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[28431] 異界淫法録
Name: フライングフォックス◆12b42988 ID:64f399be
Date: 2011/06/20 21:49
青白く弱々しい光に照らされた水時計の示す時間は深夜二時。忌々しいあの女も既に床についているはずの時間だ。
時間を確認した俺は時計のすぐ傍に置かれた本を手に取り、その背表紙を静かに撫でた。この書の題名はラテン語で書かれており、中の文もまたラテン語で記されていた。敬虔という言葉が裸足で逃げ出すようなキリスト教徒ならぬキリスト狂徒なお袋には昔から辟易とさせられてきたが、この本を手にしたときはそのことに本気で感謝した。ガキのころにバチカン(正確には市外だったけれど)で暮らしてなければラテン語なんて話すことはおろか読むことも出来なかったはずだ。この本の題名は『蛇の林檎』。おそらくはアダムとイブが食べたと言う林檎とそれを唆した蛇のことを指しているのだと思う。というよりそうなのだろう。この本、いやこの『魔道書』は契約者に望む知識を与えるのだから。

俺は大きく深呼吸をすると本を元の場所へと戻し、魔道書の横に置いておいた人形を手に取った。木片と藁で作られたその人形は俺を模して作られており、魔道書の知識を元に作り上げたものだ。
人形を懐にしまい、傍の木箱の中からボロボロの布包みを取り出しそれを開く。ボロ布に包まれているものは日本では、いやあの世界ではまずお目にかかれない代物だ。

黒イモリの粉末。ヒクイオオガエルの卵のう。人面蝙蝠の翼膜。黄銀の欠片。一目蟷螂の瞳。大王雷影蚊の集めた血。幼竜の涙。アガドタランチュラの毒毛etc。

これを決められた順番に口の中に入れ、決められた作法でもって決められた回数咀嚼して嚥下する。その最中幾度と無くこみ上げる吐き気を抑え耐えしのぎ、俺はその儀式を完了させる。
体が熱い。息が荒ぐ。だがこれもすべてはあの女に復讐するために…………。





俺の名前は最上達也。3年前まで俺は日本の東京に両親と3人で住んでいた。成績は中の下。けして良いとはいえないが、それでも毎日を楽しく過ごしていた。
中学のころは通っていた学校の野球部に所属。ポジションと打席はピッチャーで3番でエースの一歩手前とでもいった感じだった。中学生活の3年間で五つの大会で優勝を経験し、苦労して受かった高校も何の疑いも無く野球部に所属する、はずだった。あの忌々しいことさえ起きなければ。
その日は高校の入学式だった。真新しい学ランに袖を通し、俺の晴れ姿を見ようと田舎から出てきてくれた爺ちゃんと婆ちゃんの見送りを受けて家を後にし、学校の校門を潜ったところで、いきなりの浮遊感に襲われた。何が起きたのかわからなかった。浮遊感に続く視界の暗転。そして全身を打つ衝撃に息を詰まらせて辺りを見回せば、そこは見たこともない石造りの部屋。見たことのない本を納めた本棚に、同じく見たこともないような器具の置かれたテーブル。そして俺を見下ろすドレス姿の、あの女。
肩を晒したワインレッドのカクテルドレスに身を包み、ドレスと同じように深い赤の髪をポニーテールにした長身のその女は、何が起きたのかわからず混乱していた俺を蹴り飛ばしこう言いやがった。

『いつまでそうしてるつもり?さっさと跪いて挨拶の一つでもしたらどうなの?』

それが俺とあの女のファーストコンタクトというやつだった。女の名前はエルディア・フォスティーア。俺のこの世界に召喚した張本人だ。

あぁそうだ、一つ言い忘れていた。まぁ言うまでも無く気付いているとは思うけど、俺がいるこの世界は、俺達の生まれ育った科学の発達した世界じゃない。剣が力を象徴し、魔法が飛び交うファンタジーワールドだ。

俺はこの世界の魔法使いであるエルディアの手により奴隷として召喚された。それから3年間、俺は奴にかけられた主従の呪いにより逆らうことも出来ずに奴隷として使役されてきた。奴の身の回りの世話、魔法の実験の実験台。何の理由も無く気晴らしに暴力を振るうこともあった。殴られ、蹴られ、魔法で吹き飛ばされ。何度死ぬような目にあったかわかったものじゃない。3年前、ピッチャーだったころ、何人ものライバルを打ち取ってきた右腕も、一度奴の魔法で潰され、回復はさせられたものの、二度とボールを握ることは出来なくってしまった。
絶対に許さねぇ。いつか復讐することを心に誓って耐え忍ぶこと3ヶ月前。俺についに転機が訪れた。魔道書『蛇の林檎』。この世界で見た本はどれも見たことも無い文字で書かれる中、唯一つラテン語で、俺の世界の文字で書かれた本。それを見つけた俺は恐る恐る手にとって中を開き、幼いころの記憶を頼りにそれを読み解いた。読み解いたと言ってもそれは最初の見開きのページだけ。この魔道書はそれだけですべて十分だった。そこに書かれたこの魔道書の説明と契約の方法。
俺はそのページを読み解いた直後、何のためらいも無くその契約を実行していた。そして契約が終わった直後脳裏に流れ込んでくる俺が望む知識。すなわち今のこの状態を脱するための方法を、元の世界への帰還方法。元の世界への帰還方法については幾つもの理由により不可能であることが分かり、俺は大きく落胆した。しかしもう一つの知識、いまのこの状態、エルディアの奴隷から抜け出すための方法は準備に時間は掛かるが可能であることが分かり、すぐさまその準備に取り掛かった。そして3ヵ月もの時間をかけたその準備が終わったのがつい一週間前。俺は最後の条件が整う今日、それを実行しこの状態を脱する。
そして、奴に、復讐する!




エルディアが住むこの塔は、サンセストリア大陸の北部にある大国、エーレスリストスの南西部にある山の中に建っている。大気中のマナが濃く、魔法を使う者にとって非常にいい環境らしい。この塔もそんな大気中のマナを内部へと集積する構造になっていて、奴の寝室もその中心に位置している。
俺は寝床となっていた物置を出ると、急ぎエルディアの寝室へと移動し、その扉の前で最後の儀式を行っていた。先の人形を左手に持ち、右手には血玉と呼ばれる宝石を磨いて作った小さな星を握りこみ、星の五つの頂が肌を突き破る痛みに声を漏らさぬよう歯を食いしばって耐えていた。これらのアイテムを用意できたのは、奴が俺にそれらの管理をさせていたから、少しずつくすねて集めたものだ。魔道書によれば主従の呪いを解く術は千年以上も昔に失われたものらしく、まさか奴も俺に管理させているもので呪いが解けるとは思ってもいなかったらしい。
左手に持った人形の左胸の上に右手を運び、そこから垂れる血が波紋の様に人形の表面を走り浸透してゆく。一滴、二滴、三滴と呪いを掛けられてきた年数と同じ数の滴が人形に染込み、俺は血玉の星を握りつぶす。途端に右手から白いもやのようなものが湧き出し、それが人形へと吸い込まれてゆく。その現象は僅か数秒で収まり、右手の甲に刻まれていた呪いの印が消えていることを確認し、俺は儀式が成功したことを確認した。それと同時に寝室内に動きが感じられた。呪いが解けたことが奴にもわかったのだろう。俺は役目を果たし燃えてゆく人形を脇へと放り捨て、扉を蹴り破り、室内へと飛び込んでいった……………。



「な、た、タツヤ!?キ、キャァァァァァァァァッ!」

部屋に飛び込んだ俺が見たのは、どうやら寝巻きは着ない主義らしく、ベッドの上でシーツで身体を隠すエルディアの姿だった。
突如起こった呪いの消失に混乱しているらしく、魚のように口をパクパクさせているエルディアに俺は飛び掛った。

「く、あ、あんた、自分が、何してるのかっ、わかってんの!?」

「あぁ、わかってるさ!誰よりも、お前よりもな!今まで好き勝手やってくれた礼、今ここで利子つけて返してやるから覚悟しやがれ!」

とっさに逃げようとしたエルディアを背後からベッドに押さえつけてシーツを引き剥がせば、そこには悔しくも美しいエルディアの裸体。エルディアの赤髪を掴んでベッドに押さえつける。混乱から抜けることの出来ない奴の脚の間に膝を割り込ませて無理やり股を開かせる。全身を使って押さえつけながらズボンを下ろし、既に全開で勃起したペニスをエルディアの秘裂に突き刺した。

「ぁ、ぃ、ギャァァァァァァァァ、ィヤッ!痛い、いたい、いたぃっぃぃぃぃっぃぃぃぃ!抜いて、抜いて、ぬいてぇぇぇぇぇぇぇっ!」

悲鳴を上げ、半狂乱になって暴れるエルディアを、俺は全力でもって押さえつけた。俺のペニスは今から一年前、こいつの魔法薬の実験台にさせられたさい、その薬の副作用で常に勃起し萎えることが無くなり、成人男性の腕ほどの太さ誇る代物だ。まったく濡れていない状態で突き刺されば、その痛みたるや男の俺では想像できないような痛みなのだろう。おまけにペニスから伝わった何かを破るような感覚。おそらくはこいつは未だに処女だったのだろう。ちらりと見た俺のペニスは破瓜のものだろう血に塗れていた。

「は、はは、なんだお前、処女だったのか?いいざまだな、虫けらか何かのような目で見ていた奴に、処女を奪われるなんてな!」

普通ならば痛みを感じるのだろう強い締め付けは、幸か不幸か実験の副作用で異常化した俺のペニスには心地よいものだった。俺は泣き喚くエルディアの頭を持ち上げ、勢いをつけてマットに叩き付けた。

「うぎぃっ!」

マットの中のスプリングがきしみ、その揺れが心地よい刺激となってペニスを走るが、エルディアにとってはこれも地獄の痛みだろう。まともな言葉を上げることも出来ない彼女を押さえつけ、俺はなんの遠慮もなく腰を振り、ペニスを膣の奥へと叩きつけ始めた。

「あがっ!ひぃっ―――いた、いっ!止め、うごかな、いぃっ!いや、………いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

「おぃ、どうしたよ!いつもみたいに罵ってみたらどうだ?えっ?いつもいつもいつもいつも!貴様のせいで、俺は人生がめちゃくちゃだ!あれだけ苦労して受かった高校も、今までがんばってきた野球も、家族も!みんな、みんなお前のせいで俺は失ったんだ!覚悟は出来てんだろうな!今度はお前がすべてをなくす番だ!」

腰を振りながらエルディアの両腕を捻り上げ、用意しておいたロープで拘束すると、俺は彼女の長い髪を掴んで力任せに引っ張った。

「あぐっ―――!」

首から上が髪に引っ張られて仰け反りになり、苦しげに声を上げる。そのまま髪を右へ左へと振り回し、背を押さえているゆえに首を無理やり振らされるエルディアの秘裂をペニスで乱暴にかき回し、それによってさらなる悲鳴があげられる。

それからどれくらいの間ペニスで抉り続けていたのか、くぐもった悲鳴を上げるだけで身動きする気力を失くしたエルディアの尻を掴んだ俺は腰を振るスピードを早めた。

「うっ、……いっ、あっ、ひぃぃぃぃぃぃっ………………」

「ほら、こいつが、まずは最初の礼だ!受け取りな!」

ペニスの頭を子宮口へと叩きつけ、大量のザーメンを注ぎ込んだ。

「―――えっ?………………………あ?」

「どうした?初めてのSEXで中に出された気分はどうだ?」

「―――中、に?出した………?」

意味が理解できなかったのか、呆然とそう呟いたエルディアはその表情を徐々に絶望へと染めていった。

「………ぃゃ、……いや、……いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」

今までの中で一際大きな悲鳴が上がり、最初に貫いたとき以上に暴れ出すエルディア。俺は圧し掛かるようにその身体を押さえつけると、再びマットに彼女の頭を叩きつけて動きを止めさせた。

「いやっ!抜いて、出して!今すぐぬいてぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」

「くそ、暴れんじゃねぇよ!」

何度も何度もマットに叩きつけてようやく大人しくなり、俺は未だ萎えることなく硬さを維持するペニスで、俺のザーメンと破瓜の血で汚れた秘裂をかき回した。

「は、やっと大人しくなりやがって。けどな、これで俺の恨みが晴れたと………?」

言葉を続けようとした俺の脳裏に何かが流れ込んでくる。これは、あれだ、『蛇の林檎』から知識が流れ込んでくるのと同じ物だ。だが俺はいまあの魔道書に知識を求めたりしていない。ではどこから?
答えはすぐに見つかった。いや理解した。これはエルディアからだ。
エルディアはこの世界において上位に位置する魔法使いらしい。それは技術、そして保有する魔力の量においても。
この世界で人が保有できる魔力には上限があるらしく。それは体の成長と共に増えるが、非常に微々たる物で、魔法使いとしての力量の大半は生まれたときに決定するといっても過言ではない。
そして生来のエルディアは、決して魔力に恵まれていたわけではなかった。魔法使いとしての道を歩み出したエルディアは貪欲に魔法を学び、その技術は誰もが認めるほどの物となった。しかしそれでも生まれつき魔力を持つものには叶わなかった。
そんな彼女が手を出した禁断の術。代価と代償。魔術的な契約を己に行い、その契約を守っている限り莫大な魔力を得るという禁断の儀式。代償が大きければ大きいほど効力を増すこの儀式。エルディアが差し出したのは自身の純潔と体の自由。彼女が処女を失ったとき、処女を奪った相手に隷属する契約。

つまり、俺は……………。

「は、はは、はははははははははははははははははははははははははははははっ!つまり、こういうことか、たった今から、お前は俺の奴隷、俺がお前の主ってわけか!」

「うっ、うぅ………」

「おい、なんとか言ったらどうなんだ?えっ、おい!」

「その、とおりで…………、ございます……………」

「くくくくっ、はははははははははははははははっ!さいっこうだ!傑作だ!まさかこんなことになるなんてな!」

「あぐっ!」

涙を流すエルディアのマンコを再び突き上げ、口から漏れる悲鳴に口端が歪み、俺は再び髪を掴んで引っ張った。

「エルディア、最初の命令だ。腰を振って俺を喜ばせろ」

「―――お、仰せの、とおりに………」

ぎこちなく腰を降り始め、痛みに上げそうになる声をかみ殺すエルディアに、俺はついにやったんだと喚起に震えた。
もう元の世界に戻ることは出来ない。この世界で生きていくしかない。ならば生きていこうじゃないか。この世界で出来ることを探して。けれど、いまは目の前の思わぬ結果を存分に楽しもうじゃないか…………。





初投稿、2011,6,19
修正、同上
修正2、2011,6,20
修正3、同上



[28431] 異界淫法録・2
Name: フライングフォックス◆12b42988 ID:64f399be
Date: 2011/06/24 01:17
エルディアに命令した直後にそれは起こった。全身に漲り始める異質な力。それは俺の全身を満たし、うちへと向かって際限なく高まってゆく。
一体なにが起きているのかと両手を見つめる中、彼女もそれに気付いたのか身体をびくりと震わせ恐る恐るといった風情で肩越しにこちらを振り返った。

「―――あ、あ、あ、そ、そんな………………」

恐怖に顔を青ざめさせ、歯をガチガチと云わせて怯えるエルディア。余りの恐怖に腰を振るのを忘れているらしい彼女の尻に平手を放ち、乾いた音が室内に響いた。

「ひぃっ!」

「おい、止まってるぞ」

睨み付け、静かにドスを聞かせた声に慌てて腰を降り始める。その様子を見下ろしつつ俺はこの湧き上がる力の正体を知るために、物置に置かれた魔道書『蛇の林檎』に意識を集中する。たったそれだけで脳裏に流れてくる知識。その知識の内容を読み解くうちに俺は自然と笑みを浮かべていた。
俺のうちに漲るこの力。これを一言で言ってしまうならば、これが魔力という物らしい。今まで魔力を持っていなかった俺が突然それを得た理由はある意味当然とでも言うべきか、エルディアを犯したことが原因らしい。こいつの純潔を奪い、その所有権を得たことにより魔術的なつながりが出来上がり。それを通して術を破られたことでその殆どを失ったなけなしの魔力が俺へと流れこんだのだ。つまるところあれだ、日本で言う房中術という奴なのだろう。これで俺が魔力を持ちえた理由はわかった。しかしそれだけでエルディアが怯える理由となるかと思うと首を傾げる。先に魔道書から得た知識によると、この世界の人間が大なり小なり魔力を持っているはずなのだ。その疑問の答えを得るために再度意識を集中し、帰ってきた答えに、思わず声を出して笑い出してしまった。
なんともこっけいな話である。俺がこいつを犯すのに使用し苦しめるペニスも、こいつに復讐する境遇に俺が立つことになったのも、俺に隷属を強いられることになったのも、こいつが俺に怯えるのも、すべてはこいつの自業自得なのだ。突然笑い出した俺にその身を竦ませ動きの鈍ったエルディアの尻を再度叩いて動かさせ、俺はこの沸きあがる魔力をどう使うべきかと考えに没頭し始めた。

際限なく高まり続ける魔力。これがエルディアを怯えさせる原因だった。この世界の人間は保有できる魔力にそれぞれ上限があり、それは生まれついての時点でほぼ決まってしまうことは先に説明したとおりだ。しかしこの世界の生まれではない俺にその条件は当てはまらない。この世界のものとは違うことわりの中に生まれた俺は魔力を持たないがゆえに、“上限すらも持たない”のだ。そんな俺が魔力を持ったとき上限を持たない俺はどうなるのか、答えは際限なく魔力を取り込むことが出来るという事実。魔力を持つ生き物は消費した魔力を大気中から体内に取り込むことで回復する。それゆえに俺も大気中の魔力を内へと自然に取り込み始めたのだ。しかもこの塔は元より大気中の魔力を集積する施設だ。この塔の主であるエルディアの上へと俺が立ったことにより、塔は魔力の供給を俺へと変更し、これにより俺はものすごい勢いで体内へと魔力を取り込み始めたのだ。元より優秀な魔法使いだったエルディアにも俺の中で膨れ上がる魔力を感知するのは容易いことだっただろう。いやこの場合は容易く探知できてしまったという言うべきか。魔力がどう言う物なのか俺以上に詳しいこの女にはさぞかし俺が前代未聞の化け物のように感じられたことだろう。

怯えながらもがむしゃらに腰を振りたくるエルディアを見下ろしながら、俺は湧き上がる嗜虐心に唇を舐めた。とりあえず今こいつをどのようにしてやるかだ。実験の副作用により果てることの無い性欲を持っている身であり、こいつは自分で施した術の影響で俺の言うことに逆らうことが出来ない身、いかようにもできる。
この三年間こいつから受けた仕打ちを思えばただ一度で終わらせるなど生易しすぎる。じわりじわりと時間をかけて骨の髄までしゃぶってやるべきだ。そのためにはどうするべきか、今まで魔術を使ったことの無い俺がこの溢れんばかりの魔力でもって出来ることの中から今必要なことを魔道書から引き出してゆく。

時折動きの鈍るエルディアの尻を叩いて動かさせながら、俺は魔道書の知識を頼りに掌に魔力を集めてゆく。次第に掌が淡く青白い光に包まれてゆき、それを感じ取ったエルディアが息を飲む。焦ったように尻を振りたくる彼女のアナルに人差し指を添えると、こちらに向けて尻を振る瞬間に合わせて指を突き立てる。

「あぎぃっ!」

その瞬間エルディアから短い悲鳴が上がり、それと同時に膣が急速に収縮し俺のペニスを締め付ける。アナルから指を引き抜き、動きの止まったエルディアの尻を左手で強く引っぱたいた。

「おい、誰が止まれって言った?さっさと動け」

「ひぃっ、ごめんなさい、ごめんなさいっ…………!」

怯えの色を濃く示しながらエルディアが動きを再開させ、俺は再びアナルに指を突き刺した。悲鳴と共に動きの止まる尻を引っぱたいて三度動き出し、それに対してまたもアナルに指を突き刺してやる。さすがに三度目となれば一瞬動きは鈍るものの動きを止めるには至らなかった。俺は指でアナルを抉ってやりながら、指を突き刺すたびに締りのよくなる膣に想像通りの効果が発揮されていることを確信して笑みを浮かべた。

「おい、お前普段からアナルでオナニーでもしてたのか?アナルに指突き刺すたびにマンコの締め付けが強くなるじゃねぇか」

「ち、違う!私はそん「誰が口答えして良いって言った!?」がぁっ!」

口答えをしたエルディアの尻に右手を振るい、悲鳴を上げて身体を引きつらせる。
動きを止めるエルディアに右手を振るい、そのたびに右手を包む魔力が飛び散り、それが紫電となってエルディアを襲う。この右手を覆う魔力は何かに触れた瞬間電流へと変換されるように術を組んである。ゆえにアナルに突き刺したときにもその電流がエルディアの下半身を襲い、筋肉が萎縮して膣を締め付けたというのがその真相。俺の指摘は完全な言いがかりでしかないが、俺はそれに反論はさせない。今までの俺がそうであったように、今のこいつは俺が黒といえば白でも黒なのだ。だから俺はエルディアが俺の言葉を肯定するまで右手を振るう。背中で両腕を拘束されたエルディアの肢体が尻を叩くたびに仰け反り悲鳴を上げる。

「―――あぎぃ、す、すみま………、ひぃっ!―――すみません!わた、私ひがぁっ!私はっ!いつも、ひ、ひと、ぎぃっ………、一人で、あな、アナルっぅっ、アナルで、お、オナニーをしてました、あぎゃっ!」

「そうだよなぁ、お前はアナルでオナニーする変態の雌豚だ」

「はい、はいっ!私は、雌豚ですぅっ!」

これ以上暴力を振るわれることを恐れたのだろう。俺の言葉に一生懸命頷くエルディアを鼻で笑い、俺は右手の魔力を別のものへと変換させてゆく。大気中の水分が右手に集まってゆき、それが魔力と触れ合った瞬間に一瞬で凝結し、俺のものと同サイズの氷でできたディルドと化す。

「そうか、そんな雌豚にプレゼントだ。なに、こいつも今までの礼の一環だ、遠慮なく受け取りな!」

「えっ?―――――――――ひぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

俺の言葉に呆然と振り返ろうとした彼女のアナルに氷の塊を突き刺した。エルディアの悲鳴が上がり、俺はその悲鳴を心地よく感じながら氷のディルドをねじ込んでゆく。息も絶え絶えに動かなくなったエルディアの尻を掴み、俺は自分から腰を叩きつけてゆく。腰が彼女の尻に叩きつけられるたびに腹部にぶつかる氷のディルドがアナルの中へと叩き込まれ、エルディアはそのたびに短い悲鳴を上げ続ける。そしてどれだけ腰を振り続けたか、本日2度目の射精を膣内へと注ぎ込み、俺はそこでペニスを引き抜いた。

破瓜の血と二度の射精によるザーメンに汚れたペニスは当然のごとく萎える兆しを見せず、ペニスを抜いたことでもう終わりと勘違いしたのか、どこか安堵の表情を見せるエルディアを見下ろし、俺は残酷な笑みを浮かべてやる。それと同時に魔力が右手に集まり、もう一本の氷のディルドを精製する。それを見て一度は安堵の表情を浮かべていた彼女の表情が一転して絶望へと染まってゆく。

「終わりだと思ったか?そんなはずがあるわけないだろう?時間はたっぷりとあるんだ。ゆっくり、ゆっくりと、いたぶってやるよ」

「いゃ、お願い、許して……………、いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

懇願するエルディアの淫裂にディルドを突き刺し、いきり立つペニスで一息に口を、喉まで犯し、髪を掴んでイマラチオを開始する。
そう時間はまだまだあるんだ。この程度で俺の復讐が終わるわけが無いだろう?






どれぐらいの時間がたったのだろうか?俺は肉体的にも、精神的にも虫の息となったエルディアを床に放り捨て、壁の一面を覆いつくす魔力の窓を見た。塔の内部に設けられたこの部屋から塔の外を見ることは普通ならば出来ないが、この部屋にあるその壁だけは魔術的な仕掛けが施されており、塔の外を映し出すスクリーンのようになっている。
魔力の窓から見える外の景色。山の向うに見える朝日はこれで何度目だろうか?
主従の呪いを解いたあの日から既に数日が経過し、俺はその間休むことなくエルディアを犯し続けていた。永遠には無理だが1週間程度ならばこのありあふれた魔力を使えば眠気も空腹も無視することが出来る。エルディアの体力も幾度か回復させながら犯し続けた俺のペニスはやはり萎える兆しを見せず、未だにそそり立ったままだ。

犯している間はこれに関して便利だと思ったりもしたが、やはり四六時中こうなっているのはつらいものがある。エルディアに責任を持って処理させようとも思ったが、それで壊してしまってはつまらない。俺の復讐はこいつが生きている限り永遠に続ける心算なのだ。

水を飲もうと水差しに手を伸ばし、それを持ち上げた直後に右手が痙攣し、水差しが床に落ちる。エルディアに潰され、また治した右手は箸やペンを持つのが精一杯の握力しか無い。それすらも時折起こる痙攣により持っているものを幾度も無く落としてしまう。当然『蛇の林檎』でもってこの回復方法は無いか調べたが、出てきた答えに俺は悔しさを噛み締めることしか出来なかった。
片や既に絶滅した植物が必要かと思えば、他の方法は百年に一度だけ実をつけるという世界樹の実の滴が必要で、次の周期は五十年ほど先の話。
そういった不可能に近い代物が必要なもの以外にも方法はあるにはあった。それは教会の信徒の扱う奇跡と呼ばれるもの。しかしその奇跡は一部の上級司祭にしか行うことの出来ない奇跡。それを受けるには莫大な寄付が必要であり、また国の要人など一部の人間でもそうそう受けることは叶わないらしい。俺の膨大な魔力ならばあるいはと思い再度調べたが、そもそも奇跡と魔法では使用される力が別物であるらしい。魔法に使用されるのが魔力ならば、奇跡に用いられるのは信仰心。術者に高い信仰心を求められるのは当たり前で、その奇跡を受ける側の信仰心によってもその効果は大きく変動するという。もとの世界においても宗教などに興味の欠片も持たなかった俺にこの世界の神に対する信仰心などあるはずも無く、こんな俺がその奇跡を受けたところでその結果たるやたかが知れている。
つまるところ、この世界において俺の右手を治すことは不可能ということだ。

俺はどこを見ているともわからぬ目をして足元に倒れるエルディアを見下ろすと、舌打ちと共にその顔を蹴り飛ばした。

「いつまで寝てるつもりだ?さっさと起きろ」

もう返事をする気力も残っていないエルディアは、のろのろとした動作で身体を引きずり、ベッドに身体を預けながら立ち上がり。俺を見るなり怯えた表情で顔を伏せた。

「さっさと飯の用意をしろ。それともいまどきの奴隷は主人に何もかもの仕事をさせるものなのか?え?」

「あ、あ、す、すみ、ません……………」

消え入るような返事を返し、彼女は部屋を出てゆく。意識を塔に集中すればエルディアがどこにいるのかが用意に把握することが出来た。
しばらくの間部屋の中で立ち尽くしていた俺は、朝日が完全の山の中から姿を現したのを見届けてから部屋を後にする。向かう先は先日まで俺の寝床となっていた物置だ。あいつにあれを読むことは出来ないだろうが、念には念を入れておくに限る。
物置に辿り着いた俺は魔道書『蛇の林檎』を回収し、少し迷った末に約三年間俺に時を教え続けてくれた水時計を持ってもとの部屋へと戻った。

部屋に戻った俺は精液で汚れたシーツをベッドから剥ぎ取り、それを床に広げてたんすやクローゼット開く。中にしまわれている衣類の中から奴が特に気に入っていたものをのぞきすべてシーツにくるみ、陵辱中に練習した魔術を使用して火をつける。この塔の仕掛けのおかげで他の調度品などに日が飛び火する心配も無く、まもなくしてエルディアの衣服は一着を残して灰と化した。
一着を残したのは当然慈悲によるものでもなんでもない。あいつが気に入っていたものならばなおさら、それを利用したときあいつに味合わせる絶望はどれほどのものになるのだろうか?
魔道書の知識からエルディアすらも知らなかった隠し棚を発見し、そこに魔道書を隠すと、倉庫から持ってきた水時計を机の上において一息つく。

しつこいかもしれないがエルディアへの復讐はまだ始まったばかりだ。これからも時間を掛けて奴を苦しめることに変わりは無い。だが、それだけをして生きていけるほど現実は甘くない。
この世界で生きていくために俺はどうするべきなのか。望む知識を与えるあの魔道書があるとはいえ、あれは俺が望まぬ限り知識を与えることは無い。つまり本当に必要な知識でも、それを必要なものだと俺が意識することが出来なければそれを知ることが出来ないとうこと。

「だれか、そういったことをサポートできるやつが必要だな」

当然のこととしてその中からエルディアは除外する。あいつは復讐の対象、あいつにはなんの協力も求めるつもりは無い。

「それと、俺の身の回りの世話をさせる奴も必要か………」

痙攣の続く右腕に唇を噛み、それから目をそらすように机の上に開いた地図を開く。
この塔にはテレポートを行うための施設が存在する。それを使って行くことが出来る街は四つ。そこで奴隷でも買ってみるか?この世界では今でも普通に奴隷の売買が行われている。現代日本で育った(一時海外暮らしだったけれど)身としては少々思うところがあるが、それでも自身の現状を思えば必要な人手を金で得ることが出来るのは助かる話である。
がしかし俺の身の回りの世話とこの世界の一般常識面での知識のサポートをする奴は一人いればそれで十分なはずではある。しかし、今の俺の身体の現状、エルディアを簡単に使い潰すわけにはいかないことを考えると性欲処理のための奴隷も何人か必要になってくる。陵辱のためとはいえ数日間エルディアを犯し続けた感覚からして少なくとも三人、出来ることならば余裕を持って五人くらいは用意しておきたい。そうなってくると問題は金だ。奴隷が一人につきいくらぐらいするのかはわからないが仮にも人間を売り買いするのだ、安いということはあるまい。エルディアの金もあるがそれで奴隷を必要数買えるかもわからないし、たとえ買えたとしてもそれでこれからの生活に必要な資金が切れてしまっては元も子もない。
となるとまず最初にしなくちゃいけないのは金策か。とはいえこれもそう簡単に出来る仕事があるわけでもない。そうなると危険な橋を渡る覚悟も必要だろう。たとえば、盗賊のアジトを襲撃して盗品をそのまま頂くなど。都合のいいことにテレポートできる範囲には大小幾つかの盗賊のアジトがあることがわかった。その中でも一番大きなところを目標に定め、俺はそのための準備をすることにした。この世界はもとより、元の世界でも荒事とは無縁な生活を行っていた俺だが、出来うる限りの対策を魔道書『蛇の林檎』から引き出せば何とかなるだろう。





初投稿、2011,6,19
修正、2011,6,20
修正2、同上
修正3、2011,6,24



[28431] 異界淫法録・3
Name: フライングフォックス◆12b42988 ID:64f399be
Date: 2011/06/24 01:20
エルディアの手から俺の物となった塔、『オストティガの牙』から西。エーレスリストスの国境付近にある深い山の中にその盗賊のアジトはあった。元は砦だったのか切り立った崖を背に作られた石造りの建造物は盗賊のアジトとしてはなんとも立派過ぎる代物だ。深夜の闇に乗じて砦の背後の崖の上に立った俺は、魔法で得た暗視の力と遠見の力で砦の細部を観察していた。崖の上に見張りは居らず、砦の見張りも数が少ない。盗賊の数が少ないのか、見張りの数が少ないのか。魔道書からの知識を見れば間違いなく後者だ。こんな木々の生い茂った見通しの悪い山の中でたったあれだけの数の見張りしか立てないで大丈夫なのだろうか?魔法を使って監視をしているのかと思って調べてみればそれも無い。砦の盗賊たちは相当守りに自信が有るか、こんなところを攻めに来る酔狂なやつはいないと思い込んでいるのか、おそらくはその両方だろう。

遠見の魔法を解除して砦から視線を外すと、左手に嵌められた『武器』がちゃんとそろっているか確認する。魔道書の知識をフル動員して作った魔法の指輪。エルディアが優秀な魔法使いだったのが幸いしたか、塔にはこれらを作るための材料が多く蓄えられていた。まぁやつが優秀だからこそ異世界から俺を召喚できたことを考えれば、幸いでもなんでもなかったのだが。とにもかくにもその指輪に魔力を通し、問題なく機能することを確認した俺は拳を握って大きく息を吐いた。
これが出来るまでに一体幾つ失敗したことやら。そう思いながら背後を振り返り、そこで息を呑んで身を縮みこませるエルディアに右手を翳し、何かを掴むように軽く手を握り手を引き寄せた。

「ひぃっ!」

悲鳴を上げて俺の足元に引きずり倒されたエルディアの首には銀色の首輪がはめられておりそれ以外には一切身に着けさせていない。そしてその首輪も俺が苦労して作り上げたマジックアイテムだ。俺の右腕に嵌められた腕輪と対となっていて、俺が望めば一瞬で腕輪と首輪の間に魔力の鎖が生成されるようになっている。他にも装着者の魔力を封じ、腕輪の装着者の命令には逆らえないようにする機能もある。後者の機能についてはもしものために念には念をいれての機能で、これ以外にも機能はあるが今はそこまで説明する必要は無いだろう。

「ケツをこっちに向けろ」

恐る恐るといった様子で持ち上げられた尻を掴み、俺は濡れてない秘裂へと剛直をねじ込んだ。

「うぎぃっ………!」

噛み殺しきれない悲鳴がエルディアの口から零れるが、そんなことは気にせずに抽挿を開始する。ペニスの先端まで引き抜いて一気に根元まで挿入し、再び引き抜き挿入してを繰り返す。痛みをこらえるエルディアを見下ろしながら、その膣が一向に濡れてくる気配が無いことから、首輪に付加した能力が問題なく機能していることに笑みが浮かぶ。その機能というのが装着者の神経系の機能の一部麻痺。本来ならば性器という生命の繁殖のために大事な部位を守るために愛液を分泌し、そこを傷つけずに行為を行えるようにする。俺はまずその機能を麻痺させた。
『パブロフの犬』という言葉を知っているだろうか?餌を与える前にある特定の動作などを行うことで犬にそれの後には餌をもらえると学習させることで、餌を与えずともその動作を見ただけで唾液を溢れさせるようになるというあれである。
これは犬に限ったことではなく人にも当てはまる。このままエルディアを犯し続け身体がそれに慣れてしまえば、こいつは自身の意識に関係なく俺の命令、ひいては俺の前に立つだけで淫裂を濡らすようになる可能性がある。というよりもそうなるだろう。そうさせないようにするための処置だ。
そしてもう一つ大切な機能を麻痺させた。それは先の機能以上に俺にとっては大切なものだ。快楽神経系の麻痺だ。俺はこいつに快楽を感じさせるために犯しているのではない。痛みを、苦しみを与えるために犯しているんだ。先に言った身体の学習。これにより俺が抱き続ければ痛みも快感に変わる可能性もある。しかしその快感そもそも感じることが出来なければ?一応奴に望まぬ快感を与えるということも考えてはいる。けれど将来的に俺の目論見どおりになるかどうかはわからないが、やってみる価値はあると思う。これが俺の復讐なのだ。

首輪を製作しているときのことを思い出しながらも腰を止めることは無く、俺は休まずエルディアを犯し続けていた。異常な俺のペニスは愛液という潤滑油が無くとも本来ならば痛みしか感じないはずの抽挿にも快感を感じ、どんどん射精へと神経を昂ぶらせてゆく。そして限界が来た瞬間、俺はこらえずにエルディアの中へとザーメンを解き放つ。大量のザーメンがエルディアの中へと注ぎ込まれ、俺はペニスを引き抜くと今度はアナルへとペニスを捻りこんで抽挿を再開しそこに大量のザーメンを注ぎ込む。

アナルからペニスを引き抜き、魔力の鎖を引っ張ってこちらに振り返させるとその鼻先にザーメンに塗れたペニスを突き出した。

「お前のせいで汚れたんだ。しっかりと綺麗にしろ」

「………はぃ」

悔しさと怯えの混じったうつむき加減の表情で返される小さな返事の後、エルディアは恐る恐るといったふうに俺のものを咥えこみ、拙い動きで扱き始める。
しかしその下手な口淫に焦れた俺はエルディアの頭を掴みイマラチオに変更し、喉の奥へと直接ザーメンを注ぎ込んだ。

「んぐぅっ、ぶぶっ………、けほっ、げほっ………」

咳き込むエルディアの口端からは飲みきれなかった精液が零れ、喉の奥へ射精したのが原因か鼻からも精液を垂らす無様な姿を晒す彼女をよそに、俺はペニスをしまって指輪と一緒に作ったマントを羽織って身体を隠すと、再び崖の上から砦を見下ろしながら塔で魔道書の知識を用いて考えたプランを確認する。
プランを呟くように復唱しおえた俺の元に砦の内部の偵察に出していた簡易の使い間が戻ってくる。それと意識を同調させて情報を受け取ると、俺は当初のプランどおりに魔法を使うために静かに呪文を唱え始めた。





呪文を唱え終え、集中するために閉じていた目を開いた俺の周囲には白い霧が漂っていた。もちろんこれはただの霧ではない。俺が魔法で作り出した特別な代物だ。『蛇の林檎』から探し出したロストマジック(失われた魔法)であり、その効果は無機物の溶解。石や鉄と言った無機物を溶かす霧を生み出し操る魔法で、これがロストマジックとなった理由は発動に必要な膨大な魔力が原因だ。影響を与える対象を無機物のみとしたために有機体には効かず、その判別のために魔力容量を大きくとり、また無機物という広い対象のために多くの魔力を必要とする使い勝手の悪い、しかし俺にとってはそんなことは関係のない呪文だ。際限なく回復し続ける俺の魔力ならばよほどの魔法でもない限り魔力が切れることは無い。
無機物のみを溶解するこの魔法をチョイスしたのも、ここにもしも女がいれば性欲処理用に確保できるかもしれないという理由からだ。そのかわりに金目のものが溶解されないように注意が必要だが、宝物庫などの場所さえわかっていれば問題は無い。

俺の周囲を漂う霧がゆっくりと崖を滑り降りてゆく。まずはじめに霧に触れたのは元は見張り塔だったと思われる高い塔で、霧に触れたその天辺から音も無く液状に解けてゆく。液状化した壁石が砦の壁面をゆっくりと垂れるように滑り落ちる姿はまるで水あめのようだ。
四つ存在した見張り塔がその姿を消したところで砦の中の盗賊たちもようやく異変に気付いたようだ、各所から叫び声が聞こえ始める。しかしそれももう遅い。この魔法が発動できた時点で俺のプランはほぼ百パーセント成功するだろう。ゆえにおれは失敗に終わる僅かな可能性に注意を払いながら魔法を操った。

見張り塔を溶かした霧が次に向かったのは砦の外壁だ。霧がまるで一枚の板のように広がると、正面から包み込むように砦を溶かし始める。使い魔の情報によれば宝物庫は砦の一番奥に一つあるだけで、そこに注意すればこの魔法で目的のものまで溶かしてしまうという間抜けなことも起きないだろう。そして盗賊たちの武器庫は逆に砦の正面、とりわけ正門の近くに分散されて存在しているようだ。さしもの盗賊たちも突然の襲撃にあった際、一挙に武器庫を押さえられることで抵抗できなくなる可能性も視野に入れたということなのだろうか?まぁ、実際の理由がどうあれ、それも意味も無く終わるだろう。魔法の霧は瞬く間に砦の外壁を溶かしきり、そのまま武器庫ごとそこにしまわれていた武器たちを溶かしてしまったのだから。
熱した鉄板にバターを押し付けるかのごとく溶かされてゆく砦を見下ろし、俺は背後にいるエルディアに振り返り、魔力の鎖をひっぱった。

「あぐぅ………」

「いくぞ」

足元に蹲るエルディアを尻目に左手のリングの一つが輝き出す。俺を中心に描かれる光の円陣。それからあふれ出した光が俺の身長を少し超えたぐらいの光の柱と化したとき、俺達は砦の正面へと転移を完了していた。
左手の親指につけられた『転移の指輪』の力だ。材料の関係で転移できる範囲は視界に映る範囲のみだが、俺が長距離を移動する場合は塔の施設を使えばいいだけなので問題は無い。

転移を終えた俺は設定したとおりの役目を終えた魔法の霧が霧散してゆくのを確認し、股座の二つの穴から精液を垂らし、口端や鼻から精液を垂らした(精液を拭うことを禁じたため)まさしく犯されたばかりという無様な姿を晒すエルディアを引き連れて溶け残った砦へと歩き始めた。




砦の跡地となったそこを歩く俺達を最初に見つけたのは、見たくも無い裸体を晒す盗賊(♂)達だった。隠すためか内股になったり股間を手で隠す姿は滑稽を通り越して気持ちが悪い。こちらに向かってくる前に左手を振るい、人差し指に嵌めた『雷光の指輪』から放った雷で瞬時に消し飛ばしてやった。

もしも元の世界にいたころの俺だったら、今のように何も感じずに人を殺すことなど出来なかっただろう。そして人を殺しても眉一つ動かさず、心に何も残らないのは、この世界で会った人間がエルディアだけで、そのエルディアから受けた仕打ちゆえにこの世界の人間に対して虫を見るのと同じようになっているのだろうか?どんな理由であれ俺が変わってしまったことに変わりは無く、もし元の世界に戻れたとしても俺は元の普通の生活に戻ることは出来ないのかもしれない。そう思うと寂しさと、そうなった原因であるエルディアへのドス黒い瘴気にもにた感情が心に湧き出てくるのを感じ、それに任せて左手を振るい続けた。

魔法を放ち続けたといえども、それは広範囲にばら撒くものではなく、狭い範囲に単発の雷を放つ代物。瞬く間に俺達は盗賊に囲まれてしまった。ざっと見回した範囲で2、30人ほど。さすがは国境付近でも最大規模の盗賊団といったところか。
とはいえ先に放った魔法によって武器の大半を失っている彼らは、武装と呼べるものを持っているのはごく僅か。おまけにボロ布を纏って来ただけといった風情のものが大半を占め武器にしてもナイフなどの小型の物ばかりだ。

さらに彼らの困惑する様子も手に取るようにわかった。突然の襲撃者に飛び出してみれば、そこにいたのは陵辱直後な全裸の女を引き連れた男の二人。どう対処すればいいのかとばかりに互いに顔を見合す盗賊たちに、マントの中の左手を握り締め一気になぎ払うために指輪を発動させようとし………。

「ちょっとちょっとちょっとちょっと、こいつはいったい何のマネだい?」

俺達を囲む盗賊たちの背後から聞こえてくる高い声。盗賊たちが左右に割れ、その奥から高い位置で髷のように銀色の髪を纏め、右目に眼帯をした長身の女が姿を現した。黒地に銀の縁取りをしたチャイナドレスのような衣装のその女は、手にした棍で地面を付いて、ナイフを思わせる目で俺を睨みつけてきた。

「あんたがここのボスか?」

もしもと思っていた可能性、女の存在(上玉な上に盗賊の一員らしいことから後々問題なる可能性が少ない)に笑い出したい気持ちを抑え、無表情を装って問いかけた。

「そんなことを聞くって事はあたしらの賞金狙いのハンターどもってわけじゃぁ無いようだね」

「あぁ、俺はが興味があるのはあんたら溜め込んでるお宝だ。いきなり盗賊団が壊滅したところで早々お国が調査に乗り出すことも無いだろうし。賞金をもらうよりもその方がいい。それにそっちの方が儲かりそうだしな」

「どこの誰だか知らないが、あたしら銀狼団も舐められたもんだね」

女が右手を上げると盗賊たちが統率の取れた動きで各々の武器を構えた。やっぱりおの女がここのボスみたいだ。右手が振り下ろされ、盗賊たちが襲い掛かってくるのと同時に、俺は親指の指輪を発動させる。一瞬で形成された光の柱が『俺』を包み、俺の身体は女の後方溶け残った砦の二階部分に転移した。首輪の力で魔法を封じられ、盗賊たちに怯えるエルディアを残して。俺の見下ろす中、盗賊たちの武器が振り下ろされ、目標を見失ったそれはエルディアへと襲い掛かった。

「!?きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

まさかその場に置き去りにされるとは思っていなかったのか、絹を裂くような悲鳴を上げ、身体をかばうように抱いて蹲った彼女に殺到した盗賊たちの得物は、エルディアに触れる直前に瞬時に出現した光の壁に弾かれ、彼女を傷つけることは無かった。
これも首輪の機能の一つで、装着者を守るための機能だ。
別にエルディアを守るためにつけた機能ではない。本来の目的はその逆。奴を苦しめるための機能だ。すこし想像して欲しい、たとえその身を傷つけることが無いとはいえ、刃物を持った男達の前に武器も服すらも身につけずに放り出され、あまつさえそいつらに襲われたら、それはどれだけの恐怖だろうか?
今後の予定としてこの首輪の守りを充実させたら戦場のど真ん中に放り込むことも考えている。

「な、やつは!?」

「どこ行きやがった、女残して消えやがったぞ」

「というか今この女武器を弾きやがった!?」

「てめぇら静かにしな!」

ざわめく盗賊たちを一括、それだけで盗賊たちは静かになる。
女は鋭い視線で辺りを警戒するが、さすが俺のいる場所をすぐに見つけることは出来ないようだ。

そんな盗賊たちの様子を見下ろしながら、俺は左手を空へと翳し、小指に嵌めた指輪に魔力を集中させて指輪を発動させた。

それに最初に気付いたのはやはりというべきか、魔法使いだったエルディアであった。発動した魔力に顔を上げ、彼女が見たのは俺の頭上で膨れ上がる巨大な水球だった。その光景に顔を青ざめさせ、それに気付いた盗賊の一人が彼女の見上げる方、つまり俺を見つけて仲間に知らせ、全員が俺のいる場所に気付いた直後、俺は作り上げた巨大な水球を盗賊たちに叩き付けた。そこに置き去りにしたエルディア諸共。

俺が元の場所に転移し辺りを確認すれば、水球を受けて殆どの盗賊たちは絶命していた。そのなかで少ない例外は当然のごとくあの女盗賊だ。エルディアとその女盗賊はあの水球を受けて気絶していた。当然俺がそうなるように調整したからだ。
俺は一応用意しておいたもう一つの首輪(エルディアのと同じ物)を女盗賊に嵌めると、二人をその場に残して砦の中へと向かった。

宝物庫に辿り着くまでに懸念していた盗賊の襲撃は無かった。おそらくは俺とあいつらの一方的な戦闘を見るかそれよりも前に逃げ出してしまったのだろう。
宝物庫には想像していた以上に多くの物が収められていた。宝石を散りばめ無駄に装飾された剣や、大粒の宝石のネックレス。この大陸で流通する金ももちろん大量にあった。それら宝物を前に、俺は『オストティガの牙』の物置から見つけてきた『大泥棒の風呂敷』という布を取り出し、それを宝物に向けて振るった。途端に宝物庫を照らし出さんばかりに収められていたお宝が消え去った。この風呂敷、いってしまえば某漫画でおなじみの四次元ホ○ケットのようなアイテムで、これを対象に向けて振るうことで一瞬でどこぞにしまうことができるのだ。

そうして悠々と宝物庫を後にした俺は、念のために何かないかと砦の中を見て周り、一階の崖側の一角で地下への入り口を発見した。
腕輪を通し二人の様子を確認するに、まだあいつらが目を覚ます気配は無い。俺は壊れかけた扉を雷で吹き飛ばすとゆっくりと地下へ降りていった。





そこは通路の左右に鉄格子の並ぶ空間、いわゆる地下牢というやつだった。牢屋の一つ一つを確認しながら奥へ進んで行くと一番奥の牢屋に唯一の住人の姿があった。
それは両手を枷で拘束され、衣類の一切を見につけずに牢の中央に天井から吊るされていた。俺の姿を確認するや、その鋭く切れ上がった目で俺を睨みつけてくるそいつは短く切りそろえた黒髪と小柄な体躯から一瞬男かと思ったが、胸元は僅かに膨らみ、隠されていない脚の付け根には先ほども剛直をねじ込んだものと同じ秘裂。服を着ていたら女だと気付くことは出来なかったかもしれない。
その少年と見舞うがごとき女の最も注目する点は頭部は黒髪の中で左右に跳ねた一対の耳だった。最初は髪がまとまってはねているのかと思ってよく見てみれば、それが左右にはねた猫のものに似た耳であることがわかった。さらに牢屋が暗くてわからなかったが、腰の辺りからは黒く細い尻尾が不快気に左右に振られている。
髪もその尻尾も濡れ烏のごとき深い黒色で、それに対して肌の下が透けて見えそうなほどに白い肌、そして有るか無いかという僅かな膨らみしかない胸元には鎖を模したような紋が記されている。奴隷の刻印だ。
この砦で盗賊たちに使われていた奴隷かと思ったがその考えをすぐに否定した。理由はもしも奴隷を使うのならこの広い砦にたった一人というのはおかしいだろうと考えたからだ。ならばどうしてこんなところに奴隷がいるのか、その答えもすぐに思いついた。この女は元々は奴隷ではなく、どこかの村か、旅の途中であの盗賊たちに捕まり、奴隷の刻印を押されたのだろう。それならばこいつがただ一人この牢屋に入れられていることに説明も付くだろう。そしてたぶんこの女は盗賊たちにとっては商品なのだ。元の世界にもマフィアだったりヤクザだったりとそう言ったアンダーグラウンドな世界は存在したし、そういったコミュニティが存在しているだろう。こいつはそういったコミュニティを通して奴隷商人に売り払う商品なのだと思う。

ちなみにこの奴隷の刻印はただ押されてあるわけではない。この刻印自体が儀式魔法のための陣の役割を果たし、主に隷属する呪いの源となるのだ。これはやり方さえ知っていればほぼ誰でも一方的に行うことが出来る。何せ奴隷だ、誰が進んでなりたがるというのか。この刻印を施されたものは主となったものに開放されない限り永遠に奴隷としてその主に仕えさせられる、簡単なれど強力な呪いだ。
黒々と存在を主張する刻印を見ればその主がまだ健在であることがわかる。おそらくはあの女盗賊がそうなのだろう。主が死亡していればこの刻印は黒から灰色へと姿を変える。その状態ならば誰でも容易くその奴隷の主になることが出来る。主がいる場合はその所有権の譲渡などの儀式が必要だが、『蛇の林檎』を持つ俺にとってはその限りではない。

「おい、お前の主は上にいる銀髪の女か?」

「………あんた、盗賊の一味じゃないのか?」

「質問に質問で答えるな。もう一度聞くぞ、お前の主は上にいる銀髪の女か?」

「…………あぁそうだよ!あいつが僕の主だよ!くそっ……………………」

悔しげに視線を床に逸らしながら、怒りに溢れ怒鳴るような返答をした女は悔しげに悪態をつき、こちらにまで聞こえるほど大きな歯軋りをする。この様子からして俺の予想は当たりのようだ。
俺は牢屋の鉄格子に手を翳すと、中指に嵌めた『サイコ・リング』を発動させる。
『ギィッ』と金属のきしむ音と共に鉄格子が大きく歪曲し人が通るのに十分な空間が出来上がる。
その鉄格子の間を潜って女に近づくと、顎を掴んでうつむいていた顔を上げさせ、その目を覗き込んだ。綺麗な金色の瞳に悔しさの混ざった怒りの焔を燃やしているように見えたその瞳に、俺は小さく笑みを浮かべ、女が嫌がるように顔を振るえばその手を離す。

「名前は?」

「……………………ジナ、ジナ・ペーレンディ」

「何が出来る?」

「…………剣なら扱える」

「奴らに捕まる前は何をしていた?」

「…………傭兵」

自分の立場がわかっているのか、ジナは忌々しげに俺のことを睨みつけながらも質問に正直に答え、俺は思わぬ収穫にほくそ笑みながら最後質問を問いかける。

「ジナ、お前に選択肢をやる。このままここで朽ち果てるのと、俺の奴隷としてここを出るのとどちらを選ぶ?」

「……………………は、そんなこと言ったところで僕に選択肢なんて無いんだろう?それにどちらを選んだところで僕が誰かに売られることに違いは無い」

俺の言葉を鼻で笑い、睨みつけてくるジナの小柄な身体を見下ろしながらそれを否定するように頭を振った。

「上の盗賊団は俺が壊滅させた。あの女盗賊も俺の奴隷として持って帰る予定だ。お前が俺の奴隷にならないというのならば、お前はいつ来るかもわからない誰かを待ちながらここで朽ち果てることになるだろうな」

「奴らを、壊滅…………、させた?」

ジナは目を見開き驚愕の表情で俺を見上げ、呆然と呟いた。

「あぁ、なんなら上に連れて行って見せてやろうか?」

さらにそう付け足してやると、ジナは「いい」と一言だけ呟くと表情を隠すように顔をうつむかせしばらく無言で何かを考えているようだった。とはいえそれもほんの僅かな間で、意を決したように顔を上げると、俺の最後の問いの言葉を口にした。

「わかった、あんたの奴隷になるよ…………」

「契約は成立だ」

牢屋の鉄格子を曲げたサイコ・リングでジナを吊るす鎖を引きちぎると、牢屋の床に落下したジナはその猫のような外見的特長に見合った身軽さで、静かに着地して見せた。

「それでどうするつもりなんだ?今の私はあの女の奴隷だ。あの女が黙ってその所有権を明け渡すとは思えないけど?」

「心配無い。俺ならそんなもの関係なくお前の所有権を手に入れられる」

少し我慢しろ、とジナを抱きしめ、俺は『蛇の林檎』から探し出した呪文を唱えながら奴隷の刻印を押された左胸に、いやその刻印そのものに右手の五指を差し込んでゆく。

「あぐっ!うっ、あっ、くぅっ!」

ジナの痛みをこらえる噛み殺した声が牢屋に響き、それを聞きながら刻印へと魔力を流し込んでゆく。指が突き刺さっているもののジナの胸から血が流れることは無く、逆に流し込まれる魔力が強引に呪いの情報を上書きしてゆく。その際ジナに与えられる苦痛は相当なものなのか額に汗を浮かべ、歯を食いしばるその姿に嗜虐心をそそられながらも俺は呪文を唱え続ける。
そして5分ほどそうしていただろうか?見事にその所有権をあの女から俺へと移した俺は、荒い息を吐くジナを解放し、力なく崩れ落ちる姿を見下ろしていた。

「これでお前は俺のものだ」

「…………まさか、本当にこんなことが出来るなんて。あんた、本当に何者なんだよ?」

「タツヤだ。こっち風に言うならタツヤ・モガミになるか」

「こっち風、ね。少なくともこの大陸の出身じゃないね」

「そう思っていればいい。それじゃ、さっそくだが…………」

「………っ!」

牢屋の床に力なく座り込むジナの前で、俺はマントを開き、ズボンを下ろしていきり立つ物をジナに見せ付けた。
突然目の前に出された男性器、それも剣を使うとはいえ細い彼女の腕よりも太い巨根にジナは息を呑む。それと同時に俺が何を命じるつもりなのか理解したのか、さすがに先ほどまでの気丈な表情を一転させ、怯えの混じった目で俺の剛直を凝視する。

「さっきエルディアの奴に出してやったんだが、あれだけじゃもう限界でな俺に奉仕するんだ」

「あ、あぁ、こ、これを………?」

「あぁ、お前の股座にこいつを突っ込んで奉仕するんだよ」

俺の言葉にその光景を想像したのか、表情を青ざめさせて後ずさる姿がどこか純潔を失ったばかりのエルディアにかぶって見えた。それに一瞬眉をしかめ、後ずさるジナの腕を掴んでその身体を再び背後から抱きしめる。

「ひっ!」

そうすれば当然俺のペニスはジナの身体に押し付けられ、それに対してジナの悲鳴が上がる。

「もしかして、お前処女か?」

その言葉にいっそう青ざめるジナの表情に想像が間違っていないことを確信して笑みを浮かべる。

「そうか処女か。悪いな、初めてのチンポがこんな化け物でな。恨むなら俺をこんな体にしやがったエルディアを恨め」

とはいえ、初めての女にこの巨根がきついを通り越して殺人的だろうことは容易に想像することができる。せっかく手に入れた奴隷なのだ、最初から無茶をして壊してしまうのは避けたい。ゆえに俺は『蛇の林檎』からいいものは無いか検索をかけ、ちょうどいいものを見つけた。

「今回は特別だ。次からはいつでも俺のものを咥え込めるように、マンコを濡らせるようにしておけ」

「うっ………!」

左手に魔力を集中し口の中で唱えるのは性魔法の呪文。感度を上げ、痛みを快楽として受け止めるようにする魔法を発動しながらジナの無毛の秘部に手を伸ばす。普段も自分で慰めるということをしていないのだろう、ぴったりと合わさった秘裂に指をねじ込み、少々荒っぽくも愛撫を開始する。秘裂に指をねじ込むときにジナがうめき声を上げるも、俺はそれを無視して陰唇を掻き分け陰部を擦りあげる。
殆ど無いといっても言い胸を揉んでやりながら、ふと思い返してみるとエルディアも上の女盗賊もジナとは逆に豊満な肉体をしていた。どこの世界でも同じなのか、胸を触るときにジナの表情に浮かんでいた羞恥の色が一層濃くなったのを見て取りやはり女は胸のサイズというもの気にするのかと思い、先端の突起を強く摘んでやった。

