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[20364] メメクラゲ習作 短編集
Name: メメクラゲ◆94ad61bb ID:583704fc
Date: 2010/09/15 11:49
・練習用の短編集です。作者が色々な課題において、書き上げている短編です。
・よって、全てが習作になります。

・繰り返しになりますが、これは作者の練習用作品です。よって、あらゆる性癖、嗜好、残酷な描写、シチュエーションが出てくる場合もあります。(そういう描写訓練も含むため)

・また、作品上の効果、構成を狙い、あえて冒頭でシチュ、属性の警告をしない恐れがあります(ネタバレに抵触するため)

・上記の点をふまえ、了承していただけると嬉しいです。XXX板という大人のみが読める……という特殊な板ゆえに、理解いただけるとありがたいです。



[20364] 戦隊陵辱モノ 前編 【習作】 【完結】
Name: メメクラゲ◆94ad61bb ID:583704fc
Date: 2010/07/17 15:58
 
  戦隊陵辱モノ 短編 NTRあります


「くっ、うううううっっ!! は、離してっっ!!」

 私の腕に絡みつく、グネグネとした触手の感触……。油断した……。胸の奥に湧き上がるのは、その思いだけ。
戦隊用強化スーツもビリビリに破け、私の胸は空気に晒されてしまっている。羞恥と屈辱に頬が赤く染まっていく。
 周囲から響くのは、敵の戦闘獣人どもの下品な笑い声。腕に絡みつく、拘束用の触手を払いのけようと足掻くが、その努力は報われない。どれほど力を込めても、ヌルヌルとすべる触手に力を吸収されていくようで……。

(ああっ、レッド……お願いっ。助けにきてっ!!)

 謎の組織から現われる、危険な怪人を倒す正義の味方。それが私達。リーダーであり、恋人でもあるレッドの名を何度も胸の中で叫ぶ。
私が身にまとったピンク色の強化スーツは、既に何の機能も働いていなかった。
 顔を覆うマスクさえもが剥がされ、さっきから何度も、獣人どもが吐き出す、おぞましい唾を顔に受けてしまっている。

(罠だったのね!! やっぱり……、一人で潜入なんか……。ああっ、ごめんなさい)

 三日前、敵アジトらしいモノを発見した私達。リーダーであるレッドから、入念な準備期間と計画を立てる……と言われていたにも関わらず、ただ独りで先走った私。
 子供の頃から、ずっと、ずっと憧れて、大好きだったレッド。その彼に、少しでもいい所を見せたくて、軽く情報収集だけでも……って思っただけなのに。まるで、私の動きを察知していたかのように、気がつけば周囲を取り囲まれていた。

「やっほー、ピンク。お元気……って、あははっ、何よ。そんなびっくりした顔しちゃってさ」

「あ、あなた、ブルー!! ど、どうして。う、ううんっ、は、早く助けてっっ!!」

 突然、周囲を取り囲んでいた獣人どもの間を抜け、声をかけてきたのは、同じ戦隊の仲間……。ブルーの楠木ユリ。
いつも明るく、皆のムードメーカー。黒く長い髪をツインテールに結んだいつも通りの髪型で、ニコニコと笑っていた。
 どうして彼女がここに、スーツも着ずに、しかも獣人の中から……!? 驚愕のあまり、思考が停止するが、とにかく助けを叫ぶ。

「た、助け……」

「あははははっ、やん。いつも冷静なピンクらしくないよ。少し考えれば解るでしょ? あたし、コッチについたから。あははっ、ピンクは罠にかけられちゃったの。ふふっ、お嬢様なのに、あんがい馬鹿なんだねー。あははははっ」

「なっっ!?」

 普段と全く変わらない屈託の無い笑顔を浮かべ、恐ろしい内容を平然と告げるユリ。短めの黒いミニスカートから伸びた真っ白な足を、リズムよくトントンと地面のアスファルトへ打ちつけながら笑う彼女。
 信じられない……。あんなに仲間思いで、子供が大好きだったユリが……。

「ど、どうしてっ!? 正気なのっ!? ううん、洗脳されちゃったのね。ユリ!! 早くもとのアナタに戻って!!」

 腕、そして私の太ももまで絡みつく触手に反抗しながら、必死で言葉をかける。可愛くて、明るくて、いつも元気いっぱいだったブルー。
それだけじゃない。戦隊の仲間、ブラックとは仲のよい恋人同士のはずなのに……。

「ユリ!! ブラックが貴女を待ってるわっ。早く、正気に戻ってっ」

「あははははっ。ピンク、アタシは正気だよ? それに、もうブラックなんてどうだっていいの。ふふっ、あなたもスグ、あたしみたいになっちゃうから、安心して……」

 ニコニコと微笑むユリ。そして、その背後からのっしりと、重量感のある巨体が姿を現した。
それは、おぞましいほど醜い巨大な豚の獣人……。ニヤニヤと下品な口からよだれを垂らしながら笑い、微笑んでいるユリの胸を、その太く脂肪だらけの掌が掴む。

「あっ、あんっ。ピク将軍さま。あっ、嬉しいです。もっと、もっと、痛いくらい乱暴にユリのおっぱい触って下さいっ」

「ひひっ、可愛いなあユリは。この小さい胸、乳首を思いっきり捻り潰されるのが大好きだもんなぁ。ふひ、おお、これがピンク、月島美雪か。ふふ、なんと大きな胸。それに美しい顔立ち。これは楽しみだ」

 目の前での会話、情景に驚きのあまり言葉も出ない。私の目前で、あのユリが頬を真っ赤に染め、あさましいほど蕩けきった顔で、醜い豚獣人に胸を触られている。
 それどころか、背後へと首を向け、おぞましい涎だらけの口へ、その可愛らしい舌を伸ばし、ペロペロと必死に唾液を舐め取って……。

「ユリっっ!! 貴女、自分が何をしてるかわかってるの? お願いっ、元のユリに戻ってっっ!!」

 とろん……と情欲に染まったユリの顔。私の叫びも虚しく、ユリは貪るようにピグ将軍と舌を絡め合い、まるで恋人同士のようにキスを繰り返していた。
 そして、その細い両手はミニスカートを捲りていく。空気にさらされていくユリの真っ白で細い足。膝上丈の黒いハイソックスが、卑猥な印象を与える。

「あんっ、うるさいなぁピンクは。これだから処女のお嬢様って駄目よね。ふふっ、あたしね、もう、一週間も前に将軍様から犯して戴いてるの。……ブラックとのデートの帰りにね、さらわれちゃって、それでね……。ああっ、将軍様、もっと、もっと乳首を虐めて下さいっ。いっぱい、いっぱいオマンコでしごきますから。ああっ、そう、うううっ、痛いくらいがイイの」

 信じられない告白……。目前のユリは、ピグ将軍の手で色が変わるほど、その綺麗な胸を握られて、顔を気持ち良さそうに歪めていた。
捲り上げたスカートの奥、卑猥なデザインの真っ黒な下着。それをキスを繰り返しながら、自分の手で下げていく。

「ふふっ、そしてね。その日、思い切りレイプされちゃったの。濡れてないオマンコに、何度も、何度も中出しされちゃって……。でも……、それが6時間。途中で色んなお薬打たれて、下級獣人のおしっこと精子を飲まされて……。それだけじゃないの、ブラックにも使わせた事のないお尻も、容赦なくレイプして貰っちゃった。もうね、最後、すっごく気持ち良くなっちゃって……」

 完全に足元まで下ろされたユリの下着。そして、私の目にユリの性器がうつし出される。

「ユ、ユリっ!! あなた……」

 ユリの性器……その場所は、剃られたのか全く毛が生えていない、いや、肝心なのはそれでは無い。
焼印……。まるで、家畜につけられるような焼印が、性器のすぐ上部、下腹部へと刻み込まれていた……。

「あはっ、いいでしょ? 奴隷の証だよ。ふふっ、最初の日、メチャクチャにレイプされてから、あたしね、怪我を跡形もなく治療されて、普通に解放されちゃったの。でも、誰にも言えなくって……。それで、ブラックに抱いて貰ったんだ。忘れたくって、レイプされたのは、悪い夢だったって思いたくて……。でも……、全然、全然っ、感じなかったの。ピグ将軍様のおちんぽ様に比べたら、もう、人間のなんかじゃ満足できなくなっちゃった。ふふっ、それでね、また、その日の帰りにさらわれたの」

 信じられない告白……。彼女が苦しんでいたコトに、全く気付かなかった自分に対する自己嫌悪があふれ出す。
が、ユリは明るい表情のまま、自分の性器へ指を這わせつつ、笑顔で言葉を吐き出していく。

「その日はね……、ずっとオアズケされたの。イク直前で、ずっと寸止め。オチンポ様もあたしのオマンコに入れる直前のまま、ずっとこすり付けるだけ……。延々、おしっこと精子を飲まされ続けるだけで……。んっ、ああっ、ピグ将軍様……、もう入れていいですか? アタシのオマンコに将軍様の入れて下さい。ピンクがこれから、あたしみたいに淫乱になるかって思うと……もう、我慢できません」

 ゆっくりと豚獣人の股間の前へと跪くブルー。その震える両手が、まさに奴隷のように恭しく、獣人のパンツを下へ降ろしていく。

「ぐふふっ、可愛いヤツ。よし、今日は後ろから犯してやろう。ピンクにしっかりとお前の行動を教えながら、存分に味わうがいい」

「あっ、ありがとうございます。いっぱい、いっぱい、お使い下さい。アタシのオマンコは将軍様のモノです。逞しくて、ゴツゴツとしたこのおちんぽ様の奴隷ですから。ああっ、嬉しいぃぃいい……。あっ、あっ、あっ、ううっ、気持ちいいよぉ」

 豚獣人へお尻を突き出すようにして、甘い声を張り上げるユリ。その細いカラダ、可愛らしい胸を獣人の醜い手が握り締めている。
そして、その股間へと凄まじい大きさの猛りきったモノが、ゆっくりと挿入されていく……。
 赤黒く、テラテラと光を反射しているソレ。あまりのおぞましいカタチに吐き気さえ沸き起こる。
でも、その巨大なモノを恍惚とした表情で受け入れていく彼女。あさましいほど舌を伸ばし、目を大きく見開いた顔で、自分から腰を動かし始める。

「うぎぃぃぃぃぃっ、あああっ、ぎもぢぃぃぃ。将軍様の、おちんぽ様、最高です。もう、ブラックのなんかじゃ全然駄目。あんなのじゃ全然気持ちよくありません。うぎぃぃぃぃぃ。これからも、いっぱい、いっぱい情報を流しますっ。どんなコトだってしますから、あっ、ああああああっっ、いくっ、すぐ、いくっ、あああああっっっ」

 パン、パンッっと肉と肉がぶつかる卑猥な音、そしてユリの快楽の絶叫が周囲へと響き渡る。細い彼女の足へ、いく筋もの汁がチョロチョロとこぼれだしていく。あまりの快楽に失禁したのか、ムッっとする淫臭とアンモニア臭が香る。

「いくっ、いくぅぅぅぅうううう、あははっ、ピンクっ。そ、それでね、寸止めされて、うぐっ、ど、奴隷になれば、って言われてっ、ああっ、すごい、これ、やっぱりすごすぎるよぉ……。うう、いくっ、またっ、いっちゃうっ……、そ、それで、奴隷にして戴いたのっ、ああっ」

 長いツインテールの髪を乱暴に背後から掴まれて、思い切り突き上げられているユリ。
そんな状況なのに、彼女は恐ろしく感じているんだろう。何度も絶頂の叫びをあげ、嬉々とした表情で腰を振り続けていく。

「ああああああっっ、いくっ、いくいくいくっ…………。あはっ、あはははっ、すごいでしょ? ピンク、これ、もう絶対に戻れないの。うふふっ、アナタもすぐ、アタシみたいになっちゃうんだからっ。あっ、ああああっっ、ううっ、いくっ、また、いくぅううう」

「おおおっ、最初の一回目、たっぷり出してやるっ。ほれっ、おおおおおっっ」

「あああああっっっ、嬉しいですっっ、下さいっ。奴隷のユリに、精子、精子下さいぃぃぃいいいいい」

 ブルブルと醜く雄たけびをあげる豚獣人。その腰が痙攣を繰り返し、彼女の細い下半身から、大量の愛液が零れ落ちていく。
その信じられない光景……。私の歯が、恐怖のあまりガチガチと音を立てる。絶望が重く胸にのしかかり、視界さえもぼんやりと狭まっていく。
 
 あまりの快楽に失神したのか、地面へと倒れこむユリ。そして、その背後から、のっそりと醜い豚獣人が私へと向かって歩き出す。

「いっ、いやあああああああああああああああああ」

 とうとう、絶望の叫びを上げてしまう。豚獣人の股間で、天をつくようにそそりあがったモノの凶悪さ。
赤黒いソレは、精液を大量に吐き出したはずなのに、全く衰えをみせていなかった。

「ふひひひひっ、それじゃあ、今からたっぷりと犯してやる。くくく、何時間、アクメせずに耐えられるか、実に楽しみだ」

 目の前いっぱいに迫る醜すぎる巨体……。私は、恐怖のあまり、そのカラダをぼんやりと見つめることしか、できなかった……。



[20364] 戦隊陵辱モノ 後編
Name: メメクラゲ◆94ad61bb ID:583704fc
Date: 2010/07/17 15:58
 
  戦隊陵辱モノ 後編



「ね、ねえ……お願い、レッド。はしたないって思わないで……。今すぐ、だ、抱いてほしいの……」

 俺の隣、さっきから俯いていたピンク……、美雪がポツリと、そう囁いた。俺は驚愕のあまり、椅子に座ったままの美雪の顔を見る。
幼馴染で、富豪でありスポンサーの家のお嬢様。付き合いだしてからも、キスはおろか、ほとんど手さえ握ったコトのなかった彼女が……。
 日本女性らしい清楚な黒髪を、サラサラと腰の長さまでストレートに伸ばしている。美しく整った顔、すっと涼しげに通った鼻筋。
恥ずかしそうに顔を真っ赤に染め、伏せられた顔にある綺麗な瞳には、長い睫毛が美しくカールしてある。

「あ……ああ……」

 突然のコトに気が動転し、情け無い返事しか出来ない。深夜、偵察に行っていたブルーと二人で帰って来てから、ずっと様子が変だった。
何か楽しそうに笑いながら、ピンクに耳に囁くブルー。その言葉に目に見えるほど、カラダをガクガクと震わせていた美雪の姿が思い出される。
 なにか……ブルーに焚きつけられたのか? おかしな美雪の様子に戸惑うが、しかし、堪らないほど、俺は興奮しきってしまった。

「い、いくよ……」

 美雪の細い肩を掴む。清楚なピンク色のワンピース姿の彼女。その折れそうに細いカラダを、やさしく、隣のベッドへと横たえる。
美雪の大きな胸。そこに俺の指が触れ、その柔らかすぎる感触が、凄まじい興奮を駆り立てた。

「お願いっ、抱いて……。レッドの、レッドのを頂戴……」

 恥ずかしそうな美雪の囁き声と共に、ゆっくりとその両足が広げられていく。今まで一度も見たことのない場所……。
スカートの奥、むっちりした真っ白い太もも、そして、その奥……、純白のレースが飾られたパンティーが見えた。

「う、うんっ」

 焦りながらジーンズをひき下ろす。俺のモノは、すでにはちきれそうなほど大きくなって、トランクスを脱ぐ感触だけでイきそうなほど……。

「ああ……、レッドの、私が大きくしてあげる」

「え!?」

 限界までそそり立ち、いまにも射精しそうな俺のペニス。そこへピンクに指がゆっくりと絡みつく。その指の感触……。
細くて長い美雪の指……。それが、俺のドクドクと張り詰めたペニスを触ってっっ。

「あっ、でる、でるっ」

「え……?」

 我ながら情け無い……と思うが、愛しくて、清楚で汚れ一つない美雪の指に触られる、と思った瞬間、俺は射精してしまっていた……。
大量の精液がドロドロと美雪の掌を汚していく。止めたいって思うのに、快楽で腰が震え、射精が収まらない。

「うあ……、ごめん。美雪……」

「あっ……うん……。いいの……」

 恥ずかしさと、あまりの情けなさ……が胸にあふれ出す。驚いたような、どこか失望したような美雪の顔……。いや、そんな顔を美雪がするはずがない。子供の頃からずっと一緒で、何度も生死を分かち合ってきた俺達……。
 なんとか取り繕おうと、俺は慌てて、美雪の唇へとキスをする。興奮のあまりガチガチと震えてしまう俺の歯。
どうすればいいのか、全くわからずに、ただ無我夢中で強引に唇を押し当てる。

「あっ、痛いっ。ヤメテ……」

「うっ、ご、ごめん……」

 強く押し当てすぎたんだろう。俺の唇を避けるように首をそむける美雪。だが、さっきまでの唇の感触が、再び俺のモノへと力を与えていた。
今度こそ……。そう思いながら、俺は美雪の両足の間へ、ゆっくりとカラダを入れ込んでいく。

「み、美雪っ。もう、すっごく大きくなったよ。い、いれていい?」

「えっ……、そんな……の……、う、ううん……。うんっ、入れてっ。早くレッドのを入れてっ、お願い」

 小さな美雪の囁き声……。前半部分が何を言っているのか、興奮のあまり聞き取れなかった。俺の脳にあるのは、ようやく愛しい美雪が抱ける……。
その思いだけ。俺は、何も考えられないまま、思い切り腰を前方へと突き出した。
 ニュル……、と俺のペニスを熱いモノが包み込む。ヌルヌルに湿った熱いヒダ。動かすのが難しいほど狭く締まりこむ美雪の中。
入れた瞬間、そのヒダヒダと、濡れきったツブツブした感触が、俺のペニスをネットリと包み、信じられないほどの快楽が迸るっ!!

「ううううっ、美雪っ。美雪っ!! 好きだっ!!」

「うんっ、レッド、もっと、もっと動かしてっっ、奥、奥まで入れてっっ」

 美雪の言葉に誘われるまま、俺は限界まで腰を動かす。どこまでも狭く、なのにヌルヌルと絡みつく感触が堪らない……。
ペニスの先から根元まで、全部が絶妙にしごき立てられてっっっ!!

「あっ、出るっ、出るっ!!」

「え…………」

 ドクンっっ、精液が俺のモノから迸っていく。すごすぎる快感……。腰の奥から、ドロドロとしたマグマを思いっきり吐き出し続ける。
愛しい美雪のカラダ、それを俺は抱きしめながら、ビクビクと腰を震わせ続けた……。


◆◆◆


 私は、重い足取りで、ゆっくりと自宅への道を歩いていく。気を抜くと、唇から熱い吐息が漏れてしまう。私のカラダを責めるのは、圧倒的な物足りなさ……。
 つい先ほどまで、愛するレッドに抱かれたっていうのに……。いけないっ、もう忘れなきゃっって何度も首を振る。
今日の昼間の事は、悪い夢なの。捕まったことなんて全部嘘……、リアルな悪夢だと思いこもうとするのにっっ!!
 
