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[19231] 【ネタ】原作蹂躙シリーズ(現実来訪無し)
Name: 地雷屋◆e06cb072 ID:df8cbca0
Date: 2010/06/03 23:51
基本的に現実来訪者によらない原作蹂躙を行うSSです。
書かれる物語には明確な主人公は基本的に存在させません。
原作主義や捏造設定が嫌いな方はご遠慮下さい。

勢いだけで書いているため矛盾があるかも知れませんがネタ作品でしかないことを考慮の上で突っ込み下さい。

続編書いたので【一発ネタ】から【ネタ】に変更しました。



[19231] ―Muv-Luv Alternative ProjectG― 負け犬達の挑戦
Name: 地雷屋◆e06cb072 ID:df8cbca0
Date: 2010/06/03 01:09
--WARNING--
この作品は「新メイン提示版」の「雑談提示版」のあるスレを書かれたネタを基にした作品です。
生理的嫌悪感を感じる可能性が大変高い作品です。
気分が悪くなったとしても責任を負いかねます。












軍属のある特定の分野の科学者達は冷遇されていた。
そしてその理由も単純なものであった。
彼らの専門分野が生物工学、分子生物学といった生物兵器の開発と対策であり、平時や人間同士の有事ならいざ知らず、BC兵器が通用しない存在との種の存続を掛けた戦争という事態においては役立たずに過ぎなかったためである。
彼らが優遇されたのはBC兵器が実戦投入される以前までであり、ごく一部の科学者だけは国連主導の戦略計画である“Alternative”の第三計画までは優遇されたが第四計画への移行と共に予算は打ち切られ国連は勿論国家や軍からも見捨てられた。

この物語はそんな負け犬と蔑まれた科学者達が打ち立てた挑戦の物語である。


 ―Muv-Luv Alternative ProjectG― 負け犬達の挑戦


国連主導の第三戦略計画の開始
人類の明日を掴むための戦略計画
倫理を無視した実験の数々
日々摩耗していく良心
失敗に次ぐ失敗
心が壊れ自殺する小数の人員
立ち塞がる多くの困難
膨大な犠牲の末の計画の中枢を担う成功試験体

そして実戦投入

失敗
成果の上がらなかった結果
成功試験体までの膨大な犠牲、その果ての失敗


多くの科学者達が人類の未来を信じて研究を続けた。
多くの科学者達が人類の明日を信じて実験を続けた。
その結果はほとんどが無駄になった。
研究は打ち切られ、資料も設備も第四計画に徴収された。
唯一科学者達の手元に残ったのはバックアップとして残した人類の敵“BETA(Beings of the Extra Terrestrial origin which is Adversary of human race)”の資料と不要となった多くの標本であった。

その失敗を受けて多くの国家が生物兵器や遺伝子操作技術が対BETA戦略においては無用の長物であると完全に認識し予算の縮小を決定した。
帝国軍においてもそれは同様であった。
第四計画の招致と一部資料の公開を受けてむしろ先進諸国の中では最も予算が削られた。
帝国軍における生物兵器の開発及び対策を請け負う研究者達は日々削られ続ける予算という現実の前に絶望していた。
国連軍から供与された資料と、これまで実戦に投入されてきたBC兵器の実情からは自分たちが役に立たないということしか伝わってこなかったためである。

しかし、有る一人の発想が彼らの状況を一変させた。
1996年、その部署に所属する研究者の中では一番の若輩者である二十六歳の青年のつぶやきが状況を変えたのだった。
そのつぶやきの内容は計画のスローガンとして掲げられた。

曰く、圧倒的物量に対抗するには物量しかない

その言葉を聞いた一人の研究者が言った。
「BETAを捕食する生物、それも圧倒的繁殖力を誇る生物を作れば対抗できないか?」
その発想自体は多くの国家で考えられたが同時にほぼ全ての国家が打ち棄てた発想だった。
既存の生態系の破壊と人間に対する新たなる脅威の発生。
管理できない戦術級の暴力は災害でしかない。
しかし、ウィルス兵器も細菌兵器も効かない相手を生物兵器で殺すためには捕食生物しか手段はない。
既存の生態系に影響を与えたとしてもこのまま座して待てば負けることが分かりきっている。
戦場に出ていないとはいえ、否むしろ出ていない研究者であるからこそ客観的な視点で近い将来の破滅が分かりきっていた。
だからこそ彼らは一縷の望みを掛け、軍規に逆らい極秘裏に研究を始めた。
わずかに残されたウィルス・細菌兵器への開発・対策予算の多くを捕食生物の選定と改良へと向けた。
もともと研究内容の危険性で諜報部の進入がある意味最も困難で閉鎖された環境で有るが故に情報は完全に秘匿された。
帝国軍から提供されるサンプルを基に彼らは極秘裏に研究を開始した。

捕食生物に求められることは第一に繁殖力であった。
そこで研究者達は大きく二つの案が考えた。
圧倒的繁殖力を誇るバクテリアやカビ、繁殖力は劣るが運動性に勝る動物、特に節足動物。
しかし、前者は即座に却下された。
BETAの対応速度や活動圏から考えるとすぐに対応され無効化されるということが考えられたためである。
そこで後者の捕食生物の選定作業が始まった。

肉食性があり、繁殖力が高く、日光を必要としない環境に適応可能な節足動物。
多くの肉食昆虫が却下され続ける中、生きた動物への肉食性とより大きな動物を捕食する性質を有する存在として一つの昆虫が選抜された。
環境への適応能力、圧倒的な繁殖能力、何よりもBETAの標本のみでも成長繁殖可能な点。
選ばれたのはG。
ゴキブリである。

 ゴキブリ:
  全身が上から押しつぶされたように平たく、狭い場所に潜むのに都合がよい体型をしている。
  頭部は胸部の下に隠れる。
  口には大あごがあり、食物をかじって食べる。
  複眼の機能はあまり良くないが、長い触角と尾部の尾毛(びもう)がよく発達し、暗い環境下でも周囲の食物や天敵の存在を敏感に察知する。
  脚がよく発達し、走るのが速い。
  卵 - 幼虫 - 成虫という成長段階を踏む不完全変態の昆虫である。卵は数十個が一つの卵鞘に包まれて産みつけられる。

日本産のゴキブリは雑食であり改良しても効果が薄いと判断されたため、外国産の完全肉食型でかつ世代交代の早い小型種のゴキブリが輸入されることになった。
輸入の名目は生物兵器の都市生物を利用しての拡散用のサンプルであり、必要とされる種類以外にも多くの種類が輸入された。
そして遺伝子改良が始まった。
遺伝子改良で求められたのは以下の三点である。
・より世代交代が早めるための早熟性。
・増殖速度を速めるための多卵性。
・BETAのみを捕食する食性の限定。

1996年の構想から始まり、1997年には使われるゴキブリの選定と輸入が完了し遺伝子改良が始まった。
およそ三ヶ月で生殖可能な段階まで成長する小型のゴキブリを使っての研究は順調に進んでいった。
卵鞘内の卵の量は順調に増えていき1998年にはついに三百にまで到達した。
また早熟性に関しては難航したが生殖可能な段階までの期間の短縮は成功した。
一年がかりで早熟性を決定する細胞分裂速度に関わる遺伝子を特定し、任意の種類のゴキブリの成長速度を可変することに成功した。
成果がなかなか上がらなかったのは食性の限定であった。
食性の異なるゴキブリの遺伝子を比較し、その原因の特定作業を行い続けたが肉食性と雑食性を決定する遺伝子の特定には成功したがそれ以上の改良は不可能であった。
そこで、単純にBETAだけを餌として与えることでベータウィルスを感染させて遺伝子変異を起こしやすくした改良ゴキブリで、突然変異にたよった進化にも期待することにした。
特定遺伝子への操作による進化と、単なる突然変異に頼った進化の実験を並行させていた所、1998年ついに食性が限定されたゴキブリが誕生した。
BETA以外の蛋白構造を消化する能力が極端に低いゴキブリの誕生であった。
成功したのは偶然に頼った実験の方であり、もう片方はゴキブリのみに感染する致死ウィルスの開発に偶発的に成功していた。
この二つの成功によりBETAを捕食する生物の誕生とその繁殖を押しとどめるワクチンの両方を人類は手に入れたのである。

そこから彼らの行動は早かった。
限定された食性のゴキブリに既に完成していた早熟性と多卵生の遺伝子をいれ、さらに遺伝子の変異性を高めたウィルスを抜くことで品種として確立させ繁殖させていった。

大量に採取された卵鞘を不活性ガスと低温によって保存し、さらに帝国軍情報部に対して完成させたゴキブリの情報を公開した。
情報部は第四計画とは異なる視点から戦略級の手段を確立させた事態を重く見た。
さらにその効果を実際に資料と映像と実物から確認し、第四計画側に情報を渡さずに黙認することを決めた。
成功すれば御の字、失敗したとしても得る物も失う物も無し。
研究者達が失敗の責任は全て取ること条件に彼らが大陸への移動を行う手段を供与した。
情報部が協力したのはあくまでも手段の提示だけであり、それ以外は黙認以外の行動は取らなかった。

1999年五月、大陸に渡った研究者は「H20:鉄原(チョルウォン)ハイヴ (Cheorwon Hive)」に向けて対BETA専用生物兵器を解放した。




2000年十二月不思議な現象が確認された。
朝鮮半島に存在する「H20:鉄原(チョルウォン)ハイヴ (Cheorwon Hive)」に向けて「H21:佐渡島ハイヴ (Sadogashima Hive)」から増援が向かったのである。
この現象はこれまで確認されていなかった事例であったために、すぐさま国連は勿論のこと各国で議論が始まった。
また、国連軍主導の威力偵察の結果、鉄原ハイヴにおいて迎撃に出現したBETAの規模が明らかに推定された規模から比べて少なかったのである。

鉄原ハイヴには何かが有る。
世界はそう確信した。
2001年一月にも鉄原ハイヴにむけて近隣のハイヴから大規模な増援が向かった。
増援を出したのは「H19 :ブラゴエスチェンスクハイヴ (Blagoveshchensk Hive)」であった。
さらに二月には佐渡島ハイヴと「H18 :ウランバートルハイヴ (Ulanbator Hive)」から増援が向かった。

これらの事態を受け帝国軍部生物兵器開発及び対策研究機関の研究者達は確信した。
BETAは自分たちが開発した対BETA専用生物兵器に対応できていない事を。
自分たちが開発した対BETA専用生物兵器は対BETA戦略において戦術機よりも遥かに有用である事を。



2001年三月、全ての資料を纏め上げ、辞表と自決用の毒を用意した研究者達は自分たちが行った計画の全容を帝国軍の高官に情報部を通じて公開することを決断し、中将以上の将官のみに対して情報が公開された。
それを受けて政威大将軍・煌武院 悠陽は研究機関の最高責任者を召喚した。

そこで公開された資料と鉄原ハイヴにおける実情を受けて、政威大将軍・煌武院 悠陽は決断した。

帝国軍部生物兵器開発及び対策研究機関の研究者達全員は、公金の横領と施設の目的外への無断使用、公文書偽造等の咎により二階級の降格と一ヶ月の自宅謹慎処分。
同時に戦略級の対BETA専用生物兵器の開発の功績により四階級の特進と勲章の授与が内定された。

四月、帝国斯衛軍による佐渡島への対BETA専用生物兵器の使用。
情報部は対BETA専用生物兵器の資料を第四計画に流さなかったためこの作戦は完全に国連に非公開で実行された。

