或る少女のエピローグ
少女は嗚咽していた。
寂しくて、悲しくて、孤独で、自分を取り囲む黒い者たちに、押しつぶされそうになっていた。
少女は叫ぶ。
誰か、助けて。
私が何をしたの。
謝るから。
謝るから、だから私を捨てないで!
少女の声は誰にも届かない。
当たり前だ。
少女の周りの者たちは、もう人間ではないのだから。
だが、少女はそんなことには気づかない。いや、気づきようがなかった。
叫び続ける少女の喉はやがて潰れ、血を吐くようになりながらも、少女は助けを求めるのを止めなかった。
仄かに紅い暗闇の中で、生きようともがき続ける。
それは、少女と或る者の邂逅の一瞬前の情景。
それは、混乱に満ちた物語の序章。
それは、一つの時代に終わりを告げる最初の鐘。
そして、彼らの旅路の原点。
-------------------------------------------
初めまして! 今更ですが、あらすじと軽く世界観なんかを書いていきたいと思います。
◆ジャンル:ちょっと堅めの王道ファンタジー(目指します)
◆第一部あらすじ:帝国歴第四紀277年。侯爵家お付きの宮廷魔術師アレシア・ベケットは、高名な魔術師である親とは反対に、気弱な性格からか実力を発揮できず、埃と文字に溺れる毎日を送っていた。
そんな彼女に、突然の転機が訪れる。それは侯爵家の一人娘の教育係りに任命されたことだ。そしてその直後、彼女に悲劇が襲う。
アレシアと、二歳の候女と地下牢で出会った齢五百年の吸血鬼。三人の十年にも及ぶ旅路の果てにある終点とは?
◆世界観
北帝ヴァレンシア…大陸唯一の超大国で通称帝国。現在は八代皇帝アルカディウス三世である。
帝国属国…帝国に属する八つの国々。帝国を中心に東西南北に展開している。
東側…温暖で農耕が盛んなクロハイム。草原と遊牧民族の国、ケイハン。山岳地帯に広がる巨大都市国家シェオメイハルがある。
西側…海運が盛んな商業国家で、属国の中では唯一帝国と同盟関係を結んでいるキュイメル。そして美しい島々を統治しているブラッシュウッドの二カ国。
南側…諸国は治安が悪く、反帝国運動が盛んなヲーガズと帝国と不可侵条約を結んでいるエルフの森があるウランディルの二カ国である。
北側…極寒の地である北方の島国キスカのみ。
これらの国々には王が存在し、国内の侯爵達を束ねる王が皇帝と間接的に服従する形を取り、帝国に属する国として存在している。
魔空(まそら)…人の中に存在する二つ目の『空』。この力を描いた陣に注ぐことで、無から有を生み出したり、物質を変化させたりできる。この行為を一般的に魔術と呼ぶ。
人種…エルフ族・妖精族・人間族・亜人種が存在している。またそれぞれの違う種と交わった亜種も多いため、純潔の種の方が稀少。
とりあえずはこんな感じです。また物語が進んだら、随時付けたしていこうかと考えてます!
少しでも興味を持たれた方は、是非読んでみてください。
それでは次ページから本編にどーぞ!