 ―― あの後、触手に囚われたままの私へ、ゆっくりと近寄ってきたピグ将軍。その股間にそびえ立っていたモノの大きさ……。レッドなんかとは比べ物にならないくらい大きくて……。そして、あんな短時間じゃない……、何時間も、ずっと、ずっとズボズボされて……。

 っっ!! いけないっ!! 必死で首を横に振る。私ったら、なんておぞましい事を……。忘れなきゃ。あれはただの夢、そう……ただの……。

「あはっ、どうだったピンク。愛しいレッドとのセックスは? ピグ将軍様に比べたら、ふふふっ、泣きたいくらいに物足りなかったでしょ?」

「きゃっっ!? ブ、ブルー」

 突然、私の背後から声が響き渡った。瞬時にわかるその声……。それは、顔をいやらしく笑みのカタチへと歪めたブルー、ユリだった。
相変わらずの超ミニのスカートを履きこなした姿。そして、信じられない事に、自分の手で乳首を摘むように、いやらしく触っている。

「そ、そんな事ないわっ。レッドは私の……、大切な……」

「あははっ、欲求不満な顔をしながら良く言えるね。ふーんっ、レッドに見せちゃおうか、今日のビデオ。ふふふっ、ピンクがピグ将軍のおちんぽ様で、何度も、何度もアクメしまくったアレ……。すごかったよねぇ。最後なんて、下級戦闘員の精液を便所みたいに口に溜めてさ、それでガンガン突き上げられてイキまくり……。ん? モジモジしちゃってどうしたの? あははっ、そっか、思い出したのね。レイプなのにイキまくった今日の事っ」

「あああっっ、やめて、やめて、やめてっっっ」

 頭を振りながら、思い出そうとする自分を必死で誤魔化す。脳裏に浮かぶのは、今日の昼間……、メチャクチャに犯された時の事……。

 ――最初、カラダが裂けちゃうと思ったほどの激痛だった。背後から犬のようにピグ将軍のモノで犯された私。
泣き叫び、必死に逃げようとする私の顔に、次々にかけられる下級戦闘員のおぞましい精液と小便……。
 そして、排泄の為の後ろの穴にまで、容赦なく触手が入り込んで……。

 激痛と恥辱のあまり、死にそうな悲鳴を上げ続けた私……。が、それが徐々に違うモノに変えられていった。奴等の精液と小便、そして、ブルーから口移しで飲まされた薬。その恐ろしい作用が、しだいに私のカラダを快楽で塗りつぶしていって……。

「ああ……。だ、だめ……」

 思い出したくないはずなのに、次々に記憶が掘り出されていく。圧倒的……レッドの貧弱なモノとは、比べようもないほど圧倒的なピグ将軍のペニス。
 そして、無理矢理に引き出された排泄の快感。
 狂いそうなほど痛かったのは、最初の一時間ほどだけで……、結局、私は残り6時間の間に、数え切れないほどアクメを繰り返し、そして、最後にはピグ将軍に自ら進んで舌を絡めて……。

「ふふっ、ピンクったら、すっかり思い出しちゃったみたいね? 今すぐにでもマンズリしそうじゃない。あははっ、それでね、ここでアタシがピンクを待ってた理由……、わかる?」

「えっ……?」

 モジモジと太ももを内側に擦りつけながら、私は必死に返事を行う。胸に湧き上がるのは、犯して欲しい……、その思いだけ。
あの凶悪なおちんぽ様で、子宮の奥までつぶれそうなほど、メチャクチャにレイプしてほしい……。

「ふふっ、それじゃ、後ろを見てごらんよ」

「――っ!?」

 ブルーの声で、背後からの気配を感じ、咄嗟に反応。勢いよく振り向いた私の目の前には……。

「ピ、ピグ将軍…………」

「ふひひっ、今晩は。ピンク。今夜はいい月だからな、散歩に来たんだ」

 醜い巨体……、そして下半身は私に見せ付けるように裸のままで、ピグ将軍が立っていた。ニヤニヤと笑いながら、私を見下ろす。
その股間は隆々とそそり立ち、ゴツゴツと節くれだったまま、ムッっとする匂いを放っていた……。
 私の大切な処女を奪ったペニス。憎しみしかわかない筈のそれは、しかし、私の胸へドキドキするほどの期待を抱かせる。

(あっ、また、さらわれちゃうのね。そして、そして、ああっ、また、無理矢理に犯されちゃう……、ああ……、そんな……私、すごく興奮して……)

 ヌルっとした愛液が、パンティーへと染み出していく。吸収しきれなかった透明な淫水が、ゆっくりと太ももを伝って落ちる。
駄目……と思うのに、胸に溢れるのは、圧倒的な期待。また、コレでメチャクチャに犯して……。

「ふひひひひっ。ああ……眠くなってきた。どれ、ブルーが結界を張ってくれたようだし、ここで横になろうかな」

「えっ!? そんなっ、さらわ……ない……の?」

「んん? なんの事かさっぱりわからんな。ワシはただ、散歩に来ただけだ。見逃してやるから、さっさと帰れ」

 にやりとした笑みを浮かべて言い放つピグ将軍。そして、本当に豚獣人は私の目の前で、仰向けに寝転がった……。
私の背後から、クスクスというブルーの笑い声。

「あははっ、良かったじゃない、ピンク。これで愛しいレッドと生活が続けられるじゃないの。ふふっ、どうしたの? なんでソコで立ち止まってるの? クスっ、何か……、おねだりでも……したいの? ふふふ」

「ああ……そんなっ、そんなぁ……」

 喉がカラカラに渇いて堪らない。私の目に入るのは、横たわったピグ将軍の股間からそそり立っているペニスだけで……。
欲しい、欲しい、欲しいっ。アレで、私のオマンコを思いっきり突きあげて欲しい。
 脳裏に浮かぶレッドの顔……。でも、それは、一瞬のうちに粉々に消え去って。

「あああああっっっ。ピグ将軍様っ。犯して、犯して下さいぃいぃいい。ピンクの、ピンクのオマンコ。オチンポ様でズボズボして下さいっ」

 狂ったように叫びながら、私はワンピースの裾を捲りあげ、ピグ将軍の巨体へと跨っていく。レースのパンティーを脱ぐ時間さえ惜しい。
私は凶悪なオチンポ様を右手で掴み、左手で下着を横にずらし、ドロドロに濡れきって蜜をこぼしているオマンコに押し当てる。

「うはははっ。自分から入れるのか、その意味が解っているのだろうな? 貴様はブルーと同じく、一生、ワシの奴隷になるのだぞ?」

「なりますっ。ピグ将軍様の奴隷にならせて頂きますっ。美雪は、このオチンポ様の奴隷です。一生、一生、オマンコ奴隷として扱って下さいませっっっ!!! なんでも、なんでも致しますわ。焼印も、焼印も、どこにでもお付け下さいっっっ」

 大声で叫びながら、私は自ら腰を、一気に下へと落とす。

「うああああああああああああああっっっ。いぐいぐいぐっ。すごいっ、レッドのなんかより、全然、全然すごいです。もう、ピグ将軍様のオチンポ無しじゃ生きていけないぃぃぃぃいいいっ。いぐ、いぐ、いぐっ、あああああっっっ」

 ズンッ……と一気に子宮の奥まで押しつぶされる感触。ピグ将軍の長大なモノの凄まじい快楽が、私の心をドロドロに狂わせる。
気持ちいいっ、気持ちいいっっ!! 涙を流し、ワンピースの上から自分で胸を揉む。腰がとまらない……、もうどうだっていい……。
 この気持ちよさ……。ピグ将軍の奴隷にして頂けた喜びが、胸へとあふれ出して止まらない。

「ふひひひっ、良し。お前はワシの孕み奴隷だ。くくくっ、あのレッドと結婚せよ。そして、何食わぬ顔をして、ワシの子供を妊娠するんだ。ふふっ、生まれてきた子供を見たレッドの顔……。ひひひっ、楽しみでならんわ」

「ハイっ、あの粗末なチンポ男と結婚します。でも、でも、セックスはっ、あんな小さいチンポとセックスはイヤですっっ。ああっ、これっ、これスゴっ、これスゴっ! また、またいくっ、イキますぅぅうううっっ」

「くははっ、そう言うな。可哀想ではないか。ふふっ、そうだな、よし、手コキだ。レッドの小さいチンポを一回手コキさせる度に、一度抱いてやるぞ。ふふっ、だがセックスは駄目だ。いいか、わかったな?」

 ズンっ、ズンっと下から突き上げてくるオチンポ様の感触に、何度も何度もアクメを繰り返しながら、私は必死で頷く。
レッドのあの小さなモノ……。指で触っただけでイッった小さなチンポ……。思い出すだけで、胸へ凶悪な気持ちが広がっていく。

「ああああっっっ、ハイっ。わかりましたっ!! レッドのちびチンポ、毎晩、最低でも5回は搾り出しますからっっ!! だから、だから、もっとっ、もっとお願いしますぅぅぅ。ああああっっ、いぐっ、ぎぃぃぃいぃいいいぃっっ」

「よし、出すぞっ。しっかり孕めっっっ!!」

 ドクン……と凄まじい量の精液が、私の子宮を隅々まで満たしていく……。圧倒的な気持ちよさ……。
妊娠……絶対に妊娠しちゃった……。そう思いながら、無限に続くアクメの中、私は、ゆっくりと……気を失った……。

◆◆◆

「ね、ねえ……レッド。わ、私ね、で、出来ちゃったって思うの……」

 美雪を抱いた次の日、早朝に姿を見せた、美雪が、そう小さく呟いた。
え……? と不思議に思う。流石に、昨日の今日で解るはずが……。

「あ……、あの、いつもの勘だけどね……。その、け、結婚したいの……」

 サラサラと黒髪を風になびかせた美雪。モジモジと全身をくねらせながら、小さくそう囁く姿。
いじらしく、愛しい気持ちがあふれ出す。

「あっ、うん。絶対っ、絶対、幸せに……、うあっ!? み、美雪っ!?」

 驚愕しながらも、思い切って告白した俺へと突然しな垂れかかってくる彼女。
そして、その右手がゆっくりと、俺の股間の上に!!

「お腹の赤ちゃんに悪いから……。手で、いっぱい、いっぱい、してあげるね」

 美雪の小さな囁き声……。その濡れた瞳……、股間から伝わる快楽の凄まじさ……。
俺は、幸福に包まれながら、うっとりと……、目を閉じた……。





[20364] 【習作】 アネモノ 【1/5】 
Name: メメクラゲ◆94ad61bb ID:583704fc
Date: 2010/08/31 23:41
【習作】 アネモノ 【1/5】 ※ 山田次郎◆2ae70a75 様 リクエスト作品





「あうっ!!」 

 ダンッと道場の床へと叩きつけられ、姉さんの黒髪が床へと絹のように広がる。美しく白い絵里ねぇの顔に苦悶の皺が寄るのが見えて、僕は慌てて極めたままの左手を離す。
 長い黒髪を頭の後ろでポニーテールへと結び、合気道用、白黒の胴着を着込んだ姉さんが、急いで立ち上がりながらキッとした眼差しで僕を睨む。
凛とした切れ長の瞳、整った細い顎、白い首筋にはいく筋もの汗が流れ落ちていく。

「ツカサ、きょ、今日はウチの調子が悪かっただけやっ!! こんなんでアタシに勝ったなんてっ、思わんといてやッ!!」

 広い畳敷きの道場の中、姉さんの声が響き渡る。顔を怒りに染め、ピンク色の唇を悔しそうに噛み締めている絵里ねえ。
いつの間にか手に持っていたタオルで、無造作に首筋や大きな胸を流れる汗を拭きながら、じっと僕を見つめてくる。

「絵里ねえ…………」

 子供の頃から、ずっと勝てなかった絵里姉さん。でも、中学三年になり、身長が高くカラダが大きくなった僕は、この半年ほどで、ようやく姉さんに勝ち越す事が出来るようになっていた。それは、純粋な合気道の理合で勝てている……とは、自分でも思わない。技術は姉のほうがわずかに上だろう。だけど、純粋な腕力の差がその差を埋め、そしてここ最近では上回っていた。

「あほ!! 馬鹿ツカサッ!!」

 最後に大きく言い捨て、使い終わったタオルを僕へとぶつけるようにして投げる姉さん。そのまま振り返り、足音荒く道場を出て行く。

「全く……、負けず嫌い……」

 絵里姉の使い終わったどこか甘い匂いのするタオルで、僕もカラダを拭きながら、ぼんやりと姉のことを考える。二歳年上で、現在高校二年の絵里ねぇ。化粧をあまりしていないけど、それでも、まるで女優のように凛と整った顔立ち。弟である僕から見ても、かなりの美人だと思う。
 僕の友人からの、『紹介してくれ』『下着を盗ってきてくれ』『入浴姿盗撮しろ』『寝巻き姿写真くれ』という頼みを、なんど断ってきたか……。

(ま……、あの性格を知らないからだよなぁ)

 美人である絵里姉に彼氏が出来たという話を聞かないのは、きっとあのキツイ性格の所為だと思う。親戚の話では、僕の性格はのんびりしていたという父さんそっくりで、絵里姉は短気で我儘だったと言う母さんソックリらしい。
 初めて、僕が姉さんに合気道の試合で勝った約半年前……。納得がいかなかったらしい絵里姉は、夜、眠っていた僕を襲い、腕の関節がミシミシという音を立てるまで極めてきたのだ。

『――どうや、ツカサッ!! 姉さんの勝ちやろ、ほらっ、降参せんと折るで? このままポキッとなっ!!』

 なんと言うか……、負けず嫌いもあそこまでいくと、どうかしてるって思う。僕達が小学生の時、両親が車の事故で亡くなり、それからずっと二人で生きてきた。隣の家に住む親戚にやっかいになりながらも、両親の残してくれた多額の保険金を使い、広い家に二人暮し。
 合気道の師範だった父の面影を忘れないように、姉と二人、ずっと腕を磨き続けた日々……。

(ああ……、進路……どうするかなぁ……)

 あと一年弱で僕は中学校を卒業する。そして、その後は?
絵里ねぇと同じ、近くにある高校に進学する事も考えた。ただ……、僕はスポーツで有名な高校から推薦の話も受けている。その高校は県外にあって、そして、ソコを選ぶと僕は絵里ねぇとは離れ離れになってしまうという事で……。
 道場の床、汗をモップで拭き取りながら、ぼんやりとそんな事を考える。窓の外には、夕方だというのに大量の蝉が、元気良く鳴いていた。


 ◆

 深夜、寝苦しい暑さの中、僕は何かの気配を感じ……、うっすらと目を開いた。足音、とも言えない、スッ……と僕の部屋の床を音もなく移動してくる殺気のようなモノ。ソレを感じた瞬間ッ!!

「くっ、馬鹿。絵里ねぇ!!」

 僕はベッドからパジャマ姿のまま、勢い良く跳ね起きた。

「きゃっ! アホなっ!?」

 絵里ねぇの驚いた声と共に、僕がさっきまで眠っていた枕の上へ、勢い良く竹刀が振り下ろされ、ボスンッ!! と音を立てた。
――甘いっ、僕は即座に臨戦態勢へと意識を切り替え、闇にぼんやりと見える姉さんのほっそりした腕を掴もうとする。

「くっ、ツカサのクセに生意気っ!!」

 もはや気配も隠さず、一気に僕に迫る姉さん。月明かりがうっすらと照らす闇の中、無言で互いを制すべく、高速で両手を撃合う。

「うあっ!!」

 バチッっと鞭があたるような乾いた音を立て、絵里ねぇの掌が僕のみぞおちへと中る。筋肉では防げない、重く柔らかい打撃。軽い嘔吐感を感じつつ、必死で追撃を防ぐ。
 ……不味いっ、闇の中、胴着を着ていない今の状況では絵里ねぇのほうが有利。姉さんの白くて細い腕が、稲妻のように僕の顎、喉、肩を狙い、打ち込まれて来る。タイミング、スピード、勘、どれをとっても絵里ねぇのほうが上で、僕はベッドの横でジリジリと壁際に追い込まれていく。

「ちっ!!」

 このまま、イイ打撃をくらったら、すぐに関節を極められてしまう……。どこかで流れを変えようと、僕は急所をカバーしながら、純粋に力まかせのタックルを行う。目、鼻、口、そして喉を腕でカバーしつつ、逃げるように見せかけるフェイントを混ぜ、一気に背後の壁を蹴るッ!!
 ドンッ!! と低い音が部屋へと響き、そのまま反動を利用して、一直線に絵里ねぇの下半身へとッ!!

「きゃっ、うわっ、ちょっ、あほっっ!!」
「ん!?」

 強引にタックルを決め、絵里ねぇの細い足、太ももを両手で抱いた瞬間……、僕はその違和感に気がついた。
異常にスベスベとしていて、そして、柔らかい……。おかしい、まるでこれじゃ、パジャマを着ていない素足に抱きついたみたいじゃないか……。

「あ、あかんっ。ツカサ、や、やめろ」

 子供のようにポカポカと僕の頭をメチャクチャに叩く絵里ねぇ。そして、その時……、窓の外、雲が晴れた月明りがサッっと室内を照らし出した。

「うわっ、な、なんで!?」
「あほっ、み、見いへんといてっ!!」

 深夜、僕の部屋に侵入し、闇討ちなんて事をしでかしてくれた、今年17歳になるはずの絵里ねぇの姿。それは、邪魔な衣服を着ていたら、僕に掴まれることを警戒していたんだと思う。ほとんど衣服を着ていない姿で……、つまり、シンプルなスポーツブラと、これまたシンプルな白いパンティーだけの姿……。
 月明りに照らされ、羞恥に顔を赤く染めている絵里ねぇは、息を飲むほど美しかった。贅肉のついていない引き締まったウエスト、白い下着から伸びる長い足。若干控えめだけど、ツンと上を向いてブラを押し上げている、カタチのいいバスト。

「あわわわっ!?」
「み、見んなっって言うとるやろっ、あほっ!!」

 柔らかく白い生足に抱きついたまま、思わず見とれていた僕……。絵里ねぇの怒声に、ハッ……と我に帰った瞬間!! 
僕の顔面へと、強烈な膝蹴りが、ヒットした…………。



「や、やめろ、絵里ねぇ。こ、こんな……っ、うっ……」
「ふーん、へぇ、ツカサのあんなにちっちゃかったおちんちん、くすくすっ、大人になっとるんやね」

 サラサラした絵里ねぇの髪の毛が、パジャマを脱がされ、剥き出しになった僕のおちんちんの先へコシュコシュとくすぐるように蠢く。
その度、ビクビクと痙攣をしてしまう自分のカラダが情けない。必死に身動きをしようと足掻くが、梱包用の紐でしっかりとベッドへ固定されている僕は身動き一つ出来なかった。

「な、なんで、こんな……、くっ、やめろって、絵里ねぇ!!」
「ふふっ、やめろって口で言うとるけど、ツカサのおちんちんはこんなに元気やん。ほらっ、どう? ほらっ、ほらっ、お姉ちゃんの指は?」

 信じられない……。絵里ねぇの細い指が、肉棒に絡みつくように動き、ゆっくりとからかうように上下へと動く。あい変らずの下着姿のまま、クスクスと笑いながら僕を見つめる絵里ねぇの瞳。長い睫毛、ふっくらとした唇が嬉しそうに、笑いのカタチになっている。
 強烈な膝蹴りで気絶した僕……。目が覚めたら、裸のまま、ベッドへと大の字で固定されちゃっている状態で……。
そして、大きく開いた足の間には、絵里ねぇがクスクスと笑いながらベッドの縁へと腰掛け、僕のアレを観察していた。

