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[39696] グラディウスVの敵 対 暗黒星団帝国【完結】
Name: ケット◆96bdef6e ID:c1426886
Date: 2014/05/24 11:57
ある種のスーパー宇宙戦艦大戦、シミュレーションフリーバトル。
グラディウスVの敵と、宇宙戦艦ヤマトの暗黒星団帝国。

要するに、グラディウスの敵って、艦隊戦ではどんなふうに役立つのかな、と思ってやってみました。
ストーリーも何もありません。力と力。

指摘がありましたので、3/30、タイトル変更しました。
4/7、二重投稿の削除など。

*****************************

*この作品では、暗黒星団帝国の人は、みんな寿命が長いということにします。
*ローマ数字は原則アラビア数字に。

 地球人はまだ宇宙にも出ず、小さな惑星の表面で戦争を繰り返していたころ。
 遠い暗黒銀河の中心部、爛熟の文明が侵略の牙を研いでいるその母星に、時空を超えた侵略者が襲いかかった。
 邪悪と邪悪の戦争が始まった。


 暗黒星団帝国デザリアム星、聖総統スカルダートのもとに報告が入った。
「何事だ」
「緊急!このデザリアム星に、別時空から大規模な侵略軍が攻撃を仕掛けてきました」
「なに?迎撃し殲滅せよ!」
 サーダもスカルダートも冷静そのものだ。
 画面にアルフォン少尉の姿が浮かぶ。
「地表基地、応答なし。重核子爆弾が通用しません、通常の脳がない、機械または異常な生物と考えられます。 デザリアム星周辺には、中型艦・小型機が多数、大型艦大の特異生物とみられる物体が多数。現在グロデーズ部隊が迎撃に向かっております」
「よし、侵略者どもを滅ぼしつくせ。全軍出撃せよ」
「はっ!ただちに出撃します」



[39696] グラディウスVの敵 対 暗黒星団帝国 stage1
Name: ケット◆96bdef6e ID:c1426886
Date: 2014/03/30 16:40
 グロデーズ本土防衛艦隊の前に、次々と小型機が襲っては、機銃掃射に撃墜されていく。
「敵の小型無人機は動きが単純で火力も低い、確実に落とせ」
 そこに高速で出現した中型艦が、船腹を見せるや小型弾だが膨大な数が撃ちこまれる。
「ダメージは」
「大丈夫です、装甲は持ちこたえています。しかし、装甲で防御されていないセンサーや兵器に多少被害が」
「支障はない、突撃し大口径砲で吹き飛ばせ!」
「あの弾幕では戦闘機は対応できない、戦闘機隊は母艦の背後に位置せよ」
 次々と命令が飛ぶ。
 戦艦が装甲任せに弾幕を押し分けて突進し、数発の大型砲が次々と、両腹に多数の機銃砲台を抱えた、対空用と思われる中型艦を粉砕する。
「きました」
 別のオペレーターが報告する。
「何千という数の、超大型の球形の……何かです」
「ならば、無限ベータ砲で吹き飛ばせえっ!」
 艦長の叫び。首都防衛艦隊の、艦首に据えつけられた超大型砲にエネルギーが集約され、咆哮する!
 宇宙が閃光に染まり、不気味な悲鳴が真空も装甲もおかまいなしに、乗員たちの脳をひしぐ。
 閃光が晴れたとき。まだ球形の怪物がいくつも動き続け、その背後に隠れていた円盤形の中型母艦から、多数の小型機が出現して艦隊を襲った。
「迎撃!」
「撃ちまくれ、焼けついてもいい!」
 激しい機銃が宇宙を切り裂く、その中で一人のオペレーターが異変に気付いた。
「時空変動、ワープアウトのようです!」
「なに?離れろ、散開!」
 動き出す戦艦の艦隊、だがその一つを青い光が吞み、爆発とともに奇妙な「輪」が出現した。
 大型戦艦に匹敵する大きさの、輪。
「撃てえっ!」
「無限ベータ砲準備!」
 叫びの中、「輪」…ビッグコアMk-1 Rev.2は、そのあちこちから何百もの球形・リング型の弾幕を放った。
「うわああっ」
「反撃しろ!」
 膨大な数の球形弾を直撃でくらった戦艦が爆沈する。
「エネルギー反応、急上昇!大火力の直線砲、きます」
「無限ベータ砲、フル充填でなくてもいい!撃てええっ!」
 艦長の叫び、巨大な輪にはめこまれたビッグコアが放つ二条の、オレンジの光……戦艦艦首から放たれる同じオレンジの光束が包みこむ。
「艦首部が破壊されました」
「緊急退避!」
「総員退艦せよ」
「いや、まだだあっ」
 輪は健在で、不気味な赤いふたつ目が、暗黒の宇宙に浮かんでいる。
「いくぞ!」
 十数人のパイロットがイモ虫型戦闘爆撃機を発進させる。爆発しつつある艦内では、仲間を見送る整備員の叫びと悲鳴が爆音にかき消される。
「仇は取ってやる」
「すまねえ」
「やってくれ!」
「うわあああっ」
 絶叫とともに、管制も何もなく発進した戦闘爆撃機が、ビッグコアMk-1 Rev.2に突進した。
 離陸直後、数機を巻き込んで戦艦が爆発。衝撃波に揺さぶられる爆撃機は、不規則な軌道で輪の内部に入る。
「聞こえるか!こちら情報部アルフォン。あの艦は、中心核が青く発光していなければ攻撃が通用しない!コアの遮蔽板を破壊し、コアを攻撃しろ!」
「死ねってことですね」
「よっしゃ、いくか。母艦の仇だ」
 後方の、生き残った戦艦も戦闘攻撃機を発進させ、またアルフォンの報告を聞いて、援護射撃を始める。
「リング状イオン砲は迎撃できる、機銃でいい、撃ちまくれっ!」
「味方に当てるな」
「ちくしょう、なんて固いリングだ」
 輪形艦の外側からいくら乱射しても、内部には一発の弾も入らない。
 内部で、小型駆逐艦が必死で機銃と対空ミサイルを乱射し、リングレーザーを撃墜する。
 肉薄する戦闘爆撃機隊、だが次々と放たれる球形弾の嵐に撃墜され、艦艇さえも二条の超大型レーザーにやられていく。
 そして、その車輪は強烈な弾幕を放ちながら、ゆっくりと回転さえするのだ。
 一機、また一機とイモ虫型戦闘機は撃墜されつつ、ミサイルや機銃を遮蔽板に、またイオンリング砲台にぶちこむ。
 小型駆逐艦が次々と、戦闘機をかばって爆散していく。
 恐ろしい集中力で、奇跡的に弾幕の隙間から放った最後の一機のミサイルが、青いコアに吸いこまれ……そしてすさまじい爆発が、暗黒星雲を照らし出した。



[39696] グラディウスVの敵 対 暗黒星団帝国 stage2
Name: ケット◆96bdef6e ID:c1426886
Date: 2014/03/30 16:41
*前半の要塞内戦闘は、ビッグバイパーというタイムマシン内蔵機が暗黒星団帝国にないので略します。

 艦隊と艦隊。

「敵艦隊接近中」
「メルダーズ、撃滅せよ」
 スカルダート聖総統の命令が下る。
 巨大戦艦プレアデス。
 多数の円盤型駆逐艦。
 そして自動惑星ゴルバ。
 黒い巨体の中、かすかな輝きがあちこちに漏れて、それはまさしくこの暗黒銀河そのもののようであった。
 それに、生き残ったグロデーズ艦隊も加わり、鉄壁の迎撃隊形をとる。

「敵艦隊確認。ビッグコア多数」
「無人小型機編隊、20」
「デス Mk-3」
「テトラン」
「ビッグコア Mk-2」
「ビッグコア Mk-4」
 レーダー監視員の報告がまとまり、敵の陣容が見えていく。あらゆる時空を調べている暗黒星団帝国のこと、敵艦の名前は問題なく知っている。
 
 先陣を切るのは、デス3隻とビッグコア5隻。
 ビッグコアのレーザーが4門同時に咆哮し、円盤形の駆逐艦を撃破する。
 同時に駆逐艦の砲撃が直撃する、
「やはり敵の装甲材は、こちらの兵器では貫通できません」
 駆逐艦艦長の悲鳴に、デーダーは静かに笑った。
「前の戦いを思い出せ、中心核が弱点だ。艦載機発進準備」
 デーダーの、スリットのような艦載機発進口から、円盤型・イモ虫型の戦闘機が次々と吐き出される。
 そして駆逐艦は、その軽快な運動性と機関砲の威力で、敵の無人機を次々と撃墜していく。
 円盤型戦闘機の正確な誘導爆弾が、至近距離からビッグコアの遮蔽板を一枚、また一枚と破壊し、中心核を吹き飛ばす。
 時にはレーザー砲に撃墜されるものもあるが、それは想定内の被害だ。
「デス、ミサイル斉射!」
「迎撃ミサイル発射せよ。機銃防衛用意、隔壁閉鎖」
 飾り気のないデス宇宙空母が放つミサイルは、当然巨大戦艦に集中される。だが直撃弾さえ、何のダメージにもならない。
 駆逐艦の反撃が、その前面に直撃してミサイル発射システムを破壊する。
「もう少し」
「耐久性が高い」
 言いながら肉薄する駆逐艦を、デスの内部から放たれた、巨大な光芒が消し飛ばした。
「デスには超大型光線砲あり!注意、注意」
 悲鳴が艦隊内を駆け巡る。
「おのれ」
 と、巨大戦艦の主砲がデスに叩き込まれる。二発、三発……ついにコンパクトだが頑丈な艦が爆発する。
 苦し紛れに放たれたデスの艦首砲も、もう一隻のデスが放つ大量のレーザー機関砲も、巨大戦艦の装甲は貫通できない。
 だが、レーザー機関砲はまた二隻の駆逐艦を轟沈させ、無理に艦首に爆弾を落とそうとする戦闘機を減らす。
「無理に狙うな!戦艦に任せろ」
 激しい命令と共に、巨大戦艦がデスと正面から打ち合い、ぶち抜く。

