<このWebサイトはアフィリエイト広告を使用しています。> SS投稿掲示板

チラシの裏SS投稿掲示板


[広告]


感想掲示板 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

[22290] マブラヴの咆哮 佐渡島編 ほぼ完了
Name: 上弦◆9c67bf19 ID:a802b40c
Date: 2011/08/19 05:42
マブラヴ×鋼鉄の咆哮です。

出てくる鋼鉄の咆哮はWSG&WSCです




ちなみに、序章で登場する船のスペックは下記。

本文中で使用する船のスペック。

兵装にゃんこビーム 1基
兵装対艦ミサイルVLS 70基
兵装対空ミサイルVLS 9基
兵装β波動砲 1基
兵装対空ミサイル発射機 4基
兵装ASROC対潜 4基
兵装35mmCIWS 3基

主缶 核融合炉Ⅵ 4基
主機 標準タービンε 4基

前艦橋 謎の戦艦前艦橋
後艦橋 日本戦艦後艦橋y

補助兵装 自動装填装置y
補助兵装 謎の装置n
補助兵装 電磁防壁β
補助兵装 防御重力場β
補助兵装 謎の推進装置Ⅱ
補助兵装 無限装填装置

艦種 双胴戦艦
対80cm 集中防御(VP52%)
63.4kt


追伸。 艦長は 佐藤 大輔(サトウダイスケ)
※日本で一番多い名字と思われる佐藤+一番多いと思われる男性の名前大輔

オペ子⇒ナミ


注意事項
現在携帯電話からの投稿しかできなく、各話が2000字程度となっております。
ご注意ください



[22290] 序章  桜花作戦前哨戦
Name: 上弦◆9c67bf19 ID:a802b40c
Date: 2010/10/17 11:11
200●年xx月吉日 1800 インド洋

現在、我々はインド洋にきている。今回の攻撃目標はカシュガル。 いわゆるオリジナルハイヴだ。もっとも、高々戦艦一隻ごときでオリジナルハイヴを攻略できるとは思っていないが。


「閣下。後10分前後で作戦開始となります。」

「あいあい。 りょーかいしましたー」

いつの間にか閣下とか冗談で呼ばれているが、とりあえず返事だけはしておく。


10分前後。適当な時間である。 もっとも、桜花作戦の開始はこれから約12時間後。
当艦の任務はオリジナルハイヴ及び直近のボパールハイヴの地上敵の斬減。というアバウトな物だ。

単独作戦であり、桜花作戦とすら殆ど連携しておらず、求められている事すら


”桜花作戦で地上敵がいなかったらいいなー”


程度の物だ。

とりあえず、作戦を開始しよう。


「作戦を開始する。1-40番をカシュガル。残りをバポール。全弾頭通常弾頭。各個に撃て」


合計70基のVSLが次々に開戦の狼煙を上げてそれぞれの目標に向かって疾駆していく。




「第一セル射撃完了。続いて第二セル射撃中です。 尚、第一セル迎撃率は97%でした。」



迎撃率97%。通常の作戦であれば弾頭を通常弾から重金属弾頭に変更して射撃すべきであろう。
最も、まっとうな指揮官であれば最初から通常弾の弾頭では無く重金属弾頭を使用すべきなのだろうが。


「んー。 了解。3%でどの程度減ったかなー」



本々全弾命中を期している訳ではなく、あと11時間以内に出来るだけ殲滅できればいいのだから。



「第二セル射撃完了。続いて第三セル射撃中です。 尚、第二セル迎撃率は95%でした。」

この間約6分。
迎撃率が下がって無いのはハイヴ内から光線属種が出てきたためか、それとも、着弾した範囲に光線属種がいなかったからか。

多分、後者であろう。なにせメクラ撃ちなのだから。
今回の射撃は、攻撃目標地点を将棋の盤面の如く複数のブロックに区切り、タクティカル・トマホーク自身の慣性誘導を持って誘導の全てとする物である。

従って、針の穴を通すような精密な射撃は、元より期待していない/されていない。


「佐藤艦長。光線属種の評定をした方が良いのではないでしょうか?」


オブザーヴァー件帝国海軍との連絡役として乗艦している田所艦長からそう進言があった。

だか、例え、評定したとしても精密な誘導をしない以上、あまり意味が無い。


「本来ならその方がよいのかもしれませんね。ですがあと11時間あります。特に問題はありません」


「・・・・・佐藤艦長。確かにこの艦は巨大でVSLも多数配備しておりますが、この第三セルを撃ち終わったら再装填をせねば成らn」
「第三セル射撃完了。続いて第四セル射撃中です。 尚、第三セル迎撃率は90%でした。」

田所艦長の話をぶった切り、オペレータからの連絡。 ホンライハマズインダローナー



「佐藤艦長。インドネシアに我々帝国海軍のドックがあります。補給は其処で行えばよいかと思います。此れから向かわれるのであれば、連絡しますが、どうしますか?」


「・・・・・・・・・・? あ、ありがとうございます。もしもの時は寄らしていただきますね。」



((さてさて。田所艦長は何を危惧されておるのやら?))
実のところ、なんとなく分かる。

通常のVLSは4セルで1基(ワンセット)という形式をとっており、そこに4発のミサイルを搭載するか、又は3発のミサイルと1機の装填用クレーンを装備しているものなのだ。


つまり、この4セル目を射撃できた、と言う事は装填用のクレーンは無いことになる。 即ちドック入りし再度装填を受けねばならないのだ。


「第四セル射撃完了。続いて2順第一セル射撃中です。 尚、第四セル迎撃率は74%でした。」

いい所に当たったらしい。迎撃率が一気に下がった。



「あ・・・・ あの、 佐藤艦長。一度外に出て来てもよろしいでしょうか?」

「申し訳ありません。田所艦長。現在ミサイルの射撃中であり、甲板上は大変危険です。気分が御悪いのあれば衛生を呼びますが如何いたしますか?」



若干青い顔をした田所艦長。何かあったのだろうか?

「いえ、そう言う訳ではありませんが・・・・。 少々このフネについてお伺いしても宜しいでしょうか?」

「機密にかかわらないことであれば。それで、どうなさいました?」

「このフネのVLSは何故装填作業もせずに射撃できるのでしょうか?」


・・・・・なるほど。帝国海軍には通達したものの、田所艦長には伝わって無かったらしい。
それでインドネシアの海軍基地へのドック入りを勧められた。 と言う事か。


「本艦には”無限装填装置”が搭載されています。従って現状において補給の心配はありません。」

「夢幻装填装置? それはどう言った物でしょうか?」

「はい。無限装填装置とは読んで名の如く、弾薬を必要な、例えばVLSなり、砲の薬室などに際限無く装填する装置です。之によって弾薬補給、弾薬装填などの作業が省略可能です。また、砲身寿命などの問題からも解放されました。」

「・・・・・・・・・・・なるほど。"ゆめまぼろし"ではなく無限ですか。」




攻撃開始3時間後。

「6順第一セル射撃完了。続いて6順第二セル射撃中です。 尚、第一セル迎撃率は0%でした。」

6順と一セル   都合490発のミサイルを射出した時点で迎撃率0%、つまり光線属種の迎撃は無いと言う事だ。


「田所艦長。とりあえず作戦の第一段階は完了しました。あとはこの調子で桜花作戦開始時点まで射撃を継続します」






 
インド洋に浮かぶ巨大双胴戦艦。もちろんその船は”あいとゆうきのおとぎばなし”に元々あったものでは無い。ならばどこから?





   それは・・・・・・・・・




[22290] 10月22日 ① 神之悪戯
Name: 上弦◆9c67bf19 ID:a802b40c
Date: 2011/02/20 21:07
2001年10月22日 0600 小笠原諸島 沖合


*****************side 佐藤*****************

「日本武尊・・・・・ 推して参る!!」







前方には戦艦が高々4隻その他。対してこちらは全長666mの双胴艦。装甲は対80cm。もちろん広域防御。
4基の主缶は今日も快調に、3機の主機を回し、海原を進んでいた。

先の大戦の処理のため、漂流者の保護、島の掃除、副官たちの喧嘩の仲裁、究極生モノ兵器討伐、等を行い、南氷洋くんだりまで出張ってきたのだ。

が、連戦に次ぐ連戦の影響か、本来4軸稼働すべき主機は3機しか稼働せず、本来60ノットオーバーの所を若干遅めに進んでいた。

ついでに、赤道付近では豪勢な巨大な嵐に会った。

ただし、その嵐はこの戦艦の安定性を確認するだけの結果となった。



そして、艦内をまったりした空気で満たしながら日本の領海に差し掛かった時、それは起こった。



微かに見える船影。 旭日旗。 しかし十六八重表菊がない。 

『こちらは帝国海軍所属 戦艦紀伊。貴艦は日本帝国の領海を侵犯している。速やかに所属を連絡されたし。送レ』


帝国海軍?  妙である。


先の世界大戦で日本帝国は解体されている。 名乗るのであれば”日本海軍”である。そして戦艦であるのにも関わらず菊の御紋が船首に

ない。 ましてや新型機関を搭載予定の紀伊は航空戦艦として建造される予定で、しかもまだ図面上での話である。


頭を過ぎったのは、先の戦争の英雄。彼らのある噂。 当時劣勢だった解放軍の為にはるばる時空を超えてやって来たフネ。
その、新機軸の一隻のせいで戦局はガラリと解放軍が優位となり、勝利を収めることがができた。 と言う物だ。
噂の真偽は置いておき、その戦争で生まれたMEhrzweck-fregatten KOnzept 通称MEKO(多用途フリゲート・コンセプト)の流れを組んだコンセプトで、この艦が設計されているのも事実だ。


「かんちょー 所属不明艦からつうしんがありました。 しかも生意気にも主砲向けてやがりますよ。どうしましょう?」

「とりあえず、一応は返事だけはしておこう。」

「はーい。こちらがマイクになります」

渡されたのは、レコーディングスタジオなどに設置されているマイク。―マイク本体の前に白い紙(?)のついた物―
何故だ。てかどっから出した。

「・・・・こちら、日本国海軍所属 戦艦日本武尊。 特殊任務を完遂し、横須賀基地に帰還するものである。」

『帝国海軍では無いか? また日本武尊という船名の船は存在しない。もう一度正確に連絡されたし。送レ』


やはり、というか。紀伊と名乗った船の所属は日本帝国海軍。 まさか・・・・  帝国軍の残党が革命でも起こしたと言うのか?



『速やかに停船、武装解除されたし。 さもなくば      攻撃する!』



答えが出せずに逡巡した数分間。そして砲弾が飛来した。




「かんちょー どうしましょー。 敵さんうってきちゃいましたよー?」


敵から破壊の塊を放出する気炎を確認する。      着弾。   遠い。はるか後方に着弾。



「かんちょう。水柱の大きさから40〜50クラスの砲弾と思われます。 どーしましょー?」

「んー 50なら問題ないね。突っ切っちゃうか」






*****************side 日下部(紀伊艦長)*****************
700mもある高速戦艦。


偵察機の持ち帰った情報は、信に足らないもの、と思っていた。
大和を超える戦艦なら、確かに存在する。いわゆる、超大和級 と呼ばれる戦艦だ。
それにしてもせいぜいが300mに届かない程度だ。400mを超える戦艦など存在しない。 ましてや500m超過の化け物など……。




目を疑った。 次に自分の健康状態を。そして。艦橋の空気を。


威風堂々。この紀伊を含め、大和型以上の戦艦の冠詞として使われている言葉がこれほど似合う船は見た事が無かった。

・・・・・・・・あの艦には、勝てない・・・・


戦艦の戦艦たる所以。 抑止力を体現するような船だった。

しかし、 仕事は仕事である。


「こちらは帝国海軍所属 戦艦紀伊。貴艦は日本帝国の領海を侵犯している。速やかに所属を連絡されたし。送レ」


賽は投げた。 もう止めることなど出来ない。

もし、もしも仮に敵であるならば、全力で排除するまでだ。


「艦長。各艦から連絡。敵の速度割り出しと照準、完了したとのことです。ですが、敵艦が高速であるため、一射目で当てられる可能性は
そう高くない。との事です」

「・・・・まだ、敵と決まったわけでは無い。あくまで所属不明艦、だ。」

副官にそう諭す。”敵でない可能性”は零では無いのだ。


『・・・・こちら、日本国海軍所属 戦艦日本武尊。 特殊任務を完遂し、横須賀基地に帰還するものである。』


ニホンコクカイグン? ヤマトタケル?

