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[22693] 【ネタ】魔法先生、はじめます(ネギま!)
Name: わんにゃー◆01d75703 ID:00427dc8
Date: 2010/10/23 22:31
メルディアナ魔法学校を卒業したネギ・スプリングフィールドは卒業証書を握り締め中身をあらためようとしていた、なぜなら卒業証書に浮かぶ修業内容。それは立派な魔法使いになるための試験、ネギの後ろからアーニャとネカネが覗き込む。

「「「日本で、先生をやること……」」」

直後、学校の廊下で三人の悲鳴が響いた。十歳になったばかりの子供が、先生をやるなんて前代未聞のことだから。

校長に問い詰めるアーニャとネカネ、特にネカネは執拗に校長を黒い笑顔で問い詰めている。それを見ていたアーニャとネギは二人仲良く引いた、どうやら修業内容は変わらないようで。校長が気絶しネカネはにこやかな表情で振り向き、ネギを見る。ビクッと怯えるネギ、他人のふりをするアーニャ。

「ネギ、日本に行くのなら色々学ばなくちゃ。ね?」
「……う、うん! 勿論だよお姉ちゃん」

答えるのに間があったのはしょうがない、ネカネは笑顔でも目が笑っていなかった。そして始まるネカネによる、ネギの先生勉強。

「いい、ネギ? 女の子には優しくすること! 間違ってもくしゃみで服を破ったり、失恋の相がでている女の子にそれを教えたらダメよ。あと、魔法を見られて対処するとき記憶を消そうとしてパンツを消さないように! いいわね」
「は、はい!」

先生勉強と言うよりは、やけに具体的な内容だった。むしろネギの失敗をさせないように、一般常識と魔法の制御をしっかりと教えているような気がする。

「そしてこの子には十分、気を付けること! 会う事はないなんて甘い考えを持たないように、会ったら全力全開でぶつかって先生としてお話するのよ。そのために、私が考えた『きゅうけつきのたおしかた・しょきゅうへん』を日本に行くまで見ておきなさい」

ネカネがまほネットで検索し見せたのは闇の福音、エヴァンジェリン・A・K・マクダウェルの写真。その外見は少女でも中身は真祖の吸血鬼、その対処を書いた本をネギに渡した。日本に吸血鬼がいるとは思えないが、それが甘い考えだったと後にネギは知る事になる。

長いようで短い三週間、日本語をマスターしネカネの授業を受けたネギは日本の麻帆良学園都市に向かうのだった。

麻帆良学園中等部エリアに到着したネギ、彼は失恋の相がでていた女子学生に、生暖かく頑張れ視線を送り迎えにきたタカミチに案内され学園長に挨拶。

指導教員のしずな先生と一緒に担当する2-Aのクラスに着き、その廊下で名簿を渡された。緊張しながらも確認のために開いてみる、ネギの目に入ったのは――

出席番号26、Evangeline.A.K.McDowell。写真には無表情の長い髪をした少女が映っている。

(ん?)

どこかで見覚えがある顔と名前、もう一度見なおす。

出席番号26、Evangeline.A.K.McDowell。

何度確認しても変わらない、ネカネに聞いた通りの闇の福音が担当するクラスにいた。まだ渡された本を最後まで見ておらず、心構えも出来てないネギは迷わずしずな先生に告げた。

「しずな先生、クラスチェンジで」
「はい?」

ネギ・スプリングフィールド、教育実習生初日にて早くも弱音をはくのだった。

魔法先生、はじめます
0時間目『魔法先生を諦めて、普通の男の子に戻ります?』




[22693] 1時間目『僕はネギ・T・シルバーバーグ、スプリングフィールドじゃありません』
Name: わんにゃー◆01d75703 ID:f49111ed
Date: 2010/10/24 15:32
結論から言えば、クラスチェンジ出来ませんでした。いや、勿論学園長に抗議はした。どうして、僕が担当するクラスにあの闇の福音が居るんですかと。