八月、帝国斯衛軍による単独の威力偵察の実行。
その結果は期待以上の物であった。
迎撃に出現したBETAの数が見て分かる程に少なかったのである。

以上の結果を踏まえ対BETA専用生物兵器の公開とそれを用いた日本帝国軍主導の大陸奪還計画が発表された。
公開された情報を受けてアジア・ヨーロッパの国家はその詳細資料の提供と作戦への参加を表明した。
しかし、アメリカは生態系破壊の可能性などを理由に計画そのものに対して反対し、国連軍は計画に関わらないことが決定した。

九月、大量に採取されていた卵鞘が各国に送られ、対BETA専用生物兵器の繁殖と前線での投入が始まった。

十一月になると対BETA専用生物兵器が投入されなかったハイヴからの増援が投入されたハイヴに送られるという鉄原ハイヴで起こっている現象と同様の現象が各地で確認された。
これを受け、国連軍はこの兵器の有用性を認め大陸奪還計画への参入を決定。
また同時に成果の上がらなかった第四計画とG弾集中投入を行う第五計画の無期限凍結が決定された。
最後まで対BETA専用生物兵器の運用に反対し続けたアメリカはその影響力を大幅に減少させた。

人類の反撃の始まりであった。


2002年三月、帝国陸軍と帝国斯衛軍によって戦術機による「H21 :佐渡島ハイヴ (Sadogashima Hive)」の制圧に成功。
この時ハイヴ内のBETAの数は余りに少なく、補給路を確保しながらの制圧作戦が実行された。
この作戦における死者は0人であり、その結果は瞬く間に世界を駆け巡った。

四月、「H20 : 鉄原 (チョルウォン)ハイヴ (Cheorwon Hive)」が制圧される。

六月、「H16 : 重慶 (チョンチン)ハイヴ (Chongqing Hive)」と「H17 :マンダレーハイヴ (Mandalay Hive)」が相次いで制圧される。

七月、「H9 :アンバールハイヴ (Anbar Hive)」「H11 :ブダペストハイヴ (Budapest Hive)」「H12 :リヨンハイヴ (Lyon Hive)」を制圧。

八月、「H14 : 敦煌 (ドゥンファン)ハイヴ (Dunhuang Hive)」「H15 :クラスノヤルスクハイヴ (Krasnoyarsk Hive)」「H18 :ウランバートルハイヴ (Ulanbator Hive)」「H19 :ブラゴエスチェンスクハイヴ (Blagoveshchensk Hive)」を制圧。

九月、「H1 : 喀什 (カシュガル)ハイヴ (Kashgar Hive)」「H2 :マシュハドハイヴ (Mashhad Hive)」「H3 :ウラリスクハイヴ (Uralsk Hive)」「H4 :ヴェリスクハイヴ (Velsk Hive)」「H5 :ミンスクハイヴ (Minsk Hive)」「H6 :エキバストゥズハイヴ (Ekibastuz Hive)」「H13 :ボパールハイヴ (Bhopal Hive)」を制圧。

十月、「H7 :スルグートハイヴ (Surgut Hive)」「H8 :ロヴァニエミハイヴ (Rovaniemi Hive)」「H10 :ノギンスクハイヴ (Noginsk Hive)」「H23 :オリョクミンスクハイヴ (Olyokminsk Hive)」「H24 :ハタンガハイヴ (Khatanga Hive)」「H25 :ヴェルホヤンスクハイヴ (Verkhoyansk Hive)」「H26 :エヴェンスクハイヴ (Evensk Hive)」を制圧。


2002年10月22日、全てのハイヴの制圧が完了。
地上からBETAが消えた世界共通の祝日「解放記念日」は樹立した。





―Muv-Luv Alternative ProjectG― 負け犬達の挑戦  -完-






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                            活躍しなかった原作の人間達。

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白銀 武:
 彼の戦場での活躍は全くといっていい程存在しない。
 帝国軍に出向、さらに正式に帝国軍所属になり技術試験部隊に入隊する。
 最大の功績はXM3の発案である。
 歴史がオルタネイティヴと違いすぎた結果、純夏に出会うことなく天寿を全うした。
 結婚相手は“社 霞”
 三人の子宝にも恵まれ、さらに孫の顔も見て幸福な人生をおくった。
 ただし、ループの脱出条件を満たしていなかったためにその記憶を受け継がないまま再び二週目に。

鑑 純夏:
 00ユニットとして現れることなく終了。
 第四計画の凍結に伴い極秘裏に処分される。

御剣 冥夜:
 政威大将軍の権威が復興し、国連軍の勢力が削ぎ落とされたために人質としての役目は終了し帝都に帰還。
 “煌武院 悠陽”の妹として発表され正式に御剣家を継ぐことになる。
 戦場に出るなんてとんでもない。
 斯衛軍に入り、お飾りの将になる。

榊 千鶴:
 国連軍の軍人として大陸奪還計画で参戦。
 ただし、制圧作戦は突出した個より連携が求められたためほとんど活躍せず。
 解放記念日の成立を受け退役する。

珠瀬 壬姫:
 榊と同じため略。

彩峰 慧:
 第四計画の凍結と帝国主導による大陸奪還計画を受けて国連軍そのものを見限り退役する。
 解放記念日の成立後、“沙霧 尚哉”からの求婚を受け入れ結婚する。

鎧衣 美琴:
 榊と同じため略。

社 霞:
 第四計画の凍結によって居場所がなくなるも、“香月 夕呼”によって戸籍が偽造され白銀と共に生きることになる。
 “白銀 武”と結婚し幸せを謳歌する。

神宮司 まりも:
 第四計画の凍結を受け帝国からの出向が終了。
 帝国軍大尉に復帰。
 ただし、大陸奪還計画には参加せずXM3に触れていたことから、その教導官になる。

香月 夕呼:
 第四計画の凍結と諜報ではなく物量による戦略の開発の成功を受けて茫然自失になる。
 全てに対するやる気を失い国連軍に所属したまま何もすることなく、解放記念日の成立後退役し静かに余生を過ごす。

月詠 真那:
 正式に“御剣 冥夜”の家臣になり、それなりに充実した生活を送る。

三馬鹿:
 正式に“御剣 冥夜”の家臣になり、それなりに充実した生活を送る。

特殊任務部隊A-01の皆さん:
 第四計画の凍結を受けて部隊が解体される。
 国連軍の軍人として大陸奪還計画で参戦。
 ただし、制圧作戦は突出した個より連携が求められたためほとんど活躍せず。
 解放記念日の成立を受け退役する。
 12月05日の事件がなかったため正史よりはある意味幸福であった。

煌武院 悠陽:
 政威大将軍の権威が復興したために名実ともに日本の最高権力者になる。
 “御剣 冥夜”を妹と発表し普段からそれなりに会えるようになり幸せ。

鎧衣 左近:
 情報部で頑張っています。

珠瀬 玄丞斎:
 国連事務次官を続けました。

榊 是親:
 政威大将軍の権威の復興に伴い政権を返し将軍の地位を高めることに協力する。
 静かに余生を過ごす。





[19231] 魔法先生ネギま!? -AnotherTomorrow-
Name: 地雷屋◆e06cb072 ID:df8cbca0
Date: 2010/06/03 01:18
--WARNING--
この物語には多大な原作崩壊が含まれます。
この物語には多大な捏造設定が含まれます。
原作主義の方はご遠慮下さい。


この物語の前提は秘密結社「完全なる世界(コズモ・エンテレケイア)」の目的はあくまでも救済であり、近い将来訪れる未曾有の混乱を防ぐために活動しているということが真実である点です。
「完全なる世界(コズモ・エンテレケイア)」の望みは何処までも人間の未来であり、そのためならば犠牲もやむなしと割り切って考える現実主義者です。






造物主の望みは平穏な世界であった。
だが、幻想の世界を支える魔法は将来必ず崩壊する。
そうなれば訪れるのは大規模な争乱。
魔法世界においては情報を知っている一部の人間なら、その情報を魔法世界の大衆に秘匿した上で自分の居場所を手に入れるために旧世界で立ち回るだろう。
仮にその情報が漏れれば旧世界からの移民達の子孫は我先に旧世界を目指し、渡ることの出来ない魔法世界の住民は絶望の果てに暴動を起こし、多くの命が消えることになる。
だが最大の問題は旧世界で発生する争乱。
間違いなくそれは世界崩壊級の戦争に至るだろう。
二度の大戦から発達した兵器は完全に魔法を凌駕する。
つまり一度に大量の魔法という武器で武装した難民が旧世界に訪れれば発生するのは旧世界住民による難民への殲滅戦争。
自分達から立ち去った魔法使いが自分達の都合で捨て去った物の所有権を主張し、既にある程度の安定がある社会を崩壊させる。
何という醜悪。
だから、現実を知り絶望した造物主は魔法世界の崩壊を引き替えにしてでも旧世界の存続を願い、行動を実行した。
悪のそしりを甘んじて受けてでも、それでも魔法を捨てた旧世界の営みを崩壊させるわけにはいかない。


     魔法先生ネギま!? -AnotherTomorrow-


時代は原作開始の四十年前から始まる。

1962年、ある一人の魔法使いが打ち立てた魔法理論こそが全ての始まりだった。
理論の内容は簡単な物で魔法による半永久機関の作成であった。
勿論、そんな物を受け入れる魔法使いは一人もいなかった。
魔法陣が正しく機能すればほぼ無尽蔵の魔力を半永久的に供給するというその理論は、多くの失笑に囲まれた中破り捨てられた。

「馬鹿な幻想を追うのは勝手だが此処は新しい魔法理論を発表する場だ。
 子供の考えるような落書きも持ってこられても困るのだよ」

それが当時の魔法理論研究者達の共通した認識であった。

男は絶望した。
既存理論をこねくり回し、無駄を削ぐか数値を変更する程度のことしかしていない現状に。
新概念の理論を切り捨て、禁術に指定したり、そもそも検討さえしない現状に。

そんな男に手を差し伸べたのは「正しい魔法使い」ではなく、むしろ「悪い魔法使い」だった。
悪い魔法使いは理論がどんな物なのかを尋ねた。
そしてそれに一つの可能性を見出した。
そして悪い魔法使いは言った。
「共に世界を救わないか?
 君の力があればきっと世界は救われる。
 だが名声だけは約束できない、地に潜り、世間から賞賛されることもなく、下手をすれば犯罪者として手配されるかも知れない。
 それでも力を貸して欲しい、僕たちには君が必要だ」

だが男には名声も賞賛も必要なかった。
自分の研究が認められ、それが必要とされている現実がある。
必要とされる、それだけで男は決断した。

こうして一人の魔法理論の研究者がいなくなった。
そしてそれを気にする者は一人もいなかった。



「完全なる世界(コズモ・エンテレケイア)」
古くから在る世界の裏側で暗躍する秘密結社であり、多くの大規模な争乱の裏にいたとされる犯罪者集団。
しかしその実態は大きく異なった。
いずれ来る滅びに備え権力と財力を高めるために争乱を起こすメガロメセンブリアの老害達に対抗する少数精鋭のレジスタンス。
それが男の知った完全なる世界の実態だった。

彼らの語ったことは一見荒唐無稽のようでありながら、順序立てて考察を続ければ理解できる内容だった。
魔法世界とは魔法によって構築された箱庭であり、旧世界からの移民以外の全てはその魔法によって支えられた幻想に過ぎない。