まず、帝国海軍をわざわざ日本国海軍と呼ぶ艦長はいない。そして、ヤマトタケルなどと言う戦艦は知らない。
例え秘密裏に建造された艦であったとしても、航路として此処を通る以上、司令部から何らかの連絡があるはずだ。

「艦長! 敵艦・・・・・・ 艦首が2つあります! 双胴艦です! 艦首にそれぞれ十六八重表菊を確認しました!」

十六八重表菊。それは皇室の御紋であり、戦時中の戦艦の艦首につけられた日本の象徴である。
もっとも、全権が征夷大将軍に委任された際に使われなくなったが。


「帝国海軍では無いか? また日本武尊という船名の船は存在しない。もう一度正確に連絡されたし。送レ」


可能性として考えたいのは、皇帝陛下が秘密裏に国外で建造させた艦である可能性。
 もっとも、今の陛下がそう言ったことをなさるかは不明であるが。


返事がない。やはり、敵、と言う事なのだろうか


「速やかに停船、武装解除されたし。 さもなくば      攻撃する!」


出来れば、止まってほしい。 だが、敵は止まることは無かった。


「全艦に通達。各個に撃て。」


紀伊の誇る60口径46cm3連装砲塔を主体とする砲撃を始める。



着弾。

敵の船速がはやいため、やはりそう簡単に当たるものでは無い。




全艦ほぼ同時に第2射。



敵艦の周囲に着弾すると同時に、敵艦の前方の一部に薄青い光の鱗? の様なものが見えた。





*****************side 佐藤*****************

ノリで推して参る!とかいっちゃったけど。実際に戦闘する気は無い。


「第二波 着弾・・・・・ 今!」

日本武尊を中心に着弾。水柱が上がる。

「4発命中。防御重力場にて対処。船体に被害なし。」



当然の結果。80cm広域防御に加えて防御重力場αによって相当減衰されているのだから。

直接BB弾が当たった程度だろうか?


「・・・・・・ あちらの船に当たらないように右から迂回。しかる後に全速にて振り切れ。」


相手がまとも―こちらにとって有効―な攻撃をしてこない以上、こちらから攻撃する必要もないし、あれらを敵と断じるには情報が少なすぎる。

とりあえずすべては横須賀についてから、だ。







**************

誤字をこっそり修正しました。

紀伊について。
弾薬の互換性の問題から、
大和と同サイズの砲身長増しを装備する、と言う事にしてます。



[22290] 10月22日 ② 英雄降臨
Name: 上弦◆9c67bf19 ID:a802b40c
Date: 2011/02/20 21:08
2001年10月22日 1422 横浜基地営倉


 はい。皆さんこんにちは。4度帰ってまいりました白銀武です。現在絶賛営倉の中にいます。
しかも、部屋の前の廊下には銃を構えた兵士さん2人。なんでこうなったかと言うと・・・・・・

********side白銀********

「お疲れ様。ガキ臭い英雄さん」
「・・・・・・・またね」
 オリジナルハイヴ攻略後、夕子先生と霞に見送られ、純夏が再構成した世界に転移した。
ハズだった。だが転移したのはやっぱりBETAのいる世界。
世界は何一つ変わらなかった。BETAの襲来、HSSTの落下、火山の噴火、クーデター、佐渡島解放失敗そして消滅。そ
の際にXG-70bと共に作戦を遂行した多くの部隊の損失、横浜基地防衛戦、
桜花作戦では、すでに英霊となった綾峰や榊の代りに月詠中尉率いる第19独立警護小隊と共にハイヴに突入することになった。

 作戦開始の狼煙を上げたのは、5隻の自突艦。極力鋭角にハイヴに突撃するようにプログラムされた無人のHSST。
これらの貨物スペースにS-11を満載したもの。之を突入させ地上のBETAを一掃。其の後、
“前の世界でも経験した桜花作戦”が行われた。
 最初は神代、巴の二人の自爆による敵の侵攻遅延。そしてゲート級の開閉の際に月詠と戎。
そして冥夜の命は、前回同様この手で奪った。そして、二人だけの帰還。 

はたして   果たして此れが最良、だったのだろうか。誰も死なせたく無いから頑張ったのではないか?
 その結果が満足いけるものだったか? むしろ、全てを良くしようと思ったが為に、
結果として悪くなってしまったのでは無いか?


もし。 もしも仮に、次があるなら 次が有るならば。
次こそは目に映る人々だけでも助けたい。 たとえそれが神を殺すことになったとしても。




最初に見えたのは、見た事のない天井だった。
正確にいえば、少し見た事はある気がする。
 どう言う事だろうか?   一部を除いてボロボロの俺の部屋に居た。
以前に夕子先生に写真で見せてもらった通りだ。
そして、除かれた一部とは。

奇麗に折りたたまれ、ビニール袋に入っている制服。
1枚の茶封筒。
2枚の金属片。
しっかり磨き抜かれた皮靴。
黒い靴下。    であった。

「・・・・・・・・・」

ハッキリ言おう。意味が分からない。 最初からして今までの3回のループとは違う。


とりあえず、茶封筒を確認する。

表面に、“README” 〜とりあえず最初にお読みください〜

裏面には
材料表記
封筒 :キャベツ・インディカ米・ななつぼし・その他食物由来物質
便箋 :キャベツ・ななつぼし・その他食品由来物質
糊 :夢十色
インク:大豆

   食べられます 消費期限2004年1月1日


山羊でなくとも食べられる手紙。しかも天然食材。 よし。後で・・・・・・・

茶封筒の中にな若干緑がかった便箋が2枚入っていた

俺様を殺してでも助けたい仲間がいる。 殺される俺様としては堪った物ではないが仲間がいるという事は良い事だ。
BETAの居ない世界に転移させる事も出来たが、あなたのそのリクエストに応え、もう一度この狂った世界で
頑張っていただこう。という結論に達した。
心行くまで頑張って頂けるよう、心より応援する。



P.S.
少ないですが、援軍を送りました。

P.S.のP.S.
ウサギの耳は立っているか横に垂れているべきだと思います。玄関に用意しました。

P.S.のP.S.のP.S.                              須佐之男
アイスコーヒーの豆でホットコーヒーを作っても美味しくないですよ。
と夕呼博士に伝えると幸せになれます。


さて、何所から突っ込むべきだろうか。 便箋2枚組で1枚が白紙だった所?何で須佐之男?

結局、ここで考えていても仕方ない。と思い至り制服に着替えることにした。


2枚の金属片は、いわゆる認識票と言われるやつで、こう刻印されていた。“G2222222 SUSANOO” これは使えない。
そして、10組20枚のワッペン。Alternative1〜Alternative10と書かれている物だ。

しかし、電気もアイロンも無い時点で、使いようがない。



玄関には2つの髪飾りが置かれていた。 両方とも黒を基調とし青のラインが入った・・・・・・・ウサ耳だった。



玄関を開けると、一人の男性が立っていた。
貫頭衣を着た紅蓮 醍三郎。 斯衛軍にその名を轟かす 将軍、だった。

「ぉ、用意はできた? ハンカチ、ティッシュ、ゲームガイ、ローター、あとゲームガイのカセット、
充電器はちゃんと持った?まぁいいや。んでは最後に言わせてもらおう。生き汚く足掻け。以上だ。」

ま〜た〜な〜 とか言いながら男はすたすたと何所かに歩きだした。
「ちょ、紅蓮将軍! 待ってください!」
「それ他人の空似。俺、須佐之男って言うんで〜 よろしく〜〜」

玄関に居た大男 -須佐之男-は振り返らず右手を頭の上でひらひらしながら霧のように消えていった。

「・・・・・なんなんだよ・・・・・」



「誰か    誰か        誰か!」

三度の誰彼のあと、発砲。 左足元のコンクリートが抉れ、弾け飛ぶ。
それと同時に入口近くに停めてあった装甲車の機関銃もこちらを向く。

こっちも今までと違うし・・・・
「白銀 武訓練兵は特別任務完遂の報告のため、香月夕呼博士用件がありまいりました!」

「認識票を出せ。身分証と、命令書又はそれに準ずるものを出せ!!」

いつものペアの表門歩哨と、いつもと違う状況。 何か有ったのだろうか?

「特別任務のため、携行しておりません。申し訳ありませんが博士に伝えてください。
“空を飛ぶは鳥か。それとも10万の人間か。地を征くのは人か、それともすべてを亡くした少女か。
鏡はほの暗い地下に埋めておくにあらず。そして5つ目の企は破壊のみを導くなり。
我は150億の知となり4つ目の企を成功させる者也”
以上です。」

「分かった。少し待て。」
「良いのか?」
「博士は自分に関することはどんな些細なことでも直接伝えろ。とおっしゃっていただろう」
「しかし・・・・・」

何回も見たやり取り。ただ、2人とも顔と銃口をこちらに向けたまま、耳と口だけで対話をしていた。
「表門歩哨より、警衛指揮所」
『警衛指揮所。どうした?』
「不審者から副司令宛てに伝言があるとの事。副司令に関する事項はすべて報告するよう厳命されているが通してよいか?」
『確認する。待て』

どうやら後方の指揮所と連絡を取っている様子。ちなみに無線から聞こえた声は女性の物だった。

 

   数分経過


携帯電話のような物を持った兵士が一人やってきた。
「副司令が直々に話したいことがあるそうだ。」

渡された無線機を持つと、夕呼の声が聞こえてきた。
「表門の不審者さん? よく見えてるわ。それで、私に伝えたい事って何? まさか下らない事じゃ無いんでしょうね?」
「空を飛ぶは鳥か。それとも10万の人間か。地を征くのは人か、それともすべてを亡くした少女か。
鏡はほの暗い地下に埋めておくにあらず。そして5つ目の企は破壊のみを導くなり。
我は150億の知となり4つ目の企を成功させる者也」

「へぇ・・・・ あ、今思いついたわ。確かあの任務だったわね。遅かったから失敗して藻屑にでもなったのかと思ったわ。
いま迎えを出すわ。待ってなさい。」

そう言って、無線(?)は切られた。
特にする事も無いので、無線機(?)を兵士に渡して待つことにする。



4時間に及ぶ検査の後、連れてこられたのは、
・・・・・副司令室では無く、何故か営倉だった。 任務は成功させたものの、長期間に及ぶ連絡の不徹底。

と言うのが罪状らしい・・・・・・・・



[22290] 10月22日 ③ 夫々の夜
Name: 上弦◆9c67bf19 ID:a802b40c
Date: 2011/02/20 21:03
2001年10月22日 1934 横浜基地営倉詰め所


***********side 夕呼***********

18時を周って、辺りは今まで以上に和やかな雰囲気に包まれていた。
「あのバカ、出して欲しいんだけど。」

営倉詰め所に余り相応しくない人物。副司令の声が響いた。

「副司令、"あのバカ"と言いますと、本日営倉入りした白銀訓練兵の事でしょうか?」
「そうよ。早く。」
「ですが、規則ですと3~4日の営倉入りが妥当となっておりまして・・・・・・」
詰所の中は副司令と衛兵司令の2人。丸メガネを掛けたすっきりした感じの男性だ。
「今すぐアレが必要なの。この私が言ってるだから、構わないでしょう?」
「・・・・・・・・わかりました。では書類への記載をお願いします」
衛兵司令はそう言って、ほぼ白紙の出所用の書類を取り出す。
「私はすぐにでも戻らないくちゃいけないの。そっちでちゃんと書いておいてくれる?」
「いえ、ですが、規則ですから・・・・」
「そう。  ふーん・・・・・ 分かったわ。 それじゃ仕方ないわね。 確か、貴方のご両親は揃って福島県の駐屯地にいらっしゃったわね」
「へ? あ、はい。両親とも帝国陸軍福島駐屯地に勤務しております。」

不意に話題を変えられ、何故か両親の話に成った事に不安を隠せない。ポーカーフェイスをしている積りのようだが・・・・・ 面白い。

「確かお父様って戦車大隊の車長をなさってて、とても優秀な方だとか。」
「はい。 確かに父は戦車長をしております。」



「あ、それとは関係ないんだけど。 この前のBETA進行で新潟の基地の方で戦車部隊の再編成をするっていう話があったわ。
 全国の部隊にオファーを掛けてるらしいんだけど中々巧くいって無いらしいわね。私の所まで話が来たわ。」
「・・・・・・・・・・」

「あら?どうしたのかしら? 別に私はあなたのお父上を推薦しよう、とはまだ考えてはいないわよ? それに、私は国連軍。
 貴方のお父上は帝国陸軍。 私がとやかく言った所で、あんまり影響は無い筈よ?」
明らかに挙動不審。さっき記録映像で見た"シロガネタケル"といい勝負ってとこか?

「ふ・・・・・・副司令。 確認をさせて頂きたい事があるのですが、宜しいでしょうか?」
あ・・・・・・・・・・ 折れた。

「何かしら?」

「今回の白銀訓練兵の特別任務についてですが、任務遂行中において連絡を取るのが非常に難しい可能性があり、
 その件については副司令ご自身が確認をなさる。と言う事で宜しいでしょうか?」
「ええ。物分かりがよくて助かるわ。それで、こんな所で問答する気は無いから、引き取りにきた、って所かしら。」
「了解、しました・・・・」


そうやって穏便にシロガネタケルの居る営倉に向かった。






*******side 白銀*******

カツ カツ カツ カツ カツ カツ ガッ   カツ カツ カツ


静まり返った営倉の廊下を、床に何かを叩きつけるような音が木霊する。

足音だ。ただし、衛兵の履く戦闘靴の音では無い。


「・・・・・・・・・敬礼!」

中国人の、訛った日本語で号令が飛ぶ。

「あ、アタシがそう言うの嫌いなのを知っててわざとやってるわけ? 九州行く? チャイニーズ」

いつも通りの夕子先生がそこに居た。

「先生!」

呼びかけてみるものの、夕子先生は答えない。

「夕呼先生!!」

もう一度呼びかける。 だが、夕呼先生は無視し・・・・・ 隣の営倉のまえで膝を折る。

「いらっしゃい。霞。 お疲れ様。」

「いえ・・・・・・・」

「そう。それじゃぁ、戻るわよ。」

そう言うと、夕呼先生は霞だけを連れて行ってしまった。


・・・・・・・・・てか、霞居たんだ。全然気付かなかった。
流石は霞。俺が入ったのが14時頃で今19時か20時頃だから・・・・・・






2001年10月22日 2213 伊豆諸島 大島東20km
*******side ナミ*******

ピッピリッピー ハイジョー ホンハー ハイホーヘンヘー (ピッピリッピー 着々戦果を拡張中なり)

艦内放送・・・・ えーっと・・・・?  戦闘はしてないし、なんだろ??

