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[32579] 【タイトル変更】マジカルがないかも(リリカルなのは)
Name: むだーい◆df05c8c0 ID:d87df263
Date: 2012/04/22 22:25
-前書き-
 旧タイトル【真・俺と日記】
 リリカルだけど、主人公はマジカルしません。
 日常物だけで終わると良いな。

-ひとこと-
 タイトル決定。
 正式には、"主人公のマジカルがないかも"って、書こうと思ったけど止めました。
 "ないかも"だから、周りの人達が魔法を使ってもOKだと思ってます。



[32579] その1
Name: むだーい◆df05c8c0 ID:d87df263
Date: 2012/04/07 21:32
 朝起きて、見知らぬ部屋で、かつ良く知っている部屋。
 そして、机の上には一枚の紙。

 "in 趣味趣向が似ている人。
  あと、死亡フラグもあるの?"

「・・・・どゆこと?」




 と、そんな感じで新しい人生が始まった数年前。
 自分は以下のような人達に囲まれて暮らしています。
 まずは両親。
 共働きの、いたって普通の日本人。
 いやー、個人的には英語とか意味不明だから、日本人で本当に良かったです。
 そして、次からが問題。

「兄さん、どうしたの?」

 自分日本人、両親も日本人、父方と母方の祖父母も日本人。
 黒髪黒目が当たり前。
 でも、弟君は銀髪赤目……アウトォォォォォッ!!
 うん、悪い子じゃないよ。
 自分を慕ってるし、そげぶをマスターさせたし、手がかからないし。

「なんでもない」

 ただ、一つだけ気になってる事が。
 普通の子供達って、家族で思いっきり人種が違ってるのが混じってると……それをネタにしない?
 からかいすぎて、イジメの一歩手前まで行ったりさ。
 この弟君に対しては、全然聞かないんだよね、そんな話。
 周りの子達って、凄い空気の読める集まりなのかな?

「まあ、緑髪の姉さんもいるし……1人だけ銀髪でも普通なのかな?
 自分の認識が変なのだろうか?」

 この事だけが気になってる、死亡フラグ候補その1。
 もう一度言うけど、悪い子じゃ無いよ。

「坊やが変なのはいつもの事でしょ」

 死亡フラグ候補その2、そして候補どころの話じゃない御方。
 ついでに、幼なじみの綺麗なお姉さんって、都市伝説じゃなかったんだ。
 何故かいる、風見幽香姉さん。 

「妖怪じゃないよ、人間だもの」

 でも、人間辞めてる人。
 大企業の一人娘、金に物を言わせて特注の日傘を作っちゃった人。
 注文はただ一つ、どんなに力を込めても壊れない物……一度持たせて貰ったけど、重すぎて持ち上がらなかった。
 とりあえず、撲殺?しても壊れてないので、姉さんの要望を満たしているようだ。
 あと、昔から疑問に思っているんだけど、年齢が2歳しか変わらないのに、坊や扱いはどうなんだろう?
 ちなみに、我が家の隣にログハウスを建てて、花畑で好きな花を育てながら暮らしているニートである。

「妖怪?
 何処かに妖怪がいるの、お兄ちゃん?
 さいきょーの僕がやっつけてやる!!
 強いぞ、凄いぞ、カッコイイ!!」

 自称、レヴィ・ザ・スラッシャー。
 本名、フェイト2号・テスタロッサ。
 見た目同じで色違い(金髪)の双子の妹がいるらしい。。
 こっちが2Pカラーっぽいので"2号"と名付けられたって、この子から聞いてる。
 本人は⑨だが、母親も母親である……子供に2号と名付けるとか。
 この子にしてこの親あり(逆?)。
 あと、1Pカラーの妹君を見てみたい気がする。

「ちなみにチル……じゃなくて、レヴィちゃんは、姉さんの花畑で遊んでいた(荒らしていた)ため、肉体言語で説教された。
 遊ぶ前に一言でも言っておけば、花畑での注意点とか教えてくれたのに。
 あと姉さんは、魔法使い相手に戦うのは初めてだけど、意外と面白かったって言ってた。
 んで、花畑を元通りにするまで、姉さんのパシリになってる設定」

 って聞いてるけど、パシリ卒業って項目、存在してるのかな?
 今は、姉さんの所で暮らしてるけど、一度くらい実家に帰った方が良いんでないの?
 どこら辺にあるか知らないけど。
 あと、魔法って何さ。
 レヴィちゃんは、死亡フラグ候補には含みません。

「兄ちゃん、それ言っちゃ駄目。
 お姉様がこっち見てる」

 死亡フラグとは関係無いけど、存在が都市伝説その2。
 幼なじみの可愛い妹分……しかも、将来の夢は兄ちゃんのお嫁さん。
 車椅子で自主休学中の八神はやて。
 一言言える事は、この子に手を出す輩は肉体言語で説教したる……姉さんが。
 姉さんとは反対側の家に、子供一人で住んでる。
 基本、食事とか我が家で食ってるから、あんまり帰宅してないけどね。
 ちなみに姉さんは、はやてちゃんにはお姉様、弟君には姉様と呼ばせている(拒否したら肉体言語で一方的な討論会発生)。

「とまあ、自分の周りはこんな感じ」

 あと、我が家にはいないけど、死亡フラグ候補その3、その4はバイト先にいます。
 喫茶翠屋のマスター(その3)とその長男(その4)、GS美神に出てくる超加速が使える剣術?マスター。
 溜息しか出てこない、人間辞めちゃってるこの2人。
 消えるし、人が吹き飛ぶし、ガードの上からでも~って漫画のような事が出来るし……ぶっちゃげ、キの字一歩手前だと昔から思ってたりする。
 死亡フラグ候補が2人もいる所でバイトするのはどうかとも思ってるが、甘い物は正義。
 売れ残りは、自分と妹分と⑨のお土産にありがたく頂いてます。




某月某日

「ねーねー、お兄ちゃん。
 僕の言うこと聞いてる?」

「ん、なに?」

 全く聞いていなかった。
 今日家にいるのは、自分とレヴィちゃん、それにはやてちゃんの3人。
 弟君は遊びに行ってるし、姉さんは花畑の世話。

「だから、今日こそハッキリさせる。
 おじさんとおばさんが一番上、次が師匠で、その次がお兄ちゃん。
 それから僕、はやて、銀色の順」

 師匠=姉さん。
 銀色=弟君ね、念のため。

「だから違うって何度も言ってるやろ。
 私、フェイトちゃんの順や。
 フェイトちゃんより下なんて、ありえへん」

 自分は自称の方で呼んでるけど、はやてちゃんは本名の2号を外して呼んでる。
 ちなみに自分の家族は、自称の方で呼んでいる。
 姉さんは、下僕って言ってる。

「ちがーーーーーうっ!!
 僕の方が上だよ!!
 だって、僕の方が強いから」

「車椅子の人間相手に、戦闘力で物事を測ろうとするな!!」

「それに、はやては一人っ子。
 僕は妹がいるから、やっぱり僕の方が上だよ」

「いやいやいや、それは全く関係無い。
 今は、私とフェイトちゃんとの話や」

「ぶー、仕方がないな。
 お兄ちゃん、僕の方が上だよね。
 ね?」

「兄ちゃん、私の方が上やろ?」

 ……性格的には、はやてちゃんがお姉さんで問題ないと思う。
 でも、アホの子が姉。
 それはそれで有りなんだけどな。

「それより、どちらにしろ弟君は一番下なんだ」

 4月生まれだから、同学年の場合は一番年上になるはずなんだけどな。

「なんとなく」

「そげぶやし」

 レヴィちゃんの理由は置いといて、そげぶに関しては自分が仕込みました。
 でも、本気で使い出すと……あの頃は全然思っても見なかった。
 バイト先のマスターが大怪我した時とか。

 バイト終了。
 -> 売れ残りをお土産品としてGET。
  -> 公園でなのはちゃん発見。
   -> 一人ぼっちでさみしいって。
    -> とりあえずを拉致る。
     -> おやつと一緒にはやてちゃんに丸投げ。
      -> 肉体言語的に、姉さんへ協力要求。
       -> 弟君1人で特攻して、そげぶ実行。
        -> 恭也君が、なのはちゃんを引き取りに来る。
         -> 恭也君、 なのはちゃんに謝罪。
          -> カチコミを考えていた姉さんの計画断念。
           -> 弟君、高町家で修行決定。

 やっぱり、普通の子供となんか違う。
 それに小学校でも、そげぶやったらしいし。
 なのはちゃんの友達の……それも女の子相手に。

「とりあえず、じゃんけんで決めれば?
 どっちが姉でも、あんまり違いが出るとは思わないし」

 対応とか変えないよ、自分。
 今までもそうだったし。

「僕は、じゃんけんで決めて良いよ。
 だって勝つから」

「いや、それは駄目。
 フェイトちゃんの運、無駄に凄すぎるから」

 グレンラガンじゃないけど、気合いで不可能を可能に、運勢まで変えれるっぽいしな。
 夏場に、連続でアイスの当たりを引き続けた事もあるし……あの時は、お菓子1つと制限してたから、気合いの入れようが違ったもんな。
 食い意地があるとも言う。
 でも、ゲーセンのコインゲームで遊ぶ場合には凄く助かります。
 最初に500円分買って、レヴィちゃんに気合い入れて増やして貰って、みんなで分ける。
 遊び終わった後は、カウンターに預けて、次回の分に回す。
 ゲーセンに遊びに連れて行った場合、お金の消費が少なくて助かります。
 まあ、コインゲーム以外は、普通に消費するけど。

「じゃあ、勝負して勝った方が上だ!!」

「ええよ、ここで決着をつける。
 でも、腕力的な勝負は禁止」

「……じゃあ、どっちが大人なのか勝負」

「はい?」

「僕とはやて、どっちが大人なのか、お兄ちゃんが判定する」

 勝者、はやてちゃん。
 ⑨は、アホの子は――子供なんです。

「それ、勝負前から勝敗決定してる。
 あ、あかん……無知とは、なんて罪な事なんや。
 兄ちゃんもなにか言って」

 ⑨だし。

「ふふーんだ。
 僕には秘策があるんだぞ!!
 師匠からいろいろと教えて貰ってるんだから……えっちぃなことを」

 姉さんアウト!!
 子供に何を教えてるんですか!?
 小学生には早すぎだと思います。

「ちょっお姉様っ!?
 一体全体、フェイトちゃんに何を吹き込みやがったのですか!!
 この子、分かりやすい嘘教えても、本気にする子だよ。
 アレとか、ソレとか」

 真っ赤な顔してる君もか、はやてちゃん。
 やっぱり、最近の少女漫画って、いろいろと過激でないの?
 普通の奴もあるけど。

「じゃあ、僕が先攻だ!!」

 言うが早いか、自分の近くに椅子を持ってきて座り直した。
 ????

「んっしょ、んっしょ」

 んで、靴下を脱ぐ。
 おぜうさんおぜうさん、もうちょっと周りの目を気にしようね。
 スカートがめくれ上がってるんだけど、気づいてない。

「よし、準備出来た。
 んーーっ、ごほんっ」

 足を組み直して。

「まずは足をなめろ、我が下僕として永遠の忠誠を誓え、話はそれからだ」

 ねえさぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!!
 ドヤッって表情が出てるけど、コレ思いっきり漫画のネタ!!
 姉さんなら、普通に言いそうだけど……でも実際になめた奴がいたら、フル凹にすると思う。
 で、この子がやるとネタにしか見えん。

「……っ!!
 な、んて……大人なんや」

 えっ!?
 あの、はやてちゃん?

「兄ちゃんになめろだなんて。
 私じゃ、恥ずかしくて出来ない」

 この子も毒されてる?

「「じぃぃぃぃぃぃ」」

 2人して凄く見てるけど、やれと?
 その手の人達には、普通にご褒美な奴を、自分にやれと?
 ゴチになり――じゃなくて!!