どうして気付けなかったのだろうか?
自分の考えた半永久機関の魔法は世界に対して影響を与える物。
世界に干渉する魔法を構築しながらも、自分はその世界に対する考察をしてこなかったのだ。

それに対する説明は非常にあっさりとした物だった。
「現実に耐えられる理性は少ない。
 精神崩壊か、逃避か、どちらにした所で事実が広まれば魔法世界は崩壊する。
 だからこそ、強固の認識阻害と忘却の魔法によって真実は隠さなくてはならない。
 二つの魔法は世界そのものに組み込まれた魔法であり、この世界に暮らす者でそれを突破できる者はほんの一握りしかいない」


完全なる世界の目的はいずれ来る崩壊に対する備え。
防げないからこそ、逃げることにした。
それも出来るだけ多くの人間を助けるために、魔法世界に住む全てを別の異界に強制転移させるという壮大な物。
失敗しても旧世界の争乱だけは防げる。
そもそも、旧世界を捨てて魔法世界に侵略してきた者達が旧世界の戦乱の引き金になるなど醜すぎて反吐が出る、とのことだ。
しかし、そのための準備を整えている中で一つの可能性が発見された。
それこそが男の開発した理論であった。

そも、魔法世界の崩壊はそれを支える魔力の枯渇によって引き起こされる。
ならば単純に枯渇しないように外部から魔力を十分に供給すれば問題はなくなる。
それを可能とする方策があるのならば、掛けに打って出る必要もなくなる。

男の考案した魔法理論とは少量の魔力を呼び水に周囲から魔力を呼び込むという、ごく普通の魔法の手順を拡大解釈し、地脈に流れる魔力を呼び水に、霊地に敷いた魔法陣で方向性を決定し、天体の運行と連動させることで空に輝く星々から魔力を呼び込むというものであった。



男が完全なる世界に所属して十年の時間が過ぎた。
小規模な実験を繰り返した所、月や水星、金星といった天体から魔力を呼び込むことに成功した。
これまでの実験の結果と改良された魔法陣についての発表が行われた。

最大規模の魔法陣を展開すれば、短くとも数千年、最大で数百万年は魔力が魔法世界に供給されることになる。

この研究結果は驚きと賞賛を持ってその発表の場にいた全員に受け入れられた。
そして、造物主は決断した。
魔法世界の霊地の掌握と魔法世界を崩壊させる可能性のあるウェスペルタティア王国の王族に連なる血筋の抹消を。

かくて完全なる世界は魔法世界の裏側から霊地を掌握するための暗躍と、霊地に設置される駆動式の立体魔法陣の作成を開始した。
全てが順調に進んでいるように見えたが、裏側で暗躍するのは何も犯罪組織だけではなかった。

幾つかの霊地の掌握を果たし、さらに完成した時計のような機械的な機構を備えた駆動式立体魔法陣を設置していたが此処で大きな問題が浮かび上がった。
オスティアである。
霊脈から魔力を吸収し浮遊するかの空中都市ははっきり言って存在そのものが魔法世界にとって害悪である。
しかも一級の霊地の上空に存在するため魔法陣の設置が不可能であった。

それをどうにかする方策を考えていた所、思わぬ所に解決策が転がっていた。
それはかつて廃案にした魔力消失現象による魔法世界崩壊術式であった。
これを小規模に展開しオスティアを落下させるといううものだった。

しかしこれを実行するには幾つかの問題があった。
それを実行してしまうと崩壊の実行者として多くのものが指名手配されてしまい、これまで設置した魔法陣が壊されてしまう可能性が高い。
これを解決したのは、完全なる世界にとってのある意味最大の敵であるメガロメセンブリアの老害達であった。


 大戦の勃発である。


魔法世界での影響力を確保するためにたびたび繰り返されてきた争乱。
それを裏から管理し、勝者側で活躍した人間に「立派な魔法使い」の地位を与えることで自分達に都合の良い英雄を量産する。
ヘラス帝国の台頭とそれに影響された結果失われた影響力を復活させるための策として実行された大戦は、魔法世界を二分する大規模な戦乱へと拡大していった。

その影響によって霊地に設置し、既に起動を待つだけだった魔法陣がいくつも壊れた。
完全なる世界はこれ以上の魔法陣の破壊の防止と、オスティアの落下のためにメガロメセンブリアの老害達の策謀を利用することに決定した。

しかし、此処で大きな誤算が生じた。
被害を少なくするように管理し、老害に感づかれないように暗躍してきたのに「紅き翼(アラルブラ)」と名乗る非常識な戦闘能力を持った少数の集団によって魔法陣が次々にそれが設置された施設ごと破壊されていったのである。

施設の防衛のために策を練り、戦力を投入しても結果は変わらなかった。
これまでに設置してきた魔法陣の実に八割以上が戦争ではなく「紅き翼」によって破壊されたのである。

そこで完全なる世界は目標を切り替えた。
魔法陣の設置は戦争の終結後に行うことにして、ヘラス帝国と協力して霊地の確保とメガロメセンブリアの老害の暗殺、オスティアの落下と王族の抹殺を優先させた。
しかし、何処で嗅ぎ付けてきたのか「紅き翼」はメガロメセンブリアの老害達の暗殺の妨害を繰り返し、さらに王族の抹殺すらも防ぎ続けた。
それでもその裏側で遂行してきたオスティアの落下作戦はついに術式の発動までこぎ着けることになった。

術式は不完全に終わったが何とかオスティアを落下させるには十分な影響を引き出すことに成功した。
しかし、その作戦で多くの人員が失われた。
造物主も今までの肉体を失い、魂を憑依転生させることで何とか生きながらえたが主要戦力は軒並み死んでしまい、計画そのものの延期が決定された。


続く!!



[19231] 魔法先生ネギま!? -AnotherTomorrowⅡ-
Name: 地雷屋◆e06cb072 ID:df8cbca0
Date: 2010/06/03 21:42
基本的に原作主人公勢への扱いが酷いことになります。
原作主義や捏造アンチ嫌いの方はご遠慮下さい。






かつて魔法世界を二分する大戦があった。
突如進行を始めた帝国とそれに抵抗した連合。
戦争によって多くの命が失われた。
戦争によって幾つもの国が滅びた。

戦争の原因は「完全なる世界」
彼らは魔法世界を崩壊させるために暗躍した。
帝国上層部と連合の上層部を誘導し、洗脳し、あるいは潜入して成り代わり、彼らは戦火を拡大させるために行動した。
それは本来ならば歴史の闇に葬られるはずだった。
しかし、完全なる世界の存在は白日の下に曝されることになった。

それを為した存在の名は「紅き翼」
連合に所属した一兵卒に過ぎなかった彼らは圧倒的な暴力で戦線を巻き返し、帝国の進撃を押しとどめた。
だが彼らは完全なる世界の謀略で一時とはいえ犯罪者として追われることになった。
しかし彼らはその逆境をはねのけ、ついに戦争の元凶である完全なる世界を追い詰めた。
そして、完全なる世界による魔法世界崩壊術式を失敗に終わらせ、戦争の終わりへと導いたのだった。



戦争の終結から十数年後から物語は再び動き出す。

1996年冬、イギリスの山間の村落にて大規模な悪魔の侵攻が発生。
住民の七割が殺され、残る三割が高位悪魔による石化の呪いを受ける。
生存者は三名のみ、その中にはかつて大戦で活躍した英雄「千の呪文」の息子が含まれた。


メガロメセンブリア元老院は生存者の報告を深刻に受け止めた。
本来なら皆殺しにする予定だったが未確認情報ながら、かの英雄の息子が「お父さんに助けられた」と言ったのだ。
既に死んでいるはずの英雄が生きている可能性がある。
しかもかの英雄は扱いづらい存在で死んだという報告があったときには拍手が起こった程であった。
そんな存在の生存の可能性を受けて元老院はある決定を下した。

英雄の息子の意識を誘導し、自分達にとって都合の良い手駒にしようと。

英雄の息子に求めた役割は二つ、自分達にとって都合の良い暴力装置としての役割と、失踪した英雄をおびき出す生き餌の役割。
父親への憧れと悪魔への復讐心はわずかな誘導だけで簡単に傾いていった。
故郷の救済を忘れ暴力を求め続け、常識を習得しようとせず、何よりも自分から「立派な魔法使い」を目指してくれたのだ。
さらに父親を捜すことを第一に据え、生き餌としての役割と同時に探索者としての役割も果たすというのだ。

元老院は過度の干渉は保護者に見抜かれる可能性が高いためそれ以上の干渉を控え、英雄の息子がこのまま成長していき魔法世界を訪れる日を待つことに決めた。



         魔法先生ネギま!? -AnotherTomorrow- Ⅱ



 2002年七月、英雄の息子「ネギ・スプリングフィールド」は常識を身に着けないまま、ただ強力な攻撃魔法を扱えるという理由だけで魔法学校を首席卒業した。
メガロメセンブリア元老院は自発的に来るまで静観することに決定していたが、元老院の忠実な手駒である「正義の魔法使い」達はネギがメガロメセンブリアに来るように工作をしていた。
工作を見抜いたメルディアナの校長は旧知の仲である関東魔法協会を束ねる近衛近右衛門の下に預けるために独断で修行内容の改竄を行った。
社会常識を身に着けさせ、本国であるメガロメセンブリアからの影響から逃すためのこの行動は結果として最悪の事態を引き起こすことになった。

 2003年二月、ネギ・スプリングフィールド、関東魔法協会に着任。
同日、魔法の隠匿に失敗し一般人に魔法を露見させる。
さらに記憶改竄魔法を無許可で行使する。
また、監督役である高畑・T・タカミチはそれを目撃、修行の総責任者である近衛近右衛門に報告するも事実を二人で隠蔽する。

以後、ネギ・スプリングフィールドが魔法を露見させる可能性が高い事象を引き起こす度に同様の処置を取り、反省を促すことも本国に送還することもなく事件そのものを握りつぶす。


 2003年四月、本来ならば魔法先生を来させないことを条件に特例で許可されていた京都への修学旅行に魔法先生を同行させる。
京都には関東魔法協会と対立関係にある関西呪術協会の総本部があり、現在二つの組織はある程度の調和の取れた対立関係にあったが、それをトップの独断で無条件の和解を行おうとし、さらにその親善使節に英雄の息子を使うことに決定する。
この決定は関東魔法協会にとっては修行の一環であり、また英雄の息子という存在を送るということで誠意を示そうとしたものであった。
が、関西呪術協会にとっては自分達に侵攻してきた戦争で活躍した英雄の息子という、神経を逆なでするのにも程がある存在の上に、数えで十歳という本来ならば使節に同行させることすらしない人間をその中心に据えるという虚仮にするにも程がある内容であった。
さらにこの決定を知らされた関西呪術協会の長は親友の息子であるという理由だけでこれを承認し、魔法先生の同行まで親善大使が十歳であるということを理由に他の幹部に相談することなく了承した。

これにより、関西呪術協会に所属する大半の呪術師達は講和条件の内容に関係なく長に対しての不信任決議を行うことに決定した。
また、一部の過激派は若い者を煽ることで和解そのものを妨害しようと行動を始める事になった。

