~プロローグ Fate of Solo~
私は速さに憧れた。
初めてあのアニメを見た時、画面に映る主人公よりもただ愚直に、ただ前に進みつづけたあの男に私は魅了された。
そう、親を亡くし不幸だった私が、やさぐれかけていた私が変わり始めた時だった。
そして今・・・
「遅い!遅すぎる!!!」
「そんなことはとぉっくの昔に解ってるんだよぉ!!!」
「抗いもせず、ただ朽ちるのを待つつもりか?冗談じゃねぇ!!!
なぜそんな後退的な考えするんだ!
私はやだね。そんな後退的な事するんだったら、死んだ方がましだ!」
「私より早く動くつもり?」
「あぁ、私はついに見つけた・・・文化の神髄を!!!」
「あなたに足りない物、それは!
親愛無想慈愛煩悩誇り雅さ努力……
そして何よりぃぃぃぃぃーーーっ!
速さが足りない!!」