「敵艦隊第二波、高速で接近中」
 報告が飛ぶ。
「デス3…4隻」
「ビッグコア8隻、どうぞ」
「ビッグコアMk-2が2隻、テトラン2隻」
「よし、プレアデス主体で突撃隊形。メルダーズ閣下を出させるようなことはするな」
 デーダーの重い声と手ぶりに、残った駆逐艦が奮起し、わずかな間に戻った戦闘機ができる限りの部品交換を受ける。
 パイロットは機体から降りる間もないが、地球人やガミラス星人とは違い、おむつを取り替えたり水を飲んだりする必要はない。
「敵艦隊、縦列を組んでなお加速中です」
「体当たり狙いか!」
 デーダーが叫ぶ。
「ならばこのプレアデスを見せてくれる。正面からの打撃に耐えろ、撃ちまくれ!」
 急速に距離が縮まる中、膨大な砲撃の嵐を交換する。
 巨大戦艦の無敵の盾が、ビッグコアの頑丈無比な装甲材が、弾雨に白く過熱し、弱い小型艦が次々と爆発する。
 ビッグコアの四連レーザーが次々とプレアデスに、むなしく弾かれる。
 そして引きつけようとするプレアデスの目前で、暗黒宇宙に花火のように華が開いた。
「敵艦隊、散開しました」
 大きく広がって、ビッグコアMk-2はプレアデスを迂回し、艦載機隊に向かうと……その巨体が、鳥が翼を広げるように開き、多数のレーザーを吐き出す。
 艦載機が次々と花火になり、戦艦の管制システム内では数字が急減する。
「くそうっ!」
 そして巨大戦艦の主砲を、テトランの装甲材で作られた触手が受け止め、その背後からデスが艦首の主砲を繰り返しぶっ放してくる。
「艦載機発進!大型爆弾で精密攻撃せよ」
「あの腕には攻撃が通用しない、至近距離から、機銃でいい!」
 激しい命令が飛び交い、時には艦載機発着口に飛び込むビッグコアの大型レーザーで起きる火炎地獄に消火班が、戦闘機に劣らぬ決死の突撃をする。
 発進した艦載機が、虚空から出現する機雷に激突して爆散する。
 めげずに、次々とイモ虫型戦闘機が、テトランとデスの組に突撃し、肉薄しては巨大な腕に叩き潰される。
 巨大戦艦は身軽に針路を変えて、駆逐艦隊を襲うビッグコアMk-2と対峙している。
 膨大なレーザーのハリネズミも、巨大戦艦の重装甲には通用しない。
 侵略者は、駆逐艦や艦載機にビッグコアMk-2を、戦艦にはデスとテトランのコンビを向かわせたい。
 暗黒星団帝国は、その逆だ。
 そうなれば、速度と機動性こそ、どちらが自分の意思を押し付けられるかを決める。

 そうして、互いに拮抗した……そこに両軍に、巨大な援軍が出現した。
 巨大すぎる、自動惑星ゴルバ。
 不気味な爪を持つビッグコアMk-4。

 ゴルバに突撃したビッグコアMk-2が、高速で回転しながら膨大なレーザー砲を放つが、すべて蚊でも刺したかとばかりにかまわない。
 ゆっくりと頂部が開くと、膨大な光条とミサイルが、再び開いた翼の内部を蹂躙し、三つの核を瞬時に消し飛ばす。
「申し訳ありません、メルダーズ司令」とデーダーが恐縮する。
「戦いに集中せよ」とメルダーズの冷徹な命令。
「はっ!」
 その時だった。超高速で、テトランを盾に接近したビックコアMk-4が巨大な爪を放ち、巨大戦艦の艦橋と砲塔に食い込ませた。
「うぬ、戦艦に被害が出ても構わん!撃滅せよ」と艦載機隊に命令したデーダー。
 その直後、爪と本体の間に、激しい電光がほとばしり、膨大なエネルギーが爪をより深く食い込ませていく。
 爪と本体の間はまさに地獄のようにエネルギーが吹き荒れ、本体を攻撃できない。
 後ろから回り込もうとしたイモ虫型戦闘機が、誘導レーザーにぶち抜かれる。
「白兵戦と思え!敵の爪そのものを破壊せよ」
 と、必死で艦内整備用の重機を持ち出し、破壊にかかる。
「デーダー。腹を向けよ」
 と、メルダーズの声。デーダーにとっては、戦艦の被害よりはるかに恐ろしい一言に、即座に服従した。
 巨大戦艦の艦体が、ゆっくりと方向を変える。
 そのそばを悠々と横切るゴルバが放つ超高収束の一撃が、ビックコアMk-4の本体をピンポイントで、一撃で消滅させていた。
 あとは、ゴルバに向かおうとするデスとビッグコアを、十字砲火で殲滅するだけだった。



[39696] グラディウスVの敵 対 暗黒星団帝国 stage3
Name: ケット◆96bdef6e ID:c1426886
Date: 2014/03/30 16:41
「占領されているデザリアム本星基地を、奪還します」
「これは敵惑星占領作戦です」
「偵察無人機の報告を総合しますと、すでに大工場が作られ、要塞が建築されているそうです」
 アルフォンが冷静に報告する。
「では、まずそなたが艦隊と戦車隊・機動歩兵部隊を率い、攻撃するがよい」
 聖総統の言葉に、アルフォンは感謝の意を示して、戦場に向かった。

「占拠された第三基地に、地上および地下から接近することは不可能だ」
 アルフォンが丁寧に部下に説明する。
「元から、どこがやられても基地一つで自分を守り、戦い抜けるように、難攻不落の壁で惑星側はおおわれている。唯一接近できるのは、宇宙から降下するこの排熱ダクトだけだ」
 と、おおきな、美しい窓に飾られた筒を表示する。
「そのあとは狭い通路が並び、その奥で敵はこちらの資材を利用して、大量の艦艇を作っている。一刻も早く敵を滅ぼし、われらが母星を再びわれらのものにしなければならない」
 将兵の怒号を聞くと、静かに手を揚げた。
「まず、上空からグロテーズ艦隊が無限ベータ砲でダクト内部を掃討する。
 次に、強襲揚陸艇がダクトを降下し、補給線を確立して橋頭堡を築く。
 それから極めて狭い通路を、三脚戦車が侵入し、敵を撃破しつつ行動できる道を広げる。
 残念ながら、まさに敵にそうされないために、この要塞は通路が入り組みしかも……あれ以外では絶対破壊不可能な装甲材が張り巡らされている。援護砲撃はほとんどないと思え。
 決死の戦い、この私も最前線に立つ」
 アルフォンの言葉に、将兵が沸き立ち、次々と出撃準備を整えていた。
 今や、暗黒星団帝国総がかりで、大量の戦闘艦と多脚戦車を量産している。

 無限ベータ砲に洗われた大穴に、まず駆逐艦隊が一気に突入する。
 それ自体がかなり難易度の高い行動だ。本星の重力、周囲は堅牢な施設。わずかでも軌道が狂えば激突、轟沈は免れない。
 くぼみに退避していたか、次々と出現する無人機の編隊を駆逐艦の機関砲が次々と撃墜していく。
 そして中型機が多数出現、激しい打ち合いになる。
 その中型機はビッグコアを小型化したようなフォルムで、おそろしく連射能力が大きい。
「艦隊戦であれを大量に差し向けられたらたまらないな」
 と、艦長たちはつぶやきつつ、ダメージコントロールと反撃に注力する。
 艦載機も次々に、敵の唯一の弱点である正面に誘導弾をぶちこんでいく。
 螺旋を描くように入り乱れる小型機を撃破し、ダクト最深部に到達する。
「よし、まだ駆逐艦は入れる。突入せよ」
 と命令が下された瞬間、横穴から大型の、奇妙な対称性を持つ中型艦が出現、大量のレーザーと機関砲を放ってきた。
 それに駆逐艦が一隻轟沈、戦闘機も操縦を誤って何機も壁に激突爆散する。
「あわてるな、撃て!」
 駆逐艦の主砲が中型艦を撃墜し、そして多数の戦闘機が侵入、壁に作られていた機銃砲台を次々に撃破する。
「まだ少し、駆逐艦は入れる。補給路を保て」
 と、強引に駆逐艦が狭い通路に押し入り、機関砲を撃ちまくる。
 敵も次々に新手を繰り出す。特に、ダクト側の穴からも出現する、天井や床を歩く砲台が厄介だ。
 
 入り組んだ通路を水平に進み、垂直に降下した駆逐艦を、背後のハッチつき施設から出現した無人機が多数襲い、一隻が破壊された。
 即座に、壁に沿って随伴していた三脚戦車が猛攻し、ハッチを粉砕する。
「一寸先はすべて敵だと思え」
 アルフォンが言うまでもなく、全員が警戒している。

 入り口付近には多数の輸送船が物資をおろし、橋頭堡を作り上げている。
 輸送船と、別のこちらは暗黒星団帝国側が確保している基地の間でピストン輸送が行われている。

「この隔壁は、駆逐艦は入れません」
 恐れていた報告。
「ならば、戦車隊と戦闘攻撃機隊で侵入する」
(消耗戦になる)
 そのことは仕方なかった。
 多数の味方を犠牲にすることは、暗黒星団帝国の文化では容認される。

 内部の横穴は、まず炎を吹き出す砲台が待ち構え、それを撃破して広い内部に侵入すると、入り口にいた機関砲艦。
 戦車の装甲では、とても弾幕に耐えることはできない。
「地形に隠れろ!」
 多脚戦車の主砲は、蛇のように伸びる多関節支柱の先端にある。隠れたところから撃つこともでき、かろうじて三隻の機関砲艦は撃沈し……そこに橋頭堡を作ろうとしたとき、穴の奥から膨大な数の中型艦が押し寄せてきた。
 一瞬で侵入した戦車や戦闘機が壊滅する中、アルフォンが絶叫する。
「入口から駆逐艦の艦砲と大型ミサイル!」
 炎の嵐が、横穴を奥まで洗い流す。そして、横穴から深い竪穴へ……
「まず偵察無人機。それから無人爆撃機、最後に有人の多脚戦車」
 その順に、多数の兵がまとまり、次々と機体が侵入していく。

 それはまさしく地獄の穴だった。
 壁のいたるところに並ぶ機関銃の砲台。大型機の侵入を拒む狭い通路。
 壁からは突然炎や、無人艦多数が出現する。

 奥に進んでいる無人機が次々に破壊され、かろうじて後ろに回ったカメラが恐ろしいものを目にした。
 狭い通路内を、多数のビッグコアが後方から追ってくる!
「どういうことだ」
「どこかに出現ポイントがある、潰せ」
 必死で多脚戦車が壁を照らし、意外なほど狭い隙間を見つけて、そこ大量の大型爆弾を放り込む。
 