「じゃあ、逝くよ」

「「……ごくっ」」

 レヴィちゃんに近づいて、その頭を撫でる。

「さっき、はやてちゃんが大人って認めてたから、この勝負レヴィちゃんの勝ちって事で。
 今日から君がお姉さんだ」

「ふえっ!?」

「……あっ、しまった。
 あまりの衝撃に、つい口に出してた」

「わーい、これで僕がお姉ちゃんだ!!」

「なんたる屈辱。
 だが忘れるなよ。
 第2、第3の私が、いずれフェイトちゃんのお姉ちゃんになってやるんだから!!」

 第2、第3って言うか、毎週やってるよね。
 姉決めゲーム。
 2人だけで決着がついたり、今回みたいに自分が判定したり、姉さんが独断と偏見ではやてちゃんを名指ししたり。

「さて、無事に姉が決まった所で、レヴィちゃんにとても大切なお知らせがあります」

 主に、レヴィちゃんの身の安全について。

「なに?」

「時計を見て下さい。
 何時?」

「3時5分。
 ああっ!!
 おやつの時間過ぎてる!!」

「ちゃうっ!!
 兄ちゃんが言いたかった事は、違う。
 フェイトちゃん、お姉様から3時に手伝いに来いって言われてなかった?」

「……あっ」

 はやてちゃん正解。
 自分もついさっき気づいたんだよね。

「い、行ってきまーす」

 ま、まあ……5分ちょっとだし、姉さんもちょこっとくらい手加減してくれるよね?

「――わぁぁぁぁぁぁぁんっ!!」

 駄目だったか……って、早っ!!
 レヴィちゃんが出て行ったの今だよ、まさに今。
 まさか姉さん、玄関で待ってたの?

「さて、今日のおやつはなんにしようか?
 はやてちゃん」

「うわっ、見て見ぬふりしやがった」

「はやてちゃん、レヴィちゃんの手伝いに行っても良いんだよ」

「今日はホットケーキ作ろうな」

 はやてちゃんも、人の事言えないって。
 あと、本当に舐めていた場合、はやてちゃんとレヴィちゃんの反応、それと姉さんの対応が気になった、ある日のお昼。




某月某日

「そう言えばさ、最近なのはちゃんを、家でも翠屋でも見てないんだけど。
 レヴィちゃんか、はやてちゃん。
 何か知ってる?」

「桃色の事なら、僕知ってる。
 この前、ジュエルミート探してるって言ってたよ。
 でね、僕のそっくりさんを見たんだって。
 むむむ……僕の偽者に会ったら、1度成敗しないと」

 桃色=なのはちゃん。
 宝石肉って、漫画の内容じゃないの?
 それに、そっくりさんって、実はレヴィちゃんの双子の妹だったりしないの?
 1Pカラーだって聞いてるし。

「流石にそれは無いと思う。
 他には?」

「あとは、デバイス持って、使い魔と一緒だったから……戦う相手でも探してたのかな?
 レベルアップの為に。
 僕には使い魔いないけど、デバイス貰った日には、ちょっと遠くまで冒険に行ったよ。
 妹のフェイトも一緒に連れて行ったけど、フェイトはすぐに迷子になって大変だった」

 逆じゃない?
 迷子。

「なのはちゃんの話に戻ろうか。
 デバイスに使い魔って、なに?」

「デバイスは魔法使いの杖。
 僕のバルニフィカスと一緒」

 ……新たな死亡フラグ候補発見?
 やっぱり、なのはちゃんも恭也君の妹ってことかな。
 血は争えないって、こういう時に言っても良いんだよね?

「んで、使い魔は使い魔だよ。
 漫画とかゲームとかで、沢山出てるでしょ。
 だいたいあんな感じ。
 桃色の使い魔は、オジョコ妖精だった」

 ……オコジョ妖精な。
 ネギまの奴なら。

「そのオジョコ妖精がジュエルミートを遺跡から発掘して、運送屋がバラバラにしたから、桃色が集めてるんだって。
 運送屋さんって、お肉の解体も出来るって始めて知ったよ」

 自分も始めて知った、お肉が遺跡から取れるって。
 とりあえず、ジュエルって事が正しいなら、宝石関連かな?
 まあ、捜し物だけなら危険は無いでしょう。

「あとね、桃色とは関係無いけど、今日公園で青っぽい石を拾ったよ。
 キラキラしてたから、きっと珍しい石だよ」

 ……話の流れ的に、まさにそれが捜し物だと思う。

「珍しかったから拾って、師匠の花畑に隠したんだ。
 埋めて」

「この話聞いて、どう思う。
 はやてちゃん?」

「……アウトやないの?」

 だよね。

「どうする?」

「フェイトちゃんだし、放置で良いと思う。
 無駄すぎる強運があるから、なんとかなると思うし。
 例え危なくなっても」

「――姉さんなら、姉さんなら何とかしてくれる」

 肉体言語の、お話し合いという名目のストレス発散で。
 魔法とか危険な言葉が飛び出してるから、姉さんに任せるのが一番でしょう。
 後日、姉さんの花畑が無断で掘り起こされていたらしい。
 やっぱり、なのはちゃんの捜し物だったのだろうか……ってか、姉さんの花畑を荒らしたの、本当になのはちゃん?
 姉さん、素振り始めてるんだけど。
 とりあえず、なのはちゃんが犯人で無い事を祈っている今日この頃。




某月某日

 オコジョ妖精の手伝いが終わったのだろう、お家に来るようになったなのはちゃん。
 危ない事に巻き込まれたくないので、魔法使いとかはスルーします。
 自分は何も聞いてません。
 あと、花畑の事は、なのはちゃんも知らなかったみたい。
 でも

「……さか、フェ……ゃん?」

 犯人に心当たりがあるようです。
 顔色が青くなってるけど、すっごく親しい友達とか?

「なのはちゃん。
 諦めたら、そこで試合終了ですよ。
 でも、姉さん相手だと、諦めなくても試合終了です」

 試合時間が長くなるか、短くなるかの違いだけです。

「なのぉぉぉぉぉ!?」

「素直に姉さんに白状した方が良いよ。
 後で発覚するより、自己申告した方が、多少手心を加えてくれる」

 実体験済みだし。
 まあ、なのはちゃんの友達だから、たぶん同い年だよね?
 だったら肉体言語は……あんまり無いと思う。
 拳骨1発と説教で終わりかな、初犯だと。

「1人で行きにくいなら、自分もついて行くよ」

 犯人が見つからないままだと、自分がストレス発散に巻き込まれる可能性が高い事は、なのはちゃんには内緒です。




某月某日

 花畑荒らしの犯人、レヴィちゃんの実の妹でした。
 姉妹そろって、姉さんの花畑を荒らすって……凄く度胸があると思います。
 あと、なのはちゃんに聞く所によると

・妹のフェイトちゃんにそげぶして、友達になった。
・フェイトちゃんは、すぐに連絡が取れる場所にいない。
・ビデオメールのやり取りは可能。
・お母さんが亡くなった。
・実家崩壊?

 簡単にまとめると、以上。
 魔法とか宝石とかには、一切触れられていませんし、聞きたくもありません。

「今度、なのはちゃんがビデオメール送るときには、レヴィちゃんも呼んでね」

 花畑を世話してるので、今日は無理だけど。




某月某日

 机の上に、昔見た事がある紙が1枚。

 "リリカルなのは完"

「はいっ!?」

 タイトル?的には、なのはちゃんが主役?
 って事は、家のメンバーってモブか。
 姉さんは、ゲストキャラ的な何かだと思うから最初っから期待してなかったけど、弟君は主役級の何かだと思ってたけど、違ってました。
 弟君に仕込んだ、そげぶが無駄になりました。 
 まあ、安全が保証されたって認識で良いでしょう。

「自分、大きくなったはやてちゃんと結婚するんだ」

 でも、おっぱいはちっぱいでお願いします。
 レヴィちゃんは理不尽なくらい大きくなりそうな気がするので……アホの子だし。




[32579] その2
Name: むだーい◆df05c8c0 ID:e71e6f09
Date: 2012/04/07 21:32
某月某日

 自室の机の上に、女性物の下着が積んであった。

「レヴィちゃんのか」

 レヴィちゃんの下着類は、凄く分かりやすい。
 一緒に買いに行ったので見覚えがあるのもあるし、なにより

「――名前書くのは良いんだけど、名前以外は書かない方が良いと思う」

 例えば"レヴィ"、例えば"雷刃"、例えば"さいきょー"、例えば"サンダー"、例えば"カレー"、例えば"バルニフィカス"……など、一部抜粋。
 女性用の下着類に、何か書かれてたらレヴィちゃんの物と言う認識で大体あってる。
 とりあえず綺麗にたたんで、何故かあるレヴィちゃん用のタンスに収納。
 やっぱりタンス置く場所、凄く間違ってる思う。

「ミッションコンプリート」




某月某日

 自室の机の上に、女性物の下着が数枚ならんでた。

「……姉さん?」

 レヴィちゃんのは分かりやすい。
 残りの白、黒、ピンクは誰の?
 凄く嫌な予感がします。
 白の奴だけ他のと違うから……姉さんの?
 何気に高そうだし、やっぱりブルジョアは違うのか。

「ん?
 メモ紙?」

 筆ペンで書かれてるから、姉さんか。
 筆ペンが好きって言うより、ボールペンとか鉛筆とかが嫌いなんだよね。
 んで、えっと……なになに。

「私とはやて、なのはに下僕。
 一番欲しいのは、誰の?
 正直に答えよ」

 やっぱ白は姉さ――って、黒がはやてちゃん!?
 あと、なのはちゃんのって、どこから調達したの?

「よし、決めた。
 まだ死にたくないから」

 えっと、レヴィちゃんのはいつも通りタンスに収納。
 残りはレヴィちゃんに持って行って貰おう。
 大丈夫、自分は全く触れてないから。

「レヴィちゃん、ここに小さい紙袋あるから、1つ1つ分けて入れてね。
 あと、たたみ方はレヴィちゃんので手本を見せるから、頑張ってね。
 上手くできたら、翠屋にケーキ食べに行こうか?」

 なのはちゃんのを返しに。
 ついでに3秒ルールなら、触ってもギリギリOKかなって思ったけど、念には念を入れます。
 あと、店員割引きが効くんで、よその店に行くより割安。
 なにより美味しいから。
 やっぱり、甘い物は正義。
 辛い物は人類の敵です。
 カレーの辛口は、存在自体許せません。




某月某日

 ちょっと疑問に思ってた事を聞いてみた。

「レヴィちゃん。
 なんで、なのはちゃんは桃色なの?」

 弟君が銀色なのは、髪の色からきてるのはわかった。
 でも、なのはちゃんは茶色だよ。

「桃子おねーさんの子供だから桃色」

 ……本人、全く関係無かった。
 親子だから無関係とは言えないけど、やっぱり微妙だ。

「あと、下着が桃色だった」

 姉さんの悪戯の時もだけど、忘れた方が良いよね?




某月某日

 近所のおばさんから、最近花畑の花達がちょっと騒がしいと噂になってると聞いた。
 ……"花畑"の"花達"が?
 いやいや、姉さんが風見幽香だとしても、一応人間です。
 ~程度の能力なんて持ってるなんて、聞いた事ないし、見た事もない。
 弾幕ごっこなんて、やってません。

「ああ、その噂ね。
 最近、花達がゲラゲラと笑うようになったのよ。
 私も理由は知らないけど。
 でも、花達が楽しそうなのは、とても良い事よ」

 ……えっ?
 笑う?
 音に反応する玩具の花を植えたわけじゃないよね?

「近所迷惑はいけない事だから、早朝と深夜は静かにするように言い聞かせるわ」

 言い聞かせる?

「なにそれ、怖い」

 ここ日本、幻想郷と違います。
 ⑨っぽい魔法使いなレヴィちゃんは存在するけど、種族魔法使いとは違うって本人から聞いてる。

「とりあえず、聞かなかった方向で」




某月某日

 最近、車椅子が2台に増えました。
 1台は、はやてちゃん専用機。
 もう1台は、最近足を自爆した弟君のレンタル品。
 疑似超加速を教えてほしいと、かなり前から頼み込んで両親と死亡フラグ候補達を説得……一応許可は貰えた。
 失敗する事前提の。
 才能あっても、体作りが出来きってないため、無理だろうとの事。

「ああ、なんと言う事でしょう。
 目の前で消えたと思った次の瞬間、道場の壁に激突してました」

 いくら死亡フラグ候補でも、小学生で疑似超加速は無理でしょう。
 マスターや、恭也君も予想通りの結果だったので、応急処置の準備は万全でした。
 変な色した……あきらかに飲んだら悪影響ある飲み薬と、同じような色の塗り薬をその場で処置してから、病院まで搬送。

「後で聞いた話だけど、病院に主治医も待機済み。
 本業、喫茶店のマスターじゃなかったのかな、死亡フラグ候補のマスター。
 "病院に主治医"ってなにさ?
 医者を待機させるほど、顔が利くのか?
 あと蛇足、個人的に凄く好みなお医者さんだった矢沢先生」

 今度、個人的に紹介してくれないかな?
 姉さんとはやてちゃんに内緒で。

「銀色銀色!!
 僕にもそれかして。
 はやてと競争するから」

「僕、車椅子がないと動けないんだけど」

「ちょっとだけ借りるだけだから」

 競争でどこまで行くのか知らないけど、"ちょっと"ですまないと思う。

「師匠の花畑を先に1週した方が勝ちにするから、そんなに時間もかからないってば」

 慣れない車椅子、花畑に頭から突っ込むレヴィちゃんの姿……簡単に想像出来るのは気のせいか?