「かんちょー なんか拾っちゃったみたいですよ~~ 確認して来てくださ~~い」

私には、レーダーを監視し続けなければならない。と言う崇高な任務があるのだ。
しかもそろそろ浦賀水道に入るのだ。気を引き締めねば。





「艦長。先ほどの艦内放送についてなのですが、何を取得したのでしょうか?」

一旦、先ほどの艦内放送(アイテム取得メッセージ)で何を取得出来たのか、確認のためにブリッジを離れていた艦長が戻ってきたため、
聞いてみることにした。

「ナミ少尉。 本艦はこれより、先ほど保護した漂流者の尋問のため航路を離れて停泊する。光学迷彩艦旗Ⅱ型を掲げよ。」

「ハッ 了解しました!」

光学迷彩艦旗。それは敵のレーダーに10%程映りにくくするものである。
光学迷彩艦旗Ⅱ型はその改良版で20%程映りにくくするものである。


・・・・・・・・・あ


艦長が行ってしまった・・・・・・・


2001年10月23(?)日 0300(?) ???????

*****************side Rai-Den*****************

純和風の。しかも  寝殿造りの邸宅。その庭にワシは身を横たえていた。

下手をすれば、命尽きるかもしれない。 だが、それでもいい。目的さえ果たせれば、命など惜しくも無い。

そんなワシを気づかってか、昨晩から降り始めた雪は、漸くやみかけてきた。




ぬふふ。流石にこれだけの大きさの雪達磨、冥夜タソも無視できまい。そしてワシが雪達磨を作ったと知れば・・・・・・

「ヌフフフフフフ」




「はじめまして。お会いできて光栄です。」

「・・・・・・・貴様 ワシと冥夜タソのすうぃーとたいむを邪魔をするとは何事か!! 

ぬぬぬ・・・・・・ 夢の中ですら冥夜タソの邪魔をする輩め!! 退治してくれるわ!!」

”神聖ナル矢!!”

背後に現れた純銀の矢を、珍入者めがけて、直接射出しする。


「ちょ・・・・・・ 落ち着け!! じじい!」

直径2mは下らない鈍く銀色に輝く矢を、右に大きく飛びのいてなんとかかわす。


「ちっ・・・・ ちょこまかと!! 次は撃ちとってくれる!!」

”神聖ナル乱射!!”

背後に現れた数万の矢を むんず と掴み、左手に持っていた純金の弓につがえ   放つ


「ちょっとまて~~ 」

珍入者(?)目掛けて数十本の矢が殺到する。今度こそは撃ちとれる。






「ハァッ....ハァッ....ハァッ....ハァッ....ハァッ....ハァッ....ハァッ....ハァッ....」

「ふーむ。ワシの夢に入って来る事と言い、ワシの攻撃を全て避け切ることと言い、唯者では無いな。貴様・・・・・・ 
 名はなんと申す?」

「あー しんど。   改めて。 初めまして。雷電翁。私は須佐之男と申します。」



珍入者は、両手をついてその場にへたり込む。

「須佐之男、とな?その名が何を意味するか・・・・・・・ 貴様、わかっておろうな?」

「ええ。多少なりとも。ところで、私がこの夢に出てきたことでその証明ににはなりませんか?」

「ふん・・・・ "神聖ナル賛美" をもよけ切った。 話を聞いてやる位はしてやろう。」

そう言いつつ縁側に座る。 果たして、何のためにワシの夢に出てきたことやら。

「ご存知かと思いますが、昨日、帝国の領海内にて、日本国海軍所属、日本武尊を名乗る戦艦が目撃されていますね。
 その船について連絡と相談をさせていただきたく。」

「ほう・・・・・・・」

たしかに、昨日の昼過ぎに日本武尊を名乗る不審船について報告が上がっていた。なんでも不可思議な力で砲弾を避けるという、
眉唾な話だ。

「それでですね。その船を日本帝国として正式に受け入れて、 そうですね。 斯衛の海軍力とか、悠陽サン直属の独立戦力とかに
して貰えればいいですね。」

「ふむ・・・・ 斯衛軍がどう言った立場にあるか、貴様はわかっておるか? その上でソレを言うか?」

「そうですね。確かに、臣民の保護を第一とせず、征夷大将軍の警護のみを第一とする斯衛の性質と立場は分かっているつもりです。
 ですが、やっておいて損は無いと思いますよ。ええ。 」

そういって自称須佐之男は立ち上がり、どこへとも無く、霞のように消えていった。

・・・・・・・・・・同じ日本の、違う組織を名乗る、既存の存在を超越した戦力。 確かに日本に引き入れて損は無い。だが、果たして・・・・・・・・







*****************side 悠陽*****************

夢と自覚した夢を見たのは、初めての事でした。

「初めまして。煌武院 悠陽さん。」

「・・・・・・此処は私の夢にありましょう。して、そなたは何者です?」

「ええ。ここはあなたの夢です。私は須佐之男。今回はお願いがあってまいりました。」

霧にかすんでいた姿が、その霧が晴れるように全身を現す。

「紅蓮将軍ではありませぬか。 私が紅蓮将軍の夢を見るとは。。。。。 面白い事もありますね」

「・・・・・・・私は紅蓮 醍三郎では有りません。一応、カミサマってやつです。 んで、本日はお願いが有って来たのですが・・・・・」

「紅蓮将軍。あまり私をたばからないでくださいまし。」

何を着ていても目立つあの肉体、そして、代名詞ともいえる髪。あれが紅蓮大将でなくて誰なのでしょうか。

「・・・・・・・私は須佐之男と申します。今回は、昨日より目撃されている双胴戦艦 自称日本国軍所属の双胴戦艦、日本武尊について
お願いにあがりました。」

「・・・・・続けてみよ」

双胴戦艦の報告は、昨日の報告に有りました。なんでも、700m程の船だとか。
帝国軍もその速力、砲弾をはじいた力など、興味を持っていたようです。


「では。まず、並行世界と言うのをご存知ですね? その前提で進めさせていただきますが宜しいですね?」

「構わぬ。」

「私は、この世界が嫌いではありませんが、かと言って、蟲共・・・・・ BETAでしたっけ? に
 くれてやるほどどうでもよく思っている訳でもありません。しかし、生憎と私は今、この世界に直接影響を与えるほど、
 力を持っていません。 ですので、彼ら、日本武尊、及びその乗組員を他の並行世界からこの地に呼び寄せました。
 彼らは、必ずや大きな力となる筈です。そのために彼らに貴女直属の独立艦隊としての権限と、彼らのみが使える専用ドック
 を用意してあげてください。」



*****************side 須佐之男*****************

周り一面乳白色の・・・・・ だが何もない世界。

目の前にいるのは煌武院 悠陽。建前上、この日本の全てをあずかる少女、である。

「お話は分かりました。ですが、その話が本当だという証拠はありますか? 
 いくら日本の為に成るからとはいえ、その様なお話をそのまま受け入れることは申し訳ありませんが出来かねます。」

当然と言えば当然か。まぁいいさ。ショウメイできれば良いんだ。

その為にこんな手間をかけれているんだから。

「では、そうですね。 明日の定例議会で聞いてみてください。それでは失礼します。」


うー  疲れた。 ほんとはこんな事しなくても、記憶に上書きすれば思いどおりに出来るんだけど。
でも、できれば納得してほしいし。さてさて・・・・・ 次は斑鳩のジィさんの所にいきますか。





終わった。次はえーっと紅蓮っていうひt・・・・・・・・あるぇ~~


何のかんので終わったのはいいけど。なんで俺とそっくりなんだ。アレか? 先祖がえりってやつか!?

まぁいいや。次行こう次。






・・・・・・









**************
●ピッピリッピー ハイジョー ホンハー ハイホーヘンヘー

鋼鉄の咆哮シリーズにて漂流者(撃沈した船の乗組員)やアイテムのコンテナなどを入手した時に流れる音(声)。
正しくは、”着々戦果を拡張中なり” と言ってるらしいのだが、まったくそう聞こえない。

各登場人物(悠陽、夕呼、紅蓮、その他)のしゃべり方など今一不明だったので
ご指摘お願いします。



[22290] 外伝 ヴィルヴェルヴィント君の憂鬱な日課
Name: 上弦◆9c67bf19 ID:a802b40c
Date: 2011/02/21 22:59
補給が無い。軍隊に於いてこれ程怖いものは無いだろう。 たとえそれが艦隊をも消滅させられる力のある高速巡洋艦であったとしても。


1/144ぼるけんくらっつぁー (以下1/144)
「ヴィルヴェさーん。お客さんですよ~~」

ドレッドノート(以下ド)
「大丈夫。終わったら引き上げてあげるから。」

アマテラス(以下ア)
「まーたお前か~ 人気あっていいな~おぃ」

替る!?替わってくれる!??


・・・・・・・・・・どうやら、お客さんのようである。

韋駄天の名を持つ私に楯突くとは面白い。 音に聞こえたこの駿足で叩き潰してくれるわ!!



と言いたいところだが。最近補給が滞ってて力が出ない。。。。。

しかも、敵は例によって例の如くあいつだと思う。






『超高速巡洋戦艦 ヴィルヴェルヴィント接近!!』




目の前に見えるのは一隻の駆逐艦サイズの船。どうやら武装は7.7mm機銃1門だけのようだ。
だが、見た目に騙されてはいけない。こいつの一番厄介な所。それは・・・・・・・・・







最高瞬間速度164ノット、戦闘速度140ノットオーバー。





その駆逐艦が、7.7mm機銃のみで向かってくるのだ。防御系補助兵装満載で。


追いつかれて嫌がらせの如く後ろからコココココココココッ。


10分間。真綿で首を絞めるかのごとくコココココココココッ。

どんなに頑張って最高速度だしてもコココココココココッ。

ちょっとずつちょっとずつ7.7mm機銃でコココココココココッ。



いじめってこう言うのを言うんだなー

しかもこっちの攻撃は電磁防壁βと防御重力場βとでほぼ無効化。




コココココココココッ
コココココココココッ



『超兵器、撃破~~~~』



はいはいお疲れさん。


さて。ドレットノートさんが来るまで暫く休憩しますか。



「おーい。迎えに来たよー」


ぁ、のーちらすさんが迎えに来てくれた。 ドレットノートさんはどこいったんだろ?

