく、声が出るところだった。
 それをすんでのところで抑えられたのは、絶対に少年が何かを仕込んでくると、あらかじめ予期していたからだろう。
 ぬるりとした、粘膜を帯びた感触が、秘所を舐める。
 さらには乳房までまとわりつき、敏感な肌をこれでもかと苛んだ。
 ゾクゾクこみ上げる快感に、リインフォースは思わず下唇を噛み、耐えた。
 もし一瞬でも気を抜けば甘い蕩けた嬌声が溢れただろう。
 か細く肩を震わせながら、彼女は必死にそれを主に悟られまいと、平静を装ってテーブルの上にカップを置き、ポットのお茶を注いだ。
 はやては何も気付かず美味しそうに紅茶を飲む。

「うん、美味しいです」

「ありがとうございます」

 優雅に紅茶の香りを堪能する少年は、横目でリインフォースを見つめる。
 その眼差しに潜む邪悪な愉悦。
 リインフォースはきゅっと唇を噛んだ。
 微かな変化に気づいたシグナムが視線で問うが、リインフォースは小さく首を振っただけだ。

『どうです、良い下着でしょう。これでも作るのに苦労したんですよ』

『……』

 ふと脳裏に響く念話通信、リインフォースは恨めしげな視線を彼に投げた。
 ぬるぬると、ぴちゃぴちゃと、決して人には届かない小さな粘膜音を立ててリインフォースの性感帯を貪る、異形の感触。
 与えられた下着の内側にはびっしりと繊毛状の有機物が発生していた。
 触手、それも魔法で生成し誕生させたものである。
 作成したジャンの命令によって単なる衣類から淫靡な責め具へと変貌し、女体を苛むのだ。
 乳首を締め上げ、陰核を舐め上げ、膣口を弄られ。
 ご丁寧に臭気や愛液は吸収して決して外部にそれと気づかせない。
 分かるのは、仄かに紅潮したリインフォースの頬と、うっすら涙を帯びた目だけだ。
 ゆっくりとはやてやジャン、シグナムが紅茶を飲む間、リインフォースは耐えた、ひたすら耐えた。
 それだけが、彼女に出来る事だった。
 おもむろに、触手の先がぬるりと後ろへ這う。
 不浄の穴、排泄の為の器官に。
 
「……ッッ」
 
 リインフォースはギュッと金属製の盆を握り、硬直した。
 今まで責められていなかった部分まで玩具にされる。
 苦しく恥ずかしい。
 はやての視線がこちらを向く度に恥ずかしくて死んでしまいそうになる。

「リインフォース、顔赤くない?」

「いえ、これは……何も」

 二人のやり取りに、少年の笑みは深まる。
 嗜虐心を満たされ心底楽しいのだろう。
 
「プログラム修復の過程で若干、肉体が熱を生んでいるのかもしれませんね。でも決して重篤な状態ではありませんよ」

「あ。そうなんですか、良かった」

 ほっとするはやて、リインフォースは歯を噛み締めた。
 いけしゃあしゃあと嘘を並べながら、少年は泰然と平素の優雅さを崩さない。
 服の中では、触手の責めがいよいよ加速する。
 クチュクチュと膣を弄り回す長い糸状触手が入り込み、乳首をコリコリを甘噛みされ、クリトリスを吸われ、アナルを舐められる。
 息遣いが荒くなっていく。
 リインフォースは耐えた、耐えようとした。
 だがそれはあまりに無意味だった。

「~ッ!」

 なんとか声だけは抑えたが、それでも膝が笑って体が痙攣した。
 少年の冷ややかな声が、脳裏に響く。

『ああ、イッたか。結構頑張るじゃないか、もっと早くイクと思ってたよ』

 主の前で、信頼する仲間のシグナムの前で、イッた。
 はしたなく絶頂した。
 リインフォースは目を涙ぐませ、小刻みに震える。
 羞恥心が身を熱く火照らせた。

「す、すいません……少し、お手洗いに」

 慌ててそれだけ言うと、彼女はきびすを返して駈け出した。



 トイレに入ると、リインフォースは慌てて服を掻き乱した。
 そして純白のブラとショーツに手をかけ、必死に剥がそうとする。
 だが中に生えた触手は未練がましくリインフォースの豊満な肉に絡みつき、淫らに張り付いて離れない。
 ぴちゃぴちゃ舐められる感触におぞましい快楽。