「レンタル品で、私の専用機に勝てると思ってるの?
 あと、お姉様に怒られる心の準備は万全か?」

「専用機じゃなくったって、僕が勝つ!!
 強いぞ凄いぞ、カッコイイ!!
 あと、花畑に被害がいかないから、怒られる事はないよ」

 それ、無理だから。
 汚れるのは良いけど、壊さないようにね。

「で、予想通りの結果になりました、まる」




某月某日

 はやてちゃんの誕生日まで、あと1日。
 プレゼントは別に用意したけど、新鮮な食材を自前で用意しようと思い、人数を集めて夜釣りに来ました。

「番号」

「いちー!!」

「に」

「さん」

「し」

 よし、全員そろってる。
 自分に、レヴィちゃん、弟君(車椅子)、恭也君(死亡フラグ候補)、マスター(死亡フラグ候補)。

「戦力に不足は無い。
 とりあえず、レヴィちゃんと弟君は、自分と一緒に近場で釣ります」

 暫くしたら飽きるか、眠くなると思うんで、車に避難させますけど。

「恭也君とマスターは、怪我しない範囲で頑張って下さい。
 あと、大物釣れたら明日用でお願いしますね」

「ああ、了解してる。
 誕生会にはなのはもお邪魔するから、恭也に運ばせる」

「荷物も含めて、車の鍵は自分が持ってるんで」

 車はマスターのだけど。
 自分達が近場で、マスターはちょっと危険な場所。

「しばらくしたら夜食というか、簡単な鍋物を作るんで、その時には1度中断お願いしますね。
 一応、1個か2個位、おにぎり持って行きます?
 鍋作りは、レヴィちゃんのお腹の空き具合になるんですけど」

「じゃあ、俺と恭也で1つづつ持って行く」

「はい。
 あと、魔法瓶はコーヒー入りで良いですか?
 温かいのだと、コーヒーか紅茶になりますけど」

 冷たいのだと、ペットボトルで数種類あり。
 レヴィちゃんが選んだジュースとお茶など。

「コーヒーで」

「じゃあ、一時解散って事で」

 釣りの成果はマスター達に任せて、こっちは数匹釣れれば十分かな。
 弟君は車椅子だから、基本的には無理はさせない。
 レヴィちゃんは少しでも楽しめれば問題ないと思うし、夜食作りでぷちキャンプ気分を味わって貰えばいいか。

「そう言えば、ちょっと前から思ってたんだけど。
 自分ってレヴィちゃんに凄く甘くない?」

 下手したら、はやてちゃん以上に。

「今さら?」

 弟君も、そう思ってたのか。
 結論、やっぱり⑨は可愛いです。




某月某日

 釣りが終わり、朝方に帰ってきたけど……女性2人、少女1人、犬1匹が増えてました。
 とりあえず、誕生日会に姉さんは欠席して、増えた人達と肉体言語でお話し合いをするとの事。
 詳しい話は後だけど、はやてちゃんの言う事には従うみたいです。
 闇の書がどうのこうの言ってたけど、どゆこと?
 急な話で、自分とか全くついて行けてないけど、今日の誕生日会は大丈夫なのか、凄く不安です。




 結果を言えば、全く問題は起きませんでした。
 つーか、不審者集団がいなかったから。
 よく分からんけど、人がいない場所に移動して、ピンクのおっぱいさんと有意義なお話し合いが長時間にわたって続いたそうです。
 なのはちゃんとかが帰った後に、姉さん達は戻って来たけど……姉さんの表情がヤバイ。
 どれだけ有意義な話し合いだったのか知らんが、恍惚な表情って表現であってるのかわかんないけど、非常にエロイ。
 スッキリした姉さんは別にして、自分に対する説明は、また後日。

「色々と疲れました。
 ぶっちゃげ、赤毛の少女が可愛かったけど、新たな死亡フラグ候補の出現とか言わないよね?」

 凄く機械チックな剣とハンマーが見えたけど……気のせいだよね?



[32579] その3
Name: むだーい◆df05c8c0 ID:e71e6f09
Date: 2012/04/10 21:25
某月某日

 青い空、白い砂浜……対峙するピンクおっぱい剣士。
 そして、姉さんの特注日傘を無理矢理握らせられてる自分。
 注意しておきますが、重すぎるので持ってません。
 握っているだけです。
 正確には、姉さんが砂浜に日傘を刺して、自分が握ってるだけ。

「姉さん、直接的、または遠回しじゃなくて、間接的な死刑でしょうか?」

 直接的なら、姉さんが直接手を下す。
 遠回しなら、はやてちゃんが手を下す。

「シグナムってのが、坊やの腕前を見たいそうよ」

「……姉さんと普通に戦える人と、戦えと?」

「大丈夫。
 死にそうになったら、私に助けを求めなさい。
 素晴らしく美しいお姉様、この犬をお助け下さい。
 って」

「――素晴らしく美しいお姉様、この犬をお助け下さい!!」

「兄ちゃん早すぎ!!
 まだ、始まってもいないよ」

 始まった瞬間死んでしまう。
 つーか、おっぱいさんの剣ってなに?
 メカメカしいと言うか……それ以前に、真剣って犯罪じゃないの?
 姉さんと違うから、普通の人間は切られたら死んでしまう。

「無理。
 絶対に無理!!
 自分、ノーと言える日本人です」

「坊や。
 つべこべ言わず、戦え。
 助けを呼ぶのは、その後よ」

「……はい」

「弱っ!!
 兄ちゃん、弱すぎ」

 ノーと言えるけど、長いものには巻かれろって……昔の偉い人が言ってたと思います。
 自分では、姉さんには逆らえません。
 はやてちゃんが味方してくれれば、なんとかなると思うんだけど。
 姉さん、はやてちゃんには凄く甘いし。
 でも、今回は無理っぽい。
 はやてちゃんも、なんだか楽しそうにしてるし。

「よしっ。
 少しだけ頑張ってみますか!!」




 無理でした。
 ってか、砂浜じゃまともに動けません。
 動こうと思っても、砂に足を取られますし、おっぱいさんは砂に関係無く動いてるし……真剣っぽいけど切れてないし。
 とりあえず、誰か手当よろしく。




某月某日

 先日の負傷が響いて、療養なう。
 今日の翠屋のバイトは、責任を取っておっぱいさん……シグナムさんに行って貰いました。
 お客さん達の反応が凄かったらしいです。
 あと、数日位は行かせる事にしましょう。
 んで、はやてちゃんに説得して貰って、正式にバイトして貰おう。

「あのー、魔法使いなら回復魔法とか使えないんでしょうか?」

 ケアルとか、ホイミとか、ヒールとか、ディアとか。
 あっ、僧侶じゃないと使えないオチとか?

「シャマルが使える言うてたけど、私がパスしといた」

 シャマル=金髪おっぱいさん。

「えっ?
 なんで」

「私が、兄ちゃんの看病をしたかったからや」

 看病って言っても、あんまりやる事が無いと思うけど。
 ベットから動けないわけじゃないから、基本自分でやれるし……塗り薬を背中に塗る場合に手伝いが必要な位かな。
 楽しそうだし、まあ良いか。

「僕もお兄ちゃんと一緒に寝る!!」

「げふっ!?」

 凄い勢いでドアを開け放ち、そのまま自分のベットに突撃してきた⑨。
 すみません。
 飛びかかられると、めっさ痛いんですが。
 つーか、涙出てません?

「じゃあ、はやて。
 おやすみ」

「フェイトちゃん、なにやってんの!?
 兄ちゃんは怪我人なんよ」

「ん?
 だから一緒に寝るの」

「いや、だから」

「僕とか、はやてが風邪ひいた時。
 お兄ちゃんは一緒にいてくれたよ。
 僕は夜遅くまで起きれないから、だから一緒に寝るの」

 まあ、病気の子達を放置とかできんわな。
 病院に連れて行って、寝るまで近くにいる位だよな、自分が出来るのって。
 体拭いたりが必要になると、姉さんとか母親に頼むんだけどね。
 年齢的に……ってか、看護目的だから気にならないと言えば気にならないんだけど、姉さんの目が怖いんで。

「ぬくぬくー」

「……まあええわ。
 しょせん、フェイトちゃんやし。
 お姉様が味方にいる私の方が有利や」

 ……最近の子供って、成熟過ぎない?
 やっぱり、前にも思ったことあるけど、少女漫画って大丈夫?
 いや、自分でも買い集めてる奴があるから、全否定は出来ん。




某月某日

「お兄ちゃん。
 僕も料理がしたい」

「おやつにホットケーキ作ろうか?」

 この子に包丁は危ないです。
 絶対に指を怪我すると予想出来ます。

「おやつじゃなくて、僕も晩ご飯のお手伝いをするの」

「お皿を並べたり、お手伝いしてるよ」

「むー。
 お手伝いでも、料理がしたいの」

 さて、どうする?

「テレフォンで、はやてちゃんに」

 隣にいるけど。

「兄ちゃん、ガンバ」

「フィ、フィフティ・フィフティ」

「A:私のお願いで兄ちゃんが頑張る。
 D:お姉様命令で兄ちゃんが頑張る」

 ……なにか、良い方法は。

「あっ、レヴィちゃん。
 料理って、何でもいいんだよね?
 晩ご飯に並ぶのなら」

「うん。
 僕が作って、赤毛より凄い所を見せてやるんだ」

 赤毛=ヴィータちゃんね。

「じゃあ、明日1品準備しようか。
 材料は買ってくるから」

「うん」

 さて、1品作れれば何でもOKだよね?




某月某日

 材料調達完了。
 スーパーで売ってる、千切りキャベツ。
 意外と人数がいるから、5袋位買いました。
 本当なら、キャベツ1玉買った方が安いんだけど、刃物は使いたくないんで妥協しました。

「まずは、袋から出して水洗い」

「ごしごし~♪」

 よし、本人が楽しそうだから問題なさそう。

「軽く水洗いが終わったら、水をきります。
 で、この大皿に盛ってね」

 まあ、山盛りになるわな。

「ドレッシングだけど、自作します。
 個人的な趣味で。
 レヴィちゃん、材料の確認」

「オリーブオイル。
 リンゴ酢。
 お塩。
 バジルペースト」

 バルサミコ酢は、1度使ってみたけど、微妙だったんでずっと保管してます。
 リンゴ酢良いよね。
 薄めて飲んでも良いし、ドレッシングに使えるし。

「作り方は簡単。
 オリーブオイルとリンゴ酢を、大体1:1でブレンド。
 塩は少々、バジルペーストは小さじ1位で十分過ぎる。
 全部を良く混ぜ合わせれば、完成」

 バジルは入れなくても良いけど、バジルペーストってあんまり減らないんだよね。
 あと、作るのがメンドイ時は、マヨネーズで食べれば良いんでないの。

「出来た!!」

 キャベツのサラダ完成。
 今回は、これで勘弁して下さい。




[32579] その4
Name: むだーい◆df05c8c0 ID:e71e6f09
Date: 2012/04/15 20:53
某月某日

「お兄ちゃん。
 僕もペットが欲しい」

「急に何で?」

「だって、みんなペットがいるもん。
 はやてには、ザッフィー。
 桃色には、オジョコ。
 フェイトには、アルフ。
 師匠には、お兄ちゃん」

 ……え?
 自分って、ペット枠なの?
 レヴィちゃんの中では。

「家でペット飼うのは問題ないんだけど。
 個人的には、ペットは飼いたくないかな」

 つーか、動物の命の保証が出来ん。
 犬とかだと、トイレの躾とか散歩とかな……あと、外泊とか旅行とかも行きにくいし。
 だって、家にいない間は放置になるでしょ、基本。
 流石にそれはね。
 知り合いに預けるって考えもあるけど、毎回毎回預かってくれるのか、その知り合いに迷惑をかけないのかが気になる。