「つっぅ…………!」

「小さいな」

「う、うるさい!胸のサイズなんてどうでもいいだろう!」

「誰も胸のことだとは言ってないぞ?」

墓穴を掘ったことに気付いたのか、顔を真っ赤にしてうつむいてしまったジナのうなじに舌を這わし、その本人も気にする小さな胸を執拗に揉んでやると、魔法が聞いているようで秘裂には早くも愛液が滲み出し、ジナの呼吸も徐々に熱いものへと変化してゆく。

「―――あっ、う、くぅつ………、何、これぇ。身体が、熱く、ひぃぃっ!」

身体を襲う快楽に足が震え、喘ぎ声が混じり出したジナの淫核を弾いてやれば、面白いように身体を跳ねさせ悲鳴を上げる。

「普段自慰はしないのか?」

「そ、んなことぉ、んっ、し、したこと、はぁ、ないんんんひぃっ!」

懸命に声を漏らすまいとするジナを嘲笑うように、俺が再び淫核を弾けばたまらず喘ぎ混じりの悲鳴が上がる。

「―――あっ、ふぅっ、ひ、あっ……、くぅっ、んぁぁ……」

「こっちを向け」

淫裂からはくちゅくちゅと水音が響くようになり、おそらくは初めての快感に意識を朦朧とさせ始めるジナに命ずると、なんの疑いも無く顔をこちらに向け、おれは肩越しに顔を伸ばしその唇を奪う。舌を差し込めば女の本能の成せる業か俺の舌に自身の舌を絡め、進んで俺の唾液を啜り出す。絡めた舌を扱けば更に表情を蕩けさせる。
淫裂から指を抜き、膝の裏に手を入れて左脚を上げさせ愛液に塗れた秘裂を晒させると、牢屋の壁に手を突かせ、俺は剛直を濡れそぼった割れにゆっくりと差し込んでゆく。

「―――ふぁ、うっ、くぅっ…………、んぁぁっ!」

ペニスからブチリと何かを引き裂く感触が伝わり、それと同時にジナの表情が痛みに歪むが、それも一瞬の出来事で腰を加速させて奥を突いてやれば甘い声を上げて表情を再び蕩けさせる。

「あっ、あっ、あぅっ、ああん、あっ、な、何これ、気持、ひぅっ、気持ちいい!おなかの、中ぁ!突かれて、突かれてぇ、気持ちいいのぉ!」

処女特有の締め付けを心地よく感じながら腰を振るえば、魔法によって痛みすらも快感に感じるジナはつい今しがたまで処女だったのが嘘だったかのように喘ぎ声を上げる。黒い尻尾が俺の目の前でピンと立ち、それを軽く扱いてやれば更なる嬌声とともに尻尾を腕に巻きつけてくる。

「は、処女だったくせにこの乱れよう、もともと相当な淫乱だったらしいな」

「ひゃうっ、ちがっ、僕、は、―――あんっ!淫乱、んくぅっ、淫乱なんかじゃぁぁぁん!」

「それならちょっと触ってやっただけでなんでこんなマンコを濡らして、処女を奪われて嬌声を上げているんだ?お前のマンコは今も俺のペニスを貪欲に締め付けて離そうとしないぞ?」

「いやぁ、いやぁだぁ。そんんぅっ、そんな、ことぉ、あんっ、いわ、いわないでぁあんっ!」

ジナの心地よい締めつけを堪能しながらマンコを突き上げてやれば狂ったように喘ぎ、しかし俺の言葉を懸命に否定しようとするが、その姿はまさしく盛りの付いた猫そのものだ。俺が使用した性魔法に気付いていないようで、時折自身の状態に不審気な表情を浮かべるも、それはすぐさま襲い掛かる快楽に打ち消され、止め処も無くあふれ出る喘ぎ声を牢屋内に響かせる。

「あひぃんっ、いやぁっ、なにかっ、何かくるぅっ!中から何かくるのぉっ!」

「ちょうどいい、俺もそろそろだ。お前中に俺の物である証を刻み込んでやるよ」

ジナの絶頂が近いことを感じ取った俺は、腰の動きを激しくしスパートをかける。それに比してジナの嬌声の音量もあがり、あたりから嬌声と淫音、腰を打ち付ける音以外が聞こえなくなる。

「くるぅっ、何かがきちゃうぅっ!」

「いけ、これでお前は俺のものだ!」

「いゃっ、いゃぁっ、あぁぁぁぁぁぁぁぁああああぁぁぁぁぁぁああああああぁぁぁぁっ!」

一際甲高いジナの絶頂の声とともに大量のザーメンを膣内に流し込み、口を魚のようにパクパクとさせるジナのマンコからペニスを引き抜くと、彼女は糸の切れたマリオネットのように崩れ落ちた……………………。





それから数分後、絶頂の余韻から回復したジナを連れた俺はあの女盗賊のものだろう部屋にいた。彼らに捕まる前に持っていた服を奴らに取り上げられていたため、代わりの服を見繕いに来たのだ。最初地下牢から地上に上がってきたとき、そのあまりの参上に言葉を失くすジナを促しここまで来たのはいいのだが、俺はあることを失念していた。それはあの女盗賊にはあってジナには無いもの。すなわち胸!(重要事項)
あの女のサイズに合わせてしつらえられた服(どれもノースリーブのチャイナドレスだった)は圧倒的なまでに胸が足りず、どう見ても不恰好になってしまうのだ。俺は仕方なく幾つかの服を切り裂き丸めると、これまたサイズの合わないブラごとジナに着けさせれば顔を真っ赤にしてそれを外そうとするため、無理やりつけるように命令して認めさせた。脅威のならぬ胸囲の四サイズ鯖読みである。
ジナは自分の荷物を探せば服はあると主張するが、当然のごとく彼女の荷物は砦の消失部に置かれていたか、既に処分されていたらしく見つけることは叶わなかった。そして未だに気絶したままのエルディアと女盗賊を回収し、俺はオストティガの牙へ帰還したのだった。



初投稿、2011,6,20
修正、同上
修正2、同上
修正3、2011,6,24



[28431] 異界淫法録設定
Name: フライングフォックス◆12b42988 ID:64f399be
Date: 2011/06/28 17:21
異界淫法録・三話目時点での設定およびキャラクター紹介

・最上達也(もがみたつや)
18歳
身長174cm
黒髪黒目の典型的な日本人。髪は短く無造作に切りそろえている。野球をしていたために割りと体格はいい。
異世界の魔法使いエルディアに奴隷として召喚された哀れな現代日本人。
幼少のころ教徒というよりも狂徒というような敬虔なカトリック信者であった母に連れられ、イタリアはローマ、バチカン市国郊外に住んでいた経験あり。そのためラテン語とイタリア語も話せるトライリンガル。
中学校時代は野球部に所属し数回の大会優勝経験を持つ。苦労して志望した高校に受かるもその入学式の日に召喚されて現在に至る。
過去エルディアにされた仕打ちにより、ペニスの肥大化及び常時勃起化する。他にも右腕を文字通り原型を留めぬほど滅茶苦茶に潰され、奇跡的に回復できたものの握力は箸やペンを持つのが精一杯な程度しか回復せず、突発的に痙攣を起こすようになる。右腕及びペニスを元に戻すことはこの世界の技術及び魔法では非常に困難を極め、なかば諦めている。
そして当然このような仕打ちをしたエルディアには晴れることの無い底知れぬ怨みを持ち、立場が逆転した現在、エルディアの全てを奪い復讐し続けることをライフワークと考えている。
また元々は魔力を持たないが故にこの世界では誰もが持つ魔力の『上限』を持たず、魔力を得てからは無上限に魔力を回復し続ける存在となる。技術は有れども魔力の乏しかったエルディアとは究極的なまでに対極の存在となる。
望む知識を与える魔道書『蛇の林檎』の契約者

・エルディア=フォスティーナ
22歳
身長168cm、
カップD
赤毛(ワインレッドよりもなお深い赤)青目。
種族・人間
主人公・達也をこの世界に召喚した張本人。
生まれついての魔力は低いが、魔法についての知識及び技術は非常に高く、それゆえに魔力を得るために禁断の儀式に手を出してしまう。純潔を守り通すことを代価に、自身の身体の自由を代償として莫大な魔力を得ることに成功し、稀代の魔女と魔法使いの間では名の売れた存在となる。しかし自身にかけた儀式により純潔を守り通さなければならなくなった彼女は、極端に人との関わり(特に男との)を避けるようになったため交友関係は非常に少ない。そのため古代遺跡でもあるオストティガの牙を居城とした後は塔に引きこもり魔法の研究に没頭するようになる。
達也を召喚したのはそんな彼女が身の回りをことをする余裕がなくなったためであり、純潔についても彼女の研究の末に得たロストマジック『主従の呪い』があれば手を出されることは無いと高をくくり、結果達也に純潔を奪われこととなる。
現在は自身が施した儀式の代償と、念には念をいれた達也の首輪により寄り強固な服従を強いられている。

・ジナ=ペーレンディ
15歳
身長151cm
カップA
黒髪金目
種族・ガウトリア
短く切りそろえた髪の中から伏せ気味に左右に飛び出す猫耳がチャームポイントのケモ耳貧乳僕娘。非常に作者得です。
年は若くも腕の立つ傭兵だったものの、数の暴力には敵わず盗賊集団『銀狼団』に捕まえられ奴隷の刻印を押される。奴隷商人に売られる前に達也が盗賊団を壊滅させたためにそのまま達也の奴隷となる。
もともと所持していた荷物は達也の魔法で溶滅。盗賊団の頭だった女の服(チャイナドレス)を着ることになるも胸が足りずに詰め物でサイズをあわせることに。これによりケモ耳貧乳僕娘からケモ耳偽乳僕娘にクラスチェンジ中。

・女盗賊
カップD
銀髪碧目
眼帯装備。
オストティガの牙周辺で最も大きな規模の盗賊集団『銀狼団』を率いていたために達也の奴隷となる運命を頂戴した運の悪い女。今のところエルディアと並ぶ巨乳。とりあえずカリスマはあったらしい。





・用語
・サンセストリア大陸
エルディアたちの住む世界の一大陸。他にもいくつか大陸はあるがその中でも二番目にでかい。

・エーレスリストス
サンセストリア大陸北部の大半を占める大国。サンセストリア大陸の中でも1、2を競う大国。エルディアはこの国の出身。達也の現在の住処オストティガの牙もこの国にある。

・蛇の林檎
達也が倉庫の中で見つけたなぜか達也の世界の言葉(ラテン語)で書かれた魔道書。契約者に望む知識を与える魔道書で今現在詳しいことは不明。これから解明されるかどうかも不明。ちなみにこの魔道書の名前はあキリスト教におけるアダムとイブの食べた知恵の実とそれを食べるように唆した蛇を指す。

・ロストマジック(失われた魔法)
何かしらの理由で現代に伝えられなくなった魔法。非常に強力なものから一体どんな状況で使われるのかわからないようなものまで割とどんなものでもあり。

・主従の呪い
エルディアが復元したロストマジック。非常に強力ではあるが、この魔法が廃れた理由は解除法の開発が原因であり、それを知らなかったエルディアはこの魔法を達也に使用し、結果破られることとなる。

・アシッドフォッグ
達也が『蛇の林檎』から引き出したロストマジック。無機物のみを確実に溶かす霧を発生させ、自在に操ることが出来る。この魔法が廃れた理由は効果を縛ったものの範囲が広すぎ、有機物には一切の影響を与えないようにしているために必要とする魔力の量が多すぎ、それゆえに使い勝手が悪すぎるの原因。

・オストティガの牙
現在の達也の住処。古代遺跡であり古代の魔法施設である塔。周囲の魔力を集積する機能を持つ。
オストティガというのは魔力を吸収する牙を持つというこの世界の伝説上に存在する魔獣の名前。

・転移の指輪
達也が魔道書の知識を用いて作成した指輪。名前のとおり転移を行うことが出来るが、転移できる範囲は視界内のみと狭く使い勝手はあまりいいとはいえない。

・雷光の指輪
達也が魔道書の知識を用いて作成した指輪。雷を放ち、それを操る力をもつ。

・水魔の指輪
達也が魔道書の知識を用いて作成した指輪。水を操る力を持つ。

・サイコ・リング
達也が魔道書の知識を用いて作成した指輪。念力を使用できる。

・奴隷の首輪
達也が魔道書の知識を用いて作成した首輪、彼の右手に嵌めた腕輪と対となっている。
腕輪をしている人間を主としてその命令に服従させる力を持つ。また装着者の神経系統を有る程度制御することが可能で、他にも防護機能も付いている。




[28431] 異界淫法録・4
Name: フライングフォックス◆12b42988 ID:64f399be
Date: 2011/06/24 01:22
オストティガの牙に戻った俺はエルディアを転移の間に放置し、女盗賊を適当な部屋につないだ上で部屋の扉に魔法で錠をかけ、未だに性魔法の効果が消え切らないジナを連れて寝室へと向かった。当然ジナの身体を楽しむためだ。
ジナは胸のサイズに相当なコンプレックスを持っているらしく、そこをついて弄びたっぷりと堪能し終わったとき、既に太陽は中天に届いていた。

「―――ぶちゅっ、ぶぶっ………、チュパッ、チュゥッ、ブプっ…………ぶぅっち、くんっ」

「そうだ、そのまま唇で陰茎を扱いて舌を雁の裏に這わせるんだ」

ベッドに腰掛ける俺の脚の間にジナが膝立ちになり、その大きすぎるペニスの先端を口に含み、残る陰茎を抱きかかえるようにして全身で奉仕をしている。
小さな胸の先端の突起が陰茎を擦り、俺に与える以上の刺激を自身に受けて身悶える。
初めは魔法の効果で異常な乱れ方を見せた彼女だが、魔法抜きにしてもそういった素質は元からあったようで、それは一晩で上達した口淫の技術や、魔法が切れた後に奪ったアナルヴァージンの際の乱れ方を見ればよくわかる。
黒髪の中から飛び出る耳の裏側を掻いてやれば、恨めしそうにしかし気持ちよさそうに目元を歪ませる。

「そら、しっかりと飲めよ」

「―――んぐっ、うぶぶ、ぶぶっ。クン、コクッ…………」

そして訪れる限界に逆らわずジアの口の中にザーメンを解き放つ。
一晩でこの小さな口に何回吐き出したか、懸命に飲み干そうとするがそれを上回る量のザーメンに、結局口端から零れたザーメンが胸に垂れる。
口の中の分を飲み終え、胸に垂れた精液を指ですくって口に運ぶ姿は非常に色気がある。別に俺が教えたわけではないのに、自然とそんなしぐさを見せる彼女はやはり元より淫乱の気があったということの証左だろう。

その後ジナを連れて風呂場 (10人以上で入ってもまだ余裕のある大浴場)に向かった俺は、彼女に背中を流させた。右手が使えなくなってからと言うものの、背中を満足に洗えずに難儀していたため、本当に久しぶりに生き返った気分で浴場を後にした。

そして服を着替え(ジナは砦で見つけたチャイナドレス。胸の偽装有)ジナに用意させた飯を食ってようやく人心地付いた。
とはいえ場所はエルディアが実験室として使っていた部屋で、更に言えば俺が座る椅子の下では四つん這いになったエルディアが痛みをこらえながら腰をふっており、ジナはそれを気にしないようにしつつも無視しきれないらしく、ちらりちらりとそちらに視線を向けている。

「ジナ、こいつを着けておけ」

「これって、マジックリング?」

「守りの魔法を刻んだな」

俺の短い説明を聞きながらそれを右手の人差し指に嵌めたジナは、驚きの表情で目を見開いて指輪に見入ってしまった。

「どうした?」

「こ、これって…………どうやって?
込められた魔力、エンシェンタリーアイテム(古代魔法級アイテム)!?。こんな高価なものどうやって手に入れたの!?」

エンシェンタリーアイテム(古代魔法級)、たしか今よりも昔に魔法が栄えていたころに作られたアイテムのことか。当時のマジックアイテムは現代作られるものよりもより強力なアイテムが多く、安いものでも下級平民一家族が一生遊んで暮らせるだけの価値はあるとか…………。

「いや、そいつは俺が作った奴だ。こいつらと一緒にな」

「作ったって…………、嘘でしょ?」

左手に嵌めた五つのマジックリングを見せてやり、それを見たジナは呆然とした様子で自分で用意していた椅子に腰を落とした。俺がやったことは少なくとも彼女の常識ではとても非常識なことだったらしい。

「とにかくそいつを着けておけ。もしもの場合必要になるかもしれないからな」

運よく奴隷を手に入れることはできた。少なくとも身の回りの世話とこの世界の常識など俺がわかっていない部分のサポートはジナに任せられるはずだ。丸半日可愛がってやったからか、口調に反抗的なところや生意気なところが残っていたりもするが、基本従順に従うようになったジナを見ながら『大泥棒の風呂敷』を取りだして渡す。

「三階の東端の部屋が空いてるから、そこでこいつを振って砦から持ち帰ったお宝をしまって来い。中にはいくつか剣もあったはずだから良いものを選んでおけ。必要なら俺がエンチャントするから好きなものを選べ」

「好きなものって…………、そんなに大盤振る舞いで良いのかよ?」

「俺はこの大陸のことに、世情や物価なんかに対して疎い。お前にはその面で頼りにさせてもらうつもりだ。その場合お前を外に連れて行くことも多くなる。もしもの場合の護衛の代わりもしてもらう。それとも出来ないか?」

「―――あぐっ、うっ、うっ、うっ、あぎぃっ…………!」

腰を振るうエルディアが余計なことを言わないようクリトリスを捻って悲鳴を上げさせながら、挑発するように問い返せば、ジナ少し考えるようなそぶりを見せるも、顔を上げれば真剣な表情で頷いた。

「…………わかった。僕の力が必要だって言うなら」

その言葉に満足し、エルディアにスパートをかけさせるべく尻を叩き、塔に意識を集中させる。

「あの寝室の近くの部屋、一部屋くれてやる。好きに使え」

寝室の近くの部屋に特に重要なものが無いことを確認して許可を出す。エルディアにまともな交流関係が無いことはよく知っているが、使われていない部屋になぜベッドと机が完備されていたのか、何気にこの三年間不思議に思いつつも解けること無かった謎である。

「これからはご主人様って呼んだほうが良いか?」

「……………………好きにしろ」

そうか、よく考えてみればそういう関係になるわけか……………、いまさら過ぎるしジナにご主人様って呼ばれるところなんか想像できん…………。

「わかった。ところで…………、エルディアって言ったっけ?そいつとタツヤのかんk「ジナ……………………」うっ、わかった…………、これ以上は聞かないよ…………」

言葉の途中で睨みつけ、それに何かを感じ取ったのか、怯んだジナは一歩後ずさりながらそう言った。俺の機嫌が悪くなったことを察したのだろう。俺が出口を顎でしゃくれば一度頭を下げて退出して行った。

扉が完全に閉まり、彼女がこの部屋から離れていくのを塔越しに確認すると、エルディアの秘裂から剛直を引き抜き、髪を掴んで顔を上げさせ、喉の奥までペニスを捻りこんだ。

「あっ、おぐぅっ!…………ぐげぇ、んぐっ、おぐぅっ!」

強引に、顎が外れんばかりに開かせたエルディアの口に、喉にペニスを捻じ込み、苦しげに表情を歪ませるのを見下ろしながらイマラチオを続ける。
忌々しい。他人の口からこいつの名前を聞いただけでも、こんなにも心のそこからドスぐらいものが湧き出てくる。湧き出る感情のままに腰を振るい、喉の奥に直接ザーメンを注ぎ込めば、エルディアは白目を剥いて気絶する。

気絶したエルディアを扉のところまで引きずってゆき、そのまま部屋の外へ蹴り出すと、俺は大きく深呼吸をして座っていた椅子に再び腰掛けた。
ジナに用意させておいた水差しから水を飲んで気持ちを落ち着けると、机の上に開いた地図に視線を落としてこれからのことを考え始めた。

とりあえず、盗賊団から得た金品は相当な額になるはずだ。これなら当面の資金に問題は無いだろう。とはいえざっと見た感じでは現金よりも宝石や宝飾品など現物が多く、これを捌く方法を考えなくてはいけないが………、そこは捕らえた女盗賊に任せれば良いだろう。今まだ目を覚まさない女盗賊には既に奴隷の刻印を打ち、俺の奴隷にしてある。後は俺に隷属するように調教してやればいい。これからも同じように奴隷を得る機会があるかもしれないし、あいつでいろいろと試してみることにしよう。
あれがなかなか落ちない、または壊れてしまうようなら他の盗賊団や山賊団を潰して回って新しい奴隷を手に入れるか、先に騙されることも覚悟の上で幾つかの商人にあれを持ち込んで身を持って覚えるのも手か。できればそんな手は使いたくないから、これは完全な最終手段だな。
さて、あれを調教か。調教に使えそうなものがあるか、蛇の林檎で調べるか………………。いや、まて。そういえば、あの魔道書、手に入れて三ヵ月、か。一頁目を読んで使い方がわかってから中までは読んでなかったな……………。一度あれも最後まで読んでおくべきか?便利すぎて忘れてたけど、俺はあれについて詳しいことは何一つわかってないんだ……………。けど魔法の基礎知識が皆無の俺にあれを調べることが出来るかどうか……………。やっぱりこっち方面のサポートが出来るやつが欲しいな。地盤を固めたらエルディアみたいに隠遁してる優秀な魔法使いを探すか。上手く捕まえて隷属させられればちゃんとした魔道書の研究も可能になるはずだ。

まぁいろいろと考えては見たものの、まずは当面の問題だよな。そこが上手くいかなきゃとらぬ狸のなんとやら、または絵に描いた餅か。

それからしばらくの間、塔の機能で各所にしまわれた道具を調べていると、大泥棒の風呂敷を持ったジナが戻ってきた。水時計を見てみればここを出てから結構な時間がたっている。理由を聞けば今回手に入れた宝の整理もしていたとか。報告と一緒に渡された羊皮紙には、どのようなものが幾つ、どこにしまわれたか、現金はいくらで、内紙幣がいくら、コインがいくらときめ細かに書かれていた。
ジナ、思っていた以上に優秀なようだ。

「で、剣は選んだのか?」

「うん、これがあったから…………」

手渡されたのは、うん、これってどこからどう見ても日本刀だな。鞘から刀を引き抜き見てみれば、刃物に疎い俺でもわかる、美しい刀身が姿を現す。

「魔力は、宿ってないみたいだな」

「全部確認したけど、魔力を持った武器は無かった。けど業物がいくつかあったからそれも羊皮紙のほうに書いておいた」

なるほど、言われて見てみればたしかにそのような旨が武器の名前の横に書かれている。一応これらは別の場所に移させるかな。

「後でこの業物だけ別の場所に移しておいてくれ。場所は、そうだな。この部屋の隣だ。机やベッドは適当な部屋に移しておけ」

「わかった」

「こいつには俺が後で魔力をエンチャントしておく。なにか付加して欲しい能力があれば先に言っておけ」

「うんん、タツヤに任せる」

「…………下がって良いぞ」

さて、こいつのエンチャントについて完全に丸投げされた形になったわけだけど、どうするべきかな。とりあえず柄をばらして机の上に並べ、新しい羊皮紙にこの刀について気付いたことを羅列してゆき、その後に俺の知っている刀についての知識も付け加えてゆく。付け加えるとはいえ、俺が知っていることなど高が知れているが。
とりあえず日本刀は剛性と柔性という二つの反する特性を細かなバランスの上で統合させた武器だ。扱い方も西洋剣―――バスタード、クレイモア、トゥハンデッドなどで知られる形の剣が重さや力に任せて『叩き斬る』武器であるのに対し、日本刀は技術でもって『切り裂く』武器であり、この時点でその使用方法が明確に違うことがよくわかる。
こんな刀という武器にどんなエンチャントをするべきか、今自分が施すことの出来るエンチャントを並べ、その効果と刀の相性について思考しながら、時間は瞬く間に過ぎていった。





初投稿、2011,6,21
修正、2011,6,24



[28431] 異界淫法録・5
Name: フライングフォックス◆12b42988 ID:64f399be
Date: 2011/06/24 01:23
刀に何をエンチャントするか、その方向性が決まり手にしていたペンを机に置いたとき、計ったかのようなこのタイミングあの女盗賊が目を覚ましたことが奴に着けた首輪越しに伝わってきた。

「ちょうどいい、か」

再びペンを取り、適当な紙にいくつか書き込むと、それを持ってその部屋を出る。扉の傍ではエルディアが未だに気絶したまま横たわっていたが、当然のごとく無視してジナのいる部屋へと向かった。

「ジナ」

「ん、タツヤ?」

ジナはトレーニングでもしていたのか、肩にタオルをかけ息を弾ませながら俺を出迎える。ジナの選んだ部屋は東西にある階段のうち東の階段の傍にある部屋だった。机とベッド、最低限のものしかない部屋の隅には嫌がっていたはずの“胸”のサイズの合わないチャイナドレスが綺麗に畳まれて置かれていた。

「こいつをさっきの部屋に用意しておけ。それとこっちはあの女を閉じ込めた部屋の前に持って来い」

「わかった。こっちの、あの女の方に持って行く方を先にすればいいの?」

「あぁ、部屋の前に置いておけばいい」

「ん、わかった」

二枚に裂いた紙をジナに渡し、俺は目を覚ました女盗賊のいる部屋へと向かった。

女盗賊を捕らえている部屋はオストティガの牙の地下、転移施設の傍の部屋だ。
塔に巻きつくように設けられた二つの階段。斜は緩いがその分下の階に着くまでに時間が掛かる。外側の壁に並ぶ窓からは夕暮れを示すオレンジ色の光が階段を彩り、そして影を一層濃く浮き上がらせる。
エルディアが実験室として使っていた部屋地上四階。女を捕らえた部屋のある階に行くには七階分階段を下りることになる。何とかしてエレベーターか何かを用意できないものか考えながら、15分かけてようやく目的の階に辿り着く。
そして…………

「ようやくお出ましかい?」

女を捕らえた部屋に入るなり、出迎えたのはそんな言葉だった。

「あいつもよっぽど根に持ってたみたいだな」

ため息混じりに見る先では、例の女盗賊が衣服さえ脱がされていないもののあの砦で牢屋に入れられていたジナと同じように、両手を拘束されそから伸びる鎖で吊るされていた。
俺がここに繋いだ時は床に打ち込まれた杭の先に繋いでおいたはずなんだが。まぁ根に持つのも仕方ないか。こいつに襲われなきゃ奴隷になることは無かったはずだし、服を脱がされなければ俺の魔法に巻き込まれて服が無くなる事も無かった。ついでに胸のサイズが合わない服を詰め物までして着るという羞恥を晒すことも無かったんだからな。最後のを無理やりやらせたのは俺だが。

「まぁいい。で、気分はどうだ?」

「最悪だね。さっさとこいつを外しな。そうすれば今回のことには目ぇ瞑ってやるからさぁ」

「そいつはよかった。だが断る。
ふぅ、自分の立場って奴がわかってないみたいだな」

女盗賊に傍により、チャイナ服の胸元を掴み力任せに引っ張ると、鈍い音を立ててボタンがちぎれ、豊満な双房が外気に晒される。

「くっ、こんなことしてぇっ、ただで済むと思ってんのかいっ!」

「ん、いくらだ?」

「馬鹿におしでないよっ!」

俺の頭めがけて放たれたハイキック。チャイナドレスの裾が捲れ、白い太ももが、更には下着が露になるのもかまわず放たれたそれは、俺に当たる直前に止められる。誰あろう放った本人によって。とはいえ本人は自分がなぜ蹴りを止めたのかわかってないだろうが。

「首輪の機能は正常に働いているみたいだな。重畳」

エルディアに嵌めたのと同じ首輪。もしもあいつが二つの服従の呪いを振り切れた場合、俺に牙を向けるだろうことを考えてつけた機能だ。この首輪をつけている限り、対となる腕輪をつけるものに危害を加えようとすれば、首輪が全身に停止の電気信号を流すようになっている。こちらではそうではないようだが、人間の身体、神経を通して全身に命令を伝えているのは電気信号であることはよく知られていることだ。危害を加えられなくするために魔法を用いる場合、二重の服従の呪いを振り切れるならば動きを止める魔法にも抵抗される可能性がある。だから俺は魔法で直接動きを止めるのではなく、魔法で作り出した電気信号を直接身体に流すことで動きを止めるようにしたのだ。

「くっ、この、首輪かい!?」

「予備とは言わずもう幾つか作っておくか。結構便利みたいだしな」

脚を振り上げたまま止まった女のブラに手を伸ばしてそれを引きちぎれば、ジナの胸に刻まれていたように、彼女の左胸にも奴隷の刻印がその存在を主張している。それを下から鷲掴みにしながら持ち上げ、刻印が女からもよく見えるようにしてやる。

「これが何かわかるよな?お前はもう既に俺の所有物なんだよ」

「はん、そんなものが何だってんだい?あたし達みたいなはぐれ者が刻印の一つや二つで素直に言うことを聞くとでも思ってんのかい?」

まぁ、そうだろうな。実のところ奴隷の刻印には服従を強いたりなどの強制力は無い。こいつらが奴隷の刻印を施したジナを態々拘束していたことからもそれはわかるだろう。奴隷の刻印の持つ力は、せいぜいが主の言葉に従うよう魔術的に促す程度であり、それを振り切ることは用意だ。他も主が奴隷を居場所を知るためのマーカーとしての役割や、その所有権を示すだけのものに過ぎない。
もともと奴隷の刻印は罪人や他国の捕虜に打ち込むもので、店や宿、医者などの公共の施設を使わせないようにするために、他の人間と区別するために使用されている。ジナは傭兵という荒事を行ってきた身だが、それでも犯罪に手を染めた人間ではない。奴隷の刻印を打たれるということはそれだけで今までの生活との決別を意味することになる。しかしこの女盗賊たちにしてみれば、元より施設を使用する人間ではない。売買をするにしてもあいてはその道の人間だ。刻印が有ろうが無かろうが関係無いのだろう。

「いやぜんぜん。だから、ゆっくりと、時間をかけて刻み込んでやるよ。お前の立場って奴を」

「ぐっ…………」

乳房を力任せに握り締め、面白いように形を歪ませるそれの先端の突起に噛み付いてやる。歯と歯の間に転がしてやりながら露になっている下着に手をかける。

「紐か。ちょうどいい、右手じゃ引きちぎったりすることが出来なかったんだ」

下着の紐を解いて脱がすと、俺は高々と上げられたままになっている脚を撫でる、盗賊などをやっていたにもかかわらず傷一つ無い脚だ。

「くっ、触るんじゃないよ!今にあたしの部下達が…………」

「あの世から助けに来るとでも?」

「―――!なんだって…………!」

「覚えてない、というより他のが死ぬのとお前が気絶したのは同時だったな」

「殺し、たのかい?」

「その方が後腐れも無いからな」

「くっ…………!」

視線だけで殺せるならばといった怒りに満ちた顔で睨みつけてくるが、正直生ぬるいな。この程度の憎悪。

「で、お前の名前は?」

「誰が言うかっ…………!」

女盗賊の吐いた唾が俺の頬に当たった。
俺はそれを無言で拭い、彼女の頬を左手で撫でる。

「しつけは最初が肝心、だったか…………」

肌と肌をぶつけあった乾いた音が室内に響く。俺の左手が女の頬をはった音だ。返す手で右頬を叩き、無言で二度三度とそれを繰り返す。

「―――ぐっ、うぅ、何かい?言うことを聞かなければ暴力で言うことを聞かすってかい?所詮そのてぃっ―――」

俺を嘲笑し、挑発するような口調の言葉を、再びはった左手が遮る。無言で、ただ無言で機械的に頬を叩いてゆく。

「うぐぅっ、い、いいかげぅっ、けはっ…………」

エルディアといい、ジナといい、こいつにしてもここは肌の白い女が多いな。
女が何かをしゃべろうとする度に手を振るい、乾いた音を立ててそれを遮っていれば、彼女の白い肌はだんだんと赤く腫れ上がってゆく。

「ちと手が痛くなってきたな」

赤くなった掌を擦りながら一歩下がって女を見れば、先ほどまでの俺を睨みつけていた気概はどこへやら。両頬を真っ赤に腫らし、顔をうつむかせてぼそぼそと何かを言っている。

「………ぃで、…………………。ぉ……ぃだ、た………………」

よく聞き取れないな。
女に近づき何を言っているのか聞き取ろうとし、手を耳元にそえて近づける。

「ひぃっ、頼むからっ!もうぶたないでくれぇ!頼む、からぁ…………」

最後の方は消え入りそうなほど弱々しくなった女の言葉。ふむどうやらああやって叩き続けられたことが相当こたえたらしい。
『蛇と林檎』で少し調べたときに見つけた方法を試してみたのだが、みごと成功したといったところか。
もしも女の言葉に向きになって感情で叩いていたら、おそらくこの女はここまで怯えるようにはならなかったと思う。俺は無表情で機械的にこいつの頬を、ほぼ均等の力で叩き続けた。おそらくこいつを叩き続ける間の俺からはまるで人間味と言うもの感じなかったことだろう。
人間味、すなわち喜怒哀楽、慈悲や憎しみ。俺は努めてそう言ったものを排除しながら女を叩き続けたのだ。そしてそれを感じ取り、俺の中に得体の知れない何かを感じてしまえば…………、女は想像してしまったのだろう。感情も見せず、何のためらいも無く自分を殺す得体の知れない存在の姿を。

俺はもう一度女の頬を叩き、真っ赤に腫れ上がった頬を撫でてやる。

「もう一度聞く。名前は?」

「バルベラ…………、リストニア…………」

「バルベラか…………」

胸を揉みながら女の告げた名前を呟き、チャイナドレスの中に手を入れバルベラの秘部に触れた。

≪クチャリ…≫

小さな音だった。指先の触れた感触に俺はチャイナドレスの中から手を抜き、指先に付着し糸を引くそれを確認した。

「こいつは思わぬ収穫だな。お前マゾか、叩かれて感じてたのか」

「感じてなんっ……!」

否定の言葉を遮り頬をはり、今度は秘裂に指を突き刺し掻き混ぜてやれば、明らかに感じていることを示す水音を響き渡らせる。

「じゃぁこれは何だ?失禁したとでも言うつもりか?」

「うっ………、ぐぅっ………………」

バルベラの淫裂をかき回した指を目の前で開いて見せれば、糸を引いた愛液が指と指の間に橋を掛ける。
バルベラは怯えと悔しさ、そして羞恥を隠すようにうつむき顔を逸らし、それ以上何も言わずにだんまりを決め込む。

「まぁいいさ、俺もあまり急ぐつもりは無い。今日はこれで最後にしてやろう」

その言葉を聴いたバルベラが僅かに顔を上げ、そこに俺が取り出したものを見て顔を青ざめさせた。

「あ…………、あぁ、まさ、か……………………」

「あぁ、お前の想像してるとおりだと思うぞ。もう濡れてるんだし別にかまわないだろう?」

「無理だ!無理無理無理無理っ!そんなものが入るわけない!壊れちまう!」

俺の剛直を目にして先ほどまでの憔悴が嘘のように喚き出す。まぁ当然の反応だろう。

「頼む、後生だ!奴隷でもなんでもいい!だから頼む!それだけはやめとくれよ!」

「生憎と俺が欲しいの性処理用の奴隷だからな。諦めな」

高く振り上げられた脚を持ってペニスの狙いを定め、バルベラの淫裂に剛直を捻りこんだ。

「うぎぃっ、あっ、ぐぅぅぅっ…………!」

声を詰まらせ身体を仰け反らせるバルベラを抱え込み、俺はかまわず腰を振る。入り口から子宮までを亀頭で削るように抉りこみ、奥に届く瞬間強く突き上げる。その繰り返しのペースを徐々に早くし、何度も何度も突き上げる

「がひっ………、あひぃっ……、止め、て!頼むから!身体がぁっ、裂けちまうっ!抜いてくれぇっ、助けてくれぇっっ!」

そうだな、時間はあるんだ。こいつが逆にねだるようになるくらい調教してみるのもいいか………。
そんなことを考えながらも突き上げるペースを上げてゆく。

「よし、出すぞ」

「あっ、ぐっ、あん、あがぁっ…………、な、なんんんっ!うぐぅっ―――!」

入り口付近で一度溜めをつくり、一気に置くまで捻じ込みそこでザーメンを解き放つ。

「―――んんんっ、…………あ、あぁ。
な、なかに…………?」

何が起きたのかわからないとばかりに呟かれる言葉を無視して、俺は射精の終わったペニスをバルベラから引き抜いた。溢れてきたザーメンが左脚を伝って床に落ちてゆく。

「あ、あぁ、ああああああああああああああああっ!くそ、くそっ!殺してやる!絶対に殺してやぶぅっ…………!」

喚くバルメラがうるさかったので頬を叩き、そのまま鳩尾にも拳を見舞ってやり、力なく崩れ落ちかけたからだが天井から彼女を吊り上げる鎖が支える。束ねた髪が前へと流れ、うつむき加減の彼女の表情を隠すも、その髪の間から俺のことを睨みつけているのがわかる。頬を真っ赤に腫らしたまま睨まれても滑稽なだけなのだが気付いてはいないようだ。
ズボンを穿きなおした俺は、そんな彼女を無視して部屋の入り口へ向かう。扉を開けてみればジナがちゃんと仕事をしたようで、言われた物をどこで見つけたのかキャスターつきの台に乗せて置かれていた。俺はその中からいくつかを手に取り室内に入ってゆく。

「ふうぅっ、ふうぅっ………、絶対にこぼぉうぅぅっ!?」

息を荒げ再び何か言おうとするバルメラの顎を掴み、口に捻じ込んだのはプラムに似たこちらの果物でアザムと呼ばれるものだ。ただこの果物、柿のように甘いもの渋いものとあり、いま捻じ込んだものは無論後者の方だ。喋っている最中に捻じ込んだため、こちらの思惑通りしっかり歯が果肉に突き刺さり、さらにアザムの中でも大粒の物を選んでいて、口の中の大半を埋め尽くしそれ以上口が開かない。
そしてさらにバルメラの唯一開かれた左目に新しい眼帯をつけて視界を閉ざし、耳栓と口には布を巻いてアザムを吐き出せなくする。

「うぅぅっ、うううっ、ううぅぅぅっ!」

「何言ってるのかわからないな。まぁこっちの言ってることもわからないだろうけど。」

脚を上げたままでバルベラの身体を止め続ける首輪にそれを解除させ、俺はバルベラの身体を拘束しなおした。両手を背中で拘束し、尻を突き出すような格好で吊り上げる。指先が床に着くか着かないかという絶妙な高さに調節するのに苦戦するも、やがてはそれも上手くゆき、俺はバルベラの尻を叩く。

「うううぅぅぅぅっ!うううっ!うううぅぅぅっ!」

「それじゃぁな。また明日、相手をしてやるよ」

聞こえないだろうが、それだけ告げて部屋を後にする。
とりあえず今晩はジナに相手をさせるとしよう。



初投稿、2011,6,21
修正、2011,6,24



[28431] 異界淫法録・6
Name: フライングフォックス◆12b42988 ID:64f399be
Date: 2011/06/24 01:26
「ん、ん~っ…………、やっとここまで出来たか」

長時間同じ姿勢で作業を行っていたため凝り固まった身体を解すため、俺は大きく伸びをして改めて机の上に置かれた刀身を見る。
ジナが選んできた刀だ。
部品ごとに分解してわかったことはこの刀には銘が無いということ。俺にとってこれは好都合だった。
エンチャントをする際、対象にルーンを刻む必要があるのだが、刀身に直接刻めば下手をすると折れやすくなってしまう。それを避けるためにはそれこそ細心の注意と高い技術が必要となってくる。しかし俺は魔道書の力があるとはいえ正真正銘の素人だ、高い技術など臨むべくも無く、更にはこの右腕だ。こういった作業を行うにこの右腕では使い物にならない、これではどれだけ注意を払おうとも無理が出てくるというものだ。となればルーンは刀身以外のどこかに刻む必要が出てくる。柄に刻むという方法もあるが、刀の一部ではあれども結局は他の部品。どうしても刀身にルーンを刻んだ場合よりも効果は薄くなる。ならばどこに刻めば良いのか?
答えは茎(なかご)だ。
本来銘を入れてあるこの場所ならば刀身の強度の心配をする必要も無く、刀身の一部であるため同等の効果を期待できる。しかし茎の部分は全体的にみて面積が狭い。おまけに銘が入っていればそれだけ印を刻むスペースが狭くなってしまうのだ。
しかしジナの選んだこの刀には銘が入っておらず、つまり茎を丸々使用することが出来ることになる。

俺がこの刀にエンチャントするのは『風』と『大地』のルーンだ。
この世界において『風』は『自由』『速さ』そして『鋭さ』を象徴し、『大地』は『富』『母性』『力』そして『逞しさ』。
『風』のルーンの『速さ』と『鋭さ』。先日も説明したとおり日本刀は『切り裂く』武器だ、切り裂くには鋭さは必要不可欠、速く振るうことが出来ればそれだけでよりその鋭さに磨きがかかるだろう。
『大地』のルーンの『逞しさ』。最初は似たような効果を得られる『硬さ』を象徴する『鋼』や『岩』なども考えたのだが、その場合刀の『剛性』『柔性』の剛性だけが強化され、逆に柔性が損なわれる可能性がある。だから俺はあえてそれらではなく、似たような効果を得られる『大地』のルーンを刻むことにした。

刀身を机の上に固定し、刀の茎にルーンを刻み始めたのが今朝のこと。
水時計を見れば既に日も暮れて久しい時刻だ。途中で昼を取りに空けた時間があったことを差し引いてもかなりの長時間この作業に没頭していたようだ。
そして一度そこから抜けてしまえば、そろそろ処理しなければつらい状態になってきていることに気付く。

「…………バルベラのところにいくか」

茎にルーンを刻む際に出てきた鋼片を部屋の隅に置かれた石鉢の中に纏めて作業部屋を後にする。

「あ、タツヤ…………」

部屋を出たところに声をかけてきたのは………、当然ジナだった。振りかえれば廊下の向うから小走り近づいてくる。

「どうした?」

「夕飯がもうすぐ出来るから呼びにきた」

夕飯、か。たしかに腹も空いてるが…………。

「後で食う。今はそれよりもこいつを処理したいからな」

自分の股間を一瞥すれば、納得の、それでいてどこか呆れの混じった表情で頷き、その場にしゃがみこんで俺のマントを開いた。

「昨晩僕に出したのに…………、元気が良いというかなんと言うか…………。助平…………」

「…………俺に言うな。俺だって常時フル勃起はつらいんだよ」

女にはわからないだろうけどな…………。
ジナの手からマントを取り返し、階段に向けて歩き出す。

「とにかく飯はいつでも食えるようにしておけ」

「わかった」

そう、とてもつらいんだよ、これは。ただ動くだけでも下着と擦れて過剰に神経が刺激される。痛みでも快感でもどちらでもない鋭く鈍い刺激。常時これに悩まされ、下腹部に無尽蔵に蓄えられる性欲は、今すぐ解き放てとばかりに俺を蝕み、長時間これを抑え込もうものなら気が狂いそうになる。
階段を下りながら心の中に沸々とドス黒い怒りが湧き上がる。

あぁ、こいつをバルベラにぶつけてやろう。

昨日ジナに用意させた物の中からパドルを選び、中指に嵌めたマジックリングに魔力を通す。

『気配隠しの指輪』

名前の通り魔力を通している間使用者の気配を隠す指輪だ。俺も元の世界では漫画を読む方だった。特に冒険物やバトル物なんかをよく読んだ。そう言ったものでよく言われるのが『気配』という言葉。『気配を感じて』『気配を探せ』などいろんなところで見受けられたそれ、野球をしているとき、似たようなものを俺自身感じたこともあった。ランナーを出したとき盗塁をしようとしているかどうか、強く集中しているときなどにかふと感じたことがあったのだ。
だから俺は漫画のそれを創作物のと、眉唾なものとは思っていない。実際そういうものがある、ならば常に生死の場にいる奴がそれを感じ取れないということは無いだろうと考え作ったマジックアイテムだ。
まぁ、先日の砦では結局使わなかったわけだけど…………。

気配を消して部屋に入った俺を出迎えたのは荒い呼吸音だった。昨晩と変わらぬ格好で、生まれたての小鹿のように脚を振るわせるバルベラに近づけば、彼女の下、ちょうど顔の下辺りに水溜りが出来ていた。ぽたりと口から溢れた唾液が床に落ちる。これが溜まりに溜まって水溜りになったか。
それにしても無様、鎖にチャイナドレスの裾を噛ませておいた為に丸出しの尻を晒す様はどう考えても大の大人のとる姿ではないだろう。

「……………うぅぅ。……………、……………あぅぅぅぅ」

呻くのもやっとといったしゃがれ声。感情に任せて俺を殺すと言った最後の姿からは到底想像できない憔悴した姿。思ってた以上に効果があったようだ。
昨日の晩より丸一日。吊るされているとはいえ、同じ姿勢で身体の体重を爪先だけで支え続けたことで体力を消耗し、人が得える情報の大半を占める視覚と聴覚を封ぜられたことで、無音暗闇の世界に放置され精神的にも追い込むことに成功したようだ。

おまけに…………。

バルベラの左後ろに立ち、パドルの握りを確認する。
左手で握り右手は添えるだけ。この握りに右打席。野球をしていたときを思い出す。中学に上がって三年間、ずっと頑張っていたんだ。
…………そう、“頑張っていた”んだ。
俺の右手はいかな理由があろうと、二度とあのボールを握ることは出来ない。一時は抑えられかけた黒いものが、圧縮され爆発する火薬のように一気に心の中に燃え広がる。

バルベラはここに俺がいることに気付いてはいない。そんな彼女の尻めがけて、力を込めたパドルを、三年前のあのころのごとく打ち振るう!

「!?!?!?!?ヴゥッヴゥゥゥゥゥゥゥッ!?!?!?!?!?」

乾いた音が下手に鳴り響き、心の準備も何も無く完全に無防備で尻に一撃を受けたバルベラのくぐもりしゃがれた悲鳴が部屋を埋め尽くす。そして俺の見ている目の前で一撃で真っ赤に腫らした尻の下、秘裂から黄色い液体、小便が勢いよく噴出し床を汚してゆく。

「まさか小便まで漏らすとは…………。臭いな、さすがにこんな匂いのするところでしたくないぞ…………」

小便の匂いに鼻を押さえ、顔を顰めさせながら距離をとる。舌打ちしながら腕輪に魔力を通し、今朝ジナに渡した腕輪の機能を働かせる。

『……………!?タツヤ?』

「あぁ、すぐにバルベラ…………、例の女盗賊の部屋に来い。雑巾とバケツを持ってな」

『…………一体何をしたのかわからないけど、わかった、すぐ行く』

俺のしている腕輪とだけではあるが、テレパス、または念話を可能とする腕輪だ。小便の始末はジナに任せるとして、こいつにはお仕置きが必要だな。

「ヴゥゥゥヴゥッ!!ヴゥッ!」

口元を押さえながら痛みに悶えるバルベラに近づき、振りかぶったパドルで再び尻を叩く。

「―――――――――ッ!!!!!」

もはやうめき声にもならない悲鳴を上げながら、全身に電流を流されたかのように身体を仰け反らせる。そして糸の切れた人形のごとく崩れ落ち、鎖をギシリと軋ませる。

「ヴゥゥ、ヴゥゥゥ。ヴヴゥゥ…………」

ゆっくりとバルメラの周りを歩き、その様子を観察する。よく見てみれば頬には涙の跡があり、周りの情報を得られない無音暗闇の世界がどれほど人に恐怖を与えるのかが伺える。目も耳も口さえも閉ざされ、空調がしっかりしていても空気の動きを感じさせない世界は、触覚もあまり意味を成さず、嗅覚と味覚以外の情報をまともに伝えることは無かったのだろう。おまけにその味覚も酷く渋いアザムの実の果汁を無理やり味わあせ続けたはずで、もしかしたら味覚も麻痺している可能性もある。そしてアザムの実は無臭、この部屋に強い臭いを発するものなど今しがたバルベラがした小便以外に無く、嗅覚もあって無いに等しかったはず。擬似的にではあれど五感の全てを封じていた可能性もあるわけだ。さすがにそんな状態で放置されれば涙の一つも、いや下手すると気が狂う可能性もあるか…………、もしかしてやりすぎたか?
もしかしたら壊れたかもしれない、といういやな予感が脳裏をよぎり、俺は冷や汗を流しながら口を覆う布を解き、口の中に指を捻じ込んで唾液に塗れになったアザムの実を穿り出した。

「………ぅ、……………………じでぇっ」

弱々しくしゃがれた、しかし意思の断片も見える声に俺は安堵のため息をついた。まだ可能性がなくなったわけではないが、壊れていない可能性も大きくなたのだ。

それにしてもこの弱々しくしゃがれた声は聞き取りづらいな。口元に耳をよせ、バルベラの言葉を聞き取ることに意識を集中させる。

「水、そして許してか…………。これはまだ壊れてないってとってもいいのかどうか…………、しかし水か。そういえば昨日から何も飲ませてなかったな。
おまけに…………」

視線を落とせば今では小便と混ざり合って異臭を放つ涎の海。そういえば人間の口の構造は…………。

「タツヤ、入ってもいいか?」

「ん、入って来い」

思考しているうちにそこそこ時間がたったらしく、ジナが到着を告げる。俺は一度思考を止め、バルベラから離れながらジナに入るように言った。

「…………ぅわ、何この惨状は?」

バルベラの足元から発せられる異臭に露骨に顔を顰め、いやそうな顔を俺に向ける。

「尻を引っぱたいてやったら失禁しやがった。こんな臭いに満ちた場所じゃさすがに突っ込みたくないからな。片付けてくれ」

「うわ、最悪。しかもこれっておしっこの臭いだけじゃないような気がするんだけど………?」

「あぁ、俺が来たときはこいつの足元に涎の水溜りが出来ててな。それと小便が混ざってこんな臭いになった」

「…………なんで涎の水溜りなんかができるんだよ。そんなもの涎をたらし続けでもしないとできないだろ?」

「こいつの口いっぱいに渋アザムの実を突っ込んだからな。口が閉まらなくなってたんだよ」

それが涎をたらし続けることにどうして繋がるのかわからないのか、いやな顔をしながら雑巾でバルベラの足元を拭きながらこちらに疑問の視線を向けてくる。

「人体の構造上、人は口を大きく開けたままでは何かをのみこむことはできなくなってるんだよ。アザムを口いっぱいに頬ばってたから口を閉じられず、しかも渋アザムのせいで唾液が止め処も無く溢れてきたんだろうな。その結果がその通りだ」

そしてさらには、自分の唾液を飲むことすらできなかったバルベラは、相当渇きに苦しめられたことだろう。アザムの実をボールギャグの代わりにしてみたんだが、この責めは二度としないほうがいいな。調教というよりもこれは拷問だな。

…………………………こんどエルディアにするか。

「……………終わったよ」

「ご苦労」

雑巾をバケツに放り込みながらのジナの言葉で、思考に没頭しかけていた俺の意識が戻ってくる。

「それじゃ僕はこれで……………」

「いや、お前もここに残れ」

「えっ………?」

部屋を去ろうとするジナを呼び止め、パドルを投げ渡せば、投げ渡されたパドルと俺とを交互に見ながら訝しげな表情を浮かべる。

「そいつでバルベラの尻を叩いてやれ」

「なんで僕が!?」

「命令だ、やれ。
別にいい機会だろう?お前が俺の奴隷になっているのは、本をただせばこいつが原因なんだしな」

「…………わかった」

了解の旨を告げるも納得がいかないと顔に書いたままバルベラの背後にまわり、振りかぶったパドルをバルベラの尻に叩きつける。

「がぁぁぁあぁぁっ!……………………ぇてぇ…………」

「これでいいの?」

バルベラの悲鳴に顔を顰め、ジナがもういいだろうとでも言いたげにこちらへ振り向く。
俺はその言葉を聞き流しながらバルベラの前に回り、再び彼女の言葉を聴くことに集中する。

「………ょぉ、もぉ、さから……ぃからぁ、ゆる……おくれよぉ…………」

相当まいっているようだな。さて、どうするか。
まぁ、いまはとりあえず…………。

「………もう一発だ」

「……………………。ぎゃぁぁっ!…………うっ、うぅぅぅっ…………」

とりあえずまだ叫ぶ力も泣く元気もある。もう少し弱まらせるか。

これで何度目になるのかは知らないが、泣き始めるバルメラを見下ろしながら背後に回り、秘部を指で開いてしらべ始める。
そこには案の定、痛みに反応してか明らかに小便以外の液体、愛液が僅かにではあるが滲み始めていた。

部屋の隅に置かれた椅子を近くに運んでそこに座ると、いやそうな表情でバルベラを見るジナを抱きかあげ、俺の命令で下着を着けていない淫裂に怒張を捻りこんだ。

「な、ちょっと何を、いぎぃっ…………!」

「最初はバルベラに突っ込もうと思ってたんだけどな、気が変わった。もっと面白いことを思いついた」

「―――あぅ、そ、それと、あん、僕に、突っ込むんぁん、僕に突っ込むのと、んぁ、どう、関係あるのさ!ひゃんっ!」

突っ込んだ直後は濡れていなかったというのに、すぐにマンコを濡らし喘ぎ始めるジナ。やっぱり以前はただ興味が無かっただけで、身体は元から淫乱だったんだろうな。それが最初の魔法とどう作用したのか、処女をなくしてまだ三日目だというのにこれだ…………。

「なに、すぐにわかるさ。そんなことより自分で腰を振れ」

諦めたようにため息をつくと、俺の膝に手を付き腰を降り始める。途端に喘ぎ声が大きくなり、徐々にその行為に熱のこもってくる様子を見ながら、俺は快楽に揺れる尻尾を弄り始める。

「そら、すこしはバルベラの相手もしてやれ。そこからでもケツに届くだろう?」

「ぁん、ああん、まだっ、んくぅっ、こんな、ことぉ、んぁあっ、つづけるのぉ?」

「あぁ、続けるんだ。やれ」

促すように淫裂を突き上げてやり、それで観念したのかパドルを振り上げる。既に真っ赤に腫れ上がったバルベラの尻にパドルが振り下ろされる。

「…………うぅ、…………うぅっ!ぅんがぁあぁぁああぁぁああああぁぁぁぁぁああ!!!」

「は、なんだかんだ言いながらさっきよりも力を込めてるみたいじゃないか?」

「あぁん、そ、それはぁん、あ、あんたがぁ、あぅん…………!」

「俺がおまんこを抉ってるからついつい、力がこもったってか?」

俺の言葉にがくがくと頷きながら、ジナの腰の動きはより激しく、淫らになっていく。本当に処女消失から三日の女とは思えない。とはいえ俺が知ってるのはこいつとエルディアぐらいだからな。もしかしたら女っていうのは、それともこの世界の女はこんなのばかりなのかもしれないが。

「んぁあぁん、あ、あ、あ、あ、あ、あん!くる、きちゃうぅん、アレがきちゃうよぉ!」

「そうか、けどもう少し我慢しろ。俺のを一度満足させろ。そうしたら何度でもいっていいぞ」

すでに俺は腰を振るうのを止め、ジナが俺の上で乱れるのに任せている。
背もたれから身体を起こし、ジナの小さな胸を揉みながら唾液をたっぷりと絡めた舌を耳に絡め、そのまま甘噛みをしてやり、舌で耳を穿る。

「うぎぃっ!んがぁっ!ゆ、ゆるしてぇっぎゃひゅぐぅっ!あぎぃっ!もう、ぅぐっ!たすけてっ!んぁぅっ!」

命令に従いいくのを我慢するためか、おそらくは無意識だろう。手にしたパドルでバルベラの尻を叩き捲くる。そのたびにバルベラの口から悲鳴が上がり、おまけに喘ぎ声も混じってなかったか?
それはともかくそんなジナの頑張りにより、俺にも射精の時が近づいてくる。

「よし、いいぞジナ。俺のザーメンを受け止めて………、いけ!」

ジナの腰を掴んで力任せに突き上げる!