「い、や……離れて、もう!」

 身をよじるリインフォース。
 背後から少年の冷酷な声。

「おいおい、勝手な事をするなよ」

「あッ」

 振り返る、ドアは開いていた。
 ジャンはいつもの、本性として持つ邪悪な笑みを浮かべ、ずかずかと入ってきた。
 そしてぱちんと指を鳴らす。
 たちどころに触手は消え、下着は床に落ちた。

「どうだった、ご主人様の前でイッた感想は」

「……」

 にやにや笑いの嫌味な質問に、リインフォースはかあと赤くなる。
 聞きたくなかった、彼の言葉など、だが無論、だからといって止める相手ではない。

「感じただろう、熱くなっただろう。恥ずかしくて、だからこそ感じる。お前の本性だよ、マゾ女としての、奴隷としてのね。それを理解してるのは僕だけだ」 

「ち、違う! 違います……私は……ひゃう!」

 慌て、涙ぐむリインフォースだが、秘所に入り込んだ小さな指の感触に戦慄いた。
 少年は手を伸ばし、無遠慮にリインフォースのそこをかき乱す。
 
「あ、やだ……や、ああッ!」

 髪を振り乱し、切なく喘ぐ。
 少年の指先は容赦しなかった。
 秘所をグチャグチャに引っ掻き回し、同時にもう一方の手で巨大な乳房を持ち上げ、丹念に乳頭を捏ねる。

「おい、屈め」

 命令、リインフォースは黙って従う。
 この屋敷に来てから染み付いた習性みたいなものだ、この小さな傍若無人の主人の命に、逍遥と従う。
 近づいた顔に、少年は自身の顔を寄せる。

「ん」

 口付け、甘く蕩けるような、とは遠い。
 暴力的に入り込む舌先がねぶりあげ、快楽を強引に引き上げる。
 二人の間から生まれる粘ついた淫靡な音色。
 舌、乳房、そして秘所、余さず感じるポイントを責める手管に、あっという間にリインフォースの体が燃え上がる。
 膝まで垂れる愛液が濃密な雌の香りを醸し出す。
 少年はそこでようやく離れ、ズボンを脱いだ。

「後ろを向け」

「……」

 何をされるのか、どうなるのか、知りながらも逆らえず、リインフォースは後ろを向いた。
 手は壁につけ、巨大な尻を突き出すような格好で。
 脚を大きく開き腰を落とすのは、彼が挿れやすいようにする配慮だった。
 もうすっかり身に沁みついている。
 挿入は即座に、そして容赦無い。

「くぅうう!」

 声が出た、歓喜の声。
 甘い音色、続くのは濡れた肉を打つ湿った音だ。
 少年は一心不乱に腰を振り、リインフォースを犯す。
 テクニックもクソもない、ケダモノみたいな動きだった。
 
「ははッ! どうだ、感じるだろ? ご主人様が来てるっていうのに、便所で犯されて、感じるだろ!」

「いや……やだ、いわないで……ああぁッ!」

 身をよじり、叫び、悶える。
 脱ぎかけのメイド服、乱れた下着、そして美しい肉体と顔立ち。
 そんな美女が少年に犯されるという情景だけでも淫靡だが、主であるはやての居る屋敷でする行為というのも余計に背徳的だ。
 
「この変態め……マゾ、女……それが、お前の本性だよ!」

 興奮に息を荒げ、少年は犯す。
 犯して、犯して、犯し抜く。
 ただ単に肉体が繋がるだけではない、相手の精神までも踏み躙る満足感、それこそが彼の根底にあるどす黒い感情を煮え滾らせる。
 真なる快楽とは、相手の尊厳を奪う事、支配する事だ、だからこそ楽しい、愉快だ。
 
「もっと良く鳴け。あいつに聞こえるかもしれないぞ」

 言葉は刃となりリインフォースの精神を切り刻み、同時に被虐性を刺激して体を熱くさせる。
 
「だめ、だめ……あぁ」

 肩越しに振り返る涙目、潤んだ赤い眼差し。
 ぞくりと震え、少年は囁く。

「出すぞ」

 興奮の熱を帯びた、冷たい声。

「だ、め……や、ああぁ……ふあぁああッ!」

 必死に許しを請いながら、残酷な奔流に奥を叩かれ、リインフォースは絶叫した。
 長々続く射精により強制的に迎えたアクメ、その快楽の歓喜、蕩けるような甘さはどこまでも冷酷だった。
 既にリインフォースの肉体は、半ば彼女のものではなかった。
 どうすれば感じ、どうすれば達するか、どう嬲れば燃えるか、知っているのはこの美しい悪魔である。
 ひとしきり射精して身震いすると、少年は体を離す。
 そして、強引に下着を掴むと、リインフォースに着せた。