「はやてちゃんにお願いして、一緒にザフィーラの世話をするのはどう?
 時々、お散歩も代わって貰ったりしてさ」

「わかった。
 はやてに言って、ザッフィーを貰ってくる」

 理解していない事を理解した。
 はやてちゃんが、理解してくれる事を祈る。




某月某日

 平穏なう。




某月某日

 レヴィちゃんが、少女から大人の女性に急成長した。
 ポルポルマジックを受けた感じだが……魔法万歳らしい。

「凄いね、人体。
 じゃなくて、魔法」

 見た目は大人だが、中身は⑨。
 レヴィちゃんだと頭では理解しているんだが、いつもと同じように抱きついてこられると、ちょっと厳しい。
 姉さん相手で、ある程度の耐性はあると信じているが……⑨の行動力は侮れん。

「ところで、なんで大人の姿になってるの?」

「面白い魔法が登録されてないか、バルニフィカスの中を検索してみたら、変身制御の魔法が出てきたの。
 いつもより目線が高いし、おっぱいも大きくなってるの」

 目の前で、寄せてあげてとか……自分の意志力に対する挑戦か!?
 だが、自分はやられはせんぞ!!
 なにより、姉さん……と、はやてちゃんが怖いから。
 正確には、はやてちゃんの自称騎士の皆さん達の武力が怖い。
 騎士って、王様や領主などから任命されて、始めて名乗れるんだと思います。
 なにより、自分が知ってる限り、主扱いのはやてちゃんは任命式を行っていません。
 つまり、何が言いたいかというと……いい加減、レヴィちゃんにツッコミいれた方が良いのかな?

「変身制御の魔法は、十分堪能したでしょ。
 いつものレヴィちゃんに戻ろうか」

「えー。
 まだ、はやてにも見せてないのに」

 はやてちゃんに見せて、何するき?
 胸部マッサージでもやるの?

「そだ、お兄ちゃん。
 せっかくだから、遊びに行こう」

 赤い扉を選ぶんじゃないの?
 自分、あのゲーム好きですよ。
 わざわざ、ガンコン2つ買って、2丁銃の練習したし。

「じゃなくて!!
 遊びって、その姿で?」

「うん、そうだよ」

「いつもの姿で良いんじゃないの?」

「駄目。
 大人バージョンで遊びに行くの。
 行って見たい所もあるし」

 ……凄く嫌な予感が。

「山の方にある、ライトアップされた建物は、大人にならないと行っちゃいけないって師匠が言ってた。
 でも何があるか教えてくれなかったから、大人バージョンの今日、行ってみたい」

 アウト。
 絶対にアウト。

「ライトアップされるのは夜だし、レヴィちゃんの夜の外出は駄目だって約束したよね」

 ビデオレンタルとか、お菓子の買い出しなど、自分か姉さんの付き添い有りだと可。

「その建物の事は、姉さんに聞くとして。
 ゲーセンにでも行こうか?」

 流石にはやてちゃんに丸投げはできんしな。
 お願いだから、投げ返してこないでね。

「うん、いくー!!」




某月某日

 今日は、はやてちゃんが大人に急成長してた。
 すっごい好みで、対応に困った。
 特にスカートが短い上に車椅子だから、ちょっち目のやり場に困ります……気合い入れれば見えそうなので。
 でも、10分位で効果が切れたんで、凄く助かりました。

「ち、ちょっ!?
 フェイトちゃん、もうちょっと気合い入れて頑張ってな!!」

「僕自身なら兎も角、他の人に変身制御の魔法使うのって、凄く面倒なんだよ。
 これでも頑張ったんだから、ちゃんと後でお菓子頂戴ね」

「でもでも、本当にもうちょっとやったんよ。
 フェイトちゃんがもうちょっと頑張ってくれれば、兄ちゃんがあの漫画みたいな行動取ってくれると思ったのに」

 少女漫画みたいな行動って……この場合、強引に唇を奪えと?
 覗こうか覗かないかの葛藤はあったけど、そっちの考えはありませんでした。
 レヴィちゃんが隣にいるのに、強引に唇を奪うって、教育に悪いです。

「お菓子頂戴」

「もう1回、もう1回や。
 今度こそ、やってやるんや」

 ……そう言うのは、対象人物がいない所で口に出そうね。

「だから、おーかーしー」




某月某日

 今日も今日とて変身制御の魔法。
 姉さん、特に変化無し。

「まあ、そりゃあね。
 たかだか数年単位で、姉さんの見た目が変化するわけがない」

 実際の所は、数十年単位で変化しないと思うけど。
 バイト先のパティシエ、桃子さんという前例があるし。




某月某日

 今日は弟君が成長しました。
 なに、このイケメン。
 本当に自分と……ってか、同じ父親と母親の遺伝子を受け継いでいるのか不安になった。




某月某日

 そろそろ良い時間だ。

「レヴィちゃん、買い物に出かけるよ」

「はーい。
 じゃあね、はやてに赤毛。
 僕、お出かけの準備があるから」

 2階にある、自分の部屋で外出の準備を……って、やっぱりおかしくない?
 レヴィちゃんの洋服ダンスが自分の部屋にあるって。
 ちなみに、この"自分の部屋"ってのは、レヴィちゃんの部屋って意味じゃないからね。

「なあ、はやて。
 なんで、あいつは買い物について行くんだ。
 あいつの性格からすると、買い物に行くより遊ぶ方を選びそうなんだけど」

「まあ、フェイトちゃんなら遊ぶ方を選ぶやろうな、普通なら。
 ぶっちゃげると、兄ちゃんと一緒に買い物に行くと、1つだけ好きなのを買ってくれるんや。
 高いのは駄目やけど」

 高くても、200円までのお菓子だけどね。

「1つだけ?」

「そう。
 お菓子でも、アイスでもOKや。
 ヴィータの場合だと、アイスかな」

「アイス。
 はやて、あたしもついて行って良いか?」

「行っておいで。
 でも、兄ちゃんに迷惑かけちゃ駄目よ」

「わかった」

 ……釣れた?
 1つだけ買ってあげる攻撃で、⑨以外も釣れるんだ。

「お兄ちゃん、準備出来たよ」

「今日は、ヴィータちゃんも一緒に行くみたいだから、ちょっとだけ待ってね。
 ヴィータちゃん、準備が出来たら声かけてね」

「……あたしは準備なんて必要無いぞ」

 まあ、今は夏だから、特に準備は必要無いのかな?
 レヴィちゃんも、Tシャツの上に薄手の服を追加するだけだし。

「じゃあ、晩ご飯の買い出しに出かけようか。
 今日は、餃子の12個+2の奴が安いから、メインを餃子にしよう。
 あとは、サラダ用に野菜と……残りは、お店に行ってから決めよう」

「僕、お肉が良い」

 豚バラブロックって広告出てたっけ?
 または、豚ロースかたまり。
 紅茶豚とか、紅茶の茶葉を使った燻製とか、煮豚用のだし買ってきてでも……安いのがあれば良いな。





[32579] その5
Name: むだーい◆df05c8c0 ID:e71e6f09
Date: 2012/04/21 06:59
某月某日

 理由はよく分からないが、お料理教室が勃発。
 参加者全員で1つのカレーを作り、個別に隠し味を投入。
 それ、なんて闇鍋?
 先攻、はやてちゃんは、パイナップル。

「まあ、定番だよね」

 姉さんは、ひまわりの種。

「隠し味?
 ……許しましょう」

 ヴィータちゃんは、アイス。

「チョコレートの代わりと思えば、なんとかなるかな。
 チョコ味だし」

 レヴィちゃんは、お煎餅。

「……ま、まあ。
 カレー煎餅を思い出したのだろう。
 出来れば、ポン菓子とかにして欲しかったな」

 ザラメの煎餅は好きだけど、カレーに混ぜる物では無いと思う。
 シャマルさんは、大量のカレールー。

「カレーにカレーを追加して、何がしたかったのだろうか?
 濃い味作りか」

 シグナムさんは、おっぱい剣士。
 ヴィータちゃんは、幼女。
 シャマルさんは……うっかりならぬ、やっぱり?

「とりあえず、はやてちゃんが何とかしてくれました」

 作ったカレーは、スタッフが美味しく頂きました。




某月某日

 働きたくないでゴザルの人だと思っていたシグナムさん。
 いつの間にか、アルバイトを始めてました。
 シャマルさんと同じように、翠屋に強制連行しようと計画していただけに……凄く残念です。

「剣道場で、子供達に稽古をつける、ね」

 マスターか、恭也君の紹介かな。
 シグナムさんは、たまに弟君と一緒に高町家の道場まで足を運んでるって聞いてますから。

「言っちゃ悪いけど、シグナムさんって人に教える事って出来るのかな?」

 ちょっと前、弟君がシグナムさんに剣の極意?について質問しているのを横で聞いていたのですが……本当に大丈夫?
 ただ一言、近づいて斬れ。
 いや、その斬り方を聞きたかったんだと思うんだけどな、自分。




某月某日

 翠屋に強制連行して、アルバイトを始めさせたシャマルさん。
 休憩時間を利用して、お茶を飲みに来たご近所さん達と楽しそうに会話をしてる。

「家事手伝いから強制ジョブチェンジさせて、正解でしたね」

 はやてちゃんからの助力もあり、強制連行から逃げようとしなかったので、連れてくるのが楽だったのが良いね。
 家計も助かるし、シャマルさんも楽しそうだし、良い事するって気持ちいいね。

「でも、ご近所さん達って、みんな主婦だよね?
 シャマルさんが混じっても、全く違和感が無い孔明の罠」

 司馬懿仲達もビックリですよ。




某月某日

 何回目か忘れたけど、レヴィちゃん向けのお料理教室開催。
 今日の参加者は、レヴィちゃんとなのはちゃん。

「今日はカツ丼を作ります。
 レヴィちゃん、材料の確認」

「はーい。
 スーパーのお総菜で買ってきたとんかつ。
 タマネギ。
 卵。
 カツ丼用の出汁。
 白ご飯。
 あと、ジャンボカツ」

「最後のは必要無いです。
 おやつは、後でスタッフが美味しく頂きます」

 スタッフ=レヴィちゃん。

「じゃあ、レヴィちゃんは卵をといて、フライパンを温めようね。
 なのはちゃんは、とんかつとタマネギを切ろうか」

 火を使うので、すぐにサポート出来る位置で待機します。

「お兄ちゃん、僕も包丁使いたい」

「まだ危ない」

 両手で持ったり、逆手に持ったり、肩に担いだり……それらの事を止めてからにしようね。
 レヴィちゃん本人もだけど、周りの人が危ないです。

「なのはちゃんは、お家でもお手伝いしてるって聞いてるから、包丁は大丈夫だよね?」

「はい、大丈夫です。
 時々ですけど、お母さんと一緒にお料理してますから」

 はやてちゃんと比べると可哀想だけど、年齢の割には上手に包丁を使っていると思う。
 あとレヴィちゃん、包丁を使っている人に対して無造作に近づくと危ないよ。

「なのはちゃんは材料を切り終わったし、レヴィちゃんの準備も出来た。
 じゃあ、作ろうか。
 最初はどっちからやる?」

「僕僕!!
 僕が最初!!
 ぜーーーーったいに僕が作る!!
 良いよね、桃色」

「う、うん。
 私は後で良いよ」

 まあ、妥当かな。

「最初にタマネギを、続けてお出汁をフライパンに投入」

 ぐつぐつ煮えるまで、しばし待つ。

「次に、とんかつを入れます。
 最後に溶き卵を円を描くように加える。
 そしたら、弱火に変えて、ふたをします」

 まあ、1分位まてば十分でしょう。

「レヴィちゃん、ふたを開けて良いよ」

「おおっ!?
 出来てる」

「フライパンから、ご飯の上に移動させたら完成。
 熱いから、火傷しないように十分気をつけてね」

「よいしょ、よいしょ。
 いえーーい、カツ丼の完成だ。
 流石僕。
 強いぞ、凄いぞ、カッコイイ!!」

 強さは関係無いと思う。

「次は、なのはちゃんね。
 フライパンはキッチングペーパーで軽く拭いてから、今と同じように作ってみようか」

「はい」

 なのはちゃんも、なんの問題もなくカツ丼が完成した。
 ただ、なのはちゃんの分が完成したときには、レヴィちゃんのカツ丼は半分くらいになってた……謎だ。




某月某日

 暇だったから、との理由でレヴィちゃんとなのはちゃんが戦いだした。
 正確には、レヴィちゃんが戦いを挑んで、なのはちゃんがOKした。

「この空間内なら、周りに被害が出ないって聞いてるけど……魔法って暴力だね」

 レヴィちゃんは、剣で斬りかかったり、雷属性の矢を撃ちまくってる。
 なのはちゃんは、ピンクの弾丸と砲撃で迎撃してる。

「魔法使いの子供で、これか。
 大人の魔法使いだと、リアルバーン様が出来るのかな?」

 メラゾーマ?
 違う、これは余のメラだ。
 とか。

「高い所が苦手だからなのかもしれないが、あの高さから落ちちゃったりしないのかな?
 姉さんなら兎も角、自分じゃ受け止めきれないよ」

 あとさ。
 レヴィちゃんは、スパッツ……ってかピッチリタイツだから、まだマシだけど。
 なのはちゃんは、スカートで飛び回るのはどうかと思う。
 絶対領域が存在するのは、漫画やアニメ、姉さんだけです。