 その援護で、次々と三脚・四脚の戦車が狭い穴から飛び降り、壁を伝ってより下に向かう。
 小型戦闘攻撃機がそれを、決死の操縦で援護する。
 
 
 炎の壁を破って、再び横穴に。狭い通路を越えた多脚戦車は、悪夢に直面した。
 棚のような構造の複雑な地形、そこに隙間なく多数の大型機。
 主砲が焼けつくまで撃ち続け、そして壁の後ろに決死の、生身の人間がフライトパックで侵入し、核手榴弾をぶちこんでハッチを破壊する。
 すさまじい爆発が狭い穴を吹き荒れ、そして前進すると……正面から、多数のビッグコア!
 兵が次々と絶叫し、錯乱さえする。
 狭い通路を、必死で増援の戦車、燃料やエネルギーパック、爆弾を輸送し続ける。
 いつどこから、どんな敵が出現するかわからない。
 過剰な警戒は兵器の暴発、同士討ちさえも生む。
 アルフォンは必死でそれらをまとめ、人に任せ、ついに無理を押し通して、大型の多脚戦車に乗って最前線に向かった。

 広大な縦穴が続き、所々には奥から、施設のブロックが支えられている。
 そこに侵入した多脚戦車隊を、それが襲った。
「無人機撃破しました」
「奥に侵入し……下方から、大型の何かが」
「多脚戦車、戦艦サイズ」
 もう、誰にも手が出せない。
 駆逐艦も重爆撃機も入れない。多脚戦車と多脚戦車、小と大の対決だけだ。
 無数のイオンリング砲を、機銃が撃墜する。
 下へ、下へ。容赦ない巨大な脚が、戦車を一つあっさりと踏み潰す。
 アルフォンの戦車を含む三両が、その足の間をかいくぐって、より下に抜けた。
 そして激しいイオンリングを回避しつつ撃ち返し……ふと、アルフォンの背筋が寒くなった。
 機械の体でしかないのに、その感覚は熱い肉体があった先祖と変わらないのか。
 そんなことを思いながら、体は戦車を操縦して、ブロック設備の影に隠れていた。
 炎の剣。
 強烈な熱波と共に放たれた熱戦砲が、じっくりと回ったのだ。
 一両の戦車が、ひとたまりもなく消滅する。アルフォンの戦車ともう一両が、ブロックの影にいて助かった。
「反撃を続ける」
 必死で打ち返すが、やはり頑丈な装甲の前に通用しない。
 そして、容赦なく前進する巨大戦車が突き崩したブロック施設……その倒壊に巻き込まれ、もう一両破壊された。
 残るは、アルフォンの多脚戦車のみ。
「うおおおおっ!」
 叫ぶと、多脚戦車は上げられた巨大すぎる脚をかいくぐり、真横に位置した。
 激しいイオンリング砲を機銃で撃破しつつ、長い首を伸ばして至近距離から、ひたすら主砲をコアに叩き込む。
 踏みつぶされないよう、巨大戦車に合わせて下降しつつ。
 巨大戦車を撃破してからも、アルフォンたちは狂ったように撃ち続けていた。



[39696] グラディウスVの敵 対 暗黒星団帝国 stage4
Name: ケット◆96bdef6e ID:c1426886
Date: 2014/03/30 16:42
「超大型移動要塞が接近中」
「カザンに迎撃させよ」
「巨大戦艦ガリアデス、ならびに超大型輸送艦、ゴルバ級三隻」
「白兵戦の可能性も高い。大型輸送艦二隻、戦車や無人機を多数搭載しておけ」

 ワープで出現した艦隊は、敵要塞の異様な姿に驚愕した。
 巨大な、胴体だけの生物がこちらに尻を向けているように見える。

「巨大生物と思われる、中型艦規模の敵、多数」
「小型機多数。生物反応があるものも交じります」
「艦載機発進!駆逐艦で迎撃せよ」
 カザンの命令、次々と円盤形の駆逐艦、大型のイモ虫型戦闘機が出撃し、中型艦規模のガウを迎撃する。
 生物の外見だが、かなり強力なレーザーを連射してくるし、目玉のような形の小型機を多数出してくる。
 まとうように周辺にいる小型機も機動性が高く、やっかいだ。
 主砲と主砲が交錯する。艦載機と艦載機が宙に華やかな線を描き、絡み合う。次々と双方が破壊される。
 巨大生物の緑色の爆炎と暗黒星団帝国艦艇の爆発炎が、暗黒星雲を染めては暗黒ガスに飲み込まれる。
「後退し、通路を開けて敵を引き付けよ」
 命令通り、駆逐艦隊が動く。
 多数のガウが、雪崩のように攻める道、その果てに突然、巨大戦艦ガリアデスが出現!
 頑丈な装甲は敵弾を寄せ付けず、強力な主砲が次々とガウを殲滅していく。
 その巨砲が生体要塞に迫ったとき、突然膨大な数のガウがその内部から出現し、襲いかかった。
 主砲が何機もまとめて破壊するが、それでも止まらずにガリアデスに、何機かが衝突する。
「大丈夫だ、撃ちまくれ!巨大要塞を破壊しろ!」
 叫びと共にガリアデスとゴルバの強大な砲撃が注がれる。
 が、
「ダメです!普通の惑星なら貫通できるほどの砲撃でも、あの奇妙な外皮にすべて吸収され、消滅しています」
「ならば、あの穴に侵入し、内部から破壊するほかないな。惑星降下戦の訓練だ」
 カザンの命令と共に、輸送艦が穴に接近する。
「内部に砲口多数」
「地上制圧戦車、攻撃開始!」
 最初の戦車が三脚でぶよぶよした表面に降り立ち、蛇のように伸びる砲口をあちこちに向けては掃射する戦車。
 突如それに、二十メートルにも及ぶ、巨大な不定形な塊が襲いかかってすさまじい圧力で揉みつぶし、崩壊させる。
「壁のような巨大生物。固い、撃ち続け…うわあああっ」
 敵の砲撃と、巨大アメーバの攻撃に第一次攻撃隊が壊滅する。
「ならば、ゴルバの主砲で内部を掃討せよ!」
 叫びと同時に、ゴルバの超巨体が軽やかに動く。
 脇腹を見せた瞬間多数のガウが襲いかかるが、護衛大型ヘリが次々と応戦し、ゴルバ上部の短射程だが強力なミサイル砲が蹂躙して必要な距離を取る。
 くびれた部分の、ハッチが開くと巨大な砲口が伸びる。そして素早く、惑星表面を焦土にできる主砲が放たれる。次々と生物無人機を出し続ける不気味な穴に、光の槍が突き刺さった。
 音も匂いもない。ただ、光だけが渦巻いている。
 一発だけではない。ゴルバ自体が回転しながら、二発三発と正確に連射する。
 本来なら大爆発が起きるはずだが、それがないことに観測員は戸惑っている。
「主砲発射終わり」
「駆逐艦隊を先頭に、輸送艦からの強襲揚陸」
 比較的小型の円盤型駆逐艦が、素早くひらめいて、猛烈な光を放ちながら焼けただれたはずの穴に突進する。
 だが、通常の岩石惑星なら煮えたぎる溶岩の海となるはずの穴の内部は、前回と変わらぬ不気味な赤色に染まったままだ。
 そして次々と、壁から巨大な球形の塊が飛び出しては、四方八方に先端に爪がついた長い触手を伸ばし、壁に食い込ませる。
 触手に貫かれて轟沈する駆逐艦もある。
 その触手自体が、攻撃を遮る壁となる。
「本体を破壊しろ」
 と、駆逐艦の主砲やミサイルが動かぬ標的を何発も攻撃し、ついに触手を出す巨大細胞が破壊された……と思ったら、崩壊していく触手が、次々と固い高速の塊を駆逐艦に向けて射出する。
 駆逐艦の薄い装甲が破れ、ダメージコントロールもむなしく爆発する。
「駆逐艦は被害が大きい、重爆撃ヘリを使え」
 と指示が入れ替わり、ゴルバから放たれる大型ミサイルを乗せたヘリが、巨大細胞を一つ一つ破壊して道を切り開く。
 無人機隊を先頭に、次々と奥に大型ミサイルが投下され、道が切り開かれていく。
 だが、その無人機隊のセンサーが映し出した映像に、ゴルバのコントロールセンターが絶句した。
 動き回る巨大な壁が、あらゆるものをすりつぶす。
 しかもその壁は、ゴルバの主砲ですら無傷だった……または瞬時に再生自己修復したか。
「これが、生命というものか」
「くそう、どうする?」
「戦車隊を投入せよ。あの隙間で動けるのはそれぐらいだ」
(消耗戦か)その覚悟は、またしても重かった。

 ちょうどそのころ。旗艦ガリアデスの右舷に、激しい混乱が起きた。
「緊急!奇妙な、巨大な生物が内部に多数侵入しています」
「さきほど、ガウが激突した地点の近く」
「ばかな!」
 カザンが叫んだ。
 だが、艦内カメラの映像は間違いない。
 何といえばいいのか、まともな生物と無縁な暗黒星団帝国に、それをたとえる言葉などない。
 はるか昔の歴史、敵をだますための情報、征服した惑星の情報などから、必死で調べるだけだ。
 長く平たい、構造材の壁をやすやすと食い破って侵入し、衛兵のレーザーなど全く通用しない怪物。
 その後ろから、膨大な数の巨大細胞が、ガリアデス内部に侵入してくる。
「白兵戦準備!」
「隔壁を閉鎖しろ」
「艦載機隊、かまわない、被害区域を爆撃せよ!」
 悲鳴と絶叫が入り乱れる。

 悲鳴は、地獄の隙間に侵入した戦車隊も同じだ。
 主力である三脚戦車は、とてもこの狭い隙間には入れない。空を飛ぶ兵器も一切役に立たない。
 かろうじて隙間に侵入したパトロール戦車は、多数の歩行戦車と交戦していた。
 火力は低いが、数がとにかく多い。そして動き回る壁は、味方のはずの歩行戦車も遠慮なく揉みつぶしながら迫る。
「目の前の敵と戦え、今いる地形と動きを把握せよ!」
 やっと抜けて、前面にそそり立つ肉の壁を焼夷弾で破壊する。地球人であれば、そのうまそうな匂いに激しい嫌悪感を催すだろうが、もはや動物を食べることなどない暗黒星団帝国人には関係がない。
 そして侵入したと同時に、すぐに再生する壁に取り込まれ、つぶされる戦車が出る。
「この壁は焼き続けなければ再生する」
「くそう、補給路を維持させないつもりか」
 必死で前進する戦車隊だが、突然狭い壁の中から飛び出してきた、とてつもなく巨大な生物にひきつぶされる。
「攻撃しろ!」
「だめだ、徹甲弾も通用しない」
 通り過ぎる敵に、破れかぶれに発砲した大型爆弾が尻に命中したら、全体が崩壊した。
「あれは最後尾に弱点がある」
「それがなんだっていうんだ!」
 もう、絶叫し、狂いながら前進するほかできることは何もない。
 彼らを支えるため、今も後ろでは、出現し続ける敵と戦いながら輸送部隊が動き回る隙間を必死で抜けている。
 また、肉の壁を焼き続けている。