「あぅう!」

 まだ絶頂の名残が引かぬ身に、重ねて浴びせられる快楽。
 無数の触手を蠢かせる下着が、また胸と秘所に吸い付いた。
 こうしておけば、匂いも汁も漏れない、リインフォースは先ほどと変わらぬ姿となった。

「服を着ろ、すぐ戻るぞ。また見せてやれ、お前のご主人様に、お前のいやらしい姿をな」

「あ……あぁッ」

 絶望、そして諦め。
 リインフォースは涙ぐんだ目で戦慄き、豊満な我が身を掻き抱いた。
 抵抗も許されず、決して容赦される事もない、少年の手による陵辱劇。
 その日、はやてが帰るまで、リインフォースが達した回数は、軽く十指で数えるに余るほどだった。


続く
 




[41567]
Name: ザ・シガー/cigger◆964dce9a ID:36d18dd0
Date: 2015/12/12 20:28
奴隷融合騎リインフォース5


 一体どれだけの月日が経ったのか。
 日付を意識するのも億劫だった。
 ただただ思考は快楽に甘く溶け、霞んでいく。
 室内は濃厚を極める淫臭に染まっていた、汗と愛液、精液、男と女の噎せ返るような香り。
 だがどちらかといえば、濃いのは女の匂いだ。
 彼女を抱く相手はまだ成熟しきっていない少年であり、雄の香りは薄い。
 
「はぁ……はぁッ」

 これで何度目だろう、朦朧とするほど犯され、果て、胸を上下させて呼吸を繰り返す。
 微塵のシミもくすみもない生白い肌を汗で濡らし、焦点を失った赤い瞳を潤ませ、リインフォースはいつまでも引かない快楽の残滓に焼かれる。
 まるで消せども失せぬ実体なき炎のように、性的エクスタシーの名残が心身を苛んだ。
 千々とベッドの上に乱れる銀髪、豊満で完璧なプロポーションを誇る肢体、美貌。
 その全てを支配しほしいままにする支配者は、小さな体で同じように震え、酸素を貪っていた。
 彼女の谷間に顔を埋め、いつものように呼吸するたび柔肌の匂いを嗅ぎ、頬で感触を受け止めて。
 
「……」

 リインフォースはまだ意識朦朧としながら、繋がったまま自分の上に乗る少年を見る。
 同世代から見ても小柄な体躯、艶やかな髪、少女と見紛う美貌は夢見るように目を閉じていた。
 そうして静かにしていれば、行為の時の嗜虐的支配者、サディストの一面など見る影もない。
 かわいい、とさえ思う。
 天使の皮を被った小悪魔、そんな印象が脳裏をよぎった。
 
「どうかしましたか」

 少年の冷たく甘く、美しい声が、湿った大気に響く。
 うっすら開けた目で見上げるジャン・メルヴィル。
 笑いもせず、豊満な乳房を満喫し頬を寄せ、恍惚とするその顔。
 体力的に彼も限界だったのか、萎えかけの肉棒を奮い立たせる事もなく、ただ繋がり、肌を重ねるだけで何もしない。
 体温を分け合うような事後の気だるさ、まるで恋人同士のそれに見えるが、脅迫し陵辱し犯す、支配者と被害者である。

「いえ……」

 一言それだけ呟いて、リインフォースは押し黙った。
 慣れている、否応なくそう感じた。
 犯され虐げられ、体をどんどん、元の自分ではない、何かに変えられていく日々に。
 目を瞑り、出来るだけ早く眠りが訪れてくれるのを待つ。
 だがいつまでも引かない淫熱の甘美さは、消える事なく体の芯に残った。



 リインフォースはようやく着衣を許可されるようになったが、あくまで衣装の選択肢は少年にあった。
 基本はメイド服、それ以外だとエロティックな下衣のみであったり、エプロンのみであったり。
 フェティッシュで性的、欲望をそそる装束に、元からの艶やかな肉体は、一層と淫靡に変わる。
 少年はそれを楽しみ、存分に犯した。
 巨大な乳房や尻に執拗に擦りつけられる精液、言葉責め、陵辱され姦通する度強制的に迎えるアクメ。
 嗅覚や味覚は少年の体液に発情し、肉体への快感も増すようプログラムも少しずつ弄られていく。
 屈辱的で恥ずかしい、虜囚の日々。
 だがその対価として、得るものは大きいものがある。
 日増しにリインフォースは自分の体調が良くなっているのを実感していた。
 プログラムバグの修復作業、少年の持つ白の書の効力は確かだった。
 完全に修復しきった時、もう彼の陵辱に甘んじる必要はないのだ。
 出来るだけ早くその日が来る事を祈りながら、リインフォースは耐えた。
 どんな恥辱を受ける覚悟もしている筈だったが、その日の言葉には驚きを隠せなかった。