これらは関西呪術協会の長の独断によって表出した、本来ならば表に出ないはずの問題であったが、同時に呪術師全体に燻る本音でもあった。



大戦から十数年が経ち、再び戦力を拡充させてきた「完全なる世界」はある問題に直面していた。
駆動式立体魔法陣を設置する霊地の一つに大戦前は無かった魔物の封印があったのだ。
自分達が地下に潜っている間に封印された魔物は完全に抹消することが出来ない強大な存在のようで、封印を解くことも封印ごと殺す事も不可能であった。
さらにこの霊地は魔法陣設置の際に外すことの出来ない重要な霊地であった。
複数の霊脈が流れ込んでいるため此処を外すと、同規模の別の霊地に魔法陣を設置しなければいけなくなる。
しかし、主要な霊地で同規模のものは存在していないためリスクを承知の上で此処に設置するしかなかった。

そんなとき、旧世界で情報収集に当たっていた者からある報告がもたらされた。
同規模の霊地である上に同レベルの魔物が封印された京都で不穏な動きがあり、魔物が解放される可能性が高いというものだった。
さらに不穏な動きの原因が計画の最大の障害となった「紅き翼」の息子が原因であるとのことだ。
その報告を受けた幹部は素早く方針を決定した。
魔物の解放と再封印によって霊地が受ける影響の調査と、将来敵になりうる存在の戦力調査を行うこと。
関西呪術協会の幹部に対して完全なる世界への協力体制を取り付けることも盛り込まれた。

協力体制に関してはあっけない程簡単に敷かれることになった。
メガロメセンブリアの老害達の情報とその手先である「立派な魔法使い」達の情報は、長を除く幹部達の間では常識として浸透していたためである。
関東魔法協会との和睦を行えば秘術が接収あるいは禁術認定の上での封印が実行され、日の本の国の平和よりも戦争介入や権力闘争に巻き込まれる可能性があるだけに、現実を知り呪術を退魔のために手段と位置づける関西呪術協会はその事態を容認するわけにはいかなかった。
魔法使い同士の闘争ならばともかく、一般人同士の戦争への介入などは呪術師にとっては理解の範疇外であり、それ以前に国守としての立場であるにもかかわらず他所様の領域に干渉するなど狂気の沙汰としか考えられない、というのが関西呪術協会の主要な呪術師の共通見解であった。


ここで協力関係が何処までのレベルかの紹介もしよう。

そもそも、暴走したに過ぎない下っ端の術者が神鳴流どころか外部の魔法使いと接触できたという事実自体が非常におかしなものである。
海外の魔法組織との交流が基本的になく、個人での交流はあってもそれ以上の相互干渉を国守の立場から禁止している関西呪術協会が、簡単に本山のある京都に外部からの侵入を許すだろうか?
1000年以上にわたる霊地防衛を為し続けてきた日本最古にして最大最強の国守が、一人とはいえ外部から来訪した高位の術者を野放しにするだろうか?

そうつまり、フェイト・アーウェンクルスは関西呪術協会の人間達の手によって招かれ、関西呪術協会の全面的な協力の下で行動を行ったのである。
また、本来なら立派な魔法使い以上に情報の秘匿と隠蔽を心がける「完全なる世界」の構成員が、大戦で情報の露見から多大な損失を被った「完全なる世界」の構成員が、自分達に繋がる情報を簡単に公開するものだろうか?

答えは否である。
ならば公開した理由は何であろうか?
これもまた非常に簡単なものであった。
先の大戦における黒幕が人死にを出さないように京都を攻撃する理由として第一に考えられる「英雄の息子の力を試すことではないか?」というものを対外的に認識させるためであった。
これが事実であるならば関東魔法協会は更なる問題を抱え込むことになる。
和睦を申し入れる親善大使は数えで十歳の少年であり、それは修学旅行のついでに派遣され、組織への承認無くトップ同士の独断で事後承諾で実行され、しかも英雄の息子という先の大戦を記憶するものにとっては虐殺者の関係者の単独の派遣という暴挙。
それに加えて「完全なる世界」という関西呪術協会には無関係な火種を持ち込んだ軽率さ……

上げればきりがないがこれだけの事態を受けて和解は成立するだろうか?
しかも、関西呪術協会の長である近衛詠春はこの和解が妨害されないようにするために、幹部を含む主要戦力である高位の術者の全員を長の命令という強権で、京都の外に出していたのである。(常識的に考えて高位の術者が全員出払う事態など国守足る組織が行うような所行ではない)
勿論、ほとんどの術者はそれに従いたくはなかったが、組織の存続を優先するならば命令不服従を先例を残すわけにはいかなかったため、表面上は従うことになった。
だからこそ、苦渋の決断ではあったが「立派な魔法使い」よりは信用に足る「完全なる世界」に対して協力を仰ぎ、退魔や要人警護を代行してもらい、上位から百名近い術者が最悪に備えるという行動を密かに取っていた。
これらの一連の流れは当然のことながら長には完全に隠されて実行されたものである。



結果は推して知るべし。
長は実権のほとんどを失い、対外的には長のままであるが気の封印が施されての幽閉が決定された。
これによって、完全なる世界は旧世界における友好勢力を手に入れるだけではなく、先の大戦における作られた英雄一名の封印に成功したのである。
表向きには両協会の間での和平は成立したが内実は全く別物である。
関東魔法協会は多くの借りを作りさらに影響力を減少させ、関西呪術協会はそれなりに信用できる外部協力組織を手に入れ、無能な長の排斥に成功したのである。
これが英雄の息子の京都への親善大使としての派遣によって引き起こされた、関東魔法協会の人間の知り得ない現実という結果であった。



更なる悲劇は関西関東の両協会や完全なる世界から離れた所で進行していた。

メガロメセンブリアの老害は関東魔法協会からもたらされた「完全なる世界」の活動再開の可能性の報告を受け、ネギ・スプリングフィールドを含む麻帆良に所属する魔法関係者に対しての情報操作を決定した。
この時期にかつて英雄の息子のいた村を襲った悪魔が、生存者である英雄の息子を襲えばどうなるか。
それは完全なる世界が襲撃の黒幕と認識され、事実を知った立派な魔法使いは完全なる世界を潰すために自発的に行動を開始する。
さらに、それによって状況は大きく動き始める。
うまくいけば失踪している英雄殿が出てくる可能性があり、仮にそうでなくても悲劇の主人公が死ねばそれをプロパガンダに据えるだけで自分達の影響力は拡大し、何かと本国の意向に逆らい続ける関東魔法協会総責任者の近衛近右衛門が失脚するというものである。
これによってヘルマン卿の麻帆良襲撃が決定されたのであった。




まだ続く!?



[19231] 魔法先生ネギま!? -AnotherTomorrowⅢ-
Name: 地雷屋◆e06cb072 ID:df8cbca0
Date: 2010/06/04 19:59
ここから原作キャラへの捏造設定によるアンチが本格的に始まります。
原作と違うのは嫌だ、アンチ何か糞だ、主人公勢力を貶めるのが好きなんて捻くれてますね、という意見の方はブラウザバック!






「完全なる世界」の先の大戦から生き残って地に潜りながら情報を収集してきた構成員は、ある情報がもたらされ大いに混乱していた。
「何故いるんだ!?」
「せっかく見逃したのに、どうして関わらせるんだ!?」
そういった怒号が飛び交い、よく分かっていなかった大戦終結後の新参組も事情を聞くと混乱していった。
どうして彼女がそこにいるのか?
さして重要ではないが放置も出来ない問題の浮上は大きな混乱をもたらし、一つの結論を与えた。

曰く、高畑・T・タカミチもまた救いようのない馬鹿であると……




         魔法先生ネギま!? -AnotherTomorrowⅢ-





完全なる世界は大戦の終結後、その暗躍の大半をやめて構成員の生存を最優先事項に切り替え、再び力を蓄え十分な味方が増えるその時まで沈黙を保つことを決定した。
また、ウェスペルタティア王国の王族に連なる血筋の抹消についても、本来ならオスティアの落下で市井にこぼれた血脈も根こそぎ消し去る予定だったが術式の不完全な発動によって失敗し、王家の血筋は魔法世界中に散逸してしまったために方針を切り替えた。
今更判明している王族を狩り殺した所で、何時かまた黄昏の姫巫女と同様の存在が発生する現実を覆せない。
そのため、術式の発動に必要な霊地の管理に方針を切り替え、完全なる世界の目的の遂行の妨げにならない限り無干渉の立場を貫くことに決定した。

しかし、「紅き翼」に助けられた黄昏の姫巫女はメガロメセンブリアのかつての先兵であるガトウ・カグラ・ヴァンデンバーグが引き連れて行動していた。
何を考えてもメガロメセンブリア元老院にとっての抹殺対象である姫巫女とガトウの二人が一緒に行動していたかは不明であるが、結果は当たり前の暗殺計画の発動。
姫巫女の命は助かったがガトウは死ぬことになり、遺言で姫巫女に平穏を与えて欲しいと弟子であるタカミチに願いを託した。

タカミチはその遺志を引き継ぎ姫巫女に平和な日常を与えるために記憶の封印を施した。
記憶がないなら放置でもかまわなかった元老院は追撃をやめさせ監視にとどめることが決定した。

にも関わらず、どう考えても平穏の道を歩くことのない英雄の息子を、記憶を失い平穏の道を歩んでいた姫巫女に近づけたのか?
京都から帰還したフェイト・アーウェンクルスの報告により、姫巫女の存在が英雄の息子の隣にいたという事実を知った完全なる世界は驚愕した。
そして冒頭の結論に至るのである。

師弟そろって無音拳の使い手は愚かであると。



ガトウ・カグラ・ヴァンデンバーグは愚かである。
彼の行動によって完全なる世界は白日の下に曝され、本来の大戦の実行者である元老院は闇に隠れた。
考えてみて欲しい、元老院の子飼いの部下に扱いにくい存在がいる可能性を。
ガトウが得た完全なる世界の暗躍の情報の出所を。
組織に対して個人が情報戦で勝てる可能性を。

そう、ガトウ・カグラ・ヴァンデンバーグは元老院に忠実な犬でなかったために哀れにも真実を知ることもなく、元老院によってねじ曲げられた情報を鵜呑みにして行動した道化に過ぎなかったのだ。
勿論、その事実に気付くことなく戦争の黒幕を完全なる世界と誤認した「紅き翼」のメンバーも元老院にとっては哀れな人形であり、完全なる世界と紅き翼の戦いは喜劇以外の何物でもなかったというのが現実である。

真実を見抜く目があれば、情報が都合良くそろいすぎた状況を鑑みるだけの理性があれば、突出した個人は組織に勝るという幻想に気付けるだけの思慮があれば、完全なる世界と紅き翼の共闘もあり得ただろう。
当然のことながら完全なる世界の側も紅き翼に情報を流していたが、元老院に踊らされていた彼らはそれを謀略だと考え一顧だにせずに無視した。
視野狭窄に陥り、自らを正義と自称し、真実を理解した気になっていた道化達による人形劇。

これこそが大戦の英雄の真実であり、ガトウとタカミチの二人が完全なる世界の中では馬鹿以外の何者でもないと断定された理由である。
完全なる世界の設置した魔法陣が施設ごと崩壊させられていたのも、犯罪者扱いされた紅き翼が簡単に協力者を集めることができたのも、両方とも元老院の陰謀であり、そこに英雄達の切り開いた未来など存在していない。
現実は何処までも現実であり、作られた英雄の功績の内、彼ら自身の手で真実切り開き手に入れた物は大戦初期の虐殺だけであった。