 やっと、取りついた巨大生物群を焼き払ったガリアデスは、三分の一が使用不能となる大ダメージを受けている。
 カザンの怒りは激しかった。
「どんなことをしても、あの敵を全滅させてやる!あの穴に、ゴルバを直接ねじ込めえっ!」
 ゴルバが穴に頭から突っ込んでいく。
 見方によってはとんでもなく卑猥な光景だ。だが、とっくに生身の肉体を脳以外捨てている暗黒星団帝国人にとって「卑猥」は言葉でしかなく、感情を動かすことはない。
 そして、現場の将兵にとってはまさに、それどころではない。
 次々と出現する巨大細胞を焼き払い、シールドに膨大なエネルギーを注ぎ続ける。
 まともに何かに激突することなど、多くの宇宙艦艇は考えていない。ダメージコントロールと艦内固定に、全員必死だ。
 すでに侵入している部隊は、ある者は離脱し、ある者は覚悟を決めて戦い続け、ある者は絶望に泣き叫びながら無差別に撃ちまくっている。
「突入!」
 巨体が、穴に刺さっていく。
 上部ミサイル砲が膨大な砲撃を続け、出現する敵はもちろん、壁そのものを破壊し続ける。
「こ、これ以上は、どうやっても進めません」
 黒い巨体が蠕動する壁に挟まれる。その壁は、主砲の直撃ですら瞬時に再生し、膨大な熱をどこかにやってしまう。
「ならば、主砲を撃ち続けろ!少しでも味方を援護しろ」
 巨大すぎる肉壁にからめとられた、こちらも巨大なゴルバが、シールドエネルギーで構造を維持しながら奥へ、奥へと強力な主砲を放ち続ける。
 時々出現する、巨大すぎる長い生物にまともにぶち当たられる。敵の最後尾にヘリがミサイルを大量にぶち込み、かろうじて破壊する。
 それは、まさしく悪夢だった。
「ゴルバ、あと三時間で崩壊します」
「全艦載機・艦載艇発進!総員、白兵戦用の機械体に換装し、退艦!突っ込めえっ!」
 カザンの命令で、ゴルバの何千人もの乗員が、次々に頭部を外して別の肉体につけかえる。
 小型艦並みの火力を詰め込んだコンパクトな機械体が、次々と破壊されつつあるゴルバの頭部ハッチから巨大生物要塞の奥へ奥へと進撃していく。
 その後ろで、ゴルバの巨体が崩壊していく……だが、肉の壁はその破壊的なエネルギーすら吸収しつくした。

 どこまで続くかわからない、破壊するそばから再生する肉の壁。その中をうごめく巨大な虫との戦いに消耗しながら、ついに最深部にたどり着いた部隊がある。
 そこには、巨大な球体と、それを守るようにいくつもの穴が突き出ていた。
「撃て」
 発砲の準備をした部隊が、激しい揺れに襲われる。
 放たれる多数の光砲、だがそれは、穴から出現する円筒状の何かにさえぎられる。
 その円筒は高電圧スパークを放ち、接近する戦闘爆撃機を次々と撃墜する。
「隙間が広がっています、駆逐艦隊侵入成功」
「よし、あの円筒が途切れているところに、突入せよ」
 突然、円筒が出現しなくなる。
 いまだ、とばかりに駆逐艦が巨大心臓の真正面に浮き、主砲を連射している……それを、突然穴から伸びた、巨大すぎる牙が貫いた!
 やすやすと貫通され、崩壊する駆逐艦。
 後ろにいた部隊には、声もなかった。
 そして立て直す間もなく、穴から伸びてくる炎の帯が次の駆逐艦を焼きつぶす。
 さらに、穴から光の筋が狙いを定めたと思うと、ガリアデスの主砲にも匹敵する光の帯が次々と戦車を、駆逐艦を薙ぎ払い、焼き貫く!
「全員退避しろ!」
 命令が走る。
「重核子爆弾を内部に侵入させ、陽子破壊モードで起爆させる!」
「退避!」
「後退しろ、何とか抜けろ」
 膨大な数の戦車が、機械化歩兵が、必死で撃ちながら血路を開く。
 駆逐艦が侵入できる大きな穴に、ずりずりと巨大な爆弾が侵入し……
 そして、巨大生体要塞は、音もなく動きを止めた。



[39696] グラディウスVの敵 対 暗黒星団帝国 stage5
Name: ケット◆96bdef6e ID:c1426886
Date: 2014/04/07 07:24
「アンドロメダ銀河方面ガス雲内に、多数の小惑星が凝集しています。それに隠れて敵の中型要塞と大型艦を発見」
 アルフォンの報告に、
「ならばメルダーズ艦隊、急行し殲滅せよ」
 と命令が下る。

 ゴルバとプレアデス、三番艦のヒヤデスを中心とした艦隊が向かう。
 そこは、岩の地獄だった。
 百メートルから数キロメートルに及ぶ巨大な岩が、何億何兆とひしめき合い、秒速何キロメートルという速度で押し寄せる。
 しかもその影には多数の無人機がいて、容赦のない攻撃を仕掛けてくる。
「ゴルバ艦隊、前面に出よ。ミサイル砲にてすべて破壊せよ」
 厖大な、とてつもない数の光弾が放たれる。
 一発一発が大型艦を一撃で轟沈させる威力、雪にシャワーを浴びせるように、岩も無人機も砕け消えうせていく。
 奥には壁のような要塞、大型の小惑星もいくつかあるが、それらはゴルバの主砲が粉砕する。
 そして……また大量の岩が押し寄せ、その中に、それがいた。
「岩の中を、移動している敵を発見。大型です」
「岩ごと主砲で破壊せよ」
 命令を受けた巨大戦艦プレアデスとヒヤデスが前方に出て、多数の岩も構わず強力な主砲を連射する。
 岩に隠れて敵が通り過ぎた、その背後から無数の爆発とともに、強力な破片弾が大量にヒヤデスの装甲を叩く。
 暗黒星団帝国側の戦闘機が、次々とやられる。
「敵戦艦、大型機雷を撒布しています!」
「艦載機収納、反撃せよ」
 どちらも砲撃が通用しない、激しい撃ち合い。そんな中、突然、
「敵ブラスターキャノンコア、停止しました」
「翼を広げています」
「撃ちまくれ!」
 その時、ブラスターキャノンコアの翼から、何万という弾が同時に発射される。
 多数の岩をやすやすと貫通し、シャワーのようにヒヤデスの装甲に注がれる。
「プレアデス級巨大戦艦の装甲をなめるな!正面から打ち返せ!」
 艦長が叫び、ブラスターキャノンコアの至近距離に位置する。
 背後からは岩、正面からは弾のシャワー。
 そして、ヒヤデスの巨砲が繰り返し、ブラスターキャノンコアの遮蔽板を叩く。
「敵、出力急増……うわああっ」
 オペレーターの計器が振りきれる。
 翼から六条の光の束がほとばしり、巨大戦艦を直撃する。
 発射する瞬間の主砲が焼け、激しく爆発する。
「第三階層まで破壊されています」
「ぬう」
 激しい打撃に揺れながら、必死でダメージコントロールする巨大戦艦。
 その装甲は盤石で、大半の攻撃にはびくともしない、だがブラスターキャノンコアの破壊砲は星をも貫かんばかりだ。
「第二装甲板まで貫通、誘爆します」
「艦載機庫、温度上昇!」
「エネルギーシステムが」
 悲鳴ともいえる報告があちこちから伝わってくる。
 正面のブラスターキャノンコアは、次々と強力な火砲を撃ちかけてくる。
 炎に包まれるヒヤデス、その背後から巨大な光の束が、ブラスターキャノンコアの中心に突き刺さる。
「メルダーズ……さま」
「最後まで盾となれ」
「はっ」
 死ねに等しい命令にも忠実に答えたヒヤデス艦長は、そのまま巨大戦艦をブラスターキャノンコアにつっこませる。
 無残に破壊された重装甲に、一発は小さいが膨大な弾幕が注がれ、内部に浸透していく。
 さらに背後から放たれるゴルバの主砲の、大爆発の余波。
 絶叫とともにヒヤデスが爆発し、同時にブラスターキャノンコアが動きを止めて、ガス雲に沈みながら爆発していく。
 メルダーズは冷徹にそれを見つめ、デーダーは考える暇もなく残存する要塞を掃討していた。



[39696] グラディウスVの敵 対 暗黒星団帝国 stage6
Name: ケット◆96bdef6e ID:c1426886
Date: 2014/04/07 07:24
「敵の本拠地が見つかりました。ガス星雲の中、巨大要塞があるようです」
 アルフォンの報告に、暗黒星団帝国はほぼ総力を差し向けた。
 自走する中間補給基地。ゴルバ級13隻。プレアデス級巨大戦艦5隻。グロデーズ級戦艦8隻。
 多数の駆逐艦、巡洋艦、戦闘機。巨大輸送艦に詰まれた戦車、特に無人戦車や無人機が極端に多数。