「あぅん!いくぅっ!いく、いく、いくいくいくいくいくぅっ!ザーメン中出しされていくぅぅぅっ!」

俺に突き上げられた状態のまま硬直し、空気を求める金魚のごとく口をパクパクさせ、そして全身の力を失ったかのように俺にもたれかかってくる。

「あうぅ、僕の、おなかの、なかぁ、熱いので、どろどろになってるぅ………」

「おいおい、ジナ、もう力尽きたのか。今日はまだ一回目だろう?」

「そんなこと、言ったってぇ、初めての日からぁ、僕毎晩、毎晩相手、させられてるんだから、しかたないだろ…………!」

たしかにその通りだな。やっぱりバルベラを調教しおえる前に奴隷を買って来た方がいいか。

「仕方が無い。だが後二発だ。このままいくぞ」

「うぇっ!?ちょっとまうんっ………!!」

ジナの返事を待たずに突き上げ、俺は行為を再開する。
ジナが講義の声を上げようとするが、俺はそれを無視して腰を振るった。やがて諦めたのか、先ほどよりも遅いペースではあれどジナも腰を振り始める。
時折思い出したようにバルベラにパドルを振るいながら腰を振り、宣言どおりに合計三発ジナの中にザーメンを注ぎ終えたときには、悲鳴を上げる力も泣く元気も無く、ただただ虫の息となって鎖を揺らしていた。

「おい、ジナ。今小便は出るか?」

「―――!?いきなり何聞いてんだよ!」

「答えろ、出るのか?出ないのか?」

俺の質問に顔を真っ赤にして怒鳴り返してくるが、俺はギロリと睨みつけながら再度質問を繰り返す。

「うっ。……………………出る」

最後が多少尻すぼみになっているが俺はそれを無視してバルベラを吊るす鎖を天井から外し、力なく床に倒れたバルベラから耳栓を外す。

「飲み物を飲ましてやる大きく口を空けろ」

髪を掴んで上半身を起こさせ、耳元で囁くように命令する。
俺の命令に逆らう気力も無いのか、バルベラは黙って口を限界まで開く。再び耳栓をして身体をささえると、いやな予感がしているのか、逃げ腰になっているジナに振り返った。

「ジナ、こいつの口の中に小便をしてやれ」

「んなっ…………!」

「命令だ」

絶句するジナに更に命令し、一度は逡巡するも唇を噛み締め、羞恥に顔を染めながらジナが近づいてくる。バルベラの目の前に立って脚を開き、指で陰唇を開く。

「ん、くっ………」

そして時間を置かずして小便が尿道からバルベラの口めがけて放たれ、たまに鼻や頬にかかったりしながらも、バルベラの口の中に出し終わる。
そして当のバルベラは、それが何かもわかっていないのだろう。貪るようにそれを飲み干し、しかしもっとくれとばかりに口を開き、挙句の果てには舌まで出して催促するしまつ。

「俺がぶち込んでやったザーメンだ。バルベラの口にマンコを押し付けてザーメンをひり出してやれ」

命令とは口にせずともジナも既に理解しているのだろう。羞恥と怒りに顔を真っ赤に染めて俺のことを睨みつけながらも、だまって俺の言うとおりにバルベラの口に自身の陰部を押し付ける。

「んっ………、ふぅ、あんっ!ちょっ、ひゃう!そこ、舐めるな!あぅっ!」

「ははははは、喉が渇いてるんだろうな。まるでバター犬だな!」

「んんんぅっ!なんだよ、その、バター犬んひゃん!いや、だめ、僕さっき何度も、うぁん、いかされてぇ、だめ、やめてぇっ………!」

ジナの奴気付いてるのか?いや気付いてないんだろうな。口では止めてとかいってるが、自分からマンコを押し付けてることに。

急遽起こったレズプレイはジナがいくまで続けられ、最後にジナの潮吹きを顔面で受けたバルベラは、そこで気を失って倒れ付した。
ジナもまた今度こそ完全に体力を絞りきったらしく、息も絶え絶えの状態で床の掃除をして部屋に戻っていった。
俺は気絶したバルベラを再び最初と同じように吊し上げ、今度は布で猿轡をかませてその部屋を後にした。




ちなみに、ジナの用意した料理は完全に冷め切ってしまい、俺は冷たい飯を
食って床に就くことになった。
やはり奴隷が足りないな。明日か明後日には、バルベラの調教の出来に関係なく探しにいこう。



初投稿、2011,6,22
修正、2011,6,24



[28431] 異界淫法録・7
Name: フライングフォックス◆12b42988 ID:64f399be
Date: 2011/06/24 01:27
「ちゅぷっ、ぶぶっ………、くちゅちゅっ、ぇぉろ………、ピチャ、ぶぶぶっ…………」

冷め切った夕食を食べ終えた俺は寝室で魔道書を読んでいた。何とか覚えたこちらの言葉を苦心しながら、幾度と無く『蛇の林檎』で意味を確認しながら魔道書を読み解いてゆく。もちろん読み解くまでも無く、『蛇の林檎』を用いればこの魔道書に記された内容を知ることが出来るが、それでは俺の『知識』として蓄えられることは無い。俺にとってこれは勉強なのだ。魔法についての知識を俺自身に蓄え、ゆくゆくは『蛇の林檎』を解読することが目的だ。とはいえ、魔道書から知識を蓄えど、魔法についての基礎がこのような魔道書に乗っているわけが無く、今の俺は基礎を作りもせずあまつさえ沼地に城を造ろうとしているようなものだ。

「ぶぶちゃっ………、くちゅちゃ、んぶぉ、ぶぶっ…………、んぅぶっ……!?」

ベッドの上で魔道書を読んでいた俺は、脚の間に四つん這いになり、胸と口で奉仕をしていたエルディアの頭を掴み、ペニスでその喉を貫き、大量のザーメンを注ぎ込んだ。これで四回目か。
ちらりと視線をそちらに向ければ、懸命に精液を飲み込もうとするも口端から零し、いつのものかはわからないが鼻から精液を垂らし、俺の視線に気付けば身体を縮こまらせる。
俺は鼻を鳴らして視線を戻した。明らかに安堵のものと取れる表情で小さく息を吐く姿が魔道書越しに見えた。

「んごぉっ………!」

無意識のうちに足が動いていた。エルディアの側頭部を蹴り飛ばし、そのままベッドの外へと転がり落ちる。

「おい、だれが中断して良いって言った?」

「ひっ、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい!」

魔道書から視線を逸らさずに投げつけた言葉に、エルディアはただ謝りながらベッドに這い上がってくる。そして俺の脚の間に潜り込み、飛びつくように俺のペニスを胸に挟み、その先端を口に含む。その姿を見ても心が晴れる様子は一向に無い。
運命の転換期とでも言うべき、俺が主従の呪いを破った日からちょうど1週間が過ぎた。今でもたまにこれが夢か何かなのではないかと疑ってしまうことがある。何せ一週間前のあの日、失敗する可能性のほうが高かったのだ。
いきなり主従の呪いが破られたことに混乱し、そこに飛び込み、態勢が整う前にこいつの処女を奪った。今でもこの女が禁断の儀式に手を染めていなかったらと思うと震えが走る。処女を奪う際の痛みで逆に正気を取り戻して、その場で殺されていた可能性もあるのだから。

寝室内をエルディアの口淫の音と、俺がページをめくる音だけが支配する。どれだけそうしていたのか、ふと水時計を見れば時間は日付が変わって既に一時間が経とうとしていた。

「ぶちゅ………、んぐぅぼぉっ!」

魔道書をベッドサイドテーブルに置き、エルディアの髪を掴んでイマラチオを開始する。苦しげなくぐもった悲鳴が漏れるがいまさらそんなこと気にする必要は無い。存分に喉を貫いて射精をした後、エルディアに髪でペニスを掃除させ、ベッドから蹴り落とす。

「失せろ」

「…………こ、今晩も、この、め、牝畜を、お、お、お使いいただき、あ、ありがとう、ござい、ます」

その言葉を聞き流しつつ、俺は寝巻きを着なおして横になる。エルディアが退出する気配を感じながら、俺は目を閉じた。塔を通して感じるエルディアの気配はここからそう遠くないトイレで止まる。俺がそこで寝起きするように命じたからだ。
塔から意識を離し、一度ため息をつく。一人で寝るのも1週間ぶりか。ここのところはジナに奉仕をさせながら寝てたからな…………。

寝巻きのズボンでテントを張る怒張に嘆息し、俺の意識は次第に闇の中へと沈んでいった。






翌朝、朝食を終えた俺は今では俺の研究室と化した部屋へは向かわず、まっすぐに地下へと進んでいた。目的地はもちろんバルベラの部屋だ。

部屋に入った俺は、とある“土産”を先日ジナに用意させた道具を並べた台の下に置き、パドルを手にバルベラに近づいてゆく。彼女の横に立って最初に行ったのは耳栓を外すこと。突然のことにびくりと震えるのを無視して彼女の背後に移動する。
人間という生き物は脳内で多くの情報を補完する生き物だ。知覚する情報の大半を取得する視覚にしても、自身で認識している映像の半分近くが脳内で補完されたものだというのだからすごい話だ。
そしてその視覚を封じられた人間は残る感覚からより多くの情報を所得しようと神経を鋭敏化させ、さらにその情報から想像し、その想像で情報を補完、つまりは実際に感じている以上結果を脳内に知覚させてしまう。
つまりは耳で音を拾えばそこから想像されるものを事実として受けようとして、他の情報がそれを否定したとき、その齟齬に思考を混乱させることとなる。

手を伸ばし耳元で指を鳴らし、神経がそちらに集中した瞬間。パドルでバルメラの尻を叩く。

「――――――ううぅぅっ、うう、う?ウヴゥゥゥゥッゥゥゥッ!」

身体を跳ね上げ、猿轡によりくぐもった悲鳴を聞きながら、二日前からむき出しにされっぱなしとなっている胸を力任せに揉み始める。

「うぅう、うううう、うぅ?うううう、うう、ウヴゥッ!!」

そして意識がそちらに向いた頃合を狙ってパドルで尻を叩き、真っ赤に染まったその尻を優しく撫で上げる。痛みか羞恥か快感か………、身悶えるバルベラにパドルを振るい、交互に飴と鞭を与えてゆく。

「あん、あぁっ!ふぁ、ひゃうぅっ…………!あぁん、あっ、あぅっうぅ、ひゃいん!」

胸を、臀部を、淫裂をと与える飴の種類を偏らせず、また飴を鞭を、鞭を飴を、たまに鞭と鞭と与える順番もけして悟られぬようにバルベラの意識を翻弄し、折を見て猿轡を外せば飴だろうが鞭だろうがバルベラはやはりまた乾いているのだろう、どこかしゃがれた感のある嬌声を上げていた。
淫裂に指を這わせばそこは既にドロドロに蕩けきり、自己主張する淫核を捻れば一際高い喘ぎ声が室内に響いた。

「やっぱりお前は叩かれて感じるマゾの変態だったな。機能も叩いただけでここを盛大に濡らしてたよな?」

吊るしなおす際確認したことを耳元で囁き、淫裂を乱暴に掻き混ぜる。

「うひぃっ、あん、あぁ、ひゃい、か、感じて、感じてましたぁぁん、あぅん!ひゃぁん!!」

それを聞いた俺は、淫裂から指を抜いて、臀部に平手を見舞ってやる。そしてズボンを下ろして怒張を取り出すと、バルベラの蜜壷に勢いよく突き込んだ。

「ひゃぁん!」

悲鳴を上げていただけの前回と違う喜びに溢れた嬌声。怒張で乱暴に掻き混ぜれば甲高い、鼻にかかった喘ぎ声を部屋に木霊させ、だらしなく舌を突き出して快楽に身を躍らせる。
一晩中、いや一昨日の夜から身体を支え続けた脚は限界だろうに、貪欲に快楽を貪ろうと腰を振るう姿に半ば呆れながらも、俺も激しく蜜壷を犯し、射精へと感覚を昂ぶらせてゆく。

「そろそろ、出してやる。たっぷりと味わえ」

「ひゃうっ!あんっ!あぁ、あぃんっ!とぶっ、とんじゃうっ!あたし、とんじまうよぉぉぉぉぉっ!あああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

俺の射精と共に盛大に気をやるバルベラ。力なく崩れ落ちそうになるバルベラの髪を掴み、無理やり上半身を持ち上げ、俺は休まずに抽挿を続ける。

「うひぃっ、ひゃんっ、あたし、あたしぃっ!いった、いったばかりぃぃん!やしぅ、みゃせ、あぁああん!」

懇願する声を聞き流し、俺はバルベラの淫裂を犯し続ける。
幾度と無く絶頂を迎えるバルベラの中に、俺もまた大量のザーメンを吐き出してゆく。やはりどうも夜に出す量が少ないと猛烈にやりたくなるのだ。特に女の味を知ってしまってからはその傾向が大きいようだ。
奴隷のときは毎晩自己発電をしていたとはいえ、よくアレだけしか出さずにもったものだと本気で思う。

そうやっているうちに、ここに来る前に呼んでおいたジナがようやく部屋にやってくる。バルベラはジナが部屋に入ってきたことには気付いていないようだ。
俺は台の下に置かれた“土産”をジナに持ってこさせ、それをバルベラの脚の間に置いた。

「で、どうだ?」

バルベラに聞こえないように小声でジナに問いかける。こんな短い問いでもジナにはその意味がよくわかっているのだろう。顔を真っ赤に染め、何かをこらえるかのような表情で俺を睨みながら頷いた。

「よし、それならいい」

バルベラの膣内にザーメンを放ち、蜜壷から剛直を抜き取った。淫液と自らの精液に塗れたそれをジナに突き出し、その意を察したジナが足元にかがみこみ、顔を寄せて舐めとり始める。
ジナの口淫に心地よさを感じながらバルベラに視線を移せば、その腹は俺が吐き出した精液によって僅かに膨らんでいる。淫裂から漏れ出る精液が脚の間においた“土産”に垂れる。

ペニスの掃除を終えたジナの頭を撫でて離すと、バルベラの横にたって腹部を擦る。

「マンコに力を入れろ」

命令に従ってバルベラが力み、それと同時にその腹を押してやる。すれば膣内に溜め込まれた精液が勢いよく“土産”にかけられてゆく。

「そうだバルベラ、喉が渇かないか?」

耳元で囁けば、喉をわななかせ、がくがくと頷き、俺はほくそ笑みながら“土産”をどけて鎖を降ろす。
力なく床に這い蹲るバルベラの首輪から生成された鎖を引っ張り、無理やり上半身を起こさせれば、昨晩のことを思い出したのか、舌が口外に出るほど大きく開く。
ジナに顎をしゃくって促せば、顔を真っ赤に染め昨日と同じようにバルベラの顔の前で脚を開き、チャイナドレスの裾を持ち上げ指で秘裂を割り開き、放尿する。

「んぶぁ、あぐ、んぐ、んぐ、んぐ…………」

今朝から先ほどまで大量の水を取らせた上に利尿剤を飲ませたジナの放尿はとどまる気配を見せず、バルベラは貪欲に尿を飲んで行く。それを見ながらバルベラの顔に手を伸ばし、左目を隠す眼帯を取り払った。

「んぐっ、んぐ、んぐ…………。あぅ?……………………っ!」

最初は眩しさに目を閉じたバルベラだったが、さして時をおかずに目を開き、目の前の光景、自分が奴隷とした少女のする小便を自分が飲んでいるというその状況に目を見開き絶句する。しかしそれでも身体はそうとう水分を欲しているようで、尿を飲むという行為を止めようとはせず、やっと、放尿が終わり、最後の一滴を飲み干したバルベラはやっと思考が現実に辿り着いたのか今口にしたものを吐き出そうとするかのように咳き込み始める。

「どうだ?自分が奴隷にしたはずの奴の小便を飲まされていた気分は?」

怒りか羞恥か言葉も出ない様子のバルベラは、顔を真っ赤にして俺とジナを睨みつけてくる。一向に答える様子の無いバルベラに対し、俺は彼女の目の前で眼帯を揺らす。

「またつけるか?光の無い世界にいきたいか?」

その言葉は効果が抜群だった。紅潮させていた表情を見る見るうちに青ざめさせ、そして…………

「…………ぃ、いやだ、もういやぁぁぁぁぁぁぁっ!頼む!頼むからもうそれだけはっ!それだけはやめとくれよっ!なんでもする、言うことを何でも聞くからぁっ!喜んで股も開くっ!口でも咥えるっ!だから、もう、もうあんな、なにも、ないのだけはぁあぁあ、あ、あ、あ、あ、あぁぁぁぁぁぁっ…………」

「…………駄目だな」

涙を流して懇願するバルベラに対し、俺は笑顔で宣告する。這い蹲るバルベラの前にしゃがみこみ、その目の前に眼帯と耳栓を置く。

「突っ込んでください、だろう?ご奉仕させてください。だろう?俺の効き間違いか?」

どうやら一昨日の晩からのあの責めは相当彼女の精神を追い詰め、心的外傷となったらしい。目の前に置かれた眼帯にガチガチと歯を震わせ、震える脚で鈍い動きで尻を持ち上げ、止め処も無く涙を流しながら無理やり笑みを浮かべる。

「あ、あ、あたしの、お、おまんこに…………、ご、ご主人様の、ぐすっ、た、た、逞しいおチンポを、つ、突っ込んで、突っ込んでください、めちゃ、めちゃくちゃに、しておくれよぉ…………。ご、ご、ご主人様のおチンポ、、ご奉仕を、させてください、い、いっぱい、ぐずぅぅ、いっぱい、い、い、一生懸命ご奉仕しますからぁっ、たたくさん、お情けを……………………。
だ、だから、だからあああぁぁ、もうそれだけはゆるしておくれよぉおおおおおおおおおおおおおお…………………………………………!!」

最後の力を振り絞った渾身の叫び。高く上げていた尻も崩れ落ち、えづき涙を流すバルベラに、俺は満足して頷いた。ジナは憐れみの篭った目でバルベラを見下ろし、しかし頭をふって、俺が避けた“土産”手渡してくる。

「誓うか?俺の奴隷として、一生を捧げると…………?」

ジナから受け取った“土産”をバルベラの視界のギリギリ外に置き、彼女の髪を掴んで上を向かせる。

「ざざげまずぅっ、ざざげまずぅっ…………!だがら、だがら、もぅ…………」

言葉を遮るようにその首につけられた首輪を外し、懐から取り出した新しい首輪を嵌めて俺は腕輪に魔力を流す。
今バルベラに嵌めた首輪は今まで彼女に嵌めていたのと同じものを改造したものだ。元々はエルディア用に造ったものだったため快楽神経系を麻痺させる効果を持たせていたが、今嵌めたものはもっと別の神経系を麻痺させるように出来ている。つまり……………………。

「う、うぅぅ?ぁ……………………、あ…………、あぁぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」

視神経と聴覚神経だ。あれだけ怖れた無音暗闇の世界に落とされ半狂乱になって泣き叫ぶバルベラ。
腕輪に魔力を通すのを止めることでその状態が解除され、バルベラは恐怖に身体を震わせながら見上げてくる。

「今言ったことを忘れるなよ。もし、その言葉に偽りがあれば、そ取れる行動をとれば…………、わかるな?」

がくがくと震えながら頷き、勤めて表情を消していた俺は笑みを浮かべて髪を梳いてやる。

「そうだ、あの日から何も食べてないんだ。腹が減っただろう?これから飯にしてやろう」

視界の外に置かれていた“土産”がバルベラの目の前に差し出される。先ほどバルベラの蜜壷から搾り出され精液が満遍なく振りかけられた、残飯が。
ここ三日間、ジナの料理で出た生ごみを適当な皿にもったそれは、普段はエルディアの餌としても与えられているもの。まぁあちらは完全に生ごみを与えているが、こちらは料理の際に残ったほんの端の欠片などまだマシなのだが、バルベラにしてみれば同じことだろう。

「食べれるよな?残さずに」

恐怖に支配された意識の中でも気付いたのだろう。これは試しているのであり、彼女に拒否権は無いことに。もしも残さずに食べなければまたあの恐怖を味わうといことにも。

「…………よ、よろこんで、た、たべさせてもらいます。お、おなさけを、ありが、とう、ございます………………………………」

涙を流しながら身体を這わせ、顔ごと皿に突っ込み貪るように食べ始める。

バルベラはこれで落ちた。なんとか明日には間に合ったか。あとは刀のエンチャントを終わらせ、明日には街だな。
この世界に来て始めて訪れる街、正直楽しみだ。
椅子に腰掛け泣きながら餌を貪り食うバルベラを見下ろしながら、俺はジナに口で奉仕を命じた。
さて、これが終わったら仕事をおわらせようか………………………………。



初投稿、2011,6,23
修正、2011,6,24



[28431] 異界淫法録・8
Name: フライングフォックス◆12b42988 ID:64f399be
Date: 2011/06/24 21:36
バルベラを隷属させることに成功した後、彼女にもジナと同じように部屋を与え、俺は研究部屋で刀のエンチャント作業を開始した。
昨日茎にルーンを彫った際に出来た鋼片を入れたものを溶かすマジックアイテムの石鉢にいれ、そこに魔力吸収結晶体の粉末と、魔力の篭った俺の血を混ぜ合わす。ドロドロに溶けたそれらが混ぜ合わさり、魔力吸収結晶体により大気中の魔力が吸収され、それが俺の血を媒介に液状の鋼に魔力が篭る。後はこの魔力の篭った液状の鋼を茎に彫ったルーンに流し込み、冷えて固まったら残る処置をするだけだ。
とはいえ、この冷えるまでが時間かかるだけどな。

さて空いた時間にどうしようかと室内を見回し、あるものが目に入った。

「そうか、それもいいな」

呟き脳裏に浮かんだ案を検討し、すぐさまそれに取り掛かった。どちらも明日には間に合うな。
そう思いながら手を動かし、俺は明日に向けての準備を進めてゆくのだった。





その晩、刀のエンチャントも終わり、ジナとバルベラの二人を研究部屋に呼びつけていた。

「ジナ、エンチャントが終わったぞ」

エンチャントした中身の説明と共に手渡れた刀に、どこか新しい玩具をもらった子供のように顔を綻ばせ、そわそわとしだすジナに抜くことを許した。

―――シャラン

鈴の音のように澄んだ音が響いて刀が鞘より開放される。
刀を包む黄緑色の魔力光が煌き、ジナの口から呆然としたような溜息が零れる。

「ほ、本当にこれを貰っちゃってもいいのか…………?」

「そのためにエンチャントしたんだ。しっかりと自分の役割を果たせよ?」

刀身を鞘に戻しながら頷くジナの表情にどこか安堵にも似たものが滲んでいることに気付き、俺は訝しげに眉を顰めた。

「…………どうした?」

「へ、あ、いや、その……………………。
ん~、一昨日、タツヤにはどうエンチャントするか任せるって言ったじゃないか。あの後部屋でふとタツヤが砦を壊滅させたときのことを思い出したんだけど…………、ほら、あんなに派手に砦を壊してたし、刀のエンチャントももっと派手なのになるんじゃないかって後になってから思って……………………、ちょっと後悔してたんだけど実際は思ってたより堅実だったから……………………、つい……………………」

「……………………よしわかった、今すぐ脱げ。今から寝るまで奉仕だ」

「うぇ?いまから?」

「お前が俺のことをどう思ってるかわかったからな。ちとカチンと来た」

半眼になって睨みつける俺にジナはタジタジとなり、俺とバルベラの見ている前で服を脱ぎ始める。

「…………あぁ、記憶にある以上に育ってると思ったら、詰め物してたのかい?」

「う、うるさい!元はといえばお前が僕の服を奪ったのが原因なんだ!それでこんなサイズの合わない服を着させられて…………、明日は街に行くんだし僕のサイズにあった服を買えれば…………」

バルベラの憐憫の篭った視線が偽乳のとれた胸に向けられ、ジナは顔を真っ赤にして椅子に座る俺の足元に跪く。マントを開き、ズボンの中から開放されたペニスに身体を押し付け抱き寄せるようにして全身で扱き出し、亀頭に口付けしてどこか恍惚とした表情で奉仕を開始する。そんな様子を見ながら俺は、もう一つジナのために用意しておいたものを取り出した。

「お前の服?明日は奴隷と必要な物資を買いに行くんだ。お前の着る物は砦から持ってきたやつで十分だろう?今着てたみたいに裾が極端に短いのが結構あったから十分だろう?」

「ふぇっ!?」

まるで寝耳に水だ言わんばかりの表情で見上げてくるが、俺としてはジナの言葉のほうが寝耳に水だ。

「ほら、明日からはこいつをつけろ。いつまでも布を詰めてるんじゃ面倒だからな」

「ふぇ、ちょ、な、なな、なにこれぇっ!」

「…………ぷっ」

ジナの素っ頓狂な叫びの後ろでバルベラが顔を逸らし口元を押さえて吹きだす代物。それはジナのために俺が作り上げたブラ、寄せ上げブラならぬ偽乳ブラだった。どんなものかといえばただ単にジナの胸のサイズのブラにパットを縫い付けたような代物であるが、縫い付けた布の間には鋼の板も縫いこまれていて、防具としての役割を持たせたものだ。さらに…………。

「そいつの端の部分、そこに輪っかがついてるだろう?それを引っ張ってみろ」

無言で俺の言葉に従い輪っかを引っ張れば、中かメリケンサックに似た柄の折り畳み式ナイフが引き出される。

「武器を持ち込めないような場所でもそれならばばれないだろうからな。さすがに胸が偽者でその中に武器が仕込まれているなんて考えないだろうし。
今後はそれを常に着ていろ。あぁ、一応色はその水色のほかに赤と黒も用意してあるから自由に使え」

胸が小さくて良かったなとでも言わんばかりの俺の言葉に、ジナは羞恥と怒りに顔を真っ赤に染めて、全身をわなわなと震わせてブラを凝視する。心境はこれほどの恥辱は初めてだとでも言ったところか。
しかし自身に拒否権が無いことは良くわかっているのだろう、やがてがっくりと肩を落として奉仕再開し、喋る気力もないとばかりに無言になる

「で、バルベラ。お前はこいつだ」

必死に笑いをこらえるバルベラに投げ渡したのはジナにも渡した『守りの指輪』と『念話の腕輪』だ。受け取ったそれらを黙って嵌めれば、先日のジナと同じように驚きに目を見開いた。

「こ、これって……………………」

「俺が作ったマジックアイテムだ。ジナも大層驚いてたが、やっぱりこんなのは普通ならばそうそうお目にかかれる代物じゃないってとこか?」

「は、はい…………。あたしも一度しか目にしたことはありませんが、間違いなくエンシェント級、そのなかでさらに貴重な……………………。
あたしは専門家じゃありませんけど、下手するとこれ一つで上級貴族が暮らすような豪邸の一つや二つは普通にできちまいますよ、それも使用人込みで?」

ん~あれ一つに俺の精液、たしか三発は使ってたけど、もっと少なくて良かったか…………。
男の精液には魔力が混ざるというのは房中術なんか出てくる作品ではよく言われること。そしてそれは事実で俺は我慢できなくなったときに行った自己発電で出した精液を利用してアレを作ったんだが……………………。冷凍庫でも作って精液保管するか?マジックアイテムの製作用に。

「…………そうか。まぁ、それならそれなりの効果を認められるだろうな。
でだ、バルベラ。お前のとこから持ってきた金を換金してお前ら以外にも奴隷を買うつもりなんだが、おまえ自身奴隷商人と渡りがあると考えても良いんだよな?」

「はい、ジナ以前にも何人か取引を…………。あたしが奪った品もその商人を通して売り払ってたんで、換金もその商人を使えばいいかと。あたしら盗賊と取引をするような奴ですけど商売には嘘をつかない奴なんで信用していい相手かと」

「わかった、お前はジナと一緒に護衛兼案内だ。ジナは護衛に徹しろ」

「はい」

「ふぁい…………、ぬぶっ、ちゅ…………」

「咥えながら喋るな…………」





そして翌日、俺たちはオストティガの牙の北、転移範囲にある街のなかでも最も近いアウムブラの入り口へと転移し、バルベラに案内され奴隷商いやサンセストリア大陸北部で最大規模の商業連合体、アルトセブ商会の建物を訪れていた。

「まさか大陸北部の最大組織とでも言える場所が盗品を取り扱ってるとわね。思いもしなかったよ」

通された部屋のソファに座り、適度に調度を整えられた室内を見回しながら呟く。おそらくはバルベラや他の盗賊団などとの取引を行うための部屋なのだろう、ためしに作った視線感知用の指輪を通して俺達を監視する視線を四方から感じ、溜息をつく。

「あ、あのご主人様、この場所でそういうことを言うのは………」

俺の背後に立ったバルベラが慌てたように小声で囁いてくるが、俺はそれを無視してソファに深く座りなおして背を預ける。

「………そうですな、誰も思いもしないからこそ、我々も安心して商売を続けることができる。お褒めの言葉として受け取らしていただきましょう」

俺達が入ってきたのとは反対の扉から入室してくるのは右目だけが異様にでかい異相の男だった。普通と変わらぬ左目にはモノクルをかけ、どこの部屋の住人だと言いたくなるような鉤鼻に漆黒の執事服。オールバックに纏められた白髪は後ろで二つに分かれて天を指している。俺の身長の半分ほどしかない身体をピンと伸ばし、どこか含みのありそうな笑みを浮かべながら俺の対席のソファに腰掛ける。

「初めてお目にかかります。アルトセブ商会アウムブラ支店副店長のヴァフドニル・スルーといいます。裏の仕事は私の管轄でございますので、これ以降もお客様の対応は私が承りますのでご了承のほどを………」

「タツヤ・モガミだ。で、名前は知ってると思うが…………、俺の奴隷のバルベラだ」

「ほぅ」

背後のバルベラを指差して彼女が俺の奴隷となった事実を告げると、ヴァフドニルは興味深げにその大きな目を細めた。

「で、こっちも俺の奴隷のジナだ。今後こいつらが俺の使いとして出すこともあるかもしれないが、別にかまわないよな?」

「はい、ここは裏の取引の場、表とは違いますので誠意ある取引をなさっていただけるのであればどなたでも受け入れさせていただきます」

身を乗り出すように口元で手を合わせ、こちらを値踏みするかのような目で俺のことを見るヴァフドニル。俺は不敵に笑って懐から取り出した物をテーブルの上に置いた。

「これは、マジックリングですかな?」

「あぁ、自作のな…………。買い取っていただきたい」

「あなた様がお作りになられた品、ですか…………」

もちろんジナやバルベラに持たせているのとは違う、魔力の量を抑えた代物だ。昨晩ジナの奉仕で出した精液を使って作った『守りの指輪』で、彼女達のものに使用した量よりも遥かに少ない精液を使用して作ったものだ。それでもジナとバルベラからしてみれば超一級品と呼べる代物らしい。

とはいえ俺の存在はこの世界においてイレギュラー。名前なんて知れ渡っているはずも無く、そんなどこの馬の骨とも知れない奴が作った代物だ。表情こそ動かないが指輪に手を伸ばすヴァフドニルの目に田舎物でも見るような色が見えたのを俺は見逃さなかった。

そして…………。

「…………っ!これは!?
こ、これは本当にあなた様が!?」

あの巨大な右目をさらに大きく見開き驚愕の表情で俺に顔を向ける。俺はソファにふんぞり返りながら慌てふためくヴァフドニルの姿に静かな笑みを見せる。

「あぁ、とりあえず今日は五個ほど作って来てみた」

さらに四つの、まったく同じ意匠の指輪を並べ、ヴァフドニルはそれに恐る恐るといった風体で手を伸ばす。
五つのリングの鑑定が終わったのか、ソファに設けられた引き出しの中から取り出したやたらと柔らかそうな布の上に並べられ、彼が一息つくのを待って尋ねる。

「それで、鑑定の結果は?」

「…………私、これまで長い時間マジックアイテムの鑑定を行ってきましたが、これほどまでの品を見たことは、正確には自作されたという品でこれ以上のものを、これと同等の物を見たことはございません。もしもこれがエンシェンタリーアイテムだと言われても納得することしかできませんでしょう。しかしあなた様は、タツヤ様はこれを自作したとおっしゃり、その証拠として同じ意匠の、同ランクの品をご用意して見せていただきました。私には驚嘆する以外にありません。
ご存知かとも思いますが、エンシェンタリーアイテムには七つのランクがございます。最上級のロード級。続いて順にクラウン、ワンド、タリスマン、タロット、ソード、コイン。
込められた魔力、効果の質。あわせてもソード級は下らないかと…………」

となると、二人に渡したのは少なくともクラウン級以上はあるって考えてもいいのかもな。

「そりゃ相当な額になるだろうな。買い取ってもらえるのか?」

「…………もちろんでございます。この商談、落とせば末代までの笑いものになりましょう」

懐から取り出した紙に額が提示され、横目でバルベラを見れば顔を真っ青にして頷いてくる。
きっと見たことの無いような額だったんだろうなぁ。

「あぁ、それでかまわない。んで俺としては他にも奴隷を買いたいんだけど、どんなのがいる?」

「ただいまリストをご用意いたしますので少々お待ちを…………」

ソファから立ち上がり、一礼をして部屋を出てゆくヴァフドニルを見送り、思っていた以上に上手く転がる現状に俺は笑いが堪え切れなかった。



初投稿、2011,6,23
修正、2011,6,24



[28431] 異界淫法録・9
Name: フライングフォックス◆12b42988 ID:64f399be
Date: 2011/06/24 21:39
ヴァフドニルが部屋を出てすぐ、俺達から見て左側の扉が開き、メイド姿の少女がティーセットを持って入ってくる。
黒い肌に尖った耳はファンタジー小説でおなじみのダークエルフの物。『蛇の林檎』の知識を照覧してみれば、彼女が間違いなくダークエルフであることを教えてくれる。
扉の前で一礼し、物音一つ立てずに近づき、俺の前にカップを並べて紅茶を注いでゆく。

「どうぞ、お寛ぎくださいませ」

深々とお辞儀をして退出してゆくのを見送り、俺はカップを手に取り紅茶を口にする。生憎と昔から紅茶を嗜む習慣も無ければ、味や臭いに対する教養も無い。それでも喉を通るこれが、非常に高価であろうことは察せられた。というよりも察せられるほど美味いといったほうが正解か…………。

「これで紅茶について知識があればもっといろいろと楽しめたのかもしれないが、残念だな」

テーブルにはジナとバルベラの分も並べられており、俺は二人にも好きにしろと目配せをする。

「今まであたしが来たときは水以外に出されたこと無かったんだけど…………」

バルベラはどうやらその事実が少しショックだったらしく、そんなことを呟きながらカップを手に取った。

反対側では無言でカップを手に取ったジナが懸命に息を吹きかけ紅茶を冷ましている。見かけに違わず猫舌なのだ彼女は。

そうして紅茶を堪能することしばらく、大量の書類が重ねられた台を牽いてヴァフドニルが戻ってくる。

「お待たせしてもうしわけございません」

一言謝罪の言葉を告げてソファに座り、台の上に重ねられた束の一番上に置かれた数枚の書類をテーブルの上に並べ、内一枚を差し出してくる。

「さて、タツヤ様がどのような奴隷をお求めかにもよりますが、とりあえずこちらの方が既に調教を終えた奴隷のリストにございます」

差し出されたリストには名前と年齢、そして種族が記され、それがずらりと並べられている。

「他にも調教を施していない奴隷や、少々特殊なものや、奴隷となる前の職別に記されたリストもございます」

順番にこちらに並べなおされるリストたち。俺は一枚目のリストに一通り目を通すが、名前や年齢だけでは判断の基準にはなりそうも無かった。

それにしても奴隷となる前の職別ね…………、おそらくはそれの大半が盗賊や何かの手により奴隷になったやつなのだろう。

「一応聞いておくけど、こいつらを買った場合今日中に連れて帰れるんだろうな?他の支店から取り寄せ、ていうのは今は必要ないんだけど?」

「はい、こちらに並べられましたリストに載る奴隷達はアウムブラ支店の方で揃えている商品でございます」

それなら問題は無いか。朝から出してないから今の状態でもきつくなってきてるし、これで他の支店から取り寄せだったら…………、最悪だな。

「職別の奴を見せてくれ」

「こちらでございますな。元傭兵や抗争に敗れた元盗賊、元海賊、元騎士など、種類も豊富でございます」

受け取ったリストを見ていると、バルベラもリストに手を伸ばし目を通し始める。そういえばこいつが納品したってのもいたらしいし、それを探してるのか?
そしてその予想は当たっていたようで、バルベラが肩を叩いて手にしたリストの中から一人の名前を指差した。

「クルスカ・フェイン。21歳、ハーフュリア…………」

ハーフュリア…………、知らない種族だ。『蛇の林檎』に意識をむければ答えは即座に帰ってきた。有翼人種か。

「あたしがここに納品した中でも一番の奴隷だよ。器量もいいしご主人様の眼鏡にもかなうと思うんだけど?」

ふむ、『蛇の林檎』によればハーフュリアはそれぞれが優れた魔法使いであり騎士。自在に宙を舞い剣と魔法を操るか……………………。バルベラの奴どうやってそんなのを捕まえたんだ?

「クルスカでございますか、そちらは既に調教も済んでおりますな。とりあえず別室にご用意いたしましょうか?」

調教も済んでるのか。そして魔法の使い手…………、願ってもないな。アレの解読もすぐに始めるわけじゃないし、俺の物としてしつける時間も十分にある。それに何よりこんな好条件を蹴るというのもな。

「あぁ、頼む」

「御意に…………」

再び部屋を出て行くヴァフドニルを見送り、俺は再びリストに目を通し始める。このクルスカを選ぶにしろ、それでも後二人は必要だ。いや、この際だ後二人といわずもう少し買って言ってもいいだろう。調教を終えていない奴もいるって話しだし、調教を終えている奴とは別にそういう奴も買っていって俺の手で調教するのもいいか。バルベラの調教は運の部分も大きかったし練習の意味でもいいだろう。

それにしてもいろんな職業のやつがいるなぁ、木こりに大工に彫刻家。奴隷になった経緯がぜんぜん想像できねぇ。

「タツヤ様、ただいま準備ができましたのでそちらの扉より移動してください」

「あぁ、ありがとう」

ヴァフドニルが指差したほうには今日この部屋に来てから一度も開かれていない扉があった。ジナたちにはここで待つように告げてから、俺は一人その扉を潜った。





そこにいたのは純白の翼を持った少女だった。切れ長の瞳に金色の髪を膝裏まで垂らし、薄緑色の筒型衣に身を包み、手錠で両手を拘束されている。

部屋に入った俺を少女、クルスカの鋭い視線が捕らえ、それを気にせずに近づいてゆく。そして後一歩で手が届く位置まで来たところでクルスカが俺の足元に跪いた。

「タツヤ様ですね?初めまして、クルスカ・フェインと申します」

「あぁ。バルベラに捕まって奴隷になったんだって?」

「―――っ!?」

すぐ傍に置かれた椅子を手元に寄せ、それに腰掛けて問いかける。
よっぽど俺の問いかけが予想外だったのか、息をのんで顔を上げ、俺を見る目には驚愕と当時のことを思い出しての悔しさか、そういった感情が読み取れた。

「因果応報かな?あいつも今では俺の奴隷さ。で、聞くけど魔法の心得は?」

「…………本職の魔法使いには劣りますが、以前はタッシュアット魔法騎士団に所属しておりましたのである程度は…………」

タッシュアット、サンセストリア大陸南部の大国か…………。ふ~ん、去年エーレスリストスと大きな軍事衝突があったのか…………。

「もしかして去年の?」

「はい。タッシュアット魔法騎士団の一人としてこの地へ。撤退の際に仲間とはぐれたところを…………」

魔法の心得があって、騎士ってことは武器の心得もあるか。オストティガの牙は無駄にでかいし、戦闘員はいるにこしたことはないか…………。

「立て」

俺の言葉に従い立ち上がったクルスカを手招きし、近寄ってきた彼女の手をとり抱き寄せ服の上から胸を揉む。

「んっ…………、くぅっ……」

突然のことに顔を真っ赤に染めて快楽に耐えるように目を瞑るも口からは声が漏れている。
感度は良くて恥じらいも残っている。

クルスカを開放すれば、息を乱したまま一歩距離をとり、僅かに乱れた衣類を正す。

「お前を買おう。このままあっちの部屋に連れて行けばいいのか?」

「はぁ、はぁ、いえ、私はまだ、そちらには伺えませんので、部屋のほうでヴァフドニル様に、その旨を…………」

「そうか、ならまた後で会おうか」

それだけ告げてもとの部屋へと戻る俺。ジナ達が俺の方を見るが、俺は笑みを浮かべてソファに座る。

「いいな、あれは。まだ恥じらいを残してるところなんてとくにな。何で売れ残ってるのか不思議に思うくらいだ」

「値が張りますので欲しても手の届かないお客ばかりでございますので。しかしタツヤ様なら後二人クルスカがいたとしても全員お買い上げいただくこともできるでしょう」

つまり今日の儲けの三分の一がクルスカで消えるってわけか。確かにそれだけの価値はあるな……………。

「買いだ。他の奴隷も見せてもらうぞ」

「仰せの通りに。では私は一度席を外させていただきます。クルスカに用意をさせねばいけませんので……………」





再び別室を訪れた俺を出迎えたのは二つの視線だった。翠のかかった金髪を持つエルフ。かたや背までウェーブのかかったそれを背中まで伸ばし、かたやボーイッシュに短く纏められた髪。双子のエルフだ。
エルフの一部の氏族では双子は凶事を導くと言い伝えられているらしい。これだけならば元の世界でも似たような話を聞いたような気もするが、こちらはそれに続きがある。双子は互いが魂の半身、引き離せば大いなる災厄が訪れるだろう……………。その言い伝えゆえに双子セットで売られたらしいこの二人。まだ調教を開始すらしていないらしく、俺を見る、いや睨みつけるその目には明らかに敵意が込められている。
姉のリーレ・カヤンと妹のルーラ・カヤン。姉の方は少し垂れた大きな目とそのエルディアやバルベラを凌ぐ大きな胸が特徴のどこかおっとりとした印象の娘だ。妹のほうは逆に細く釣り気味の瞳にジナほどではないものの慎ましい胸の気の強さを感じさせる娘。顔立ちが非常にそっくりだというのにこの決定的な違いを見ると一卵性なのか二卵生なのか判別がつかないな。

「あ、あなたが私たちを買うという方ですか?」

緊張を帯びつつも凛とした声色。最初に言葉を発したのは姉のリーレの方だった。

「あぁ、そのつもりだ」

俺は品定めをするような目で二人を観察しながら酷薄な笑みを浮かべてみせる。
妹の方が悔しさか、歯を食いしばり俺のことを更に強く睨みつけてくるが、俺はそれを無視して椅子に腰掛ける。

「何か言いたそうだな」

「あるにきま……………」
      「私たちを買うというのなら……………」

妹の言葉を遮り、そして庇うように姉の方が前に出る。妹のほうは見た目の通りの性格のようだが、姉の方も見かけに反してなかなか強い気性を持っているらしい。しかもこいつは…………、

「条件があります」

あろうことか俺に条件なんかを突きつけてきやがった。
自分の立場がわかっていないのか、それともわかっていながらやっているのか。彼女の表情を見るにおそらくは後者だ。

「私はどうなってもかまいません、身体を開けというのでしたら自分から開きます。命をよこせというのならば差し上げます。ですから妹には手を出さないでください…………!」

「姉貴!」

言いながらも自分の言っている言葉の意味をよく理解しているのだろう、恐怖に身体を震わせ、両手は胸元で強く握り締められている

「駄目だ!
おい、やるなら俺のほうにしろ!だから姉貴には手を出すな!」

庇われようとしていた妹のほうも気持ちは姉と同じようで、震える姉の前に身体を割り込ませ怒鳴るように言い放つ。
姉妹の庇いあいか。仲良きことは美しきかな。とはいえ、こいつら面白いな。そして俺のほうも面白いことを思いついた。この思い付きを実現するには…………。

「いいだろう、リーレ、お前の条件を飲んでやる」

対照的な表情の変化が印象的だった。これから自分の身に降りかかるだろう出来事に顔を青ざめさせつつも、安堵の表情をする姉と、絶望と怒りに怒気を撒き散らしながらも泣き出しそうな顔をする妹。そんな二人を残して俺は笑い出しそうになるのを堪えつつ、別室を後にした。





「お待ちしておりました…………」

言葉の主は別室中央、空の椅子の前に正座し、深々と顔を伏せた格好で俺を出迎えた。サンセストリア大陸では珍しいという碧色の和装の女。サンセストリア大陸の東にある島国から海賊により連れ攫われて来たというドラグエリア。鹿の、いや龍の物に酷似した角を碧色の髪の中に生やした、俺達流でいうなら龍人とも呼べる女だ。職別のリストから見つけ出した元医者だという上玉。クルスカほどではないがそれでも高額の部類に入る奴隷。名前を翠玉。

「面を上げろ、と言うべきかな?」

翠玉の前の椅子に座り、顔を上げようとしない翠玉にからかうようにそう言う。
その言葉を聞いてやっと顔を上げた彼女は、俺を見た後に再び深々と頭を下げた。

「タツヤ様、お初にお目にかかります。翠玉と申します」

今度はすぐに顔を上げ、正座のまま見上げてくる。

「元医者だって聞いたけど、何ができる?」

「薬の調合と、こちらではあまり知られておりませんが、気孔や針、灸など経穴医療を主に…………」

元の世界で言う東洋医学か…………、となると薬って言うのも漢方に近い物かもしれないな。

これからも奴隷は増えるだろうし、今の時点でも俺を入れて六人(買うことが決定している奴隷も含めて。注・エルディアは数に含まれません)。健康管理のためにも医学の心得のある奴はいるに限るか…………。

「医学以外にできることは?」

「家事全般でしたらここで習いました…………」

そりゃそうか、俺はどちらかというと性処理用としての奴隷を求めているけど、実際のところ、奴隷って言うのはそれだけじゃないんだよな。

「わかった、今は、それだけ聞ければ十分だ。下がれ」

深々と頭を下げて退出する翠玉を見送り、俺も別室を後にした。





その後も何人かの奴隷を直接見て、会話し(一人聞く耳を持たなかったのもいたけれど)二人の奴隷を買った。

元は大工だったというヴァルフ(人狼)の娘、エリル・ヴィラ。
俺が奴隷になった経緯が想像できないと言っていた奴隷だ。が、聞いてみればなんて事はなく、住んでいた村が山賊に襲われ、そのまま売られてきたのだとか。

そしてエリルと同じくヴァルフの娘で元傭兵のザクロ・フィルデン。
こいつを一言で表すなら狂犬。今までに六人の調教師を病院送りにした難物とか。その六人の内の二人に至っては再起不能の大怪我を負ったらしい。それ以降こいつを調教しようという猛者もおらず、ただ解放すれば何をしでかすかもわからず(まず確実に暴れこんでくるだろう)、そんな経歴では買い手もおらず、今日まではアウムブラ支店の奴隷用地下牢の最奥に鎖で雁字搦めして拘束されていた。
まぁこいつを買うことには難色を示されたし、いろいろと危険なため俺が牢屋に出向き、のぞき窓から姿を確認する以外していないが…………。
こいつを買った理由は、こういう奴ほど足元に這い蹲らせてみたいと思ったからだ。とはいえ、調教を開始する前にこいつ用の拘束具とかを用意する必要があるだろうな……………………。



初投稿、2011,6,24
修正、同上



[28431] 異界淫法録設定2
Name: フライングフォックス◆12b42988 ID:64f399be
Date: 2011/07/01 22:22
異界淫法録・3話~9話時点での設定及びキャラクター紹介

・最上達也(もがみたつや)
18歳
身長174cm
黒髪黒目の典型的な日本人。髪は短く無造作に切りそろえている。野球をしていたために割りと体格はいい。
自分の作成したマジックアイテムが金になることに気付き、当面はこれを職としようかと思案中。
ジナの他、7人の奴隷を手にいれる。
エルディアに対する感情に衰えは見えず、今の扱いについてもまだ生ぬるいと思っているが、他にやるべきことが多すぎてそちらにまで手が回っていない。

・エルディア=フォスティーナ
22歳
身長168cm
カップD
赤毛(ワインレッドよりもなお深い赤)青目
種族・人間
現在はタツヤの寝室(元彼女の寝室)近くのトイレで寝起きをしている。一応週に一度の行水は許されているが、食事は常にタツヤの目の前で残飯、生ごみに自分の秘裂に出された精液を振り掛けさせられた物を一日二回与えられている。

・ジナ=ペーレンディ
15歳
身長151cm
カップA
黒髪金目
種族・ガウトリア
悲しき貧乳。タツヤの作った武器内蔵型偽乳ブラの着用を義務付けられ、今も泣く泣くサイズの合わない(胸の【重要】)チャイナドレスを着ている。
タツヤのエンチャントした刀を主武器としている。
本人は認めたがらないが、非常に淫乱。

・バルベラ=リストニア
25歳
身長187cm
カップD
銀髪碧目
種族・人間
タツヤに壊滅させられた盗賊団【銀狼団】の元頭領。マゾヒスト。
ジナがサイズの合わないチャイナドレスを着る事になった諸々の原因。元盗賊なだけあって裏の世界の情報に詳しい。
目隠し、耳栓など、何も見えず、何も聞こえない状況を連想させる物にトラウマを持つ。

・クルスカ=フェイン
22歳
身長170cm
カップC
金髪青目
種族・ハーフュリア
元タッシュアット魔法騎士団所属。一年前エーレスリストスとタッシュアットの間に武力衝突が起きた際、その戦いに参加。疲労し隊と逸れたところをバルベラに捕まり、奴隷として売られた。疲労さえなければ銀狼団ぐらいなら一人で返り討ちにすることも可能な腕前。
文武に優れ、当然その背の翼で空を飛ぶことができる。
タツヤが買った六人の奴隷の内の一人。調教済み。

・リーレ=カヤン
16歳
身長164cm
B96W69H74
カップF
翠金髪青目
種族・エルフ
双子の姉の方。おっとりとした見た目だが一本芯の通った性格。
妹のことを何よりも大事にしており、自分の身を犠牲にしてでも守り通すことを心に誓っている。
彼女の氏族において双子とは凶事の導き手であり、それゆえに一族を追放、親の手により奴隷商人に売られることになった。
タツヤに妹に手を出ささない、という条件を飲ませることに成功するが………?

・ルーラ=カヤン
16歳
身長163cm
カップB
翠金髪青目
種族・エルフ
双子の妹の方。見た目ボーイッシュ、気の強い俺娘。
姉のことを何よりも大事にしており、それゆえにその姉から常に守られてきたことに僅かな不満を持っている。
タツヤに売られる際、姉を庇おうとするも失敗するが………?