「あーグロースシュトラールちゃんと買い物に行ったらしいよ。それと、いつものお客さん来てるから早めに準備してね」



もう来たのかよ。

・・・・・・・・・たぶんしばらく続くんだろーなー



[22290] 10月23日 ① 開戦準備
Name: 上弦◆9c67bf19 ID:c221cacd
Date: 2011/05/01 02:24
2001年10月23日 0800 伊豆諸島-大島東20km 日本武尊 第一議場
*******side ナミ*******

「まず、簡単に歴史の復習と、一つの都市伝説について話したいと思う。
 
 諸君。知っているとは思うが、1930年代に北極海で発見された新資源。その奪い合いに端を発する第二次世界大戦。
 そしてウィルキアから始まった帝国主義。そして新資源を用いて建造された超兵器の類。
 
 ところで、その戦争での話だが。諸君は聞いた事が有るだろうか? 
 北極海の資源をその手中に収めんとする各国と解放軍 -各国の憂国の士達で構成された戦力- との底の見えない泥沼の戦い。
 そこに現れた謎の艦(フネ)。この謎艦の出現によって戦争は解放軍の側に傾くことになった。
 これだけでも眉唾な話ではあるが、さらにその艦ははるばる異世界から時空を超えてやって来た、と言う物だ。

 これらの噂の全てが本当であるとは思わないが、戦争のさなかに何の前触れもなく発生したコンセプトMEKO。
 諸君も知っているとは思うが、この艦に搭載されているHLG-63システムの原型とも言えるものだ--
 明らかに当時の常識を逸脱したコンセプト、そしてそ、何の脈絡もなく発展した関連技術
 これだけを見ても、安易に噂を否定するのは考え物だと思う。」


高校の教室程の室内にいるのは22人。レーダー監視要員2名を除いた全員。
極端に自動化が成された艦内に置いてはこれでも多いくらい   それら全員が、佐藤艦長の話と、その横にあるホワイトボードを見ている。何人かは既に異変に気づき始めているようで、歴史のおさらいで有るに関わらず、その視線には熱がこもっていた。
 

「次に、先日の大嵐の後からGPS機能が使用不可能となっている。これについては、こちら側の機器の不調では無く、
 衛星側の電波の発信方式が変化したものである可能性が高い。 現在、修復を試みているが、復旧の目処は立っていない。

 最後に、昨日収容した漂流者の話では有るが、現在が2001年10月23日であるとの事だ。 知っての通り、我々が戦後処理のために
 横須賀港を出港したのが半年前の1984年4月。17年の差が有る。所持品等についても確認した結果、彼らの言ってる事は
 ”間違いでは無い”可能性が高い。
 
 そして、歴史についても我々の知る歴史と大きく違うようだ。
 年代は割愛するが、
 大きな流れとしては、人類の月面への進出、火星の探査衛星が後にBETAと呼ばれるエイリアンと遭遇、月面へのBETAの進出、
 中国新疆ウイグル自治区・・・・・ キルギスタンの近くだ。 へのBETAの進出、 

  そして、現在ユーラシア大陸のほぼ全土はBETAの勢力圏らしい。

 尚、喜ばしい事と言っていいのか。佐渡島を除いた日本は、今のところBETAの勢力圏になり下がってはいない。
 もちろん、北海道も、だ。


 仮に、漂流者の話が本当だとする場合々は異世界   いわゆるパラレルワールドに迷い込んでしまった可能性が非常に高い。 
 その場合、我々の取るべき選択肢は限られてくる。日本帝国軍に合流するか、否か。 だ。

 そこで、諸君に意見を聞きたい。漂流者の話が本当であるとして、我々がどのような行動を取るべきか、又はどのような行動を取ってみたいかについてだ。」
  

 ホワイトボードには、ユーラシア大陸、及び佐渡島が真っ黒に染め抜かれた世界地図、そして、漂流者の所持品・・・・ 時計、硬貨など年代の分かる物 ・・・・古い年代のものはそれなりに古ぼけている の写真が貼られている。


一人の男が手を揚げ、指名されて起立し、意見を述べる。
”我々は日本人であり、軍人だ。たとえ異世界とは言え、日本と言う国が有り、そこに軍隊が有る以上、そこに参加するのは当然の事だ。
だがその前に我々の国たる北海道に寄ってからこの世界の日本の軍隊に合流することは不可能か?”
と。


「機関長の懸念・・・・・ BETAが我々の故郷たる北海道に侵攻していない事を確認したい気持ちはよく分かる。私も賛成だ。

 だが、その前にBETAの巣であるハイヴについて日本近郊の物を3か所上げておきたい。
 BETAの前線基地とも言える、”ハイヴ”と呼ばれる建造物・・・・ BETAの勢力拡大のための足掛かりは
 ロシア・・・・ あー、ソ連領ブラゴエスチェンスク・佐渡島・韓国領江原道鉄原郡、これら3か所だ。

 距離から言うと、鉄原ハイヴもブラゴエスチェンスク・・・・・・行き先としては稚内。 も、距離的にあまり変わりは無い。であれば、
 私は、機関長が言うように北海道方面に行きたいと思う。之に反対する者はいるか?」


これに反対する乗組員は無く、 その後は主機の修復が完了した、などの報告の後、解散となり、我々は北海道へ向けて進軍することとなった。



*******side 佐藤*******
「前進 強速。」

間もなく、艦は96.7kt(179.1km/h)に達した。 両舷から派手に波を蹴立て、同様に長く派手な航跡を作ってはいるものの、
艦内での影響・・・・慣性の法則による圧迫感は無い。防御重力場αによる効果の一つだ。

まぁ、何にせよ稚内まで頑張っても10時間はかかる。しばらく休憩することにしよう。





2001年10月23日 1030 帝都城 某会議室。
*******side 月詠*******

「さて・・・・・ すべての義務を投げ出し、隠遁した私が言うのも滑稽だが。 会議を始めよう」

声の主は、テレビカメラと、それに一体化したモニター。 それに映るのは日本帝国・皇帝。
彼を始めとして何人かは、実際には此処にはいない。
今開会が宣言された会議は、本来であれば毎日行われる定例会議。

本来であれば斯衛、帝国陸海軍の数人が集まり、決り切った内容を確認するだけの、30分にも満たない会議のはずだった。



私的な事を除いて、最初の異変は、1本の電話だった。
日本帝国皇帝。実権は放棄してもまだまだ各界に影響を及ぼすその人からの電話であった。
それに続いて国連事務次官の珠瀬 玄丞斎、内閣総理大臣たる榊 是親。
それから殆ど時間をはさまず政財界の要人たちetc・・・・・

果ては紅を頂く武家の頭首、など・・・・・・・。
彼らの話す内容はさまざまであったが、全員申し合わせたように「須佐之男」「日本武尊」このキーワードと、殿下への謁見を打診してきたのである。



そういう私も、見た。漆黒のピッチリしたスーツにサングラスの須佐之男を名乗る紅蓮 醍三郎将軍を




・・・・・・・そんな事を考えていると会議室の中に一人の男が現れた。O型に配置された机の中央に。

紅蓮将軍。当然、彼もこの会議に出席して居る。  彼の人知を超えた必殺技だろうか?

そんな筈はない。例え彼がどんなに強かろうと、あくまで人として、衛士としての話。
一瞬で、しかも機材で埋め尽くされた会議室の中央に移動することなど出来る筈が無い。


しかも亦衣服姿で、だ。


そんな事を考えながらも、体は机の上を跳躍し手にした得物は侵入者の首を刎ねる軌道を描き切っていた。



ぞぷり


海底の汚泥に刀を突き刺すような、そんな手ごたえ。



「痛いじゃないですか。折角正装して来たのに。血でも付いたらどうするんですか」


大してあわてる様子もなく


「初めまして。皆様。 須佐之男と申します。  あカメラ映ってますか? 幽霊や神仙の類は映らない事も有ると聞きますが?」


そう宣ったのだ。




2001年10月23日 1837 礼文島西北西200km 日本武尊第一艦橋
***********side 佐藤***********
突然の緊急無線。帝国軍の無線を傍受しつつ、コーヒー豆をローストしていた私の耳に飛び込んできたのは、
日本方面に向けて進撃するBETAに対する警報と、混乱する現場。ブラゴエスチェンスクハイヴから南進してきた個体郡・・・・・・

その数、およそ旅団規模に届かないものの、連隊規模を大きく超えているとの事

・・・・・・蟲螻蛄共。例え関東地方まではくれてやってとしても、この我々の故郷には指一本ふれさせん。


ローストしていたコーヒー豆は、コンロの火を消してそのまま放置。  さて、BETAとやら。肩慣らしをしようではないか。

「各部署へ通達。 本艦はこれより北海道本島への進撃を企図するBETAへの迎撃を行う。
 現段階に置いて、BETAは本艦に対して有効な戦闘能力を有していないと思われる。しかし、万一に備え緊張をもって初戦に臨んでほしい。
 各員の能力に期待する。 以上。」


敵の予想進路は19ハイヴと呼ばれる巣からマクシモフカを経由して留萌辺りへと一直線に到達するルート。
で、あれば、我々はマクシモフカ沿岸にて迎撃すればよい。BETAが別の進路をとるなら、それに合わせて移動すればよい。

「本艦はこれより戦闘を開始する。AFK旗を掲げよ!!」



[22290] 10月23日 ② 即効力射
Name: 上弦◆9c67bf19 ID:2859dd82
Date: 2011/02/20 21:06
2001年10月23日 1920 帝国海軍北方艦隊 旗艦 第一艦橋

***********side 艦隊司令 西崎***********


ところで、戦艦と言う物について少々説明をしよう。
まず、戦艦の主砲と装甲について、だ。
もっとも、所謂我々が持つ戦艦の常識がアレに通じるか疑問ではあるが。

戦艦のコンセプト。簡単に言うと同規模のライバルと殴り合いをするための艦だ。

殴り合いに必要な物・・・  コブシと体力。つまりは攻撃力と防御力。
そして、想定される敵は、己と同型かそれ以上の戦艦。

従って、せめて己が有する主砲程度は防げるように、と装甲はある。

つまりは、だ。

戦艦の装甲っていうのは自艦の砲に耐えられる程度は施されるものだ。
もし、70〜110cmの砲を装備する戦艦があれば、その装甲は推して知るべし、だ。
間違っても200mm砲、30cm砲で貫ける物ではないだろう。


次に、対地ミサイルがこれだけ発展している現代でも、戦艦と言う艦種が残っている理由について、だ。
もっとも、これについては独断と偏見によるものだが・・・・ BETAが大きく関係していると思う。
考えても見てくれ。ただ爆発して終わりな砲弾、ミサイル。
それだけを考えるなら、構造が簡単で炸薬量の多い方が有利だろう。

確かにミサイルは戦艦だろうが油槽船だろうが簡単に取り付けられるしデータリンクを使用すれば簡単な台座から高精度の攻撃が可能だ。
では、一発あたりのコストは? 電子機器が満載されたソレのコストは決して安い物ではないだろう。

対して砲弾は? 砲座、つまりは戦艦を用意するには相当の金が掛かる。
データリンクを使用することで精度向上が期待できるのもミサイルのソレと大して変わらない。
決定的に違うのが、1発あたりのコスト、だ。
ただ撃ちだして終わり。原理として拳銃となんら変わらない単純さ。それゆえに1発あたりのコストはあまり高くない。


そして、継続的火力として考えた場合、通常のVSL方式のミサイル発射機では、再装填に時間がかかり、装填可能な弾数においても
艦砲に及ぶべくもない。


もっとも、いくら装填が速いとは言え、艦砲にしても
仰角を戻し、排莢、再装填、仰角を取る
という作業が有る以上、1秒以下で終わらせられる作業ではないが・・・・・・・




しかし、現実とは不思議な光景を目にする事が出来る。
今私が目にしているのは、巨大な双胴戦艦。

しかも、70〜110センチと思われる単砲塔を各砲 秒間約2発以上、分間にして150発以上の射撃を、
装備する12門すべて、之を持って斉射を行っているのだ。

分間1500発の、最低でも70センチ砲の制圧射。

こんな火力を行使ができるのは、目の前の現状を除けば恐らく米国・・・ しかもほぼ全ての戦艦をかき集めればどうにか・・・・ と言う程度だろう。

そして防御力。
そもそも、この世界中何処を探したら、光線属種の攻撃に何度、いや何十度とさらされて平気な、損傷の"そ"の字も見えないような船が有るだろうか?
奴等は光線属種の攻撃をサーチライトか何かと勘違いしてるのではないだろうか?






色々な事を言ってしまったが、今確実に言える事は、彼らが攻撃してこなくて本当に良かった。
そして、彼らの砲口がこちらに向かない事を切に願う。






2001年10月23日 1937 マクシモフカ沖1km 日本武尊第一艦橋

***********side 佐藤***********


五臓六腑にしみわたる砲撃音。之こそが艦砲射撃の醍醐味。
本来であればその醍醐味を十二分に味わえるはずの第一艦橋に居ても、弱装薬のクラッカー程度の音しか聞こえない。
振動についてもしかり。艦内への砲撃の影響は震度1程度の振動と弱いクラッカー程度しかない。
それらの原因は防御重力場の恩恵に他成らないだろう。

もっとも、100サンチ砲の斉射を分あたり150発*12門射出するような場合、
まともに付き合ってたらこっちの体が「くりーむ? しちゅー」に成ってしまう。

・・・・・・まぁ、衝撃と音を打ち消してる訳ではなく、防御重力場が艦外に逃がしてるだけなので、外への影響は若干強くなるが。

そんなこんなで、陸上のBETA排除は滞りなく進んだ。
強いて難点を上げるとすれば、マクシモフカ沖合に進出する際に現地海軍勢力のすぐ近くを横切ったのと、
追撃してきた現地海軍勢力が、当艦の砲撃の際に発生した波で何隻か沈没した事、位だろうか。
たかが駆逐艦の1隻や2隻、と言う訳ではないが、斉射の際に大きな波が発生する事については警告をした。
その上での出来事であるため、これは仕方のない事だ。

それと、何度となく強力な探照灯の照射を受けた時は、その後に来るであろう着弾に肝を冷やした事もあったが、
何の事はないあの照射その物が攻撃だったようだ。そうと分れば、あとは照射元に座標を合わせて砲撃を行うだけだ。


本来であれば海底を進撃するBETA。 これの排除を行うべきである。
現在、それが出来ないでいる大きな原因として、海底を潜航する潜水艦らしき物体と、そこから分離した特殊潜航艇らしき物体。

対潜攻撃を行った場合、それらの船舶にも影響が出る可能性が高いのである。










2001年10月23日 1952 帝国海軍北方艦隊 旗艦 第一艦橋



***********side 艦隊司令 西崎***********

ここに一通の命令書がある。

先刻、蒼の<斑鳩家当首>の武御雷が護衛を引き連れ搬送して来た物だ。


部隊間通信を使えばいい物を・・・・・・・・   命令書を読むまではそう思っていた。


命令書の内容。それは"日本武尊"を名乗る双胴戦艦に対して最大の便宜を図ること。
そして、それに反しない限り速やかに帝都に出向居て貰いたいとの事。

資料として添付されている静止画像。 それは単艦で、BETA、しかも地中侵攻などで最終的に旅団規模を
大きく上回る数の大軍を撃破した所属不明の戦艦。


そして、文書その物は現・征夷大将軍 煌武院悠陽 の直筆で書かれている物の
連名として
日本帝国・皇帝
榊 是親、
斑鳩家当主や、その他5摂家

錚々たる面々の署名があった。
  


これが何を意味するのか。何故、皇帝陛下の御署名までがあるのか。
それは、分らない。 
唯、確実に分かるのは

"何を差し置いても実行しなければならない命令であること"と"少なくても現時点では帝国はあの戦艦を敵視していない"

この二つだ。それならそれで良い。我々は与えられた命令を粛々と遂行するだけだ。


「しかし・・・・・・ よかった。」

誰知らず、安堵の言葉が口をついた。
何が良かったのか。

もし仮に、この命令書の内容が、"日本武尊を称する不審船を拿捕せよ" いや、拿捕ならまだいい。

"日本武尊を称する不審船を撃破せよ"等と言う物だった場合、はたして、我々は勝つことが、いや、そもそも小破なりともさせる事が出来るのだろうか?