「ちょっとカラダが大きくなったからって、ふんっ。まだまだ子供やん。ほらっ、ここ? ここがイイん? ふふっ、情けない顔して……」
「うあっ……、ちょっ、待ってっ、くっ……」

 とろり……と絵里ねぇの赤い唇から透明な唾液が零れ落ちる。白い指がそのヌルヌルを、たっぷりとまぶしていく。
背筋をゾクゾクと這い上がる気持ちよさ……。実の姉にこんな事をされているのに……、自分でスルのとは違うぎこちなさが、逆に堪らなく気持ち良くて……。

「ふふっ、先からエッチな汁が出てきとる。男の子ってこうなっとるんやね、クス……。ねえツカサ? お姉ちゃんが舐めてあげよっか?」

 ゾク……とするような絵里ねぇのセクシーなかすれ声。右手で僕のちんちんを上下にゆっくりしごきながら、左手で黒髪をサラリと耳へかき上げる。悪戯っぽく輝いている切れ長の瞳。どことなく潤んだ黒目が、嬉しそうに僕を見つめる。

「ば、馬鹿な事……、あっ、いい加減……、手、手を止め……」

「あはっ、可愛い声だしちゃって。姉ちゃんの唇で、ツカサのおちんちん……、ふやけるまで舐めしゃぶって欲しいでしょ? 全部舐めちゃうから……、ツカサの汚いお尻の穴から、おちんぽの根元を舌でペロペロして、そして汚い精子を全部飲んであげる。ふふ、シテ欲しいって言いな。『絵里ねぇ、僕の童貞ちんぽ、ふやけるまでおしゃぶりして下さいっ』って、くすくすっ、ほらっ、はやく言わんと手コキでイかせちゃうで?」

 シコシコと強烈な勢いで絵里ねぇの手が上下に動く。下着姿で微笑みながら腕を動かしている姉の異常な姿を、見てはいけないって思うのに、目が吸い付いたように離れない。
 少しクーラーが弱いのか、絵里ねぇの細い首筋を汗が流れ、その透明な雫が胸の谷間へと吸い込まれていく。筋肉のついたむっちりした絵里ねぇのふとももと、両足の間にある白い布に包まれた絵里ねぇの股間……。
 ビクビクとカラダを痙攣させて快楽に抵抗するが、絵里ねぇの唇から、トロトロの唾液が再びちんちんへと零れ落ちてくる。
ヌルヌルを亀頭へとこすりつけてくる姉の掌……。クスクスと笑いながら、尿道をほじるように動く白い指……。

「あっ……くっ……、だ、駄目っ、え、絵里ねぇっっっ!! あっ、で、出そうっっ!!」

「なんや、お姉ちゃんの手コキでイクん? せっかくフェラしてやろうって言ってるのに。ふふっ、まあええよ。それなら……」

 クチュクチュと音を立てながら、僕のペニスが弄りまくられる。凄まじい気持ちよさに、今にも噴出しそうな精液……。
その時、微かに頬を赤く染めた絵里ねぇが、右手を動かしながら、僕の顔……唇ギリギリまで、その顔を近づけてきた。まるで……、キスをする直前の恋人同士のような距離。
 目の前にある絵里ねぇの綺麗な瞳、潤んだ唇がとてつもなく妖艶に見えて……。

「ふふっ、ツカサ……、このままお姉ちゃんの手でイカせてたるわ。だから、その情けない口を開けて舌を伸ばしや……。姉ちゃんがベロベロに舌を舐められながら、情けない位、いっぱい射精させたるから。ほら、はよ出し?」

 囁きながら、べろ……と絵里ねぇの舌が僕の唇を舐める。唇の周りがジンジンと痺れたように気持ちよくて堪らない。
あまりの快楽に、素直に従いたくなる。が、ギリギリで理性を保とうと、僕は顔を背ける。

「あっ……ツカサったら、姉ちゃんのファーストキスを拒むか? この、生意気っ!!」
「うああああっっ!!」

 その瞬間、僕のおちんちんの先端に、ガリッ……と強く爪が立てられてしまう。あまりの痛みに、僕は顔を避けることを忘れ、大きく悲鳴をあげてしまう……。
 悲鳴で開いてしまった僕の口……。ソコを逃さず、絵里ねぇの柔らかく、熱い舌がウネウネと入り込んで来て……っっ!!

「んっ、んんんんんっっっ」
「んっ、んっ、うっ、ちゅっ……、ん…………」

 一瞬のうちに、僕の口の中へ大量の熱い唾液が流し込まれる。どこか甘く、絵里ねぇの匂いがするそれ……。そして、歯茎の上を滑るように動く舌。
僕の脳がとろけるような気持ちよさと、甘い香りに支配されていく……。

「ん……ちゅ……。ふふっ、ツカサ、このまま……、遠慮せんと、いっぱい出してええからね……」
「うあ……」

 どこか優しい声の後、姉さんの舌が僕の舌へと絡みつく。ベロベロと柔らかいモノ同士が絡みつく、溶けるような気持ちよさ……。
そして再び、絵里ねぇの右手がシコシコと上下運動を始める。さっきまでのからかうような動作じゃなくって、それは本当にイカせようとするように激しい。

「んっ、んんんっ、んんっっっ、んんんんっっっ」

 僕の胸へと押し当てられる絵里ねぇの柔らかすぎる胸。クチュクチュと部屋に響くキスの音と、絵里ねぇの甘い吐息の音。
僕の足に、絵里ねぇの裸のふとももが熱く絡み付いてっっっ!!

「うっ、うううううううっっっっ!!!」

 ベロベロと舌を思いっきり吸われながら、耐え切れずに大量に射精……。腰が抜けそうなほどの快感がわきあがり、何度も、何度も、僕はガクガクとカラダを震わせた。信じられないくらいの量の精子を吐き出しながら、僕はなおクチュクチュと舌を絵里ねぇへと吸われ続ける。
 だんだんとゆっくりになっていく絵里ねぇの右手……。イッったばかりのペニスを、優しく撫でるように、コスコスと柔らかくシゴく。

「ん……、ふふ……、ツカサ、いっぱい出したね」

 微笑みながらペロっと、僕の鼻を舐める絵里ねぇ。その笑顔は、幼い時に体の小さかった僕を守り続けてくれた時の笑顔と全く同じで……。
僕の胸に、何故か締め付けられるような痛みが湧き上がる。
 何か言わなきゃ……、そう思うけど、僕の脳は何も良い言葉を見つけてくれない。何かを伝えたいのに……、それはどうしても言葉にならなくて。

「ふふっ、お姉ちゃんの勝ちや。まだまだ、ツカサはお子様って事。わかった?」

 僕の横へと寝そべったまま、嬉しそうに微笑む絵里ねぇ。月明りが照らし出す、その美しい横顔を見つめながら、僕はそれでも、何一つ言葉を返すことが出来なかった。



[20364] 【習作】 アネモノ 【2/5】
Name: メメクラゲ◆94ad61bb ID:583704fc
Date: 2010/08/31 23:40
 【習作】 アネモノ 【2/5】




 『あの夜』から約三ヶ月……、ようやく暑い暑い夏が終わりを告げ、肌寒い風が時折吹くようになり、枯葉が庭には舞うようになった秋。
浴室の窓の外、沈み行く真っ赤な夕日をぼんやりと見ながら、僕はシャワーを止め、シャンプーのボトルヘッドを押し、掌でその液体を受け止める。
軽くため息をつきながら、ゴシゴシと短い髪の毛にシャンプーを含ませ、力任せに洗い始めた……胸の中、絵里ねぇのコトを考えながら……。

(今夜……来るのかな……)

 ソレは恐怖と、そしてゾクゾクするような期待を伴う混乱した気持ち。三ヶ月前の『あの夜』から最初の二ヶ月くらい、僕は全く絵里ねぇに勝てなかった。
姉さんの襟を掴む度、ほっそりとした白い首筋が見え、接近戦で腕を絡める時、僕の肘に絵里ねぇの柔らかくて大きな胸が触れた。そして……クスッと嬉しそうに微笑む、美しい絵里ねぇの顔……。
 『あの夜』の甘美な出来事が瞬時に脳へあふれ出し、僕の全身からチカラが抜ける。その瞬間……、軽々と空中を舞っていた僕のカラダ。

 ――だけど、ここ最近、なんとか勝ち越せるようになっていた。極度の緊張を内心に抱え込みながら、でもどこかの部分だけは冷静に……。飢えた雄の攻撃性と、賢者のように乖離した精神の同居。相反する二つの感情が同時に僕の内にあって、カラダを突き動かす。
 その不思議な感覚が、僕の心とカラダに徐々に根付き始め……そして、僕の理合、技術は、何故か飛躍的に向上した。

「ああ……」

 ほぅ……と大きくため息をつき、十分に泡立てた頭部を熱いシャワーで洗い落としていく。ようやく勝ち越せるようになったここ数日……、数日前の夜、また絵里ねぇの襲撃があった。ソレは『あの夜』のように下着姿ではなく、きっちりと胴着を着ていたし、『あんな事』もしない。
 だけど……、ドキドキとした妖しい雰囲気があった……。闇討ちが失敗に終わった後、暗闇の中、キスができるほど近い距離で両手を絡ませ、そのまま互いに動かず、ずっと無言で抱き合って……。真っ赤に顔を染め、上目遣いで僕を見つめる背の低い絵里ねぇ、ピンク色の唇が月夜に照らされ、とても綺麗で……。

「うあっ」

 思い出して、ムクムクと大きくなっていく僕の股間のモノ……。実の姉にこんな……と思うけど、絵里ねぇは弟の目から見ても、とてつもない美人で、そして負けず嫌いだけど可愛いトコもあって……。厳しくて口うるさいけど、子供の頃から、僕を守ってくれて……。スタイルも完璧だし……。
 ――いやいやいや、アホな事を考えるな……、それより進路の事を考えよう……、と熱いお湯を吐き出し続けるシャワーを止めようと手をのばした瞬間ッ!!

「うん?」

 プニュ……と、突然、背中に柔らかすぎる感触が……。な、なんだ……!?

「ツカサッ! 隙ありやでっ!!」

 絵里ねぇの嬉しそうな声と同時、シャンプーの泡を洗い流していた僕の首筋へ、蛇のように細い腕がまきついてくる。
 
「うあっ!?」

 考える間もなく、反射的に手を喉と腕の間に差し込む僕。なんとか頚動脈を絞められる事は防ぐ……が、背中にさっきからあたるフニフニした柔らかい感触が気になって仕方ない。

「くっ、生意気なっ! あほツカサッ!」

「うっ、うわぁ」

 ニュル……といった感じで、絵里ねぇの細い足が僕の胴体へと絡みつく。やばい……、絵里ねぇの真っ白な肌が触れる度、ゾクゾクした気持ちよさが背筋を這う。
 しかも……、何かサラダオイルのようなモノでも肌へ塗ってるように、絵里ねぇの皮膚はヌルヌルと滑る。背後から僕の耳にかかる絵里ねぇのハァハァという吐息……、胴体に思いっきり絡みつく白い足、背中にあたる二つの柔らかすぎる膨らみ。

「くっ……」

 自分のカラダを背後へゆっくりと倒し、タイルの上でヌルヌルと滑る絵里ねぇの腕、足から逃れようとする。
だが、そうはさせじと全力でしがみ付いてくる姉のカラダ。その熱く柔らかな感触が、やばいくらい気持ちよくて……。

「あっ……、ツ、ツカサ。お前、あ、あほっ。なんで……、そんな……」

「くっ……って、え?」

 なんとか絡みつく腕、足を振りほどき、絵里ねぇとタイルの上で正面から向き合う。シャワーのお湯を浴び、艶やかに黒髪を濡らした絵里ねぇの姿。
シャワーの熱気に中てられたように、頬はほんのりと赤く染まり、美しい肢体を包んでいるのは、学校指定のスクール水着……。カタチの良い豊かなバストが、窮屈そうに紺色の水着を押し上げている。

「あほっ、バカ、襲われとるんやで!? なんでそんなに大きくしとるんやっ!! 変態っ、クズっ!!」

 抑えつけている僕のカラダの下で、恐ろしく顔を真っ赤に染め、ポカポカとめったやたらに拳で叩いてくる絵里ねぇ。でもその動作さえ、スクール水着、紺の布地と真っ白な腕、首筋のコントラストが異常に淫らな雰囲気で……。
 全然痛くないその打撃を受けながら、僕はあわてて元気になっている股間を隠そうと、カラダをずらし始める。

「あっ、やん……んん……、あほっ、どこ触って……、んん……」

 ヌルヌルと滑る絵里ねぇのカラダ。力を込め、カラダを動かそうとした僕の足が、絡みつくように絵里ねぇの股間へと触れる。
その瞬間、ビクンッ……と細いカラダを痙攣させる姉。ピンクの唇から漏れる甘い吐息……。

(やばいやばいやばいやばい…………)

 なんというか、今すぐにでも襲ってしまいたくなる。赤い顔で困ったように見上げる絵里ねぇの潤んだ瞳。ピンクの唇からチラリと覗く白い歯と、綺麗な舌。水着から見える首筋、鎖骨のくぼみ、真っ赤に染まった耳と頬。そして、僕のカラダの下で柔らかく潰れている二つの膨らみ……。
 僕の理性がガラガラと音を立てて崩れ落ち、駄目だとわかっているのに、強引に絵里ねぇの唇を奪ってしまう。

「んっ!? んんんんっっっ!! あほっ、や、やめ……、ん……んん……あ……ん……」

 僕の舌を食いちぎりそうな勢いで開かれた絵里ねぇの唇。でも次の瞬間、熱い舌がそこからニュル……と現れ、僕の舌を待ちわびていたように絡みついてくる。柔らかな唇が、僕の舌をからかうように咥え、ちゅっちゅっ……と音を立てながら吸われていく。

「うあ……」

 ゾクゾクするほど気持ちいい……。背中から降りかかるシャワーの熱湯を浴びながら、無我夢中で唇を貪る。僕の首筋へ甘えるように絡みつく絵里ねぇの細い腕。僕の腰をまるで逃がさない……とでも言うように、姉の白い足が絡みつく。
 水着の布地、ツルツルとした感触が堪らなく気持ちよくて、僕は絵里ねぇの股間部分へスリスリとペニスを擦り付けてしまう。

「あっ……ツカサ……アンタのアレ……熱いのが……、んんっっっ、あほ……、ウチまで感じちゃうやん……。ちんちん、こ、こすり付けるの……や、やめ……なさい……、ん、んん……あっ」

 口で文句を言いながら嫌がる姉。でも、絵里ねぇはそう言いながらも、僕のカラダへまわした腕と足を離さない。それどころか、僕の肉棒に自分の秘部をこすりつけるように腰をうごかしてくる。
 その堪らない気持ちよさ……。ヌルヌルした刺激が、僕のペニスに痺れるような甘い快楽を生んでいく。大胆に絵里ねぇの舌が僕の口へと入り込む。互いに吐息を漏らしつつ、止まらない快楽を味わい続ける。

「ああっ、絵里ねぇ……、やばいっ、出そう……」

「ん……、あかんで……。んん……ウチの大事なトコの上に……、ツカサの精子、あんっ、出したら許さへん……。んん……、ん、もっと、もっと……キスしよ……、ね……、ウチの舌、痛いくらい強く吸って……んんん……お願い……んっ」

 ウネウネと動きながら強引に口へと入ってくる熱い舌。僕は柔らかなソレを思いっきり吸いながら、ビリビリした快楽を堪え続ける。いまにも噴きだしそうに固くなっているペニス。姉さんの胸の膨らみが、僕の胸に強く押し付けれる。

「んっ、んんんっっっ、んんんっっっ!!」

 射精しちゃ駄目だ……そう思うのに、絵里ねぇの股間が、スリスリと何度も、何度も、僕のペニスを擦り上げるように動く。
クネクネと押し付けられる熱い絵里ねぇの秘部。スクール水着越しの柔らかくて熱い感触……。僕の腰を絶対に逃がさない……というふうに絡みつく足。

「んっ、んんん……、ツカサ……あかんよ……絶対、絶対に出したら……んんんっ、もっと……、もっと擦りつけて……。あっ、あっ、ああっっ」

 ニュル……ニュル……という感触。目の前が真っ白になる愉悦。絵里ねぇの甘い吐息、そして僕の首へ絡みつく細い腕に、ぎゅう……と一際強く力が入り、甘えるように絵里ねぇが腰を動かしてくる。

「あっ、あっ、あああっ、ツカサ、ツカサっ、はよっ、も、もう……ウチ……、んんッ、んんん……」

「んっ、んんんんんんんんんっっっ!!」

 ドクンっと大量の精液が耐え切れずに噴出……。凄まじい快楽の中、肉棒の先端から白濁した液が大量に溢れ出し、絵里ねぇの股間を汚していく。
止まらない姉のカラダ。精子を股間へと擦りつけるように、クネクネと僕のカラダの下で腰をくねらせ続ける。

「あっ、ああああああっっ、嬉しいっ、ツカサ、ツカサっっ!!」

 僕の口が貪られるように、絵里ねぇの唇へと奪われる。互いにベロベロと舌を舐めあいながら、何度も、何度も全身を痙攣……。
シャワーのお湯を浴びながら、僕と絵里ねぇは、熱気に中てられたように、延々と舌を絡めあい、互いの腰、カラダを触れ合い続ける。
 浴室にある開いたままの窓……。外の夕日が真っ赤に染まりつつ、最後の光を発しながら地平線へと沈んでいく中、姉弟二人……、禁忌スレスレの境界を、ドロドロと彷徨うように。


◆◆



 コスモスの一輪挿しが飾られた食卓のテーブル。その中央へと置かれた青い大皿の上に絵里ねぇの作った青椒肉絲が置かれている。今夜の食事担当は姉で、得意料理の中華。ピーマンの鮮やかな緑色、唐辛子の強烈な赤、しっかりとタレが絡まった細切り牛肉がとても美味しそう……。

「ん……」

 だけど、テーブルを向かいあって座る僕たちは互いに箸が進まない。時々目が合うけど、その度、互いに顔を赤くして視線を逸らしてしまう。
 ――結局、浴室にはあれから一時間ほどいた。興奮に流されるまま、互いにカラダを洗いあい、何度も何度も舌を絡め、肉体へ愛撫を繰り返す。最後の一線を互いに意識しているのに、ソレは無いもののように、飽きる事無く手と口だけで触れ続けた。
 絵里ねぇの胸……、ピンク色に尖った乳首を吸いながら、思いっきり手でイカされた。僕は水着の上、絵里ねぇの熱い蜜をこぼす股間を、舌と唇でキスをするように貪った。
 顔を手で恥ずかしそうに隠しながら、まるで泣くように声を上げ、絶頂を迎える可愛い絵里ねぇの姿が、食事をしている今も脳裏から離れない。

「ツ、ツカサ、どや? お、美味しいやろ?」

「あっ、ああ、うん。美味しいよ、うん……」

 言葉が空中に吸い込まれるように消えていく。互いに顔を真っ赤に染め、目を合わせる事も出来ずに押し黙ってしまう。
半ば義務的に箸を動かし、わかめスープを飲み、白いご飯と一緒にピーマンと牛肉の細切りを食べていく。濃厚なタレの旨み、ピリッとした唐辛子の殻さも今晩は感じない。

「あっ、お茶とってや」

「あ、うん」

 気詰まりな沈黙、不自然な空気を互いに感じつつ、コポコポと急須からウーロン茶を注ぐ。立ち昇る湯気、発酵した茶葉の芳醇な香りも、今はどこか空虚。
 シンプルな白いTシャツに、赤い色のジャージの下という色気の無い絵里ねぇの姿。だけど、ほのかに湿ったままの黒髪が逆に引き立たせるように綺麗に見えて……。
 ウーロン茶を注いだ湯のみを、ゆっくりと滑らせる。その時に触れ合う互いの指先……触れた箇所から、ビリビリとした甘い刺激があふれ出す。白いTシャツの下、うっすらと透けて見えるピンク色のブラが堪らなく欲情をそそる。
 二回も射精したにも関わらず、僕のアレはズボンの下ではちきれそうなほど怒張しきっていた……。絵里ねぇを抱きたい……、はっきりした欲望が胸の奥へマグマのように折重なって行く。唇を噛みながら、何度も唾を飲み込みつつ、狂いそうな焦燥感を感じる。

『ピンポーン』

 と、その時、気まずい空気を切り裂くように来訪を告げるチャイムの音が鳴り響いた。ガタンッと慌てて席を立ち、返事をしながら玄関へと向かう絵里ねぇの後ろ姿。テーブルへと置かれた青椒肉絲が、居間の蛍光灯の灯りを受け、ツヤツヤと光る。

(こんな夕食時に……、誰?)