ヘルマン卿の麻帆良襲撃事件が終了すると、多くの魔法使い達は完全なる世界の残党がいることを認識し、彼らを狩り殺すための行動を開始することになった。
極一握りの真実に近い場所にいる者だけは、ヘルマン卿は完全なる世界ではなくメガロメセンブリアの老害の手先と感じていたが、例えそれが真実だったとしても、表に出ない真実などは存在しないと同様であり、多数の声こそが衆愚の現実となるのが世の必定。
憶測としてさえもメガロメセンブリアの介入を示唆しなかったメルディアナの校長と麻帆良の学園長は結局傍観者の立場に落ち着き、無自覚な加害者の立場を取るのだった。


学園祭の混乱が終了し、事実の隠蔽ばかりに終始した学園長に対して元老院はある決定を下した。
英雄の息子の魔法世界への渡航をもって処分すると。

ちなみに元老院の忠実な犬は麻帆良にはそれなりに存在していた。
犬たちは見習い魔法使いの修行における隠蔽工作や、関西呪術協会との軋轢、ヘルマン卿の麻帆良襲撃時の状況の詐称、超鈴音による魔法公開未遂事件の隠蔽……
報告され続けた上げればきりのない失態の数々は、いくら有能な人材でも処分するのには十分すぎるものであった。
さらに本来関わらせるべきでない一般人を大量に関わらせるだけでなく、姫巫女の記憶の封印が溶けかけているという事態に至っては極刑を持って望むしか無いという結論に至ったのである。



先の大戦においての失敗を踏まえさらに慎重に潜伏し、情報網を張り巡らせた完全なる世界は元老院の麻帆良に対する決定を関西呪術協会にいち早く伝え、日本最大級の霊地、神木の解放と麻帆良の奪還を打診するのであった。
この計画は日の本の国守の立場を取る全ての組織が協力し、さらに政府もまた外国勢力を撤退させるために協力を決めた。
麻帆良崩壊の日はネギ・スプリングフィールドが魔法世界に行き、元老院が麻帆良への強制執行を行うのと同時に起こることが決定した。
ネギ・スプリングフィールドが日本の麻帆良に来たことによってついに関東魔法協会の排斥が公式に決定されるのであった。

それと同様の決議が僅かに遅れて、世界中に点在する魔法世界とは縁を切りたがっている多くの土着の魔法組織で採択された。
麻帆良の神木奪還に追従する形でメガロメセンブリアの先兵どもがたむろする各魔法協会支部の襲撃と、それの設置された霊地の奪還。
百年単位で正義という名の暴力に占拠され続けた霊地の奪還は、その地に暮らす古き教えを引き継ぐ正当なる管理者達にとってはまさしく福音であった。
その決起のを起こす最初の報せは魔法世界と旧世界を繋ぐゲートの破壊を持って告げられ、麻帆良の奪還計画とそれへの対応での混乱に便乗しての短期決戦で収束させる。
旧世界の霊地の管理や秘術、秘蹟を継承する魔法結社や同盟は「完全なる世界」の引き起こす事態を利用して魔法世界の勢力の排斥を決定した。
ただし、これらの組織のほとんどは完全なる世界と友好を結んでおらず、ただ互いの引き起こす状況を利用し合うだけの関係でしかなかった。

メルディアナの校長や麻帆良の学園長の想定する最悪がネギの死亡や、元老院による洗脳だとすると、現実は遥かに上を行き、斜めになるにも程があるという事態にまで至っていた。
最悪は想定の上を行く。
現実は時に不条理なまでに滑稽になる。


これがネギま部である「白き翼(ALA ALBA)」結成の裏側で起こっていた現実というものである。




続く!?



[19231] 魔法先生ネギま!? -AnotherTomorrowⅣ-
Name: 地雷屋◆e06cb072 ID:df8cbca0
Date: 2010/06/05 17:16
2003年八月十三日、ネギま部の面々は魔法世界に渡る。
この時、ゲートの警備は普通よりも遥かに厳重であったために白き翼以外の人間が魔法世界に渡ることもなく、またゲート破壊の予定も麻帆良強制執行に合わせるため発生する事もなく、白き翼は予定通りの行動を開始するのであった。

警備が厳重であった理由は、メガロメセンブリアの老害どもからの指示であった。
旗印としての英雄に仕立てるか、死によって象徴となる悲劇の英雄に仕立てるにしろ、どちらにした所でメガロメセンブリアに来なければ話は始まらない。
魔法世界であるが故に旧世界に比べて遥かに容易に干渉できるが、露骨に干渉しすぎれば再び動き出した「完全なる世界」を呼び込みかねない。
完全なる世界が直接英雄の息子ご一行に干渉するならばともかく、干渉している最中に現れてしまい事実の露見があれば面倒なことになってしまう。
故に、テロリストが活動する可能性の最も高い、人通りが多く不特定多数の人間がいても可笑しくないゲートの警備の警戒レベルを引き上げたのであった。
勿論これは全くの無駄であったのだが。

完全なる世界によるゲートの破壊計画は元老院の強制執行と同時に、強制執行の時期は英雄の息子ご一行の魔法世界への渡航から一週間後と決められていた。

だからこそ、ゲートでの事件は起こることなく。
強制転移による分断も起こらず。
結果としての戦力強化もないまま、彼らは魔法世界の観光を始めるのだった。





             魔法先生ネギま!? -AnotherTomorrowⅣ-





2003年八月二十日、麻帆良に所属し麻帆良に残っていた魔法関係者一同は一カ所に集められて、関東魔法協会最高責任者の近衛近右衛門の懲戒免職と魔力封印の上での本国への移送の決定を聞くことになった。
あまりの内容に混乱していた彼らは突如発生した結界によって全ての力を奪われた。
結界の内容は魔力への干渉阻害。
さらに音響閃光弾の集中投入によって麻帆良にいた魔法関係者の実に九割が抵抗することもなく一瞬にして鎮圧されたのであった。

事態を知ったエヴァンジェリン・A・K・マクダウェルは己の立ち位置を決めかねていると、一人の壮年の術者が状況の説明を行った。
その説明を行っている術者こそ現在の関西呪術協会の実質的な頂点に位置する陰陽術師であり、神木奪還計画の最高責任者であった。

そこで説明された内容はエヴァンジェリンにはにわかに信じがたい内容であった。
関東と関西の和睦の事実上の完全失敗とより強固な溝の発生。
完全なる世界と協力しての霊地の外国勢力からの奪還。
裏切り者である近衛一族への処罰。
ゲートの破壊と同時に政府の協力の下での作戦の実行。

もはや事態は覆らないところにまで進行していることを認識したエヴァンジェリンは自身に対する処分内容を聞くと、思いもよらない返答を聞くことになった。

曰く、霊地京都の防衛の協力への報酬として封印の解除と関西呪術教会による身分の保障。

エヴァンジェリンに対して呪術者が語った言葉は余りにも突飛な内容であった。
その詳細を聞き、次第に冷静さを取り戻した彼女は大声で笑い始めた。
さらに霊地奪還の作戦が無事終わり、京都に招かれた彼女はそこで完全なる世界の真実を知り、正義の魔法使いと英雄の実態を知ったとき、人生最大の笑い声を上げることになった。

ちなみにエヴァンジェリンに掛けられた呪いに関してだが、そもそも地脈に括られる程の鬼神や様々な妖怪変化を従える術を持ち、基本的に直接戦闘よりも呪いや封印を得意とする呪術師達にとっては、強固であっても術式自体が複雑なものでなければ相克の理を持って簡単に祓える程度でしかなかった。
勿論この事実は近衛近右衛門も知っていることであり、それを知った時のエヴァンジェリンの怒りは凄まじいの一言に尽きるものであった。
かくして、怒りの余りに暴走し、それが終わり燃え尽きたエヴァンジェリンはかつての恋心を若かりし日の過ちと認識し、正義の魔法使いに憧れる童への淡い思いも失せ、京都に隠居したのだった。



麻帆良の神木奪還計画から三日後、世界中の土着の魔法組織が魔法協会支部に対して反抗に打って出た。
結果は魔法協会側の惨敗であった。
主要戦力を麻帆良に差し向けてしまい護りを薄くしたために勝敗はほぼ一方的なものになった。
なお、その主要戦力は検疫や入国審査ではじかれ、ようやくそこから出たら自分のいた組織なくなるという事態に直面していた。
また、土着の組織から逃れた魔法関係者は生死不問の賞金首になり逃亡生活を余儀なくされた。

ゲートの破壊と魔法支部の崩壊によってメガロメセンブリアの老害どもの逃げ道はもはや旧世界の何処にもなくなってしまった。
既に時間は何処までも完全なる世界の味方をしていた。




ゲートの破壊を受けてゲートを管理する各国は急ぎその復旧に努めた。
さらにゲート破壊の主犯を完全なる世界の残党と断定し、魔法世界全体に生死不問の賞金首として布告した。

しかし、多くの国家の上層部はそれに対して冷ややかな反応を返した。
ヘラス帝国をはじめとした強国はもちろんのこと、多くの都市や国家はその布告に対してあからさまに行動を取らなかった。
結果、完全なる世界が各国の上層部に食い込んでいるのではないかといった社会不安を作り上げたのだった。

完全なる世界も魔法世界の各国も本来ならばこのような反応を取るつもりはなかった。
もっと穏便な方法をとる予定であったが完全なる世界がある魔法術式を入手したことによって、多少の社会不安による犠牲を目につむってでも潜伏していた元老院の犬どもの炙り出しを優先したのだった。


現在の状況を簡単にまとめると、
旧世界においては「立派な魔法使い」やそれの予備軍は、霊地の不当占拠者や内政干渉の実行者、あるいはその予備軍として捕らえられ、逃れた少数のものも指名手配されている。
魔法協会の支部の全ては土着の魔法組織によって叩き潰され、霊地は本来の正当な管理者達の手に戻った。
つまり、魔法世界からの影響力はほとんど残っておらず、メガロメセンブリアの老害どもや魔法世界の真実を知りながら秘匿していた連中の逃げ場はなくなっているのである。

魔法世界は大戦時から潜伏していた完全なる世界の構成員によって各国の上層部に真実が告げられ、魔法世界の存続を可能とする術式と戦争を引き起こしてきた本当の黒幕の情報の公開によって、各国の上層部は完全なる世界との同盟を決定していた。
主要な国家のほとんどが大戦の始まる前から潜伏していた構成員によって、大戦の終結後から緩やかに干渉されていたのである。
しかし、それは元老院のような陰謀ではなく、元老院への共同戦線の準備であった。


完全なる世界は確保した霊地を結ぶ共振術式によってある魔法を魔法世界全体に発動させようとしていた。
それは、旧世界から回収してきた魔法であり、完全なる世界やそれに同調する各国上層部の切り札であった。

そう、その切り札たる魔法こそ「強制認識魔法」である。

この魔法と広域念話魔法や上空への映像投影魔法によって魔法世界に生きる全ての人間に対して魔法世界崩壊の情報、大戦の真実、元老院の過去からの陰謀、完全なる世界のしてきた大戦時の行動を公開し、さらにヘラス帝国皇帝やそれ以外の各国の首脳陣がこれを事実と認めることによって状況を一気に終わらせる。
これこそが完全なる世界と各国上層部が決めた魔法世界存続のために手段であった。
そしてそれは大戦の英雄が、実は結果として戦争の拡大に協力し、世界を守ろうとした完全なる世界の行動を妨害し、元老院に踊らされた結果としての作られた英雄であるという事実を曝すというものであった。
また公表される情報の中にはナギ・スプリングフィールドの暮らした村で発生した悪魔襲撃事件の真相も含まれ、ガトウ・カグラ・ヴァンデンバーグの死の真相、災厄の女王の行動の理由と生存の報告、オスティア崩落の真実も含まれた。
ただし、オスティアの崩落に関してはその原因が元老院であるかのようにねじ曲げられた情報であったが。


事態は着々と進行していた。
元老院は完全なる世界の陰謀があると感じ本格的に行動を開始し、結果多くの手足を各国に捕らえられ失っていった。

「白き翼」はゆっくりとだが確実に進んでいた。
犯罪者にされることもなく、強大な敵に遭遇することもなく、のんびりとした観光を楽しみながら。

各国上層部はきたるメガロメセンブリア制圧作戦に向けた作戦の最終確認を行い。
軍部にはオスティア記念式典の警備のためと嘘をつきながら遠征の準備を始め。

完全なる世界は駆動式立体魔法陣のような目立つものではなく、布に描き込んだ魔法陣を霊地に設置する準備して。


魔法世界の命運の賭けた戦いは水面下で進行していた。
戦争において戦場は兵士の命を対価に状況を終了させる場でしかない。
近代以後の戦争を終わらせるのは何時だった机上であった。
戦術としての価値しかない「立派な魔法使い」をどれだけ保有していようとも、政略と戦略においてそれらは盤上の駒以上の動きをすることはない。

戦争の現実を認識する完全なる世界と各国上層部は正しく戦争を行い。
結果、陰謀と政略と戦略の区別もつかない元老院は始まる前から詰んでいた。
これまで戦争を陰謀でコントロールできたという実績が彼らにとっては致命的だった。
元老院に出来たのは戦争を広げることと、方向性を誘導することだけであり、自分達を標的にした戦争を経験したことがなかったのである。






続く?