帝国が、件の戦艦を敵視、若しくは危険因子と判断する可能性は否定できなかった。 もっとも、今となっては杞憂であるが。



[22290] 10月23日 ③ 防戦成功
Name: 上弦◆9c67bf19 ID:a802b40c
Date: 2011/02/20 21:07
2001年10月23日 2014 帝国海軍北方艦隊 旗艦 第一艦橋



***********side 艦隊司令 西崎***********

海底を進撃するBETA。それを追撃、誘導を行っている海神、そしてくろしお型支援潜水母艦。
それらを、撤退若しくは退避させてほしい。

これが彼らの要求であった。

通常なら、飲めるはずの無い要求だが、命令書にある以上、やらねばならない。


「BETAを補足している全水中ユニットに通達。現時刻を持って一時的に該当海域を離脱。可及的速やかに離脱せよ。そして、その他の部隊には水際防衛を徹底させよ。」

副官にそう告げるものの、いくら、それこそ旅団規模のBETAを撃破した戦艦とはいえ、やはり戦艦と言う艦種である以上、雷撃戦には不向きのはず。
しかし、やらねばならない。最悪、彼らが失敗した場合に備えて水際防衛を強化する。そして、全水中ユニットを該当海域に再投入する事も・・・・・。

***********side end***********





2001年10月23日 1937 マクシモフカ沖20km 日本武尊第一艦橋



***********side 佐藤***********

「艦長。帝国海軍より作戦海域の全水中ユニットの離脱が完了したとの連絡が有りました。また、我々の戦闘時間は5分、それ以降は再度水中ユニットの
投入と、海上ユニットの投入を行うため、我々に該当海域を離脱してほしい、との事です。」

「了解した。帝国海軍の協力感謝する。我々は全力をもってBETAの駆逐に勤める。 そう返信してくれ」

「了解しました」


さて、お膳立ては整った。この海域で動くものは、すべてが敵。遠慮の必要はない。返信文にあるように全力で叩き潰せばいい。

「本艦はこれより対潜戦闘へ移行する。目標、海底を移動するBETA。 
 ASROCⅢ及び対潜ミサイル発射機準備。ASRCは面制圧モード。射撃間隔12秒。第一セルより発射。
 対潜ミサイル発射機は本流以外のBETA及び制圧区域を抜けたBETAを破壊。攻撃開始。」

ASROCを収めたVSLは10基40セルだけ。だがそれを順繰りに開放、射撃を繰り返していけば、恐らく甲板に出たらヘビースモーカーでもケムいこと請け合いの状態だ。
水中に居たBETAは多くて中隊規模。40発も打ち込めば殲滅出来るだろう。
そんな事よりも、途中までいい感じにロースト出来てたコーヒー豆、やっぱり捨てないとダメなんだろうか?

「あー・・・・!!」

基本的に帽子は被らないのでそのまま頭を掻き毟る。
ナミがいやそうな顔をしているが特にフケが出ているわけでは無いのでそのまま放置。
しっかし、どうせ対潜戦闘があるなら、フリゲイト艦にしておけば良かった。 ドック艦が沈没したことが悔やまれる。
もっとも、HLG63はサルベージ済みで、ドックなりドック艦なりに搭載出来しだい使用が可能であるが。

***********side end***********





2001年10月23日 2022 帝国海軍北方艦隊 旗艦 第一艦橋



***********side 艦隊司令 西崎***********

今回のBETA南下は、はつゆき型駆逐艦など、7隻が戦闘外損耗(双胴戦艦の砲撃時の衝撃波、又はそれによって起きた波での損耗)を負った。
内訳は、3隻が転覆。4隻が船舶同士の接触、中破以下の損傷を負った。

しかし彼らが行った、砲撃及び対潜攻撃にて撃破した数は、大/中型種のみでもおよそ1万と2千。これは、2個旅団規模を軽く・・・・・・
・・・・・ いや、下手をすると師団規模と言ってもなんら差し支えない。

規模のBETAの南下を考えると大勝と言って差し支えない物だった。



本来であれば、我々の基地で歓迎を行うべきだが、残念ながら彼らは一応の不審船。
それは出来ない。出来る事と言えば謝辞を述べる事と、殿下の意向を伝えることだけだ。

***********side end***********



[22290] 外伝 あの仔が来た日
Name: 上弦◆9c67bf19 ID:a802b40c
Date: 2011/02/22 20:00
1982年9月12日 日本国長崎県



***********side NEKO***********

「ごめんね・・・・・」

"にゃー"

いあ、ごめんねで無くてね?ちょっといいかい?冷静にならね?
ちょ、何でみかんのダンボールに入れるかな!? いあ、毛布ひいてあるから居心地は良いけど。

「父さんが、もう飼えないから捨ててこいって・・・・」

"うにゃ?"

いあ、捨ててこいっって。無責任な。 そしてね。なんで川岸なの? いやな予感しかしないんだけど!?
まさか、川に流したりしないよね? やるなら神社の境内の軒下とかだよね? ね??

「またね・・・・ 」


"にゃー、にゃー?"

いあ、川に猫とかごみとか流すなって。学校で習わなかった??
それより、泳げないんだけど!!てかむしろ揺れてて気持ち悪いんですが!!
ちょ、手を振るな!! そして帰るな!!
てめ 貴様なにしやがる!! この猫様を川に流すな~~  うう~~化けて出てやる!!
うううう・・・・・・・ なーがーさーれーた~~~



・・・・・・さて、状況を整理しよう。

私の名前はゴールデンオシドス。いわゆる日本猫だ。
そして、現在大航海中。
なんでか? と言うと、大体数日前に遡る。

事の発端は今一分からない。ただ、分かるのは、今まで一緒に居た兄弟が、知らない人が来るとだんだん減ってきて、
そのうち、母親も居なくなって、残ったのは自分だけ。それでもアノヒトは私の世話をしてくれた。
そのうち、部屋の中にダンボールが、そして家の中がダンボールだらけに成ってきて・・・・。

今日、いつもは小さい車しか無いはずの家に、大きな銀色の箱を背負った車が来て、家の中のダンボールを全部もってっちゃって・・・・・・・
そしたら、いつも世話をしてくれるアノヒトと、よく家の中にいる他の人と何かを言い合ってた。
その後、みかんのダンボールと俺をもって川岸に来て今に至る。
多分、アノヒトとはもう合わないんだろうな。

それよりも、微妙に早い流れでなかなか岸に着かないんだけどどうしようね?





あーあー・・・・・・ どうすんだよ。ソロソロ生臭くなってきた・・・・・・・ ってか波高くなってきた・・・・・・・・







1984年6月07日 アフリカ南部 喜望峰沖合い



***********side ナミ***********
「レーダーに感。小型物体、接近中! 浮遊機雷の可能性!」

「CIWS、掃海モード起動。観測員は警戒を厳にせよ!」



先の大戦で大量にばら撒かれた兵器類の掃討及び海路の確保。
その為に用意された日本国海軍所属、戦艦日本武尊。 その薄暗いCICに緊張が走る。



「観測員より報告。 目視に成功。   ・・・・・・え?」

「ナミ少尉。 報告は正確に。」

「失礼いたしました。艦長。 観測員より報告"観測員より報告。 目視に成功。 対象は段ボールに入ったネコの模様" 以上です」


観測員からの報告と、そのありえない内容。

「よ・・・・ よし。 そのネコを回収。とりあえず、艦載機格納庫に収容・・・・   ただし、身体検査・・・・ 特に検疫は厳に行え。」





こんなお話が有りましたが、それはまだ本編とは関係の無いお話です。






ほら。耳を澄ませば聞こえませんか? 艦載機格納庫の方から、鋼鉄のネコの鳴き声が




*
2011/02/22 舞台年度修正
2001年2月12日 長崎県→1982年9月12日 日本国長崎県



[22290] 10月25日 ① 交渉/想い
Name: 上弦◆9c67bf19 ID:a802b40c
Date: 2011/03/29 02:27
2001年10月25日 日本武尊艦長室



***********side 佐藤's memo***********


帝国海軍北方艦隊の西崎艦隊司令か受けた連絡では、帝都、東京に向かうように。との事だった。

当艦が最優先に移動出来る様、他の船舶の日本近海の航海については制限を掛けて頂けるとの事だったが、

しかし万が一の他の船舶が有った場合の事を考え、日の出の1時間後の07:09に行動開始とする事とした。

その後、福島県沖で帝国海軍の巡洋艦らと一時合流、明日10時より歓迎式典があるとの事。本日は当海域にてにて投錨。

***********side end***********





2001年10月25日 15:12 東京湾 大和武尊 第一艦橋 



***********side 佐藤 大輔***********

タン・・・・  タン・・・・  タン・・・・  


窓の外から戦艦が空砲を撃つ音が響き渡る。

はっきり言おう。 俗に言う"ぴんち"である。 と。

なぜなら。


なぜなら、当艦には 信号弾発射装置を積んでいないのである。



タン・・・・  


タン・・・・  


タン・・・・  



「艦長。礼砲7発、確認致しました。答砲はいかがしますか?」


・・・・・・・・・・・・・やらない訳にはいかないだろう。
しっかし。CIWSでやる訳にもいかないし、もちろん対空ミサイルや対艦ミサイルを使うわけにもいかない。


「主砲、1番,2番,4番,5番,7番,8番,10番。射撃命令」



「方位角、1814。1発射角、1427。発射間隔5秒。・・・・射撃用意」

【2番砲、準備ヨシ】
【5番砲、準備ヨシ】
【8番砲、準備ヨシ】
【1番砲、準備ヨシ】
【4番砲、準備ヨシ】
【7番砲、準備ヨシ】
【10番砲、準備ヨシ】

『艦長。1番,2番,4番,5番,7番,8番,10番。 全門準備完了しました。』


「射撃用意・・・・・・  用意・・・・・撃て!」

***********side end***********





2001年10月25日 15:12 東京湾 大和 第一艦橋 



***********side 帝国海軍大佐・上林 浩***********

直径1m~2m。長さ70mはある砲がまるでオーケストラの指揮者が振るう指揮棒のように軽やかに、そして即座に旋回し、仰角をとる。

普通の(?)艦載砲が1400ミル(80度)近い仰角を取れるか?そして1800ミル(100度(3時半方向))程度旋回して仰角を取るまでに掛かった時間が
1秒以下、などと言う事が、ありえるか?



ドォン・・・・ ドォン・・・・ ドォン・・・・ ドォン・・・・ ドォン・・・・ ドォン・・・・ ドォン・・・・




先日の"北海道の奇跡"(北海道の悪夢)の教訓で、十分な距離を離れていたため、転覆はせずに済んだ。

***********side end***********





2001年10月25日 17:22 東京 帝都城 謁見の間



***********side 佐藤 大輔***********
「それは、我々に帝国斯衛軍に入れ、と言う事でしょうか?」

東京湾で歓迎を受けた我々は滞りなく式典を消化し、帝都城にて私、佐藤
目の前にはこのご時世にも拘らず過美に着飾り、前時代的な言い回しの、自称"征夷大将軍"煌武院 悠陽
その横の護衛

その3人だけの密会となった。

広間は縦に長く板張り。その先が一段高く、其処だけが畳張りと成った、いわゆる小中学校の体育館のステージの様なつくりと成っていた


「左様。今回新たに帝国斯衛海軍を設立しますゆえ、其処に将軍直属の遊撃艦として所属していただきたく思います」

つまり。だ。 斯衛軍 と言うのが征夷大将軍の護衛であり、私兵。
その中に我々も加われ。との事か?