「で、でかける、って……外へですか」

 青ざめて問い返すリインフォースに、少年はいつもの嗜虐的で獰猛な冷笑を浮かべた。

「もちろん」

 言葉尻だけ聞けば優しげにも聞こえる、だが奥底には有無を言わさぬ冷徹さがあった。
 リインフォースの目の前に、カマキリ頭の執事ピエールが置いた服一式が鎮座していた。
 これまで着せられてきたものに比べれば、遥かにまっとうなものである。
 ダークグレーのスーツとエナメルのヒールだ。

「どうしたんですか、早く着替えてください」

「……」

 少年の命令に、戸惑うリインフォースだが、彼女にはそもそも選択の自由はない。
 不承不承ながら、それまで着ていたメイド服を脱ぎ、着替える。
 何度も彼女の裸身を見ている筈のジャンだが、目の前で恥ずかしそうに服を脱ぎ、着替えるリインフォースの姿の鑑賞には楽しげだ。
 着替え終わると、豊満な肢体を強調するように張り付く糊の効いたスーツが、美しい女を飾った。
 前もってリインフォースの体のサイズを正確に測ったのか起伏の激しいラインに張り付いている。
 オフィス街を歩けば立派なキャリアウーマンとして通るだろう。

「うん、やっぱり良く似合いますね。じゃあ行きましょうか」

「行くって、どこへ」

「ミッドチルダ、クラナガン」

 極めて簡潔に言いつけて、少年は踵を返した。
 荷物を既に用意していたピエールに促され、リインフォースはしばしの躊躇の末、諦めてその後をついていった。



 カマキリ執事の運転する黒い塗装の高級車は、水媒体水素エンジンの普及する管理世界でも珍しい化石燃料車であり、骨董品とも言える古色蒼然のほどは、少年の家名に遜色ない品ある風情だった。
 窓外に見る久方ぶりの外界に、リインフォースは横目で視線を送る。
 ガラス一枚隔てた町並みは、まるで別世界のように見えた。
 この世界へ戻る為、自分はあとどれだけの羞恥と苦痛に耐えねばならないのだろうか。
 豊かな胸の前で手を握り、強く力を込める。

(大丈夫、きっと……耐えてみせる)

 リインフォースは自分の中に芽生えつつある何かを抑えこむように、そう心の中で唱えた。
 
「もうじきですよ」

 そんな彼女を過酷な現実に呼び覚ます声。
 正面に座っていた少年が囁く。
 ジャン・メルヴィル、美しい悪魔は冷たい視線、甘い声、リインフォースの心の内まで見透かすような相手を嘲弄する微笑を浮かべていた。
 リインフォースは気を取り直し、車の向かう先を見る。
 何が待ち受けているかと思えば、そこは明らかに整然とした外観の建物だった。
 ホテルである。
 リインフォースは当然知るまいが、ミッドチルダでも数十年の歴史を持つ由緒正しき、最高級のホテルだ。
 正面で車を止め、ジャンが降りる、リインフォースも続いた。
 執事が駐車場へ車を止めに行く、当然二人はロビーへと入った。
 リインフォースに手荷物を預け、ジャンは悠然と美しい歩みで、目的の場所へ向かった。
 
「あの、一体ここで何を」

 いつものように、あの閉ざされた屋敷の中で恥辱の限りを受けるならまだ分かる、しかしこんな公共の場で、それも極めて品格の高い場所で何をするつもりなのか、まるきり想像できない。
 恐る恐る尋ねるリインフォースに、少年は振り返って微笑む。
 肉食獣の笑みだ。

「別に何もおかしな事はしませんよ。講演会です、学会の」

 少年の向かう先、それは一階の大ホールだった。
 入り口には簡易的な作りながらも看板で、古代魔法術式学研究論文講演会、と長ったらしい文字が記されていた。
 入場者管理をしているらしいスーツ姿の受付の人間が、ジャンの姿を目に留めた。
 まだ十代も半ばの、それも身長も成熟の度合いも幼さを残す少年、普通ならば招待状の有無を確かめるどころの話ですらないだろう。
 が、受付の男性は媚びるような笑顔を浮かべ頭を下げた。