[19231] 魔法先生ネギま!? -AnotherTomorrow Final-
Name: 地雷屋◆e06cb072 ID:df8cbca0
Date: 2010/06/05 21:02
これにて最終回。







2003年八月二十五日、完全なる世界によって大戦の、英雄の、元老院の、立派な魔法使いの、そして何よりも魔法世界の真実が告発された。
告発をするのに使われた魔法は魔法世界の真実を隠匿するための認識阻害と忘却魔法を封じるための強制認識魔法と、広域への無差別念話魔法に上空への映像投影魔法であった。
後の日に「革命の一週間」と呼ばれる「血の粛清」の始まりだった。

完全なる世界からの告発の終了と同時にヘラス帝国皇帝はこの告発の事実を全面的に認め、完全なる世界が戦争の汚れ役になり世界の敵であるかのように扱われた事実に対し、正式に謝罪を表明し頭を下げた。
さらに、各国の首脳部の人間が順に告発の事実を認め、完全なる世界に対しての公式謝罪を行った。

この告発をさらに印象づけ、偽装である可能性を無くしたのは現役のメガロメセンブリア元老院の議員である「クルト・ゲーデル」による秘匿資料公開による内部告発であった。
クルト・ゲーデルはさらに調査のためとはいえ元老院に所属し幾つかの悲劇を見殺しにしてでも未来を求めていたと罪を認め自ら縛についた。

これらによって国を失った多くの難民や戦争で家族を失った民衆達の怒りの矛先は決まったのであった。

告発の終了と同時に各国はメガロメセンブリアの封鎖を完了させた。
多くの戦艦や鬼神兵が動員され、転移阻害の広域結界が展開され、元老院議員やその部下の逮捕が終了するまでメガロメセンブリアは陸の孤島と化した。
それに並行して各国内部に潜伏していた元老院の工作員達は一斉に検挙された。

封鎖は一週間で解かれた。
元老院議員は自殺を図った少数を除いて全員が拘束され、元老院の下で働いていた犬の資料が押収されたことにより逃れることが出来たものも指名手配された。



多くの血が流れた、多くの慟哭があった、多くの命が散った。
英雄は戦争の悲劇を助長するための暴力装置に過ぎず、立派な魔法使いは元老院によって作られたプロパガンダでしかない現実が曝された。
ここから始まる歴史には暗躍する亡者の姿はない。

歴史を作るのは英雄ではない。
歴史を作るのは支配者ではない。
歴史を作るのは何時だって人の営みの積み重ね。

英雄とは殺戮者の代名詞に過ぎず。
正義とは勝者を正当化するための建前でしか無く。
正義を自称する立派な魔法使いとは常に人を見下す優越感に浸った存在である。

オスティア記念式典に出席した完全なる世界の幹部達は戦争の現実と正義の欺瞞を語った。
彼らの干渉によって生まれた悲劇を語った。
彼らの無自覚な悪意がもたらした惨劇を語った。

革命の一週間から始まった大規模な政変は未だ収束していない。
けれど、多くの人間は一つの時代の終わりと新たな時代の始まりを感じていた。
世界は一つのしがらみから解放された。


この先の世界の歩みを知る存在はもういない。
一つの物語の終わりは何時だって別の物語の始まりなのだから。
始まった物語の内容を決めるのはそこに登場する全ての人間である。
悲劇になるのか、喜劇になるのか。
脚本家も演出家もいないこの物語の行く末は今はまだ誰にも分からない。


----the END----










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         登場人物達のその後 あるいは蛇足という名のエピローグ
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ネギ・スプリングフィールド:
 完全なる世界や各国の上層部によって公開された情報を受けて一時的に発狂する。
 結果、軍に拘束されるが作られた英雄の話を聞く度に暴走し周囲に破壊をもたらすようになる。
 暴走によって多くの一般市民を傷つけ、その罪が問われ魔力封印の上で投獄される。
 娑婆への解放には少なくとも現実を受け入れる必要がある。
  「父さんは英雄なんだ!!」

神楽坂明日菜:
 記憶を完全に取り戻し、完全なる世界の事を自分に一番はじめに外のことを教えてくれた存在であった事を思い出す。
 元老院による記憶の封印後に紅き翼と接触、その後再び記憶封印を受け今に至ったという。
 元老院の暗躍の証人として保護される。
 高畑・T・タカミチや周囲の大人達が自分の平穏よりも英雄としてのネギを求めていたことを知り、立派な魔法使いを含む魔法関係者に対して絶望する。
 ネギに対しても暴走によって市民を傷つけたことと事実を認めようとしない事を受けて見限る。
 完全なる世界が保護者となり、魔法世界で暮らすことになる。
  「やっぱり餓鬼は嫌いだわ」

近衛木乃香:
 旧世界に強制送還され関西呪術協会の今後のために優れた呪術師に嫁入りすることが決定。
 祖父が既に処刑されていること、父が幽閉されていること知り混乱するも、事情を理解すると現状を受け入れ嫁入りの話を受諾する。
 自由を完全に失い優れた血筋を残すための母体としての役割だけを求められたが、結婚相手との間に愛を育み幸せを得る。
 優れた治療術師として多くの人の命を救うことになる。

桜咲刹那:
 旧世界に強制送還され京都神鳴流の職責を問われ護衛を解任させられる。
 本来危険を遠ざける立場であるのにもかかわらず、修学旅行の際には応援を頼まない無能を露呈し、さらに魔法世界への渡航という事態に至っては護衛のなんたるかを全く理解していないと断定され、修行のやり直しとその終了まで近衛木乃香との接触の禁止が言い渡される。
 修行が終了すると自分の立場とかつての自分の行動を思い返し、近衛木乃香に合おうとすることもなくなった。

エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル:
 関西呪術協会の外部協力者として身分が保障され、強制送還された近衛木乃香の家庭教師兼護衛などをしている。
 自分を吸血鬼に転生させたのが元老院だと知り、さらに立派な魔法使いに対して失望する。
 吸血鬼の討伐は元老院による自作自演がほとんどであるという事実の公表を受けて畳の上で笑い転げる。

その他の仮契約を交わした面々:
 魔法世界にきていた者は強制送還される。
 仮契約は全員破棄され、記憶封印か沈黙かを選ばされ日常に帰還する。

魔法先生や魔法生徒:
 麻帆良の学園長のみ関西呪術協会によって処刑される。
 それ以外の面々は本国に強制送還され魔力の封印後、現実を理解できるまで再教育を受ける。
 現実を理解しなかった者達は魔力封印をされたまま解放される。

完全なる世界の面々:
 結果として英雄として讃えられ、立派な魔法使いに代わる治安維持組織の礎を築く。
 治安維持組織の基本方針は、旧世界での戦争への介入の禁止、オコジョ刑の廃止と魔力封印刑の執行等が主な変更点である。

理論の開発者:
 最初の契約とは異なり歴史に名を残し「救済の魔法使い」と讃えられる。
 革命の後は単なる魔法理論の研究者の立場を取り、政治に関わらずに余生を過ごす。

クルト・ゲーデル:
 革命の礎となり真っ先に法廷に立つ。
 罪の全てを認め、有罪判決。
 ただし、完全なる世界と共に世界を救った立役者としての功績を最大限認め、治安維持組織への強制加入が刑罰となる。
 革命の英雄の一人と讃えられる。

立派な魔法使いの面々:
 元老院に踊らされた犬と認識されて多くのものが現実に絶望する。
 一部の者は自殺し、多くのものが再教育を受け、その両方を拒んだ者達がテロリストになる。
 テロリストに転じたものの出現はさらに多くの民衆達に元老院の犬であったということを印象づけた。

紅き翼:
 旧世界に暮らす近衛詠春のみ幽閉。
 ガトウ・カグラ・ヴァンデンバーグは哀れな道化、
 ジャック・ラカンは相変わらず馬鹿として、
 アルビレオ・イマもまた道化として認識される。
 ナギ・スプリングフィールドは実の息子が投獄されても失踪したままであり、次第に嫌悪されるようになる。










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皆さん、おつきあいいただき感謝します。
ネギまの原作蹂躙はこれにて閉幕です


三次創作を書きたい方は作品の前書きで報告さえしていただければArcadiaでならば、いくらでも書いてかまいません。
むしろ、自分が読みたいので誰か書いて下さい。



[19231] リリカルなのは 地上に生きる者達 ネタ(Prologueと設定のみ)
Name: 地雷屋◆51a910a9 ID:59c68ae5
Date: 2010/11/14 14:12
これは過度の設定改変を行った原作蹂躙系統です。
原作主人公勢力へのアンチ要素の高い作品になります。
捏造設定や性格の変更が多岐にわたります。
魔法少女リリカルなのはStS捏造改変設定満載ネタ作品です。





リリカルなのは -地上に生きる者達-



ある広域次元犯罪者の独白
「父さん達、私は欲張りなんだ。
 だから、自分の物は全て自分の物のままにしてみせるよ。
 例えそれが汚名であろうとも、父さん達の息子である私はその名を誇るよ。
 勝ち逃げなんてさせない。
 無限の欲望の名のままに、私は父さん達に示されたこの道の全てと、父さん達が持ち逃げしようとする全てを奪い取ってみせる」

ある騎士の独白
「俺がお前の汚名の全てを雪ぐ。
 親友よ、お前の言葉に耳を傾けなかった愚かな俺に出来ることはそれしかない。
 お前の苦悩に気付くことのなかった俺にはもうそれしかできない。

 だから、どうか早まらないでくれ」」



ある中将の独白
「自分に出来ることなどたかが知れている。
 自分の全てを賭しても、平和は遠いだろう。
 法を犯してでも平穏を望むのが悪ならば悪で構わん。
 それが罪であり裁かれるならば喜んで裁かれよう。
 だが、ただでは死なん。
 この身の全てをもって地上の平和の礎にならん。