「お断りします。我々は天皇陛下の軍隊です。そして我々は裕人陛下の恩義に報いるべく行動するものであり、
 それ以外の、ましてや征夷の侵略者共に付き従うために存在するのではありません」


「貴様!」
眼鏡の護衛・・・・ 月詠と言ったか? が怒り立ちそうになるが悠陽に手で制される。
しかし、その程度で済ませる気は更々無い。

「そもそも、征夷大将軍とは何でしょうか? 蝦夷地、つまりは東北、北海道それらを制圧する為の軍隊。その大将の呼び名と言う事はご存知のはず。
 つまり、何故、天皇陛下ではなく、忌むべき征夷大将軍に付き従わなければならないのか。つまりはそう言う事です。」

「殿下を愚弄する気か!」

辛抱堪らん。と言った様子で踏み込み、柄に手を掛ける。

「月詠 真耶中尉、と言われましたか。貴女にも少々お尋ねしたい。
 私には貴女が刀の柄を手にしている様に見えますが。何をなさるおつもりですか?
 私の首を刎ねる御積りかな? それも選択肢の一つではありますが、その場合、報復が有る事は予想に難しくないかと思いますが、其処までお考えになりましたか?」
 ちなみに、報復手段としては、オーソドックスに艦砲、及び巡航ミサイル等による関東以南への無差別・飽和攻撃です。
 当然、我々としては帝国を相手に戦争を行う等と言う無駄な事をする気は毛頭御座いませんが、何事にも例外ということは御座います。
 もし、貴女が賢明な方であれば良いのですが、そうでない場合、我が艦が砲撃をここ、帝都城に行う可能性も全く無いとは言い切れません。
 もし、万が一にもそうなってしまった場合、貴女は煌武院 悠陽さんを守りきれますか?
 前回は使用しませんでしたが、我が艦には核弾頭を限定的では在りますが、生産・核弾頭ミサイルとして運用を運用する能力もあります。
 そして例え地下シェルターに逃げるから問題ない、と考えられるかも知れませんが、50秒後に第1波の砲弾が着弾。それから1秒以内に第3波までの砲弾が着弾します。
 その最中に地下シェルターに、僅か数分の内に避難をすることは可能ですか?
 そして、攻撃開始から3分以内に巡航ミサイルも飛来する。その様な状況が約1時間半は続くとすれば? 
 貴女と、煌武院 悠陽さん別として他に大勢の人命が犠牲に成るのでしょうね。
 
 もっとも、その様な事態に成る事を我々が望んでいるわけでは有りません。ですが、貴女の今後の行動次第ではどうなるか分かりませんよ?」


「ふん!世迷い事で我々を愚弄するか!!」

「それでは・・・・  この話が与太話だとして。昨日の大規模なBETAと言いましたか。それらの南下、及びそれらの撃破に付いてはどの様に?
 話によると、人類の軍で言う2個旅団から1個師団に相当する戦力だったとか。

 まさか、北方艦隊の狂言だとでも仰るのですかな? 月詠"中尉"」

「くっ」


「おやめなさい 月詠さん」
「佐藤どの。月詠が失礼を致しました。ですが、これも私を思っての事。どうか平にご容赦下さいませぬか?」

凛とした声。只の驕れる少女と思っていた煌武院 悠陽の意外な一面を垣間見た一瞬で有った。


「容赦も何も。 私はただ単に起こり得る事象と、其れへの対応をお話したに過ぎません。」

「そうでしたか。それでは佐藤さん。 私はこの日の本の国を守るべく、力を欲しています。
 どうか、あなた方の力を貸していただく訳には参りませぬか?」

元々正座であった煌武院 悠陽が深々と頭を垂れる。 つまりは土下座の状態となった。

「・・・・・・・・・あれだけ言われてなお、我々に力をかして欲しいと頭を垂れる事が出来るのですか。 
 それが貴女の覚悟ですか?
 非常に興味深いですね。 では、そうですね
 皇帝陛下と、この日本。そして、征夷大将軍としてでは無く"煌武院 悠陽" それらの為に微力ながら手をお貸ししましょう。
 先ほど貴女の言った、"帝国斯衛海軍・遊撃艦"ですか。名目はあなたがたで決めていただいて結構です。ただし
 一つ。我々は皇帝陛下の平穏を最優先します。従って、何らかの作戦中であれ、皇帝陛下に大事があれば、作戦を放棄も止む無しとします。
 一つ。我々は東北、北海道の地を優先します。従って、何らかの作戦中であれ、彼の地に大事があれば、作戦を放棄も止む無しとします。
 一つ。上記二点の際に、我々の作戦放棄を防ぐ為に情報を秘匿したことが発覚した場合、征夷大将軍以下帝国総理大臣等を敵と断じ、最悪関東以南への無差別・飽和攻撃
を実施します。
 四つ。非公式で結構ですので、皇帝陛下から、日本帝国国務全権を政威大将軍に代行させている。とのお言葉を頂きたい。
 五つ。我々の母港となる専用の港および関連施設を用意していただきたい。規模としては、全長2km程度の湿ドック又は浮きドックを用意していただきたい。
 六つ。松型駆逐艦・・・・・ いや、予備役艦でも老朽艦でも、駆逐艦クラス以上の船体をを3隻譲渡していただきたい。
 七つ。合同で作戦を行う場合、観測用として3隻用意していただきたい。これは、三角測量に従事していただく予定のため、作戦の際に派遣いただきたく。
 八つ。我々は、作戦に協力はしますが、いずれの指揮下に入る予定もありません。全ての指示などは、協力要請という形をとっていただきます。
 九つ。本来船舶に使用する物資以外の物資も必要に応じてある程度用意していただきたい。又、作戦実施に当たってある程度の軍資金を用意していただきたい。
  十 。我々の居た世界と異なる武装、例えば戦術機等について、有る程度の情報を開示していただきたい。例えば運用する機体の最大離陸重量など。

 とりあえずは以上です。要するに、協力はしますが、有る程度自由に動けるよう、便宜を図っていただきたい。と言うことです。」






@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@ 戦艦大和武尊 砲配置(主砲のみ) @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
● => 艦橋
→ => 砲配置方向
=> => 進行方向

ヲ→リ→ヘ→ハ→
●ヌ→ト→ニ→イ→  =>
ル→チ→ホ→ロ→

このような砲配置。
イロハ~ヲ が1番砲~12番砲

11,12番砲が艦橋の左右に来る配置で、主砲は全て進行方向に向けて配置されており、主砲での後方への砲撃は考慮されていない。
これは、旋回能力の高さと、艦載の誘導兵器等で対処可能と考えられたためである。 



[22290] 10月29日 ① 佐渡島兵装運用試験1
Name: 上弦◆9c67bf19 ID:a802b40c
Date: 2011/04/24 21:28
突然だが、皆さんは爆雷、と言うものをご存知だろうか?
対潜戦闘には欠かせなかった、ドラム缶みたいなアレである。
ん? ドラム缶式は旧式だ?新しいやつは涙滴型の本体に姿勢安定翼が付いてる?
気にするな。確かにそういう爆雷もある。 だが、一般的にはやはりドラム缶型が主流だろう。

さてさて、爆雷の簡単な種類分けをしてみよう。
まず、爆発する機会で分けると、
時限式、水圧式、接触式(磁気探知式)、そして、ほぼ海底の敵にしか使用しない高度式。
次に内容物で分けてみよう。
TNT、核、そしてピービーエックスやトーペックス。

ん? PBXとかトーペックスって何かって? 簡単に言うと、【軍用】の【強力】な【爆薬】の事だよ。
もっとも、強力な爆発物と言えば核を措いて他には無いだろうが・・・・






2001年10月29日 07:00 佐渡島沖 約700m 大和武尊 第一艦橋 



***********side 佐藤 大輔***********
「突撃級の集団を撃破。現在要撃級と交戦中。6割撃滅・・・・・。」

「了解。」


現在、何をしているのか?と言うと、現在の武装がどの程度BETAに対して有効なのか実践にて確認/証明を行っているところだ。
予定している武装は、
100cm砲、280mmAGS、対艦ミサイルVLSⅢ、対空ミサイルVLSⅢ、RAM、ASROCⅢ、35mmCIWSだ。
前回の戦闘(?)では、主砲のみでの力押しでBETAを撃退したものの、実質的にどの程度我々の戦力が有効なのかは判断できなかった為、
近場の佐渡島ハイヴで確認をする事にした。


突撃級はモース硬度15の強固な前部装甲を持ち、最大で時速170kmの高々速からの突撃のみを武器とする角ばった芋虫の様なMOBだ。
他のBETAと移動速度を合わせられない為突撃級の集団だけで突出することが多々ある。
また、旋回性能は最悪で、尚且つ装甲は前部にしかない為、戦術機にとっては一旦避けてしまえば柔らかな臀部を晒す為、後ろからの攻撃は有効だが
数百から数千の集団を避けきるのは並大抵のことではなく、突撃級との接触事故は後を絶たない。
前方から倒す方法としては36mm弾の一点集中攻撃や、120mm弾の連続攻撃で前面装甲を破損させること。
なのだが120mm弾の携行数、1匹殺るのに掛かる36mm弾の数、そして時間。1匹を倒してる間に別の1匹と接触事故を起す事例が少なくない。



ならば。数には数を。そして、突撃しか脳のない連中には、手出しのできない海上から攻撃してみるのも一興ではないだろうか?


船体に23機搭載されたCIWSが唸り、地球に優しい35mm弾をBETAに吐き出す。
36mm突撃砲では倒し難い、と言われるさしもの突撃級集団も1分当たり5万発、 全機あわせて分間115万発のタングステンの濁流の前には
その自慢のモース硬度15の装甲殻意味を成すことはできず・・・・・・・
程なく突撃級集団は大量の紫の汚物をぶちまけ、物言わぬ肉片と姿えた。


その後、葬っても葬っても湯水の如く湧き出すBETA。そのBETAの亡骸による撃ち漏らしを避ける為に海岸線沿いに移動をしながらの攻撃をすることとなった。
その結果砲関連の攻撃力は、ほぼ2/3に落ち込んだが、地上を追撃してくるのは腕に硬いロードコーン状の武器と柔肌をもつ要撃級と、
その他大勢の小型種のみでありCIWSの乱射のみで片付けることができた。




BETAは途切れる事無く沸き続ける。
幾許かの時間が流れ凡そ中型種以上だけでも3千を越え、佐渡島をぐるりと回っていた艦は真野湾に差し掛かった頃・・・・




「・・・・お? 甘美に被弾。 被害確認中・・・・ 確認出来ました。"少し温まった・・・・かも?" との事です。」



光線種の生体レーザーを受けたとの事だった。
場所は田切須崎。地形の影響による偶然か。はたまた門が存在すると言うだけの偶然か。それとも単なる必然か。
一箇所に集った光線級、及び重光線級の一斉射撃。重光線級だけでも70体以上、計120体前後の一斉照射は、電磁防壁を突破し、
艦本体にダメージを加えるに至った・・・・というわけだ。



「取り舵。280mmAGS射撃用意。射界に入り次第攻撃」


残念な事に、この艦には後方への砲撃能力が無い。CIWS1門すら後方に向いてないのだ。


しかし。1秒もしないうちにモニターにAGS射撃開始のアイコンが点灯する。
高い運動性、高速巡航能力、そして全方位に即応可能な精密誘導兵器。
それがこの艦の現在のコンセプト。 敵に正面を向ける事で被弾面積を限定し、尚且つ最大の火力を発揮する。
通常の兵器では太刀打ちする事が難しい超兵器を叩く為の一つの "答え"



「艦艦長。光線族種の殲滅を確認しました。尚、帝国海軍新潟基地より入電。新型爆雷4発完成との事。」



新型爆雷。何のことは無いただのS-11に水圧計と起爆装置を取り付け、その他の遠隔装置等をオミットしただけの急造品だ。
BETAには通常の爆雷での対処が困難。ならば"戦術核に匹敵する破壊力を持つ"とされるこの高性能爆弾ならどうだろう?
そんな事を考えながら、我々は新潟基地に向けて舵を切ったのだった。





この兵器がBETAに、そしてハイヴに与える影響など全く考えずに。










参考
●航路は東京湾→津軽海峡→佐渡島の経路を取り、付近一帯に対して航海規制を敷いた上で全速で移動をしたのだが、移動だけで4日も掛かってしまった。

●発射速度の参考
 35mmCIWS→(wiki)Mk.15ファランクス(4,500発/分)+動装填装置γ (装填時間-91%) →(50,000発/分)

 RG-36→(マブラヴオルタネイティブまとめwiki)36㎜チェーンガンシステム
 36mmのチェーンガンの発射速度→(wiki)Bushmaster III(200発/分)




[22290] 10月29日 ② 佐渡島兵装運用試験2
Name: 上弦◆9c67bf19 ID:a802b40c
Date: 2011/05/01 23:22
2001年10月29日 11:00 佐渡島沖 約700m 大和武尊 第一艦橋 



***********side 佐藤 大輔***********
S-11爆雷を受領した我々は、攻撃を最低限に抑えつつ、佐渡島の周りを大きく一周し、出来るだけ数多くのBETAを誘引し、

佐渡島基地からも観察がし易い様、本土側の海域で爆雷を投下する事にした。
この実験が上手くいけば、ブイにこの爆雷を吊り下げた浮遊機雷や、それを幹縄に多数ぶら下げた延縄式など