「メルヴィル博士。良くおいでくださいました」

「ええ。今日はよろしくお願いします」

「どうぞこちらへ」

 完全な顔パスだった。
 鷹揚に会釈して挨拶する少年を、彼らはすぐにホール内に通す。
 付き添いのリインフォースに疑問を感じる人間は一人もいなかった。
 なるほど、若くして天才的な学士として名を知られる、と最初に聞いた文言にはまったく誇張はないらしい。
 
「メルヴィル博士」

 ふと、リインフォースも聞いた覚えのある声が少年を呼んだ。
 二人が視線を向けると、そこに一人の少年がいた。
 金髪の、繊細で優しそうな風貌の少年、ユーノ・スクライア。

「あ、スクライア君。お久しぶりです」

「はい。こちらこそ」

 二人は手を差し出し、親しげに握手を交わす。
 当然ながら、ユーノの視線は次にリインフォースへ向けられた。
 
「リインフォース、君もここへ?」

「え、ええ……その」

「彼女に少し付き添ってもらってるんです。色々と、お手伝いをしてくれるんですよ。ね? リインフォースさん?」

「……はい」
  
 話題を振られ、話を合わせて頷く。
 どちらにせよ真実を誰かに告げる事は不可能だった。
 事実を知らぬユーノはぱあっと明るい顔をする。

「そうなんだ。じゃあ、もうそれくらい回復したんだね」

「ええ」

「そうなんですよ。もう随分良くなっています」

 その瞬間だった。
 リインフォースの服の中で何かが蠢いた。
 ぬるりと這いずる不愉快で、それでいて、女の官能をくすぐる感触。
 湿った繊毛、幾十、幾百、幾千の何かがリインフォースの肌を舐め、愛撫した。

「……ッ」

 甘い声が出そうになるのをすんでのところで堪え、リインフォースは唇を噛んだ。
 視線をジャンに向ける、彼は相変わらずユーノに顔を向けていたが、ちらと横目でこちらを見た。
 冷たく嗜虐的な視線は、明らかなほどの喜悦に、邪悪な色に染まっていた。
 また、魔法で作った触手生物を内蔵した服。
 今度は下着だけでなく、スーツにもまんべんなく内蔵されていた。
 外には匂いも音も漏れぬが、中ではぴちゃぴちゃと執拗にリインフォースの豊満で淫靡な肢体が舐められ責められる。
 リインフォースは震える我が身を掻き抱き、足に力を入れる。
 そうでないと崩折れてしまいそうだった。

「ところで、スクライア君。僕達は年も近いんだし、もう少し砕けた口調でも良いんじゃないかな」

「あ、えっと……そうだね、ジャン君って呼んで良いかな」

「うん。ありがとうユーノ君」

 二人はまるで歳相応の少年のように微笑し、言葉を交わす。
 ユーノはともかく、ジャンの内に歪んだ暗黒の顔が潜んでいるなど、その様子から察する事は不可能だろう。
 
「それじゃあ講演の時間までどこかのテーブルで食事でもしないかな? このホテルのメニューはどれも美味しいんだ。ユーノ君の最近の研究や、無限書庫での仕事の話も聞きたいな」

「うん。そうだね、僕もジャン君の話が聞きたいし」

 二人はホールの中に点在するテーブルの一つへ寄り、用意されていた料理に手を付ける。
 立食形式で、入場者に振る舞われているものだ。
 さすがは高級ホテルだけあって色とりどりの料理は食欲をそそるものばかり。
 だが、リインフォースにそれを意識するゆとりはない。
 ジャンの傍に立ちながら、彼女は必死になって耐え忍ぶ。
 
「……ッ、ふッ……くッ」

 顔が赤い、足元がふらつく。
 滴る汗の雫、その一つ一つを舐める触手の感覚に意識が遠のきそうだった。
 誰も知らない筈なのに、自分を見る視線の全てが、まるで自分の状態を看破しているのではないかという、根拠のない不安感が湧き上がった。
 恥ずかしい、恥ずかしくて死にそうだ。
 目尻に浮かぶ涙。
 リインフォースは膝を笑わせ、何度も押し寄せる波に抗う。
 だが抵抗にあまり意味はない、びっしりと服の裏に生えた触手の動きはどこまでも執拗で、強烈だった。
 ぞわぞわと乳首を撫で、脇の下を舐め、ブツブツした肉の隆起がアナルにも膣口にも、もちろん膣内やクリトリスまで擦っていく。
 挿入される細い肉の幹が、子宮口まで突いてきた。