 友よ、お前の悪は全て貰っていこう。
 無限の欲望から悪徳を奪って死ねるならばさぞ痛快だろう。
 それを土産に先に行かせて貰おう。
 汚れた盾が残っては後顧の憂いになるのは必然。
 白衣が汚れるのは患者の血や機械油や薬品だけで十分だ。
 罪に汚れる必要はない。

 全ての罪悪は錆びた老骨が背負うのが相応しい」


ある三人の会話
「古きは去るのが定め」
「然り、“立つ鳥跡を濁さず”という言葉がある通りに汚名の全ては我らが背負おう」
「当然だ、先を行くのは子の役目、道を整えるのが親の役目。
 親らしいことは何一つ出来なかったが、せめて行く道の屍血山河の全てを払おうではないか」
「可能ならば共に杯を傾けたかったが」
「言うな、罪の悪名の汚名のその全てを背負い、去ると決めたではないか」
「済まぬ、未練であった」




始まらない。




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人物設定

最高評議会:
地上の頂点に位置する三人。
かつては時空管理局全体に対する影響力があったが「伝説の三提督」の台頭によって陸以外での影響力を失っていく。
かつての混乱期には戦力として子供の投入もやむを得ないと考えていたが、比較的法も政治も整った現在は就職年齢を引き上げようと画策している。
また三提督の活躍で海に志望する若者が増え、魔力量頼みの人員の前線投入による人的被害の増加をうけ医療技術の発展を画策する。
人造魔導師計画は本来の目的はリンカーコアをもつ魔導師の肉体損傷の高度な医療技術の確立のためであった。
しかし、海の執務官が本来協定によって不干渉なはずの管理外同盟世界に秘密裏に設置した研究施設を襲撃して世間に情報が流れ、結果、複数の囮を作ってでも研究を進めるために犯罪者を利用する形態をとるようになった。
同様に戦闘機人計画は非魔導師の所持武装に因らない戦力化計画であり、また義肢を含む医療技術への応用を期待して発足したもの。(遺伝子的な先天的疾患によって生体組織培養移植が不可能な人間に対する治療技術)
ゼストが率いる部隊が無断行動を重ねた結果、露見しこれもまた地下へと潜らせた。
レリックは莫大なエネルギーを放出する危険性の高い結晶であったがこれの有効利用と、リンカーコアへの医療技術の促進のために人造魔導師計画の一環として行った。
技術の完成を持ってジェイルやレジアスの罪も全て自分達が人質を取って行った物とし、全ての罪を背負い死ぬつもり。

レジアス:
ろくに現場を知らない少年少女が、魔力資質だけを理由に戦力化される現実や、海の陸への軽視、予算の不足などの現実を壊すために違法であろうとも未来へと続けるために最高評議会と結託して様々な違法な活動に手を染めた。
親友で海からのスカウトを拒み地上で活躍したゼストが任務外の完全な無断行動の末に死亡し、その上で未来へつなげるための布石を破壊してくれたために大いに苦労した。
それでも遺族に負担をかけないためとこれ以上の予算不足陥らないために情報を捏造あるいは秘匿して部隊の名誉と規律を守った。
ジェイルからの技術提供によって様々な装備を配備し地上の平和を守ろうとするが、その多くが非魔導師でも運用可能であったために宗教組織である聖王教会の人間や海の人間からの干渉を受け、ほとんど配備されることがなかった。
現実を見ようとしない海や、宗教組織であるのに政治介入を行う聖王教会を敵視している。
また、レアスキルのような選ばれた人間にしか使えない不安定な戦力よりも、機械的に制御できる安定した戦力を望んでいる。
機動六課の設立は海と聖王教会のごり押しであったため、仕方なく認めるが裏では強権の証拠資料や不正資料を収集し、陸の独立性の確保のための生け贄にすることを決断する。
訓練もなく体調管理されずに働き続けた「高町なのは」に対しては海や空の被害者で有ると認識し、管理外世界の人間であるからこそ助けなければいけないと考え、ジェイルに治療を依頼する。
基本的に善人であるが海の人間はフィルター越しにしか見ないためそれを理解しない。

ジェイル:
医療の発展と機械技術の発展のために生み出された人造生命。
未来を生み出すための礎になってもらうために生み出され、様々な研究を行う。
海の暴走によって研究や実験のデータが流出した結果犯罪者に仕立て上げられる。
最高評議会は可能な限り捜査妨害を行い自分を保護し、しかも自分に知られないように自分の罪の全てを背負って退場するという計画を立てていた事を独自の諜報活動で知る。
結果、父とも呼べる存在が自分の未来のために犠牲になろうという現実、友人であり自分の生み出した技術を賞賛してくれるレジアスの苦難、海の身勝手な正義による暴走の実態を知り、自身もまた罪人になってでも、親や友の願いである地上の平和のために生きようと決意する。

戦闘機人:
ジェイルを父または兄と慕う十二人の完成試作型。
試作型のType00とは異なり、基本的に成長することのない完成品。
№1はジェイルを恋人として慕い、それ以外の面々は上記のように考えている。
ジェイルの意思や覚悟を知り、その上でジェイルやレジアスと共に管理局の浄化のために汚名を被る事を決意する。
基本的な活動は海のせいで流出した人体実験の研究施設の破壊と情報の収集、それら研究に協力している管理局の重役と聖王教会の幹部の犯罪の証拠集め。
結果として海の縄張りを荒らすことになり、戦闘機人が証拠の抹消のために活動していると海に認識される。
しかし現実は現地政府との協力の下で秘密裏に活動するのが戦闘機人、現地政府への事後承諾前提で強制介入を行う海の執務官と武装隊という構図になっている。
そもそも戦闘機人Type00を開発したのは海と繋がった陸の膿であり、他の戦闘機人はDNA提供者の承諾の下で開発されている。
承諾の条件はその開発技術を活用した義肢の提供とそのメンテナンスの無期限無料化。
基本的にその世界の法律に則って戦闘機人は開発されているため違法に開発されたのはType00の二体のみ。

ゼスト:
自分の短慮のために多大な損害を出し、多くの命を散らした現実をジェイルに教えられる。
その結果、再びレジアスの前に立てる人間になるために罪を犯してでも平和を作る覚悟を決める。
レジアスの行動の動機と覚悟を知り自分がいかに大局を見ていなかったかを自覚した。
海の暴走が現在の混迷をもたらした原因と理解したため独断専行が多い海の執務官をどうにかするためにレジアスと相談している。

ゲンヤ・ナカジマ:
海の圧力とそれによる予算逼迫の現実を認識していながら、それによって陸の動きそのものが制限されている現実をあまり理解していない人間。
それなりの視野を持っているが海との付き合いが長いために陸の現実をよく認識していない。
予算によって制限された装備や人員のせいで早急な行動が取れない現実を、早急な行動が取れる部隊がいないためと誤認している。
ゼストの部隊の壊滅の原因もゼストを含む部隊の隊長陣の独断専行が原因なのにそれをレジアスのせいでは、と邪推してゼストやクイントを過剰に美化している。
陸の行動が遅い実態は、予算が少ないため緊急時の案件においてそれを単独で任せることが出来る部隊が作れないため。
装備の充実を図ろうにもある一定のラインを越えると海と聖王教会の干渉で実戦配備できず装備による強化があまり出来ない。
人員の充実による戦力強化は海と空が育った人員を予算と権力を盾に奪っていくため不可能。
そのために苦慮しながら対応可能な状況にするために奔走しているのがレジアス派閥。
海や空の介入させて対応しようという現状をさらに悪化させる事を前提とした方策をとろうとしているのがゲンヤ・ナカジマを含む親海の派閥。
短期的な展望を持っているが長期的な展望を持っていないため一時的な治安向上は可能でも長期的には悪化する現実が見えていない。

三提督:
魔導師資質至上主義やそれによる選民思想を植え付けた元凶。
魔導師資質さえあれば上に行ける、レアスキルさえあれば評価される、反対にそれらがない者は実績だけでは上に行けないという構造を結果として作り上げた存在。
基本的に現場に関わらないようになった癖に、自分達の派閥に関わる事件においては権力を持って介入し情報を改竄している。
グレアムが立件されなかったり、機動六課成立した原因は彼らの専横が原因。
既に老害と化しているが海や空からの狂信的な支持基盤によって権力の座に居座っている。
また、権力基盤をより盤石な物にするために宗教団体を招き入れてその兵力を活用している。
陸の現状を表面的にしか認識せずに様々な装備の開発や配備をレジアスの暴走と切って捨てている。
陸の平和を守るためには強権もやむなしと考えているが、そもそもの治安悪化の原因が自分達であるという現実を認識していない。

聖王教会:
次元世界を支配しようとした独裁者である聖王を崇める宗教団体。
かつて魔力資質がミッドよりも劣っていた現実をどうにかするために人体実験の限りを尽くして優れた魔力資質を生み出す生体改造技術を数多く完成させた。
次元世界の平和のためという名目の元で有史以来最大規模の次元間戦争を勃発させた聖王によって多くの血が流れた。
崩壊の原因は狂気の果ての実験の失敗によって次元断層が発生し周辺次元世界ごと壊れてから虚数空間に沈んだため。
現在では聖王は次元世界の平和のために涙をのんで戦いに準じたと教えている。
基本的にミッドやそれ以外の次元世界からは大戦を起こした原因を偶像視して崇拝している事から狂信集団と考えられている。
触らぬ神に祟り無しとの考えの基で多くの次元世界からは無視されているが、何をとち狂ったのか時空管理局の海が接触して政治的な発言権まで与える事態に陥っている。
聖王教会に対する各勢力の認識は、
 一般人 : 宗教組織、発言力を高めて政治介入をしようとしている危険な団体。関わり合いになりたくない。
 陸  : 政治介入してくる狂信集団。最悪の戦争犯罪者を崇拝している危険思想団体。海にしか協力しない癖に自治権を持っている邪魔者。
 海  : 善意の協力者。多くのロストロギア関連で協力してくれる団体。

ギル・グレアム:
八神はやてを生け贄にすることで捜査妨害、管理局員に対する傷害、ロストロギアの情報秘匿及び無断使用、予算の横領と設備の目的外使用などの罪を全て誤魔化した人物。
聖王教会に対して働きかけることで八神はやてを悲劇の人物であり、贖罪の徒であり、かつ過去についての干渉を出来ないようにした上で闇の書事件の首謀者として情報を公開。
全ての情報を公開すればグレアムが闇の書事件の首謀者になるはずだったが、ある程度の情報隠蔽と改竄によって自身を潔白の立場に置いた。
また現役を退いて自分の派閥をハラオウン派に組み込み、発言力そのものを残している。
ハラオウンや三提督とも近い派閥であり、海の中心的な派閥でもあったことから権威を保つために事件の情報が操作されて現役を退いた。
この事件の後に聖王教会の管理局に対する発言力が伸びたことから何らかの裏取引があったと考えられる。