「あっ。
 丸っこい輪っかで、レヴィちゃんが磔になった」

 そして、目の前ですっごいエネルギーを溜めだしたなのはちゃん。
 そう、目の前で……とても大切な事なので繰り返しました。

「うわー、流石にあれは恐怖だよね。
 レヴィちゃん、凄く暴れてるけど、抜け出せてないし。
 ……あっ」

 かめはめ波?
 レヴィちゃん、かめはめ波の中に消えていった感じに見えるんだけど。
 砲撃が終わった後、レヴィちゃん、存在するよね?

「あっ、タイツがボロボロだけど、生きてた」

 別の意味で、魔法って凄い。
 服だけボロボロに出来るなんて。




某月某日

 緊急事態発生、はやてちゃんが倒れました。
 救急車を呼ぼうと119番に電話しようとしたのですが……姉さんが、はやてちゃんを背負って走り出した。

「あれ?」

 ついでに、自称騎士達とペットの犬も追跡開始。

「とりあえず、病院に連絡だけ入れよう。
 その後、みんなを追いかけようか」

「うん」

 昼前だし、コンビニかスーパーで、おにぎりorサンドイッチを買っていきましょう。
 まあなんと言いますか、はやてちゃんが倒れて凄く焦ったけど、姉さん達の行動を見て冷静になれました。





[32579] その6
Name: むだーい◆df05c8c0 ID:e71e6f09
Date: 2012/04/22 22:26
某月某日

 緊急家族会議(はやてちゃん除く)開催。
 自称騎士達から、はやてちゃんが倒れた原因を聞きました。
 なんと言いますか、凄く頭の痛い内容です。

「あの、なんです。
 その中二病設定?」

 シグナムさん達から聞いた話を簡単にまとめると。
 曰く、転生機能に無限再生機能が、今ならなんと……セットで付いて凄くお買い得です。
 曰く、本は白紙だから、魔力蒐集してページを埋て、自分だけの本を完成させてよね。
 曰く、ページは666あるよ、ヨハネの黙示録にも載ってる有名な数字だよ、凄いね。
 曰く、全ページ埋めたら凄い力が手に入るよ、ゆっくり集めてね。
 曰く、でも、ゆっくりし過ぎると浸食しちゃうから、何事にもほどほどが一番だね。
 曰く、浸食されている間は、「くぅぅぅっ、静まれ封印された俺の右腕よ」が、ガチで体験出来るよ、やったねはやてちゃん。
 曰く、人間や動物、魔獣などの魔力ある存在を狩れば効率が良いんだよ、公式設定だから仕方がないんだよ。
 曰く、人間から収集したら、何と魔法がコピー出来るよ、それ何て写輪眼。
 曰く、ついでだけど、本は"闇の書"って言うカッコイイ名前。
 曰く、ぼっちでも大丈夫、自称騎士達を召喚出来る凄い機能もこっそり内蔵、やったね。

「つかさ、ページ埋めたらアウトじゃない?」

 上の設定から言うと、封印された大魔王とか堕天使とか、または自己中の神様が解放されて、強制バトルイベントが発動するよね?
 逃走不可能な。

「なっ!?
 何を言っているのです!!
 いくら兄上殿とは言え」

「――私も、坊やの意見に賛成だわ」

「幽香殿?」

 姉さんも同じ意見か。

「凄い力が手に入る?
 何言ってるのよ、力はそんな簡単には手に入らないのよ。
 それにね、そんな力がはやてちゃんに宿ったらどうするのよ!!
 私に……はやてちゃんを殴れとでも言うの?」

 えっ!?
 姉さんの問題は、そっち?
 凄い力が手に入った -> それでは戦闘だ。
 戦闘 -> 一方的に殴る。
 はやてちゃんが強くなった -> 可愛い妹なので殴れない -> むしろ殴ろうとした奴を肉体言語で説教する。
 結論、凄い力を体感出来ない。

「いやいや。
 姉さんの気持ちは置いといて、問題ははやてちゃんだよ。
 シグナムさん達の召喚機能は凄いと思うけど、その他は駄目駄目じゃない?
 ぶっちゃげ、どっかのゲームや漫画の設定を詰め込んだだけに聞こえる。
 しかも、最後には暴走する」

「だから、私にはやてちゃんを殴れとでも言ってるの?」

「なんで、ページ埋める事が前提なの?」

「凄い力なのよ。
 最近暇だから、ちょっと本格的な運動したいのよ」

 ……駄目だ、何とかしないと。
 姉さんの不満を解消しつつ、中二病設定の対策を考えないと。

「収集開始!!」

「話理解していないのが、もう1人いたの忘れてた!!」

 振り返ると、レヴィちゃんが自身を対象に収集を行い、ページを埋めてた。

「レヴィちゃん、お兄ちゃんの話、聞いてた?」

「でも、収集しないと、はやてが苦しいんだよね?」

「……うっ」

 うん、問題はそこ。
 中二病設定の中に、浸食するって言う大問題が存在する。

「苦しかったけど。
 はやて、ちょっとは良くなるんだよね、これで」

「シグナムさん達から聞いた設定だと、浸食する速度は落ちると思う」

 浸食速度0にはならないけど。

「でも、どうするの?
 人間でも、動物でも、襲ったりするとはやてちゃん怒るよ」

「主はやてには迷惑をかけない。
 全て我々の判断で行うのだから」

「アウト。
 その設定だと、シグナムさん達って闇の書の一部って事でしょ?
 信じられないけど。
 道具に問題があるんじゃなくて、その持ち主に問題があるって考えるのが普通じゃないの。
 たとえば包丁。
 普段料理に使うけど……包丁使っての殺傷事件とかあるんだよ。
 その場合、包丁が悪いの?
 悪いのは、その持ち主でしょ」

 シグナムさん達も生きてるけど、本人達は闇の書から生まれたプログラムだって言ってる。
 つまり、自分達は刑事責任能力が無いって宣言してると同じだし。
 イコール、人間や動物襲ったら、はやてちゃんが問題って事になります。

「そう言う事なので、襲撃は絶対にNO。
 例え姉さんでも、この決定にはしたがって貰います。
 と言うか、はやてちゃんを前科持ちにしたいの?」

「だ、だがっ!!」

「――設定に穴が無いか、粗探しするしかないでしょう。
 今のところ」

 漫画であれアニメであれ、または小説であれ……絶対ラスボスが出てくるに決まってる。
 何度も繰り返すが、ラスボスは出てくる。
 あの設定で、最後には何もないよ信じて、僕悪いスライムじゃないよ……って、信じられるか!!

「じゃあ、僕がこの本預かるね。
 お兄ちゃん、襲わなければ良いんでしょ?」

「凄く不安だが……他の人が持つより良いのかな?」

 自称騎士達は論外。
 姉さんも危険。
 自分は、魔法の事が全く分からん。
 ……あれ、最初っから選択肢が無い?

「レヴィちゃん。
 絶対に誰も襲っちゃ駄目だよ。
 お兄ちゃんと約束出来る?」

「大丈夫、僕約束守るよ」

「分かった。
 本はレヴィちゃんに預ける。
 シグナムさん達も良いね。
 一先ず、本はレヴィちゃんが保管。
 レヴィちゃんから奪ったりしない事。
 虎の威を借る何とかだけど、何かあったらはやてちゃんに報告します」

 だって、騎士って言ってるから主の意向には逆らえないでしょう。
 自分相手なら、腕力で解決出来そうだから……先に対抗策を上げました。

「今日の所は、兄上殿に従います。
 ですが、次に主はやてが倒れた場合は、我々は己の判断で行動を開始します。
 例え主はやてに止められようとも……主はやての命には代えられません。
 お叱りは、後で必ず受けます。
 例えこの身が、管理者権限で消去されようとも」

 ……やべっ。
 対抗案考えつかないと、はやてちゃんが前科持ちになっちゃう。
 なに、この無理ゲー。
 設定に写輪眼あるから、ラスボスもコピーした魔法使い放題なんだよね?
 だから、公式設定内に襲えって項目があるんだと思うし。

「とりあえず、ネカフェ行って対策考えよう。
 漫画の中に対抗策があるはず」

 きっとね。




某月某日

 襲わないって言ってたレヴィちゃん。
 なのはちゃんに事情を話して善意で提供して貰ったとの事。

「……ラスボス、かめはめ波持ち決定?
 それ、何てセル?」

 前科持ちへの第1歩じゃ無かったから良いけど、レヴィちゃんが理解している事情だから。
 はやてちゃんが危ない -> この本に魔力あたえれば、ちょっと助かる -> だから、魔力頂戴。
 かな。




某月某日

 他人に迷惑をかけなくて、魔力が集まる場所に本を埋めたとの事。
 これで、はやてちゃんも良くなるだろうって、レヴィちゃんが言ってた。
 前科持ちにはならないけど、色々と積んできてない?




某月某日

 今日も今日とて、レヴィちゃんはアグレッシブだ。
 母親の知り合いに、変態だけど凄く頭の良い人がいるので協力して貰うって言って、姉さんを連れて出て行った。
 変態=娘さんにピッチリした全身タイツの服しか買ってやらない。
 頭の良い=白衣着てた。

「だ、大丈夫なのか?
 レヴィちゃんもだけど、姉さんが凄く不安です」

 出かける前に一言。

「下僕の話を聞くと、それなりに運動が出来そうだから……あの妖怪の真似でもしてみようかしらね」

 妖怪って言うと、やっぱりアレ?
 最近買った本に出てきた……妖怪首おいてけ。
 姉さんがやると洒落ですまされんと思うのは、自分の気のせいでは無いと思う。

「今は亡きレヴィちゃんのお母さん。
 あなたの娘さんは、あなたの知人とその娘さんに、心の傷を負わせる手伝いをしているようです」

 日帰りは無理って言ってたけど、どうか心の傷は浅くあって欲しい。
 あと、対抗案が全然思いつきません。
 マジヘルプ。
 スタァァァァァァップ!!
 って言ったら、何とかならないかな。




某月某日

 姉さんの代わりに花畑に水やりに行ったら、人が生えてた。
 黒い服着て、黒い羽根が生えて、銀髪で赤い入れ墨をした……おっぱいの大きい綺麗な女性。
 腰から上だけ地面から出ていて、周りの花達と一緒にゲラゲラ笑ってた。

「なんか、女性以外の花達って、笑い方に力が無いような?
 前はもっとうるさかった記憶がある。
 あり得ないと思うけど、あそこの女性に栄養取られちゃったりしたのかな?」

 まあ、冗談だけど。

「ってか、どうしよう?
 あの人、凄く綺麗だけど凄く近寄りがたい。
 それ以前に、姉さんの花畑に大穴開けて埋まるって……肉体言語での説教決定ですよ。
 羽根生えてるって事は、レヴィちゃんと同じ魔法使いの人なの?」

 はやてちゃんの問題、ラスボス対策も考えなきゃならないし……この人は放置しとこう。
 姉さんが帰ってきてから対応して貰う。
 だって、声かけてもゲラゲラ笑ってるだけ、花達に水やりしててもゲラゲラ笑ってるだけ、肩を揺すってもゲラゲラ笑ってるだけ。
 一般人には、魔法使いの事が理解出来ないのでしょうか。

「明日、姉さんが帰ってこなかったら、なのはちゃんを呼んで、はやてちゃんと3人でこの人をどうにかするべきなのかな」

 魔法対策に、なのはちゃん。
 おっぱい対策に、はやてちゃん。
 保護者として、自分。

「よし、今日の所は帰ろう」





[32579] その7
Name: むだーい◆df05c8c0 ID:e71e6f09
Date: 2012/04/25 20:41
某月某日

 姉さん達が、まだ帰らない。
 まだ見ぬ亡きレヴィちゃんのお母さんの知人さん、完全に心折れちゃったのかな?