「んッ……」

 あわや、悲鳴を上げそうになる。
 指より細いくせに、触手の筋は表面に肉粒を備え、うぞうぞと膣内をくすぐってくる。
 気持ち良すぎておかしくなりそうだった。
 それが菊座にまで入った時、リインフォースは裂ける寸前まで唇を噛んだ。

「~ッ!」

 声こそ出なかった、出なかったが、紛れも無いアクメがリインフォースの脳髄を焼く。
 ガクガクと笑う膝、服の中で噎せ返る熱と雌の匂い。
 よほどこの服が高性能なのか、匂いも湯気も周囲には絶対に漏れない。
 だが中では凄まじい熱気が篭っていた。
 その様子に気づいたのか、ユーノが視線を向けた。

「リインフォース、熱でもあるの? 顔赤いよ」

「そ、その……わたし……」

「ああ。治療の副作用みたいなものです。プログラム修正の影響で、少し熱が」

「へえ」

 さりげないフォローで怪しまれぬよう添えるジャン。
 ユーノもそれ以上追求する事なく視線を、目の前の少年に移す。
 ジャンはちらとリインフォースを見て、口元を歪めた。
 知っている、悟られている。
 リインフォースには分かった、自分がはしたなく公衆の面前でイッた事が、一目で看破された。
 恥ずかしい、恥ずかしくて、恥ずかしくて、死んでしまいそうだった。
 だというのに、それがたまらなく気持ち良い。
 
(なんで……わたし、こんな……うそぉ)

 切なげに息を切らしながら、リインフォースは震える。
 羞恥心が高まるほど感じる体、自分が自分でなくなっていく感覚。
 一体これから、どうなってしまうのか、不安感の中に潜む甘い期待に、胸が張り裂けそうだった。



 やがてジャンの講演の時間が来て、少年が壇上に上がって、研究した古代文明の魔法や技術について、集まった学会人に説明する。
 スクリーンを用い、投影される映像一つ一つに注釈を添えるジャン。
 もちろん、その間もリインフォースは触手服に責められ続け、何度も何度もイカされた。
 そんな時間が計三時間、並の女なら失神しかねない責め苦である。
 
「さ、リインフォースさん。そろそろ行きましょうか」

「……」

 もはや何も言葉を発する事もできず、ただ茫洋と頷くリインフォース。
 潤んだ瞳が生来の美貌と相まって、凄艶なほどの色気を帯びている。
 立ち会ったユーノも見惚れて、視線を注いでしまった。
 
「じゃあユーノ君。また」

「え、ああ。うん」

「良ければ僕の家に、いつでも遊びに来てちょうだい。君の興味のありそうな書物もたくさんあるから」

「本当かい? ありがとう。そのうち行かせてもらうよ」

 交友を深めた二人の天才少年は、また固く握手を交わして笑顔を浮かべる。
 そうしていれば、ジャンも無害な一美少年のようだった。
 やがて振り返り、別れを告げると、少年はリインフォースを伴ってホテルの玄関へと向かう。
 そこには既に行きに乗ってきた車と、ドアを開けて主人の帰りを待つ執事の姿があった。
 車に乗り込む。
 後部座席になだれ込んだ瞬間、リインフォースは少年に押し倒された。

「あ、あぁ……」

 声に力はない。
 イカされ続け、快楽に茹だる体に、力の入れようがなかった。
 ドアが締まる。
 窓ガラスはミラー仕様であり、外からは絶対に中は窺えないようになっていた。
 
「どうだった? 今日は? 何回くらいイッたのかな」

「ぁぁ……あッ、んぅ!」

「ははッ、もうまともに答えられないか」

 少年は邪悪な微笑を浮かべ、リインフォースの服を剥いでいく。
 ずるずると音を立てて粘液が糸を引き、触手がピチピチと跳ねた。
 主の声なき司令を受けたのか、脱がされた傍から有機的な触手は喪失し、スーツはただの服となる。
 残されたのは、すっかり血の巡りを増し、淡く朱色に染まったリインフォースの豊満な女体のみ。
 下着も剥ぐ、剥き出しの裸身に少年の視線が獰猛な輝きを帯びた。
 伸びた手が、乳房を揉む、膣口を弄る、快感の度合いはいつも以上だった。
 責められ続けた体は、媚薬効果を持つ粘液にまみれ、感度は最高になっている。

「ひゃううう!」

 乳首を軽く抓られ、クリトリスを撫でられただけで、イッた。
 頭の中が霞む。
 ただでさえ敏感になっているというのに、ジャンの愛撫はリインフォースの性感帯を知り尽くしていた。
 