・翠玉
20歳
身長167cm
カップB
碧髪黒目
種族・龍人
元医者の奴隷。元の世界における針や灸、気孔といった東洋医学を修めている。
サンセストリア大陸の東にある島国の出身。海賊に連れ攫われ、ここに売られてきた。

・エリル=ヴィラ
25歳
身長180cm
カップC
茶髪黒目
種族・ヴァルフ
元大工の奴隷。オストティガの牙の施設を整えようにも建設関連の技術を持っていないことに気付いたため購入した奴隷。奴隷にさえならなければ村人Aとして平穏な生活を続けただろう女。
バルベラと並んで年齢2トップ。

・ザクロ=フィルデン
21歳
身長190cm
カップD
朱髪紅目
種族・ヴァルフ
元傭兵の奴隷。過去に六人の調教師を病院に送り込んだ問題児。誰もが匙を投げており、タツヤが彼女を買い取らなかった場合処分されていた可能性大の奴隷。そこらの盗賊団なら素手で壊滅させることもできる凄腕。






・用語
・大泥棒の風呂敷
一言で言えば風呂敷版四次元ホ○ケット。
対象に向けてこれを振るうことでどこかにそれをしまうことができる。

・エンシェント級
マジックアイテムのランクの一つ。または古代魔法繁栄期に作られたマジックアイテムを指す言葉。エンシェント級はさらに7つのラン

クに分けられる。
それぞれ上から順にロード・クラウン・ワンド・タリスマン・タロット・ソード・コイン。

・刀
黄金の国ジパング、またはヤマトの戦士サムライの象徴的武器。
この武器の魅力に取り付かれた人はその存在を特別視する傾向にあるとかないとか。

・エンチャント
別名魔力付加。
エンチャントは大きく分けて2種類存在し、打ち込んだルーンによりその存在を強化する物と、属性を付加する物がある。
ジナの刀に施された物は前者である。

・パドル
欧米ではわりと知られた尻たたきの道具。

・アザムの実
エーレスリストスの産物。プラムに似た果物。柿のように渋アザムと甘アザムがある。
甘アザムは痺れるような酸味が有名。

・武器内蔵型偽乳ブラ
ジナの偽乳。ジナにとっては屈辱の品。
色は水色、赤、黒の三色

・アウムブラ
エーレスリストス南部の都市。
オストティガの牙から転移できる街のひとつ。

・アルトセブ商会
サンセストリア大陸北部最大規模の商業組織。扱う品は糸くずから豪邸まで。裏では盗品や奴隷の売買も行う。

・タッシュアット
サンセストリア南部最大の国家。クルスカの祖国。

・タッシュアット魔法騎士団
タッシュアットの誇る最高戦力。完全な実力社会で精鋭のみが集められている。




[28431] 異界淫法録・10
Name: フライングフォックス◆12b42988 ID:64f399be
Date: 2011/06/25 14:53
「それじゃあ、ご主人様の仰せのとおりに…………」

一礼の後部屋を出てゆくバルベラを見送り、俺は塔に意識を集中して奴隷達がどこにいるかを確認する。

アルトセブ商会をあとにした俺達は、後部が檻に改造された馬車を貰い、そこに薬で眠らしたうえに鎖で雁字搦めに拘束したザクロを入れてオストティガの牙へと帰ってきた。
ザクロ以外の奴隷達に部屋を与えた後、俺はアルトセブ商会で思いついた『面白いこと』をするための物を作成していた。本当なら今すぐにでも誰かを犯し、股間の怒張を一時とはいえ鎮めたいところではあるが、目先のものに飛びつくよりも、もうしばし堪えてより極上の物を手にするほうがいいに決まっている。

そしてそれの作成は思っていたよりも簡単だった。機能としてはバルベラに作った物に近い、というより一部は被っているのだ。そう考えれば当然だったのかもしれない。

作り上げた物の片割れはバルベラに渡した。そして俺も残る片割れを手に部屋を後にする。向かう先は塔の三階、俺の寝室と奴隷達の部屋のある階だ。その階の東側、ジナの部屋の二つ隣の部屋の扉を開いた。

「なっ!いきなり入ってくんな!」

扉を開けて一番に投げつけられる言葉は双子のエルフの妹、ルーラの物だ。奴隷であるこいつにプライバシーなんかあって無い物だってことを理解させたほうがいいかと思いつつも、俺はルーラを無視して目的の人物に話しかける。

「リーレ、来い」

双子のエルフの姉、リーレ。二人は一つの部屋を共同で使わせている。俺が決めたことではなくこいつらが自分で決めたことだ。

「おい、無視すんなよ!」

「ルーラ、止めなさい。あの人が何をしようと私たちにそれを咎める権利は無いわ。でも、憶えていますよね?」

「あぁ、俺はルーラには手を出さない」

そう言って踵を返す俺の後を追ってリーレも部屋を出る。塔越しにルーラの悔しがる顔が見えるが…………、すぐにそれどころじゃすまなくなるさ。

寝室についた俺はリーレに先ほど作った物、首輪を投げ渡す。

「…………これは?」

「俺のつくったマジックアイテムさ。それをつけてればこの塔にいる限り俺と念話を使用して会話をできるようになってる。繋げるのは俺からだけだがな。
他にも幾つか機能があるが、なに、すぐにわかる」

少しの間を置いて、リーレは無言でその首輪を嵌める。彼女の着る唐草色の、簡素な服の上に銀色のアクセントが出来上がる。

ベッドに腰掛けリーレを抱き寄せ、俺は首輪の機能を発動させた。

「…………っ!これは…………、何も、見えない?」

「あぁ、俺が望む間、そいつは装着者の視覚を奪うようになってる。もちろん、お礼外にそれを外すことは出来ないから、外そうとしても無駄だぞ」

「…………私に、奉仕をさせるつもりなのではないのですか?」

「させるつもりさ。ただな、お前には目じゃなくて、臭いで、味で、感触で俺の肉棒を憶えて貰おうと思ってな」

服を脱ぐように命じ、リーレは普段と勝手が違うようで、多少まごつきながらも服を脱ぎ始めた。そして俺がそれを見ていると、静かに部屋の扉が開かれる。
やっと来たか。
扉のほうを見れば案の定、首輪を嵌めたルーラを伴いバルベラが入室してくるところだった。

「…………!……………!…………、………………!」

今まさに服を脱がんとする姉の姿にリーレが何かを言おうとするが、それが声になることはけして無かった。
これがルーラに嵌めた首輪の機能だ。他にもリーレにこのことを伝えることと嘘を付くこと、さらにこれから起こることを見逃すことを禁じてある。もちろんリーレとの約束を破るために連れてきたのではない。

音をなさない声さらに何かを言い募ろうとするリーレをバルベラがベッドの傍にある椅子へと座らせ拘束する。
そうしているうちにルーラが服を脱ぎ終え、それを見たバルベラが部屋を退出し、寝室内には俺達三人だけが残される。

俺も服を脱ぐと、全裸となったリーレを再び抱き寄せ、その大きな胸を鷲掴みにする。

「くっ…………」

リーレの顔が苦悶に歪むが、俺は気にせずに胸を揉み続け、いきり立つ剛直をリーレの脚の間に差し込んだ。

「お前のマンコを擦りつけろ」

それを聞いたリーレの頬に朱が走る。行為に羞恥を感じたかそれともマンコという卑猥な言葉にか、はたまたその両方か。
まぁどちらでもかまわんがな。

四苦八苦しながらも俺の命令を実行しようとするリーレは、俺を跨いで脚を開き中途半端な膝立ちのような姿勢で、マンコを突き出すようにして俺の肉棒に擦りつけ始める。
目の前にあるリーレの背中に舌を這わし、胸を掴んでその感触を堪能する。

「うっ………、くっ…………、ふぅ……………」

非常に辛い体勢で肉棒に淫裂を擦りつけ、表情にも声にも苦悶が混じる。

しばらくはそのままリーレにやらせていたが、ついに脚のほうが限界に達したらしく俺の上に尻餅をつく。

「なんだ、もう限界か」

「こ、こんなこと、今までしたことが、無かったので…………」

「まぁいい。だがすぐに慣れろ。何でもすると言ったのはお前だろう?」

「…………はい。でもルーラには………………」

「あぁ、約束どおり手を出さないさ」

胸を揉む左手に僅かに魔力を集める。口の中で性魔法の呪文を唱える。ジナに使ったときよりも遥かに効果を薄くしつつ、魔力の篭った手で乳首を弄ぶ。

「…………っ、……うぅっ」

「おい、いつまで休むつもりだ?擦りつけられないなら手で扱け」

リーレを俺の膝の上に座りなおさせ、乳首を執拗に弄りながら怒張で彼女の臍の辺りを突いてやる。

「―――っ!こ、こう、ですか?」

「もっと強く握れ。それじゃぁくすぐったいだけだ」

両手で俺の怒張を包み、手を上下させる彼女の吐息が僅かに上ずってきていることに彼女は気付いているのだろうか?
俺に言われたとおりに手に力を込め、ちょうどいい力加減で扱き出す。

リーレの顔を覗き込めば吐息は弾み頬を赤くしている。彼が弄くる胸の突起も既に硬く尖り、そこに爪を立てれば堪えきれない声が上がる。

「はっ、はっ、はっ、はっ、んくぅっ…………。あぅ、ぃゃぁ…………」

「いやじゃないだろう。こんなにここを喜ばせておいて…………」

「―――ひゃんっ!」

ツン、と上を向く乳首を爪弾き、胸を下から救い上げるように持ち上げ、肩越しに乳首を口に含む。乳首と歯の間に唇を挟み、そのまま扱くように歯を立てる。先端を舌で弄び、交互に乳首を口に含む。

「はっ、はっ、はっ、はぁっ、んんっ…………。はぅ、うぅ、あぅ、んぁあ…………」

顔を上気させ、いつの間にか声を堪える様子が無くなり静かな喘ぎ声がリーレの口から漏れる。色事の熱気に当てられたか、俺のモノを扱く手の動きにも熱が篭り始める。

俺に抱きかかえられながらの嬌態。視界を奪っているとはいえ知らずに自分が大切にしている妹の目の前でそれを晒しているリーレ。ちらりとルーラに視線をやれば顔を真っ赤にしてこちらを凝視しているのが目に入った。姉を好きなようにされ、自身は何も出来ないことに対する悔しさか、それとも姉の嬌態を見ることに対する恥ずかしさか。またはその両方か、顔を真っ赤にし、口元を振るわせる彼女の姿に怒張が興奮を示してビクリと動く。

「きゃっ、う、動いた…………」

何も気付かぬリーレが呆然と言葉を零し、胸から手を離して彼女の脚を持って身体をひっくり返した。

「きゃぁっ…………、な、なにを…………」

俺の体の上に上下さかさまにうつ伏せに寝転がることとなったリーレ。いわゆる69の体勢となった彼女の頬を怒張で叩く。

「お前がこれから一生奉仕する物だ。その形を肌で、臭いを鼻で、味を舌で覚えろ。顔を擦りつけ、胸いっぱいに臭いを嗅げ、口の中いっぱいに頬張れ…………」

「……………………あ、あぁ、こ、これが、おちんちん…………?」

恐る恐る俺の剛直に頬ずりし、リーレの荒い息が竿をくすぐった。自分が何をしているのかわかっているのかどうか、熱に浮かされたように緩慢な動作で俺の言葉通りに動く。
頬ずりしながら大きく息を吸って臭いを嗅ぎ、次いで亀頭を口に含み舌を絡める。それを緩慢な動作で繰り返すのを堪能しながら、俺は目の前の淫裂を指で開いた。そこは既に熱く塗れており、指先を僅かに入れるだけで淫音を鳴る。
さらにその蜜壷を開いてやれば、壁の間に一瞬だが淫液の橋がかかり、その先には処女膜が丸見えになる。

「処女だってのに、下の口は涎でべとべとだな」

「―――っ!うぅ、んぶっ、ぶふぁっ、あぁ…………、言わな、い、で、ください…………」

「事実だろう?それより休むな。続けろ」

俺の言葉に恥ずかしげに首を振るうも、息の上がった彼女の言葉は上ずり色気を帯びている。
淫液を掻き出すように蜜壷をかき回せば、淫裂を濡らす愛液が止め処も無く溢れ出し俺の顔に滴ってくる。

「胸で挟め。胸に挟んで擦り上げるんだ」

「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ、んんっ…………。こ、こうです、か?」

拙い動きで胸を上下に動かし、尋ねる声は上ずっている。返事の変わりに腰を動かし、リーレの胸を堪能しながら口元に男根を突きつける。リーレはそれを無言で咥えこみ、舌を絡めてきた。

それからしばらくリーレが奉仕するに任せ、蜜壷を掻き混ぜるのに集中する。時間が過ぎるのに比例して、リーレの口から零れる喘ぎ声が増してゆく。そして俺の方も徐々に射精へと興奮が高まってゆき…………。

「咥えろ。そして絶対に口を離すな」

リーレがその言葉に従い怒張を口に含むのと同時に、俺は腰を突き上げていた。

「んぐぅっ…………!ぶぶっ、おぐぅっ!」

切っ先が喉を突き、リーレがくぐもった悲鳴を上げる。しかしそれを気にせずに喉を突き上げ、そして。

「さぁ、しっかりと飲み干せよ…………」

「んぶぅっ…………!んんんんぅっ…………!」

リーレの口内に大量の精を解き放った。

ここからではリーレの表情は見えないが、どうやら懸命に俺に言われたとおりに飲み干そうとしているようだが、ペニス越しに精液が零れてくるのを感じながら口の中から引き抜いた。

「んぐっ、ぐっ…………、げほっ、けほっ………、ごほぉっ、ごほっ…………」

「飲め、そう言ったと思ったんだけどな…………」

「げほっ、けほっ………、す、すみ、ません……………」

リーレは咳き込みながらも懸命に零れた精液に舌を伸ばし、最後まで俺の命令に従おうとするが、上半身を起こした俺は彼女の身体も起こさせ先ほどと同じ体勢になる。そして彼女をこちらへと振り向かせ、俺を跨いで膝立ちにさせ愛液をたらす蜜壷に怒張を添えた。

「自分で俺のペニスをおまんこに刺せ。お前自身の手で俺に純潔を捧げるんだ」

「「……………っ!」」

俺の命令に双子のエルフは息を呑み、緊張が寝室を包んだ…………………………。



初投稿、2011,6,25
修正、同上



[28431] 異界淫法録・11
Name: フライングフォックス◆12b42988 ID:64f399be
Date: 2011/07/01 22:24
「……………こ、これを、自分で?」

「そうだ、自分でだ」

視界を奪われ手探りで俺の肉棒の亀頭に触れたリーレが呟くように零した言葉に、俺は短く肯定の言葉をくれてやる。
視界を奪われたリーレの脳内では手に触れる物の形を想像していることだろう。手で、胸でと肌の感覚だけでそれを知るリーレには現実と想像の間にどれだけ差異があるのだろうか?
想像が現実よりも小さければ思いがけぬ大きさに、彼女が迎え入れるにあたって成した心構えは崩されることになるだろう。
想像が現実を上回れば、それだけ意識が俺の男根へと向けられより中でそれの存在を感じることとなる。
どちらに転んでも面白いことになるだろうし、これを見ているルーラにしてみれば…………………………。

リーレの腕よりも太い怒張の先が、彼女の淫裂へと添えられる。与えられた快楽に息は弾み、しかしその中に混じった緊張が手に取るようにわかった。

「どうした?添えるだけじゃいつまでたっても終わらないぞ?」

促す言葉に意を決したか、リーレはゆっくりと腰を降ろし、自らの淫裂へと怒張を導いてゆく。

「―――う、んんぅっ、くぅっ、はぐぅっ……………。んくぅっ、はぁう、うっく、つっぅ!い、痛い…………!」

「どうした、まだ切っ先が入っただけだぞ?それとも、あのときの言葉は嘘か?」

「う、嘘なんかじゃ……………、はぁ、はぁ、で、でも、これ、大きすぎて……………、つぅっ……………!」

「なに、痛いのは最初だけさ。毎日嵌めてれば逆にすぐ気持ちよくなるさ。
それよりもいつまでそうしているつもりだ?これ以上できないとお前が言うつもりなら……………………ルーラにやらせるか?」

「「――――――!」」

俺の言葉に二人が息を詰まらせる。そしてリーレは覚悟を決めたか、大きく息を吸い込み、再び腰を降ろし始めた。

「る、ルーラには、くぅっ、手を、出さない、くぅ、で…………!
ふぅっ、ふぅっ、ふぅっ、ふぅっ、…………!くぅんっ!」

「あぁ、お前がちゃんとやっている限り俺は手を出さないさ…………」

やっと亀頭がリーレの中へと埋まり、リーレの息がより荒くなる。そして…………。

「つっ…………!くっ、か、はぁっ…………、くぅぅぅぅぅぅうううううっ!」

怒張の先から伝わる何かを千切るような感触は、リーレの処女膜が破かれたためのものだろう。悲鳴にも似たリーレのうめき声を上げる彼女を見上げながら、その胸に手を伸ばして揉み始める。

「どうした?まだ先が入っただけだぞ。もっとしっかり咥え込め」

「うぅ、ぐぅっ…………、あぐぅ、う、うぅ、がふぅっ…………、く、ああああああああっ!」

想像していた以上の痛みだったのか、力尽きたように脚の力が抜けた次の瞬間、リーレは自分の体重(きっとその大部分は胸)により、蜜壷の一番奥まで一気に男根で貫かれることとなった。

「あ、あ、あ、あ、あ、あ、ああああああ……………、は、ふ、は、ふ、は、ふ、は、ふ、……………………」

大きく口を開け、天を仰ぐように頤を晒すリーレの目から涙が零れる。

「泣いてる暇なんか無いぞ。
俺としてはちゃんと根本まで咥え込んで奉仕して欲しいものだがなぁ…………」

今までの三人もそうだったが、蜜壷のそこを突き上げるほど怒張を咥え込んでいるというのに、俺のそれは根本まで咥え込むまでには至っていない………。

「―――む、無理、です…………、も、もうこれ以上、入らなあぐぅっ!」

言葉を遮りリーレを突き上げる。その痛みに上がるリーレの悲鳴のなんと心地良いことか…………。

「言い訳をする暇があったら努力するべきだと思うがな。俺のこいつを―――」

僅かに血が伝う男根を、リーレの中で動かしてやれば再び悲鳴が上がる。

「―――しっかりと咥え込めるようにな」

リーレの腰を掴んで固定し、そのまま気ままに突き上げる。その度に悲鳴が上がるが気にする必要は無い。ただでさえ狭い処女特有の締め付けは、俺の物を咥え込んで離さない、いや離すことも出来ずに突き上げられるままとなる。この締め付けを心地よく感じながら、二度目の射精が近づいてくる。

「次はお前の中に出してやる。下の口でしっかりと味わえよ」

「―――あぐっ、ふぅっ、ぐぅっ、ひぃっ、な、中にっ!?ひぐぅっ!たすぐぇっ!はげっ!はげしいっ!こわっ、れ、るっ!ひぐぅっ…………」

「大丈夫だ、この程度で壊れたりなどしないさ」

射精が近づくにつれて激しくなる俺の腰使いに、リーレは息も絶え絶えになりながらそれを受け止める。まぁ正確には逃げたくても逃げられないだけだが…………。

「さぁ…………、受け取れ!」

「あぐぅっ!」

突き上げると同時にリーレを引き寄せ、より深くに無理やり怒張を捻じ込み精を解き放つ。最初に蜜壷の奥まで突き上げたとき同様に悲鳴を上げて頤を晒すリーレの中で、俺は射精が終わるのを待って……………………、再び動き出す。

「ひぎぃっ!ま、まって!も、もう、終わり、じゃ……………………」

「おいおい、俺が一発二発出しただけで終わると思ったのか?そうだとしたら残念だったな。俺が満足する以外に、終わりは無い」

その宣言にリーレは顔を青くし、ルーラは涙を流しながら俺に何かを言っているが、いかんせん、その言葉は声とならずに消えてゆく。無論聞こえていたとしてもそれを聞く気にはならないがな。






それからどれくらい時間が経ったか、俺はベッドの上で息も絶え絶えの状態でシーツの上に零れたザーメンを舐めるリーレを見下ろしていた。今この寝室内にいるのは俺とリーレの二人だけだ。ルーラはつい今しがたバルベラに連れられて部屋を出て行ったところだ。
もちろんりまだリーレにはルーラのことは言っていない。言うのはもっと先の話だ。

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、ご、主人、様………………、終わり、ました…………」

リーレの言葉にベッドの上を見れば確かにシーツに零れたザーメンは綺麗に舐め取られていた。ここでようやくリーレに視界を返してやると、一瞬眩しそうに目を閉じるも、すぐに目を開いて俺ふに振り返った。

「今日はもう終わりだ。下がっていいぞ」

たったそれだけの言葉を聴いて、リーレは心のそこから安堵の表情を浮かべて立ち上がろうとして、失敗する。
腰が抜けたか。まぁあのまま更に抜かずに三発出した後、後ろに五発、更に前にもう四発と俺の精を注ぎ込みまくったんだ、当然だろうな。

腰が抜けていようが俺は手伝う気もなく、這って寝室を退室する姿を見送り椅子に腰掛ける。
塔に意識を向けて奴隷達のことを確認すれば、今日買って来た全員に念話用の腕輪が配られていることが確認できた。
そして厨房では翠玉が料理をしている。たしかジナとクルスカ、翠玉の三人で当番制にするとか言ってたか…………。

水時計を見れば晩飯にはちょうどいい時間となっている。それじゃぁ今は飯にするとするか……………………。





夕食も終わり、俺は今研究部屋にてクルスカと二人きりになっていた。

「戦斧と革鎧か……………………」

「はい」

返事を返すクルスカは、現在藍色に染め上げられた革鎧を着込み、手には彼女よりも大きな戦斧を持っていた。先日ジナが見つけた武器の中からクルスカが見つけてきた物だ。

「…………ハーフュリアは鉄製の鎧を身に纏ってなお自在に空を飛び回るって聞いてたけど…………、大丈夫なのか?その革鎧で…………」

この知識はもちろん『蛇の林檎』からの物だ。
ハーフュリアの戦士は戦場に出るとき革鎧などの軽い鎧ではなく、鉄製、それも場合によってはフルプレートメイルを身に纏って空を飛び戦うという。しかし実際に彼女の選んだ物は革の鎧だ。タッシュアット魔法騎士団にいたころからこのような軽装で戦っていたのだろうか?

「はい、たしかにそうなのですが……………………、タツヤ様から頂いたこのマジックリング、この『守りの指輪』が他に類を見ないほどに優秀ですので、鉄の鎧はただの重石にしかならないのです。
それでしたら最初から最低限の装備さえ頂ければ十分ですので…………」

クルスカに渡したマジックリングはもちろんジナ達に渡した物と同じ『守りの指輪』だ。ん~しかしそうか、これぐらいの物になると既にそんなレベルの代物になるのか…………。自分で作った物ながら呆れた物だな。

「わかった。で、その戦斧にはどんなエンチャントをしたいんだ?」

「はい、『鋼』と『岩』のルーンを…………」

「『強固』に『頑健』か…………」

「はい、それと『岩』は『重い』の意味もありますから」

そうか…………、戦斧といえばその重さと遠心力で対象を叩き切る、または叩き潰す武器か。たしかに『岩』のルーンはもってこいだな。

「わかった。戦斧はあっちの台に置いておけ」

「はい、ありがとうございます」

深々と頭を下げて俺が指した作業台へと戦斧を置いて戻ってくる。

「で、クルスカ。俺に魔法の基礎を教えろ」

「…………え?」

なにを言われたのか理解できないといった表情のクルスカを他所に俺は言葉を続けた。

「いろいろあって魔法の基礎を知らないんだ。今のところ魔法を使うのに問題は出てないが、問題が出てからじゃ遅いからな」

「……………………ご、ご冗談でしょう、これほどの物をお作りになられるのに?」

「冗談で言うようなことじゃないだろ、こんなことは」

その言葉で俺の言っていることが真実であると信じたのか、クルスカはしばし考えた後その場に片膝をついて頭を垂れる。

「…………わかりました、魔道については多くを知るわけではございませんが、タツヤ様がお求めになられるのならば、私の知る知識をお教えさせていただきます」

「あぁ、頼む。
だがまぁ、今日はもう遅いから明日から頼む」

御意と答えたクルスカを退出させ、俺は『蛇の林檎』から『鋼』と『岩』のルーンを引き出し、それを紙に書き写してから研究部屋を後にした。

そして寝室に戻った俺を出迎えたのは新しいシーツに変えられたベッドの横で正座をする翠玉だった。

「翠玉か、どうした?」

「夜分遅くに申し訳ありません。今日初めてお会いしてから、タツヤ様を見ていると右手の方をお庇いになられていらっしゃるご様子でしたので。よろしければ私診させては頂けないでしょうか?」

心に黒い正気が吹き荒れかけ、俺は懸命にそれを押さえ込む。

「……………………無駄だ。こいつを完治させることの出来る方法は少ない。その少ない方法だって年単位で行うことが出来ない代物だ。診たところで時間の無駄だ」

着ているものを脱ぎながらベッドへと向かい、翠玉には一瞥もくれずに横になる。

「…………完治させることは出来ずとも、改善させることは可能かもしれません。診させては頂けないでしょうか?」

なおも言い募る翠玉に、抑えていたものをぶちまけそうになった。しかしそれも彼女の言葉の意味を理解し、再び抑えつける。

「……………………どういう意味だ?」

「はい、私が修めております気孔などの内孔医療は、患者の自己治癒能力を向上させることで病や怪我などの治りを促進させることを主としております。
こちらの大陸で主流となっている外孔医療と比ぶれば治療にかかる時間は長くなりますが、患者本人の自己治癒能力の範囲内での治療であるため身体への負担も少ないという利点がございます。
タツヤ様、ご夕食の際右腕がひきつけを起こしていらっしゃいました。これは私の推測ではございますが、聞けば過去に右腕を失いかねない大怪我を負っているとか…………。おそらくは右腕の筋肉の疲労に対しそれを回復せんとする自己治癒能力とりわけ疲労回復力が弱く、溜まった疲労があのようにひきつけを起こすに至るのではないかと…………」

翠玉はそこで一度言葉を切ると、その黒曜石を連想させる目で俺を見る。
俺はただ静かに翠玉の言葉を待った。

「ですので筋肉の疲労を回復させれば自然とひきつけを起こすこともなくなりましょう。それに関して内孔医療ならばその方法も多くございます。また右腕の低下した自己治癒能力を改善することができれば、右腕の機能そのものも完治までは無理でも日常の生活において問題無い状態まで回復させることも可能ではないかと考えております」

…………………………………………。
あれだけ危惧していたことがついに浮き彫りになったということか………………………………。取り返しのつかないところでそうなったわけで無いだけマシというものか。

『蛇の林檎』は契約者の望む知識を与える魔道書だ。そしてこの件に関して魔道書に求めたのは『完治』のための知識であり、その一歩手前とも言える『改善』させるための知識を求めなかった。それゆえにその方法をあの魔道書は俺に教えなかった……………………

「…………………………………………診てくれ」

「はい、失礼いたします……………………」

完治は無理でも改善は出来る。その新しい可能性に俺は使えていた何かが取れたような気がした。





だが、エルディア。お前に対しての怨み……………………、鎮まることは無いぞ…………………………………………!



初投稿、2011,6,26
修正、2011,7,1



[28431] 異界淫法録・12
Name: フライングフォックス◆12b42988 ID:64f399be
Date: 2011/06/26 21:25
「え~と、ご主人様?」

「なんだ?」

「後ろのはいったい………?」

オストティガの牙が建てられた山の中。青々と茂った木々の間からは時折取りの鳴き声が聞こえてくる。上を見れば緑色の天井と、その隙間からは澄んだ色をした空が垣間見える。
そんな森林浴にぴったりなこの場所で問いかけてくるのは、ウェーブ、というよりも全体的に軽いパーマのかかった髪を背中まで伸ばした大柄の女。エリル・ヴィラだ。
普段ならそのボリュームのある髪の合間にピンと立てられている狼の物に似た耳は、今は怯えるように伏せられ、彼女の今にでも後ろに振り返り逃げ出しそうなのを我慢しているのか逃げ腰になっている。

そして彼女の指差す方に振りかえれば、彼女が怯える物が目に入る。

それは白く細い手足を持ち、虚空を灯す眼窩、無駄な物のその一切を削ぎ落とし、なんとも身軽な姿をしているのに、むしろ俊敏さを感じさせないその容姿。

それは正しく岩の塊。岩をそのまま人型に削ったかのような、いや正しくその通りの存在は見るものに威圧感を与えることだろう。

「…………スケルトンとゴーレムだな。大工仕事仕様の」

そう、そこにいたのは頭蓋に捻り鉢巻、剣を捨てて鋸を持ち、盾の代わりに金槌を持ったスケルトン達と、頭部に同じく捻り鉢巻を巻いたゴーレムだ。もちろん俺が造った。

「こいつらをお前につける。地下三階から地下四階の部屋を全て牢屋に改装しろ」

「こ、これを使って?」

今にも逃げ出しそうなほどに腰がひけてるな。まぁ、スケルトンもゴーレムも魔道生物って呼ばれる人工生命だが、普通に街や村にいるはずの無い代物だし、エリルのような普通の村人だった奴にしてみれば魔物とそう代わりない。そう考えれば当然の反応か。

「俺の意に沿わないことをしない限り、こいつらお前に従うようにしてある。改装をするにための材料だが、ここは山奥だ。木材ならそこらに腐るほどあるし、岩にしろ少し探せばごろごろしてる。あぁ、ゴーレムには岩を切断するための機能をつけてる、有効に使え」

アルトセブ商会で話したときからだが、こいつは本当に従順だ。この山で自由にしたところで、逃げることの出来る力を与えたとて逃げはしないだろう。第一奴隷の刻印も押されるしな。

「うぅ、ご、ご主人様~、ほ、本当に大丈夫なんですよね?いきなり襲ってきたりとかしないですよね?」

「お前が自分を襲うように命令しない限りはな。
ふぅ、そんなに怖いならジナにでも一緒についていてもらえ」

腕にすがりつくエリルに溜息をつき、ジナを連れる許可を出してやる。
それにしても健康的な小麦色に焼かれた肌といい、大工仕事で鍛えられた四肢といい、最後のおまけは大工仕事なんていう力しごと。元の世界の先入観か姉御肌の江戸っ子みたいな性格と思ったんだけどな。蓋を開けてみればこれか…………。別にいいけど
俺よりも高い身長を持つ身体をかがめ涙目になり上目遣いで見上げてくる姿から視線を上に外し、そして顔をそちらに向けなおし身体を抱き寄せる。

「そう怖がるな。しっかりと仕事をこなせば、ご褒美をくれてやる」

胸から上を隠すだけの黒いタンクトップの上から綺麗な形をした胸を揉んでやりながら耳元で囁く。アルトセブ商会の調教師は腕がいいな。ちょっと胸を触ってやるだけで顔を上気させ、表情を弛緩させるエリルを見てそう思った。

「あぁ、ご、ご主人様ぁ……」

股の間に丸められていた尻尾がだらしなく垂れ、気持ちよさそうに左右に振られる。俺の右足を脚の間に挟むようにして自分から股間を擦り付ける。盛りの付いた牝犬さながらの行動だ。

「だが、今はここまでだ。もっとして欲しいならし仕事を終えてからだ」

エリルの身体から手を離し、俺は塔に向かって歩き始める。ジナにエリルを見ていてやるよう念話で命じながら後ろを振り返れば、寂しそうに股間を擦りながら、しかし欲情したその顔で恐る恐るスケルトン達に指示を出すという奇行をやってのけるエリルの姿。

アルトセブ商会は本当に腕がいい調教師を持ってる。性処理用はともかく、エリルみたいな技能を持った奴隷はアルトセブ商会で買うのが一番だな。『アレ』のためにも地盤を固めなければいけないしな。
まてよ、それか調教師の奴隷がいれば…………。ヴァフドニルに掛け合ってみるか、それともどこかの奴隷商から攫って俺の方で調教するのも一つの手か。
考えておこう。

塔から出てきたジナにエリルのいる方を教え、俺は塔へと入る。
なんにしても今は昨日買った奴隷を完全に俺の『物』とすることだな。ザクロの調教の道具を作るか、あれはまず身体の自由を奪わないと調教なんて危なっかしくて出来ないからな。

あいつは徹底的に調教するべきだろうな。そう、徹底的に。





「ふぅ、思った以上に面倒だな。このグレイプニルってのは」

「そうですね。仮にもエンシェンタリーアイテム。レシピと材料が揃っているとはいえ、作成が困難なのは仕方の無いことかと」

完全なる球状のガラスの容器の中に漂う白銀色の鎖。元の世界は北欧神話において神殺しの狼を繋いでいたという鎖の名を冠するエンシェンタリーアイテム。
ザクロの調教用の道具として『蛇の林檎』から見つけ出したアイテムだ。クルスカに魔法の基礎を教えてもらった後、彼女に手伝わせて作成しているのだが、やはり同じくエンシェンタリー級と称されていても、結局は魔力任せの品。既に失われたアイテムである『本物』のエンシェンタリーアイテムは違うということか。

「まぁいい、時間はある。今日は終わりだ。寝室に上がるぞ」

「はい」





「んくぅ、あん…………」

クルスカを伴い寝室に向かった俺は、ベッドの上で彼女の純白の翼を堪能していた。

「そうか、この翼の付け根の部分が弱いのか」

クルスカを抱き寄せ、純白の翼を撫でながらその付け根に舌を這わせば、彼女の口から艶めかしい喘ぎ声が上がる。

「どんな感じなんだ?ここを、こうやって舐められるのは」

「ひゃぅっ、んん、はぁ、はぁ、はぁ、し、痺れる、ような、んくぅ、感じが、そ、そこ、からっ、あぅん、全身に、走るんです、あぁあああっ」

翼の付け根に歯を立てて悲鳴とも嬌声とも取れる声を上げさせる。歯を立てるたびに快楽に翼が振るえ、心地よい風が俺を包む。

「おいおい、自分ばかり楽しんでないでちゃんと奉仕しろ」

「も、もうしわけ、ありませんぁっ」

武器を握っていたとは思えないような彼女の小さく柔らかな手が俺の怒張を覆う。右手が付け根を扱けば左手が雁を擽り、片手が竿を握ればもう片方の手が鈴口を擽る。

「ん、上手じゃないか。向うではよっぽど仕込まれてきたみたいだな」

「あん、あ、ありがとうございます。で、ですが、くぅっ、わ、私は、まだぁぅ、処女です………、し、しっかりと、ご奉仕できるか、あぅっ、んぁ、な、なにか、粗相が、あ、あったら、も、もうしわけ、ありませぁあん」

「へぇ、処女奴隷、ってわけか。純潔を奪うというただ一度の楽しみ。アルトセブ商会もわかってるじゃないか」

クルスカを抱きしめ淫裂を探ればそこは既にドロドロで、指を入れれば淫音を立てて指先を汚す。

「クルスカ、このまま自慰をしろ」

「はぁ、はぁ、自慰、ですか?」

「あぁ、そうだ」

快楽で朱に染まった顔を不思議な言葉を聞いたとでも言いたげに首を傾げるも、肉棒から手を離し、俺が手をどけた淫裂を擦り始める。

「はぁ、はぁ、あぅん………、ん、んぁ、はぁん、ああぁ………」

クルスカの白い背中に舌を這わし、翼に顔を埋める。香水をしているのか、おそらくは花のものだろう甘い香りが鼻を擽り、俺は胸いっぱいにその香りを堪能する。

「いい匂いだな、香水か?」

「あぁ、はぅ、んぅ、そ、そう、ですんんぅっ、こ、香水を、うくぅっ、む、向うで、はぁん、はぁ、頂いて、きました…………、あぁん!」

徐々に激しくクルスカの喘ぎ声を聞きながら、存分にその心地よい香りを堪能する。
この香りは、嗅いでいると落ち着くな…………。

それからしばらくの間クルスカの喘ぎ声をBGMに、羽に顔を埋めてその匂いを堪能した。
そして…………。

「盛大にいったな」

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…………、ふぁっ…!?」

俺に抱きかかえられたまま盛大に絶頂を迎えたクルスカは全身を弛緩させて俺にもたれかかっている。

そんな彼女の首筋に唾液をたっぷりと絡ませた舌を這わしてやると、全身をビクリと震わせて艶めかしい喘ぎ声をあげる。

「しかし悪い子だな。俺は自慰をしろとは言ったが一人で勝手にいけとは言って無いぞ?」

「はぁ、はぁ、も、もうし、わけ、はぁんっ、あ、ありませんっ………!」

俺の膝を汚すほどに蜜を滴らせる淫裂は、指を入れれば火傷でもしそうなほどに熱く、これで本当に処女なのかと疑わしいくらいだった。

クルスカをベッドの上に四つん這いにさせて尻を高く上げさせると、俺はなんの合図もなく、ドロドロに蕩けきった蜜壷に剛直を捻りこんだ。

「―――あひぃっ!」

ブチリという処女膜を引き裂かれた衝撃にクルスカは悲鳴を上げる。その悲鳴は確かに痛みによる『悲鳴』であったが、同時に隠しきれない快感による『嬌声』も混じっていた。

「さぁて、処女の癖にあれだけおまんこをドロドロにしていて、いざ初めてここを貫かれた感想は?」

「ひぃっ、はひぃっ、い、痛い、痛いですっ………!でも、はぐぅっ、んぁああ、はぅん、き、気持ち、いいですっぅああああん!!」

四つん這いになったクルスカの蜜壷を掻き回すように抽挿を開始すれば、上がるのは悲鳴交じりの喘ぎ声。涙を流しながら自ら腰を振り、ドロドロに熱された口で俺の剛直を離さないとばかりに締め付けてくる。

「そうか、気持ちいいか。ならもっとケツを振れ!
純潔奪われてなおよがり狂う淫乱が!」

「はぃぎぃっ!はぃ、いぁぁん!振りますっ!お尻、振りますっ!わ、私ぃはぁ!い、淫乱な、牝奴隷ぃ、ですぅっ!処女ぉっ、ぅをっ、う、うばわ、れてぇっ………、んあぁ、い、痛いぃっ、のにっ、よがりっ、くるぅああっ、へ、へんんんっ、変態っ!ですぅっ…………!!」

クルスカの尻に平手を見舞えば、その衝撃が膣内を掻き回す剛直に届くのと同時にその締め付けが強められ、俺はそのために何度も何度も平手を見舞ってやる。さらにはいつぞやのごとく氷のディルドを作り出し、それを前準備も何もしていないはずのアナルへと突き刺した。

「はぎゅん―――っ!」

クルスカの後口はなんなく俺の剛直と同サイズのディルドを嬌声とともに受け入れて見せた。腰を叩きつけるのと同時に氷のディルドも腸内を抉り、その度に喘ぎ声が大きくなり膣の締め付けも強くなる。
その締めつけに、俺は早くも射精のときが近づいてくる。

「ぐぅっ、そらぁ、もうすぐ、お前の中に俺のザーメンをぶち込んでやる。処女喪失記念だ、しっかり味わえ!」

「ひゃぎぃっ、あん、あぁぁん、く、くださいっ!タツヤ様の、タツヤ様の、ザーメンを!ふぁんっ!わた、私の、おま、んこの、中、にぃぃぃぃぃっ!」

クルスカの尻を掴み、俺は腰を振るスピードを速くしてゆく。それに比例して大きくなるクルスカのよがり声と激しくなる彼女自ら振るう腰の振り。

「そら、うけとれぇっ!」

「ひぐぁっ!?あ、おおおおぉぉぉぉぉぉあああぁぁぁああぁぁあぁああ!!!!」

クルスカの中、その一番奥へとザーメンを解き放ち、同時に達したクルスカがまるで獣のように絶頂の叫びを上げ、その叫びに比するように、俺の剛直からザーメンを搾り取らんと蜜壷がまるで別の生き物のように締め付け蠢いた。





「―――んぁ、ぴちゃ、んんっ、ぶぶぶっ、ぶちゅぅっ、ちゅぅぶぅあっ、あんむ、えろ、れぇろ、んぁ…………」

射精の終わった剛直を淫裂から引き抜けば、絶頂により荒い息をつきながらクルスカが振り返り、剛直を口に含み、破瓜の血と愛液、そして俺のザーメンと三種類の液体に塗れた剛直を掃除し始める。俺はクルスカが奉仕するに任せながらその頭を撫でてやる。そうすればまるで甘えるように目元を緩めて、さらに積極的に剛直に口を這わす。
普段の凛とした様子からは想像もできない姿だ。まぁそれは先ほどまでの嬌態も同じことだが。

それから少しして、俺はクルスカの口の中に二度目の射精を行い、丸一晩、彼女の穴という穴を掻き回し続け、久しぶりに気の行くまでザーメンを流し込んだ…………。


初投稿、2011,6,26



[28431] 異界淫法録・13
Name: フライングフォックス◆12b42988 ID:64f399be
Date: 2011/07/01 22:35
「はぁ、はぁ、ひゃぅっ、んん、んくぅっ、ぅあん…………」

必死に堪えども漏れる喘ぎ声を聞きながら、大きく実ったリーレの胸を揉み続けた。

「ひゃぅんっ!」

淫核が肉竿に擦れ甲高い声が上がる。それにより前後に振られていた腰の動きが止まり、それを咎めるように双丘の頂にある硬くなった突起を捻り上げる。

「ひぎゃぁんっ!」

「誰が止めて良いと言った?」

「ご、ごめ、んなさ、いぃぃんっ!」

謝りながら腰を振り、いきなり淫核が竿に擦ったか、再び高い声が上がり、青空に消えていった。

ここはオストティガの牙の上部にある大きなバルコニー。俺はそこでリーレの調教を行っていた。いつも通りリーレの視覚を奪い、すぐ傍ではルーラが姉の痴態から目を離すこともできずにその一部始終を見続けている。
そして今現在、リーレの胸を揉みながら男根を股に挟ませ、いわゆる素股をさせているところだ。淫裂を、時には淫核を怒張に擦りつけ、同時に胸をもまれ続けて早くも一時間ほど経ち、リーレの蜜壷からは夥しい量の淫液が溢れ出し、俺の剛直を、彼女の太ももを汚している。
そしておまけに…………。

「今日も張ってるなぁ、お前の胸は…………」

「うぁぁ、ぃゃぁ…………、んあっ!」

乳首を強く摘みながら乳房を握り締めれば、乳首の更に先端から乳白色の液体が吹き出る。言わずともわかるとは思うが、母乳だ。

ルーラも知らなかったリーレの体質。彼女は以前から孕んでもいないというのに母乳の出る体質だったらしい。

「おっと、もったいないな」

胸を持ち上げ肩越しに乳首をくわえ込み、乳房を絞り上げれば、口の中に広がる甘い味。

「ほら、自分でも飲んでみろ」

「ああ、あん、ふぁ、んみゅっ…………、んむぅっ…………」

持ち上げた乳房の先をリーレに無理やり咥えさせ、そのまま搾乳させる。僅かに頬が窄められ、喉をゴクリと音を立てるのを聞く。

「どうだ、自分の胸から母乳を飲んだ気分は?」

「ふぁ、あひぃ、んんぁああ、おい、おいしい、です…………、あぁぁああああん!」

乳房を持ち上げれば今度は自分から乳首にしゃぶりつき、蕩けきった表情で母乳を飲み始める。おそらくは一時間もの長時間に渡って延々と同じことを繰り返させられたうえに、そこから生じる快楽とそれによる幾度かの絶頂によって自分が何をしているのか、何を言っているのかわかっていないのだろう。その証拠というべきか、初めはただ前後に腰を振るだけだった動きが、今では積極的に淫裂を、特にその先端にある淫核を激しく擦り付けるものに変わっている。

そんな姉の痴態を涙を流しながら見続けるルーラに、俺は笑みを向ける。当然それに対してルーラも睨み返してくるが、リーレがまたも絶頂を迎えて大きな嬌声を上げる。

「まったく、まだ素股しかしてないってのに今日何度目の絶頂だ?この淫乱め」

「―――ご、ごめん、なさぃいんっ、ふぁ、ぅぁぁ…………」

リーレの身体を動かし、バルコニーの手摺に手を付かせて尻を突き出させる。しかも尻を突き出すリーレの下には手摺に寄りかかるように座りこむルーラを置く形でだ。
身体とバルコニーとの間に乳房を挟むような姿勢で男根の先端が淫裂をまさぐれば、これから自分の身に起こることを予感してか、誘うように尻が振られる。
艶めかしく振られる尻を両手で掴み、一気に腰を突き出し男根を捻りこむ。まったく意識も向けられていなかっただろう、リーレのアナルに。

「うひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!!!!」

完全に予想外だったのだろう。肺の中の空気を全て吐き出すような嬌声は、アナルに突き刺しただけでリーレが絶頂を迎えたから。その証拠に彼女の蜜壷からは夥しいほどの液体が噴出している。潮吹きという奴だ。引き出したものが真下にいるルーラに吹きかけられ、姉はそんなことに気付く様子もなく、俺の抽挿に大して喘ぎ声を上げ続けた…………。






リーレの愛液と母乳。それに俺の精液を全身に被り、汁だらけとなったルーラをジナに言いつけて先に下がらせ、俺は息も絶え絶えに、しかし恍惚とした表情で倒れふすリーレを見下ろしていた。
初めての調教から今日で四回目の調教。素人ながらに上手く進んでいると思う。バルベラの時は本当に運が良かったからこその結果だったことを考えれば、リーレの結果こそが俺の初めての成果と言ってもいいのかもしれない。

初めての調教以後、寝室以外にも彼女達の部屋での調教や、風呂場でも調教を行い、今日に至ってはバルコニーではあるがここも立派な野外だ。リーレの方も視覚を奪われるだけで股を濡らし、最初のころは口癖のように言っていた条件については今では口にしなくなった。おまけにルーラのほうも姉の痴態にいつしか股を濡らすようになっているのを確認している。本当に順調に進んでいる。

ザクロを調教するための鎖の作成も既に最終段階に入り、明日、明後日にはザクロの調教を開始できるはずだ。
とはいえ、あれはかなりの難物だな。どんな風に調教するか、どんな調教が有効なのか。

エルディアとの立場が逆転して今日で三週間。長いようで短く、ゆっくりと過ぎたようで、しかしあっという間の三週間だった。
無意識のうちに擦った右腕を持ち上げる。変わったものは、なにも立場だけではない。この右腕もだ。嘗ては日に一度は起きていた痙攣も、翠玉の内孔医療を受けるようになってからは一度も起きておらず、握力も多少は戻ってきている。

「…………ぅぁ、んん。はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、ご、主人、さまぁ、んっあ、たく、さんの、お情け…………、はぁ、はぁ、ありが、とう、ございます…………」

今まだ荒い息を吐きながらリーレが身体を起こし、恍惚とした表情のまま俺のことを見上げてくる。この台詞、もちろん俺が教えた、わけではない。前回辺りからか、リーレが自分から言うようになった物だ。

俺は無言のままリーレの視覚を元に戻すと、頬を撫でてからリーレの腕を引っ張って立たせ、バルコニーを後にする。リーレの様子からして、そろそろ次の段階に進めてもいいころあいか。





オストティガの牙、地下三階。転移施設のあるこの階のとさらにこの下の地下四階にある全ての部屋の牢屋への改装が終わった。
その報告を受け、俺はエリルを連れて牢屋の一つ一つを見て回り、いま、最後の牢屋の確認を終えたところだ。

「半月足らずでよくここまでできたな」

「ありがとうございます。ご主人様のご褒美のことを考えただけで…………、もう昔の倍以上の勢いで仕事しましたから」

「勢い任せで手を抜いて無いだろうな?」

「そ、そんな!いくらなんでも早くご褒美が欲しいからってそんなことしません!これでも大工職人としての誇りは健在なんです!」

そう言って胸を張るエリルだが、彼女の健康的な太もももお尻のした半分も丸出しにするサイズの小さなホットパンツの股間部分は、薄暗い牢屋の中でもわかるぐらいに愛液で変色している。想像だけでかなり興奮しているのだろう。

そんなエリルを抱き寄せ、タンクトップをずらして胸を丸出しにして力任せに揉みしだいてやる

「あんっ、ご主人様ぁ~………」

途端に甘えた声を出す俺よりも長身の女に、俺は苦笑しながらもパンツの中に手を突っ込み、既に腿に伝うほど濡れそぼったエリルの淫裂を指でかき回し始めた。

「あぁ、あん、あああ、んぁああ、あぃん、ご主人様の、指ぃ、気持ち、気持ち良いですぅっ」

「まったく、まるで盛りのついた牝犬だな」

俺は一部の例外を除いて下着を着けさせていない。その例外というのがジナの偽乳ブラなのだが、それ以外の下着は着けさせていない。それゆえにエリルもホットパンツの下には何も穿いておらず、こうやって淫裂をかき回してやれば、あふれ出る愛液で一瞬でホットパンツは汚れてしまう。まぁ、エリルの場合掻き回すどころかその前からここを濡らしているわけだがな。

「はぃっ、あたしは牝犬ですぅっ!ご主人様のおちんちんが欲しくて毎日オナル変態で淫乱な牝犬ですっ!」

だらしなく舌を垂らし、腰を振りながら恥ずかしげもなくそんなことを口に出すエリルに、俺はもう苦笑するほかなかった。こいつなら俺が命じれば、喜んで全裸で村や街に飛び込むこともするのではないだろうか?
どちらかというと俺に忠実、というよりも自分に快楽を与えてくれるものに忠実という印象を受ける。今この塔に男は俺しかおらず、しかも奴隷の刻印による主だから俺に従っているが、もしも他の男に快楽を与えられた場合、簡単にそっちに転ぶ可能性もあるのでは無いだろうか?
しばらくはこいつにも閨を命じてしっかりと俺の怒張の形を憶えさせるか…………。

ズボンを下ろして剛直を取り出し、それをエリルの手に握らせる。途端に綻ぶエリルの耳元で囁いた。

「選ばせてやる。こいつをどこに欲しい?」

「あ、あぁご主人様の、おちんちん。お、おおきい…………。こんなの、初めて…………。
ご主人様ぁ、おちんちん、あたしに御奉仕させてくださいぃ」

「好きにしろ」

エリルから手を離せば彼女は俺の前に膝立ちになり、タンクトップを着なおしてその中に怒張を入れ、胸と服とで扱き始める。

「ほぉ…………」

「あぁ、ご主人様のおちんちんが胸にこすれるぅ。あぁ、この形、この匂い…………。ぬぅぷっ、んぁ、ぬぇろ、ぶぷっ…………。おちんちんおいしい…………、にゃぴゅびゅぷっぶぶっ」

エリルの舌が鈴口を穿り、亀頭に絡みつくように雁を舐めてくる。

「んん、くっ、こいつは………」

上手い。間違いなく同じ調教済みの奴隷であるクルスカや翠玉よりも口淫が上手い。
男の喜ぶところを熟知しているのだろう、感覚の鋭いところを、けして単調になることなく満遍なく舌で責めてきている。
胸と服とで竿を扱き、雁から上を口膣と舌で責め、時折タマにも手を伸ばし、優しく揉んでくるのだ。
快楽に顔を歪めているのを見て取ったか、エリルは喉の奥にまで肉棒をくわえ込み、ディープフロートを開始する。
喉奥での締め付けは処女の膣のそれに近く、それだけに狭く締め付けが強い。その快感に、俺はあっけなく限界を迎え、喉の奥にザーメンをぶちまけた。

「ぶぷ、ぶぶぶぶっ、んぐぅっ、んぐ、ぐっ、んんんんんんんんんんんんっ!」

吐き出されるザーメンを口端から零しながら、エリルは実に美味そうにザーメンを嚥下する。竿の中の残りカスすらも飲み干さんと亀頭に吸い付き、その音が牢屋内に鳴り響く。

「ぶずずずずずずっ、ぶぷぷぶっ…………。あぁ、ご主人様の、ザーメン。熱くて、濃くて、ドロドロしてて…………、とても、おいしいぃ…………」

恍惚とした表情で呟くエリルの胸から剛直を引き抜き、パンツを脱がして四つん這いにさせる。目の前にさらけ出された茶色い毛に覆われた尻尾がぱたぱたとすごい勢いで左右に振られている。

「は、こっちもすごいことになってやがるな」

さらけ出されたアナルは何かを突っ込まれるのを待っているのかピクピクとひくつき、淫裂もだらしなく涎を垂らしながら剛直を待ち望むように口を開いている。

「上の次は下の口で味わえ!」

「ああああああああああっ、太いぃ、おちんちん、ご主人様のおちんちん太いぃ!あ、あたしのおまんこ、おちんちんでいっぱいですぅ!」

うれしそうに悲鳴を上げるエリルの蜜壷をただ激しく掻き混ぜる。蜜壷を完全に埋め尽くした肉棒が中のひだを擦り、子宮口を勢い任せに叩く。

「あっ、あっ、あっ、あっ、あっ、あっ、ずごぃ、お。おちんちん、おまんこ、奥、たたいてぇぇぇええええええっ!」

肩越しに振り返るエリルは、口からだらしなく舌を垂らしながら喘いでいる。

俺が腰を振るのに合わせてエリルも腰を振り、それゆえに剛直が力強くエリルの子宮口を叩き、それが快感となり貪ろうと腰の振りが速くなる。

「あっ、あっ、あっ、あっ、あっ、あっ、あっ、あっ、あっ、だだいでるっ、おぢんぢんだだいでるぅ!」

子宮口を叩くたびに蜜壷の締め付けが強くなり、それに比例してエリルの喘ぎ声も大きくなる。

「エリル、今度はどこに出して欲しい?このまま中か?それとも外にぶっかけるか?」

「あっ、あっ、あっ、なっ、ながにっ、ながにっ、ながにぐだ、ざぃぃぃぃぃぃぃっ!」

「中か、中に欲しいんだな?そらっ!ザーメンが欲しいならもっと尻を振れ!」

「あぁぁん、はぃ、はぃ、おじり、おじりふりまずぅっ!」

尻を叩けば嬌声を張り上げ、振られる尻がさらに加速する。そしてそれに対して俺も腰を早め、急速に射精感が高まってゆく。

「よしっ!いくぞ!お望みどおり中に出してやる!しっかりと受け取れ!」

「はぃっ、はぃっ、はぃぃぃぃっぃぃぃっぃぃぃぃぃ!」

エリルの絶頂と共にザーメンを吐き出し、急速に収束する膣に竿を絞られる。

「…………エリル、まだいけるな?」

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぃぃ、まだ、だぃぃぃん!」

射精の続く中、エリルへの問いかけの答えを聞くことなく、俺は抽挿を再開する。もとよりエリルの答え次第で終えるつもりはなく、俺は翌日の昼までご褒美という名目のもとエリルを貪り続けた……………………。


初投稿、2011,6,28
修正、2011,7,1



[28431] 異界淫法録・14
Name: フライングフォックス◆12b42988 ID:64f399be
Date: 2011/07/01 22:34
「ふぅ、やっと完成か」

「はい。タツヤ様が半日以上もエリルと遊んでいなければ昨日の内に完成していたでしょうが…………」

どこか棘のあるクルスカの台詞に、俺は苦笑いを浮かべる以外できなかった。彼女の言うとおり、俺は一昨日の夕方から昨日の昼まで、実に十八時間近くもの時間、エリルの身体を貪っていたのだから。結果、エリルは腰が抜けて力尽き、当分の間はベッドの上から出てくることは無いだろう。さらに俺の方もことが終わった後、寝室に戻って睡眠を取り、起きたのが今朝。昨日丸一日をほぼ何もせずにすごしたことになる。いや、あえてこう言おう、無駄に過ごしたと。
しかしエリルがあそこまでビッチだったとは…………、調教の結果か、元からかはわからないが以前がただの大工の村人Aだと思って油断したな。

まぁ、今はそれは置いといて。今俺の目の前には遂に完成したザクロ調教用のエンシェンタリーアイテム『グレイプニル』。元の世界では神殺しの狼を拘束したという鎖と同名の拘束用マジックアイテムだ。

今ではその製法も失われたこのエンシェンタリーアイテム。クルスカに魔法の基礎を習ってなかったら、彼女のサポートが無かったら完成させるのは無理だったろうな。クルスカは本職には劣るといっているが、これなら本職の魔法使いと比べてもなんら遜色は無いのではないのだろうか?