 だが、それだけの艦隊を動かすのには時間がかかる。先に、カザン艦隊からゴルバ級2隻とプレアデス級戦艦ガリアデス、大型の輸送艦が2隻、敵要塞を奇襲した。
 緑に輝くガス要塞。視界の悪い中から、次々と無人機が襲っては、ゴルバのミサイル砲に粉砕される。
 そんなものでは全くダメージはなく前進し、艦載の大型ヘリを発進させた。そこに、球形の迎撃機が次々と出現しては、四方八方に大量のレーザーをまき散らしてヘリを次々と撃墜した。
「艦載機母艦の背後に下がれ、母艦の火力にて掃討せよ」
 対応は早く、ゴルバ級の突進の前に弾数は多くてもレーザーは通用せず、次々と球形機が消滅していく。
 ガリアデスが要塞に突進すると、高速で次々と、ビッグコアに似た中型機が出現しては高収束のビーム砲を連射してくる。
 ガリアデスの装甲には通用しないが、兵器などにダメージはあるので、多少のダメージコントロールは必要になる。
 さらに無人機も多く出現するし、先ほどの多数のレーザーを放つ球形機も出てくるので、なかなか艦載機が発進できない。
「ゴルバ級、直接要塞を砲撃せよ」
「主砲発射します。小型機は退避せよ」
 緑の星雲を揺るがすゴルバ級の主砲が、要塞を激しく攻撃する。
「やはり効果はないようです」
「またしても、内部に侵入するほかないか。ゴルバ級、出入り口付近を徹底して破壊せよ」
 膨大な数出現する無人機を、強力な砲撃が吹き飛ばして道を作る。接近した輸送艦から、次々と戦車が狭い入口に侵入する。
「壁の裏に、多数の無人機を射出するハッチ」
「入り口から巡航ミサイルを発射する。無人機の観測で誘導せよ」
 散々な内部侵入作戦から、その戦術が思いつかれた。
 狭い道を通り、くるりと回ったミサイルが、壁の奥にあるハッチを破壊する。
 その援護を受けて侵入した無人機が、次々と砲台を破壊していく。
「報告!人工重力空間内に、大量の、緑色の……水程度の質量の物体があります」
「どうやら、あの人工生命のもととなるようです」
「空間エネルギーも凝縮されています」
「ならば、駆逐艦で焼き尽くせ!」
 カザンの命令と共に、ギリギリの狭い道を駆逐艦が侵入し、強引に積んでいる大型爆弾を投下する。
 水爆を桁外れに上回る破壊力に、緑の不気味な、ガスとも液体ともいえぬ何かが消え失せていく。
「上を見ろ!天井から、緑のあれが噴出してくる」
「ここは、人工生物の培養プラントかもしれない」
 アルフォンの分析に、
「破壊しつくせ」
 と、カザンが怒鳴る。
 駆逐艦の圧倒的な火力が道を切り開いていくが、
「だめです。これ以上駆逐艦には侵入できません」
「どうしてだ」
「壁が激しく動き回り、隙間は戦闘機が一機やっと通れる程度です」
「うぬ、ならば、またしても物量戦術か。いまいましい」
 歯噛みをしながら、またしても小型の戦闘機や多脚戦車を多数送りみ、出入り口から巡航ミサイルで援護する。
「あ」
 多脚戦車が、突然浮き上がって、壁だったところにたたきつけられて爆発する。
「人工重力の方向が変わりました」
「あ、あ……前だったところが上になって」
「うわあああっ」
 絶叫とともに、有人爆撃機が緑の雪崩に飲まれ、粉砕される。
「うぬ」
 ひたすら多数の無人機、それを指揮する有人の戦闘機、巡航ミサイルを送り続けるほかない。
 さらに、緑の流体を出す口は、破壊できないので口の近くにある種の火炎放射器を置き、焼き続けるほかない。
 そして、狭い工場の隙間をくぐり抜けた、ホバリング可能な大型ヘリコプター部隊が、人工重力の砲口が変わって生じた竪穴に入り……
「広い空間だな」
「ここになら、多脚戦車を送り込めるかもしれない」
 そう見ていた、突然球形の迎撃機が出現する。
「あ、あれは確か」
「撃て撃て!」
 絶叫とともに発砲する戦闘機部隊に、無数のレーザーが嵐のように襲ってきた。
 瞬時に何機も撃墜される。さらに送り込まれる第二波が交戦し、やっとすべて撃墜して……またしても、恐ろしく狭い要塞への侵入戦となる。
 そこへの補給路も、ひっきりなしに上から緑の何かが吹き出し、人工重力の方向が変わる危険な道を通ってだ。
 狭い通路を、次々と中型機がふさいで停止し、ビーム砲を連射してくる。
 もはや、ジェットパックを背負った空挺部隊が、決死で大型手榴弾を投じては物陰に隠れ、破壊する繰り返しとなっている。


 その要塞攻略をしりめに、残るメルダーズ艦隊に敵の、強力な艦隊が正面から突撃をかけてきた。
 見慣れたビッグコアやデスに加え、ローリングコア、サークルコア、ビッグコアMk-3、カバードコアMk-2も加わっている。
 
「高速の艦隊が突撃してきます!」
「ゴルバを盾とせよ!輸送艦と中間補給基地をやらせるな!補給基地から巡洋艦隊発進、ゴルバ級一隻をつけて敵本隊を奇襲せよ!」
 メルダーズが鋭く対応する。
 先陣を切って突進してきたのは、ローリングコアとビッグコアMk-3。
 頑丈な装甲で、ゴルバにまともに体当たりしてくる。
「防御フィールド最大!」
「艦内、全員何かに体を固定しろ!」
「消火準備!」
 ゴルバは防御フィールドを最大に保って体当たりを受け止めた。
 内部にはそれなりのダメージはあるが、致命傷ではない。
 そして、それらの艦はゴルバからはなれると、恐ろしい姿をむき出した。
 ビッグコアMk-3が開く。
「あの中に主砲をぶち込め」
 と叫ぶ砲手、だが
「隔壁を閉鎖せよ!防御シールド最大」と、とっさにメルダーズが命じる。
 その、一度は開こうとした主砲に、強烈な光が二条突き刺さった。
 しかも、それは長い照射時間でも一向に衰える気配がない。
「装甲版、温度上昇」
「主砲を回転させろ」
 回転すれば、一か所が加熱されるのは短時間で済む。
「あの艦の背後から、戦闘機隊突撃せよ」
 と、別のゴルバ級から多数のイモ虫型戦闘機が突進する。
 だが、ビッグコアMk-3は二連光線砲の照射を止めると、後方から多数の砲弾と、誘導レーザーを放って次々と艦載機を沈めていった。
「駆逐艦、いや巡洋艦クラスだ!急げ」
 急速に艦隊が形を成していく。
 駆逐艦を、ローリングコアが体当たりで破壊し、戦闘機隊が向かうと多数のレーザーを連射して仕留める。
「巡洋艦、砲撃」
 と巡洋艦がローリングコアと撃ちあい始めた、その時ローリングコアはコア部分を傾けると、強烈な光線砲で巡洋艦を撃沈した。
「くそうっ、どうすればいいんだ」
「誘導ミサイルでコアを狙え!」
 さらにローリングコアに、多数のビッグコア艦隊と多数の中型機が追いついた。ビッグコアMk-2が翼を広げて放つ多数のレーザーが、戦闘機や駆逐艦を近づけさせない。
 そしてその中から突然、ローリングコアが高速で突出すると巡洋艦・駆逐艦の艦隊に突進。艦隊の隊形が乱れたところを大型レーザーを放つ。さらに隊形が乱れたところをビッグコア艦隊が襲い、容赦ない集中攻撃で餌食にしていく。
 隊形が乱れ孤立した駆逐艦なら、大型レーザーを持つ中型機の編隊でも撃墜されてしまう。
「プレアデスに任せよ」と、巨大戦艦プレアデスが向かい、重装甲でローリングコアやビッグコアMk-3の大型レーザーを防いだ。
 そのまま、ローリングコアの突進を重装甲で受け止めて駆逐艦が砲撃し、ローリングコアを一隻撃破する。
「よおし!」
 デーダーが絶叫し、誇らしげにメルダーズを振り返る。

 そのプレアデスとゴルバの組に、カバードコア、ローリングコア、サークルコアを中核とする艦隊が襲ってきた。
「艦載機隊、迎撃せよ」
 艦載機を、カバードコアが放つ、高発射速度の機関砲が襲う。艦載機の魚雷は全く通用しない。
 サークルコアは、外からの攻撃は完全に防御しつつ、枠の内側に次々に出現する砲台が機関砲を戦闘機に当ててくる。
 むしろ動く盾として、プレアデスやゴルバの大型砲から艦隊を守っている。
 そしてローリングコアも、多数のレーザーを乱射しながら高速で位置を変える。
「やはり大型艦しかないか」デーダーが叫び、プレアデスを高い機動性で動かし、サークルコアに主砲の嵐を叩きつける。
 そのプレアデスに接近したカバードコアが、主砲もものともせずに多数のミサイルを放つ。
 それが次々と、比較的弱い砲塔などを攻撃してくる。
「うぬ、反撃せよ!あの隙間になんとかミサイルを撃ちこめ」
 
 そして敵の背後に回ろうとしたゴルバと巡洋艦の艦隊を、別の敵艦隊が襲った。
 最初に多数の無人機、背後からデス、テトラン、ビッグコアMk-3、Mk-4を中心とした艦隊だ。
「艦載機発進!迎撃せよ」
 艦載機を、デスが多数の誘導ミサイルと誘導レーザーで、またテトランが四つの腕を前面に向けると強力な機関砲を放ち撃墜していく。
 それで隊形にあいた穴に多数の中型機が侵入する。
「ミサイル砲発射」
 ゴルバ級の激しい砲撃は、一瞬で敵戦闘機隊を粉砕する。だがその隙に、テトランとビッグコアMk-4をガス雲を煙幕に隠しつつ、デスが接近して強力な艦首砲を連射する。
「そんな砲撃がゴルバ級に通用するか!主砲発射用意」
 と、ゴルバ級が主砲のハッチを開いた、その瞬間にビッグコアMk-4の爪がゴルバ級の主砲に突き刺さった。
 そして激しいエネルギーが送り込まれ、ゴルバ級が崩壊していく。
 その激しい動揺に、テトランの腕に守られたデスとビッグコアMk-3の巨砲が次々と巡洋艦を貫き、必死で母艦の仇を取ろうとする艦載機も両艦後部の誘導レーザーが粉砕、さらに別方向からテトランの機関砲が蹂躙した。

 ローリングコア、ビッグコアMk-2、ビッグコアMk-3を中心とした艦隊が、すさまじい速度で中間基地を襲う。
 移動中はがっちりと装甲を固め、いかなる砲撃も通用しない。
 基地を守っているゴルバ級が壁となって突進を受け止め、激しい戦いが始まる。
 わずかでも隙を見せたら三種とも、強烈な衝角となって中間基地を粉砕しようとする。
 そして三種とも、艦載機に対しても天敵と言える。強力な機関砲や誘導レーザーを装備しており、かなり遠距離にいてもあっさりと撃墜される。
 ゴルバが突進を受け止め、駆逐艦が必死で肉薄砲撃する。駆逐艦の装甲なら、機関砲にもある程度は耐えられる。だが集中攻撃を受けると、特にローリングコアやビッグコアMk-3の大型レーザーの前では瞬時に破壊される。
 ゴルバ級の主砲も、敵が急所を見せていないときには通用しない。さらに主砲が展開しているときに、誘導レーザーを食らうとゴルバ級でも内部から大きなダメージを受ける。接近し、敵が攻撃している最中にミサイル砲の弾幕を叩きつけるだけだ。
 だがそれは、ゴルバ級本来の戦い方ではない。