「もうイッたのか。本当に淫乱だな、お前」

「いや……いわ、ないれ……あ、ふぁあ……だめ、あ……あぁぁあッ!」

 涙と涎で顔をぐしゃぐしゃにして喘ぐリインフォース、声は甘く甲高く、車内に響く。
 視線を上げれば窓外の、まともな一般世界が見えてしまう、それが余計に情欲をそそった。
 誰かに見られているかもしれないという不安感が、体を熱くさせる。
 ぴしゃりと平手が胸を叩いた。
 痛みに顔をしかめ、叫ぶ。

「いたッ!」

「何を呆けてる、この雌豚が。体を起こせ、そのでかい尻をこっちに向けろ」

「あ……」

 言われるままに、リインフォースはゆるゆると腰を上げ、体勢を変える。
 車のソファの上に手足を突いた、獣の姿勢に。
 普通の車なら窮屈なのだろうが、この高級車の広い車内ならどんな体位でもできるだろう。
 リインフォースの巨大な尻を掴み、少年は一気に腰を突き出した。
 熱く硬い幹が秘裂を押し割り、蹂躙する。
 圧倒的な、快感。
 リインフォースは長い銀髪を振り乱し、声の限りに喘いだ。

「ふぁああ! あ……ひゃぉおッ! おぉぉッ!」

 野太いほどの嬌声、正しく発情期の獣だった。
 小さな腰を振りたくり、少年はリインフォースの豊満なヒップに我が身をぶつける。
 そして、当然ながら言葉責めも休めるつもりはなかった。

「外を、見ろ! 良いか、お前は外で、車の中でやって、感じてるんだぞ! この変態が……変態! マゾ奴隷が!」

「いや……あぅ! い、言わないで……いやぁ!」

 いや、と口は言う、だが体は嬉し泣きをやめない。
 愛液はしとどに流れ、体中を甘い痺れが走り抜ける。
 未成熟ながら硬い肉棒で中を擦られる快感が、思考も理性も崩していくのが分かった。
 引きつった悲鳴を上げ、リインフォースは必死に頭に浮かべようとした。
 愛する家族、はやてや守護騎士の皆の顔。
 それは確かに彼女を彼女たらしめるものとして、存在する筈だった……が、快感に霞んで、うまく思い出せない。
 代わりに雌奴隷と蔑まれ、犯されるアクメの恍惚感が、心身を蝕む。
 車内に響く肉と肉の音色。
 汗に湿った尻に少年の腰がぶつかる、弾けるような水音。
 あっという間に満ちる性臭に、噎せ返る。
 
「出す、ぞ」

 呟き一つ。
 そして一気に流し込まれる、大量の熱。
 ぶるりと身震いして、ジャンはありったけの精液をぶち撒けた。

「あ、ああああッ!」

 リインフォースもまた然り、強制的に達するアクメに、甲高い絶叫を上げて戦慄いた。
 豊満な乳房が波打つ、長い銀髪が乱れる、生白い肌は汗に濡れ光る。
 その凄まじい艶と色香、立ち込める体臭まで甘く性欲を誘う。
 正に男の欲望の全てが結実したような、そんな存在。
 長々続く射精に、リインフォースは切なげに掠れた声を絞り出す。

「は、ひぃ……あふぅッ」

 潤んだ瞳はぼんやりとしており、正気の光は半ばまで消えかかっていた。
 度重なる調教、辱められ、なじられ、犯され、開発されていく精神と肉体。
 リインフォース自身、気づいているだろうか、涎まで垂らした自分のはしたない顔つきを、恍惚に満ちたように眉尻を下げた表情を。
 たっぷり中に精液を吐き出した後、少年はやおら腰を引き、己を抜き取る。
 
「あ……」

 甘い、淋しそうな声が溢れた、リインフォースの口からだ。
 少年は腰を下ろすと、自分の膝の上を軽く叩いた。
 何を示しているかは言うまでもない。
 硬く屹立した彼のペニスは、湯気さえ立ちそうなほど熱く滾っている。
 リインフォースはごくりと生唾を飲み込んで、立ち上がる。
 そして少年の腰の上に脚を広げて跨った。
 後ろから見れば、巨大さを極める淫ら尻が細い少年にのしかかる、得も言われぬエロティックな光景であった。
 もちろん前から見上げるジャンの視線からも絶景が広がっていた。
 真っ白な爆乳がたぷたぷと揺れ、乳首の鮮やかなピンク色が目を楽しませる。
 さらりと肩から流れ落ちる銀髪は甘やかな香りで肺を満たした。
 リインフォースはシートに腰掛ける少年の両脇に足を置き、慎重に狙いを定め、己の濡れた膣口へ彼を導いた。
 