「答えてくださーい! 学園長さーん!!」
「フォッ!? 落ち着くんじゃネギ君、首、首が締まって……」
「あらあら」

あの後、教室からUターンし学園長室に突撃。書類を整理していた学園長はネギの剣幕に驚くが、知ったことじゃないと掴みかかるネギ、勢い余って首を絞めていたが。そこにネギを追い掛けてきたしずなが困ったように、頬に手をあてて呟いていた。ちなみに、ネギが解放しなければ後数分で学園長は天に召される。

何とかネギを落ち着かせしずなを下がらせ学園長は事情説明をする、曰くエヴァンジェリンはある男性によって呪いをかけられたこと、その呪いがとけないので学生生活を続けていること等を語った。

「ある男性って誰ですか! すぐにその人を呼んで、呪いを……」
「いや、それがナギのせいなんじゃ」
「……え? 父さんがやったんですか!?」

それが意味する事は一つ、呪いは直ぐには解除できない。ネギの父ナギ・スプリングフィールドは、死亡されていると思われているがネギは知っている。あの色々とトラウマになった悪魔達の襲撃で、父に出会ったこと。杖を託されたこと、だから――

「じゃあ、その……エヴァンジェリンさんは父さんを恨んでいや下手すれば関係者である僕にも被害が及ぶんじゃないんですか!」
「大丈夫じゃ、対策はとってある」

学園長は真剣な表情になり机から何かを取り出す、口をつぐむネギ。

「これを授けよう。ワシが書いた『きゅうけつきのたおしかた・しょきゅうへん』、きっと役に立つ」
「もう、持ってます!」

そんなこんなで再び、2-Aの教室の前に立つネギ。前担任のタカミチと合流したしずなの励ましもあり、少しの勇気を取り戻して扉を開く。約十分遅れの初めての授業がはじま……

天井から落下する黒板消し、精神的に疲れていたネギはまともにそれを受けて、足に何かを引っ掛け転んで落ちてきたバケツをゴンと頭に受け、尻に飛び出してきたおもちゃの矢が刺さり勢い良く教壇に激突した。

これが2-Aの新任歓迎、女子中学生の可愛らしいいたずらである。涙目になったネギ、それを見た彼女達は慌てて介抱。

「な……な……」
「えーっ、子供!?」
「ゴメン、てっきり新任の先生かと……可愛い子供ハァハァ」

最後、危ない女生徒がいたがネギは気付かない。しずなが改めて場を纏めネギに自己紹介を促す。

教壇に立つネギ、ちらりと廊下側の席順の最後を見る。エヴァンジェリンがいた、少しでも彼女の興味をそらそうと先生にあるまじき嘘――偽名を紹介する。

「今日からこの学校で英語を教えることになりました、ネギ・T・シルバーバーグです。三学期の間だけですけど、よろしく……オネガイシマス」

本心は闇の福音が居るのでお願いしたくないが、立派な魔法使いになるために頑張るネギ。嘘をついてる時点でダメだろうが。案の定、ネギの紹介を聞いた一部の者達がゴンと机に頭を打っていた。

彼女等の出張は。

((シルバーバーグ!? スプリングフィールドじゃないの!?))

(ナギの息子か……ええい、そのような嘘で私が誤魔化されるわけないだろう!)

内心で怒り狂うエヴァ、どうやら逆効果である。偽名もしずなに訂正されあっさりと本名を告げるのだった、緊張して名前を間違えましたと誤魔化して。

これがネギ・スプリングフィールドと長い付き合いになる彼女達の出会いである。




[22693] 2時間目『きゅうけつきのたおしかた・しょきゅうへん』
Name: わんにゃー◆01d75703 ID:4af33f10
Date: 2010/10/25 23:04
何とか初授業を終えたネギ、何故かエヴァが睨み付けてくるのを背に受け耐えながら。偽名で彼女の興味をそらす作戦は失敗したようだ、ならば次の段階に進もう。

心構えはまだ出来てない、呪いをかけた父さんとその関係者である僕を狙う闇の福音に立ち向かうのは恐い、だけど先生として逃げる訳にはいかない。なんといっても彼女は生徒だから、まだ自身は実習生だが。

(お姉ちゃん、今こそ僕に力を!)