 どこかほっとしながら、僕は来客にそなえて一旦箸を置く。玄関からどこか聞き覚えのある女性の声と、絵里ねぇの驚いたような響きの声が聞こえる。

(となりの叔父さん……じゃない。いったい、誰?)

 てっきり隣に住む親戚の叔父かと思っていた。亡き父の兄で、年齢は50くらいになる叔父。父とは似つかぬがっしりとした体躯に、脂ぎった顔。色々と手続きをしてもらった恩はあるが、酒癖が悪く、そして、やたら父の財産を管理してやる……と言い、押し付けがましかった。訳ありの娘と、大学をずっと留年している息子が一人いて、ソイツの絵里ねぇを見る視線も、僕はどこか嫌悪感を感じていた……。

「あはっ、ツカサ君っ、久しぶりやん。覚えてる? ミカねぇだよ」

 考え事をしていた僕に、突然かけられた言葉。ハッと驚き、僕は居間の入り口を見て、更に驚愕した。
そこにいたのは、僕より6歳近く年上だったと思う、隣の家、叔父の娘。そう……ニ、三年前、高校を卒業した当日、芸能人になると書き置きを残し失踪した無茶苦茶な従姉。大騒ぎになったけど、叔父の『勘当する』という一言で収まった。

 いや……、突然現れた事にも驚いたけど、それより驚愕したのは着ている洋服。髪を金色に脱色し、肌は見事な褐色。ボリュームたっぷりの睫毛に、紫色に塗られた唇が動く度、チラリと見える舌ピアス。そして……、大胆にヘソを露出した短すぎる赤い上着と、ぴったりとお尻にはりつく超ミニの赤レザーのスカート。褐色の足には黒色の網タイツが履かれている。
 まるで……AV女優のような姿……。芸能界を目指せるくらいだった綺麗な顔は、美しさはそのままに、どこか毒のような妖艶さを漂わせていた。

「あっ……え……、ミカねぇ?」

「うん、あはっ、立派に大きくなったー。久々に家に戻ったらサ、クソ親父に追い出されちゃって……。ちょっと都合がつくまで泊めてもらおうっておもてな。ね、絵里ちゃん? いいんだよね? ふふふっ」

 ミカねぇの背後……、どこか血の気が引いたように青い顔で立っている絵里ねぇが、チカラなくコクン……と頷く。その尋常じゃない様子……、僕の胸に不安な気持ちと心配する気持ちがあふれ出し、椅子から立ち上がろうと……。

「あ……ツカサ、お姉ちゃん、ちょっと用事あるから、隣いってくる。すまんけど、食器かたしといてなっ」

 まるで、僕から逃げるようにそう声を上げて、入り口から立ち去って行く絵里ねぇ。あわてて、その後を追おうとした僕の腕が、がっしりと掴まれた。

「あはっ、ツカサ君? ウチと一緒にご飯食べてな。ふふっ、絵里ちゃんはちょっと用事あるんよ、ふふっ、大切な用事がな……」

「えっ……、あ……」

 毒々しい赤色に塗られたミカねぇのマニキュア。様々なラインストーンで飾られたその指先が、僕の腕をがっしりと掴んで離さない。
むせ返るように甘い香水の匂い……、チラチラと見せ付けるように動く、ピアスのついた赤い舌と紫色の唇。
 褐色に焼けているミカねぇの肌が、居間の照明へと照らされて、とんでもなくいやらしく見える。

「あははっ、そんな寂しそうな顔せんでや。今夜はウチがお姉ちゃんの変わりに……、くすっ、こってり可愛がってやるわ。ふふ……」

「えっ!?」

 何を言って!? 呆然とミカねぇを振り返った僕。だけど、タイミングを外すように彼女はスタスタと食卓を回り、微笑みながら席へと腰をおろす。
 ――さも当然のように、絵里ねぇが座っていた場所へと……。

「さっ、沢山食べよっ。まだまだ、夜は長いんやしなぁ……、ふふっ」

 金色に脱色した髪の毛を耳へとかき上げながら、艶然と微笑んでいるミカねぇ。僕に見せ付けるように舌を伸ばし、その真っ赤な舌の上に緑色のピーマンをのせ、クチャクチャと咀嚼を始める。

「ああ……美味しいわぁ……。まともな食事は久しぶり。ふふ……。ツカサ君、ウチな、ここ二年くらい、ほとんど流動食が主食やったんよ。くすくすっ、タンパク質だけの、白くてドロドロしたにがーい液体、あはっ、可哀想やろ?」

「あ……うん。そうですね……」

 訳がわからない、でも、どこか淫靡な雰囲気のするミカねぇの言葉。ソレに生返事を返しながら、僕は何かとんでもなく悪い予感を感じつつ、ゆっくりと自分の席へと腰をおろした。

「ふふ……そうやろ? あはっ、でもな……そのうちそれが癖になるのが……、オンナの悲しい所やわ。クスクスっ、絵里ちゃんも頑張って欲しいわぁ……」

 嬉しそうに微笑みながら、意味不明な事を言い続けるミカねぇ。僕は無視をしながら、その全身をチラリ……と眺める。
赤いタンクトップから見えるミカねぇの大きな乳房の上半分。僕の視線に気付いたように、クスクスと笑うミカねぇ。
 僕はそれに視線を向けないように意識しながら、誤魔化すようにがむしゃらに箸を動かす。何故か味のしない青椒肉絲……。絵里ねぇの作ってくれたソレを、機械のように、ただ延々と口へ放り込んでいった……。




[20364] 【習作】 アネモノ 【3/5】
Name: メメクラゲ◆94ad61bb ID:583704fc
Date: 2010/08/30 16:15
 【習作】 アネモノ 【3/5】


 絵里ねぇお気に入りの青い大皿へ、ベットリと付着している青椒肉絲のタレ。その茶色をしたネバつくソースを、洗剤で泡だったスポンジを使いゴシゴシと力を込めて洗い落としていく。
 絵里ねぇは隣にある親戚の家へと向かったまま一時間ほど経っている……が、未だ帰って来る気配はない。

「はぁ……」

 言葉に出来ない……どこか漠然とした不安を感じつつ、僕はカチャカチャという食器が触れ合う音を聞きながら、後片付けを終わらせていく。それなりの量があった夕食は、今、隣の部屋のソファーでくつろいでいるであろう従姉、ミカねぇの胃袋へほとんど納まった。
 絵里ねぇの様子が気がかりで箸が進まなかった僕とは対称的に、ガツガツと箸を動かし、夕食を貪ったミカねぇ。数年ぶりに会った従姉の、そのとんでもない姿を、僕は脳裏へ思い浮かべる。

 ――引き締まった体型と大きなバスト。むらなく褐色に焼けた肌は、健康的……というよりも、どこか男を誘うように淫らな雰囲気。ぽってりした厚めの唇に毒々しい紫色の口紅。そして……、ウネウネと蠢く真っ赤な舌にチラリと覗く、銀色のピアス……。金色に脱色された髪、小悪魔みたいな大きく意地悪っぽい瞳とアイシャドウ。ミカねぇの全身から、雄を誘うようなフェロモンが漂っているようにさえ感じる。

「なんか……すげーエロい……んだよなぁ」

 ぽつり……と呟きながら水道の水を止め、すすぎ終わった食器の入ったカゴを持ち、背後にある食器乾燥機の方へ振り返った。

「うん? 誰がエロいって?」

「うわぁっ、み、ミカねぇ!? い、いつからソコにっ!?」

 いつの間にか、僕のすぐ後ろ……、キッチンの椅子へ足を大きく開いたポーズで座っているミカねぇ。くすくすという感じで笑いながら、妖艶な目つきで僕をじっと見つめてくる。
 ムッチリと黒い網タイツに包まれている大きく開かれた足。その奥、超ミニの赤いレザースカートの中、豹柄のパンティーがモロに見えて、僕はあわてて顔を背けた。

「な、なんでもないっ。そ、それより、し、下着が見えてるよっ。足っ、足を開きすぎっ!!」

 顔が熱い……。天井を見上げつつ、我ながら必死すぎる声で従姉へと注意。瞳の奥に今見たばかりのミカねぇの下着が鮮明に蘇る。チロッと僕を誘うかのように紫の唇から見えた真っ赤な舌……、紐のように細くキワドイ豹柄の下着。
 落ち着け……と思うのに、あまりのインパクトに股間へ血が集まっていくのを抑え切れない。

「あはっ、ごめーん。ウチ、ずっと一人暮らしやったからなぁ。ふふっ、でも……、ええもん見れて良かったやんか。ウチの紐パン……、興奮してもうた?」

「なっ……!? えっと、ん……、そ、それより……その……、あっ、そ、そうだ、この二年、ミカねぇったらどうしてたの? そ、その、突然家出しちゃったからさ。あの……」

 しどろもどろになりながらも、どうにか話題をひねり出す。ドキドキと高鳴る鼓動を宥めながら、ゆっくりと視線を天井からミカねぇの場所へと下ろしていく。あい変らず意地悪っぽい微笑みを浮かべたまま、椅子に座っている従姉……。だけど、流石に足は閉じてあった。
 でも、見えそうで見えないふとももの奥のギリギリ感が、逆にエロく感じられてしまう。それに、ミカねぇの大きな胸が否応なく僕の目に飛び込んでくる……。

「んん、この二年? ホンマに大変やったわぁ。悪いスカウトに騙されてなぁ……色々あったんよ。ツカサも気いつけてな、ふふっ、どこに落とし穴があるか……、ほんと、わからん世の中やから」

 意味深に、そしてどこか自嘲気味にも見えるように微笑んでいるミカねぇ。キラキラと輝くラインストーンのついた爪で、自分の紫色の唇をからかうように触れている。

「才能がある……アイドルになれるって言われて、喜んで上京してな。ふふっ、でも……一人暮らしやろ? 食費、家賃、生活費はなんとかバイトで稼いでたんよ。だけどな……レッスン料、写真撮影費、箱代、録音費、衣装代、メイク費用などなど……全部、全部、ウチが負担せんとあかん契約やった。夢ばっかり見て、そんなん気づけへんかったんよ。それに、スカウトも巧妙に隠してたしなぁ。……気付いたら、いつのまにか借金でがんじがらめ、上京したての18歳のウチには、どうしようもなかったわぁ」

 枝毛を探すように金髪を指先で弄りつつ、なんでもない事のように言い放ったミカねぇ。でも、その内容の酷さに僕は絶句してしまった。そんな……、そんな事が本当に?

「ふふっ……所詮な、タレントなんて使い捨てなんよ。偶々ヒットすればラッキー。外れても、次から次に新しい子が現れる。ウチは、その夢の残骸ていう排泄物の沼へ、あっという間に首まで浸かってもうた……。それでな……」

 カタンッと椅子から立ち上がるミカねぇ。呆然としたまま立っている僕へと向かい、妖しい微笑みを浮かべながら、ゆっくりと近づいてくる。
モデルのように堂々とした歩き方。そして、自分の魅力を十分に引き出すような綺麗で妖艶な表情。ミカねぇの甘い匂いが、ムッっと鼻へと届く距離……手を伸ばせば抱きしめあえるほど近い場所ギリギリまで、豊満な胸が迫る。

「あっ、え……ミ、ミカねぇ……、な、何を?」

 僕の首筋と耳へ、ミカねぇの甘く熱い吐息がかかる。カラダは触れない……ギリギリの距離を保ちながら、意地悪な笑顔をすぐ側で浮かべている従姉。唇の中……真っ赤な舌と、銀色のピアスがはっきりと見える。

「借金で、あっという間に首が回らなくなったウチは……、ふふっ、このおクチでお金を稼いだの。毎日、毎日……、ちんぽを何十本も咥えたんよ。……この舌ピアスもな、これでチンポの先端をクリクリしながらな、舌を回転させて、あっという間に射精させれるように着けたの。すごいんよ……、ふふっ、どんな男だってウチの口で本気のフェラされたら……、アンアン泣きながら、ビュービューってザーメン出してまうんやから」

「うあっ……、ちょっ、ちょっと、ミ、ミカねぇっ!? あっ、ああっっ」

 ベロリ……と熱い舌で、僕の首筋から耳たぶまで一気に舐め上げられる。不意打ちだという事に加え、ミカねぇの話のとんでもない内容に、驚きのあまり抵抗さえ出来ない。立ったままの僕の足へ大胆に絡みつく、ミカねぇの黒い網タイツに包まれたふともも。
 そして、その爪がジーンズの上からカリカリと、僕の肉棒をからかうように触ってっっっ……。

「あっっ、ちょっ、あっ、な、なにを……」

「ふふっ、ツカサの童貞ちんぽ……ガチガチに勃起しとる。くすっ、期待してたんやろ? ウチな……、毎日飲んでるうちに、ザーメン中毒なってしもたんよ。ん……、美味しそう……。今スグにしゃぶったるから……、ツカサの童貞ちんぽザーメン、……。熱くて苦い……童貞ザーメン……、ああ……もう我慢できへん」

 まるで飢えた肉食獣のように、ミカねぇの瞳が妖しく輝く。そのまま、僕のジーンズが、あっという間に太ももまで下ろされてしまう……。僕のちんぽ……、それはトランクスの中で恥ずかしいくらいに勃起し、突き破りそうになっていた。

「うぁ……、ミ、ミカねぇ……」

「ああ……いいニオイや。カラダだけじゃなくて、ふふ……ちんぽも立派に成長したんやね。今からな……信じられないくらい、気持ちよくしたるから。ふふっ、遠慮せんと、いっぱい出し。お世話になるんやし、これから毎日……テッシュ代わりにウチの口、使わせたるから」

 僕の足元へ跪き、スリスリとトランクスの上からチンポへと頬すりを行うミカねぇ。トランクスの隙間……ふとももの部分から、スル……と従姉の手が中へと入り込む。

「くっ、ううぅうっ」

「ふふっ、ツカサったら童貞ちんぽ……こんなに熱く、固くして……って、ん? ちょ、ちょっと……ああ……、そんな……」

 ミカねぇの指が器用に動き素早くトランクスが引き降ろされてしまう。ぷるん……という感じで勢いよく飛び出す僕の肉棒。
その根元をいやらしく手で掴んだミカねぇが、どこか驚いたような……そして、嬉しそうな表情で僕を見上つめてきた。
 ぽってりした唇を、我慢できない……というふうに舌で舐めまわし、金髪を耳へとかき上げつつ、うるんだ瞳で僕を見る。

「すごい……おっきいとは思てたけど……。このカリ……、この太さ、長さ……。ウチにピッタリのサイズやわ……。ああ……、血……さすが従弟同士や。ごめんなツカサ……、もう、もう我慢できへん……ん……ちゅ……」

「うあああ……、ミカねぇ……、そ、そんな……」

 かぷ……と先端の亀頭だけが、ミカねぇの紫色の唇へと咥え込まれる。カリ全体を包み込むように、ぴっちりと唇が張り付き……そして、舌の柔らかいトコロがクチュクチュと先端をくすぐるように蠢く。紫色の唇から、透明の唾液があふれ出す。

「うぁ……」

 ミカねぇの口内のヤケドしそうな熱さ……。そして、初めてのフェラのあまりの気持ちよさに、僕は堪えきれず、ミカねぇの金髪を乱暴に掴む。
その髪から立ち昇る甘い香り……、そして、僕の足元で正座したまま、くちゅくちゅと唇を動かす従姉の淫ら過ぎる姿。
 僕に強引に髪を掴まれて、痛いはずなのに……ミカねぇは唇へ肉棒を咥えたまま、クスッ……と嬉しそうに瞳で微笑む。

「んんっ……、くちゅ……んっ、んんっ、もっと、強く髪つかんで……、ウチな、ドMなんよ。でも……んっ……、最初は好きにヤらせて……、あとで思いっきり喉の奥に突っ込んでエエから……」

 ベロベロと肉棒のウラスジへ舌を這わせつつ、上目使いで囁くミカねぇ。褐色の肌……、頬がいやらしく赤く染まっていた。従順に僕へ奉仕する奴隷のように、正座のまま睾丸からサオの先端までを丁寧に舐め上げる。
 汗がうっすらと浮かんだ首筋……、赤いタンクトップから見えるこぼれそうな胸の膨らみ……。僕は肉棒からの快楽に押されるように、その胸を両手で掴む。

「あっ……もっと、もっと痛いくらい掴んで……。乳首……ウチのやらしい乳首も……。んんっ……んちゅ……」

 絵里ねぇの張りがある乳房とは違う、とろけるように柔い感触。掴んだ僕の指がズブズブと沈み込んでいきそうなほど柔らかい。
僕の亀頭を唇で強く咥え、チュルチュルと高速で舌を動かすミカねぇ。堪らない快楽を感じつつも、僕の両手は止まらない。
 ミカねぇの乳首がある場所へ、タンクトップを強引に押し下げながら、焦れた指先を這わしていく。その爪にあたる、コツンとした固い手触り……まさか……。

「ああ……、ミカねぇ……ち、乳首にも……ピアスなんて……ああっ……」

 僕の腕に押し下げられ、たゆん……と大きな乳房がキッチンの空気へと晒される。肌とおなじように、卑猥に日焼けした大きな乳房。その爆乳の先端……、ピンク色の乳首には、淫らな指輪のようなピアスが銀色に輝いていた。

「あは……、ん……んん……。ツカサ……、乳首ピアス捻って……。痛いくらいにシテ……、お願いや……、んんん……」

 肉棒を白い指が掴み、シコシコと上下に擦る。亀頭の先端……敏感な部分がチロチロとミカねぇの舌で、痛いくらいに舐め回されていく。信じられないほどの気持ちよさ。すぐに射精しそうになる欲望を押さえ込みつつ、必死で指先を動かす。
 リングへ指先を引っ掛け、大きな乳房を上方向へ持ち上げるように引っ張る。手加減がわからず、クニクニと回転させたりするが、その度、ビクンビクンッとカラダを痙攣させ、恍惚の表情を浮かべるミカねぇ。