八神はやて:
グレアムやハラオウンや三提督の手によって生け贄にされあるはずのない罪を償う事になった少女。
海の人間によって洗脳され、聖王教会の思想に感化された結果、陸の現状を見ずに批判する典型的な海の人間になった。
行動が遅い理由は海からの予算や人員への圧力、教会と海からの装備への圧力が原因であるがそれを理解せずにやる気がないからだと考えている。
結果、陸の権力を切り崩すための先遣部隊として機動六課を組織して陸の領分を荒らし回る。
飛行許可のない状況での無断飛行、都市部での広域攻撃の使用などをバックを盾に何度も行い陸の秩序を破壊している。
陸が広域攻撃をしない理由は人質の安全はもちろんだが設備の安全のためであるのに、それを無視した攻撃によって物的被害を与えた上でそれらを陸の現場担当部隊に押しつける。
一般市民は公開される速急な対応だけを評価し、物的被害額の急激な増加を知らないため機動六課を褒め称える。
飛行許可のない無断飛行が原因で交通網が乱れ事故が多発してもその原因が自分達だと理解できず、交通整理をちゃんとしない陸のせいだと非難する。
レアスキルと聖王教会やハラオウンの後ろ盾で出世した現場知らずの人員であるため陸の人間からは無能な小娘、現実を知らない小娘と蔑視されている。
副官としての部隊運用補佐の経験もないままに部隊を直接運用する立場になったため、能力そのものを疑問視する声も大きい。
また、プログラム構成体の個人兵力を所有していることも陸からの評価を下げる原因である。
レアスキル、魔力資質至上主義の広告塔。

フェイト・T・ハラオウン:
海の執務官で独断専行によって人体実験施設を強襲している。
中には現地法で合法な施設もあったが、実験の詳細を知ろうともせずに海の部隊で設備を接収し、違法研究の烙印を押している。
実際に多くの施設は違法研究施設であったが、その研究が広まった原因が海の執務官のせいであるとは知らない。
基礎研究を行っていたジェイル・スカリエッティが全ての根本原因と信じ込み追っている。
強硬な捜査が多く、現地法を無視した行動が多いため地上の人間からは嫌われている。
独断専行をしても結果は出しているが、その多くの場合において義理の兄や母の情報操作の影がちらついているため地上からの評価は限りなく低い。
ハラオウン派閥の求心力を高めるための広告塔。

高町なのは:
海や空の人間の監督不行届が原因で大怪我を負う。(海の人間の説明不足、空の人間の健康管理の失敗)
レジアスの計らいでジェイル・スカリエッティが治療し再び空を飛べるようになる。
八神はやて、フェイト・T・ハラオウン、ゲンヤ・ナカジマなどの思想に共感し機動六課に所属する。
やはり、陸の現状を認識していないため地上本部を軽視している。
また、空の時の癖が抜けていないため地上における魔法運用の現実を理解していない。
それでもたたき上げの人員であるため陸の人間からはそれなりに評価されているが、大怪我の原因が自己の健康管理の失敗という物であったため、優れた個人であっても優れた統率者ではないと判断されている。
教導官としても、砲撃魔導師としての仮想敵として価値は認められている。教導官としての価値はその一点に集約されていると言っても過言ではない。
対話能力は低く、基本姿勢が武力鎮圧であることから交渉能力や部隊運用能力は限りなく低評価。
それでも分隊長になれた理由は海と空と聖王教会の圧力が原因。
空戦適性の人員を陸から引き抜くための広告塔。




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Prologueと設定は考えたんだけど続きが単調なアンチものになりそうで書く気になれない。
誰かこの設定で続き書かないかな



[19231] ネギま 単なる捏造設定
Name: 地雷屋◆51a910a9 ID:59c68ae5
Date: 2010/11/14 14:17
ネギまの妄想捏造設定
 妄想です。
 自分なりに色々な部分に整合性を与えようとした結果の産物です。
 微妙に型月設定が混じっています。



 魔法世界自体は火星の星霊(星の意思)が地球を真似て生き物を作ろうとしたが、不毛の地であったためにそのままでは炭素基系生物の誕生と発展が不可能であったため、魔力による異界を構築し魔力によって生命を創造した。
 現実の物質を取り込み安定した魔力との混合物質を元に生命を作り、異界の内部を循環する魔力に方向性を与えそれらの流れと法則を管理する高位精霊を作り上げた。
 地球の生物とは発祥が根本的に異なるが、基礎情報は同一であるため交配は可能。
 ただし火星で交配した場合に生まれてくるのは火星種のみである。(火星以外の場合はその世界の幻想種に固定される)

 2600年前に十数名の地球の魔法使いが、自分達の手で妖魔の類が隠れ住む異界を再現しようと試み、実験を重ね続けた異界創造の魔法を大規模展開した際に偶然繋がってしまった異界が後の魔法世界。
 大きさの設定を星とほぼ同規模という広大すぎるものにした上に、その設置場所を明確に定義していなかったために異界は創造されることなく、火星に存在した異界である魔法世界に繋がってしまった。
 異界を創造したと思い込んだ魔法使い達は自分達を創造主とした広大な世界に心奪われて移住を開始する。
 この時、魔法においては地球に比べて劣っている火星種達は地球出身の魔法高いに搾取される下地が構築される事になった。
 また、異界創造の魔法によって魔法世界を構築する星の意思の一部が掌握されてしまいそれを取り込んだ魔法使いは火星種に対する絶対権限を所有する事になり、完全に自分が魔法世界の造物主であると間違った確信を抱いた。
 さらには魔法世界と地球をつなげるゲートは地球を上位に置いた設定であったために魔法世界の魔力(星の生命力)が緩やかにこぼれだし地球に流れはじめた。
 火星の意思はいきなり半身が奪われる事態によって、意識を霧散させてしまい、造物主が自分の権限を拡大させるために星の意思をさらに抑圧した結果、星の意思による自浄作用が無くなり緩やかな崩壊が決定された。
 造物主やそれに連なる魔法使いの子孫達は正当なる王族と名乗り、造物主の庇護の元で亜人種(火星の人類)を支配した幾つもの国家が生まれる。(後のメセンブリーナ連合の加盟国の前身等)
 亜人種として蔑まれた火星種達は魔法を学び、同等の力を得た事から決起し独立戦争を行う。
 この時百年近くにわたる戦争を指揮し戦い抜いた長命種が後のヘラス帝国の祖の血筋となる。(この時に南北に分かれる)
 ウェスペルタティア王国の王族は近親婚を重ね、造物主より受け継ぎし星霊の権限(魔力、魔法の優先権限)を薄れさせることなく継承させた。
 ウェスペルタティアの血筋に造物主と同等の星霊の権限を持つものが現れる。
 ただし、それは創造ではなく破壊系統に特化したものであることから、兵器としての有用性と暴発の危険性を鑑みて封印される。(黄昏の姫巫女誕生)
 兵器としての転用実験の結果空中都市は絶対の防壁を手に入れ魔法世界での影響力を高める。
 勘違いしたままの馬鹿(造物主が)が魔力の枯渇に漸く気付き対策をとろうとするが星の権限は分割され本来の力を失っているためどうにも出来ない。
 さらに管理者である高位精霊を人間の魔法使い達が討伐しその権限を簒奪した事によって構築された上位古代語魔法の存在が崩壊に拍車をかけた。
 どうにも出来ない事を悟り、造物主はせめて旧世界への影響をなくすために「完全なる世界」を組織する。
 目的は旧世界での混乱の抑止、ついでに可能なら旧世界出身者の保護、手段は魔法世界の分解と別の異界での再構成による魔法世界の結果としての保全。
 勿論火星に起源を持つ火星種は人形ではないし、星の加護が残る火星だからこそ生きていけるのに異なる異界に送られれば環境に適応する前に大半が死滅する。
 そもそも異界への転移再構築に火星の魔力(生命力)を使うわけだから、火星の魔力はほぼ枯渇してしまい魔力(星の生命力)的に不毛な地になってしまう。
 →結果、超のいた未来に繋がる。

 地球にある神木や世界樹等の正体不明の巨樹は地球の星霊が火星の星霊を助けるために作り上げた魔力を火星に送還するための存在。
 ただ、送還する際に魔力の一部が周囲に漏れ出し発光現象を引き起こす。
 本来これらの管理は高位精霊に一任されていたが人間がこれを打ち倒し権限を奪ったため無管理状態に移行。
 さらに魔法使い達がこの魔力を利用しようとして次々に枯れて朽ち果てる。
 唯一残ったのは魔法使いの手が及んでいなかった日本の麻帆良にあったものだけだったが、これも魔法使いによって改変され魔力送還機能を大幅に減衰。
 とどめとなったのが超による時空間転移、溜められていた火星由来の膨大な魔力のほとんどが消費されて未来に帰還した結果、魔力の送還が百年単位で不可能になり魔法世界の崩壊が急激に早まる。
 これが超のいた未来に繋がる最後の切っ掛けであり、超の計画が成功しても火星の魔力が大量に消費されるため火星は死の星に変わる事に変わりなし。
 なお、超が過去に移動する際には魔力を無理矢理引き出し使ったために火星は完全に死に以降新たに生命が誕生する事はなくなってしまった。
 →帰還した時には死んだ世界が待っていて原因を調べた結果、絶望と後悔のみが思考を埋め尽くし自殺する。

 世界を救うための条件は奪われた火星の星霊の権限を返還する事、火星の星霊の意識を回復させる事、高位精霊を復活させ魔力の流れを正常に戻す事。

 勘違いした馬鹿やGMKから星霊の権限を回収し、先祖から引き継がれた負債を黄昏の姫巫女から回収し、それらの血に連なる存在からも権限の欠片を回収。
 回収した権限を火星の星霊に返還する事で星霊の意識の復活と地球への魔力の流入が阻止される。
 世界樹の機能を回復させ魔力がある程度返還される事で高位精霊が復活。
 世界が正常な状態に近づき魔法世界の崩壊はとりあえず無くなる。

 アリカは血によって継承される星の権限の欠片を持っていたために魔力の優先順位の上位にいた。(障壁無視の理由)
 アスナは星の権限をかなり持っていたために魔法世界を消失させる事が可能。魔法完全無効化能力はそれからこぼれた異能であり正しくは魔法完全無効化能力者ではない。
 ネギは星の権限の一部を持っていたために世界からの後押しを受ける。(KAIHATURYAKUや様々なSAINOU等の主人公補正がこれにあたる)
 火星に起源を持つ者達の大半は星から与えられた本能によって魔法世界から出ようとしない。(強大な生命力がない限り死んでしまうため)
 魔法世界から旧世界に来て身体を維持出来るのは強力な生命力を持った存在と何らかの形で星の権限を所持している者のみ。
 ラカンがこれた理由は生命力が強かったため、フェイトがこれたのは権限の一部が作成段階で流入したため。(アルビレオは後者)
 GMKに関しては造物主が取り込みきれなかった星の権限を物質状に固めたもの。
 ウェスペルタティアの血筋には造物主が取り込みきれなかった権限の一部が流れている。
 火星種との混血が起こると権限の欠片は火星種を通して星霊に返還されるが、造物主の術式によって純粋な人間が所持する権限は死んだ後も血筋への憑依を行い返還されない。
 その事実(能力の劣化)にいち早く気付いた王族は混血を禁じた。
 アーティファクトに桁違いな程に強力な物がある理由は星の権限が流用されているため。
 旧世界でもアーティファクトを行使できる理由は火星の魔力が流入しているため。
 主人公勢力のアーティファクトがチートなのは星の権限の塊であるアスナが星の権限の欠片を持つネギと契約し、結果として星の後押しが多大に働いてしまうため。

 召喚によって連れてこられる存在は地球に存在する小規模な異界に住む土着の妖魔か、魔法世界のように星によって作られた異界に住む生命。
 魔界は地球と火星以外の天体に構築された惑星規模の異界。



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誰かこれで作品を書いてくれ。


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