「さて、姉さん達の事は置いといて。
 なのはちゃんにはやてちゃん、あの人どう思う?
 なのはちゃんは魔法的に、はやてちゃんはおっぱい的に」

「えっと、魔法的にってい言われても」

 魔法は関係無いのかな?
 ってか、なのはちゃんって初心者マーク付きだっけ?
 それか、戦闘オンリー?

「あれは良いおっぱいや」

 ……この子、普通に返事返してきた。
 しかも、眼が輝いてる。

「うーん、やっぱり姉さんが帰ってくるまで放置しとこうか」

「えっと、あの人、そのままにしとくの?」

「肩揺すっても、反応返してくれなかったし」

「兄ちゃん。
 あの美人さんを放置って、大丈夫なん?
 変質者が出るんじゃないの?」

「姉さんの花畑内に変質者が来れるわけないでしょ。
 命の大切さ的に」

 安全度で言えば、姉さんの花畑は激しく安全地帯だよ。
 だって、下手に荒らすと姉さんが飛んでくるから。

「んー、そやね。
 対応はお姉様に任せて、私はあのおっぱいに挑もうかな」

 挑戦後、十分に満足したはやてちゃんを連れての帰宅中、ふと思い出した事がある。
 ちなみに、なのはちゃんは花畑で分かれました。
 別の友達と遊ぶ約束があるとのこと。

「あの人の胸元に、植物って書けば良かったかな」

「なんで?」

「いや、昔のアニメのネタ」

 確か、ミヤギくんだっけ?
 でも、あの美人さん相手だと、花って書いた方が良いのかもしれない。
 花畑的に。




某月某日

 昨日に引き続き、姉さん達が帰ってこない。
 花畑に水やりと、ゲラゲラ笑ってる美人さんの周囲にも水を与えた。

「つか、全く汚れが見あたらないのは何故?
 あと、髪の毛もさらさらだし」

 世界には謎が沢山あります。




某月某日

 今日も帰ってこない。
 レヴィちゃんに預けている闇の書の対策も、良い案が浮かばないので、代わりに死亡フラグ候補の事をもう一度軽くまとめてみよう。

 死亡フラグ候補
 その1:弟君
  黒髪黒目の一家で、一人だけ銀髪赤目はありえん。
  本人は凄く良い子なんだけど、変なイベントが発生して巻き込まれる可能性があると思います。
  本人は無事だけど、周りに被害が出るようなイベントね。

 その2:姉さん
  だって、風見幽香ですよ。
  この人が死亡フラグじゃないって、誰か断言出来る人います?
  付き合い方が分かってるから殺される事は無いと思うけど……やっぱ、風見幽香ってのがでかい。
  まあ、例え姉さんでも殺人事件起こしたら警察に捕まると思うけどね。

 その3:マスター
  肉眼で捕らえられないような動きをする人は、同じ人類じゃないと思います。
  消えたり、吹き飛ばしたり、防御無視とか、普通の人間には出来ません。
  ってか、何で喫茶店のマスターやってんの?

 その4:恭也君
  その3と同じ理由。

 その5:なのはちゃん
  タイトル的に主人公っぽいから。
  でも、完結してるっぽいから大丈夫なのかな?
  ついでだけど、近距離からのかめはめ波は、無いと思います。

 その6:自称騎士達
  中二病設定の抜け道探しに協力して下さい。
  あと、公式設定だからって、人間を襲う宣言も止めて下さい。
  はやてちゃんを前科持ちにするの、駄目絶対。
  考え無しに行動して、巻き込まれそうな気がしてなりません。

「なのはちゃんと、自称騎士達を新規に追加したくらいかな。
 完結ってあったから、なのはちゃんは除外しても良いかなって思ったけど……あのかめはめ波を見た後だとね」

 魔法使いだけど、レヴィちゃんは死亡フラグ候補には絶対に入りません。
 なぜなら、あの子は癒しだから。
 ⑨が死亡フラグなんて事実は存在しません。




某月某日

 まだ帰らない。
 姉さんは兎も角、レヴィちゃんが心配だな。
 ちゃんとご飯、食べてるのかな?
 お菓子だけ食べると、健康に悪いし。
 心配だ。




某月某日

 闇の書の対策。
 絶対に反対されるけど、はやてちゃんの具合が良くなると思う案。

「なのはちゃんに、かめはめ波で、闇の書を、太陽まで、吹き飛ばして貰えば良いんじゃないの?」

 中二病設定でも、太陽の熱には勝てないでしょう。
 まあ、転生機能、無限再生機能があるから、太陽の熱で塵になっても別の場所で、はやてちゃん以外の人が主になって復活するでしょうし。

「闇の書の主じゃなくなれば、はやてちゃんは元気になると思う。
 反対される最大の理由は」

 自称騎士達が消えちゃう事。
 いまだに信じられないけど、闇の書から召喚されてるから、闇の書が1度塵になるんで、自称騎士達も消えるはず。
 はやてちゃんは、絶対に認めないし、自分も認めない。
 つーか、自分一般人だし。
 人殺しを間接的に実行する案を認めれるわけがない。

「しかも実行犯として、小学生にお願いするって……なにさ」

 ふと思いついた、駄目対策。
 ほんと、良い案が思い浮かばないかな。
 ラスボス対策を含めて。




某月某日

 闇の書の対策その2。
 自称騎士達に、自分のページだけ確保して貰って、それ以外をかめはめ波で……以下略。

「これなら、いけんじゃね?
 自称騎士達は無事で、それ以外が転生・再生する」

 駄目って言われた。
 上手く抜きとっても、消えるんだって。

「ちくせう。
 良い案だと思ったのに」




某月某日

 やっと、姉さん達が帰ってきた。
 紙袋一杯のお土産?を持ってるレヴィちゃんに、凄く怯えている銀髪の女の子を引きずってる姉さん。

「ゆ、誘拐だ!?」

「……違うわよ」

 思いっきり、目をそらされた。

「どう違うのか、説明してよ」

「面白い博士の隠れ家って、なかなか楽しかった所なのよ。
 トラップはあるし、変な警備ロボットは出るし、この子のお姉さん達もいるし……つい、本気になっちゃったのよ。
 ほんと、珍しくノリにのって頑張ったのよ。
 だって、ビームとか飛んでくるし、楽しいじゃないの」

 ほほを赤く染めて語る姉さん。
 ぱっと見、ちょっちエロいんだけど……言ってるが凄くヤバイ。
 ビームって、魔法とは違うんだよね?
 つまり、熱光線……なんで無事なの、この人。

「首置いてけ!!
 首置いてけ、なあ?
 置いてけよ、首を……置きなさいよ!!」

 怖っ!!
 誘拐してる女の子、泣き出したよ。
 トラップとかが存在する隠れ家ってのにもツッコミ入れたいけど、それを突破しながら今の台詞言ったの?

「姉さん。
 記憶違いじゃなければ、協力をお願いしに行ったんだよね?」

「……そうだったかしら?」

 ああ、凄く楽しかったんだ。
 姉さん的に。

「で、その子、なに?
 身代金目的とか言ったら、警察呼ぶよ」

 冗談でも誘拐は駄目です。

「博士の方の誤解は解いたけど、この子は無理だったのよ」

 じゃ、なんで誘拐してきたの?
 博士さんって言う、親御さんに任せましょうよ。

「だから、坊やに任せるわ」

「……りありー?」

「任せるわ」

 姉さんから、誘拐した女の子を受け取ると、姉さんの間に自分を入れる形で抱きつかれた。

「大丈夫、大丈夫。
 怖くないよ。
 姉さんが近くにいるのが怖いなら、ちょっと外に行こうか?
 美味しいお菓子が食べれるお店があるから」

 バイト先に。
 姉さんから離れられるのが嬉しいのか、凄い勢いで頭を上下に動かしてる。
 むち打ちになるんじゃないか、ちょっと心配なレベルで。

「そだ、姉さん。
 花畑の事なんだけど」

「何かあったの?
 久しぶりに、私の花畑に粗相をしたお馬鹿さんでも沸いたとか?」

 今まで、暴れてきたんじゃないの?

「いや、姉さんが期待するお馬鹿さんなのか不明だけど。
 姉さん達が出かけてから、花畑に下半身だけを埋めてる美人さんがいるんだけど。
 しかも、周りの花と一緒にゲラゲラ笑ってる。
 とりあえず、声かけても、肩揺すっても、はやてちゃんが挑戦しても、これと言った反応が返ってこなかった」

「ふーん。
 私に対する挑戦って事はないわよね?」

 何に対する挑戦?
 デスマッチとか?

「と言う事だから、対応お願い」

「まあ良いわ。
 その他には何もないわね?
 ちゃんと、水やりもやってるようだし」

 水やりに関しては、躾けられてます。

「さて、じゃあ行こうか」

 さっき見たいな勢いは無いけど、頭をコクコクと動かして返事してくれる。

「そう言えば、名前はなんて言うの?」

「……ナンバーズ5番、チンク」

 ……5女って事でOK?





[32579] その8
Name: むだーい◆df05c8c0 ID:e71e6f09
Date: 2012/05/01 22:01
某月某日

 花畑の美人さんの件。
 実際に見に行ってから、姉さんが判決を下しました。

「判決、無罪」

 はい、予想通り有罪で肉体言語での説教……えっ!?
 無罪なの?

「姉さん。
 今、有罪って言ったよね?」

 聞き違いだよね?

「ん?
 何言ってるの、私は無罪って言ったわよ」

「えっと、理由を聞いて良い?」

 姉さんが壊れた以外の理由が聞きたい。

「簡単な事よ。
 あれは、花よ。
 ぱっと見た感じ人間っぽく見えるけど、心の眼で見なさい」

 いや、花じゃなくて人間の美人さんでしょ。
 心の眼、略して心眼……って、姉さん。
 "の"を外しただけで、字数は1文字しか削れてないよ。

「坊やには、ちょっと厳しかったかも知れないけど、私くらいのレベルになるとフィーリングで分かるわ」

 それって、"なんとなく"だよね?
 理由を聞きたかったんだけど。

「はいっ!!
 はいはいはいはいっ!!
 お姉様、はいっ!!」

 いきなり、何?
 どうしたの、はやてちゃん。

「お姉様の判決で無罪。
 つまり、良いおっぱいしたお姉さんには、チャレンジし放題って事でしょうか?」

 連コインしなくてもコンティニュー出来る。
 って、はやてちゃんもはやてちゃんで何言ってるの?