「ああっ、ツカサったら上手やわ……。もっと……、あっ、あっ、ソレ……。ん……、そろそろ……ウチも本気で舐めたるで……。ふふっ、遠慮なく……たっぷり出してええから……、いくで……」

 瞳の縁にぬられた黒いアイシャドウ……。その妖艶な上目使いのまま……ニュル……と僕の肉棒が一気に口内へと飲み込まれていく。
頬の粘膜の熱さ……そして、たっぷりの唾液がドロドロにペニスを包み込む。思いっきり吸引するように窄まったミカねぇの頬……。
 亀頭全体からカリの周辺までが、グルグルと口の中で動く舌によって、凄まじい勢いで舐めしゃぶられていく。

「うぁぁああっ……、これ……あああああああああ……」

 ミカねぇの柔らかな舌……おもいっきり肉棒を吸われつつ、その舌がメチャクチャに動き回る。さらに……、舌に装着されていたピアスの感触。
まるで小さなボールが亀頭を転がっていくような感覚……。交互に襲ってくる舌の柔らかさと、コツン……という固い刺激。
 二つの異なる快楽が、互いに刺激しあい、肉棒から沸き起こる愉悦に慣れることが出来ない……。

「あっ、ああっ、あっ、あ……」

『――ふふっ、どんな男だって、ウチの口で本気のフェラされたら……、アンアン泣きながら、ビュービューってザーメン出してまうんやから』

 ミカねぇが微笑みながら言っていたセリフが脳へと浮かぶ。やばい……やばすぎる気持ちよさ……。あまりの快感に、バカみたいな喘ぎ声が止まらない……。
 ジュボジュボと強烈な勢いで、ミカねぇの顔が前後へと動く。そのまま口の中の舌で、根元から亀頭までを恐ろしい速度で舐め回される。睾丸がフニフニと優しく揉まれ、背筋へゾクゾクするような刺激が昇って止まらない。
 トロン……と欲情にとろけきったミカねぇの瞳が、僕へ媚びるように見上げてくる。ピアスが輝く乳房は剥き出しのまま、なのに行儀よく正座姿で……めちゃくちゃに気持ちよすぎるフェラチオ。

「あっ、あっ、ああああっっっ」

 ジュポジュポという卑猥な水音と共に、強烈な勢いで前後へ擦り上げられる。頬の内側の粘膜、柔らかな舌が別の生き物のように肉棒全体に絡みつき、信じられないような動きで快楽を生み出す。亀頭の先端、尿道が舌とピアスで無理矢理に穿られ、中からあふれ出す汁がズルズルと啜られ、飲み込まれていく。

「んっ、んんっ、んん……」

 甘えるようなミカねぇの鼻声……。僕はその声に誘われるように、金色に揺れる髪を両手でしっかりと掴む。我慢できない……。耐えられない射精感が睾丸から沸きあがり、僕は情けない声を上げながら思いっきりミカねぇの頭を腰へと打ち付ける。

「んんんんんんんんんんんんっっっ!!」

 苦しそうなミカねぇの声……、でも、僕を見上げる瞳はトロン……と濡れ、もっとシて欲しい……とでも言うように誘っていた。
亀頭を咥え込む口の動きは止まらない。舌の動作がさらに激しさを増し、僕の精液を待ちわびるように、グネグネと恐ろしい快楽を与えながら蠢く。

「あっ、あっ、ああああああああっっっ!」

 正座したままのミカねぇ……。僕に髪を掴まれ、まるでオナホールのように強引にグポグポと口を使われる。僕が前後へ頭を動かすたび、チャラチャラと乳首のピアスが揺れ、音がキッチンへと鳴り響く。
 舌……その柔らかな動きと、舌ピアスの固い感触が、まるで回転するように亀頭、カリの部分を高速で這い回る。凄まじい刺激……、そして僕は、思いっきりミカねぇの髪を握り締め、喉の奥へと肉棒を欲望のまま、突き入れる…………。

「あああああっっっ、でっ、出るっ、出るっっっっ!!!」

 ドクンッ…………っと大量の精液が噴出する快楽。それにタイミングを合わせ、ミカねぇが思い切り頬をすぼめて、メチャクチャな勢いで吸引……。
カラダの中から、全ての精液が無理矢理に絞り取られていく快楽……。いままで経験した事がない、カラダが粉々になりそうな愉悦。

「んんんんんんんんんんっっっっ」

 ごくんっ、ごくんっ、と喉を鳴らしながら、ミカねぇが精液を飲み込んでいく。赤く染まった頬……、恍惚の表情を浮かべ、自分の股間を左手で弄りながら……。
 僕の精子が、全部……全部、飲まれて……。その淫靡な姿が強烈に僕を打ちのめす。いつまでも射精が終わらないような快感。僕の肉棒へ絡みつく舌が、ヌメヌメと亀頭を包むように這い回る。

「うあ……、ああ…………」

 声を出すことすら難しいほど気持ちがいい……。射精しすぎたような、尿道がビリビリする感じ。
そして、ゆっくりとチカラを無くしていく肉棒を掃除するように、優しくミカねぇの舌が這い回る。精液を一滴残らず飲み干した赤い口内。舌と唇で睾丸からじっくりとサオを舐め取り、亀頭をクチュクチュとたっぷりの唾液で舐め取っていく。

「うく……ミカねぇ……」

「ふふ……、ご馳走様……。ツカサの童貞ザーメン……すごく……美味しかった。今度は……下の口でシよ? ウチのおまんこ……、グチャグチャに濡れとる。こんな発情したの……初めてや……」

 ペロペロと舌を動かし、にっこりと微笑んでいる従姉。固く尖った乳首……、そして、正座の奥に見える豹柄のパンティーが凄まじく卑猥で……。

「……うあ……そんな……だって……」

「なあ……ええやん……シよ? おまんこに欲しくて我慢できへんっ。ツカサ、16になったら遺産が入るやんか。それでウチと二人、県外で一緒に暮らそ? な? ウチ……、こんな美味しいチンポ……初めてや。それが、大好きやったツカサなんて……、何でもシたるから……な? ウチと暮らそ?」

「え……? あ……、遺産ってなに、それ……」

 僕の問いかけに、露骨にしまったっ……という表情を見せるミカねぇ。わざとらしい引きつった笑い顔を浮かべ、正座のまま、にっこりと僕を見上げる。

「ん? な、なんも知らへんよ。な、なあ……それより、オマンコしよ。なあ……ツカサ、ウチの触って……。もうトロットロや……」

 スッっと立ち上がり、僕の首筋へと両手を絡ませる従姉。髪から漂う甘い香り……、唇がからかうように僕の耳たぶを甘く噛む。

「ちょ……、あっ……」

 絶対に聞き出さなきゃ……って思うけど、押し付けられる胸の膨らみと、僕の腰へスリスリと押し付けられるスカートの感触が堪らない。チロチロとミカねぇの舌が動き、僕の耳たぶを舐める。
 あんなに射精したのに……また……、と思った瞬間っ。

「ただいまー」

 カラカラと玄関が開く音が響き、絵里ねぇのどこか暗い声が聞こえた。慌てたように、僕のカラダから離れるミカねぇ。僕も大急ぎでトランクスとジーンズを引き上げ、何食わぬ顔で手を洗い始める。
 なんだか、絵里ねぇを裏切ってしまったような、そんな罪悪感が沸き起こり、僕は絵里ねぇが来るであろう方向を見る事ができない。ハンドソープを丁寧に泡立て、料理をつくる直前のように、念入りに時間をかけて手を洗う。

「ん……?」

 変だった……。玄関からキッチンまでは直ぐに来れる距離。なのに、絵里ねぇはいつまで経ってもキッチンまで来ない。いや、それどころか足音一つしない……。突然胸へと湧き上がる悪い予感、それに突き動かされるように、僕は水を止め、玄関まで急ぎ足で向かう。

「絵里ねぇ!? ど、どうしたのっ、大丈夫?」

 僕がソコで見たもの……それは、玄関へと子供のように膝を抱えて座り込み、ポロポロと涙をこぼしている……絵里ねぇの姿だった……。




[20364] 【習作】 アネモノ 【4/5】
Name: メメクラゲ◆94ad61bb ID:583704fc
Date: 2010/09/06 15:35
【習作】 アネモノ 【4/5】



 夢……、ベッドの上、僕はぼんやりとしたまどろみの中、夢だと自覚しながらも過去の記憶を再体験していく。これは、小学校の頃の記憶。そう……両親が突然の自動車事故で亡くなった時のこと。

 ――自宅には、小学生になり立てのボクが、これまで見た事もないほど、沢山の大人の人がひしめきあっていて、しかも、その人達は全員真っ黒な服を着ていた。
 お父さんのお弟子さん達がボクの方を見て、さみしそうで、泣きそうで、そして無念さが入り混じったような不思議な顔をする……、その異様な雰囲気がとっても怖くって、ぼくはおかあさんを必死に探すけど、不思議な事にどこにもいない。
 どこにいるんだろう? こんなに大勢の人がいるのに、おかあさんはドコ? それに、こんなに大勢のお弟子さんが来ているのに、おとうさんは?
 何か変……わけがわからない不安で、ぼくの小さな胸がつぶれそうなほど苦しい。たまに遊んでくれているミカねぇも、さっきチラッと見かけた時に泣いていた……皆と同じ、真っ黒な服を着て、普段は明るくボクと遊んでくれるミカねぇが、あんなに泣きじゃくって……。

「おかあさん……どこ? おとうさん……、今日のおけいこは?」

 誰も聞いてない、誰もかまってくれない……。親戚の人は、『ざいさん』がどう……とかそういう事を言い合っていて、とてもうるさい。ボクは不安な気持ちで押しつぶされそうで、今にも泣いてしまいそうで……、独り、とぼとぼと道場まで歩いていく。

「ツカサッッ!」

 その時っ、思いっきり背後からぎゅうううって抱きしめられる。ボクよりも強いチカラ、それに大きなカラダ……そして、ちょっと鼻にかかる特徴的な声……。

「絵里ねぇっ、絵里ねぇっ、おかあさんはっ、おかあさんはドコなの? あの人達は何? おとうさんは?」

 絵里ねぇの温かさに包まれて、ボロボロと堰をきったように、ボクの目から大粒の涙がこぼれ落ちていく。いつもボクに意地悪で、試合では手加減してくれなくって、負けず嫌いで、すぐに手を出してくる暴力的な姉。
 だけど……、だけど……、いつだってボクが寂しい時には、ぎゅっっって守ってくれる絵里ねぇ。背後から強く抱かれる気持ちよさ。絵里ねぇの柔らかい黒髪から香る、お母さんのシャンプーと同じ甘いにおい。

「ごめんな、ツカサ。姉ちゃん、ちょっと大事な話があってん……。一人で寂しかったやろ? ごめんな……」

 背後からボクをぎゅううっと抱きしめたまま、絵里ねぇが言葉を囁く。ボクの心から不安感が薄れていき、かわりに妙な気恥ずかしさ、そして嬉しさがあふれだす。

「ん……、大丈夫。絵里ねぇ……もう、ボク大丈夫やから、ちょっと、苦しい……」

「ツカサッ!! ツカサッ!! あのな、これから姉ちゃんがっ、ずっと……、ずっと、ツカサを守ったるから!! ツカサは姉ちゃんの大切な、大切な弟。絶対にっ、絶対にっ、どんなことがあっても守ったるからっっ!!」

 背後から抱きしめられ、嬉しさと恥ずかしさで、いつの間にか泣きやんでいたボク。そんなボクの背中、首筋へ、ポタッ、ポタッ……と熱い雫が落ちてくる。ボクに後ろから、まるでしがみ付くように抱き付いている絵里ねぇ。ブルブルと寒いように痙攣しているその腕とカラダ……。
 そして……、必死に何かを我慢しているような、絵里ねぇの苦しそうな声。

「絵里ねぇ、どしたん? 何があったん?」

「ツ、ツカサ……、こ、こっち、向かんといて……。うぅ……、す、少し、このままで……うっ……」

 腕が苦しくって身動きをしたボクへ、哀願するような絵里ねぇの声。なんだか、それが、ボクはとっても悲しくて寂しくて……。訳がわからないまま、自分の奥底から沸き起こる衝動にまかせ、ぎゅっ! と絵里ねぇの腕を強く抱きしめる。

「絵里ねぇ、ボクだって、ボクだって、絵里ねぇを守るよ。絵里ねぇはボクの一番大事な人や。ずっと……、守ってみせるから」

 ――それは、暑い夏が終わり、枯葉舞う秋が始まった季節の記憶。道場の入り口で、小学生だった僕達二人、たわいのない……だけど、これ以上無いほど真剣な約束。
 ぼんやりとした夢と現実の曖昧な境界。初秋の温かな布団の中、僕はいつもでも、その境界を彷徨い続け……。

「う……」

 枕元に置いた目覚まし時計。セットしたアラームが鳴り響く丁度五分前……いつもと同じ時刻に僕はゆっくりと目を覚ました。秋の入り口らしく、まだ窓の外に暗闇が広がり、太陽は昇っていない。
 何か、悲しい夢を見たような気が……そんなボンヤリした気持ちのままアラームを解除して、ベッドから降り、朝のストレッチを始める。毎朝の日課、早朝に姉と二人で行うランニング。ガリガリと髪をかきむしりながら、僕はゆっくりと玄関まで歩いて向かう。

「絵里ねぇ……」

 ――ソコには誰もいなかった。何かにつけ負けず嫌いな絵里ねぇは、いつも僕よりも早く起き、そして、僕より早く玄関でランニングの出発を待っているのが日課だったのに……。

(どうしたんだろう……)

 昨夜、この場所で子供のように膝を抱え、ポロポロと涙をこぼしていた絵里ねぇの姿を思い出す。あの後、何を尋ねても答えてくれず、そのまま無言で自室へと閉じこもった姉さん。ミカねぇがもしかしたら何か知っているかも? と思い聞こうとしたけど、従姉も既に来客室へと引き篭もっていた為、何も知る事が出来なかった。
 
「はぁ……」

 重い足取りでそのまま、カラカラと玄関を開き、早朝の空気を胸いっぱいに吸い込む。今日は日曜日、当然ながら学校は休みで、普段ならランニングの後、絵里ねぇと二人、道場で稽古予定のはずだったけど。

「くそ……」

 何にイラついているのか自分でもわからぬまま、不安感を振り払うように大きく足を踏み出す。ジャラジャラと音を立てる庭にまかれた砂利。ソレに八つ当たりするように、僕は足を動かし、玄関から道路へと飛び出す。
 すぐ隣に建っている親戚の家……その大きな門を睨みつけながら。

◆◆◆

「うう……、ツカサ。ウチ、朝はヨーグルトとコーヒーだけでええねん。こんな朝から、ふわぁ……、親子丼なんか食われへんわ」

「朝って……、ミカねぇ、もう一時だよ。それに、我が家にはコーヒーは無いよ。牛乳か、烏龍茶、緑茶……、うーん、あ、ココアならあったかも?」

 一人での型稽古を終え、道場から自宅へと戻った僕を出迎えてくれたのは、絵里ねぇ……ではなく、化粧を落とし、ボサボサの金髪頭のまま眠そうにゴロゴロと転がりながら、何かの本を読んでいたミカねぇだった。
 昨夜のように露出の激しい姿ではなく、絵里ねぇがかつて着ていたアメリカネズミの絵がプリントされた可愛いパジャマ姿。ただ、大胆に胸のボタンは開かれており、褐色の肌、大きすぎる胸の膨らみが見えそうだったけれど……。

「ほな……ココアでええ。うう……眠いわ。よろしくー」

 昨夜、僕のアレを口に咥えたコトなんて、すっかり忘れているように無邪気な声で頼んでくるミカねぇ。僕も努めて昨夜、キッチンでの出来事を思い出さないようにしながら、淡々とココアを用意し始めた。
 お湯を沸かしているポットの隣に置いてある鍋の中には、僕、絵里ねぇ、ミカねぇ、きっちり三人分……親子丼の具が入っている。だけど、絵里ねぇは未だ部屋から出て来ていなかった。ドア越しに声をかけても、「うるさいっ」って返事が返ってくるだけで……。

「ミカねぇ、ココア出来たけど?」

「うう……ありがと」

 読んでいた本を畳の上へと置き、ムクッと起き上がる従姉。肌は当然、昨夜と同じ褐色なんだけど、化粧を落とし、口紅をつけていないその顔は、寝起きだというのもあって、どこか幼く……記憶の中のミカねぇと同じだった。でも、まあ、チラリと覗く首筋、大きな胸の谷間、真っ赤な舌に輝くピアスはとてもエロいんだけど。

「ん、ミカねぇ。それ、何の本なん?」

 ココアを飲む為に従姉が手放した本……表紙に様々な爪、キラキラと輝くストーンや美しい模様が描かれている、を僕は見た。

「ん? ああ、コレな。ウチ、ネイリストを目指しとるんよ。と言っても、もう三級の資格は持っとるから、次は二級やな。まあ、その勉強やね。アイドルはもう止め。今の夢はな、AAAクラスのネイルスペシャリストになって、自分の店を開くコトや、ふふっ、遅まきながら、毎日お勉強ってトコ」

 ココアのカップへ熱そうに唇をつけながら、ニコッと嬉しそうに微笑むミカねぇ。そう言えば子供の頃、ミカねぇは刺繍や絵描きが好きで、勝手に僕の服へ何かのキャラクターを縫い付けたりしていた事もあった。そういった芸術……みたいなモノが好きなんだろう。子供ながら、すごく上手だった記憶がある。

「へぇ……、すごいなミカねぇ。うん、きっとミカねぇなら出来るよ」

「ふふっ、まあ、夢やけどな。手って一番多く使う部分やろ? そこをな、綺麗に綺麗に仕上げるコト……、それがとっても楽しいんや。まあ、借金はなんとか返したし、仕方あらへんから今度は地道にお金を貯めて……お金……って、あっ、そやったっっ!! なあ……ツカサ?」

 コトンッとココアのカップをテーブルへと置き、じりっ……と僕へ、這うように近寄ってくるミカねぇ。モロに胸の谷間が見えるポーズ。
そして、ニヤニヤとした意地悪そうな、何か企んでいるような微笑み。でもそれは、やっぱりとても綺麗で、妖艶だった……。

「なっ、何!?」

「ふふっ……昨夜……、ウチのお口、気持ち良かったやろ? あんなにたっぷり射精してたもんなぁ。また、シテやろか? 朝イチの濃いザーメン……、ウチのお口にたっぷり出してええのよ。あ……それとも……、ふふっ、オマンコしよか? ウチ、あれから部屋でツカサのチンポを思い出しながら、オナニーを二回もシテもうたんやから。な……、ウチのカラダ……ツカサの好きにしてええんよ?」

 ゆらりと僕の首へ絡みつくミカねぇの細い腕、しなだれかかってくる熱いカラダと、ムニュっとした柔らかすぎる胸の圧力。真っ赤な舌の先端がチロチロと僕の耳を舐め、そして厚めの唇でくちゅり……と耳たぶを咥えられてしまう。
 ミカねぇの口の中、くちゅくちゅという唾液をすする音がモロに耳へと響きわたり、堪らない気持ちになりそう……。

「うあ……、だ、駄目だよ。ミカねぇ……、え、絵里ねぇが部屋にいるし、バレちゃうよ……あっ、うっ」

「ふふっ、童貞ちんぽ、こんなにおっきうしといて、我慢は毒やで? ん……大丈夫や……絵里ちゃんは今、きっとそれドコロやないから。な……シよ? ツカサの童貞、ウチに頂戴……。な、お願いや……もう、ウチのアソコ、ドロドロになっとる。な? ウチの部屋へ行こっ」