『グレイプニル』はガウトリア、ハーフュリア、ヴァルフと言った獣人達の拘束に特化したマジックアイテムだ。その製法もさることながら材料もまた難物。エルディアのストックしていたマテリアルの中にそれらが全て揃っていたのは奇跡だった。とはいえ一部のマテリアルを除いてその数は少なく、失敗すれば容易くそこを突く、というよりそこを突いた。二回失敗で後が無くなり、三度目の今回でようやく完成したのだ。
必要なマテリアルも六種の内二種が底を突き、更に二種は後一回分を残して全て使い切った。

使用したマテリアルは『猫の足音』『岩の根』『熊の腱』『女の髭』『魚の息』『鳥の唾液』の六種。名前だけ見たら元の世界のグレイプニルとなんら変わらぬ材料だ。
まぁ、実際はそんなはずも無く、『猫の足音』というのは木の名前で、猫ですら乗ると足音がするという特殊な常緑樹のことであり、これは今でも容易く手に入るらしく、というよりもオストティガの牙の周辺にも普通に群生してた。
『岩の根』も似たような物で、ある一部の岩の下に繁殖する茸のこと。これが群生する岩もこの近辺にあり、簡単に採取することが出来た。名前の由来は言う必要も無いと思うが、岩の下に根のように生えるからだとか。

と、ここまでは簡単に材料も手に入るわけで、心配は無かったのだが問題は他の四種類だ。
『熊の腱』は冬眠から覚めたばかりのある熊の巣穴でしか手に入らない特殊な結晶体のことで、一度に手に入る量も少ない高級マテリアル。
『女の髭』は古代魔法繁栄期に女性の顔料として使われた石炭の名前で、今ではその殆どを採りつくされ採掘量は雀の涙。
『魚の息』はこの大陸の中央にあるユミュール湖の地下空洞で稀に取れる酸素を大量に含んだ希少鉱石。
『鳥の唾液』は大陸南部に生息する怪鳥クィヤックの喉元に稀に生成される結晶だとか。
どれもこれも早々手に入らない希少で高価なマテリアルだ。さすがにこればかりはアルトセブ商会といえどもそう簡単に揃えることは出来ないだろう。揃えられたとしてその値段たるや考えるだけでも馬鹿らしくなる。

とにもかくにも幾度かの失敗を超えて『グレイプニル』は完成した。うんそれでよしだ。
とりあえず苦言を労してきたクルスカはそれから一時間ほど股座に突っ込んで踊らせておいた。
普段凛としているだけあの甘えるような表情は非常に可愛いな。





ガチャリと牢屋の中から鎖の軋む音が響く。中のザクロが鎖を引っ張る音だろう。
場所は地下四階の最奥にある、もっとも堅牢に設えた牢屋の前。今はザクロを収容している牢屋の前だ。念のためにジナを護衛として連れてきているが、おそらくは必要ないだろう。
手の中でじゃらりと音を立てる『グレイプニル』。見た目は華奢な細い鎖でしかないが、これに宿る魔力がそれを否定する。

扉の向うにザクロがいる。この状況で思い出されるのがヴァフドニルとの会話だ。彼は俺にこいつを売ることに非常に難色を示していた。というのもこの奴隷が奴隷とは名ばかりの欠陥品だから。そりゃそうだろうな、調教をしていないどころか、買い手を殺しかねない奴隷なんだから欠陥品もいいところだろう。
彼が言うには、ザクロの調教は悉く失敗に終わったのではなく、そもそも調教すらできなかったのだとか。どのような鎖を使用しても、調教師が中に入ればそれと同時に鎖を引きちぎり調教師たちに重症を負わせたらしい。さすがに鋼鉄の扉や分厚く魔法で強化した石造りの牢を壊すことは出来ていないらしいが、暴れるザクロを止めるには薬に頼るしかなく、薬で眠らせてしまえば抵抗は無くても調教など出来るはずも無い。
そんなザクロを調教しようとすれば、彼女の身体を拘束できるだけの強力なマジックアイテムが必要で、さすがに彼女のためだけにそんな高価なマジックアイテムを用意できるわけも無く、牢屋の奥で監禁したまま放置されていたのだとか。

俺としても六人もの調教師が失敗に終わるような難敵を御せると思えるほど自惚れてはいない。先の六人はスタートラインにすら立てなかっただけ、そして俺はそのスタートラインに立つ手がある。あとは俺次第ということだ。

「…………本当に大丈夫なの?」

「大丈夫じゃなかったら俺もそこまでだってことだろうな」

「タツヤ!」

心配気に尋ねるジナに軽口で返せば声を怒らせ咎めるように俺の名前を呼ぶ。
顔をジナに向ければその表情は真剣そのもので、本気でこちらのことを心配していることが伺える。
そんな彼女に笑みを作り、肩に手を回して抱き寄せて唇を奪いつつ、胸元に手を突っ込み、偽乳ブラの中の淡い胸を愛撫してやる。一瞬でジナの頬が朱に染まり、俺は愛撫をしたまま耳元で囁いてやる。

「俺だってこんなところで終わるつもりは無い。勝算があるからここにいる。無ければもとよりあいつを買いはしないさ…………」

蕩けかけた表情を必死に堪えつつ、ジナはその言葉を聞いても心配気な表情を作って見上げてくる。
ジナの心配は最もだと俺も思うが、こっちはしっかりと対策をとってきているし、万が一には『守りの指輪』もある。しかもこいつは俺用に作ったものでクルスカやリーレ、翠玉の処女の血も使用した特別性。込められた魔力はジナ達に渡した物をはるかに上回っている。ぶっちゃけロード級か、はたまたエンシェントの更に上、レジェンド級に届かんかという代物だ。こんな代物が出来たときは大層驚いたが、クルスカの驚きようは俺以上だった。まぁそれもそうだろう。レジェンダリーアイテムともなれば一国を買えるどころか値をつけることすら憚れる代物らしい。

つまるところは俺の魔力がそれだけ上がっているということ。普段から魔力隠しの指輪をつけて生活しているが、クルスカには絶対に外さないでくれと懇願された。彼女の予測だが、俺の魔力に当てられれば例え魔法に覚えが無くてもその存在に震えが止まらなくなるだろうと。またクルスカのように魔法の心得があればそれどころでなく、半端な精神力では気が触れるかもしれないと怖い顔で説明された。
上限知らずに回復し続けるこの身の上だ。それも致し方ないことか。
おそらく俺がこれを外せば遠くからでも俺の存在を感知できる、いや完治してしまう可能性が高いらしく、そうすればどのような思惑かはともかく、ここを訪れる者が現れるだろう。ほぼ間違いない望まぬ客に間違いは無いだろうが。
実際のところ俺がどれくらいの魔力を持っているのか自分でも測れなくなっているのだ、クルスカの言葉には頷くことしか出来まい。

話がおもいきり脱線したが今はザクロだ。しぶしぶといった様子で後ろに下がったジナの頭、性格には耳の裏の辺り掻いてやり、俺はザクロを拘束している牢屋の扉を開いた。





重い音を立てて扉が開かれ、それと同時に響く千切れとび、牢屋中に散らばる鎖の音。肌色に紅を伴った影が薄暗い牢屋を駆けるのが目に映る。

背後のジナが息を呑み、刀を抜刀して前に出ようとするのを手で制し、俺は命じた。

「『グレイプニル』、捕らえろ…………!」

手の中の鎖が生き物のごとく自ら宙を走る。白銀の流星のごときそれは、その身を更に細い幾本もの鎖へと化して四方八方から影、ザクロへと殺到する。
ザクロの動きが止まる。それも裸体を晒したまま、あと一歩踏み込めば俺を殴り殺せるだろう場所で。ザクロの表情が悔しげに歪み、俺は思惑通りの結果に、しかしバクバクと響く心臓の音を感じながら、それをおくびにも出さずに嘲笑を叩きつける。
ザクロがどれだけ悔しがろうが結果は変わらない。俺の目と鼻の先、あと1、2センチも動かせれば俺へと叩き込まれていただろう彼女の拳を掴み、脇へとどかす。

「残念だったね?」

とある天秤の名を持つ歌の中の登場人物の台詞を真似た、どこか人小ばかにしたような言葉に、ザクロが何か言おうとするが、それよりも早く『グレイプニル』が動く。

「な、あぐぅっ!」

牢屋の壁や天井に施された滑車やフックを介して四方から伸びるグレイプニルがザクロの身体を吊り上げ、牢屋の四方にうつ伏せの状態で手足を引っ張られた状態で固定される。ついでに首には一際細くなった鎖が食い込み、無理やり上を向かせている。

「いい子だ、よくやったな」

「あぐぅぅっ…………、ぐぅぅ、がっ…………」

俺が子供をほめるように『グレイプニル』を撫でると、喜びを示すように鎖が収縮しザクロの首を締め上げる。

見ての通り『グレイプニル』には意思がある。いわゆるインジェリテンスアイテムという奴だ。どうやらこのグレイプニルは俺のことを親と認識しているらしく、完成した直後は俺に甘えてきたりもしたほどだ。見てて可愛い物があるが、おそらくはグレイプニルがエンシェンタリーアイテムとして世から消えていった理由の一つにこれがあったに違いない。なにせ俺を親としているのはいいが、同じ製作に携わったはずのクルスカの言うことを聞こうとせず、俺にべったり。所有権を移そうとしてもグレイプニル自体が抵抗する。まぁそれはそう簡単には所有権が奪われることは無いと考えられるからいいのかもしれないが。

ザクロの口からひゅーひゅーと苦しげな呼吸音が聞こえてきたところで首の戒めを解くように命じ、収縮していた鎖が緩めばザクロは盛大に咳き込み、牢屋内の空気を求めて咽返る。

「初めまして、だな。ザクロ。俺がお前の主のタツヤ・モガミだ…………」

「―――あぐぅっ!」

顔を近づけての、ザクロを小ばかにした表情での自己紹介。おそらくは俺に向けて唾でも吐こうとしたのだろう。それを察したグレイプニルが鎖を収縮させ、ザクロは再び呼吸に制限を受け、苦しげに喘ぐ。

止めさせる意味でグレイプニルに向けて右手を挙げるが、挙げた後でグレイプニルに視覚があるのだろうかと首を傾げかける。そんな疑問をよそに、グレイプニルにも視覚か、それともそれに順ずる何かがあることは確かなようで、首を締め上げていた鎖が緩む。

「アルトセブ商会では相当暴れてたらしいな。が、ここではそう好きにさせる訳にはいかないんでな。諦めて自分の境遇を受け入れることだ」

「くっ、言ってろ。絶対に、殺してやる!」

「おぉ怖い怖い」

ザクロの背後にまわりながら宙吊りになった彼女の裸体を眺める。ザクロはアルトセブ商会の牢に繋がれていたときから既に衣服を奪われていたが、それはここでも同じことだ。長い牢屋暮らしで傷んだ髪を梳く。おそらくは手入れどころか切ることすらしていないのだろう長い、それこそ彼女の身長の倍はありそうな髪を手に取ったまま、彼女の背後にしゃがみこみ、秘裂を指で割り開き中を確認する。

「やっぱり処女か…………。当然だろうな」

悔しげに舌打ちするザクロを他所に、俺はこれからの調教に思考を移す。とりあえずは鞭だな。そう、それも一日かけての鞭だ。鞭と望まぬ飴を与える。バルベラの調教である程度の加減にも目処はついている。後はそれを過ぎぬように気をつけて行うだけか。

俺はゆっくりと立ち上がり、ザクロの裸体に手を伸ばした…………。


初投稿、2011,6,28
修正、2011,7,1



[28431] 異界淫法録・15
Name: フライングフォックス◆12b42988 ID:64f399be
Date: 2011/07/01 22:33
「あがぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

手にしたものをザクロの秘裂に捻りこんだ。事前になんの準備もしていない、しかも処女の秘裂にこれを捻じ込むのは思ったよりも手間がかかった。だがその手間の甲斐もあって、それはザクロの秘裂の奥の奥まで届くに至る。ジナから受け取った試験管に突き刺した物から滴る破瓜の血を集める。

「ジナ、こいつを外の棚に置いておいてくれ」

「って、割れる割れる!」

血を採取した試験管に封をしてジナに向けて放り投げ、それを見たジナが泡を食って試験管に飛びついた。

「ふぅ、ちょっとタツヤ!割れやすいんだからもっと大事に扱ってよ!」

「割れなかったんだから気にすんな。そんな細かいこと」

「う、ぐぅっ…………。ぎぃぃぃぃぃっ!」

ジナの抗議を笑ってごまかしつつ、秘裂に入れたものを捻る。膣壁を抉るように、襞を巻き込むように捻られザクロの口から新たな悲鳴が上がる。抑えようとしてはいるのだが、けして抑え切れていないその悲鳴を聞いて、俺は更にそれを奥へと押し付けるように捻る。

「あ、ぎっ、ぐ、がぁぁぁぁああああああっ!」

右、左とそれを交互に捻り、子宮口をそれでこじ開けでもしようかというぐらいに力を込めて、奥へ奥へとそれをねじり込み、不意に手を離し用意していたハンマーでそれの尻を強打して奥へと打ち込んだ。

「ぐぅっ、ぎっ、がっ、あぎっ、ぎっ、ぎっ、ぎぃぃぃっああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」

一際大きな悲鳴が牢屋内に、いやこの様子ならこの階層全体に響き渡ったんじゃないだろうか?牢の扉も開いてるし。

「さすがの暴れん坊も、処女を奪われた挙句鉄の塊でおまんこを抉られれば堪えられないか。よし、もう一つ」

がんっ、と音を立ててそれが再び卑劣へと打ち込まれる。それと共に上がるザクロの悲鳴に心地よさを感じつつ、さらに一発二発と次々にハンマーを振るい、杭を打ち込む作業をしているかのような淡々とした動作でそれを行っていく。

「さぁて、いつまで根を上げることなく耐えられるか、楽しみだな」

「あぎぃぃぃぃっ!だ、だれ、がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!くぅぅっ、貴様、なんかに…………!ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーっ!」

「そうそう、そうやって耐えてくれるほうが俺の方も楽しめる。お前は最高の玩具になりそうだよ」

悲鳴を上げながらも吐き捨てるように言うザクロを嘲笑い、ハンマーを振りかぶり、振り子のようにしてそれに叩きつける。一際大きな悲鳴が上がるが気にも留めず、今度は俺のモノよりも太いディルドをザクロのアナルに、釘を打つかのように打ち込んでゆく。

「さて、次はこいつだ…………」

「―――っ!ぐぉっ、ごぉっ、がはぁっ、うぐぅっ、がっ、はぎぃっ…………!」

ディルドの三分の二ほどが腸内に消えたところで、ディルドの尻を右へと捻る。すると中のカラクリが作動し、その表面に凸凹が現れる。そしてまたそれをハンマーで打ち込むこと三十分ほど。ようやく悲鳴を上げなくなったザクロを見下ろしながら、俺は彼女の秘裂から処女を破り彼女を苦しめていた物を引き抜いた。

「あ……ぐぅっ…………」

気を利かせたのかグレイプニルがザクロの顔を引っ張り表を上げさせる。ありがとうと鎖を撫でてやりながらザクロの前へと周り、俺はこの女に最後の屈辱を与えるためにそれをザクロの目の前に突き出した。

「こいつが、何かわかるよな?」

「…………?……………………っ!!き、貴様ぁ…………、ぎぃ…………」

ザクロの目が驚愕に見開かれ、そして歯軋りするほどに歯を食いしばるが、いかんせんその言葉に先ほどまでの覇気など微塵も感じなかった。

「そう怖い顔をするなよな?せっかくお前のことを考えて用意してやっとのに…………」

それは細い鉄の棒、いや棒というよりも板に近い。握りこぶし四つ分の長さでザクロの血に濡れた部分の先端はスペードを思い出すような形状。さらにそのすぐ下からの板の部分には布が巻かれ、それらが全て血に汚れているが、そこには今回の物の他に明らかに古い血の跡もある。幾度もハンマーを叩き付けていた場所は幅広で、僅かな装飾が施されており、さらには何か板のようなものが割れた跡。

これは、ザクロが傭兵として戦場にいたときに使われていた大剣の柄。いうなればザクロの相棒の成れの果て…………。

「結構丈夫そうだし、長い間使ってたんだろうな。いうなれば長年の相棒?それに純潔を奪ってもらった気分はどうだ?俺にはわからなそうな何か感慨深げなもんでもあるんじゃないのか?ん?」

残る力の全てをかき集めたかのように、すごい形相で俺を睨みつけるザクロの目端から涙が流れる。まぁ、普通に考えれば、結構残酷なことをしている自覚はある。あるけどそれを改めるつもりは毛頭無いが。

「……………………殺して、やる………………………………!」

「そう、それじゃそのときを楽しみにしてるよ」

入り口に控えるジナに手振りで用意していた物を持ってこさせる。それはマスクのような代物で、装着者の口を強制的に開く役割を持つが、それでもボールギャグなど何かを飲み込む動作を阻害するほどの物ではない。
それを抵抗する力も残っていないザクロに装着するのは非常に簡単だった。さらに開けられた口にチューブを取り付けた壷のようなものを取り付け、更に鼻栓を取り付け鼻で呼吸が出来ないようにする。まぁ、ここまで来ればこれの役割も大体わかるかと思うが、天辺に壷を付けたシュノーケルのようになったそれの壷の場所に水を流し込む。


「っぐんぶっ!」

「ほーら、全部飲まないと息ができなくなるぞ?」

壷はすぐさま水で満たされた。ザクロは俺の思惑通りになる物かとばかりしばらくは飲まずに俺を睨みつけていたのだが、でもその我慢もすぐに限界を迎える。そりゃそうだ、この世に生けるもの、呼吸をせずには生きられないのだ。
苦しそうに水を飲むザクロの前で俺は壷の中に黄色い液体を入れる。水を飲むのに一生懸命な彼女にはそれには気付かなかったようだ。しばらくして壷の中の水を飲み終えたころ、ザクロは既に息も絶え絶え、先の責めと合わせてそれこそ虫の息だろう。横から見てみれば彼女の腹が異様に膨らんでいるのがわかる。もちろん理由は今彼女ががぶ飲みした水だ。うつろな表情で視線を虚空に彷徨わせていた彼女だが、その表情が苦悶に歪む。理由は言わずもなが、俺が先ほど入れた液体だ。

「どうした?小便でもしたくなったか?」

「―――っ!?ぐぅぅううっ!!」

その言葉で俺が何かをしたことに気付いたのか、しかしそれも後の祭り。俺を睨みつける彼女の目に力は無く。俺はそれを鼻で笑って受け流す。

「あぁ、すぐにトイレが来る。小便はそれにしろよ?さすがに小便臭い場所で調教なんてしたくないからな」

たぷたぷになったザクロの腹をまさぐってやれば、小便を我慢しているのだろう、目をきつく閉じて首を左右に振る。それを面白そうに眺めていると、扉の外からジナが俺に視線を向けてくるのが見えた。
俺がそれに頷くと、ジナは扉の脇により、その横を犬のように四つん這いになったエルディアが牢屋へと入ってきた。

首輪と腕輪の間に鎖が生成され、それを引っ張りエルディアをザクロの下へ、股間の下へと配置し、ザクロの血まみれの秘部に向けて大きく口を空けさせる。

「よし、トイレも来たし俺はもう上がろう。小便がしたくなったら好きなだけするといい。
あぁ、喉が渇いても心配するな。そのトイレは水筒の役割も兼ねててな。時間になったら壷の中に水を足してくれるさ。まぁ黄色い水だが問題なかろう?」

「ぐ、ぅぅうぅううぅぅぅぅぅ…………!ぐぐぅぅぅぐううっ!」

呻くザクロの腹を強く押す。それが限界だったようだ。ザクロの秘部から放たれる黄色い液体。小便がエルディアの口の中へと放尿されるのを一瞥し、俺は牢屋を後にする。
牢屋の扉が閉まる向うでザクロの憎しみの篭ったうめき声が聞こえてきたが、そんな物を気にする必要は無い。
俺はジナを連れて牢獄を後にするのだった。

ちなみにザクロの壷に入れた液体は即効性の利尿剤。トイレがくるまで良くもったものだよ。





牢獄を後にした俺がやってきたのはリーレ達の部屋だ。理由はもちろんリーレの調教。牢獄を出るときに部屋に彼女以外いないことを確認して視覚を奪った。今は部屋の中で俺が来ることを今か今かと待ち望んでいるところだろう。そして俺の横には声を出せなくしたルーラが親の敵を見るような目で俺を睨み上げている。
そんあルーラを鼻で笑い、俺は部屋の中へと脚を踏み入れた。それと同時に、ベッドに腰掛けたリーレが振り返るのが見えた。その表情は、すでにこれから起こることへの期待に頬を紅く染めていた…………。

「ご主人様…………」

リーレの呼びかけには応えず、俺は彼女に近寄るとその手を掴んで立ち上がらせる。股間に手を伸ばせば底は既に愛撫が必要ないほどぐっしょりと濡れており、俺の調教をどれだけ待ち望んでいたのかがわかると言うものだ。彼女は既に衣服を脱ぎ捨て全裸になっている。視界の端でルーラが自分のベッドに腰掛けるのを確認しながらズボンを降ろし、いきり立つ怒張をリーレに跨がせた。
リーレの調教の始まりは殆どが素股だ。特に理由があるわけではないのだが、自ら肉棒に淫裂を擦り付けるリーレの姿は見ていて興奮する。強いて言えばこれが理由か。

「あぁ、ご主人様のたくましいおちんちん…………。今日も御奉仕させていただきます」

リーレの生唾を飲み込む音を聞きながら、俺は彼女の胸を持ち上げる。今日もパンパンに張っている乳房に笑みを浮かべる。

「今日も一段と張ってるな?」

「…………はい、ご主人様のことを考えるだけで、ん……、おっぱいが張っちゃって、乳首も、硬くなっちゃって、動くだけで、んぅうっ、服に、擦れちゃうんですぅ…………」

淫裂を擦りつけながらうれしそうに背後を振り返るリーレの唇を軽く吸い、俺は乳房を持ち上げ、毎回恒例となったリーレの母乳を頂くことにする。
乳首に歯を立て、乳房を絞る。そして口の中に広がる甘美な味に、俺は笑みを浮かべる。対する乳首を吸われるリーレといえば、いっそう声を高くして喘ぐ始末だ。

「まったく、この淫乱奴隷は…………」

「はいっ、私は、淫乱奴隷です。ご主人様のたくましいおちんちんが大好きな淫乱奴隷です!ご主人様におっぱい絞られて喜ぶ変態なんですぅ!」

「くくく、妹には見せられない姿だな?」

「「―――っ!?」」

俺の言葉に二人とも息を飲む。これが調教当初ならばその意味は同じ物だっただろう。だが今では…………。

「あ、あぁ、る、ルーラ?あ、だめ、そんな、あひぃん、そんなこと、考えただけでも、私、私、私ぃぃぃっぃいっぃぃいいぃぃぃいぃいっ!」

腰の動きが激しくなったと思った瞬間、嬌声を上げ力尽きたかのように崩れ落ちる。その身体を抱きとめてやれば、あれだけで相当激しくいったのか、初めて十五分と経っていないと言うのにまるで何時間もはめていたかのように息も上がっている。それだけルーラに見られるという想像が、リーレにとっては巨大な快楽になったということか。

絶頂し、快楽に身を任せたリーレを抱きかかえ、俺は…………、ルーラに向き直った。





「――――――っ!!??」


リーレが息を飲んで目を見開き、ルーラは……………………。


初投稿、2011,6,29
修正、2011,7,1
修正、同上



[28431] 異界淫法録・16
Name: フライングフォックス◆12b42988 ID:64f399be
Date: 2011/07/05 09:59
「あ…………、あぁ、ル、ルーラ…………?」

「…………ぇ、姉貴?…………っ!?」

搾り出すようなリーレの言葉にルーラは呆然と呟き、そして自分が声を出せたという事実に思わずといった様子で口元を手で隠した。
呆然としていながらも気付いただろう。今まで自分達に課せられていた視覚と声の封印が解かれていることに。

「そ、そんな…………、なんで、ルーラが…………」

「今まで黙っていたがな、ずっと見ていたんだよルーラは。
初めての調教の日から毎回欠かさず、お前が俺に調教される様をな」

「ひゃうぅ………!ルーラが…………?それじゃ……?」

リーレの耳元で囁きながら淫核を撫でてやれば、呆然としていたリーレの口からかわいらしい悲鳴が上がる。そのままドロドロに蕩けきった淫裂を弄り、そこから淫音を立てさせる。

「安心しろ。ルーラはただ見ていただけだ。俺は約束どおりルーラには一切手を出していないからな」

視線をリーレからルーラの股間に移せば、案の定今の激しいリーレの奉仕に興奮したのか、ルーラの淫裂から淫液が零れ肌を伝っているのが良くわかる。リーレはまだその事実に気付いていないようだが、俺は彼女の耳元でルーラの秘部を見るように囁いた。

「見えるか?あいつは毎回お前の痴態を見ればあのようにおまんこ濡らしてたんぜ?」

リーレからは何の返事も無いが、その視線はルーラの秘部に釘付けとなっている。ルーラのほうもリーレに自分の秘部を凝視されていることに気付いたのか、秘部を隠そうとするが、首輪によってその動きは拘束される。

リーレの肩をそっと押して離してやれば、彼女はまるで夢遊病者のような足取りでルーラに近づいてゆく。

「ルーラ…………」

「あ、姉貴、ごめん…………。でも、俺…………、ひゃんっ!!」

今まで見ていたことを謝っているのか、それともそれを見ながら興奮していたことに対して謝っているのか。目元に涙をためて姉を見上げるルーラの言葉は、しかし彼女自身の悲鳴に遮られる。

「ひっ、ひゃうっ!んぁ、あ、姉貴……!?」

戸惑うようなルーラの呼びかけに、リーレは応えることなく妹の身体に覆いかぶさるようにしてその淫裂を弄っていた。

「あん、あぁ、んくぅ、や、やめぇえん、頼む、からぁん、ひぅ、あ、あぁ、あね、姉貴ぃ…………、ひゃいぅ!」

ジナよりも多少はある、といった程度の淡い胸のふくらみを撫でるように掌で包み、襞の一枚一枚を丁寧に扱くリーレ。その最愛の姉の手による丁寧で慈しむような愛撫に困惑しながらも制止の声を上げるが、それは自身の甘い喘ぎ声で途切れ途切れとなり、ついには小さな悲鳴を上げて軽く絶頂を迎えた。

「あ、あぁ、ごめんね、ルーラ。私、私ね…………、ずっと、そうずっと後悔してたの…………」

ルーラの身体を抱き寄せ、淫裂から音を立てさせながら妹の肩に顔を埋めるようにしながらリーレは呟く。
心のそこから搾り出されるような謝罪の言葉。いったい何を言っているのか理解の出来ないルーラはますます困惑と快楽に顔を歪めてゆく。

「だって、そうでしょう?私が、私があんなことを言ったから、こんなに気持ちのいいことを独り占めしてしまって…………!!」

「なっ…………!」

リーレの言葉にルーラは絶句し、しかしそれに気付くことなくリーレは言葉を紡ぎ、その手は休むことなく妹の淫裂をかき回している。
そんな二人の様子に俺は笑いを抑えるのに必死になっていた。それはそうだろう?彼女らを買うときに予定していた対面だが、結果は自分が思っていた以上の代物だ。まさかあのときの約束を後悔していると、俺がルーラを犯さないことを“自分のせい”だと言っているのだ。これ以上の笑い話があるだろうか?

「私があの時、ご主人様とあんな約束さえしなければ、ルーラだって今頃はご主人様のご寵愛をお受けすることが出来たのに…………。
ごめんなさい、つらかったよね?こんなにもここをびちょびちょにして、でもあの約束があったからご主人様のお情けをもらうことが出来なくて、あの、あのたくましいおちんちんに可愛がってもらうことができなくて…………。
ルーラ、本当にごめんなさい!」

「ひぅ、ぅぁ、ぁん、ひゃうっ…………!あ、姉貴ぃ…………ひぅぁ!?んぐぅっ…………!」

既にルーラの言葉など耳に届いていないのだろう。ただただ謝罪(本人は紛れも無くそのつもりなのだろう)の言葉を繰り返し、その言葉に熱が篭るにつれて手淫の激しさが増してゆく。挙句の果てには必死にリーレを正気にもどそうと呼びかける妹の言葉を唇で塞ぎ、外から見ても中の動きがわかるような激しい接吻。
リーレの身体を引き剥がそうとするルーラの手から徐々に力が抜けてゆき、最後にはパタリとベッドの上に投げ出されてしまう。
抵抗が無くなればルーラの身体を抱き寄せていた手を離し、そのままベッドに押し倒して口内を蹂躙しながら全身への愛撫を開始する。桜色のかわいらしい突起を指で摘んだかと思えば、下では淫核を摘んでルーラの口からは呻きに似たくぐもった悲鳴。

俺がここにいることなど忘却の彼方と言いたくなるほど激しい愛撫だ。胸を秘部を、全身をと満遍なくリーレの手がルーラを愛撫し、始めてから既に三十分一時も離れることなく続く口淫。見てわかるだけでも既に五度は絶頂しているだろう。瞳を虚ろに姉の愛撫を受け続ける妹の口からは、既に絶え絶えにくぐもった甘美の悲鳴しか聞こえてこない。

「んちゅ、ぶちゅ………、ちゅぁ………。辛かったわよね?こんなにもここをぐちょぐちょにしてしまって………、いままでもそうだったんでしょ?
ごめんね、今まで気付いてあげられなくて…………」

やっと妹の唇を解放したリーレは、恍惚とし、どこか虚ろな目で見上げるルーラの唇をそっと舐めると、その背に腕を回して体勢を入れ替え、幼子におしっこをさせるかのように股を開かせて俺に向けてルーラの蜜壷を割り開いた。

「くくく、俺を忘れたように乳繰り合ったかと思えば…………」

「申し訳ありませんご主人様…………。
ご主人様、お願いします。ルーラのおまんこにご主人様の逞しいおちんちんとお情けを……………………」

「おいおい、お前らを買うときの約束を俺に破れと?」

朦朧とした意識で俺を見上げるルーラの秘部は、長時間に及ぶリーレの激しい愛撫で既にドロドロに蕩けきり、そこから上がる湯気が見えるかのようだ。

「私、知らなかったんです。ご主人様におちんちんをはめていただくことがあんなにも気持ちのいいことだなんて…………。ずっと後悔していたんです、ルーラの受けるはずだったご寵愛も私が奪っているようで。お願いします、いまさらこんなわがままをお許しください…………」

リーレの言葉を聞き終え、俺はベッドから立ち上がり、ゆっくりとした動きで二人に近づく。そして何が起きているのか理解していないらしいルーラの前に立つと、淫核を指で挟んで捻りあげた。

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…………、はひぃっ!」

悲鳴とともに再びいったのか、身体を仰け反らすルーラの淫裂に剛直をそえ、俺はゆっくりと挿入していった。

「あ、ぎぃぃっ!い、痛い痛い痛い痛い痛いぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!」

それで意識も元に戻ったのか、痛み悲鳴を上げたルーラが暴れ出した。暴れる妹を姉のリーレが抑え付け、俺はそれを面白そうに眺めながら腰をすすめ、小さな淫裂にその亀頭をめり込ませていく。

「いやいやいやいやいやいや!抜いてぇぇぇぇっ!お願い、こんなの無理だからぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

自分の秘部に剛直がゆっくりと捻じ込まれてゆく様を見たルーラが半狂乱になってわめき散らすが、リーレはそんな妹をうれしそうに見上げながら胸を愛撫し始める。

「大丈夫よ、ルーラ。私も最初は痛かったけど、すぐに気持ちよくなるわ。痛いのは本当に最初だけよ。んちゅ…………」

ルーラの耳元で言う本人にとっては本気でも、当の本人にしてみれば何の慰めにもならない言葉を囁き、肩越し振り向かせた妹の唇を再び奪う。

「―――んちゃ、みゅちゅっ、んんんんっ!んむぎぃぃぃぃっぃぃぃぃぃいっぃぃぃいぃっ!」

痛みをごまかすように姉の唇を貪るルーラの純潔を、俺はゆっくりと時間をかけて剛直で引きちぎってゆく。やはりその痛みはごまかしきれないようで、ふさがれた口からくぐもりつつも絹を引き裂いたような悲鳴が長々と室内に響く。
そしてルーラの処女を破り蜜壷の奥へと肉棒を辿り着かせた俺は、今までのゆっくりとした挿入が嘘のように激しい抽挿を開始する。

「んぎぃ、んちゅぎぃっ!んんっ、ちゅ、ぐむぅっ!みゅぐぃっ、ぐぅううぅぅっぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!」

涙を流しながら姉の首に腕を絡め、必死になってその唇を貪るルーラを、リーレはまるで犯してでもしているかのように激しい口淫で迎えながら胸を愛撫する。

その二人の姿を見ながら俺は腰の動きを加速させる。射精の時が近づいてきたからだ。少し速いような気もするが、ザクロの調教をしているときも一度も出していないことを考えれば仕方の無いことかもしれない。

「んちゅ、ちゅちゅっ…………、ちゅぁあ。はぁ、はぁ、ご主人様、中に、この娘の中に、ルーラの中にお情けを…………!」

「ひぎぃ、んぐぃっ、あっぐっ、あっ、あ、ね、んくっ、姉貴……!痛い、ひぎっ、んぁがぁあ!たす、け…………いぐぅっ!」

「大丈夫、大丈夫よ、私はここにいるから。痛いのは今だけ。すぐに気持ちよくなるから。だからね、痛くてもがんばって。それにね、それだって気持ちいいと思えばきっと気持よくなるわよ。せっかくご主人様に純潔を頂いてもらったのだから、痛がってばかりいたら失礼でしょ?」

助けを懇願するルーラを抱き寄せリーレは、唾液がたっぷりと絡まった舌で妹の耳を舐め、そのまま舌で耳を穿るように嬲り出す。執拗に胸を愛撫され続けたルーラの淡い乳房にある突起は痛みに泣きじゃくる中でも硬く尖って自己を主張するかのようにピンと起っている。それに心なしか先ほど以上に蜜壷を掻き乱すたびに響く淫音が大きくなっているような気がする。もしかするとルーラにはマゾの気質があるのかもしれない。対する姉のリーレの方も泣きじゃくる妹の様子に頬を上気させているように見受けられる。妹がマゾなら姉はサドということだろうか?
そのうちルーラに奴隷を与えて調教させてみるのも面白いかもしれないな。

とそんなことを考えているうちに俺のモノも限界が近づいてくる。

「よし、それじゃリーレの願いを叶えてやろうじゃないか。
ルーラ、しっかりと受け取れ!」

盛った獣のように腰を振り、悲鳴を上げるルーラを突き上げてさの最奥にドロドロのザーメンを射精する、。

「―――あぐっ、ひぃぅ、うぎぃぁ、うくぅ…………っ!?!?がっ…………、あ、ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああぁぁぁああぁああぁぁあああ!熱い、熱い!おなかの中、熱い、熱いのが俺の中にぃぃぃぃぃぃぃぃいぃっぃぃいぃぃぃぃぃぃぃぃいい!」

一際大きなルーラの悲鳴。俺は射精の終わった怒張をルーラの中から引き抜き、ぽっかりと開いた穴の中から破瓜の血と混じった白濁液が溢れ出してくる。息も絶え絶えのルーラを抱きかかえたリーレが、零れたザーメンを指ですくって口に運び、そのままルーラの口に貪りつき、それを無理やり嚥下させる。

「よかったわね、ルーラ。これであなたも私と同じ。これからもずっと一緒。一緒にご主人様にお仕えするのよ…………」

恍惚とした表情でルーラの髪を梳きながら、リーレはショックで意識を朦朧とさせている妹に話しかける。

このまま二人のことを見ているのも楽しいかもしれないが、今日起きてから一発しか出していない剛直はまだまだ満足には程遠いい。

「リーレ、二人で語らうのもいいが、俺はまだまだ満足できて無いんだ。わかってるだろう?」

そう問いかけながらリーレのベッドの上に寝転がり、天を貫かんと屹立する怒張を顎でしゃくる。俺の言いたいことを正確に理解した彼女は、戻ってくる兆しの現れない妹を抱きかかえたまま俺の足元に座り込み、再びルーラの淫裂に俺の肉槍を突き刺した。

「ぁ、あぁぁ、ぁ、ぅぁ?ぐぎっ、あ、いゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!もう、無理、無理だから、お願いだから、ゆるぅっ!あぐっ、ぎっ、あがぁぁぁぁぁっっ!」

痛みに正体を取り戻し、再び貫かれたという事実に半狂乱になるルーラを無視して腰を突き上げる。
ルーラを背後から抱きかかえるようにして再び愛撫を開始するリーレもリーレで、俺が突き上げるタイミングでルーラに体重をかけ、より強い衝撃を妹の蜜壷の奥へと与えだす。

その度に上がるルーラの悲鳴は鳴り止むこと知らずといった感じではあったが、何度その中へと射精したころだろうか?息も絶え絶えのルーラの口からは悲鳴に混じって喘ぎ声が聞こえるようになっていた。やはり双子の姉妹ということなのだろう。
剛直の先端はルーラの蜜壷を楽しみつつ、入りきらない根元の部分をリーレにパイズリさせて、俺は翌日の日が昇るまで、存分にルーラの秘部を堪能し続けたのだった。





「間取りが合わない?」

ルーラに欲望の塊を吐き出して数刻。朝食をとった俺の元にやってきたエリルから告げられた言葉に俺は首を傾げた。

「はい、ご主人様。各階の掃除をしているときに気付いたんですけど、オストティガの牙の広さに対して大して、各階の部屋の面積が足りないんです。それで少し調べてみたんですけど、一階と二階は南の一番端の二部屋の奥のところに、三階と四階は北の奥の部屋と部屋の間に明らかな死角があるんです。どちらもこの塔の一部屋どころか半分にも満たない広さなんですけど、壁にしては厚すぎるんです」

ふむ、俺はまったく気付かなかったが、エリルは大工、そういう違和感にも敏感ということか…………。いやしかし俺はこの塔の主となってからというものの、意識を集中すればどこに何があるか、はたまたどこに誰がいるかまで把握することが出来る。その分厚いという部分に意識を集中させてみるもこれといった何かがあるわけでも無い…………。

しかし気になるな。

「…………俺のほうで調べてみる。エリル、報告ご苦労だった。
また近いうちに可愛がってやろう」

「ふぁ~、ご主人様に、可愛がって…………」

俺の言葉に頬を上気させ、茶色い毛に覆われた彼女の尻尾を千切れんばかりに振る様はまるで飼い主にほめられた犬のようだが、その色欲に塗れた表情を見ればその感想は盛りのついた牝犬に早代わり。それにしても、今日明日は動けないと思ってたんだがなぁ。ちょっと甘く見てたか?エリルのこと。
エリルを下がらせると、俺は意識を久方ぶりに『蛇の林檎』へと集中させる。エリルが見つけたものが何か。その答えを求めて。




初投稿、2011,7,1
修正、2011,7,5



[28431] 異界淫法録・17
Name: フライングフォックス◆12b42988 ID:64f399be
Date: 2011/07/05 12:05
場所はオストティガの牙の三階、北に並ぶ部屋の片方だ。
先ほどエリルから気になる報告を聞いた俺は、『蛇の林檎』にその情報の真偽を求めた。そして得られた答えは是。ここにはオストティガの牙の主となった俺にすら把握できない区画があると。そこまで知識を得たところで意識を魔道書から逸らし、俺はジナとバルベラを連れてこの部屋に訪れた。

「で、ここで何するの?」

ベッドと机、そして箪笥と最低限の物しか置かれていない部屋を一通り見回したジナが振り返り、同じように部屋を見回していたバルベラも、その言葉につられて振り返る。

「探し物だ。この部屋の西側の壁の先に俺にも把握できない区画があるらしい。その正体が知りたい。何か手がかりになるような物が無いか探せ」

なにも彼女達を使って捜索などせずに、『蛇の林檎』を使用すればいいのではないかと思うかもしれないが、この世界においてあれほど不審な代物は無いことに気付いているだろうか?
話す言葉こそ通じているものの、この世界で使われている文字は俺達の世界の物とはまったくの別物。その中で唯一俺達の世界の言葉を使われて書かれた魔道書。そう、唯一だ。あの魔道書を手に入れて最初のころ、俺はあの魔道書にこう問うた。

他に俺の世界の言葉で書かれた魔道書や書物はあるのか、と。

結果は否。そのときはこれで俺以外にこの魔道書を読み解ける存在がいない可能性に安堵していたが、後になってこう思った。ではなぜこの魔道書は俺の世界の文字で書かれているのかと。
これは前に言ったことだが、俺はこの魔道書をただ使い続けることに疑問を持ち、必要最低限この魔道書を使わないことを決めた。少なくともこの魔道書について調査が終わるまでは。だから俺はこの魔道書を使う前に彼女達にこの部屋を探すように命じたのだ。

俺の命令に従い二人が部屋を探し始める。探し始めるといってもこの狭い空間だ。捜索はすぐに終わりを告げる。

「…………駄目。こっち側には何も無いよ」

お手上げとばかりに肩を竦めるジナを一瞥し、俺はいまだ壁の片隅を調べているバルベラに視線を移す。上唇を摘み何か思案している彼女の背後に近づき、それに気付いたバルベラはすぐに立ち上がって俺に場所を譲る。

「何か?」

「えっと、あったといえばあったって言えるんですけど。あたしには意味がわからなくて…………」

とりあえず見てくれ、と壁の片隅を指すバルベラに従い、俺はその場にしゃがみこんで彼女の指差す場所を覗き込み、衝撃に息を飲んだ。

「ご主人様?」

バルベラが不安気に呼ぶ声を無視し、俺はそこに書かれた“文字”に全神経を集中させていた。そこに書かれた“文字”、ラテン語に…………。

どういうことだ、『蛇の林檎』に続いてまたもラテン語、この世界の文語体系と異なる俺の世界の文字。この世界と俺の世界には何かつながりが存在するのか?

いや、そんなことは後で考えるべきか。今は目の前に書かれたこのラテン語を解読することだ。

書かれた言葉は4つ。

『千一夜』

『八百五十一夜』

『盗賊』

『呪文』

何だこれは?

意味がわからん。
いったい何が言いたいんだ?態々ラテン語で書かれているということは俺の世界に関係する何かということだとは思う。『蛇の林檎』からしてその名前、その能力を見れば旧約聖書の一部分を表すものだと推測できるのだから。

しかし、この4つが意味する俺の世界の何か………。おそらくは聖書とは関係ないとは思うけれど…………、だって無いよな?千一夜、約三年。このキーワードが当てはまる聖書関連のものは少なくとも俺の記憶には無い。それに二番目の八百五十一夜というのは、おそらくは先の千一夜の中の八百五十一夜目のことを指しているのだと思う。そう考えるとますます聖書関連のものではないと俺は思う。それじゃぁ一体?

右手で口元を隠しながら、俺はふと隣から覗き込んでくるジナが視界に映る。

……………………夜伽。ふと脳裏に浮かんだ俺がジナ達奴隷を求めた最初の理由。
なぜこの言葉が脳裏に浮かんだのか。そんなことはどうでもいい、それ以上にこの言葉がこの千一夜というキーワードと繋がったことのほうが問題だ。
千一夜、すなわち千と一夜。千夜と一夜、千夜一夜物語。アラビアンナイト。
ある王にある娘が夜伽の際、千夜に渡って物語を聞かせる話。

この千一夜というのが千夜一夜物語を指しているのならば、他の三つの言葉とも繋がる。

八百五十一夜とは、おそらくは千一夜の内の八百五十一夜目のこと。八百五十一夜目の話がどんな話かはわからないが、その後の二つはその内容を推測するに十分な代物だ。
千夜一夜物語において盗賊、そして呪文の二つが揃う話。おそらくは日本でもかなり有名な話の一つに数えられるのでは無いだろうか?

『アリババと40人の盗賊』

あの『開けゴマ』の呪文で有名なあの物語だ。
もしも俺の推測が当たっているのならば、『呪文』はこの『開けゴマ』を指していることは間違いない。つまりここでこの呪文を唱えれば……………………。

いや、ちょっと待て。いくらなんでもここにきて開けゴマは無いだろ?
自分の推測の末に導き出されたなんとも緊張感の無い答えに、俺は無言で頭を抱えた。ジナとバルベラが互いに顔を見合わせる気配を感じるが、それを無視して再び4つの文字に視線を移し、改めてこの意味の解読を始めるもののどうしても先の答え以外には当てはまりそうな物が無い。

となるとやっぱり、これなのか…………?

「『開けゴマ』…………」

「「は?」」

紡いだ呪文に二人が間の抜けた声を漏らす。当然そんな二人を無視しつつ、この呪文を唱えたことを後悔した。いやだって、さすがにこれは…………。

『ゴッ…………!』

「え?」

突如響いた大きな物が動く音。続いて目の前の壁がゴゴゴゴと大きな音を立てながら床の下へと沈んでいくのを見て、俺は呆然と言葉を失った。

あれで正解なのかよ。





床の下に壁が消えた先。そこにあったのは上の階へと続く階段だった。四階の、この上の部屋に繋がっているのだろうか?

浮かんだ疑問を頭を振って頭の隅に追いやる。その答えはこの階段を上ればわかる話だ。

ジナとバルベラをそのまま護衛とし、夜目の利くジナを先頭に階段を上ってゆく。オストティガの牙の外周に沿って存在する緩やかな階段と違い、この階段は特にこれといった特長の無い普通の石の階段だった。左右の壁に埋め込まれた光石が足元を照らし、俺達は上を警戒しながら階段を上った。やがて辿り着いたのは四階の部屋ではなく、広い、そうとても広い空間だった。天井の高さは2mとやや低いが、俺達の目の前にはそんなことを気にさせないくらいに広い空間が広がっていたのだ。いたるところに木箱が置かれているところを見ると、ここは隠し倉庫だったのか?

「これって、塔の1フロア分をそのまま吹き抜けにしたぐらいはあるよね?この広さ…………」

ジナの呆然とした呟きに頷き、俺はすぐ傍に詰まれた木箱に近づき、その蓋を外した。

「マテリアル…………、だったのか?干からびて既に使い物にならなくなってるな」

中から取り出したのは薬草の類のようだが、目の前に運ぶ途中で崩れ、粉微塵となって散ってゆく。いったいどれほど前からここに隠されていたのか…………。

「こっちは服みたいだね。といっても虫に食われたうえにボロボロで使い物にならなくなってるけど」

別の箱を開けたバルベラが取り出した衣類の状態に眉を顰め、溜息をつきながら1枚1枚を取り出し確かめ始める。

「バルベラ、使える物を探すのは後にしろ。一応、種類ごとに分けられているみたいだから、どこに何があるのか、まずはそれを調べろ」

「はいよ、ご主人様」

その後3人で手分けして木箱を確認したが、出てくる物は大半が使い物にならなくなっていた。時間が経ち過ぎて酢になったワインとか錆びた武具。あげくのはてに魔獣のミイラが出てきたときには自分の表情が引きつるのを感じた。

本当に、いったいどれほどの長い時間ここは放置されてきたのだろうか。

これといった収穫も無く、後はジナ達に使える物とそうでない物(大半が使えなくなっているだろうが)とを分けさせようと考え出したころ。隠し部屋の奥のほうからジナの呼ぶ声が聞こえ、俺はバルベラとともにジナの元へと急いだ。

「あ、タツヤ。この木箱なんだけど、見たことの無いものばかり入ってるんだけど何かわかるか?」

ほらこれ、と差し出されたものを見て、俺は絶句した。今日一番の、いやこの世界に来て一番の衝撃に、俺は目を疑った。

ジナの手の上に置かれた黒い塊。色を黒くしたパイナップルをそのまま小さくしたような、掌サイズの鉄の塊。

それは…………。

「…………な、馬鹿、な…………、手、榴弾だと!?」

「へ、しゅりゅうだん?」

自分の手の中にあるものを、目をぱちくりさせながら眺めるジナから手榴弾をひったくり、俺は急いでジナが調べていた木箱の中を覗き込んだ。
木箱いっぱいに綺麗に並べられた黒い塊達。その木箱いっぱいに詰められた手榴弾に血の気が引いていくのを感じ、俺は震える手でジナからひったくった手榴弾を元の場所へともどした。

先ほどまで調べていたほかの木箱とは違い、この木箱の中に入れられた手榴弾の群はどれも非常に良い状態で補完されていた。それこそ他の木箱の中身が冗談にしか思えないほどだ。

「……………………ここにある木箱、全部開けろ」

声が震えることを押さえきれず、しかし無言で従う二人を見ながら、俺は大きく深呼吸をして目の前の箱の蓋を閉めた。





『蛇の林檎』『ラテン語でかかれた4つの文字』に続いて新しい謎が出来ちまった。こんなところに存在する、『近代兵器』という謎が。

あの後二人が開けた木箱を覗き込めば、出るわ出るわ拳銃、サブマシンガン、機関銃。それらの弾丸や予備マガジン。一介の高校生(しかも入学前)の俺には使い方などわかるはずも無い平気の数々に、俺は震える身体を抱きかかえていた。

奴隷達にそれらの兵器を寝室のすぐ傍の部屋に移させ、魔法、物理の両方で硬く封印を施し、俺は今一人で寝室に篭っていた。

いったいなぜあんな物がこのオストティガの牙に、いやこの世界に存在するのか。
『蛇の林檎』を使えばその理由はすぐにわかるのだろうが、俺はそうしなかった。
『蛇の林檎』も『壁にかかれたラテン語』も、今回の平気をある一つの共通点を持っている。俺の世界に関するものであるという共通点を。

全ての答えとなりうる『蛇の林檎』だが、俺は今ほど得体の知れなさを魔道書から感じたことは無い。このままもしこれについて何もわからぬまま使用し続けた場合、一体どうなるのか。前から感じていたこの疑問が今回の一件でより大きく、そして実体を持って目の前に現れたような錯覚に陥る。

…………一刻も早くアレの調査を開始するべきだろう。しかし俺には魔法の知識が足りず、クルスカも優秀であれどもそれは戦闘者としての魔法使いでしかなく、今回のように魔道書の調査となればその限りではない。

ならばどうするのか。

簡単だ、アレを調査するために魔法使いを調達する。

前々から考えていたこれを予定よりも前倒しするべきだろう。となればどこに魔法使いがいるか、その情報をどこかで手に入れなければ…………。




初投稿2011,7,3
修正、2011,7,5



[28431] 異界淫法録・18
Name: フライングフォックス◆12b42988 ID:64f399be
Date: 2011/07/05 11:55
エーレスリストスの第三王子の治める南部最大の都市ブリュイナクス。エーレスリストス内でも五本の指に数えられる大都市だ。

街の中心である第三王子アルケレラ=エーレスリストスの住居でもあるブリュイナクス城から放射状に伸びる八本の街道の一つで、最も騒がしいことでも有名なクリュクス街道。商売の神の一柱であるクリュンクスシカが名前の由来であるこの街道の喧騒を避けるようにして裏路地へと脚を踏み入れる。

「はぁ、いつ来てもすごい人だよな、ここ…………」

「なんだ、あんたここに来たことがあんのかい?」

隣を歩くフードを被るちびっこの言葉に振り返り、浮かんだ疑問を素直に口にする。ちびっここと連れのジナは、目深に被ったフードの奥からあたしを見上げ、肩を竦めて見せる。

「一応この街の出身だからな。ストリートチルドレンって奴だったけど」

ストリートチルドレンねぇ、そういえばこの街は、ホームレスの数でもエーレスリストスのトップ10に入ってるんだったっけ?
こいつもその一人だったってことか。

そんな他愛の無い会話をしつつもあたし達は裏路地を奥へと進んでゆく。時折物取りらしい気配を感じるが、ご主人様から頂いた『守護の指輪』をしている限りあたし達を傷つけることの出来る存在が、物取りごときにいるはずも無い。というかここいらの物取りは皆街の暗部、盗賊ギルドの配下にある。あたしとて外様ではあれどもこの街のギルドとは交友関係にあった盗賊団の頭領。盗賊団が壊滅したとはいえ、そんなあたしに手を出せば何かしらの制裁処置が下ることになる。
顔を知らなければ襲ってくるのでは無いかって?普通ならばそうなんだろうけどねぇ。あたしが今羽織っている外套には黒く染められたスローディアンの花が飾られている。盗賊ギルドの客分を示す証だ。
ギルドの配下にいる奴らなら、これを着けている奴を襲うことはまずありえない。そのように躾けられてるからね。

そのことはジナにも言ってはあるんだけど、やっぱり気になるのか時折感じる物取りの気配に油断無く気を配っている。

「仕事熱心なのはいいけど、そう気を張ってちゃ疲れちまうよ。適度に肩の力抜いときな」

「仕方ないだろ、癖なんだから…………」

唇を尖らせ溜息をつく姿に苦笑しながらも、ようやく目当てのものが見えてきた。
ブリュイナクスの、いやこの大陸にある大きな街には必ずと言っていいほど存在する盗賊ギルドが経営する酒場だ。本来なら奴隷の刻印を持つあたしらじゃ入ることの許されない“店”。けれども盗賊ギルドが経営する場所だけは例外だ。
『コロントロヌスの酒蔵』と書かれた看板を仰ぎつつ、扉の横にたむろするチンピラに胸のスローディアンを見せる。
隣のジナもあたしを真似て花を掲げ、門番の役割を与えられているチンピラ共もちらりとこちらに視線を送るだけで再び駄弁り始める。

蝶番のきしむ音を聞きながら薄暗い店内へと入り、昼真っから酒を飲む盗賊たちを見回し、いつもの席に目当ての人物を見つけた。

「逸れるんじゃないよ」

外套を脱ぎ、お気に入りのドレスをさらけ出す。馬鹿な男共の視線がスリットから除くあたしの太股に向けられるのを感じつつ、同じく外套を脱ぎ、元はあたしの物だったドレスを着るジナに小声でついて来るように告げる。

「おぅ姉ちゃん達よぉ、こっち来て飲まねぇかい?気持ちのいいこともしてやるぜぇ~」

「お生憎様、あんたみたいな三下と飲むほどお安くは無いんだよ。
どうしても女と飲みたいんなら豚小屋にでも行くんだね。あんたの面なら豚がお似合いだよ!」

豚面のデブの下卑た野次を鼻で笑ってやれば、ドッと笑い声が酒場を満たす。屈辱に顔を真っ赤にする三下を無視し、あたしとジナは酒場の奥にあるテーブルを一人で占領する片耳の無い男の座るテーブルへと近寄っていった。

「…………久しぶりだなバルベラ。お前の盗賊団が壊滅したって聞いてからてっきり死んだ物と思ってたぜ」

「ま、本当なら死んでたんだろうけどね。いろいろあって生きてるよ。まぁ、盗賊家業は金輪際復帰できないだろうけどね」

読んでいた本をテーブルに置き、あたしを見上げてくる右耳を失った男。ご主人様に敗れたときのことを思い出せば、我ながら良く生きていた物だと思う。まぁ、ご主人様があたしを殺さないように手加減したからなんだけどねぇ。
あたしの盗賊廃業の言葉を聞き、目を丸くする男を無視してあたしはその向かいの席に座る。ジナも椅子を回してあたしの背後を見張るように椅子に座るが、ここでの乱闘はご法度だからあまり意味は無いって最初に言ったはずなだけどねぇ。

「…………驚いたな、あの銀狼の頭領が脚を洗うとはな」

「脚を洗った、っていうのはちょいと正確じゃないね」

ドレスを胸元まで開き、目の前の男にだけ見えるように一瞬だけ奴隷の刻印を晒す。それを見て再度驚きに目を見開くも、それも次の瞬間には納得の表情で頷いた。

情報料だと目で言いながらウェイターに運ばせた酒をあたしの前に滑らし、それを受け取り一気に飲み干した。あたしにしてみれば今さらな事実でも、こいつにとって知らない情報はすべからく商品のやり取り。あたしが奴隷に堕ちたという情報は別に売るつもりじゃぁなかったんだけど、これは得をしたと思うべきなのか否か…………。

「…………で、誰にやられたんだ?」

あたしの盗賊団はここいら近辺でも最大規模の集団だったことを考えれば、これは当然の流れか。あたしらを壊滅させた奴の情報は喉から手が出るほど欲しい情報のはずだ。
しかし…………。

「悪いけど、ご主人様の情報を売るつもりは無いよ。今日来たのもそのご主人様からのお使いだしねぇ」

そんな恐ろしいことできるわけが無い。もしも仮にあたしがご主人様を売ろうものなら、あたしは即座にあの“地獄”に堕とされることになるのは間違いない。そんなことは絶対にごめんだね。あんな物もう二度とごめんだよ。
あぁ、思い出しただけで身体が震えだしそうになる…………。

「はぁ、そうかい。まぁ一応情報も貰えたしな。
それで、今日はどんな商品をお探しで?」

「野に下った魔法使い。ここいら近辺にいる奴らの居場所が欲しい。条件は女だそうだよ」

ご主人様の体のことを考えれば当然の選択なんだろうけど、そのうち噂に聞く南の大陸にある王族の後宮をしのぐハーレムになっちまうんじゃないのかと思い、間違いなくそうなるのだろうなぁ、と自問自答する。

「南部を拠点にしている魔法使いか…………。そうだな、『ノールマン学院五大魔女』を知ってるか?」

ノールマン学院…………、たしかエーレスリストスの首都アンラピルクスにある魔法学院だったっけ?

「ノールマン学院の名前を聞いたことがある程度ね」

「じゃぁ先にそっちの説明が必要か?ノールマン学院はエーレスリストスが国営でやってる学校のことだ。大陸でも有数の魔法関連施設だな。開設以降何人もの優秀な魔法使いを輩出してる学院で、百年前の大戦期に空から岩の雨を降らせ、一人でグルングスを滅ぼしたことで有名な『空落としの翁』キール=グライスマンもこの学院の出身だな。
んで、そんなノールマン学院だが、ここ近年歴史に名を残せる実力を持った女の魔法使い。つまり魔女が五人いたのさ。五人ともすでに学院を離れ、内の二人はそのまま宮廷魔導師となり、残りの三人は野に下った。で、その内の一人がお前の縄張りの近くに隠遁してるんだよ」

あたしの縄張りに、ねぇ。まったく気付かなかったね。

「正確には元縄張りだよ。けど、あそこらに魔法使いが住めそうな場所なんてあったのかい?」

「あぁ、とびっきりのがな。
それでその魔女なんだがな、名前はエルディア=フォスティーナ。東の名門フォスティーナ家の令嬢らしい」

ん、エルディア?
どっかで聞いた名前の……………………、もしかしてあのボロ雑巾のことか?いやさすがにそれは…………。あの“フォスティーナ家”の令嬢があのボロ雑巾って、いくらなんでもそれは…………。

「これは一般では知られていない話だが、コルディクア第四王子との縁談が決まっていたらしいんだが、学院を出た直後に家を出奔。結果コルディクア第四王子は西のジュアノーラ侯爵の娘を妃に迎えている。つまりはフォスティーナ家の縁談は白紙になったってことだ。そしてフォスティーナ侯爵は実の娘に顔に泥を塗られることとなったというわけだな。これに激怒して侯爵はエルディア嬢を勘当し、それを嬉々として受け入れた彼女はエーレスリストス南西部にあるオストティガの牙…………、っておい突然頭を抱えてどうした?」

いや、頭も抱えたくなるだろこれは…………。まさかご主人様がゴミのように扱ってたあれがエーレスリストスきっての名門の娘?いくら勘当してるからってあれがばれたらフォスティーナ家の全兵力をあげて攻め寄ってくるんじゃないのかい?

「いや、気にしないでおくれよ。それでその令嬢がオストティガの牙に居るってんだね?で、その鮮度は?」

「ん、そうか…………。
情報の鮮度な。エルディア嬢は定期的に生活物資とかをアルトセブ商会に買いに出ている。頻度は月に一度。これは四年前から変わらずに続いていたから間違いない。前回が一月ほど前だったから、もうそろそろアルトセブ商会のほうに顔を出すころだと思うぜ?」

「つまり、鮮度は腐りかけってことかい?」

「おいおい、そりゃないぜ。俺が腐った商品を出すわけが無いだろ。たしかに最後に確認されたのは一月ほど前の話だが、この四年間変わることなく続けられてきたことだ。信憑性は高い」

はぁ、本来ならばそうなのかもしれないんだけどねぇ。今回ばかりはそうもおいきじゃないんだよ。

「悪いけど、エルディアってお嬢ちゃんならあたしのご主人様のところボロ雑巾になってるよ。アルトセブ商会を張ってたところで二度とお目にはかかれないよ」

「はぁ!?」

あたしの言葉がよっぽど予想外だったのか、予想外だったんだろうねぇ。開いた口が塞がらないといった顔で素っ頓狂な声を上げる“片耳”を見ながら、無理も無いと溜息をつく。

「はぁ、無理も無いよ。その女は生きちゃいるけど扱いはボロ雑巾そのものさ。
悪いけど、その腐った商品はさげといてくれよ」

「かぁ…………、マジかよ。俺もヤキがまわったか?」

頭を抱えるように舌打ちをする“片耳”を見つつ、横にすわるジナの様子を探ってみれば、一体どうしたのか小さく身体を震わせていた。
どうしたのかを小声で尋ねてみたが、気にするなと首を横に振る。

「それで、他に情報は無いのかい?」

「…………一応聞いとく。お前のご主人様とやらのところにカーネラって女は?」

「いないよ。で、そのカーネラとやらの情報が次の商品かい?」

「あぁ、こいつはエーレスリストス南西の国境を越えたウィクリースにある古代魔法繁栄期の遺跡を住処にしている。ウィクリースっても国境のすぐ傍にある遺跡だからな、お前の元アジトからここに来るよりもそっちの遺跡のほうが近いぐらいだな」

へぇ、それなら塔の転移装置を使えば一発で行けるってことかい。これは朗報だねぇ。

「で、このカーネラなんだが、先代の学院長ブルームがどこからか連れてきたらしく生まれなどについての詳しい情報は無い。噂ではブルームの愛人とも孫とも言われているがどれも信憑性は薄い。
魔法使いとしての力量は先のエルディアよりも上、というか五大魔女の中でも1,2を争う実力者だな。
容姿は背中まであるウェーブのかかった青髪。目の色は碧。肌は白く白磁のごとくだそうだ。服装は自身の髪の色と同じ青いドレスを好み、グリーンジャスパー製の装飾品を身につけてることが多い。
あとは、そうだな。結構なはねっかえりらしいな。学院在学中にモンテ・オロ伯の次男坊が彼女にお熱を上げてな。まわりが引くほど熱烈にアプローチしてたんだが、カーネラは“暑苦しい”の一言でその次男坊を氷付けにして家に送り返したそうだ」

「…………よく捕まんなかったもんだねぇ」

「氷付けにしたとはいえ殺してはいなかったからな。彼女が野に下った理由も、そんな目にあった次男坊がその後も懲りずにアプローチを続けてきたかららしい」

しつこい男は嫌われるって言葉知らないのかねぇ。ま、あたしにゃどうでもいいことだけど。

「とりあえず今手元にある情報はこれくらいだな。ほかにも何人かいるだろうが、エルディアとカーネラと比べれば小物だからいちいち情報は集めてねぇんだ。必要なら次までに調べておくが?」

「あぁ、そうしといとくれ」

さて、これでここでの用も終わりだねぇ。ちらりと横目でジナを見れば意図が伝わったようで、頷き返しあたしと一緒に席を立った。

「っておい、情報料がまだ…………」

「ちょいとあんたねぇ、あたしに腐った商品を売りつけようとしておいてそれは図々しいんじゃないのかい?」

「んなぁ…………!」

“片耳”が知らなかったとはいえそうなったのは事実。そしてこの場合、いや情報屋にとって知らなかったという事実を盾にすることは、情報屋の情報屋としてのプライドを捨てるということ。情報屋が情報の扱いを誤るというのはそれだけ重いのだ。
だから“片耳”は悔しそうに唇を噛みながらも浮かせかけた腰を席に戻した。

「安心しなよ。これから調べる情報についてはちゃんと払うから」

「当たり前だ…………」

「それじゃ、慰謝料ありがとうさん」

憮然とした顔で座る“方耳”に背を向けて、あたし達は酒場を後にした。





「ねえ、バルベラ…………」

「わかってるよ。まさかこんなところでねぇ…………」

街の外へと向かう途中。感じた気配に溜息をつく。あたし達を囲むように展開された気配に、明らかにこちらへと向けられた殺気。
盗賊ギルドの縄張りの中だってことがわかってないのかい?