「90度回頭後爆雷投下。投下と同時に機関全速・・・・ 爆圧に巻き込まれないよう十分に距離を取る。 取り舵!」
「了解。  ・・・・回頭完了しました。」

佐渡島を一周し、舵を切り進路を元来た新潟基地に取る
元々、この戦艦には7種類以上の兵器の運用能力は無く、戦艦である以上、そもそも爆雷の運用能力も無い。
従って今回のS-11爆雷は艦尾に括り付けただけ、と言うお粗末な搭載方法を取っている。
投下そのものは爆雷につけてある爆発ボルトを作動させて艦と繋がれたワイヤーと分離するだけであり、投下装置としては特段技術のいるものではない。
但し、この手の核爆雷等の高威力爆雷を投下するにあっては噴進爆雷砲や対潜ロケット等が欲しいところだ。


「よし。   爆雷投下!」

爆発ボルトが爆発し、爆雷が1発水中に投下される。

「前進 強速!」

最高速度96.7kt。静止→トップスピード迄7~8秒という戦艦では有り得ないような爆発的な加速を、
核融合炉Ⅵと標準タービンが。そして謎の推進装置Ⅱが叩き出す。



「7・・・・・・・・・・・・6・・・・・・・・・・・・5・・・・・・・・・・・・4・・・・・・・・・・・・3・・・・・・・・・・・・2・・・爆発・・・今。 衝撃波・・・きます」


S-11爆雷が、巨大な水柱を打ち上げその役目を果たす。
空気より重く密度の高い水中では、爆圧が減衰することなくBETAを蹂躙する。




しかし、何事も絶対に計画通りに行く、と言う訳ではない。



爆発の直後、小規模の津波を引き起こす事は予想されてはいたのだが・・・・・・・






「艦長!本艦が佐渡島ハイヴに引き寄せられています!!」

「重力砲か!? ナミ少尉。周辺の重力分布を精査。重力砲ならば超兵器との戦闘に成る可能性があるぞ・・・・・・」


「当海域周辺の新規の重力異常はありません! 爆雷投下ポイントにて巨大な渦が発生。我々も引き寄せられています!!」

「各員に通達! 何かにつかまれ!」


大渦に半ばまで吸い寄せられ、渦の縁口をなぞる様になんとか抵抗する。
凄まじいエネルギーが船体を襲い竜骨が軋む。

「小破!!」

悲鳴なのか、報告なのか。
人間との戦争においては海上要塞のソレに等しい戦艦が、大自然を前に川を流れる木の葉の如く弄ばれる。





・・・・・・・・


「さて・・・・・・。 一体なんだったんだ??」


大渦その物は数十分で収まり、海は何もなかったように静かに成った。
だからと言って"何もなかった"と言う訳ではない。
この戦艦には潜水能力はないが、ソナーやその他のセンサー類は当然装備されている。
勿論海底の起伏等を精査する超音波センサー等も。だ。


その結果、下記のような事が分った
1) 爆心地点の直下に何らかの海底トンネル、又は海底洞窟が存在した
2) 爆圧の影響で洞窟の天井部が崩落、海水が流入した。
3) 先ほどの大渦は洞窟に海水が流入した際に生じたものである可能性が高い。
4) 爆雷の投下ポイント等は帝国側との確認の元に決定しているため、帝国側にとっても未知の空間である可能性が高い
5) 大渦の規模、時間から考えて唯の海底トンネル等の人工物である可能性は低い。




大半が予測である以上、現在海底調査能力を有する帝国海軍に引き継ぐことが無難だろう。

「新潟基地へ連絡。潜水艦及び海神の派遣を要請。万一に備えて爆雷戦の用意もだ。 ・・・・さて 当艦はこれより帰投する。一路敦賀港へ。」



この日本には琵琶湖運河と言う物が存在していたのだが、先のBETA侵攻でその運河としての機能を失い、現在は福井と三重の巨大な港が存在する。
と言うだけの状態で放置されていたが、都市部から離れている事と、巨大な港である事、他の使用者が居ない事等は我々が港とする上ではかなり好都合だった。
帝国海軍としては、もう少しきちんと設備の整った軍港を提供し、技術提供成り何なりを引き出したいようだったが・・・・ 




副官に指揮を任せ、私はこの船の中心部にある"特別な部屋"へ移動しすることにした

私が部屋に入ると背後で重々しい音と共に扉が閉まり黄色のランプが明滅し私を迎えてくれえる。
部屋には革張りの椅子が1個と緑のグリッドが走った画面。そして十字キーと11個のキーと2個のジョイスティックがついた鼠色のコントローラ程度しか無い。


HLG-63。MEKOコンセプトを基礎とした船舶の設計及び建造を行う謎システム。本来は軍用の大型ドックなりドック艦に搭載するような代物だが、当艦に随行していた
ドック艦が沈没したためサルベージしてあった物にダメ元で動力を繋ぎ、取りあえず設計だけは出来るようにはなっていた。

さて・・・・ アレを設計しよう。名前は大綿津見神といったところだろうか?




画面に明りが灯り偽装も何もされていない船体の設計図が投影される・・・・・











*****************************************************
延縄式浮遊機雷=>るろうに剣心の人誅編で貫殺飛苦無・川蝉の嘴に貫かれていた機雷陣がモチーフ。

佐渡島ハイヴの地下茎構造について
戦車級をモデルとして侵攻速度を70km/hと設定
横浜基地襲撃事件の際の第一報時の観測地点と観測時間、(横浜基地での)BETAの出現地点とその時間から移動速度を算出

移動速度の差から、何らかの影響で侵攻の途中から移動速度が下がったものと思われる。
もし仮に本土付近まで地下茎が伸びていてそこから掘削を始めたから合計の移動時間が短縮されたものと設定



[22290] 10月29日 ③ 佐渡島兵装運用試験3
Name: 上弦◆9c67bf19 ID:a802b40c
Date: 2011/05/07 10:37
2001年10月29日 17:26 敦賀港 大和武尊~大綿津見神 第一艦橋 



***********side 佐藤 大輔***********
敦賀港に入港した我々は、投錨後即座にHLG-63を起動。
かねてより計画していた装備へと武装などを変更する事とした。

「HLG-63起動。総員注意せよ」

666mを誇る船体が、100サンチの主砲が熱した飴細工のようにその姿かたちを変える。
船体は150m程の丸みを帯びた流線型に。100サンチ12門の主砲は2門の48.3cm魚雷砲塔に。
特徴的な檣楼型の艦橋は小さな三角形のマストに。VLS群は船体中央に。
機銃群は姿を消し、鋭い牙を持つシャークマウスそのものに。
胸鰭、尾鰭、尻鰭、尾鰭、そして三角形の背鰭型マストと共に配置がなされる。

最後に船体中央より上を群青、下を白に塗り分けて、サメ潜水艦"大綿津見神"の完成である。


元々、今回の爆雷投下試験については、帝国軍と打ち合わせの上、新潟基地から観測の可能な爆雷投下地点を提出してもらい、
そこに投下したのだから、こちらの不手際ではない。それに引継ぎそのものは終わっているので、なんら問題ない。

「日本国海軍大綿津見神。出航」

8機の水中用原子炉αが唸り、2機の水中用モーターαを駆動させ、尾鰭を動かす。
補助兵装の力を借りたソレは水上速度108.9kt/水中54.9ktの速度をたたき出す。
武装に関しても抜かりは無い。
80cm潜水誘導魚雷 4門*2
48.3cm砲塔誘導魚雷 連装*2
小型機雷掃討魚雷 *1
対艦ミサイルVLS 18基72門
ASROCⅢ対潜ミサイル 2基8門
特殊弾頭ミサイルVLS 2基8門
対艦ミサイルVLS 2基8門
無限装填装置 *1

日本武尊の様に、超兵器を相手にする。と言う所までは無理だろうが、超兵器の無い米国ならば1個艦隊程度相手に出来るだけの戦力である。

もっとも、無限装填装置と特殊弾頭ミサイルVLSさえあれば、特殊弾頭ミサイルの乱射、という戦法でどうと言う事の無い戦果ではあるが。




2001年10月29日 19:26 敦賀港 大綿津見神 艦橋 



***********side 佐藤 大輔***********
腕が鳴ったので、今日はカレーにした。 無限装填装置の恩恵か、はたまたその影響か。
生鮮食品に関しては常時新鮮なものが豊富に揃っている。80ktオーバーの船で釣りをする事は不可能ではないが、全く釣れないのでありがたい限りである。

ちなみに、カレーに桃汁をいれるのがポイント。先日の半煎りコーヒー豆も勿体無いのでコーヒーを作って入れてある。
残念な事にカカオ99%チョコレートが無かったのでチョコレートは入っていない。


該当海域へ到着現在海底のゲートよりBETAの出現は無いが崇潮級強襲潜水艦と海神が門の周りを取り囲み厳重な警戒を行っていた。

「こちらは帝国斯衛海軍 攻撃型潜水艦 大綿津見神 (オオワタツミ)。 私は艦長のダイスケ・サトウです。これよりハイヴに進入、強行偵察を行います」

何となく、潜ってみる事にした。 だって、海底洞窟があるのだから。
登山家は言う。私が山に登るのは、そこに山があるからだ、と。
ならば私は言おう。私は潜る。そこに海底洞窟があるのだから。


『は帝国斯衛海軍、佐藤大輔大将。確認が取れました。ですが、オオワタツミと言う潜水艦に該当はありません。 というか、なんでサメなんですか?』

「艦の形状等については、申し訳ないが軍機だ。と言う事で勘弁して頂きたい。それと、そちらの指揮官に伝えて欲しい。"早く通せ。責任は私が取る"以上です」

『了解。本部より連絡。"了解。幸運を祈る"以上です』

海底ゲート(仮)はすんなり通して貰えた。
さて、いよいよ楽しい遠足の始まりだ。






2001年10月29日 20:12 佐渡島ハイヴ 大綿津見神 艦橋 



***********side 佐藤 大輔***********
・・・・コーン・・・・

・・・・コーン・・・・

・・・・コーン・・・・

・・・・コーン・・・・

・・・・コーン・・・・

・・・・コーン・・・・

・・・・コーン・・・・

映画の影響で、通常の潜水艦はアクティブソナーを使いながら移動している。と言う先入観があるかもしれない。
しかしそれは大きな間違いだ。なぜなら本来潜水艦は暗闇を行く忍者のようなものだ。それがアクティブソナーという明かりを煌々とつけていたらどうなるだろう?
敵に見つかって即撃沈の憂き目に会うのが関の山である。

それにも拘らず、本艦がアクティブソナーを使用しながら移動している訳は、もちろん。敵対する潜水艦が居ないからである。
所詮は殴るか突撃するか噛み付く以外の攻撃方法を持たなならば、早く発見して撃破するに限る。
それと、一応の有視界航行は行っているものの念には念を入れて、である。

「ソナーに感。BETAの群れです。距離700。数およそ500」

「小型機雷掃討魚雷・弾数2、準備出来次第発射。続いて48.3cm砲塔誘導魚雷・弾数2、80cm潜水誘導魚雷・弾数4、射撃準備」



パシュッ、パシュッ


気の抜ける、と言うか可愛い音がして小型機雷掃討魚雷が2発発射される。
本魚雷は進路上に鉄片をバラ撒き、進路上の機雷を掃海する魚雷なのだ。潜水艦や戦艦などを攻撃するものではないのだが、
洞窟内で魚雷を爆発させた場合、拡散されない爆圧が反響/増幅され、魚雷を放った当の潜水艦までその被害を被る可能性がある。
よって、出来るだけ倒せるギリギリの魚雷を使用し自爆のリスクを軽減させるのが望ましい。


「報告。機雷掃討魚雷による一定の成果を確認しました。次に、48.3cm魚雷射撃準備完了しました」

「待て。48.3cm、80cm。両魚雷の射撃を延期する。 小型機雷掃討魚雷。射撃準備。弾数無制限。敵殲滅まで射撃を継続。準備出来次第撃て。
 尚、機関後進。BETAの突破に備えよ」

BETAの編成の関係だろう。しかし、ほとんど爆発力の無い機雷掃討魚雷で掃討できるのであれば何発掛かろうがそれに越した事は無い。



数分後、BETA群を掃討し再度前進を開始する・・・・・・・・・









********************************************
サメ潜水艦→WSCやWSGに出てくるナマモノ系兵器。大きさを気にしなければまんま頬白鮫。推進方法も尾鰭を左右に振って泳ぎ回る。潜水艦の構造となんか違う・・・・
波動砲や重力砲なんか使ってくる危険なやつ。でも所詮ザコなのでデ~デンなどの専用BGMは無い。WSGシリーズではWSG2鋼鉄の咆哮にて初めて運用可能。WSG3の

発売が期待される。

小型機雷掃討魚雷→WSGに出てくる機雷を掃討するための魚雷。説明文では軌道上に鉄片を周囲に打ち出し、機雷を掃討しながら進む魚雷、との事。

WSGの機雷→殆どのが海面近くに設置されてる対潜/対艦共用。しかも、ホーミング機能付き。 一回見つかると最高速度出そうが深深度潜航しようが
絶対についてくるおっかない子。対機雷兵装は必須。 