 僕の唇を割り、強引にミカねぇの舌が入り込んでくる。口の粘膜、唾液を交換するような激しいキス……口全体が痺れるような気持ちよさに包まれ、僕の意識は朦朧としてしまう。
 さらに、ミカねぇの右手が僕の履いているジャージの上から入り込み、優しく肉棒を触る。サワサワと掌全体を使い、くすぐったいような気持ちいいような絶妙のタッチ。

「うあ……、ミ、ミカねぇ……、絵、絵里ねぇのコト……、やっぱり何か知ってっ……あっ、ああっっ」

「ああ……、ツカサ、ウチのオマンコ触って……、な……、恥ずかしいくらい濡れとるやろ? あっ、ソコっ、うんっ、あっ、上手や、もっと……クチュクチュってやらしい音だすくらい、強く触って……、あっ、あっ、あっ、気持ちいいっ、ツカサのっ、中学生に、あっ、ウチ、マンコ触られて……あっ、めちゃ気持ちいい」

 ドロドロに熱い蜜をこぼしているミカねぇのアソコ。僕の指に絡みつくように、すごく柔らかい粘膜が熱く蠢いていた。ミカねぇの声に誘われるように、人さし指をニュルニュルしたその中へと挿入していく。指を締め付ける細い入り口……ミカねぇの膣の中が、ヤケドしそうなほどに熱く濡れそぼっている。

「くっ……ミカねぇ、絵里ねぇのコト、教えて、あ、ちょっ……」

「ん……、くすっ……、どうしよっかな。ふふっ、ほらツカサ、舌だしいな……、やらしいキスしよ? ウチとセックスみたいなベロちゅーや」

 強引に奪われる唇……誘われるまま音を立てて舌を絡めあい、互いの性器を愛撫しつつ、僕はミカねぇに無理矢理引き摺られるように、フラフラとした足取りで客間へと向かっていく。僕が触れているミカねぇのアソコは、ドロドロに熱い蜜をこぼしており、指で触れる度、ビクンッとカラダを痙攣させる。僕の肉棒も爪と指でシコシコとリズム良くシゴかれ、堪らなく気持ちがいい。
 ――ミカねぇのこんなに熱いココに、もし挿入しちゃったら……どれくらい気持ちがいいんだろう。
こんな事、している場合じゃないって思っているのに、脳が沸騰しているように、期待と興奮で胸が張裂けそうになる。

「ああ……、ツカサの童貞ちんぽ……、すっごく固くて……まるで鉄のようや。ああ、はやく、はやく欲しい……」

 ガチャン、と音を立て客室のドアを閉めた瞬間、ミカねぇがかすれた声でそう囁く。綺麗な顔が興奮しきっているようにピンクに染まり、唇の中で舌がクネクネと蠢いている。待ちきれない……という風にしゃがみこみ、素早く僕のジャージ、トランクスを引き下ろすミカねぇ。
 そして、飢えきった女豹のように、パク……と躊躇なく僕の肉棒を口へと咥え込む。

「あっ、うううっっ、稽古して……まだ洗ってないから……、あっ、キ、キタナイよっっ、あっ……、し、舌が、絡み付いて……」

 昨夜とは違い、洗っていない僕のカラダ……。きっとすごく臭くて汚いはずなのに、ミカねぇはジュルジュルと唾液の音を立て、思いっきり喉の奥にまで吸い込み、ピアスつきの舌でベロベロと肉棒全体を舐めまわす。亀頭の先端、カリの部分を何度も真っ赤な舌が這い回る。

「ん……そんなん全然ええよ……。ツカサのチンポなら……ん……、チンカスだってオシッコだって飲んだるから……。ああ……、すっごい熱い……。ああ……、もう限界。ウチのオマンコに、んっ……童貞ちんぽ食べさせて……。はよ……お願いや……」

 亀頭の先端、尿道部分をチロチロと舌で舐めつつ、潤んだ瞳……上目使いでミカねぇが哀願する。肉棒を咥えながら、震える指先で自分からパジャマを脱いでいくミカねぇ。見事すぎる爆乳、そして……豹柄のきわどいパンティーに包まれた下半身が露になる。

「うあ……、ミカねぇ……」

 絵里ねぇよりむっちりしている下半身……だけど太っているという訳じゃなく、女性らしい丸みを帯びたライン。お尻から綺麗にペティキュアが塗られたつま先まで、流石……アイドルを目指していただけあって、恐ろしく美しいプロポーション。
 クス……、と微笑みながらミカねぇが立ち上がり、日に焼けた太もも、足を開いて、僕に見せ付けるように、ゆっくりとパンティーを降ろしていく。

「ウチのオマンコ……ふふっ、意外と綺麗なんやから……。ココは、まだ二人しか入れたコトあらへん場所なんよ。締まりも……きっとイイはずや……。ウチが上に乗って、メチャクチャに腰を動かしたるから……、ツカサは我慢せんで、何度でも射精してええよ。ああ……恥ずかしい、ウチ、すっごく濡れとる……」

 ミカねぇのアソコ……うっすらと毛が生え揃った場所の奥に、綺麗なピンク色の部分があった。まるで口を開いた唇のよう……、ヌラヌラと粘液で光っており、その部分がミカねぇの指で押し広げられていた。
 従姉の興奮に圧されるように、客室の床へ仰向けに横たわってしまう僕。ガチガチに勃起している肉棒へと、ミカねぇのアソコがゆっくりと触れてくる……。

「うああっ、ミカねぇ、だ、だめだよ……ああ……これ……ああ……」

「あっ……這入ってくる……ツカサの童貞チンポ、中学生チンポが……あっ、あっ、ウチの中に……、あっ、あっ、入ってっ、あっ……」

 ニュプ……と凄まじく熱いモノが亀頭を包み込んでくる。ミカねぇの口の中もメチャクチャに気持ちよかった……だけど、ココの締め付けはもっと凄まじい。亀頭からサオの根元まで、全部がミッチリと密着するように圧迫されてしまう。
 膣の中に、なにかツブツブのような柔らかすぎる突起があって、それが肉棒を全方位からネットリと絡みつく。

「くぅぅぅ……な、なにコレ……」

「ああっ、ツカサの中学生ちんぽ……、あっ、あぅ……ヤバい……、ウチのオマンコにピッタリや……。あっ、ああっ、あかん……。ウチ、虜になってまうかも……。ふふっ、んっ、う、動くで……ツカサ」

 僕のカラダへ両手を乗せたミカねぇ。まるで泣きそうに歪んでいる顔……、必死に我慢するように歯を噛み締めている。
でも……僕にも余裕なんか全然ない。挿入しただけなのに、ミッチリと圧迫されるこの気持ちよさ……、これで上下に動かされたら……。
 と、その時、ミカねぇがグニュリ……と腰を浮かせ、一気に上下運動を開始した…………。

「ああっっっ!!」

「あっ、ああっ、ああああっ、んんんっっ」

 何本もの舌で肉棒を舐めしゃぶられ、しかもそれで上下にシゴかれる快感。きつく締め付けられる膣、熱い粘膜が擦れあう刺激が堪らない。
僕の上半身へ両手をついたポーズのミカねぇもメチャクチャに感じているのか、顔が真っ赤に染まり、口元が開いて銀色のピアスが見えた。グチャグチャと音をたてながら、ミカねぇが細い腰を動かす度、褐色の爆乳、ピンク色の乳首に装着されたピアスが激しく揺れる。
 あまりに卑猥な姿……、僕は凶悪な気持ちを抑えきれず、下からその大きな胸、乳首ピアスをクネクネと指で引っ張った。

「うああっっ、ツカサ……あかん、あっ、あっ、今、乳首虐められたらっ、あっ、あああっっ、ウチ、ウチ、あっ」

 金色の髪を振り乱しながら、可愛い声であえぐ従姉。胸はすごく大きいのに、肩や腰のラインは凄まじく華奢で……。ミカねぇの褐色の肌にいくつもの汗が流れていく様子さえ、とんでもなくいやらしい。
 肉棒を締め付ける膣の感触が、さらに強くなり、まるで精子を搾り取るかのようにグネグネと全体に絡み付いてくる。ねっとりとした蜜が、つながっている秘唇からダラダラとあふれ出し、僕の腰へ広がっていく。

「あっ、あっ、あっ、あっ、ツカサっ、あっ、ああっ、イッてまう……童貞ちんぽに、あっ、ウチ、イかされちゃうっ……、あっ、あああっ」

 ほとんどすすり泣いているようなミカねぇのかすれ声……ソレがもっと聞きたくて、僕は両手を使い下から乳房を揉みながら、人さし指で乳首を潰すようにグリグリと弄る。ビクンッとカラダを痙攣させるミカねぇ。
 そして、僕の腰を挟み込んでいる褐色の足に、ぎゅううっとチカラが篭る。挿入された膣、その締め付けが更に強まり、グチャグチャにシゴき上げられていく……。

「ああああああああっっっ、ウチ、あ、もうっ、無理……、あっ、んっ、んんんっっ、ツカサっ、ううっ」

「くっっっ……」

 肉棒が、柔らかなミカねぇの粘膜に包まれ、猛烈にシゴかれる。発狂しそうなほど気持ちがいい……だけど、僕は両手を伸ばし、ミカねぇの褐色の肌、上下にクネクネと動く腰を、強引に掴んで動きを止めた。

「あああっっ!! やっ、なんで、ああっ、ウチ、ウチ、もうイキそうやのにっ、ああっ、ツカサっ、動かさせてやっっ!!」

 泣きそうな顔で唇を噛み締めているミカねぇ……。潤んだ瞳で僕へ哀願するように見つめてくる。そのあまりの色っぽさに堪らない気持ちになる……が、僕は快楽を必死で我慢しながらゆっくりと口を開いた。

「駄目……、う……、ミカねぇ、絵里ねぇのコト、そして遺産のコト、ミカねぇが知ってる事……、全部話すって約束して」

「うう……、そんな……、あっ、あ……、くっ……ウチ……」

 目を逸らし、悔しそうに唇を噛んでいるミカねぇ……。その褐色の肌は赤く染まり、大きな乳房の頂点、ピンク色をした乳首はメチャクチャに固く尖っている。僕は興奮と冷静……二つの感情がごちゃまぜになった不思議な感覚のまま、片手をのばし、その乳首を思い切り捻る。

「あああっっっ、ツカサっ、あっ、ソレ、めっちゃイイっっ、あっ、ああ、イきたいっ、ああ、お願いや、ああ、チンポ、ツカサのチンポ、動かしてえな……、ああっっ、あっ」

 哀願の声を無視し、挿入したままミカねぇのカラダを後ろへと倒させる。僕のカラダの下、足を抱えられ、正常位で秘部を肉棒に貫かれているミカねぇ。僕は舌を伸ばし、悔しそうに噛み締められたミカねぇの唇をベロリ……と舐め、ゆっくり、ゆっくりと腰を動かし始める。

「あっ、うっ、ああっ、ツカサ……、あかん……、あ、お願いや、もっと、もっと速く……、あっ、あっ、奥、奥まで入れてやっ、ああっ」

「全部、話すって、約束……できる?」

「く……あっ、うう……それは……、あっ、ああっ、くっ」

 ミカねぇの泣きそうに歪んでいる顔を見ながら、じわじわと肉棒を膣の入り口ギリギリまで引き、そして浅い場所だけをゴツゴツと亀頭の先端で叩くように速くつつく。その度、ヒクヒクと痙攣を繰り返す褐色のカラダ。ミカねぇの瞳からポロポロと涙があふれ出していく。

「ひっ、あっ、あっ、こんなっ、あっ、ウチ、ウチのカラダが……、あっ、奥、奥までちんぽ欲しいっ、あっ、うう……あああっっ、あかん……、調教されちゃう、あっ、中学生チンポに、あっ、ああっ、好き勝手に、し、しつけられちゃう……こんなっ、こんなっっ、ひぃいい、ああああああ」

「ほらっ、ミカねぇ約束して、そしたら……くっ、こうやって……」

 両足を押さえ、思いっきり膣の奥にまで肉棒を叩き込む。ズン……という感じでミカねぇのカラダ、秘部が喜んで僕を咥え込み、クネクネと圧迫する。その堪らない気持ちよさ……、ギリギリの射精感を我慢し、また僕は、膣の入り口……浅い部分だけをコツコツとつつき始める。
 ミカねぇのアソコから潮を噴いたように大量の蜜がこぼれだす。その様子を眺めつつ、左手で固く勃起している二つの乳首ピアスを引っ張る。

「ひいいいいっっっ、い、言う、言います、何でも言いますからっっ、だから、だから、もう、もう……ああああっっ、かんにんしてっ、ああっ、ツカサ、ツカサっ。いいいっっ、あああああああああああああああああああっっっっ!! ウチ、ウチ、中学生に、中学生チンポに屈服してもうたっ、ああ、奥っ、奥までっ、ああああ、うううううううううううっっっ」

 完全に折れ、僕へ哀願のすすり泣きを繰り返すミカねぇ。その様子を見て、僕は本気で腰を動かし始める。ドロドロに蕩けきった秘所、膣の奥まで何度も肉棒を往復させていく。獣のように声をあげて僕にしがみ付く従姉。亀頭の先端がクニュクニュと子宮に包まれるような感触が走り、それがとてつもなく気持ちがいい。

「や、約束だよ……」

「ああああっっ、気持ちいいっ、ああっ、はいぃ、言います。ウチの知ってること、何でも言うからっ、あっ、あっ、うううううう、いくっ、いくっ、出してっ、ツカサのザーメン、いっぱい、いっぱい出してやっ、ああああああああああああ、いくっ、いくっ」

 涎と涙でぐちゃぐちゃに顔を歪めたミカねぇ……快楽のあまりすすり泣き、屈服しきった顔で僕に懇願を繰り返す。
異常に淫らで、それでもなお綺麗な顔……、僕もその顔を見ながら、とうとう限界を迎えそうになる。
 一切の手加減なく、ミカねぇの膣の中へゴツゴツと肉棒を出し入れ……そして、射精の瞬間。

「いいいいいっっっ、ウチ、ウチ、また、いくっ、いくっ、中学生チンポ、中学生チンポで……ひぃ、ああああああああっっっ、あっ、ああああああ」

「うっっっ」

 最後の瞬間……、思いっきりしがみ付いてくるミカねぇの腕、足を振り払い、なんとかペニスを膣の中から引き抜く。そして、僕はミカねぇの褐色の腹部、そして大きな胸へ大量の精子を吐き出した……。
 ドロドロの白濁液が、ゆっくりと褐色の肌へ広がっていく……。凄まじい快楽と倦怠感。はぁはぁと荒い呼吸を繰り返しながら、僕はミカねぇの肌を汚していく吐き出した精子を、ぼんやりと見つめていた。 



[20364] 【習作】 アネモノ 【5/5】
Name: メメクラゲ◆94ad61bb ID:583704fc
Date: 2010/09/06 15:52
【習作】 アネモノ 【5/5】



「絵里ねぇ、話があるんだ……。鍵、開けてよ」

 姉さんの部屋、鍵で固く閉ざされたドアの前で、僕は声が震えてしまわないように注意しながら、しっかりとそう言い切った。
僕の心臓は不安で張裂けそうなほどドクドクと脈打ち、喉は呼吸が難しいくらい緊張で渇ききっている。

「うるさい……、一人にさせて」

 ドア越しに響く絵里ねぇの暗い声。その声はまるで、枕か何かに唇を押し当てて話しているようにくぐもっている。勝気な絵里ねぇのこれほど弱気な声を、僕は今までほとんど聞いたコトはなかった。
 そう……両親が亡くなったあの日、道場横で僕にしがみ付いていた時以来かもしれない。
 ギリッと音を立てながら、僕は奥歯を噛み締める。胸の奥に燃え上がるドス黒い炎のような感情……それは、憎しみ、嫉妬、悲しみ、自分への不甲斐無さ、そんな情念がドロドロと入り混じったモノ。感情にまかせ、思い切りドアを蹴り付けたい衝動に駆られる……が、必死に自制し、何度も深呼吸を繰り返す。

「絵里ねぇ……どうしてもっ、どうしても話がしたいんだ。お願いだよ」

 ミカねぇからようやく聞き出した内容。『ソレ』は僕の身に降りかかっている出来事だとは、到底信じられないほど唐突で、そして現実離れしていた。
 でも、『ソレ』が全ての大元になっている事も事実で、そして……。

「……鍵、開けたよ」

 カチャリという金属音の後、ドア一枚を隔てて聞こえる姉の声。僕は最後に大きく深呼吸をして、ゆっくりとドアノブを捻り、絵里ねぇの部屋の中へ足を踏み入れた。
 昼間だというのにカーテンを閉め切られた薄暗い部屋。フローリングの床、白い壁紙、白いカーテンとベッドという白を基調とした空間。アクセントとして黒のテレビ、黒いパソコン、黒いテーブルが置かれている、シンプルで機能的な絵里ねぇの部屋。

「で……、ツカサ、話って何? 姉ちゃんな、調子悪いんよ。だから……」

 そそくさと僕から離れ、チカラなくポスン……と白いベッドへ腰掛けながら気だるげに口を開く姉。サラサラした黒髪を無造作に腰へと流し、ノースリーブでグレー色のワンピースを着ている。剥き出しになっているほっそりした白い肩が、どこか寒そうに見えた。

「絵里ねぇ、色々話したい事はある。でも、最初にこれだけは……。僕、絵里ねぇと同じ高校へ進学するよ。県外にはいかない」

「……ッッ! ツカサ、アンタッ、何でッ」

 ダンッとさっきまでの様子が幻だったかのように、勢いよく立ち上がる絵里ねぇ。わなわなと震えている唇、そして、真っ黒な瞳が正面から僕を貫くように見つめてくる。

「絵里ねぇ……。今まで姉さんに相談してなかった事は謝るよ。その……、僕がいつまでも進路を決めてなかったから……学校から叔父へ連絡があったんだね。知らなかったんだ……」

「くっ、ツカサッ! ウチに内緒にしていたとか、もうそんなコトはどうだってええッ!! なんでっ? なんで、県外のXX高校にいかへんの!? アンタ……お父さんの師匠やった、迫芝先生から直々に弟子にならへんか、て誘われたんやろっ。推薦で県外のXX高校に入学すれば、迫芝先生の指導が受けられるやないの。アンタ……それを……、断るって、県外に行かへんって、一体、どういうつもりっ!」

 ギリ……と噛み締められた絵里ねぇの口、真っ黒な瞳が燃えるように僕を睨む。胸の前で握り締められた小さな拳が、ブルブルと痙攣している。

「遺産の事も知ってる。もう、決めたんだ……僕はココに残る。絵里ねぇと、ずっと一緒にいるから」

「ッ!? ツカサ、アンタ……」

 驚愕の表情を美しい顔に貼り付け、絶句したまま立ち尽くしている絵里ねぇ。その様子を僕は見つめながら、ミカねぇから聞いた、現在、僕の身に降りかかっている信じられない出来事を思い出していく。