 大型艦が突撃しつつ遠距離から敵を削り、それで乱れた敵艦隊に艦載機・駆逐艦・巡洋艦多数で突撃し飽和攻撃。敵が優勢な時には引きつけて大型艦が前面に出て、絶対の装甲と砲撃で粉砕する。それが暗黒星団帝国の、艦隊遭遇戦の基本ドクトリンだ。
 だが、この敵にはそのドクトリンがほとんど通用しない。
 遠距離砲は無敵装甲の前に通用しない。
 艦載機や駆逐艦は、濃密な弾幕に次々と撃破される。艦載機の数で飽和攻撃を仕掛けても、特に敵の大型艦は正面のピンポイント攻撃以外は無効であり、その正面に濃密な弾幕を放ってくる。
 巡洋艦の艦隊も、無敵装甲で突進するローリングコアなどに隊伍を乱され、さらに大型砲による狙撃で各個撃破される。
 ひたすら、敵の攻撃と接近を待って超大型艦の無敵装甲で受け止め、小型艦艇で取り囲む、消耗の多い戦法しか取れない。
「決定打はないか」と、メルダーズがつぶやき、側近たちが慌てて多くのシミュレーションを走らせる。

 グロテーズ級戦艦の無限ベータ砲も、このような戦いでは役立たずだ。
 ひたすら、常に何発か当たっているように小口径砲を連射しながら、激しく移動し続けるほかない。
 誘導ミサイルでは、コア周辺を覆う激しい弾幕をまず貫通できないのだ。
「これでは、このグロテーズ級も装甲が硬いだけの駆逐艦ではないか」
「エンジンとシールドにエネルギーを取られ、ほとんど兵器を回せません。機銃を撃ち続ける程度のことしか」
 だが、連射している一発がたまたまビッグコアMk-2の一隻を貫き、爆発させた。
「やったぞ!だが、このような戦法しかないのか」
 艦長たちのもどかしさ。機関士は砲術士たちの、必死を通り越した奮闘。そして容赦のない弾幕の中の、必死のダメージコントロール。
「無人艦隊の構想を却下していてよかった」
 と、つぶやく者も多い。ダメージコントロールは、脳だけとはいえ人の判断力がなければとても不可能なのだ。

 両艦隊とも、極度に守備力が高い。その戦いは、果てしない膠着状態になる。
 それを動かしているのが、暗黒星団帝国のエースパイロットたちだ。
 機動性の高いイモ虫型戦闘攻撃機で、敵艦の弾幕をくぐり抜けては近距離から中心核に誘導ミサイルをぶちこみ、破壊する。
 それを、可動砲塔がある円盤型戦闘機が護衛し、敵の戦闘機は排除する。
 敵艦を守る多数の戦闘機やビッグコアは、大型艦がビッグコアの砲撃にもめげずに接近し、強力な砲撃で撃破する。

 遠くから突進しようとする方向転換中のビッグコア艦隊を、無限ベータ砲が粉砕した一幕もある。だがそのグロテーズ級も、ガス雲に隠れて突進してきたビッグコアMk-4の爪に貫かれた。
 
 三隻のゴルバ級が、偵察機が探知し報告した遠距離の敵艦隊に、主砲を嵐のように放った。
 ビッグコアやデス程度は次々と粉砕されていく。
 ブラスターキャノンコアが激しい砲撃を返し、遠距離での打ち合いとなる。
 テトランが防御を担当し、ローリングコアやビッグコアMk-3が強力なレーザーを連射してくる。
 さらにゴルバ級唯一の弱点である主砲を、虚空から出現する機雷ザブが狙ってくるのが厄介だ。
 そして砲撃をものともせずに、ローリングコアとカバードコアが突進してくる。
 黒い巨体に、まともにすさまじい運動エネルギーが激突する。
 それでゴルバが機能を停止した隙に、背後から駆逐艦隊を、カバードコア一隻、ビッグコアMk-2とデス各三隻、ビッグコア七隻の艦隊が襲った。
 次々と放たれる誘導ミサイル、そして散弾のように多数放たれるレーザーの嵐が、次々と駆逐艦を粉砕していく。
 駆逐艦の中でも腕がいい艦が、激しく機動してミサイルをかわし、カバードコアに肉薄して至近距離から隙間のコアに爆弾を多数投下する。
「効いているぞ…うわああっ」
 奮戦もむなしく、デスの誘導ミサイルが駆逐艦を粉砕した。
「効いている、続けろ」
 と、ゴルバ級の一隻が急行してミサイル砲を放ち、カバードコアの弾幕を受け止める。
 エース級の攻撃機が必死でカバードコアの隙間に潜り込み、コアを一つまた一つと破壊していく。
 それを外から襲おうとするビッグコアを、ゴルバ級の主砲が粉砕した。
 だがその主砲を、ビッグコアMk-3の誘導レーザーが貫き、ゴルバ級の内部にも激しい火災が起きる。だが、いくつもの主砲の一つがやられたにすぎない、次の主砲が回転してビッグコアMk-3を吹き飛ばした。
 デスの太いレーザーが刺さるが、ゴルバ級の装甲は何のダメージもない。
 そして、ビッグコアMk-2が何度も、固まったまま回転しつつ主砲に突進し、ハッチを破ろうとする。
 ゴルバ級が堅固にもそれを受け止め、後退しようとするところにミサイル砲を叩きこむ、それが繰り返される。
「ここまで至近距離の乱戦が続くとは」
「敵の装甲材もぜひ学びたいものですな」
「サンプルなら腐るほど手に入れたわ」
 そう、叫びかわしながら必死で消火し、巨大な艦を高速で動かす。
 艦隊の隊形を維持し、敵の弱いところを衝こうとする。
「ビッグコアは、あの平たい艦体の上から打ち抜くと弱いぞ」
「ならば、駆逐艦隊を上に位置させよ!円盤型戦闘機もだ!」
「多脚戦車を戦艦の上で活動させろ」
 などと、さまざまな思いつきが戦場で試され、いくつかは有効に敵艦を撃沈する。

 時に、発射直後の主砲をデスの艦首砲にぶち抜かれたゴルバ級が巨大な爆炎でガス雲を照らす。
 また、高速を活かしたプレアデスの急襲と砲撃に、多数のビッグコアが轟沈する。
 戦略も何もない。暗黒星団帝国艦隊の数と、巨大艦の重装甲が耐えるか。それとも無尽蔵の敵機が大型艦の前に散り、敵艦がコアを不運にも撃ち抜かれるか。
 戦いは永遠に続くかに見えた。



[39696] グラディウスVの敵 対 暗黒星団帝国 stage7
Name: ケット◆96bdef6e ID:c1426886
Date: 2014/05/18 23:58
 死闘の中、
「敵本拠要塞探知!」
 報告がメルダーズに届き、即座にスカルダートに上申される。
「敵艦隊を引きつけろ!ゴルバ級二隻、プレアデス級一隻で超大型輸送艦を護衛、要塞を急襲し内部より撃破せよ」
 指示に合わせて、多数の大型艦が戦線を離脱し、巨大要塞に向かう。
 さすがに守りが堅い。
 虚空から出現してくる機雷群に、まず駆逐艦などがかなりのダメージを受ける。
 多数のビッグコア、そして何千とも知れぬ無人小型機の群れがどっと襲う。
 それにはゴルバ級が前面に出て、輸送艦を守った。ゴルバ級には、ビッグコアのレーザー砲も体当たりもダメージはない。上から放たれるミサイル砲の弾幕は何万の無人機も、ビッグコアの百や二百も、重機関銃と迫撃砲に守られたトーチカに突撃する歩兵も同然。
 そして、巨大な要塞の門。それまで戦ってきた要塞が、まるで子供に思える規模。
「この規模はデザリアムに匹敵するな」
「だが、見ろ。こちらに、侵入できるスリットがある」と、偵察機の報告を聞いて侵入し、掃討していく駆逐艦部隊。
 敵の数も多い。
 遠慮なく開閉してつぶしにかかるシャッター、高速で上下するエレベーターなどが、手ごわい障害物となる。

 広いスリットから侵入しようとした巡洋艦隊がぶつかったのは、ビッグコア級の中型艦だった。
 その火力は大きさに似合わず、凄まじいの一語。
 多数の、特殊処理された壁に反射して正確に侵入者を狙う大型光線砲。後退しながら前方に四門放たれる強烈なビーム砲。そして壁に放たれては大規模な炎上を起こす、強力な焼夷榴弾。
 巡洋艦や戦車隊ではその火力に抗するすべもなく、外からゴルバ級の主砲を繰り返し狙撃する。そのゴルバ級すら時に弱点の主砲砲口を撃ち抜かれ、激しい内部火災が起きるほどだ。幸い撃沈こそ免れたが、一時的な戦線離脱は強いられ、中間補給基地に向かわざるを得なかった。


 その中間補給基地で敵の主力艦隊を引きつけているメルダーズ艦隊も、激しい死闘が続いている。
 暗黒の霧に隠れ、高速でのヒットエンドランを繰り出して中間補給基地を狙う戦略に出た。
 反撃し、逃げるのを追ったら、ブラスターキャノンコアが多数の機雷をばらまき、多数の超強力な砲撃を仕掛けてくる。それで駆逐艦や巡洋艦を失い、追撃にも失敗することになる。
 ゴルバ級で追撃すれば機雷も無視できるが、その場合には中間補給基地の防衛が薄くなり、そこにローリングコア・ビッグコアMk-3などが急襲してくる。
「中間補給基地をやられるな。敵に行動させて、退路を断って仕留めよ」
 メルダーズの命令から、守りの薄い部分を作ってそこを攻めさせる。
 そして複数のゴルバ級・プレアデス級が包囲し砲火を集中し、圧倒的な爆圧を叩きこむ。大陸一つを更地にできるゴルバ級の主砲なら、直撃でなくても遮蔽板、そしてコアに爆圧が浸透し、撃破できる。
 主砲発射中の狙撃は脅威だが、それは比較的近距離のプレアデス級が食い止める。
 その戦術の前に、高速攻撃型のビッグコアも次々と爆散していく。