杖を背負いクラス名簿を抱え行動を起こすネギ、その前に階段をフラフラ歩く黒髪の少女が目に入った。

「うん? あの子は出席番号27の宮崎さん、危ないなぁ」

本を数冊抱えて不安定な歩き方をしてるため、いつ落ちそうになるかそう心配していたら転けて落下。

「やっぱし! 周囲確認、っ! あれは僕のクラスの……」

杖を握り魔法を使って助けようとするが、近くにオレンジ色のツインテールの少女が買い物袋を手に歩いているのを見る。彼女もこちらに気付き駆け出すが、間に合わない。となれば――

(魔法がバレるっ!? でも宮崎さんを助けるためには……あぅあぅ)

「きゃああああ」

落下するのどかの悲鳴、テンパるネギ、駆け出す少女。

「ラス・テル・マ・スキル・マギステル……」

一か八か小声で呟き魔法発動、宙に浮くのどか。ポカンとそれを見る少女。

「本屋ちゃん、超能力者だったのーっ!!」
「はわわ、違います。でも浮いてます、私って超能力者だったんですか!?」

何やら彼女達は混乱しているようだが、無事に助けられたネギは安堵し杖を直そうとして“彼女”が目に入った。

「あ、あの……」
「って、こっちも宙に浮いてるー!?」

半透明で空中に浮いている昔風の制服を着た少女、よく見れば彼女も担当する生徒だ。出席番号1、相坂さよ。名簿に書いてあったタカミチの書きこみによれば、1940――、席は動かさないこと。意味深な書きこみである。

魔法がバレてしまった事実よりも宙に浮いてるから関係者かと思うが、人気のないところで互いに説明すると驚愕の事実が判明した。

「私、幽霊やって長いですけど子供の魔法使いは初めて見ました」
「幽霊さんだったんですか……って幽霊っ!? 何なんですか僕のクラスは、明らかにロボな子や吸血鬼やら忍やらとおかしいですよね!!」

この場に眼鏡をかけた女生徒が居ればいや、子供先生もおかしいだろと突っ込むだろう。最も彼女もネットアイドルをやってるので人のことは言えない。

とにかくさよに魔法の事を話さないように頼むネギ、幽霊に見られても問題ないと思うが念の為。

色々あったがエヴァンジェリンに向き合おうとネギは準備に入る、そのため2-Aクラスによる自分の歓迎会が用意されている事は知らなかった。

夕暮れ、麻帆良学園の屋上。二人の魔法使いが向き合う、片や立派な魔法使いを目指すネギ、片や悪の魔法使いのエヴァ。彼女の手には手紙が握られていた。

「……で、何の用だボーヤ。と言うか何の真似だっ! コレは! 果たし状ならともかく、呼び出すのにラブレターみたいなものを使うなっ!」
「え? 女の子を呼び出すにはこれが一番だって、お姉ちゃんが」
「……」

しかも中身が無駄にナギそっくりの内容だったため、少しの期待をしていたエヴァ。そのネギの答えに怒る心に火が点いた、力が満ちる満月じゃなく魔法薬の用意もあまりないがネギに襲い掛かる。

「お前の血を骨の髄まで吸わせてもらうぞ!」
「え? いやまずお話を」
「聞く耳もたん!」
「ええーっ!?」

色んな意味で早すぎる戦いが始まった。




[22693] 3時間目『永遠の愛が本当の魔法です』
Name: わんにゃー◆01d75703 ID:18b58edc
Date: 2010/11/02 22:28
このままではお話どころか血を吸われてしまう、そう感じたネギは姉から貰ったあの本を思い出し勇気を振り絞り叫んだ。

「せ、世界平和っ!」

唐突に訳の分からない事を言いだしたため、エヴァは放り投げようとしていた魔法薬の瓶を誤って割ってしまう。あと心に何故か罅が入った気がした、ほんの少し。直ぐ様言い返すというより怒鳴った。

「いきなり、何を言いだすっ!?」
「あれ? 何か心にグサッってきません? こう言えば、悪い人はおとなしくなって話を聞いてくれるはずなんですが……」
「……さ、さぁ何のことだ?」