◆◆



 ――それは一時間ほど前の事、ミカねぇと僕は客間の中で無言のまま見つめあう。が、ミカねぇが覚悟を決めた……といった様子でため息をついた。

「ツカサ、約束やから、全部ウチが教えたるわ。今……、アンタたち姉弟に何が起こってるのかを」
 
 荒い息をつきながら裸体を起こしたミカねぇが、苦笑しながらも、どこか照れたような感じで口を開く。僕は汗で濡れたカラダをタオルで拭き取った後、ゆっくりと正座して、ミカねぇへ向かって頷いた。

「……何から話せばええのか。まず、遺言や。ツカサが高校生、十六歳になった時、亡くなった叔父さんと叔母さんの遺産がきっちり全額入るコトになっとるんよ。その額、税金やら全部抜いて一人アタマ、一億と半分ちょっと。ふふっ、姉弟合わせて三億円や、バカみたいやろ?」

 正座したまま、僕はあまりの内容に驚いて口も聞けない。あまりに現実離れしたその金額……、一体、それは。

「ツカサの亡くなった母さんな、実はものすっごい旧家のお嬢様だったんよ。でもな、一族全部、何か事件があったらしくてな、唯一の生き残りやったのが、アンタのお母さんや。で、ツカサと絵里ちゃんはその旧家の唯一の財産継承者てコト。ま、元々は何百億って資産やったらしけどな、残ったほんの僅かな遺産、それが相続税やらの税金抜いて、手取り合計三億って額や。知らへんかったろ? ウチのクソ親父がな、必死で隠してたらしいわ。親戚もツカサの母さん側には、誰一人おらへんからな……」

 ミカねぇがどこか暗い表情のまま、静かに服を着ていく。客間の中の空気がどこか冷たくて、重苦しい。

「二日前な……ウチ、クソ親父に呼び出されたんよ。ふふ……借金を必死で返済しつつ、ネイルの勉強をしてたウチにな、借金を全部代わりに返済してやったから頼みを聞け、悪い話やない……てな。――ウチな、高校の頃、兄貴と親父にレイプされかけたんよ。必死で抵抗して包丁持ち出したら、アイツら冗談だってヘラヘラ誤魔化そうとしとったけどな。母さんはとうの昔に、親父に愛想つかして蒸発しておらへんし、誰にも相談できへんで、卒業してスカウトを幸いと、その足で東京に逃げたわ。ま、ウチの事はどうでもええね……」

 金色に染まった髪をクルクルと指に巻きつけながら、なんでもない事のように話すミカねぇ。驚きで口を聞けない僕を尻目に、ミカねぇはドンドン言葉を紡いでいく。

「突然、勝手に借金を返済されてな、まあ……それでも嬉しかったんよ。ホント、風俗で働くのは精神的にキツかったし、スカウトに騙されて寂しかったしな。もしかして……クソ親父も反省して家族の情ってのが芽生えたのかと期待して帰省したんよ。ほしたら……アンタたち姉弟の遺産の事や」

 いったん言葉を切り、ふぅ……という感じでため息をつくミカねぇ。そして、覚悟を決めたように再び口を開く。

「ウチにツカサを誘惑し、骨抜きにしろ。俺達二人は絵里ちゃんを、無理矢理にでも手篭めにするから……てな。アンタたち姉弟は本当に仲がいい、精神的にも強く結ばれた二人や。傍から見て、ウチはずっと、ずっと羨ましかった……。それをメチャメチャに壊す。そして、もうじき入る三億って莫大な遺産を全部自分たちのモノにするってな。……正気か? ておもたけどな、でも、三億や、三億。それにこの家、道場、土地、全部入れたらもっとや。言い訳やけどな……ウチも東京でずっと地獄のような生活を送り続け、正気やのうなってたんやね」

 客間の床を見つめ、苦しそうに、悔しそうに言葉を吐き出していくミカねぇ。

「金が無い自分が悔しかった……。ウチよりずっと歌やダンスも下手、頭もルックスも悪い、努力もしとらん女が、ただ親が芸能人、金持ちって理由でもてはやされる。諦めた夢のハズやのに……、まだ、くすぶってたんや。ウチが有名になってテレビに出れば、きっといなくなってもうた母さんに気付いて貰える、また会える……って夢がな。バカやな、ウチはっ、ホンマに救いがたい馬鹿や。ごめんな、ツカサ」

 涙を堪えるように、唇を噛み締めているミカねぇ。何も言えない……、僕が寂しい時には、側にいつでも絵里ねぇがいてくれた。ミカねぇは寂しい時、きっと誰にも頼る事が出来なかったんだろう。僕は何も出来ぬまま、口を閉ざし、ただ座り続ける。

「ツカサが進路で、県外の名門校へと推薦入学が出来るって、親父は知っとった。アンタ……絵里ちゃんに言い出し辛かったんやろ? 担任の先生から叔父さんに、すごく良い話やから説得してくれって連絡があったらしいわ。……それが渡りに船やったんやね。ツカサと絵里ちゃんは互いにしっかりと結びつき、支えあって生きとる。腕っ節も強いし、付け入る隙なんかあらへんかった……けど、もし、バラバラにしたら? いきなり、二人を引き離し、しかも、ツカサがウチのカラダ、セックスに溺れたら……。そこが、親父たちの狙いやったんよ」

 どくん……と心臓が不安で脈打つ。吸う息さえも、どこか鉛のように重く、不安が胸いっぱいへと広がっていく。

「昨夜、ウチは玄関で、絵里ちゃんへこう言った。『ツカサが県外の高校に推薦で入学したいと希望しとるって、学校の担任から親父に連絡があった。でも、姉が一人ぼっちになるから、……絵里ちゃんがお荷物やから迷ってるってな。それに遺産も十六歳になったツカサに相続される。もう立派に一人前の男や……県外での一人暮らしの住居手続き、入学手続き、相続手続きを急いでせなあかん。相談があるから、隣の家に来てくれ』ってな」

 昨夜、顔を青くして隣家へと出かけた姉の姿を思い出す。そして、さっきのミカねぇの言葉『――俺達二人は絵里ちゃんを、無理矢理にでも手篭めにするから』、その言葉が何度も脳裏にコダマする。ガクガクとカラダが震え、怒りと不安で吐き気が止まらない。

「ソコから先は、ツカサも知ってる通りや……。顔を真っ青にした絵里ちゃんは、大急ぎで隣に出向いた。そこからどうなったのかは、ウチも知らん……ただ、絵里ちゃんに、親父と兄貴に注意しろとは言ったけどな。ウチは、ツカサさえ篭絡できれば、クソ親父たちの事なんか、どうでも良かったから。でも、あの様子じゃ、たぶん……」

「たぶんっ、タブンって何だよっ!? ミカねぇ、くっ……、絶対にっ」

 衝動にまかせ、僕は勢いよく立ち上がる。何をしていいのかの解らない……が、胸の奥にくすぶるドス黒い憎しみを、隣家の叔父と従兄へぶつけたかった。絵里ねぇを傷つけた事……絶対に、許せない。

「待ちっ、ツカサ……。まず、絵里ちゃんのトコへ行ってあげて。アンタが進路を黙ってた事……それに絵里ちゃんは酷くショックを受けてたんや。――ホント、御免なさい。全部話して、スッキリしたわ。……こんなに変わってしまったウチを、あんたたち姉弟はあっさり信用し、受け入れて、泊めてくれた。裏切り、騙しあいばっかりしとったウチは……そう、救われたわ。ツカサ……、ウチが言える義理はあらへんけどな。まず、絵里ちゃんとじっくり話をしてあげてや……。すぐにウチはここを出て行く。――クソ親父達には、ウチがきっちり話をつけとくから、本当に、御免なさい」

 正座をし、両手をついて深々と頭を下げるミカねぇ。騙されていた……と思うけれど、あまりミカねぇを責める気になれない。こうやって全てを話してくれたからか、それともカラダで繋がったから? もし、僕が同じ立場だったら、ミカねぇと同じ事を絶対しない……とは言い切れないからか? 解らない……。
 僕は、何もミカねぇへと言えず、振り返って客間を出て、絵里ねぇの部屋の前へと進んだ。


◆◆◆


 僕は絵里ねぇの部屋の中で、胸にあふれる不安、恐怖を押し隠すように、真っ直ぐに絵里ねぇの瞳を見つめる。黒曜石のように真っ黒で、大きく美しい瞳、長い睫毛、すっきりと整った鼻筋、ピンク色の唇。サラサラと流れるストレートの黒髪。
 ――いつも、絵里ねぇは僕の側にいてくれた。あの日、幼くて不安でたまらなかった僕を、背中から思い切り抱きしめてくれた時の約束……、それをずっと守ってくれた。

「絵里ねぇ」

 フローリングの上へ、僕は滑るように足を踏み出す。素早く、一瞬の間をついて。
 虚をつかれ、立ちすくんだままの絵里ねぇのカラダ。それでも流石、瞬時に両手を顔の前に上げ、構えようとするけど……。

「――ッ!?」

 両腕の中、細い絵里ねぇのカラダを思い切り抱きしめる。逃げようと暴れる体、それを全ていなしながら、姉さんの髪へ顔を埋めて言葉を紡ぐ。
絵里ねぇの黒髪から香る甘い芳香、それは、あの日からずっと変わらぬままで……。充血し真っ赤に染まっている絵里ねぇの耳へ僕は唇をつける。

「姉さん、約束したろ? 僕も、僕だって、絵里ねぇを守る……ずっと守ってみせるって。貴女の側から離れない、ずっと、ずっと、隣で過ごしていたいんだ」

 まるで凍えているように、僕に抱きしめられた腕の中で、ブルブルとカラダを震わせている絵里ねぇ。真っ赤に染まった顔……、潤んだようにも見える黒い瞳を、スッと下へと逸らし、口を開いた。

「……ツカサ、そんなん駄目や。あ、あんたは独り、県外で指導を受けて、父さんの跡を継ぐんや。――ホントは、随分前からわかってた。ウチより、もうツカサのほうがずっと強いって……。なのにウチは、アンタにいつまでも頼って欲しくって、ウチのほうが強くありたくてっ! でも、あかん、もうツカサは一人前や。もう、ウチがおらへんでも、きっと、きっと!」

 ――姉は泣いていた。腕の中で抱かれたままの絵里ねぇの頬を、透明の涙が伝い落ちていく。初めて見る光景……姉さんは、僕に涙を見せた事なんて一度もなかった。それどころか、幼い頃に突然にいなくなった両親を想い、泣き喚いていた僕を、毎晩抱きしめていてくれたんだ。
 きっと、絵里ねぇも酷く寂しかっただろうに……そんな様子を、僕へは欠片も見せなかった。どれほど、それは辛い事だったろうか。胸が締め付けられるように痛む。
 僕はずっと……、この人に支えられていたのだと、そして、この人は今まで……、深く、深く、僕を愛してくれていたのだと。
ほとんど手遅れのようなこの状況で、やっと僕は気付いた、気付く事が出来た。

「嫌だ。僕は県外に行かない。絵里ねぇの側を離れない。誰にも、誰にも、貴女を奪われたくない」

「あっ、ツ、ツカサ、だ、駄目っ……」

 胸の中で震えている姉のカラダ。柔らかくて温かい……。壊れぬように、でも、二度と寂しい思いはさせないように、僕は強く強く抱きしめた。  
絵里ねぇが他人に奪われてしまったのかも知れない恐怖、誰にも渡したくないという醜い僕のエゴ、そして心の底から姉を愛しく想う気持ち……、そんな感情が混じりあい、荒い呼吸を吐きながら、細く白い首筋へとキスをする。

「ああっ、駄目や……ツカサ、もう、こんな事」

 小さな囁き声……、そして僕の唇が触れる度、ビクンと細かくカラダを痙攣させる姉。腕の中の絵里ねぇは、肩を震わせながら、小さな手でギュッと僕の腕を握り締める。
 止まらない僕の欲望。ドクドクと脈打ち、恐ろしいほど固く勃起しているペニス。実の姉弟なのに……、僕は絵里ねぇが欲しくて、気が狂いそうに欲情している。将来、絵里ねぇに恋人が出来、そして離れ離れになってしまうという、ごく当たり前の、待ち受けているであろう平凡な未来。
 それが……どうしても受け入れられない。隣家の叔父、従兄に姉を奪われたかもしれない怒り、恐怖が引き金となって、僕のカラダを衝動のままに突き動かす。

「ん……ツカサ、あっ、そんなっ、や、あっ、あっ、あ」

 優しくベッドへと姉のカラダを押し倒す。ワンピースの中、姉の大きくて張りのあるバスト。その頂点がぷっくりと膨らみ、グレーの布地を押し上げている。僕の首筋へと、しがみつくように廻された姉の細い腕……覆いかぶさるような体勢のまま、僕は右手の指で服の上からゆっくりと、その乳房の頂点を触る。人差し指の腹を使い、円を描くように、そして時折押しつぶすような動作を混ぜて。

「姉さん……愛してる。決めたんだ、誰にも絵里ねぇは渡さないって」

「あっ、あっ……そんな、ツカサッ、ツカサッ、だ、駄目……ウチの気持ちが、お、抑えきれなく……んっ、なっちゃう、から……んんっ」

 顔を赤く染め、潤んだ黒い瞳で見上げてくる姉さん。その整った目じりへと、涙がこぼれそうに溜まっている。ピンク色に濡れた唇……僕に乳首を触られる度、ぎゅっと腕を掴む白く細い指。
 チロチロと舌を動かしつつ、白い首筋から耳、ピンク色に濡れた唇ギリギリにまでキスを繰り返していく。

「ん……ツカサ……んん……あっああああ」

 絵里ねぇの甘い声が部屋へ響き渡る。その甘美な声が、僕の欲望を更に加速させていく。腕にしがみ付いている絵里ねぇの小さな掌と細い指へ、僕の掌を合わせ、指と指を絡めあう。
僕の掌を包み込むようにチカラの篭った絵里ねぇの指。――この指のように、心まで絡み合い一つになればいいのに。そう願いを込めながら、潤んだ唇へ何度もキスを繰り返す。
 ――僕は馬鹿だ。こんな、こんな状況になってから、初めて姉さんに愛されていた事、絵里ねぇを深く愛していた事に気付くなんて。

「絵里ねぇ、僕とずっと一緒にいて欲しい。ずっと僕も、側にいるから」

 ほっそりとした姉さんの背中へと腕をまわし、小さなボタンを一つずつ外していく。僕の腕に抱かれたまま、甘い吐息を吐き出し続ける絵里ねぇ。赤く染まった頬……、ピンク色の唇がゆっくりと開いていく。

「ふふっ、いつまでもお子様なんやから。ウチの大事な、大事なツカサ……。そ、そんなコト言われたら……、姉ちゃん、嬉しすぎて泣いてまうやん……」

 クスッという美しい微笑みと共に、白い指が僕の全身を撫で回すように動く。絵里ねぇに触れられる場所、その全てに甘い電流が走ったように気持ちがいい。スルスルと互いの服がベッドの下へと剥がれ落ちていく。豊かな胸を包む白い下着、そのホックまでもがプチンッという小さな音とともに外れ落ちる。

「綺麗だ、すごく綺麗だよ……、絵里ねぇ」

「……きて」

 なめらかで僕の指に吸い付きそうにキメが細かい肌。大きくて張りのある豊かなバストと、その頂点でぷっくりと立っている桜色の乳首。まるで子供のようにソコへ舌を這わせながら、僕は怒張しきった自分自身を、ゆっくりと絵里ねぇの秘部へと近づけていく。
 が、直前で僕のカラダが動きを止める。ココロとカラダ、その二つがバラバラになってしまったように。
 禁忌、絵里ねぇの人生をメチャクチャにしてしまう……という恐怖、誰にも奪われたくない、永遠に僕だけの大切な存在であって欲しいというせめぎ合い。
 ――こんな時でさえ、僕はまた迷い、決断を下せないのか。

「ツカサ……、愛してる。ウチも、ずっと言いたかった。苦しい時、寂しい時、泣きたい時、ツカサがいてくれたから救われた。愛してる、ツカサ」

 照れたように、恥ずかしそうに微笑む絵里ねぇの赤い顔。両腕が僕の頭を抱くようにまかれ、そっと互いの唇が触れ合っていく。
 ――覚悟を決める。この先、何があっても、誰に後ろ指をさされようとも、僕は貴女の側にいる……と。

「んっ、あっあああああああああああああああああああっっっ」

 僕のペニスがゆっくりと姉さんの中へ侵入していく。瞳の奥に真っ白な光が点滅するような気持ちよさ。肉棒を待ち受けるようにネットリと絡みつく大量の粘液、絵里ねぇの膣が僕を痛いほど締め付けてくる。全身でしがみついてくる絵里ねぇ。背中へとまわされたその爪先が、僕の背中へと立てられる……が、その痛みでさえも快感に感じてしまう。

「んっ、あっ、あっ、ああっ、あっ」

 悲鳴のような、悦んでいるような、絵里ねぇの甲高い声。その声を聞きながら、僕は余裕なく腰を動かしていく。グチャグチャという湿った水音。唇の中に入り込んでくる絵里ねぇの熱い舌を吸いながら、強くカラダを抱きしめる。

「んっんんんんっっ、んんっっ」

 触れ合う肌、唇、肉棒に絡みつく膣のヒダの感触……それら全てが圧倒されそうなほど気持ちよく、僕は限界ギリギリにまで押し上げられていく。絵里ねぇの中が、まるで僕の肉棒をピッタリと包みこむかのように吸い付き、ヌルヌルと扱き立てる。絵里ねぇと一つになれた喜びが背筋を這い上がり、僕は猛烈な射精感に襲われ、思わず引き抜こうとする。

「あっ、抜くのやだ。イッて、このまま、お願いやツカサ。姉ちゃんの中に、このままっ」

 抜こうとした僕の動作を察知したかのように、絵里ねぇの腕、足が腰へと絡みつく。そして、スッっと背中が指で撫で上げられ……。

「あっ、ああああああああっっっ、出る、出ちゃう。あああああああああああああああっっ」

「んんんんっっっ」

 限界を超えた僕は、どくっどくっ……と大量の精子を、絵里ねぇの中へと吐き出してしまった。あまりの快感に呼吸、身動きをすることさえも難しい。僕は子供のように絵里ねぇのカラダへ体重を預けきったまま、最後の一滴まで吐き出していく。

「ああ……、ツカサの、熱いのが、中に広がって……ああ……」

 うっとりとした表情の絵里ねぇ。僕も夢見心地の中、飽きる事無くキスを繰り返し続ける。しっかりと繋がったまま、僕達は互いにきつく抱きしめあって、荒い呼吸を繰り返す。
 ――そして、数分後……。

「あ……」

 僕自身をゆっくりと絵里ねぇの中から引き抜いていく。が、それには真っ赤な血がベットリと付着していた。驚きで僕は思考がまとまらない。
この血はきっと純潔の証……という事はつまり、絵里ねぇは昨夜、無事だったという事なのか?
 顔を腕で覆い隠し、力なく横たわっている絵里ねぇを僕は見つめる。咄嗟に謝るべきだと思う……しかし、直ぐに考え直した。
 ――もう、覚悟は決めたんだ。この先、何があっても、誰に後ろ指をさされようとも、僕は絵里ねぇの側にいる……と。
 
「絵里ねぇ、愛してる」

 サラサラした姉の黒髪へ指を絡めて囁く。この先も、ずっと二人で生きていこうと誓う。きっと辛い事、泣きたい事も沢山ある。でも、これまでと同じ、そして今まで以上に互いを支えあって過ごしていく。
 胸の奥、深く誓いながら、もう一度キスをしようとした瞬間、

『コンコン』

 と、勢いよくドアがノックされる音が響く。一体、誰?……まさか、叔父か!? 絵里ねぇと二人、無言のまま大慌てで洋服を着て、窓を開けて空気を入れ替えよう……と焦る。
 だが、ドア越しに聞こえてきたのは、隣家へと向かったハズのミカねぇの声だった。

「あっ、あははっ、お、終わったかな? て思って。あ、ほ、ほんと邪魔してゴメン。あっ、いや、違うよ、そのっ、な、何もウチは聞いとらんよ、うん。あははっ、あ、違う。そうやなくって、え、えっとな……その……」

 どことなく照れているような、困っているようなミカねぇの声。一体どうしたんだろう? 不思議に思いながら、僕は横目で絵里ねぇの方を見ると、姉さんの顔が露骨に「しまった」というような顔で青ざめていた。

「あはは、そ、そのな、絵里ちゃん。昨夜、ウチのクソ親父達が何をしようとしたか、大体わかるわ。だから、絵里ちゃんは全然悪く無いって思うんよ。……その、でも、そろそろ、関節、はめてやって貰えへんかな? 二人とも、全身クラゲ状態でウンチも小便も垂れ流し……後片付けが大変で泣けてきたわ。ま、全部、自業自得なんやけど、その……さすがに」

 ドアの向こうから聞こえる、ひきつったようなミカねぇの声。あまりの内容に、僕は絵里ねぇを呆然と見つめ続ける。

「あっ、ツカサの進路のコトばっかり考えてて、忘れとった」

 顔を赤く染め、僕へ照れたように微笑みながら話す絵里ねぇ。開けられた窓から秋風が吹き込み、絵里ねぇの黒髪をサラサラと揺らす。その笑顔はとても美しい……が、僕は必死にミカねぇの言葉の意味を考える。
 ――つまり、昨夜、叔父と従兄に襲われそうになった絵里ねぇは、関節を極めて外し、そのまま今まで放置してたってコト……?