「……まあ、嫌われない程度ならOKと言っておきましょう。
 あと、ちゃんと一言言ってからやるのよ。
 駄目って言われたら、ちゃんと諦めなさいね」

 言葉のキャッチボール出来たの?
 あの美人さん、ゲラゲラ笑うだけで、完全に無視されてたんだけど。

「了解や。
 チャレンジする前に聞いてみる」

 ……駄目だ。
 おっぱいの事が関係したら、はやてちゃんが遠い人になっちゃう。

「全く持って理解出来ないけど、了解した。
 で、あの美人さんのご飯はどうすれば良いの?」

 埋まった状態から、外に出てないみたいだけど。

「水まきすれば問題ないわ。
 元気がないときは、肥料を追加」

 いや、それ植物に対してじゃないの?
 美人さん、人間ですよ。

「なに、その目。
 お姉さんを疑っちゃ駄目よ。
 ちゃんと、花本人にも確認を取ったから、間違いないわ」

 間違いだらけだと思います。

「私も、最初はちょっとだと不安だったけど、あの子が言ってたから。
 あの土地にいるとは、凄く調子が良い。
 どこからとも無く、魔力が集まってきて、つい笑いたくなってくる。
 って」

 ……美人さん、やっぱり魔法関係の人だったんだ。
 なのはちゃん、かめはめ波以外の事も勉強した方が良いと思うよ。
 お父さんとお兄ちゃん、あとお姉さんを見なさい。
 戦闘一本に絞ると、あんな感じの戦闘民族になっちゃうんだよ。
 美由紀ちゃんなんか、美人な分すごく勿体ない。

「とりあえず、美人さんの件は解決って事で」




某月某日

「じゃあ、竹取物語にしようか」

 どんな話の流れで、中途半端に覚えている日本昔話を語る事になったのか……思い出せません。

「僕知ってる!!
 お爺さんとお婆さんが出てくるんだよね?」

 日本昔話には、お爺さんとお婆さんは良く出てくると思います。
 桃太郎とか、花咲かじいさんとか。

「じゃあ、行くよ」

 ちなみに、観客?は3人。
 レヴィちゃん、はやてちゃん、チンクちゃん。
 チンクちゃんは、他に誰かいて、1対1でなければ、姉さん相手に怯えなくなりました。
 そろそろ、帰宅出来るようです。
 心の傷は、無くなってないけど……応急処置は完了。

「むかしむかし、室町時代だったかな?
 どこぞの山で竹を取る事で生活してたお爺さんとお婆さんがいました。
 お婆さんの名前は知りません。
 お爺さんは、さぬきのうんだらかんたらって言ってた気がします」

「僕分かった!!
 さぬきうどんのお爺さんだ」

 人名で、うどんは無いと思う。

「ある日の事、普段通りに山に竹を取りに来たお爺さん。
 竹の中に、1つだけ、光り輝く竹があったそうです。
 その竹を切ってみると、手のひらサイズの女の子が出てきたそうな。
 うん、今思うと、凄く怪しいね」

「そやね。
 お爺さんが竹を切るとき、ちょっとだけずれたら、女の子死んでたね」

「子供がいなかったお爺さん達は、この不思議な女の子を育てる事にしました。
 ああ、なんと言う事でしょう。
 竹の中から出てきたときは手のひらサイズだったのに、たった3ヶ月たらずで、年頃の女の子にまで成長しました」

「兄ちゃん。
 竹取物語の中で、ビフォーアフターは無かったと思う」

 なんとなく。

「お爺さんとお婆さんは、この不思議な女の子にかぐや姫と名付けました。
 何で"姫"が付いたのかは、知りません。
 お爺さん達は、特にお偉いさんじゃ無かったと思う。
 かぐや姫と暮らすようになってから、お爺さんは竹を取りに行くたびに……竹の代わりに金を持って帰る日々が続きました」

「そのお爺さんは、泥棒だったのか?」

 子供が出来たから、毎回金を盗み出すお爺さんって、ちょっとアレじゃない?
 ってか、竹取物語は、盗人物語じゃありません。
 チンクちゃん、勘違いしないように。

「間をすっ飛ばして、大金持ちになったお爺さん一家。
 あと、かぐや姫が大変美しかったので、求婚者が多数現れて、凄く大変です。
 とりあえずお断りしたんだけど、5人ほど残っちゃいました。
 つーか、皇子とか大臣とか麻呂相手に、何度も拒否してるお爺さん一家凄すぎです」

 かぐや姫関係無しに、あの時代って、庶民相手なら多少の無茶って出来るんじゃなかったっけ?
 権力酷使して、無茶振りすれば良かったんじゃね?

「でも、ふと思った事があります。
 あの時代の美人って、小太りのおたふくで色白……だったと思う」

 時代違ったかな?

「小太りが美人?
 じゃあ、やせてたり、凄く太ってたりすると駄目なの?」

「うーん、自分もうろ覚えだからハッキリしないんだけどね。
 でも、小太りって事は、ちゃんと栄養があるものを十分に食べてたって事だから、裕福であることには間違いないと思う」

「じゃあ、昔の美人を目指すために、おかしを沢山食べても良いのかな?」

 この子、太る事気にしてない。
 隣のはやてちゃんが、凄い目してるし。

「お菓子の食べ過ぎは駄目。
 んで、続きね。
 かぐや姫は、結婚の条件に凄く珍しい物を持ってこいと言いました。
 5人に対して、それぞれ別々の物を。
 火鼠の皮衣、火に燃えない鼠の皮らしいが、そんな鼠いません。
 仏さんの鉢、仏さん本神の物は存在しないと思います。
 蓬莱の玉の枝、竹を取りに行って金を持って帰ったお爺さんだったら、凄く簡単じゃないのかと思う自分がいます。
 龍の首の珠、ドラゴンボールが存在しないので無理です。
 燕の産んだ貝、産むの?
 一言で言うなら、結婚する気がないので帰れって事です」

「凄いぶっちゃげてるけど、蓬莱の玉の枝に関しては、兄ちゃんの言ってる事で納得してる私がいる。
 竹取りに行って、金を持って帰るお爺さんなら、持って来れそう」

「皇子達は、誰一人として正しい物品を持ってくることなく、結婚にOKを貰えませんでした。
 これで一安心と思った矢先、新たな挑戦者にして最強の敵が現れました」

「最強」

 レヴィちゃんの目が輝きだした。

「その名は、帝。
 一番のお偉いさんです。
 帝相手には分が悪いと思ったお爺さんは弱気、ぶっちゃげ結婚して良いのでは、って思ったり。
 かぐや姫は強気も強気、拒否しました」

「今の日本なら、本人同士の意見が重要になるけど、昔だと拒否れないんじゃないの?
 むしろ、凄い売り込んで行くと思う」

「かぐや姫か、なかなかの猛者なのだろう」

 チンクちゃん、絶対に勘違いおこしてるよね?
 お爺さんの事もあるし。

「お爺さんという味方がいなくなったからなのか、結婚もしていないのに実家に帰らせて頂きます攻撃を敢行。
 実家にいるのに、実家に帰るって言う矛盾に対して、かぐや姫はこう答えました。
 本当の実家は月にあります」

「お月さんに住んでるのか。
 じゃあ、うさぎさんもいるのかな?」

 現実では、いないけどね。
 ドラゴンボールだと、月に兎人間はいるよ。
 悟空が連れて行ったし。

「続きがめんどくなって来たので端折る。
 月に戻るのを防ぐ為に、帝は権力酷使。
 武士達を配置して、防衛準備を整える。
 だが、かぐや姫はその上を行った。
 お爺さんに挨拶して、15日に出て行きましたとさ」

 なんか、違う話になってるような気がしないでもないが……終わり良ければ全て良し。

「凄く疲れたから、おやつの時間にしようか。
 バイト先から、期限切れに近いクッキー貰って帰ったから、それを食べよう」

 つーか、なんで日本昔話を語る時間になったんだろう?
 謎だ。




某月某日

 とうとうチンクちゃんが、姉さん相手に1対1で怯えなくなりました……表面上。
 足元がぷるぷるしてる気がしないでもないが、見なかった事にします。
 意味があったのか、無意味だったのか、よく分からない特訓の効果が出たのでしょう。
 特訓例、朝姉さんを起こしに行く。
 ……うん、特訓の効果でしょう。

「そうね、じゃあさっさと帰りなさい。
 下僕に送らせるから」

「は、はい」

 本当に大丈夫か?

「気が向いたら、また行くかも知れない。
 トラップのレベル上げるの、博士に伝言お願いね。
 次は、もっと面白くなってる事を期待してるわ」

「……ひぃっ!!」

 レヴィちゃん、送迎お願いね。
 早くしないと、チンクちゃんが。







[32579] その9
Name: むだーい◆df05c8c0 ID:e71e6f09
Date: 2012/05/04 08:56
某月某日

 自分的に有り得ないくらい、バカ勝ちしてしまった。
 普段なら、ちょいプラスで逃げたり、出費が万を超えても逃げたりしていたのに……約5000回転も回してしまった。
 もう疲れたよ、パトなんとかって言うわんちゃん。
 回転数の殆どがARTだから基本減りはしないんだけど、それでもART中に増えた枚数は理想値にも届かない。
 ボーナス?
 何言ってるんですか、確率だけで言うと設定1をぶっちしてますよ。
 しかもビッグボーナスなんて……何の事でしょう、自分には関係無い文字列です。
 まあ、帰りが遅くなったせいで、姉さんとはやてちゃんには怒られましたが。
 一応、連絡は入れてたんで、親からは何も言われてません。

「って事で、今度お買い物やな」

 あぶく銭は使うに限るんで、ちびっ子達の洋服を買いに行く事が決定しました。
 だって、下手に持ってると強気の再チャレンジに行っちゃうし。
 あと、みんなで晩ご飯を外で食べる。
 外食ですね、100円じゃない回転寿司で。
 100円じゃないと言っても、そんな高くないから、1人2000円あれば十分だと思う。
 お寿司の中で一番の好物は、サラダ巻きです。
 だって、ワサビとは食えないし。
 異論は認めます。

「とりあえず買うのは、はやてちゃんとレヴィちゃん。
 ヴィータちゃんにチンクちゃんの分かな」

 チンクちゃんの分は、後でレヴィちゃんに届けて貰います。
 えっ?
 姉さんに、その他の自称騎士達にはありませんよ。
 姉さんは金持ってるし、なにより人数が増えると1人辺りに使える金額が減ってしまいます。
 洋服1つとっても、ぶっちゃげ大人向きの服の方が高いですし……イメージ的に。

「臨時収入が入った、そんな日」

 消失する前に使っちゃえ。




某月某日

 そう言えば、はやてちゃんの体調が、最近少し良くなってる感じです。
 特にこれと言った解決策が思いついてないんだけど……なんで?
 一番可能性が高いのと思われるのが……闇の書を預かっていたレヴィちゃんが何かやった。
 犯人は君だ!!

「そう言えば、前に埋めたって言ってたよな。
 嫌な予感がしてたから聞けなかったけど、どこに埋めたんだろう」

 実は、こっそり666ページ集まって、既に魔王誕生してました。
 はやてちゃんに対する浸食が無くなり、やったねはやてちゃん、病気が治ったよ。
 んで、現在進行形で、違う世界にて魔王無双中。
 レヴィちゃんとかチンクちゃん、違う世界の人間らしいから……埋めたのは、違う世界に、だよね。
 家の近所ってオチは勘弁な。
 マジで。

「さて、今度聞く事にしよう」

 今日は晴れてるから、布団干さないと。
 現実逃避じゃないですよ。




某月某日

 今日も晴れてるな。
 うん、また今度にしよう。

「今日はバイトに行かないと」




某月某日

 本日も快晴。
 まさに、買い物日和でした。
 予想より安かったので、うちの子達は1人2品に増加しました。
 んで、戦利品一覧を以下に記載。

1.色違いの冬用パーカー
 そろそろ本格的に寒くなってくるだろうし、上から羽織る物を新調しても良いよね。
 外で元気に遊ぶレヴィちゃん、ヴィータちゃんは普通に使えるし。
 はやてちゃんは、膝掛け代わりに使っても……まあ、問題と思う。
 色は別々の物をチョイス。
 青:レヴィちゃん
 白:はやてちゃん
 赤:ヴィータちゃん

2.お揃いのセーター
 はやてちゃん、ヴィータちゃん用で、共に黒っぽいの。
 ヴィータちゃんは長そでのシャツを2、3枚程度と考えてたけど、はやてちゃんと一緒が良いと言ったので、セーターになりました。

3.運動靴
 気がつけば、レヴィちゃんの靴がボロボロになってたので、臨時収入のタイミングが良かったです。
 つーか、この子のは定期的に洗っているんだけど、劣化が激しすぎ。

4.ゴスロリの服
 単品で一番高かった。
 一目見て、コレダァァァァァッて思ってしまった程の一品。
 だって、某黒猫とか大好きなんです。
 チンクちゃん宛で、レヴィちゃんに配達を頼まないと。
 あと、万を超えちゃったけど、思ってたほど高くなかった。
 こう言うのって、ウン万とかいくと思ってたのに。




某月某日

 レヴィちゃんが、庭先に吊されてました。
 今日は風が強いから、新品のパーカーが早速活躍してるようです。

「で、今日は何をして姉さんを怒らせたの?」

 レヴィちゃんを地面に降ろして、事情聴取を始める。

「うん、預かってた闇の書。
 花畑に埋めてたんだ」

 ……?
 ちょっと、考えてみよう。
 "レヴィちゃん"、"アホの子"、"⑨"。
"闇の書"、"中二病"、"呪い付き"、"魔王復活"。
 "花畑"、"埋める"、"美人さん"、"姉さん判決"、"無罪"、"あの人は花?"。

「頭が混乱してるけど……まとめると、こうだよな」

 "レヴィちゃん"、"花畑"、"埋める"、"美人さん"、"あの人は花?"、"魔王復活"。
 全然まとまってない気がする。

「つまり、今花畑で生活してる美人さんは、レヴィちゃんが埋めた闇の書から生えてきた……と、言うこと?」

「うん。
 僕が埋めた場所と同じだから」

 きょ、強制バトルイベントは、未発生だよね?