吃るエヴァ、悪い魔法使いを自負する吸血鬼。ネギの指摘は図星だったが認めたくないため、誤魔化す。となれば当然ネギは、

「じゃあ、これはどうですか? 女は度胸!」
「確かにそうだな……で? それがどうした」

次の一手を放つ、今度は耐えたエヴァ。しかし本当の魔法はこの次に待っていた、それは悪の心を持った者なら耐えられない言葉。

「ムー、これならどうです! 永遠の愛っ!!」
「カハァッ!」

純粋すぎるネギから放たれた魔法の言葉、吐血するエヴァ。蘇るのはナギへの恋心、そして悪には色々キツい一言。魔王でさえダウンしたのだから無理もない、下級もしくは上級の悪魔なら一撃必殺か転倒。エヴァは血を吐いたが、吸血鬼としては駄目だろと言いたくなる。

「わわっ、エヴァンジェリンさーん! 大丈夫ですかーっ!?」

おとなしくなるどころか血を吐いたエヴァに慌てたネギは介抱する、これがネギとエヴァの初戦。軍配はネギの勝ち、勝利の鍵は永遠の愛。突っ込み所がありすぎる戦いだった。

ネカネから渡された『きゅうけつきのたおしかた・しょきゅうへん』、それにはこう書かれている。

――これは吸血鬼に限らず悪い心を持った人たちを、おとなしくさせるしょきゅうの魔法です。

さぁ、純粋な心で叫んでみましょう。

「世界平和」「女は度胸」「姉最強」「意地悪しちゃ嫌だよ?」「永遠の愛」等

これで悪魔も運命も大丈夫! ネカネお姉ちゃんより――

以上がネカネの立体映像付きの解説である、ちなみに後の話になるがネギが出会うある悪魔と白髪の少年にも効いたと言う。

結局実習生の立場でも、生徒としての話が出来なかったネギ。エヴァについては迎えにきたロボな子に引き渡した、ちなみにその際「マスターがお世話になりました」と会話し彼女絡繰茶々丸がエヴァのパートナーである事を知る。

お辞儀してエヴァを背負い退出する茶々丸に手を振って見送るネギ、内心は(パートナーかぁ……って、茶々丸さんがエヴァンジェリンさんのパートナー!? そ、そんなぁ只でさえ強い闇の福音にパートナーがいるなんて……今回はなんとかなったけど、同じ手は通じない。エヴァンジェリンさんが本気になったら……どうしよー!?)

とパニくっていたが顔には出さず笑顔で応対。屋上で一人になって、ようやく悲鳴をあげるのだった。

だがネギは気付いていない、しょきゅうへんを最後まで見てないことを。ネカネはきちんと対策を書いている、捕縛結界と吸血鬼の苦手なものが。

こうしてネギの長いようで短い就任一日目は終わりを告げるのだった。用意された住居、高畑・T・タカミチの家に帰り彼と色々話し合いアドバイスと安息を得て眠りに就く。

夜の麻帆良学園都市に浮かぶ月が、ネギの未来を照らすように輝いていた。




[22693] 4時間目『見た目も中身も子供で先生って誰か突っ込めよーっ!』
Name: わんにゃー◆01d75703 ID:4a3423ac
Date: 2010/11/06 13:32
朝、高畑は流れる食事の匂いに目を覚ます。隣の布団を見れば同居人のネギはいない、後貸した布団は丁寧に畳まれていた。昨夜は色々大変だったのを思い出す。

「タカミチーっ、名簿には困った時に相談しなさいって書いてたけど無理だよ! エヴァンジェリンさんは父さんを恨んでいるんだよ、登校地獄の呪いのせいで! 結局お話もできなかったし、あの闇の福音にどう相談するの!?」
「それは……ちょ、ネギ君落ち着いて! 首、首が絞まってるから!(何だ、この力は! 気を使っている? だとしても僕が防御出来ない程の速さって……さすがはナギの息子、いや話に聞いていた姫の息子か、ぐうっ。ナギ、君はこれに耐えていたのかい? 尊敬するよ、今、心から)」

突然帰宅してきたネギを迎えようとしていた高畑は、勢い余って興奮しているネギに首を絞められるのだった。どうやら慌てた時や興奮する時は、この行動を取るらしい。これで被害者は学園長と高畑に、嫌すぎる慌て方の行動だった。聞けばネギの母であるアリカ姫も、慌てた時に目を回してこの行動を取るらしい。ナギが一番よく被害者になっていたという。