足を止めて待つことしばし。ようやく殺気の主が姿を現した、けど…………。

「なんだいなんだい、こりゃなんのマネだいあんた」

「何のマネだぁ?人のことアレだけコケにしておいてこのまますんなり帰れるとでも思ってやがったのかぁ!」

頭に血を上らせて怒鳴り散らしてくるのは、『コロントロヌスの酒場』に入ったときあたしらを軟派してきた豚面の三下だった。
それにしても、雑魚とはいえ一応の数を揃えられるってことはそこそこの地位にいるってことなのかねぇ。あいつもあたしと同じスローディアンの花をつけているから外様なのは間違いないんだろうけど…………、まさかアレが頭ってこたぁ無いよねぇ…………。

「悪いけど、あんたらみたいな三下とかまってやれるほど暇じゃないんだよ。さっさと道を空けてくれないかい?」

「だれが三下だ!よくもこの飛龍団の団長、アンジェロ様を馬鹿にしてくれたなぁ!
てめぇは絶対にゆるさねぇ!ボロボロに犯しつくして奴隷商に売り飛ばしてやる!」

……………………小物臭が酷いねぇ。一緒にいたら小物がうつりそうだよ。というかあれで頭って…………。

「はぁ、最近の豚はおだてると空でも飛ぶのかい?」

「やっちまえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」

あたしの声が聞こえていなかったのか、それとも聞こえていたからか…………武器を抜いて襲い掛かってくる連中に溜息をつき、外套からご主人様に強化してもらった棍を引き抜いた。それを見たジナも刀を抜刀し、姿が消えた。

そして背後から飛んでくる大量の血飛沫に振り返れば、そこには首を失いその切り口から噴水のように血を噴出す雑魚の姿。
ご主人様から与えられた武器の効果も相まって、今のジナはあたしでは目で確認するのは難しいほどの速さで狭い路地を駆ける。
あたしが正面に向き直れば、あたしらに襲いかかろうとしていた雑魚二人は既に背後の雑魚と同じオブジェに成り下がっている。

「おっと、このままじゃあたしの出番が無くなっちまうねぇ」

声も出せずに目を丸くする豚面に狙いを定め、あたしは地を蹴った。ご主人様に頂いた『素早さの指輪』の効果によって一瞬で豚面の懐に潜り込み、相手があたしの存在に気付いたときにはもう手遅れ。一瞬送れて放った突きが喉を穿ち、その奥の首の骨を砕き豚面は息絶える。

倒れる豚面を避けながら周りを見れば残りは既にジナに片付けられた後、あたり一面血の海と化していた。

「そこにいるんだろう?」

物陰に声をかければコロントロヌスの入り口にたむろしていたチンピラ、いや上級幹部付き兵隊が姿を現した。

「…………先に仕掛けたのは飛龍団の方だった。あんたらにお咎めは無い」

「ごくろうさまだねぇ」

ぞろぞろと後片付けに現れるギルドの構成員を一瞥し、返り血一つ浴びていないジナが早足に戻ってくるのを確認し、あたしらは再び歩き始める。

あぁ、魔法使いの情報も手に入ったし、ご主人様からご褒美がもらえるといいんだけどねぇ…………。



初投稿、2011,7,4
修正、2011,7,5



[28431] 異界淫法録・19
Name: フライングフォックス◆12b42988 ID:64f399be
Date: 2011/07/05 09:39
「あん、あん、あん、あぅっ、くぅっ、あぁああん!」

『グレイプニル』に繋がれたザクロの蜜壷を剛直で抉る度に、彼女の口から甲高い喘ぎ声が上がり、この狭い地下牢内に響き渡る。時折嬌声を抑えようとするそぶりも見せる物の、それはすぐに快楽の波に飲まれて嬌声を上げることとなる。

「ん、くっ!」

「あぅ、あん、ひぃゃ、ああああああああああああっ…………!」

蜜壷を抉り、底を亀頭で叩き射精する。それと同時に頤を晒すほどに身体を仰け反らして絶頂に達する。頭ががくりと落ち、酸素を求めて浅い呼吸を繰り返す。ちょうど彼女の顔の下の辺りには涎と涙で出来た水溜りが出来上がっている。

「これで13回目か?いや、軽いのも合わせたらもっとだな。そんなに気持ちよかったか?」

剛直とまんこの間から溢れ出した精液が、開かれた足の間に置かれたバケツの中へと落ち、ビチョ、と湿った音を立てる。バケツになみなみと入れられた精液、これら全て彼女の中へと吐き出され、そこから溢れたもの。我ながら良く枯れないものだと思うが、一生付き合うことになることだと苦笑する。

「ぁ、ぁあ……、だ、誰が…………、気持ち、良く、なんて…………、あひぃん!」

ザクロの台詞を最後まで聞くことも無く、俺は抽挿を開始する。絶え間なく喘ぎ続けるザクロの姿を見て、彼女が昨日処女を失ったばかりだと誰が思うだろうか?

昨日ザクロにつけさせた拘束具の壷の部分の内側には、特製の媚薬が塗られており、尿素と反応して効果を発揮させるようになっていた。それを何度も何度も体内に入れることとなったザクロは、俺が昼ごろに訪れたときには完全に発情しきっており、ドロドロに蕩けた彼女の蜜壷へ、俺は迷わず怒張を捻じ込んでいた。

「しかしなぁ、まさかお前が小便を飲んで興奮する変態だったとは思わなかったな」

「あひぃん、あう、あん、ああ、あん、あぅ、お、れはぁん、へひゃん!変態、じゃ、あぅ、んぁあ、な、いぃいん!」

「いや、お前は小便を飲んで発情する変態だ。その証拠に、小便を飲む以外は、小便をすることしか出来なかったお前は俺が来た時どうなっていた?ここを!こんなに!濡らしてたんだろ!」

「ひゃぃぃいぃぃいいぃぃいぃいいぃいいぃいいいいぃいいぃ!」


当然のごとく媚薬のことを知らされていないザクロに、暗示をかけるかのように何度も何度も囁く。小便を飲んで、蜜壷をドロドロに濡らしていた、という事実を。理由なんて関係ない。ただその事実だけをザクロに真実として刻み込む。俺は何度も何度もザクロの膣を抉り、欲望を吐き出し続けた。





気絶したザクロの蜜壷から剛直を引き抜くと、せき止める物の無くなった蜜壷の中から大量のザーメンが足元のバケツの中へと零れ落ちる。精液と愛液、2種類の液体に汚れたペニスを牢屋の入り口に控えていたメイド服姿のルーラが咥え、丹念にきれいにしてゆく。同じくメイド服姿のリーレがザクロの足元にあるザーメンの溜まったバケツを保管場所へとしまい、二人が仕事を追えたのを確認して牢屋を後にする。

牢屋をでた俺達が向かうのはいつもの研究部屋だ。あの部屋は今では俺の仕事部屋となっている。とはいえ今の俺の仕事いえばアウムブラ商会に納品する指輪の作成ぐらいだ。リーレ達を買った後、今日までに2度ほど納品している。極力効果を落とした『力の指輪』に『速さの指輪』、そして『守護の指輪』の3つが俺の扱う商品だ。ただ難しいの込める魔力の調整だ。一度に抜いた精液を保管し、そこから少しづつ使用して造っているが、今使っている精液が無くなったら、次は1度に使う量を大幅に減らさなければならなくなる。日に日に伸び続ける俺の魔力に比例して、一度の射精で出るザーメンに込められた魔力の量も上がってきているからだ。

「…………とはいえ、今のメンバーだけで満足なら一生を遊んで暮らせるだけの金はとっくに給ってるんだけどな」

「ご主人様、こちらを…………」

嬉しそうに笑いながらリーレが差し出してくるカップの中には乳白色の液体。彼女の母乳だ。俺が仕事をしている横で搾乳したばかりの母乳の入ったカップを受け取り、それを飲み干す。やっぱり牛乳よりも甘いな。
出来上がった指輪を袋にしまい、水時計を見れば、既に外は夕焼けの見える時間になっていた。

どうりでペニスがうずくわけだ。

「ルーラ」

椅子を回して振り返り、ルーラを呼べば意図を理解したのだろう、俺の足元に跪いて剛直を取り出し、それに舌を這わす。
奉仕をするルーラの頭を撫でながら、さて何をしようかと思考を開始し、そこにノック音が響く。

「ん、誰だ?」

「タツヤ様、申し訳ございません」

「クルスカか、入っていいぞ」

さて、クルスカが一体何の用なんだか。
扉が開き中に入ったクルスカは、俺の前に跪き頭を垂れる。

「お休みのところ申し訳ありません」

「別にかまわん。で、どうしたんだ?」

「はい、実はこの塔にいる、私を含めた奴隷全員の魔力の上限なのですが、ここに来たときよりも多くなっているんです」

魔力が多く?別に生まれたときの魔力量は一生そのままというわけでも無いんだし、おかしくなんじゃ…………。

「タツヤ様も魔力の上限についてはご存知だとは思います。本来魔力の上限が身体の成長と共に増えるとしてもその量は微々たるもの。しかし、私達の魔力の上限は、成長というにはあまりにも爆発的にその上限が伸びているんです」

魔力の上限が、爆発的に?なぜ?

「あ、いや、ありえるのか?そんなことが…………」

「普通ならありえません」

「でも増えてるんだろう?なにか普通じゃないことが起こったとでも?」

「はい」

とは言うものの、この世界についての常識のかけている俺ではその“普通じゃないこと”がなんなのか想像することもできない。
しかし、その普通じゃないことにクルスカは検討をつけているようだ。

俺は無意識のうちに奉仕を続けるルーラの頭を頭を撫でる。

「これは私の推測でしかないのですが、タツヤ様は房中術と言うものをご存知ですか?」

房中術、それって……………………。

「俺がお前らとやったことが原因ってことか?」

「はい。正確には私達の体内に、タツヤ様のお情けを、タツヤ様の魔力の塊と言ってもいいザーメンを何度も注ぎ込んだことが原因だと考えています。
房中術は人が魔力を回復するのに用いる技法では最も効果の高い方法です。ですが私達は殆ど魔力を消費せずに、それ以上の魔力を体内に注ぎ込まれていました。その結果…………」

「無理やり注ぎ込まれた魔力を受け入れようとその上限を引き上げた、ってことか」

「おそらくは…………」

「そうか」

まさかそんなことになってるとはな…………。どうしたもんか…………。

ん…………?

「…………それって何か困ることがあるのか?」

「いえ、全くありません」

………………………………………………………………あぁ、うん。

「このことを知らないことでデミリットは?」

「全くありません」

「……………………で?」

「いえ、ご主人様にお伝えしておくべきかと思ったので」

あぁ、クルスカがやけに真剣な表情で報告してくるから、何か深刻なことでも起きたのかと思っちまったよ。ぜんぜんそんなこと無かったけど。

「そうか…………。それでどれくらい魔力の上限が上がってるの?」

「何分感覚的なものですので、私で最初の4倍ほど。ここにいるリーレとルーラは以前の10倍は。平均的な魔法使い3人分といったところです」

一月経たずにこれか、これは思わぬ副産物だな。俺の性欲処理が全体的な強化に繋がるわけか…………。
俺の肉棒をしゃぶるのに夢中のルーラには聞こえていないようだが、横に控えるリーレはクルスカの言葉に目を丸くしている。

「クルスカ、明日から全員に魔法を教えろ。これを利用しないては無い」

「御意に」





「ちゅぶ、ちゅぁ、ちゅぶぶ、ぶぶ、ぶぁ、あむ、にゅぇろ…………」

クルスカを下がらせた室内にルーラの奉仕する淫音が静かに響く。
ルーラの頭を撫でてやれば表情を蕩けさせ、口淫により熱が入る。昨日の今日でよくここまで堕ちたものだな。ずっと姉の調教を見させていたのが効いたのか、それとも姉と一緒に責めたのが効いたのか、あるいはその両方か。まあ、考えていても仕方ないか。事実として今のルーラがここにあるわけだしな。

「っ!」

「―――ちゅぶぶっ、っぶぅっ!」

口でしゃぶるルーラの歯が雁の裏側に軽く触れて瞬間、電撃のように走る快楽を抑えることはせず、俺はそのままルーラの小さな口の中にザーメンを放つ。
彼女の小さな口には入りきらない大量のザーメンが溢れ、俺のペニスを、腿を汚す。

「んうっ、ぶっ、んく、くん、んぐんっ、ぶぶぶぶっ…………」


竿に残る精液を吸い取ろうとする彼女の横にリーレが跪き、俺を汚す精液を舐め取りにかかる。
射精の余韻に浸りながら二人の頭を撫で、俺は塔に意識を移す。地下の転移施設に帰還してきた二人の奴隷が俺のいるこの研究部屋へと向かっていることを確認して身体を椅子に凭れさせる。

バルベラたちはどんな情報を持って帰るのやら。俺の計画のための大事な駒の情報を持って帰ってきてくれればいいのだけれどもな。



初投稿2011,7,5



[28431] 異界淫法録・20
Name: フライングフォックス◆12b42988 ID:64f399be
Date: 2011/07/05 19:41
空を見上げれば月の浮かぶ漆黒の海には、満面の星の煌きが散りばめられ、それらは元の世界では考ええられないほどの灯火として俺達の周囲を照らしている。

木々に隠れて存在する嘗ての栄華の面影を残す古代遺跡。ウィクリースとの国境を越えた先にある遺跡の名前はセンティ・エルディエンナ。美の4柱の長女エルディエヌスの名を由来とする、嘗ての神殿の成れの果て。

「あれか?」

「はい、あれです。センティ・エルディエンナ、ノールマン学院五大魔女の一人、カーネラの隠れ家です」

遠くに見える遺跡に住まう魔女の警戒網にかからぬよう、十分に距離をとった場所から遺跡を眺める俺の問いに、案内として連れてきたバルベラが応える。

今回カーネラを捕まえることが目的のこの夜襲には、バルベラがの他はクルスカを連れてきている。ジナはもしも何かがあったときのためにオストティガの牙に残してきている。他の奴隷?戦闘ができるのは後はザクロだけな上、あいつは未だに調教が終わっていない。リーレとルーレ、翠玉、エリルはそもそも戦闘は門外漢だ。ゆえに彼女達を連れてくるわけにはいかず、またもしものために戦闘要員の一人は残しておかなければならない。まぁ、今回の作戦、おれとクルスカがいえばそれで十分なんだけどな。

「よし、クルスカ、いつでも準備はいいな?」

「はい、空を飛ぶ準備は既に」

革鎧に身を包み、純白の翼を羽ばたかせるクルスカから遺跡へと視線を戻し、俺は手にしていた魔道書を開いた。

パラパラとページが捲れてゆき、目当てのページで自動的に止まる。書に書かれた魔文が淡い光を放ち、俺は目を閉じて詠唱を始める。

ロストマジックを研究していたエルディアの持つ古の魔道書の中から見つけ出した魔法。本来ならば大量の魔力結晶と10人もの魔法行使者がいて初めて使えるこの魔法も、俺の魔力ならば半ば強引ではあるが、一人で発動させることが出来る。
魔道書は左手に、右手は胸の高さに持ち上げられ掌を大地に向ける。手の下の大地から左右に魔力光が走り、それは巨大な円となって遺跡を包む。

準備は整った。あとはこれに魔力を流し込むだけだ。
乾いた音を立てて開いていた魔道書が閉じられ、逆に閉じていた目を開く。視線の先の遺跡を覆う巨大な円、その円に俺は強大な魔力を力任せに叩き込んだ。

直後、辺りを巨大な振動が襲う。すぐ足元から突き上げられるような、そう直下型の地震のような振動が。

その揺れはほんの一瞬で収まるものの、これは俺が今魔法でもって起こした物、これで終わるわけが無い。

次の異変は視界に映る遺跡だった。遠く星明りの下に見えるその遺跡は、一瞬震えたかと思うと、次の瞬間噴火する火山のごとく、その構造物を粉砕し宙へと跳ね上げたのだ。

ロストマジック対街戦術地殻変動儀式魔法『グラヴティボルケーノ』

古代魔法繁栄期においてもトップクラスの破壊力を持つものの、一定力量以上の魔法使いを10人以上と、大量の魔力結晶がなくては発動することが出来ず、それゆえに失われた魔法。

クリアすべき魔力量など俺には容易く確保できる上に、この魔道書があれば魔法技術の大半をクリアできる俺にとっては使い勝手のいい魔法でしかないんだけどな。

その効果はサークル内の重力の反転。これによりサークル内に存在する物すべてが重力という鎖に引かれ、天へと落ちてゆくこととなる。

ゆっくりとだが確実に天へと上り行く遺跡だったものを見上げつつ、背後に控えるクルスカに合図を送る。

俺の合図を受けたクルスカは今再び羽ばたき、宙へと身体を踊らせた。一度真上へと飛び立ち、そこから向かうは前方に見える崩壊する遺跡のもとへ。

この『グラヴティボルケーノ』の優秀なところは、地に脚をつけるもの、根を生やすものを残らず根こそぎ対象とすること。重力という鎖に引かれ、縛り付けられているがゆえに、その重力が反転すれば反転した方向へと引かれることとなり、今まで重力の鎖に縛られていた物が、今日いきなりその戒めから解き放たれることなど不可能。それゆえにこの術をかわす方法は無い。
しかし、同時にこの術にも欠点が存在する。それがクルスカ達ハーフュリアのように重力の束縛から飛びたてるものの存在だ。自らの意思で空を飛び回る術を持つ彼女らにとって、重力の反転など、下に落ちるか上に落ちるかの違いでしかない。

ゆえにクルスカは重力の反転した世界を自在に飛び回ることができる。
俺が彼女に与えた命令は一つ。ただただ空へと落ち行く以外の術を持たぬだろうカーネラの確保。たとえ飛行を可能とする手段があったとしても問題はない。そのためにクルスカには『対魔の指輪』を渡してあるし、魔法で空を飛べるようになったカーネラと、生まれたときから空を飛ぶ翼を持つハーフュリアたるクルスカ、空中で戦えば結果など火を見るよりも明らかだろう。





それから数分後、エルディアやバルベラに着けられたあの首輪、『隷属の首輪』を嵌められ気絶したカーネラが、クルスカに抱えられて来た。
『グラヴティボルケーノ』を解いたことで轟音を立てて落下する遺跡を背に、俺達はオストティガの牙へと帰還する。

カーネラの衣服を剥ぎ取って『奴隷の刻印』を打ち込み、地下牢にて拘束した彼女の世話をエルディアに任せ、俺は寝室へと向かう。
翠玉の治療を受けながら明日からまた忙しくなるな笑みが浮かんでくる。
きっとその笑みは歪に歪んでいただろうことを自覚しながら……………………。










―――Side Change





私が息苦しさに意識を目覚めさせたとき、そこは薄暗く、上下四方を石で覆われた部屋だった。いえ、部屋というのは正しくはないでしょう。壁や天井からは鎖が下がり、意図不明のフックが各所に設けられており、おそらくは拘束具と思わしきものが飾られている。

ここは牢獄だ。

そこに気付いてからの理解は早かった。
私が目を覚ました息苦しさの正体は、屈辱的な姿勢で拘束されていたからだ。お気に入りのオーダーメイドのドレスは剥ぎ取られ、衣類の一切を身につけず、私は牢屋の床に拘束されていたのだ。両手を腰のところで交差した状態で床に拘束され、腰から下を上に持ち上げ両足を頭の上で床に打ち付けられている。両脚を頭上で拘束されていることで私の目の前には秘部とアナルが晒され、無理やり身体を折りたたまれているために存分に呼吸をすることも出来ない。極めつけはこの首輪。私の魔力を封じ込めているこの首輪には、他にも多くの機能をエンチャントされた一級品のマジックアイテムだそうです。

このようなものを作り出せる腕前には敬意を表したいところですが、今まだ合間見えていないその男の性格を、レディにこのような屈辱的な姿をさせるような性格を見るとその気持を失うどころか、魔法使いの面汚しとして殺したくなります。

そしてなにより、今私に寄り添い寝息を立てる妹分のことを思えば、ただ殺すのではなく息ながらにして地獄の業火にその身を叩き込んでやりたくなるほど…………。

ノールマン学院に在学していた際、私が目をかけていた二つ年下の魔法使い。私が妹と可愛がればこの娘も私を姉と敬ってくれた、そんな関係だった。
この娘に私は多くのことを教え、私はこの娘の才能に幾度も助けられた。今でこそ私のほうが実力は上だったが、数年もすればそんな実力なひっくり返っていただろう、本物の才能に恵まれた娘だった。

そんな彼女との再会が、このようなことになるなんて…………。

濃厚なワインよりもなお紅い、絹糸のようだった髪は、一体どれほど手入れをしていないのか、ボロボロで、その意味を考えたくも無いような汚液が乾いた後が目立った。
最低限の治療はされているようではあるものの、身体のいたるところに暴行のあとが目立つ。そして私の首に嵌められた物と同種の首輪が、彼女の立場いかなる物かを明確に示している。

こんなボロボロな姿になった大切な後輩を、抱きしめてやることも出来ないふがいない今の自分自身に悔しさが込みあがってきます。
なんとかして、彼女をこのような目に合わし、今も私を拘束する男を殺すことは出来ないかと考えるものの、魔力を封じられた私はそこいらの娘となんら変わらぬ存在。その事実に今まで積み上げてきた物が無意味だったのかと余計に悔しさが増す。





エルディアが寝る前に話したことを思い出す。タツヤ、それが私達をここに閉じ込める元凶。

エルディアの代価と代償の儀式によって得た魔力は既に無く、儀式の代償によってその男に隷属を強いられ、さらには代償により繋がったラインによって彼女の魔力は常にその男に吸い上げられているという。
他にもその男は何を勘違いしたのかは知らないが、奴隷を集め自分のハーレムを作っているとか。なんと浅はかな男かと嘲笑を浮かべたくなりますわね。

その男は彼女が奴隷として召喚し、彼女の見つけたロストマジック『主従の呪い』によって支配していたはずの男。以前一度だけ、話に上っただけの虫けらのような存在。その男がどうやって彼女の支配を抜け出したのかはわかりません。

けれど、虫けらの分際でエルディアに手を出したその男は絶対に許すつもりはない。いつか、そう、いつか必ずこの報いを受けさせて見せましょう。










―――Side Tatuya





「ちゅびゅっ、ぶ、ぶびゅ、ちゅぁ、ちゅ、ねぇろ、ちゅぶ、ぶぶぶぶぶっ」

寝室のベッドの上、俺は翠玉の奉仕に身を委ねていた。股間から走る甘美な刺激に身体を震わせ、目の前にある翠玉のクリトリスに舌を這わす。

「ひゃん、た、タツヤ様…………、お戯れを…………」

「なにがお戯れをだ。奉仕しながらしっかりとここを濡らして、クリトリスまで勃起させてるくせにな」

秘部に口を被せてクリトリスに歯を立てれば、翠玉は悲鳴にもにた嬌声を上げる。

「あっっっっっっっっっ!」

そのまま噛む力を強め、歯の上で磨り潰すように顎を動かせば声にならない悲鳴を上げて翠玉は俺の上に倒れふす。しかしそれと同時にこれをしっかりと感じている証拠の愛液が絶え間なく俺の顔に垂れ落ち、止めとばかりにそのまま淫核を引っ張れば、絹を引き裂くような悲鳴と共に、俺の顔に潮を吹き散らした。

「―――っっっっっっっっっっ!きゃぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!」

喉よ裂けよとばかりに上げられた絶頂の嬌声。顔に降りかかった潮を拭い、クリトリスを開放してやり、俺の上で息も絶え絶えになった翠玉の尻を撫でてやる。

「どうした?まだ終わりじゃないだろう?」

「はぁ、はぁ、はい…………」

翠玉が身体を起こし、今までしゃぶっていた剛直を淫裂で咥え込もうと……………………。

「…………っ!」

「きゃっ!」

塔から受けた知らせに勢いよく身体を起こした。驚き悲鳴を上げる翠玉を上から降ろし、急いでベッドを降りる。

「タ、タツヤ様?」

「侵入者だ」

翠玉の問いに簡潔に返し、腕輪を通してこの階にいる奴隷全員に念話を繋ぐ。
それにしても速いな。12階にあるバルコニーから侵入した賊が、俺には真似できないような速さで階段を疾駆しているのが塔を通して確認できる。進入から一分足らずあの長い階段を3階層分駆け下りている。この調子なら5分とかからずにこの階に辿り着けるはずだ。

左手の指に『守護の指輪』が嵌められているのを確認したところで、賊がさらに駆ける脚を速めたのを確認し、それ以外に着ている時間は無いと判断して全裸のまま寝室の外へと飛び出した。

獲物を持ったジナ、バルベラ、クルスカの3人が俺と同じく廊下に飛び出してくる。慌てたように俺の後を追って翠玉が寝室を飛び出してきたそのとき、東の階段から黒い影が飛び出してくる。

「くっ、この!」

ジナの抜き打ちの一刀は、しかし賊の手の中で煌いた刃に阻まれ、次の瞬間にはその脇をすり抜け俺を目掛けて地を蹴っていた。

疾い。

それこそ正しく疾風のごときスピードで迫る黒い影。奴隷達の中でもっとも速いジナを上回る速さを持つその事実に、俺は彼女らの誰もがアあれを捉えることは出来ないと直感。とっさに詠唱を始めることができたことをほめて欲しいくらいだ。しかしそれでも足りない、時間が足りない。クルスカの短剣を弾き、バルベラの棍を跳んでかわし、天井を蹴って最後の距離を潰しにかかる。

間に合わない。

賊が手にする凶刃がただの刃ならば『守護の指輪』がある限り俺がダメージを受けることはない。だがしかし、あれに何かしら、この守りを抜くに足る何かを要していた場合、俺の命は終わりを告げる。

瞬時に唱える魔法は電撃の魔法。詠唱も短く、放射状に放たれる一撃は光速で相手を討つ魔法。しかし、それもこの賊の前では詠唱を終えることすら…………。

「タツヤ様!」

俺の前に飛び出してきたのは、俺と同じく一切を身につけずに寝室を飛び出してきた翠玉だった。俺の盾になるように両手を開き、賊との間にその身を割り込ませる。

「…………っ、姫!?」

賊の動きが鈍る。そう一瞬とはいえ動きが鈍った。その一瞬が、賊よりも早く俺の詠唱を完成させる一瞬となる。

廊下に紫電が走る。

翠玉の頭の横から突き出した俺の左腕から放たれた紫色の電撃が黒い影を貫き、全身を痙攣させた賊はそのまま地面に崩れ落ちた。




初投稿、2011,7,5



[28431] 異界淫法録・21
Name: フライングフォックス◆1a9f5a65 ID:64f399be
Date: 2011/07/07 02:20
電撃を浴び、気絶して床の上に崩れ落ちた賊を見下ろし、俺は大きく息を吐いた。

「タツヤ様、ご無事ですか!?」

短剣を弾かれ体勢を崩していたクルスカが、振り返ると同時駆け寄ってくる。そのすぐ後を追ってジナとバルベラも急ぎこちらに向かってくるのを見て、俺は無事を伝えて件の賊を再度見下ろした。

『…………っ、姫!?』

こいつは確かにそう言った。俺の前に飛び出してきた翠玉の姿を見てだ。

壁や天井に嵌めこまれた魔力灯の明かりの下、賊の姿を見る。全身を包む漆黒の着物。腿の付け根から膝の辺りまで伸びるスリットからは白い肌が除き、股間部を着物から伸びる前掛けのような物が隠している。口元を布で隠し頭巾に額宛、まるで忍者だな。よく観察してみれば上下する胸に僅かなふくらみを見ることが出来る。先の声もくぐもってはいたが、男の声にしては高かったか…………。

「翠玉、こいつを剥け」

「え?」

「何度も言わせるな。こいつを剥け」

「は、はい…………」

翠玉の手がくのいち(仮)の額宛に伸ばされ、頭巾ごとそれを剥ぎ取った。下から出てくるのは短く纏めれた濃緑色の髪と、その髪の間から立つ濃緑色の獣耳。こいつ獣人か…………。形からして狼…………、ヴァルフか?
次いで口元を隠す布を剥がし、10代後半と思わしき少女の顔が表れ、そこで翠玉の動きが止まった。

「あ……、あぁ、ぎ、玉鈴…………」

「やはり顔見知りか。話は後で聞かせてもらう。今はこいつを剥け」

「…………はい」

玉鈴と呼ばれた少女の衣服を脱がせば、俺の思ったとおり出るわ出るわ手裏剣、クナイ、おそらくは煙幕だろう玉や毒と思わしき液体の入った小瓶。

あまり時間もかけずに玉鈴と呼ばれた少女は、着ている物の全てと武具を剥ぎ取られ、白い肌を余すことなく晒した。年の頃はジナと同じくらいか?胸のサイズも多少はジナよりもありそうだがどんぐりの背比べだな。そして腰の辺りから生える濃緑色の尻尾はどう見ても狐のそれ。

「狐?」

「フォクシリアですね。確か東の島国特有の獣人だったはずです」

口から零れた疑問にクルスカが答える。そうか、東のか。翠玉の故郷だな。
クルスカの言葉に頷きつつ、翠玉に玉鈴の秘部を開くように命じる。あ、別に今ここで犯すつもりじゃないぞ。相手は忍者みたいだからな、隠すことが出来そうなところは全部確認するつもりなだけだ。
とはいえ、前のほうは杞憂だったみたいだな。どこか辛そうにしながらも彼女が開いた秘裂にはしっかりと膜があったのだから。最後にアナルの方も確認を終え、牢屋にて拘束しておくようクルスカに命じ、俺は翠玉と共に寝室へと戻った。

「さて、話を聞かせてもらおうか。」

ベッドに腰掛け、膝に肘をつき手の上に顎を乗せ、足元に正座する翠玉を見下ろす。

「…………はい、全てをお話させていただきます。あの娘の、玉鈴のことと、私のことと…………」

玉鈴のことが心配なのかどこか表情に影を落とした翠玉。俺は無言で顎をしゃくり話を促した。

「まず先に私のことをお話させてください。性を翠(スイ)、名を玉(ギョク)。サンセストリア大陸の東方、玖龍国四大氏族が一氏族翠族当代当主翠牙が長女でございます」

「…………つまり、玖龍国のトップたる家の姫君ってわけか。となると玉鈴ってのはお前を助けるために家が放った者ってことでいいのか?」

となればこの後も似たようなのがわらわらと現れるってわけか…………。面倒な…………。いっそのこと玖龍国ってのは滅ぼすか?ロストマジックに関する魔道書なら山ほどあるし、中にはここから国の一つや二つ容易く滅ぼせるようなのも幾つかあったし、消費魔力量が原因で廃れた物なら問題なく使えるしな、俺なら。

「…………いえ、それはないかと。私には翠泉(スイセン)という名の妹が一人おりますが、その娘と私は片親を別にしております」

しかし俺の杞憂に翠玉は首を振り、さらにはどこぞの時代を舞台にしたドラマで出てきそうな言葉。

「…………あぁ、なんとなくわかった。
その翠泉って妹は正室の、翠玉お前は側室の子ってわけか?そんでもって跡取りの問題で御家が真っ二つと?」

「お恥ずかしながらその通りでございます」

なんというお約束…………。
どこかで聞いた様な話に溜息をつきたくなるが、それを抑えて翠玉の言葉に耳を傾けた。

「翠泉はいまだ10になったばかり、正室の子とはいえまだ幼く、なれば側室ではあれど既に成人している私を、という声が幾つもあったのでございます」

「はぁ、でも若いからって、いや、お前の父親は、もう?」

「いえ、いまだ健在です。とはいえ、私が生まれたときには既に老齢に差し掛かっており、それから既に20の年月。お身体も衰え、過去は知らずも今ではいつ病に倒られてもおかしくはありません。近年においては体調を崩すことも多くおなりになられております…………」

それでお世継ぎ騒動か…………。

「父は妹に家を継がせるおつもりで、私もあの娘が継ぐべきものと思っております。しかし家臣の一部、それも重鎮と呼べる者の中にも私を推す者がおりました。その事実に父は私が当主の地位を狙っているものとお考えになられているのです」

なんともまぁ、絵に描いたようなお家騒動だな。

「それゆえに父は私のことを疎んでおられます。
そんなおりです、私が海賊に襲われたのは…………。
その日、私は五年前に無くなった母の墓前に参った帰りのことでした。交易で栄える領内の港町で一泊したあの晩、大陸の海賊が港町を襲い、私はこの身を囚われることとなりました。
その後のことはタツヤ様のご存知の通りでございます。私は奴隷として売られ、タツヤ様の物となりました。
私に懐いていた妹のことが気がかりではございますが、私がいなくなれば家が二つに割れることもございません。それに父は私のことを疎んでおられます、ですから父が私の救出のために忍を放つことはないでしょう」

やっぱり忍だったんだなぁ。まぁ日本刀もあるんだし、忍がいてもいまさらか…………。

「ふむ、話はわかったが、玉鈴はどう説明する?現にあれはお前を追ってきた節があるんじゃないのか?それ以外にお前の知る忍がここにくる理由なんか思いつかないんだが?」

「おそらくは玉鈴の独断かと。墓参りのときは他の用に出しておりましたが、あの娘は私の護衛、正確には監視の役を仰せつかっていた筈ですが、あの娘は私、個人に忠誠を誓ってくれた者。玉鈴(ギョクレイ)の玉(ギョク)はあの娘が成人し名を改める際、私が与えたものでございます。
私が攫われたと聞き、単身大陸に渡ってきたものと思われます。
タツヤ様、無理を承知でお聞き届けください。あの娘の此度の行動は私の身を思ってのこと、その咎は私がお受けいたします!ですから、あの娘の命ばかりは、どうか、ご容赦を…………!」

一切の衣服を身に着けぬまま、足元で深々と頭を下げる翠玉。額を床に擦り付けた姿勢のまま俺の言葉を待つ姿を見下ろしながら、俺は内心溜息をつく。
翠玉はこう言っているが、俺は元々あの娘の命をとるつもりは無い。
先ほど服を引ん剥いたとき、素早さを高める類のマジックアイテムを有してはいなかった。それであのジナを上回る機動性。しかも忍ということは隠密性もかなりのものを持っているのではないだろうか?しかもそれが、おそらくは主家の命を無視してここにいる。翠玉が郷に帰るつもりが無い以上、いや翠玉が郷に帰るとしてもあいつは元の場所に戻ることは出来ないはず。そんな良い駒を手放す道理があるのだろうか、いや無い。

まぁ俺のこんな内心を翠玉が知るわけも無く、これは俺にとっても都合が良いから利用させてもらうとするか。

「…………いいだろう、だが条件がある」

ベッドから立ち上がり、寝室の棚に入れられた呪酒をグラスに注ぐ。掌を握り締め、爪が食い込み皮膚が破れ、そこから滲み出る血を数滴、呪酒に垂らし、俺は呪文を詠唱する。

「俺に絶対の忠誠を誓え。今後、いかなる場合でも俺に従い、俺のために行動することをここに誓え…………」

先ほど俺を庇うために身を投げ出したことを思えば、彼女が俺にそむくことは無いだろう。しかし何事にも例外はある。これほどまでに郷の事を思う翠玉のことだ、もしも俺が玖龍国に、こいつの妹に害を成すやもしれぬと知ればその限りではないだろう。
この先俺が玖龍国に手を出すかはわからないが、“あれ”のことを思えばその可能性は決して低くはない。
今俺が唱えたのは、ロストマジック『絶対なる忠誠』。主となる人物の血の混ざった呪酒を、主の手ずから飲み忠誠を誓わせ、それに叛く行動の一切を封じる魔法。

面を上げ、正座したまま俺のことを見上げる翠玉の前に立ち、彼女の眼前に手を差し出し、そこに酒を垂らす。

「……………………誓います」

俺の言葉の真意がわかったのだろう。少しの間をおいて彼女は頷き、手首から伝い、指先から零れようとする滴に舌を伸ばす。
指に舌を淫靡に絡ませて酒を口内へと導き、俺の指にしゃぶりついては酒を喉に通し、翠玉はグラスに注がれていた呪酒を一滴たりとも零すことなく嚥下して行った。

妖艶な仕草で俺の手に付いた酒を舐め取り終えた翠玉の手を取り、俺は彼女をベッドへと押し倒した。

「お前の望みどおり玉鈴の命は助けてやる。だが明日からは、あいつが俺に従うよう、お前が調教しろ」

以前『蛇の林檎』から得た知識を掘り起こしつつ、翠玉の左胸に刻まれた『奴隷の刻印』に指を静めてゆく。翠玉の生い立ちを知った以上、こいつを奴隷の身分のままにしておくのは惜しい。おそらくはこいつの生まれを利用する日が来ることを考え、俺は彼女に刻まれた呪いを静かに解呪してゆく。

「んぁ!ぁ、ぁああん、タ、タツヤ、様?ふぁあん!」

指の動きに身を悶えさせる翠玉の耳に舌を這わせ、そこを嬲りながら囁く。

「玉鈴が独断で動いたというお前の推測が正しければ、あいつは郷に帰ることはできまい。しかもあいつの腕は野放しにするには危険な上に惜しい代物だ。
俺はあいつの腕が欲しい。だからお前があいつを俺の前に跪かせろ。こいつはお前が生い立ちを黙っていたことに対する罰でもある」

「ひゃぁん、あ、あん、んくぅっ!わ、わかり、ましたぁん!あ、あの、あの娘はぁぁぁ!わ、私が、ちょ、調教、しま、すんぁ、ひぃぃぃぃっ…………!」

「そうだ、それでいい。これからも、期待させてもらうぞ?」

身体の中を弄くられるかのような感触に、翠玉の嬌声が徐々に高くなる。

「はいっ!タ、タツヤ、様のぉぉっ、ごひゃんっ!ご期待に!こた、応え、させ、てぇぇんっ、応えさせていただきます!くぅぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああっ!」

翠玉の左胸から刻印が消え、指を引き抜くと共に翠玉は絶頂を迎える。
全身の力を使い果たしたかのように、俺の下にて肩で息をする翠玉を抱き上げ、対面座位の形で剛直を翠玉の蜜壷に挿入した。

「んぁ、ああぁぁぁん!」

一度絶頂に達した淫裂は淫靡な生き物か何かのように俺の剛直に絡みつき、まるで一刻もはやく精液が欲しいとでも言うがごとく締め付けてくる。
相当敏感になっているのだろう、剛直を迎え入れ頤を晒して喘ぐ翠玉の喉に舌を這わし、そこを唾液でべとべとにしながら首に腕を絡ませ自ら腰を振る水玉の蜜壷を突き上げる。

「あっ、あんっ、あっ、あっ、んぁっ、タ、タツヤ様、タツヤ様ぁぁぁぁん!」

ピンと上向きに勃起した乳首を摘み、同時に跡が残るほど力を込めて乳房を揉みしだけば、心なしか締め付けが強くなる。

「どうした、もういくのか?」

「ひ、ひゃい、も、もうし、わけ、ありませんんっ!わ、わた、わたしぁぁっ、も、もういきぃぃぃんっ!?」

強く膣奥を突き上げることで言葉を遮り、髪の中から生える角を撫でながら耳元で囁く。

「駄目だ、既に一度、俺が行く前に絶頂を迎えてるんだ。これ以上さきにいくことはゆるさん」

硬い角に爪を立て、耳を舌で嬲る。

「ひぃっ、ひゃんっ、あぁっ、あんっ、あん、ああ、ひゃい、ひゃいぃぃっ、ぎゃ、ぎゃまん、ひまふ、いぐの、ぎゃまん、ひますぅ、だ、だから、だがらぁん!おなさけを、翠玉の中におなさけぉぉぉぉっぉっぉぉっ!」

絶叫するように叫びながら腰を振り、より強く締め付けてくる膣の快楽が俺の射精感を高め、腰を掴み、より深く剛直を突き入れようと腰の動きが激しくなる。

そして間を置かずして、俺はそのときを迎える。

「いくぞ!お前の中に注ぎ込んでやる!一滴も残さずに飲み干せっ!」

「ひゃい!のみます!タツヤ様の、おなさけ、タツヤ様のおなさけをぉぉぉおおっ!ん、あぁぁぁぁああぁぁぁああああ!!」

翠玉の絶頂と同時に射精し、蜜壷の中へとザーメンを注ぎ込む。一滴も残らず搾り取らんと締め付けてくる膣を心地よく感じながら、射精の余韻に身を浸す。

「あ、あぁぁ、タツヤ様の、ドロドロの、熱い、おなさけ……………………。
タツヤ様、ありがとうございます…………」

身体を俺に預けるように脱力する翠玉を抱きとめ、背まで伸ばされた碧色の髪を梳く。まるで水をすくっているかのように流れ落ちる感触を楽しみながら、俺は抽挿を再開する。

今晩は存分に可愛がってやろう…………。



初投稿、2011,7,6
修正、2011,7,7



[28431] 異界淫法録・22
Name: フライングフォックス◆1a9f5a65 ID:64f399be
Date: 2011/07/08 14:39
蝶番を軋ませる扉を潜り、牢屋に入った俺を出迎えたのは憔悴の色は見えども居抜かんばかりに鋭い一対の視線だった。
先日気絶するまで犯し、快楽に沈めた余韻は既に無く、いや、昨晩、今朝と食事代わりに無理やり飲ませた精液が口端から垂れているのが見えるか。もちろん精液は昨日リーレにしまわせたものだ。

「思ったより元気そうだな」

「……………………殺してやる」

一昨日から昨日と、されるがままに蹂躙されたことが応えているのか、その言葉には以前ほどの力強さは無い。
初日の鞭、昨日の望まぬ飴。これを続ければザクロの心を折れるのもそう遠くは無いのではないのだろうか?

「そうか、それは楽しみだ」

ザクロのさっきの篭った言葉を軽く流し、グレイプニルに拘束された彼女の背後に回りこむ。意図を察したのかグレイプニルがザクロの股を限界まで開かせ、さらには尻を持ち上げさせる。目の前に晒される淫裂は、昨日のような仕込みを一切していないため僅かなりとも濡れてはいない。
だが、今日ザクロに与えるのは鞭。この方が都合がいい。

俺は出来る限り細くなるように左手の指を束め、不恰好な錐のようになったそれを、なんお準備もできていないザクロの秘裂に捻り込んだ。

「ぎゃぁぁぁぁぁああああああああああっ!が、あがっ…………、あ…………」

ザクロの悲鳴が上がり、続いて口から零れるのは声にもならない呻き。
けれど俺は彼女がどのような反応を示そうとも、手を休めることは無い。秘裂の一番深い場所まで左手を押し進め、抉るように左手を回す。

「あぎっ、ぐっ、が、あ、が、いぎぃぃぃぃぃっぃぃぃぃぃぃぃっ!」

左手を回し、次いで膣壁を押しのけるように掌を開く。完全に開くことは出来ないが別にかまわない。これの目的はとにもかくにもザクロに悲鳴を上げさせることなのだから。

「あぐぁっ、ぎぎ、が、あぎっ、ぐがぁっ、いぎぃっ……………………」

ザクロの体温を左手で感じながら拳を握り、手と子宮口との間に出来た隙間を生めるように手をさらに捻り込む。腕全体を使って拳を360℃回し、元に戻しながら出口へと引き戻す。

「かはっ、はぐっ、がっ、ぎっ、がっ、はぎぃっ、いがっ、がぁっ、はっ、ぐぅぁぁぁぁぁぁあああああああああああっ!!」

拳の半分ほどが外へと抜き出されたところで、まるで殴りつけでもするかのように拳を秘裂へと押し込み、拳が子宮口を叩く。

強引な抽挿、いや抽挿とも呼べない拷問とでも言うべき行為だ。
鞭で体力を、飴で精神を削り、最後には心を折る。そして折れた心を俺の望むように“直す”。そのためにも今は徹底的に、壊さぬよう注意しながらも徹底的に限界ギリギリまで追い込む。
拳を引き、殴るように子宮を叩き、膣を抉り、そしてまた拳を引く。それを幾度から繰り返したところで俺は異変に気付いた。

「ん、これは?」

「はぎぃっ!」

引いた拳を捻りこみ、しかし僅かに響く“淫音”。ジュプリと響いたその音は、間違いなくザクロの秘部から聞こえてくる。

「おいおい、まさかこんな目に合わされて感じてやがるのか?」

「ぞ、んがぁあぁぁぁっ!あぎっ、ぎがぁっ、があぁっ!ぐっあ、が、ごぁぁぁぁあぁあぁぁあっ!」

引き抜き、突き込み、引き抜き、突き込む。時折手を捻って膣を抉りながらそれを繰り返し、少しずつ、少しずつ大きくなる淫音は、膣の痛みを和らげるための防衛本能だろう。だが俺はザクロの言葉を遮り、“お前は感じている”“お前はマゾだ”囁きながらそれを続けてゆく。そしてしまいにはザクロの淫裂から聞こえる淫音が決定的な大きさになり、そして…………。

「あぎぃ、がはぁっ、がっ、はぁっ、ああ、あぐぅっ、ぎぃっ!」

ほんのわずかではあるが、絶え間なく響いていた悲鳴の中に明らかに嬌声が混じり始めた。膣内で手を蠢かせながらザクロの表情を覗き込めば、どこか虚ろな瞳で虚空を見つめている。痛みに体力を、そして言葉に精神を削られたのか。意識が朦朧としているらしいザクロにここぞとばかりに激しい責めと、甘い言葉とお前がマゾであると吹き込んでやる。意識が夢と現の境を移ろう今、俺の言葉はザクロの心に浸透する。心の底へと言葉を沈め、深層意識へとそれを刻み込む。
なんという幸運か、もしもこれがうまくいけばザクロの調教は大幅に進むだろう。そうなればカーネラの調教に専念できると言うもの。

「あがっ、ぎゃぎぃっ!くぅあん、はぐぅっ、がっ、ぎぃっ!ああああああああああああああああっ」

腕を捻って膣を抉り、中指を立てて子宮口を抉る。中指の先が少しずつ捻じ込まれ、その度にザクロの口から悲鳴と喘ぎ声が漏れる。

徹底的に、徹底的にザクロの淫裂を責め立てる。今日のこれもザクロが気絶するまで続けられる。
ザクロが痛みの中で絶頂に達し、意識を失うまで、この拷問のごとき責めは続けられた。





左手を汚すザクロの淫液と、僅かながらの血。おそらくは途中で膣に傷をつけてしまったのだろうが、ヴァルフの回復能力なら明日には元通りだろう。愛液に塗れた左手を牢屋の外に控えていたリーレが丹念に舐め取ってゆく。

さて、次はカーネラを調教しようかと思った矢先、牢屋を出たところでクルスカが駆け寄ってくるのが見え、俺は脚を止めた。

「どうしたそんなに慌てて…………」

「はぁ、はぁ、申し訳ございません。ですが緊急のご用件が…………」

目の前に跪き、息を切らせるその姿に自然と目を細める。今日のクルスカは外にマテリアルの採取にいっているはずだった。それが息を切らせて戻ってきたということは何かあったということか?

「緊急か、言え」

「はっ、塔の南西の方角より、小規模ではございますがウィクリースの軍が国境を越えてこの塔に向かっております」

「はぁ?ウィクリースの軍が?
間違いなくここに向かってるのか?」

「はい。この行軍の目的がエーレスリストスへの侵略の場合、明らかに兵力が少なすぎます。
エーレスリストスに向かう王族、貴族の護衛だとした場合このような山道を進まずに街道を使うはずです。となるとこの塔に向かっていると考えるのが妥当かと…………」

一体なぜ?昨日のカーネラが原因か?いやそれにしては行動が早すぎる。

いくら考えても答えが出そうに無いな。となれば…………。

「クルスカ、ジナ達に戦闘の準備をさせておけ。俺は地下を封じてから上に上がる」

「はっ」

来た道を駆け足で戻ってゆくクルスカを見送り、リーレ達を連れて階段へと向かう。二人を先に上へと上がらせ、俺は階段の踊り場で地下を振り返る。
塔に意識を向けて仕掛けを作動させ、踊り場より下の階段がせり上がり行き止まりとなる。さらに出来上がった壁に魔方陣を描いて封印する。

とりあえずここはこれでいい。クルスカの言葉を信じればウィクリースの軍がここに向かっているのは間違いなく、しかしその目的が不明。

どうしたものか…………。





「タツヤ様、ウィクリースの軍が到着しました」

「ん、やっこさんはどうしてる?」

「塔の周囲に陣を敷いています。規模はともかく城攻めの布陣ですね」

完全にここが目的か…………、ウィクリースにこんなことされる憶えは無いし、となると一月以上前にエルディアがなにかやらかしてたのか?いや、そうだとしたら何でいまさら軍を動かす?エルディアが原因ならもう少し早く動いていてもおかしくないはずだ。やっぱり、目的が見えないな。

『ご主人様、連中の代表らしいのが塔の入り口に向かってるよ』

繋いでいた念話を通じてバルベラが報告を入れてくる。とりあえず問答無用で仕掛けてくるわけじゃなさそうだな。
なら…………。

「とりあえず出迎えてみるか。ジナ、一緒に来い」

「な、タツヤ様危険です!」

「相手の目的がわからん。その目的のわからん連中の方から代表を出してくるんだ、どう動くとしても話くらい聞いてからでも遅くは無いだろ。クルスカはバルコニーで待機。リーレ、ルーラ、翠玉、エリルは俺の寝室に隠れていろ。あそこは俺の許可無しでは絶対に入れないようになっている」

「……………………わかりました。タツヤ様どうぞご無事で」

深々と頭を下げ、翠玉がリーレ達を連れて階段を上ってゆく

「クルスカ、お前も早く行け」

「し、しかし…………」

「いけ」

渋るクルスカを睨みつけ、不機嫌な表情を隠さずに睨みつける。

「…………っ!わかりました…………、どうかご無事で…………」

階段を上ってゆくクルスカを見送り、ジナを連れて塔の入り口へと向かう。左手に装備されたマジックリングを確認し、入り口の広場の真ん中に立つ。不安気なジナを背後に立たせ、オストティガの牙の大きな扉を開かせた。

「ふむ、出迎えご苦労と言ったところですかな?」

扉を開いた先にいた男の、人を上から目線で見下ろしているかのような声に、俺は眉を顰める。しかし相手は俺のそんな様子に気付かず、ずかずかと塔の中へと入ってくる。

ご苦労といいつつも、全くそうとは思っていない、そんな表情のその男は、ヨーロッパの過去の作曲家を思い出させる型に髪を整え、非常に悪趣味な真っ赤な生地に金糸の縁取りをした服に身を包んでいた。

腰の後ろで手を組み、胸を張るように俺を物を見るかのような目で見下ろし、尊大な態度で俺の前に立った。

その男の背後には数名の騎士が盾を構え、俺とジナを囲うように半円を描いて並んでいる。

「…………どこの誰だかは知らないが、一体何のようだ?」

男の俺を見る目にいらつきつつ、早くも会話を選択したことに後悔をしたくなった。
こんな傍にいるだけで不愉快になれそうな奴が出てくるなら近づかれる前に殲滅するべきだったか?

「ふん、田舎物が。目上の者に対する口の利き方がなっていないな」

「人の家を軍隊を使って包囲するような奴に言われたくないな」

売り言葉に買い言葉。俺の言葉に騎士達にざわめきが走るも、それを無視して男を見る。

「まぁいい。貴様にウィクリースの王、バライダル=ウィクリース陛下からの命を伝える。これより即刻、我らがガンダルディア城へ出向せよ。貴様に拒否権は無い」

「…………従わなければここを包囲する連中が攻めてくるわけか」

「そのくらいのことはわかるようだな」

男が片手を挙げ、騎士達が武器を構える。
まったく、わざわざ国境まで越えてご苦労なこった。
俺の背後でジナが刀に手をかけようとするが、俺はそれを手で制して奴隷達に念話を繋ぐ。

『ジナ、抵抗するな。刀を置け』

『な、でもタツヤ…………!』

『良いから置け。クルスカ、聞こえているな?』

『…………はい。まさか、相手の言うことを聞くおつもりですか?』

『あぁ、そうだ』

『そんな、危険すぎます!』

『あいつらは俺に手出しなんかしないさ。奴らの王様とやらが呼んでるんだろう?なら会って見てやろうじゃねぇか』

『そんな、一体何を考えてるんだい!?』

『いろいろさ。もしかすると俺にとってもチャンスかもしれないからな。俺の予想が当たっていれば、な』

肩越しにジナを睨みつけ、それを受けてジナは武器を床に置く。念話を通して異議を申し立てるクルスカとバルベラには、嵌めさせている首輪の力で無理やり抑え付ける。

「わかった。だが連れの一人は連れて行ってもかまわないだろう?」

武器を捨てた背後の顎でしゃくり、ジナを見た男はそれを鼻でわらる。

「別にかまわんさ。だがもしも抵抗の一つでもした場合、命は無いものと思え」

抵抗せずに従ったことがそんなに嬉しいのか、男は上機嫌な様子で踵を返して塔を出て行く。
ジナが傍に駆け寄り、俺達を囲う騎士達に連れられて塔を出る。

先ほど男の背後に彼らが並んだ時に気付いたが、ここにいる五人の騎士全員が、“俺の作った”マジックリングをしているのだ。
それを見るにこいつらの目的は…………、俺の作るマジックリング。ヴァフドニルが俺を売ったということは無いだろう。それはあれからも幾度か会い、彼の人となりを知るが故に断言できる。どうやったかは知らないが彼らは俺がマジックリングの製作者だということを知ってここに来ているようだ。
おそらくは俺を国へと連行し、そこでマジックアイテムの作成に従事させるつもりなのだろうが…………。

こいつら、とりわけあの男は俺の命は自分達が握っていると考え(しかもその事実に優越感を持っている節あり)ているのだろうが…………。残念ながら魔力を探った限りでは、俺の持つ『守護の指輪』の守りを抜くことが出来る武装を持つものは皆無。それだけで彼らの考えは的外れな考えということになる。まぁそのことに気付くどころか考えもしないだろうな。

俺とジナは塔の外に用意されていた馬車に閉じ込められ、外の様子も見れない籠の中、馬車が発信する振動を感じ取ってため息を付く。

『ジナ。俺が良いと言うまで決して暴れるな。いいな?』

『…………わかった』

念話でジナの返事を聞き、俺は席に身を預けて目を瞑る。どうせ目的地までは時間がかかるんだ。暇な時間は寝てすごさせてもらうとしよう。





オストティガの牙を離れた翌日の昼ごろ。俺達はようやくウィクリースの首都クァンタにあるガンダルディア城へと辿りついた。
武装した騎士に促され、俺とジナは城の中へと入ってゆく。

城に入ったところで、俺は騎士達に気取られぬよう注意を払いつつ、マジックリングの一つを起動させた。
さて、これでこっちの準備は整ったな。

騎士達に連れられ通されたのは謁見の間。その奥の一段と高くなった場所に玉座が置かれ、そこには非常に神経質そうな高齢の男が座り、忙しなく瞳を動かしては俺のことを値踏みでもしているかのようだ。

謁見の間の左右には文官だろう連中が列を作り、見世物の動物でも見るかのような視線をぶつけてくる。全くもって不愉快だな。

玉座につく王らしき男の前で立ち止まり、俺は正面から向けられる視線に対して不機嫌を隠さずに睨み返した。

「貴様か…………、このエンシェト級のマジックアイテムを作成したという男は…………」

男が翳すのは小さな指輪。間違いなく俺が作成しアウムブラ商会に売った代物だ。

「あぁ、そいつは正しく俺が作ったものだ。で、人をこんなところに呼びつけて何の用だ?」

『なっ…………!』

俺の言葉は無礼以外の何物でもないだろう。俺の反応に周囲がざわめき、男は手にしていた王杓を椅子の肘掛にたたきつけて立ち上がった。

「この無礼者めが!」

おいおい、俺のあんな一言ここまでぶちきれるとはね、こいつ王とか向いてないんじゃないの?