「あ、あははっ、絵里ねぇ。ぼ、僕もはめるの手伝うよ。うん……それに救急車も」

 昨夜、今日のしおらしい様子ですっかり忘れていた。僕の愛しい姉は、とても気が強くて、負けず嫌いで……。

「う……、ツ、ツカサが全部いかんのよっ。そうや、アンタが姉ちゃんに隠し事なんかしとったのが原因や」

 そして困ったように怒鳴る姿も、とても可愛い。僕の自慢の姉なんだ。






 ◆ エピローグ



 ふぅ……と、ため息をつきながら、僕は新しい学校の制服をベッドの上へと脱ぎ捨てた。窓から見える景色は真っ暗で、街の灯りが遠くまで続いている。
 あれから約一年が過ぎ、春から住みはじめたこのマンションにも、ようやく慣れてきた。父の師匠だった迫芝先生の稽古は、想像よりもはるかにハード、実戦的で、カラダのあちこちが悲鳴を上げている。
 でも、明日は久々の休日……何をしようかな? とぼんやり物思いにふける、と、
 
「ツカサー、着替え終わったら、ちょっと手伝ってや」

「あっ、うん」

 ドアの外から響く絵里ねぇの声。そういえば、先ほどキッチンから揚げ物のようないい香りがしてた。夕食は一体なんだろう? 急激に空腹を感じながら僕はラフなジャージへと急いで着替え、自室のドアを出てキッチンまで急ぎ足で向かう。

「お帰りっ、ツカサ。早速でごめんやけど、タルタルソース作るからソコのゆで卵剥いてよ。ミカねぇったら、爪があれだから、タマゴ剥けないって言うんよ、もうっ」

「絵里ちゃん、そんな責めんでや。味見はしっかりウチがしたるから。ふふっ、ツカサ、お帰り。おつかれさん」

 キッチンで仲良く料理をしている姉と従姉の姿を見つめつつ、僕は丁寧に手を洗う。
 菜ばしを持ちながら、エビフライを調理している絵里ねぇ。僕と同じ、新しい学校の制服姿……シンプルなセーラー服に、ピンクのエプロンを着けた姿で微笑んでいる。
 ミカねぇは、金髪をポニーテイルに纏めた髪形で、綺麗に飾られた爪で器用にナイフを使い、デザート用の梨の皮を剥いていた。半年前からネイリストとして勤務しているサロンの白衣風制服のまま、にっこりと笑顔を浮かべている。
 二人の笑顔に迎えられ、僕は未だに少しドキドキとしてしまう……三人でこのマンションに同棲を始めて、半年ほど経つっていうのに。

「あっ、ふふっ、ツカサ、照れてるん? ウチの白衣姿……興奮してもうた? なら今夜、この格好で相手したろかな」

「ちょ……、ミカねぇ、そ、そんなんじゃ」

「駄目っ、今夜と明日は一日中、ツカサは姉ちゃんと一緒に過ごすんよ。ね、ツカサ? ミカねぇよりウチと一緒のほうが嬉しいやろ?」

 キッチンペーパーを敷いた金属パッドへ手際よく揚がったエビフライを並べながら、僕を睨んでくる絵里ねぇ。僕の返事を強制するような、その強い眼光……。僕は思わずコクコクと頷いてしまいそうになる。

「やんっ、それなら、絵里ちゃんとウチとツカサ。三人でみんな仲良く朝まで過ごせばええやんか、この前みたいに……。ツカサ、そうやろ? ふふっ、せっかく大きいベッドがあるんやし、三人のほうがツカサも興奮しちゃうもんな。この前なんかツカサも絵里ちゃんも……ふふっ、今夜が楽しみや」

 ゾクッとくるような妖艶な目つきで僕を見つめるミカねぇ。その言葉に、約一ヶ月前の三人で過ごした夜を思い出す。
Mのミカねぇに引き摺られるように、普段Sっぽい絵里ねぇも従順になって、最後は二人が正座したまま、僕のペニスへ舌を同時に絡めてきた……。

『ん……こう? ここが気持ちいいんですか?』
『そう……絵里ちゃん……ココのカリを、そう上手や、ん……ちゅ……』

 僕の肉棒へ、同時に纏わりつく二人の赤く柔らかな舌。ベッドに腰掛けている僕の股間に顔を埋め、競い合うように淫らな舌技を披露する姉と従姉の姿。
 とうとう我慢できなくなった僕は、白い肌の絵里ねぇ、褐色の肌のミカねぇを、ベッドへ犬のように並べ、背後から交互に何度も貫いた……。
その夜の、淫靡すぎる記憶が浮かび上がり、僕は無条件でミカねぇの提案に賛成したくなる。やばい……今夜、制服姿の絵里ねぇと、白衣姿のミカねぇをベッドに並べて……この前みたいに、思いきり背後から犯したい。
 いけない妄想が膨れ上がり、稽古で疲れたカラダにみるみるうちに元気が沸き起こる。

「なっ!? だ、駄目っ。今夜はツカサと二人っきりで過ごしたいのっ! ね、ツカサもウチと二人っきりがええやろ?」

「むっ、ウチは家主やで。それにアンタたちの保護者や。絵里ちゃんの転校手続きやら、相続手続きやら全部してあげたやんか。たまには三人で仲良くすごしてもええやんっ。ツカサもそう思うやろ、なっ?」

「そ、そんなっ。あ、お金、ここの家賃はウチとツカサが全部払ってるんや。ダメ、ダメ、ダメっ! ツカサは今夜、姉ちゃんと二人っきりがいいのっ。もう、ツカサからもはっきり言ってやってやっ」

 ずいっ……と、僕の目の前に二人の綺麗な顔が突き出される。交互に同意を求める姉と従姉。

「あ……、う……、え、えっと、タマゴ剥けたよ。うん、ご飯、ご飯食べてからにしよ、ね? ぼ、僕、食器を並べてくるよ、うん」

 決められない……決められるはずもない究極の選択。僕はなんとか話題をずらそうと焦る。剥いたゆで卵を渡し背後に二人の姉を置き去りにして、慌てて居間へと向かって歩く。

「しゃあない、一時休戦や。ならツカサ、ふふっ、お風呂は三人で入ろうな?」

「ダメっ、そんなコト言って、結局ずるずる最後まで三人になってまうもんっ。ね、ツカサ、お風呂も姉ちゃんと二人っきりがいいよね?」

 背後から聞こえる甘美で恐ろしい提案。なんていうか、二人して僕をからかってるんじゃないかっていつも思う。普段、とても仲がいいのに、秘め事のことだけは二人していつも僕を困らせる。
 落ち着け、どうにかして道を切り開くんだ……、呪文のように口の中で唱えつつ、手早く食器を並べ、三人の湯のみへ緑茶を注ぐ。炊飯器の蓋を開き、空気を混ぜ込むように、ふっくらとしゃもじでかき混ぜる。

「ふふっ、ツカサの困った顔、すっごくいいわぁ」

「そうやな絵里ちゃん。仕事で疲れたウチに何よりの褒美や、ふふっ」

 エビフライの盛られた料理皿と、サラダ、ビールを持ちながら居間へと入ってくる二人の姉。ニコニコと微笑む笑顔につられ、僕も幸せそうに微笑んでしまう。
 三人でテーブルを挟む。目の前には、愛情を込め丁寧に調理された料理が並び、そして僕達は笑顔で座っている。
 それは家族の姿で……平凡だけど、きっとかけがえの無い風景。

「頂きます」

 三人で唱和し、ゆっくりと箸を動かす。学校のこと、稽古のこと、仕事のこと、愚痴のような相談のような、ただ自分を愛しい相手にしって欲しいという欲求。愛しい相手のコトを何でも知りたいという気持ち。このささやかで、幸せな時間……それをずっと守っていきたい。
 僕は、タルタルソースをたっぷりつけたエビフライを噛みながら、絵里ねぇを見つめつつ、そう願った。
 













※※ 


全く読む必要のない蛇足と、書き上げ直後のダラダラした雑記。

後半、気力が続かなくてグダグダです。どうしても愛のあるセックスがエロくかけず、そのうち加筆修正するかもですが……しかし自分の実力不足に歯噛みしたくなる日々。

アンケートにご協力戴きました、山田次郎◆2ae70a75 様 他、多くの感想での励まし、ありがとうございました。

課題として、方言と、記号テンプレとしてのキャラクターではなく、パーソナリティのあるキャラ作成がしたかった。ですが、粗が多くとても残念。
色々反省がありすぎ、情けなすぎて、まあ、うん。
個人的にはミカというキャラのエロシーンで燃え尽きてしまった感じで、それも反省。
習作らしく、ほんとダメだった。日を置いて、冷静に見れるようになってkら修正していきます。
それでは、ありがとうございました。



[20364] アンケート終了と結果
Name: メメクラゲ◆94ad61bb ID:583704fc
Date: 2010/09/09 00:30

 本当に多数の参加、ありがとうございました。ものすごく為になりましたし、おかげでまた少し上達した文章が書けると思います。
 今回、予想を遙かに上回る反応を頂き、感謝です。結果はどうあれ、全力で取り組みます。

 今後の予定としては、童貞英雄を次章分更新(四話ほど)→ 地虫更新(多分四話程度)→ プロットが完成しだいこの短編にとりかかる、合間にエロが書きたくなったら、義妹親友、です。

 筆につまったら別のを書くタイプですので、順番が前後するかもしれませんが、英雄童貞、地虫は章の区切りまで荒書き終了していますので、まずこんな感じです。義妹親友はプロット練り直しが全然進んでいない所です、すいません。

 それでは結果です。


① 純愛モノ (現代) 11票

② 母娘堕落露出調教モノ(現代) 10票

③ 本気で書いてみる、NTRモノ (ファンタジー) 5票

④ TS&ショタモノ (ファンタジー) 2票

 という結果でしたので、次回短編は純愛モノになります。
漠然と考えている物語は、

 中年探偵と家出少女のハードボイルド風、または、平凡な外見で料理が趣味の男と生徒会長お嬢様ラブコメ、のどちらか一つの純愛ベースの物語になると思います。

 純愛……と一言でいっても、なかなか奥が深いです。まあ作者は本当に腐ってる人間ですので、あまり期待しないで下さい。
 それでは、ご協力、本当にありがとうございました。




[20364] ルパン三世 カリオストロの城 二次創作 【1/6】
Name: メメクラゲ◆94ad61bb ID:1d3816c3
Date: 2010/09/15 11:51
 ルパン三世 カリオストロの城 二次創作 【1/6】


 0.

 人がめったに入り込まない山の中を一人の男が歩いていた。秋という季節らしく大量の枯葉が積もり、男が足を踏み出す度にシャリシャリという軽やかな音を立てる。吹き付ける山の寒い秋風が、男がかぶっていた黒い帽子を飛ばそうとするが、その男は帽子にこだわりがあるのか、左手でしっかりと抑えていた。

「さて、五ェ門のやつ……、そろそろ、この辺りにいる筈だが」

 ポツリとそう呟いた男……帽子の奥から鋭い眼光が見える。年齢は30歳くらいだろうか、長身のカラダを黒いスーツ、白いシャツ、黒いタイに包んだファッション、そして顎に生え揃った黒い髭、黒い帽子。
 立ち止まり、耳を澄ませるように油断なく周囲をうかがっている。常人ではありえない、その雰囲気。男の全身から、まるで軍人のような、常に死線に身を置いている者特有の気配があふれ出していた。

「こっちか……?」

 ザ……と、男が足を踏み出した瞬間。

「――次元、仕事か?」

 低い……まるで鋼鉄のような声が木の上から響き渡った。

「おお、五ェ門。そこか、驚いたぜ。降りて来てくれ」

 とても驚いた……とは思えないほど冷静な様子で、次元と呼ばれた髭の男は頭上を仰ぎ見る。帽子の奥から覗く鋭い視線が、大木の枝で座禅を組んでいる男の姿を捉えた。
 まるで歌舞伎役者……のように鋭く整った顔立ち。世の女性がうらやむほどの美しく黒い長髪。江戸時代の浪人が着ていそうなシンプルな着流し姿の男。そして……腕に抱えている一本の白木作りの長い棒。

「…………何用だ、次元? 一人か?」

 高さ4メートルは越そうかというような高所から、何一つ躊躇せず、五ェ門と呼ばれた男は飛び降りた。それを見る黒い男も、驚く様子もない。ただ平然と目前に降り立った着流し姿の男を見ながら口を開く。

「ああ……ちょっと困った事になった。五ェ門、お前、アイツの居場所を知らねえか?」

「……知らぬ。拙者、ここ3ヶ月ほど下界に降りていない故。どうせ、あの女狐の所でござらぬか?」

「いや、多分違うみたいだ。そうか、まあ五ェ門は知らないだろうとは思っていたが」

 キン……と金属が触れ合う音が男の左手から響く。いつの間にか口に咥えていたポール・モール、そこへ左手に持ったライターで男は火を点けた。
山中にゆっくりと広がる紫煙。二人の男の間に無言の時間が流れていく。
 五ェ門は焦らない、次元が話し出すのを待つように、ただゆったりと自然体のまま、煙草を吸う男を見ていた。

「……五ェ門、カリオストロ公国……、憶えているか?」

 ようやく煙草を吸い終わり、黒いジャケットのポケットへ吸殻を入れた次元が、覚悟を決めたようにゆっくりと口を開いた。

「――かりおすとろ公国? 聞き覚えがかすかに……、ん、あの偽札?」

「ああ、思い出したようだな。そこにお姫様が居ただろ?」

 次元の言葉に無言で頷きを返す五ェ門。興味が無いことには無頓着で、基本的に女性の話題は無視する彼にしては珍しく真剣な表情。

「行方不明になった」

「……何?」

 秋深い山中にこだまする鋭い声。枯葉が舞い落ちる中、二人の男は、緊張した面持ちで言葉を交し始めた。
  

 1.


 ゴミが乱雑に散らばった細い路地。そこを一人の男がドスドスと足音荒く歩いていた。ヨレヨレのキャメル色のトレンチコート、同色の帽子。身長は180センチ以上あるだろう。鍛え上げられた肉体に、アジア系のがっしりした顔立ち、いかつい顎。そして何よりも、その大きな瞳が異彩を放っていた。ギラギラとした獲物を狙う狼のような瞳。
 ――国際刑事警察機構(ICPO)所属、銭形 幸一である。 

「おいっ、本当にここから入国できるんだろうな?」

「大丈夫、大丈夫ね」

 見事な北京語の発音を用い、前方を歩く中年男に声をかける銭形。その声にチラリと振り返りながら、カタコトの北京語で応じる男。
 銭形が現在いる場所……中国吉林省、延辺朝鮮族自治州は、豆満江という河を挟んで北朝鮮へと隣接している。銭形の目的である北朝鮮への極秘潜入……。その為に、銭型は怪しげな中年男性の紹介を受け、北朝鮮へと侵入できるポイントへ案内してもらっているのだ。

「北朝鮮からコッチにくるのは、すごく警戒されてるね。でもコッチからアッチはザルの網目の如しよ。大丈夫、大丈夫ね」

「うむ……そうか」

 納得したように大きく頷き、さらにドスドスを足音を強める銭形。中年男に誘導されるまま、さらに細い路地へズンズンと押し入っていく。いつも一緒に時を過ごしてきたバーバリー製キャメルコートの裾がヒラヒラと揺らめく。積み重ねた経験、あふれ出す力を感じさせる銭形のいぶし銀のような背中。
 だが……その背中を、音もなく数人の男達がつけていた。それぞれの手には廃材の木片、錆のういた金属パイプ、レンガ、石などがしっかりと握り締められている。総勢6名……男達は、ここを縄張りに持つチンピラ集団であった。

『北朝鮮に入りたいと言っている、馬鹿な小日本人がいる』

 と、銭形の前方でガイド役を務めている仲間から聞き、官憲の目に届かぬ路地に誘い込んだら、全員で襲い掛かる……それが計画であった。そして、その計画はあっけないほどスムーズに成功しつつある。集団で背後をつけられている事に気付かず、案内役に誘導されるまま、細い路地に入っていく小日本人。凶器をもった男達の顔に、凶暴な笑みがニヤリと浮かぶ。またとない獲物……彼らの血が暴力への期待に沸き立ち、グツグツと沸騰しているかのようだった。
 そして、とうとう目的の場所まで辿り着く。

「むっ!? キサマ、行き止まりではないかっ!?」

「いやいや、キチンと入国できるよ……、天国へねっ!!」

 中年男の声を合図にして一斉に背後から襲い掛かる男達。
 ――だが、次の瞬間ッ!!

「そりゃああああああああああああああっっっっ!!!」

 行き止まりの路地に響き渡る銭形の怒号……、そして、一瞬のうちに6人の男は壁、ゴミだらけの床へと叩き付けられた。
呼吸も乱さず、平然とトレンチコートの襟を正す銭形。
 あまりの出来事にアワアワと腰を抜かしている中年男性に向かい、ギロリ……とした視線を向けた。

「ワシはICPOの銭形だ! キサマらの悪事などお見通しである。とっとと侵入場所を吐かんかっ!!」

 落雷のような怒声一発。その声に中年男性はカクカクと壊れた人形のように、ただ頷きを返し続けた。





純愛モノです。ちょっと二次創作でやってみようと思います。
全部三人称。エロシーンはほとんど無い予定。
純愛について自分の中で考えていったら、ルーツはここでした。


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