 巨大要塞攻撃隊が奥に向かうと、恐ろしく狭い隙間が多い。
 多数の巡航ミサイルを撃ちこんで無差別爆撃しては無人機、多脚戦車の順に送り込む。
 だが、突然床と天井そのものが激しく動き、挟んでくるのはどうしようもなく、それだけで相当な被害が出る。
 壁から強力な炎を噴き出してくるところがあるが、その噴射口は破壊できない。ふさぐこともできず、通れない。
「あれを使ってみろ」
 すぐ近くに転がっていた、破壊できないが押し動かすことはできる、円筒形の塊を大型工作車に運ばせ、炎をふさぐと通れるようになった。
「それにしてもやっかいだな」
 階段状の狭い隙間を通ると、上下方向に多くの壁が立ち並び、その壁面いっぱいに多数の砲台が並んでいた。幸い砲台は固定式なので、死角から機関砲をぶちこんで破壊できるが、足止めはされてしまう。
 それから出たのは、まさに地獄だった。
 一見して、機雷原かと誰もがぞっとする。だが爆発はせず、ただ同じ位置を維持し、敵を見つけたらそちらに近寄るだけ。基本的には破壊不能の障害物だ。
 機雷よりましに思える。だが、飛行機や大型の戦車などの侵入を不可能にするので、むしろきつい。
「機雷なら遠隔攻撃で爆破していけばよかったのになあ」
「まったくだ」
 と、文句を言いながら、狭い隙間を必死で抜けている……
 そんな時、突然異変が起きた。
「注意しろ!」
「応戦準備!」
 などと叫びかわす中、突然壁が閉鎖され、浮遊している障害物が一斉に爆発した。
「な」
「あれ」
 全員、反応が遅れる。
 周辺の壁に向けて強い人口重力が発生する。
 漫然と浮いていた機体は、壁に叩きつけられて壊れる。
 それだけでもかなりのダメージだが、目の前をふさいでいる壁から、猛烈な弾幕が吐き出され始めた。
 全員の、阿鼻叫喚の悲鳴。

「退避!」
「後ろから巡航ミサイルをぶちこめ!」
「無理です、あの弾幕を抜けられる巡航ミサイルなどありません!」
「だがこのままでは、あっというまに全滅するだけだ!」
「数だ、数で押し切れ!」
「そこの出入り口が狭いし、あの巨大な弾じゃ駆逐艦でも即死だ!ゴルバ級ここまで引っ張ってくることはできないんだ」
 もうだめか、という感情に支配されつつ、膨大な残骸の影に隠れている生残者。
 それを、床や天井に張り付くダッカ―が容赦なく狙撃する。
 さらにダメ押しとばかりに、後ろから先ほど触れた球形の塊が跳ね回りながら押し寄せてくる。
 だが……
「あれは、どんな弾も防いでいる。あれの後ろだけは安全地帯だ!」
 アルフォンの絶叫に、全員あきれてものも言えなくなりつつ、そのとおりに塊の背後に位置してキーパーズコアに迫ってみる。
 確かに弾はこない。
 だが、キーパーズコアに塊が激突すれば、その盾もなくなる。
 高密度の弾幕に、多少の粗密が出るだけだ。
「それでもないよりましだ!」
 アルフォンは叫びつつ、必死で大型機を操縦している。
 膨大な攻撃を盾を生かしてかわしながら、長い自在アーム尖端の大型砲で遮蔽板を一枚、また一枚と破壊する。
 増援も来るが、この弾幕ではすぐに倒れる。
「こなくそ!」
「し、下」
 誰かの悲鳴。そう、これ以上の絶望はないだろう、と何度も思った、さらに上を行く絶望……
 先ほどの、炎の槍が上下から、動きながら迫ってくるのだ。
「せめて立派に死ぬぞ!」
 アルフォンが完全に死を覚悟した、だが、その炎はなぜか彼の機体をやり過ごした。
「え、う、上をすれ違った、あの球形の移動物が、盾になって……」
「次、下からも炎、来ます!」
「あああっ!」
 アルフォンもただ絶叫しながら、とっさに後退上昇して、また球形の塊を盾にして炎をやり過ごす。
「ちょ、ちょっと待て、これを…繰り返すのか?」
 もう乾いた笑いしか出ない。半ばやけくそで必死の退避を繰り返し、気が付くと炎も後ろからの障害物もなく……
 突然、壁が突進してきた。
「どおおおぇえぐああああっ!」
 ……
「な、なぜ生きている」
「え、その、破壊した遮蔽板の隙間に潜ったからのようです。あなたが操縦したんじゃないですか」
 アルフォン自身、自分がまだ生きていることにあきれ返り、逆に冷静になってしまった。
「なら、こうして戦い抜けばいいわけだ」
「はあ」
 副操縦士に、それ以上言葉はなかった。
「ちくしょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!がああああああああああああっ!」」
 絶叫したアルフォンが、壁に猛烈な攻撃を叩きつける。
 データリンクで後方の駆逐艦から多数の高速ミサイルを「注文」し、遮蔽板に誘導する。大半は途中で撃墜されるが、いくつかは命中する。
 そして始まった弾幕と、後方から飛んでくる無数の球形遮蔽物。
 さらに上下からの炎の壁、それを遮蔽物を利用してかわし……
 ついにキーパーズコアをが破壊されたときには、アルフォンは精神的に力尽きていた。

 それからしばらくは一本道だったが、結構敵が多い。
 後方からどうにか味方が集まってきて、数と数で圧倒していた。
 アルフォンの精神も少し回復してきたころ、横に長い廊下をメンテナンスする大型機械がやってきた。
 やたらと大きく、多数の脚が複雑に動いている。
「あの足の関節が弱点だ」
 まだ半分壊れているアルフォンが、どうにか弱点を見切って攻撃を指示する。
 脚の間を三脚戦車が、最大限に体を低くしてかいくぐる。
 踏み潰される無人機もいる。
 正面からやっと追いついてきた大型機が、正確に関節のコアを砲撃する。
 小型機が、次々と出現するダッカーを迎撃する。
 
 巨大多脚機戦車を破壊したのはよかったが、それからも敵は多数の無人機を送り込んでくる。
 駆逐艦の大口径機銃で迎撃するが、その駆逐艦も多数の、大型レーザーを備えた小型機の攻撃に力尽きた。
 大型戦闘機と多脚戦車が必死で敵を切り払い、前進し……
「そろそろ中心の何かが出てくるんじゃないか」
「これ以上何か出てこられたら困ります」
 などと、疲れ切った操縦士たちが言い合いながら戦い続ける。
 また細い道から、多数の無人機が突入するのを多数のミサイルと、象の鼻のように曲がる砲塔を利用して安全地帯から戦い続け、閉まるシャッターを抜けた。
 そこは、要塞の外だった。
「え?」
「この要塞は、何だったんだ?通るだけか?」

 目の前には、二股に分かれた大型艦があった。



[39696] グラディウスVの敵 対 暗黒星団帝国 stage8
Name: ケット◆96bdef6e ID:c1426886
Date: 2014/05/24 12:07
「双胴艦を分析し、破壊せよ」
 そう、仮に名づけられたその艦は、静かに沈黙している。
 情報収集と攻撃を始めている、巨大要塞を抜けた生存者たち。連絡を受けてそこに向かう高速巡洋艦隊。
 突然、背後の巨大要塞が分裂した。
 表面装甲がはがれ、内部から何千という戦艦が出現する。
「あ……」
「双胴艦のハッチを破壊し、侵入しろ!そこだけが安全だ!」
 かろうじて正気を取り戻したアルフォンが絶叫とともに発砲、そのまま機体をねじこみ、壁の砲台と戦い始める。
 十隻の駆逐艦、何千機もの有人機がいっせいに、二つ見えるハッチを同時に攻撃する。
 三脚戦車も、その足から激しく炎を上げて浮上し、遅くはあるがついていく。
 多数の虚空から出現する機雷に減らされながら、とにかく穴に飛びこもうという本能だけで動く。
 その背後から容赦なく、ビッグコアMk-2が激しいレーザーを叩きつけ、被害は急速に増していく。

 巨大要塞に張り付いていたゴルバ級・プレアデス級に、至近距離からすさまじい量の砲撃が降り注いだ。
 駆逐艦などは瞬時に粉砕される。
 ゴルバ級一機あたり、何百ものビッグコア。
「しのげ、しのぐんだ」
「ゴルバは無敵だ!」
 シールドジェネレーターの負荷が増していく。
 一発一発は石ころ以下でも、石ころを何万もぶつけられれば戦車も埋まってしまう。
「補給艦を、やらせるな」
 必死でゴルバが壁になるが、あまりにも敵は多すぎる。
 主砲を展開しようとしたゴルバ級が、その砲口にビッグコアMk-3の極太レーザーをぶちこまれ、さらにローリングコアが内部に直接飛びこんで全弾ぶちまけ、ついに轟沈した。
 プレアデス級も艦載機発着口のシャッターがテトランの腕に押し破られ、そこから無数の無人機が侵入し、内部から破壊される。
 もうだめだ。そう思ったとき、背後からすさまじい光の嵐が吹き荒れた。
 メルダーズの本隊。ゴルバ級の主砲が遠距離から次々と着弾する。


 必然的に二手に分かれ、双胴艦に侵入したアルフォン部隊。そこは、狭かった。
 小型戦車が一番役に立つ。アルフォンは大型攻撃機の脱出装置でもあった小型垂直離着陸戦闘機に乗り換え、先頭に立っている。
 艦内通路は基本的には機械的だが、そのかなりの部分に巨大生物の面がある。
 そして、突然背後から、巨大な生物が襲ってきた。
 巨体で潰される戦車だけでも多いのに、それが突然目を見開くと無数の巨大な光弾を吐きだす。
 それで次々と被害が出る。これまでと違って、残存部隊が避難しただけに等しく、増援も見込めない。
「前進しろ!前だけが安全地帯だ」
 と、アルフォンが率先して前に出る。
 同時に、とにかく増援をと連絡も続けている。
 