「貴様、陛下に向けてなんて口を!」

文官の一人が前に出て俺に怒りに満ちた声を上げるも、俺はそれを無視してただ王を見る。

辺りのざわめきを聞きながら、俺はただ王を見ながら時間が過ぎるのを待つ。少なくとも今は俺がそれ以上何かを言うつもりが無いことに気付いたのか、忌々しめに俺を睨みつけながら、王は玉座に座りなおし、マジックリングをすぐ傍に控えた小姓らしき少年に渡して口を開く。

「あれと同じものを作成せよ。わが国の兵士一人一人に行き渡るようにだ。あれが我が国の軍の兵士一人一人に与えることが出来れば、憎きエーレスリストスを討ち、わが国がこの大陸の覇者となることも夢ではない。
それを成せば先の無礼にも目を瞑ってやる」

俺が言うことを聞くのが当たり前って感じだな。おめでたい話だ。

「…………断る」

「……………………なに?」

「断るって言ったんだ。今のが聞こえないってのは相当耳が悪いんじゃないのか?」

「なっ、き、貴様…………」

王の言葉が発せられうよりも早く、騎士達が俺とジナを取り囲み、武器を突きつける。

「もう一度言う!我が軍のためにあのマジックリングを作れ!それを断るというのならば、貴様らの命は無いぞ!」

怒り立ち上がり、唾を飛ばして怒鳴り散らす様に、俺は溜息を付きたくなるのを我慢してもう一度口を開く。

「断る。何で俺が貴様なんぞの言うことを聞かなきゃならないんだ?」

「き、き、貴様ぁぁあああぁぁぁぁっ!ウィクリースの益となるならばと思っていたが…………、貴様の持つ力、我が国以外につけばどれほどの脅威となるか…………。今すぐこの無礼者をころせぇぇぇっ!」

短期、わがまま…………、最低だな。
というかろくな説明も無くここに連れ来ておいて、いきなりあんなこと言われて素直に言うことを聞くと本当に思ってたのかね?

『ジナ、暴れろ』

王の言葉に騎士が動き、腰から剣が抜かれたときには俺の念話を受けたジナが既に動いていた。

俺が作ったマジックアイテム『風神の指輪』の力で素早さの増したジナ。その動きは先日の玉鈴の動きよりもなお速い。四方から赤い血の噴水が上がる。視線を向ければ俺達を囲んでいた騎士達の首は血に落ち、その切断面から鮮血が噴水のごとく吹き上げられている。

「なにっ!」

そしてその下手人であるジナは、既に事切れ倒れ行く騎士達の背後に、ナイフを手に辺りを見回していた。

連れてこられる途中で武器を持っているか調べられたが、やっぱりブラに仕込んでおいて大正解だったな。

「ジナ、その王様とやらはまだ殺すな。先に周りの連中から片付けろ」

「了解」

短い返事の後、再びジナが風のごとく動き出し、この時点になってようやく目の前の事態に思考の追いついた文官たちの悲鳴が上がる。
その悲鳴を上げる文官の喉が掻き切られ、新たな死体となる頃に、謁見の間の扉の前にいた兵士達が、悲鳴を聞きつけ謁見の間へと駆け込んでくる。

「悪いがそれもそれまでだな」

駆け込んできた兵士達に向けて指を指し、その先に小さく点された火が宙を舞う。
火の粉のごとき小さな火が謁見の間の惨状に息を飲む兵士の一人に触れる。



轟音。



城そのものを揺るがすような轟音と共に兵士達は、いや謁見の間の豪勢な扉が一瞬で灰と成り、吹き荒れた業火は容赦なく床や天井を消し飛ばして見せた。

「加減が足りなかったか」

その結果に眉をひそめるのも一瞬のことで、俺は背後から響いた音に振り返る。

俺が振り返ったそのとき、この謁見のまで息をしているのは、俺とジナ、そして王の3人のみ。それ以外の人間は悉くジナの手に掛かり息絶えていた。

「な、な、な…………」

玉座の上で怯える王を鼻で笑い、城に入るときに発動させたマジックリングに意識を集中させる。この指輪は装着者の半径500m内を探査を行うマジックリング。半径500mともなればこの城を容易く覆い尽くしておつりが出る。つまり今の俺にとってこの城は我が家のごとく、誰がどこにいて何がどこにあるのかを知ることが出来るのだ。

懐から一つの種を取り出し、それに魔力を込める。すると種は爆発的な勢いで成長する。種から生えた幾本もの蔦が、俺の空けた穴から外へと出て、瞬く間に城を侵食してゆく様がマジックリングを通して伝わってくる。

『モンスターアイビー』

俺が作り上げたキメラ植物だ。俺の魔力に反応して成長し、俺の意思に従って動く化け物植物。俺が魔力を込めれば込めるほど勢い良く成長するアイビーに、城の中にいる人間達を襲わせる。抵抗する兵もいるにはいるが、所詮は植物、しかも今なお爆発的な勢いで成長を続けるモンスターアイビーを止めるには至らず、身体を貫かれ、締め上げられ次次と殺されてゆく。

「さて、喧嘩を売る相手を間違えたな」

「ひ、ひぃぃぃぃっ!」

悲鳴を上げる王をアイビーが玉座に拘束し、情けなく小便を垂らす王に嘲笑を向ける。

「武力を用いれば容易く言うことを聞かせられるとでも思ったのか?浅はかな考えだな。
俺は敵対する相手に容赦をするつもりはない。ウィクリースは今日でお終いだ」

謁見の間の窓から見える中庭ではたくさんの兵士達が突然の事態に対処しようと動き回るのがわかる。城から飛び出すモンスターアイビーに各々の武器で挑む兵士達に、俺は左手を翳す。

「『ファイア・スノー』」

詠唱した魔法は本来ならばそうたいした代物ではない。草原などの広く燃えやすい物がある場所で用いられる広域魔法。粉雪のごとき火の粉を降らせるこの魔法は、降らせるものが火の粉であるため、効果を発揮するまでに非常に時間がかかる。ただし、それは普通の場合だけ。俺のように魔法に過剰な魔力を込めた場合はその限りではなく、アイビーに集中していたがために、いやもとより避けようもないその火の粉に触れた瞬間、その兵士は瞬時に火達磨と成り大地を転げ回った。

その後の光景は正しく地獄絵図。蔦に絞め殺され、火達磨となる兵士達から視線を離し、俺は再び王へと向き直った。

「さて、これでこの城が燃え尽きるのも時間の問題だが、俺をここに呼びつけ命を狙った慰謝料を頂いていこう」

「い、慰謝料、だと…………」

「あぁ、慰謝料だ」

パチンと指を鳴らし、背後の穴からアイビーが謁見の間へと入ってくる。ぐったりと気を失ったドレス姿の女を捕らえたアイビーが。

「な、エステリア!」

「ん、あ…………。お、父様?きゃぁっ!」

王の声に意識を取り戻した女、この国の王女エステリア=ウィクリース。両手を背中で拘束されたまま、蔦が千切れ、俺の足元に放り出される

「き、貴様!娘に手を出してみろ!そのとき、貴様の命は…………!」

喚きたてる王様を前に、俺は魔力隠しの指輪の力を僅かに緩め、周りにも俺の魔力が感知できるようにする。その途端、王は息を飲み、目を見開いて俺を見つめ、王女もまた首を回し目を丸くして俺のことを見上げてくる。

その様子を見ながら少ずつ指輪の力を緩め、それに比例するように二人の表情が青ざめてゆく。

まだ1%も出してないんだがな。

「ば、化け物め…………」

かすれた王の言葉。その言葉を鼻で笑い、俺は王女の髪を掴み、無理やり立たせて王に見せ付けるようにし、ドレスの上から胸を揉んだ。

「き、ぃゃぁぁぁぁぁっ!」

「エステリア!貴様、エステリアから手を離せ!」

怒鳴り散らす王を無視し、俺はエステリアのドレスを引き裂き、形のいい胸を外へと晒してやる。大きくなる悲鳴に気をよくし、俺はその胸を力任せに揉み始める。

「いぁぁ!離して!やめてぇぇぇ!助けて、お父様ぁ!」

「ぐぅ、貴様、貴様ぁぁぁぁぁっ!」

アイビーの拘束を逃れようと王がもがくが、その程度で拘束が緩むわけも無く、俺はなすすべも無く見ているしか出来ない王の前で、王女のドレスを剥ぎ取り、無理やり開かせた秘裂に取り出した剛直をねじりこんだ。

「あぎっ、ぃぁぁぁぁぁぁぁあぁあああああああああああああああああああああああああっ!」

「エステリアァァァんぐぅっ…………!」

一気に奥まで捻じ込んだ剛直は、いまだ男を知らなかったらしい王女の純潔を容易く蹂躙し、その痛みに絹を裂いたような悲鳴が謁見の前に響いた。
王が王女の名前を叫ぶが、いい加減耳障りになってきたのでアイビーを王の口へと捻じ込み言葉を閉ざし、俺は何の気兼ねも無く王女の秘裂を犯し始めた。

「あぎぃ、いやぁっ、抜いて、痛い、痛い、痛い、痛いぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!」

「ははは、痛いか、そりゃそうだよな?処女のおまんこにいきなりぶち込まれればそりゃ痛いよな?
だが安心しろ、すぐに慣れるさ。なぁジナ」

「うん、痛いのは最初だけだし、すぐに気持ちよくなるよ」

ナイフをしまったジナが、王女を犯す俺を見ながら腿を擦り合わせているのを見て、その腿の間を良く見てみれば愛液が垂れているのが見える。

「なんだ、お前もして欲しいのか?」

「う、仕方ないだろ。もう四日もしてないんだから…………」

「ふ、帰ったらたんまりとしてやるさ…………」

顔を赤らめるジナを抱き寄せ、キスをしてやれば、ジナは求めるように俺の口の中へと自ら舌を入れてくる。悲鳴を上げるエステリアを犯しながらジナと唾液を交換してやり、その光景を見て怒り狂う王を嘲笑う。

自分が何を懐へと呼び込んでしまったのか、それを後悔するといい。





その後、身動きの取れない王の前でエステリアを陵辱しつくし、精液塗れとなった王女を床に転がした頃、城は俺の放った魔法によって各所に火が回り、背後を振り向けば焔が謁見の間へと達しようとしていた。

「…………これでこの国もお終いだな。さようなら、永遠に」

指輪から放たれた電撃が王の首以外を焼きつくし、生首となった王をジナがキャッチする。
ジナから投げ渡された王の生首は、窓の外に見える城の城門前へと転移させ、俺達は気絶したエステリアを連れてオストティガの牙へと帰還する。

この日、国民達の知らぬうちにウィクリース王国は滅亡した。突如火の手が上がった城に駆けつけた民達が見たのは、燃え落ちる王国の象徴たる城と、生首となって息絶えた王。

さらに城から発せられた前代未聞の莫大なる魔力は、ウィクリースはおろか、大陸中の人々に感知され、人々に恐怖を振りまいた…………。


初投稿、2011,7,8



[28431] 異界淫法録・23
Name: フライングフォックス◆12b42988 ID:64f399be
Date: 2011/07/11 10:30
「お帰りなさいませ。タツヤ様…………」

地下の転移施設への転移を終えた俺達を出迎えたのは、留守を任せていたクルスカだった。彼女の後ろにはなぜかメイド服姿のエリルが控えており、彼女の服装に疑問をおぼえつつっもエステリアを牢へと繋がせる。

「で、こっちはどうだった?」

「タツヤ様の予想通り、塔を制圧するための部隊が残りましたが私達だけで十分対処可能でした」

昨日、オストティガの塔を離れるとき、俺はクルスカにその可能性を示唆しておいたけど、やっぱりそうなったか。

「ウィクリースは滅ぼしてきた。で、クルスカ。その部隊はどう対処したんだ?」

「一人残らず始末しました。ただ中に女兵や女騎士などもいましたので、そちらの方は捕らえてあります」

「良くやったな。で、詳細は?」

そこのところは指示を出してはいなかったけど、さすがはクルスカだ。後でジナと一緒にご褒美かな。

「はい、女兵が10名、女騎士1名、近衛騎士1名、魔法使いが2名の合計14名です」

「へぇ、結構いるもんだな。こりゃ俺1人で調教するのも一苦労か」

そうだな、なら前々から考えてたあれを試してみるか。

「…………クルスカ、その兵達の内2、3人お前につける。俺に忠誠を尽くすよう調教しろ。ジナ、お前も同じように2、3人つける。うまくやれればご褒美をくれてやる」

「ご、ご褒美、ですか?」

「ごく…………」

何を考えているのか丸わかりだな。ご褒美という言葉に顔を赤く染める二人に笑いがこみ上げてくる。

後はリーレとバルベラにもさせてみるか。翠玉は玉鈴の調教中、ルーラはそういうのには向いてなさそうだし、エリルは論外だな。あいつは自分の快楽を優先しそうだな。

「それでザクロはどうなっている?」

塔を出る前、クルスカに指示を出していたことを思い出し、ザクロの状況を尋ねる。

「タツヤ様の言うとおりにしてあります。今朝から例の装置をおまんこに刺して責め続けています。今はリーレが絶頂しないようについているはずです」

クルスカの言う装置というのは、バイブのことだ。もちろんこの世界にバイブなどあるはずも無く、俺が自作したものだ。といっても張り型に魔力に反応して振動する鉱石をはめ込んだだけの代物だけどな。

「今朝からか、となるともう半日以上そうしてるってわけか」

「はい、そうなりますね」

いい感じに出来上がってそうだな。昨日の朝のことも考えれば、すこし計画を早めてもよさそうだな。調教が必要な奴も増えたことだしな。

ジナに休むよう告げ、俺はクルスカを連れてザクロの牢屋へと向かう。その途中の牢から今までに無かった気配を感じ、エリルに急いで作らせてよかったな、とほくそ笑みながら、ザクロの牢を開く。

「あ………、あぅ、も、もう……、ゆるし、て…………。お、願い、だから、あん、もう、い……、いかせ、て…………」

「駄目です。ご主人様からは絶対にいかせるな、と言われてます。言いつけを破ったら私が罰を受けることになりますから。
でも、ご主人様に忠誠をお誓いになられるなら、考えなくもございませんが…………」

「ち、誓う、から…………、何でも、誓うから…………、ああ、あん、お願い、いかせて…………」

「そうですね…………、駄目です」

「そん、なぁ、ぁん、あぁ、はぁ、はぁ、はぁ、いかせて、くれる、って、あん…………」

「私は考えると言っただけですから。考えてみた結果、ご主人様のお考えに叛くのはやはりいやでしたので、それは却下です」

牢屋に入って目にしたのは、いくことが出来ない現状に体力も精神も限界といった風情のザクロと、そんなザクロの秘部を弄りながら言葉で責めるリーレだった。そんな光景に苦笑しつつ、俺はリーレを読んだ。

「え?あ、あぁ、ご主人様!」

快楽に悶えるザクロから手を離し、俺の姿を認めたリーレは頬を紅潮させながら駆け寄ってくる。俺が与えたメイド服を身に纏い、その大きな胸を弾ませて、リーレは俺に深々と頭を下げた。

「ご主人様、お帰りなさいませ。あぁ、ご主人様ぁ…………」

リーレを抱き寄せ胸を揉めば、それだけで搾り出された母乳がメイド服を汚し、リーレは恍惚とした表情を浮かべて自らの胸を持ち上げる。

「昨日は飲みそびれたからな。後でたっぷりと飲ませてくれ」

「はい、私のおっぱいは全てご主人様のものです…………」

リーレに先ほどジナ達に告げたのと同じこと、すなわち新しい奴隷の調教の話を告げると、リーレはすぐに取り掛かりますと牢屋を飛び出していった。やはりご褒美の言葉が良く効いたようだ。

「さて、ザクロ。気分はどうだ?」

「……がい、お願い、します…………。何でも、言うこと聞くから…………、はぁ、はぁ、はぁ、私を、いかせて、ください…………」

口から唾液を垂らし、舌を完全に突き出した状態で俺を見上げるザクロの頭を撫で、俺は彼女の背後にまわった。秘部を責めるバイブを引き抜き、抜いてなお大きく口を空けてひくつく淫裂を一度撫でると、腕を引き、拳を握った左手を、いやらしい涎を垂れ流す蜜壷に叩き込んだ!

「ぃっぐぅぅぅぅぅぅっぅぅうううううううううううううううううううううううっ!」

身体を仰け反らせ、その衝撃に潮を吹きながらザクロは絶頂へと達した。火傷しそうなほどに熱いザクロの蜜壷の中で、昨日以上に左手を激しく動かしながらアナルにも右手を捻じ込み、腸壁を引っかき始める。

「あぎぃ、が、いぎぃっ!いだい、いだい、いだいげど、いだいげどぎもぢいいいいいいいいっ!」

「そうだ、気持いいだろう?それはな、お前がマゾだから。身体を痛めつけられて感じる変態だからだ」

「べんだいぃっ、あだじ、あだじべんだいっ!いだめづげられでがんじる、まぞのべんだぃぃぃぃぃっぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!いぐっ、いぐっ、ばだいっぢゃうううううううううううううううううううううう!!」

グレイプニルを軋ませ、ザクロが盛大にいくのを見ながら、俺はクルスカに命じる。命令を聞いた彼女は、羞恥に頬を染めながら着ていた背中が全開に開いたワンピースを捲くり上げ、ザクロの顔のまで脚を開き、淫裂を指で割り開いた。

「さぁザクロ、お前の大好きな小便だ。一滴残らず飲み干せ」

両手をザクロの中で蠢かせながら、クルスカに合図を送る。羞恥に顔を真っ赤にしながらクルスカが放尿を開始し、それは大きく開かれたザクロの口の中に飛び込んでゆく。

「あがっ、ぎぅっ!ぶぁあんぎゅくぅ、ぁんぐ、んぐ、んぐ、ぐ…………」

自ら顔を突き出し小便を飲み始めるザクロは、グレイプニルを揺らしながら自ら腰を降り始め、蜜壷もアナルもより強く俺の両手を締め付け始める。

「どうだ、おいしかったか?」

「あ、あ、あ、あ、あ、おいじい、おじっごおいじいの!が、はぎぃっ!あ、あ、あ、あ、あ、べん、べんあの、あ、あ、あ、いっだ、まだいっだぁっ!いっだ、いっだ、いっだのにぃっ!いっだのにぃぃぃぃっ!あだじ、あだじ、もどっでごれなぃぃぃぃぃぃっぃぃいぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!」

小便を全て飲み干したザクロに感想を聞いてやれば、思ったとおりの言葉が返ってくる。おまけに俺が手を動かしつつ、そのまま抽挿を開始してやれば、ザクロは完全にいきっぱなしの状態になってしまったようで、完全にろれつの回ってない言葉でわめき続けている。

そしてその後、いつもどおりザクロが気絶するまでいかし続けた俺は、ザクロの首に新しく作った首輪を嵌めてグレイプニルを回収して牢屋を出た。

「クルスカ、見せてみろ」

ザクロの牢の扉を閉め、背後に控えるクルスカに振り返った俺は、頬を紅潮させ、息を荒げるクルスカにそう命令した。

クルスカは恥ずかしげに頬を染めながら、しかし躊躇いも無く裾をまくり、自らの、だらしなく愛液を垂らす淫裂を晒してみせる。

「見てて感じたのか?」

「…………はい」

愛液を垂らしてひくつくクルスカのまんこから視線を外し、彼女を壁に押し付け剛直を蜜壷にねじりこんだ。

「あぁんっ!」

片足を持ち上げ、真正面からクルスカの一番奥へと男根を叩き込み、何度も何度も激しく子宮口を突き上げる。

「あんっ、あっ、あっ、あっ、あっ、あんっ!タツヤ様、タツヤ様ぁ!」

ワンピースの肩紐をずらして胸元を肌蹴させ、張りのある綺麗な乳房を手の中で変形させるのを楽しみながら、俺は無言でクルスカを突き上げ続ける。

「あっ、あっ、あっ、あっ、す、すごい、です!タ、タツヤ様の、ぶっとい、おちんちんが、私、の、おまんこをぉぉっ!おまんこがタツヤ様でいっぱいになってますぅぅぅぅっぅぅっ!」

「まったくいやらしい奴隷だな」

「はぃ、はい、はぃぃぃいぃぃいいいいいっ!わ、私は、いやらしい奴隷です!タツヤ様のことを考えただけで、おまんこを濡らす変態ですぅぅぅぅぅっ!」

俺の首に腕を絡め、自ら腰を振って快楽を貪るクルスカに、俺のほうも限界が近づいてくる。

「よし、今回の件のご褒美だ。どこに出して欲しい?」

「中にっ!中にっ、ください!あっ、あっ、タツヤ様の、ドロッドロのザーメンで、クルスカの中をいっぱいにしてくださいぃぃぃっぃぃぃぃぃ!」

いつのまにか両足を俺の腰に絡ませより激しく腰を振るクルスカの唇を奪い、俺はスパートをかける。クルスカの舌を扱き、唾液を注ぎ込んでやれば、自ら激しく吸い付いてくるクルスカに、俺はついにクルスカの中に射精をしてやる。

「むぐぅつ、んっ、んっ、んんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんっ!!」

俺の射精と共に絶頂に達し、白目をむいて気絶するクルスカ。念話でジナにクルスカを回収するようにいいつけると、俺は剛直を引き抜き、カーネラを収容した牢屋へと向かった。





「やっとおでましですのね」

牢屋を入って一番最初に目に入るのは、大事な部分をさらけ出し、あられもない姿を晒すカーネラの姿。そのすぐ横ではエルディアがびくりと身体を震わせ、怯えた表情で俺を見上げている。

カーネラの言葉を無視して近づいた俺は、とりあえずエルディアを牢屋の端の方に蹴り飛ばしてからカーネラを見下ろした。

「きゃん!」

「な、貴方!エルディアに何を!」

「何をも何も、見ての通り邪魔なゴミを脇にどけただけだが?」

なんでこんな当たり前なことを態々聞くんだか…………、まぁどうでもいいか。それよりも今一番気になるのはやはり…………

「臭いな、ものすごく臭う。小便の臭いがプンプンしやがる」

カーネラからする臭いに思わず鼻を摘み眉を顰める。

「くっ、誰のせいでこうなったとお思いですの?」

そうだろうなぁ、今のカーネラの格好じゃ、小便を使用ものなら全て自分の顔にかかることになる。おまけにカーネラの水分補給は全てエルディアの小便。飲むまで鼻を摘み、まんこで口を塞ぐように命令したが、おそらく半分以上が口から零れただろう。そうすると零れた小便は顔を伝って、この床に広がる青い髪にかかり、染込むことになる。心なしか緑色に変色している髪を見下ろし、俺は鼻で笑ってやる。

「理由はどうあれお前が小便臭いことには変わらないだろう?」

「くっ、この仕打ち、エルディアに対する扱い…………、奴隷の分際でこのようなことを…………、生まれてきたことを後悔させてあげますわ」

どうやらエルディアから事の顛末は聞いたらしいな。計画通りにな。
カーネラがエルディアと知り合いらしいことを聞いた俺が思いついた計画。その第一段階。こうやって二人っきりにさせておけばカーネラがエルディアの味方になるだろうことは容易く想像できる。そして今目の前では正しくそうなっている上に、この様子だと、この二人はもとより仲が良かった可能性もある。こいつは予想外の収穫になりそうだ。

今までゴミのように扱い、精神を磨耗させたエルディアもこれで多少は回復するはず。しかも味方まで手に入れたのだ、元に近い状態にまで回復すればベストだが、まぁそこは今後次第か…………。
まぁなんにしてもエルディアに味方が出来た、それが一番重要だ。この唯一の味方が俺の物に成り下がったとき、エルディアに襲い掛かる絶望はどれほどのものか…………。
だから今は、ゆっくりとカーネラを傷つけ、精神を削り、二人に傷を舐め合わせる。優秀な魔法使いが手元に欲しかったが、それ以上に求めて止まなかった道具が手に入ったんだ。せいぜい有効に使わせてもらおうじゃないか。

さて、そのためにもまず最初の調教といこうか。
俺を睨みつけるカーネラの背後に回り、異臭を放つ淫裂に手を伸ばし、生い茂る青い陰毛を摘む。

「くっ、止めなさい!貴方ごとき下賎なやからが、私にふれなっっつう…………!」

カーネラの言葉を遮るように、摘んだ陰毛を数本引き抜き、思いもよらない痛みにカーネラの言葉が止まる。
引き抜いた陰毛を鼻に近づけ、それから発せられる異臭に顔をゆがめた。

「やっぱり臭いな。ありえないな、女のくせに」

「いったい誰のせいでっっつう!レディの大切ところになんっつう!おやめなさい!」

「こんな悪臭を放つレディがいるものかよ」

喚くカーネラを無視しつつ、陰毛を1本1本引き抜き、引き抜いたそれをカーネラの顔目掛けて吹きかける。

しかし1本1本抜いてゆくのもさすがに面倒だな…………。
あれを使うか。

カーネラの傍を離れて出口へと向かい、牢屋の外のすぐ傍の棚の中から目的のものを見つけ出すと、再びカーネラの背後へと戻り、それを引っ張った。

『ビーーーッ…………』

「な、なんですの、それは…………」

カーネラには用途不明の何かに見えたのだろう、聞きなれない音もそれに拍車をかけたか、どこか強張った声を上げるもそれを無視し、俺は引っ張って出てきた分を千切り、青々と生い茂るカーネラの陰毛に、それを貼り付けた。

「いゃ!そんなものを貼り付けないで!」

何が起きるのかわからない恐怖によるカーネラの怯えがよくわかる。まぁ、そんなにこれを貼り付けないで欲しいなら、剥がしてやるか。

『ぶぶちっ』

「―――っぁぁああああああああああああああ!!」

おぅおぅ、大きな声ですこと。剥がした物、先日総浚いした塔の隠し階層。他の階との間にも隠し階層は存在し、その中で見つけた俺の世界の物。

ガムテープ!

似たようなものならあると思っていたのだが、ジナ達には用途がわからなかったことからこの世界には無いことがわかり、思わぬ代物にどうしようかと頭を悩ませていたのだが、これはいい拾い物だったらしい。

ガムテープの粘着面にびっしりと付着したカーネラの陰毛。
陰毛の付いたガムテープを捨て、新しく千切ったガムテープを再び貼り付ける。
貼り付けただけで悲鳴交じりに怒鳴り散らしてくるが、俺はただ無言で張っては剥がすという行為を繰り返す。

俺がいきなり何も言わなくなったのは、もちろん調教の一環だ。カーネラの様に頭のいい奴ならば俺の言動から次に何をするのか予測するだろう。ようはバルベラに施した情報制限と同じものだ。カーネラの場合はバルベラよりも頭も良く、そして性に対する経験は少ない。ゆえに視覚のみを情報源として与え、何をするのか、勝手に考えさせる。そして勝手にあれこれ考える者ほど落とし穴にはまりやすくなる。

ガムテープを貼り、それを剥がすかと思えば1本のみを引き抜き、それが続いたかと思えばガムテープを引き剥がし、俺はカーネラを翻弄してゆく。
そして最後には無毛となったカーネラの恥丘がさらされ、陰毛はおろか、文字通り尻の毛までむしられ羞恥のどん底に叩き落し、俺は罵倒するカーネラを鼻で笑って牢屋を後にした。



発投稿、2011,7,9
修正、2011,7,11



[28431] 異界淫法録・24
Name: フライングフォックス◆12b42988 ID:64f399be
Date: 2011/07/11 10:31
アルトセブ商会アウムブラ支店副店長ヴァフドニルからの伝言を、食料の買出しに行かせたルーラより受け取り、ジナとバルベラを供に連れてアウムブラ支店を訪れていた。

いつもの場所に通された俺は、これまたいつもどおりにソファに腰掛ヴァフドニルが現れるのを待っていた。

「どうぞ…………」

左の扉から入ってきたメイドがテーブルに紅茶の入ったカップを置き、部屋を去っていく背に礼を言ってカップに口をつける。

「…………いつものメイドじゃなかったな」

「え、そうだった?」

遠ざかる気配を感じながら、始めてきたときに紅茶を出していたあのダークエルフのメイドを思い出し、それに気付いて、いや気にしていなかったのだろうジナが首を傾げる。

「おかしいねぇ、ここは裏の取引場だから関わる人間は最小限に限られてるはずなのに…………」

「…………何かあったと考えるのが妥当か。この前のウィクリースの連中が仕掛けてきたのとか、あれに関係してるのかな?」

空になったカップをテーブルに置き、俺は不適な笑みを浮かべてヴァフドニルが入ってくるだろう扉を眺める。

「もしかして売られた?」

気配を臨戦のそれに変えるジナを手で制し、バルベラの意見はと視線を向ける。

「…………それは無いかと。アルトセブ商会は一つの国家といってもいい組織、そんな連中が国をまたいで商売を可能としている最大の理由は信頼。誰とでも対等に、敵対する国家間でもその両方に対等に商売をし、互いのことをけして売ることは無い。そんな実績を伴う信頼こそがこの商会の最大の強み、例え表に出ていない相手だからと、いえだからこそそんなことはしないはず…………」

「だそうだ」

バルベラの意見に頷き、ジナはまだ少し納得いきかねるようで、多少の警戒を残しつつも臨戦態勢を解く。

「でもだったらあの件とどう関係してるってのさ?」

「さぁな、それは本人から直接聞いたほうがいいだろう?少なくともここで俺たちがああだこうだ言ったところで答えなんて出てくる訳が無い」

それでこの会話は終了し、ヴァフドニルが現れるまでの数分間、会話も無く静かに時間が経過してゆくの待つこととなる。
そしてようやく彼が姿を現したのは、俺たちがこの部屋に通されてから30分ほどの時間が過ぎてからだった。

ガチャリと音を立てて開かれた扉に全員の視線が集中し、あの小柄な身体に大きな鉤鼻、ぎょろりとした右目が印象的、というよりも一度見たら忘れられない顔をしたヴァフドニルが部屋と入ってくる。

「タツヤ様、大変お待たせいたしましたこと、お詫び申し上げます。
此度こちらに赴いていただきましたのは、こちらの不手際により多大なご迷惑をおかけしたことに対しての謝罪のためでございます。本来ならば我々のほうから出向かねばならぬ身なのですが…………」

「気にするな。俺たちの住処を教えていないのはこっちの都合だ。訳ありの客に対して詮索しないからこそ成り立つ商売だ。呼び出したことに関してはそっちが謝ることじゃない。それより、その多大な迷惑ってのがなんなのか、それを教えて欲しいところだな」

入室後、いつものようにソファに座らず、経ったまま謝罪の言葉を告げるヴァフドニル。いったとおり得に気にすることでもないため、より気になる言葉の意味を尋ねた。

「寛大なお言葉、ありがとうございます。その件についてお見せしたいものがございます」

見せたいものね
おそらくはここに持ってこれるものではないのだろう。ヴァフドニルの言葉に頷き、二人に目配せをして立ち上がる。

「ご案内させていただきます。こちらへ…………」


いつもならばヴァフドニルのみが潜る扉を潜り、俺たちは彼に案内され本来ならば客である俺たちは訪れることの出来ないだろう区画へと、店の地下へと潜ってゆく。

幾つも並ぶ扉を眺めながら長い回廊を奥へと進んでゆく。

「ここは?」

「奴隷など表に出せない商品を保管している場所にございます。とくにここいらは調教前、または調教途中の奴隷が多いですな」

ヴァフドニルの説明に、たしかにこれだけあの部屋と離れていればあれだけ待つことになるのは当然かと納得後で頷いて見せる。

そうこうしてようやく目的地に着いたらしく、今まで並んでいた簡素な扉ではなく、鋼鉄製の頑丈そうな、そうそれこそこの扉の奥で何が起きようとも、けして外には音の欠片も漏れないだろうことを想像させるに足る大扉の前で立ち止まる。

ヴァフドニルが懐から取り出した魔晶石を扉に翳すと、魔晶石から伸びた光の線が扉の中心へと消えて行き、音も立てずに扉が開いてゆく。

「こちらでございます」

ヴァフドニルに促され、俺達は扉の中へと入ってゆく。中は明かり一つ無い漆黒の闇に包まれ、俺たちに続いてヴァフドニルが中に入った直後、鋼鉄の扉が再び音も無く閉ざされる。

「…………ねぇ、何にも見えないんだけど?」

「申し訳ございません、少々お待ちを」

不満たらたらなジナの言葉に謝罪しながら、ヴァフドニルがなにやら動いているらしく、小さいながらもごそごそと動く音がした後、部屋に明りが満ちた。天井を見上げれば、天井全体が魔晶石で覆われているらしく、まるで蛍光灯のような明りの中、部屋の様子が良くわかるようになる。

「これが見せたいもの、か」

「はい、そうでございます」

視線を向けた先にあったのは、黒い裸体を椅子に拘束され、目隠しと耳栓で視覚と聴覚を封じられ、猿轡をかまされたダークエルフだった。

「こいつは、いつも接待をしてたメイドだよな?」

「左様でございます。イルミリラ=ガーシャルレン、23歳、種族はダークエルフ。当支店で働くこと10年の古株でございますが…………、同時にウィクリースの間者でもございました」

「つまりこいつが?」

「はい、ウィクリース軍がタツヤ様の下へ向かった元凶でございます」

俺はヴァフドニルに例の話は一切していない。しかしそれでもそのことを知っているのは、国を跨りその手を伸ばす組織の面目躍如と言ったところか。
先日ウィクリース軍が秘密裏に動こうとしているとの情報を得たアルトセブ商会は、その規模等に疑問を持ったという。少数なのは奇襲をかけるからと思えば納得は出来るものの、その後詰の準備はしておらず、また軍の向かう方向も周辺の同規模の国ではなく大国エーレスリストス。エーレスリストスが相手だというならば奇襲とはいえ規模が小さすぎる。

その事実からアルトセブ商会はウィクリースへと探りを入れ、俺たちを襲うと言う計画を知ったらしい。
けれどもそれは新たな疑問を憶えることになる。なぜウィクリースが
俺の存在を知り、またかのマジックリングを所持しているのか?いくら国家とはいえ、いやひとつの国だからこそ俺の作った指輪は高すぎる買い物だという。これが大量生産されたマジックアイテムならば、全軍に行き届かせるために購入した可能性もあるが、俺の作ったマジックアイテムを全軍に行き届かせようとすれば、間違いなく国の財政は破綻する。かといって軍の一部に持たせることが理由だとしても、そんな極一部がこのマジックリングを装備したとて、戦況に大きく影響が出るほどの力は無い。
しかもアルトセブ商会は『国』相手にエンシェント級のマジックアイテムの売買は行っていない。ウィクリースがマジックリングを持っているという事実事態がおかしいのだ。確かに俺が個人で売り込んだ可能性も無くないが、探りを入れるうちにその可能性も消え、ますます持って指輪と情報の出所に疑問が出てきたという。
そして調査の目をアルトセブ商会内部へと向けた結果、彼女の存在が浮かび上がってきたのだという。

「正直な話、アルトセブ商会内部でタツヤ様の情報を持つものは総帥と私、そしてこの者のみでございました。ゆえにイルミリラを捉え、尋問を行ったところ………」

「全部吐いたってわけか」

ヴァフドニルが頷き、イルミリラの口からうめき声が漏れる。俺達の声は聞こえていないはずだから、気配で察しているということか。
10年もの間アルトセブ商会の目から逃れて来たんだ、相当優秀なんだろうな。けど事が露見したからには待っているのは死のみだろう。もったいないことだ。

「それで、この者の処分、いかがなさいますか?」

「は?」

「イルミリラの行いは私どもの築き上げてきた信頼に傷をつける行為でございます。しかしこの件はそれ以上に、お客様にご迷惑をおかけしたわけでございまして、このまま私どもがただ処分を下すだけではお客様の溜飲もお下がりにならないでしょう。
ですので当商会ではお客様にご迷惑をおかけした際、その者の処分はお客様の意思一つで決められることとなっております。
生かすも殺すも、犯すも奴隷にするもお客様のご自由でございます。もちろん処分を私どもにお任せいただくことも可能でございます」

そいつはいいことを聞いたな。
イルミリラに近づき、晒されている淫裂を開けば尋問の余韻か、俺達に見られていることを意識しているのか、涎を垂らす姿に嘲笑を浮かべ、その中を覗き込む。処女だな。

「なぁ、ところでウィクリースは今どうなってるんだ?」

「内乱でございますな。王が死に、王女は行方知れず。王位継承権を持つ者もその殆どが城と運命を共にすることとなり、突如出来た王位の空白にウィクリースの貴族達が私兵を起こし各地で戦端を開いております。共倒れになるにしろ、どこが勝つにしろウィクリースに力は残らないでしょう。そうなれば未来は見えたようなものでして、周辺の国、おそらくはエーレスリストス辺りに飲み込まれることとなるでしょうな。
タツヤ様が城を落とされたあの日に、ウィクリースは滅んだといって過言は無いでしょう。そう、貴方様お一人の手で…………」

「あれ?俺が城を落としたって言ったっけ?」

「いえ、しかし状況を見れば間違いないかと」

情報収集能力に推察力、敵に回すと厄介なことこの上ないよなアルトセブ商会は。まぁまわすつもりなんて元から無いけど。

「ならわかるだろう?連中は俺の作ったマジックリングを幾つか所持していた。なのに俺がそれを退けられたってことは、お前達に売っているもの以上の品も作れるってことだぜ。なのにそれを売らない俺は、お前達から見てどう映る?」

「信頼の置けるお客様にございます。自身が作ったもので自身が滅びることほど間抜けな話はございません。自身の作ったものが他者の手に渡ったとき、どうしてそれが自身に牙を剥かぬと言えますでしょうか?そのことに頭が回らぬ危機感に乏しい者は、いずれ私どもを巻き込む事態を引き起こす可能性もございます。
ゆえにタツヤ様の行ったことに対し我々が思うものは何もございません。あるとすれば、今後もよりよいお取引を望むだけにございます」

思っていた以上の返事だな。揉んでいたイルミリラの胸から手を離し、彼女を一度彼女を見下ろしてからヴァフドニルに振り替えった。

「こいつは貰っていくよ。一体何に手を出したのか、身体に教え込むとするさ」

「左様で、ではこちらの方でご用意させていただきますがよろしいですかな?」

「あぁ、頼む」

俺の下した決定に、ジナとバルベラがやはりかとばかりに溜息をつく。そんな二人の間を通り、ヴァフドニルの案内のもと、いつもの部屋へと戻った。

「さて、イルミリラの処分が決まったわけでございますが、今回の件は完全にこちらの落ち度でございます。ですので、こちら謝罪の品をお送りさせていただきたく思いますが、よろしいですかな?」

部屋に戻りソファに座った俺に、今度は自身もソファに腰掛けたヴァフドニルの言葉に、俺は首を傾げた。

「謝罪の品?」

「はい、こちらでございます」

パチンとヴァフドニルの指が鳴らされ、左の扉が開かれる。先ほどメイドに連れられ、小麦色の肌に焔のように赤い髪の毛を持つ幼女が部屋の中に入ってくる。

「ドラグエリア?いや、違う?」

赤い髪の中から生える羊のような巻き角の存在に、角を持つ人種として翠玉と同じドラグエリアが思い浮かぶものの、その背に生える本人の身体よりも大きな翼竜を思わせる赤い翼にその考えを否定する。

「はい、龍人ではなく、ドラゴンそのものでございます。
ドラゴンの頂点とも言われる五大源竜種の一つ、フレイムドラゴン。その幼竜でございます」

どこか不安げな表情で見上げるこの幼女がドラゴン?冗談だろ?

「どうやらご存知ではござらぬようですが、五大源竜種などの上位のドラゴンは普段を人と同じまたは亜人種と同じ姿ですごします。これは本来の姿ではその巨体に見合う糧を得ようとすれば、莫大な量の食料を必要とするからでございます。詳しいメカニズムはわかってはいませんが、竜種が人の姿に化身する魔法は自身の力を抑える代わりに、人の姿に見合う量の食料のみを糧と出来るためその身を化身するのでございます。
幼竜や子竜であればその限りではございませんが、それでもその身を化身する魔法を使用することができるのでございますが…………。
この竜がしている首輪は、その魔法を強制的に発動させるものでございます。
ここまで話せばご理解いただけるかと思いますが、たとえ幼龍といえでもその力は人のそれを大きく上回ります。そんなドラゴンを捕まえるとなれば生半可な方法では不可能でございます。しかし古代魔法繁栄期の魔法使い達はドラゴンの扱う化身魔法に目をつけたのでございます。先ほども申し上げましたとおり、ドラゴンの化身魔法は術者の力を押さえ込むことで、少ない糧で生きれるようにするものでございます。ゆえに古代の魔法使い達は、ドラゴンの化身魔法を強制的に発動させる首輪を作り出し、これでもってドラゴンを捉えることに成功した次第でございます」

「それでこの姿というわけか…………」

いやはや、そんな方法でドラゴンをね。

「そのドラゴンは先日孵化したばかりのドラゴンでございまして、まだ名前を持っておりません。幼竜は自らに名前をつけて物を親と認識いたします。それまでは知能も未熟でこちらの言うことを理解することも自らの考えの基に動くことはほとんどございません」

いかがでございますか?

そう尋ねてくるヴァフドニルに笑みを浮かべ、俺はおどおどとこの場にいる人間を見回す幼竜に顔を向ける。とたんビクリと身体を震わせる幼竜の腕を取り、そのまま抱きかかえる。
抱きかかえられ身体を萎縮させる姿に一瞬嗜虐心が湧き上がるが、それを苦笑して振り払う。

「ありがたく頂いていこう」

無言で頭を下げるヴァフドニルの背後にメイドが立ち、再び顔を上げたヴァフドニルはメイドが手渡した書類をテーブルに広げてこっちに差し出してくる。

「では、及び出しさせていただきました最後の用件にございます。
今回の件を受け、アウムブラ商会の上層部はタツヤ様に関する情報をこのようなことが二度と起きぬよう重要機密として扱うことを取り決めました」

重要機密、ね。

「それに伴い、タツヤ様のもとに我々との窓口ともなる奴隷を御贈りさせていただき、今後我々との取引はその奴隷を介して行うことしたいのですが、よろしいでしょうか?」

「そうした場合の俺のメリットは?」

「こちらから御贈りさせていただく奴隷は商業関連の知識を勉強させた特別なもの、本来ならば我々のほうで使うために教育した奴隷にございます。
金銭管理や情報収集など多くの専門技術を修めさせた奴隷でございますので、デメリットになることはまず無いかと。
それと今後その奴隷を介していただくことにより、タツヤ様が私どもの下へお出向きになられる必要もなくなり、必然的にタツヤ様の情報が面に露出する機会も減ることになります」

奴隷を贈る、ってことはその所有権も俺にくるわけだ。となると強制力は無くとも裏切られる可能性も少なくなるか…………。しかもその奴隷は俺のところには無い技術を多く習得していると来た、か。確かにメリットは大きいな。

「メリットについてはわかった。それを受けた場合のその他の件について教えてくれ」

「はい、タツヤ様の情報を重要機密とする条件して、私どもアルトセブ商会と専売契約を結んで欲しいのでございます。専売契約を結ぶにあたり、マジックアイテムの買い取り価格をわずかばかり減らしていただくことになりますが、私どものほうでもタツヤ様とのお取引では割り引かせていただき、先ほどの奴隷の件のほか希少品の取引の優先など、こちらのほうでも便宜を図らせていただきますので、あまり大きなデメリットとはならないかとぞんじます」

ふぅ、どうしたものか…………。たしかにヴァフドニルの言うとおり俺の方に大きなデメリットは無く、それは向うも同じ。そして先ほど牢でした会話を思い出せば、贈られてくる奴隷も信用できる代物のはず。
金銭やその他の物資に関してはずさんな管理しかしてないからな、ここでそんな技術を持つ奴隷が来るのは願っても無い話か…………。

ヴァフドニルが差し出してきた書類の一番下にあるサイン欄。ここに俺がサインするだけでこの話は決まる。

外泊証明書じゃないけどな…………。

ふと思い出したことに苦笑しながら書類に書かれた文を読み解いてゆき、そこに書かれた契約内容に不備が無く、また魔法の類がかけられた形跡も無いことを確認し、俺は左拳を握り締め、掌に爪を食い込ませる。滲む血を指先に、書類に血でサインを記す。

「ありがとうございます。今後ともよい関係を築き上げてゆけること心から喜びもうしあげます」

幼竜をバルベラに預けて立ち上がり、ヴァフドニルと握手を交わす。

ゆっくりと、そうゆっくりとだが、俺は自分の計画が進んでゆくのを感じ取っていた………………………………。


初投稿、2011,7,11



[28431] 異界淫法録・25
Name: フライングフォックス◆12b42988 ID:64f399be
Date: 2011/07/13 13:46
オストティガの牙に戻った俺は、留守役のクルスカにことの成り行きを説明した後新しい奴隷を紹介した。

「それじゃぁクルスカ、後のことは任せた。ルシア、わからないことがあれば彼女に聞けばいい」

「はい、ご主人様、クルスカ様、これからよろしくお願いします。

新しい奴隷のルシア=ルルアが頭を下げ、対する最近ではすっかりと奴隷達の統括役となったクルスカも静かに頭を下げる。

ルシア=ルルア。彼女がアルトセブ商会から贈られてきた新しい奴隷だ。リーレやルーラのように細く尖った、しかし短い耳は彼女がハーフエルフであることを示している。翠金色の髪を後頭部で団子にした彼女は、アルトセブ商会にいた頃からの制服だというメイド服に身を包んでいる。

彼女の背後ではリーレとルーラが全裸のまま拘束され、目隠しに猿轡、さらに耳栓の完全装備のイルミリラの首輪から伸びる鎖を引っ張り、牢屋へと連行していた。
あれをどうするかも後で考えなければならないだろうな。まぁそれを考えるのにもいい資料がここにはあることだし、それについてあまり困ることは無いだろうが。一階と二階、三階と四階、五階と六階、七階と八階、そして九階と十階の間にそれぞれ存在した隠し階層にからは、幾つもの俺の世界の物が見つかった。最初に見つけた兵器もあれば、カーネラに使ったガムテープなどの日用品と隠されていたものは様々だが、どうやらこれらには存在を固定する魔法がかけられていたらしく、どれも一切の劣化をしていなかった。そんな物資の中にSM雑誌が混じっていたときはさすがに頭痛がしたが、奴隷達の調教に役立つことには違いないので活用させてもらっている。

さて、それじゃ俺はこの幼竜の相手でもするかな。

後のことを奴隷達に任せ、俺は幼竜を連れてすぐ傍の部屋へと入る。さすがに毎回あの階段を使うのも手間なので設けた塔内専用の転移施設だ。

寝室のある三階の転移施設へと転移し、幼竜の手を引き寝室へと向かう。
寝室の扉を閉め、そこでようやく幼竜から手を話した俺は、部屋の中央に置かれたベッドへと座り、手を放したその場所で、怯えた表情を隠さずに俺に向けている幼竜を観察する。

小麦色の肌によく映える燃える様な赤髪は短く切りそろえられているが、生えるそのままに髪がはねるその様は本来ならば活発な印象を与えそうなものなのだが、実際は身体を小さくして怯えているため、そのような印象は無い。
背中に生える赤い翼はクルスカのよそれのように羽毛に覆われたものではなく、太古の地球に生きた翼竜を思わせるもので、本来ならば力強さなどを連想させるのだろうが、今はその身体を包み込める大きさを生かして自身の身体を隠し、翼の隙間からこちらを覗き込むというなんとも小動物チックな行動をとっているため、これまたそんな印象を憶えることはない。というかいくら身体を隠しても燃えるような赤髪とそこから生える巻き角が上から見えていたりする。頭かくして何とやらだな。いやこの場合隠されてないのは頭なんだけどさ。

さて、なんて名前にするか…………。今まで何かに名前を付けるなんてしたことがなかったからな。ゲームをしてもデフォルトのままか自分の名前でプレイしてたし。

もう一度幼竜の姿を見る。翼の隙間からこちらを覗く幼竜と視線が合い、僅かに空いていた翼の隙間が閉じられる。俺から見えるのは燃えるように赤い髪と赤い翼のみ。赤、赤かぁ。

「…………そうだな。おい、コラン」

「…………?」

俺の言葉に反応して幼竜がビクリと震える。再び翼が開かれ、目が合った瞬間に閉じられる。

「コラン、こっちに来い」

「…………コラン?」

「そうだ、それがお前の名前だ」

「ボクの名前?」

恐る恐る翼が開かれ、しかし翼の影に隠れるようにしながら問う幼竜―――コランに頷くと、彼女はおそろしくゆっくりとではあるが1歩を踏み出し、2歩目、3歩目と脚を出すスピードが上がり、最後には小走りになって俺に飛びついてきた。
俺の腹部に顔を押し付け、大きく息を吸い込み、尻尾が僅かではあるが嬉しそうに振られ床を叩いている。

「…………ととさま」

コラン。いろいろと頭を捻った結果出てきた名前だが、元は赤鉄鉱グループに属する鉱石、コランダムからとった名前だ。最初彼女の髪を見て思ったのは紅玉とも呼ばれるルビーだったのだが、出てきた安直さに溜息を付き添うになるのを抑えてルビーに関連することを必死に思い出し、ルビー(紅玉)がコランダム(鋼玉)の変種であることに行き着いたのだ。どちらも同じ“こうぎょく”あり、別の“こうぎょく”でもある。一つの名前で多くの意味を持つことは魔法的に見ても非常に重要なことであることをここ最近のクルスカの授業で学んでいる。
その名前の意味をどれだけ生かせるかはその者次第ではあるが。

まぁ何はともあれ、この幼竜の名前も決まった。これからコランをどうするかではあるが…………。俺が名前を付けたことでコランは俺のことを父親と認識した。少なくともこいつが幼いうちは従順であろうことは予想できるが、成竜となったときどうなるかはわからない。成竜となるのが一体どれほど先かはわからないが、そのときのためにも今のうちからしっかりとしつけておくべきか…………。

俺なりのしつけ方で、な。

コランの身体を抱き上げて膝の上に座らせ、俺は素早く性魔法を唱え、幼い身体が快感を感じるよう強めに魔法をかける。
コランが着ているのはアルトセブ商会が用意した背中が大きく開いたワンピースだ。肩紐をずらして胸元を肌蹴させ、不思議そうに見上げてくるコランの胸をやさしく揉み始める。

「ん………」

擽ったげに目を細めて声を漏らし、翼が小刻みに震える。震える翼の付け根を指先で擦り、ゆっくりと、しかし丹念に揉んでやる。

「んん…………、ととさま?ひぃうっ…………」

胸の先端にある突起を指の腹で潰すように擦り合わせ、可愛い悲鳴を上げる小さな口に唇を押し付けて塞ぐ。性魔法がしっかりと効いているようで、敏感になったコランの舌に舌を絡めて扱いてやる。舌、乳首、翼の付け根の三点を同時に責めてやれば、目の前のコランの瞳はすぐさま快楽に潤み始める。小麦色の肌を赤く染め、全身から力が抜けてゆく。

「んちゅ、むむ、ちゅぁ…………。んん、ちゅ、んちゅ…………」

弛緩した身体を俺に預けるようにするコランの胸を執拗に揉みながらワンピースを捲くり、秘部に手を伸ばす。ぴったりと合わさった割れ目からはコランが感じている証拠である愛液が漏れ出しており、指で割り開いてやれば、トロリと湧き出た愛液が俺の指を汚す。

「ちゅ、ちゅあ…………、あ、ぃゃぁ…………」

「どうした、コラン?」

「ぁぅぅ、はずかしい…………」

「恥ずかしいことなんて何も無いさ」

秘裂に指を這わして探し出した淫核を、皮の上から潰すように擦りあげる。

「ひぅ…………!」

かわいらしい悲鳴を上げ両手で顔を隠すが、それにはかまわず淫核を休まず擦り、コランの息がどんどん荒くなっていくのを笑みを浮かべて眺める。

「ぁ、ぁぁぁぁ…………、ととさまぁ、ひぁ…………、ボク、変に、ん、変になっちゃうぅ…………」

「大丈夫、変になんかならないさ。こうされるのは気持ちいいだろう?」

胸に顔を押し付けていやいやをするように振られる頭を撫でながら、しかし淫核を弄る手は休めず、喘ぎ声が混じり始めるコランの淫核をより執拗に責め立てる。

「ひぅん…………、わ、わかんない、んん、はぁ、ボク、わかんんない…………、はぁ、はぁ、んんん、んぁ、こんなのぉ…………、ボク、はじぃん、初めて、だからぁ………」

「じゃぁ、これは嫌か?ここをこうやって弄られる感触は、嫌いか?」

「わかんない、わかんないよぉ、ぁ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あぁぁぁ、これ、これが、気持、いいの?気持ちいいってことなの!?」

限界が近いのか、何かに耐えるように声が大きくなり、と息が荒く、熱くなる様に俺はこの快楽を教え込むために耳元で囁いてやる。

「あぁ、そうだ。これが気持ちいいってことだ。だから、言ってごらん。気持ちいいって」

「あ、あん、あ、あ、あ、ぅん、んはぁ、はぁ、はぁ、気持、いい、気持いいよぉ!ととさまぁ、ボク、きもちいい!!
あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、なにか来る!気持ちいい何かくるぅ!」

「そうだ、なにか来るか。コラン、それがいくってことだ。気持ちよくて気持ちよくて、そしてすっごく気持ち良いってことだ。いく、って言ってごらん。いくって、大きな声で、そう言いながらいくんだ」

「いく…………?いく……。いく、いく、いく、いくいくいくいくいくいくいくいくいくいくぅぅっぅぅぅぅぅっぅぅぅぅぅぅぅぅっぅうぅ!ボク、いっちゃうぅぅっぅぅぅぅぅぅぅっぅぅぅぅぅぅう!」

性魔法により敏感になり、さらに擦り続けたことにより皮を剥かれた淫核を、直に押し潰すのと同時にコランは絶頂を迎えた。顔を限界まで上に上げ、白目を剥いて痙攣しながら、コランの淫裂は勢い良く潮を吹いている。
まさか性経験無しでいきなり潮吹きか。性魔法を強くかけすぎたか?