「ん!」

 少しだけ、本当に少しだけ亀頭が膣に入っただけで甘い声が出る。
 ゾクゾクと背筋を駆け上る快感と、期待。
 自分がどれだけ淫らでさもしい顔をしているか考えただけで、熱くなる。
 リインフォースはやがておもむろに、腰を沈めた。

「あああッ!」

 甲高い悲鳴、喜悦の鳴き声、雌の喘ぎ。
 気付けば、リインフォースは腰をくねらせ、上下させ、尻肉を波打たせて貪った。
 しっとりと濡れた肌と肌がぶつかる度、タパンッ、タパンッ、と小気味良くも淫らな音が鳴る。
 
「すご……はひぃ! い、ああッ! ちんぽ……ちんぽぉ!」

 理性がどんどん、消えていく、代わりに彼女の中には、ケダモノが生まれていた。
 被虐を悦び、虐げられ支配される事に咽び泣く一匹の雌の獣。
 ジャンはリインフォースの尻たぶに指を埋めて掴み、乳房に顔を埋め、乳首を口に含む。
 カリッ、と口の中で歯を当てた。
 瞬間、リインフォースはのけぞってよがった。

「ひゃうう! ち、ちくび……かんじゃ、だめ……あんぅ!」

「うるさい、このほうが嬉しいだろ、マゾ雌」

「あぁ……ふぁ、おぉおッ!」

 少年は嗜虐の手を休める事はなかった。
 舌先でチロチロと弄った乳頭に、歯を当て、噛んで、吸って、存分に苛む。
 その度に膣壁はうねって彼を締め付けた。
 言葉よりもなお雄弁に、体は責めに嬉し泣きをする。
 愛液で、もう彼の膝はぐしょ濡れだった。
 リインフォースの腰使いも素早く激しく、貪欲さを増していく。

「外を見ろ、お前はこんなところで、車の中でセックスしてるんだぞ。ちゃんと意識しろ、自分が変態だって自覚しろ!」

「や、あぁ……そんな……あふ、んぅう! あぁ……へんたい……わたし、へんたい……お、ぉぉッ!」
 
 腰をくねらせ、体重をたっぷりかけて尻を沈め、肉棒との摩擦に淫靡な水音を奏でるリインフォース。
 鳴き声も野太い発情期のそれに変わり、絶頂の瞬間が近いと知れる。
 主も、守護騎士も、誰も知らない彼女の本性。
 少年の暴いたマゾ奴隷の姿。
 リインフォースが尻を沈める動きに合わせ、少年も下から突く。
 まだ小柄な体では十分な力はないが、それでも必死に腰を上に跳ねれば、リインフォースの深い部分を強烈に刺激した。
 声は一層甲高く、甘くなる。

「はひい! あ、あぁあ! お゛ぉお!」

「出すぞ、もういっかい……中に、だすぞ! ぅあ、うけとれ……孕め! 孕めぇえ!」

 少年の叫びが木霊する。
 果たして本当に孕むかどうかはさておき、その濃さと量は、確かに女に種付けするには十分だった。
 ドクドクと注がれる大量の熱、勢い、リインフォースが一拍遅れて達するに足る刺激だった。

「ひゃううう!!!」

 大きく背をのけぞらせ、彼女はアクメの波にさらわれた。
 頭の中が真っ白になり、体は何度も痙攣する。
 大量の愛液と精液が混ざり合ってシートを、そして床を濡らした。
 これでは掃除が大変だろう。
 そんな感慨を抱けるものは、今はいない。
 
「は……あぁ、はひぃ」

 ギュッとジャンの頭を抱きしめ、乳房の谷間に埋めて、いつまでも引かないアクメの余韻に打ちひしがれるリインフォース。
 とろんと潤んだ瞳は、もう快楽一色に染まっていた。
 果たして自分が治療の為に彼に支配されていると、理解しているかどうか。
 ジャンも忘我の相で、リインフォースの豊満で美しい肉体に溺れ、谷間に顔を埋める感触、肌の香りに耽り、目を細めている。
 二つの肉体は完全に結合した錯覚さえあった。
 
「はぁ……は、ふ……リインフォース……僕のものだ……お前は、ぼくの」

 うわ言のように囁く少年。
 まだ硬いものは、リインフォースを内側から抉り、擦る。
 結合した二人はそのまま、車が屋敷へ戻るまでの一時間、ずっとそうしていた。


続く


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