「姉さんが、あの人は無罪って言ったから、たぶん悪い人じゃ無いとは思うけど」

 人以前に、花扱いだし。

「あと、今まで暴れてないしね。
 つーか、美人さんが花畑に出没したのって、姉さん達がいなくなってからだし……実は、とてつもなく命の危険があったって事?
 自分の考えからすると、美人さん=魔王復活って事だよね」

「良く分かんないけど、お兄ちゃんの考えであってるんじゃないの?
 闇の書から魔王が復活するってのがお兄ちゃんの考え。
 それで埋めた闇の書から、花畑のお姉さんが出てきたから」

「でも、何で強制バトルイベントが起こってないんだろ?」

 美人さんの所には、主人公のなのはちゃんも連れて行ったの……に?
 あれ、やっぱり、めちゃくちゃ危険だったの?
 下手したら、強制バトルイベントに巻き込まれてたっ!?

「あ、危なっ。
 何も起きなくて、本当に良かった」

 なのはちゃんだけだったからセーフでく、お供のオコジョがいたらアウトだったのか。

「うん、後で自称騎士達にも伝えとこう。
 魔王が復活しちゃってました、って」




某月某日

 自称騎士達が頭を痛めてた。
 そりゃあね。
 知らない間に魔王復活が完了してたって言われたら、自称騎士達じゃなくてもビビリます。
 先日の自分がそうだったように。
 あと、美人さん=魔王って公式が、無茶すぐる。

「す、すみません兄上殿。
 我々の方でも情報を整理したいので、主を含めての詳しい話は明日という事にして貰えないでしょうか?」

 混乱の度合いが、自分とは違うって事ですね。

「分かった。
 一応注意して置くけど。
 ご飯時には、話し合いを一時中断してね。
 ちゃんと呼びに来るから」

「了解しました」

 自称騎士達が言うには、口での会話は無理だけど、念話なら問題ないとの事。
 つまり、室内には3人と1匹しかいないが、話し合いには+1人(花?)がこっそり混じってるんだって。
 あと、美人さんの名前も聞いてみたのですが、本当に名前?って感じでした。
 管制人格……うん、名付け親出てこい。
 自称騎士とお供の犬には、ちゃんとした名前を付けてるのに、もう1人もちゃんとした名前を付けようよ。





[32579] その10
Name: むだーい◆df05c8c0 ID:e71e6f09
Date: 2012/05/10 08:11
某月某日

 自称騎士達と美人さんの話し合い結果報告会。

「簡単に言うと、はやてちゃんの足が治ったって事かな?」

「はい」

 えっと、色々聞いた話を箇条書きでまとめると。

・全ページが埋まりました。
 レヴィちゃんが花畑に埋めて、何故かページの収集が完了した。
 美人さんにも理由が分からん。
 分からんが、規定数以上のページが溜まったので出てきました。

・浸食終了のお知らせ。
 全ページが埋まったことで、持ち主に対する催促……浸食は終了。
 前回のように倒れる事は無くなったとのこと。
 あと、足も完治済み。

・魔王復活による強制バトルイベントのイベントスキップ。
 前回までの闇の書なら、美人さん復活後にバトルイベントが発生していたが、今回はイベントスキップ出来た。
 毎回毎回、持ち主がある程度暴走してるから、その余波で美人さんがはちゃけてたってのが事実らしい。
 イベントスキップ出来たのは、はやてちゃんは暴走してないし(おっぱいは除く)、美人さん本人もバトルイベントより笑う方が良いって認識らしい。
 ただ、何故笑うのか、理由がはっきりしない。
 これは、他の花達もわかっていないらしい。
 とりあえず、笑った方が楽しいと言う認識を持ってるだけっぽいよ。
 理由は知らんが、姉さんかレヴィちゃんが原因なのか?

・闇の書は、昔の持ち主が勝手に名乗りだした名前らしい。
 本当の名前は、夜天の書。
 1つ上の項目にも、ちょこっとだけ関係するんだって。
 中二病の名前じゃなくて、本当の名前で誰も呼んでくれないから、世界を壊したって言ってた……数回ほど。
 自称騎士達よぉ……大切な事、忘れるなよ。
 現状で笑ってなければ、強制バトルイベントが発生したって事じゃないですか。
 本当の名前を忘れてた時点で。
 つーか、君達本当に仲間なの?

・夜天の書、現在リカバリー中。
 戦う事も、世界を壊す必要も無くなったので、中二病の名残を抹殺中とのこと。
 夜は近所迷惑になるので、大声で笑っちゃ駄目ってルールが存在してます。
 やる事無いから、夜に少しずつリカバリーをしてるんだって。
 暗くなってから、寝るまでの間。




某月某日

 原因がはっきりしないけど、とりあえず危機は去った。

「まあ、急に暇になったから、原因究明でもやろうかな」

 少しずつさ。
 いろんな人に事情聴取をやってさ。
 強制バトルイベントが発生しないようだし、もう凄い気楽で良いよね。

「花畑だから、姉さんかレヴィちゃんが関わってるのは確実でしょう」

 普通に考えたらレヴィちゃんの可能性が高いけど、花畑内での不思議な出来事だから姉さんの可能性も捨てきれません。
 花畑に埋めたら、問題が解決しました。
 ……あれ?
 姉さんが犯人で問題なくね?




某月某日

 試しに、姉さんが犯人説を打ち立ててみた。
 姉さんにデコピンされて、この説は消えた。

「昔の偉い人は言いました。
 長いものには巻かれろ」

 さて、また明日考えよう。




某月某日

 数ヶ月前の記憶を思い出してみた。
 たしか、ジュエルなんとかって言う宝石を……闇の書、もとい夜天の書と同じように埋めてた子がいた。
 その宝石も魔法関連らしいから、可能性の1つとして考えてみた方が良いのかも知れない。
 レヴィちゃんは知らないだろうし、主人公のなのはちゃんにでも聞いてみようか。
 宝石を掘り起こしたっていう、レヴィちゃんの妹さんは、ビデオメールでしか聞けないし。

「魔法関連の宝石ね。
 何が出来るんでしょう?」

 ゲームに宝石魔術ってのがあるから、単純に魔力をため込むだけとか?
 それか、宝石じゃなくて、実は魔石でしたってオチで……持ったまま敵倒すと、いずれ魔法を覚えるとか?
 または、宝石じゃなくて、クリスタルでしたってオチで……ジョブチェンジ可能とか?

「まあ、あんまり危険な物じゃないでしょうし」

 なのはちゃんと、レヴィちゃんの妹さんの2人で集めてた物だし、子供だけで解決出来た事件っぽいから、そこまで危険度はなかったんじゃないの。
 つーか、魔法関連とは言え、宝石1つで世界破壊可能な危険物を対処出来ないでしょうし。

「……あっ。
 なのはちゃんに聞く前に、1度美人さん本人にも聞いてみよう」

 念話が使える人を呼んで。




某月某日

 比較的、暇してる自称騎士達のペットが借りられた。
 なんと、喋れる青い犬。
 お家に上がるときには、自分で足を拭く事が出来るくらい、頭が良い。
 まあ、喋る事に比べたら、足を拭く事は簡単でしょうね。

「と、言う事なんだけど。
 美人さんに聞いて貰えないかな」

「承知した」

 質問した結果、重大な事が判明しました。
 リカバリー中の今、美人さんを引き抜いたら強制バトルイベントが勃発するとのこと。
 イベントが未発生なのは、笑う事が良いと認識してるからで、引き抜かれたら笑うよりイベント進行が優先されるとのこと。
 今朝、美人さんをお家に連れてこようとしたはやてちゃんを止めた姉さん、凄いGJ。
 鉢植えが無いから駄目って理由で力抜けたけど……それでも、止めてくれてありがとう。
 主人公不在の強制バトルイベントとは反則過ぎ。
 主人公がいても参加したくありませんが。

「他の花達もだけど、笑うようになった原因を突き止めたら、今回の原因究明にもなるんじゃねえ?」

 だって、重要度が"強制バトルイベント < 笑う"だから、何で笑うのかを突き止めたら解決って事になると思う。
 ぶっちゃげ、姉さんが候補から外れたら、レヴィちゃんしか犯人候補が残っていないのだが、理由が分かんないと断定しちゃ駄目でしょ。
 理由無くても、説得力だけはあるけど。




某月某日

 なのはちゃんに、ジュエルなんとかって言う宝石について聞いてみた。
 簡単に言うと、1つで願いが叶うドラゴンボール。
 でも、暴走するよ。
 やっぱり犯人は……お前だぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!
 なんで、宝石一つでそんな事が出来るの?
 つーか、レヴィちゃんは宝石の使い道を知らないから、今回の事は偶然だと思うけど、呆気なく原因究明が出来たっぽい。
 つまり、"願い=笑う"で"暴走=ゲラゲラ笑い"って事で、ファイナルアンサー?

「なのはちゃん、今日はありがとね」

「いえ。
 でも、お兄さん。
 急にどうしたんですか?
 ジュエルシードの事が聞きたいって」

 ……あっ。
 夜天の書の件、なのはちゃんまで正確には伝わってなかったかも。
 闇の書については、レヴィちゃん的な説明で魔力を貰ってたけど……最近の出来事は言ってないね。

「えっとね。
 ちょっと前に、なのはちゃんの魔力をレヴィちゃんが回収した事あるでしょ?」

「はい。
 はやてちゃんの為に、魔力がいるって言ってました」

「それに関係してるんだ。
 なのはちゃんの魔力を回収した本、闇の書を花畑に埋めたんだよね、レヴィちゃん」

「……えっ。
 幽香さんの許可は?」

「無かったから、この前庭先に吊られてた。
 でさ」

 闇の書に対する自分の考え、夜天の書の現在の状況を説明中――なう、ろーでぃんぐ。

「と、言う事だから美人さんの問題が解決したら、全て終わりってこと。
 現時点で、はやてちゃんの足は完治してるっぽいし、強制バトルイベントが起こる事もない」

 はやてちゃんの足は、病院に行って調べて貰ったら、大丈夫って太鼓判押されました。
 足が悪かった原因も分からないのに完治してたってので、お医者さんがちょっと頭を押さえてたけど。

「でさ、なのはちゃんの魔法関係の知り合いで、宝石――ジュエルシードに詳しい人に連絡ってとれない?
 今は問題起きてないけど、ジュエルシードの効果で美人さんが抑えられてるけど、効果がいつ切れるのかが心配なんで。
 美人さんのリカバリーが終わるまで、効果が持ってくれる……って言う太鼓判を押して欲しい」

 本当なら、チンクちゃんの親御さんが凄く頭の良い人らしいから、その人に協力を依頼しようと思ってたけど、前回姉さんが迷惑をかけたので断念。
 なのはちゃんの魔法繋がりで、頭の良い人を紹介して貰えることを祈ります。

「えっと、あの花畑のお姉さんの事を伝えれば良いんですね」

「うん。
 美人さん本人とも、念話ってのが使えれば、直接話が出来るらしいから。
 なのはちゃんの知り合いも、直接美人さん本人と詳しい話をした方が分かりやすいと思う」

 間に何人かの人を挟むと、変に話が変わる場合もあるし。

「分かりました。
 ユーノ君、ジュエルシードを発掘した人に聞いてみます」

「おねがい」

 さて、原因究明が出来たんで、あとはジュエルシードの効果がいつまで続くのかが心配だ。
 流石に簡易ドラゴンボールと言っても、永久に続く事はないでしょうし。
 ユーノ君って人に、早く連絡がつけば良いな。




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