ネギを落ち着かせた高畑は理由を語るのだった、エヴァは悪い魔法使いと自負しているがツンデレだと。

「ツンデレ? えーと、それって女の人の愛情の表現の一つだっけ……ってエヴァンジェリンさんがツンデレ!? じゃあ血を吸ってくるのも吸血鬼としてじゃなくて、照れ隠しだったんですか」

納得したネギの脳裏には、顔を真っ赤にして「べ、別にお前の血なんて欲しくないんだからな!」と照れながらも血を吸うエヴァの姿が。微笑ましく見えてきた気がする、本人が知れば激しく否定するだろう。下手すれば、殺しにかかってくるかもしれない。

「同級生だった僕から見れば、エヴァもあれで可愛いところがあったからね。例えば……」

そして高畑はネギにエヴァの事を色々とアドバイスし、一日を終えたのだった。

高畑がリビングに行くと、エプロンを着たネギが挨拶する。

「おはよう、タカミチ! 朝食を作っておいたよー、今日も頑張ろうね!」

とても首を絞める癖があるようには見えない爽やかな笑顔、高畑はあの癖がなければなと思いながら笑顔で答える。テーブルを見れば、パンに卵焼きにサラダ、味噌汁にコーヒーが用意されていた。和食と洋食が交ざった内容である。

「これは凄いね、美味しそうだよ」
「そう? アーニャがネギは私の主夫になるんだから! って色んな事を教えてくれたんだ」
「……」

高畑は突っ込まなかった、ただネギの未来に同情し心の中で涙を流しながら朝食を美味しく食べたという。実際、ネギの家事による腕前はかなりのレベルだった。ちなみに、アーニャの愛読書は〈育ってダーリン!!〉。

ネギが担当する2-Aクラスに着くと、ちょっとした騒ぎになっていた。

「本当よ! 本屋ちゃんが宙に浮いてたんだから」
「幻覚でも見たんじゃありませんの? 今時エスパー少女なんて流行りませんわよ、魔法少女ならともかく」
「ショタコンは黙ってて!」
「なっ、誰がショタコンですか! 貴女なんてオヤジ趣味のくせに! 知ってるのよ、あなたが高畑先生のこと……」
「その先を言うなー!」

クラスの中心に二人の少女が取っ組み合い、周囲が面白がるように賭けをして観戦していた。「アスナに百円!」「委員長に五百円!」と聞こえてくる、ネギはあわあわと慌て止めようとするがクラスを出ていく少女に気付きしばらく悩んでそっちを追い掛ける事にした。そんなネギを心配そうに見つめるもの、二人。

(大丈夫でしょうか、ネギ先生)

幽霊とロボな子、クラスの騒ぎはネギから事情を聞いた高畑が止めた。

長谷川千雨は常識人だと思っている、そんな彼女に子供が教師として赴任してきた事は耐えられなかった。例え実習生だとしても、それ以前にクラスには非常識な存在がいる。

(留学生が多いし、デカイのやら幼稚園やら……大体ロボがいる時点でおかしいだろ! 何で誰も突っ込まないんだよ、極めつけは子供が先生! あたしの普通の学園生活を返せーっ!)

そんな彼女の元に、ネギが追っ掛けてきた。

「あ、あのー。長谷川さん? 授業が始まりますよ? どこか体の調子が悪いんですか」

(げっ、その本人が来た)

そう思うが顔には出さず応対する千雨。その場を離れようとしながら。

「ええ、気分が悪いので早退します」
「そうですか……お大事に、ハァ……やっぱり僕が先生やるのはおかしいのかな」

その一言に、千雨は足を止めネギに振り向く。

(その通りだよ……自分でも思ってたんだ、意外と常識持ってる?)

「よし、目指せ月詠小萌先生! 頑張れば、僕だって先生になれるんだ!」
「ちょっと待てぇぇぇっ!」

とあるライトノベルの先生を目標とするネギの宣言に突っ込む千雨、後にある意味で盟友となる二人の出会いはこんな感じで始まった。



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