コランの乱れた服を戻してやり、ルーラに念話を繋げる。寝室の前の部屋をコラン用に用意するよう命じ、コランは一応俺のベッドに寝かしつける。

しかしドラゴンか、俺が知ってるドラゴンなんてのは元の世界での空想上のそれだ。この世界のドラゴンについても調べる必要があるな…………。





コランを寝室に残し、俺は地下の牢屋へと脚を運んだ。目的はザクロだ。
地下四階の一番奥にあるザクロの牢屋に付いた俺は、塔を介して中を確認しておおむね想像通りの状態に笑いがこみ上げるのを我慢しながら、牢屋の扉を開いた。

牢屋の扉が開かれ、いつぞやの焼き増しのごとく、肌色に紅を伴った影が薄暗い牢屋の中を駆ける。
俺の視界の中で紅が踊る。片手が振り上げられ、鋭い爪が暗闇の中を閃く。
暗闇の中で弧の軌跡を描いたナイフのごとき5本の爪が、俺を切り裂かんと振り下ろされ、俺の眼前で止められる。

先に言っておけば、昨日彼女に突けた首輪には、俺を傷つけようとしたとて装着者を止める力は無い。さらにこの場には、ここ数日間に渡り彼女を拘束し続けたグレイプニル存在せず、俺自身も魔法は一切使っていない。

「どうした?俺を殺すんじゃなかったのか?」

「あ、あぁ…………」

目の前で震える爪の向こう、何か理解できないものでも見たかのような表情のザクロに余裕を見せ付けるかのようにそう尋ねる。

俺が1歩踏み出せば、ザクロも1歩後ずさる。

俺とザクロの間には阻むものは何も無く、殺そうと思えばいつでも殺せる距離。しかし、ザクロは俺を殺さない。いや、殺せない。

「今お前がどう思っているのか、当ててやろうか?なんで防ごうとしないのか、だろう?」

「な、なんで…………」

もう1歩足を踏み出し、ザクロもまた1歩後ずさる。

「ざくろ…………」

「ひぃっ!」

俺が足を踏み出すたびにザクロが後ずさり、ついにはその背に牢屋の壁がぶつかり、ザクロの顔のすぐ横に手を突いて逃げ道を塞ぐ。

「お前にはもう、俺は殺せない。そうだよな?俺を殺しちまったら、一体誰がお前を嬲ってくれるんだ?」

ガチガチと歯を鳴らすザクロの秘部に手を伸ばしてやれば、俺の想像通り彼女のそこは既に濡れており、俺はますます笑みを深めて彼女に顔を近づける。

「お前が俺を殺すために本気で襲い掛かれば、俺には何もすることも出来ず、ただ影が動いたと気付けても、何をされたかもわからずに殺されてたはずだ。グレイプニルもここには無いしな。
けど見えたぞ?お前が爪を振りかぶったのも、俺に向かって床を蹴ったのも。
本気じゃなかった。そうだよな?ただ俺に歯向かう様子を見せればすぐさま拘束されるはずだと思ったんだろう?また嬲り者にしてもらえると思ったんだろう?」

明らかに怯えの色を見せるザクロの瞳を覗き込み、俺はザクロの淫核を千切らんばかりに摘み上げた。

「ぃぎぃぃっぃぃいぃぃっぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!」

今まで意図的に行わずにいた淫核への責めは、彼女にとって未知の痛みだったのだろう。悲鳴を上げて倒れかけるザクロを壁に押し付け、摘んだ淫核を捻り上げる。

「あ、あ、あ、あぎぃいぃいぃいぃぃいいぃいぃ!い、いたいぃ…………!」

「正直に答えろ、抵抗するそぶりを見せたのは俺に虐めて欲しかったからだろう?」

耳元で囁くように、しかし語気に力を込めてザクロを問い詰める。淫核を捻り上げ、同時に愛液の溢れる淫裂に指を突っ込み、責め立てる。

「あ……、ぎぃぃいいっ…………、ぞ、ぞう、でず…………。まだ、いじめで、ほじぐでぇえええええっ!」

「この豚が…………!あんなに痛めつけられて、それが気持ちよかったんだな?そうなんだろ?」

「あ、ぐ、い、あ、んn…………。は、いぃぃぃぃぃぃぃぃつ!ぎもぢ、よがっだです…………!」

「は、どうしようもないマゾだな。お前は狼じゃない、痛めつけられて感じる牝豚だ」

「はい、はいはいぃぃっぃぃぃぃっ!ぶだでず、ヴぉれはめずぶだでずぅぅぅぅぅぅっ!」

千切らんばかりに淫核を捻り続ければ痛みにろれつがおかしくなり、俺はそこで手を離して頭を掴んで牢屋の真ん中へと引きずり倒す。

「あぐぅっ………!」

うめき声を上げ、連日の責めで体力を失った彼女は、たったこれだけの責めで震えだす腕に力を込めて上半身を持ち上げようとする。けれどそれを頭を踏みつけることで地に伏せさせ、尻を持ち上げるように命じ、ザクロは素直に尻を高々と持ち上げた。

「おい、牝豚。そんなに虐めて欲しいのか?」

「………は、ぃ。
いじめで、ぐださぃ…………」

頭を踏みにじりながらの問いかけに、ザクロは肯定の言葉を吐く。
頭から足をどけ、それをザクロの目の前に出し、命ずる。舐めろ、と…………。
その命令に、ひじょうに鈍くはあれども、ザクロは頭を持ち上げ、俺の靴に舌を伸ばして舐め始める。

堕ちた。ザクロは完全に堕ちたと確信した。もう少しかかると思っていたが、今の彼女の姿を見れば誰もが落ちたと確信するだろう。

ザクロに靴を舐めさせつつ、俺はズボンを下ろしてペニスを出し、それをザクロに向ける。何の前触れも無く足を引き、それにつられるように上を向いたザクロの顔に、俺は小便を放った。

「あ、あぁ…………、お、しっこ?」

顔から俺の小便を浴びせられ呆然としたのもつかの間、ザクロは口を大きく開けて俺の小便を口で受け始める。
震える両手で身体を支え、俺の男根に舌を伸ばして小便を飲む姿に、俺は笑いを抑え切れなかった。

「小便を浴びせられ、しかもそれを飲むか…………。どれだけ変態なら気が済むんだ?この豚は」

「おい、ひぃです…………、ごじゅじんざばのおじっご……………………」

じょじょに恍惚としてゆくザクロから小便を出し切った剛直をどかし、俺は再び頭を踏みつけ小便黙りの中に顔を押し付けると、ザクロは床に舌を這わして零れた小便を舐め取り始めた。調教当初の姿を思い出し、これがあのザクロと同一人物かと思うと、その滑稽で無様な姿に声を出して笑い出していた。

ひとしきり笑い終えてザクロを見下ろせば、どうやら床に零れた小便を舐め取ることに没頭していたらしく、俺の笑い声を聞いていなかったようだ。
ザクロの頭から足をどけて背後に回り、俺は懐から用意しておいた道具を取り出し、尻を突き出したまま小便を舐めることに没頭するザクロの淫裂に、それを押し当てた。

「まったく、誰の許しを得て舐めてるんだ?この牝豚は…………」

淫裂に押し当てた黒い塊、それの“スイッチ”を入れた瞬間、ザクロの身体が跳ね上がった。

「あぎぎぎぎぎっぎ偽議疑戯魏宜蟻擬欺伎祁祇意居衣胃射伊依異医鋳委威夷井亥入位猪李囲以帷胆ゐ莞蔚椅唯遺ヰ移飴畏葦惟彙慰揖斐違謂尉維意萎緯五射胃射伊依異医鋳委威夷井亥入位猪李囲以帷胆ゐ莞蔚椅唯遺ヰ移飴畏葦惟彙慰揖斐違謂尉維莞蔚椅唯遺ヰ移飴畏葦惟彙慰揖斐違謂尉維意萎緯五射胃射伊依異医鋳委威揖斐違謂尉維意萎緯五射胃射伊依異医鋳委威夷井亥入位猪李囲以帷胆ゐ莞蔚椅唯遺ヰ移飴畏葦惟彙慰揖斐違謂尉維莞蔚椅唯!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

唱えた魔法で四肢を拘束し、しばらくの間意味不明な悲鳴を上げて痙攣するザクロを見下ろしたのち、淫裂に押し付けていた“スタンガン”のスイッチを切った。

隠し階層で見つかった兵器の中から、調教に使えそうだったために手元に置いておいたものだ。

電撃を浴びせられて痙攣するザクロ。その淫裂から勢い良く潮を吹き、恍惚とした表情で口を動かしていたが、何を言っているのか聞き取ることは出来ず、その直後に締まりのない恍惚とした表情のまま白目を剥いて気絶する。

「調教、完了だな…………」

後片付けはリーレにでも任せるか……………………。
潮と小便塗れとなったザクロと牢屋の床を見下ろし、溜息混じりにそう思った。



初投稿、2011,7,13



[28431] 異界淫法録・26
Name: フライングフォックス◆12b42988 ID:64f399be
Date: 2011/07/19 11:06
カーネラを捕まえてから早くも1週間が過ぎた。
最初の調教の後は、お手製の魔力式ローターでの強制絶頂を気絶するまでやってやったりなどしていたのだが、内容はあまりに面白みに欠けるので省略させてもらう。
まぁなんにしてもここ1週間の調教は、すべて精神力を削るための準備でしかない。
つい昨日いいものも手に入ったことだし今日辺りにでも、心を折りやすくするために心を削ろうと思っている。

で、先日調教の終わったザクロだけど、いやさすがはヴァルフ。この世界でもトップクラスの治癒力は半端じゃないね。まんこにアナルにあれだけ手を突っ込んで滅茶苦茶にしてやったっていうのに、ガバガバになるどころかしっかりと俺のものを締め付けてくるんだから。その上フィストファックもすんなり受け止められるくらいだし、慣れることはあっても衰える(締め付けが)ことは無いんだろうな。

そうそう、毎度恒例になってる守護の指輪。ザクロのものは特別製のものを用意してやった。攻撃を防げど痛みだけは伝わるようにしてやった特別製を。ハードマゾのザクロにはぴったりの代物だと思うんだよな。

他には元ウィクリース兵達の調教も順調なようだ。この1週間でリーレが早くも1人仕上げてきて、つい先ほどまで相手をさせていた。ピルム=リディアムという女兵士だ。
こうやって奴隷が増えてきたのはいいが、最近あいつらにさせる仕事が少なくなってきている。クルスカのように俺のサポートや、ジナや翠玉のように奴隷の調教をしているやつはいいが、ルーラやエリルなどはメイドの格好で雑用をしている連中やザクロ、今回のピルムなどは、オストティガの牙の規模から言って数が増えるにしたがって一人当たりの仕事の割り当てが減ることになるし、後の二人見たいのなんかはさすが兵役、家事などの仕事が下手。あいつらに合った仕事なんて荒事ぐらいなもののため、出来ることが無さ過ぎるのだ。
これは計画を繰り上げて進めたほうがいいかもしれないな。無駄な時間が多すぎてもったいない。

と、考え事をしているあいだ瞑っていた目を開けば、寝室は暗闇に呑まれていた。ここ1週間魔力石による照明は切っており、明かりを自分でつけるようにしてある。このように…………。

「んーーーーーーーーーーーーーーーーっ!」

パチンと乾いた音と共に飛ばされた火花が目標に命中し、赤い火の光が室内を照らすのと同時に、光源からくぐもった悲鳴が上がる。

悲鳴がくぐもっているのは、彼女の口にボールギャグを嵌めているからだ。
元ウィクリースの間者であるイルミリラ。彼女は今部屋の隅、壁のかどのところに拘束されている。目隠しとボールギャグを嵌め、指の1本1本に錠を嵌めて床に縫いとめ、手首、肘といった間接部もまた床に縫いとめている。両足は高々と掲げられて壁に拘束され、いわゆる逆さ吊りの状態だ。両足を壁に沿って90度に開かせ、陰部をこちらに晒させている。そして今、彼女の淫裂には鉄製のコップが捻じ込まれ、そこに注がれた魔油に灯された火がこの部屋の光源となっている。鉄のコップには人の肌が焼きただれるほど熱くはならないように魔法をかけてはあるが、言ってしまえばそれだけ。ここにつれてこられてから毎晩、イルミリラはこの火責めにあっているのである。

「ピルム、下がっていいぞ」

「はぁ、はぁ、はぁ…………、ご、主人様…………。ありがとう、ご、ざいました…………」

足元に跪いて奉仕していたピルムを下がらせ、俺は本棚から取り出した魔道書を開く。
魔道書といってもいろいろと種類があり、魔法について記述してあるもの、マジックアイテムの作成法についての記述、魔獣、つまりはモンスターについてのものなどがる。俺が今読んでいるものも、魔法について記しているものではなく、過去から存在する魔道施設、ここオストティガの牙のようなものに関する記された魔道書だ。

先日早くもウィクリースがエーレスリストスに併呑され、それに伴いもと冷え痛い崩れの山賊などが急増した。そいつらがここに攻めてこようとどうと言う事は無いが、うっとうしいのもまた事実。そのうえこのままペースで奴隷の数を増やせばここもすぐに手狭になる。その前に新しい拠点を探す必要がある。
こういう魔道書に記されているものは、大抵が魔獣の住処になっていたりと、いわゆるダンジョンとなっていることが多いが、俺の場合はその方が好都合だ。魔獣の屍骸はマテリアルになるし、ザクロたち荒事が得意なやつの仕事ができるし、余計な邪魔も近寄ってこれないはず。未踏破のダンジョンなら過去のマジックアイテムを手に入れるチャンスもあるだろう。
とまぁ、そんな都合のいい場所を探すために開いた魔道書だが、そういう場所がそうそう転がっているわけが無い。読み終えた魔道書を既読用本棚にしまい、俺は地下牢へと向かった。





いつも変わらぬ蝶番の軋む音。開かれた扉の奥から流れ出るアンモニア臭に眉を顰めつつ、俺は牢屋の中へと足を踏み入れる。

「…………またいらしゃいましたの?しょっちゅうこんなところにまで足をお運びになって、よっぽどお暇ですのね」

「まぁな、おかげさまでお前らで遊ぶことぐらいしかやることがなくてな」

皮肉を嘲笑交じりに返されカーネラの表情が歪み、それを見て笑みが深まるのを自覚する。扉が開いたときに移動したのだろう、牢屋の隅では怯えた表情でエルディアが俺のことを見ているが、視界の端に映ったそれを無視してカーネラへと近づいてゆく。

「なんですの、それは…………?」

床に拘束されたカーネラの視線が俺の手元に下げられたバケツに向けられる。俺は彼女の問いには答えず、ただ嘲りの笑みを返して彼女の後ろに回る。
カーネラの後ろに回った俺はバケツの中から一本の杭を取り出し、それを見て何かを言おうとするカーネラを遮って、なんの準備も無しにアナルへとそれを捻じ込んだ。

「あぎぅ…………!くっ、あなたは、本当に、れ、レディの、扱い、が…………。なって、ませんのね…………。ひぎぃっ!」

「いつも言ってることだがな、お前みたいに小便塗れの女をレディとして扱うわけが無いだろう?」

戯言を切って捨てて杭の柄の部分を捻って仕掛けを発動させると、カーネラの口から悲鳴が漏れる。この杭の仕掛けはそうたいしたものではない。柄を捻ると先端部分が展開し、かえしとなって抜けなくなるのだ。

「そういえば、ここに来てから一度も糞をしてなかったな?」

腸内に異物を捻じ込まれた痛みに堪えながら俺を睨みつけていたカーネラの表情が蒼くなる。今言ったとおりカーネラはここに来てから1週間一度も大きいほうをしていない。エルディアと違ってしっかりと(無理やりではあるが)食わせているというのにだ。まぁ、でもその理由は簡単だ。すれば糞はカーネラ本人のに降り注ぐことになることを考えれば、彼女が魔力でもってコントロールしているのだろう。しかしコントロールしているからとはいえ、出るべきものが消えるわけではない。ただ単に排泄していないだけであり、身体を折り曲げるような体勢ゆえにわかりづらいが、カーネラの下腹部は不自然なふくらみを見せている。妊娠、ということはありえない。なぜならこいつはまだ処女だからな。考えるまでも無いだろう、腸内に排泄物が溜まっているだけだ。

バケツの中からもう一つ用意していたものをカーネラには見えないよう注意しながら取り出す。非常に太い竹で作られた昔懐かしい水鉄砲。当然この中に入っているのは水などではなく、昨日手に入れたあれ。翠玉がルシアを通して手に入れた『酢』を薄めずに入れてあるのだ。竹の先端に取り付けられたチューブを杭の柄にある取り付け口にはめ込み、中身を腸内へと注ぎ込んだ。

「な、なん、ですの?何かが私の中に、入って、くる?」

どうやら早速効いているらし。青ざめていた顔に徐々に汗が浮かび始め、その表情が徐々に苦痛に歪んでゆく。竹筒のサイズは大きく、おそらくは2リットルは入っているのではないだろうか?そしてカーネラの腸内には1週間分の排泄物。彼女を襲う苦痛たるや俺には想像できないし、する気も無い。たとえ魔力でコントロールしていようとも、これを抑えておけるほど今のカーネラに余裕はないはずだ。つまり、遠からずカーネラは自分の顔に自分の糞をぶちまけることになる。本来なら。

「う、ぐ、くぅぅぅぅっ………」

「辛そうだな?」

「あぐっ!」

呻くカーネラを見下ろしながら、彼女の排泄を封じている杭の柄を爪先で小突いてやると、その衝撃だけでも辛いらしく、カーネラの口から悲鳴が上がる。

「さて、どうする?便所に行きたければ俺に頼むしかないわけだが………」

「くっ、だ、誰が…………、あ、あなた、など、に…………」

苦痛に耐えるカーネラの予想通りの返事に、俺は笑みを浮かべて牢屋の外へと歩き出す。背後からカーネラの疑問に満ちた声が聞こえてくるが、俺はそれ以上何も言わずに牢屋の扉を閉めた…………。





研究部屋で魔道書を読んでいると、少々控えめなノックが響く。塔に意識を集中し、扉の前にいるのがクルスカであることを確認し入室を許可する。

「タツヤ様、失礼します…………」

いつもどおり、扉を閉めて頭を下げる彼女に頷き、魔道書を閉じながら用件を促す。今こいつの仕事といったら兵の調教くらいだが、その報告って訳でもなさそうだし、一体なんだ?

「実は、先ほど周辺の見回りをしてきたのですが…………」

あぁ、クルスカってたまに見回りに出てたな。空を飛べるとそういう仕事を手早く終わらせられるし。

「その途中でこの塔のほうへ向かう馬車を見つけたので呼び止めたのですが…………」

「おいおい、ウィクリースの焼き増しか?」

「いえ、馬車に乗っていたのは女が3人、私が話したのは内の一人でしたが、タツヤ様にお目通りしたいと。それと、これを渡してくれと………」

俺に会いにか、ますますウィクリースの対応を思い出すけど、こっちは女3人て話しだしなぁ。
とりあえずクルスカが差し出す封筒の封を破って中を覗いてみる。

「ん?」

封筒の大きさに反して入っていたのは指輪が二つ。その片方は見覚えのある品だ。というか俺の作った『守護の指輪』だ。
封筒を傾けて中身を取り出し、俺の指輪ともう一つを見比べる。俺が作るものに比べて魔力は小さい、けど俺がつくる物がエンシェント級であることを考えればこれが普通なのか?
魔力を通して調べて見れば、これもまた『守護の指輪』であることが伺える。こりゃ一体どういうことなんだろうな。二つを見比べてみろってか?

「…………どう思う?」

クルスカに『守護の指輪』を投げ渡し、受け取った指輪を俺と同じ用に調べ、驚きの表情を浮かべる。

「これは、タツヤ様のものに比べれば質は落ちますが…………。すみません、比較対象が間違っていました。
間違いなく優秀な魔法使いが作った一級品のマジックアイテムです。少なくとも私が知る限りで、現代においてこれ以上の品を作れる者は数えるほどでしょう。もちろんタツヤ様を除いてですが」

「ふぅ、どういう意味なんだろうな」

「申し訳ございません。私はこれを渡してくれと頼まれただけですので…………」

「意味が知りたければ会ってみるしかないか。
クルスカ、そいつらをここに案内しろ。1階の応接室(エリルが暇つぶしに造った)に通せ。護衛にジナ、カヤン姉妹には茶の用意をさせておけ」

「はい、了解しました」

失礼しますと部屋を辞したクルスカの気配が遠ざかっていくのを感じながら、俺は手元のマジックリングに視線を落とす。
はてさて何が出ることやら。俺の作った者と自分で作った物を贈りつけて『たたきつけろ、挑戦状』なんてことは無いとは思うけど…………。幾つか準備はしておくべきか。

言葉の真偽を見抜く『真実の眼』。最近作ったばかりのマジックリングだ。込められた魔力量により性能が決まるのはマジックリングの常。今回も馬鹿みたいに魔力を込められたこのマジックリングなら、例え相手の魔力量が高くてもレジストされることはない。

それと幾つかのマジックリングを指に嵌め、一階の応接室へと向かった。





俺が応接室に着いたとき、ジナは既に俺が座るソファの背後に控えていた。軽く頷いて視線を交わしてソファに腰掛ける。そして間をおかずに紅茶の入ったポットを持ってリーレが入室してくる。件の客人とやらはまだ来ていないため、俺の分だけ紅茶を入れると、ポットをワゴンに戻して部屋の隅で待機する。

リーレの炒れた紅茶を飲みながら待つこと15分ほど、ようやくクルスカが客人とやらをつれて塔に戻ってきた。塔を通して得られる情報によれば、確かに客人とやらは全員女らしい。さらに言うなれば、3人全員高位の魔法使いだ。保有する魔力量はどれもカーネラと同等。クルスカの授業で魔法についての常識を学んだからわかるが、これほどともなれば名が売れていてもおかしくないレベルだ。それこそノールマン学院五大魔女ぐらいに…………。

思考しているうちにクルスカたちが応接室に辿り着き、扉がノックされる。エリルも請った仕掛けを施したもので、俺の座るソファに魔力を通すと、たった今ノックされた扉が音も無く開かれた。

一言入室の許可を出し、クルスカに連れられた3人が室内に入室してくる。
入ってきた女達は、最初に入ってきた奴を除いた二人は、フード付きの黒いマントを羽織、フードも表情が影で見えなくなるまで深く被っていた。残る1人、二人をソファの背後に立たせ、自分だけソファに座った女は、後ろ髪だけを結い上げ、前髪を2房たらすという独特の髪型をしていた。紫色の髪と同じ、紫のフレームで作られた細長い知的な眼鏡をかけ、紫色の口紅が塗られた口をどこか色気を伴う笑みの形に歪めながら、身体の線が丸わかりになるような紫色のドレスを揺らしながら座り心地を確かめている。

「初めまして、私はフィルミ=エルファと申します。お会いできて光栄ですわ」

フィルミ=エルファ。おいおい、それって確かカーネラと1、2を争ったノールマン学院五大魔女の名前じゃなかったか?

「…………タツヤだ。
フィルミ=エルファ、ノールマン学院の?」

「はい、その通りでございますわ。
タツヤ様にお名前を覚えていただけていたとは…………、光栄でございます」

ソファに座ったまま頭を下げるフィルミの言葉に嘘は無い。それは『真実の眼』により確かな情報として俺に知らされる。俺に会い、名を覚えられていたことを心のそこから光栄に思っているらしい。二言三言しか話していないが、フィルミのその姿は嘗て見た一部のキリスト教を思い起こさせる。そう、狂信者とでもいえそうな熱心な信者達を。ちょっとまて、そうするとこの場合俺はあれと同じように見られているってことか?さすがにそれは勘弁願いたいところなんだが。

あぁ、くそ。今はとにかく話を続けるべきか。
リーレがフィルミの前に紅茶を準備して部屋の隅に戻ってゆく。彼女が壁際でこちらに振り返るのとほぼ同時に、懐の中から封筒に入れられていた二つのマジックリングをテーブルの上に並べた。

「お前のか?」

「はい、私が作った品でございます」

フィルミはどこか嬉しそうにそう答える。テーブルの上から彼女が作ったマジックリングを手に取り、鑑定するようにそれを見た後、かぶりを振ってそれを元の場所へと戻した。

「私ではこの程度のものしか作る事ができませんでしたが…………」

「それでも相当なものらしいがな…………」

「ご冗談を…………。タツヤ様のお作りなったマジックリングと比べればおもちゃのようなものです」

「………………………………。
そうか…………、まぁいい。で、あんたは何のようでここに来た?」

俺の問いにフィルミは立ち上がり、テーブルを避けて俺の傍まで近寄ると、足元に跪いた。臣下が主に頭を垂れるかのように。

「なんのつもりだ?」

「タツヤ様のお作りになられたマジックリングを眼にしたとき、私は雷に打たれたかのような衝撃に見舞われました。まさか今の時代にここまでのマジックアイテムを作れる奴がいるのかと。私はそれまで自分は同じノールマン学院五大魔女と呼ばれるカーネラや、西の賢者ライルマン、エルパイルの女王ミノラ=エルパイアなどごく一部以外に私をうわまれる存在はいないと考えていました。それこそその一部の存在とて、いつかはその上をいくことができると…………。
タツヤ様のマジックリングを手に入れ、持てる全てをもって私もマジックリングを作成しました。それこそ何度ども。しかし私の作ったものはどれもそれを超えることはおろか、足元にも及ばぬもの物ばかり。初めてでした、あれほどもの敗北を味わったのは。決して勝てないと感じたのは。
タツヤ様、私めをお仕えさせてください。天狗になっていた私を、完膚なきまでに打ちのめした、貴方様に」

……………………マジか?
考えてはいた。あれのためにもノールマン学院五大魔女と呼ばれる連中全てを配下に加えることは。カーネラのようにエルディアを追い詰めるのに使用し、俺の手足とすることを計画してはいた。しかしそれは当分先のつもりだった。他にも準備したり無ければいけないことがいろいろとあったしな。しかし、あっちの方からこうやって接触してくるとは…………。

『真実の眼』によりフィルミの言葉に嘘偽りが無いことは確か。そう、理性ではわかっているとはいえ、そう簡単に納得できるかといえば首を傾げざるをえない。言葉に嘘が無くとも『嘘』を付く方法などいくらでもあるのだから。

「俺に仕えたい、か」

さて、どうしたものか…………。翠玉と同じように『絶対なる忠誠』を使うか?

「はい。そして今回お目通りするにあたって、献上品も用意させていただきました」

献上品?そう問う前にソファの後ろに控えていた二人の女が動いた。一切のよどみも無く、全く同じ動作でフードを外し、着ていたマントを脱ぎさった。

マントの下から出てきたのは乳房を丸出しにしたコルセットのようなおそろいのボンテージだった。さらには魔術品と思わしき首輪をつけ、口には猿轡を噛ませられ、秘裂を、ある出しにした二人の女。
片方は短く切りそろえた金髪の女。アスリートのようなしなやかな四肢を晒しながらフィルミのことを射殺さんばかりに睨みつけている。
もう一人は青髪を膝の辺りまで伸ばした挑発の女だ。こちらは金髪の女とは正反対にフィルミとは目を合わせぬよう視線を逸らし、どこか諦めた雰囲気ような雰囲気をかもし出している。

「エーレスリストス国宮廷魔導師、キュルカリオ=セネンジとフロネリス=トーアでございます」

その言葉を聞き、俺は目を見開いた。『エーレスリストス国宮廷魔導師』その肩書きに驚いたのではない。俺が驚いたのはその名。
『キュルカリオ=セネンジ』と『フロネリス=トーア』だと?

こいつはいったいどんな冗談だ?キュルカリオ?フロネリス?ノールマン学院五大魔女の残る二人の名じゃなかったか、それは?

「おい、まさか…………」

「はい、私と同じノールマン学院五大魔女と呼ばれる二人でございます」

二人の魔女につけられたあの首輪、ロストマジック関連の魔道書で見た覚えがある。たしか『傀儡呪』と呼ばれるロストマジックのための魔道具じゃなかったか?名前の通り呪いを受けた相手を操り人形のごとく操る魔法、しかしこれはただ首輪を嵌めれば言い訳ではなく、そのまえに幾つかの儀式が必要。術者の傀儡と成り果てることとなるこの魔法を二人が黙って受け入れるはずも無いだろう。そうなると戦闘の一つや二つはあって当然、二人から感じられる魔力の量はたしかにフィルミよりも低いが、そんなものは僅かなものでしかない。だというのに二人に無傷のままに魔法をかけた?たとえ俺の作った『守護の指輪』があったとしても、あれで干渉できるのは物理的な攻撃のみ、電撃や熱などのエネルギー干渉に対するマジックリングは俺やクルスカたちの分以外作っておらず、いっさい放出していない。だというのにどうやって実力の近い相手をこうも無傷で捕まえられた?

表情にでていたのか、フィルミは薄く笑みを浮かべると静かに立ち上がり、キュルカリオに近づき首輪に触れる。

「お気づきかと思いますが、これは『傀儡呪』の媒介となる首輪でございます。本来なら二人を相手取ってこうも無傷で魔法をかけることは不可能でしたが…………。タツヤ様の疑問はその点でございましょう?」

俺は無言でソファに深く座りなおし、続きを促して睨みつける。フィルミはドレスを翻して再び俺の傍に近寄り口を開いた。

「『代価と代償』という儀式を、ご存知ですか?」

その言葉を聞いた瞬間、俺は息を呑んだ。フィルミが手に嵌めていたマジックリングを外したのと同時に、魔力量が三倍ほどに膨れ上がるが、そんなことは問題ではない。俺が弧の地位を得るにいたった原因の一つ、『代価と代償』だと?
魔力を得るための禁術であるその魔法を使ったということか、その真偽は『真実の眼』を見るまでも無く膨れ上がった魔力から事実であることが伺える。つまり、この膨大な魔力で持って(とはいえ俺のそれとは比べるべくも無いが)彼女達を…………。

「魔力を得るための禁術『代価と代償』。これで得た魔力で持って二人を無力化し、『傀儡呪』をかけて二人を捕らえました。
この禁術は、名前の通り魔力を得るためには代価と代償が必要不可欠。私のだかは純潔を守ること、代償はそれを失ったとき相手に隷属するという契約。
いきなりタツヤ様に仕えたいと現れた私を信用することなど出来ないとは思います。ですが、忠誠の証としてこの純潔をタツヤ様に捧げたいと思います」

頬を上気させながらドレスのスカートを捲くり上げ、下着を着けていない股間を露にするフィルミ。淫裂からは既に愛液が垂れており、恍惚とした表情を浮かべて彼女は俺を見つめていた。



初投稿、2011,7,19



[28431] 異界淫法録・27
Name: フライングフォックス◆12b42988 ID:64f399be
Date: 2011/07/21 11:18
「よろしかったのですか?」

ルーラにフィルミを部屋へと案内させた後、応接室に残っていた俺にクルスカが問いかけてくる。

「…………あぁ、言っていることに偽りは無かったからな。おそらくいっていたこと全て本心からの言葉だろうよ」

「なんか変な感じだったけど、使える魔法使いがタツヤの配下になった、そういうことでいいんだよな?」

どことなく疲れた様子のジナに、俺は無言で首を振った。

純潔を捧げるといったフィルミに対し、俺はその場であいつの処女を奪って隷属させ、魔力の全てを奪った。魔力については俺の意思一つで吸い上げる魔力の量も変えられるため、彼女の魔法使いとしての力が失われることは無いからだ。エルディアなんかは一生枯渇させるつもりだが。

「…………俺はな、俺のことを何も知らずにああやって忠誠を誓う奴を信用する気は無い。あいつのあれは忠誠を誓うのとは違う、あいつに『勝った』『俺』という存在に盲信しているんだよ。確かにあいつの才は役に立つかもしれない、いや事実役に立つだろうよ。けどな、あいつは俺のためならばなんでもする。俺のためになると思えば、俺の意思に反することだろうとやる。何かに盲信するやつってのはだいたいそんなもんだ。
一応俺が手綱を握っているとはいえ、四六時中あいつに意識を裂いているわけじゃない。気付かぬうちにとんでもないことをやらかされたら…………。
才と技術を持っているだけに行動を制限してその才を順全に使えなくするのは愚か、とはいえあいつの盲信ぶりからして野放しするわけにもいかない。
あいつに必要なのは首輪じゃなく鈴だろうな…………」

そう、鈴だ。何かをしようとする前に俺にそれを知らせる鈴という存在をフィルミにつける必要がある…………。
とりあえず特にこれといった仕事を与えていないルーラをフィルミにつけよう。それと、翠玉の調教しだいだが、玉鈴に裏から見張らせるか…………。といってもあいつには他にやらせたいことがあるから、四六時中付かせる訳にもいかない。幾人かで常に最低一人はフィルミについているよう人員を調整するべきか。ちっ、人手が増えてもまだ足りないか…………。今調教している連中を早急仕上げる必要があるな。差し当たっては…………。

猿轡を嵌められたままの姿で立ち尽くすキュルカリオとフロネリスに視線を移す。既に二人の操者としての権限はフィルミから譲り受けているため、俺が何を言うまでも無く俺の意に従って二人は自分の手で猿轡を外す。

「…………なんの用だ」

フィルミに向けていたのと同種の鋭い視線で睨みつけてくるキュルカリオ。彼女の問いには答えず、俺は無言で立ち上がり出口へと向かう。

「ジナ、お前はルーラにフィルミの監視の件を伝えてきてくれ。クルスカ、研究部屋に行くぞ」

俺の命にジナが応接室を飛び出してゆき、それを追うように俺たちも研究部屋へと向かう。研究部屋に戻っていつもの椅子に腰掛け、クルスカにある魔道書を本棚から探してもらい、キュルカリオ達を二人を俺の前に並ばせる。

まったく、フィルミのおかげで余計な手間が増えたかもしれないな。

「キュルカリオ、フロネリス。取引だ」

「取引、ですの?」

いぶかしげに首をかしげたフロネリスがここに来て初めて口を開く。隣に立つキュルカリオもフロネリス同様に首をかしげているが、それを気にすることなくクルスカから受け取った魔道書を開いた。

「こいつが何かわかるか?」

古代魔法繁栄期に使われた魔道文字で書かれたそのページを二人に見せる。キュルカリオは目を細めて首を傾げ、フロネリスは息を飲んで表情を強張らせる。

「フロネリスは知っているみたいだな」

「…………『奴隷の手綱』、ですね」

「『奴隷の手綱』?」

「……………………」

キュルカリオの疑問の声にフロネリスは言いよどむも、俺が説明するよう目で促せば諦めたように説明を始めた。

「『奴隷の手綱』は古代魔法繁栄期に作られた従属魔法の一つ、ロストマジックですの。絶対の服従を強いる『主従の呪い』ほどの強制力はありませんが、そのかわり主となる存在に害を成す行動の一切を封じる呪い。ある程度の自由を与える代わりに決して反抗をすることが出来なくなる呪い。この呪いがロストマジックとなった理由は、魔法をかけるにはかけられる側の承諾が必要なこと。
貴方は私達にこの魔法を受け入れろ、そうおっしゃるのですの?」

「は?そんなの条件飲めるわけが「受けようが受けまいが。お前達は俺に従属を強いられることを忘れないことだ」…………!くっ…………」

キュルカリオは血の気が多いな。最初に『取引』と言ってるんだ、最後までこっちの出す条件を聞いてから口を開けばいいと言うのに。

「お前達も先の話は聞いていただろう?俺がお前達に望むことは『奴隷の手綱』を受け入れること、そしてフィルミに対する『鈴』となること。
この条件を呑むのならば、この塔の中における自由を約束する。まぁ自由とはいえ他の奴隷と同じように閨の相手もしてもらうがな。
なんならお前らの純潔を奪わないことも条件に加えてやってもいいぞ?」

俺の追加条件にキュルカリオは苦虫を噛み潰したかのような表情をするが、今の自分達にとっては破格の条件であることがわかっているために何も言うことができない。この条件を蹴れば、待っているのは奴隷としての扱いであり、そこに自分達の自由などないことを理解しているのだろう。
実際のところ、俺としてはこの条件を蹴られたところで問題は無い。そのときは時間がかかれども調教し、俺に忠誠を誓わせてからフィルミに対する『鈴』にすればいいだけの話なのだ。
まぁ条件を呑んでも調教する気は満々だし、この条件はいかに早くフィルミに『鈴』を付けられるか、彼女達をゆっくりと調教できるかというだけの話でしかない。

魔道書を開いたまま机に戻し、命じる前にクルスカが用意した薬品を彼女達の前に置く。『傀儡呪』の力を弱め、身体の自由を返してやり、俺は脇へと避ける。呑むのならそれを飲めと顎をしゃくった………………………………。





晩飯を終えて研究部屋の扉の前に立ったとき、俺はカーネラの調教の最中だったことを思い出した。

「いけね、いろいろあってすっかり忘れてたわ」

まぁ別に明日の朝でもかまわないような気もしないでもないが、思い出したなら行ってみてもいいか。

少々の思考の末にその結論に行き着き、俺は研究部屋から踵を返して地下牢へと歩きだした。文字通り腹いっぱい酢をぶち込んでやったからなぁ、一体どうなってることやら…………。
カーネラが一体どんな状態で俺を出迎えてくれるのかなどと考えながら彼女の入れられた牢屋の前に辿り着く。

「ん?」

牢屋の扉に手をかけようとしたと時、扉の向うから響く音に気付いた。どこか雷を思わせる鈍く音に。

これって、あれだよなぁ。腹の下る音。いやしかし、一応防音対策はしてあるはずなんだけどな。

気を取り直して牢屋の扉を開くと、当然のごとく重く響く音が大きくなる。

「はぁ、すごい音だな。外まで響いてるぞ?防音対策だってしてるってのにな」

呆れ顔で牢屋の真ん中に拘束されたカーネラを見下ろせば、息も荒く額を汗で濡らした彼女には俺の言葉に嫌味を返す余裕も無いらしく、必死の形相で俺を見上げてきた。

「お、お願い、ですから…………。くっ、つ…………、お手洗いに、いか、せて、ください…………」

「はぁ、今朝は俺には頼まないと言ってなかったか?」

今朝と変わらず小便臭いカーネラに近寄り、アナルの栓を軽く叩きながら嘲笑を浮かべ、杭を叩かれる衝撃に表情を歪めるのを見物する。ちょっと視線を下げれば底にはカーネラの淫裂があり、どうしたことか、そこからは僅かなれども愛液が零れている。アナルで咥えこみ続けたのが原因か、はたまた浣腸が原因か。理由はわからないがその事実にほくそ笑み、ぷうくりと膨れた下腹部をもみ始める。

「あ、ぐぅっ…………。お、願い、ですから、お腹を、弄らない、で…………」

「断る。そうやってお前が苦しむ姿を見てるのは面白いからな。
それで、トイレに行きたいんだったな」

牢屋の床にカーネラを縫い付けている拘束を外し、ふらつく身体を支えて彼女を立たせると、俺はこの牢屋の傍にあるトイレまでカーネラを連れて行った。地下牢のトイレは全て扉を付けていない。ここを使うのは全て牢屋に入れられた囚人(奴隷)であり、余計なことをしないよう監視するにも、辱めるにもこの方が都合がいいからだ。
ちなみにトイレは洋式ではなく和式。そこにカーネラを放り込み、俺はトイレの正面の壁に背を預ける。

「み、見ない、で、くださいまし…………」

両手を背中で拘束されたまま、背後に立つ俺を睨みつけながらそんなことを言ってくるが、それに俺が従う理由は無い。俺は黙って立ったままニヤニヤと笑みを浮かべてカーネラを見物し続けた。やがて言っても無駄なことに気付いたのか、はたまた我慢の限界か。カーネラは一層険しい視線で俺を睨みつけてからトイレに跨った。しかし…………。

「くっ…………、こ、この、栓を、抜いて、くださいまし…………。このままでは、でき、ません…………」

苦痛に歪んだ顔をこちらに振り向かせ、懇願するカーネラ。懇願と言っても仕方なく言ってる感が大きいけど。

「俺にそれを抜けと?」

しゃべるのも辛いのか俺の問いにはを食いしばって頷くが、俺は一度アナルから生えた杭を一瞥して鼻で笑ってやる。

「断る」

「なっ!」

予想外の言葉だったのだろう、腹の音が響く中カーネラは言葉をなくし、なんとも表現ししづらい表情を晒してくれる。

「なんだって俺がそんなことをしなくちゃいけないんだ?」

「こ、このま、ま、では、・・・ができ、ない、と…………」

「そうだな」

「…………で、わ…………」

「だが断る」

「なんでっ!」

切羽詰ったカーネラの声を聞き、俺は壁から背を離して近づくと、杭をこつこつと指先で叩き、歪む表情を楽しみながらその理由を口にした。

「お前が俺に頼んだのは『トイレに行かせてくれ』ということだけだ。アナルの栓を抜いてくれとは一言も言ってない」

「で、でも…………!トイレ、にいく、なら…………」

「トイレで何をするもお前の自由さ。小便するなり栓を抜いて糞するなり自由にすればいいさ。俺はお前の『頼み』以上のことをするつもりは無い。あぁそうそう、お願いは一日一つのみだ。憶えておくといい」

後二分、と制限時間を告げて背後の壁に戻ると、カーネラは悔しそうに呻き、それ以上何も言わなくなった。結局この日、カーネラは腹の中で暴れる物を外に出すことは出来ずに牢屋に戻ることとなった。





その夜の寝室。いつものように治療に翠玉が尋ねてくるが、その彼女の背後には思わぬ人物が連れられていた。

「タツヤ様、失礼します」

「…………失礼、します」

濃緑色のおそろいの着物を身に纏い、背後では着物と同じ色の毛に追われた尻尾を揺らした少女、玉鈴だ。

「調教終わったのか?」

俺の問いに翠玉は応えず、その彼女に背を推されて前に一歩進み出た玉鈴は、その場に傅き頭を垂れた。

「玉鈴にございます。姫、翠玉様お心も知らず、先日は大変ご無礼を働いたことまこと申し訳ございません」

少なくとも、こいつが俺の命を狙おうとすることは、ありえない状態までは調教も終わってるってことか。

翠玉に目配せして玉鈴に面を上げさせる。こちらに向けられた玉鈴の頬は僅かに赤く染まっており、何をさせられるのか、その面についてもしっかりと調教してあるようだ。

「翠玉の調教の成果、見せてもらおうか」

立ち上がった玉鈴の着物が脱がされ、意識を失っていたあのときと違い、全身がうっすらとだがピンク色に染まっているのがわかる。一言断りを入れてから上半身を起こしてベッドに座る俺の脚の間に入り込むと、テントを作っている俺の剛直をズボンの中から開放する。表面に筋を浮かばせてそそり立つ俺の剛直に玉鈴の表情が一瞬だけ強張るものの、緊張に唾液を飲み込み音を立てながらも亀頭に舌を伸ばす。幼子が飴を舐めるように舌が這わされ、丁寧に唾液が塗されてゆく。

奉仕を始めた玉鈴を眺めている俺の横に翠玉が跪く。俺はそちらを一瞥して右手を彼女へと差し出す。翠玉は俺の腕に手を添えると、指先から肩へと向けてマッサージを開始する。
柔らかい翠玉の指先が、柔らかくさ触るように俺の手を指圧する。
俺の腕について話したあの夜から、毎晩続けられる翠玉のこの治療のおかげで今では痙攣を起こすことは無くなった。握力も心なしかよくなっているようにも感じられ、その効果を身にしみて実感するこのごろ。
腕と股間に感じる心地よさに自然と笑みを浮かべていた。



初投稿、2011,7,21



[28431] 異界淫法録・28
Name: フライングフォックス◆12b42988 ID:64f399be
Date: 2011/07/27 12:43
振り下ろされた銀閃が鈍い音を立てて二頭を持つ蛇の残る頭を潰し斬った。二つの頭を潰されてなお身体はのた打ち回っているが、それも十秒としないうちにおとなしくなる。

「終わったよ、ご主人様」

身の丈ほどもある鋼の大剣を担ぎ上げ、尻尾を振りつつザクロが振り返った。
彼女の周りには双頭の蛇アグナコカトルの屍骸の他にも、おそらくは冒険者だろう成れの果てウォリアゾンビや幾本もの触手を生やした巨大な一つ目ビッグアイが無残な姿となって散らばっている。

「あまりたいしたことは無いんだな…………」

「いや、タツヤのマッジクリングが無かれば不可能だから、こんな一方的な戦闘…………」

背後から聞こえるジナの呆れ声に肩を竦め、死んだばかりのアグナコカトルの牙を採取する。アグナコカトルの牙はある種の魔法薬を作るためのマテリアルだ、使い道は多い。

「フロネリス、次はどっちだ?」

牙の採取を終え、目の前にある二つの道を交互に見やりながら尋ねる。バルベラに護衛されながら古ぼけた魔道書を開いたフロネリスは、幾度か確認したあと右の通路を指差した。

「こっちですの。この先に地下への階段があります。転移施設は四つ階を降りた先です」

「わかったいくぞ」

ザクロを先頭に再び通路を歩き出す俺たち。この遺跡に潜って今日で4日目、さすがにそろそろ目的の場所に辿り着きたいものだな。





フィルミの来訪より半月。俺はサンセストリア大陸西部の森林地帯にある古代遺跡にやってきていた。古代魔法繁栄期よりもはるかに古いというこの地下遺跡。西部に広がる広大な森林地帯の地下に張り巡らされたこの遺跡には当然のごとく魔物の巣窟と化しており、毎年幾人もの冒険者が脚を踏み入れては帰らぬ人となる大陸有数のダンジョンの一つだ。

フロネリスとキュルカリオ。二人は俺の取引を受け、今は俺の配下についている。普段は隷属化した奴隷達への魔法の講師をしながらフィルミに対する鈴の役割をしている二人だが、さすがに早々にフィルミが問題を起こすわけも無く、他の奴隷達同様の生活をしている。
これはフロネリスから聞いたことだが、ノールマン学院五大魔女と呼ばれる彼女達にはそれぞれ専攻している分野があるらしい。俺がこうなる原因となったエルディアはロストマジックの研究者として。カーネラは儀式魔法の天才。フィルミは稀代のアイテムクリエイター。キュルカリオがオリジナル攻勢魔法の使い手。そしてフロネリスが古代魔法施設研究の第一人者。

それを聞いてエルディアがああもたくさんのロストマジックに関する魔道書を大量に所持していたことに合点がいくと同時に、彼女達の扱いに方について考えさせられた。今も地下牢に繋いでいるエルディアとカーネラはいいとして、他の三人はどのように扱うべきか。とりあえずキュルカリオにはクルスカ達へ攻勢魔法の指南を命じた。彼女達は俺の相手をしているうちに魔力も上がっているし、魔法を本格的に覚えればそれだけで戦力が上がると考えたからだ。フィルミには研究用の部屋を一つ与え、マジックアイテムの研究をさせている。俺自身も魔法についての勉強をしているため以前以上に多くのマジックアイテムを作れるようになったが、それでも付加している効果はどれも単純なものに膨大な魔力で持って高い効果を発揮させているに過ぎない。つまり効率が悪いのだ。だからフィルミにもっと魔力効率のいいアイテム作成させ、ゆくゆくは俺が自分でそれを作れるようにするのが目標の一つというわけだ。そして最後にフロネリスだが、彼女には現在俺が頭を悩ませていた案件の解決に力を振るってもらった。それが今俺たちのいる遺跡、『ファナネウルスの地下迷宮』だ。
ファナネウルスというのはこの世界における創世神話に登場する地獄のこと。まるで地獄に繋がっているかのように地下へと広がる様をみてそう呼ばれるようになったらしい。

上を見上げれば石の天井。左右は石壁、床は石田畳。明らかに何物かの手によって作られたこの遺跡、しっかりと腰を降ろして安全を確保することが出来れば、確かにこれ以上のの場所はそうそうありそうないな。
そっと手を上げれば纏わり付くかのような濃密な魔力を感じ、ここがオストティガの牙を上回る魔力集積施設でもあることがわかる。

ん、それより半月前あの後カーネラはどうしたのかって?
あれね、さすがに丸1日あの状態はそうとう堪えたらしく、牢屋に入ったとたんに抜いてくれと懇願されたから抜いてやったよ。拘束したまま。後は想像通りそのまま糞を自分のか目掛けてぶちまけて、ついでに潮吹きながら気絶しやがった。排泄の快感が相当な物だったらしい。
後の片付けをエステリアにさせて俺はさっさと退散させてもらった。1週間以上溜めこまれていた排泄物の臭いったら、あの汚臭が更に腐ったような、とにかく筆舌し難い代物だった。今ではちゃんと身体を洗わせて別の牢屋に拘束してある。さすがに何どものような目にあいたくは無いのか、脚を開かせてバケツを置いておいたら毎日排便するようになった。
とまぁあの後のカーネラについてはこんな感じか。

そして今現在、『ファナネウルスの地下迷宮』に来ているのは俺の他に案内役にフロネリス。護衛はジナ、バルベラ、ザクロ、そして元ウィクリース王国近衛騎士イノー=ストーク。オストティガの牙に来た奴らの一人だ。捕まえてから三週間。元々はエステリアの身辺警護の任についていたらしい彼女とエステリアを同時に調教し、今では忠実な奴隷の一人だ。
今はアルトセブ商会に特注して俺がエンチャントしたフルプレートメイルに身を包んでいてわかりづらいが、夕日のように赤い髪をポニーテールにしたいかにもな女騎士だ。
左手にバスターソード、右手にラージシールドを装備し、今は一向の殿を務めている。彼女の着ているこの鎧、見た目は普通のプレートメイルなのだが、股間部分に細工がしてあり、そこが外れるようになっている。今回のようにダンジョンに潜っているとき、いちいち鎧を脱がなくてもまんこにモノをぶち込めるようにするためだ。
わざわざそこまでする必要があるのかと問われれば無いと応えるしかないが…………、エステリアともどもやりすぎたのか、かなり淫乱に仕上がったためダンジョン内で他の連中とセックスしているのにこいつだけしないでいたら、どこまで我慢できるかわからないための処置だ。うん、やっぱりやりすぎたのかもな、調教。
と、すこし話がずれたか。
とりあえず、『ファナネウルスの地下迷宮』に潜ること4日目、これが現在の状況といったところだ。





「崩れてるね」

「崩れてるねぇ」

「崩れてるな」

「崩れてますね」

「崩れてますの…………」

「いや、そんなに連呼しなくても見ればわかるから」

フロネリスの案内のもと辿り着いた階下へと降りる階段は物の見事に天井が崩れ落ちて埋まってしまっていた。
フロネリスの話では古代魔法繁栄期よりも前、創世神話時代から古代魔法繁栄期の間に横たわる空白期に作られた可能性もあるらしいことを考えれば当然なのかもしれなかった。

「フロネリス、他のルートは?」

「は、はい…………、少し遠回りになりますが迷宮の東側に3階層を繋ぐ階段があります。ここから一番近いのはそこですの…………」

「ザクロ」

「了解」

再びザクロを先頭に元来た道を戻り始める。

「そういえばフロネリス、お前結構手馴れてないか、探索」

「え?はい、私の研究は古代よりこの大陸に存在する魔法施設に関するものですから、良く遺跡に潜ったりしていたのですの」

手馴れてるわけだな。他にダンジョン探査の経験のある奴がいなかったからちょうどいい。

もと来た道を戻ることしばらく、来る時に横切った道を曲がって進んだ先、分かれ道のない1本道の終点は本日三度目の大広間だった。

「珍しいな、魔物がいない?」

今までならば大広間となれば群を成して生きる魔物の巣になっていることが殆どだったんだけど。
首を出して広間を覗いて見るも、ネズミ1匹いる気配がない。フロネリスに振り返ると、魔道書を調べているところだった。
フロネリスが調べ終えるのを待つことしばし、ようやく魔道書から顔を上げた彼女は広間の入り口へと近寄り何かを確認し始めた。

「…………何かわかったか?」

「はい、少しわかりづらいのですが…………天井を見て欲しいですの?」

言われて天井を見上げてみるが、これまた言われたとおり何かがあるのらしいがさっぱりわからない。というか、ここ天井が高い?

「この部屋は上の階と吹き抜けになってますの。そしてここから暗くて見えなくなっている場所に…………ガーゴイル・スタチューが設置されていますの」

「ガーゴイル・スタチュー…………、空飛ぶ彫像か…………。ある意味お約束だな。
戦うしかないのか?」

「はい、迷宮の中枢に辿り着ければ手の内用もありますけど…………。ここからではどうしようも」

そりゃそうだよな。仮にもここの防衛システムみたいだし、そう簡単に無効化できるわけ無いか。とりあえず迷宮攻略のための橋頭堡を確保したら、その中枢とやらの確保を目指すべきか。
ジナ達が武器を構えるのを見て、俺も指輪を確認する。いつもと変わらずに存在する指輪を一度撫で、ジナ達とともに大広間へと踏み込んだ。





空を飛べるということはそれだけでアドバンテージとなる。前後左右の4方向に加えて上下という3次元的な軌道が可能になるからだ。しかも十分な空間の存在する場所ならばなおさらだ。こちらの手の届かない場所からの一撃離脱戦法は、空を飛ぶことの出来ない身である俺たちに殆ど攻撃らしい攻撃をさせてくれなくなる。

一体何が言いたいのかというと、クルスカを連れてこなかったことを後悔していると言うことだ!

「くっ、うっとうしい!」

マジックリングから放たれた雷撃は、くちばしを持った悪魔のような容姿を持つガーゴイル・スタチューを撃ち落さんと宙を駆け抜けるが、直線的な動きしか出来ないその一撃は僅かに翼を羽ばたくだけで身を翻し、容易くかわされてしまう。

「タツヤ様!」

イノーの声が聞こえた直後、俺の背後から固いもの同士がぶつかり合う音が響き、振り返れば身を翻し空中へと飛び去るガーゴイル・スタチューと、俺に背を向けて盾を構える彼女の姿があった。

「ちっ、空を飛べるってだけでここまで一方的にな戦闘になるとはな…………」

「ご主人様のマジックリングが無ければ確実にジリ貧でしたねぇ」

「僕らがダメージ受けないのはいいけど、あっちにも攻撃が命中しないんだし意味が無いよ。完全に千日手だ」

「だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

雄たけびの聞こえてきたほうを見れば、案の定大剣を振り下ろすザクロの姿。そしてその一撃はものの見事にかわされて床の石畳を粉砕して見せた。

「…………ザクロ、頼むからあまり床を破壊するな。俺たちが動きづらくなる」

「う…………、ごめんなさい」

「くそ、クルスカがいれば少しはマシだったのに…………」

そうだよなぁ…………、でも地下迷宮で空を飛ぶ必要なんて誰があると思うよ?そう告げて彼女に留守番を告げた過去の俺はそう間違ってないと思う。フロネリスもこんな吹き抜けのあるような施設は初めてだったらしく、最初はこういう場所避けて案内をするつもりだったらしい。

「すみません…………、まさかこんなことになるなんて…………」

フロネリスの言葉に俺たちの入ってきた入り口を見れば、そこは鉄格子に塞がれこの部屋を出ることも出来なくなっている。
彼女が手に持つ魔道書にもこのことは書かれていなかったらしく、鉄格子が降りたときは酷く狼狽していたものだ。今では補助魔法を駆使してジナ達の援護をしているがあまり効果は出ていない。

「タツヤ様、何か手は無いのですか?」

「無理。あるにはあるけど、生き埋めになる可能盛大」

「…………他の方法を探そう」

気落ちした様子のジナの溜息を聞きながら思い出すのはジナと初めて会ったあの夜のこと。バルベラの率いた盗賊団―――名前なんだっけ?―――の根城を消し去ったロストマジック・アシッドフォッグ。あれならば魔法擬似生命体であるガーゴイル・スタチューを倒すことも容易いが、コントロールの難しいあの魔法のこと、間違いなくこの部屋の壁も一緒に溶かしてしまうのが眼に見えている。ついでに一つ、超高確立でジナ達の装備も溶かしつくすことになる可能性も非常に大きい。さすがにこんなダンジョンのど真ん中であいつらをひん剥くわけにもいかないからなぁ…………。

「くそっ、せめて天井がもっと低ければよかったのに…………」

悪態をつくジナの言葉に内心で頷きつつ、俺たちの頭上を旋回するガーゴイル・スタチューを見上げる。上の階と吹き抜け、と言っても暗闇で見えない天井は俺の感覚で言えば五階建てのビルほどの高さはあるんじゃないのか?この高さじゃさすがに駆け上るわけにもいかないしな。

「いや、ちょっと待て。ジナ、今何て言った?」

「へ、今?天井が低ければって…………」

「それだ!」

そうだ、天井が高いならば低くすればいい。少し時間がかかるがこの方法なら…………。

「イノー、ザクロ。奴らを引き摺り下ろす。それまで俺に近づかせるな!」

「了解」

「あいよ!」

二人の返事を聞きながら、俺は左手に嵌めていた五つのマジックリングを全て外し、新たに懐から取り出したリングを嵌めていく。青銀色に輝くリングに魔力を通し、天井に向けてそれを翳せば発動した魔法が煙のように天井へと昇ってゆく。

『ギャーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!』

俺が何をしようとしているのか、それを理解しているのでは無いだろうが俺目掛けてガーゴイル・スタチューが一斉に下降してくる。それを防ぐ音が広間に響くが、それを無視してマジックリングに魔力を通し続けた。





―――Side shange





急降下と共に振るわれた爪をイノーの盾が受け止める。そこに訪れる一瞬の硬直を狙って僕は床を蹴った。タツヤが魔力を付加したこの刀は岩だろうが鉄だろうが容易く切り捨てられるほどの切れ味を持ってる。同じように魔力が込められた存在だろうが、ガーゴイル・スタチューくらい簡単に切り伏せられるはずだった。

攻撃さえ当たるのなら。

僕の刀が触れる瞬間、ガーゴイル・スタチューは盾に受け止められた爪を基点に回転し、空中を転がるようにしてイノーの横を、僕から遠ざかるようにすり抜けて再び天井へと舞い上がる。

「ちっ、すばっしっこい!」

「あんたが言う言葉かねぇ。あたしらの中で一番はしっこい癖してさぁ…………」

…………無視。

頭上を旋回するガーゴイル・スタチューを警戒しつつタツヤを盗み見るも、先ほどから天井に向けて手を翳しているだけ。マジックリングを発動させているのはわかるんだけど何をしようとしているのかは全くわからない。

視線を再び頭上に戻し、僕に狙いをつけたらしいガーゴイル・スタチューの攻撃に備える。馬鹿の一つ憶えのように繰り返される急降下攻撃は、空を飛ぶことの出来ない僕たちに対してこれ以上内ほど効果を発揮している。重力を味方につけて振り下ろされる腕の一撃は、横から見ているならともかく、正面から受けるとなると身をかわすのが精一杯となる。
今度の一撃もギリギリのところで床に身を転ばせてやっとのことで一撃を回避することが出来た。
背後に抜けていったガーゴイル・スタチューに追撃しようと急いで身を起こすものの、相手は既に落下する勢いを利用して頭上へと舞い上がった後。先ほどから繰り返される光景の焼き増しに舌打ちをする。

「ジナ!」

背後からの誰かの声に振り返ると、そこには既に僕目掛けて急降下する敵の姿があった。

早い!

とっさに床に身を投げ出し、その上を飛び去る敵の一撃に冷や汗を感じた。あいつらの攻撃の感覚が短くなってきてる…………、なんで?

前転の要領で立ち上がりながら頭上を見上げると、心なしかガーゴイル・スタチューたちが飛んでいる位置が低くなっているように感じる…………。

「ちょっと、天井が?」

ザクロの言葉に改めて天井を見上げて気付く。天井が、低くなってる!?

「もしかして、氷で天井を作ってるんですの?」

フロネリスの呆然とした声にタツヤを見れば、悪戯が成功したときの悪餓鬼のような笑みを浮かべて僕らに頷いてみせる。
つまりはそういうことか、『天井が低ければ』ではなく『天井を低くすれば』という逆転の発想。
これで、終わりが見えてくるかな?





うん、塔に戻ったら絶対にご褒美貰おう。これだけ苦労したんだからそれくらいしてくれたっていいと思う…………



初投稿、2011,7,27


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