ダイスケ・サトウの表記について→さとうだいすけ で漢字表記をしたのですが何故かサトウのトウ、フジの字のために投稿エラーになるので変更。



[22290] 10月29日 ④ 佐渡島強襲偵察
Name: 上弦◆9c67bf19 ID:fa67df64
Date: 2011/08/19 05:41
2001年10月29日 22:36 佐渡島ハイヴ内 水深921m 大綿津見神 艦橋 



***********side 佐藤 大輔***********
「せんちょー 飽きてきませんか~」

艦橋内にはかぎりなくゆる~~い空気が漂っている。
それはそうだろう。いままでのBETAとの接敵が無かった訳ではない。

むしろ、前後からの挟撃をされてみたり、いきなりハイヴの坑の天井を食い破って襲撃をかけてきたり、はたまた、自らの体でバリケードを築いてみたり。

接敵回数38回。しかし、その全てにおいて、機雷掃討魚雷をほんの2~70発撃ち込んだだけで終わってしまったのだ。 これでは張り合いが無さ過ぎる。
それが原因で空気がダレた。としても仕方がないことだ。


「・・・・・・・・・・・・・船長。そろそろ11時です・・・・・・・・もう帰りましょう・・・・・・」
ナミさんはそろそろお疲れモードのようですな。まぁ、確かに元々佐渡島攻略ではなく、あくまで偵察なので適当な所で切り上げて戻ってもいいんだが・・・・・。

なんつーか、洞窟探検って、こう胸にぐっとアツい物がこみ上げてくるんだよね。 うん。あれだ。 男のロマンってやつだ。子女にはわかるまい。
まぁ、んなこたぁいっても人工(BETA工?)の洞窟じゃ込み上げてくるもんも半減するんだが・・・・・


・・・・・・・そういや、結構な時間になってるがこれって夜勤手当とか出んのか?? 勤務時間って、基本8時~1650時なんだけどな。 今度征夷大将軍に聞いてみるか。





「あー・・・・・ 艦長? 横穴ほってシールドマシン?? 出現!」

BETAの中にも空気を読む事に長けた種があるらしい。 弛緩した艦橋の空気を一掃するように ソレ は出現した。


「えーっと・・・・・ 新種のBETAか?」

アクティブレーダー類をフル活用し、補助兵装である"デジタルビジョン"を用いる事で一応、視覚的に外界を視認出来るのだが、いかせんモノクロなのは・・・・・

「かもしれません。それに、現代の人類側にこの深度で稼動出来る潜水艦がある可能性は極めて・・・・ 艦長。 攻撃指示願います」

「うし。攻撃は最低限度とする。新種のBETAであれば帝国軍かなんかが捕獲するだろう。ほっとけ。あー。。適当に指示出しといて」

「了解しました。 前部攻撃管制。 攻撃準備。弾種、機雷掃討魚雷。弾数30。 スイムアウトにて発射」

ニュルっ ニュルっ ニュルっ ニュルっ ニュルっ っという表現がふさわしい状態で、魚雷が鮫の鼻から放たれ、徐々に加速しながら シールドマシン? に向かう。

「なに・・・・・??」

シールドマシンでいえばカッターヘッド部、と言えばいいのだろうか? 先端の部分が観音開きのように開放し、中からBETA群が出現した。
と言う事は、アレはシールドマシンではなくマウスブルーダーとよぶべきだろうか・・・・・・?

いずれにせよ、機雷掃討魚雷は効率的に既知のBETAを駆逐する事に成功した。

「さて・・・・ 折角見逃してやろうかとも思ったが・・・・・・・ あまりにオイタが過ぎたようだ。 オシオキしてみるか。80cm潜水誘導魚雷。雷数4口ん中狙って撃て!」

ニュルっ ニュルっ ニュルっ ニュルっ

もう既に圧搾空気では、80cm魚雷ですら発射する事ができず、やはりスイムアウトで放たれ、大きく弧を描いて全て新種の口の中に吸い込まれ、計5.6tの炸薬が起爆する。
そして、さしもの未確認BETAが爆ぜ、衝撃波が襲い掛かる

「衝撃波・・・・ 来ます!!」

ナミの悲鳴ともいえる報告。

「来るぞ!! 総員 何かにつままれ!!」



ソレは、荒波に弄ばれる笹舟のように・・・・

ギシギシッ ミシッミシッ  

装甲が悲鳴をあげ、狭い抗内に幾度と無く叩き付けられる。



「損害報告!!」

衝撃波が過ぎ去った後、各部署の損害を報告させる。ギリギリ航行可能程度の損害は覚悟していたが、幸いな事に艦側には、食器が飛び散ったとか、
書類が散乱したとか、トイレが地獄になった等と言う、極めて軽微な損害が出るに留まった。防御重力場βサマサマ、と言った所だろうか。


・・・・・・・さて、疑問が一つある。
なぜか、例の白いケースが例の新種BETAの所にぷかぷか浮いている。取っておくか。

ピリッピリピー 着々 戦果を 拡張中なり



そんなこんなで、主要なイベントを全て終了し、頭脳級とやらの目視(あくまでレーダーやセンサーを処理した"デジタルビジョン"を通してではあるが)確認した。

「よし。帰るぞ。」

本来、我々は偵察を任務として此処、佐渡島ハイヴに威力偵察を仕掛けた"だけ"であるからして、占領してしまうのは問題ではないのか?

なにより、世界で唯一人類が手に入れたハイヴにはまだ稼動中の頭脳級が存在すると言うではないか。それほど重要な物を我々が勝手に破壊するわけにも行くまい?










**********************************************************************
●今回の元ネタセリフ一覧
「船長、魚群探知機に複数の反応を確認しました。総員にイカ釣りの指示をお願いします! 至急!」
「もう帰りましょう・・・」
WSC2より

「大統領、 超兵器軍団の殲滅に成功しました!」
「総理、ジュラーヴリクの殲滅に成功しました!」
WSC3より

「艦長! 海中からウネウネした物、出現!」
WSG2より



[22290] 設定、というか ゲームの紹介と言うか、用語解説なもの
Name: 上弦◆9c67bf19 ID:a802b40c
Date: 2011/02/22 19:13
鋼鉄の咆哮って何?

WW2の海戦をモチーフとしたシューティングゲーム(基本的には。)

流れとしては
戦闘(金稼ぎ)⇒武器開発⇒船舶の設計⇒戦闘 と消化していき、クリアを目指すものです。
アーマードコアやフロントミッションの海戦版、と考えてもらうと分かり易いかもです。


ゲームの2大要素
・戦闘パート
・開発/設計パート
 ・船の武装などを開発設計するパートです。
  船のパーツ(砲などの武装、艦橋、煙突、主缶、主機、補助兵装(レーダーとかなんか)防御用装甲、艦旗)の中から
  乗せられる重量、部品総数、乗せられる場所などを考えて載せていきます(要するに、乗せられるところに乗せられるだけ乗せる)
   ・外観にこだわる(俺、大和つくる! 的な。)
   ・火力、速力、防御力に拘る。(防御は当然 対80cm広域防御でしょ!!とか。)


こんな船ができます。(例
・40cm3連砲を16門積んだ戦艦。            とか。
・100ノット出せる戦艦。ただし武装は10cm単砲1門のみ。とか。
・船首と舷側にドリルと円ノコ付けた船、       とか。
・花火が打ち上げられる船、             とか。



こんな敵が出てきます。(例
・ロックオンできない敵
・レーザー積んだモーターボートの群れ
・レーザーと魚雷とミサイルなんかで武装した巡洋艦がごっそり。
・無限に艦載機出してくる航空母艦。



こんなBOSSが出てきます。(例
・60ノットは出る全長1km位の巡洋艦         (ヴィルヴェルヴィント)
・でっかい双頭爆撃機(翼長さ200m)        (アルケオプテリクス)
・無限に小型艦を吐き出すでっかい強襲揚陸艦    (デュアルクレイター)
・光り輝くレーザー戦艦              (グロースシュトラール)
・巨大氷山空母                  (ハボクック)
・タイフーンよりおっきい攻撃型潜水艦       (ドレッドノート、ノーチラス)
・でっかいドリルに船がくっついたやつ       (アマテラス、アラハバキ、あら、葉巻?)
・でっかいレーザー(太陽凝縮砲)放ってくる油田   (ヘル・アーチェ)
・ちっさいレーザー戦艦(容赦なく波動砲放ってくる)(1/144ぼるけんくらっつぁー)
・ねじり鉢巻きしたでっかいイカ          (キョウフノダイオウイカ)



最後に。
書き出しにWW2をモチーフにした、と書きましたが、100cm砲とか、波動砲とか、光子榴弾砲とか、アヒルとか。
訳のわからんものまでいろいろ出てきます。
 まぁ、光栄クオリティー、ってやつです。

*******人物紹介*******
●日本武尊艦長 佐藤 大輔(サトウダイスケ)
 ※日本で一番多い名字と思われる佐藤+一番多いと思われる男性の名前大輔
  命名際して、深い意味は無い。

●オペレーター ナミ

●10月22日の警衛司令
表門歩哨など警衛隊の形態を各中隊の持ち回と解釈。この時は女性警衛司令。

*******用語解説的な何か************
●超兵器
 ウォーシップガンナー・ウォーシップコマンダー全部を通じて出てくる、いわゆる各ステージのBOSS。
 特殊な機関を搭載している事になってる。基本的に巨大な船

●波動砲
 文句なしの必殺兵器。海上、陸上兵器に対しては強力。 潜水艦には効果ありません

●100砲
 単砲のみ。一見してネタ兵器だが・・・・・・

●400ガトリング砲
 いわゆるバルカン砲のでっかいやつ。

●NEKO航空機(攻撃機、戦闘機、爆撃機)
 川に捨てられた猫が、逞しくなって帰ってきました。
 親玉は戦艦。かなり凶暴。@甲板でお昼寝る大好き。
 ライバルはハウニブーとアヒル航空機

●ハウニブー
 ドイツの科学は世界一~~ なまんまる航空機。ブーメランでもフリスビーでもない。
 親玉は超兵器らしい。ライバルは猫とアヒルとトンボ

●アヒル航空機(戦闘機、攻撃機、爆撃機)
 銭湯とか、お風呂場に置いてある可愛いあれ。 
 親玉は戦艦。 だけど可愛い。
 ライバルは猫、トンボ、ハウニブー


●防御重力場β
 強力な重力場を作り出し、実弾兵装を減衰させるもの。βで95%減少

●電磁防壁β
 強力な電磁波を作り出し、光学兵装を減衰させるもの。βで95%減少

●謎の推進装置
 積むと40%程度早く疾れる。なんで速くなるのかは、謎。もちろん 謎の推進装置 も、ある

●無限装填装置
 謎パワーによって弾の心配がいらなくなる。 入手は面倒だけど手に入れる価値は ある?

●漂流者の保護
 鋼鉄の咆哮のゲーム本編において、軍に殉じた名艦長。 エクストラモードでは南の島で独身貴族を謳歌している。
 この艦長の保護(南の家の島の破壊)を企図する作戦。砲声などを聞きつけて敵艦がうじゃうじゃ寄ってきた。

●島の掃除
 とある島に巣くうのら戦艦やらのら空母、のら駆逐艦の駆除を企図した作戦。

●副官たちの喧嘩の仲裁
 副長たち(♀♂ ♂(壮年の良いオヤヂ))の三人が艦長を巡って恋のバトル!!なんか夫々の副官が艦隊まで持ち出してきた!!
 この副長たちをなんとかする(全滅させる)のを企図した作戦。

●究極生モノ兵器
 本編の厄介者、変なオジサンが復活した。今度は船じゃなくて巨大な烏賊でおおあばれ!!
 げそ焼き食べたい!! 艦長!!!なんとかして!!! な作戦

●超ミコシ
 艦長を搭載して水兵たちが担ぐ神輿。特に目出度くもない。

●超ギンダマ
 超ミコシに搭載されているギンダマ。 当たると痛い。

●MEKO
MEKOとはMEhrzweck-fregatten KOnzept(多用途フリゲート・コンセプト)の略語で、兵器や電子機器、
その他の装備品をモジュールとしてまとめることによって保守整備の手間やコストなどを低減するコンセプトのことである。

基本となる船体がまず設計され、そこに兵装や電子機器のモジュールをはめこんでいくことによって、
顧客の希望に応じた艦を比較的安価に入手できる上、モジュールを取り替えることで簡単に改装できる。(wikiより。)

●ピッピリッピー ハイジョー ホンハー ハイホーヘンヘー

鋼鉄の咆哮シリーズにて漂流者(撃沈した船の乗組員)やアイテムのコンテナなどを入手した時に流れる音(声)。
正しくは、”着々戦果を拡張中なり” と言ってるらしいのだが、まったくそう聞こえない。

●光学迷彩艦旗
WSGでは一艦につき旗(等)を掲げることができる。その内の一枚。
効果は敵レーダー性能 -10% ちょっとアレンジしてみた


感想掲示板 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

SS-BBS SCRIPT for CONTRIBUTION --- Scratched by MAI
0.12660312652588