 増援を求められる外のメルダーズ艦隊だが、それこそそれどころではない。
 最悪の事態、双方の全艦がごく狭い範囲に、ぐちゃぐちゃに集まっての乱戦となっている。
 敵味方とも、どの艦も多数の敵をロックオンしている。
 またすぐ近くに三つも四つも味方がいれば、訓練通りに連携することなどできはしない。むしろ友軍誤射が心配でうかつに発砲できない。
「友軍誤射を恐れるな!敵を見習え、敵は敵味方お構いなしで乱射しているぞ!」
 メルダーズの命令に、大型艦のオペレーターは悲痛に乱射を始める。
 外しようがないぐらいに敵も味方も密集しており、そんな中でゴルバの主砲が放たれれば、その被害は想像を絶する。
「ゴルバ級、中間補給基地に集まれ」
 メルダーズが命令し、巨大なゴルバが多数移動する。
 それにカバードコアが激しく追随し、ミサイルとレーザー機関砲を嵐のように注ぐが、それもまったくダメージがない。
 テトランがとりついて、自在に動く腕で弱点を引っぺがそうとするが、まさに亀のように閉じこもっている。
 その動きで、敵艦隊が大きく伸び、味方がほとんどいない空虚が生じた……そこに、全く別の方向から光の嵐が注ぎかかった。
 グロテーズ艦隊の無限ベータ砲。
 少なくとも敵の中型艦以下は一気に減らされる。
「ゴルバ、反転反撃!いまだデーダー、敵双胴艦に増援を送れ!ゴルバ、主砲発射!」
 敵陣がほんの一瞬揺らぐ、そこにゴルバの主砲が注がれる。
 その穴に、デーダーの巨大戦艦プレアデスが巨体をねじ込み、その背後に決死の覚悟で中型の輸送艦が3隻追随する。
 その後ろからカバードコアとローリングコア、デスが七隻追いすがる、そこに反転したプレアデスが立ちふさがり、ミサイルとレーザー砲の嵐を重装甲で受け止めて輸送艦をかばった。
「撃ちまくれ!艦載機全機出撃せよ!」
 デーダーが絶叫し、さらに背後からはゴルバから放たれた大型ミサイルが援護に回る。
 前方を破壊されたデスの、強烈な艦首光線砲が輸送艦の一隻を撃沈する。ほかの光線はプレアデスが盾となってかばい、
「艦載機発着口に直撃!」
「第二主砲、破損」
 と激しいダメージを受けている。

「中間補給基地近くに、ビッグコア Mk-1 Rev.2ワープアウト。ブラスターキャノンコアも接近しています」
「ぐう」
 メルダーズが歯を食いしばった。
 自らの乗艦も含むゴルバ級はデーダーの援護に出払い、中間補給基地護衛には二隻しかいない。
 冷徹な目にかすかな絶望が浮かんだ、その中間補給基地の近くにワープアウトの閃光が、次々と瞬く。
「聖総統スカルダート閣下から、通信!」
『メルダーズ。最終防衛巨大ミサイルをワープアウトさせた、終端誘導はそちらでせよ』
 不安定な通信に、メルダーズは欣喜雀躍した。
「ありがたき恩賜!全最終防衛ミサイル、誘導リンク」
 何千という、一つ一つが大型艦サイズ……一つの惑星表面を焼き尽くせるミサイルが、ゴルバの精密なレーダーと通信により、次々と巨体を翻す。
 ビッグコア Mk-1 Rev.2が吐き出す膨大な光弾とイオンリング弾も、表面は波動砲をも跳ね返す装甲で覆われたミサイルは耐え抜き、精密に遮蔽板に激突して吹き飛ばす。
 そこに中間補給基地から発進した迎撃機が押し寄せ、弾幕に突進して多くの犠牲を出しつつ、コアに大型爆弾を叩きこむ。
 ブラスターキャノンコアにも最終防衛ミサイルが次々と着弾し、激しい弾幕を突き抜けて翼に突き刺さる。
 周囲から襲う駆逐艦はブラスターキャノンコアがばらまいた機雷に次々と粉砕されるが、その破片やガスが強力な光砲を半減させ、はからずも身をもって中間補給基地を守り抜く。
 追いすがったゴルバ級が、真正面からの全力の打ち合い。ゴルバ級の装甲でも危ないほどの激しい火力、だが真上からコアを巡洋艦の集中打がぶちぬき、ついに魔の翼を持つ狂戦士が爆散する。


 長い廊下。そこに待ち構える巨大怪生物と激しくアルフォンたちは、ついに中型輸送機一隻ずつだが、増援を受け取った。
 ミサイルと無人機を投入し、特殊爆薬で巨大生物を破壊しつつ、一歩また一歩と前進し……最後の、閉まっていくハッチを、上は中型戦闘ヘリ、下はアルフォンが乗りこんだ小型垂直離着陸機が抜けた。
 閉じるハッチが、上下ともに何機かを押し潰す。
 両方の機銃が、前をふさぐ巨大な目を破壊する。
 その目の前には、巨大な……何千メートルあるのか、という脳があった。
 その脳そのものが、話し始めた。
 
『私はヴェノム。……』
「有人機は離脱。脳のようだ。……重核子爆弾を」
 アルフォンはそれだけ言った。
『もう、かけらは散らばって……』
 アルフォンは容赦なく爆弾を投下し、攻撃を続ける。
「戯言など、一言たりとも聞く気はない」
『永遠に、戦い……続け』
 そして沈黙した脳。
 アルフォンたちは、粛々と離脱を始めた。
 重核子爆弾は、脳だけを破壊することができる。どれほど巨大な脳でも。
 逆に、脳だけは残っている暗黒星団帝国人にとっても危険なので、離脱しなければならない。
 特に閉まってしまったハッチで隔たれているアルフォンたちにとっては、危険な隙間をすり抜けて長い、先に何があるのかわからないパイプを加速していくほかはない。
 薄い蓋を破壊して飛び出したアルフォンと入れ違いに、誘導された重核子爆弾が隙間に飛びこむ。
 アルフォンは誘導電波を出して、ひたすら加速を続け、味方全体に通信を始めた。
「双胴艦が爆発するかもしれない。警戒せよ」

 圧倒的な火力の前に絶望しかけていたメルダーズ艦隊。
 遠くから無限ベータ砲を放った首都防衛艦隊も、高速のビッグコアMk-2、Mk-3艦隊に襲撃され、苦戦していた。
 だが、突然敵艦隊のすべてが停止し、自爆する。
 そして気がつくと、まばゆい爆発光が暗黒星団を美しく照らしていた。
「あ」
「ああああ」
「勝ったのか」
「勝利だ」
「勝利!」
「スカルダート聖総統ばんざーい!」
 全軍を、雄叫びが揺るがす。



[39696] グラディウスV(の敵) 対 暗黒星団帝国 エピローグ
Name: ケット◆96bdef6e ID:c1426886
Date: 2014/05/24 12:00
エピローグ

「また、あの侵略者どもは襲ってくるかもしれぬのか」
「われら暗黒星団帝国は勝利しました。次もまた勝利するのみです」
「その通り!」
 ざわめき、もう勝利に酔って恐怖を忘れている首脳陣。

 アルフォンやデーダーは敵の恐ろしさを理解しており、半減した艦隊を元の規模に戻そうと奮闘している。艦はいくらでも建造できるとしても、人を育てるには時間がかかる。

「敵の残党と戦うには、やはり効率の高いエネルギー源が必要だ。今回の敵の残骸からもかなりの量を採取したが、まだまだ足りん。
 大マゼラン雲の、イスカンダリウムとガミラシウムもその候補となろう」
「そして何よりも、われらの失われた肉体のかわりとなる、若く新鮮で健康な遺伝子を持つ肉体を探さねば……」
「地球。今はまだ原始的な星だが、若い肉体と高い闘争心を持っている」
「だが……一つ恐ろしいことがある。地球には波動エネルギー技術がない、だがあの地球の地殻を構成する金属は、波動エネルギーときわめて相性がよい」

 スカルダートの静かな煩悶は、終わることがない。

 この戦闘は、暗黒星団帝国に確かに大きな打撃を与えた。だが、多くの兵士に豊富な経験を与え、筋金入りの宇宙戦士に鍛え上げもした。

 地球の側から見れば、暗黒星団帝国が破れていれば次はイスカンダルやガミラス、さらに地球も時間の問題だったに違いない。
 だが、この戦いで経験を積んだ敵の将兵が、後に地球を蹂躙することにもなる。
 そして、暗黒星団帝国が滅亡してのちは、悪魔の復活に対抗できるのは地球のみである……

どっとはらい。



[39696] グラディウスV(の敵) 対 暗黒星団帝国 おまけ
Name: ケット◆96bdef6e ID:c1426886
Date: 2014/05/24 12:01
グラディウスVの、宇宙空間に出てくるボスの、普通の艦隊戦での用途を考えてみました。

ビッグコア Mk-1 Rev.2
固定砲台。強力なレーザーと対空の散弾を兼用する。空力よさそうなので大気圏内を飛行しつつ空爆も。

デスMk2
ミサイル・艦首大型砲・誘導レーザー・機関砲。
突撃隊に加わって大火力を追加、大型標的の狙撃と対空防御を兼ねる。

テトラン
防御力を持つ腕から機関砲。
シールド艦として艦隊を守り、また可動性の高い機関砲で、機動性の高い戦闘機やミサイルを追跡して撃墜する。
艦どうしの格闘戦。

ビッグコアMk-2
閉じての衝突、開いての同時多弾数、機関砲。
突撃して大型標的に衝突する、特に高速で機動性の高い敵を包み込むように多弾数ぶつける、機銃掃射など

ビッグコア Mk-4
爪を伸ばす。
巨大標的との格闘戦。

ブラスターキャノンコア
砲台・高密度機関砲・機雷散布。
奇襲、防御、敵をおびき寄せて機雷原。

ローリングコア
回転して衝突、多弾数、大型砲の三種類。
突撃の先頭に立って大型標的に体当たり、中型標的を大型砲で狙撃、多弾数で対空防御と三拍子そろう。

サークルコア
内部から多数の砲台。
一番用途がわからない。対空?

ビッグコア Mk-3
きわめて強力な大型砲、機関砲、誘導レーザー、機銃。
砲艦として、また対空砲として主力となる。

カバードコア
強力な防御、ミサイルと機関砲
突撃の先頭に立ち、大量のミサイルを叩きこむ。また敵の攻撃を受け止め、対空防御。

ヒュージハート・キーパーズコア・エレファントギア
艦隊戦には無関係。


あれだけの艦があって、いつも一機の戦闘機を迎撃……しかも一隻ずつ出ては各個撃破されるだけじゃもったいない。たまには普通に艦隊戦をやってくれ、そう思っただけです。


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